JP2000098962A - 固定画素表示装置および固定画素表示方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】フォーマットの異なる信号を解像度変換して表
示でき、その解像度変換のためのハードウェアをより簡
易で安価なものとすることができる固定画素表示装置を
提供する。 【解決手段】垂直有効ライン数が３６０本のＰＤＰ８を
有し、垂直有効ライン数がＰＤＰ８の垂直有効ライン数
と異なるフォーマットの映像信号を表示可能な固定画素
表示装置であって、上記映像信号をデジタル変換するＡ
／Ｄ変換回路２と、そのデジタル変換された信号を走査
線単位に拡大または圧縮して垂直有効ライン数が３６０
本の信号に解像度変換する解像度変換回路３と、該解像
度変換された信号をＰＤＰ８の駆動に適した信号に並び
替える並び替え回路５とを有する。水平ドライバ群７
は、その並び替えられた信号をアドレスデータとしてＰ
ＤＰ８への書き込みを行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えばテレビ受像
器に用いられているプラズマディスプレイなど、垂直有
効ライン数が固定の表示パネルを有する固定画素表示装
置に関する。さらには、フォーマットの異なる映像信号
を表示パネルに表示する固定画素表示方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】現在、テレビ受像器として用いられてい
る固定画素表示装置は、垂直有効ライン数が４８０本の
ものが主である。これに対して、今後、実用化が予想さ
れるデジタル放送の信号フォーマットは、垂直有効ライ
ン数が２４０本、４８０本、７２０本、５４０本、１０
８０本と数種類にわたる。このため、フォーマット（垂
直有効ライン数）の異なる映像信号を予め設定された所
定のフォーマット（垂直有効ライン数）の信号に変換す
ることができる垂直解像度変換回路が求められている。

【０００３】従来は、垂直有効ライン数が４８０本のデ
ィスプレイに、垂直有効ライン数が７２０本の放送信号
フォーマットの映像信号を表示させる場合、例えば図５
に示すように、垂直有効ラインＡ〜Ｃの３本分の信号か
ら垂直有効ラインＡ’，Ｂ’の２本分の信号を生成する
ことで表示を行っていた。この垂直有効ラインＡ’，
Ｂ’への変換は、２種類のフィルタ回路を用いることで
実現される。

【０００４】また、信号フォーマットの変換が可能な表
示装置の一例として、特開平6-276462号公報に開示され
るようなプラズマディスプレイ装置がある。図６に、そ
のプラズマディスプレイ装置の概略構成を示す。

【０００５】図６に示すプラズマディスプレイ装置は、
走査線毎の表示画素数、走査線数および走査周波数が予
め所定の値に設定されている。表示部１２１は同期発生
部１１５、データ制御部１１６、制御部１１７、ドライ
バー制御部１１８、メモリ１１９、プラズマディスプレ
イパネル１２０からなる周知のものである。このプラズ
マディスプレイ装置には、この他に位相同期回路（ＰＬ
Ｌ）１０３〜１０５、垂直フィルタ１０７、フィールド
メモリ１０８、水平フィルタ回路１０９、ラインメモリ
１１０、切換器１１１からなる変換回路が設けられてい
る。

【０００６】垂直フィルタ回路１０７は入力端子１０６
を介して入力された信号フォーマットの異なる映像信号
の水平走査線数を変換する。この垂直フィルタ回路１０
７にて変換された信号は、フィールドメモリ１０８に一
旦格納される。水平フィルタ回路１０９は、フィールド
メモリ１０８から読み出した信号の走査線毎の画素数を
変換する。この水平フィルタ回路１０９にて変換された
信号は、ラインメモリ１１０に一旦格納される。切換器
１１は、入力端子１１２を介して入力される標準映像信
号が一方の入力に、ラインメモリ１１０から読み出した
信号が他方の入力になっており、これら入力の切り換え
を行う。

【０００７】このプラズマディスプレイ装置では、標準
映像信号は入力端子１１２を介して入力される。切換器
１１１でこの標準映像信号を選択することで、表示部１
２１に標準映像信号に基づく映像が表示される。

【０００８】一方、フォーマットの異なる映像信号は、
入力端子１０６を介して入力される。この映像信号は垂
直フィルタ回路１０７で水平走査線数が変換されるとと
もに、水平フィルタ回路１０９で走査線毎の画素数が変
換される。これにより、表示部１２１で表示できるフォ
ーマットに変換される。切換器１１１で入力切換を行う
ことで、その変換された信号が選択されて、表示部１２
１にその変換された信号に基づく映像が表示される。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】上述したように、フォ
ーマットの異なる信号を予め設定された標準フォーマッ
トに変換するためには解像度変換回路が必要となるが、
従来使用されていた解像度変換回路はまだまだハードウ
ェア規模が大きく、高価であった。そのため、解像度変
換をいかに簡易で安価な構成で実現するかが課題の１つ
に挙げられていた。例えば、上述の図５に示した解像度
変換では２種類の補間係数（２種類のフィルタ回路）を
必要とするが、補間係数が多くなるとハードウェア規模
が大きくなるとともに高価なものになってしまうため、
このような解像度変換をいかに少ない補間係数で変換で
きるようにするかが課題になっていた。

