JPWO2008065997A1 - 接着剤及びこれを用いた接続構造体 - Google Patents

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Abstract

(a)熱可塑性樹脂と、(b)ラジカル重合性化合物と、(c)下記一般式(10)で表される尿素化合物と、(d)ラジカル重合開始剤と、(e)酸性化合物と、を含有する接着剤。【化1】

Description

本発明は、接着剤及びこれを用いた接続構造体に関する。
半導体素子及び液晶表示素子において、素子を構成する各種の部材を結合させる目的で接着剤が使用されている。この接着剤には、接着性をはじめとして、耐熱性、高温高湿状態における信頼性等の多岐に渡る特性が満足することが求められる。また、接着剤が適用される被着体は、プリント配線板やポリイミド等の有機基材をはじめ、銅、アルミニウム等の金属やITO、SiN、SiO等の多種多様な材料から構成される表面を有する基材が用いられる。接着剤においては、このような各種の被着体にあわせた分子設計が必要である。
従来、半導体素子や液晶表示素子用の接着剤としては、高接着性かつ高信頼性を示すエポキシ樹脂を用いた熱硬化性樹脂が広く用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。エポキシ樹脂を用いた接着剤の構成成分としては、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂と反応性を有するフェノール樹脂等の硬化剤、エポキシ樹脂と硬化剤の反応を促進する熱潜在性触媒が一般に用いられている。熱潜在性触媒は硬化温度及び硬化速度を決定する重要な因子となっており、室温での貯蔵安定性と加熱時の硬化速度の観点から種々の化合物が用いられてきた。実際の工程での硬化条件は、170〜250℃の温度で1〜3時間程度の加熱が一般的である。
しかしながら、最近の半導体素子の高集積化、液晶素子の高精細化に伴い、素子間及び配線間ピッチが狭小化し、硬化時の加熱によって、周辺部材に悪影響を及ぼす可能性が高くなっている。更に、低コスト化のためにはスループットを向上させる必要性がある。そのため、より低温でかつ短時間での硬化、換言すれば低温速硬化での接着が要求されている。この低温速硬化を達成するためには、活性化エネルギーの低い熱潜在性触媒を使用する必要があるところから、低温速硬化と室温付近での貯蔵安定性とを兼備することは非常に難しいことが知られている。
そこで、最近、アクリレート誘導体やメタアクリレート誘導体等のラジカル重合性化合物とラジカル重合開始剤である過酸化物を併用した、ラジカル硬化型の接着剤が注目されている。ラジカル硬化は、反応活性種であるラジカルが反応性に富むため、短時間硬化が可能である(例えば、特許文献2参照)。ただし、ラジカル硬化型の接着剤は、硬化時の硬化収縮が大きいために、エポキシ樹脂を用いた場合と比較して接着強度が低くなる傾向がある。そのため、ラジカル硬化型の接着剤の接着強度を改良するために、エーテル結合によって柔軟性及び可とう性を付与したウレタンアクリレート化合物をラジカル重合性化合物として使用する方法(特許文献3、4参照)や、ラジカル重合性化合物、リン酸メタクリレート及びメラミン樹脂を併用する方法(特許文献5、6参照)が提案されている。
特開平1−113480号公報 特開2002−203427号公報 特許第3522634号公報 特開2002−285128号公報 特開2003−89775号公報 特開2003−20464号公報
しかしながら、ウレタンアクリレートを用いたラジカル硬化型の接着剤は、初期の接着強度は良好であるものの、高温高湿環境に暴露されたときに、接着強度や接続抵抗等の特性が低下するという問題があった。また、本発明者らの検討によれば、リン酸メタクリレート及びメラミン樹脂を用いた接着剤は、貯蔵安定性が十分でなく、長期保存後に使用したときに十分な接着強度や接続抵抗が得られなくなることが明らかとなった。
そこで、本発明は、高い接着強度を発現するとともに、高温高湿下での信頼性試験に対する高い耐性を有し、更には貯蔵安定性にも優れるラジカル硬化型の接着剤及びこれを用いた接続構造体を提供することを目的とする。
本発明に係る接着剤は、(a)熱可塑性樹脂と、(b)ラジカル重合性化合物と、(c)下記一般式(10)で表される尿素化合物と、(d)ラジカル重合開始剤と、(e)酸性化合物とを含有する。式(10)中、R及びRはそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基又は水素原子を示し、R及びRは互いに結合して環を形成していてもよく、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8の直鎖アルキル基、又は炭素数3〜10の分岐したアルキル基を示す。
