JP2001059290A - 壁パネル及びユニットバスルーム - Google Patents

壁パネル及びユニットバスルーム

Info

Publication number
JP2001059290A
JP2001059290A JP11234300A JP23430099A JP2001059290A JP 2001059290 A JP2001059290 A JP 2001059290A JP 11234300 A JP11234300 A JP 11234300A JP 23430099 A JP23430099 A JP 23430099A JP 2001059290 A JP2001059290 A JP 2001059290A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wall panel
water
alkali metal
coating film
board
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11234300A
Other languages
English (en)
Inventor
Takehiro Ito
武洋 伊藤
Tatsuya Okita
達也 大北
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Inax Corp
Original Assignee
Inax Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Inax Corp filed Critical Inax Corp
Priority to JP11234300A priority Critical patent/JP2001059290A/ja
Publication of JP2001059290A publication Critical patent/JP2001059290A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Residential Or Office Buildings (AREA)
  • Panels For Use In Building Construction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 堅牢で耐汚染性、耐熱性に優れ、耐久性の良
好な光沢を有した壁パネル及びユニットバスルームを提
供する。 【解決手段】 壁パネルは、フレーム5の前面にボード
4を固着したものである。このボード4は基材1と、該
基材1上に形成されたアルカリ金属珪酸塩系下塗り層2
と、該下塗り層2上に形成されたアクリルシリコン系表
面層3とを有する。この塗膜は、基材上に水溶性アルカ
リ金属珪酸塩系水溶液塗料を塗布して適度に乾燥させて
形成した塗膜に、pH値が3.5〜10.0の酸・アン
モニウム塩系の水溶液を適用し、水洗し、乾燥し、この
上にアクリルシリコン系表面層を形成することにより得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は壁パネル及びユニッ
トバスルームに係り、特にその表面に水溶性アルカリ金
属珪酸塩系塗膜を備えた壁パネルと、この壁パネルを用
いて構成されたユニットバスルームに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ユニットバスルーム、ユニットトイレル
ームなどのユニットルーム等の壁を構築するための壁パ
ネルとして、ボードをフレームに固着したものや、金属
板の四辺を折曲したものが広く用いられている。このボ
ードとしては、石綿セメント板、珪酸カルシウム板など
の無機質基材が用いられている。
【0003】この基材や金属板の美粧のために基材又は
金属板の表面を塗装仕上げしている。この場合、有機質
塗膜は可燃性であり又耐久性に乏しいため、不燃性の無
機質塗料が使われることが多い。しかしながら一般に無
機質塗料は有機質塗料に比べて不燃性・耐熱性などには
優れているが可撓性、光沢、平滑性などの点については
劣っている。特に石綿セメント板や珪酸カルシウム板の
ような基材は、気中の湿度変化あるいは吸水、乾燥によ
