JPWO2008050886A1 - ビス(アミノフェノール)誘導体及びその製造方法、並びにポリアミド樹脂類、ポジ型感光性樹脂組成物、保護膜、層間絶縁膜、半導体装置及び表示素子 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら近年の半導体素子の高性能化に伴い、最近ではより信頼性に優れる樹脂が求められている。最先端の半導体素子では、原料の1つとしてビス(アミノフェノール)を用いたポリベンゾオキサゾール樹脂が、高極性のイミド環由来のカルボニル基が無いことから耐湿信頼性が良いとされ、使われ始めている。
これらの樹脂は感光性を付与することにより、パターン作成工程の一部を簡略化できるようになり、工程短縮及び歩留まり向上に効果のある感光性樹脂組成物として開発されている。更に最近では、安全性の面からアルカリ水溶液で現像ができるポジ型感光性樹脂組成物が開発されている。例えば、特許文献1にはビス(アミノフェノール)化合物とジカルボン酸由来の構造からなるベース樹脂であるポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂と、感光剤であるジアゾキノン化合物より構成されるポジ型感光性樹脂組成物が開示されている。これは高い耐熱性、優れた電気特性、微細加工性を有し、ウェハーコート用のみならず層間絶縁用樹脂組成物としての可能性も有している。
このポジ型感光性樹脂組成物の現像メカニズムは以下のようになっている。未露光部のジアゾキノン化合物はアルカリ水溶液に不溶であり、ベース樹脂と相互作用することでこれに対し耐性を持つようになる。一方、露光することによりジアゾキノン化合物は化学変化を起こし、アルカリ水溶液に可溶となり、ベース樹脂の溶解を促進させる。この露光部と未露光部との溶解性の差を利用し、露光部を溶解除去することにより未露光部のみの塗膜パターンの作製が可能となるものである。
塗膜パターンを形成したポジ型感光性樹脂組成物中のポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂は、最終的に300℃近い高温で硬化することにより脱水閉環し、耐熱性に富むポリベンゾオキサゾール樹脂となる。一方、近年は半導体素子の著しい小型化、高集積化により、特に記憶素子では耐熱性が従来より低くなっており、歩留まり向上の為、より低温で硬化可能なポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂が必要とされている。低温で硬化する際に重要となるのは、硬化後の樹脂の環化率である。環化率が低いと、残存するアルカリ可溶基の影響で吸水率が高くなる為に耐湿信頼性や、耐薬品性が低下するだけでなく、誘電率も高くなる。
環化率を向上させようとして、例えば、特許文献2には分子鎖を動き易くする為、エーテル結合を含むビス(アミノフェノール)を用いたポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂が開示されているが、露光時に活性光線として利用されることが多い365nmの波長を持つ紫外線(i線)に対し樹脂の透明性が非常に低くパターン形成が難しいという問題がある。
更に、これらのポジ型感光性樹脂組成物を実際に使用する場合、特に重要となるのは感光性樹脂組成物の感度である。低感度であると、露光時間が長くなりスループットが低下する。そこで感光性樹脂組成物の感度を向上させようとして、例えば、ポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂中のフェノール性水酸基を適当な有機基で保護し、分子内水素結合を抑えることでi線に対し高透明にさせる方法があるが、アルカリ可溶基であるフェノール性水酸基を保護する為にアルカリ水溶液に十分溶解できず、結果的に低感度になるだけでなく、フェノール性水酸基とアミド基のカルボニル炭素との間の距離が離れることにより閉環し難くなる。
この様に、ポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂を用いるポジ型感光性樹脂組成物であって、高感度でありながら、低温で硬化しても高環化率であるという、加工性と信頼性の両方の特性を満足するポジ型感光性樹脂組成物の開発が最近強く望まれている。つまり、従来のポジ型感光性樹脂組成物では、ポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂を用いて、高感度と、低温で硬化した際の高環化率を両立させることが困難であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ベンゾオキサゾール前駆体構造を有するポリアミド樹脂類、特に、ベンゾオキサゾール前駆体構造を主体とするポリアミド樹脂類を用いるポジ型感光性樹脂組成物であって、高感度であり且つ低温で硬化した際にも高環化率であるポジ型感光性樹脂組成物、及びその原料となるポリアミド樹脂類を提供することである。また、本発明の目的は、ベンゾオキサゾール構造を有するポリアミド樹脂類、特に、ベンゾオキサゾール構造を主体とするポリアミド樹脂類を用いるポジ型感光性樹脂組成物であって、高感度であり且つ低温で硬化した際にも高環化率であるポジ型感光性樹脂組成物、及びその原料となるポリアミド樹脂類を提供することである。また、本発明の目的は、イミド構造又はイミド前駆体構造若しくはアミド酸エステル構造を有するポリアミド樹脂類を用いるポジ型感光性樹脂組成物であって、高感度であり且つ低温で硬化した際にも低吸水率であるポジ型感光性樹脂組成物、及びその原料となるポリアミド樹脂類を提供することである。また、本発明の目的は、前記ポリアミド樹脂類の原料となるビス(アミノフェノール)誘導体を提供することである。また、本発明の目的は、前記ポジ型感光性樹脂組成物を用いていられる保護膜及び層間絶縁膜、並びにこれらを有する半導体装置及び表示素子を提供することである。
