JPS6239027B2 - - Google Patents

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JPS6239027B2
JPS6239027B2 JP57206675A JP20667582A JPS6239027B2 JP S6239027 B2 JPS6239027 B2 JP S6239027B2 JP 57206675 A JP57206675 A JP 57206675A JP 20667582 A JP20667582 A JP 20667582A JP S6239027 B2 JPS6239027 B2 JP S6239027B2
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JP
Japan
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paint
aqueous solution
water
coating film
acid
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JP57206675A
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English (en)
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JPS5995971A (ja
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Yoshihiko Kojika
Yoshihiro Kajima
Setsuo Tsuzuki
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Inax Corp
Original Assignee
Inax Corp
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Publication date
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Publication of JPS5995971A publication Critical patent/JPS5995971A/ja
Publication of JPS6239027B2 publication Critical patent/JPS6239027B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は多孔性無機質基材又は金属、ガラス等
の非多孔性鉱物質基材からなる鉱物質基材(これ
らを総称して、鉱物質基材という)面に水溶性ア
ルカリ金属珪酸塩系無機質塗料を化粧塗装仕上げ
する無機質塗膜の形成方法に関するものである。 石綿セメント板や珪酸カルシウム板などの基材
は、不燃性で且つ耐久性に優れているため、広く
建材その他に使われている。通常これらの材料自
体は美粧性に乏しいため、美粧性が要求される場
合には有機質塗料で塗装仕上げされている。とこ
ろがこの有機質塗膜は可燃性であり又耐久性に乏
しい為、基材のもつ特徴を著しく損ねている。そ
こでこれらの基材の特徴を生かすことができる不
燃性の無機質塗料が使われるようになつた。しか
しながら一般に無機質塗料は有機質塗料に比べて
不燃性・耐熱性などには優れているが可とう性、
光沢、平滑性などの点については劣つている。特
に石綿セメント板や珪酸カルシウム板のような基
材は、気中の湿度変化あるいは吸水、乾燥による
膨張、収縮の寸法変化が大きく、無機質塗膜はそ
