JP2001162426A - 曲面切削装置及び曲面切削方法 - Google Patents

曲面切削装置及び曲面切削方法

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JP2001162426A
JP2001162426A JP35091199A JP35091199A JP2001162426A JP 2001162426 A JP2001162426 A JP 2001162426A JP 35091199 A JP35091199 A JP 35091199A JP 35091199 A JP35091199 A JP 35091199A JP 2001162426 A JP2001162426 A JP 2001162426A
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Japan
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cutting
finishing
cutting blade
curved surface
rough
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JP35091199A
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Hisashi Inada
久 稲田
Satoshi Kai
聡 甲斐
Yoichiro Obayashi
陽一郎 大林
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は回転軸に荒加工用と仕上げ加工用の切
削刃を取り付け鏡面駒曲面を効率的に切削加工する曲面
切削装置及び曲面切削方法を提供する。 【解決手段】工具スピンドル1は、工具回転軸2に仕上
げ加工用切削刃7の固定された仕上げ加工用切削フラン
ジ3と荒加工用切削刃8の固定された荒加工用切削フラ
ンジ5が刃間隔設定用ナット4を挟んで、固定ナット6
により固定されており、その刃先間隔が仕上げ加工用切
削刃7と荒加工用切削刃8が同時に鏡面駒を切削しない
距離となっている。自由曲面加工機は、X軸テーブル上
に固定された鏡面駒に対して、工具スピンドル1の工具
回転軸2を回転駆動させて、荒加工用切削刃8により、
予め求めた除去量まで荒加工を行い、次に、仕上げ加工
用切削刃7に切り換えて、鏡面駒を仕上げ加工用切削刃
7で仕上げ加工を行う。したがって、荒加工と仕上げ加
工を切削刃を取り換えて交換する作業を行うことなく、
無人での連続作業を可能とし、作業効率を向上させるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、曲面切削装置及び
曲面切削方法に関し、詳細には、軸非対称曲面を対象と
する光学素子の機能面や光学素子を形成する鏡面駒の生
産性を向上させる曲面切削装置及び曲面切削方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、非軸対象の光学素子成型用鏡面
駒の鏡面加工前のブランク形状を加工するには、マシニ
ングセンター(位置決め分解能1μm)を用いて位置調
整を行い、その後、単結晶ダイヤモンド工具を用いて鏡
面切削を行えるように、Niメッキが施される。このマ
シミングセンターを用いると、加工機の誤差と加工に用
いる工具のボールエンドミルの刃先形状の誤差から、加
工後のブランク誤差が数μmとなる。
【0003】一方、鏡面加工を行う自由曲面加工機(位
置決め分解能0.01μm)においては、単結晶ダイヤ
モンド工具を用いた場合、刃先が、0.01μmオーダ
の鋭利さで作られているため、切り込み量を多くする
と、刃先にチッピングが生じ、通常、5μm程度の切り
込み量で加工が行われる。
【0004】また、鏡面駒としては、鏡面駒の一端を基
準として、そこから一定の距離だけ離れた点が加工時の
原点となるが、マシニングセンターと自由曲面加工機と
では、段取り変えにより誤差が生じる。
【0005】そして、従来、図11に示すような自由曲
面加工機100を用いて非軸対称形状の鏡面駒101を
加工している。
【0006】すなわち、図11に示すように、自由曲面
加工機100は、X軸テーブル101、Y軸テーブル1
02及びZ軸テーブル103を備えており、各テーブル
101、102、103は、図11に矢印で示す各軸方
向に移動制御される。
【0007】X軸テーブル101上には、被工作物であ
る鏡面駒104が固定され、Y軸テーブル102には、
工具スピンドル105が固定されている。工具スピンド
ル105の先端には、工具ホルダー106が取り付けら
れ、工具ホルダー106には、工具である切削刃107
が固定される。工具スピンドル105は、工具ホルダー
106を介して切削刃107を工具スピンドル105の
回転軸回りに回転させる。
【0008】3軸制御の自由曲面加工機100は、図1
2に示すように、工具スピンドル105により切削刃1
07を回転させながら、X−Z軸の同時2軸制御により
鏡面駒104の1ラインを加工し、次に、Y軸テーブル
102を制御して、切削刃107をY軸方向に所定の送
りピッチ量だけ送って次のラインを同様に加工する。自
由曲面加工機100は、この工程を繰り返すことにより
