JP2001150494A - 開放型の射出成形ノズル - Google Patents

開放型の射出成形ノズル

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 後加圧位相でもさらに射出成形材料を型内に
供給することができ、かつきれいな破断部を得ることが
できるようにする。 【解決手段】 開放型の射出成形ノズル１であって、複
数の湯口個所を有した成形品を射出成形するために、型
側の端部に複数の先端を有したニードル２が設けられて
おり、各先端３は使用位置で、型のキャビティへの流入
開口と協働して環状ギャップを形成する形式のものにお
いて、ニードル２が、開放型のノズル１の内側で長手方
向摺動可能に保持されていて、ニードル先端３の領域に
存在する環状ギャップおよび開口４を拡大するために引
き戻し可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、開放型の射出成形
ノズルであって、複数の湯口個所を有した成形品を射出
成形するために、型側の端部に複数の先端を有したニー
ドルが設けられており、各先端は使用位置で、型のキャ
ビティへの流入開口と協働して環状ギャップを形成する
形式のものに関する。
【０００２】
【従来の技術】このような形式の開放型の射出成形ノズ
ルは、公知であり、実用されている。例えばこれによ
り、中央に湯口個所を設けることのできない成形品を射
出成形することができる。このような成形品にはこの中
央の個所に、完成した状態で後から貫通孔を設けること
があるので、この個所に湯口個所を設けることができな
いのである。複数の先端を備えたニードルによって、こ
のような貫通孔の周りに複数の湯口個所を配置すること
ができる。
【０００３】このような開放型の射出成形ノズルではと
りわけ、型もしくは型内に存在するギャビティが既にほ
ぼ充填されていて、あと僅かな射出成形材料しか高圧下
で射出することができないような後加圧位相の間の射出
に問題がある。何故ならば個々のニードル先端における
環状ギャップにより、流れ速度が低下することに基づ
き、射出成形材料、通常プラスチックが凝固するからで
ある。従って開放型の射出成形ノズルはこれまでは通
常、価値の低い成形品のためにしか適していなかった。
【０００４】各先端における環状ギャップを拡大するこ
とはできるが、こうすると型から外す際には、多くの射
出成型品では望ましくない破断部を有する不都合な湯口
が形成される。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、冒頭
で述べた形式の射出成形ノズルを改良して、後加圧位相
でもさらに射出成形材料を型内に供給することができ、
かつきれいな破断部を得ることができるようにすること
である。
【０００６】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の構成では、ニードルが、開放型のノズルの内
側で長手方向摺動可能に保持されていて、ニードル先端
の領域に存在する環状ギャップおよび開口を拡大するた
めに引き戻し可能であるようにした。
【０００７】
【発明の効果】これにより例えばまず最初に比較的狭い
環状ギャップによって、比較的高い流れ速度で射出され
る。これにより、同時にこの環状ギャップに、流れ過程
を良好に維持する大きな摩擦熱が発生するという利点が
得られる。しかし型もしくは型内のキャビティがほぼ充
填され、射出成形材料が一方では凝固し、他方では収縮
し始めると、後加圧位相が必要となるが、この位相で
は、流れ速度が著しく減じられるので摩擦熱がもはや提
供されず、ニードルは本発明により引き戻すことがで
き、これにより環状ギャップが拡大されるので、後加圧
位相でも今、不都合とされている条件下で射出成形材料
を後加圧することができる。このような射出過程の終了
直前に、ニードルは再び長手方向で摺動されるので、離
型の際には小さな環状ギャップが存在し、相応にきれい
な破断部が得られる。
【０００８】しかしまた本発明によれば、最初の射出過
程の開始後すぐに、ニードルを後加圧位相が終了するま
で引き戻し、型から外すための最良の特性を与えるため
にニードルを再び前方に摺動させることもできる。
【０００９】ニードルの、ノズルの外側に存在する延長
部に、往復運動のための駆動装置、例えばピストン駆動
装置、位置決めモータ、圧電アクチュエータなどが係合
していると有利である。これにより本発明によれば、開
放型の射出成形ノズルにおいて、ニードルの所定の調節
運動を良好に行うことができる。
【００１０】本発明の有利な構成では、ニードルの往復
運動が制御されていて、ニードルの先端が、射出成形過
程の開始時には大幅にまたは深く、環状ギャップを縮小
しながら、上述したような高い流れ速度を保つために、
この環状ギャップ内に移動可能または調節される。
【００１１】調節可能なニードルは、上述したように、
最初の射出成形過程の開始後に、後加圧位相の終了時ま
で引き戻され、型を外す前に再び、ニードル位置を射出
成形過程に最良に合わせるために、湯口開口内に深く移
動可能である。
【００１２】とりわけ上述した個々のまたは複数の特徴
を組み合わせた場合、比較的高価な開放型の射出成形ノ
ズルの利点を必要に応じて組み合わせることができ、良
好な後加圧位相が得られ、さらに型を取り出す際にきれ
いな破断部が得られる。
【００１３】
【発明の実施の形態】次に図面につき本発明の実施の形
態を詳しく説明する。
【００１４】全体を符号１で示した開放型の射出成形ノ
ズルはニードル２を有している。このニードル２型の側
の端部には複数の先端３、例えば、互いに均一な間隔を
置いて配置された３つの先端３が設けられている。図２
及び図３によれば、これらの先端３は円錐状に形成され
ていて、同様に円錐状の流入開口４内に突入している。
これによりこれらの流入開口４には図２に示したように
環状ギャップが形成される。この環状ギャップを通って
射出成形材料を公知のように型およびキャビティ内に噴
射することができる。
【００１５】ニードル２は長手方向で摺動可能であっ
て、図２及び図３に示したようにニードル先端３の領域
に位置する環状ギャップ若しくはここに設けられた開口
４を拡大するために、引き戻すことができる。この場
合、開口４の環状ギャップは、図３のようにニードルを
引き戻した後では、型のキャビティへの実際の流入部
で、ほぼ円形の開口に移行している。この円形の開口
は、先端３が図２に示された位置まで前方に押されると
再び環状ギャップとなる。
【００１６】ニードル２の、ノズル１の外側に位置する
延長部５には、この実施例ではピストン駆動装置６が係
合しているが、これは位置決めモータまたは圧電アクチ
ュエータなどによって代替されてもよい。図２及び図３
によれば、異なる大きさの環状ギャップを開口４に先端
３と協働して形成するためには、ニードル２が比較的小
さな長手方向の移動を行うだけで充分であることがわか
る。
【００１７】ニードル２の往復運動は特にニードル２の
駆動装置を介して制御することができる。これによりニ
ードル２の先端３は例えば射出成形過程の開始時には、
大幅にまたは深く、環状ギャップを縮小しながら、図２
に示したように開口４内へと移動可能または調節するこ
とができる。後加圧位相では、ニードルは図３に示した
位置に引き戻され、型から取り出すために再び図２に示
した位置をとる。
【００１８】しかしまた、調節可能なニードル２を、最
初の射出成形過程の開始後に図２に示した位置から、後
加圧位相の終了時まで、図３に示した位置へと引き戻
し、型から取り出す前に再び、湯口開口４内に深く、か
つほぼ図２に示した位置にまで動かすこともできる。
【００１９】同様に射出成形ノズルは、異なる数の先端
３を有していてもよいし、場合によっては先端３が１つ
だけ設けられていてもよく、同様に摺動可能に、かつ制
御しながら摺動可能に形成することができる。
【００２０】開放型の射出成形ノズル１はニードル２を
有していて、このニードル２は長手方向の延びの方向
で、ノズル１の内側で先端３の方向に摺動可能かつ、再
び引き戻し可能であるので、型もしくは型のキャビティ
内に通じる開口４内では、ニードル先端３と協働して、
種々異なる大きさの環状ギャップを、その都度の射出成
形位相に合わせて、もしくは取り出しの過程に合わせて
形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】ニードルに複数の先端が設けられていて、この
先端とは反対側の端部にこのニードルの往復運動のため
の駆動装置が結合されている、本発明による開放型の射
出成形ノズルの、部分的に縦断面された側面図である。
【図２】ノズル開口の内側、型への流入部におけるニー
ドル先端の拡大縦断面図であって、ニードルを取り囲む
リングギャップが小さい場合の位置で示した図である。
【図３】ニードルが引き戻され、これによりリングギャ
ップが拡大された状態で示した図２のニードル先端を示
す図である。
【符号の説明】
１ 射出成形ノズル、 ２ ニードル、 ３ 先端、
４ 流入開口、 ５延長部、 ６ ピストン駆動部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヴァルター ヴュルストリン ドイツ連邦共和国 バーリンゲン ドライ ザムシュトラーセ ９