の寸法変化に充分追従できる可とう性に乏しいた
めクラツクが発生しやすく、またそのクラツクに
汚染物質が浸透付着して耐汚染性が低下する。さ
らにクラツクの発生によつて、基材中の白華成分
が塗膜表面に溶出して白華現象を生起しがちであ
り、塗膜中に白華成分を含有する場合は白華現象
を完全に抑制するのが難しい。 建材等の化粧等に用いられる無機質塗料には加
熱硬化型のものと常温硬化型のものがある。一般
に、加熱硬化型の塗料は約200〜300℃に加熱しな
いと充分に硬化した膜が得られないが、基材とし
て石綿セメント板や珪酸カルシウム板などを用い
た場合、この加熱により基材が強度劣化、変性、
変色を起こしたりする問題がある。常温硬化型の
ものは基材を劣化させることは少ないが、充分な
硬化膜を得るには約1週間以上の硬化期間を要す
る。 上記の諸問題を解決する一方法として、先に本
発明者等は、水溶性アルカリ金属珪酸塩等を含有
する塗料を下塗りし、酸溶液にて処理し、該酸を
除去し、次いで該塗料を上塗りした後、該塗膜を
硬化させる工程を含む方法を発明した(特願昭56
−211612号)。これに対し本発明は、一つの観点
からはこの先行発明を改善した発明であるという
ことができる。 また特公昭49−47249号公報に、アルカリ金属
珪酸塩にかなりの量の無定形シリカを添加し長時
間加熱溶解した高粘性塗料を基材に塗布し、酸等
の強酸性処理液で処理した後に乾燥硬化させる方
法が開示されている。この発明は多量の無定形シ
リカ粉を加熱溶解した塗料を使用したことを特徴
とするものであり、同公報の比較例等に明示され
ているように該シリカを溶解含有しない場合には
効果が発揮されない。この方法は該塗料の製造、
光沢性等に関して、若干の問題が存在し得る。 本発明の主目的は、上記の問題点を改善した新
規な方法を提供することである。すなわち、本発
明は従来の無機質塗膜の持つ不燃性、耐熱性に加
えて、有機質塗料やガラス釉面並の光沢と平滑性
を持ち、且つ無機質塗膜の欠点であつた可とう
性、耐汚染性、耐白華性に優れた塗膜を得るとと
もに、基材の加熱劣化をも生じさせない無機質塗
膜の形成方法を提供するものである。 本発明の代表的な態様を要約すると、鉱物質基
材上に、充填剤、顔料および硬化剤等から選ばれ
る粉体固形分を含有する水溶性アルカリ金属珪酸
塩系水溶液塗料(以下下塗り塗料という)を塗布
して適度に乾燥させ、次に該粉体固形分の含有量
が該下塗り塗料よりも少量ないし零である該珪酸
塩系水溶液塗料(以下上塗り塗料という)を塗布
して適度に乾燥させた塗膜に、PH値約3.5〜約
10.0の酸・アンモニウム塩系水溶液を適用し、水
洗しそして乾燥することを特徴とする、無機質塗
膜の形成方法である。該塗料のうちの少なくとも
下塗り塗料が有効量の硬化剤を含有するのが好ま
しい。必要あれば、上記の二塗料の中間の固形分
含量を有する該珪酸塩系水溶液塗料を両者の塗膜
の間に塗装してなる塗膜を、同様に処理して、本
発明の無機質塗膜を形成することも当然可能であ
る。 上記の方法において、水洗に際して水のかわり
に、残存する該アンモニウム塩等に作用して除去
を促進(例えば化学反応による分解)しかつ該塗
膜に実質的に無影響である強塩基―強酸・塩(例
えばNaClまたはKCl)の希水溶液(例えば0.1〜
5重量%程度)を使用すると、水洗時間が短縮さ
れる。 前記の酸・アンモニウム塩系水溶液のPH値は、
一般に約3.5〜約10.0の範囲であり、好ましくは
約4〜約9の範囲であり、そしてより好ましくは
約4.5〜約8.5そして典型的には約5〜約8の範囲
である。約3.5〜10.0の範囲外では本発明の効果
は一般に達成困難である。 該酸・アンモニウム塩系水溶液としては、酸ま
たは酸性塩とアンモニアまたはアンモニア水また
はアンモニア化合物との反応生成物または反応生