鏡面駒104の加工面全面を切削加工し、この鏡面駒1
04の加工面の形状精度を電気変位計用プローブ108
により測定する。
【0009】そして、従来、長尺の鏡面駒104のブラ
ンクを鏡面加工する場合、まず、自由曲面加工機100
にて複数回の荒加工を行い、全面加工を確認した後、工
具を交換して仕上げの加工が行われる。
【0010】仕上げ前に工具の交換を行うのは、全面加
工までの荒加工回数が多いため、切削刃の工具摩耗、ま
た、マイクロチッピング等が発生して劣化し、仕上げ時
に所望の粗さ等の加工精度が得られなくなるためであ
る。
【0011】その後、仕上げに用いた切削刃を用いて別
の鏡面駒の荒加工を行い、切削刃を交換して仕上げ加工
を行うという工程が行われる。ただし、切削刃に用いら
れている単結晶ダイヤモンドは大変高価である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の鏡面加工技術にあっては、長尺の鏡面駒のブ
ランクを鏡面加工する場合、自由曲面加工機にて複数回
の荒加工を行い全面加工を確認した後、加工機に荒加工
用の工具から仕上げ加工用の工具に付け換えるという工
具の交換作業を行った後、仕上げの加工を行っているた
め、荒加工用の切削刃と仕上げ加工用を交換する作業が
必要があり、作業効率が悪いという問題がある。また、
従来では、荒加工用と仕上げ加工用とで、切削刃として
高価な単結晶ダイヤモンドを用いていたため、コストが
高くつくという問題があった。
【0013】そこで、請求項1記載の発明は、回転軸に
取り付けられた所定の曲率半径の切削刃を、所定の工具
半径で回転軸周りに回転させながら、鏡面駒の切削曲面
に対して相対的に移動させて鏡面駒曲面を切削するに際
して、切削刃として、鏡面駒曲面を荒加工する荒加工用
切削刃と仕上げ加工する仕上げ加工用切削刃を、回転軸
に軸方向に少なくとも鏡面駒の厚み寸法に荒加工用切削
刃または仕上げ加工用切削刃による切削刃幅を加算した
距離を越える刃先間隔を空けて固定し、荒加工用切削刃
で荒加工した後、仕上げ加工用切削刃で仕上げ加工し
て、鏡面駒曲面を切削することにより、荒加工と仕上げ
加工を切削刃を取り換えて交換する作業を行うことな
く、無人での連続作業を可能とし、作業効率を向上させ
ることのできる曲面切削装置を提供することを目的とし
ている。
【0014】請求項2記載の発明は、荒加工用切削刃と
して、CBN、多結晶ダイヤモンド、単結晶ダイヤモン
ドのいずれかを用い、仕上げ加工用切削刃として、真円
度が0.1μm以下の単結晶ダイヤモンドを用いること
により、非常に鋭利な切削刃の破損を防止するととも
に、荒加工用切削刃として安価な材料のものを用い、ま
た、仕上げ加工用切削刃として使用した単結晶ダイヤモ
ンドを荒加工用切削刃として利用し、作業効率を向上さ
せることができるとともに、安価かつ高精度に鏡面駒曲
面を切削することのできる曲面切削装置を提供すること
を目的としている。
【0015】請求項3記載の発明は、荒加工用切削刃と
仕上げ加工用切削刃を、それぞれ異なるホルダーに固定
し、各ホルダーを、荒加工用切削刃と仕上げ加工用切削
刃との間隔が上記刃先間隔となる所定間隔を空けて回転
軸に固定することにより、荒加工用切削刃と仕上げ加工
用切削刃が同時に鏡面駒を切削することを適切かつ容易
に防止し、作業効率を向上させることができるととも
に、高精度に鏡面駒曲面を切削することのできる曲面切
削装置を提供することを目的としている。
【0016】請求項4記載の発明は、予め、荒加工用切
削刃と仕上げ加工用切削刃で所定の平面に切削痕が付く
ように切削して、当該切削痕を測定して求めた荒加工用
切削刃と仕上げ加工用切削刃の刃先間隔及び両切削刃の
刃先の回転半径の差異に基づいて、荒加工用切削刃及び
仕上げ加工用切削刃と鏡面駒との相対位置を制御するこ
とにより、従来行われていた仕上げ用切削刃の加工原点
を求める工程を省くとともに、形状加工することなく仕
上げ加工用切削刃の回転半径を正確に算出し、作業効率
を向上させることができるとともに、より一層高精度に
鏡面駒曲面を切削することのできる曲面切削装置を提供
することを目的としている。
【0017】請求項5記載の発明は、回転軸に取り付け
られた所定の曲率半径の切削刃を、所定の工具半径で回
転軸周りに回転させながら、鏡面駒の切削曲面に対して
相対的に移動させて鏡面駒曲面を切削するに際して、切
削刃として、鏡面駒曲面を荒加工する荒加工用切削刃と
仕上げ加工する仕上げ加工用切削刃を、回転軸に軸方向
に少なくとも鏡面駒の厚み寸法に荒加工用切削刃または
仕上げ加工用切削刃による切削刃幅を加算した距離を越
える刃先間隔を空けて固定し、荒加工用切削刃で荒加工
した後、仕上げ加工用切削刃で仕上げ加工して、鏡面駒
曲面を切削することにより、荒加工と仕上げ加工を切削
刃を取り換えて交換する作業を行うことなく、無人での
連続作業を可能とし、作業効率を向上させることのでき
る曲面切削方法を提供することを目的としている。
【0018】請求項6記載の発明は、予め、荒加工用切
削刃と仕上げ加工用切削刃で所定の平面に切削痕が付く
ように切削して、当該切削痕を測定して求めた荒加工用
切削刃と仕上げ加工用切削刃の刃先間隔及び両切削刃の
刃先の回転半径の差異に基づいて、荒加工用切削刃及び
仕上げ加工用切削刃と鏡面駒との相対位置を制御するこ
