JP2000335933A - 光ファイバの製造方法及び製造装置 - Google Patents

光ファイバの製造方法及び製造装置

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JP2000335933A
JP2000335933A JP11148149A JP14814999A JP2000335933A JP 2000335933 A JP2000335933 A JP 2000335933A JP 11148149 A JP11148149 A JP 11148149A JP 14814999 A JP14814999 A JP 14814999A JP 2000335933 A JP2000335933 A JP 2000335933A
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達彦 齋藤
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裕一 大賀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レイリー散乱強度を低減し、伝送損失の低い
光ファイバを製造するに際して、表面に樹脂が被覆され
た光ファイバ素線の量産に適用することが可能な光ファ
イバの製造方法を提供すること。 【解決手段】 線引き装置1は線引き炉11、徐冷用加
熱炉21及び樹脂硬化部31を有している。線引き炉1
1にて加熱線引きされた光ファイバ3を徐冷用加熱炉2
1に送り、光ファイバ3の所定箇所を、所定の冷却速度
にて徐冷する。徐冷用加熱炉21における徐冷は、加熱
線引きされた光ファイバ3において温度が1300〜1
700℃となる部分のうち、光ファイバ3の温度差が5
0℃以上となる区間を1000℃/秒以下の冷却速度で
冷却することにより行われる。その後、光ファイバ3
に、コーティングダイス51によりUV樹脂液52を塗
布し、樹脂硬化部31にてUV樹脂が加熱硬化され、光
ファイバ素線4となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レイリー散乱強度
の低減により、伝送損失が低くされた光ファイバの製造
方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レイリー散乱強度の低減により、伝送損
失が低くされた光ファイバの製造方法として、例えば特
開平10−25127号公報に記載されたものが知られ
ている。この製造方法は、光ファイバ母材を加熱線引き
して中間光ファイバを作製し、この中間光ファイバを再
加熱することにより熱処理を施すものであり、再加熱に
よりガラスの構造緩和(原子再配列)により仮想温度
(ガラス内の原子の配列状態の乱雑さが対応する温度)
を下げて、レイリー散乱強度の低減を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、加熱線
引きされた光ファイバを保護するため、線引き直後の光
ファイバの表面にUV樹脂等を被覆しており、上述した
特開平10−25127号公報に記載された光ファイバ
の製造方法では、再加熱時の熱により光ファイバの表面
に被覆された樹脂が燃えてしまうため、光ファイバ素線
の量産に適したものではない。表面に樹脂を被覆しない
状態での光ファイバを再加熱することも考えられるが、
光ファイバ取り扱い時の傷付き等の問題から、量産の製
造方法として適用できるものではない。
【0004】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、レイリー散乱強度の低減により、伝送損失が低くさ
れた光ファイバを製造するに際して、表面に樹脂が被覆
された光ファイバ素線の量産に適用することが可能な光
ファイバの製造方法及び製造装置を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、光ファイ
バ素線の量産に適用することが可能な光ファイバの製造
方法について鋭意研究を行った結果、レイリー散乱強度
と線引き後の光ファイバの冷却速度との関係について、
以下のような事実を新たに見出した。
【0006】高温のガラス内では熱エネルギーにより原
子は激しく振動しており、低温のガラスに比べて原子配
列は乱雑な状態となっている。高温のガラスをゆっくり
冷却した場合には、原子の再配列が許される温度範囲で
は、原子は各温度に対応した乱雑さに配列しながら冷却
されるので、ガラス内の原子の乱雑さは構造緩和が進行
する最低温度(1200℃程度)に対応した状態とな
る。しかし、高温のガラスを急激に冷却した場合には、
原子配列が各温度に対応した平衡状態に達する前に冷却
固定されるために、徐冷した場合に比べて原子配列は乱
雑な状態となる。レイリー散乱強度は同一の物質でも原
子配列が乱雑な方が大きくなり、通常、線引き後に50
00〜30000℃/秒の冷却速度で冷却される光ファ
イバでは、バルクガラスに比べて原子配列が乱雑な状態
になっており、これが原因でレイリー散乱強度が大きく
なっていると考えられる。また、1700℃より高温で
は原子の構造緩和は極めて短時間で進行するため、30
000℃/秒程度で急激に冷却した場合においても、各
温度の平衡状態を維持することができる。
【0007】一方、構造緩和に要する時間は温度が低く
なるほど長くなるため、例えば1200℃程度ではその
温度に数十時間維持しておかないと構造緩和が起こらな
い。線引き後の光ファイバは、通常0.数秒で400℃
程度まで冷却されるため、線引き工程中の光ファイバが
冷却される短時間の間に構造緩和を起こさせるために
は、1200℃よりも高温の状態に維持する必要があ
る。
【0008】そこで、本発明者らは線引き後の光ファイ
バ温度及び冷却速度に着目して、純石英コアファイバの
温度が、上述した構造緩和が進行する最低温度(120
0℃程度)よりも高温且つ構造緩和が極めて短時間で進
行する1700℃以下の1300〜1700℃になって
いる部分での冷却速度とレイリー散乱係数との関係を調
査した。その結果、純石英コアファイバの温度が130
0〜1700℃となっている部分での冷却速度とレイリ
ー散乱係数との間には、図3に示されるような関係が存
在していることが確認された。なお、レイリー散乱強度
(I)は下記(1)式に示すように波長(λ)の4乗に
反比例する性質を有しており、この時の係数Aをレイリ
ー散乱係数としている。 I=A/λ4 …………… (1)
【0009】かかる研究結果を踏まえ、請求項1に記載
の本発明による光ファイバの製造方法は、光ファイバ母
材を加熱線引きし、線引きされた光ファイバを樹脂によ
り被覆する光ファイバの製造方法であって、樹脂を被覆
する前の光ファイバにおいて温度が1300〜1700
℃となる部分のうち、光ファイバの温度差が50℃以上
となる区間を1000℃/秒以下の冷却速度にて冷却す
ることを特徴としている。
【0010】上述の請求項1に記載の光ファイバの製造
方法によれば、樹脂を被覆する前の光ファイバにおいて
温度が1300〜1700℃となる部分のうち、光ファ
イバの温度差が50℃以上となる区間における冷却速度
を、1000℃/秒以下とすることにより、構造緩和が
短時間の内に進行し、原子配列の乱雑さが低減されるの
で、加熱線引きから樹脂被覆までの極めて短い間で、レ
イリー散乱強度を低減して伝送損失が低くされた光ファ
イバを製造することが可能となる。また、線引き後の樹
脂を被覆する前の光ファイバの冷却速度を制御すること
によりレイリー散乱強度の低減を図っているので、上述
した先行技術のような再加熱のための熱処理が不要とな
り、表面に樹脂が被覆された光ファイバ素線の量産に極