1.ポジ型感光性樹脂組成物用ポリアミド樹脂類の原料として使用されるビス(アミノフェノール)誘導体であって、両方のアミノ基の隣接する部位に置換基を有することを特徴とするビス(アミノフェノール)誘導体。
2.前記ビス(アミノフェノール)誘導体が、下記式(1)で示されるビス(アミノフェノール)誘導体である、請求項1に記載のビス(アミノフェノール)誘導体。
式(1):
(式中、R1はアルキレン、置換アルキレン、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、単結合から選ばれる有機基である。R2はアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、シクロアルキル基のいずれかであり、同一でも異なっても良い。R3は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、シクロアルキル基のいずれかであり、同一でも異なっても良い。)
3.前記式(1)で示されるビス(アミノフェノール)誘導体のR2がアルキル基であり、かつ、R3がアルキル基である請求項2に記載のビス(アミノフェノール)誘導体。
4.前記式(1)で示されるビス(アミノフェノール)誘導体のR1がアルキレン又は置換アルキレンである請求項2又は3のいずれかに記載のビス(アミノフェノール)誘導体。
5.ポジ型感光性樹脂組成物用ポリアミド樹脂の原料として使用されるビス(アミノフェノール)誘導体の製造方法であって、下記式(2)で示される化合物のニトロ基を還元する工程を有することを特徴とするビス(アミノフェノール)誘導体の製造方法。
式(2):
(式中、R4はアルキレン、置換アルキレン、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、単結合から選ばれる有機基である。R5はアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、シクロアルキル基のいずれかであり、同一でも異なっても良い。R6は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、シクロアルキル基のいずれかであり、同一でも異なっても良い。)
6.前記ニトロ基の還元が、水素雰囲気において、遷移金属触媒存在下で行われるものである請求項5に記載のビス(アミノフェノール)誘導体の製造方法。
7.ビス(アミノフェノール)と、カルボン酸由来の構造からなるポリアミド樹脂類であって、前記ビス(アミノフェノール)が、両方のアミノ基の隣接する部位に置換基を有するビス(アミノフェノール)誘導体であることを特徴とするポリアミド樹脂類。
8.ジアミン成分とカルボン酸成分との反応により得られるポリアミド樹脂類であって、前記ジアミン成分の全部又は一部が、両方のアミノ基の隣接する部位に置換基を有するビス(アミノフェノール)誘導体であることを特徴とするポリアミド樹脂類。
9.前記ビス(アミノフェノール)誘導体が、下記式(1)で示されるビス(アミノフェノール)誘導体である請求項7又は8に記載のポリアミド樹脂類。
式(1):
(式中、R1はアルキレン、置換アルキレン、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、単結合から選ばれる有機基である。R2はアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、シクロアルキル基のいずれかであり、同一でも異なっても良い。R3は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、シクロアルキル基のいずれかであり、同一でも異なっても良い。)
10.前記式(1)で示されるビス(アミノフェノール)誘導体のR2がアルキル基又はアルコキシ基であり、かつ、R3がアルキル基又はアルコキシ基である請求項9に記載のポリアミド樹脂類。
11.ポリアミド樹脂類が、ポリベンゾオキサゾール前駆体構造を有する請求項7乃至10に記載のポリアミド樹脂類。
12.請求項7乃至11記載のポリアミド樹脂類(A)と感光性ジアゾキノン化合物(B)とを含むことを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
13.請求項7乃至11記載のポリアミド樹脂類(A)100重量部に対して、前記感光性ジアゾキノン化合物(B)を1〜50重量部含むものである請求項12に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
14.更にフェノール化合物(C)を含むものである請求項12又は13のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
15.請求項7乃至11記載のポリアミド樹脂類(A)100重量部に対して、前記フェノール化合物(C)を1〜30重量部含むものである請求項14記載のポジ型感光性樹脂組成物。
16.請求項12乃至15のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物の硬化物で構成されていることを特徴とする保護膜。
17.請求項12乃至15のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物の硬化物で構成されていることを特徴とする層間絶縁膜。
18.半導体素子又は表示素子の表面保護膜である請求項16に記載の保護膜。
19.請求項16に記載の保護膜を有していることを特徴とする半導体装置。
20.請求項16に記載の保護膜を有していることを特徴とする表示素子。
21.請求項17に記載の層間絶縁膜を有していることを特徴とする半導体装置。
22.請求項17に記載の層間絶縁膜を有していることを特徴とする表示素子。