Figure 2008065997
上記本発明に係る接着剤は、上記特定の成分の組み合わせを採用したことにより、高い接着強度を発現するとともに、高温高湿下での信頼性試験に対する高い耐性を有し、更には貯蔵安定性にも優れるものとなった。
本発明に係る接続構造体は、第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有し、該第二の接続端子が第一の接続端子と対向するように第一の回路部材と対向配置された第二の回路部材と、第一の回路部材と第二の回路部材との間に介在してこれらを接着している接着層とを備える。接着層は、上記本発明に係る接着剤によって形成されている。
上記本発明に係る接続構造体は、高い接着強度で回路部材同士が接着されているとともに、高温高湿下での信頼性試験に対する高い耐性を有する。
本発明によれば、高い接着強度を発現するとともに、高温高湿下での信頼性試験に対する高い耐性を有し、更には貯蔵安定性にも優れるラジカル硬化型の接着剤が提供される。
また、本発明によれば、高い接着強度で回路部材同士が接着されているとともに、高温高湿下での信頼性試験に対する高い耐性を有する接続構造体が提供される。
接続構造体の一実施形態を示す模式断面図である。
符号の説明
1…接続構造体、7…導電性粒子、10…接着層、11…絶縁層、20…第一の回路部材、21…第一の回路基板、22…第一の接続端子、30…第二の回路部材、31…第二の回路基板、32…第二の接続端子。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る接着剤は、(a)熱可塑性樹脂と、(b)ラジカル重合性化合物と、(c)尿素化合物と、(d)ラジカル重合開始剤と、(e)酸性化合物とを含有する。本発明に係る接着剤は、例えば、接続端子を有する回路部材同士を接着して接続構造体を形成するための異方性導電接着剤として好適に用いられる。
(a)成分の熱可塑性樹脂としては、特に制限無く公知のものを使用することができる。例えば、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ(メタ)アクリレート類、ポリビニルブチラール類、またはエチレン−ビニル酢酸共重合体を熱可塑性樹脂として用いることができる。特に、接着剤中の熱可塑性樹脂はフェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂及びポリイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。これらは単独で又は2種類以上を組合わせて用いることができる。
熱可塑性樹脂は、シロキサン結合、又はフッ素原子を含む置換基を有するものであってもよい。これらは、他の成分と混合したときに、完全に相溶するか、又はミクロ相分離が生じて白濁するものであれば特に好適に用いることができる。
熱可塑性樹脂の分子量は大きいほど、フィルム形成性が容易に得られるとともに、接着剤としての流動性に影響する溶融粘度を広範囲に設定できる。具体的には、熱可塑性樹脂の重量平均分子量は5000〜500000であることが好ましく、10000〜100000であることががより好ましい。重量平均分子量が5000未満ではフィルム形成性が低下する傾向があり、500000を超えると他の成分との相溶性が低下する傾向がある。
(b)成分のラジカル重合性化合物としては、ラジカル重合性官能基を有する化合物であれば、特に制限無く公知のものを使用することができる。例えば、スチレン誘導体、マレイミド重合体、及びアクリロイル基又はメタクリロイル基(以下「(メタ)アクリロイル基」という。)を有する化合物が用いられる。なかでも、ラジカル重合性化合物は、2以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。
多官能(メタ)アクリレートの好適な具体例としては、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー及びポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーのようなオリゴマー、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性2官能(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性3官能(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸を付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテルのグリシジル基にエチレングリコールやプロピレングリコールを付加させた化合物に(メタ)アクリロイルオキシ基を導入した化合物、下記一般式(A)又は(B)で表される化合物の多官能(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。これらの多官能(メタ)アクリレート化合物は、必要に応じて単独で又は2種以上を組合わせて用いられる。