めて容易に適用することが可能となる。
【0011】また、光ファイバ母材として、添加物が含
まれた状態において純石英ガラスに対する比屈折率差が
0.001以下となるコア部を有した光ファイバ母材を
用い、光ファイバ母材を加熱線引きすることが好まし
い。このように、コア部が、添加物が含まれた状態にお
いて純石英ガラスに対する比屈折率差が0.001以下
とされた、実質的に純石英ガラスからなるため、構造緩
和が促進され、レイリー散乱強度をより低減することが
可能となる。なお、各請求項における純石英ガラスと
は、添加物を含まない石英ガラスのことをいい、比屈折
率差は、下記(2)式により定義される。 比屈折率差=|n1−比較対象物の屈折率|/n1 …………… (2) ここで、n1:純石英ガラスの屈折率
【0012】また、光ファイバ母材として、コア部に対
して、1.38μmの波長における水酸基吸収による伝
送損失が0.02〜0.5dB/kmとなるように水酸
基を含有させた光ファイバ母材を用い、光ファイバ母材
を加熱線引きすることが好ましい。1.38μmの波長
における水酸基吸収による伝送損失が0.02dB/k
m以上となるように水酸基を含有させることにより、構
造緩和が促進され、レイリー散乱強度をより低減するこ
とが可能となる。また、伝送損失が0.5dB/kmよ
り大きくなるように水酸基を含有させた場合、水酸基に
よる吸収のため損失が増加し、水酸基の添加によるレイ
リー散乱強度の低減効果が相殺されて、全体での伝送損
失が増加してしまう。従って、コア部に対して、1.3
8μmの波長における水酸基吸収による伝送損失が0.
02〜0.5dB/kmとなるように水酸基を含有させ
ることにより、構造緩和を促進させて、レイリー散乱強
度を更に低減することが可能となる。
【0013】また、光ファイバ母材として、コア部に対
して、純石英ガラスに対する比屈折率差が0.0001
〜0.001となるようにClを含有させた光ファイバ
母材を用い、光ファイバ母材を加熱線引きすることが好
ましい。純石英ガラスに対する比屈折率差が0.000
1以上となるようにClを含有させることにより、構造
緩和が促進され、レイリー散乱強度をより低減すること
が可能となる。また、比屈折率差が0.001より大き
くなるようにClを含有させた場合、Cl自体によりレ
イリー散乱強度が増加し、Clの添加によるレイリー散
乱強度の低減効果が相殺されて、全体での伝送損失が増
加してしまう。従って、コア部に対して、純石英ガラス
に対する比屈折率差が0.0001〜0.001となる
ようにClを含有させることにより、構造緩和を促進さ
せて、レイリー散乱強度を更に低減することが可能とな
る。
【0014】また、光ファイバ母材として、クラッド部
のうち、光ファイバ母材の中心からの距離が光ファイバ
母材の半径に対する比率で0.7〜0.9の範囲内の位
置から最外周までの部分が高純度石英ガラスとされた光
ファイバ母材を用い、光ファイバ母材を加熱線引きする
ことが好ましい。発明者らの研究の結果、線引き時に光
ファイバに作用する張力を大きくした場合にレイリー散
乱強度も大きくなる一方、光ファイバ母材の光の伝送に
関係しない母材の最外層を高純度石英ガラスとすること
で上述した張力を大きくしてもレイリー散乱強度が変化
しない、ということも判明した。光の伝送に関係した部
分を高純度石英ガラスにすると屈折率が変化するため、
光ファイバの特性が変化してしまう。光の伝送に関係し
ない部分は、光ファイバ母材の中心からの距離が光ファ
イバ母材の半径に対する比率で0.7以上の部分である
が、中心からの距離が光ファイバ母材の半径に対する比
率で0.9より大きい位置から外周側の部分を純石英ガ
ラスとしたのでは、張力を大きくした場合にレイリー散
乱強度が変化するため、伝送損失が大きくなってしま
う。従って、クラッド部のうち、光ファイバ母材の中心
からの距離が光ファイバ母材の半径に対する比率で0.
7〜0.9の範囲内の位置から最外周までの部分が高純
度石英ガラスとされた光ファイバ母材を用いることによ
り、光ファイバに高い張力が作用した場合においても、
レイリー散乱強度の増加が抑制され、損失の増加を抑制
することが可能となる。なお、各請求項における高純度
石英ガラスとは、添加物等が含まれた状態において純石
英ガラスに対する比屈折率差が0.001以下とされ
た、実質的に純石英ガラスであるものをいう。
【0015】また、樹脂が被覆される前の光ファイバに
おいて温度が1700℃より高い部分を、4000℃/
秒以上の冷却速度にて冷却することが好ましい。このよ
うに、光ファイバの温度が1700℃より高い部分を4
000℃/秒以上の冷却速度で冷却するので、線引きを
行う設備の高さを低減することが可能となる。なお、1
700℃より高温では原子の構造緩和は極めて短時間で
進行するため、4000℃/秒以上の冷却速度で冷却し
た場合においても、各温度の平衡状態を維持することが
でき、レイリー散乱強度に影響を及ぼすことはない。
【0016】また、請求項7に記載の本発明による光フ
ァイバの製造装置は、光ファイバ母材を加熱線引きし、
線引きされた光ファイバを樹脂により被覆する光ファイ
バの製造装置であって、光ファイバ母材を加熱線引きす
る線引き炉と線引きされた光ファイバを樹脂により被覆
する樹脂被覆部との間に、光ファイバの温度が1300
〜1700℃となる部分のうち、光ファイバの温度差が
50℃以上となる区間を1000℃/秒以下の冷却速度
にて冷却する徐冷用加熱炉を備えることを特徴としてい
る。
【0017】上述の請求項7に記載の光ファイバの製造
装置によれば、線引き炉と樹脂被覆部との間に備えられ
る徐冷用加熱炉にて、樹脂を被覆する前の光ファイバに
おいて温度が1300〜1700℃となる部分のうち、
光ファイバの温度差が50℃以上となる区間における冷
却速度を、1000℃/秒以下にて徐冷されるので、構
造緩和が短時間の内に進行し、原子配列の乱雑さが低減
されるので、加熱線引きから樹脂被覆までの極めて短い
間で、レイリー散乱強度を低減して伝送損失が低くされ
た光ファイバを製造することが可能となる。また、線引
き後の樹脂を被覆する前の光ファイバの冷却速度を制御
することによりレイリー散乱強度の低減を図っているの
で、上述した先行技術のような再加熱のための熱処理が
不要となり、表面に樹脂が被覆された光ファイバ素線の
量産に極めて容易に適用することが可能となる。
【0018】また、徐冷用加熱炉内における光ファイバ
の雰囲気ガスとして、線引き炉における光ファイバの雰
囲気ガスと同等以下の熱伝導率を有する雰囲気ガスを供
給する雰囲気ガス供給手段を更に備えることが好まし
い。この場合には、徐冷用加熱炉内における光ファイバ
の雰囲気ガスの熱伝導率が小さくなるので、徐冷用加熱
炉内における冷却速度を低減することができ、光ファイ
バの更なる低伝送損失化が可能となる。
【0019】また、徐冷用加熱炉から出た光ファイバの
外径を測定するための外径測定手段と、外径測定手段に
よる測定結果に応じて、光ファイバの外径が所定値とな
るように、光ファイバの線引き速度を制御する制御手段
とを更に備えることが好ましい。この場合には、外径長
さが安定した状態にある光ファイバの外径を測定して、
この外径に基づいて光ファイバの線引き速度が制御され
るので、光ファイバの線引き速度を適切に制御すること
が可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の実施の形態を詳細に説明する。
【0021】まず、図1を参照しながら、本発明による
光ファイバの製造方法及びこの製造装置に用いられる線
引き装置の実施形態を説明する。
【0022】線引き装置1は石英系光ファイバの線引き
装置であって、線引き炉11、徐冷用加熱炉21及び樹
