JP2001324599A - 放射線画像変換パネル - Google Patents

放射線画像変換パネル

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JP2001324599A
JP2001324599A JP2000139854A JP2000139854A JP2001324599A JP 2001324599 A JP2001324599 A JP 2001324599A JP 2000139854 A JP2000139854 A JP 2000139854A JP 2000139854 A JP2000139854 A JP 2000139854A JP 2001324599 A JP2001324599 A JP 2001324599A
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phosphor
film
moisture
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image conversion
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JP2000139854A
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Takehiko Shoji
武彦 庄子
Satoru Honda
哲 本田
Tomoko Saito
智子 齋藤
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Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 励起用レーザー光の偏光方向の変動による粒
状性の悪化の問題を解決し長期間良好な状態で使用する
ことの出来る放射線画像変換パネルを提供する。 【解決手段】 支持体上に輝尽性蛍光体層が設けられて
なる蛍光体シートの蛍光体表面を被覆する防湿性保護フ
ィルムのクロスニコル法による旋光角0度の方向と励起
レーザー光の偏光方向がなす角度が20°以内になる様
に、該防湿性保護フィルムで蛍光体表面が被覆されてい
ることを特徴とする放射線画像変換パネル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は輝尽性蛍光体を用い
た放射線画像変換パネルに関するものであり、さらに詳
しくは励起用のレーザー光の偏光性による画像ムラが解
消された放射線画像変換パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】X線画像のような放射線画像は病気診断
用などに多く用いられている。このX線画像を得るため
に被写体を通過したX線を蛍光体層(蛍光スクリーン)
に照射し、これにより可視光を生じさせてこの可視光を
通常の写真をとるときと同じように銀塩を使用したフィ
ルムに照射して現像した、いわゆる放射線写真が利用さ
れている。しかし近年銀塩を塗布したフィルムを使用し
ないで蛍光体層から直接画像を取り出す方法が工夫され
るようになった。
【0003】この方法としては被写体を透過した放射線
を蛍光体に吸収せしめ、しかる後この蛍光体を例えば光
又は熱エネルギーで励起することによりこの蛍光体が上
記吸収により蓄積している放射線エネルギーを蛍光とし
て放射せしめ、この蛍光を検出し画像化する方法があ
る。
【0004】具体的には、例えば米国特許3,859,
527号及び特開昭55−12144号公報などに記載
されているような輝尽性蛍光体を用いる放射線画像変換
方法が知られている。
【0005】この方法は輝尽性蛍光体を含有する放射線
画像変換パネルを使用するもので、この放射線画像変換
パネルの輝尽性蛍光体層に被写体を透過した放射線を当
てて被写体各部の放射線透過密度に対応する放射線エネ
ルギーを蓄積させて、その後に輝尽性蛍光体を可視光
線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起す
ることにより、該輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射
線エネルギーを輝尽発光として放出させ、この光の強弱
による信号をたとえば光電変換し、電気信号を得て、こ
の信号を感光フィルムなどの記録材料、CRTなどの表
示装置上に可視像として再生するものである。
【0006】上記の放射線画像記録再生方法によれば、
従来の放射線写真フィルムと増感紙との組合せを用いる
放射線写真法による場合に比較して、はるかに少ない被
曝線量で情報量の豊富な放射線画像を得ることができる
という利点がある。
【0007】このように輝尽性蛍光体は、放射線を照射
した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であ
るが、実用上では、波長が400〜900nmの範囲に
ある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝
尽発光を示す蛍光体が一般的に利用される。
【0008】従来より放射線画像変換パネルに用いられ
てきた輝尽性蛍光体の例としては下記のものが一例とし
て挙げられる。
【0009】(1)特開昭55−12145号公報に記
載されている(Ba1-X,M2+X)Fx:yA(ただし、
2+はMg、Ca、Sr、ZnおよびCdのうちの少な
くとも一つ、XはCl、Br、およびIのうち少なくと
も一つ、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、H
o、Nd、Yb、およびErのうちの少なくとも一つ、
そしてxは、0≦x≦0.6、yは、0≦y≦0.2で
ある)の組成式で表される希土類元素付活アルカリ土類
金属弗化ハロゲン化物蛍光体;また、この蛍光体には以
下のような添加物が含まれていてもよい:特開昭56−
74175号公報に記載されている、X′、BeX″、
3X′′′3(ただし、X′、X″、およびX′′′は
それぞれCl、BrおよびIのうち少なくとも一種であ
り、M3は三価金属である);特開昭55−16007
8号公報に記載されているBeO、BgO、CaO、S
