JP2002277998A - 放射線画像撮影方法 - Google Patents

放射線画像撮影方法

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JP2002277998A
JP2002277998A JP2001073793A JP2001073793A JP2002277998A JP 2002277998 A JP2002277998 A JP 2002277998A JP 2001073793 A JP2001073793 A JP 2001073793A JP 2001073793 A JP2001073793 A JP 2001073793A JP 2002277998 A JP2002277998 A JP 2002277998A
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phosphor
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Takafumi Yanagida
貴文 柳多
Kuniaki Nakano
中野  邦昭
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Konica Minolta Inc
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  • Conversion Of X-Rays Into Visible Images (AREA)
  • Measurement Of Radiation (AREA)
  • Radiography Using Non-Light Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 輝度が高く、良好な鮮鋭度を示す画像が得ら
れる放射線画像撮影方法を提供する。 【解決手段】 支持体上に輝尽性蛍光体層を有する放射
線画像変換パネルを用いる放射線画像撮影方法におい
て、X線照射時、支持体のもう一方の側から被写体を介
して該輝尽性蛍光体層にX線を照射し、読み取りは前記
輝尽性蛍光体層側から行い、且つ、該被写体を通過した
X線の吸収率比が画像診断領域において、6以上である
ことを特徴とする放射線画像撮影方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放射線画像撮影方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】X線画像のような放射線画像は病気診断
用などに多く用いられている。このX線画像を得るため
に被写体を通過したX線を蛍光体層(蛍光スクリーン)
に照射し、これにより可視光を生じさせてこの可視光を
通常の写真をとるときと同じように銀塩を使用したフィ
ルムに照射して現像した、いわゆる放射線写真が利用さ
れている。しかし近年銀塩を塗布したフィルムを使用し
ないで蛍光体層から直接画像を取り出す方法が工夫され
るようになった。
【0003】この方法としては被写体を透過した放射線
を蛍光体に吸収せしめ、しかる後この蛍光体を例えば光
又は熱エネルギーで励起することによりこの蛍光体が上
記吸収により蓄積している放射線エネルギーを蛍光とし
て放射せしめ、この蛍光を検出し画像化する方法があ
る。
【0004】具体的には、例えば米国特許3,859,
527号及び特開昭55−12144号公報などに記載
されているような輝尽性蛍光体を用いる放射線画像変換
方法が知られている。
【0005】この方法は輝尽性蛍光体を含有する放射線
画像変換パネルを使用するもので、この放射線画像変換
パネルの輝尽性蛍光体層に被写体を透過した放射線を当
てて被写体各部の放射線透過密度に対応する放射線エネ
ルギーを蓄積させて、その後に輝尽性蛍光体を可視光
線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起す
ることにより、該輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射
線エネルギーを輝尽発光として放出させ、この光の強弱
による信号をたとえば光電変換し、電気信号を得て、こ
の信号を感光フィルムなどの記録材料、CRTなどの表
示装置上に可視像として再生するものである。
【0006】上記の放射線画像記録再生方法によれば、
従来の放射線写真フィルムと増感紙との組合せを用いる
放射線写真法による場合に比較して、はるかに少ない被
曝線量で情報量の豊富な放射線画像を得ることができる
という利点がある。
【0007】このように輝尽性蛍光体は、放射線を照射
した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であ
るが、実用上では、波長が400〜900nmの範囲に
ある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝
尽発光を示す蛍光体が一般的に利用される。
【0008】中でも、ヨウ素を含有する二価ユーロピウ
ム付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体、ヨ
ウ素を含有する二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属
ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する希土類元素付
活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、およびヨウ素を
含有するビスマス付活アルカリ金属ハロゲン化物系蛍光
体は高輝度の輝尽発光を示す。
【0009】これらの輝尽性蛍光体を使用した放射線画
像変換パネルは、放射線画像情報を蓄積した後、励起光
の走査によって蓄積エネルギーを放出するので、走査後
に再度放射線画像の蓄積を行うことができ繰り返し使用
が可能である。つまり従来の放射線写真法では一回の撮
影ごとに放射線写真フィルムを消費するのに対して、こ
の放射線画像変換方法では放射線画像変換パネルを繰り
返し使用するので、資源保護、経済効率の面からも有利
である。
【0010】しかしながら、従来のようにX線照射を輝
尽性蛍光体層側から行う撮影方法では、X線照射装置と
輝尽性蛍光を読みとる装置が合体した形態となるため、
装置全体が大きくなりやすく、装置の設置場所として広
い占有スペースが必要であり、且つ、読み取り後の作業
効率の観点からも問題が多かった。
【0011】また、このような、X線を蛍光体層側より
入射させ、蛍光体層側の読み取りを行う方式の場合、蛍
光体層側には人体等の被写体が存在するため、カセット
型にして別の場所で読みとったり、パネルを搬送して別
の場所で読みとる方式が一般的である。しかし、これら
の方式だと撮影から読み取りまでに時間がかかり、集団
検診等を短時間に行うことができない等の問題点が指摘
されていた。
【0012】そこで、最近では、X線撮影装置のコンパ
クト化、また、撮影時の作業効率の向上への市場ニーズ
から、従来のように、X線照射を輝尽性蛍光体層側から
行う方式ではなく、支持体側からX線を照射し、次い
で、X線照射とは反対側の蛍光体層側より読みとる方法
が提案された。この方法のように、裏側からX線を入射
し、表側から読みとる方式だとパネルを移動することな
く、すぐに読みとれるため、短時間に多くの被写体を撮
影できるメリットがある。
【0013】しかしながら、上記記載においては、支持
体として、ガラスや金属板といったX線吸収が大きい物
や、X線を散乱させる物質が紹介されている。これらの
物質を蛍光体層よりX線照射側に設置すると、X線吸収
が大きい場合はX線情報が低減し、輝尽性蛍光体パネル
の輝度が劣化する。またX線散乱が多い物を使用すると
画像がぼけやすくなり、鮮鋭性が劣化しやすいという問
題が生じた。また、PETベースのみではパネルを平滑
に保持できないため、画像上にムラが生じやすい等の問
題点が指摘されていた。
【0014】上記記載のような問題点は、画像の輝度、
解像度(鮮鋭度ともいう)が低減しやすく、また、描写
能が落ちやすい為に、診断性能の一層の向上が求められ
ている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、輝度
が高く、良好な鮮鋭度を示す画像が得られる放射線画像
撮影方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記の項目1〜3によって達成された。
【0017】1.支持体上の一方の側に、高分子樹脂中
に輝尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層を有する放射
線画像変換パネルを用いる放射線画像撮影方法におい
て、X線照射時、該支持体のもう一方の側から被写体を
介して該輝尽性蛍光体層にX線が照射され、前記輝尽性
蛍光体層側から読み取りを行い、且つ、該被写体を通過
した該X線の前記式(1)で表される、画像診断領域に
おけるX線吸収率比が6以上であることを特徴とする放