脂硬化部31を有し、線引き炉11、徐冷用加熱炉21
及び樹脂硬化部31は光ファイバ母材2を線引きする方
向(図1において、上から下)に、線引き炉11、徐冷
用加熱炉21、樹脂硬化部31の順で配設されている。
母材供給装置(図示せず)に保持された光ファイバ母材
2を線引き炉11に供給し、線引き炉11内のヒータ1
2で光ファイバ母材2の下端を加熱・軟化させ、光ファ
イバ3を線引きする。線引き炉11の炉心管13には、
Heガス供給部14からのHeガス供給通路15が接続
されており、線引き炉11の炉心管13内がHeガス雰
囲気となるように構成されている。加熱線引きされた光
ファイバ3は炉心管13内にて、1700℃程度にまで
急激に冷却される。その後、光ファイバ3は、炉心管1
3の下部から線引き炉11外に出され、線引き炉11と
徐冷用加熱炉21との間にて空冷される。Heガスの熱
伝導率λ(T=300K)は150mW/(m・K)で
あり、空気の熱伝導率λ(T=300K)は26mW/
(m・K)である。
【0023】空冷された光ファイバ3を徐冷用加熱炉2
1に送り、光ファイバ3の所定箇所を、所定の冷却速度
にて徐冷する。徐冷用加熱炉21における徐冷は、加熱
線引きされた光ファイバ3において温度が1300〜1
700℃となる部分のうち、光ファイバ3の温度差が5
0℃以上となる区間を1000℃/秒以下の冷却速度で
冷却することにより行われる。特に、加熱線引きされた
光ファイバ3において温度が1400〜1600℃とな
る部分のうち、光ファイバ3の温度差が50℃以上とな
る区間を1000℃/秒以下の冷却速度で冷却すること
が好ましい。このため、徐冷用加熱炉21のヒータ22
及び炉心管23の設置位置及び光ファイバ母材2の線引
き方向(図1において、上下方向)での全長は、上述し
た光ファイバ3の温度が1300〜1700℃となる部
分のうち光ファイバ3の温度差が50℃以上となる区間
が、徐冷用加熱炉21の炉心管23内に位置してヒータ
22により加熱されながら、徐冷されるように、線引き
速度を考慮して設定されている。ここで、線引き速度を
考慮する必要があるのは、線引き速度が速くなることに
より、光ファイバ3の同じ温度となる位置が下方に下が
るためである。また、徐冷用加熱炉21のヒータ22の
温度は、炉心管23内に位置する光ファイバ3の温度差
が50℃以上となる区間を1000℃/秒以下の冷却速
度で冷却するように設定される。また、徐冷用加熱炉2
1の炉心管23には、N2ガス供給部24からのN2ガス
供給通路25が接続されており、徐冷用加熱炉21の炉
心管23内がN2ガス雰囲気となるように構成されてい
る。N2ガスはHeガスより熱伝導率が小さく、光ファ
イバの冷却速度を遅くする役割を果たしている。N2
スの熱伝導率λ(T=300K)は26mW/(m・
K)である。N2ガスを用いる代わりに、空気あるいは
Ar等の分子量の比較的大きいガスを用いることが可能
である。もちろんカーボンヒータを用いる場合には、不
活性ガスを用いる必要がある。
【0024】徐冷用加熱炉21を出た光ファイバ3は、
外径測定手段としての外径測定器41により外径がオン
ライン測定され、その測定値がドラム42を回転駆動す
る駆動モータ43にフィードバックされて外径が一定と
なるように制御される。外径測定器41からの出力信号
は、制御手段としての制御ユニット44に送られ、光フ
ァイバ3の外径が予め設定された所定値となるように、
ドラム42(駆動モータ43)の回転速度を演算により
求める。制御ユニット44からは、演算により求めたド
ラム42(駆動モータ43)の回転速度を示す出力信号
が駆動モータ用ドライバ(図示せず)に出力され、この
駆動モータ用ドライバは制御ユニット44からの出力信
号に基づいて、駆動モータ43の回転速度を制御する。
【0025】その後、光ファイバ3に、コーティングダ
イス51によりUV樹脂52を塗布し、樹脂硬化部31
のUVランプ32によりUV樹脂52が硬化され、光フ
ァイバ素線4となる。そして、光ファイバ素線4は、ガ
イドローラ61を経て、ドラム42により巻き取られ
る。ドラム42は、回転駆動軸45に支持されており、
この回転駆動軸45の端部は駆動モータ43に接続され
ている。ここで、コーティングダイス51及び樹脂硬化
部31は、各請求項における樹脂被覆部を構成してい
る。樹脂被覆部としては、熱硬化樹脂を塗布し、加熱炉
により硬化させるように構成してもよい。
【0026】なお、線引き炉11の炉心管13には、H
eガス供給部14からのHeガス供給通路15が接続さ
れており、線引き炉11の炉心管13内がHeガス雰囲
気となるように構成されているが、Heガス供給部14
の代わりにN2ガス供給部を設け、炉心管13内にN2
スを供給してN2ガス雰囲気となるように構成してもよ
い。炉心管13内にN2ガスを供給する理由は、線引き
速度が低速、例えば100m/minの場合には、光フ
ァイバ3がHeガス雰囲気では線引き炉11(炉心管1
3)内で1000℃程度まで冷却されてしまうことがあ
り、線引き速度が低速の場合に炉心管13内をN2ガス
雰囲気として、線引き炉11(炉心管13)出口での光
ファイバ3の温度を1700℃程度とするためである。
もちろん、Heガス供給部とN2ガス供給部とを設け、
線引き速度に対応して、炉心管13内にHeガス及び/
又はN2ガスを供給するように構成してもよい。
【0027】次に、上述した線引き装置1(ただし、炉
心管13内にHeガスあるいはN2ガスを選択的に供給
し得るように構成した)を用いて、本実施形態に係る光
ファイバの製造方法による実験を行った結果について説
明する。これらの実験において共通の条件は、以下のと
おりである。光ファイバ母材2として、外径35mmの
ものを用い、この光ファイバ母材2から外径125μm
の光ファイバ3を線引きした。線引き炉の温度は、炉心
管内周面の表面温度で略2000℃(ただし、線引き張
力に応じて若干変化させている)としている。なお、以
下の実験例(実施例1〜実施例16)においては、光フ
ァイバ3の温度を、光ファイバ3の表面温度としてい
る。光ファイバ3の表面温度と光ファイバ3内部との温
度差は20〜50℃程度である。線引き炉11及び徐冷
用加熱炉21の温度は、各炉心管13,23の内周面
(光ファイバ母材2あるいは光ファイバ3の表面と対向
する面)の表面温度としている。
【0028】実施例1〜実施例4は、上述した実施形態
に係る光ファイバの製造方法及び製造装置による実験例
であり、比較例1〜比較例3は、上述した実施形態に係
る光ファイバの製造方法及び製造装置による実施例との
対比のために行った比較実験例である。
【0029】(実施例1)光ファイバ母材の線引き方向
での全長が2mの炉心管(内周直径が略30mm)を有
する徐冷用加熱炉を用いて、光ファイバの線引きを行っ
た。線引き炉(炉心管)内にはN2ガスを供給した。線
引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラスから
なり、クラッド部がフッ素添加ガラスからなる。線引き
速度は100m/min、線引き張力は20gf、徐冷
用加熱炉(炉心管内周面の表面温度)の温度は1400
℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイ
バの温度は、光ファイバの表面温度で1700℃であ
り、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、
光ファイバの表面温度で1450℃であった。従って、
徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバのうち
温度が1450〜1700℃となる部分が、徐冷用加熱
炉の全長である2mの区間において平均約250℃/秒
