JP4482955B2 - 光ファイバの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レイリー散乱強度の低減により、伝送損失が低くされた光ファイバの製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レイリー散乱強度の低減により、伝送損失が低くされた光ファイバの製造方法として、例えば特開平10−25127号公報に記載されたものが知られている。この製造方法は、光ファイバ母材を加熱線引きして中間光ファイバを作製し、この中間光ファイバを再加熱することにより熱処理を施すものであり、再加熱によりガラスの構造緩和(原子再配列)により仮想温度(ガラス内の原子の配列状態の乱雑さが対応する温度)を下げて、レイリー散乱強度の低減を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、加熱線引きされた光ファイバを保護するため、線引き直後の光ファイバの表面にUV樹脂等を被覆しており、上述した特開平10−25127号公報に記載された光ファイバの製造方法では、再加熱時の熱により光ファイバの表面に被覆された樹脂が燃えてしまうため、光ファイバ素線の量産に適したものではない。表面に樹脂を被覆しない状態での光ファイバを再加熱することも考えられるが、光ファイバ取り扱い時の傷付き等の問題から、量産の製造方法として適用できるものではない。
【0004】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、レイリー散乱強度の低減により、伝送損失が低くされた光ファイバを製造するに際して、表面に樹脂が被覆された光ファイバ素線の量産に適用することが可能な光ファイバの製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、光ファイバ素線の量産に適用することが可能な光ファイバの製造方法について鋭意研究を行った結果、レイリー散乱強度と線引き後の光ファイバの冷却速度との関係について、以下のような事実を新たに見出した。
【0006】
高温のガラス内では熱エネルギーにより原子は激しく振動しており、低温のガラスに比べて原子配列は乱雑な状態となっている。高温のガラスをゆっくり冷却した場合には、原子の再配列が許される温度範囲では、原子は各温度に対応した乱雑さに配列しながら冷却されるので、ガラス内の原子の乱雑さは構造緩和が進行する最低温度(1200℃程度)に対応した状態となる。しかし、高温のガラスを急激に冷却した場合には、原子配列が各温度に対応した平衡状態に達する前に冷却固定されるために、徐冷した場合に比べて原子配列は乱雑な状態となる。レイリー散乱強度は同一の物質でも原子配列が乱雑な方が大きくなり、通常、線引き後に5000〜30000℃/秒の冷却速度で冷却される光ファイバでは、バルクガラスに比べて原子配列が乱雑な状態になっており、これが原因でレイリー散乱強度が大きくなっていると考えられる。また、1700℃より高温では原子の構造緩和は極めて短時間で進行するため、30000℃/秒程度で急激に冷却した場合においても、各温度の平衡状態を維持することができる。
【0007】
一方、構造緩和に要する時間は温度が低くなるほど長くなるため、例えば1200℃程度ではその温度に数十時間維持しておかないと構造緩和が起こらない。線引き後の光ファイバは、通常0.数秒で400℃程度まで冷却されるため、線引き工程中の光ファイバが冷却される短時間の間に構造緩和を起こさせるためには、1200℃よりも高温の状態に維持する必要がある。
【0008】
そこで、本発明者らは線引き後の光ファイバ温度及び冷却速度に着目して、純石英コアファイバの温度が、上述した構造緩和が進行する最低温度(1200℃程度)よりも高温且つ構造緩和が極めて短時間で進行する1700℃以下の1300〜1700℃になっている部分での冷却速度とレイリー散乱係数との関係を調査した。その結果、純石英コアファイバの温度が1300〜1700℃となっている部分での冷却速度とレイリー散乱係数との間には、図3に示されるような関係が存在していることが確認された。なお、レイリー散乱強度(I)は下記(1)式に示すように波長(λ)の4乗に反比例する性質を有しており、この時の係数Aをレイリー散乱係数としている。
I=A/λ4 …………… (1)
【0009】
かかる研究結果を踏まえ、請求項1に記載の本発明による光ファイバの製造方法は、光ファイバ母材を加熱線引きし、線引きされた光ファイバを樹脂により被覆する光ファイバの製造方法であって、樹脂を被覆する前の光ファイバにおいて温度が1300〜1700℃となる部分のうち、光ファイバの温度差が50℃以上となる区間を1000℃/秒以下の冷却速度にて冷却することを特徴としている。
【0010】
上述の請求項1に記載の光ファイバの製造方法によれば、樹脂を被覆する前の光ファイバにおいて温度が1300〜1700℃となる部分のうち、光ファイバの温度差が50℃以上となる区間における冷却速度を、1000℃/秒以下とすることにより、構造緩和が短時間の内に進行し、原子配列の乱雑さが低減されるので、加熱線引きから樹脂被覆までの極めて短い間で、レイリー散乱強度を低減して伝送損失が低くされた光ファイバを製造することが可能となる。また、線引き後の樹脂を被覆する前の光ファイバの冷却速度を制御することによりレイリー散乱強度の低減を図っているので、上述した先行技術のような再加熱のための熱処理が不要となり、表面に樹脂が被覆された光ファイバ素線の量産に極めて容易に適用することが可能となる。
【0011】
また、光ファイバ母材として、添加物が含まれた状態において純石英ガラスに対する比屈折率差が0.001以下となるコア部を有した光ファイバ母材を用い、光ファイバ母材を加熱線引きすることが好ましい。このように、コア部が、添加物が含まれた状態において純石英ガラスに対する比屈折率差が0.001以下とされた、実質的に純石英ガラスからなるため、構造緩和が促進され、レイリー散乱強度をより低減することが可能となる。なお、各請求項における純石英ガラスとは、添加物を含まない石英ガラスのことをいい、比屈折率差は、下記(2)式により定義される。
比屈折率差=|n1−比較対象物の屈折率|/n1 …………… (2)
ここで、n1:純石英ガラスの屈折率
【0012】
また、光ファイバ母材として、コア部に対して、1.38μmの波長における水酸基吸収による伝送損失が0.02〜0.5dB/kmとなるように水酸基を含有させた光ファイバ母材を用い、光ファイバ母材を加熱線引きすることが好ましい。1.38μmの波長における水酸基吸収による伝送損失が0.02dB/km以上となるように水酸基を含有させることにより、構造緩和が促進され、レイリー散乱強度をより低減することが可能となる。また、伝送損失が0.5dB/kmより大きくなるように水酸基を含有させた場合、水酸基による吸収のため損失が増加し、水酸基の添加によるレイリー散乱強度の低減効果が相殺されて、全体での伝送損失が増加してしまう。従って、コア部に対して、1.38μmの波長における水酸基吸収による伝送損失が0.02〜0.5dB/kmとなるように水酸基を含有させることにより、構造緩和を促進させて、レイリー散乱強度を更に低減することが可能となる。
