JP2002131494A - 放射線画像変換パネル及びそのカセッテ並びに放射線画像読み取り装置 - Google Patents

放射線画像変換パネル及びそのカセッテ並びに放射線画像読み取り装置

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JP2002131494A
JP2002131494A JP2000322264A JP2000322264A JP2002131494A JP 2002131494 A JP2002131494 A JP 2002131494A JP 2000322264 A JP2000322264 A JP 2000322264A JP 2000322264 A JP2000322264 A JP 2000322264A JP 2002131494 A JP2002131494 A JP 2002131494A
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JP2000322264A
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Satoru Honda
哲 本田
Takehiko Shoji
武彦 庄子
Tomoko Saito
智子 齋藤
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】輝尽性蛍光体の劣化に起因する放射線感度の悪
化の問題や潜像退行が速くなることなどのS/N比の低
下の問題を事前に検出し、良好な状態での使用であるを
担保することの出来る放射線画像変換パネル及びそのカ
セッテ並びに放射線画像読み取り装置を提供する。 【解決手段】輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パ
ネルであって、前記輝尽性蛍光体層の蛍光体の劣化状態
を判別できる機能を有することを特徴とする放射線画像
変換パネルである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は輝尽性蛍光体を用い
た放射線画像変換パネル及びそのカセッテ並びに放射線
画像読み取り装置に関し、さらに詳しくは蛍光体性能の
劣化状態をモニターすること及びモニターされた情報を
示す表示機能を有する放射線画像変換パネル及びそのカ
セッテ並びに放射線画像読み取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】X線画像のような放射線画像は病気診断
用などに多く用いられている。このX線画像を得るため
に被写体を通過したX線を蛍光体層(蛍光スクリーンと
もいう)に照射し、これにより可視光を生じさせてこの
可視光を通常の写真をとるときと同じように銀塩を使用
したフィルム(ハロゲン化銀写真感光材料)に照射して
現像した、いわゆる放射線写真が利用されている。しか
し近年銀塩を塗布したフィルムを使用しないで蛍光体層
から直接画像を取り出す方法が工夫されるようになっ
た。
【0003】この方法としては被写体を透過した放射線
を蛍光体に吸収せしめ、しかる後この蛍光体を例えば光
又は熱エネルギーで励起することによりこの蛍光体が上
記吸収により蓄積している放射線エネルギーを蛍光とし
て放射せしめ、この蛍光を検出し画像化する方法があ
る。
【0004】具体的には、例えば米国特許3,859,
527号及び特開昭55−12144号公報などに記載
されているような輝尽性蛍光体を用いる放射線画像変換
方法が知られている。
【0005】この方法は輝尽性蛍光体を含有する放射線
画像変換パネルを使用するもので、この放射線画像変換
パネルの輝尽性蛍光体層に被写体を透過した放射線を当
てて被写体各部の放射線透過密度に対応する放射線エネ
ルギーを蓄積させて、その後に輝尽性蛍光体を可視光
線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起す
ることにより、該輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射
線エネルギーを輝尽発光として放出させ、この光の強弱
による信号をたとえば光電変換し、電気信号を得て、こ
の信号を感光フィルムなどの記録材料、CRTなどの表
示装置上に可視像として再生する技術である。
【0006】上記の放射線画像記録再生方法によれば、
従来の放射線写真フィルムと増感紙との組合せを用いる
放射線写真法による場合に比較して、はるかに少ない被
曝線量で情報量の豊富な放射線画像を得ることができる
という利点がある。
【0007】このように輝尽性蛍光体は、放射線を照射
した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であ
るが、実用上では、波長が400〜900nmの範囲に
ある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝
尽発光を示す蛍光体が一般的に利用される。
【0008】従来より放射線画像変換パネルに用いられ
てきた輝尽性蛍光体の例としては下記のものが一例とし
て挙げられる。
【0009】(1)特開昭55−12145号公報に記
載されている(Ba1-X,M2+ X)x:yA(ただし、M
2+はMg、Ca、Sr、ZnおよびCdのうちの少なく
とも一つ、XはCl、Br、およびIのうち少なくとも
一つ、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、H
o、Nd、Yb、およびErのうちの少なくとも一つ、
そしてxは、0≦x≦0.6、yは、0≦y≦0.2で
ある)の組成式で表される希土類元素付活アルカリ土類
金属弗化ハロゲン化物蛍光体;また、この蛍光体には以
下のような添加物が含まれていてもよい:
【0010】特開昭56−74175号公報に記載され
ている、X′、BeX″、M3X′′′3(ただし、
X′、X″、およびX′′′はそれぞれCl、Brおよ
びIのうち少なくとも一種であり、M3は三価金属であ
る);
【0011】特開昭55−160078号公報に記載さ
れているBeO、BgO、CaO、SrO、BaO、Z
nO、Al23、Y23、La23、In23、SiO
2、TiO2、ZrO2、GeO2、SnO2、Nb25
Ta25およびThO2などの金属酸化物;
【0012】特開昭56−116777号公報に記載さ
れているZr、Sc;特開昭57−23673号公報に
記載されているB;特開昭57−23675号公報に記
載されているAs、Si;
【0013】特開昭58−206678号公報に記載さ
れているM・L(ただし、MはLi、Na、K、Rb、
およびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のア
ルカリ金属であり;LはSc、Y、La、Ce、Pr、
Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、Yb、Lu、Al、Ga、In、およびTlからな
る群より選ばれる少なくとも一種の三価金属である);
【0014】特開昭59−27980号公報に記載され
ているテトラフルオロホウ酸化合物の焼成物;特開昭5
9−27289号公報に記載されているヘキサフルオロ
ケイ酸、ヘキサフルオロチタン酸およびヘキサフルオロ
ジルコニウム酸の一価もしくは二価金属の塩の焼成物;
【0015】特開昭59−56479号公報に記載され
ているNaX′(ただし、X′はCl、BrおよびIの
うちの少なくとも一種である);
【0016】特開昭59−56480号公報に記載され
ているV、Cr、Mn、Fe、CoおよびNiなどの遷
移金属;特開昭59−75200号公報に記載されてい
るM 1X′、M′2X″、M3X′′′、A(ただし、M1
はLi、Na、K、Rb、およびCsからなる群より選
ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、M′2
BeおよびMgからなる群より選ばれる少なくとも一種
の二価金属であり;M3はAl、Ga、In、およびT
lからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属で
あり;Aは金属酸化物であり;X′、X″、および
X′′′はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群
より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである);
【0017】特開昭60−101173号公報に記載さ
れているM1X′(ただし、M1はRbおよびCsからな
る群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であ
り;X′はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ば
れる少なくとも一種のハロゲンである);
【0018】特開昭61−23679号公報に記載され
ているM2′X′2・M2′X″2(ただし、M2′はB
a、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも
一種のアルカリ土類金属であり;X′およびX″はそれ
ぞれCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲンであって、かつX′≠X″であ
る);
【0019】および特開昭61−264084号明細書
に記載されているLnX″3(ただし、LnはSc、
Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、T
b、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる
群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;
X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる
少なくとも一種のハロゲンである);
【0020】(2)特開昭60−84381号公報に記
載されているM22・aM2X′2:xEu2+(ただし、
2はBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少
なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XおよびX′
はCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくと
も一種のハロゲンであって、かつX≠X′であり;そし
てaは0.1≦a≦0.0、xは0<x≦0.2であ
る)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ
土類金属ハロゲン化物蛍光体;
【0021】また、この蛍光体には以下のような添加物
が含まれていてもよい;特開昭60−166379号公
報に記載されているM1X′(ただし、M1はRbおよび
Csからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ
金属であり;X′はF、Cl、BrおよびIからなる群
より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである);
【0022】特開昭60−221483号公報に記載さ
れているKX″、MgX′′′2、M3 X″″3(ただ
し、M3はSc、Y、La、GdおよびLuからなる群
より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり;X″、
X′′′およびX″″はいずれもF、Cl、Brおよび
Iからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンで
ある);
【0023】特開昭60−228592号公報に記載さ
れているB;特開昭60−228593号公報に記載さ
れているSiO2、P25等の酸化物;特開昭61−1
20882号公報に記載されているLiX″、NaX″
(ただし、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のハロゲンである);
【0024】特開昭61−120883号公報に記載さ
れているSiO;特開昭61−120885号公報に記
載されているSnX″2(ただし、X″はF、Cl、B
rおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハ
ロゲンである);
【0025】特開昭61−235486号公報に記載さ
れているCsX″、SnX′′′2(ただし、X″およ
びX′′′はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる
群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである);
【0026】および特開昭61−235487号公報に
記載されているCsX″、Ln3+(ただし、X″はF、
Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも
一種のハロゲンであり;LnはSc、Y、Ce、Pr、
Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Y
bおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の
希土類元素である);
【0027】(3)特開昭55−12144号公報に記
載されているLnOX:xA(ただし、LnはLa、
Y、Gd、およびLuのうち少なくとも一つ;XはC
l、Br、およびIのうち少なくとも一つ;AはCeお
よびTbのうち少なくとも一つ;そして、xは、0<x
<0.1である)の組成式で表される希土類元素付活希
土類オキシハライド蛍光体;
【0028】(4)特開昭58−69281号公報に記
載されているM3OX:xCe(ただし、M3はPr、N
d、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、Yb、およびBiからなる群より選ばれる少なくと
も一種の酸化金属であり;XはCl、Br、およびIの
うち少なくとも一つであり;xは0<x<0.1であ
る)の組成式で表されるセリウム付活三価金属オキシハ
ライド蛍光体;
【0029】(5)特開昭62−25189号明細書に
記載されているM1X:xBi(ただし、M1はRbおよ
びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカ
リ金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群より
選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてxは
0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表され
るビスマス付活アルカリ金属ハロゲン化物蛍光体;
【0030】(6)特開昭60−141783号公報に
記載されているM2 5(PO43X:xEu2+(ただし、
2はCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる少
なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XはF、C
l、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一
種のハロゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値
である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アル
カリ土類金属ハロリン酸塩蛍光体;
【0031】(7)特開昭60−157099号公報に
記載されているM2 2BO3X:xEu2 +(ただし、M2
Ca、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくと
も一種のアルカリ土類金属であり;XはCl、Brおよ
びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン
であり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組
成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属
ハロホウ酸塩蛍光体;
【0032】(8)特開昭60−157100号公報に
記載されているM2 2(PO43X:xEu2+(ただし、
2はCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる少
なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XはCl、B
rおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハ
ロゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値であ
る)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ
土類金属ハロリン酸塩蛍光体;
【0033】(9)特開昭60−217354号公報に
記載されているM2HX:xEu2+(ただし、M2はC
a、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも
一種のアルカリ土類金属であり;XはCl、Brおよび
Iからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンで
あり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成
式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属水
素化ハロゲン化物蛍光体;
【0034】(10)特開昭61−21173号公報に
記載されているLnX3・aLn′X′3:xCe3+(た
だし、LnおよびLn′はそれぞれY、La、Gdおよ
びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類
元素であり;XおよびX′はそれぞれF、Cl、Brお
よびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲ
ンであって、かつX≠X′であり;そしてaは0.1<
a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2
の範囲の数値である)の組成式で表されるセリウム付活
希土類複合ハロゲン化物蛍光体;
【0035】(11)特開昭61−21182号公報に
記載されているLnX3・aM1X′3:xCe3+(ただ
し、LnはY、La、GdおよびLuからなる群より選
ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;M1はL
i、Na、K、CsおよびRbからなる群より選ばれる
少なくとも一種のアルカリ金属であり;XおよびX′は
それぞれCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少
なくとも一種のハロゲンであり;そしてaは0<a≦1
0.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲
の数値である)の組成式で表されるセリウム付活希土類
複合ハロゲン化物系蛍光体;
【0036】(12)特開昭61−40390号公報に
記載されているLnPO4・aLnX3:xCe3+(ただ
し、LnはY、La、GdおよびLuからなる群より選
ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;XはF、C
