JP2007197273A - 光ファイバ素線及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低損失の光ファイバ素線を効率よく製造できる製造方法の提供。
【解決手段】光ファイバ母材を加熱炉で加熱溶融し、次いで光ファイバ裸線を引き出し、次いで得られた光ファイバ裸線を徐冷し、次いで前記光ファイバ裸線を樹脂コーティング可能な温度まで冷却し、次いで光ファイバ裸線の周りにコーティング液を塗布し硬化させて、得られた光ファイバ素線を巻き取る光ファイバ素線の製造方法において、光ファイバ裸線を徐冷する際に徐冷炉を使用し、徐冷炉内の雰囲気ガスとしてHeガス又はHe含有ガスを用い、且つ徐冷炉内を1200℃〜1500℃の温度に設定して徐冷を行うことによって、コア近傍のクラッドの残留応力が圧縮応力であり、コアの残留応力が前記クラッドより小さい圧縮応力、残留応力ゼロ、又は引っ張り応力のいずれかになっている残留応力分布を有する光ファイバ素線を得ることを特徴とする光ファイバ素線の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】光ファイバ母材を加熱炉で加熱溶融し、次いで光ファイバ裸線を引き出し、次いで得られた光ファイバ裸線を徐冷し、次いで前記光ファイバ裸線を樹脂コーティング可能な温度まで冷却し、次いで光ファイバ裸線の周りにコーティング液を塗布し硬化させて、得られた光ファイバ素線を巻き取る光ファイバ素線の製造方法において、光ファイバ裸線を徐冷する際に徐冷炉を使用し、徐冷炉内の雰囲気ガスとしてHeガス又はHe含有ガスを用い、且つ徐冷炉内を1200℃〜1500℃の温度に設定して徐冷を行うことによって、コア近傍のクラッドの残留応力が圧縮応力であり、コアの残留応力が前記クラッドより小さい圧縮応力、残留応力ゼロ、又は引っ張り応力のいずれかになっている残留応力分布を有する光ファイバ素線を得ることを特徴とする光ファイバ素線の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、低損失な光ファイバ素線及びその製造方法に関し、特に、低損失な光ファイバを線引きするために、徐冷を行う製造方法に適用される。本発明の製造方法は、徐冷紡糸を行っても、光ファイバ径方向の温度分布が均一となるため、光ファイバガラス中の残留応力の変化が少なく、構造不正損失成分が少ない光ファイバ素線を得ることができる。さらに、徐冷することによって光ファイバの構造緩和が進み、仮想温度が低くなり、結果として、レーリ散乱損失成分も少なくなるため、全体として伝送損失の小さい光ファイバ素線となり、長距離伝送用ファイバなどとして好適な光ファイバ素線が得られる。
近年、光ファイバ素線の損失低減に関する検討が盛んに行われている。損失低減の方法として、主に、光ファイバ素線の線引き工程における光ファイバ母材を加熱溶融した後の冷却過程において、該母材から線引きされた光ファイバ裸線を徐冷し、光ファイバ損失成分の中で、レーリ散乱損失を下げることで、全損失を低減させる方法が一般に行われている。
一方、線引き工程においては、生産性の向上の観点から、線引き速度が増加する傾向にある。このように高速紡糸になると、限られた高さの紡糸タワー(建築物)の中で光ファイバ裸線に被覆(コーティング)を施すために、光ファイバ裸線をコーティング可能な温度まで冷却筒にて急冷させる必要がある。しかし、光ファイバ温度が高温時に急冷を開始すると、光ファイバ伝送損失が悪化する。
よって、伝送損失を低減し、生産性を確保するために、主に、光ファイバ母材の線引き工程における、光ファイバ裸線徐冷方法の最適化が行われており、例えば、特許文献1〜4に記載されている技術が提案されている。
よって、伝送損失を低減し、生産性を確保するために、主に、光ファイバ母材の線引き工程における、光ファイバ裸線徐冷方法の最適化が行われており、例えば、特許文献1〜4に記載されている技術が提案されている。
特許文献1に開示された方法では、紡糸冷却過程に徐冷炉を設置し、徐冷温度は500℃〜1500℃の範囲としている。また、徐冷炉突入ファイバ温度を500℃〜1500℃とし、徐冷時間は0.1〜10秒としている。
特許文献2に開示された方法では、光ファイバ温度が1300〜1700℃となる部分のうち、温度差が50℃以上となる区間を1000℃/秒以下で徐冷している。