射線画像撮影方法。
【0018】2.支持体がプラスチックフィルムであ
り、放射線画像変換パネルの保持部材としてカーボンフ
ァイバーを有する保持部材を用いることを特徴とする前
記1に記載の放射線画像撮影方法。
【0019】3.輝尽性蛍光体がEu付活BaFIであ
ることを特徴とする前記1または2に記載の放射線画像
撮影方法。
【0020】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
放射線画像撮影方法について説明する。
【0021】本発明者等は、上記記載の問題点を解決す
るために種々検討した結果、被写体を通過したX線の吸
収率が画像診断領域において、前記式(1)で表される
X線吸収率比が9以上になるように調整し、撮影を行う
ことにより、X線情報の低減を抑制し、且つ、画像ボケ
などのない良好な画像を得ることに成功した。
【0022】画像領域外であれば、画像への影響はない
ため、フォトタイマー等のX線を吸収するような部材を
適宜、配置してもよい。
【0023】本発明に記載の効果を得る観点から、前記
式(1)で表されるX線吸収率比は6以上であることが
必要であるが、好ましくは6〜50であり、さらに好ま
しくは8〜30である。
【0024】ここで、前記式(1)で表されるX線吸収
率比は、市販のX線量測定装置を用いて測定できる。本
発明においては、線量計として、RAMTEC1000
plus(東洋メディティック(株)製)を用いて測定
した。
【0025】本発明の放射線画像撮影方法を図1を用い
て具体的に説明する。図1は、本発明の放射線画像撮影
方法の一例を示す模式図である。
【0026】図1において、41は放射線発生装置(具
体的には、X線発生装置)、42は被写体、43は放射
線画像変換パネル、44は輝尽励起光源、45は前記変
換パネルより放射された輝尽発光を検出する光電変換装
置、46は45で検出された信号を画像として再生す
る、放射線画像再生装置、47は再生された画像を表示
する、放射線画像表示装置、48は輝尽励起光と輝尽蛍
光とを分離し、輝尽蛍光のみを透過させるフィルタであ
る。
【0027】図1に示すように、放射線発生装置41か
らの放射線Rは被写体42を通して放射線画像変換パネ
ル43に入射する。入射された前記放射線Rは、保持部
材43c、支持体43bを通過した後、輝尽性蛍光体層
43aに到達する。
【0028】到達した放射線Rは放射線画像変換パネル
43の輝尽性蛍光体層43aに吸収され、そのエネルギ
ーが蓄積され、放射線透過像の蓄積像が形成される。
【0029】次にこの蓄積像を輝尽励起光源44からの
輝尽励起光で励起して輝尽発光として放出させる。
【0030】放射される輝尽発光の強弱は蓄積された放
射線エネルギー量に比例するので、この光信号を例え
ば、光電子倍増管等の光電変換装置45で光電変換し、
放射線画像再生装置46によって画像として再生し、放
射線画像表示装置47によって表示することにより、被
写体の放射線透過像を観察する。
【0031】本発明に係る輝尽性蛍光体層、輝尽性蛍光
体について説明する。本発明の放射線画像変換パネルに
用いられる輝尽性蛍光体としては下記のものが一例とし
て挙げられる。
【0032】(1)特開昭55−12145号に記載さ
れている(Ba1−X,M(II)+X)FX:yA、
(式中、M(II)はMg、Ca、Sr、ZnおよびCd
のうちの少なくとも一つ、XはCl、Br、およびIの
うち少なくとも一つ、AはEu、Tb、Ce、Tm、D
y、Pr、Ho、Nd、Yb、およびErのうちの少な
くとも一つ、そしては、0≦x≦0.6、yは、0≦y
≦0.2である)の組成式で表される希土類元素付活ア
ルカリ土類金属弗化ハロゲン化物蛍光体;また、この蛍
光体には以下のような添加物が含まれていてもよい。
【0033】(a)特開昭56−74175号に記載さ
れている、X′、BeX″、M(III)X′′′3、式
中、X′、X″、およびX′′′はそれぞれCl、Br
およびIの少なくとも一種であり、M(III)は三価金
属である; (b)特開昭55−160078号に記載されているB
eO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Al
23、Y23、La23、In23、SiO2、Ti
2、ZrO2、GeO2、SnO2、Nb25、Ta25
およびThO2などの金属酸化物; (c)特開昭56−116777号に記載されているZ
r、Sc; (d)特開昭57−23673号に記載されているB; (e)特開昭57−23675号に記載されているA
s、Si; (f)特開昭58−206678号に記載されているM
・L、式中、MはLi、Na、K、Rb、およびCsか
らなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属で
あり、LはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、
Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、L
u、Al、Ga、In、およびTlからなる群より選ば
れる少なくとも一種の三価金属である; (g)特開昭59−27980号に記載されているテト
ラフルオロホウ酸化合物の焼成物;特開昭59−272
89号に記載されているヘキサフルオロケイ酸、ヘキサ
フルオロチタン酸およびヘキサフルオロジルコニウム酸
の一価もしくは二価金属の塩の焼成物;特開昭59−5
6479号に記載されているNaX′、式中、X′はC
l、BrおよびIのうちの少なくとも一種である; (h)特開昭59−56480号に記載されているV、
Cr、Mn、Fe、CoおよびNiなどの遷移金属;特
開昭59−75200号に記載されているM(I)
X′、M′(II)X″2、M(III)X′′′3、A、式
中、M(I)はLi、Na、K、Rb、およびCsから
なる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であ
り、M′(II)はBeおよびMgからなる群より選ばれ
る少なくとも一種の二価金属を表し、M(III)はA
l、Ga、In、およびTlからなる群より選ばれる少
なくとも一種の三価金属であり、Aは金属酸化物であ
り、X′、X″、およびX′′′はそれぞれF、Cl、
BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種の
ハロゲンである; (i)特開昭60−101173号に記載されているM
(I)X′、式中、M(I)はRbおよびCsからなる
群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、
X′はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる
少なくとも一種のハロゲンである; (j)特開昭61−23679号に記載されているM
(II)′X′2・M(II)′X″2、式中、M(II)′は
Ba、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくと
も一種のアルカリ土類金属であり;X′およびX″はそ
れぞれCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少な
くとも一種のハロゲンであって、かつX′≠X″であ
る;更に、特開昭61−264084号明細書に記載さ
れているLnX″3、式中、LnはSc、Y、La、C
e、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、YbおよびLuからなる群より選ばれ
る少なくとも一種の希土類元素であり;X″はF、C
l、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一
種のハロゲンである。
【0034】(2)特開昭60−84381号に記載さ
れているM(II)X2・aM(II)X′2:xEu2+
(式中、M(II)はBa、SrおよびCaからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;
XおよびX′はCl、BrおよびIからなる群より選ば
れる少なくとも一種のハロゲンであって、かつX≠X′
であり;そしてaは0.1≦a≦10.0、xは0<x
≦0.2である)の組成式で表される二価ユーロピウム
付活アルカリ土類金属ハロゲン化物蛍光体;また、この
蛍光体には以下のような添加物が含まれていてもよい; (a)特開昭60−166379号に記載されているM
(I)X′、式中、M(I)はRbおよびCsからなる
群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;
X′はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる
少なくとも一種のハロゲンである; (b)特開昭60−221483号に記載されているK
X″、MgX′′′2、M(III)X″″3、式中、M(I
II)はSc、Y、La、GdおよびLuからなる群より
