JP2000094850A - 感熱孔版印刷用原紙 - Google Patents

感熱孔版印刷用原紙

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JP2000094850A
JP2000094850A JP10266311A JP26631198A JP2000094850A JP 2000094850 A JP2000094850 A JP 2000094850A JP 10266311 A JP10266311 A JP 10266311A JP 26631198 A JP26631198 A JP 26631198A JP 2000094850 A JP2000094850 A JP 2000094850A
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JP
Japan
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heat
porous support
sensitive stencil
polyester
temperature
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JP10266311A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Asano
哲也 浅野
Kenji Kida
健次 喜田
Motoyuki Suzuki
基之 鈴木
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】白抜けの発生の少なく、搬送性、画像鮮明性、
印刷性に優れた感熱孔版印刷用原紙を提供すること。 【解決手段】ポリエステルフィルムとポリエステル繊維
からなる多孔性支持体とが接着剤を介することなく接合
されてなり、かつ常温から加熱昇温したときの伸長率ま
たは収縮率が2.0%に達する温度が80℃以上である
ことを特徴とする感熱孔版印刷用原紙である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーマルヘッドあ
るいはレーザー光線等のパルス的照射によって穿孔製版
される感熱孔版印刷用原紙に関し、特に製版後の搬送性
が良好であり、画像鮮明性、印刷性に優れた感熱孔版印
刷用原紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】感熱孔版印刷は、インキ透過性の多孔性
支持体に熱可塑性樹脂フィルムを貼り合わせたものを感
熱孔版印刷用原紙として用い、サーマルヘッドによって
熱可塑性樹脂フィルムを加熱溶融せしめて穿孔製版し、
該穿孔部に多孔性支持体側から印刷インキを浸出せしめ
て印刷用紙に印刷するものである。近年、感熱孔版印刷
機では高精細印刷や高速製版の要求に応えるため、サー
マルヘッドのドット密度を増大したり製版エネルギーを
低減するなどの改良が行われており、そのための高感度
な感熱孔版印刷用原紙が求められている。このとき、同
時に製版後の原紙の良好な搬送性や白抜け(印刷物の黒
べた部に発生する白い印刷欠点)が少ないといった印刷
性を獲得することが望まれている。従来より感熱孔版印
刷用原紙としては、アクリロニトリル系フィルム、ポリ
エステル系フィルム、塩化ビニリデン系フィルム等の熱
可塑性樹脂フィルムに天然繊維、化学繊維または合成繊
維あるいはこれらを混抄した薄葉紙、不織布、紗等によ
って構成された多孔性支持体を接着剤で貼り合わせた構
造のものが知られている(例えば、特開昭51−251
3号公報、特開昭57−182495号公報など)。
【0003】しかしながら、これらの感熱孔版印刷用原
紙は、印刷画像の鮮明性の点で必ずしも満足のいくもの
ではなかった。その理由としては種々考えられるが、そ
の要因として特に白抜けがある。
【0004】白抜けの原因は、感熱孔版印刷用原紙を構
成するフィルムが熱エネルギーの印加によって溶融穿孔
されても、その開孔部分にフィルムと支持体とを接着す
る接着剤がある場合、あるいは支持体繊維を結合させる
バインダーがある場合、その接着剤やバインダーによっ
て印刷インキの透過性が阻害され、印刷用紙に画線を構
成する点を形成できないためである。よって、得られる
印刷画像の印刷品位、鮮明性を高めるためには接着剤や
バインダーを全く用いないものが要求される。
【0005】このような要求に対しては、今までにも種
々の提案がなされてきた。例えば、特開平4−2128
91号公報には、熱可塑性樹脂フィルムの片面に合成繊
維が散布され熱圧着されてなる感熱孔版印刷用原紙が提
案されている。しかし、この方法では、樹脂フィルムと
繊維層との接着性が不十分で、フィルム搬送時に剥離し
シワや破れ等が生じたり、十分な接着力を得ようとする
とフィルムの表面の平滑性が悪くなりあるいは、フィル
ムの配向が低下して穿孔が不十分となるためか、白抜け
の発生が多く原稿に忠実な製版ができにくいという問題
があった。
【0006】さらに、特開平6−305273号公報、
特開平7−186565号公報には、未延伸のポリエス
テルフィルムとポリエステル繊維からなる多孔性支持体
とを熱接着した後、共延伸して感熱孔版印刷用原紙を得
ることが開示されている。該感熱孔版印刷用原紙は、接
着剤やバインダーを使用することなくフィルムと多孔性
支持体および多孔性支持体繊維同士とが十分な接着力を
有しているが、特に全ベタ製版の際に原紙の寸法変化が
大きくシワが発生しうまく搬送できず、破れや原紙詰ま
りが生じることがある。また、印刷物には、微細化され
たものの依然として白抜けが発生するなどの問題があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のよう
な問題点を解決し接着剤やバインダーを用いず、白抜け
の発生が少なく、搬送性、画像鮮明性、印刷性に優れた
感熱孔版印刷用原紙を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
本発明は、ポリエステルフィルムとポリエステル繊維か
らなる多孔性支持体とが接着剤を介することなく接合さ
れてなり、かつ常温から加熱昇温したときの伸長率また
は収縮率が2.0%に達する温度が80℃以上であるこ
とを特徴とする感熱孔版印刷用原紙である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、さらに詳しく本発明につい
て説明をする。
【0010】本発明に係る感熱孔版印刷用原紙は、ポリ
エステルフィルムとポリエステル繊維からなる多孔性支
持体とが接着剤を介することなく接合されてなり、かつ
常温から加熱昇温したときの伸長率または収縮率が2.