特許文献3に開示された方法では、溶融変形部の外径が1mm以下の部分、実質的に変形を終えた部分の最も低い冷却温度を4000℃/秒以下としている。
特許文献4に開示された方法では、徐冷効果を高めるために、加熱炉と徐冷炉間に隙間を設け、Heを含む加熱炉雰囲気と徐冷炉雰囲気を区別し、徐冷炉ガスとして、N2,Ar,空気のいずれかを流し、光ファイバ入線温度を1400〜1800℃としている。
特開平4−59631号公報
特開2000−335933号公報
特開2003−335545号公報
特開2000−335935号公報
特許文献2に開示された方法では、光ファイバ温度が1300〜1700℃となる部分のうち、温度差が50℃以上となる区間を1000℃/秒以下で徐冷している。
特許文献3に開示された方法では、溶融変形部の外径が1mm以下の部分、実質的に変形を終えた部分の最も低い冷却温度を4000℃/秒以下としている。
特許文献4に開示された方法では、徐冷効果を高めるために、加熱炉と徐冷炉間に隙間を設け、Heを含む加熱炉雰囲気と徐冷炉雰囲気を区別し、徐冷炉ガスとして、N2,Ar,空気のいずれかを流し、光ファイバ入線温度を1400〜1800℃としている。
しかしながら、前述したような従来技術では、本発明者らが鋭意検討を行った結果、次のような問題を生じることがわかった。
より伝送損失を低減させることを目的として、徐冷温度を上昇し、徐冷時間を長くすると、レーリ散乱損失成分は低減するものの、徐冷炉内雰囲気を対流熱伝達率の悪いN2,Ar,空気等を使用していると、光ファイバ内に熱がたまり、光ファイバ内半径方向の温度分布の差が大きく、不均一になり、それにより、光ファイバ内の残留応力分布が変化し、結果として、別の損失成分である構造不正損失が増加する現象が生じる。
より伝送損失を低減させることを目的として、徐冷温度を上昇し、徐冷時間を長くすると、レーリ散乱損失成分は低減するものの、徐冷炉内雰囲気を対流熱伝達率の悪いN2,Ar,空気等を使用していると、光ファイバ内に熱がたまり、光ファイバ内半径方向の温度分布の差が大きく、不均一になり、それにより、光ファイバ内の残留応力分布が変化し、結果として、別の損失成分である構造不正損失が増加する現象が生じる。
図2に、Ar雰囲気で徐冷した光ファイバ素線の残留応力分布を示し、図3に通常の徐冷なしで製造した光ファイバ素線の残留応力分布を示す。図2に示すように、Ar雰囲気で徐冷した場合、光ファイバ素線の残留応力が全体的に引っ張り応力側へシフトし、コア部引っ張り応力が大きく、また、コア外周部最内層クラッドも引っ張り応力であり、その外周のクラッドも中央から外周へ向けての応力変化が非常に大きくなっている。図3に示す通常の徐冷なしで製造した光ファイバの残留応力分布と比較すると、明らかに変化している。この残留応力と構造不正損失の間にも相関があり、残留応力を起因として構造不正損失が増加していると推測される。
以上のことから、レーリ散乱を低減させることを目的として、従来技術に示した方法にて、線引き工程における光ファイバ加熱溶融後の冷却過程において、徐冷をすると、条件によっては、光ファイバ半径方向の温度分布が不均一になり、残留応力が大きくなり、構造不正損失が増加するため、目的通り損失を低減した光ファイバ素線を安定して得ることができなかった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、低損失の光ファイバ素線を効率よく製造できる製造方法の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、光ファイバ母材を加熱炉で加熱溶融し、次いで光ファイバ裸線を引き出し、次いで得られた光ファイバ裸線を徐冷し、次いで前記光ファイバ裸線を樹脂コーティング可能な温度まで冷却し、次いで光ファイバ裸線の周りにコーティング液を塗布し硬化させて、得られた光ファイバ素線を巻き取る光ファイバ素線の製造方法において、光ファイバ裸線を徐冷する際に徐冷炉を使用し、徐冷炉内の雰囲気ガスとしてHeガス又はHe含有ガスを用い、且つ徐冷炉内を1200℃〜1500℃の温度に設定して徐冷を行うことによって、コア近傍のクラッドの残留応力が圧縮応力であり、コアの残留応力が前記クラッドより小さい圧縮応力、残留応力ゼロ、又は引っ張り応力のいずれかになっている残留応力分布を有する光ファイバ素線を得ることを特徴とする光ファイバ素線の製造方法を提供する。