る膨張、収縮の寸法変化が大きく、無機質塗膜はその寸
法変化に充分追従できる可撓性に乏しいためクラックが
発生しやすく、またそのクラックに汚染物質が浸透付着
して耐汚染性が低下する。さらにクラックの発生によっ
て、基材中の白華成分が塗膜表面に溶出して白華現象を
生起しがちである。
【0004】この無機質塗料には加熱硬化型のものと常
温硬化型のものがある。一般に、加熱硬化型の塗料は約
200〜300℃に加熱しないと充分に硬化した膜が得
られないが、基材として石綿セメント板や珪酸カルシウ
ム板などを用いた場合、この加熱により基材が強度劣
化、変性、変色を起こしたりする問題がある。常温硬化
型のものは基材を劣化させることは少ないが、充分な硬
化膜を得るには約1週間以上の硬化期間を要する。
【0005】上記の諸問題を解決し、無機質塗膜の持つ
不燃性、耐熱性に加えて、有機質塗料やガラス釉面並の
光沢と平滑性を持ち、且つ無機質塗膜の欠点であった可
撓性、耐汚染性、耐白華性に優れた塗膜を得るととも
に、基材の加熱劣化をも生じさせない無機質塗膜の形成
方法が特許第14317850号に開示されている。
【0006】同号特許の方法は鉱物質基材上に、充填
剤、顔料および硬化剤等から選ばれる粉体固形分を含有
する水溶性アルカリ金属珪酸塩系水溶液塗料を塗布して
適度に乾燥させ、次に該粉体固形分の含有量が該下塗り
塗料よりも少量ないし零である該珪酸塩系水溶液塗料を
塗布して適度に乾燥させた塗膜に、pH値約3.5〜約
10.0の酸・アンモニウム塩系水溶液を適用し、水洗
しそして乾燥する方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
アルカリ金属珪酸塩系塗膜を有した壁パネルの該塗膜の
耐汚染性を高めることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の壁パネルは、ボ
ードをフレームに固着してなる壁パネルにおいて、該ボ
ードは板状の基材と、該基材上に形成されたアルカリ金
属珪酸塩系下塗り層と、該下塗り層上に形成されたアク
リルシリコン系表面層とを備えてなることを特徴とする
ものである。
【0009】また、本発明の壁パネルは、金属板の四辺
を折曲してなる壁パネルにおいて、該金属板はその表面
に形成されたアルカリ金属珪酸塩系下塗り層と、該下塗
り層上に形成されたアクリルシリコン系表面層とを備え
てなることを特徴とするものである。
【0010】かかる壁パネルは、ボード又は金属板の表
面に形成された無機質塗膜よりなる下塗り層がアクリル
シリコン系表面層で覆われているため、汚れが付きにく
く、また汚れが付着しても水洗いにより容易に除去でき
る。このアクリルシリコン系表面層は、硬度が高く、耐
水性、耐熱性に優れると共に、下塗り層との密着性も良
好であり、耐久性に優れる。また、光沢を有すると共
に、下塗り層のポーラスな部分に入り込むので、表面層
が摩耗してもこのポーラスな部分に入り込んだアクリル
シリコン系部分が残存し、塗膜の光沢や、防水性が維持
される。
【0011】このアクリルシリコン系表面層は、基材の
伸縮に対する追従性が良く、クラックが入りにくいとい
う長所も有する。
【0012】このアクリルシリコン系表面層は、無機系
抗菌剤を分散させることが好ましく、これにより防汚効
果を高めることができる。
【0013】なお、本発明においては、下塗り層を従来
よりもポーラス度の高いものとすることにより、アクリ
ルシリコン系表面層と下塗り層との密着性をより一層向
上させることができ、好ましい。
【0014】本発明のユニットバスルームは、このよう
な本発明の壁パネルを用いてなるものであり、堅牢で耐
汚染性、耐熱性、耐久性、美観に優れた壁面が形成され
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい形態につ
いて図面を参照して詳細に説明する。図1は実施の形態
に係る壁パネルの分解斜視図、図2はこの実施の形態に
係る壁パネルのボードの一部断面図である。
【0016】図1の通り、壁パネルはフレーム5にボー
ド4を接着剤によって固着したものである。このフレー
ム5は、縦棧5aと横棧5bとを有するものであるが、
このフレームの構成は図示のものに限定されるものでは
ない。このボード4は、板状の基材1の表面(前面)に
