JP3562675B2 - ポリエステルおよびそれを用いた写真用支持体の製造方法 - Google Patents

ポリエステルおよびそれを用いた写真用支持体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系写真用支持体の製造方法、特に、冷却ドラムへの静電密着性に優れた高速溶融製膜方法に関する。又、平坦性がよく透明性に優れ、着色の少ないポリエステル系写真用支持体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルフィルムは、通常、ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル交換反応または直接エステル化反応後、該ジカルボン酸のジオールエステルまたはその低重合体を重縮合反応して得られるポリエステルを溶融押し出しし、さらに一軸又は二軸に延伸して製造されるが、溶融押し出し時の溶融未固化シートと冷却ドラムとの密着性はフィルム表面の平坦性を決定するため、特に優れた平坦性を求められる写真用支持体フィルムの製膜にとっては非常に重要な要因であり、これを改善するため押し出し機口金と冷却ドラムとの間に高電圧を印加する電極を設け、未固化のポリエステルシートに電荷を生ぜしめ、冷却ドラムとの密着性を高める(以下静電密着性という)ことが知られている。
【0003】
ポリエチレンナフタレート(PEN)の溶融電気抵抗値を下げる方法として、エチレングリコール可溶性金属化合物や燐化合物を添加することが知られているが、熱安定性が低下する。
例えば特開昭62−113529公報に記載された薄手の未固化シートの製膜には有効であるが、本発明の目的とする厚手の製膜をしたり、製膜速度を速めると、未固化シートへの電荷析出量の不足から冷却ドラムとの密着が悪化し、表面が畳目状や波打ち様の状態となる。このようなシートを延伸処理して得られるフィルムは表面の平坦性が悪く、特に写真用フィルムとして使用できない。このような支持体に下塗層やバックコート層および写真用乳剤層を塗布するとシワの発生や塗布ムラ(厚みムラ)が発生する。
【0004】
又、直接エステル化反応により得られたPENはその原料であるナフタレンジカルボン酸の純度が低いため、製膜延伸して得られたフイルムに着色が見られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、溶融製膜時の静電密着性に優れたポリエステル及び高速溶融製膜方法を提供することにある。又、シート表面が畳目状や波打ち様の状態にない、平坦性と透明性に優れ、かつ着色の少ないポリエステル系写真用支持体の製造法を提供することにある
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、溶融電気抵抗値(logR)が6.0以上7.0未満のポリエステル及び芳香族ジカルボン酸ジエステルとジオールのエステル交換反応により重縮合反応せしめて得られたポリエステルを静電印加法により製膜するポリエステル支持体の製造方法において、該重縮合反応が、該重縮合反応開始時までにグリコール可溶性の金属塩化合物と窒素原子を含むヘテロ環化合物とを添加後に重縮合反応するものであり、300℃の溶融状態における常用対数(log)で表す溶融電気抵抗値(logR)が6.0以上7.0未満である該ポリエステルを静電印加法により製膜することを特徴とするポリエステル系写真用支持体の製造方法によって達成された。ここでいうポリエステルには、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート(以下PCTという)、ポリブチレンテレフタレート(以下PBTという)、ポリブチレンナフタレート(以下PBNという)等が挙げられる。本発明の目的に好適に用いられるのはPENを主成分とするポリエステルである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、特にPENを主成分とする溶融電気抵抗値(logR)が6.0以上7.0未満のポリエステルおよびその写真用支持体の製造方法に関するが、特性を損なわない範囲で、例えばアジピン酸、セバチン酸のような脂肪族ジカルボン酸成分、フタル酸、イソフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウム、4−スルホ−2,6− ナフタレンジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸成分、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のような脂環族ジカルボン酸成分等を共重合させる事ができ、また、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、さらにトリメリット酸やグリセリンのような多官能成分を共重合させる事もできる。