選ばれる少なくとも一種の三価金属であり;X″、
X′′′およびX″″はいずれもF、Cl、Brおよび
Iからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンで
ある; (c)特開昭60−228592号に記載されている
B、特開昭60−228593号に記載されているSi
2、P25等の酸化物、特開昭61−120882号
に記載されているLiX″、NaX″、式中、X″は
F、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲンである; (d)特開昭61−120883号に記載されているS
iO;特開昭61−120885号に記載されているS
nX″2、式中、X″はF、Cl、BrおよびIからな
る群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである; (e)特開昭61−235486号に記載されているC
sX″、SnX′′′ 2、式中、X″およびX′′′は
それぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれ
る少なくとも一種のハロゲンである;更に、特開昭61
−235487号に記載されているCsX″、Ln3+
式中、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選
ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;LnはSc、
Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、YbおよびLuからなる群より選ばれ
る少なくとも一種の希土類元素である; (3)特開昭55−12144号に記載されているLn
OX:xA、(式中、LnはLa、Y、Gd、およびL
uのうち少なくとも一つ;XはCl、Br、およびIの
うち少なくとも一つ;AはCeおよびTbのうち少なく
とも一つ;xは、0<x<0.1である)の組成式で表
される希土類元素付活希土類オキシハライド蛍光体; (4)特開昭58−69281号に記載されているM
(II)OX:xCe、(式中、M(II)はPr、Nd、
Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Y
b、およびBiからなる群より選ばれる少なくとも一種
の酸化金属であり;XはCl、Br、およびIのうち少
なくとも一つであり;xは0<x<0.1である)の組
成式で表されるセリウム付活三価金属オキシハライド蛍
光体; (5)特開昭62−25189号明細書に記載されてい
るM(I)X:xBi、(式中、M(I)はRbおよび
Csからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ
金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群より選
ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてxは0
<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される
ビスマス付活アルカリ金属ハロゲン化物蛍光体; (6)特開昭60−141783号に記載されているM
(II)5(PO43X:xEu2+、(式中、M(II)は
Ca、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくと
も一種のアルカリ土類金属であり;XはF、Cl、Br
およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロ
ゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)
の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類
金属ハロリン酸塩蛍光体; (7)特開昭60−157099号に記載されているM
(II)2BO3X:xEu2+、(式中、M(II)はCa、
SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種
のアルカリ土類金属であり;XはCl、BrおよびIか
らなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであ
り;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式
で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロ
ホウ酸塩蛍光体; (8)特開昭60−157100号に記載されているM
(II)2(PO43X:xEu2+、(式中、M(II)は
Ca、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくと
も一種のアルカリ土類金属であり;XはCl、Br及び
Iからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンで
あり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成
式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハ
ロリン酸塩蛍光体; (9)特開昭60−217354号に記載されているM
(II)HX:xEu2+、(式中、M(II)はCa、Sr
およびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のア
ルカリ土類金属であり;XはCl、BrおよびIからな
る群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;x
は0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表さ
れる二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属水素化ハロ
ゲン化物蛍光体; (10)特開昭61−21173号に記載されているL
nX3・aLn′X′3:xCe3+、(式中、Lnおよび
Ln′はそれぞれY、La、GdおよびLuからなる群
より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;Xお
よびX′はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群
より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつ
X≠X′であり;そしてaは0.1<a≦10.0の範
囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値であ
る)の組成式で表されるセリウム付活希土類複合ハロゲ
ン化物蛍光体; (11)特開昭61−21182号に記載されているL
nX3・aM(I)X′3:xCe3+、(式中、Lnは
Y、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少な
くとも一種の希土類元素であり;M(I)はLi、N
a、K、CsおよびRbからなる群より選ばれる少なく
とも一種のアルカリ金属であり;XおよびX′はそれぞ
れCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくと
も一種のハロゲンであり;そしてaは0<a≦10.0
の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値
である)の組成式で表されるセリウム付活希土類複合ハ
ロゲン化物系蛍光体; (12)特開昭61−40390号に記載されているL
nPO4・aLnX3:xCe3+、(式中、LnはY、L
a、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも
一種の希土類元素であり;XはF、Cl、BrおよびI
からなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであ
り;そしてaは0.1≦a≦10.0の範囲の数値であ
り、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式
で表されるセリウム付活希土類ハロ燐酸塩蛍光体; (13)特開昭61−236888号明細書に記載され
ているCsX:aRbX′:xEu2+、(式中、Xおよ
びX′はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より選
ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaは0
<a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.