0%に達する温度が80℃以上であることを特徴とする
感熱孔版印刷用原紙である。
【0011】本発明の感熱孔版印刷用原紙は、ポリエス
テルフィルムとポリエステル繊維からなる多孔性支持体
とが、実質的に接着剤を介することなく接合(一体化)
されていることが肝要であり、接着剤を介さないことで
インキ中の水分や有機溶媒等による感熱孔版印刷用原紙
の強度低下のおそれもなく、またインキの透過が阻害さ
れることで生じる白抜けの発生という問題もなく、画像
鮮明性の良い印刷物を得ることができる。
【0012】本発明の感熱孔版印刷用原紙において、常
温から加熱昇温したときの伸長率または収縮率が2.0
%に達する温度が80℃以上であることが必要である。
感熱孔版印刷用原紙において、常温から加熱昇温したと
きの伸長率または収縮率が2.0%に達する温度が80
℃未満であると、穿孔製版時に原紙にシワが発生し製版
後、うまく搬送できず原紙破れや原紙詰まりが生じる。
また、搬送できてもシワによる印刷欠点が生じてしま
う。
【0013】本発明の感熱孔版印刷用原紙において、常
温から加熱昇温したときの伸長率または収縮率が2.0
%に達する温度が80℃以上であると、シワの発生が抑
制され製版後の搬送性が良く、シワによる印刷欠点や白
抜けの発生も少ない、搬送性、画像鮮明性、印刷性に優
れた感熱孔版印刷用原紙を得ることができるようにな
る。ここでの伸長率または収縮率とは、TMA(Thermo
-Mechanical Analyzer:熱機械試験機)測定によって求
めたものである。
【0014】本発明において、ポリエステルフィルムに
用いられるポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸また
は脂肪族ジカルボン酸とジオールを主たる構成成分とす
るポリエステルである。ここで、芳香族ジカルボン酸と
して、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタ
レンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
4,4′−ビフェニルジカルボン酸、4,4′−ビフェ
ニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ビフェニルスル
ホンジカルボン酸等を用いることができる。中でも好ま
しくはテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸を用いることができる。脂肪族ジカルボ
ン酸成分としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、
セバシン酸、ドデカンジオン酸等を用いることができ
る。これらの酸成分は1種のみ用いてもよく、2種以上
併用してもよく、さらには、ヒドロキシ安息香酸等のオ
キシ酸等を一部共重合してもよい。また、ジオール成分
として例えば、エチレングリコール、1,2−プロパン
ジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグ
リコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ
オール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,
3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2′−
ビス(4′−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパ
ン等を用いることができる。中でも、エチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ルが好ましく用いられる。これらのジオール成分は1種
のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0015】本発明におけるポリエステルフィルムに用
いられるポリエステルとして好ましくは、ポリエチレン
テレフタレート、エチレンテレフタレートとエチレンイ
ソフタレートとの共重合体、エチレンテレフタレートと
エチレンナフタレートとの共重合体、ヘキサメチレンテ
レフタレートとシクロヘキサンジメチレンテレフタレー
トとの共重合体、ポリエチレンテレフタレートとポリブ
チレンテレフタレートとのブレンド等を挙げることがで
きる。穿孔感度と延伸性の点から特に好ましくは、エチ
レンテレフタレートとエチレンイソフタレートとの共重
合体、エチレンテレフタレートとエチレンナフタレート
との共重合体等である。
【0016】本発明におけるポリエステルフィルムの厚
さは、感度と製膜安定性の点から好ましくは0.1〜5
μm、より好ましくは0.1〜3μm、特に好ましくは
0.1〜2μmである。また、ポリエステルフィルムの
結晶融解エネルギー(ΔHu)は、好ましくは1〜50
J/g、より好ましくは10〜40J/gである。ΔH