本発明によれば、ベンゾオキサゾール前駆体構造を有するポリアミド樹脂類、特に、ベンゾオキサゾール前駆体構造を主体とするポリアミド樹脂類を用いるポジ型感光性樹脂組成物であって、高感度であり且つ低温で硬化した際にも高環化率であるポジ型感光性樹脂組成物、及びその原料となるポリアミド樹脂類を提供することができる。また、本発明によれば、ベンゾオキサゾール構造を有するポリアミド樹脂類、特に、ベンゾオキサゾール構造を主体とするポリアミド樹脂類を用いるポジ型感光性樹脂組成物であって、高感度であり且つ低温で硬化した際にも高環化率であるポジ型感光性樹脂組成物、及びその原料となるポリアミド樹脂類を提供することができる。また、本発明によれば、イミド構造又はイミド前駆体構造若しくはアミド酸エステル構造を有するポリアミド樹脂類を用いるポジ型感光性樹脂組成物であって、高感度であり且つ低温で硬化した際にも低吸水率であるポジ型感光性樹脂組成物、及びその原料となるポリアミド樹脂類を提供することができる。また、本発明によれば、前記ポリアミド樹脂類の原料となるビス(アミノフェノール)誘導体を提供することができる。また、本発明によれば、前記ポジ型感光性樹脂組成物を用いていられる保護膜及び層間絶縁膜、並びにこれらを有する半導体装置及び表示素子を提供することができる。
なお、本発明において、ポリアミド樹脂類とは、樹脂の主鎖が、アミド結合、イミド結合又はベンゾオキサゾール構造のいずれか又はこれらの2以上の組合せにより結合している樹脂の総称である。該ポリアミド樹脂類は、ベンゾオキサゾール前駆体構造、ベンゾオキサゾール構造、イミド構造、イミド前駆体構造及びアミド酸エステル構造のいずれか又はこれらの2以上の組合せを有する。
よって、該ポリアミド樹脂類には、(i)ベンゾオキサゾール前駆体構造を有するポリアミド樹脂又はベンゾオキサゾール前駆体構造を主体とするポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂、(ii)ベンゾオキサゾール構造を有するポリアミド樹脂又はベンゾオキサゾール構造を主体とするポリベンゾオキサゾール樹脂、(iii)ベンゾオキサゾール前駆体構造とベンゾオキサゾール構造の両方を有するポリアミド樹脂、言い換えると、上記(i)のポリアミド樹脂のベンゾオキサゾール前駆体構造の一部が閉環してベンゾオキサゾール構造となったポリアミド樹脂、(iv)イミド前駆体構造を有するポリアミド樹脂又はイミド前駆体構造を主体とするポリイミド前駆体樹脂、(v)イミド構造を有するポリアミド樹脂又はイミド構造を主体とするポリイミド樹脂、(vi)イミド前駆体構造とイミド構造の両方を有するポリアミド樹脂、言い換えると、上記(iv)のポリアミド樹脂のイミド前駆体構造の一部が閉環してイミド構造となったポリアミド樹脂、(vii)ベンゾオキサゾール前駆体構造又はベンゾオキサゾール構造と、イミド前駆体構造又はイミド構造と、の両方を有するポリアミド樹脂、(viii)ベンゾオキサゾール前駆体構造、ベンゾオキサゾール構造、イミド構造、イミド前駆体構造及びアミド酸エステル構造のうちの1種又は2種以上の構造を有する樹脂等が含まれる。
なお、本発明において、ベンゾオキサゾール前駆体構造、ベンゾオキサゾール構造、イミド構造、イミド前駆体構造及びアミド酸エステル構造とは、下記式で示される構造である。
ベンゾオキサゾール前駆体構造:
ベンゾオキサゾール構造:
イミド構造:
イミド前駆体構造:
アミド酸エステル構造:
また、上記のうち、ジアミン成分が、ビス(アミノフェノール)の場合のイミド構造、イミド前駆体構造及びアミド酸エステル構造とは、下記式で示される構造である。
ジアミン成分がビス(アミノフェノール)の場合のイミド構造:
ジアミン成分がビス(アミノフェノール)の場合のイミド前駆体構造:
ジアミン成分がビス(アミノフェノール)の場合のアミド酸エステル構造:
また、上記のうち、ジアミン成分が、本発明のビス(アミノフェノール)誘導体の場合のベンゾオキサゾール前駆体構造、ベンゾオキサゾール構造、イミド構造、イミド前駆体構造及びアミド酸エステル構造とは、下記式で示される構造である。
ジアミン成分が本発明のビス(アミノフェノール)誘導体の場合のベンゾオキサゾール前駆体構造:
ジアミン成分が本発明のビス(アミノフェノール)誘導体の場合のベンゾオキサゾール構造:
ジアミン成分が本発明のビス(アミノフェノール)誘導体の場合のイミド構造:
ジアミン成分が本発明のビス(アミノフェノール)誘導体の場合のイミド前駆体構造:
ジアミン成分が本発明のビス(アミノフェノール)誘導体の場合のアミド酸エステル構造:
上記式中、R1、R2及びR3は、前記式(1)中のR1、R2及びR3と同義である。B、D及びEは、有機基である。R’は、炭素数1〜15の有機基である。
そして、本発明のビス(アミノフェノール)誘導体は、2つのアミノフェノール基のうち、一方のアミノフェノール基において、芳香族環上のヒドロキシル基の位置を1位としたとき、1位にヒドロキシル基を、該ヒドロキシル基に隣接する2位にアミノ基を、該アミノ基に隣接する3位に置換基を有し、他方のアミノフェノール基においても同様に、芳香族環上のヒドロキシル基の位置を1’位としたとき、1’位にヒドロキシル基を、該ヒドロキシル基に隣接する2’位にアミノ基を、該アミノ基に隣接する3’位に置換基を有する。
本発明のビス(アミノフェノール)誘導体は、例えば、ビス(ニトロフェノール)誘導体の両方のニトロ基を、水素雰囲気において遷移金属触媒存在下で還元することにより得られる。
以下に本発明のビス(アミノフェノール)誘導体、及びその製造方法について詳細に説明する。なお下記は例示であり、本発明は何ら下記に限定されるものではない。
近年は半導体素子の著しい小型化、高集積化により、特に記憶素子では耐熱性が従来より低くなっており、歩留まり向上の為、より低温で硬化可能なポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂が必要とされている。一方で低コスト化の流れから、露光時間が短い、即ち高感度である感光性樹脂組成物が望まれており、i線に対し高透明なポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂が必要とされている。
