JPH05138692A - 射出成形用金型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】射出成形機の突出し棒９によりスプルーロック
ピン５を押し、ランナー材ｒを固定側型板２から除去す
る。スプルーロックピン５を、嵌合された軸部材５１と
筒部材５２により構成した。軸部材５１と筒部材５２は
軸方向に摺動し、スプルーロックピン５の全長を伸縮す
る。軸部材５１は磁気吸着可能な部材からなる。筒部材
５２に、軸部材５１と筒部材５２を連結する電磁石６を
設けた。 【効果】ランナーストリッパープレートを不要にして、
構造を簡素化でき、製造コストを安価にできる。射出成
形機の装着時にスプルーロックピン５を縮めておき、射
出成形用金型の装着を容易に行える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、型開き時にランナー
材をスプルーロックピンによって押して固定側型板から
自動的に除去するピンポイントゲート方式の射出成形用
金型に関するものである。

【０００２】

【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、可
動側型板との間にキャビティを構成する固定側型板と、
この固定側型板が摺動自在に取付けられる固定側取付板
との間に、ランナー材を除去するいわゆるランナースト
リッパープレートを設けた射出成形用金型があった。こ
の射出成形用金型は、可動側型板、固定側型板及び上記
ランナーストリッパープレートの３枚のプレートを有す
ることから、スリープレート型と呼ばれている。

【０００３】この射出成形用金型においては、固定側取
付板と固定側型板との間に、大型のランナーストリッパ
ープレートを介在させているので、構造が複雑となり、
製造コストも高くなるという問題があった。そこで、図
４（型締め状態を示す）及び図５（型開き状態で、成形
品及びランナー材が除去される直前の状態を示す）に示
すような、ランナーストリッパープレートを不要とした
射出成形用金型が提供されている。これらのを参照し
て、固定側取付板９１と固定側型板９２とによって、ス
プルーからゲートに至るランナーを構成している。ま
た、固定側型板９２と可動側型板９３とにって構成され
たキャビティによって成形品Ｆが成形されるようになっ
ている。さらに、ランナー材ｒの一端に、アンダカット
部ｒａを設けてランナー材ｒの突出し（引抜き）を容易
にしている。すなわち、まず、固定側取付板９１と固定
側型板９２との間が開くと、アンダーカット部ｒａがあ
るため、ランナー材ｒは、固定側取付板９１に引っ張ら
れながらゲートポイントを分離する。さらに、型開き工
程が進むと、成形品Ｆを取り外すための成形機の突出し
棒９４が進出して、エジョクタプレート９８に当接し、
エジョクタピン９９を押して成形品Ｆを取り外すことに
なるが、上記の突出し棒９４は、進出に際してスプルー
ロックピン９５にも突き当たり、ピン９５を介してラン
ナー材ｒを押すことにより、ランナー材ｒを固定側型板
９２から取外し自然落下させる。

【０００４】しかし、この射出成形用金型においては、
分割面Ｑの型開き後に進出される突出し棒９４を利用す
る関係上、スプルーロックピン９５の図においての下端
は、図５に示すように成形品Ｆの分割面Ｑが開いた状態
で、エジョクタプレート９８の図においての下面と略面
一に位置されなければならない。すなわち、スプルーロ
ックピン９５は、従来に比較して、少なくとも分割面Ｑ
の型開きストロークＳだけ長くなる。したがって、この
射出成形用金型を射出成形機に装着する際に、上記の長
いスプルーロックピン９５が邪魔となって装着し難いと
いう欠点があった。場合によっては、上記の装着時に、
突出したスプルーロックピン９５を可動側取付板９７に
打ち付けて、スプルーロックピン９５が曲がってしまう
こともあった。