とにより、従来行われていた仕上げ用切削刃の加工原点
を求める工程を省くとともに、形状加工することなく仕
上げ加工用切削刃の回転半径を正確に算出し、作業効率
を向上させることができるとともに、より一層高精度に
鏡面駒曲面を切削することのできる曲面切削方法を提供
することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の曲
面切削装置は、回転軸に取り付けられた所定の曲率半径
の切削刃を、所定の工具半径で前記回転軸周りに回転さ
せながら、鏡面駒の切削曲面に対して相対的に移動させ
て鏡面駒曲面を切削する曲面切削装置において、前記切
削刃として、前記鏡面駒曲面を荒加工する荒加工用切削
刃と仕上げ加工する仕上げ加工用切削刃が、前記回転軸
に軸方向に少なくとも前記鏡面駒の厚み寸法に前記荒加
工用切削刃または前記仕上げ加工用切削刃による切削刃
幅を加算した距離を越える刃先間隔を空けて固定されて
おり、前記荒加工用切削刃で荒加工した後、前記仕上げ
加工用切削刃で仕上げ加工して、前記鏡面駒曲面を切削
することにより、上記目的を達成している。
【0020】上記構成によれば、回転軸に取り付けられ
た所定の曲率半径の切削刃を、所定の工具半径で回転軸
周りに回転させながら、鏡面駒の切削曲面に対して相対
的に移動させて鏡面駒曲面を切削するに際して、切削刃
として、鏡面駒曲面を荒加工する荒加工用切削刃と仕上
げ加工する仕上げ加工用切削刃を、回転軸に軸方向に少
なくとも鏡面駒の厚み寸法に荒加工用切削刃または仕上
げ加工用切削刃による切削刃幅を加算した距離を越える
刃先間隔を空けて固定し、荒加工用切削刃で荒加工した
後、仕上げ加工用切削刃で仕上げ加工して、鏡面駒曲面
を切削しているので、荒加工と仕上げ加工を切削刃を取
り換えて交換する作業を行うことなく、無人での連続作
業を可能とすることができ、作業効率を向上させること
ができる。
【0021】この場合、例えば、請求項2に記載するよ
うに、前記荒加工用切削刃は、CBN、多結晶ダイヤモ
ンド、単結晶ダイヤモンドのいずれかであり、前記仕上
げ加工用切削刃は、真円度が0.1μm以下の単結晶ダ
イヤモンドであってもよい。
【0022】上記構成によれば、荒加工用切削刃とし
て、CBN、多結晶ダイヤモンド、単結晶ダイヤモンド
のいずれかを用い、仕上げ加工用切削刃として、真円度
が0.1μm以下の単結晶ダイヤモンドを用いているの
で、非常に鋭利な切削刃の破損を防止することができる
とともに、荒加工用切削刃として安価な材料のものを用
い、また、仕上げ加工用切削刃として使用した単結晶ダ
イヤモンドを荒加工用切削刃として利用し、作業効率を
向上させることができるとともに、安価かつ高精度に鏡
面駒曲面を切削することができる。
【0023】また、例えば、請求項3に記載するよう
に、前記荒加工用切削刃と前記仕上げ加工用切削刃は、
それぞれ異なるホルダーに固定されており、各ホルダー
は、前記荒加工用切削刃と前記仕上げ加工用切削刃との
間隔が前記刃先間隔となる所定間隔を空けて前記回転軸
に固定されていてもよい。
【0024】上記構成によれば、荒加工用切削刃と仕上
げ加工用切削刃を、それぞれ異なるホルダーに固定し、
各ホルダーを、荒加工用切削刃と仕上げ加工用切削刃と
の間隔が上記刃先間隔となる所定間隔を空けて回転軸に
固定しているので、荒加工用切削刃と仕上げ加工用切削
刃が同時に鏡面駒を切削することを適切かつ容易に防止
することができ、作業効率を向上させることができると
ともに、高精度に鏡面駒曲面を切削することができる。
【0025】さらに、例えば、請求項4に記載するよう
に、前記曲面切削装置は、予め、前記荒加工用切削刃と
前記仕上げ加工用切削刃で所定の平面に切削痕が付くよ
うに切削して、当該切削痕を測定して求めた前記荒加工
用切削刃と前記仕上げ加工用切削刃の刃先間隔及び両切
削刃の刃先の回転半径の差異に基づいて、前記荒加工用
切削刃及び前記仕上げ加工用切削刃と前記鏡面駒との相
対位置を制御するものであってもよい。
【0026】上記構成によれば、予め、荒加工用切削刃
と仕上げ加工用切削刃で所定の平面に切削痕が付くよう
に切削して、当該切削痕を測定して求めた荒加工用切削
刃と仕上げ加工用切削刃の刃先間隔及び両切削刃の刃先
の回転半径の差異に基づいて、荒加工用切削刃及び仕上
げ加工用切削刃と鏡面駒との相対位置を制御しているの
で、従来行われていた仕上げ用切削刃の加工原点を求め
る工程を省くことができるとともに、形状加工すること
なく仕上げ加工用切削刃の回転半径を正確に算出するこ
とができ、作業効率を向上させることができるととも
に、より一層高精度に鏡面駒曲面を切削することができ
る。
【0027】請求項5記載の発明の曲面切削方法は、回
転軸に取り付けられた所定の曲率半径の切削刃を、所定
の工具半径で前記回転軸周りに回転させながら、鏡面駒
の切削曲面に対して相対的に移動させて鏡面駒曲面を切
削する曲面切削方法において、前記切削刃として、前記
鏡面駒曲面を荒加工する荒加工用切削刃と仕上げ加工す
る仕上げ加工用切削刃を、前記回転軸に軸方向に少なく
とも前記鏡面駒の厚み寸法に前記荒加工用切削刃または
前記仕上げ加工用切削刃による切削刃幅を加算した距離
を越える刃先間隔を空けて固定し、前記荒加工用切削刃
で荒加工した後、前記仕上げ加工用切削刃で仕上げ加工