本発明の光ファイバ素線の製造方法において、徐冷炉の温度を、1200℃〜1500℃の範囲内の全域又は一部の温度範囲の温度勾配をつけることが好ましい。
また本発明は、前述した本発明に係る光ファイバ素線の製造方法により製造され、コアとそれを囲む少なくとも1層以上のクラッドと、該クラッドの外周に設けられた少なくとも1層以上の合成樹脂からなる被覆層とからなる光ファイバ素線であって、コア近傍のクラッドの残留応力が圧縮応力であり、コアの残留応力が前記クラッドより小さい圧縮応力、残留応力ゼロ、又は引っ張り応力のいずれかになっている残留応力分布を有することを特徴とする光ファイバ素線を提供する。
本発明の光ファイバ素線において、伝送損失が0.180dB/km以下であることが好ましい。
本発明の光ファイバ素線において、レーリ散乱損失が0.165dB/km以下であることが好ましい。
本発明の光ファイバ素線の製造方法では、光ファイバ徐冷炉内にHeガスを含有させることで、光ファイバ裸線と徐冷炉内ガス雰囲気、及び徐冷炉ヒータとの対流熱伝達率が向上し、光ファイバ温度を所望の徐冷炉温度(1200℃〜1500℃)に応答性よく変化させることができるため、レーリ散乱低減に効率のよい温度域(1200℃〜1500℃)で徐冷することができ、これにより、レーリ散乱を低下させることできる。さらに、光ファイバ半径方向の温度分布が均一になりやすい。
また、本発明では、徐冷炉温度に勾配をつけることで、仮想温度の高止まりを防ぎ、より効率よくレーリ散乱を下げることができる。
また、本発明では、光ファイバ徐冷炉内にHeを含有させることで、光ファイバ裸線と徐冷炉内ガス雰囲気、及び徐冷炉ヒータとの対流熱伝達率が向上しているため、光ファイバ内半径方向の温度分布が均一になりやすく、残留応力分布の変化も小さくなるため、構造不正損失が増加しない低損失な光ファイバを得ることができる。
また、本発明では、効率よく徐冷して製造しているため、レーリ散乱の低い低損失な光ファイバ素線を得ることができる。
また、本発明では、光ファイバ径方向の残留応力分布が最適化されているため、構造不正損失の低い低損失な光ファイバ素線を得ることができる。
また、本発明では、徐冷炉温度に勾配をつけることで、仮想温度の高止まりを防ぎ、より効率よくレーリ散乱を下げることができる。
また、本発明では、光ファイバ徐冷炉内にHeを含有させることで、光ファイバ裸線と徐冷炉内ガス雰囲気、及び徐冷炉ヒータとの対流熱伝達率が向上しているため、光ファイバ内半径方向の温度分布が均一になりやすく、残留応力分布の変化も小さくなるため、構造不正損失が増加しない低損失な光ファイバを得ることができる。
また、本発明では、効率よく徐冷して製造しているため、レーリ散乱の低い低損失な光ファイバ素線を得ることができる。
また、本発明では、光ファイバ径方向の残留応力分布が最適化されているため、構造不正損失の低い低損失な光ファイバ素線を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の光ファイバ素線の製造方法を実施するための光ファイバ素線製造装置の一例を示す構成図である。図1中、符号10は光ファイバ母材、11は紡糸炉、12は光ファイバ裸線、13は徐冷炉、14は冷却筒、15はコーター、16は架橋筒、17は光ファイバ素線、18はターンプーリー、19は引き取り部、20はダンサーロール、21は巻き取りボビンである。
図1は、本発明の光ファイバ素線の製造方法を実施するための光ファイバ素線製造装置の一例を示す構成図である。図1中、符号10は光ファイバ母材、11は紡糸炉、12は光ファイバ裸線、13は徐冷炉、14は冷却筒、15はコーター、16は架橋筒、17は光ファイバ素線、18はターンプーリー、19は引き取り部、20はダンサーロール、21は巻き取りボビンである。
本発明の光ファイバ素線の製造方法は、光ファイバ母材10を紡糸炉11にセットし、その一端側をヒータで加熱溶融し、次いで光ファイバ裸線12を引き出し、次いで、得られた光ファイバ裸線12を、徐冷炉13内を通過させながら徐冷し、次いで、この光ファイバ裸線12を冷却筒14内を通過させながら、樹脂コーティング可能な温度まで冷却し、次いで冷却された光ファイバ裸線12をコーター15に導入してコーティング液を塗布し、次いで、これを架橋筒16に導入してコーティング液を硬化させ、光ファイバ裸線12の外周に合成樹脂からなる被覆層を形成して光ファイバ素線17を製造する。得られた光ファイバ素線17は、ターンプーリー18、引き取り部19、ダンサーロール20を経て移動させ、巻き取りボビン21に巻き取る。