成混合物である塩の水溶液を指称し、代表的に
は、(1)水に該酸・アンモニウム塩を溶解するかま
たは(2)水に酸およびアンモニア水またはアンモニ
アガスを添加する等によつて調製し得る。該水溶
液を所望のPH値に調整するには、例えば該水溶液
にアンモニア水もしくはアンモニアガスまたは該
酸を適度に添加すればよい。必要に応じて、所望
のPH値を効果的に維持するために適当な緩衝剤を
添加することも可能である。なお、酸・アンモニ
ウム塩系水溶液の塩成分は、二種類以上の塩の混
合物であつてもよい。 該酸・アンモニウム塩系水溶液の塩の酸成分と
しては無機酸及び有機酸またはこれらの酸性塩が
使用でき、無機酸系としてはリン酸、塩酸、亜硫
酸、硫酸、硝酸、塩化アルミニウム、硫酸アルミ
ニウム、第1リン酸アルミニウム、第1リン酸カ
ルシウム、硝酸アルミニウム等が、そして有機酸
としてはシユウ酸、クエン酸、酢酸、酒石酸等が
代表的に例示されるが、これらに限定されない。
なお、代表的な酸・アンモニウム塩として、リン
酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモ
ニウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム等
が例示できるが、一般に、第一、第二および/ま
たは第三リン酸アンモニウムが特に好適である。
本発明における基材の例には、石綿セメント板、
石綿パーライト板、珪酸カルシウム板、石綿セメ
ント珪酸カルシウム板、石膏ボード、モルタルボ
ード、コンクリートボード、パルプセメント板、
木片セメント板、GRC(ガラス繊維強化セメン
ト)ボード、CFRC(カーボン繊維強化セメン
ト)ボード、SFRC(スチール繊維強化セメン
ト)ボード、ALCボード、ロツクウール無機質
成形体、金属板、ガラス板等が含まれる。 本発明における無機質塗料は、水溶性アルカリ
金属珪酸塩系水溶液、および硬化剤、充填剤、顔
料等の粉体固形分を混合して形成される。前記の
態様における下塗り塗料に含有される該粉体固形
分の量は、該塗料の重量に基き、約10%以上そし
て好ましくは約20%以上から該珪酸塩水溶液ベヒ
クルにて塗料として保持される量(例えば約80重
量%)までの範囲である。一般に約20〜約60重量
%の範囲の量が用いられる。前記の態様における
上塗り塗料の該粉体固形分の量は、約20重量%以
下そして好ましくは約10%以下から零までの範囲
である。 水溶性アルカリ金属珪酸塩は、一般式M2O・
xSiO2・yH2O(但し、Mは周期律表第族に属
するアルカリ金属、x及びyは正の数である。)
で表わされるが、この水溶性アルカリ金属珪酸塩
を多価金属化合物で変性した変性水溶性アルカリ
金属珪酸塩を用いてもよい。水溶性アルカリ金属
珪酸塩には、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪
酸リチウム等があり、xの値は特に制限するもの
ではないが、2〜5が造膜性、耐久性等の観点か
ら好ましい。yの値についても特に制限するもの
ではなく、最終的に得られる組成物塗料に適度な
粘性をもたせる範囲、あるいは該組成物を取り扱
う上において支障がない範囲であればよい。変性
水溶性アルカリ金属珪酸塩は、前記水溶性アルカ
リ金属珪酸塩にマグネシウム、アルミニウム、カ
ルシウム、亜鉛、ジルコニウム等の多価金属の酸
化物、水酸化物、弗化物、炭酸塩、リン酸塩等の
化合物の1種あるいは2種以上を溶解反応させた
ものであり、塗膜の耐水性、耐薬品性等の改善に
寄与する。本発明における無機質塗料には、これ
らの水溶性アルカリ金属珪酸塩あるいは変性水溶
性アルカリ金属珪酸塩の1種あるいは2種以上を
混合して用いることができる。実用的には珪酸ナ