【０００５】この発明は、ランナーストリッパープレー
トを不要にでき、且つ射出成形機に装着し易い射出成形
用金型を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明に係る射出成形用金型は、射出成形機の可
動盤に取り付けられる可動側型板と、射出成形機の固定
盤に固定された固定側取付板に、可動盤の型締め方向に
平行な方向に移動自在に取付けられ、可動側型板と共に
キャビティを構成する固定側型板と、この固定側取付板
と固定側型板とで構成されるランナーに充填されたラン
ナー材を、可動盤側から進出した射出成形機の突出し棒
によって当接された状態で押すことにより、固定側型板
から取り外すスプルーロックピンとを備えた射出成形用
金型において、上記スプルーロックピンが、型開き及び
型締めに連動して軸方向に伸縮するように、互いに嵌合
されて軸方向に摺動する軸部材と筒部材とにより構成さ
れ、軸部材は、磁気吸着可能な部材からなり、筒部材に
は、ランナー材の取外し時に伸長状態の軸部材と当該筒
部材とを連結する電磁石が設けられていることを特徴と
するものである。

【０００７】

【作用】上記の構成の射出成形用金型によれば、電磁石
をオフした状態で型開きを開始すると、型開きに連動し
て軸部材と筒部材とが軸方向に摺動することによりスプ
ルーロックピンが伸長する。そして、ランナー材の取外
し時に電磁石がオンされ、伸長状態のスプルーロックピ
ンの軸部材と筒部材とが連結される。この連結状態で、
射出成形機の突出し棒が進出してスプルーロックピンを
介してランナー材を突出させ、ランナー材を固定側型板
から除去する。

【０００８】また、射出成形用金型を射出成形機に装着
する際に、スプルーロックピンを縮めておくことによ
り、上記装着を容易に行うことができる。

【０００９】

【実施例】以下実施例を示す添付図面によって詳細に説
明する。図１は、この発明の一実施例としての射出成形
用金型Ｂの型締め状態を示す断面図である。この図を参
照して、この射出成形用金型Ｂは、射出成形機の固定盤
に固定側取付板１を介して取付けられる固定側型板２
と、射出成形機の可動盤Ｂ２に可動側取付板４を介して
取付けられる可動側型板３と、型開き時に、ランナー材
ｒを固定側型板２から除去する伸縮自在なスプルーロッ
クピン５とを備えている。

【００１０】固定側取付板１は、サポートーピン（図示
せず）によって、固定側型板２を型開き方向に摺動可能
に支持している。固定側取付板１と固定側型板２との対
向面に、スプルーＳからゲートＧに至るランナーＲが構
成されている。固定側型板２は、成形品の外部形状に対
応したキャビティ凹部２ａを有している。可動側型板３
は、上記固定側型板２のキャビティ凹部２ａと共にキャ
ビティＣを構成する、成形品の内部形状に対応したコア
３ａを備えている。上記射出成形機Ｂにおいては、図１
の型締め状態で、射出成形機のノズル（図示せず）から
射出された溶融樹脂が、スプルーＳからランナーＲ及び
ゲートＧを介してキャビティＣ内に充填され成形品Ｆが
成形される。

【００１１】可動側型板３は、貫通孔３ｂを有してお
り、この貫通孔３ｂ内には、成形された成形品Ｆをコア
３ａから取り外すためのエジョクタピン８１が、型締め
方向に摺動自在に貫通されている。このエジョクタピン
８１の基端は、エジョクタプレート８２に固定されてい
る。このエジョクタプレート８２は、可動側型板３内の
収容孔３１に、可動側型板３に対して型開き及び型締め
方向に相対移動自在に配置されている。

【００１２】このエジョクタプレート８２と、固定側型
板２によって保持されてランナー材ｒに当接されるピン
７との間には、上記スプルーロックピン５が介在されて
いる。このスプルーロックピン５は、互いに嵌合されて
軸方向に摺動する軸部材５１と筒部材５２とにより構成
されており、固定側型板２の貫通孔２ｂ及び可動側型板
３の貫通孔３ｃに挿通された状態で配置されている。筒
部材５２の基端部は、エジョクタプレート８２に固定さ
れており、軸部材５１の先端部は、上記ピン７に固定さ
れている。軸部材５１は、磁気吸着可能な部材、すなわ
ち磁性体あるいは永久磁石からなる。筒部材５２の先端
部には、上記磁性体等からなる軸部材５１を吸着して軸
部材５１と筒部材５２とを連結する電磁石６が取付けら
れている。この電磁石６は、射出成形機からの信号に基
づいてオンオフされ、ランナー材ｒの取外し時にオンさ
れ、スプルーロックピン５によるランナー材ｒの取外し
を可能とするように当該スプルーロックピン５を伸長状
態にロックする。