の冷却速度にて冷却されたことになる。
【0030】線引きされた光ファイバの伝送損失(波長
1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したとこ
ろ、0.165dB/kmであった。また、伝送損失の
波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数
は、0.825dBμm4/kmであった。
【0031】(実施例2)光ファイバ母材の線引き方向
での全長が2mの炉心管(内周直径が略30mm)を有
する徐冷用加熱炉を用いて、光ファイバの線引きを行っ
た。線引き炉(炉心管)内にはHeガスを供給した。線
引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラスから
なり、クラッド部がフッ素添加ガラスからなる。線引き
速度は400m/min、線引き張力は30gf、徐冷
用加熱炉(炉心管内周面の表面温度)の温度は1200
℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイ
バの温度は、光ファイバの表面温度で1550℃であ
り、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、
光ファイバの表面温度で1300℃であった。従って、
徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバのうち
温度が1300〜1550℃となる部分が、徐冷用加熱
炉の全長である2mの区間において平均約1000℃/
秒の冷却速度にて冷却されたことになる。
【0032】線引きされた光ファイバの伝送損失(波長
1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したとこ
ろ、0.167dB/kmであった。また、伝送損失の
波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数
は、0.838dBμm4/kmであった。
【0033】(実施例3)光ファイバ母材の線引き方向
での全長が0.5mの炉心管(内周直径が略30mm)
を有する徐冷用加熱炉を用いて、光ファイバの線引きを
行った。線引き炉(炉心管)内にはN2ガスを供給し
た。線引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラ
スからなり、クラッド部がフッ素添加ガラスからなる。
線引き速度は100m/min、線引き張力は25g
f、徐冷用加熱炉(炉心管内周面の表面温度)の温度は
1450℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の
光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1550
℃であり、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温
度は、光ファイバの表面温度で1500℃であった。従
って、徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバ
のうち温度が1500〜1550℃となる部分が、徐冷
用加熱炉の全長である0.5mの区間において平均約2
50℃/秒の冷却速度にて冷却されたことになる。
【0034】線引きされた光ファイバの伝送損失(波長
1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したとこ
ろ、0.166dB/kmであった。また、伝送損失の
波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数
は、0.838dBμm4/kmであった。
【0035】(実施例4)光ファイバ母材の線引き方向
での全長が2mの炉心管(内周直径が略30mm)を有
する徐冷用加熱炉を用いて、光ファイバの線引きを行っ
た。線引き炉(炉心管)内にはN2ガスを供給した。線
引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラスから
なり、クラッド部がフッ素添加ガラスからなる。線引き
速度は30m/min、線引き張力は20gf、徐冷用
加熱炉(炉心管内周面の表面温度)の温度は1400℃
とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバ
の温度は、光ファイバの表面温度で1700℃であり、
徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、光フ
ァイバの表面温度で1420℃であった。従って、徐冷
用加熱炉において、線引きされた光ファイバのうち温度
が1420〜1700℃となる部分が、徐冷用加熱炉の
全長である2mの区間において平均約90℃/秒の冷却
速度にて冷却されたことになる。
【0036】線引きされた光ファイバの伝送損失(波長
1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したとこ
ろ、0.160dB/kmであった。また、伝送損失の
波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数
は、0.805dBμm4/kmであった。
【0037】(比較例1)徐冷用加熱炉を取り外した状
態で光ファイバの線引きを行った。線引き炉(炉心管)
内にはHeガスを供給した。線引きする光ファイバ母材
は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部がフッ
素添加ガラスからなる。線引き速度は100m/mi
n、線引き張力は30gfとした。この時、光ファイバ
の温度が1300〜1700℃となる部分は、平均約3
0000℃/秒の冷却速度にて冷却された。
【0038】線引きされた光ファイバの伝送損失(波長
1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したとこ
ろ、0.175dB/kmであった。また、伝送損失の
波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数
は、0.88dBμm4/kmであった。
【0039】(比較例2)徐冷用加熱炉を取り外した状
態で光ファイバの線引きを行った。線引き炉(炉心管)
内にはHeガスを供給した。線引きする光ファイバ母材
は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部がフッ
素添加ガラスからなる。線引き速度は100m/mi
n、線引き張力は20gfとした。この時、光ファイバ
の温度が1300〜1700℃となる部分は、平均約5
000℃/秒の冷却速度にて冷却された。
【0040】線引きされた光ファイバの伝送損失(波長
1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したとこ
ろ、0.170dB/kmであった。また、伝送損失の
波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数
は、0.85dBμm4/kmであった。
【0041】(比較例3)光ファイバ母材の線引き方向
での全長が2mの炉心管(内周直径が略30mm)を有
する徐冷用加熱炉を用いて、光ファイバの線引きを行っ
た。線引き炉(炉心管)内にはN2ガスを供給した。線
引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラスから
なり、クラッド部がフッ素添加ガラスからなる。線引き
速度は100m/min、線引き張力は30gf、徐冷
用加熱炉(炉心管内周面の表面温度)の温度は900℃
とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバ
の温度は、光ファイバの表面温度で1300℃であり、
徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、光フ
ァイバの表面温度で1000℃であった。従って、徐冷
用加熱炉において、線引きされた光ファイバのうち温度
が1000〜1300℃となる部分が、徐冷用加熱炉の
全長である2mの区間において平均約250℃/秒の冷
却速度にて冷却されたことになる。
【0042】線引きされた光ファイバの伝送損失(波長
1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したとこ
ろ、0.170dB/kmであった。また、伝送損失の
波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数
は、0.85dBμm4/kmであった。
【0043】以上のように、実施例1〜実施例4におい
ては、レイリー散乱係数が0.805〜0.838dB
μm4/km、波長1.55μmの光に対する伝送損失
が0.160〜0.167dB/kmとなり、比較例1
〜比較例3のレイリー散乱係数が0.85〜0.88d
Bμm4/km、波長1.55μmの光に対する伝送損
失が0.170〜0.175dB/kmと比べて、レイ
リー散乱係数を低減して、伝送損失を低減することがで
きた。
【0044】次に、光ファイバ母材のコア部に含有され
る水酸基の濃度を変更して、上述した実施例1の実験条
件にて実験を行った。実施例5及び実施例6は、上述し
た実施形態に係る光ファイバの製造方法及び製造装置に
よる実施例である。
【0045】(実施例5)線引きする光ファイバ母材の
コア部には、1.38μmの波長における水酸基吸収に
よる伝送損失が0.02dB/kmとなるように水酸基
を含有させた。線引き炉(炉心管)内にはN2ガスを供
給した。全長2mの炉心管(内周直径が略30mm)を
有する徐冷用加熱炉を用い、線引き速度を100m/m
in、線引き張力を20gf、徐冷用加熱炉(炉心管内
周面の表面温度)の温度を1400℃とした。この時、
徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度は、光ファ
イバの表面温度で1700℃であり、徐冷用加熱炉から
出た直後の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度
で1450℃であった。従って、徐冷用加熱炉におい
て、線引きされた光ファイバのうち温度が1450〜1
700℃となる部分が、徐冷用加熱炉の全長である2m
の区間において平均約250℃/秒の冷却速度にて冷却
されたことになる。
【0046】線引きされた光ファイバの伝送損失(波長
1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したとこ
ろ、0.164dB/kmであった。また、伝送損失の
波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数
は、0.82dBμm4/kmであった。
【0047】(実施例6)線引きする光ファイバ母材の
コア部には、1.38μmの波長における水酸基吸収に
よる伝送損失が0.5dB/kmとなるように水酸基を
含有させた。線引き炉(炉心管)内にはN2ガスを供給
した。全長2mの炉心管(内周直径が略30mm)を有
する徐冷用加熱炉を用い、線引き速度を100m/mi
n、線引き張力を20gf、徐冷用加熱炉(炉心管内周
面の表面温度)の温度を1400℃とした。この時、徐
冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度は、光ファイ
バの表面温度で1700℃であり、徐冷用加熱炉から出
た直後の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で
1450℃であった。従って、徐冷用加熱炉において、
線引きされた光ファイバのうち温度が1450〜170
0℃となる部分が、徐冷用加熱炉の全長である2mの区
間において平均約250℃/秒の冷却速度にて冷却され
たことになる。
【0048】線引きされた光ファイバの伝送損失(波長
1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したとこ
ろ、0.165dB/kmであった。また、伝送損失の
波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数
は、0.815dBμm4/kmであった。
【0049】以上のように、実施例5及び実施例6にお
いては、レイリー散乱係数が0.815〜0.82dB
μm4/km、波長1.55μmの光に対する伝送損失
が0.164〜0.165dB/kmとなり、実施例1
のレイリー散乱係数が0.825dBμm4/km、波
長1.55μmの光に対する伝送損失が0.165dB
/kmと比べて、レイリー散乱係数を低減して、伝送損
失を低減することができた。線引きする光ファイバ母材
のコア部に、1.38μmの波長における水酸基吸収に
よる伝送損失が0.5dB/kmとなるように水酸基を
含有させた実施例6においては、実施例1のものと比し
てレイリー散乱係数が低減されているが、水酸基吸収に
よる伝送損失が無視できないレベルとなっており、レイ
リー散乱係数低減分の効果と相殺されており、水酸基を
これ以上含有させることは伝送損失を増加させることに
なる。
【0050】次に、光ファイバ母材のコア部に含有され
るClの濃度を変更して、上述した実施例1の実験条件
にて実験を行った。実施例7〜実施例9は、上述した実
施形態に係る光ファイバの製造方法及び製造装置による
実施例である。
【0051】(実施例7)線引きする光ファイバ母材の
コア部には、純石英ガラスに対する比屈折率差が0.0
001となるようにClを含有させた。線引き炉(炉心
管)内にはN2ガスを供給した。全長2mの炉心管(内
周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用い、線
引き速度を100m/min、線引き張力を20gf、
徐冷用加熱炉(炉心管内周面の表面温度)の温度を14
00℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光フ
ァイバの温度は、光ファイバの表面温度で1700℃で
あり、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度
は、光ファイバの表面温度で1450℃であった。従っ
て、徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバの
うち温度が1450〜1700℃となる部分が、徐冷用
加熱炉の全長である2mの区間において平均約250℃
/秒の冷却速度にて冷却されたことになる。
【0052】線引きされた光ファイバの伝送損失(波長
1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したとこ
ろ、0.164dB/kmであった。また、伝送損失の
波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数
は、0.82dBμm4/kmであった。
【0053】(実施例8)線引きする光ファイバ母材の
コア部には、純石英ガラスに対する比屈折率差が0.0