好ましくは、エチレングリコールと(2,6−)ナフタレンジカルボン酸を全ジカルボン酸中に少なくとも70モル%含むポリエチレン−2,6−ナフタレートである。2,6−ナフタレンジカルボン酸を90モル%以上含むPENが好ましい。
更に、他のナフタレンジカルボン酸成分として5モル%を越えない範囲で2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸を共重合せしめてもよい。
また、添加剤としては、公知のヒンダードフェノール類のような酸化防止剤、滑剤としてシリカ、アルミナ、カルシウム化合物等のような不活性無機粒子や有機架橋高分子粒子、さらに、発明協会公開技報公技番号94−6023に示される染料や顔料等を必要に応じ添加する事ができる。
本発明のポリエステルの製造方法の製膜工程においては、未延伸時のフィルムの厚みは0.3mm〜2.5mm、好ましくは0.45mm〜2.5mm、更に好ましくは0.7mm〜2.0mm、その製膜幅は0.2m〜3mである。
延伸倍率は縦方向、横方向に2〜5倍、好ましくは3〜4倍で、二軸延伸配向後のフィルムの厚みは60μmから120μm である。
又、二軸延伸配向は同時二軸延伸でも逐次二軸延伸でも良い。延伸後さらにポリエステルの融点より5℃ないし30℃低い温度で熱固定及び熱緩和処理を行う。巻ぐせカールを減らすために、米国特許4141735号明細書に記載されているガラス転移点以下の温度での熱処理を行ってもよい。
製膜速度は20m/分以上120m/分以下、好ましくは、30m/分以上100m/分以下、更に好ましくは40m/分以上90m/分以下である。その時の冷却ドラム速度は3m/分以上30m/分以下である。
又、本発明のポリエステルの製造方法は、芳香族ジカルボン酸ジエステルとジオール、具体的にはエチレングリコールとのエステル交換反応終了時から重縮合反応開始までに、溶融電気抵抗を下げる成分を添加することが必要である。
【0008】
本発明ではその成分として、グリコール可溶性の、マグネシウム化合物、マンガン化合物又は亜鉛化合物から選ばれた化合物と窒素原子を含むヘテロ環化合物を併用することが好ましい。例えば、ナフチリジン、フタラジン、インドリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリン、プテリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ジアザビシクロウンデセン−1、ジアザビシクロオクタン、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)ノン−5− エンおよびそれらの誘導体がある。
イミダゾール誘導体としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール2−エチル−5− メチルイミダゾール、2−メチル−5−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2,5−ジメチルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール等がある。
好ましくは、窒素原子を2固以上含むヘテロ環化合物であり、グリコール可溶性のマグネシウム化合物、マンガン化合物又は亜鉛化合物としては、金属の酢酸塩がよく、中でも酢酸マグネシウムがよい。添加量は1.5モル 〜6モル %(ポリエステル1ton 当たり、以下同じ) 好ましくは、2モル 〜4モル %である。
又、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウムやナフトエ酸等の有機スルフォン酸化合物や有機カルボン酸化合物またはそれらの金属塩が用いられるが、PENとの相溶性がよくフィルムの透明性を損なわず、また、種々の写真用処理(例えば現像、水洗、乾燥等)でフィルム外に析出しない化合物である事が必要である。一方、これらの化合物を使用するときは、ポリエステルの製造時に添加してもよく、また製膜時に添加混合しても有効である。