して、前記鏡面駒曲面を切削することにより、上記目的
を達成している。
【0028】上記構成によれば、回転軸に取り付けられ
た所定の曲率半径の切削刃を、所定の工具半径で回転軸
周りに回転させながら、鏡面駒の切削曲面に対して相対
的に移動させて鏡面駒曲面を切削するに際して、切削刃
として、鏡面駒曲面を荒加工する荒加工用切削刃と仕上
げ加工する仕上げ加工用切削刃を、回転軸に軸方向に少
なくとも鏡面駒の厚み寸法に荒加工用切削刃または仕上
げ加工用切削刃による切削刃幅を加算した距離を越える
刃先間隔を空けて固定し、荒加工用切削刃で荒加工した
後、仕上げ加工用切削刃で仕上げ加工して、鏡面駒曲面
を切削しているので、荒加工と仕上げ加工を切削刃を取
り換えて交換する作業を行うことなく、無人での連続作
業を可能とすることができ、作業効率を向上させること
ができる。
【0029】この場合、例えば、請求項6に記載するよ
うに、前記曲面切削方法は、予め、前記荒加工用切削刃
と前記仕上げ加工用切削刃で所定の平面に切削痕が付く
ように切削して、当該切削痕を測定して前記荒加工用切
削刃と前記仕上げ加工用切削刃の刃先間隔及び両切削刃
の刃先の回転半径の差異を測定し、当該測定した刃先間
隔及び刃先の回転半径の差異に基づいて前記荒加工用切
削刃及び前記仕上げ加工用切削刃と前記鏡面駒との相対
位置を制御するものであってもよい。
【0030】上記構成によれば、予め、荒加工用切削刃
と仕上げ加工用切削刃で所定の平面に切削痕が付くよう
に切削して、当該切削痕を測定して求めた荒加工用切削
刃と仕上げ加工用切削刃の刃先間隔及び両切削刃の刃先
の回転半径の差異に基づいて、荒加工用切削刃及び仕上
げ加工用切削刃と鏡面駒との相対位置を制御しているの
で、従来行われていた仕上げ用切削刃の加工原点を求め
る工程を省くことができるとともに、形状加工すること
なく仕上げ加工用切削刃の回転半径を正確に算出するこ
とができ、作業効率を向上させることができるととも
に、より一層高精度に鏡面駒曲面を切削することができ
る。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述
べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるか
ら、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本
発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定す
る旨の記載がない限り、これらの態様に限られるもので
はない。
【0032】図1〜図10は、本発明の曲面切削装置及
び曲面切削方法の一実施の形態を示す図であり、図1
は、本発明の曲面切削装置及び曲面切削方法の一実施の
形態の適用されるXYZの3軸制御の自由曲面加工機の
工具スピンドル1の正面図で、図2は、図1の工具スピ
ンドル1の底面図である。
【0033】なお、本実施の形態の工具スピンドル1
は、上記従来の説明で利用した自由曲面加工機100と
同様の自由曲面加工機の工具スピンドルとして適用され
る。
【0034】図1において、工具スピンドル1は、工具
回転軸2を備え、工具回転軸2には、順次、仕上げ加工
用切削フランジ(ホルダー)3、刃間隔設定用ナット
4、荒加工用切削フランジ(ホルダー)5及び固定ナッ
ト6が取り付けられている。
【0035】工具スピンドル1は、工具回転軸2を回転
駆動することにより、上記仕上げ加工用切削フランジ
3、刃間隔設定用ナット4、荒加工用切削フランジ5及
び固定ナット6を回転駆動する。
【0036】この工具回転軸2への上記仕上げ加工用切
削フランジ3、刃間隔設定用ナット4、荒加工用切削フ
ランジ5及び固定ナット6の取り付けは、以下の手順で
行う。
【0037】まず、仕上げ加工用切削フランジ3に仕上
げ加工用切削刃7を取り付け、固定する。この仕上げ加
工用切削フランジ3の構造は、後述する荒加工用切削フ
ランジ5の構造と同様である。
【0038】仕上げ加工用切削フランジ5への仕上げ加
工用切削刃7の取り付けを行うと、仕上げ加工用切削刃
7を取り付けた仕上げ加工用切削フランジ5を工具回転
軸2に取り付け、刃間隔設定ナット4で固定する。
【0039】この刃間隔設定ナット4は、仕上げ加工用
切削刃7と荒加工用切削刃8が同時に鏡面駒を切削しな
い距離となる厚み、すなわち、少なくとも鏡面駒の厚み
寸法に荒加工用切削刃8または仕上げ加工用切削刃7に
よる切削刃幅を加算した距離を越える刃先間隔を空ける
厚みを有している。
【0040】仕上げ加工用フランジ5を工具回転軸2に
取り付けると、仕上げ加工用切削刃7の刃先の回転半径
を求める。この仕上げ加工用切削刃7の刃先の回転半径
の測定は、既知の測定方法で行うことができ、ここで
は、その説明を省略する。この仕上げ加工用切削刃7の
刃先の回転半径の測定精度は、鏡面駒の切削精度から、
数μm程度で充分である。
【0041】この仕上げ加工用切削刃7は、真円度が
0.1μm以下の単結晶ダイヤモンドで形成されてい
る。
【0042】次に、図3に示すように、荒加工用切削フ
ランジ5に、荒加工用切削刃8を固定する。荒加工用切
削フランジ5は、略円盤形状をしており、その中心に工
具回転軸2の貫通する貫通孔5aが形成されている。荒
加工用切削刃8は、図4(a)にその平面図を、図4