【００１０】上述の特開平6-276462号公報に記載のプラ
ズマディスプレイ装置においては、フォーマットの異な
る信号を予め設定された標準フォーマットに変換するこ
とはできるものの、やはりその変換回路はハードウェア
規模が大きく、上述のように低コスト化、簡易化の面で
の課題が残されている。

【００１１】本発明の目的は、フォーマットの異なる信
号を解像度変換して表示することができるとともに、そ
の解像度変換のためのハードウェアをより簡易で安価な
ものとすることができる、固定画素表示装置および固定
画素表示方法を提供することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の固定画素表示装置は、垂直有効ライン数が
固定の表示パネルを有し、垂直有効ライン数が前記表示
パネルの垂直有効ライン数と異なるフォーマットの映像
信号を表示可能な固定画素表示装置であって、前記表示
パネルは、その垂直有効ライン数が３６０本となるよう
に構成され、前記映像信号をデジタル変換した信号を走
査線単位に拡大または圧縮して垂直有効ライン数が３６
０本の信号に変換する解像度変換手段と、前記解像度変
換手段にて変換された信号を、前記表示パネルの駆動に
適した信号に並び替える並び替え手段と、前記並び替え
手段にて並び替えられた信号をアドレスデータとして表
示パネルへの書き込みを行うドライバ手段と、を有する
ことを特徴とする。

【００１３】本発明の固定画素表示方法は、垂直有効ラ
イン数が固定の表示パネルに、垂直有効ライン数が前記
表示パネルの垂直有効ライン数と異なるフォーマットの
映像信号を表示する方法であって、前記表示パネルとし
て垂直有効ライン数が３６０本の表示パネルを使用する
ようにし、前記映像信号をデジタル変換した信号を走査
線単位に拡大または圧縮して垂直有効ライン数が３６０
本の信号に解像度変換し、該解像度変換された信号を前
記表示パネルの駆動に適した信号に並び替え、該並び替
えられた信号をアドレスデータとして前記表示パネルへ
書き込む行うことを特徴とする。

【００１４】（作用）上記のとおりの本発明において
は、表示パネルの垂直有効ライン数は３６０本とされて
おり、例えば、デジタル放送の各種信号フォーマットの
映像信号（垂直有効ライン数が２４０本、４８０本、７
２０本、５４０本、１０８０本）はいずれも垂直有効ラ
イン数が３６０本の信号に解像度変換されて表示され
る。詳しくは実施形態のところで説明するが、この３６
０本への解像度変換では、前述した従来の４８０本への
解像度変換に比べて、補間係数の種類が少なくなる。

【００１５】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。

【００１６】図１に、本発明の固定画素表示装置の一実
施形態であるプラズマディスプレイの概略構成を示す。
このプラズマディスプレイは、Ａ／Ｄ変換回路２、解像
度変換回路３、解像度変換用メモリ４、並べ替え回路
５、垂直ドライバ群６、水平ドライバ群７、プラズマデ
ィスプレイパネル（ＰＤＰ）８、タイミング発生回路９
を有する。

【００１７】Ａ／Ｄ変換回路２は、入力された映像信号
１（アナログ信号）をデジタル信号に変換する。入力さ
れる映像信号１は、垂直有効ライン数が２４０本、４８
０本、７２０本、５４０本、１０８０本などの各種信号
フォーマットの映像信号である。

【００１８】解像度変換回路３は、Ａ／Ｄ変換回路２か
ら出力された映像信号（デジタル信号）を走査線単位に
拡大または圧縮して、その垂直有効ライン数が３６０本
になるように解像度変換を行う。解像度変換用メモリ４
は、解像度変換後のデータを一旦格納する。

【００１９】並べ替え回路５は、解像度変換用メモリ４
から読み出された、垂直有効ライン数が３６０本の信号
について、サブフィールド展開などを行い、ＰＤＰ８の
駆動に適した信号に並び替える。ＰＤＰ８は垂直有効ラ
イン数が３６０本のディスプレイである。