【0009】
本発明の製膜方法は静電印加法による。即ち、該支持体は、280℃〜310℃に加熱された溶融押し出し機により、溶融押し出し機口金より押し出された未固化シートを冷却ドラムで冷却し、未延伸シートとし、次いで縦方向及び横方向に2倍〜5倍に逐次または同時延伸配向後さらに熱固定、熱緩和等の熱処理によって得られるが、前記溶融押し出し機口金から冷却ドラムの間に、未固化シートの流れと直角に細線よりなる電極を設け(例えば0.1mm径のタングステン線)、5KV〜15KVの直流電圧を印加し、未固化シートの冷却ドラムへの密着を良くし、平坦性のよい未延伸シートを得る。
本発明でいう、常用対数で表す溶融電気抵抗値(以下logRという。ここで、Rは電気抵抗値を示す)は、溶融したポリエステル中の2本の電極間の電気抵抗値であり、溶融温度の高い方がlogRは低い値となるが、ここでは実際の製膜時の溶融条件にあった温度として300℃のlogRで説明する。
静電密着性はlogRが6.0以上7.0未満、好ましくは6.1以上6.9以下、更に好ましくは6.3以上6.8以下のときに優れていることが分かった。
【0010】
ポリエステルのlogRが7.0以上でも250μm以下程度の比較的薄いシートでは静電密着性は良いが、0.45mm以上2.5mm以下のような厚手のシートの場合は、ポリエステル中の電荷析出量が不足し、30m/分以上の高速で製膜しようとすると冷却ドラムとの密着が悪くなり、フィルム表面が畳目状になったり、波打ち様の表面が発生し写真用支持体として使用できない。
又、グリコール可溶性の金属化合物を過剰に添加したり、燐化合物の添加量を減らしてlogRを6.0以下にすると、金属化合物の場合は異物が発生しやすくなる。燐化合物の場合は耐熱着色性が低下する。そして、ともに写真用支持体としては好ましくない。
本発明を明確にするために、本発明でいうポリエステルの製造法を、PENの製造法を例示し、更に詳しく説明する。
【0011】
本発明に用いられるPENは、回分法、半連続法または連続法によって製造する事が出来るが、回分法で説明する。2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル(以下NCMという)とエチレングリコールを(M)エチレングリコール可溶性のマンガン、マグネシウム、カルシウム及び亜鉛化合物の中から選ばれたエステル交換反応触媒の存在下に、180℃〜260℃に加熱して副生するメタノールを精留塔から留去しつつエステル交換反応せしめ、2, 6−ナフタレンジカルボン酸のグリコールエステルまたはその低重合体(以下オリゴマーという)を得る。通常3時間〜6時間を要する。
次いで得られた前記オリゴマーを0.5 〜2.5モル %、好ましくは1.0 〜2.0モル %のアンチモン化合物及び0.3〜6.5モル%、好ましくは0.6 〜5.0モル %のリン酸又は亜リン酸又はこれらのエステル類の存在下、最終的には280℃〜300℃に加熱し、1mmHg 〜0.2mmHg の真空下、エチレングリコールを留去しつつ2時間〜5時間、重縮合反応せしめてPENを製造するに当たり、エステル交換反応終了後、重縮合反応開始までに溶融電気抵抗を下げる成分、例えば、前記グリコール可溶性酢酸マグネシウムと窒素原子を含有するヘテロ環化合物を添加する。
【0012】
上記エステル交換触媒は上記グリコール可溶性の金属化合物のいずれを用いても良いが、中でもマンガン化合物、特に酢酸マンガンが好適に用いられる。
燐化合物の量は少なすぎるとポリマーの耐熱着色性が劣り、多すぎると静電密着性を損なう。窒素原子を含むヘテロ環化合物は多すぎると生成するポリエステルの黄色化の原因となるから、添加量は5 〜100ppm、好ましくは、10〜50ppm である。
【0013】
重縮合反応触媒は、三酸化アンチモンのようなアンチモン化合物及びチタンブトオキサイドのようなチタン化合物が用いられるが、中でも、アンチモン化合物、例えば、三酸化アンチモンが好ましい。
こうして得られたポリエステルは、一般に、釜底に設けられたポリマー取り出し口からストランド状で抜き出され、水槽中で冷却された後、切断されペレット化される。ペレットは、100℃ないし200℃、5時間ないし20時間真空下に乾燥され、各種物性測定や製膜に供せられる。
【0014】