uが1〜50J/gであれば、フィルムの穿孔感度のば
らつきが小さい。
【0017】本発明の多孔性支持体に用いられるポリエ
ステルは、フィルムと同様、芳香族ジカルボン酸、脂肪
族ジカルボン酸または脂環族ジカルボン酸とジオールを
主たる構成成分とするものである。好ましくは、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチ
レンテレフタレート、エチレンテレフタレートとエチレ
ンイソフタレートとの共重合体等を挙げることができ
る。穿孔時の熱安定性の点から特に好ましくは、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートであ
る。
【0018】本発明のポリエステル繊維からなる多孔性
支持体の目付量は、好ましくは2〜20g/m2 であ
り、より好ましくは5〜20g/m2 である。目付量が
2〜20g/m2 であるとインクの透過性が良好で画像
性、印刷性が良い。また、目付量が5〜20g/m2
は、さらに十分な強度が得られる。
【0019】本発明の多孔性支持体を構成するポリエス
テル繊維の平均繊維径は、好ましくは1〜20μmであ
り、より好ましくは2〜15μmである。平均繊維径が
1〜20μmであると十分な強度と耐熱性が得られ、イ
ンクの透過性が良好であり、印刷時の白抜け発生が少な
く好ましい。
【0020】本発明のポリエステル繊維からなる多孔性
支持体は、機械的強度、耐熱性の点から延伸したポリエ
ステル繊維からなる多孔性支持体が好ましい。
【0021】ポリエステル繊維からなる多孔性支持体の
結晶融解エネルギー(ΔHu)は、製版後の搬送性や耐
久性の面から好ましくは20〜65J/g、より好まし
くは30〜65J/gである。また、ポリエステル繊維
からなる多孔性支持体の結晶化度は、穿孔における製版
後の搬送性の点から好ましくは20%以上であり、より
好ましくは30%以上である。
【0022】本発明のポリエステル繊維の配向度は、複
屈折(Δn)が0.05以上であることが好ましい。よ
り好ましくは、0.1以上である。
【0023】本発明の多孔性支持体を構成するポリエス
テル繊維は、全て同一繊維径であってもよいし、異なる
繊維径の繊維が混繊されたものであってもよい。また、
ポリエステル繊維からなる多孔性支持体は単層構造に限
らず、平均繊維径の異なる繊維からなる多孔性支持体を
段階的に積層した多層構造としてもよい。
【0024】本発明の感熱孔版印刷用原紙のポリエステ
ルフィルム面において、好ましくは最大表面粗さ(R
t)が10μm以下のものであり、より好ましくは8μ
m以下、最も好ましくは5μm以下のものである。フィ
ルム面の最大表面粗さ(Rt)が10μm以下である
と、特別な機構を要することなくサーマルヘッドとの接
触性が良好となり、サーマルヘッドの熱を均一にフィル
ム面に伝達することができ穿孔性が良くなりかつ穿孔形
状の安定した感熱孔版印刷用原紙とすることができる。
本発明の感熱孔版印刷用原紙は、そのポリエステルフ
ィルム面において王研式平滑度が1000秒以上である
ことが好ましく、より好ましくは2000秒以上、最も
好ましくは3000秒以上のものである。王研式平滑度
が1000秒以上であると、特別な機構を要することな
くサーマルヘッドとの接触が良好となり、サーマルヘッ
ドの熱を均一にフィルム面に伝達することができ、低エ
ネルギーで穿孔しても未穿孔による白抜けの発生を少な
くしやすいので好ましい。
【0025】本発明の感熱孔版印刷用原紙の製造法を、
以下に説明する。
【0026】本発明においてポリエステルは次の方法で
製造することができる。
【0027】例えば、酸成分をジオール成分と直接エス
テル化反応させた後、この反応の生成物を減圧下で加熱
して余剰のジオール成分を除去しつつ重縮合させること
によって製造する方法や、酸成分としてジアルキルエス
テルを用い、これとジオール成分とでエステル交換反応
させた後、上記と同様に重縮合させることによって製造
する方法等がある。この際、必要に応じて、反応触媒と
してアルカリ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバ
ルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物
を用いることもできる。
【0028】本発明におけるポリエステルには、必要に
応じて、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、顔料、脂肪酸エステル、ワックス等の
有機滑剤あるいはポリシロキサン等の消泡剤等を配合す
ることができる。さらには易滑性を付与するために、例
えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、
カオリン、タルク、湿式あるいは乾式シリカなどの無機
粒子や、アクリル酸系ポリマ類、ポリスチレン等を構成
成分とする有機粒子等を配合することもできる。また、
ポリエステル重合反応時に添加する触媒等が失活して形