【0013】
また、光ファイバ母材として、コア部に対して、純石英ガラスに対する比屈折率差が0.0001〜0.001となるようにClを含有させた光ファイバ母材を用い、光ファイバ母材を加熱線引きすることが好ましい。純石英ガラスに対する比屈折率差が0.0001以上となるようにClを含有させることにより、構造緩和が促進され、レイリー散乱強度をより低減することが可能となる。また、比屈折率差が0.001より大きくなるようにClを含有させた場合、Cl自体によりレイリー散乱強度が増加し、Clの添加によるレイリー散乱強度の低減効果が相殺されて、全体での伝送損失が増加してしまう。従って、コア部に対して、純石英ガラスに対する比屈折率差が0.0001〜0.001となるようにClを含有させることにより、構造緩和を促進させて、レイリー散乱強度を更に低減することが可能となる。
【0014】
また、光ファイバ母材として、クラッド部のうち、光ファイバ母材の中心からの距離が光ファイバ母材の半径に対する比率で0.7〜0.9の範囲内の位置から最外周までの部分が高純度石英ガラスとされた光ファイバ母材を用い、光ファイバ母材を加熱線引きすることが好ましい。発明者らの研究の結果、線引き時に光ファイバに作用する張力を大きくした場合にレイリー散乱強度も大きくなる一方、光ファイバ母材の光の伝送に関係しない母材の最外層を高純度石英ガラスとすることで上述した張力を大きくしてもレイリー散乱強度が変化しない、ということも判明した。光の伝送に関係した部分を高純度石英ガラスにすると屈折率が変化するため、光ファイバの特性が変化してしまう。光の伝送に関係しない部分は、光ファイバ母材の中心からの距離が光ファイバ母材の半径に対する比率で0.7以上の部分であるが、中心からの距離が光ファイバ母材の半径に対する比率で0.9より大きい位置から外周側の部分を純石英ガラスとしたのでは、張力を大きくした場合にレイリー散乱強度が変化するため、伝送損失が大きくなってしまう。従って、クラッド部のうち、光ファイバ母材の中心からの距離が光ファイバ母材の半径に対する比率で0.7〜0.9の範囲内の位置から最外周までの部分が高純度石英ガラスとされた光ファイバ母材を用いることにより、光ファイバに高い張力が作用した場合においても、レイリー散乱強度の増加が抑制され、損失の増加を抑制することが可能となる。なお、各請求項における高純度石英ガラスとは、添加物等が含まれた状態において純石英ガラスに対する比屈折率差が0.001以下とされた、実質的に純石英ガラスであるものをいう。
【0015】
また、樹脂が被覆される前の光ファイバにおいて温度が1700℃より高い部分を、4000℃/秒以上の冷却速度にて冷却することが好ましい。このように、光ファイバの温度が1700℃より高い部分を4000℃/秒以上の冷却速度で冷却するので、線引きを行う設備の高さを低減することが可能となる。なお、1700℃より高温では原子の構造緩和は極めて短時間で進行するため、4000℃/秒以上の冷却速度で冷却した場合においても、各温度の平衡状態を維持することができ、レイリー散乱強度に影響を及ぼすことはない。
【0016】
また、請求項7に記載の本発明による光ファイバの製造装置は、光ファイバ母材を加熱線引きし、線引きされた光ファイバを樹脂により被覆する光ファイバの製造装置であって、光ファイバ母材を加熱線引きする線引き炉と線引きされた光ファイバを樹脂により被覆する樹脂被覆部との間に、光ファイバの温度が1300〜1700℃となる部分のうち、光ファイバの温度差が50℃以上となる区間を1000℃/秒以下の冷却速度にて冷却する徐冷用加熱炉を備えることを特徴としている。
【0017】
上述の請求項7に記載の光ファイバの製造装置によれば、線引き炉と樹脂被覆部との間に備えられる徐冷用加熱炉にて、樹脂を被覆する前の光ファイバにおいて温度が1300〜1700℃となる部分のうち、光ファイバの温度差が50℃以上となる区間における冷却速度を、1000℃/秒以下にて徐冷されるので、構造緩和が短時間の内に進行し、原子配列の乱雑さが低減されるので、加熱線引きから樹脂被覆までの極めて短い間で、レイリー散乱強度を低減して伝送損失が低くされた光ファイバを製造することが可能となる。また、線引き後の樹脂を被覆する前の光ファイバの冷却速度を制御することによりレイリー散乱強度の低減を図っているので、上述した先行技術のような再加熱のための熱処理が不要となり、表面に樹脂が被覆された光ファイバ素線の量産に極めて容易に適用することが可能となる。
【0018】
また、徐冷用加熱炉内における光ファイバの雰囲気ガスとして、線引き炉における光ファイバの雰囲気ガスと同等以下の熱伝導率を有する雰囲気ガスを供給する雰囲気ガス供給手段を更に備えることが好ましい。この場合には、徐冷用加熱炉内における光ファイバの雰囲気ガスの熱伝導率が小さくなるので、徐冷用加熱炉内における冷却速度を低減することができ、光ファイバの更なる低伝送損失化が可能となる。
【0019】
また、徐冷用加熱炉から出た光ファイバの外径を測定するための外径測定手段と、外径測定手段による測定結果に応じて、光ファイバの外径が所定値となるように、光ファイバの線引き速度を制御する制御手段とを更に備えることが好ましい。この場合には、外径長さが安定した状態にある光ファイバの外径を測定して、この外径に基づいて光ファイバの線引き速度が制御されるので、光ファイバの線引き速度を適切に制御することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
まず、図1を参照しながら、本発明による光ファイバの製造方法及びこの製造装置に用いられる線引き装置の実施形態を説明する。
【0022】
線引き装置1は石英系光ファイバの線引き装置であって、線引き炉11、徐冷用加熱炉21及び樹脂硬化部31を有し、線引き炉11、徐冷用加熱炉21及び樹脂硬化部31は光ファイバ母材2を線引きする方向(図1において、上から下)に、線引き炉11、徐冷用加熱炉21、樹脂硬化部31の順で配設されている。母材供給装置(図示せず)に保持された光ファイバ母材2を線引き炉11に供給し、線引き炉11内のヒータ12で光ファイバ母材2の下端を加熱・軟化させ、光ファイバ3を線引きする。線引き炉11の炉心管13には、Heガス供給部14からのHeガス供給通路15が接続されており、線引き炉11の炉心管13内がHeガス雰囲気となるように構成されている。加熱線引きされた光ファイバ3は炉心管13内にて、1700℃程度にまで急激に冷却される。その後、光ファイバ3は、炉心管13の下部から線引き炉11外に出され、線引き炉11と徐冷用加熱炉21との間にて空冷される。Heガスの熱伝導率λ(T=300K)は150mW/(m・K)であり、空気の熱伝導率λ(T=300K)は26mW/(m・K)である。