本発明のビス(アミノフェノール)誘導体は、これらの要求を満たすことができるポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂のジアミン原料として、好適であり、特に、下記式(1)で示されるビス(アミノフェノール)誘導体が好ましい。
式(1):
(式中、R1はアルキレン、置換アルキレン、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、単結合、又は下記式(3)の群から選ばれる有機基である。R2はアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、シクロアルキル基のいずれかであり、同一でも異なっても良い。R3は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、シクロアルキル基のいずれかであり、同一でも異なっても良い。)
式(3):
(式中、*は前記式(1)で示されるビス(アミノフェノール)誘導体のアミノフェノール基の芳香族環に結合することを示す。)
なお、前記式(1)において、R1が単結合とは、アミノフェノール基の芳香族環同士が、単結合で結合していることを指す。
本発明のビス(アミノフェノール)誘導体を、適切な条件下、ジカルボン酸又はジカルボン酸ジクロライド等の、ジアミン化合物と反応しアミド結合を形成してポリアミド樹脂を与えるジカルボン酸誘導体と、反応させることにより、ポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂が得られる。これにより、信頼性に優れる半導体素子又は表示素子用の保護膜、層間絶縁膜として好適に用いることができる。
従来のビス(アミノフェノール)誘導体、すなわち、両方のアミノ基の隣接する部位に置換基を有しないビス(アミノフェノール)誘導体をジアミン原料に用いても、i線に高透明で、且つ低温で硬化できるポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂を得ることができなかった。これに対し、前記式(1)で示されるビス(アミノフェノール)誘導体の構造のように、フェノール性水酸基とは別に、芳香環上のアミノ基の隣接する部位(オルソ位)に置換基を有するビス(アミノフェノール)誘導体、すなわち、本発明のビス(アミノフェノール)誘導体をジアミン原料に用いると、i線に対し高透明で、且つ低温で硬化した際にも高環化率であるポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂が得られる。その理由としては、前記式(1)で示されるビス(アミノフェノール)誘導体のR2で示される置換基同士の立体障害によりR1を介した芳香環同士が折れ曲がることで平面構造を取り難くなり、電荷移動が起こり難くなったことにより、高透明となる効果が得られ、また、アミノ基のオルソ位にある置換基(R2)が立体的にポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂中のアミド結合を押しやり、アミド結合のカルボニル炭素とフェノール性水酸基の距離を接近させるにより、低温で硬化した際にも高環化率となる効果が得られるものと考えられる。
また、近年では前述のように、半導体素子の著しい小型化、高集積化により、露光工程が律速となっていることが多々あることから、高感度化によるスループット向上と、耐熱性の低い最先端の記憶素子や高温処理ができない表示素子の信頼性の向上のため、i線に高透明で、且つ低温で硬化した際にも吸水率が低いポリイミド樹脂又はポリイミド前駆体樹脂が必要とされている。
本発明のビス(アミノフェノール)誘導体は、これらの要求を満たすことができるポリイミド樹脂又はポリイミド前駆体樹脂のジアミン原料として好適であり、特に、前記式(1)で示されるビス(アミノフェノール)誘導体が好ましい。
本発明のビス(アミノフェノール)誘導体を、適切な条件下、テトラカルボン酸、テトラカルボン酸二無水物、或いはテトラジカルボン酸テトラクロライド等の、ジアミン化合物と反応してイミド結合を形成してポリイミド樹脂を与えるテトラカルボン酸誘導体と、反応させることにより、ポリイミド樹脂又はポリイミド前駆体樹脂が得られる。
これにより、信頼性に優れる半導体素子又は表示素子用の保護膜、層間絶縁膜として好適に用いることができる。
従来のビス(アミノフェノール)誘導体をジアミン原料に用いても、i線に高透明で、且つ低温で硬化した際にも吸水率が低いポリイミド樹脂又はポリイミド前駆体樹脂を得ることができなかった。これに対し、前記式(1)で示されるビス(アミノフェノール)誘導体の構造のように、フェノール性水酸基とは別に、芳香環上のアミノ基の隣接する部位(オルソ位)に置換基を有するビス(アミノフェノール)誘導体、すなわち、本発明のビス(アミノフェノール)誘導体をジアミン原料に用いると、i線に高透明で、且つ低温で硬化した際にも吸水率が低いポリイミド樹脂又はポリイミド前駆体樹脂が得られる。その理由としては、前記式(1)で示されるビス(アミノフェノール)誘導体のR2で示される置換基同士の立体障害によりR1を介した芳香環同士が折れ曲がることで平面構造を取り難くなり、電荷移動が起こり難くなったことにより、高透明となる効果が得られ、また、アミノ基のオルソ位にある置換基(R2)が立体的に、ポリイミド樹脂中のイミド結合又はポリイミド前駆体樹脂が硬化してポリイミド樹脂となった後のイミド結合を押しやり、アミド結合のカルボニル炭素とフェノール性水酸基の距離が接近し、相互作用を起こすことで、外部からの水による反応が阻害され、低温で硬化した際にも吸水率が低くなる効果が得られるものと考えられる。