成される、いわゆる内部粒子による方法も用いることが
できる。
【0029】ポリエステルフィルムとポリエステル繊維
からなる多孔性支持体を接着剤を介することなく接合す
る方法は、特に限定されるものではないが、未延伸ポリ
エステルフィルムと未延伸ポリエステル繊維からなる多
孔性支持体とを重ねあわせて熱圧着し共延伸する方法が
好ましい。
【0030】本発明において、上述の「共延伸する」と
は多孔性支持体をフィルムと積層することにより重ねた
後に、両者を共に延伸に供することをいう。
【0031】本発明において未延伸ポリエステルフィル
ムと未延伸ポリエステル繊維からなる多孔性支持体の製
造は、次の方法で製造することができる。
【0032】本発明において未延伸ポリエステルフィル
ムは、例えば、Tダイ押出し法により製造できる。これ
は、前記ポリエステルをキャストドラム上に押し出すこ
とによって未延伸ポリエステルフィルムを製造する方法
であり、口金のスリット幅、ポリマーの吐出量、キャス
トドラムの回転数を調整することによって、所望の厚さ
の未延伸ポリエステルフィルムを製造することができ
る。
【0033】本発明において未延伸ポリエステル繊維か
らなる多孔性支持体は、前記ポリエステルを用いて、メ
ルトブロー法やスパンボンド法などの直接溶融紡糸法に
よって製造することができる。得られた多孔性支持体
は、配向の低い未延伸状態の繊維からなる多孔性支持体
である。用いられるポリマの固有粘度[η]は好ましく
は0.30以上のもの、より好ましくは0.40以上で
ある。
【0034】メルトブロー法において、ポリエステル繊
維からなる多孔性支持体は、溶融したポリマーを口金に
列状に配列した複数個のオリフィスから吐出するに際し
て、前記オリフィス列の両側に設けられたスリットから
熱風を吹き付け該熱風によって吐出したポリマーを細繊
度化せしめ、次いでしかるべき位置に配置したネットコ
ンベア上に吹き付けて捕集しウエブを形成して製造され
る。該ポリエステル繊維は、溶融状態から室温雰囲気下
に急冷されるため非晶質に近い状態で固化し、熱風の圧
力で細繊度化されるが延伸はされず、いわゆる無配向に
近い状態である。また、繊維は互いに融着した状態で捕
集され、口金とネットコンベア間の捕集距離を適宜調整
することによって、繊維の融着度合いを調整することが
でき、ポリマー吐出量、熱風温度、熱風流量、コンベア
移動速度等を適宜調整することにより、多孔性支持体の
目付量や繊維径を任意に設定することができる。このよ
うにして得られる多孔性支持体は、繊維径が均一ではな
く太い繊維と細い繊維がほどよく分散した状態の繊維か
らなるものである。
【0035】従来のメルトブロー法では、溶融したポリ
マーは口金から吐出するに際して高温、高圧の熱風によ
って極細に細化せしめられた。細化した繊維は、繊維径
が細すぎ、また繊維径が不均一なものとなり高倍率の延
伸では、繊維群中の細い繊維が切断したり、繊維が素抜
けることによって多孔性支持体が破断するといった問題
が生じた。特に繊維径が7μm以下だと極端に延伸性が
悪くなった。しかし、本発明において未延伸ポリエステ
ル繊維からなる多孔性支持体を製造する方法として、口
金温度、熱風流量、熱風速度、熱風温度、捕集温度を調
整することで極細に細化したポリエステル繊維からなる
多孔性支持体でも良好な延伸性を確保することができ
た。これによりフィルムとの共延伸性が良好となり、平
面性の良い高感度感熱孔版印刷用原紙を得ることができ
る。
【0036】同様にスパンボンド法では、ポリエステル
繊維からなる多孔性支持体は、口金から吐出したポリマ
ーをエアエジェクターによって牽引し、得られたフィラ
メントを衝突板に衝突させて繊維を開繊し、コンベア上
に捕集してウエブを形成して製造される。ポリマー吐出
量、コンベア速度を適宜設定することにより、多孔性支
持体の目付量を任意に設定できる。また、エジェクター
の圧力と流量を適宜調整することにより、フィラメント
の分子配向状態を任意に調整できる。圧力と流量を絞っ
て紡糸速度を遅くすることにより、分子配向度の低い繊
維からなる多孔性支持体を得ることができる。また、吐
出したポリマーの冷却速度を調整することにより、結晶
性の異なる繊維が混合した多孔性支持体を得ることがで
きる。
【0037】本発明に用いる未延伸ポリエステル繊維の
結晶化度は、フィルムとの接着を十分にするため好まし
くは20%以下、より好ましくは15%以下、特に好ま
しくは10%以下である。一方、未延伸ポリエステル繊
維の配向度は共延伸性の点から低いものが望ましく、複
屈折(Δn)が0.03以下であることが好ましい。よ
り好ましくは0.01以下である。さらに好ましくは、
0.008以下である。 本発明における未延伸ポリエ
ステルフィルムと未延伸ポリエステル繊維からなる多孔
性支持体の熱圧着の方法は、特に限定されるものではな
いが、加熱ロールによる熱圧着がプロセスの容易さの点
から特に好ましい。本発明において、熱圧着はポリエス
テルフィルムをキャスト化した後、延伸工程の前段階で
行なうのが好ましい。熱圧着温度は50℃からポリエス