rO、BaO、ZnO、Al23、Y23、La23
In23、SiO2、TiO2、ZrO2、GeO2、Sn
2、Nb2O5、Ta25およびThO2などの金属酸
化物;特開昭56−116777号公報に記載されてい
るZr、Sc;特開昭57−23673号公報に記載さ
れているB;特開昭57−23675号公報に記載され
ているAs、Si;特開昭58−206678号公報に
記載されているM・L(ただし、MはLi、Na、K、
Rb、およびCsからなる群より選ばれる少なくとも一
種のアルカリ金属であり;LはSc、Y、La、Ce、
Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb、Lu、Al、Ga、In、およびTl
からなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であ
る);特開昭59−27980号公報に記載されている
テトラフルオロホウ酸化合物の焼成物;特開昭59−2
7289号公報に記載されているヘキサフルオロケイ
酸、ヘキサフルオロチタン酸およびヘキサフルオロジル
コニウム酸の一価もしくは二価金属の塩の焼成物;特開
昭59−56479号公報に記載されているNaX′
(ただし、X′はCl、BrおよびIのうちの少なくと
も一種である);特開昭59−56480号公報に記載
されているV、Cr、Mn、Fe、CoおよびNiなど
の遷移金属;特開昭59−75200号公報に記載され
ているM1X′、M′2X″、M2X′′′、A(ただ
し、M1はLi、Na、K、Rb、およびCsからなる
群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、
M′2はBeおよびMgからなる群より選ばれる少なく
とも一種の二価金属であり;M2はAl、Ga、In、
およびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三
価金属であり;Aは金属酸化物であり;X′、X″、お
よびX′′′はそれぞれF、Cl、BrおよびIからな
る群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである);
特開昭60−101173号公報に記載されているM1
X′(ただし、M1はRbおよびCsからなる群より選
ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;X′は
F、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲンである);特開昭61−23679
号公報に記載されているM2′X′2・M2′X″2(ただ
し、M2′はBa、SrおよびCaからなる群より選ば
れる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;X′お
よびX″はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より
選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつX′
≠X″である);および特開昭61−264084号明
細書に記載されているLnX″3(ただし、LnはS
c、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、
Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからな
る群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;
X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる
少なくとも一種のハロゲンである); (2)特開昭60−84381号公報に記載されている
22・aM2X′2:xEu2+(ただし、M2はBa、
SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種
のアルカリ土類金属であり;XおよびX′はCl、Br
およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロ
ゲンであって、かつX≠X′であり;そしてaは0.1
≦a≦0.0、xは0<x≦0.2である)の組成式で
表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロゲ
ン化物蛍光体;また、この蛍光体には以下のような添加
物が含まれていてもよい;特開昭60−166379号
公報に記載されているM1X′(ただし、M1はRbおよ
びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカ
リ金属であり;X′はF、Cl、BrおよびIからなる
群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである);特
開昭60−221483号公報に記載されているK
X″、MgX′′′2、M3 X″″3(ただし、M3はS
c、Y、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる
少なくとも一種の三価金属であり;X″、X′′′およ
びX″″はいずれもF、Cl、BrおよびIからなる群
より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである);特開
昭60−228592号公報に記載されているB;特開
昭60−228593号公報に記載されているSi
2、P25等の酸化物;特開昭61−120882号
公報に記載されているLiX″、NaX″(ただし、
X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる
少なくとも一種のハロゲンである);特開昭61−12
0883号公報に記載されているSiO;特開昭61−
120885号公報に記載されているSnX″2(ただ
し、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ば