前記式(1)で示されるビス(アミノフェノール)誘導体の構造は、具体的には下記式(4)〜下記式(9)で示されるものが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
式(4):
式(5):
式(6):
式(7):
式(8):
式(9):
本発明のビス(アミノフェノール)誘導体は、好ましくは、前記式(1)で示されるビス(アミノフェノール)誘導体である。
更に、前記式(1)中、フェノール性水酸基のオルソ位、すなわち、R3にも置換基を有することが、アミド結合のカルボニル炭素と水酸基の距離をより接近させると考えられ、低温で硬化した際に高環化率になる効果が更に高まる点で、特に好ましい。
また、前記式(1)中、R2がアルキル基であり、且つR3がアルキル基であることが、i線に対する高透明性と低温で硬化した際に高環化率であるという効果を維持しながら、アルカリ水溶液に対して十分な溶解性を持ち、バランスに優れるポリアミド樹脂が得られる点で、特に好ましい。
また、前記式(1)中、R1がアルキレン又は置換アルキレンであることが、更に好ましい。R1に係るアルキレン及び置換アルキレンの具体的な例としては、−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH2CH3)(CH2CH3)−、−CH(CH2CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH3)−、−CH(CH(CH3)2)−、−C(CH3)(CH(CH3)2)−、−CH(CH2CH2CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH2CH3)−、−CH(CH2CH(CH3)2)−、−C(CH3)(CH2CH(CH3)2)−、−CH(CH2CH2CH2CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH2CH2CH3)−、−CH(CH2CH2CH2CH2CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH2CH2CH2CH3)−等が挙げられるが、その中でも−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−が、i線に対する高透明性と低温で硬化した際の高環化率であるという効果を維持しながら、アルカリ水溶液だけでなく溶剤に対しても十分な溶解性を持つ、バランスに優れるポリアミド樹脂を得ることができる点で、より好ましい。
本発明のビス(アミノフェノール)誘導体の製造方法としては、下記式(10)で示される出発原料のビスフェノール誘導体を、ニトロ化剤を用いるニトロ化反応によりニトロ化し、前記式(2)で示されるビス(ニトロフェノール)誘導体を合成し、次いで、得られた下記式(2)のビス(ニトロフェノール)誘導体のニトロ基を、還元反応により還元する工程を行い、ニトロ基をアミノ基へと変換してビス(アミノフェノール)誘導体を得る方法が挙げられる。
式(10):
(式中、R4はアルキレン、置換アルキレン、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、単結合から選ばれる有機基である。R5はアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、シクロアルキル基のいずれかであり、同一でも異なっても良い。R6は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、シクロアルキル基のいずれかであり、同一でも異なっても良い。)
式(2):
(式中、R4はアルキレン、置換アルキレン、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、単結合から選ばれる有機基である。R5はアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、シクロアルキル基のいずれかであり、同一でも異なっても良い。R6は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、シクロアルキル基のいずれかであり、同一でも異なっても良い。)
前記式(10)で示されるビスフェノール誘導体をニトロ化する方法としては、例えば、前記式(10)で示されるビスフェノール誘導体を、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロホルム、ジクロロメタン及び無水酢酸等の溶媒中で、硝酸やその混酸、金属硝酸塩及びニトロニウム塩などのニトロ化剤を用いて、反応させる方法が挙げられる。
前記式(2)で示されるビス(ニトロフェノール)誘導体のニトロ基を還元する方法としては、前記式(2)で示されるビス(ニトロフェノール)誘導体のニトロ基を、塩化スズ(II)二水和物及びハイドロサルファイトナトリウム等の還元剤を用いて、還元反応を行い還元する方法がある。
また、前記式(2)で示されるビス(ニトロフェノール)誘導体を、エタノール、四塩化炭素、ジクロロエタン、ジクロロメタン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン/エタノール(又はメタノールなどのアルコール系)混合溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン及びN−メチル−2−ピロリドン等の溶媒中、水素雰囲気下において攪拌しながら、パラジウム/活性炭触媒、白金/活性炭触媒、ラネーニッケル触媒等の遷移金属触媒存在下で還元し、前記式(2)で示されるビス(ニトロフェノール)誘導体のニトロ基を還元してアミノ基とする方法を採ることにより、塩素イオン、ナトリウムイオン等、イオン性不純物の少ないビス(アミノフェノール)誘導体を得ることができる。この時、反応時間及び溶媒量は特に制限されない。また、該遷移金属触媒の使用量としては、前記式(2)で示されるビス(ニトロフェノール)誘導体に対し0.1mol%〜10mol%が好ましい。この範囲で行うと好適に還元反応が行われる。