l、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一
種のハロゲンであり;そしてaは0.1≦a≦10.0
の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値
である)の組成式で表されるセリウム付活希土類ハロ燐
酸塩蛍光体;
【0037】(13)特開昭61−236888号明細
書に記載されているCsX:aRbX′:xEu2+(た
だし、XおよびX′はそれぞれCl、BrおよびIから
なる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;
そしてaは0<a≦10.0の範囲の数値であり、xは
0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表され
る二価ユーロピウム付活ハロゲン化セシウム・ルビジウ
ム蛍光体;および
【0038】(14)特開昭61−236890号明細
書に記載されているM22・aM1X′:xEu2+(た
だし、M2はBa、SrおよびCaからなる群より選ば
れる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;M1は
Li、RbおよびCsからなる群より選ばれる少なくと
も一種のアルカリ金属であり;XおよびX′はそれぞれ
Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも
一種のハロゲンであり;そしてaは0.1≦a≦20.
0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数
値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活複
合ハロゲン化物蛍光体;を挙げることができる。
【0039】上記の輝尽性蛍光体のうちで、ヨウ素を含
有する二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属弗化ハロ
ゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム
付活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を
含有する希土類元素付活希土類オキシハロゲン化物系蛍
光体、およびヨウ素を含有するビスマス付活アルカリ金
属ハロゲン化物系蛍光体は高輝度の輝尽発光を示す。
【0040】これらの輝尽性蛍光体を使用した放射線画
像変換パネルは、放射線画像情報を蓄積した後、励起光
の走査によって蓄積エネルギーを放出するので、走査後
に再度放射線画像の蓄積を行うことができ繰り返し使用
が可能である。つまり従来の放射線写真法では一回の撮
影ごとに放射線写真フィルムを消費するのに対して、こ
の放射線画像変換方法では放射線画像変換パネルを繰り
返し使用するので、資源保護、経済効率の面からも有利
である。
【0041】そこで、放射線画像変換パネルには得られ
る放射線画像の画質を劣化させることなく長期間の使用
に耐える性能を付与することが望ましい。
【0042】しかし放射線画像変換パネルは繰り返し使
用されることによる取り扱い上のキズ付き、汚れ付着、
また、紫外線、自然放射線などによる劣化、さらには程
度の差はあれ、輝尽性蛍光体は吸湿現象を示すなどの放
射線画像変換パネルを取り巻く様々な外的環境に対し
て、画像性能の劣化を生じる。それらに対処するため、
放射線画像変換パネルの保護機能として、蛍光体層上に
保護層を設けて蛍光体の性能を維持するのが一般的であ
る。
【0043】具体的には、輝尽性蛍光体を高温、高湿度
のもとに長時間置いたり、エネルギーの高い光線にさら
すと吸湿、あるいは分解することがあり、輝尽性蛍光体
としての機能が低下する。さらに、キズ付き等で前記保
護層の機能が損なわれた場合、放射線画像の画質が劣化
する。また一般に輝尽性蛍光体に記録された放射線画像
の潜像は、放射線照射後の時間の経過にともなって退行
するため、再生される放射線画像信号の強度は放射線照
射から励起光による読み取りまでの時間が長いほど小さ
くなるという性質を有するが、輝尽性蛍光体が劣化する
と前記潜像退行の速さが速くなる。そのため、吸湿した
輝尽性蛍光体を有する放射線画像変換パネルを用いる
と、放射線画像の読み取り時再生信号のS/N比が低下す
る。
【0044】従来、輝尽性蛍光体の吸湿による前記の劣
化現象を防止するには、透湿度の低い防湿性保護層で輝
尽性蛍光体層を被覆することにより該蛍光体層に到達す
る水分を低減させる方法がとられている。防湿性保護層
としてはポリエチレンテレフタレート(PET)フィル
ムやポリエチレンテレフタレートフィルム、またはポリ
エチレンテレフタレート(PET)フィルムやポリエチ
レンテレフタレートフィルムや上に金属酸化物、窒化珪
素などの薄膜を蒸着した蒸着フィルムが使用される。
【0045】前記のように保護層は防湿性や高エネルギ
ー線のカット機能、防傷性など外的環境からの保護機能
をもたせながらも画質の劣化を最小にするよう設計され
る。しかしながら、全ての外的環境に対して万能な保護
層の設計は実現しておらず、長年の繰り返し使用の結
果、徐々にではあるが透湿等により前記蛍光体機能の低
下が起こり、また保護層のキズ付きによってそれはさら
に加速される。これらの経時劣化に起因する放射線感度
の悪化の問題や潜像退行が速くなることなどのS/N比
の低下がひどい場合は、病気診断用に使用される放射線
画像変換パネルにとっては致命的な欠陥となる。
【0046】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、輝尽
性蛍光体の劣化に起因する放射線感度の悪化の問題や潜
像退行が速くなることなどのS/N比の低下の問題を事
前に検出し、良好な状態での使用であるを担保すること
の出来る放射線画像変換パネル及びそのカセッテ並びに
放射線画像読み取り装置を提供することにある。
【0047】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成された。 1.輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルであ
って、前記輝尽性蛍光体層の蛍光体の劣化状態を判別で
きる機能を有することを特徴とする放射線画像変換パネ
ル。
【0048】2.支持体上に輝尽性蛍光体層を有する蛍
光体シートと、該蛍光体シートの蛍光体面を被覆するよ
うに設けられた保護層を有する放射線画像変換パネルで
あって、蛍光体の劣化状態を検出する機能を設けたこと
を特徴とする放射線画像変換パネル。