Figure 2008065997
式(A)中、R21及びR22はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、k及びmはそれぞれ独立に1〜8の整数を示す。式(B)中、R23及びR24は水素原子又はメチル基を示し、nは1〜8の整数を示し、pは0〜8の整数を示す。
(b)成分として、流動性向上を目的に、多官能(メタ)アクリレート化合物と単官能(メタ)アクリレート化合物を併用してもよい。単官能(メタ)アクリレート化合物を用いることにより接着剤の流動性が向上する。単官能(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、N、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、及びビスフェノキシエタノールフルオレンアクリレートが挙げられる。これらの化合物は単独で又は必要に応じて2種以上を組合わせて用いられる。
ラジカル重合性化合物は、アリル基、マレイミド基及びビニル基等の、(メタ)アクリル基以外のラジカル重合性官能基を有する化合物を含んでいてもよい。その具体例としては、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルカプロラクタム、4,4’−ビニリデンビス(N,N−ジメチルアニリン)、N−ビニルアセトアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、及びN,N−ジエチルアクリルアミドアクリルアミドが挙げられる。
接着剤中のラジカル重合性化合物の量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して好ましくは30〜250重量部である。ラジカル重合性化合物の量が30重量部未満の場合、硬化後の耐熱性が低下し易くなる傾向があり、250重量部を超えると接着剤をフィルムとして使用する場合にフィルム形成性が低下する傾向がある。同様の観点から、ラジカル重合性化合物の量はより好ましくは50〜150重量部である。
なお、後述するように(e)成分の酸性化合物がビニル基等のラジカル重合性官能基を有している場合、(e)成分とは異なるラジカル重合性化合物が(b)成分として用いられる。
(c)成分の尿素化合物は上記一般式(10)で表される化合物である。係る尿素化合物を酸性化合物と組合わせて用いることにより、高温高湿下での接続抵抗の上昇や接着強度の低下が抑制され、更には貯蔵安定性が特異的に改善される。一方、本発明者らの知見によれば、酸性化合物をメラミン樹脂と組合わせた場合には、初期の接着強度は比較的良好であるものの、長期保存後などに接着強度が著しく低下する。その理由は必ずしも明らかでないが、長期保存時に、酸性化合物の存在下でメラミン樹脂自体の反応が除々に進行し易いためであると考えられる。
式(10)において、R及びRはそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基又は水素原子を示し、R及びRは互いに結合して環を形成していてもよい。R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8の直鎖アルキル基、又は炭素数3〜10の分岐したアルキル基を示す。R及びRとしてのアルキル基は、例えばウレア基によって置換されていてもよい。
より具体的には、尿素化合物は、下記一般式(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)又は(17)で表される化合物から選ばれる1種以上であることが好ましい。これらの化合物を用いることにより高温高湿環境に対する耐性及び貯蔵安定性向上の効果が特に顕著に奏される。
Figure 2008065997
式(11)〜(17)中、R及びRは式(10)のR及びRと同義である。式(13)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8の直鎖アルキル基、又は炭素数3〜10の分岐したアルキル基を示す。式(14)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8の直鎖アルキル基、又は炭素数3〜10の分岐したアルキル基を示す。式(16)中、Rは水素原子、炭素数1〜8の直鎖アルキル基、又は炭素数3〜10の分岐したアルキル基を示す。式(17)中、R10及びR11はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8の直鎖アルキル基、又は炭素数3〜10の分岐したアルキル基を示す。