上記の還元反応により得られる前記式(1)で示されるビス(アミノフェノール)誘導体を、ろ過等により触媒を除去した後、溶媒を留去することにより、そのままでも用いることができるが、メタノールやエタノールなどのアルコール溶媒、N,N−ジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシドなどの両親媒性溶媒、ヘキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン及び水などの溶媒を、これら単独または複数の混合溶媒を用いて、再結晶することにより、精製して純度を上げることも可能である。
なお、本発明のビス(アミノフェノール)誘導体の製造方法は、上記の合成反応ルートが一般的であるが、これらに何ら限定されるものではない。
本発明のポリアミド樹脂類(A)は、ビス(アミノフェノール)と、カルボン酸由来の構造からなるものであり、該ビス(アミノフェノール)が、両方のアミノ基の隣接する部位に置換基を有することを特徴とするものである。
そして、本発明のポリアミド樹脂類(A)は、ジアミン成分とカルボン酸成分との反応により得られるポリアミド樹脂類であって、前記ジアミン成分の全部又は一部が、前記本発明のビス(アミノフェノール)誘導体であることを特徴とするものである。
なお、本発明において、本発明のポリアミド樹脂類(A)とは、樹脂の主鎖が、アミド結合、イミド結合又はベンゾオキサゾール構造のいずれか又はこれらの2以上の組合せにより結合している樹脂である。本発明のポリアミド樹脂類(A)は、ベンゾオキサゾール前駆体構造、ベンゾオキサゾール構造、イミド構造、イミド前駆体構造及びアミド酸エステル構造のいずれか又はこれらの2以上の組合せを有する。本発明のポリアミド樹脂類(A)には、(i)ベンゾオキサゾール前駆体構造を有するポリアミド樹脂又はベンゾオキサゾール前駆体構造を主体とするポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂、(ii)ベンゾオキサゾール構造を有するポリアミド樹脂又はベンゾオキサゾール構造を主体とするポリベンゾオキサゾール樹脂、(iii)ベンゾオキサゾール前駆体構造とベンゾオキサゾール構造の両方を有するポリアミド樹脂、言い換えると、上記(i)のポリアミド樹脂のベンゾオキサゾール前駆体構造の一部が閉環してベンゾオキサゾール構造となったポリアミド樹脂、(iv)イミド前駆体構造を有するポリアミド樹脂又はイミド前駆体構造を主体とするポリイミド前駆体樹脂、(v)イミド構造を有するポリアミド樹脂又はイミド構造を主体とするポリイミド樹脂、(vi)イミド前駆体構造とイミド構造の両方を有するポリアミド樹脂、言い換えると、上記(iv)のポリアミド樹脂のイミド前駆体構造の一部が閉環してイミド構造となったポリアミド樹脂、(vii)ベンゾオキサゾール前駆体構造又はベンゾオキサゾール構造と、イミド前駆体構造又はイミド構造と、の両方を有するポリアミド樹脂、(viii)ベンゾオキサゾール前駆体構造、ベンゾオキサゾール構造、イミド構造、イミド前駆体構造及びアミド酸エステル構造のうちの1種又は2種以上の構造を有する樹脂等が含まれる。また、本発明のポリアミド樹脂類(A)は、主鎖又は側鎖に、水酸基、カルボキシル基、エーテル基又はエステル基を有してもよい。
本発明のポリアミド樹脂類(A)の数平均分子量は、特に制限されないが、好ましくは3000〜100000、特に好ましくは5000〜80000である。
また、本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、本発明のポリアミド樹脂類(A)及び感光性ジアゾキノン化合物(B)を含むことを特徴とする。また、本発明の保護膜及び本発明の層間絶縁膜は、本発明のポジ型感光性樹脂組成物の硬化物で構成されていることを特徴とする。更に、本発明の半導体装置及び本発明の表示素子は、本発明の保護膜又は本発明の層間絶縁膜で構成されていることを特徴とする。
以下に本発明のポリアミド樹脂類(A)及び本発明のポジ型感光性樹脂組成物の各成分について詳細に説明する。なお下記は例示であり、本発明は何ら下記に限定されるものではない。
本発明のポリアミド樹脂類(A)に係る該ビス(アミノフェノール)、すなわち、本発明のポリアミド樹脂類(A)に係る該ジアミン成分は、全部又は一部が本発明のビス(アミノフェノール)誘導体であり、本発明のビス(アミノフェノール)誘導体については、前記のとおりである。
本発明のポリアミド樹脂類(A)に係る該ジアミン成分は、一部が本発明のビス(アミノフェノール)誘導体以外のジアミンであってもよく、その場合、該ジアミンとしては、一般に、ポリアミド樹脂類のジアミン成分として用いられるものであれば、特に制限されない。
本発明のポリアミド樹脂類(A)に係る該カルボン酸成分としては、一般に、ポリアミド樹脂類のカルボン酸成分として用いられるものであれば、特に制限されない。