アルカリ金属珪酸塩系下塗り層2を形成し、この下塗り
層2を覆うようにアクリルシリコン系表面層3を形成し
たものである。
【0017】本発明で用いるボードの基材1としては、
石綿セメント板、石綿パーライト板、珪酸カルシウム
板、石綿セメント珪酸カルシウム板、石膏ボード、モル
タルボード、コンクリートボード、パルプセメント板、
木片セメント板、GRC(ガラス繊維強化セメント)ボ
ード、CFRC(カーボン繊維強化セメント)ボード、
SFRC(スチール繊維強化セメント)ボード、ALC
ボード、ロックウール無機質成形体、金属板等が例示さ
れる。
【0018】図示はしないが、本発明の壁パネルは、フ
レームを省略し、鋼板例えば亜鉛メッキ鋼板などの金属
板の四辺を折曲して剛性を付与したものであってもよ
い。
【0019】この基材1又は金属板上に、必要に応じプ
ライマー(例えば珪酸リチウム系プライマー処理剤)を
塗布した後、アルカリ金属珪酸塩系下塗り層2を形成す
る。このアルカリ金属珪酸塩系下塗り層は、基材上に水
溶性アルカリ金属珪酸塩系水溶液塗料を塗布して適度に
乾燥させて形成した塗膜に、pH値が3.5〜10.0
の酸・アンモニウム塩系の水溶液を適用し、水洗し、乾
燥して形成したものであることが好ましい。
【0020】この下塗り層2は、水溶性アルカリ金属珪
酸塩系水溶液塗料を1回又は複数回塗布し、次いで酸・
アンモニウム系水溶液を適用して水洗し乾燥する一連の
工程を1回行うか、又は複数回繰り返して行うことによ
り形成される。このアルカリ金属珪酸塩系水溶液塗料
は、粉体を含有していてもよく、含有していなくてもよ
い。このアルカリ金属珪酸塩系水溶液塗料を複数回塗布
する場合、2回目以降の塗布時の塗料の粉体含有量を1
回目よりも少なくしたり、又は粉体を含有させないよう
にしてもよい。また、3回以上塗布する場合、粉体含有
量を順次に少なくしてもよく、各回で同一としてもよ
い。
【0021】水溶性アルカリ金属珪酸塩系水溶液は、必
要に応じ硬化剤、充填剤、顔料等の粉体固形分を含む。
【0022】水溶性アルカリ金属珪酸塩は、一般式M2
O・xSiO2・yH2O(但し、Mは周期律表第I族に
属するアルカリ金属、x及びyは正の数である。)で表
わされるが、この水溶性アルカリ金属珪酸塩を多価金属
化合物で変性した変性水溶性アルカリ金属珪酸塩を用い
てもよい。水溶性アルカリ金属珪酸塩には、珪酸ナトリ
ウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム等があり、xの値は
特に制限するものではないが、2〜5が造膜性、耐久性
等の観点から好ましい。yの値についても特に制限する
ものではなく、最終的に得られる組成物塗料に適度な粘
性をもたせる範囲、あるいは該組成物を取り扱う上にお
いて支障がない範囲であればよい。変性水溶性アルカリ
金属珪酸塩は、前記水溶性アルカリ金属珪酸塩にマグネ
シウム、アルミニウム、カルシウム、亜鉛、ジルコニウ
ム等の多価金属の酸化物、水酸化物、弗化物、炭酸塩、
リン酸塩等の化合物の1種あるいは2種以上を溶解反応
させたものであり、塗膜の耐水性、耐薬品性等の改善に
寄与する。これらの水溶性アルカリ金属珪酸塩あるいは
変性水溶性アルカリ金属珪酸塩の1種だけを用いてもよ
く、2種以上を混合して用いてもよい。
【0023】実用的には珪酸ナトリウムが造膜性、接着
性、低コスト性等の点で優れており、本発明では珪酸ナ
トリウムの1種だけを用いても優れた無機質塗膜が得ら
れる。塗料中のアルカリ金属珪酸塩の含有量は、好まし
くは約7重量%以上、特に好ましくは約10〜約60重
量%の範囲である。
【0024】上記の水溶性アルカリ金属珪酸塩あるいは
変性水溶性アルカリ金属珪酸塩の硬化剤には、酸化亜
鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等の多価金属
酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の
多価金属水酸化物;炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム等の多
価金属炭酸塩;リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウ
ム、リン酸亜鉛等の多価金属リン酸塩;珪弗化亜鉛、珪