トリウムが造膜性、接着性、低コスト性等の点で
優れており、本発明では珪酸ナトリウム1種を用
いても優れた無機質塗膜が得られる。なお、該ア
ルカリ金属珪酸塩の添加量は、該塗料の重量に基
き、約7%以上、好ましくは約10%以上、更に好
ましくは約15%以上、そして典型的には約15%〜
約60%の範囲である。 上記の水溶性アルカリ金属珪酸塩あるいは変性
水溶性アルカリ金属珪酸塩の硬化剤には、酸化亜
鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等の多
価金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化アル
ミニウム等の多価金属水酸化物;炭酸亜鉛、炭酸
マグネシウム等の多価金属炭酸塩;リン酸マグネ
シウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛等の多
価金属リン酸塩;珪弗化亜鉛、珪弗化アルミニウ
ム等の珪弗化物;グリオキザール、シユウ酸アミ
ド等の有機化合物等があり、これらの硬化剤の1
種類あるいは2種以上を用いる。硬化剤の有効量
は、該塗料の重量の約1%以上、好ましくは約3
%以上、典型的には約5%以上である。 充填剤には、珪石、アルミナ、ガラス粉等の粒
状物;粘土、雲母等の偏平状物;石綿、ガラス繊
維粉等の繊維状物等がある。 顔料には、二酸化チタン、ベンガラ、黄鉛、ク
ロムグリーン、群青、マルスバイオレツト、コバ
ルトブルー、カーボンブラツク等がある。 その他の添加剤としては、公知の界面活性剤、
分散剤、消泡剤、増粘剤等があり、必要に応じて
添加する。 次に本発明の無機質塗膜の形成方法について説
明する。本発明において、硬化剤、充填剤、顔料
等を添加した水溶性アルカリ金属珪酸塩系塗料を
塗布して第1層を得、1次乾燥後、硬化剤、充填
剤、顔料等粉体固形分を含まないか、あるいは硬
化剤、充填剤、顔料、増粘剤等を小量含む水溶性
アルカリ金属珪酸塩系塗料を塗布して第2層を
得、2次乾燥後、前記のPH値の酸・アンモニウム
水溶液に浸漬し、さらに水中に浸漬して最後に乾
燥して無機質塗膜が形成できる。 上記の態様において、第1層は硬化剤、充填
剤、顔料等の粉体固形分を比較的多量に含んでい
るために、1次乾燥により比較的ポーラスな塗膜
ができる。この第1層に粉体固形分を含まない
か、あるいは硬化剤、顔料、増粘剤等小量を含む
水溶性アルカリ金属珪酸塩系塗料を塗布すると、
一部分は第1層に浸透して第1層は緻密な層とな
りまた、一部分は第1層の上部表面に粉体固形分
を含まないかあるいは少量含む透明釉薬調の薄膜
を第2層として形成する。その後、第2層が発泡
しない程度の温度で2次乾燥を行ない、さらに前
記のPH値の酸・アンモニウム塩水溶液中に浸漬さ
せて塗膜中のアルカリ金属を酸イオンにより選択
的、強制的に除去して塗膜を硬化させるととも
に、一部分の該酸は塗膜中の成分とも反応して硬
化作用をもたらすものと考えられる。その後、塗
膜を水中に浸漬させることにより、塗膜や基材中
の残留未反応酸・アンモニウム塩等の物質を除去
し、これを乾燥させると塗膜は収縮して微細なク
ラツクが均一に発生する。 本発明の特質を以下に要約すると、 (1) 塗膜の表面が透明釉薬調になり、美観、肌ざ
わりがよい。 (2) 弱酸性から中性付近の酸・アンモニウム塩水
溶液で薬液硬化させて塗膜を製造すると、加熱
硬化法に比べ塗膜の硬化が均一でゆるやかであ
るため、塗膜に均一に微細なクラツクが発生す
る。こうして発生したクラツクは汚染物質が入
り込めないほど微細であり、また基材の吸水膨
張、乾燥収縮等の寸法変化やたわみが発生して
もその均一なクラツクにより応力を分散吸収さ
せてしまうため、もはや耐汚染性の低下をもた