本発明のポリエステルの製造を回分式の溶融重合法で説明したが、溶融重合後、さらに固相重合することもできる。また本発明のポリエステルの極限粘度はその主成分により変動するが、0.45以上0.70以下が好ましく、末端カルボキシル基濃度は10eq/10gないし50eq/10gが好ましい。
溶融押し出しは、290℃ないし310℃で、溶融した未固化シートを押し出し機金口から押し出し静電密着法により冷却ドラムに密着させた後剥取り、縦方向及び横方向に延伸し二軸延伸配向フィルムとする。今回は二軸延伸倍率を製膜速度に応じ、適宜選択した。溶融押し出し時、押し出し機から押し出し機金口に至るまでに、工程で混入または発生するごみや異物を除去するためにフィルターを設置することが望ましい。
【0015】
【実施例】
本発明を、以下に具体例を挙げながら説明するが、本発明がこれによって限定されるものでわない。なお、実施例中の「部」は特に断らない限り重量部を意味する。各種の分析値は下記の方法にしたがった。
固有粘度:フェノール/テトラクロロエタン混合液(重量部で6/4に混合)にポリマーを溶解し、25℃で測定する。測定はポリマーの溶解濃度を変えながら4点測定して求めた。
ペレット色相:日本電色社製の色差計でペレットのb値を測定した。
溶融電気抵抗(logR):乾燥させたペレットを試験管にいれ、300℃のオイルバスで溶融させ、これに直径2mmのSUS製の2本の棒を1cm間隔に固定した電極を溶融ポリマーに5cm侵す。2本の電極間の電気抵抗値(R)をテスター(アドバンテスト社製TR−6846)で測定し、常用対数値(logR)で表した。
ガラス転移点:島津社製示差熱分析器DSC50を用い、10℃/分の昇温速度で測定した。
静電印加性:乾燥したペレットを溶融押し出し機に投入し、押し出し機の口金部と冷却ドラムとの間に細線の電極を設け、この細線と冷却ドラムとの間に10KVの直流電圧を印加し、未延伸時の製膜幅が0.3m、厚みが1mmの未固化シートを10m/分の冷却ドラム速度で良好に製膜できるか否かを判定した。静電密着性が不十分の時は、シート表面が畳目状や波打ち様の状態(以下ベコという)が発生する。このベコの発生面積を比率で表して平坦性を測定した。
【0016】
実施例1
13.7KgのNCM、8.0Kgのエチレングリコール、3.5gの酢酸マンガン四水和物、3.9gの三酸化アンチモンを攪拌機、精留塔およびN導入管を備えた反応釜にいれ、Nで空気置換後、攪拌しながら徐々に昇温する。液温度が約180℃になると反応が始まりメタノールが流出を始める。さらに液温を250℃まで昇温し、約4時間で反応を完結させた。
エステル交換反応を終了したオリゴマーを260℃に加熱した、攪拌機と留出管、N導入管および釜底にポリマー吐出管を備えた重縮合反応釜に移液し、攪拌しながら、7.5gの酢酸マグネシウム四水和物、3.5gの燐酸トリメチルおよび0.3gの2.5.6−トリメチルベンズイミダゾールを反応釜に添加し、反応系を真空にする。徐々に真空度を上げ最終的には0.5mmHgとし、液温も最終的には285℃まで上昇させる。攪拌機に付属したトルクメーターにより溶融粘度を読みとり、所定のトルク値に達したところで反応を終了した。約3.5時間を要した。
反応系をNで常圧に戻し、さらに加圧して釜底の吐出管よりポリマーを取り出す。取り出したストランド状ポリマーを水槽内で冷却し、切断しペレット状にする。
ペレットは乾燥し、物性測定及び製膜時の静電密着性テスト(ベースの平坦性で評価)を行った。又、二軸延伸したフイルムの透明性は基準を上回った。
表1、2に組成及び特性を示す。
【0017】
実施例2、3
実施例1で、酢酸マグネシウム四水和物,燐酸トリメチルの添加量を変えてPENを合成した。その他の添加剤、添加量及び反応方法は実施例1と全く同様に行った。
表1、2に組成及び特性を示す。
【0019】
実施例5
1.09Kgのテレフタル酸ジメチル、12.3KgのNCM8.4Kgのエチレングリコール及び3.5gの酢酸マンガン四水和物を反応釜に入れ、攪拌しながら250℃まで徐々に加熱する。副生するメタノールを精留塔から抜きつつエステル交換反応を進め、所定のメタノールが約4.5時間で流出し、エステル交換反応は終了した。
反応終了液を250℃に加熱した重縮合釜に移す。5.0gの三酸化アンチモン、14.5gの酢酸マグネシウム・四水和物、5.0gの燐酸トリメチル及び0.4gの2.5.6−トリメチルベンズイミダゾールを添加し、反応系を徐々に真空にし最終的には0.5mmHgとする。反応液温度も昇温し最終的には280℃にまで加熱する。所定のトルク値に達したところで重縮合反応を終了した。約3.5時間を要した。ポリマーは実施例1と同様にしてペレット化し、種々の特性を測定した。