弗化アルミニウム等の珪弗化物;グリオキザール、シュ
ウ酸アミド等の有機化合物等があり、これらの硬化剤の
1種類あるいは2種以上を用いる。硬化剤の有効量は、
該塗料の重量の約1%以上、好ましくは約3%以上、典
型的には約5〜10%以上である。
【0025】充填剤には、珪石、アルミナ、ガラス粉等
の粒状物;粘土、雲母等の偏平状物;石綿、ガラス繊維
粉等の繊維状物等がある。
【0026】顔料には、二酸化チタン、ベンガラ、黄
鉛、クロムグリーン、群青、マルスバイオレット、コバ
ルトブルー、カーボンブラック等がある。
【0027】これらの粉体の含有量は、塗料中において
60重量%以下であることが好ましい。
【0028】その他の添加剤としては、公知の界面活性
剤、分散剤、消泡剤、増粘剤等が必要に応じて添加され
る。
【0029】このアルカリ金属珪酸塩系水溶液塗料を塗
布し、室温〜150℃に0.5〜48時間程度保持して
乾燥し、塗膜を形成する。この塗膜の厚さは20〜20
0μmとくに30〜100μm程度が好ましい。
【0030】この塗膜に酸・アンモニウム塩系水溶液を
適用して塗膜を硬化させる。
【0031】この酸・アンモニウム塩系水溶液のpH値
は、一般に約3.5〜約10.0の範囲であり、好まし
くは約4〜約9の範囲であり、そしてより好ましくは約
4.5〜約8.5そして典型的には約5〜約8の範囲で
ある。この酸・アンモニウム系水溶液の濃度は0.5〜
10重量%程度が好ましい。
【0032】該酸・アンモニウム塩系水溶液としては、
酸または酸性塩とアンモニアまたはアンモニア水または
アンモニア化合物との反応生成物または反応生成混合物
である塩の水溶液を指称し、代表的には、(1)水に該
酸・アンモニウム塩を溶解するかまたは(2)水に酸お
よびアンモニア水またはアンモニアガスを添加する等に
よって調製し得る。該水溶液を所望のpH値に調整する
には、例えば該水溶液にアンモニア水もしくはアンモニ
アガスまたは該酸を適度に添加すればよい。必要に応じ
て、所望のpH値を効果的に維持するために適当な緩衝
剤を添加することも可能である。なお、酸・アンモニウ
ム塩系水溶液の塩成分は、二種類以上の塩の混合物であ
ってもよい。
【0033】該酸・アンモニウム塩系水溶液の塩の酸成
分としては無機酸及び有機酸またはこれらの酸性塩が使
用でき、無機酸系としてはリン酸、塩酸、亜硫酸、硫
酸、硝酸、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、第1
リン酸アルミニウム、第1リン酸カルシウム、硝酸アル
ミニウム等が、そして有機酸としてはシュウ酸、クエン
酸、酢酸、酒石酸等が代表的に例示されるが、これらに
限定されない。なお、代表的な酸・アンモニウム塩とし
て、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アン
モニウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム等が例
示できるが、一般に、第一、第二および/または第三リ
ン酸アンモニウムが特に好適である。
【0034】この酸・アンモニウム塩水溶液を塗膜に適
用するには、この水溶液を塗膜に注ぎかけたり、噴霧し
たり、あるいはこの水溶液中に塗膜を浸潰すればよい。
【0035】この水溶液との接触時間は1〜24時間程
度が好ましく、接触時の温度は室温〜60℃程度が好ま
しい。
【0036】この酸・アンモニウム水溶液と接触させる
ことにより塗膜が硬化する機構は、アルカリ金属珪酸塩
系塗膜中のアルカリ金属を酸イオンにより選択的、強制
的に除去して塗膜を硬化させるとともに、一部分の該酸
は塗膜中の成分とも反応して硬化作用をもたらすものと
考えられる。なお、酸・アンモニウム塩水溶液で処理す
ることにより、白華成分となる塗膜中のアルカリ金属が
除去されるので、耐白華性に優れた塗膜ができる。
【0037】その後、塗膜に水を注ぎかけたり水中に浸
潰させることにより、塗膜や基材中の残留未反応酸・ア
ンモニウム塩等の物質を除去し、これを乾燥させると塗
膜は収縮して微細なクラックが均一に発生する。こうし
て発生したクラックは微細であり、また基材の吸水膨
張、乾燥収縮等の寸法変化やたわみが発生してもその均
一なクラックにより応力を分散吸収させてしまうため、