らす大きなクラツクは発生せず耐汚染性がよ
い。 (3) 酸・アンモニウム塩水溶液で処理することに
より白華成分となる塗膜中のアルカリ金属を除
去するので、耐白華性に優れた塗膜ができるこ
と等が挙げられる。更に、本発明の基材として
石綿セメント板や珪酸カルシウム板などのセメ
ント質のものを用いる場合には、高温加熱を必
要とせず比較的低温加熱での乾燥後、前記のPH
値の酸・アンモニウム塩水溶液により硬化させ
るものであるため基材を劣化させることがな
い。また、基材中の白華成分となる遊離Ca成
分を酸により固定することができるので、耐白
華性を向上させることができる。また、補強材
として石綿やガラス繊維が含有されている基材
についても劣化させることはない。 第1層を形成する下塗り塗料は、基材との密着
性や上塗り塗膜の硬化性を向上させるために硬化
剤を添加した方がよく、また塗膜としての強度、
耐久性等の機能を持たせたり、微細なクラツクを
均一に発生させたりするために充填剤等の固形物
を添加した方がよい。この様に下塗り塗膜層は、
塗膜としての機能を備えるとともに、上塗り塗料
を適度に浸透させ、下塗り塗膜層中の未反応の硬
化剤と反応させて上塗り塗膜の硬化を補う役割も
果たすのである。なお、必要に応じて界面活性
剤、消泡剤、増粘剤などを加えてもよい。 第2層を形成する上塗り塗料にも水溶性アルカ
リ金属珪酸塩を用いるが、緻密な膜に仕上げ耐汚
染性、光沢、平滑性、美観性等を付与するため
に、硬化剤や充填剤等の固形物は添加しないか、
あるいは加熱時の発泡防止、着色等のため硬化
剤、顔料等を上記性能の低下をもたらさない程度
の小量を添加する。なお前記の上塗り塗料だけの
態様においては、必要最低量の硬化剤を添加する
のが好ましい。水溶性の硬化剤(グリオキザー
ル)の併用も望ましい。 下塗り塗料の塗装後の1次乾燥は、下塗り塗料
が均一に乾く程度でよく、室温〜約100℃で1分
〜60分間程度保持すればよい。 上塗り塗料の塗装後の2次乾燥は、硬化剤の種
類により異なるが、塗膜を完全硬化させず、次の
薬液処理工程においてアルカリ金属成分が選択的
に効率よく溶出除去でき、且つ上塗り塗膜層が発
泡しない範囲の条件で行なう。通常、室温〜約
150℃で30分〜48時間程度保持すればよい。 酸・アンモニウム水溶液のPH値が約3.5以下で
は、塗膜中のアルカリ金属成分の溶出速度が急激
になつたり、アルカリ金属成分以外の塗膜成分の
溶出も激しくなり、大クラツクの発生や強度、耐
久性、光沢、平滑性、美観性の低下の原因とな
る。また基材としてセメント質のものや補強材と
して石綿などが添加してあるものは侵されやすく
なる。該PH値が約10.0以上になるとアルカリ金属
成分以外の成分の溶出が多くなり、塗膜の光沢、
平滑性、美観性が低下する。通常、薬液処理条件
として酸・アンモニウム塩水溶液濃度は前記のPH
範囲に調整することを条件として約0.2〜約20重
量%そして典型的には約0.5〜約10重量%程度、
処理液温度は室温〜約60℃、処理時間は約1〜24
時間程度が望ましい。要するに、薬液処理条件
は、塗膜中のアルカリ金属成分が適度な溶出速度
で選択的に除去でき、且つ基材成分が侵されにく
いPH値の薬液を使用することが必要である。 酸・アンモニウム塩水溶液による薬液処理後
は、塗膜を水中浸漬させて塗膜や基材中の未反応
の酸・アンモニウム塩等の水可溶性物質を除去す
る。通常、水中浸漬は約1〜24時間行なえばよ
い。なお、水中浸漬を行なう代わりに食塩水等に
浸漬させれば、浸漬除去時間を約半分に短縮する
ことができる。 以下に実施例及び比較例によつて本発明の代表
的な具体例を詳細に説明する。 実施例1 (例) (1) 塗料の調合 下塗り塗料は下記に示す調合の内、珪酸ナトリ