【0049】3.支持体上に輝尽性蛍光体層を有する蛍
光体シートと、該蛍光体シートの蛍光体面を被覆するよ
うに設けられた保護層を有する放射線画像変換パネルで
あって、蛍光体の劣化状態を検出しそれを表示する機能
を設けたことを特徴とする放射線画像変換パネル。
【0050】4.支持体上に輝尽性蛍光体層を有する蛍
光体シートと、該蛍光体シートの蛍光体面を被覆するよ
うに設けられた保護層を有する放射線画像変換パネルを
装填して用いる放射線画像変換パネル画像用カセッテで
あって、蛍光体の劣化状態を検出する機能を設けたこと
を特徴とする放射線画像変換パネル用カセッテ。
【0051】5.支持体上に輝尽性蛍光体層を有する蛍
光体シートと、該蛍光体シートの蛍光体面を被覆するよ
うに設けられた保護層を有する放射線画像変換パネルを
装填して用いる放射線画像変換パネル画像用カセッテで
あって、蛍光体の劣化状態を検出しそれを表示する機能
を設けたことを特徴とする放射線画像変換パネル用カセ
ッテ。
【0052】6.支持体上に輝尽性蛍光体層を有する蛍
光体シートと、該蛍光体シートの蛍光体面を被覆するよ
うに設けられた保護層を有する放射線画像変換パネルを
装填して用いる放射線画像読み取り装置であって、蛍光
体の劣化状態を検出する機能を設けたことを特徴とする
放射線画像読み取り装置。
【0053】7.支持体上に輝尽性蛍光体層を有する蛍
光体シートと、該蛍光体シートの蛍光体面を被覆するよ
うに設けられた保護層を有する放射線画像変換パネルを
装填して用いる放射線画像読み取り装置であって、蛍光
体の劣化状態を検出しそれを表示する機能を設けたこと
を特徴とする放射線画像読み取り装置。
【0054】8.蛍光体層内の水分量を検知することを
特徴とする上記1又は2に記載の放射線画像変換パネ
ル。
【0055】9.蛍光体層内の酸素量を検知することを
特徴とする上記1、2又は8に記載の放射線画像変換パ
ネル。
【0056】10.蛍光体層内の電導度を検知すること
を特徴とする上記1、2、8又は9に記載の放射線画像
変換パネル。
【0057】
【発明の実施の形態】以下に本発明を更に詳しく説明す
る。本発明に使用する保護層は保護フィルムから構成さ
れてもよい。この保護フィルムは必要とされる防湿性に
あわせて、樹脂フィルムや樹脂フィルムに金属酸化物な
どを蒸着した蒸着フイルムを複数枚積層することで最適
な防湿性とすることができが、輝尽性蛍光体の吸湿劣化
を考慮して少なくとも50g/m2・day以下である
ことが好ましい。樹脂フイルムの積層方法としては、一
般に知られているどのような方法でもかまわない。また
この場合は積層された樹脂フイルム間に励起光吸収層を
設けることによって、励起光吸収層が物理的な衝撃や化
学的な変質から保護され安定したプレート性能が長期間
維持できる。励起光吸収層は複数箇所に設けてもよい
し、積層する為の接着剤層に着色剤を含有し励起光吸収
層としても良い。また、励起光吸収層は、保護フィルム
自体に着色剤を含有させることによって構成してもよ
い。
【0058】保護フィルムにより蛍光体プレートを封止
するにあたっては既知どのような方法でもかまわない
が、防湿性保護フィルムの蛍光体シートに接する側の最
外層の樹脂層を熱融着性を有する樹脂フィルムとするこ
とで防湿性保護フィルムが融着可能となり蛍光体シート
の封止作業が効率化される。
【0059】好ましくは、蛍光体シートの上下に防湿性
保護フィルムを配置し、その周縁が前記蛍光体シートの
周縁より外側にある領域で該上下の防湿性保護フィルム
が融着している封止構造とすることで蛍光体シートの外
周部からの水分進入も阻止できる。さらに支持体面側の
防湿性保護フィルムが1層以上のアルミフィルムをラミ
ネートしてなる積層防湿フィルムとすること(図1参
照)でより確実に水分の進入を低減できる。またこの封
止方法は作業的にも容易である。
【0060】またこの場合、防湿性保護フィルムの蛍光
体面に接する側の最外層の熱融着性を有する樹脂層と蛍
光体層の表面は接着していても接着していなくてもかま
わない。
【0061】接着していない状態とは、微視的には蛍光
体層の表面と防湿性保護フィルムは点接触してはいたと
しても、光学的、力学的には殆ど蛍光体層表面と防湿性
保護フィルムは不連続体として扱える状態のことであ
る。
【0062】またここで言う熱融着性フィルムとは、一
般に使用されるインパルスシーラーで融着可能な樹脂フ
ィルムのことで、たとえばエチレン酢酸ビニルコポリマ
ー(EVA)やポリプロペレン(PP)フィルム、ポリ
エチレン(PE)フィルム等が挙げられるがこれに限ら
れたものではない。
【0063】放射線画像変換パネルの保護フイルムとし
ては光学的に透明度の非常に高いものが想定されてい
る。そのような透明度の高い保護フイルム材料として
は、ヘイズ値が2〜3%の範囲にあるようなプラスチッ
クフイルムが各種市販されている。
【0064】本発明の放射線画像変換パネルにおいて用
いられる支持体としては各種高分子材料が用いられる。
特に情報記録材料としての取り扱い上、可撓性のあるシ
ートあるいはウェブに加工できるものが好適であり、こ
の点からいえばセルロースアセテートフィルム、ポリエ
ステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィル
ム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアミドフ
ィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィル
ム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィル
ムが好ましい。
【0065】また、これら支持体の厚みは用いる支持体
の材質等によって異なるが、一般的には80μm〜10
00μmであり、取り扱い上の点から、好ましくは80
μm〜500μmである。
【0066】これらの支持体の表面は滑面であってもよ
いし、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的でマ
ット面としてもよい。
【0067】さらに、これら支持体には、輝尽性蛍光体
層との接着性を向上させる目的で輝尽性蛍光体層が設け
られる面に下引層を設けてもよい。
【0068】本発明において輝尽性蛍光体層に用いられ
る結合剤(結着剤ともいわれている)の例としては、ゼ
ラチン等の蛋白質、デキストラン等のポリサッカライ
ド、またはアラビアゴムのような天然高分子物質;およ
び、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ニトロセ
ルロース、エチルセルロース、塩化ビニリデン・塩化ビ
ニルコポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレート、
塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー、ポリウレタン、セ
ルロースアセテートブチレート、ポリビニルアルコー
ル、線状ポリエステルなどのような合成高分子物質など
により代表される結合剤を挙げることができる。
【0069】このような結合剤の中で特に好ましいもの
は、ニトロセルロース、線状ポリエステル、ポリアルキ
ル(メタ)アクリレート、ニトロセルロースと線状ポリ
エステルとの混合物、ニトロセルロースとポリアルキル
(メタ)アクリレートとの混合物およびポリウレタンと
ポリビニルブチラールとの混合物である。なお、これら
の結合剤は架橋剤によって架橋されたものであってもよ
い。
【0070】輝尽性蛍光体層は、例えば、次のような方
法により下塗層上に形成することができる。まず輝尽性
蛍光体、および結合剤を適当な溶剤に添加し、これらを
充分に混合して結合剤溶液中に蛍光体粒子および該化合
物の粒子が均一に分散した塗布液を調製する。
【0071】一般に結合剤は輝尽性蛍光体1質量部に対
して0.01乃至1質量部の範囲で使用される。しかし
ながら得られる放射線画像変換パネルの感度と鮮鋭性の
点では結合剤は少ない方が好ましく、塗布の容易さとの
兼合いから0.03乃至0.2質量部の範囲がより好ま
しい。
【0072】輝尽性蛍光体層用塗布液の調製に用いられ
る溶剤の例としては、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、n−ブタノール等の低級アルコール、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノン等のケトン、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸n−ブチル等の低級脂肪酸と低級アルコールと
のエステル、ジオキサン、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルな
どのエーテル、トリオール、キシロールなどの芳香族化
合物、メチレンクロライド、エチレンクロライドなどの
ハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物などが挙げら
れる。
【0073】なお、塗布液には、該塗布液中における蛍
光体の分散性を向上させるための分散剤、また、形成後
の輝尽性蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結
合力を向上させるための可塑剤などの種々の添加剤が混
合されていてもよい。そのような目的に用いられる分散
剤の例としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン
酸、親油性界面活性剤などを挙げることができる。そし
て可塑剤の例としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリク
レジル、燐酸ジフェニルなどの燐酸エステル;フタル酸
ジエチル、フタル酸ジメトキシエチル等のフタル酸エス
テル;グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール
酸ブチルフタリルブチルなどのグリコール酸エステル;
そして、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリ
エステル、ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエ
ステルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸
とのポリエステルなどを挙げることができる。
【0074】輝尽性蛍光体層用塗布液の調製は、ボール
ミル、サンドミル、アトライター、三本ロールミル、高
速インペラー分散機、Kadyミル、および超音波分散
機などの分散装置を用いて行なわれる。調製された塗布
液をドクターブレード、ロールコーター、ナイフコータ
ーなどの塗布液を用いて支持体上に塗布し、乾燥するこ
とにより輝尽性蛍光体層が形成される。
【0075】次いで、形成された塗膜を徐々に加熱する
ことにより乾燥して、下塗層上への輝尽性蛍光体層の形
成を完了する。
【0076】本発明の放射線画像変換パネルの輝尽性蛍
光体層の厚みは目的とする放射線画像変換パネルの特
性、輝尽性蛍光体の種類、結合剤と輝尽性蛍光体との混
合比等によって異なるが、10μm〜1000μmの範
囲から選ばれるのが好ましく、10μm〜500μmの
範囲から選ばれるのがより好ましい。
【0077】支持体上に蛍光体層が塗設された蛍光体シ
ートを所定の大きさに断裁することが行われている。断
裁に際してはどのような方法でも可能であるが、作業
性、精度の面から化粧断裁機、打ち抜き機等を用いるこ
とが望ましい。
【0078】所定の大きさに断裁された蛍光体シートを
防湿性保護フィルムで封止するには既知のいかなる方法
も使用できるが、例をあげると蛍光体シートを上下の防
湿性保護フィルムの間に挟み周縁部をインパルスシーラ
ーで加熱融着する方法や2本の加熱したローラー間で加
圧加熱するラミネート方式等が挙げられる。
【0079】上記インパルスシーラーで加熱融着する方
法においては、減圧環境下で加熱融着することが、蛍光
体シートの防湿性保護フィルム内での位置ずれ防止や大
気中の湿気を排除する意味でより好ましい。
【0080】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を例証する。 実施例1 ユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウムの輝尽性蛍光体前
駆体を合成するために、BaI2水溶液(3.6mol
/L)2780mlとEuI3水溶液(0.2mol/
L)27mlを反応器に入れた。この反応器中の反応母
液を撹拌しながら83℃で保温した。弗化アンモニウム
水溶液(8mol/L)322mlを反応母液中にロー
ラーポンプを用いて注入し、沈澱物を生成させた。注入
終了後も保温と撹拌を2時間続けて沈澱物の熟成を行な
った。次に沈澱物をろ別後、エタノールにより洗浄した
後真空乾燥させてユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウム
の結晶を得た。焼成時の焼結により粒子形状の変化、粒
子間融着による粒子サイズ分布の変化を防止するため
に、アルミナの超微粒子粉体を0.2質量%添加し、ミ
キサーで充分撹拌して、結晶表面にアルミナの超微粒子
粉体を均一に付着させた。これを石英ボートに充填し