耐汚染性の低下をもたらす大きなクラックは発生しな
い。
【0038】水洗時間は1〜24時間程度で十分であ
る。なお、水洗に際して水の代わりに、残存する該アン
モニウム塩等に作用して除去を促進(例えば化学反応に
よる分解)しかつ該塗膜に実質的に無影響である強塩基
−強酸・塩(例えばNaClまたはKCl)の希水溶液
(例えば0.1〜5重量%程度)を使用すると、水洗時
間が短縮される。
【0039】この水洗の後、乾燥し、アルカリ金属珪酸
塩系下塗り層2の上にアクリルシリコン系表面層3を形
成する。
【0040】本発明においては、このようにして形成さ
れる下塗り層2を水ガラス含有率を10〜60%の範囲
内で減らすことでポーラス度の高いものとすることによ
り、上層のアクリルシリコン系表面層3と下塗り層2と
の密着性をより一層向上させることができ、好ましい。
【0041】このような下塗り層2上に、このアクリル
シリコン系表面層3を形成するには、アクリルシリコン
系水性樹脂塗料を塗布し、乾燥させた後加熱して塗膜を
硬化させる。
【0042】このアクリルシリコン系塗料としてはシリ
コン含有水溶性アクリル樹脂を主剤としてエポキシ樹脂
を硬化剤とした硬化性シリコンアクリルエポキシ系水性
樹脂塗料が好ましい。この塗料は、ポリシロキサンオリ
ゴマーによる架橋と、アクリル樹脂/エポキシ樹脂の架
橋の複合架橋により高硬度で耐久性、耐候性、耐酸性、
耐アルカリ性、耐熱性、耐溶剤性に優れた塗膜を生成さ
せる。なお、通常の場合、この乾燥条件は60〜90℃
で10〜60分程度、加熱条件は100〜150℃で
0.1〜2時間程度が好ましい。
【0043】なお、このアクリルシリコン系表面層3
は、無機系抗菌剤を分散させることが好ましく、これに
より防汚効果を高めることができる。
【0044】無機系抗菌剤としては、銀や酸化銀、銀錯
塩等の抗菌成分をゼオライト、リン酸カルシウム、リン
酸ジルコニウム、非晶質酸化ケイ素、チタニア等の担体
に担持した抗菌剤を用いることができ、そのアクリルシ
リコン系表面層中の含有量は0.01〜3.0重量%と
することが好ましい。
【0045】このアクリルシリコン系塗膜よりなるアク
リルシリコン系表面層の厚さは20〜200μmとくに
30〜100μm程度が好ましい。
【0046】本発明のユニットバスルームは、このよう
な本発明の壁パネルを用いて常法に従って構築されたも
のである。
【0047】
【実施例】実施例1 (1)塗料の調合 下塗り塗料は下記に示す調合の内、水ガラス以外のもの
をポットミルで24時間混合し、これに水ガラスを加え
て15分間スクリュー攪拌して調整した。
【0048】 <下塗り塗料の調合> 珪酸ナトリウム水溶液(40重量%) 30〔重量部〕 顔料 8〔重量部〕 酸化亜鉛 8〔重量部〕 珪石粉 18〔重量部〕 ピロリン酸ナトリウム 0.8〔重量部〕 アエロジル 0.2〔重量部〕 水 35〔重量部〕 (2)下塗り塗料の塗装 珪酸カルシウム板(厚さ3mm)に珪酸リチウム系プラ
イマー処理剤を塗布した後、エアースプレーにより乾燥
膜厚が約50μmの厚さになるように塗装し、130℃
で3時間乾燥を行った。これを30℃のリン酸アンモニ
ウム水溶液中(第1リン酸アンモニウム2.5%、およ
び第2リン酸アンモニウム2.5%、pH6.5)に8
時間浸潰し、さらに水中に12時間浸潰した後水洗し8
0℃で乾燥した。
【0049】(3)表面層の形成 次にアクリルシリコンエポキシ系水性樹脂塗料を塗布
し、60℃で20分乾燥後、140℃で30分加熱し、
厚さ50μmのアクリルシリコンエポキシ系樹脂塗膜を
形成した。
【0050】このようにして、塗膜を形成したボードを
図1の如くフレームに接着して壁パネルとした。
【0051】実施例2,3 下塗り塗料の調合を下記の通りとした他は、実施例1と
同様にして珪酸カルシウムボードの上に塗膜を形成し、
壁パネルを製造した。
【0052】 <実施例2の下塗り塗料の調合> 珪酸ナトリウム水溶液(40重量%) 30〔重量部〕 顔料(チタン白) 7〔重量部〕 酸化亜鉛 7〔重量部〕 珪石粉 15〔重量部〕 ピロリン酸ナトリウム 0.8〔重量部〕 アエロゾル 0.2〔重量部〕 水 30〔重量部〕 <実施例3の下塗り塗料の調合> 珪酸ナトリウム水溶液(40重量%) 30〔重量部〕 顔料(チタン白) 6〔重量部〕 酸化亜鉛 6〔重量部〕 珪石粉 14.5〔重量部〕 ピロリン酸ナトリウム 0.8〔重量部〕 アエロゾル 0.2〔重量部〕 水 27.5〔重量部〕 実施例4 実施例1において、アクリルシリコンエポキシ系水性樹