更に具体的には、尿素化合物としては、式(11)で表され、R及びRが水素原子であるN,N’−ジメチロール尿素、式(12)で表され、R及びRがメチル基である1,3―ジメトキシメチルエチレン尿素、並びに、式(17)で表され、R、R、R10及びR11がメチル基である1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリルがある。
接着剤中の尿素化合物の量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜50重量部である。尿素化合物の量が1重量部未満であると、信頼性試験に対する耐性向上の効果が小さくなる傾向があり、50重量部を超えると接着剤をフィルムとして使用する場合にフィルム形成性が低下する傾向がある。同様の観点から、尿素化合物の量はより好ましくは5〜30重量部である。
(d)成分のラジカル重合開始剤としては、従来から知られている過酸化物やアゾ化合物等公知の化合物を用いることができる。安定性、反応性、相溶性の観点からは、1分間半減期温度が90〜175℃であり、分子量が180〜1000である過酸化物が好ましい。
好適なラジカル重合開始剤の具体例として、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ジラウロイルパーオキサイド、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシノエデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、t−アミルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシネオデカノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(3−メチルベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジブチルパーオキシトリメチルアジペート、t−アミルパーオキシノルマルオクトエート、t−アミルパーオキシイソノナノエート、及びt−アミルパーオキシベンゾエートが挙げられる。これらの化合物は、単独で用いてもよいし2種以上を組合わせて用いてもよい。
ラジカル重合開始剤としては、光照射(典型的には150〜750nm)によってラジカルを発生する光ラジカル重合開始剤も好ましい。光ラジカル重合開始剤としては、例えば、Photoinitiation,Photopolymerization,and Photocuring,J.−P. Fouassier,Hanser Publishers(1995年)、p17〜p35に記載されているα−アセトアミノフェノン誘導体やホスフィンオキサイド誘導体が光照射に対する感度が高いため、より好ましい。これら光ラジカル重合開始剤は、単独で用いてもよいし、過酸化物やアゾ化合物と組合わせて用いてもよい。
接着剤中のラジカル重合開始剤の量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜30重量部が好ましい。ラジカル重合開始剤の量が0.1重量部未満であると硬化不足が発生する可能性が高くなる傾向があり、30重量部を超えると貯蔵安定性向上の効果が小さくなる傾向がある。同様の観点から、ラジカル重合開始剤の量は2〜20重量部がより好ましい。
(e)成分の酸性化合物は、リン酸基等の酸性基を1又は2以上有する化合物である。特に、リン酸基及びビニル基を有する酸性化合物が好ましい。リン酸基及びビニル基を有する酸性化合物を用いることにより、より高い接着力を維持することができる。リン酸基と、ビニル基((メタ)アクリル基)とを有する酸性化合物としては、例えば、下記一般式(21)、(22)又は(23)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008065997
式(21)中、R30及びR31はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、w及びxはそれぞれ独立に1〜8の整数を示す。式(22)中、R30は水素原子又はメチル基を示し、x、y及びzはそれぞれ独立に1〜8の整数を示す。式(23)中、R30及びR31はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、a及びbはそれぞれ独立に1〜8の整数を示す。