れる少なくとも一種のハロゲンである);特開昭61−
235486号公報に記載されているCsX″、Sn
X′′′2(ただし、X″およびX′′′はそれぞれ
F、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲンである);および特開昭61−23
5487号公報に記載されているCsX″、Ln3+(た
だし、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選
ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;LnはSc、
Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、YbおよびLuからなる群より選ばれ
る少なくとも一種の希土類元素である); (3)特開昭55−12144号公報に記載されている
LnOX:xA(ただし、LnはLa、Y、Gd、およ
びLuのうち少なくとも一つ;XはCl、Br、および
Iのうち少なくとも一つ;AはCeおよびTbのうち少
なくとも一つ;そして、xは、0<x<0.1である)
の組成式で表される希土類元素付活希土類オキシハライ
ド蛍光体; (4)特開昭58−69281号公報に記載されている
2OX:xCe(ただし、M2はPr、Nd、Pm、S
m、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およ
びBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の酸化金
属であり;XはCl、Br、およびIのうち少なくとも
一つであり;xは0<x<0.1である)の組成式で表
されるセリウム付活三価金属オキシハライド蛍光体; (5)特開昭62−25189号明細書に記載されてい
るM1X:xBi(ただし、M1はRbおよびCsからな
る群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であ
り;XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少
なくとも一種のハロゲンであり;そしてxは0<x≦
0.2の範囲の数値である)の組成式で表されるビスマ
ス付活アルカリ金属ハロゲン化物蛍光体; (6)特開昭60−141783号公報に記載されてい
るM2 5(PO43X:xEu2+(ただし、M2はCa、
SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種
のアルカリ土類金属であり;XはF、Cl、Brおよび
Iからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンで
あり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成
式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハ
ロリン酸塩蛍光体; (7)特開昭60−157099号公報に記載されてい
るM2 2BO3X:xEu2+(ただし、M2はCa、Srお
よびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアル
カリ土類金属であり;XはCl、BrおよびIからなる
群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;xは
0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表され
る二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロホウ酸塩
蛍光体; (8)特開昭60−157100号公報に記載されてい
るM2 2(PO43X:xEu2+(ただし、M2はCa、
SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種
のアルカリ土類金属であり;XはCl、BrおよびIか
らなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであ
り;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式
で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロ
リン酸塩蛍光体; (9)特開昭60−217354号公報に記載されてい
るM2HX:xEu2+(ただし、M2はCa、Srおよび
Baからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ
土類金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;xは0<
x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二
価ユーロピウム付活アルカリ土類金属水素化ハロゲン化
物蛍光体; (10)特開昭61−21173号公報に記載されてい
るLnX3・aLn′X′3:xCe3+(ただし、Lnお
よびLn′はそれぞれY、La、GdおよびLuからな
る群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;
XおよびX′はそれぞれF、Cl、BrおよびIからな
る群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、
かつX≠X′であり;そしてaは0.1<a≦10.0
の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値
である)の組成式で表されるセリウム付活希土類複合ハ
ロゲン化物蛍光体; (11)特開昭61−21182号公報に記載されてい
るLnX3・aM1X′ 3:xCe3+(ただし、Lnは
Y、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少な
くとも一種の希土類元素であり;M1はLi、Na、
K、CsおよびRbからなる群より選ばれる少なくとも