005となるようにClを含有させた。線引き炉(炉心
管)内にはN2ガスを供給した。全長2mの炉心管(内
周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用い、線
引き速度を100m/min、線引き張力を20gf、
徐冷用加熱炉(炉心管内周面の表面温度)の温度を14
00℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光フ
ァイバの温度は、光ファイバの表面温度で1700℃で
あり、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度
は、光ファイバの表面温度で1450℃であった。従っ
て、徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバの
うち温度が1450〜1700℃となる部分が、徐冷用
加熱炉の全長である2mの区間において平均約250℃
/秒の冷却速度にて冷却されたことになる。
【0054】線引きされた光ファイバの伝送損失(波長
1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したとこ
ろ、0.163dB/kmであった。また、伝送損失の
波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数
は、0.815dBμm4/kmであった。
【0055】(実施例9)線引きする光ファイバ母材の
コア部には、純石英ガラスに対する比屈折率差が0.0
01となるようにClを含有させた。線引き炉(炉心
管)内にはN2ガスを供給した。全長2mの炉心管(内
周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用い、線
引き速度を100m/min、線引き張力を20gf、
徐冷用加熱炉(炉心管内周面の表面温度)の温度を14
00℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光フ
ァイバの温度は、光ファイバの表面温度で1700℃で
あり、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度
は、光ファイバの表面温度で1450℃であった。従っ
て、徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバの
うち温度が1450〜1700℃となる部分が、徐冷用
加熱炉の全長である2mの区間において平均約250℃
/秒の冷却速度にて冷却されたことになる。
【0056】線引きされた光ファイバの伝送損失(波長
1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したとこ
ろ、0.165dB/kmであった。また、伝送損失の
波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数
は、0.825dBμm4/kmであった。
【0057】以上のように、実施例7〜実施例9におい
ては、レイリー散乱係数が0.815〜0.825dB
μm4/km、波長1.55μmの光に対する伝送損失
が0.163〜0.165dB/kmとなり、実施例1
のレイリー散乱係数が0.825dBμm4/km、波
長1.55μmの光に対する伝送損失が0.165dB
/kmと比べて、レイリー散乱係数を低減して、伝送損
失を低減することができた。線引きする光ファイバ母材
のコア部に、純石英ガラスに対する比屈折率差が0.0
01となるようにClを含有させた実施例19において
は、実施例1のものと同じ結果であり、Clの含有によ
り構造緩和が促進されてレイリー散乱強度が低減された
分と、Cl自体によりレイリー散乱強度が増加した分と
が相殺されており、Clをこれ以上含有させることは伝
送損失を増加させることになる。
【0058】次に、光ファイバ母材のクラッド部の構成
を変更し、線引き張力を高めて実験を行った。実施例1
0及び実施例11は、上述した実施形態に係る光ファイ
バの製造方法及び製造装置による実施例であり、比較例
4及び比較例5は、上述した実施形態に係る光ファイバ
の製造方法及び製造装置による実施例との対比のために
行った比較例である。以下の実験にて用いた光ファイバ
母材102は、図2に示されるように、純石英ガラス
(屈折率n1)からなるコア部112と、フッ素添加ガ
ラス(屈折率n2)からなる第1クラッド部122と、
純石英ガラス(屈折率n1)からなる第2クラッド部1
32とで構成されている。第1クラッド部122はコア
部112の外周から半径aまでの領域を有しており、そ
の外径が2aとなる。第2クラッド部132は第1クラ
ッド部122の外周から半径d(外周)までの領域を有
し、その外径が2dとなる。実験では、2d=35mm
の光ファイバ母材102を用いた。なお、第2クラッド
部132として、純石英ガラスの代わりに高純度石英ガ
ラスを用いてもよい。
【0059】(実施例10)線引きする光ファイバ母材
は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部のうち
光ファイバ母材の中心からa=12.25mm(a/d
=0.7)までの部分がフッ素添加ガラスからなり、a
=12.25mm(a/d=0.7)以上となる部分が
純石英ガラスからなる。線引き炉(炉心管)内にはN2
ガスを供給した。全長が2mの炉心管(内周直径が略3
0mm)を有する徐冷用加熱炉を用いて、光ファイバの
線引きを行った。線引き速度は100m/min、線引
き張力は50gf、徐冷用加熱炉(炉心管内周面の表面
温度)の温度は1450℃とした。この時、徐冷用加熱
炉に入る直前の光ファイバの温度は、光ファイバの表面
温度で1700℃であり、徐冷用加熱炉から出た直後の
光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1450
℃であった。従って、徐冷用加熱炉において、線引きさ
れた光ファイバのうち温度が1450〜1700℃とな
る部分が、徐冷用加熱炉の全長である2mの区間におい
て平均約250℃/秒の冷却速度にて冷却されたことに
なる。
【0060】線引きされた光ファイバの伝送損失(波長
1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したとこ
ろ、0.164dB/kmであった。また、伝送損失の
波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数
は、0.825dBμm4/kmであった。
【0061】(実施例11)線引きする光ファイバ母材
は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部のうち
光ファイバ母材の中心からa=15.75mm(a/d
=0.9)までの部分がフッ素添加ガラスからなり、a
=15.75mm(a/d=0.9)以上となる部分が
純石英ガラスからなる。線引き炉(炉心管)内にはN2
ガスを供給した。全長が2mの炉心管(内周直径が略3
0mm)を有する徐冷用加熱炉を用いて、光ファイバの
線引きを行った。線引き速度は100m/min、線引
き張力は50gf、徐冷用加熱炉(炉心管内周面の表面
温度)の温度は1450℃とした。この時、徐冷用加熱
炉に入る直前の光ファイバの温度は、光ファイバの表面
温度で1700℃であり、徐冷用加熱炉から出た直後の
光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1450
℃であった。従って、徐冷用加熱炉において、線引きさ