【００２０】タイミング発生回路９は、映像信号１の水
平・垂直同期信号に同期した、各回路の駆動タイミング
を発生する。垂直ドライバ群６は、タイミング発生回路
９にて発生された駆動タイミングに基づいてＰＤＰ８の
走査線を選択する。水平ドライバ群７は、タイミング発
生回路９にて発生された駆動タイミングに基づいて、垂
直ドライバ群６によって選択された走査線上の所定の画
素に、並べ替え回路５から出力された信号（アドレスデ
ータ）を書き込む。

【００２１】次に、このプラズマディスプレイの動作に
ついて説明する。

【００２２】図２（ａ）に示すような垂直有効ライン数
がＡ本の映像信号１が入力されると、その入力された映
像信号１はＡ／Ｄ変換回路２にてデジタル信号に変換さ
れた後、解像度変換回路３にて走査線単位に拡大または
圧縮されて、図２（ｂ）に示すような垂直有効ライン数
が３６０本の信号に解像度変換される。例えば、映像信
号１が３６０本より少ない場合は、図３（ａ）に示すよ
うに拡大することにより垂直有効ライン数が３６０本の
信号に解像度変換され、映像信号１が３６０本より多い
場合は、図３（ｂ）に示すように圧縮することにより垂
直有効ライン数が３６０本の信号に解像度変換される。

【００２３】解像度変換回路３にて垂直有効ライン数が
３６０本の信号に解像度変換された信号は、並べ替え回
路５に入力されてＰＤＰ８の駆動に適した信号に並び替
えられる。そして、この並び替えられた信号がアドレス
データとして水平ドライバ群７に入力される。水平ドラ
イバ群７は、入力されたアドレスデータに従って、垂直
ドライバ群６によって選択された走査線上の所定の画素
にデータを書き込む。これにより、ＰＤＰ８には、映像
信号１の垂直有効ライン数を３６０本にした映像が表示
されることになる。

【００２４】映像信号１として、デジタル放送の信号フ
ォーマットの１つである、垂直有効ライン数が７２０本
の順次走査の信号が入力された場合の、解像度変換回路
３における解像度変換の一例を図４に示す。

【００２５】この場合の解像度変換では、垂直有効ライ
ン数が７２０本の信号を走査線単位に圧縮して垂直有効
ライン数が３６０本の信号にする処理が行われる。原理
的には、図４に示すように、変換前の映像信号の２本分
の信号を圧縮して１本分の信号にすることで、垂直有効
ライン数が７２０本の信号を垂直有効ライン数が３６０
本の信号に変換することができる。

【００２６】図４に示したような解像度変換を行う方法
としてはいくつかの方法がある。例えば、Ａ，Ｂの上下
２ラインから、 Ａ’＝１／２×Ａ＋１／２×Ｂ の式を用いて行うことにより、図４に示したような解像
度変換を行うことができる。

【００２７】上述の解像度変換は、入力される映像信号
の垂直有効ライン数によって異なる。以下に、デジタル
放送の各種信号フォーマットの映像信号を表示する場合
の解像度変換例を挙げる。

【００２８】（１）垂直有効ライン数が４８０本のイン
ターレースフォーマット２本分の信号を拡大して３本分
の信号にする（２→３変換）。

【００２９】（２）垂直有効ライン数が４８０本のプロ
グレッシブフォーマット４本分の信号を圧縮して３本分
の信号にする（４→３変換）。

【００３０】（３）垂直有効ライン数が７２０本のプロ
グレッシブフォーマット２本分の信号を圧縮して１本分
の信号にする（２→１変換）。

【００３１】（４）垂直有効ライン数が１０８０本のイ
ンターレースフォーマット３本分の信号を圧縮して２本
分の信号にする（３→２変換）。

【００３２】（５）垂直有効ライン数が１０８０本のプ
ログレッシブフォーマット３本分の信号を圧縮して１本
分の信号にする（３→１変換）。

【００３３】上述のように、本形態のプラズマディスプ
レイでは、フォーマットの異なる映像信号は、映像信号
の垂直有効ライン数とＰＤＰ８の垂直有効ライン数と
の、それぞれを公約数で除した比に応じて、走査線単位
に信号が拡大または圧縮されることにより、垂直有効ラ
イン数が３６０本の信号に解像度変換される。この解像
度変換のための回路は、従来の変換回路と比べて、回路
構成が簡単で、安価である。その理由は、以下のような
ことによる。

【００３４】例えば、ディスプレイの垂直有効ライン数
が４８０本である従来のものにおいては、垂直有効ライ
ン数が７２０本の映像信号を表示する場合、図５に示し
たように２種類の補間係数が必要となる。これに対し
て、本形態のプラズマディスプレイでは、垂直有効ライ
ン数が７２０本の映像信号を表示する場合、図４に示し
たように補間係数は１種類で十分である。よって、本形
態の構成によれば、解像度変換のためのハードウェアを
簡易化できるとともにコストも下げることができる。