テル繊維のガラス転移温度(Tg)+20℃の間が好ま
しい。
【0038】次いで、熱圧着した未延伸ポリエステルフ
ィルムと未延伸ポリエステル繊維からなる多孔性支持体
とを共延伸する。熱圧着した状態で共延伸することによ
り、フィルムと多孔性支持体とが一体となって延伸する
ことができる。また、両者を一体で共延伸することによ
りポリエステル繊維からなる多孔性支持体が補強体の役
目をなし、ポリエステルフィルムが破れたりすることが
なく極めて安定に製膜することができる。
【0039】本発明における共延伸の方法は、フィルム
の穿孔感度向上およびポリエステル繊維からなる多孔性
支持体を形成する繊維の均一分散性の点で二軸延伸が好
ましい。二軸延伸は逐次二軸延伸法または同時二軸延伸
法のいずれの方法であってもよい。逐次二軸延伸法の場
合、縦方向、横方向の順に延伸するのが一般的である
が、逆に延伸してもよい。延伸温度は、延伸に用いるポ
リエステル繊維のガラス転移温度(Tg)と昇温結晶化
温度(Tcc)との間であるのが好ましい。延伸倍率は
特に限定されるものではなく、用いるポリエステルフィ
ルム用ポリマーの種類や感熱孔版印刷用原紙に要求され
る穿孔感度等によって適宜決定されるが、縦横それぞれ
2〜5倍程度が適当である。また、二軸延伸後、縦また
は横あるいは縦横に再延伸してもかまわない。さらに、
本発明の感熱孔版印刷用原紙に、二軸延伸後熱処理を施
すことも好ましい。また、処理して得られた感熱孔版印
刷用原紙をいったん室温程度まで冷却した後、さらに4
0〜90℃の比較的低温で、5分から1週間程度エージ
ングすることもできる。このようなエージングを採用す
ると、感熱孔版印刷用原紙の保管時あるいは印刷機の中
でのカール、シワの発生が少なく特に好ましい。
【0040】本発明の感熱孔版印刷用原紙の常温から加
熱昇温したときの伸長率または収縮率が2.0%に達す
る温度が80℃以上とする手法は、特に限定されるもの
ではないが、紡糸条件(口金温度、熱風流量、熱風速
度、熱風温度、捕集温度)等を適宜調整、操作すること
で繊維配向度や延伸性の異なる多孔性支持体を得ること
ができ、こうして得られた未延伸ポリエステル繊維から
なる多孔性支持体のうち、熱収縮率の小さいものを使用
することで達成できる。
【0041】例えば、オリフィス列の幅1cm当たりの
熱風流量は、繊維単糸の配向や流量変動から0.005
〜0.15Nm3 /分とすることが好ましく、より好ま
しくは0.02〜0.10Nm3 /分である。熱風速度
は、繊維単糸の配向や繊維径から3000〜8000m
/分とすることが好ましく、より好ましくは3000〜
7000m/分である。捕集温度については、繊維間の
融着強度や延伸性から90〜120℃が好ましく、より
好ましくは100〜120℃である。
【0042】また、いったん得られた未延伸ポリエステ
ル繊維からなる多孔性支持体を共延伸に供する前に熱処
理することで、熱収縮率の小さい多孔性支持体を得るこ
ともできる。
【0043】例えば、多孔性支持体をオーブン中に入れ
熱処理する方法がある。この場合には、熱処理温度は、
50〜150℃が好ましく、熱処理時間は0.5秒〜1
0分が好ましい。
【0044】上記の方法により熱収縮率の小さな多孔性
支持体を得ることができる。ここでいう熱収縮率とは、
多孔性支持体の長手方向と幅方向ともに、多孔性支持体
を構成するポリエステル繊維のガラス転移温度(Tg)
+25℃、10分において、無張力下での熱収縮率であ
る。多孔性支持体の長手方向と幅方向ともに熱収縮率
は、多孔性支持体を構成するポリエステル繊維のガラス
転移温度(Tg)+25℃、10分において25%以下
であることが好ましく、より好ましくは20%以下であ
る。
【0045】また、その他に、二軸延伸後の熱処理を適
宜調節する手法や弛緩を行う手法を用いることもでき
る。
【0046】例えば、二軸延伸後に熱処理をする場合
は、熱処理温度は用いるポリエステルの種類によって適
宜決定され特に限定されないが、ガラス転移温度(T
g)と融点(Tm)との間が好ましく、Tg+10℃〜
Tm−10℃が特に好ましい。熱処理時間は、通常0.
5〜60秒程度が適当である。より好ましくは3〜60
秒である。熱処理は、感熱孔版印刷用原紙をその長手方
向および/または、幅方向に弛緩させつつ行ってもよ
い。
【0047】本発明の感熱孔版印刷用原紙は、フィルム
のサーマルヘッドに接触すべき片面に穿孔時の融着を防
止するため、シリコーンオイル、シリコーン系樹脂、フ
ッ素系樹脂、界面活性剤、帯電防止剤、耐熱剤、酸化防
止剤、有機粒子、無機粒子、顔料、分散助剤、防腐剤、
消泡剤等からなる薄層を設けることが好ましい。該融着
防止の薄層の厚みは好ましくは0.005〜0.4μ
m、より好ましくは0.01〜0.4μmである。
【0048】本発明の感熱孔版印刷用原紙において融着
防止の薄層を設ける場合には塗液は水に溶解、乳化また
は懸濁した塗液の状態で塗布し、その後水を乾燥等によ
って除去する方法が好ましい。塗布は、フィルムの延伸
前あるいは延伸後いずれの段階で行ってもよい。本発明