本発明の製造方法において、光ファイバ母材10は、石英ガラスからなり、コアとそれを囲むクラッドとを有する各種の光ファイバ製造用の光ファイバ母材を用いることができる。この各種の光ファイバは特に限定されず、例えば、シングルモード光ファイバ、マルチモード光ファイバ、希土類添加光ファイバ、希土類添加ダブルクラッドファイバ、ホーリーファイバなどが挙げられる。
本発明の製造方法において、光ファイバ裸線12の外周に設けられる被覆層の材料は、従来公知の各種の合成樹脂材料の中から適宜選択して用いることができ、例えば、紫外線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂等が好適に用いられる。また、光ファイバ裸線12外周に塗布したコーティング液を効果させる架橋筒16は、前記被覆層の使用樹脂に応じて変更され、前記紫外線硬化型樹脂を用いる場合には、紫外線ランプを内蔵し、紫外線をコーティング樹脂に照射する架橋筒16が用いられ、前記熱硬化型樹脂を用いる場合には、加熱ヒータを内蔵し、コーティング樹脂を加熱硬化させる架橋筒16が用いられる。なお、光ファイバ裸線12の外周に設けられる被覆層は、1層に限定されず、異なる樹脂からなる被覆層を2層以上設けても良い。
本発明の製造方法は、光ファイバ裸線12を徐冷する際に徐冷炉13を使用し、徐冷炉13内の雰囲気ガスとしてHeガス又はHe含有ガスを用い、且つ徐冷炉13内を1200℃〜1500℃の温度に設定して徐冷を行うことによって、コア近傍のクラッドの残留応力が圧縮応力であり、コアの残留応力が前記クラッドより小さい圧縮応力、残留応力ゼロ、又は引っ張り応力のいずれかになっている残留応力分布を有する光ファイバ素線17を得ることを特徴としている。
Heガスは、アルゴン(Ar)ガスと比較し、熱伝導率が10倍も大きいので、アルゴンガスよりも光ファイバとガス間、またガスと徐冷炉ヒータ間の熱伝達の応答性が良くなる。つまり、徐冷炉13のヒータから生じた熱は、雰囲気ガスへ伝熱し、暖められたガスは、ファイバへ伝熱する。逆に、ファイバの熱は、速やかに雰囲気ガスへ伝熱し、ガスから徐冷炉内壁などに伝熱する。これにより、光ファイバ半径方向の温度分布(例えば、光ファイバ中心と外周の温度)の差は小さくなり、結果として、ガラスの粘度差が小さくなり、線引き張力が均一に負担され、残留応力が比較的徐冷を行っていない場合に近付き、構造不正損失が増加しない。
しかしながら、Heガスを導入すると、熱への応答性が良くなるため、光ファイバ温度は、徐冷炉温度と同じ温度まで急激に変化してしまう。つまり、低損失化のために行う徐冷効果を得るために、光ファイバの構造緩和が十分に短時間で生じる温度域に徐冷温度を合わせる必要がある。この温度として、1200℃〜1500℃の範囲内とすることが望ましい。これにより、光ファイバの構造緩和が生じ、仮想温度が低下し、結果としてレーリ散乱損失が低下する。
さらに言えば、この徐冷炉温度に前記温度範囲内で温度勾配を設けることが望ましい。これは、高温では短時間で仮想温度が低下するのに対し、低温では、この時間が長くなるが、ファイバの持つ仮想温度に応じた温度にて徐冷を行うことで、最短時間で、低仮想温度まで下げることができることに加え、仮想温度が高温で高止まりしてしまうことを防ぐことができる。徐冷炉の温度を一定とした場合、設定温度が高温の場合には、レーリ散乱の低下速度は速いが、設定温度に応じた構造緩和しか起こらず、仮想温度が高止まりし、レーリ散乱も十分に下がらない。一方、低温の場合、上記のように構造緩和に時間がかかり、仮想温度低下に時間がかかる。そこで、徐冷炉温度に温度勾配をつけることで、仮想温度の低下速度を保ちつつ、仮想温度の低下の高止まりを防ぐことができるため、効率的にレーリ散乱を下げることができる。
一方、光ファイバ温度が1500℃以上の温度域においては、光ファイバ裸線12の粘度が低く、徐冷過程において激しく延伸されているために、外径変動が発生し、線引きすることが難しい。
さらに、光ファイバ温度が1200℃以下の温度域においては、レーリ散乱低下に要する時間が長くなり、線引き速度を極端に遅くする必要があり、生産性が悪くなり、現実的ではない。レーリ散乱は、仮想温度に依存し、この仮想温度が、光ファイバ徐冷過程に依存する。仮想温度は、構造緩和時間に依存し、高温では構造緩和が速く、低温では遅くなる。