本発明のポリアミド樹脂類(A)のうち、ベンゾオキサゾール前駆体構造を有するポリアミド樹脂類としては、具体的には、最終加熱後の耐熱性及び信頼性が高くなる点で、「ジアミン成分とカルボン酸成分との反応により得られるポリアミド樹脂類であって、該ジアミン成分由来の構造単位として下記式(13−1)及び下記式(13−2)と、該カルボン酸成分由来の構造単位として下記式(13−3)とが、アミド結合によりランダムに共重合したポリアミド樹脂類」(以下、式(13−1)及び式(13−2)と、式(13−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類とも記載する。)であることが好ましく、「ジアミン成分とカルボン酸成分との反応により得られるポリアミド樹脂類であって、該ジアミン成分由来の構造単位として下記式(14−1)及び下記式(14−2)と、該カルボン酸成分由来の構造単位として下記式(14−3)とが、アミド結合によりランダムに共重合したポリアミド樹脂類」(以下、式(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類とも記載する。)であることが特に好ましい。なお、下記式(13−1)は1種でもあっても2種以上であってもよく、すなわち、下記式(13−1)に該当するジアミン成分が、R1〜R3が全て同じジアミン成分であってもよく、R1〜R3が異なるジアミン成分であってもよい。また、下記式(13−2)は1種でもあっても2種以上であってもよく、すなわち、下記式(13−2)に該当するジアミン成分が、R10、m及びXが全て同じジアミン成分であってもよく、R10、m及びXが異なるジアミン成分であってもよい。また、下記式(13−3)は1種でもあっても2種以上であってもよく、すなわち、下記式(13−3)に該当するカルボン酸成分が、R11、n及びYが全て同じカルボン酸成分であってもよく、R11、n及びYが異なるカルボン酸成分であってもよい。また、下記式(13−1)、(13−2)及び(13−3)では、a及びbは樹脂中の各構造単位の数を示しているのであって、各成分が連続していること示すものではない。同様に、下記式(14−1)は1種でもあっても2種以上であってもよく、すなわち、下記式(14−1)に該当するジアミン成分が、R1〜R3が全て同じジアミン成分であってもよく、R1〜R3が異なるジアミン成分であってもよい。また、下記式(14−2)は1種でもあっても2種以上であってもよく、すなわち、下記式(14−2)に該当するジアミン成分が、R12、p及びXが全て同じジアミン成分であってもよく、R12、p及びXが異なるジアミン成分であってもよい。また、下記式(14−3)は1種でもあっても2種以上であってもよく、すなわち、下記式(14−3)に該当するカルボン酸成分が、Yが全て同じカルボン酸成分であってもよく、Yが異なるカルボン酸成分であってもよい。また、下記式(14−1)、(14−2)及び(14−3)では、c及びdは樹脂中の各構造単位の数を示しているのであって、各成分が連続していること示すものではない。また、「式(13−1)及び式(13−2)と、式(13−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類」及び「(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類」のいずれにおいても、ベンゾオキサゾール前駆体構造又はイミド前駆体構造の一部が閉環して、ベンゾオキサゾール構造又はイミド構造になったものも含む。
式(13−1):
式(13−2):
式(13−3):
式(14−1):
式(14−2):
式(14−3):
上記式(13−1)、(13−2)、(13−3)、(14−1)、(14−2)及び(14−3)並びに後述する下記式(37)中、X、Yは有機基である。a、b、c及びdは樹脂中の各構造単位の数を示し、1以上の整数である。式(13−1)及び式(13−2)と、式(13−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類において、ジアミン成分中の式(13−1)のモルパーセント、すなわち、{a/(a+b)}×100(%)は30以上100以下であり、ジアミン成分中の式(13−2)のモルパーセント、すなわち、{b/(a+b)}×100(%)は0以上70以下である。また、(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類において、ジアミン成分中の式(14−1)のモルパーセント、すなわち、{c/(c+d)}×100(%)は30以上100以下であり、ジアミン成分中の式(14−2)のモルパーセント、すなわち、{d/(c+d)}×100(%)は0以上70以下である。R1、R2及びR3は、前記式(1)中のR1、R2及びR3と同義である。R10及びR12は水酸基又は−O−R13であり、同一でも異なっても良い。R11は水酸基、カルボキシル基、−O−R13、−COO−R13のいずれかであり、同一でも異なっても良い。mは0〜2の整数、nは0〜4の整数、pは2である。R13は炭素数1〜15の有機基である。なお、前記式(13−2)中のR10が水酸基でない場合、前記式(13−3)中のR11は少なくとも1つはカルボキシル基でなければならない。また、前記式(13−3)中のR11がカルボキシル基でない場合、前記式(13−2)中のR10は水酸基でなければならない。
(13−1)及び式(13−2)と、式(13−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類において、{a/(a+b)}×100が30モルパーセント以上であることにより、i線に対し高透明で、且つ低温で硬化した際にも高環化率であるポリアミド樹脂類が得られる。また、(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類において、{c/(c+d)}×100が30モルパーセント以上でありことにより、i線に対し高透明で、且つ低温で硬化した際にも高環化率であるポリアミド樹脂類が得られる。
(13−1)及び式(13−2)と、式(13−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類は、例えば、ジアミン成分として、前記式(1)で示されるビス(アミノフェノール)誘導体、及び必要により用いられるXを有するジアミン、ビス(アミノフェノール)又は2,4−ジアミノフェノール等と、カルボン酸成分として、Yを有するテトラカルボン酸二無水物、トリメリット酸無水物、ジカルボン酸、ジカルボン酸ジクロライド、ジカルボン酸誘導体、ヒドロキシジカルボン酸又はヒドロキシジカルボン酸誘導体等と、を反応させて得られるものである。