の効果をより顕著に発現させるためには、縦延伸後に横
延伸するような逐次2軸延伸を行う場合は横延伸前に、
また同時2軸延伸を行う場合には延伸前に塗布するのが
特に好ましい。塗布方法は特に限定されないが、ロール
コーター、グラビアコーター、リバースコーター、バー
コーター等を用いて塗布するのが好ましい。また、融着
防止の薄層を設ける前に必要に応じて塗布面に空気中、
その他種々の雰囲気中でコロナ放電処理等の活性化処理
を施してもよい。
【0049】
【特性の測定方法】(1)伸長率、収縮率:感熱孔版印
刷用原紙を15mm(長手方向)×5mm(幅方向)に
カットし、0.1gの荷重(チャックの重量を除く)を
かけた状態で室温からサンプルが破断する温度まで真空
理工(株)製TM−9400型熱機械試験機を用い測定
した(荷重制御測定)。
【0050】(2)最大表面粗さ(Rt):JISB−
0601に準拠し、小坂製作所製粗さ測定機SE−3E
で、長手方向、幅方向に最大表面粗さ(Rt)を各5点
測定し、その平均値を求めた。
【0051】(3)王研式平滑度:15cm×15cm
の試料を5枚準備し、旭精工(株)製王研式平滑度試験
機KB15型を用いて平滑度を測定し、その平均値を求
めた。
【0052】(4)融点(Tm)、ガラス転移温度(T
g)、昇温結晶化温度(Tcc):セイコー電子工業
(株)製示差走査熱量計RDC220型を用い、試料5
mg採取し、室温より昇温速度20℃/分で昇温する。
その際に、ガラス状態からゴム状態への転移に基づく比
熱の変化によりDSC曲線が屈曲し、ベースラインが平
行移動する形で感知される。かかる屈曲点以下の温度で
のベースラインの接線と、屈曲した部分で傾きが最大と
なる点の接線との交点を屈曲の開始点とし、この温度を
ガラス転移温度(Tg)とした。また、結晶化に基づく
発熱曲線のピーク値を昇温結晶化温度(Tcc)、結晶
融解に基づく吸熱曲線のピーク値を融点(Tm)とし
た。
【0053】(5)ポリエステルフィルム及びポリエス
テル繊維からなる多孔性支持体の結晶融解エネルギー
(ΔHu):試料をセイコー電子工業(株)製示差走査
熱量計RDC220型を用いて、溶融時の面積から求め
る。溶融開始温度位置から終了位置までを直線で結び、
この面積(a)を求める。同じDSCの条件でIn(イ
ンジウム)を測定し、この面積(b)を求める。結晶融
解エネルギー(ΔHu)を次式より算出した。
【0054】ΔHu=28.5×a/b(J/g) (6)結晶化度:臭化ナトリウム水溶液からなる密度勾
配管に試料を投入し10時間経過後の値を読んで密度を
求めた。非晶密度を1.335g/cm3 、結晶密度を
1.455g/cm3 として試料の結晶化度を下記式よ
り算出した。
【0055】結晶化度(%)=100×(試料の密度−
1.335)/(1.445−1.335) (7)固有粘度[η]:試料を105℃で20分間乾燥
した後、0.1±0.005gを秤量し、o−クロロフ
ェノール10×10-63 中で100℃で15分間撹拌
し溶解した。冷却後、ヤマトラボティックAVM−10
S型自動粘度測定器により25℃における粘度を測定
し、比粘度ηspを求め次式のハギンスの式より算出し
た。
【0056】ηsp/c=[η]+k’[η]2c (ただし、k’=0.343、cは溶液1×10-43
中に溶解したg数で表した濃度である。) (8)平均繊維径:平均繊維径は、多孔性支持体の任意
の10箇所を電子顕微鏡で倍率2000倍で10枚の写
真撮影を行い、1枚の写真につき任意の15本の繊維の
直径を測定しこれを10枚の写真について行い、合計1
50本の繊維径を測定してその平均値を表したものであ
る。
【0057】(9)目付量:感熱孔版印刷用原紙からポ
リエステルフィルムを注意深く剥離し、ポリエステル繊
維からなる多孔性支持体を20×20cmに切り取りそ
の重量を測定して1平方メートル当たりの重量に換算し
た値である。
【0058】(10)複屈折(Δn):レーザーラマン
分光法により、装置 Ramanor T−64000
(Jobin Yvon/愛宕物産)を用いて、複屈折
(Δn)を次式にて求めた。
【0059】複屈折(Δn)=275×(Iyy−Ixx)
/(Iyy+2Ixx) Ixx:不織布単糸長手方向に垂直な偏向配置でのラマン
バンドの強度 Iyy:不織布単糸長手方向に平行な偏向配置でのラマン
バンドの強度 (11)全ベタ製版印刷評価:感熱孔版印刷用原紙を理
想科学工業(株)製RISOGRAPH“GR275”
に供給して、サーマルヘッド式製版方式により、製版エ
ネルギー48μJ/dotにて全ベタ製版印刷した。こ
の製版物と印刷物を目視判定により、次のように評価し
た。
【0060】搬送性評価:A4サイズで全ベタ製版後
の、搬送性を評価した。問題なく搬送できたものを○、
搬送できたが原紙にシワが発生したり、破れが発生した
もの、あるいは搬送できず詰まってしまったものを×と
した。
【0061】白抜け評価:A4サイズで全ベタ製版印刷
した。これを目視判定により黒ベタ部で白抜けがないも