て、チューブ炉を用いて水素ガス雰囲気中、850℃で
2時間焼成してユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウム蛍
光体粒子を得た。次に上記蛍光体粒子を分級することに
より平均粒径7μmの粒子を得た。
【0081】蛍光体層形成材料として、上記で得たユー
ロピウム付活弗化ヨウ化バリウム蛍光体427g、ポリ
ウレタン樹脂(住友バイエルウレタン社製、デスモラッ
ク4125)15.8g、ビスフェノールA型エポキシ
樹脂2.0gをメチルエチルケトン−トルエン(1:
1)混合溶媒に添加し、プロペラミキサーによって分散
し、粘度25〜30Pa・sの塗布液を調製した。この
塗布液をドクターブレードを用いて厚さ100μmの黒
色PET支持体上に塗布したのち、100℃で15分間
乾燥させて、270μmの厚さの蛍光体層を形成した。
【0082】(保護フイルムの作成)蛍光体シートの蛍
光体面側の保護フイルムは下記(A)で示された構成の
ものを使用した。 (A) VMPET12//VMPET12//PET
12//シーラントフイルム PET:ポリエチレンテレフタレート シーラントフイルム:熱融着性フイルムでCPP(キャ
ステングポリプロプレ)又はLLDPE(低密度線状ポ
リエチレン)を使用 VMPET:アルミナ蒸着PET(市販品:東洋メタラ
イジング社製) 尚、各樹脂フィルムの後ろの数字はフィルムの膜厚(μ
m)を示す。また、上記“//”はドライラミネーショ
ン接着層(接着層の厚みは2.5μm)であることを意
味する。使用したドライラミ用の接着剤は2液反応型の
ウレタン系接着剤である。
【0083】この時使用した接着剤溶液に、あらかじめ
メチルエチルケトンに分散溶解させた有機系青色着色剤
(ザボンファーストブルー3G、ヘキスト社製)を添加
しておくことで、接着層の全てを励起光吸収層とした。
またこのときの添加量を調節することで励起光吸収層の
光線透過率を調節した。
【0084】ここで言う励起光吸収層の光線透過率と
は、He−Neレーザー光(633nm)の光波長にお
ける光透過率を励起光吸収層を有しないことだけが異な
る該保護フイルムの光透過率と比較した場合の値とし
た。また同時にシーラントフイルムの品種を変更するこ
とでヘイズ率を調節し、各種のヘイズ率の積層保護フイ
ルムを作成した。
【0085】蛍光体シートの支持体面側の保護フィルム
は、シーラントフイルム/アルミ箔フィルム9μm/ポ
リエチレンテレフタレート(PET)188μmの構成
のドライラミネートフィルムとした。またこの場合の接
着層の厚みは1.5μmで2液反応型のウレタン系接着
剤を使用した。
【0086】(蛍光体シートの封止)塗布サンプルを2
0cm×20cmの正方形に断裁し、上記の各種のヘイ
ズと励起光吸収層を有する積層保護フイルムを使用し、
減圧下で周縁部をインパルスシーラを用いて融着するこ
とで封止した。
【0087】図1及び図2に上記実施例に用いた構成と
同様の本発明の放射線画像変換パネルの断面図を示す。
図中、11は蛍光体層、12は支持体、13は保護層、
14は蛍光体モニター用センサー、19はトレー板を示
す。トレー板19は、マグネシウム金属製の平板を用い
て、そこに、鉛箔の上下にテープ(フィルム)を有する
支持体を介して前記保護層の設けられた蛍光体シートを
貼りつけ、放射線画像変換パネルを形成したものを用い
た。
【0088】尚、融着部から蛍光体シート周縁部までの
距離は1mmとなるように融着した。融着に使用したイ
ンパルスシーラーのヒーターは8mm幅のものを使用し
た。
【0089】本発明は、保護層フィルム内、蛍光体層
内、あるいは別個に蛍光体の劣化状態を表示する機能を
設け、水分量、酸素量などに反応する色素などを用いて
蛍光体状態をモニター表示する。具体的には、下記構成
のいずれであってもよい。
【0090】1)保護層フィルム内、蛍光体層内、ある
いは別個に蛍光体層を構成する蛍光体の劣化状態をモニ
ターできるセンサー14を有する。センサー14が検出
結果を示す機能を併せ有するものであるときは、パネル
19、支持体12の各々に蛍光体モニター窓を設け、透
視できるようにすることが好ましい(図3)。
【0091】2)蛍光体画像領域外にセンサー14を有
する。即ち、図5の放射線画像変換パネル17の画像読
み取り領域18の外側にセンサー14を有する。
【0092】3)蛍光体画像領域内にセンサー14を有
する。即ち、図5の放射線画像変換パネル17の画像読
み取り領域18の内側にセンサー14(破線で示す)を
有する。
【0093】4)蛍光体層の裏面側にセンサー14を有
する。センサー14は支持体12上にあっても(図1参
照)、埋設されていてもよい(図2参照)。
【0094】5)モニターとしてのセンサー14による
劣化結果はプレート面上に表示する。
【0095】6)カセッテ16外部から識別できるよう
にする。具体的には、図4に示すように、放射線画像変
換パネル用カセッテ16の裏面側にも透視窓20を設け
る。または、図6に示すように放射線画像読み取り装置
に検出結果を示す表示部21を設ける。即ち、この表示
部21は、カセッテ装着部毎に設けて、装着カセッテ毎
にモニターできる構成であることが好ましく、CRT画
面等に表示してもよいし、ランプ表示等によってもよ
い。
【0096】7)センサー14は表示機能を併せ持って
もよい。
【0097】8)センサー14は水分量、酸素量、電導
度(蛍光体元素のイオン化量)などをモニターするもの
であれば、いずれでもよい。
【0098】水分センサー:蛍光体層中の水分量を塩化
コバルト等による発色度変化(例えば、吸湿によって青
から赤に変色)を利用したものが挙げられる。また、水
分センサーは下記を含む公知公用のあらゆるものが採用
できる。 a.塩化コバルト水溶液を濾紙にしみ込ませた後、乾燥
させて作られた紙片状の水分センサー:乾燥時青色、吸
湿時赤色に変化する。 b.塩化コバルト水溶液を酸化珪素粉末を錠剤状に成形
したものにしみ込ませた後、乾燥させて作られた錠剤状
の水分センサー:乾燥時青色、吸湿時赤色に変化する。 c.水分感応性の消色性色素からなる塗料を用いて蛍光
体面上にマーキングした塗料状の水分センサー:乾燥時
無色、吸湿時黄色に変化する。 d.その他水分発色性のインクを用いて蛍光体面上にマ
ーキングした塗料状の水分センサーが挙げられる。
【0099】酸素センサー:蛍光体層中の酸素量をメチ
レンブルー等による発色度変化(例えば、酸素によって
赤から青に変色)を利用したものが挙げられる。また、
酸素センサーは下記を含む公知公用のあらゆるものが採
用できる。 a.メチレンブルー水溶液を濾紙にしみ込ませた後、乾
燥させて作られた紙片状の酸素センサー:脱酸素時青
色、酸素透過時白色に変化する。 b.メチレンブルー水溶液を酸化珪素粉末を錠剤状に成