2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロ
ピウム付活ハロゲン化セシウム・ルビジウム蛍光体; (14)特開昭61−236890号に記載されている
M(II)X2・aM(I)X′:xEu2+、(式中、M
(II)はBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる
少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;M(I)は
Li、RbおよびCsからなる群より選ばれる少なくと
も一種のアルカリ金属であり;XおよびX′はそれぞれ
Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも
一種のハロゲンであり;そしてaは0.1≦a≦20.
0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数
値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活複
合ハロゲン化物蛍光体;これらの輝尽性蛍光体を使用し
た放射線画像変換パネルは、放射線画像情報を蓄積した
後、励起光の走査によって蓄積エネルギーを放出するの
で、走査後に再度放射線画像の蓄積を行うことができ繰
り返し使用が可能である。つまり従来の放射線写真法で
は一回の撮影ごとに放射線写真フィルムを消費するのに
対して、この放射線画像変換方法では放射線画像変換パ
ネルを繰り返し使用するので、資源保護、経済効率の面
からも有利である。
【0035】このように輝尽性蛍光体は、放射線を照射
した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であ
るが、実用上では、波長が400〜900nmの範囲に
ある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝
尽発光を示す蛍光体が一般的に利用される。
【0036】上記の輝尽性蛍光体の中で、ヨウ素を含有
する二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属弗化ハロゲ
ン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム付
活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含
有する希土類元素付活希土類オキシハロゲン化物系蛍光
体、およびヨウ素を含有するビスマス付活アルカリ金属
ハロゲン化物系蛍光体が好ましく用いられるが、中で
も、高輝度の輝尽発光を示す観点から、請求項3に記載
のヨウ素を含有する二価ユウロピウム付活アルカリ土類
金属弗化ハロゲン化物系蛍光体(Eu付活BaFI)が
特に好ましく用いられる。
【0037】又、本発明に係る輝尽性蛍光体は輝尽性蛍
光体層中に樹脂中分散含有している事が望ましい。ここ
で、使用できる結合剤としては、例えば、ポリウレタ
ン、ポリエステル、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重
合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジ
エン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポ
リビニルブチラール、セルロース誘導体(ニトロセルロ
ース等)、スチレン−ブタジエン共重合体、各種の合成
ゴム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、ア
クリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂等が挙げられる。
なかでもポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル系共
重合体、ポリビニールブチラール、ニトロセルロースを
使用することが好ましい。
【0038】即ち、まず適当な有機溶媒中に、結合剤と
輝尽性蛍光体粒子を添加し、ディスパーザーやボールミ
ルを使用し攪拌混合して結合剤中に輝尽性蛍光体が均一
に分散した輝尽性蛍光体塗料を調製する。
【0039】輝尽性蛍光体塗料調製用の溶剤としては、
メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタ
ノールなどの低級アルコール、メチレンクロライド、エ
チレンクロライドなどの塩素原子含有炭化水素、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど
のケトン、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、シク
ロヘキサノン、キシレンなどの芳香族化合物、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級ア
ルコールとのエステル、ジオキサン、エチレングリコー
ルモノエチルエステル、エチレングリコールモノメチル
エステルなどのエーテル及びそれらの混合物を挙げるこ
とができる。
【0040】尚、輝尽性蛍光体塗料には塗料中における
輝尽性蛍光体の分散性を向上させるための分散剤、また
は形成後の輝尽性蛍光体層中の結合剤と輝尽性蛍光体と
の間の結合力を向上させるための可塑剤など種々の添加
剤が混合されてもよい。
【0041】分散剤の例としては、フタル酸、ステアリ
ン酸、カプロン酸、親油性界面活性剤などを挙げること
ができる。
【0042】可塑剤の例としては、燐酸トリフェニル、
燐酸トリクレジル、燐酸ジフェニルなどの燐酸エステ
ル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチルなど
のフタル酸エステル、グリコール酸エチルフタリルエチ
ル、グリコール酸ブチルフタルブチルなどのグリコール
酸エステル、トリエチレングリコールとアジピン酸との
ポリエステル、ジエチレングリコールと琥珀酸とのポリ
エステルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基
酸とのポリエステルなどを挙げることができる。
【0043】上記のようにして調製された輝尽性蛍光体
と結合剤とを含有する蛍光体塗料を、支持体若しくはシ
ート形成用の仮支持体の表面に均一に塗布することによ
り塗料の塗膜を形成する。
【0044】この塗布手段としては、例えばドクターブ
レード、ロールコータ、ナイフコータ、押し出しコータ
などを用いることにより行うことができる。
【0045】本発明に係る支持体(上記記載のシート形
成用仮支持体も含む)について説明する。
【0046】本発明に係る支持体としては、例えばガラ
ス、ウール、コットン、紙、金属などの種々の素材から
作られたものが使用され得るが、情報記録材料としての
取り扱い上可撓性のあるシート或いはロールに加工でき
るものが好ましい。この点から、例えばセルロースアセ
テートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレン
テレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイ
ミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネ
ートフィルム等のプラスティックフィルム、アルミニウ
ム箔、アルミニウム合金箔などの金属シート、一般紙及
び例えば写真用原紙、コート紙、若しくはアート紙のよ
うな印刷用原紙、バライタ紙、レジンコート紙、ベルギ
ー特許784,615号明細書に記載されているような
ポリサッカライド等でサイジングされた紙、二酸化チタ
ンなどの顔料を含むピグメント紙、ポリビニールアルコ
ールでサイジングした紙等の加工紙が特に好ましい。
【0047】また、これら支持体の層厚は用いる支持体
の材質等によって異なるが、一般的には80μm〜10
00μmであり、取り扱い上の点から、さらに好ましく
は80μm〜500μmである。
【0048】これらの支持体の表面は滑面であってもよ
いし、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的でマ
ット面としてもよい。
【0049】さらに、これら支持体は、輝尽性蛍光体層
との接着性を向上させる目的で輝尽性蛍光体層が設けら
れる面に前記記載の下引層が設けられる。
【0050】また、支持体の反射性を挙げ、放射線画像
変換パネルの輝度を向上させる観点から、本発明に係る
支持体は気泡を含有するポリエチレンテレフタレートが
好ましく用いられる。
【0051】ここで、前記の気泡を含有するポリエチレ
ンテレフタレートは、特開平3−76727号及び特開
平6−226894号に記載の手法にてポリエチレンテ
レフタレート中に気泡を含有させて輝尽蛍光に対する反
射能を高め、放射線画像変換パネルの輝度が向上した支
持体が作製出来る。また、市販品としては、東レ(株)
社製E60L等が気泡を含有するポリエチレンテレフタ
レートを入手することができる。
【0052】また、前記気泡を含有するポリエチレンテ
レフタレート支持体の層厚は用いる支持体の材質等によ
って異なるが、一般的には80μm〜1000μmであ
り、取り扱い上の点から、好ましくは80μm〜500
μmである。
【0053】これらの支持体の表面は滑面であってもよ
いし、反射層や、光吸収層及び輝尽性蛍光体層との接着
性を向上させる目的でマット面としてもよい。
【0054】放射線画像変換パネルの製造法は、以下の
主に2種が考えられる。第1の製造法として、結合剤と
蛍光体または輝尽性蛍光体とからなる蛍光体塗布液(以
下輝尽性蛍光体塗料)を支持体上に塗布し、輝尽性蛍光
体層を形成する。
【0055】また、第2の製造法として、結合剤と輝尽
性蛍光体とからなる輝尽性蛍光体塗料を仮支持体上に塗
布し、輝尽性蛍光体シートを形成する。前記輝尽性蛍光
体シートを支持体上に載せ、前記結合剤の軟化温度若し
くは融点以上の温度で、支持体に接着する工程で製造す
る。
【0056】輝尽性蛍光体層の支持体への形成方法とし
ては、主に上記2種が考えられるが、支持体上に均一に
輝尽性蛍光体層を形成する方法であればどのような方法
でもよく、吹き付けによる形成等でもよい。
【0057】第1の製造法の輝尽性蛍光体層は、結合剤
溶液中に輝尽性蛍光体を均一に分散せしめた輝尽性蛍光
体塗料を支持体上に塗布、乾燥することにより製造でき
る。
【0058】また、第2の製造法の輝尽性蛍光体層とな
るシートは、輝尽性蛍光体塗料を輝尽性蛍光体シート形
成用仮支持体上または仮支持体上に設けられた保護膜上
に塗布し、乾燥した後、仮支持体から剥離することで製
造できる。保護層自体を仮支持体として、そのまま最終
製品に使用することもできる。
【0059】第2の製造法では、仮支持体上または仮支
持体上に設けられた保護膜上に輝尽性蛍光体塗料を塗布
し乾燥した後、仮支持体から剥離して輝尽性蛍光体層と
なるシートとする。従って仮支持体の表面は、予め剥離
剤を塗布しておき、形成された輝尽性蛍光体シートが仮
支持体から剥離し易い状態にしておくのが好ましい。
【0060】支持体と輝尽性蛍光体層の結合を強化する
ため支持体表面にポリエステルまたはゼラチンなどの高
分子物質を塗布して接着性を付与する下塗り層を設けた
り、感度、画質(鮮鋭性、粒状性)を向上せしめるため
に二酸化チタンなどの光反射性物質からなる光反射層、
若しくはカーボンブラックなどの光吸収物質からなる光
吸収層などが設けられてよい。それらの構成は目的、用
途などに応じて任意に選択することができる。
【0061】また、本発明の輝尽性蛍光体層は圧縮して
もよい。輝尽性蛍光体層を圧縮することによって輝尽性
蛍光体の充填密度を更に向上させ、更に鮮鋭性、粒状性
を向上させることができる。圧縮の方法としてはプレス
機やカレンダーロール等が挙げられる。
【0062】第1の製造法の場合、輝尽性蛍光体層及び
支持体をそのまま圧縮する。第2の製造法の場合、輝尽
性蛍光体シートを支持体上に載せ、結合剤の軟化温度ま
たは融点以上の温度で圧縮しながら該シートを支持体上
に接着する。
【0063】このようにして、輝尽性蛍光体シートを支
持体上に予め固定することなく圧着する方法を利用する