一種のアルカリ金属であり;XおよびX′はそれぞれC
l、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一
種のハロゲンであり;そしてaは0<a≦10.0の範
囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値であ
る)の組成式で表されるセリウム付活希土類複合ハロゲ
ン化物系蛍光体; (12)特開昭61−40390号公報に記載されてい
るLnPO4・aLnX3:xCe3+(ただし、Lnは
Y、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少な
くとも一種の希土類元素であり;XはF、Cl、Brお
よびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲ
ンであり;そしてaは0.1≦a≦10.0の範囲の数
値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の
組成式で表されるセリウム付活希土類ハロ燐酸塩蛍光
体; (13)特開昭61−236888号明細書に記載され
ているCsX:aRbX′:xEu2+(ただし、Xおよ
びX′はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より選
ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaは0
<a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.
2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロ
ピウム付活ハロゲン化セシウム・ルビジウム蛍光体;お
よび (14)特開昭61−236890号明細書に記載され
ているM22・aM1X′:xEu2+(ただし、M2はB
a、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも
一種のアルカリ土類金属であり;M1はLi、Rbおよ
びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカ
リ金属であり;XおよびX′はそれぞれCl、Brおよ
びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン
であり;そしてaは0.1≦a≦20.0の範囲の数値
であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組
成式で表される二価ユーロピウム付活複合ハロゲン化物
蛍光体;を挙げることができる。
【0010】上記の輝尽性蛍光体のうちで、ヨウ素を含
有する二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属弗化ハロ
ゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム
付活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を
含有する希土類元素付活希土類オキシハロゲン化物系蛍
光体、およびヨウ素を含有するビスマス付活アルカリ金
属ハロゲン化物系蛍光体は高輝度の輝尽発光を示す。
【0011】これらの輝尽性蛍光体を使用した放射線画
像変換パネルは、放射線画像情報を蓄積した後、励起光
の走査によって蓄積エネルギーを放出するので、走査後
に再度放射線画像の蓄積を行うことができ繰り返し使用
が可能である。つまり従来の放射線写真法では一回の撮
影ごとに放射線写真フィルムを消費するのに対して、こ
の放射線画像変換方法では放射線画像変換パネルを繰り
返し使用するので、資源保護、経済効率の面からも有利
である。
【0012】そこで、放射線画像変換パネルには得られ
る放射線画像の画質を劣化させることなく長期間の使用
に耐える性能を付与することが望ましい。
【0013】しかし放射線画像変換パネルの製造に用い
られる輝尽性蛍光体は一般に吸湿性が大であり、通常の
気候条件の室内に放置すると空気中の水分を吸収し、時
間の経過とともに著しく劣化する。
【0014】具体的には、たとえば輝尽性蛍光体を高湿
度のもとに置くと、吸収した水分の増大にともなって前
記蛍光体の放射線感度が低下する。また一般には輝尽性
蛍光体に記録された放射線画像の潜像は、放射線照射後
の時間の経過にともなって退行するため、再生される放
射線画像信号の強度は放射線照射から励起光による走査
までの時間が長いほど小さくなるという性質を有する
が、輝尽性蛍光体が吸湿すると前記潜像退行の速さが速
くなる。そのため、吸湿した輝尽性蛍光体を有する放射
線画像変換パネルを用いると、放射線画像の読み取り時
再生信号の再現性が低下する。
【0015】従来、輝尽性蛍光体の吸湿による前記の劣
化現象を防止するには、透湿度の低い防湿性保護層で輝
尽性蛍光体層を被覆することにより該蛍光体層に到達す
る水分を低減させる方法がとられている。防湿性保護層
としてはポリエチレンテレフタレート(PET)フィル
ムやポリエチレンテレフタレートフィルム上に金属酸化
物、窒化珪素などの薄膜を蒸着したフィルムが使用され
る。
【0016】輝尽性蛍光体プレートの励起光の光源とし
ては一般にビーム収束性の高いレーザー光が用いられる
が、PET等の高分子フィルムからなる防湿性保護層や
高分子透明支持体上を介してレーザー光で走査された場
合、フィルムの複屈折による旋光によりレーザー光の偏
光状態が防湿性保護層の厚みムラやレーザー光の入射角
度の違いによって変動するために、出力画像の粒状性が
悪化するという問題点があった。
【0017】とくに、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムやポリエチレンナフタレートフィルム等の延伸加工
されたフィルムは、透明性、バリア性、強さの面で保護
層や支持体として優れた物性を有するにも関わらず、複
屈折性が大であるために出力画像の粒状性が悪化してし
まう。
【0018】この粒状性の悪化がひどい場合は、病気診
断用に使用される放射線画像変換パネルにとっては致命