より具体的には、酸性化合物は、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、アシッドホスホオキシエチルアクリレート、アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート、アシッドホスホオキシポリオキシプロピレングリコールモノメタクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート、2,2’−ジ(メタ)アクリロイロキシジエチルホスフェート、EO(エチレンオキシド)変性リン酸ジメタクリレート、リン酸変性エポキシアクリレート、リン酸ビニル及びラクトン変性リン酸メタクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
接着剤中の酸性化合物の量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して好ましくは0.05〜30重量部である。酸性化合物の量が0.05重量部未満であると、高接着強度が得られにくくなる傾向があり、30重量部を超えると硬化後の接着剤の物性が低下して、信頼性向上の効果が小さくなる傾向がある。同様の観点から、酸性化合物の量はより好ましくは0.1〜20重量部である。
本実施形態に係る接着剤は、(f)成分として導電性粒子を更に含有していてもよい。導電性粒子を含有する接着剤は、異方性導電接着剤として特に有用である。導電性粒子としては、Au、Ag、Ni、Cu、はんだ等の金属粒子やカーボンが挙げられる。ガラス、セラミック、プラスチック等からなる非導電性の核体と、この核体を被覆する金属又はカーボンからなる被覆層とを有する被覆粒子を導電性粒子として用いてもよい。導電性粒子が、プラスチックからなる核体と、核体を被覆する金属若しくはカーボンからなる被覆層とを有する被覆粒子、又は熱溶融金属粒子であると、加熱加圧により変形性を有することから、接続時に電極との接触面積が増加し信頼性が向上するので好ましい。また、これらの導電性粒子の表面を、さらに高分子樹脂などで被覆した微粒子は、導電性粒子の配合量を増加した場合の粒子同士の接触による短絡を抑制し、電極回路間の絶縁性が向上できることから、適宜これを単独あるいは導電性粒子と混合して用いてもよい。
導電性粒子の平均粒径は、分散性、導電性の点から1〜18μmであることが好ましい。接着剤中の導電性粒子の量は、導電性粒子を含む接着剤全体の体積に対して0.1〜30体積%であることが好ましい。導電性粒子の量が0.1体積%未満であると十分な導電性が得られにくくなり傾向があり、30体積%を超えると回路の短絡が起こり易くなる傾向がある。同様の観点から、導電性粒子の量は0.1〜10体積%がより好ましい。なお、導電性粒子の体積%は硬化前の各成分の23℃における体積に基づいて決定される。各成分の体積は、比重を利用して重量から体積に換算することができる。あるいは、各成分を溶解したり膨潤させたりせず、各成分をよくぬらす適当な溶媒(水、アルコール等)をメスシリンダーに入れ、そこに各成分を投入し増加した体積をその体積として求めることもできる。
本実施形態に係る接着剤は、安定化剤を含有していてもよい。安定化剤を用いることにより、硬化速度を適切に制御しながら、貯蔵安定性向上の効果がより一層顕著なものとなる。安定化剤は、ベンゾキノン及びハイドロキノン等のキノン誘導体、4−メトキシフェノール及び4−t−ブチルカテコール等のフェノール誘導体、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル及び4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル等のアミノキシル誘導体、並びにテトラメチルピペリジルメタクリレート等のヒンダードアミン誘導体から選ばれることが好ましい。
接着剤中の安定化剤の量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して好ましくは0.01〜30重量部である。安定化剤の量が0.01重量部未満であるとその効果が低下する傾向があり、30重量部を超えると他の成分との相溶性が低下する傾向がある。同様の観点から、安定化剤の量はより好ましくは0.05〜10重量部である。
本実施形態に係る接着剤は、アルコキシシラン誘導体及びシラザン誘導体に代表されるカップリング剤及び密着向上剤、レベリング剤などの接着助剤を含有していてもよい。具体的には、接着剤は、下記一般式(30)で表されるシラン化合物を含有していてもよい。係るシラン化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を組合わせてもよい。
Figure 2008065997