ことによりシートを薄く押し広げることができる。
【0064】通常、放射線画像変換パネルには、前述し
た支持体に接する側と反対側の輝尽性蛍光体層の表面を
物理的、化学的に保護するための保護膜が設けられる。
このような保護膜は、本発明についても設置することが
好ましい。
【0065】本発明に用いられる保護層には、ASTM
D−1003に記載の方法により測定したヘイズ率が5
以上60%未満である、励起光吸収層を備えたポリエス
テルフイルム、ポリメタクリレートフィルム、ニトロセ
ルロースフイルム、セルロースアセテートフイルム等が
使用できるが、ポリエチレンテレフタレートフィルムや
ポリエチレンナフタレートフィルム等の延伸加工された
フィルムが、透明性、強さの面で保護層として好まし
く、とくにこれらのポリエチレンテレフタレートフィル
ムやポリエチレンテレフタレートフィルムや上に金属酸
化物、窒化珪素などの薄膜を蒸着した蒸着フィルムが防
湿性の面からより好ましい。
【0066】本発明に使用する前記保護フィルムは必要
とされる防湿性にあわせて、樹脂フィルムや樹脂フィル
ムに金属酸化物などを蒸着した蒸着フイルムを複数枚積
層することで最適な防湿性とすることができが、輝尽性
蛍光体の吸湿劣化を考慮して少なくとも50g/m2
day以下であることが好ましい。樹脂フイルムの積層
方法としては、一般に知られているどのような方法でも
かまわない。またこの場合は積層された樹脂フイルム間
に励起光吸収層を設けることによって、励起光吸収層が
物理的な衝撃や化学的な変質から保護され安定したプレ
ート性能が長期間維持できる。励起光吸収層は複数箇所
に設けてもよいし、積層する為の接着剤層に色剤を含有
し励起光吸収層としても良い。
【0067】保護フィルムは蛍光体層に接着層にて密着
していても良いが、蛍光体面を被覆するように設けられ
た構造(以下封止または封止構造)であることがより好
ましい。蛍光体プレートを封止するにあたっては既知ど
のような方法でもかまわないが、防湿性保護フィルムの
蛍光体シートに接する側の最外層の樹脂層を熱融着性を
有する樹脂フィルムとすることで防湿性保護フィルムが
融着可能となり蛍光体シートの封止作業が効率化され
る。
【0068】好ましくは、蛍光体シートの上下に防湿性
保護フィルムを配置し、その周縁が前記蛍光体シートの
周縁より外側にある領域で該上下の防湿性保護フィルム
が融着している封止構造とすることで蛍光体シートの外
周部からの水分進入も阻止できる。さらに支持体面側の
防湿性保護フィルムが1層以上のアルミフィルムをラミ
ネートしてなる積層防湿フィルムとすることで(図2参
照)より確実に水分の進入を低減できる。またこの封止
方法は作業的にも容易である。
【0069】またこの場合、防湿性保護フィルムの蛍光
体面に接する側の最外層の熱融着性を有する樹脂層と蛍
光体面は接着していても接着していなくてもかまわな
い。
【0070】接着していない状態とは、微視的には蛍光
体面と防湿性保護フィルムは点接触してはいたとして
も、光学的、力学的には殆ど蛍光体面と防湿性保護フィ
ルムは不連続体として扱える状態のことである。
【0071】またここで言う熱融着性フィルムとは、一
般に使用されるインパルスシーラーで融着可能な樹脂フ
ィルムのことで、たとえばエチレン酢酸ビニルコポリマ
ー(EVA)やポリプロペレン(PP)フィルム、ポリ
エチレン(PE)フィルム等があげられるがこれに限ら
れたものではない。
【0072】保護フイルムのヘイズ率は、使用する樹脂
フイルムのヘイズ率を選択することで容易に調整でき
る。任意のヘイズ率の樹脂フイルムは工業的に容易に入
手可能である。
【0073】本発明の放射線画像変換パネルの保護フイ
ルムとしては光学的に透明度の非常に高いものが想定さ
れている。そのような透明度の高い保護フイルム材料と
しては、ヘイズ値が2〜3%の範囲にあるようなプラス
チックフイルムが各種市販されている。
【0074】特開昭59−42500や特公平1−57
759には保護層のヘイズ率を高くして画像ムラや線状
ノイズを解消する手段が示されているが鮮鋭性が低下し
てしまっていた。本発明に従えば、画像ムラや線状ノイ
ズを解消し、さらに鮮鋭性を向上することができる。
【0075】本発明の効果を得るためのヘイズ率として
は5%以上、60%未満が好ましく、さらに好ましく
は、10%以上、50%未満である。
【0076】ヘイズ率としては5%未満では画像ムラや
線状ノイズを解消する効果が小さく、60%以上である
と本発明の鮮鋭性向上効果が小さくなる。
【0077】次いで、形成された塗膜を徐々に加熱する
ことにより乾燥して、下塗層上への輝尽性蛍光体層の形
成を完了する。輝尽性蛍光体層の層厚は、目的とする放
射線画像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類、結合
剤と蛍光体との混合比などによって異なるが、通常は2
0μm乃至1mmとする。ただし、この層厚は50μm
乃至300μmとするのが好ましい。
【0078】本発明の放射線画像変換パネルの輝尽性蛍
光体層の膜厚は目的とする放射線画像変換パネルの特
性、輝尽性蛍光体の種類、結合剤と輝尽性蛍光体との混
合比等によって異なるが、10μm〜1000μmの範
囲から選ばれるのが好ましく、10μm〜250μmの
範囲から選ばれるのがより好ましい。
【0079】支持体上に蛍光体層が塗設された蛍光体シ
ートを所定の大きさに断裁する。断裁にあたっては一般
のどのような方法でも可能であるが、作業性、精度の面
から化粧断裁機、打ち抜き機等が望ましい。
【0080】所定の大きさに断裁された蛍光体シートを
防湿性保護フィルムで封止するには既知のいかなる方法
も使用できるが、例をあげると蛍光体シートを上下の防
湿性保護フィルムの間に挟み周縁部をインパルスシーラ
ーで加熱融着する方法、や2本の加熱したローラー間で
加圧加熱するラミネート方式等が挙げられる。
【0081】上記インパルスシーラーで加熱融着する方
法においては、減圧環境下で加熱融着することが、蛍光
体シートの防湿性保護フィルム内での位置ずれ防止や大
気中の湿気を排除する意味でより好ましい。
【0082】本発明に係る放射線画像変換パネルは、支