【0023】
空冷された光ファイバ3を徐冷用加熱炉21に送り、光ファイバ3の所定箇所を、所定の冷却速度にて徐冷する。徐冷用加熱炉21における徐冷は、加熱線引きされた光ファイバ3において温度が1300〜1700℃となる部分のうち、光ファイバ3の温度差が50℃以上となる区間を1000℃/秒以下の冷却速度で冷却することにより行われる。特に、加熱線引きされた光ファイバ3において温度が1400〜1600℃となる部分のうち、光ファイバ3の温度差が50℃以上となる区間を1000℃/秒以下の冷却速度で冷却することが好ましい。このため、徐冷用加熱炉21のヒータ22及び炉心管23の設置位置及び光ファイバ母材2の線引き方向(図1において、上下方向)での全長は、上述した光ファイバ3の温度が1300〜1700℃となる部分のうち光ファイバ3の温度差が50℃以上となる区間が、徐冷用加熱炉21の炉心管23内に位置してヒータ22により加熱されながら、徐冷されるように、線引き速度を考慮して設定されている。ここで、線引き速度を考慮する必要があるのは、線引き速度が速くなることにより、光ファイバ3の同じ温度となる位置が下方に下がるためである。また、徐冷用加熱炉21のヒータ22の温度は、炉心管23内に位置する光ファイバ3の温度差が50℃以上となる区間を1000℃/秒以下の冷却速度で冷却するように設定される。また、徐冷用加熱炉21の炉心管23には、N2ガス供給部24からのN2ガス供給通路25が接続されており、徐冷用加熱炉21の炉心管23内がN2ガス雰囲気となるように構成されている。N2ガスはHeガスより熱伝導率が小さく、光ファイバの冷却速度を遅くする役割を果たしている。N2ガスの熱伝導率λ(T=300K)は26mW/(m・K)である。N2ガスを用いる代わりに、空気あるいはAr等の分子量の比較的大きいガスを用いることが可能である。もちろんカーボンヒータを用いる場合には、不活性ガスを用いる必要がある。
【0024】
徐冷用加熱炉21を出た光ファイバ3は、外径測定手段としての外径測定器41により外径がオンライン測定され、その測定値がドラム42を回転駆動する駆動モータ43にフィードバックされて外径が一定となるように制御される。外径測定器41からの出力信号は、制御手段としての制御ユニット44に送られ、光ファイバ3の外径が予め設定された所定値となるように、ドラム42(駆動モータ43)の回転速度を演算により求める。制御ユニット44からは、演算により求めたドラム42(駆動モータ43)の回転速度を示す出力信号が駆動モータ用ドライバ(図示せず)に出力され、この駆動モータ用ドライバは制御ユニット44からの出力信号に基づいて、駆動モータ43の回転速度を制御する。
【0025】
その後、光ファイバ3に、コーティングダイス51によりUV樹脂52を塗布し、樹脂硬化部31のUVランプ32によりUV樹脂52が硬化され、光ファイバ素線4となる。そして、光ファイバ素線4は、ガイドローラ61を経て、ドラム42により巻き取られる。ドラム42は、回転駆動軸45に支持されており、この回転駆動軸45の端部は駆動モータ43に接続されている。ここで、コーティングダイス51及び樹脂硬化部31は、各請求項における樹脂被覆部を構成している。樹脂被覆部としては、熱硬化樹脂を塗布し、加熱炉により硬化させるように構成してもよい。
【0026】
なお、線引き炉11の炉心管13には、Heガス供給部14からのHeガス供給通路15が接続されており、線引き炉11の炉心管13内がHeガス雰囲気となるように構成されているが、Heガス供給部14の代わりにN2ガス供給部を設け、炉心管13内にN2ガスを供給してN2ガス雰囲気となるように構成してもよい。炉心管13内にN2ガスを供給する理由は、線引き速度が低速、例えば100m/minの場合には、光ファイバ3がHeガス雰囲気では線引き炉11(炉心管13)内で1000℃程度まで冷却されてしまうことがあり、線引き速度が低速の場合に炉心管13内をN2ガス雰囲気として、線引き炉11(炉心管13)出口での光ファイバ3の温度を1700℃程度とするためである。もちろん、Heガス供給部とN2ガス供給部とを設け、線引き速度に対応して、炉心管13内にHeガス及び/又はN2ガスを供給するように構成してもよい。
【0027】
次に、上述した線引き装置1(ただし、炉心管13内にHeガスあるいはN2ガスを選択的に供給し得るように構成した)を用いて、本実施形態に係る光ファイバの製造方法による実験を行った結果について説明する。これらの実験において共通の条件は、以下のとおりである。光ファイバ母材2として、外径35mmのものを用い、この光ファイバ母材2から外径125μmの光ファイバ3を線引きした。線引き炉の温度は、炉心管内周面の表面温度で略2000℃(ただし、線引き張力に応じて若干変化させている)としている。なお、以下の実験例(実施例1〜実施例16)においては、光ファイバ3の温度を、光ファイバ3の表面温度としている。光ファイバ3の表面温度と光ファイバ3内部との温度差は20〜50℃程度である。線引き炉11及び徐冷用加熱炉21の温度は、各炉心管13,23の内周面(光ファイバ母材2あるいは光ファイバ3の表面と対向する面)の表面温度としている。
【0028】
実施例1〜実施例4は、上述した実施形態に係る光ファイバの製造方法及び製造装置による実験例であり、比較例1〜比較例3は、上述した実施形態に係る光ファイバの製造方法及び製造装置による実施例との対比のために行った比較実験例である。
【0029】
(実施例1)
光ファイバ母材の線引き方向での全長が2mの炉心管(内周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用いて、光ファイバの線引きを行った。線引き炉(炉心管)内にはN2ガスを供給した。線引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部がフッ素添加ガラスからなる。線引き速度は100m/min、線引き張力は20gf、徐冷用加熱炉(炉心管内周面の表面温度)の温度は1400℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1700℃であり、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1450℃であった。従って、徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバのうち温度が1450〜1700℃となる部分が、徐冷用加熱炉の全長である2mの区間において平均約250℃/秒の冷却速度にて冷却されたことになる。
【0030】
線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.165dB/kmであった。また、伝送損失の波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数は、0.825dBμm4/kmであった。