的な欠陥となる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、励起
用レーザー光の偏光方向の変動による粒状性の悪化の問
題を解決し長期間良好な状態で使用することの出来る放
射線画像変換パネルを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成された。
【0021】1.支持体上に輝尽性蛍光体層が設けられ
てなる蛍光体シートの蛍光体表面を被覆する防湿性保護
フィルムのクロスニコル法による旋光角0度の方向と励
起レーザー光の偏光方向がなす角度が20°以内になる
様に、該防湿性保護フィルムで蛍光体表面が被覆されて
いることを特徴とする放射線画像変換パネル。
【0022】2.透明支持体上に輝尽性蛍光体層が設け
られてなる蛍光体シートの該透明支持体のクロスニコル
法による旋光角0度の方向と励起レーザー光の偏光方向
がなす角度が20°以内になる様に該支持体上に蛍光体
層が設けられていることを特徴とする放射線画像変換パ
ネル。
【0023】3.支持体上に輝尽性蛍光体層が設けられ
てなる蛍光体シートと該蛍光体シートの上下に配置され
該蛍光体シートの蛍光体層と実質的に接着しておらず周
縁が前記蛍光体シートの周縁より外側にあり、該蛍光体
シートの全表面を被覆するように設けられた防湿性保護
フィルムからなることを特徴とする前記1記載の放射線
画像変換パネル。
【0024】4.防湿性保護フィルムが2種以上の樹脂
フィルムを少なくとも2層以上積層してなる積層フィル
ムであって、蛍光体シートに接する側の最外層の樹脂層
が熱融着性を有する樹脂で構成されることを特徴とする
前記1又は3記載の放射線画像変換パネル。
【0025】5.支持体がポリエチレンテレフタレート
またはポリエチレンナフタレートであることを特徴とす
る前記1又は2記載の放射線画像変換パネル。
【0026】以下に本発明を更に詳しく説明する。防湿
性保護フィルムにより蛍光体プレートを封止するにあた
っては既知どのような方法でもかまわないが、防湿性保
護フィルムの蛍光体シートに接する側の最外層の樹脂層
を熱融着性を有する樹脂フィルムとすることで防湿性保
護フィルムが融着可能となり蛍光体シートの封止作業が
効率化される。
【0027】好ましくは、蛍光体シートの上下に防湿性
保護フィルムを配置し、その周縁が前記蛍光体シートの
周縁より外側にある領域で該上下の防湿性保護フィルム
が融着している封止構造とすることで蛍光体シートの外
周部からの水分進入も阻止できる。さらに支持体面側の
防湿性保護フィルムが1層以上のアルミフィルムをラミ
ネートしてなる積層防湿フィルムとすること(図1参
照)でより確実に水分の進入を低減できる。またこの封
止方法は作業的にも容易である。
【0028】またこの場合、防湿性保護フィルムの蛍光
体面に接する側の最外層の熱融着性を有する樹脂層と蛍
光体面は接着していても接着していなくてもかまわな
い。
【0029】接着していない状態とは、微視的には蛍光
体面と防湿性保護フィルムは点接触してはいたとして
も、光学的、力学的には殆ど蛍光体面と防湿性保護フィ
ルムは不連続体として扱える状態のことである。
【0030】またここで言う熱融着性フィルムとは、一
般に使用されるインパルスシーラーで融着可能な樹脂フ
ィルムのことで、たとえばエチレン酢酸ビニルコポリマ
ー(EVA)やポリプロペレン(PP)フィルム、ポリ
エチレン(PE)フィルム等があげられるがこれに限ら
れたものではない。
【0031】透明支持体を使用した場合は、蛍光体面側
にバリア性フィルムを融着することで水分の進入を低減
できる。またこの場合は、透明支持体を介して励起用レ
ーザー光で走査できるので、蛍光体面側には不透明であ
るが実質上透湿が0であるアルミラミネートフィルム等
が使用できる。また蛍光体シートの外周部もバリア性の
高いアクリル系の樹脂等を塗設しておくことがより好ま
しい。
【0032】本発明で言うクロスニコル法による旋光角
0度の方向とは、偏光板2枚をクロスニコル(偏光軸を
直角)に置き、その偏光板の間にフィルム(保護フィル
ム、透明支持体)を挟み込み、フィルムを回転した場合
に透過光量が最小になったときの偏光軸方向のことであ
る。
【0033】また本発明で言う励起レーザー光の偏光方
向とは、輝尽性蛍光体プレートの励起光の光源としては
一般にビーム収束性の高い半導体レーザー光が用いられ
るが、このレーザーの直線偏光の偏波面の方向のことで
ある。
【0034】何故、フィルムの複屈折によるレーザー光
の偏光状態変動により、出力画像の粒状性が悪化するか
は明確ではないが、輝尽性蛍光体の発光量が偏光性によ
って変化するためと推測される。
【0035】特に高分子フィルムとしてポリエチレンテ
レフタレートやポリエチレンナフタレートフィルム等の
延伸フィルムを使用した場合は、フィルムの使用角度に
よっては、粒状性が大きく悪化し、病気診断用に使用さ
れる再生画像としては許容できなくなる。
【0036】このような問題点を解決すべく鋭意検討す
るなかで、本発明者らはフィルムのクロスニコル法によ
る旋光角0度の方向と励起レーザー光の偏光方向がなす
角度が20°以内になる様に、該防湿性保護フィルムや
透明支持体を配置することで、粒状性の問題が解消され
ることを見いだした。
【0037】透明高分子フィルムを本発明の条件で配置
することで、フィルムの複屈折によるレーザー光の偏光
状態変動が最小に押さえられ粒状性が向上するものと考
えられる。
【0038】透明高分子フィルムとしてポリエチレンテ
レフタレートやポリエチレンナフタレートフィルム等の
延伸フィルムを使用した場合は、フィルム幅方向で旋光
角0度の方向が変化するが、蛍光体と接する範囲におい
て、フィルムのクロスニコル法による旋光角0度の方向
と励起レーザー光の偏光方向がなす角度が20°以内で
あれば本発明の効果が得られる。
【0039】本発明に使用する前記防湿性保護フィルム
は必要とされる防湿性にあわせて、高分子フィルムや蒸
着フィルムを複数枚積層することで最適な防湿性とする
ことができる。この場合の積層方法としては、一般に知
られているどのような方法でもかまわない。
【0040】前記防湿性保護フィルムが高分子フィルム
や蒸着フィルムを複数枚積層することで作製された場合