のを◎、黒ベタ部で白抜けが1個〜10個あるものを
○、11個以上あるものを×とした。
【0062】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0063】実施例1 孔径0.30mm、孔数130個、オリフィスが一列の
矩形紡糸口金を用いて、口金温度280℃、吐出量40
g/分、熱風流量0.055Nm3 /分、熱風温度29
5℃で、ポリエチレンテレフタレート原料(固有粘度=
0.494)をメルトブロー法にて紡出し、コンベア上
に繊維を捕集温度101℃で捕集して目付量125g/
2 のポリエステル繊維からなる多孔性支持体を作製し
た。
【0064】得られた多孔性支持体を構成するポリエス
テル繊維の平均繊維径は、8.0μmであった。また、
多孔性支持体の92℃、10分での長手方向の熱収縮率
は16.0%で、幅方向の熱収縮率は13.5%であっ
た。
【0065】次いで、エチレンテレフタレートとエチレ
ンイソフタレートとの共重合体でエチレンイソフタレー
ト共重合量が14モル%である原料を、ホッパーに供給
した後スクリュー径40mmの押出機を用いて、Tダイ
口金温度270℃で押出し、直径600mmの冷却ドラ
ム(60℃)上にキャストして未延伸ポリエステルフィ
ルムを作製した。
【0066】該未延伸ポリエステルフィルム上に、前記
のポリエステル繊維からなる多孔性支持体を重ね、加熱
ロールに供給してロール温度75℃で熱圧着した。こう
して得られた積層シートのポリエステルフィルム面を8
5℃で予熱し、次いでポリエステル繊維からなる多孔性
支持体面を95℃で予熱した後に95℃に加熱されたシ
リコーンゴム製の延伸ロール(加圧ロール圧力1.0N
/cm)で、長さ方向に3.5倍延伸した。さらにテン
ター式延伸機に送り込み、95℃で幅方向に3.75倍
延伸した。さらにテンター内部で140℃で5秒間熱処
理して、厚さ69μmの感熱孔版印刷用原紙を作製し
た。該感熱孔版印刷用原紙のポリエステルフィルム面に
テンター入口部で、ワックス系離型剤をグラビアコータ
ーを用いて延伸乾燥後の重さで0.1g/m2 塗布し
た。
【0067】得られた感熱孔版印刷用原紙の多孔性支持
体を構成するポリエステル繊維の平均繊維径は4.2μ
mであり、多孔性支持体の目付量は9.5g/m2 であ
った。全べた製版印刷評価の結果を表1に示した。
【0068】実施例2 実施例1と同様に多孔性支持体を作製した。得られた多
孔性支持体を構成するポリエステル繊維の平均繊維径
は、8.0μmであった。また、多孔性支持体の92
℃、10分での長手方向の熱収縮率は16.0%で、幅
方向の熱収縮率は13.5%であった。
【0069】次いで、テンター内部で120℃で5秒間
熱処理する以外は実施例1と同様に前記多孔性支持体を
用いて厚さ69μmの感熱孔版印刷用原紙を作製した。
【0070】得られた感熱孔版印刷用原紙の多孔性支持
体を構成するポリエステル繊維の平均繊維径は4.2μ
mで、多孔性支持体の目付量は9.5g/m2 であっ
た。全べた製版印刷評価の結果を表1に示した。
【0071】実施例3 実施例1と同様に多孔性支持体を作製した。得られた多
孔性支持体を構成するポリエステル繊維の平均繊維径
は、8.0μmであった。また、多孔性支持体の92
℃、10分での長手方向の熱収縮率は16.0%で、幅
方向の熱収縮率は13.5%であった。
【0072】次いで、テンター内部で120℃で5秒間
熱処理しつつ、全幅に対して5%弛緩する以外は実施例
1と同様に前記多孔性支持体を用いて厚さ73μmの感
熱孔版印刷用原紙を作製した。
【0073】得られた感熱孔版印刷用原紙の多孔性支持
体を構成するポリエステル繊維の平均繊維径は4.3μ
mで、多孔性支持体の目付量は10.0g/m2 であっ
た。全べた製版印刷評価の結果を表1に示した。
【0074】実施例4 実施例1と同様に多孔性支持体を作製した。得られた多
孔性支持体を構成するポリエステル繊維の平均繊維径
は、8.0μmであった。また、多孔性支持体の92
℃、10分での長手方向の熱収縮率は16.0%で、幅
方向の熱収縮率は13.5%であった。
【0075】次いで、テンター内部で100℃で5秒間
熱処理する以外は実施例1と同様に前記多孔性支持体を
用いて厚さ69μmの感熱孔版印刷用原紙を作製した。
【0076】得られた感熱孔版印刷用原紙の多孔性支持
体を構成するポリエステル繊維の平均繊維径は4.2μ
mで、多孔性支持体の目付量は9.5g/m2 であっ
た。全べた製版印刷評価の結果を表1に示した。
【0077】実施例5 熱風流量0.045Nm3 /分以外は、実施例1と同様
に多孔性支持体を作製した。得られた多孔性支持体を構
成するポリエステル繊維の平均繊維径は、10.5μm
であった。また、多孔性支持体の92℃、10分での長
手方向の熱収縮率は14.5%で、幅方向の熱収縮率は
9.0%であった。
【0078】次いで、テンター内部で100℃で5秒間
熱処理する以外は実施例1と同様に前記多孔性支持体を
用いて厚さ65μmの感熱孔版印刷用原紙を作製した。