【0031】
(実施例2)
光ファイバ母材の線引き方向での全長が2mの炉心管(内周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用いて、光ファイバの線引きを行った。線引き炉(炉心管)内にはHeガスを供給した。線引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部がフッ素添加ガラスからなる。線引き速度は400m/min、線引き張力は30gf、徐冷用加熱炉(炉心管内周面の表面温度)の温度は1200℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1550℃であり、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1300℃であった。従って、徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバのうち温度が1300〜1550℃となる部分が、徐冷用加熱炉の全長である2mの区間において平均約1000℃/秒の冷却速度にて冷却されたことになる。
【0032】
線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.167dB/kmであった。また、伝送損失の波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数は、0.838dBμm4/kmであった。
【0033】
(実施例3)
光ファイバ母材の線引き方向での全長が0.5mの炉心管(内周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用いて、光ファイバの線引きを行った。線引き炉(炉心管)内にはN2ガスを供給した。線引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部がフッ素添加ガラスからなる。線引き速度は100m/min、線引き張力は25gf、徐冷用加熱炉(炉心管内周面の表面温度)の温度は1450℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1550℃であり、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1500℃であった。従って、徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバのうち温度が1500〜1550℃となる部分が、徐冷用加熱炉の全長である0.5mの区間において平均約250℃/秒の冷却速度にて冷却されたことになる。
【0034】
線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.166dB/kmであった。また、伝送損失の波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数は、0.838dBμm4/kmであった。
【0035】
(実施例4)
光ファイバ母材の線引き方向での全長が2mの炉心管(内周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用いて、光ファイバの線引きを行った。線引き炉(炉心管)内にはN2ガスを供給した。線引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部がフッ素添加ガラスからなる。線引き速度は30m/min、線引き張力は20gf、徐冷用加熱炉(炉心管内周面の表面温度)の温度は1400℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1700℃であり、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1420℃であった。従って、徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバのうち温度が1420〜1700℃となる部分が、徐冷用加熱炉の全長である2mの区間において平均約90℃/秒の冷却速度にて冷却されたことになる。
【0036】
線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.160dB/kmであった。また、伝送損失の波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数は、0.805dBμm4/kmであった。
【0037】
(比較例1)
徐冷用加熱炉を取り外した状態で光ファイバの線引きを行った。線引き炉(炉心管)内にはHeガスを供給した。線引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部がフッ素添加ガラスからなる。線引き速度は100m/min、線引き張力は30gfとした。この時、光ファイバの温度が1300〜1700℃となる部分は、平均約30000℃/秒の冷却速度にて冷却された。
【0038】
線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.175dB/kmであった。また、伝送損失の波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数は、0.88dBμm4/kmであった。
【0039】
(比較例2)
徐冷用加熱炉を取り外した状態で光ファイバの線引きを行った。線引き炉(炉心管)内にはHeガスを供給した。線引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部がフッ素添加ガラスからなる。線引き速度は100m/min、線引き張力は20gfとした。この時、光ファイバの温度が1300〜1700℃となる部分は、平均約5000℃/秒の冷却速度にて冷却された。
【0040】
線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.170dB/kmであった。また、伝送損失の波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数は、0.85dBμm4/kmであった。
【0041】
(比較例3)