【００１３】次に型開き工程を順次に示す図２及び図３
を参照して、この射出成形用金型Ｂにおけるランナー材
ｒの取外し動作について説明する。図２は、固定側型板
２及び可動側型板３を型開き方向Ｋに移動させることに
より、共にランナーｒを構成する固定側取付板１と固定
側型板２とが離間した後、成形品Ｆの分割面が型開きさ
れた状態を示している。図１から図２の状態に至る工程
において、電磁石６はオフされているので、スプルーロ
ックピン５は、その軸部材５１と筒部材５２とを軸方向
に摺動させて伸長する。そして、この図２に示すスプル
ーロックピン５が伸長した状態で、電磁石６がオンされ
ることにより、軸部材５１と筒部材５２とが連結され、
スプルーロックピン５が伸長状態にロックされる。

【００１４】その後、図３に示すように、射出成形機の
突出し棒９が、可動盤Ｂ２側から進出してエジョクタプ
レート８２を押し、これにより、エジョクタピン８１に
よって成形品Ｆがコア３ａから取り外されると共に、上
記伸長状態にロックされたスプルーロックピン５によっ
て、ランナー材ｒが固定側型板２から取り外され自然落
下する。

【００１５】この実施例によれば、伸縮自在なスプルー
ロックピン５を伸長状態にロックして、ランナー材ｒの
取外しを行うことにより、従来のランナーストリッパー
プレートを不要にしたので、製造コストを安価にでき
る。また、この射出成形用金型Ｂを射出成形機に装着す
る際には、上記スプルーロックピン５を縮めておくこと
により、装着を容易に行うことができる なお、この発明は、上記実施例に限定されるものではな
く、軸部材５１をエジョクタプレート８１側に配置する
ことができる。

【００１６】その他、この発明は、上記実施例に限定さ
れるものではなく、この発明の要旨を変更しない範囲で
種々の設計変更を施すことができる。

【００１７】

【発明の効果】以上のように本発明の射出成形金型によ
れば、伸縮自在なスプルーロックピンを伸長状態に連結
して、ランナー材の取外しを行うので、従来のランナー
ストリッパープレートを不要にでき、製造コストを安価
にできる。また、射出成形機に装着する際には、上記ス
プルーロックピンを縮めておくことにより、装着を容易
に行うことができるというの特有の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の射出成形用金型の型締め状
態を示す断面図である。

【図２】その型開き工程を示す断面図である。

【図３】ランナー材を取り外す状態を示す射出成形用金
型の断面図である。

【図４】従来の射出成形用金型の型締め状態を示す断面
図である。

【図５】その型開き状態を示す断面図である。

【符号の説明】

Ｂ２ 可動盤 ｒ ランナー材 Ｃ キャビティ １ 固定側取付板 ２ 固定側型板 ３ 可動側型板 ５ スプルーロックピン ５１ 軸部材 ５２ 筒部材 ６ 電磁石 ９ 突出し棒

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】射出成形機の可動盤に取り付けられる可動
   側型板と、射出成形機の固定盤に固定された固定側取付
   板に、可動盤の型締め方向に平行な方向に移動自在に取
   付けられ、可動側型板と共にキャビティを構成する固定
   側型板と、この固定側取付板と固定側型板とで構成され
   るランナーに充填されたランナー材を、可動盤側から進
   出した射出成形機の突出し棒によって当接された状態で
   押すことにより、固定側型板から取り外すスプルーロッ
   クピンとを備えた射出成形用金型において、 上記スプルーロックピンが、型開き及び型締めに連動し
   て軸方向に伸縮するように、互いに嵌合されて軸方向に
   摺動する軸部材と筒部材とにより構成され、 軸部材は、磁気吸着可能な部材からなり、 筒部材には、ランナー材の取外し時に伸長状態の軸部材
   と当該筒部材とを連結する電磁石が設けられていること
   を特徴とする射出成形用金型。