ウム水溶液、界面活性剤、消泡剤以外のものをポ
ツトミルで24時間混合し、さらに残りを加えて15
分間スクリユー攪拌して調製した。 下塗り塗料の調合 珪酸ナトリウム水溶液(40%液)
100[重量部] 酸化亜鉛 30 〃 珪石粉 40 〃 トリポリリン酸ナトリウム 2 〃 チタン白 20 〃 水 90 〃 界面活性剤(5%液) 1 〃 消泡剤(5%液) 1 〃 上塗り塗料は下記に示す調合で混合攪拌により
調製した。 上塗り塗料の調合 珪酸ナトリウム水溶液(40%液)
100[重量部] 水 100 〃 界面活性剤(5%液) 1 〃 消泡剤(5%液) 1 〃 (2) 塗装 下塗り塗料を珪酸カルシウム板(厚さ3mm)に
エアースプレーにより2回に分けて、乾燥膜厚が
約50μmの厚さになるように塗装し、80℃で10分
間1次乾燥を行なつた。次に上塗り塗料を下塗り
した塗装板にエアスプレーにより乾燥膜厚が約5
μmの厚さになるように塗装し、130℃で3時間
2次乾燥を行なつた。これを30℃のリン酸アンモ
ニウム水溶液中(第1リン酸アンモニウム2.5
%、および第2リン酸アンモニウム2.5%、PH
6.5)に8時間浸漬し、さらに水中に12時間浸漬
した後水洗し80℃で乾燥した。 実施例2 (例) (1) 塗料の調合 実施例1の調合を下記のように代え、同様の操
作により調製した。 下塗り塗料の調合 珪酸ナトリウム水溶液(40%) 60[重量部] 珪酸カリウム水溶液(30%液) 40 〃 ポリリン酸アルミニウム 10 〃 酸化亜鉛 10 〃 珪石粉 50 〃 ピロリン酸カリウム 2 〃 アエロジル 0.5 〃 ベンガラ 10 〃 水 80 〃 界面活性剤(5%液) 1 〃 消泡剤(5%液) 1 〃 上塗り塗料は下記に示す調合で混合攪拌により
調製した。 上塗り塗料の調合 珪酸ナトリウム水溶液(40%液)
100[重量部] ベンガラ 10 〃 ピロリン酸カリウム 0.5 〃 水 100 〃 界面活性剤(5%液) 1 〃 消泡剤(5%液) 1 〃 (2) 塗装 下塗り塗料を石綿スレート板(厚さ3mm)にエ
アスプレーにより乾燥膜厚が約40μmの厚さにな
るように塗装し、気中に30分間放置した後、上塗
り塗料を下塗りした塗装板にエアスプレーにより
乾燥膜厚が約10μmの厚さになるように塗装し、
120℃で5時間乾燥を行なつた。これを40℃のリ
ン酸アンモニウム水溶液中(5%リン酸液中にア
ンモニアガスを吹き込みPH値を7.0として調整し
た。)に6時間浸漬し、さらに0.5%食塩水中に5
時間浸漬した後、水洗し、気中乾燥した。 実施例3 (例) (1) 塗料の調合 実施例1の調合を下記のように代え、同様の操
作により調製した。 下塗り塗料の調合 珪酸ナトリウム水溶液(40%液) 65[重量部] 珪酸カリウム水溶液(30%液) 20 〃 珪酸リチウム水溶液(25%液) 15 〃 ポリリン酸マグネシウム 15 〃 ポリリン酸亜鉛 10 〃 アルミナ粉 40 〃 合成雲母 10 〃 ピロリン酸ナトリウム 2 〃 コバルトブルー 10 〃 水 90 〃 界面活性剤(5%液) 1 〃 消泡剤(5%液) 1 〃 上塗り塗料は下記に示す調合で混合攪拌により
調製した。 上塗り塗料の調合 珪酸ナトリウム水溶液(40%液) 50[重量部] 珪酸カリウム水溶液(30%液) 50[重量部] 水 100 〃 界面活性剤(5%液) 1 〃 (2) 塗装 下塗り塗料を珪酸カルシウム板(厚さ4mm)に
エアースプレーにより乾燥膜厚が約50μmの厚さ
になるように塗装し、気中に10分間放置した後、
上塗り塗料を下塗りした塗装板にエアスプレーに
より乾燥膜厚が約10μmの厚さになるように塗装
し、130℃で90分間乾燥した。これを30℃のリン
酸アンモニウム水溶液中(5%リン酸液中に濃ア