は、防湿性保護フィルムを構成する各フィルムの旋光角
0度の方向は同一であるとは限らない、そのため積層後
のフィルムのクロスニコル法による透過光量パターン
は、単層フィルムに比べて複雑になることがあるが、こ
の場合も旋光角0度の方向とはフィルムを回転した場合
に透過光量が最小になる方向のことである。
【0041】より好ましくは防湿性保護フィルムを複数
枚積層するにあたって、防湿性保護フィルムを構成する
各フィルムの旋光角0度の方向がそろっているものを使
用すれば、積層後の旋光角0度の方向が予め予測でき都
合がよい。
【0042】特に、ポリエチレンテレフタレートやポリ
エチレンナフタレートフィルム等の延伸フィルムでは、
その製膜幅の中央は、旋光角0度の方向がフィルム製膜
方向(MD方向)と一致しているため、この付近を使用
することで、旋光角0度の方向がフィルム製膜方向と一
致した防湿性保護フィルムを得ることができる。
【0043】本発明の放射線画像変換パネルにおいて用
いられる支持体としては各種高分子材料が用いられる。
特に情報記録材料としての取り扱い上可撓性のあるシー
トあるいはウェブに加工できるものが好適であり、この
点からいえばセルロースアセテートフィルム、ポリエス
テルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、
ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアミドフィル
ム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポ
リカーボネートフィルム等のプラスチックフィルムが好
ましい。
【0044】また、これら支持体の層厚は用いる支持体
の材質等によって異なるが、一般的には80μm〜10
00μmであり、取り扱い上の点から、さらに好ましく
は80μm〜500μmである。
【0045】これらの支持体の表面は滑面であってもよ
いし、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的でマ
ット面としてもよい。
【0046】さらに、これら支持体は、輝尽性蛍光体層
との接着性を向上させる目的で輝尽性蛍光体層が設けら
れる面に下引層を設けてもよい。
【0047】本発明において輝尽性蛍光体層に用いられ
る結合剤の例としては、ゼラチン等の蛋白質、デキスト
ラン等のポリサッカライド、またはアラビアゴムのよう
な天然高分子物質;および、ポリビニルブチラール、ポ
リ酢酸ビニル、ニトロセルロース、エチルセルロース、
塩化ビニリデン・塩化ビニルコポリマー、ポリアルキル
(メタ)アクリレート、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリ
マー、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレー
ト、ポリビニルアルコール、線状ポリエステルなどのよ
うな合成高分子物質などにより代表される結合剤を挙げ
ることができる。このような結合剤の中で特に好ましい
ものは、ニトロセルロース、線状ポリエステル、ポリア
ルキル(メタ)アクリレート、ニトロセルロースと線状
ポリエステルとの混合物、ニトロセルロースとポリアル
キル(メタ)アクリレートとの混合物およびポリウレタ
ンとポリビニルブチラールとの混合物である。なお、こ
れらの結合剤は架橋剤によって架橋されたものであって
もよい。輝尽性蛍光体層は、例えば、次のような方法に
より下塗層上に形成することができる。
【0048】まず輝尽性蛍光体、および結合剤を適当な
溶剤に添加し、これらを充分に混合して結合剤溶液中に
蛍光体粒子および該化合物の粒子が均一に分散した塗布
液を調製する。
【0049】一般に結合剤は輝尽性蛍光体1質量部に対
して0.01乃至1質量部の範囲で使用される。しかし
ながら得られる放射線画像変換パネルの感度と鮮鋭性の
点では結合剤は少ない方が好ましく、塗布の容易さとの
兼合いから0.03乃至0.2質量部の範囲がより好ま
しい。
【0050】輝尽性蛍光体層用塗布液の調製に用いられ
る溶剤の例としては、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、n−ブタノール等の低級アルコール、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノン等のケトン、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸n−ブチル等の低級脂肪酸と低級アルコールと
のエステル、ジオキサン、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルな
どのエーテル、トリオール、キシロールなどの芳香族化
合物、メチレンクロライド、エチレンクロライドなどの
ハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物などが挙げら
れる。
【0051】なお、塗布液には、該塗布液中における蛍
光体の分散性を向上させるための分散剤、また、形成後
の輝尽性蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結
合力を向上させるための可塑剤などの種々の添加剤が混
合されていてもよい。そのような目的に用いられる分散
剤の例としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン
酸、親油性界面活性剤などを挙げることができる。そし
て可塑剤の例としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリク
レジル、燐酸ジフェニルなどの燐酸エステル;フタル酸
ジエチル、フタル酸ジメトキシエチル等のフタル酸エス
テル;グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール
酸ブチルフタリルブチルなどのグリコール酸エステル;
そして、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリ
エステル、ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエ
ステルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸
とのポリエステルなどを挙げることができる。
【0052】上記のようにして調製された塗布液を、次
に下塗層の表面に均一に塗布することにより塗布液の塗
膜を形成する。この塗布操作は、通常の塗布手段、例え
ば、ドクターブレード、ロールコーター、ナイフコータ
ーなどを用いることにより行なうことができる。
【0053】次いで、形成された塗膜を徐々に加熱する
ことにより乾燥して、下塗層上への輝尽性蛍光体層の形
成を完了する。輝尽性蛍光体層の層厚は、目的とする放
射線画像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類、結合
剤と蛍光体との混合比などによって異なるが、通常は2
0μm乃至1mmとする。ただし、この層厚は50乃至
500μmとするのが好ましい。
【0054】輝尽性蛍光体層用塗布液の調製は、ボール
ミル、サンドミル、アトライター、三本ロールミル、高
速インペラー分散機、Kadyミル、および超音波分散
機などの分散装置を用いて行なわれる。調製された塗布
液をドクターブレード、ロールコーター、ナイフコータ
ーなどの塗布液を用いて支持体上に塗布し、乾燥するこ
とにより輝尽性蛍光体層が形成される。
【0055】本発明の放射線画像変換パネルの輝尽性蛍
光体層の膜厚は目的とする放射線画像変換パネルの特
性、輝尽性蛍光体の種類、結合剤と輝尽性蛍光体との混
合比等によって異なるが、10μm〜1000μmの範
囲から選ばれるのが好ましく、10μm〜500μmの
範囲から選ばれるのがより好ましい。
【0056】支持体上に蛍光体層が塗設された蛍光体シ
ートを所定の大きさに断裁する。断裁にあたっては一般
のどのような方法でも可能であるが、作業性、精度の面
から化粧断裁機、打ち抜き機等が望ましい。
【0057】所定の大きさに断裁された蛍光体シートを
防湿性保護フィルムで封止するには既知のいかなる方法
も使用できるが、例をあげると蛍光体シートを上下の防
湿性保護フィルムの間に挟み周縁部をインパルスシーラ
ーで加熱融着する方法、や2本の加熱したローラー間で
加圧加熱するラミネート方式等が挙げられる。
【0058】上記インパルスシーラーで加熱融着する方
法においては、減圧環境下で加熱融着することが、蛍光
体シートの防湿性保護フィルム内での位置ずれ防止や大
気中の湿気を排除する意味でより好ましい。
【0059】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を例証する。
【0060】実施例1 ユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウムの輝尽性蛍光体前
駆体を合成するために、BaI2水溶液(3.6mol
/L)2780mlとEuI3水溶液(0.2mol/
L)27mlを反応器に入れた。この反応器中の反応母
液を撹拌しながら83℃で保温した。弗化アンモニウム
水溶液(8mol/L)322mlを反応母液中にロー
ラーポンプを用いて注入し、沈澱物を生成させた。注入
終了後も保温と撹拌を2時間続けて沈澱物の熟成を行な
った。次に沈澱物をろ別後、エタノールにより洗浄した
後真空乾燥させてユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウム
の結晶を得た。焼成時の焼結により粒子形状の変化、粒
子間融着による粒子サイズ分布の変化を防止するため
に、アルミナの超微粒子粉体を0.2質量%添加し、ミ
キサーで充分撹拌して、結晶表面にアルミナの超微粒子
粉体を均一に付着させた。これを石英ボートに充填し
て、チューブ炉を用いて水素ガス雰囲気中、850℃で
2時間焼成してユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウム蛍
光体粒子を得た。次に上記蛍光体粒子を分級することに
より平均粒径7μmの粒子を得た。
【0061】蛍光体層形成材料として、上記で得たユー
ロピウム付活弗化ヨウ化バリウム蛍光体427g、ポリ
ウレタン樹脂(住友バイエルウレタン社製、デスモラッ
ク4125)15.8g、ビスフェノールA型エポキシ
樹脂2.0gをメチルエチルケトン−トルエン(1:
1)混合溶媒に添加し、プロペラミキサーによって分散
し、粘度25〜30Pa・sの塗布液を調製した。この
塗布液をドクターブレードを用いて厚さ100μmの黒
色PET支持体上に塗布したのち、100℃で15分間
乾燥させて、230μmの厚さの蛍光体層を形成した
後、封止フィルムの旋光角0度の方向と励起レーザー光
の偏光方向が表1で示した条件になるように封止した。
【0062】(蛍光体シートの封止)上記塗布サンプル
を20cm×20cmの正方形に断裁し、下記(A)で
示したアルミナ蒸着PET樹脂層を含む積層保護フィル
ムを使用し、減圧下で周縁部をインパルスシーラーを用
いて融着することで封止した。図1に本発明の放射線画
像変換パネルの断面図を示す。
【0063】尚、融着部から蛍光体シート周縁部までの
距離は1mmとなるように融着した。融着に使用したイ
ンパルスシーラーのヒーターは3mm幅のものを使用し
た。
【0064】蛍光体シートの支持体面側の保護フィルム
は、キャステングポリプロプレン(CPP)30μm/
アルミフィルム9μm/ポリエチレンテレフタレート
(PET)188μmの構成のドライラミネートフィル
ムとした。またこの場合の接着剤層の厚みは1.5μm
で2液反応型のウレタン系接着剤を使用した。(A)の
中のVMPETはアルミナ蒸着PET(市販品:東洋メ
タライジング社製)を示している。
【0065】(A) VMPET12///VMPET
12///PET///CPP20 PET(ポリエチレンテレフタレート) CPP(キャステングポリプロプレン) 上記“///”はドライラミネーション接着層で接着剤
層の厚みが3.0μmであることを示す。
【0066】各樹脂フィルムの後ろの数字はフィルムの
膜厚(μm)を示す。VMPET及びPETは幅手中央
部の旋光角0度の方向がフィルム製膜方向(MD方向)