【００３５】

【発明の効果】以上説明したように、３６０本への解像
度変換が行われる本発明によれば、従来の４８０本への
解像度変換に比べて、補間係数の種類が少なくてすむの
で、その解像度変換のためのハードウェアの構成をより
簡易で、安価なものとすることができるという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の固定画素表示装置の一実施形態である
プラズマディスプレイの概略構成を示すブロック図であ
る。

【図２】（ａ）は垂直有効ライン数がＡ本の映像信号の
一例を示す図で、（ｂ）は（ａ）の映像信号を垂直有効
ライン数が３６０本の信号に解像度変換した一例を示す
図である。

【図３】（ａ）は垂直有効ライン数が３６０本未満の映
像信号の解像度変換の一例を示す図で、（ｂ）は垂直有
効ライン数が３６０本を超える映像信号の解像度変換の
一例を示す図である。

【図４】図１に示した解像度変換回路における、垂直有
効ライン数が７２０本の映像信号の解像度変換の一例を
示す図である。

【図５】垂直有効ライン数が４８０本のディスプレイ
に、垂直有効ライン数が７２０本の映像信号を表示させ
る場合の解像度変換の一例を示す図である。

【図６】特開平6-276462号公報に開示されたプラズマデ
ィスプレイ装置の概略構成を示すブロック図である。

【符号の説明】

２ Ａ／Ｄ変換回路 ３ 解像度変換回路 ４ 解像度変換用メモリ ５ 並べ替え回路 ６ 垂直ドライバ群 ７ 水平ドライバ群 ８ プラズマディスプレイパネル（ＰＤＰ） ９ タイミング発生回路

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 垂直有効ライン数が固定の表示パネルを
   有し、垂直有効ライン数が前記表示パネルの垂直有効ラ
   イン数と異なるフォーマットの映像信号を表示可能な固
   定画素表示装置であって、 前記表示パネルは、その垂直有効ライン数が３６０本と
   なるように構成され、 前記映像信号をデジタル変換した信号を走査線単位に拡
   大または圧縮して垂直有効ライン数が３６０本の信号に
   変換する解像度変換手段と、 前記解像度変換手段にて変換された信号を、前記表示パ
   ネルの駆動に適した信号に並び替える並び替え手段と、 前記並び替え手段にて並び替えられた信号をアドレスデ
   ータとして表示パネルへの書き込みを行うドライバ手段
   と、を有することを特徴とする固定画素表示装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の固定画素表示装置にお
   いて、 前記表示パネルがプラズマディスプレイパネルであるこ
   とを特徴とする固定画素表示装置。
3. 【請求項３】 請求項１に記載の固定画素表示装置にお
   いて、 前記映像信号の水平・垂直同期信号に同期した駆動タイ
   ミングを発生するタイミング発生手段をさらに有し、 前記ドライバ手段が、 前記駆動タイミングに基づいて前記表示パネルの走査線
   の選択を行う垂直ドライバ群と、 前記駆動タイミングに基づいて、前記垂直ドライバ群に
   よって選択された走査線上の画素に前記並べ替え手段に
   て並び替えられたアドレスデータを書き込む水平ドライ
   バ群とから構成されていることを特徴とする固定画素表
   示装置。
4. 【請求項４】 垂直有効ライン数が固定の表示パネル
   に、垂直有効ライン数が前記表示パネルの垂直有効ライ
   ン数と異なるフォーマットの映像信号を表示する方法で
   あって、 前記表示パネルとして垂直有効ライン数が３６０本の表
   示パネルを使用するようにし、前記映像信号をデジタル
   変換した信号を走査線単位に拡大または圧縮して垂直有
   効ライン数が３６０本の信号に解像度変換し、該解像度
   変換された信号を前記表示パネルの駆動に適した信号に
   並び替え、該並び替えられた信号をアドレスデータとし
   て前記表示パネルへ書き込む行うことを特徴とする固定
   画素表示方法。
5. 【請求項５】 請求項４に記載の固定画素表示方法にお
   いて、 前記表示パネルにアドレスデータを書き込む処理が、 前記映像信号の水平・垂直同期信号に同期した駆動タイ
   ミングを発生し、該駆動タイミングに基づいて選択され
   た走査線上の画素にアドレスデータを書き込む処理であ
   ることを特徴とする固定画素表示方法。
6. 【請求項６】 請求項４に記載の固定画素表示方法にお
   いて、 前記解像度変換が、 前記映像信号の垂直有効ライン数と前記表示パネルの垂
   直有効ライン数との、それぞれを公約数で除した比に応
   じて、走査線単位に信号を拡大または圧縮する処理であ
   ることを特徴とする固定画素表示方法。