ンモニア水を加えてPH値を8.0として調整した。)
に8時間浸漬し、さらに1%食塩水中に4時間浸
漬した後、水洗し、気中乾燥した。 比較例1 (例) (1) 塗料の調合 実施例1と同様 (2) 塗装 実施例1の内、薬処理液として5%リン酸液を
用いて同様の塗装を行なつた。 比較例2 (例) (1) 塗料の調合 実施例1と同様 (2) 塗装 実施例1の内、薬処理液として5%第1リン酸
アンモニウム水溶液(PH値2)を用いて同様の塗
装を行なつた。 比較例3 (例) (1) 塗料の調合 実施例1と同様 (2) 塗装 実施例1の内、薬処理液としてリン酸アンモニ
ウム水溶液(5%リン酸液に濃アンモニア水を加
えPH値10.5に調整)を用いて同様の塗装を行なつ
た。 上記の実施例1〜3および比較例1〜3の塗装
物の塗膜について、後記の試験方法に従つてテス
トした結果を下表に示す。
【表】 ○:良い、△:やや悪い、×:悪い
なお上記の塗膜性能の試験方法は次の通りであ
る。 (1) 耐水性:20℃の水中に240時間浸漬。 (2) 促進耐候性:サンシヤインウエザーメーター
で500時間照射。 (3) 耐沸騰水性:100℃の沸騰した水中に5時間
浸漬。 (4) 耐白華性:試料の裏面を湿潤下において1日
放置した後1日風乾させることを1サイクルと
し、10サイクルを行なう。 (5) 耐汚染性:カーボンブラツクを10%混合した
ワセリンを塗り、1日放置後セツケン水を浸し
たガーゼでふきとる。 (6) 光沢:目視 (7) 耐酸性:10%HCl水溶液を15分間密着。 (8) 対アルカリ性:10%NaOH水溶液を15分間密
着。 (9) 密着性:ゴバン目試験(目数は2×2mmのも
のを100個) (10) 最大クラツク幅:3ケ月気中放置後、電子顕
微鏡により測定。 実施例 4 実施例1におけるリン酸アンモニウム水溶液の
かわりに、(1)硫酸アンモニウム、(2)硝酸アンモニ
ウム、(3)塩化アンモニウム、または(4)酢酸アンモ
ニウムの5重量%水溶液にアンモニアガスを吹き
込みPH値を7に調整した30℃の水溶液をそれぞれ
使用して10時間浸漬し、他は同様にして実施例1
の工程を繰り返した。得られた各塗装物の塗膜に
ついて、耐沸騰水性、耐白華性、耐汚染性および
光沢に関してテストした結果、いずれも異常なく
そして光沢は良好であつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 鉱物質基材上に、粉体固形分を含有する下塗
    り用の水溶性アルカリ金属珪酸塩系水溶液塗料を
    塗布して適度に乾燥させ、そして次に該下塗り用
    塗料よりも該粉体固形分の含有量が実質的に小量
    ないし零である水溶性アルカリ金属珪酸塩系水溶
    液塗料を塗布して適度に乾燥した塗膜に、PH値が
    3.5〜10.0の酸・アンモニウム塩系の水溶液を適
    用し、水洗しそして乾燥することを特徴とする無
    機質塗膜の形成方法。 2 該塗料の少なくとも下塗り用塗料が有効量の
    硬化剤を含有する、特許請求の範囲第1項の塗膜
    の形成方法。 3 該酸・アンモニウム塩系水溶液のPHが4〜9
    の範囲である、特許請求の範囲第1または第2項
    の塗膜の形成方法。 4 該下塗り用塗料に含有される該粉体固形分の
    量が20重量%以上から該珪酸塩水溶液ベヒクルに
    て塗料として保持される量までの範囲である、特
    許請求の範囲第1、第2または第3項の塗膜の形
    成方法。 5 水洗に使用する水が強塩基/強酸塩の希水溶
    液である、特許請求の範囲第1〜4項のいずれか
    の塗膜の形成方法。
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