更に本発明の支持体に公開技法 公技番号94−6023の実施例1〜7記載の下塗層、バックコート層および写真用乳剤層塗布を行ったところ、特に問題ない事が確認された。
表1、2に組成及び特性を示す。
【0020】
実施例6、7
実施例1のNCMの15モル%および30モル%をジメチルテレフタレートに変えてエステル交換反応を行った。触媒の種類及び添加量、その他の添加剤種と量、反応方法等は実施例1と同様に行った。
表1、2に組成及び特性を示す。
【0021】
比較例1〜3
実施例1のうち、酢酸マグネシウム四水和物と2.5.6−トリメチルベンズイミダゾールの添加量を変え、その他は実施例1と全く同様に反応させた。
表1、2に組成及び特性を示す。
【0022】
【表1】
Figure 0003562675
【0023】
【表2】
Figure 0003562675
【0024】
【発明の効果】
着色の少ないポリエステルが得られた。又、溶融製膜時、冷却ドラムに対するポリエステルの静電密着性が向上した結果、高速溶融製膜が可能になった。更に、厚みが薄く、透明性が良く、着色の少ないポリエステル系写真用支持体を提供することができる。

Claims (10)

  1. 芳香族ジカルボン酸ジエステルとジオールのエステル交換反応により重縮合反応する際、該重縮合反応開始時までにグリコール可溶性の金属塩化合物と窒素原子を含むヘテロ環化合物とを添加後に重縮合反応して製造され、かつ、300℃の溶融状態における常用対数で表す溶融電気抵抗値(logR) が6.0以上7.0未満であることを特徴とするポリエステル。
  2. 前記ポリエステルがポリエチレンナフタレートであることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル。
  3. 前記重縮合反応する際、前記エステル交換反応終了後、前記重縮合反応開始時までに、前記グリコール可溶性の金属塩化合物と前記窒素原子を含むヘテロ環化合物とを添加後に重縮合反応して製造されることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステル。
  4. 芳香族ジカルボン酸ジエステルとジオールのエステル交換反応により重縮合反応せしめて得られたポリエステルを静電印加法により製膜するポリエステル支持体の製造方法において、該重縮合反応が、該重縮合反応開始時までにグリコール可溶性の金属塩化合物と窒素原子を含むヘテロ環化合物とを添加後に重縮合反応するものであり、300℃の溶融状態における常用対数で表す溶融電気抵抗値が6.0以上7.0未満である該ポリエステルを静電印加法により製膜延伸することを特徴とするポリエステル系写真用支持体の製造方法。
  5. 前記重縮合反応が、前記エステル交換反応終了後、前記重縮合反応開始時までに、前記グリコール可溶性の金属塩化合物と前記窒素原子を含むヘテロ環化合物とを添加後に重縮合反応するものであることを特徴とする請求項4に記載のポリエステル系写真用支持体の製造方法。
  6. 前記支持体の製膜延伸速度が20m/分以上120m/分以下であることを特徴とする請求項4または5に記載のポリエステル系写真用支持体の製造方法。
  7. 前記支持体の未延伸時のフィルムの厚みが0.45mm以上2.5mm以下であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載のポリエステル系写真用支持体の製造方法。
  8. 前記支持体の未延伸時の製膜幅が0.2m以上3m以下であることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載のポリエステル系写真用支持体の製造方法。
  9. 前記芳香族ジカルボン酸ジエステルがジメチル−2,6−ナフタレートであることを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載のポリエステル系写真用支持体の製造方法。
  10. 前記ポリエステルがポリエチレン−2,6−ナフタレートであることを特徴とする請求項4〜9のいずれか1項に記載のポリエステル系写真用支持体の製造方法。
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