れた光ファイバのうち温度が1450〜1700℃とな
る部分が、徐冷用加熱炉の全長である2mの区間におい
て平均約250℃/秒の冷却速度にて冷却されたことに
なる。
【0062】線引きされた光ファイバの伝送損失(波長
1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したとこ
ろ、0.166dB/kmであった。また、伝送損失の
波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数
は、0.835dBμm4/kmであった。
【0063】(比較例4)線引きする光ファイバ母材
は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部のうち
光ファイバ母材の中心からa=16.625mm(a/
d=0.95)までの部分がフッ素添加ガラスからな
り、a=16.625mm(a/d=0.95)以上と
なる部分が純石英ガラスからなる。線引き炉(炉心管)
内にはN2ガスを供給した。全長が2mの炉心管(内周
直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用いて、光
ファイバの線引きを行った。線引き速度は100m/m
in、線引き張力は50gf、徐冷用加熱炉(炉心管内
周面の表面温度)の温度は1450℃とした。この時、
徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度は、光ファ
イバの表面温度で1700℃であり、徐冷用加熱炉から
出た直後の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度
で1450℃であった。従って、徐冷用加熱炉におい
て、線引きされた光ファイバのうち温度が1450〜1
700℃となる部分が、徐冷用加熱炉の全長である2m
の区間において平均約250℃/秒の冷却速度にて冷却
されたことになる。
【0064】線引きされた光ファイバの伝送損失(波長
1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したとこ
ろ、0.176dB/kmであった。また、伝送損失の
波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数
は、0.89dBμm4/kmであった。
【0065】(比較例5)線引きする光ファイバ母材
は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部が全範
囲(a=d)でフッ素添加ガラスからなる。全長が2m
の炉心管(内周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱
炉を用いて、光ファイバの線引きを行った。線引き炉
(炉心管)内にはN2ガスを供給した。線引き速度は1
00m/min、線引き張力は50gf、徐冷用加熱炉
(炉心管内周面の表面温度)の温度は1450℃とし
た。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温
度は、光ファイバの表面温度で1700℃であり、徐冷
用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、光ファイ
バの表面温度で1450℃であった。従って、徐冷用加
熱炉において、線引きされた光ファイバのうち温度が1
450〜1700℃となる部分が、徐冷用加熱炉の全長
である2mの区間において平均約250℃/秒の冷却速
度にて冷却されたことになる。
【0066】線引きされた光ファイバの伝送損失(波長
1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したとこ
ろ、0.185dB/kmであった。また、伝送損失の
波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数
は、0.94dBμm4/kmであった。
【0067】以上のように、線引き張力を50gfに高
めた場合において、実施例10及び実施例11では、レ
イリー散乱係数が0.825〜0.835dBμm4
km、波長1.55μmの光に対する伝送損失が0.1
64〜0.166dB/kmと、実施例1〜実施例4と
同様の結果となり、比較例4及び比較例5のレイリー散
乱係数が0.89〜0.94dBμm4/km、波長
1.55μmの光に対する伝送損失が0.176〜0.
185dB/kmと比べて、レイリー散乱係数を低減し
て、伝送損失を低減することができた。
【0068】このように、上述した実験結果からも明ら
かなように、本実施形態に係る光ファイバの製造方法及
び製造装置においては、線引き炉11にて加熱線引きさ
れた後、UV樹脂52を被覆する前の光ファイバ3にお
いて温度が1300〜1700℃となる部分のうち、光
ファイバ3の温度差が50℃以上となる区間における冷
却速度を、1000℃/秒以下とすることにより、構造
緩和が短時間の内に進行し、原子配列の乱雑さが低減さ
れるので、加熱線引きからUV樹脂52の被覆までの極
めて短い間で、レイリー散乱強度を低減して伝送損失が
低くされた光ファイバ3を製造することが可能となる。
また、線引き後のUV樹脂52を被覆する前の光ファイ
バ3の冷却速度を制御することによりレイリー散乱強度
の低減を図っているので、上述した先行技術のような再
加熱のための熱処理が不要となり、表面にUV樹脂52
が硬化、被覆された光ファイバ素線4の量産に極めて容
易に適用することが可能となる。
【0069】また、光ファイバ母材2として、添加物が
含まれた状態において純石英ガラスに対する比屈折率差
が0.001以下となるコア部を有した光ファイバ母材
を用いることにより、構造緩和が促進され、レイリー散
乱強度をより低減することが可能となる。
【0070】また、光ファイバ母材2として、コア部に
対して、1.38μmの波長における水酸基吸収による
伝送損失が0.02〜0.5dB/kmとなるように水
酸基を含有させた光ファイバ母材を用いることにより、
構造緩和を促進させて、レイリー散乱強度を更に低減す
ることが可能となる。1.38μmの波長における水酸
基吸収による伝送損失が0.02dB/km以上となる
ように水酸基を含有させることにより、構造緩和が促進
され、レイリー散乱強度をより低減することができる。
また、伝送損失が0.5dB/kmより大きくなるよう
に水酸基を含有させた場合、水酸基による吸収のため損
失が増加し、水酸基の添加によるレイリー散乱強度の低
減効果が相殺されて、伝送損失が増加することになる。
【0071】また、光ファイバ母材2として、コア部に
対して、純石英ガラスに対する比屈折率差が0.000
1〜0.001となるようにClを含有させた光ファイ
バ母材を用いることにより、構造緩和を促進させて、レ
イリー散乱強度を更に低減することが可能となる。純石
英ガラスに対する比屈折率差が0.0001以上となる
ようにClを含有させることにより、構造緩和が促進さ
れ、レイリー散乱強度をより低減することが可能とな
る。また、比屈折率差が0.001より大きくなるよう
にClを含有させた場合、Cl自体によりレイリー散乱
強度が増加し、Clの添加によるレイリー散乱強度の低
減効果が相殺されて、伝送損失が増加することになる。
【0072】また、光ファイバ母材2として、コア部1
12の外周から光ファイバ母材102の中心からの距離
が光ファイバ母材102の半径に対する比率(a/d)
で0.7〜0.9の範囲内の位置までの部分がフッ素添
加ガラスとされた第1クラッド部122と、光ファイバ
母材102の中心からの距離が光ファイバ母材102の
半径に対する比率(a/d)で0.7〜0.9の範囲内