(b)にその正面図を示すように、ピン8aが設けられ
ており、所定の刃幅wを有している。そして、荒加工用
切削刃8の荒加工用切削フランジ5への固定は、固定ネ
ジ9により行われる。また、荒加工用切削フランジ5に
は、荒加工用切削フランジ5の中心を対象中心として、
荒加工用切削刃8と反対側の位置に、バランサー10が
固定ネジ11で固定される。
【0043】この荒加工用切削刃8は、安価なCBN
(窒化ホウ素)、多結晶ダイヤモンドあるいは単結晶ダ
イヤモンドで形成されている。なお、荒加工用切削刃8
として単結晶ダイヤモンドを用いるときは、単結晶ダイ
ヤモンドを、まず、仕上げ加工用切削刃7として使用
し、仕上げ加工精度が得られなくなると、当該単結晶ダ
イヤモンドを荒加工用切削刃8として用いる。このよう
にすると、切削刃としての単結晶ダイヤモンドを有効利
用することができ、切削刃にかかる費用を削減すること
ができる。
【0044】この荒加工用切削刃8の荒加工用切削フラ
ンジ5への固定においては、仕上げ加工用切削刃7の回
転半径との差異を小さくするするために、図5に示す刃
先突出量調整治具20を用いる。
【0045】刃先突出量調整治具20は、円盤状のベー
ス21、円盤状の調整板22、変位計プローブ23、変
位計プローブ23を支持するエアーベアリング24等を
備えている。
【0046】ベース21は、鉛直方向に所定長さで延在
するベース軸25を備えており、ベース21の上面に
は、図6に示すように、荒加工用切削刃8の位置決めを
行うための位置決めピン26と、バランサー10の位置
決めを行うための位置決めピン27が設けられている。
【0047】また、調整板22は、図7に示すように、
ベース21のベース軸25が進入可能な貫通孔22aが
形成されているとともに、荒加工用切削刃8のピン8a
とバランサー10のピン(図示略)の進入するピン溝2
8がそれぞれ形成されている。
【0048】この刃先突出量調整治具20を用いて荒加
工用切削フランジ5に固定する荒加工用切削刃8の刃先
突出量の調整は、以下の手順で行う。
【0049】まず、荒加工用切削刃8を固定ネジ9によ
り荒加工用切削フランジ5に仮固定し、この荒加工用切
削刃8を仮固定した荒加工用切削フランジ5の貫通孔5
aをベース21のベース軸25に挿入して、荒加工用切
削フランジ5をベース21上に設置する。このとき、荒
加工用切削フランジ5の荒加工用切削刃8の挿入されて
いる溝にベース21の位置決めピン26を合わせる。
【0050】荒加工用切削フランジ5をベース21上に
設置すると、調整板22の貫通孔22aにベース軸25
を挿入し、ピン溝28に荒加工用切削刃8のピン及びバ
ランサー10のピンを挿入する状態で調整板22を荒加
工用フランジ5上にセットする。
【0051】荒加工用フランジ5上に調整板22をセッ
トすると、エアーベアリング24により支持された変位
計プローブ23の先端を荒加工用切削刃8に接触させ
て、調整板22を微回転させて荒加工用切削刃8を移動
させ、仕上げ用切削刃7の回転半径と合う位置で、固定
ネジ9により荒加工用切削刃8をクランプ(固定)す
る。なお、変位計プローブ23の基準位置点は、ベース
21の軸中心(すなわち、ベース軸25の中心)から既
知の位置に予め設定する。また、バランサー10も固定
ネジ11で固定する。
【0052】荒加工用切削刃8を固定すると、変位計プ
ローブ23の測定値から荒加工用切削刃8の刃先回転半
径を求める。
【0053】荒加工用切削刃8の固定と刃先回転半径の
測定を完了すると、荒加工用切削フランジ5を刃先突出
量調整治具20から取り外し、工具スピンドル1の工具
回転軸2に取り付け、上述のように、固定ナット6によ
り固定する。固定ナット6には、図2に示すように、固
定穴6aが形成されており、この固定穴6aに図示しな
い固定治具を挿入して、固定ナット6を工具回転軸2に
螺合させて固定する。なお、荒加工用切削刃8を工具回
転軸2に固定する際、上述のように、荒加工用切削刃8
が工具回転軸2を挟んで仕上げ用切削刃7と反対側に位
置するように固定する。
【0054】このようにして、工具スピンドル1の工具
回転軸2に、仕上げ加工用切削刃7の固定された仕上げ
加工用切削フランジ3、刃間隔設定用ナット4、荒加工
用切削刃8の固定された荒加工用切削フランジ5及び固
定ナット6を取り付けると、次に、仕上げ加工用切削刃
7と荒加工用切削刃8の刃先間隔α及び刃先回転半径の
差異βを求める。
【0055】仕上げ加工用切削刃7と荒加工用切削刃8
の刃先間隔α及び刃先回転半径の差異βは、図8に示す
ように、取り付けの完了した工具スピンドル1で回転工
具軸2を回転駆動させて、平面ワーク30に対して、仕
上げ加工用切削刃7と荒加工用切削刃8で切り込みを行
って、図9及び図10に示すような切削痕31、32を
つける。
【0056】これらの切削痕31と切削痕32の頂点
(最深点)の間の距離を電位変位計プローブで測定し
て、刃先間隔αとして取得する。
【0057】すなわち、自由曲面加工機に取り付けられ
た電位変位計のプローブを図9に矢印A1で示す測定方
向に移動させて、切削痕30と切削痕31のそれぞれに
ついて最も深い位置のX軸方向の座標値を求め、次に、
この求めたX軸座標値のうち、例えば、切削痕30の最
も深い位置のX軸方向の座標値に電位変位計のプローブ