持体上に下引き層を有していてもよい。ここで、本発明
に用いられる下引き層について説明する。
【0083】本発明に用いられる下引き層は、溶剤に溶
解した樹脂を塗布、乾燥して形成することが好ましい。
前記樹脂としては、具体的には、ポリウレタン、塩化ビ
ニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化
ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリ
ロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共
重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、ポリ
エステル、セルロース誘導体(ニトロセルロース等)、
スチレン−ブタジエン共重合体、各種の合成ゴム系樹
脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミ
ン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル系樹
脂、尿素ホルムアミド樹脂等が挙げられる。なかでもポ
リウレタン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体、ポ
リビニールブチラール、ニトロセルロースを使用するこ
とが好ましい。
【0084】下引き層作製に用いる溶剤としては、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノー
ルなどの低級アルコール、メチレンクロライド、エチレ
ンクロライドなどの塩素原子含有炭化水素、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケ
トン、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘ
キサノン、キシレンなどの芳香族化合物、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級アルコ
ールとのエステル、ジオキサン、エチレングリコールモ
ノエチルエステル、エチレングリコールモノメチルエス
テルなどのエーテル及びそれらの混合物を挙げることが
できる。
【0085】本発明に係る下引き層は励起用レーザに起
因する鮮鋭性の劣化を防止する観点から、輝尽励起光を
吸収する機能を有することが好ましい。ここで、輝尽励
起光を吸収する機能とは、輝尽性蛍光体の励起光を吸収
することであり、具体的には、励起光を選択的に吸収す
る色素、顔料等の着色剤を含有する事が好ましい。
【0086】前記色素や顔料等の着色剤としては、放射
線画像変換パネルに用いる輝尽性蛍光体の種類によって
決まるが、放射線画像変換パネル用の輝尽性蛍光体とし
ては、通常、波長が400〜900nmの範囲にある励
起光によって300〜500nmの波長範囲の輝尽発光
を示す蛍光体が用いられるため、着色剤としては通常、
青色〜緑色の有機系もしくは無機系の着色剤が好ましく
用いられる。
【0087】青色〜緑色の有機系着色剤の例としては、
ザボンファーストブルー3G(ヘキスト社製)、エスト
ロールブリルブルーN−3RL(住友化学(株)製)、
スミアクリルブルーF−GSL(住友化学(株)製)、
D&CブルーNo.1(ナショナル・アニリン社製)、
スピリットブルー(保土谷化学(株)製)、オイルブル
ーNo.603(オリエント(株)製)、キトンブルー
A(チバ・ガイギー社製)、アイゼンカチロンブルーG
LH(保土谷化学(株)製)、レイクブルーA、F、H
(協和産業(株)製)、ローダリンブルー6GX(協和
産業(株)製)、ブリモシアニン6GX(稲畑産業
(株)製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化
学(株)製)、シアニンブルーBNRS(東洋インキ
(株)製)、ライオノルブルーSL(東洋インキ(株)
製)が挙げられる。青色〜緑色の無機系着色剤の例とし
ては、群青、コバルトブルー、セルリアンブルー、酸化
クロム、TiO2−ZnO−CoO−NiO系顔料が挙
げられるが、本発明はこれらに限定されない。
【0088】また、本発明に係る下引き層は、本発明に
記載の効果、特に放射線画像変換パネルの輝度を良好に
保つ観点から、下引き層における輝尽励起光ピーク波長
の反射吸光度/輝尽発光ピーク波長の反射吸光度比が2
以上であることが好ましく、更に好ましくは2〜10で
あり、特に好ましくは2〜8である。
【0089】具体的には、輝尽励起光を吸収する顔料と
して用いられる銅フタロシアニンを含有する下引き層に
おいては、励起光吸光度/輝尽発光吸光度は6であり、
ザボンファーストブルー3Gでは5.5である。
【0090】ここで、下引き層の励起光ピーク波長にお
ける反射吸光度は、着色している部分を露出させ、分光
光度計(例えば、日立製作所社製U−3300)にて積
分球を使用して測定することができる。下引き層の測定
に際しては、輝尽性蛍光体層を除去し、下引き層を露出
させて測定し、次いで、吸光度測定値の励起光ピーク波
長における吸光度/輝尽発光ピーク波長の吸光度比を求
める。
【0091】輝尽発光波長について複数のピークを持つ
蛍光体を使用する場合は最も発光強度の高いピークを選
択し、そのピーク波長が使用される。
【0092】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらに限定されない。
【0093】実施例1 (蛍光体の合成)ユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウム
の輝尽性蛍光体前駆体を合成するために、BaI2水溶
液(3.6mol/L)2780mlとEuI3水溶液
(0.15mol/L)27mlを反応器に入れた。こ
の反応器中の反応母液を撹拌しながら83℃で保温し
た。
【0094】弗化アンモニウム水溶液(8mol/L)
322mlを反応母液中にローラーポンプを用いて注入
し、沈澱物を生成させた。注入終了後も保温と撹拌を2
時間続けて沈澱物の熟成を行なった。次に沈澱物をろ別