さらに、光ファイバ温度が1200℃以下の温度域においては、レーリ散乱低下に要する時間が長くなり、線引き速度を極端に遅くする必要があり、生産性が悪くなり、現実的ではない。レーリ散乱は、仮想温度に依存し、この仮想温度が、光ファイバ徐冷過程に依存する。仮想温度は、構造緩和時間に依存し、高温では構造緩和が速く、低温では遅くなる。
以上のような製造方法にて製造された光ファイバ素線17は、次のような特徴を持つ。
得られた光ファイバ素線17は、コアとその周囲をなす少なくとも1層以上のクラッドとその外周に設けられた1層以上の被覆層とからなり、コア直近外層クラッドにおける光軸方向の残留応力の半径方向分布は、その半径方向のほぼ全域(層境界を除く)において、圧縮応力であり、かつ、コアの残留応力が、前記最内層クラッドより圧縮応力が小さいか、又は引っ張り応力側へ反転している。このような残留応力分布となることで、従来での線引き時とコア近傍においては同様な応力分布となるため、構造不正損失の増加しない光ファイバ素線17となる。
得られた光ファイバ素線17は、コアとその周囲をなす少なくとも1層以上のクラッドとその外周に設けられた1層以上の被覆層とからなり、コア直近外層クラッドにおける光軸方向の残留応力の半径方向分布は、その半径方向のほぼ全域(層境界を除く)において、圧縮応力であり、かつ、コアの残留応力が、前記最内層クラッドより圧縮応力が小さいか、又は引っ張り応力側へ反転している。このような残留応力分布となることで、従来での線引き時とコア近傍においては同様な応力分布となるため、構造不正損失の増加しない光ファイバ素線17となる。
以上より、本製造方法によって製造された光ファイバ素線は、徐冷しているために、レーリ散乱損失が低く、さらに、徐冷時の光ファイバ半径方向の温度分布が均一なため、残留応力分布が比較的均一となり、構造不正損失が増加しないことから、結果として、損失0.180dB/km以下、特にレーリ散乱損失が0.165dB/km以下である光ファイバ素線17を得ることができる。
[実施例1]
光ファイバ母材を加熱溶融し、ついで、引き出した光ファイバ裸線に対し、徐冷炉による徐冷を行い、徐冷炉内雰囲気をHeガスとし、徐冷炉温度を1500℃一定として線引きした。得られた光ファイバ素線の波長1.55μmでのレーリ散乱損失、及び構造不正損失はそれぞれ、0.160dB/km、0.01dB/kmであり、全損失は、0.179dB/kmであった。また、得られた光ファイバ素線の径方向の残留応力分布を図4の実施例1のグラフに示す。図4の実施例1のグラフより、コア近傍クラッドの残留応力は圧縮応力であり、かつ、コアの残留応力は、コア近傍の残留応力と比べ、低圧縮応力側へシフト(ほぼ応力0程度)しており、その差は10MPa以下であった。
光ファイバ母材を加熱溶融し、ついで、引き出した光ファイバ裸線に対し、徐冷炉による徐冷を行い、徐冷炉内雰囲気をHeガスとし、徐冷炉温度を1500℃一定として線引きした。得られた光ファイバ素線の波長1.55μmでのレーリ散乱損失、及び構造不正損失はそれぞれ、0.160dB/km、0.01dB/kmであり、全損失は、0.179dB/kmであった。また、得られた光ファイバ素線の径方向の残留応力分布を図4の実施例1のグラフに示す。図4の実施例1のグラフより、コア近傍クラッドの残留応力は圧縮応力であり、かつ、コアの残留応力は、コア近傍の残留応力と比べ、低圧縮応力側へシフト(ほぼ応力0程度)しており、その差は10MPa以下であった。
[実施例2]
光ファイバ母材を加熱溶融し、ついで、引き出した光ファイバ裸線に対し、徐冷炉による徐冷を行い、徐冷炉内雰囲気をHeガスとし、徐冷炉温度を1200℃一定として線引きした。得られた光ファイバ素線の波長1.55μmでのレーリ散乱損失、及び構造不正損失はそれぞれ、0.161dB/km、0.01dB/kmであり、全損失は、0.180dB/kmであった。また、得られた光ファイバ素線の径方向の残留応力分布を図4の実施例2のグラフに示す。図4の実施例2のグラフより、コア近傍クラッドの残留応力は圧縮応力であり、かつ、コアの残留応力は引っ張り応力であり、その差は20MPa以下であった。