光ファイバ母材の線引き方向での全長が2mの炉心管(内周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用いて、光ファイバの線引きを行った。線引き炉(炉心管)内にはN2ガスを供給した。線引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部がフッ素添加ガラスからなる。線引き速度は100m/min、線引き張力は30gf、徐冷用加熱炉(炉心管内周面の表面温度)の温度は900℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1300℃であり、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1000℃であった。従って、徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバのうち温度が1000〜1300℃となる部分が、徐冷用加熱炉の全長である2mの区間において平均約250℃/秒の冷却速度にて冷却されたことになる。
【0042】
線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.170dB/kmであった。また、伝送損失の波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数は、0.85dBμm4/kmであった。
【0043】
以上のように、実施例1〜実施例4においては、レイリー散乱係数が0.805〜0.838dBμm4/km、波長1.55μmの光に対する伝送損失が0.160〜0.167dB/kmとなり、比較例1〜比較例3のレイリー散乱係数が0.85〜0.88dBμm4/km、波長1.55μmの光に対する伝送損失が0.170〜0.175dB/kmと比べて、レイリー散乱係数を低減して、伝送損失を低減することができた。
【0044】
次に、光ファイバ母材のコア部に含有される水酸基の濃度を変更して、上述した実施例1の実験条件にて実験を行った。実施例5及び実施例6は、上述した実施形態に係る光ファイバの製造方法及び製造装置による実施例である。
【0045】
(実施例5)
線引きする光ファイバ母材のコア部には、1.38μmの波長における水酸基吸収による伝送損失が0.02dB/kmとなるように水酸基を含有させた。線引き炉(炉心管)内にはN2ガスを供給した。全長2mの炉心管(内周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用い、線引き速度を100m/min、線引き張力を20gf、徐冷用加熱炉(炉心管内周面の表面温度)の温度を1400℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1700℃であり、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1450℃であった。従って、徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバのうち温度が1450〜1700℃となる部分が、徐冷用加熱炉の全長である2mの区間において平均約250℃/秒の冷却速度にて冷却されたことになる。
【0046】
線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.164dB/kmであった。また、伝送損失の波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数は、0.82dBμm4/kmであった。
【0047】
(実施例6)
線引きする光ファイバ母材のコア部には、1.38μmの波長における水酸基吸収による伝送損失が0.5dB/kmとなるように水酸基を含有させた。線引き炉(炉心管)内にはN2ガスを供給した。全長2mの炉心管(内周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用い、線引き速度を100m/min、線引き張力を20gf、徐冷用加熱炉(炉心管内周面の表面温度)の温度を1400℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1700℃であり、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1450℃であった。従って、徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバのうち温度が1450〜1700℃となる部分が、徐冷用加熱炉の全長である2mの区間において平均約250℃/秒の冷却速度にて冷却されたことになる。
【0048】
線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.165dB/kmであった。また、伝送損失の波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数は、0.815dBμm4/kmであった。
【0049】
以上のように、実施例5及び実施例6においては、レイリー散乱係数が0.815〜0.82dBμm4/km、波長1.55μmの光に対する伝送損失が0.164〜0.165dB/kmとなり、実施例1のレイリー散乱係数が0.825dBμm4/km、波長1.55μmの光に対する伝送損失が0.165dB/kmと比べて、レイリー散乱係数を低減して、伝送損失を低減することができた。線引きする光ファイバ母材のコア部に、1.38μmの波長における水酸基吸収による伝送損失が0.5dB/kmとなるように水酸基を含有させた実施例6においては、実施例1のものと比してレイリー散乱係数が低減されているが、水酸基吸収による伝送損失が無視できないレベルとなっており、レイリー散乱係数低減分の効果と相殺されており、水酸基をこれ以上含有させることは伝送損失を増加させることになる。
【0050】
次に、光ファイバ母材のコア部に含有されるClの濃度を変更して、上述した実施例1の実験条件にて実験を行った。実施例7〜実施例9は、上述した実施形態に係る光ファイバの製造方法及び製造装置による実施例である。
【0051】
(実施例7)
線引きする光ファイバ母材のコア部には、純石英ガラスに対する比屈折率差が0.0001となるようにClを含有させた。線引き炉(炉心管)内にはN2ガスを供給した。全長2mの炉心管(内周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用い、線引き速度を100m/min、線引き張力を20gf、徐冷用加熱炉(炉心管内周面の表面温度)の温度を1400℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1700℃であり、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1450℃であった。従って、徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバのうち温度が1450〜1700℃となる部分が、徐冷用加熱炉の全長である2mの区間において平均約250℃/秒の冷却速度にて冷却されたことになる。
【0052】