を位置設定して、図9に矢印A2で示す測定方向に移動
させて、切削痕30と切削痕31の最も深い位置のY軸
方向の座標値を求める。
【0058】この切削痕30と切削痕31の最も深い位
置のY軸方向の座標値の間隔が、図10に示すように、
仕上げ加工用切削刃7と荒加工用切削刃8の刃先間隔α
となり、切削痕30と切削痕31の最も深い位置での当
該深さ方向の差異が、仕上げ加工用切削刃7と荒加工用
切削刃8の回転半径の差異βとなる。
【0059】このようにして、荒加工用切削刃8の刃先
回転半径及び仕上げ加工用切削刃7と荒加工用切削刃8
の刃先間隔αと刃先回転半径の差異βを求めると、荒加
工用の加工プログラム及び仕上げ加工用NCプログラム
を作成する。
【0060】すなわち、荒加工用切削刃8の刃先回転半
径に基づいて荒加工用の加工プログラムを作成し、この
荒加工用切削刃8の刃先回転半径に荒加工用切削刃8と
仕上げ加工用切削刃7の刃先回転半径の差異βを加算し
て仕上げ加工用切削刃7の刃先回転半径を算出し、算出
した仕上げ加工用切削刃7の刃先回転半径を用いて仕上
げ加工用NCプログラムを作成する。
【0061】次に、本実施の形態の作用を説明する。本
実施の形態の工具スピンドル1を用いた自由曲面加工機
による鏡面駒曲面の加工は、切削刃として荒加工用切削
刃8と仕上げ加工用切削刃7を工具スピンドル1の工具
回転軸2に付け換えることなく、鏡面駒の加工を高精度
に行えるところにその特徴がある。
【0062】すなわち、工具スピンドル1は、その工具
回転軸2に、仕上げ加工用切削刃7の固定された仕上げ
加工用切削フランジ3と荒加工用切削刃8の固定された
荒加工用切削フランジ5が刃間隔設定用ナット4を挟ん
で、固定ナット6により固定されており、仕上げ加工用
切削刃7と荒加工用切削刃8が工具回転軸2を中心とし
て反対側の位置に位置する状態で固定されているととも
に、その刃間隔が仕上げ加工用切削刃7と荒加工用切削
刃8が同時に鏡面駒を切削しない距離となっている。
【0063】そして、上述のように、荒加工用切削刃8
の刃先回転半径及び仕上げ加工用切削刃7と荒加工用切
削刃8の刃先間隔αと刃先回転半径の差異βを求めて、
荒加工用の加工プログラム及び仕上げ加工用NCプログ
ラムを作成している。
【0064】このようにプログラムが作成された状態
で、実際に鏡面駒を切削加工するには、まず、鏡面駒を
自由曲面加工機のX軸テーブル上に固定し、自由曲面加
工に取り付けられている機上計測用プローブでX軸テー
ブル上に固定した鏡面駒の形状を測定し、設計値からの
誤差、すなわち、荒加工での除去量を求める。
【0065】次に、工具スピンドル1の工具回転軸2を
回転駆動させて、荒加工用切削刃8により、上記算出し
た除去量に達するまで荒加工を行う。
【0066】荒加工を完了すると、仕上げ加工用切削刃
7により仕上げ加工を行う。この仕上げ加工において
は、その加工原点を、X軸方向では、荒加工と同じ座標
値、Y軸方向では、上記荒加工用切削刃8と仕上げ加工
用切削刃7との刃先間隔αだけ荒加工時での原点のY軸
座標値からY軸方向に移動させた座標値、Z軸方向で
は、荒加工時の原点のZ軸座標値から上記仕上げ加工用
切削刃7と荒加工用切削刃8の回転半径の差異βだけ移
動させた座標値に設定する。
【0067】そして、この設定した仕上げ加工原点に仕
上げ加工用切削刃7を移動させ、工具回転軸2を回転駆
動させて、仕上げ加工用切削刃7で鏡面駒を切削加工し
て、仕上げ加工を行う。
【0068】この場合、荒加工用の加工プログラムと仕
上げ加工用NCプログラムを合わせると、荒加工から仕
上げ加工までを連続して無人で加工する無人連続加工を
行うことができる。
【0069】このように、本実施の形態は、切削刃とし
て、鏡面駒曲面を荒加工する荒加工用切削刃8と仕上げ
加工する仕上げ加工用切削刃7を、工具スピンドル1の
工具回転軸2に軸方向に少なくとも鏡面駒の厚み寸法に
荒加工用切削刃8または仕上げ加工用切削刃7による切
削刃幅を加算した距離を越える刃先間隔を空けて固定
し、荒加工用切削刃8で荒加工した後、仕上げ加工用切
削刃7で仕上げ加工して、鏡面駒曲面を切削している。
【0070】したがって、荒加工と仕上げ加工を切削刃
7、8の交換作業を行うことなく、無人での連続作業を
可能とすることができ、作業効率を向上させることがで
きる。
【0071】また、荒加工用切削刃8として、CBN、
多結晶ダイヤモンド、単結晶ダイヤモンドのいずれかを
用い、仕上げ加工用切削刃7として、真円度が0.1μ
m以下の単結晶ダイヤモンドを用いている。
【0072】したがって、非常に鋭利な仕上げ加工用切
削刃7の破損を防止することができるとともに、荒加工
用切削刃8として安価な材料のものを用い、また、仕上
げ加工用切削刃7で使用した単結晶ダイヤモンドを荒加
工用切削刃8として利用し、作業効率を向上させること
ができるとともに、安価かつ高精度に鏡面駒曲面を切削
することができる。
【0073】さらに、荒加工用切削刃8と仕上げ加工用
切削刃7を、それぞれ異なるホルダーである荒加工用切
削フランジ5と仕上げ加工用切削フランジ3に固定し、
各フランジ3、5を、荒加工用切削刃8と仕上げ加工用
切削刃7との間隔が上記刃先間隔となる所定間隔を空け
て工具回転軸2に固定している。
【0074】したがって、荒加工用切削刃8と仕上げ加