光ファイバ母材を加熱溶融し、ついで、引き出した光ファイバ裸線に対し、徐冷炉による徐冷を行い、徐冷炉内雰囲気をHeガスとし、徐冷炉温度を1200℃一定として線引きした。得られた光ファイバ素線の波長1.55μmでのレーリ散乱損失、及び構造不正損失はそれぞれ、0.161dB/km、0.01dB/kmであり、全損失は、0.180dB/kmであった。また、得られた光ファイバ素線の径方向の残留応力分布を図4の実施例2のグラフに示す。図4の実施例2のグラフより、コア近傍クラッドの残留応力は圧縮応力であり、かつ、コアの残留応力は引っ張り応力であり、その差は20MPa以下であった。
[実施例3]
光ファイバ母材を加熱溶融し、ついで、引き出した光ファイバ裸線に対し、徐冷炉による徐冷を行い、徐冷炉内雰囲気をHeガス50%とArガス50%の混合ガスとし、徐冷炉温度を1300℃一定として線引きした。得られた光ファイバ素線の波長1.55μmでのレーリ散乱損失、及び構造不正損失はそれぞれ、0.160dB/km、0.01dB/kmであり、全損失は、0.179dB/kmであった。また、得られた光ファイバ素線の径方向の残留応力分布を図4の実施例3のグラフに示す。図4の実施例3のグラフより、コア近傍クラッドの残留応力は圧縮応力であり、かつ、コアの残留応力は引っ張り応力であり、その差は20MPa以下であった。
光ファイバ母材を加熱溶融し、ついで、引き出した光ファイバ裸線に対し、徐冷炉による徐冷を行い、徐冷炉内雰囲気をHeガス50%とArガス50%の混合ガスとし、徐冷炉温度を1300℃一定として線引きした。得られた光ファイバ素線の波長1.55μmでのレーリ散乱損失、及び構造不正損失はそれぞれ、0.160dB/km、0.01dB/kmであり、全損失は、0.179dB/kmであった。また、得られた光ファイバ素線の径方向の残留応力分布を図4の実施例3のグラフに示す。図4の実施例3のグラフより、コア近傍クラッドの残留応力は圧縮応力であり、かつ、コアの残留応力は引っ張り応力であり、その差は20MPa以下であった。
[実施例4]
光ファイバ母材を加熱溶融し、ついで、引き出した光ファイバ裸線に対し、徐冷炉による徐冷を行い、徐冷炉内雰囲気をHeガスとし、徐冷炉温度を1200℃〜1500℃の範囲内にて勾配をつけて線引きした。得られた光ファイバ素線の波長1.55μmでのレーリ散乱損失、及び構造不正損失はそれぞれ、0.156dB/km、0.01dB/kmであり、全損失は、0.175dB/kmであった。また、得られた光ファイバ素線の径方向の残留応力分布を図5の実施例4のグラフに示す。図5の実施例4のグラフより、コア近傍クラッドの残留応力は圧縮応力であり、かつ、コアの残留応力はほぼ0であり、その差は10MPa以下であった。
光ファイバ母材を加熱溶融し、ついで、引き出した光ファイバ裸線に対し、徐冷炉による徐冷を行い、徐冷炉内雰囲気をHeガスとし、徐冷炉温度を1200℃〜1500℃の範囲内にて勾配をつけて線引きした。得られた光ファイバ素線の波長1.55μmでのレーリ散乱損失、及び構造不正損失はそれぞれ、0.156dB/km、0.01dB/kmであり、全損失は、0.175dB/kmであった。また、得られた光ファイバ素線の径方向の残留応力分布を図5の実施例4のグラフに示す。図5の実施例4のグラフより、コア近傍クラッドの残留応力は圧縮応力であり、かつ、コアの残留応力はほぼ0であり、その差は10MPa以下であった。
[実施例5]
光ファイバ母材を加熱溶融し、ついで、引き出した光ファイバ裸線に対し、徐冷炉による徐冷を行い、徐冷炉内雰囲気をHeガスとし、徐冷炉温度を1300℃〜1400℃の範囲内にて勾配をつけて線引きした。得られた光ファイバ素線の波長1.55μmでのレーリ散乱損失、及び構造不正損失はそれぞれ、0.158dB/km、0.01dB/kmであり、全損失は、0.177dB/kmであった。また、得られた光ファイバ素線の径方向の残留応力分布を図5の実施例5のグラフに示す。図5の実施例5のグラフより、コア近傍クラッドの残留応力は圧縮応力であり、かつ、コアの残留応力はほぼ0であり、その差は15MPa以下であった。