線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.164dB/kmであった。また、伝送損失の波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数は、0.82dBμm4/kmであった。
【0053】
(実施例8)
線引きする光ファイバ母材のコア部には、純石英ガラスに対する比屈折率差が0.0005となるようにClを含有させた。線引き炉(炉心管)内にはN2ガスを供給した。全長2mの炉心管(内周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用い、線引き速度を100m/min、線引き張力を20gf、徐冷用加熱炉(炉心管内周面の表面温度)の温度を1400℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1700℃であり、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1450℃であった。従って、徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバのうち温度が1450〜1700℃となる部分が、徐冷用加熱炉の全長である2mの区間において平均約250℃/秒の冷却速度にて冷却されたことになる。
【0054】
線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.163dB/kmであった。また、伝送損失の波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数は、0.815dBμm4/kmであった。
【0055】
(実施例9)
線引きする光ファイバ母材のコア部には、純石英ガラスに対する比屈折率差が0.001となるようにClを含有させた。線引き炉(炉心管)内にはN2ガスを供給した。全長2mの炉心管(内周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用い、線引き速度を100m/min、線引き張力を20gf、徐冷用加熱炉(炉心管内周面の表面温度)の温度を1400℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1700℃であり、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1450℃であった。従って、徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバのうち温度が1450〜1700℃となる部分が、徐冷用加熱炉の全長である2mの区間において平均約250℃/秒の冷却速度にて冷却されたことになる。
【0056】
線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.165dB/kmであった。また、伝送損失の波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数は、0.825dBμm4/kmであった。
【0057】
以上のように、実施例7〜実施例9においては、レイリー散乱係数が0.815〜0.825dBμm4/km、波長1.55μmの光に対する伝送損失が0.163〜0.165dB/kmとなり、実施例1のレイリー散乱係数が0.825dBμm4/km、波長1.55μmの光に対する伝送損失が0.165dB/kmと比べて、レイリー散乱係数を低減して、伝送損失を低減することができた。線引きする光ファイバ母材のコア部に、純石英ガラスに対する比屈折率差が0.001となるようにClを含有させた実施例19においては、実施例1のものと同じ結果であり、Clの含有により構造緩和が促進されてレイリー散乱強度が低減された分と、Cl自体によりレイリー散乱強度が増加した分とが相殺されており、Clをこれ以上含有させることは伝送損失を増加させることになる。
【0058】
次に、光ファイバ母材のクラッド部の構成を変更し、線引き張力を高めて実験を行った。実施例10及び実施例11は、上述した実施形態に係る光ファイバの製造方法及び製造装置による実施例であり、比較例4及び比較例5は、上述した実施形態に係る光ファイバの製造方法及び製造装置による実施例との対比のために行った比較例である。以下の実験にて用いた光ファイバ母材102は、図2に示されるように、純石英ガラス(屈折率n1)からなるコア部112と、フッ素添加ガラス(屈折率n2)からなる第1クラッド部122と、純石英ガラス(屈折率n1)からなる第2クラッド部132とで構成されている。第1クラッド部122はコア部112の外周から半径aまでの領域を有しており、その外径が2aとなる。第2クラッド部132は第1クラッド部122の外周から半径d(外周)までの領域を有し、その外径が2dとなる。実験では、2d=35mmの光ファイバ母材102を用いた。なお、第2クラッド部132として、純石英ガラスの代わりに高純度石英ガラスを用いてもよい。
【0059】
(実施例10)
線引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部のうち光ファイバ母材の中心からa=12.25mm(a/d=0.7)までの部分がフッ素添加ガラスからなり、a=12.25mm(a/d=0.7)以上となる部分が純石英ガラスからなる。線引き炉(炉心管)内にはN2ガスを供給した。全長が2mの炉心管(内周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用いて、光ファイバの線引きを行った。線引き速度は100m/min、線引き張力は50gf、徐冷用加熱炉(炉心管内周面の表面温度)の温度は1450℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1700℃であり、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1450℃であった。従って、徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバのうち温度が1450〜1700℃となる部分が、徐冷用加熱炉の全長である2mの区間において平均約250℃/秒の冷却速度にて冷却されたことになる。
【0060】
線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.164dB/kmであった。また、伝送損失の波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数は、0.825dBμm4/kmであった。
【0061】
(実施例11)