【0079】得られた感熱孔版印刷用原紙の多孔性支持
体を構成するポリエステル繊維の平均繊維径は5.5μ
mで、多孔性支持体の目付量は9.5g/m2 であっ
た。全べた製版印刷評価の結果を表1に示した。
【0080】実施例6 実施例1と同様に多孔性支持体を作製した。得られた多
孔性支持体を構成するポリエステル繊維の平均繊維径
は、8.0μmであった。また、多孔性支持体の92
℃、10分での長手方向の熱収縮率は16.0%で、幅
方向の熱収縮率は13.5%であった。
【0081】次いで、テンター内部で100℃で5秒間
熱処理しつつ、全幅に対して5%弛緩する以外は実施例
1と同様に前記多孔性支持体を用いて厚さ73μmの感
熱孔版印刷用原紙を作製した。
【0082】得られた感熱孔版印刷用原紙の多孔性支持
体を構成するポリエステル繊維の平均繊維径は4.3μ
mで、多孔性支持体の目付量は10.0g/m2 であっ
た。全べた製版印刷評価の結果を表1に示した。
【0083】比較例1 熱風流量0.200Nm3 /分、熱風温度300℃以外
は、実施例1と同様に多孔性支持体を作製した。
【0084】得られた多孔性支持体を構成するポリエス
テル繊維のの平均繊維径は、4.1μmであった。ま
た、多孔性支持体の92℃、10分での長手方向の熱収
縮率は31.5%で、幅方向の熱収縮率は28.0%で
あった。
【0085】次いで、テンター内部で120℃で5秒間
熱処理する以外は実施例1と同様に前記多孔性支持体を
用いて厚さ85μmの感熱孔版印刷用原紙を作製した。
得られた感熱孔版印刷用原紙の多孔性支持体を構成する
ポリエステル繊維の平均繊維径は2.2μmで、多孔性
支持体の目付量は9.5g/m2 であった。全べた製版
印刷評価の結果を表1に示した。
【0086】比較例2 口金温度285℃、熱風流量0.12Nm3 /分、熱風
温度300℃以外は、実施例1と同様に多孔性支持体を
作製した。
【0087】得られた多孔性支持体を構成するポリエス
テル繊維の平均繊維径は、5.3μmであった。また、
多孔性支持体の92℃、10分での長手方向の熱収縮率
は26.5%で、幅方向の熱収縮率は23.5%であっ
た。
【0088】次いで、テンター内部で100℃で5秒間
熱処理する以外は実施例1と同様に前記多孔性支持体を
用いて厚さ79μmの感熱孔版印刷用原紙を作製した。
【0089】得られた感熱孔版印刷用原紙の多孔性支持
体を構成するポリエステル繊維の平均繊維径は2.8μ
mで、多孔性支持体の目付量は9.5g/m2 であっ
た。全べた製版印刷評価の結果を表1に示した。
【0090】実施例7 口金温度285℃、熱風流量0.12Nm3 /分、熱風
温度300℃以外は、実施例1と同様に多孔性支持体を
作製した。
【0091】得られた多孔性支持体を構成するポリエス
テル繊維の平均繊維径は、5.3μmであった。また、
多孔性支持体の92℃、10分での長手方向の熱収縮率
は26.5%で、幅方向の熱収縮率は23.5%であっ
た。次いで、多孔性支持体を共延伸に供する前に120
℃で10秒間熱処理した。熱処理後の多孔性支持体の9
2℃、10分での長手方向の熱収縮率は7.5%で、幅
方向の熱収縮率は5.0%であった。
【0092】次いで、テンター内部で100℃で5秒間
熱処理する以外は実施例1と同様に前記多孔性支持体を
用いて厚さ79μmの感熱孔版印刷用原紙を作製した。
【0093】得られた感熱孔版印刷用原紙の多孔性支持
体を構成するポリエステル繊維の平均繊維径は2.8μ
mで、多孔性支持体の目付量は9.5g/m2 であっ
た。全べた製版印刷評価の結果を表1に示した。
【0094】
【表1】
【0095】
【発明の効果】本発明によれば、白抜けの発生の少な
く、搬送性、画像鮮明性、印刷性に優れた感熱孔版印刷
用原紙が提供される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルフィルムとポリエステル繊維
    からなる多孔性支持体とが接着剤を介することなく接合
    されてなり、かつ常温から加熱昇温したときの伸長率ま
    たは収縮率が2.0%に達する温度が80℃以上である
    ことを特徴とする感熱孔版印刷用原紙。
  2. 【請求項2】ポリエステルフィルム面の最大表面粗さ
    (Rt)が10μm以下であることを特徴とする請求項
    1記載の感熱孔版印刷用原紙。
  3. 【請求項3】ポリエステルフィルム面の王研式平滑度が
    1000秒以上であることを特徴とする請求項1記載の
    感熱孔版印刷用原紙。
  4. 【請求項4】ポリエステル繊維からなる多孔性支持体の
    目付量が、2〜20g/m2 であることを特徴とする請
    求項1、2または3記載の感熱孔版印刷用原紙。
  5. 【請求項5】多孔性支持体を構成するポリエステル繊維
    の平均繊維径が、1〜20μmであることを特徴とする
    請求項1、2、3または4記載の感熱孔版印刷用原紙。
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