光ファイバ母材を加熱溶融し、ついで、引き出した光ファイバ裸線に対し、徐冷炉による徐冷を行い、徐冷炉内雰囲気をHeガスとし、徐冷炉温度を1300℃〜1400℃の範囲内にて勾配をつけて線引きした。得られた光ファイバ素線の波長1.55μmでのレーリ散乱損失、及び構造不正損失はそれぞれ、0.158dB/km、0.01dB/kmであり、全損失は、0.177dB/kmであった。また、得られた光ファイバ素線の径方向の残留応力分布を図5の実施例5のグラフに示す。図5の実施例5のグラフより、コア近傍クラッドの残留応力は圧縮応力であり、かつ、コアの残留応力はほぼ0であり、その差は15MPa以下であった。
[比較例1]
光ファイバ母材を加熱溶融し、ついで、引き出した光ファイバ裸線に対し、徐冷炉による徐冷を行わずに線引きした。得られた光ファイバ素線の波長1.55μmでのレーリ散乱損失、及び構造不正損失はそれぞれ、0.170dB/km、0.01dB/kmであり、全損失は、0.188dB/kmであった。また、得られた光ファイバ素線の径方向の残留応力分布を図3に示す。図3のグラフより、コア近傍クラッドの残留応力は圧縮応力であり、かつ、コアの残留応力はほぼ0か、若干圧縮応力であり、その差は15MPa以下であった。外側クラッドの残留応力が外側へ行くほど引っ張り応力が大きくなっているのは、徐冷を行っていないために、光ファイバ外側から冷却されていることが原因である。
光ファイバ母材を加熱溶融し、ついで、引き出した光ファイバ裸線に対し、徐冷炉による徐冷を行わずに線引きした。得られた光ファイバ素線の波長1.55μmでのレーリ散乱損失、及び構造不正損失はそれぞれ、0.170dB/km、0.01dB/kmであり、全損失は、0.188dB/kmであった。また、得られた光ファイバ素線の径方向の残留応力分布を図3に示す。図3のグラフより、コア近傍クラッドの残留応力は圧縮応力であり、かつ、コアの残留応力はほぼ0か、若干圧縮応力であり、その差は15MPa以下であった。外側クラッドの残留応力が外側へ行くほど引っ張り応力が大きくなっているのは、徐冷を行っていないために、光ファイバ外側から冷却されていることが原因である。
[比較例2]
光ファイバ母材を加熱溶融し、ついで、引き出した光ファイバ裸線に対し、徐冷炉による徐冷を行い、徐冷炉内雰囲気をArガスとし、徐冷炉温度を1400℃一定として線引きした。得られた光ファイバ素線の波長1.55μmでのレーリ散乱損失、及び構造不正損失はそれぞれ、0.159dB/km、0.02dB/kmであり、全損失は、0.188dB/kmであった。得られた光ファイバ素線の径方向の残留応力分布を図2に示す。図2のグラフより、コア近傍クラッドの残留応力は引っ張り応力であり、かつ、コアの残留応力もまた引っ張り応力であり、その差は20MPa以下であった。
光ファイバ母材を加熱溶融し、ついで、引き出した光ファイバ裸線に対し、徐冷炉による徐冷を行い、徐冷炉内雰囲気をArガスとし、徐冷炉温度を1400℃一定として線引きした。得られた光ファイバ素線の波長1.55μmでのレーリ散乱損失、及び構造不正損失はそれぞれ、0.159dB/km、0.02dB/kmであり、全損失は、0.188dB/kmであった。得られた光ファイバ素線の径方向の残留応力分布を図2に示す。図2のグラフより、コア近傍クラッドの残留応力は引っ張り応力であり、かつ、コアの残留応力もまた引っ張り応力であり、その差は20MPa以下であった。
[比較例3]
光ファイバ母材を加熱溶融し、ついで、引き出した光ファイバ裸線に対し、徐冷炉による徐冷を行い、徐冷炉内雰囲気をHeガスとし、徐冷炉温度を1600℃一定として線引きを試みたが、徐冷温度が高温であるため、光ファイバ裸線が徐冷炉内部で延伸されてしまい、安定した外径を保つことができず、線引きが不可能であった。
光ファイバ母材を加熱溶融し、ついで、引き出した光ファイバ裸線に対し、徐冷炉による徐冷を行い、徐冷炉内雰囲気をHeガスとし、徐冷炉温度を1600℃一定として線引きを試みたが、徐冷温度が高温であるため、光ファイバ裸線が徐冷炉内部で延伸されてしまい、安定した外径を保つことができず、線引きが不可能であった。
[比較例4]
光ファイバ母材を加熱溶融し、ついで、引き出した光ファイバ裸線に対し、徐冷炉による徐冷を行い、徐冷炉内雰囲気をHeガスとし、徐冷炉温度を1100℃一定として線引きした。得られた光ファイバ素線の波長1.55μmでのレーリ散乱損失、及び構造不正損失はそれぞれ、0.169dB/km、0.01dB/kmであり、全損失は、0.188dB/kmであった。得られた光ファイバ素線の径方向の残留応力分布を図6に示す。図6のグラフより、コア近傍クラッドの残留応力は圧縮応力であり、かつ、コアの残留応力は引っ張り応力であり、その差は20MPa以下であった。