式(30)中、R32は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル基又はアリール基を示し、同一分子中の複数のR32は同一でも異なっていてもよく、R33は(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基、イソシアナート基、イミダゾール基、メルカプト基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ベンジルアミノ基、フェニルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、モルホリノ基、ピペラジノ基、ウレイド基又はグリシジル基を示し、cは1〜10の整数を示す。なお、R33が(メタ)アクリロイルオキシ基である場合、シラン化合物は(b)成分として用いられる。言い換えると、(b)成分のラジカル重合性化合物は、式(30)で表され、R33が(メタ)アクリロイルオキシ基であるシラン化合物を含んでいてもよい。
本実施形態に係る接着剤は、ゴムを含有していてもよい。ゴムを用いることにより、応力緩和及び接着性向上の効果が得られる。ゴムの具体例としては、ポリイソプレン、ポリブタジエン、カルボキシル基末端ポリブタジエン、水酸基末端ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン、カルボキシル基末端1,2−ポリブタジエン、水酸基末端1,2−ポリブタジエン、アクリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、水酸基末端スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、カルボキシル基、水酸基、(メタ)アクリロイル基またはモルホリン基をポリマ末端に含有するアクリロニトリル−ブタジエンゴム、カルボキシル化ニトリルゴム、水酸基末端ポリ(オキシプロピレン)、アルコキシシリル基末端ポリ(オキシプロピレン)、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリオレフィングリコール、並びにポリ−ε−カプロラクトンが挙げられる。
接着性向上の観点からは、高極性基であるシアノ基又はカルボキシル基を側鎖又は末端に有するゴムが好ましい。また、流動性向上の観点からは、液状ゴムがより好ましい。具体的には、液状アクリロニトリル−ブタジエンゴム、カルボキシル基、水酸基、(メタ)アクリロイル基またはモルホリン基をポリマ末端に含有する液状アクリロニトリル−ブタジエンゴム、及び液状カルボキシル化ニトリルゴムが挙げられる。これらのゴムはアクリロニトリルを10〜60重量%含むことが好ましい。これらのゴムは単独で用いてもよいし、2種以上を組合わせてもよい。
本実施形態に係る接着剤は、常温(0〜30℃)で液状(好ましくはペースト状)であってもよいし、固体であってもよい。固体の接着剤は、加熱して使用してよいし、溶剤を使用してペースト化してもよい。使用できる溶剤としては、接着剤の各成分と反応性がなく、かつ十分な溶解性を示すものであれば、特に制限は受けないが、常圧での沸点が50〜150℃であるものが好ましい。沸点が50℃未満の場合、室温(0〜30℃)で放置すると揮発する恐れがあり、開放系での使用が制限される。また、沸点が150℃を超えると、溶剤を揮発させることが難しく、接着後の信頼性に悪影響を及ぼす恐れがある。
本実施形態に係る接着剤はフィルム状であってもよい。フィルムの形状で使用すると取扱性等の点から一層便利である。フィルム状の接着剤は、例えば、接着剤を溶剤に溶解した溶液をフッ素樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、離形紙等の剥離性基材上に塗布し、又は不織布等の基材に含浸させて剥離性基材上に載置し、その後、溶剤を除去する方法により得ることができる。
本実施形態に係る接着剤は、熱膨張係数の異なる異種の被着体の組み合わせを接着するための接着剤として使用することが可能である。具体的には、異方性導電接着剤、銀ペースト、及び銀フィルム等に代表される回路接続材料として好適に使用される。あるいはCSP用エラストマー、CSP用アンダーフィル材、LOCテープ及びダイアタッチフィルム等に代表される半導体素子接着材料として本実施形態に係る接着剤を使用してもよい。
図1は、接続構造体の一実施形態を示す概略断面図である。図1に示す接続構造体1は、第一の回路基板21及びこれの主面21a上に形成された第一の接続端子22を有する第一の回路部材20と、第二の回路基板31及びこれの主面31a上に形成された第二の回路電極32を有する第二の回路部材30と、第一の回路部材20と第二の回路部材30との間に介在してこれらを接着している接着層10とを備える。第二の回路部材30は、第二の接続端子32が第一の接続端子22と対向するように第一の回路部材20と対向配置されている。