の位置から外周までの部分が純石英ガラスとされた第2
クラッド部132とを有する光ファイバ母材102を用
いることにより、光ファイバ3に高い張力が作用した場
合においても、レイリー散乱強度の増加が抑制され、損
失の増加を抑制することが可能となる。光ファイバ3の
特性に影響を及ぼさないように、光の伝送に関係しない
部分として、光ファイバ母材102の中心からの距離が
光ファイバ母材102の半径に対する比率(a/d)で
0.7以上となるの部分を純石英ガラスとする。一方、
中心からの距離が光ファイバ母材102の半径に対する
比率(a/d)で0.9より大きくなる位置から外周ま
での部分を純石英ガラスとしたのでは、張力を大きくし
た場合にレイリー散乱強度が変化するため、伝送損失が
大きくなる。
【0073】また、線引き速度が速い場合には、線引き
炉11の炉心管13内をHeガス雰囲気とし、線引き炉
11と徐冷用加熱炉21との間で空冷として、徐冷用加
熱炉21に入る前の、光ファイバ3の温度が1700℃
より高くなる部分を4000℃/秒以上の冷却速度にて
冷却しているので、光ファイバ3の冷却のために必要と
なる設備高さを低減することが可能となる。なお、17
00℃より高温では原子の構造緩和は極めて短時間で進
行するため、4000℃/秒以上の冷却速度で冷却した
場合においても、各温度の平衡状態を維持することがで
き、レイリー散乱強度に影響を及ぼすことはない。
【0074】また、徐冷用加熱炉21から出た光ファイ
バ3の外径を測定するための外径測定器41と、外径測
定器41からの出力信号に応じて光ファイバ3の外径が
所定値となるようにドラム42(駆動モータ43)の回
転速度を制御する制御ユニット44とを備えているの
で、徐冷用加熱炉21から出て、外径長さが安定した状
態にある光ファイバ3の外径を測定して、この安定した
外径に基づいてドラム42(駆動モータ43)の回転速
度を制御され、光ファイバ3の線引き速度を適切に制御
することが可能となる。
【0075】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、本発明に
よれば、レイリー散乱強度の低減により、伝送損失が低
くされた光ファイバを製造するに際して、表面に樹脂が
被覆された光ファイバ素線の量産に適用することが可能
な光ファイバの製造方法及び製造装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光ファイバの製造装置の実施形態
を示す概略構成図である。
【図2】本発明による光ファイバの製造方法の実施形態
における、実験例に用いた光ファイバ母材の構成図であ
る。
【図3】レイリー散乱係数と光ファイバの冷却速度との
関係を示す図表である。
【符号の説明】
1…線引き装置、2,102…光ファイバ母材、3…光
ファイバ、4…光ファイバ素線、11…線引き炉、12
…ヒータ、13…炉心管、14…Heガス供給部、15
…Heガス供給通路、21…徐冷用加熱炉、22…ヒー
タ、23…炉心管、24…N2ガス供給部、25…N2
ス供給通路、31…樹脂硬化部、32…UVランプ、4
1…外径測定器、42…ドラム、43…駆動モータ、4
4…制御ユニット、45…回転駆動軸、51…コーティ
ングダイス、52…UV樹脂液、61…ガイドローラ、
112…コア部、122…第1クラッド部、132…第
2クラッド部。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ母材を加熱線引きし、線引き
    された光ファイバを樹脂により被覆する光ファイバの製
    造方法であって、 前記樹脂を被覆する前の光ファイバにおいて温度が13
    00〜1700℃となる部分のうち、前記光ファイバの
    温度差が50℃以上となる区間を1000℃/秒以下の
    冷却速度にて冷却することを特徴とする光ファイバの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記光ファイバ母材として、添加物が含
    まれた状態において純石英ガラスに対する比屈折率差が
    0.001以下となるコア部を有した光ファイバ母材を
    用い、 前記光ファイバ母材を加熱線引きすることを特徴とする
    請求項1に記載の光ファイバの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記光ファイバ母材として、コア部に対
    して、1.38μmの波長における水酸基吸収による伝
    送損失が0.02〜0.5dB/kmとなるように水酸
    基を含有させた光ファイバ母材を用い、 前記光ファイバ母材を加熱線引きすることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の光ファイバの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記光ファイバ母材として、コア部に対
    して、純石英ガラスに対する比屈折率差が0.0001
    〜0.001となるようにClを含有させた光ファイバ
    母材を用い、 前記光ファイバ母材を加熱線引きすることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の光ファイバの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記光ファイバ母材として、クラッド部
    のうち、前記光ファイバ母材の中心からの距離が前記光
    ファイバ母材の半径に対する比率で0.7〜0.9の範
    囲内の位置から最外周までの部分が高純度石英ガラスと
    された光ファイバ母材を用い、 前記光ファイバ母材を加熱線引きすることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の光ファイバの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記樹脂が被覆される前の光ファイバに
    おいて温度が1700℃より高い部分を、4000℃/
    秒以上の冷却速度にて冷却することを特徴とする請求項
    1〜5のいずれか一項に記載の光ファイバの製造方法。
  7. 【請求項7】 光ファイバ母材を加熱線引きし、線引き
    された光ファイバを樹脂により被覆する光ファイバの製
    造装置であって、 前記光ファイバ母材を加熱線引きする線引き炉と前記線
    引きされた光ファイバを前記樹脂により被覆する樹脂被
    覆部との間に、光ファイバの温度が1300〜1700
    ℃となる部分のうち、前記光ファイバの温度差が50℃
    以上となる区間を1000℃/秒以下の冷却速度にて冷
    却する徐冷用加熱炉を備えることを特徴とする光ファイ
    バの製造装置。
  8. 【請求項8】 前記徐冷用加熱炉内における前記光ファ
    イバの雰囲気ガスとして、前記線引き炉における前記光
    ファイバの雰囲気ガスと同等以下の熱伝導率を有する雰
    囲気ガスを供給する雰囲気ガス供給手段を更に備えるこ
    とを特徴とする請求項7に記載の光ファイバの製造装
    置。
  9. 【請求項9】 前記徐冷用加熱炉から出た光ファイバの
    外径を測定するための外径測定手段と、 前記外径測定手段による測定結果に応じて、光ファイバ
    の外径が所定値となるように、前記光ファイバの線引き
    速度を制御する制御手段とを更に備えることを特徴とす
    る請求項7又は8に記載の光ファイバの製造装置。
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