と一致したものを使用し、CPPフィルムの旋光角0度
の方向は、幅方向によらずどの位置でも旋光角0度の方
向がフィルム製膜方向(MD方向)と一致していた。
【0067】このように積層し作製した積層防湿保護フ
ィルム(幅50cm)における旋光角0度の方向はフィ
ルム製膜方向(MD方向)と一致しており、この50c
m幅においては幅方向の旋光角0度の方向の幅方向分布
はなかった。
【0068】(放射線画像変換パネルの評価) 粒状性の評価 粒状性の測定は作製した放射線画像変換パネル試料に管
電圧80kVpのX線を均一に照射した後、実防湿保護
層側から、パネルを半導体レーザー光(690nm)で
走査して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受
光器で受光し、電気信号に変換し、この電気信号の平均
値をSとし、この平均強度Sからずれる信号(構造的信
号ノイズ)を2乗平均の平方根値Nとして、 20×log10(S/N) dB を計算し、この計算値にもとづいて粒状性を評価し、表
1に結果を記した。
【0069】尚、それぞれ試料2の粒状性の基準値を0
として表示してある。
【0070】
【表1】
【0071】表1から明らかなように、本発明の試料
は、優れた性能を示す。 実施例2 実施例1と同様に作製した塗布液をドクターブレードを
用いて厚さ100μmの透明PET支持体上に塗布し、
100℃で15分間乾燥させて、230μmの厚さの蛍
光体層を形成した後、上記塗布サンプルを、支持体フィ
ルムの旋光角0度の方向と励起レーザー光の偏光方向が
表2で示した条件になるような角度で20cm×20c
mの正方形に断裁し、キャステングポリプロプレン(C
PP)30μm/アルミフィルム9μm/ポリエチレン
テレフタレート(PET)188μmの構成のドライラ
ミネートフィルムを蛍光体面側に加圧加熱し融着した。
【0072】このとき使用した100μmの透明PET
支持体は40cm幅であり、この幅においては旋光角0
度の方向は、幅方向によらずどの位置もフィルム製膜方
向(MD方向)に対し30°の方向であった。
【0073】(放射線画像変換パネルの評価) 粒状性の評価 粒状性の測定は作製した放射線画像変換パネル試料に管
電圧80kVpのX線を均一に照射した後、透明支持体
側から、パネルを半導体レーザー光(690nm)で走
査して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光
器で受光し、電気信号に変換し、この電気信号の平均値
をSとし、この平均強度Sからずれる信号(構造的信号
ノイズ)を2乗平均の平方根値Nとして、 20×log10(S/N) dB を計算し、この計算値にもとづいて粒状性を評価し、表
2に結果を記した。尚、それぞれ試料12の粒状性の基
準値を0として表示してある。
【0074】
【表2】
【0075】表2から明らかなように、本発明の試料
は、優れた性能を示す。
【0076】
【発明の効果】本発明により、励起用レーザー光の偏光
方向の変動による粒状性の悪化の問題を解決し長期間良
好な状態で使用することの出来る放射線画像変換パネル
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放射線画像変換パネルの断面図であ
る。
【符号の説明】
11 蛍光体 12 支持体 13 積層保護フィルム 14 アルミラミネートフィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G083 AA03 CC01 CC04 CC07 DD01 DD16 DD18 EE01 EE02 EE07 EE08 2H013 AC01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に輝尽性蛍光体層が設けられて
    なる蛍光体シートの蛍光体表面を被覆する防湿性保護フ
    ィルムのクロスニコル法による旋光角0度の方向と励起
    レーザー光の偏光方向がなす角度が20°以内になる様
    に、該防湿性保護フィルムで蛍光体表面が被覆されてい
    ることを特徴とする放射線画像変換パネル。
  2. 【請求項2】 透明支持体上に輝尽性蛍光体層が設けら
    れてなる蛍光体シートの該透明支持体のクロスニコル法
    による旋光角0度の方向と励起レーザー光の偏光方向が
    なす角度が20°以内になる様に該支持体上に蛍光体層
    が設けられていることを特徴とする放射線画像変換パネ
    ル。
  3. 【請求項3】 支持体上に輝尽性蛍光体層が設けられて
    なる蛍光体シートと該蛍光体シートの上下に配置され該
    蛍光体シートの蛍光体層と実質的に接着しておらず周縁
    が前記蛍光体シートの周縁より外側にあり、該蛍光体シ
    ートの全表面を被覆するように設けられた防湿性保護フ
    ィルムからなることを特徴とする請求項1記載の放射線
    画像変換パネル。
  4. 【請求項4】 防湿性保護フィルムが2種以上の樹脂フ
    ィルムを少なくとも2層以上積層してなる積層フィルム
    であって、蛍光体シートに接する側の最外層の樹脂層が
    熱融着性を有する樹脂で構成されることを特徴とする請
    求項1又は3記載の放射線画像変換パネル。
  5. 【請求項5】 支持体がポリエチレンテレフタレートま
    たはポリエチレンナフタレートであることを特徴とする
    請求項1又は2記載の放射線画像変換パネル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006038829A (ja) * 2004-06-22 2006-02-09 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 放射線画像変換パネル
WO2008111379A1 (ja) * 2007-03-13 2008-09-18 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. シンチレータパネル及び放射線フラットパネルディテクター

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