接着層10は、導電性粒子を含有する上述の接着剤によって形成されており、絶縁層11と、絶縁層11内に分散している導電性粒子7とから構成される。絶縁層11は、接着剤のうち導電性粒子以外の成分に由来し、ラジカル重合性化合物のラジカル重合により形成された硬化体である。対向する第一の接続端子22及び第二の接続端子32は、導電性粒子7を介して電気的に接続されている。一方、同一の回路基板上に形成された第一の接続端子22同士、及び第二の接続端子32同士は絶縁されている。
第一の回路基板31及び第二の回路基板21としては、例えば、半導体、ガラス及びセラミック等の無機材料の基板、プラスチック基板、又はガラス/エポキシ基板が用いられる。プラスチック基板としては、ポリイミドフィルム、ポリカーボネートフィルム及びポリエステルフィルムが挙げられる。第一の接続端子及び第二の接続端子は、銅などの金属から形成される。
より具体的には、第一の回路部材20及び第二の回路部材30のうち一方は、ガラス基板又はプラスチック基板を回路基板として有し、ITO等から形成された接続端子を有する液晶ディスプレイパネルであってもよい。また、第一の回路部材20及び第二の回路部材30のうち一方は、ポリイミドフィルムを回路基板として有するフレキシブルプリント配線板(FPC)、テープキュリアパッケージ(TCP)若しくはチップオンフィルム(COF)、又は半導体基板を回路基板として有する半導体シリコンチップであってもよい。これらの各種の回路部材を、必要により適宜組合わせて接続構造体が構成される。
接続構造体1は、例えば、第一の回路部材20、フィルム状の接着剤及び第二の回路部材30を、この順で、第一の接続端子22及び第二の接続端子32が相対峙するように重ね合わせ、その状態で加熱及び加圧して接着剤を硬化させる方法により形成される。加熱温度は、特に制限は受けないが、100〜250℃が好ましい。圧力は、被着体に損傷を与えない範囲であれば、特に制限は受けないが、一般的には0.1〜10MPaが好ましい。これらの加熱及び加圧は、0.5秒〜120秒間の範囲で行うことが好ましく、140〜200℃、3MPa、10秒の加熱でも接着させることが可能である。
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
材料
(a)熱可塑性樹脂
・フェノキシ樹脂:PKHM−30(商品名)、InChem社製
・ブチラール樹脂:デンカブチラール3000−1(商品名)、電気化学工業社製
・ポリエステルウレタン樹脂:UR−3500(商品名)、東洋紡社製
・ウレタン樹脂:平均分子量2000のポリブチレンアジペートジオール450重量部、平均分子量2000のポリオキシテトラメチレングリコール450重量部及び1,4−ブチレングリコール100重量部をメチルエチルケトン4000重量部中で均一に混合し、ジフェニルメタンジイソシアネート390重量部を加えて50℃にて反応させて得た(重量平均分子量10万)。
(b)ラジカル重合性化合物
・イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート:M−315(商品名)、東亜合成株式会社製
・ウレタンアクリレート:AT−600(商品名)、共栄社化学株式会社製
(c)尿素化合物
・N,N’−ジメチロール尿素(尿素化合物1):東京化成製
・1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル(尿素化合物2):東京化成製
・1,3―ジメトキシメチルエチレン尿素(尿素化合物3):2−イミダゾリドン(アルドリッチ製)43重量部と塩基性条件下で37%ホルムアルデヒド(関東化学製)122重量部とを100℃で1時間反応させた後、室温(25℃)に冷却してメタノール(関東化学製)32重量部を加えて酸性条件下で30分攪拌し、水を留去して得た(収率72%)。
(d)ラジカル重合開始剤
・t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート:パーヘキシルO(商品名)、日本油脂株式会社製
(e)酸性化合物
・2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート:ライトエステルP−2M(商品名)、共栄社株式会社製
・ラクトン変性リン酸メタクリレート:カヤマーPM−21(商品名)、日本化薬株式会社製
フィルム状接着剤の作製
フェノキシ樹脂及びブチラール樹脂の各40gを、メチルエチルケトン60gにそれぞれ溶解して、固形分40重量%の溶液を準備した。ポリエステルウレタン樹脂は、メチルエチルケトンとトルエンの混合溶媒に溶解した。これら溶液を接着剤の調製に用いた。
また、ポリスチレンからなる核体の表面に、厚み0.2μmのニッケル層を設け、このニッケル層の外側に、厚み0.02μmの金層を設けた導電性粒子(平均粒径4μm、比重2.5)を作製した。