以上の結果を表1にまとめて記す。
光ファイバ母材を加熱溶融し、ついで、引き出した光ファイバ裸線に対し、徐冷炉による徐冷を行い、徐冷炉内雰囲気をHeガスとし、徐冷炉温度を1100℃一定として線引きした。得られた光ファイバ素線の波長1.55μmでのレーリ散乱損失、及び構造不正損失はそれぞれ、0.169dB/km、0.01dB/kmであり、全損失は、0.188dB/kmであった。得られた光ファイバ素線の径方向の残留応力分布を図6に示す。図6のグラフより、コア近傍クラッドの残留応力は圧縮応力であり、かつ、コアの残留応力は引っ張り応力であり、その差は20MPa以下であった。
以上の結果を表1にまとめて記す。
表1に示した結果より、光ファイバ線引き時に徐冷炉が無い場合は、レーリ散乱損失が下がらないため、低損失光ファイバが得られない。
また、徐冷炉内雰囲気がArガスであると、残留応力波形が異常となるため、低損失光ファイバが得られない。一方、ArガスとHeガスとの混合ガスは、低損失光ファイバが得られる。
また、徐冷温度が1100℃以下であると、レーリ散乱が十分低下せず、徐冷温度が1600℃以上であると、紡糸困難となるため、低損失光ファイバが得られないことがわかる。
さらに、徐冷炉の温度勾配の有無では、所定の温度範囲であれば、温度一定でも、損失は0.180dB/km以下になるが、温度勾配をつけた方がより低損失の光ファイバが得られることが分かる。
また、徐冷炉内雰囲気がArガスであると、残留応力波形が異常となるため、低損失光ファイバが得られない。一方、ArガスとHeガスとの混合ガスは、低損失光ファイバが得られる。
また、徐冷温度が1100℃以下であると、レーリ散乱が十分低下せず、徐冷温度が1600℃以上であると、紡糸困難となるため、低損失光ファイバが得られないことがわかる。
さらに、徐冷炉の温度勾配の有無では、所定の温度範囲であれば、温度一定でも、損失は0.180dB/km以下になるが、温度勾配をつけた方がより低損失の光ファイバが得られることが分かる。
10…光ファイバ母材、11…紡糸炉、12…光ファイバ裸線、13…徐冷炉、14…冷却筒、15…コーター、16…架橋筒、17…光ファイバ素線、18…ターンプーリー、19…引き取り部、20…ダンサーロール、21…巻き取りボビン。
Claims (5)
- 光ファイバ母材を加熱炉で加熱溶融し、次いで光ファイバ裸線を引き出し、次いで得られた光ファイバ裸線を徐冷し、次いで前記光ファイバ裸線を樹脂コーティング可能な温度まで冷却し、次いで光ファイバ裸線の周りにコーティング液を塗布し硬化させて、得られた光ファイバ素線を巻き取る光ファイバ素線の製造方法において、
光ファイバ裸線を徐冷する際に徐冷炉を使用し、徐冷炉内の雰囲気ガスとしてHeガス又はHe含有ガスを用い、且つ徐冷炉内を1200℃〜1500℃の温度に設定して徐冷を行うことによって、コア近傍のクラッドの残留応力が圧縮応力であり、コアの残留応力が前記クラッドより小さい圧縮応力、残留応力ゼロ、又は引っ張り応力のいずれかになっている残留応力分布を有する光ファイバ素線を得ることを特徴とする光ファイバ素線の製造方法。 - 徐冷炉の温度を、1200℃〜1500℃の範囲内の全域又は一部の温度範囲の温度勾配をつけることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ素線の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の光ファイバ素線の製造方法により製造され、コアとそれを囲む少なくとも1層以上のクラッドと、該クラッドの外周に設けられた少なくとも1層以上の合成樹脂からなる被覆層とからなる光ファイバ素線であって、
コア近傍のクラッドの残留応力が圧縮応力であり、コアの残留応力が前記クラッドより小さい圧縮応力、残留応力ゼロ、又は引っ張り応力のいずれかになっている残留応力分布を有することを特徴とする光ファイバ素線。 - 伝送損失が0.180dB/km以下であることを特徴とする請求項3に記載の光ファイバ素線。
- レーリ散乱損失が0.165dB/km以下であることを特徴とする請求項3又は4に記載の光ファイバ素線。
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