工用切削刃7が同時に鏡面駒を切削することを適切かつ
容易に防止することができ、作業効率を向上させること
ができるとともに、高精度に鏡面駒曲面を切削すること
ができる。
【0075】また、予め、荒加工用切削刃8と仕上げ加
工用切削刃7で所定の平面ワーク30に切削痕31、3
2が付くように切削して、当該切削痕31、32を測定
して求めた荒加工用切削刃8と仕上げ加工用切削刃7の
刃先間隔α及び両切削刃の刃先の回転半径の差異βに基
づいて、荒加工用切削刃8及び仕上げ加工用切削刃7と
鏡面駒との相対位置を制御している。
【0076】したがって、従来行われていた仕上げ加工
用切削刃7の加工原点を求める工程を省くことができる
とともに、形状加工することなく仕上げ加工用切削刃7
の回転半径を正確に算出することができ、作業効率を向
上させることができるとともに、より一層高精度に鏡面
駒曲面を切削することができる。
【0077】以上、本発明者によってなされた発明を好
適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は
上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもな
い。
【0078】
【発明の効果】請求項1記載の発明の曲面切削装置によ
れば、回転軸に取り付けられた所定の曲率半径の切削刃
を、所定の工具半径で回転軸周りに回転させながら、鏡
面駒の切削曲面に対して相対的に移動させて鏡面駒曲面
を切削するに際して、切削刃として、鏡面駒曲面を荒加
工する荒加工用切削刃と仕上げ加工する仕上げ加工用切
削刃を、回転軸に軸方向に少なくとも鏡面駒の厚み寸法
に荒加工用切削刃または仕上げ加工用切削刃による切削
刃幅を加算した距離を越える刃先間隔を空けて固定し、
荒加工用切削刃で荒加工した後、仕上げ加工用切削刃で
仕上げ加工して、鏡面駒曲面を切削しているので、荒加
工と仕上げ加工を切削刃を取り換えて交換する作業を行
うことなく、無人での連続作業を可能とすることがで
き、作業効率を向上させることができる。
【0079】請求項2記載の発明の曲面切削装置によれ
ば、荒加工用切削刃として、CBN、多結晶ダイヤモン
ド、単結晶ダイヤモンドのいずれかを用い、仕上げ加工
用切削刃として、真円度が0.1μm以下の単結晶ダイ
ヤモンドを用いているので、非常に鋭利な切削刃の破損
を防止することができるとともに、荒加工用切削刃とし
て安価な材料のものを用い、また、仕上げ加工用切削刃
として使用した単結晶ダイヤモンドを荒加工用切削刃と
して利用し、作業効率を向上させることができるととも
に、安価かつ高精度に鏡面駒曲面を切削することができ
る。
【0080】請求項3記載の発明の曲面切削装置によれ
ば、荒加工用切削刃と仕上げ加工用切削刃を、それぞれ
異なるホルダーに固定し、各ホルダーを、荒加工用切削
刃と仕上げ加工用切削刃との間隔が上記刃先間隔となる
所定間隔を空けて回転軸に固定しているので、荒加工用
切削刃と仕上げ加工用切削刃が同時に鏡面駒を切削する
ことを適切かつ容易に防止することができ、作業効率を
向上させることができるとともに、高精度に鏡面駒曲面
を切削することができる。
【0081】請求項4記載の発明の曲面切削装置によれ
ば、予め、荒加工用切削刃と仕上げ加工用切削刃で所定
の平面に切削痕が付くように切削して、当該切削痕を測
定して求めた荒加工用切削刃と仕上げ加工用切削刃の刃
先間隔及び両切削刃の刃先の回転半径の差異に基づい
て、荒加工用切削刃及び仕上げ加工用切削刃と鏡面駒と
の相対位置を制御しているので、従来行われていた仕上
げ用切削刃の加工原点を求める工程を省くことができる
とともに、形状加工することなく仕上げ加工用切削刃の
回転半径を正確に算出することができ、作業効率を向上
させることができるとともに、より一層高精度に鏡面駒
曲面を切削することができる。
【0082】請求項5記載の発明の曲面切削方法によれ
ば、回転軸に取り付けられた所定の曲率半径の切削刃
を、所定の工具半径で回転軸周りに回転させながら、鏡
面駒の切削曲面に対して相対的に移動させて鏡面駒曲面
を切削するに際して、切削刃として、鏡面駒曲面を荒加
工する荒加工用切削刃と仕上げ加工する仕上げ加工用切
削刃を、回転軸に軸方向に少なくとも鏡面駒の厚み寸法
に荒加工用切削刃または仕上げ加工用切削刃による切削
刃幅を加算した距離を越える刃先間隔を空けて固定し、
荒加工用切削刃で荒加工した後、仕上げ加工用切削刃で
仕上げ加工して、鏡面駒曲面を切削しているので、荒加
工と仕上げ加工を切削刃を取り換えて交換する作業を行
うことなく、無人での連続作業を可能とすることがで
き、作業効率を向上させることができる。
【0083】請求項6記載の発明の曲面切削方法によれ
ば、予め、荒加工用切削刃と仕上げ加工用切削刃で所定
の平面に切削痕が付くように切削して、当該切削痕を測
定して求めた荒加工用切削刃と仕上げ加工用切削刃の刃
先間隔及び両切削刃の刃先の回転半径の差異に基づい
て、荒加工用切削刃及び仕上げ加工用切削刃と鏡面駒と
の相対位置を制御しているので、従来行われていた仕上
げ用切削刃の加工原点を求める工程を省くことができる
とともに、形状加工することなく仕上げ加工用切削刃の
回転半径を正確に算出することができ、作業効率を向上
させることができるとともに、より一層高精度に鏡面駒