熱可塑性樹脂、ラジカル重合性化合物、尿素化合物、ラジカル重合開始剤及び酸性化合物を表1に示す組成(固形重量比)で混合し、さらに上記導電性粒子を1.5体積%の割合で加えてこれを分散させて、各実施例及び比較例の接着剤溶液を準備した。
得られた接着剤溶液を厚み80μmのフッ素樹脂フィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃、10分の熱風乾燥によって、厚み18μmのフィルム状接着剤を得た。
Figure 2008065997
フィルム状接着剤の評価
(1)接着強度、接続抵抗
得られたフィルム状接着剤を用いて、ライン幅25μm、ピッチ50μm、厚み12μmの銅回路を500本有するフレキシブル回路板(FPC)と、0.2μmの酸化インジウム(ITO)の薄層を形成したガラス基板(厚み1.1mm、表面抵抗20Ω/□)とを、熱圧着装置(加熱方式:コンスタントヒート型、東レエンジニアリング株式会社製)を用いて160℃の温度で3MPaで10秒間の加熱及び加圧を行って幅2mmにわたり接続し、接続構造体を作製した。得られた接続構造体の隣接回路間の抵抗値を、接着直後と、85℃、85%RHの高温高湿槽中に168時間保持した後にマルチメータで測定した。抵抗値は隣接回路間の抵抗37点の平均で示した。
また、接続構造体の接着強度をJIS−Z0237に準じて90度剥離法で測定した。接着強度の測定装置は東洋ボールドウィン株式会社製テンシロンUTM−4(剥離速度50mm/min、25℃)を使用した。
接続抵抗及び接着強度の測定は、接着直後、及び接続構造体を85℃、85%RHの高温高湿槽中に168時間保持する信頼性試験に供した後に行った。測定結果を表2に示す。
Figure 2008065997
実施例1〜7のフィルム状接着剤は、接着直後及び高温高湿処理後において、良好な接続抵抗及び接着強度を示しており、信頼性試験に対して十分な耐性を有することが分かった。一方、尿素化合物を使用していない比較例1〜3では、高温高湿処理後に接着強度の大幅な低下が認められた。また、酸性化合物を使用していない比較例4は、接着直後の時点で接続抵抗及び接着強度が十分でなく、高温高湿処理後ははく離が生じた。表2中、「オープン」は接続抵抗が500Ω以上であったことを意味し、「はく離」ははく離強度(接着強度)測定時にFPCがはく離したことを意味する。
(2)貯蔵安定性
実施例3、6で得られたフィルム状接着剤に真空包装を施し、40℃で3日間放置した。その後、「(1)接着強度、接続抵抗」の場合と同様にして接続構造体を作製し、接着強度及び接続抵抗を測定した。測定結果を放置前(接着直後)の値とともに表3に示す。
Figure 2008065997
実施例3、6のフィルム状接着剤は、40℃/3日の放置前後で良好な接続抵抗及び接着強度を示し、貯蔵安定性に優れることが分かった。
以上のような実験結果からも明らかなように、本発明によれば、高い接着強度を発現するとともに、高温高湿下での信頼性試験に対する高い耐性を有し、更には貯蔵安定性にも優れるラジカル硬化型の接着剤が提供されることが確認された。

Claims (5)

  1. (a)熱可塑性樹脂と、
    (b)ラジカル重合性化合物と、
    (c)下記一般式(10)で表される尿素化合物と、
    (d)ラジカル重合開始剤と、
    (e)酸性化合物と、
    を含有する接着剤。
    Figure 2008065997
    [式(10)中、R及びRはそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基又は水素原子を示し、R及びRは互いに結合して環を形成していてもよく、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8の直鎖アルキル基、又は炭素数3〜10の分岐したアルキル基を示す。]
  2. 前記酸性化合物がリン酸基及びビニル基を有する、請求項1記載の接着剤。
  3. 前記熱可塑性樹脂が、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂及びポリイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1記載の接着剤。
  4. (f)導電性粒子を更に含有する、請求項1記載の接着剤。
  5. 第一の接続端子を有する第一の回路部材と、
    第二の接続端子を有し、該第二の接続端子が前記第一の接続端子と対向するように前記第一の回路部材と対向配置された第二の回路部材と、
    前記第一の回路部材と前記第二の回路部材との間に介在してこれらを接着している接着層と、
    を備え、
    前記接着層が請求項1〜4のいずれか一項に記載の接着剤によって形成されている、接続構造体。
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