脂塗料に銀担持ゼオライト系抗菌剤を1.0重量%混合
したものを用いて表面層を形成したこと以外は同様にし
て珪酸カルシウムボード上に塗膜を形成し、壁パネルを
製造した。
【0053】比較例1 アクリルシリコン系表面層を形成しなかったこと以外は
実施例1と同様にして塗膜を珪酸カルシウムボードに形
成し、壁パネルを製造した。
【0054】このようにして形成した塗膜の耐汚染性、
耐熱性、防水性、光沢及び硬度について調べた結果を表
1に示す。
【0055】なお、耐汚染性はカーボンブラックを10
重量%混合したワセリンを塗り、1日放置後、石鹸水を
浸したガーゼでふき取ることにより調べ、耐熱性は13
0℃の雰囲気に30分保持した後の状況で調べ、防水性
はJIS Z5400の透水度測定値で示し、硬度は鉛
筆硬度にて測定した。光沢は外観の目視判定である。
【0056】なお、珪酸カルシウムボードを有した壁パ
ネルの代わりに、亜鉛メッキ鋼板製壁パネルについても
同様の結果が得られた。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】上記の実施例及び比較例からも明らかな
通り、本発明によると堅牢で耐汚染性、耐熱性に優れ、
耐久性の良好な光沢を有した塗膜付きの壁パネル及びユ
ニットバスルームが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る壁パネルの分解斜視図であ
る。
【図2】実施の形態に係る壁パネルのボードの一部断面
図である。
【符号の説明】
1 基材 2 下塗り層 3 表面層 4 ボード 5 フレーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04C 2/08 E04C 2/08 B 2/38 2/38 J E04H 1/12 301 E04H 1/12 301 Fターム(参考) 2E025 AA02 AA13 AA23 BA01 BB05 BC01 2E162 CA01 CA04 CA06 CA07 CA12 CA13 CA16 CA21 CA35 CB01 EA11 FA14 4D075 AE15 CA18 CA34 CA45 CB04 DC02 DC38 EA06 EB02 EB42

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボードをフレームに固着してなる壁パネ
    ルにおいて、該ボードは板状の基材と、該基材上に形成
    されたアルカリ金属珪酸塩系下塗り層と、該下塗り層上
    に形成されたアクリルシリコン系表面層とを備えてなる
    ことを特徴とする壁パネル。
  2. 【請求項2】 金属板の四辺を折曲してなる壁パネルに
    おいて、該金属板はその表面に形成されたアルカリ金属
    珪酸塩系下塗り層と、該下塗り層上に形成されたアクリ
    ルシリコン系表面層とを備えてなることを特徴とする壁
    パネル。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記下塗り層
    は、基材上に水溶性アルカリ金属珪酸塩系水溶液塗料を
    塗布して乾燥させて形成した塗膜に、pH値が3.5〜
    10.0の酸・アンモニウム塩系の水溶液を適用し、水
    洗し、乾燥して形成したものであることを特徴とする壁
    パネル。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
    て、前記アクリルシリコン系表面層に無機系抗菌剤が分
    散されていることを特徴とする壁パネル。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の壁パネルを用いたことを特徴とするユニットバスルー
    ム。