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 開放型の射出成形ノズル（１）であっ
    て、複数の湯口個所を有した成形品を射出成形するため
    に、型側の端部に複数の先端を有したニードル（２）が
    設けられており、各先端（３）は使用位置で、型のキャ
    ビティへの流入開口と協働して環状ギャップを形成する
    形式のものにおいて、 ニードル（２）が、開放型のノズル（１）の内側で長手
    方向摺動可能に保持されていて、ニードル先端（３）の
    領域に存在する環状ギャップおよび開口（４）を拡大す
    るために引き戻し可能であることを特徴とする、開放型
    の射出成形ノズル。
  2. 【請求項２】 ニードル（２）の、ノズル（１）の外側
    に存在する延長部（５）に、往復運動のための駆動装
    置、たとえばピストン駆動装置、位置決めモータ、圧電
    アクチュエータなどが作用している、請求項１記載の開
    放型の射出成形ノズル。
  3. 【請求項３】 ニードル（２）の往復運動が制御されて
    いて、ニードル（２）の先端（３）が、射出成形過程の
    開始時に大幅にまたは深く、環状ギャップを縮小しなが
    ら開口（４）内へと移動可能または調節されている、請
    求項１又は２記載の開放型の射出成形ノズル。
  4. 【請求項４】 調節可能なニードルが、最初の射出成形
    過程の開始後に、後加圧位相の終了時まで引き戻し可能
    であって、型から外す前に再び湯口開口まで摺動可能で
    ある、請求項１から３までのいずれか１項記載の開放型
    の射出成形ノズル。
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