形したものにしみ込ませた後、乾燥させて作られた錠剤
状の劣化モニター:脱酸素時青色、酸素透過時白色に変
化する。 c.酸素感応性の錠剤状酸素センサー[エージレスアイ
(三菱ガス化学社製、商品名)]:脱酸素時赤色、酸素
透過時青色に変化する。 d.酸素感応性の塗料状インジケータインキ(東洋イン
キ社製):脱酸素時赤色、酸素透過時青色に変化する。 e.その他酸素の存在によって発熱する酸化鉄粉末等が
挙げられる。
【0100】電導度(イオン化センサー):蛍光体層中
の電導度変化を利用したものが挙げられる。例えば、導
電性インキ或いは金属箔を蛍光体層表面に一定の間隔を
明けて設け、その間の抵抗値を検知することにより、劣
化に伴って生じる蛍光体のイオン化による導電度変化を
みる(即ち、例えば発色を目視できる構成、或いは導電
度変化を電気信号として検知し、パネル表示することや
ブザー等の音響表示することでモニター表示する)もの
を挙げることができる。プレートID認識用の電波発信
式チップに上記検出情報をのせて放射線画像変換パネル
画像読み取り装置に送っても良い。
【0101】9)上記の如く、色、光、電気信号、音な
どを用いて蛍光体状態をモニター表示する。
【0102】
【発明の効果】本発明によれば、輝尽性蛍光体の劣化に
起因する放射線感度の悪化の問題や潜像退行が速くなる
ことなどのS/N比の低下の問題を事前に検出し、良好
な状態での使用であるを担保することの出来る放射線画
像変換パネル及びそのカセッテ並びに放射線画像読み取
り装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放射線画像変換パネルの一実施例を示
す概略断面図である。
【図2】本発明の放射線画像変換パネルの他の実施例を
示す概略断面図である。
【図3】本発明の放射線画像変換パネルの他の実施例を
示す概略断面図である。
【図4】本発明の放射線画像変換パネルの他の実施例を
示す概略断面図である。
【図5】蛍光体センサーの位置を例示した放射線画像変
換パネルの平面図である。
【図6】放射線画像読み取り装置の一例を示す概略斜視
図である。
【符号の説明】
11 蛍光体層 12 支持体 13 保護層 14 蛍光体モニター用センサー 15 蛍光体モニター窓 16 放射線画像変換パネル用カセッテ 17 放射線画像変換パネル 18 画像読み取り領域 19 トレー板 20 透視窓 21 表示部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 1/04 H04N 1/04 E (72)発明者 齋藤 智子 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 Fターム(参考) 2G083 AA03 BB02 CC01 CC09 CC10 DD11 DD16 EE10 2H013 AC01 BA02 5B047 AA17 BC14 5C072 AA01 NA02 VA01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パ
    ネルであって、前記輝尽性蛍光体層の蛍光体の劣化状態
    を判別できる機能を有することを特徴とする放射線画像
    変換パネル。
  2. 【請求項2】支持体上に輝尽性蛍光体層を有する蛍光体
    シートと、該蛍光体シートの蛍光体面を被覆するように
    設けられた保護層を有する放射線画像変換パネルであっ
    て、蛍光体の劣化状態を検出する機能を設けたことを特
    徴とする放射線画像変換パネル。
  3. 【請求項3】支持体上に輝尽性蛍光体層を有する蛍光体
    シートと、該蛍光体シートの蛍光体面を被覆するように
    設けられた保護層を有する放射線画像変換パネルであっ
    て、蛍光体の劣化状態を検出しそれを表示する機能を設
    けたことを特徴とする放射線画像変換パネル。
  4. 【請求項4】支持体上に輝尽性蛍光体層を有する蛍光体
    シートと、該蛍光体シートの蛍光体面を被覆するように
    設けられた保護層を有する放射線画像変換パネルを装填
    して用いる放射線画像変換パネル画像用カセッテであっ
    て、蛍光体の劣化状態を検出する機能を設けたことを特
    徴とする放射線画像変換パネル用カセッテ。
  5. 【請求項5】支持体上に輝尽性蛍光体層を有する蛍光体
    シートと、該蛍光体シートの蛍光体面を被覆するように
    設けられた保護層を有する放射線画像変換パネルを装填
    して用いる放射線画像変換パネル画像用カセッテであっ
    て、蛍光体の劣化状態を検出しそれを表示する機能を設
    けたことを特徴とする放射線画像変換パネル用カセッ
    テ。
  6. 【請求項6】支持体上に輝尽性蛍光体層を有する蛍光体
    シートと、該蛍光体シートの蛍光体面を被覆するように
    設けられた保護層を有する放射線画像変換パネルを装填
    して用いる放射線画像読み取り装置であって、蛍光体の
    劣化状態を検出する機能を設けたことを特徴とする放射
    線画像読み取り装置。
  7. 【請求項7】支持体上に輝尽性蛍光体層を有する蛍光体
    シートと、該蛍光体シートの蛍光体面を被覆するように
    設けられた保護層を有する放射線画像変換パネルを装填
    して用いる放射線画像読み取り装置であって、蛍光体の
    劣化状態を検出しそれを表示する機能を設けたことを特
    徴とする放射線画像読み取り装置。
  8. 【請求項8】蛍光体層内の水分量を検知することを特徴
    とする請求項1又は2に記載の放射線画像変換パネル。
  9. 【請求項9】蛍光体層内の酸素量を検知することを特徴
    とする請求項1、2又は8に記載の放射線画像変換パネ
    ル。
  10. 【請求項10】蛍光体層内の電導度を検知することを特
    徴とする請求項1、2、8又は9に記載の放射線画像変
    換パネル。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009180519A (ja) * 2008-01-29 2009-08-13 Fujifilm Corp 放射線変換器
JP2012046027A (ja) * 2010-08-25 2012-03-08 Bridgestone Corp タイヤ
JP2014240275A (ja) * 2014-08-25 2014-12-25 株式会社ブリヂストン タイヤ
WO2022145073A1 (ja) * 2021-01-04 2022-07-07 キヤノン電子管デバイス株式会社 放射線検出器

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