線引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部のうち光ファイバ母材の中心からa=15.75mm(a/d=0.9)までの部分がフッ素添加ガラスからなり、a=15.75mm(a/d=0.9)以上となる部分が純石英ガラスからなる。線引き炉(炉心管)内にはN2ガスを供給した。全長が2mの炉心管(内周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用いて、光ファイバの線引きを行った。線引き速度は100m/min、線引き張力は50gf、徐冷用加熱炉(炉心管内周面の表面温度)の温度は1450℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1700℃であり、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1450℃であった。従って、徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバのうち温度が1450〜1700℃となる部分が、徐冷用加熱炉の全長である2mの区間において平均約250℃/秒の冷却速度にて冷却されたことになる。
【0062】
線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.166dB/kmであった。また、伝送損失の波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数は、0.835dBμm4/kmであった。
【0063】
(比較例4)
線引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部のうち光ファイバ母材の中心からa=16.625mm(a/d=0.95)までの部分がフッ素添加ガラスからなり、a=16.625mm(a/d=0.95)以上となる部分が純石英ガラスからなる。線引き炉(炉心管)内にはN2ガスを供給した。全長が2mの炉心管(内周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用いて、光ファイバの線引きを行った。線引き速度は100m/min、線引き張力は50gf、徐冷用加熱炉(炉心管内周面の表面温度)の温度は1450℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1700℃であり、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1450℃であった。従って、徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバのうち温度が1450〜1700℃となる部分が、徐冷用加熱炉の全長である2mの区間において平均約250℃/秒の冷却速度にて冷却されたことになる。
【0064】
線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.176dB/kmであった。また、伝送損失の波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数は、0.89dBμm4/kmであった。
【0065】
(比較例5)
線引きする光ファイバ母材は、コア部が純石英ガラスからなり、クラッド部が全範囲(a=d)でフッ素添加ガラスからなる。全長が2mの炉心管(内周直径が略30mm)を有する徐冷用加熱炉を用いて、光ファイバの線引きを行った。線引き炉(炉心管)内にはN2ガスを供給した。線引き速度は100m/min、線引き張力は50gf、徐冷用加熱炉(炉心管内周面の表面温度)の温度は1450℃とした。この時、徐冷用加熱炉に入る直前の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1700℃であり、徐冷用加熱炉から出た直後の光ファイバの温度は、光ファイバの表面温度で1450℃であった。従って、徐冷用加熱炉において、線引きされた光ファイバのうち温度が1450〜1700℃となる部分が、徐冷用加熱炉の全長である2mの区間において平均約250℃/秒の冷却速度にて冷却されたことになる。
【0066】
線引きされた光ファイバの伝送損失(波長1.55μmの光に対する伝送損失)を測定したところ、0.185dB/kmであった。また、伝送損失の波長特性を測定したデータから求めたレイリー散乱係数は、0.94dBμm4/kmであった。
【0067】
以上のように、線引き張力を50gfに高めた場合において、実施例10及び実施例11では、レイリー散乱係数が0.825〜0.835dBμm4/km、波長1.55μmの光に対する伝送損失が0.164〜0.166dB/kmと、実施例1〜実施例4と同様の結果となり、比較例4及び比較例5のレイリー散乱係数が0.89〜0.94dBμm4/km、波長1.55μmの光に対する伝送損失が0.176〜0.185dB/kmと比べて、レイリー散乱係数を低減して、伝送損失を低減することができた。
【0068】
このように、上述した実験結果からも明らかなように、本実施形態に係る光ファイバの製造方法及び製造装置においては、線引き炉11にて加熱線引きされた後、UV樹脂52を被覆する前の光ファイバ3において温度が1300〜1700℃となる部分のうち、光ファイバ3の温度差が50℃以上となる区間における冷却速度を、1000℃/秒以下とすることにより、構造緩和が短時間の内に進行し、原子配列の乱雑さが低減されるので、加熱線引きからUV樹脂52の被覆までの極めて短い間で、レイリー散乱強度を低減して伝送損失が低くされた光ファイバ3を製造することが可能となる。また、線引き後のUV樹脂52を被覆する前の光ファイバ3の冷却速度を制御することによりレイリー散乱強度の低減を図っているので、上述した先行技術のような再加熱のための熱処理が不要となり、表面にUV樹脂52が硬化、被覆された光ファイバ素線4の量産に極めて容易に適用することが可能となる。
【0069】
また、光ファイバ母材2として、添加物が含まれた状態において純石英ガラスに対する比屈折率差が0.001以下となるコア部を有した光ファイバ母材を用いることにより、構造緩和が促進され、レイリー散乱強度をより低減することが可能となる。
【0070】
また、光ファイバ母材2として、コア部に対して、1.38μmの波長における水酸基吸収による伝送損失が0.02〜0.5dB/kmとなるように水酸基を含有させた光ファイバ母材を用いることにより、構造緩和を促進させて、レイリー散乱強度を更に低減することが可能となる。1.38μmの波長における水酸基吸収による伝送損失が0.02dB/km以上となるように水酸基を含有させることにより、構造緩和が促進され、レイリー散乱強度をより低減することができる。また、伝送損失が0.5dB/kmより大きくなるように水酸基を含有させた場合、水酸基による吸収のため損失が増加し、水酸基の添加によるレイリー散乱強度の低減効果が相殺されて、伝送損失が増加することになる。
【0071】