後、エタノールにより洗浄した後真空乾燥させてユーロ
ピウム付活弗化ヨウ化バリウムの結晶を得た。焼成時の
焼結により粒子形状の変化、粒子間融着による粒子サイ
ズ分布の変化を防止するために、アルミナの超微粒子粉
体を0.2質量%添加し、ミキサーで充分撹拌して、結
晶表面にアルミナの超微粒子粉体を均一に付着させた。
これを石英ボートに充填して、チューブ炉を用いて水素
ガス雰囲気中、850℃で2時間焼成してユーロピウム
付活弗化ヨウ化バリウム蛍光体粒子を得た。次に上記蛍
光体粒子を分級することにより平均粒径4μmの蛍光体
を得た。
【0095】(蛍光体試料1〜9の作製)蛍光体層形成
材料として、上記で得たユーロピウム付活弗化ヨウ化バ
リウム蛍光体を427g、ポリウレタン樹脂(住友バイ
エルウレタン社製、デスモラック4125)15.8
g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂2.0gをメチル
エチルケトン−トルエン(1:1)混合溶媒に添加し、
プロペラミキサーによって分散し、粘度25〜30Pa
・sの塗布液を調製した。該塗布液をドクターブレード
を用いて表1記載の蛍光体層支持体上に乾燥膜厚200
μmになるように蛍光体層を塗布、乾燥した。尚、各支
持体は反射率が各々等しくなるように1000ÅのAl
蒸着膜を形成した後、蛍光体層を塗設した。
【0096】また、表1記載のパネル保持部材を用い、
表1に記載のX線吸収率比になるように調整して、蛍光
体試料1〜9を各々作製した。
【0097】得られた蛍光体試料1〜9の各々について
下記に記載の評価を行った。 《放射線画像変換パネルの評価》照射X線は80kVと
し20cm厚のアクリル板を被写体として、アクリル板
を透過したX線量を被写体通過後のX線量とした。下記
に記載の方法により、輝度及び鮮鋭度(MTF)を測定
した。試料1のデータを100とした相対値で輝度、鮮
鋭度共に表した。
【0098】(鮮鋭度の評価)鮮鋭度については、放射
線画像変換パネルに鉛製のMTFチャートを通して管電
圧80kVpのX線を照射した後パネルHe−Neレー
ザー光(633nm)で走査して励起し、蛍光体層から
放射される輝尽発光を上記と同じ受光器で受光して電気
信号に変換し、これをアナログ/デジタル変換してハー
ドディスクに記録し、記録をコンピューターで分析して
ハードディスクに記録されているX線像の変調伝達関数
(MTF)を調べた。
【0099】(輝度の評価)輝度の測定は放射線画像変
換パネルに管電圧80kVpのX線を照射した後、パネ
ルをHe−Neレーザー光(633nm)で走査して励
起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光器(光電
子像倍管)で受光してその強度を測定することで行っ
た。輝度は、試料1のデータを100とした場合の相対
輝度である。
【0100】得られた結果を表1に示す。
【0101】
【表1】
【0102】表1から、比較の試料と比べて、本発明の
試料は、輝度、鮮鋭度共に優れていることが明らかであ
る。
【0103】
【発明の効果】本発明により、輝度が高く、良好な鮮鋭
度を示す画像が得られる放射線画像撮影方法を提供する
ことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放射線画像撮影方法の一例を示す模式
図である。
【図2】本発明に係る放射線画像変換パネルの一例を示
す概略断面図である。
【符号の説明】
11 蛍光体 12 支持体 13 積層保護フィルム 14 アルミラミネートフィルム 41 放射線発生装置 R 放射線 42 被写体 43 放射線画像変換パネル 43a 輝尽性蛍光体層 43b 支持体 43c 保持部材 44 輝尽励起光源 45 光電変換装置 46 放射線画像再生装置 47 放射線画像表示装置 48 フィルタ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上の一方の側に、高分子樹脂中に
    輝尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層を有する放射線
    画像変換パネルを用いる放射線画像撮影方法において、 X線照射時、該支持体のもう一方の側から被写体を介し
    て該輝尽性蛍光体層にX線が照射され、前記輝尽性蛍光
    体層側から読み取りを行い、且つ、該被写体を通過した
    該X線の下記式(1)で表される、画像診断領域におけ
    るX線吸収率比が6以上であることを特徴とする放射線
    画像撮影方法。 式(1) X線吸収率比=(蛍光体層のX線吸収率)/(被写体通
    過後、蛍光体層到達までのX線吸収率)
  2. 【請求項2】 支持体がプラスチックフィルムであり、
    放射線画像変換パネルの保持部材としてカーボンファイ
    バーを有する保持部材を用いることを特徴とする請求項
    1に記載の放射線画像撮影方法。
  3. 【請求項3】 輝尽性蛍光体がEu付活BaFIである
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の放射線画像
    撮影方法。
JP2001073793A 2001-03-15 2001-03-15 放射線画像撮影方法 Pending JP2002277998A (ja)

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JP2008190929A (ja) * 2007-02-02 2008-08-21 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 放射線用シンチレータプレートの製造方法及び放射線画像撮影装置
US7618511B2 (en) 2003-03-07 2009-11-17 Hamamatsu Photonics K.K. Scintillator panel and method of manufacturing radiation image sensor

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