JP11234300A 1999-08-20 1999-08-20 壁パネル及びユニットバスルーム Pending JP2001059290A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11234300A JP2001059290A (ja) 1999-08-20 1999-08-20 壁パネル及びユニットバスルーム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11234300A JP2001059290A (ja) 1999-08-20 1999-08-20 壁パネル及びユニットバスルーム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001059290A true JP2001059290A (ja) 2001-03-06

Family

ID=16968844

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11234300A Pending JP2001059290A (ja) 1999-08-20 1999-08-20 壁パネル及びユニットバスルーム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001059290A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003020742A (ja) * 2001-07-04 2003-01-24 Koa Funenban Kogyo Kk 耐火性建築材料

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003020742A (ja) * 2001-07-04 2003-01-24 Koa Funenban Kogyo Kk 耐火性建築材料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4006030A (en) Method of preventing deterioration of inorganic substrate surface
JPH0318514B2 (ja)
GB2105640A (en) Gypsum panels
JPH0718202A (ja) アルカリ金属ケイ酸塩水溶液を主剤とするコーティング材料及びバインダー
KR101045699B1 (ko) 적벽돌의 방수 및 오염방지 공법
JPS648593B2 (ja)
JP2001059290A (ja) 壁パネル及びユニットバスルーム
JP2004298875A (ja) 塗膜を有する建材及びその製造方法
JP2002338943A (ja) 防汚層、その形成方法及び塗布液
JP2002239451A (ja) 建材及びその塗膜形成方法
JP2001058378A (ja) 塗膜を有する建材及びその製造方法
JP2866923B2 (ja) 透明ガラス質形成組成物及びコーテイング膜形成方法
KR20110012682A (ko) 기능성 무기 도료 조성물, 이를 이용한 제품 및 그 용도
JPS6239027B2 (ja)
JPH0450183A (ja) セメント成形体およびその製造方法
JPS6351998B2 (ja)
JPH0236311B2 (ja) Mukishitsutomakunokeiseiho
JPH0985879A (ja) 建築用ボード
JP3624778B2 (ja) 無機塗料を用いた加飾方法
JPH08309949A (ja) 凹凸模様を有する化粧板の製造方法
JP2001294778A (ja) 防汚塗膜の形成方法及び防汚塗料
US20010027735A1 (en) Methods of producing a water-repellent product, and product and method for waterproofing a surface of a building material
JPH09241531A (ja) 無機質塗膜形成用組成物及び無機質塗膜の形成方法
JPH01164479A (ja) 無機質化粧板の製造方法
JP3206181B2 (ja) タイル先付け軽量コンクリートパネルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040907

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050105