曲面を切削することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の曲面切削装置及び曲面切削方法の一実
施の形態を適用した自由曲面加工機の工具スピンドルの
拡大正面図。
【図2】図1の工具スピンドルの底面図。
【図3】図1の荒加工用切削フランジの拡大平面図。
【図4】図3の荒加工用切削刃の平面図(a)と正面図
(b)。
【図5】荒加工用切削刃の刃先突出量調整治具の正面部
分断面図。
【図6】図5の刃先突出量調整治具のベースと変位計プ
ローブの平面図。
【図7】図5の刃先突出量調整治具の調整板の平面図。
【図8】図1の工具スピンドルの荒加工用切削刃と仕上
げ加工用切削刃で平面ワークに切削痕を形成している状
態の正面図。
【図9】図8の切削痕の形成された平面ワークの正面
図。
【図10】図9の平面ワークの側面断面図。
【図11】従来の自由曲面加工機の斜視図。
【図12】図11の自由曲面加工機のスピンドルと鏡面
駒の拡大斜視図。
【符号の説明】 1 工具スピンドル 2 工具回転軸 3 仕上げ加工用切削フランジ 4 刃間隔設定用ナット 5 荒加工用切削フランジ 5a 貫通孔 6 固定ナット 7 仕上げ加工用切削刃 8 荒加工用切削刃 8a ピン 9 固定ネジ 10 バランサー 11 固定ネジ 20 刃先突出量調整治具 21 ベース 22 調整板 22a 貫通孔 23 変位計プローブ 24 エアーベアリング 25 ベース軸 26、27 位置決めピン 28 ピン溝 30 平面ワーク 31、32 切削痕

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸に取り付けられた所定の曲率半径の
    切削刃を、所定の工具半径で前記回転軸周りに回転させ
    ながら、鏡面駒の切削曲面に対して相対的に移動させて
    鏡面駒曲面を切削する曲面切削装置において、前記切削
    刃として、前記鏡面駒曲面を荒加工する荒加工用切削刃
    と仕上げ加工する仕上げ加工用切削刃が、前記回転軸に
    軸方向に少なくとも前記鏡面駒の厚み寸法に前記荒加工
    用切削刃または前記仕上げ加工用切削刃による切削刃幅
    を加算した距離を越える刃先間隔を空けて固定されてお
    り、前記荒加工用切削刃で荒加工した後、前記仕上げ加
    工用切削刃で仕上げ加工して、前記鏡面駒曲面を切削す
    ることを特徴とする曲面切削装置。
  2. 【請求項2】前記荒加工用切削刃は、CBN、多結晶ダ
    イヤモンド、単結晶ダイヤモンドのいずれかであり、前
    記仕上げ加工用切削刃は、真円度が0.1μm以下の単
    結晶ダイヤモンドであることを特徴とする請求項1記載
    の曲面切削装置。
  3. 【請求項3】前記荒加工用切削刃と前記仕上げ加工用切
    削刃は、それぞれ異なるホルダーに固定されており、各
    ホルダーは、前記荒加工用切削刃と前記仕上げ加工用切
    削刃との間隔が前記刃先間隔となる所定間隔を空けて前
    記回転軸に固定されていることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載の曲面切削装置。
  4. 【請求項4】前記曲面切削装置は、予め、前記荒加工用
    切削刃と前記仕上げ加工用切削刃で所定の平面に切削痕
    が付くように切削して、当該切削痕を測定して求めた前
    記荒加工用切削刃と前記仕上げ加工用切削刃の刃先間隔
    及び両切削刃の刃先の回転半径の差異に基づいて、前記
    荒加工用切削刃及び前記仕上げ加工用切削刃と前記鏡面
    駒との相対位置を制御することを特徴とする請求項1か
    ら請求項3のいずれかに記載の曲面切削装置。
  5. 【請求項5】回転軸に取り付けられた所定の曲率半径の
    切削刃を、所定の工具半径で前記回転軸周りに回転させ
    ながら、鏡面駒の切削曲面に対して相対的に移動させて
    鏡面駒曲面を切削する曲面切削方法において、前記切削
    刃として、前記鏡面駒曲面を荒加工する荒加工用切削刃
    と仕上げ加工する仕上げ加工用切削刃を、前記回転軸に
    軸方向に少なくとも前記鏡面駒の厚み寸法に前記荒加工
    用切削刃または前記仕上げ加工用切削刃による切削刃幅
    を加算した距離を越える刃先間隔を空けて固定し、前記
    荒加工用切削刃で荒加工した後、前記仕上げ加工用切削
    刃で仕上げ加工して、前記鏡面駒曲面を切削することを
    特徴とする曲面切削方法。
  6. 【請求項6】前記曲面切削方法は、予め、前記荒加工用
    切削刃と前記仕上げ加工用切削刃で所定の平面に切削痕
    が付くように切削して、当該切削痕を測定して前記荒加
    工用切削刃と前記仕上げ加工用切削刃の刃先間隔及び両
    切削刃の刃先の回転半径の差異を測定し、当該測定した
    刃先間隔及び刃先の回転半径の差異に基づいて前記荒加
    工用切削刃及び前記仕上げ加工用切削刃と前記鏡面駒と
    の相対位置を制御することを特徴とする請求項5記載の
    曲面切削方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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