また、光ファイバ母材2として、コア部に対して、純石英ガラスに対する比屈折率差が0.0001〜0.001となるようにClを含有させた光ファイバ母材を用いることにより、構造緩和を促進させて、レイリー散乱強度を更に低減することが可能となる。純石英ガラスに対する比屈折率差が0.0001以上となるようにClを含有させることにより、構造緩和が促進され、レイリー散乱強度をより低減することが可能となる。また、比屈折率差が0.001より大きくなるようにClを含有させた場合、Cl自体によりレイリー散乱強度が増加し、Clの添加によるレイリー散乱強度の低減効果が相殺されて、伝送損失が増加することになる。
【0072】
また、光ファイバ母材2として、コア部112の外周から光ファイバ母材102の中心からの距離が光ファイバ母材102の半径に対する比率(a/d)で0.7〜0.9の範囲内の位置までの部分がフッ素添加ガラスとされた第1クラッド部122と、光ファイバ母材102の中心からの距離が光ファイバ母材102の半径に対する比率(a/d)で0.7〜0.9の範囲内の位置から外周までの部分が純石英ガラスとされた第2クラッド部132とを有する光ファイバ母材102を用いることにより、光ファイバ3に高い張力が作用した場合においても、レイリー散乱強度の増加が抑制され、損失の増加を抑制することが可能となる。光ファイバ3の特性に影響を及ぼさないように、光の伝送に関係しない部分として、光ファイバ母材102の中心からの距離が光ファイバ母材102の半径に対する比率(a/d)で0.7以上となるの部分を純石英ガラスとする。一方、中心からの距離が光ファイバ母材102の半径に対する比率(a/d)で0.9より大きくなる位置から外周までの部分を純石英ガラスとしたのでは、張力を大きくした場合にレイリー散乱強度が変化するため、伝送損失が大きくなる。
【0073】
また、線引き速度が速い場合には、線引き炉11の炉心管13内をHeガス雰囲気とし、線引き炉11と徐冷用加熱炉21との間で空冷として、徐冷用加熱炉21に入る前の、光ファイバ3の温度が1700℃より高くなる部分を4000℃/秒以上の冷却速度にて冷却しているので、光ファイバ3の冷却のために必要となる設備高さを低減することが可能となる。なお、1700℃より高温では原子の構造緩和は極めて短時間で進行するため、4000℃/秒以上の冷却速度で冷却した場合においても、各温度の平衡状態を維持することができ、レイリー散乱強度に影響を及ぼすことはない。
【0074】
また、徐冷用加熱炉21から出た光ファイバ3の外径を測定するための外径測定器41と、外径測定器41からの出力信号に応じて光ファイバ3の外径が所定値となるようにドラム42(駆動モータ43)の回転速度を制御する制御ユニット44とを備えているので、徐冷用加熱炉21から出て、外径長さが安定した状態にある光ファイバ3の外径を測定して、この安定した外径に基づいてドラム42(駆動モータ43)の回転速度を制御され、光ファイバ3の線引き速度を適切に制御することが可能となる。
【0075】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり、本発明によれば、レイリー散乱強度の低減により、伝送損失が低くされた光ファイバを製造するに際して、表面に樹脂が被覆された光ファイバ素線の量産に適用することが可能な光ファイバの製造方法及び製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光ファイバの製造装置の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明による光ファイバの製造方法の実施形態における、実験例に用いた光ファイバ母材の構成図である。
【図3】レイリー散乱係数と光ファイバの冷却速度との関係を示す図表である。
【符号の説明】
1…線引き装置、2,102…光ファイバ母材、3…光ファイバ、4…光ファイバ素線、11…線引き炉、12…ヒータ、13…炉心管、14…Heガス供給部、15…Heガス供給通路、21…徐冷用加熱炉、22…ヒータ、23…炉心管、24…N2ガス供給部、25…N2ガス供給通路、31…樹脂硬化部、32…UVランプ、41…外径測定器、42…ドラム、43…駆動モータ、44…制御ユニット、45…回転駆動軸、51…コーティングダイス、52…UV樹脂液、61…ガイドローラ、112…コア部、122…第1クラッド部、132…第2クラッド部。

Claims (6)

  1. 光ファイバ母材を加熱線引きし、線引きされた光ファイバを樹脂により被覆する光ファイバの製造方法であって、
    前記光ファイバ母材を加熱線引きする線引き炉と前記線引きされた光ファイバを前記樹脂により被覆する樹脂被覆部との間に設けられた徐冷部を用い、前記徐冷部に入る直前の前記光ファイバの温度を1550℃以上とし、前記樹脂を被覆する前の光ファイバにおいて温度が1300〜1700℃となる部分のうち、前記光ファイバの温度差が50℃以上となる区間を前記徐冷部において1000℃/秒以下の冷却速度にて冷却することを特徴とする光ファイバの製造方法。
  2. 前記光ファイバ母材として、添加物が含まれた状態において純石英ガラスに対する比屈折率差が0.001以下となるコア部を有した光ファイバ母材を用い、
    前記光ファイバ母材を加熱線引きすることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの製造方法。
  3. 前記光ファイバ母材として、コア部に対して、1.38μmの波長における水酸基吸収による伝送損失が0.02〜0.5dB/kmとなるように水酸基を含有させた光ファイバ母材を用い、
    前記光ファイバ母材を加熱線引きすることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバの製造方法。
  4. 前記光ファイバ母材として、コア部に対して、純石英ガラスに対する比屈折率差が0.0001〜0.001となるようにClを含有させた光ファイバ母材を用い、
    前記光ファイバ母材を加熱線引きすることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバの製造方法。
  5. 前記光ファイバ母材として、クラッド部のうち、前記光ファイバ母材の中心からの距離が前記光ファイバ母材の半径に対する比率で0.7〜0.9の範囲内の位置から最外周までの部分が高純度石英ガラスとされた光ファイバ母材を用い、
    前記光ファイバ母材を加熱線引きすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光ファイバの製造方法。
  6. 前記樹脂が被覆される前の光ファイバにおいて温度が1700℃より高い部分を、4000℃/秒以上の冷却速度にて冷却することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光ファイバの製造方法。
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