(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類は、例えば、ジアミン成分として、前記式(1)で示されるビス(アミノフェノール)、及び必要により用いられるXを有するビス(アミノフェノール)又は2,4−ジアミノフェノール等と、カルボン酸成分として、Yを有するジカルボン酸、ジカルボン酸ジクロライド又はジカルボン酸誘導体等と、を反応して得られるものである。なお、ジカルボン酸の場合には反応収率等を高めるため、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール等を予め反応させた活性エステル型のジカルボン酸誘導体を用いてもよい。
前記式(13−2)、前記式(13−3)及び前記式(14−2)において、Xの置換基としての−O−R13、Yの置換基としての−O−R13−COO−R13は、アルカリ水溶液に対する溶解性を調節する目的で、水酸基又はカルボキシル基が、炭素数1〜15の有機基であるR13で保護された基であり、必要により水酸基又はカルボキシル基を保護しても良い。R13の例としては、ホルミル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基、ターシャリーブトキシカルボニル基、フェニル基、ベンジル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基等が挙げられる。
また、本発明のポリアミド樹脂類(A)としては、具体的には、下記式(37)で示されるポリアミド樹脂類が挙げられる。なお、下記式(37)は、前記式(1)で示されるビス(アミノフェノール)誘導体とカルボン酸由来の構造である。
式(37):
(式中、R7はアルキレン、置換アルキレン、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、単結合から選ばれる有機基である。R8はアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、シクロアルキル基のいずれかであり、同一でも異なっても良い。R9は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、シクロアルキル基のいずれかであり、同一でも異なっても良い。Yは有機基であり、前記式(13−1)、(13−2)、(13−3)、(14−1)、(14−2)及び(14−3)中のYと同義である。eは1以上の整数である。)
本発明のポリアミド樹脂類(A)のうち、ベンゾオキサゾール前駆体構造を有するポリアミド樹脂類は、高温で加熱する場合は280℃〜380℃で、低温で加熱する場合は150℃〜280℃で加熱処理すると脱水閉環し、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂とポリイミド樹脂との共重合体等の耐熱性樹脂が得られる。低温で加熱処理すると、耐熱性が低い半導体素子でも歩留まりを向上させる効果がある。
前記式(13−2)及び前記式(14−2)のXは有機基であり、例えばベンゼン環、ナフタレン環等の芳香族化合物、ビスフェノール類、ピロール類、フラン類等の複素環式化合物、シロキサン化合物等が挙げられ、より具体的には下記式(15)で示されるものを好ましく挙げることができる。前記式(13−2)及び前記式(14−2)のジアミン成分は、i線に対する高透明性と、低温で硬化した際に高環化率であるという効果に影響しない程度で、必要により1種類又は2種類以上組み合わせて用いられる。
式(15):
前記式(15)のうち、特に好ましいものとして、下記式(16)及び下記式(17)で表されるものが挙げられる。
式(16):
(式中、*はNH基に結合することを示す。R20は、アルキル基、アルキルエステル基、ハロゲン原子の内から選ばれた1つを表し、それぞれ同じでも異なっていてもよい。sは0〜2の整数である。)
(16)
式(17):
(式中、*はNH基に結合することを示す。)
(17)
前記式(13−2)及び前記式(14−2)で示すように、前記式(13−2)の場合、XにはR10が0〜2個結合し、前記式(14−2)の場合、XにはR12が2個結合する。なお、前記式(15)〜(17)では、R10及びR12の記載を省略した。
また、前記式(13−3)及び(14−3)のYは有機基であり、前記Xと同様のものが挙げられ、例えばベンゼン環、ナフタレン環等の芳香族化合物、ビスフェノール類、ピロール類、ピリジン類、フラン類の複素環式化合物、シロキサン化合物等が挙げられ、より具体的には下記式(18)で示されるものを好ましく挙げることができる。Yは、1種類又は2種類以上組み合わせて用いてもよい。
式(18):
(ここで、*はC=O基に結合することを示す。R25〜R28は有機基である。)
(18)
前記式(18)のうち、特に好ましいものとしては、下記式(19)で表されるものが挙げられる。
式(19):
(式中、*はC=O基に結合することを示す。R23は、アルキル基、アルキルエステル基、アルキルエーテル基、ベンジルエーテル基、ハロゲン原子の内から選ばれた1つを表し、それぞれ同じでも異なっていてもよい。R24は、水素原子又は炭素数1〜15の有機基から選ばれた1つを示し、一部が置換されていてもよい。uは0〜2の整数である。)
(式中、*はC=O基に結合することを示す。R24は、水素原子又は炭素数1〜15の有機基から選ばれた1つを示し、一部が置換されていてもよい。)
(19)
前記式(19)中のテトラカルボン酸由来の構造については、C=O基に結合する位置が両方メタ位であるもの、両方パラ位であるものを挙げているが、メタ位とパラ位をそれぞれ含む構造でもよい。
前記式(13−3)の場合、Yには、R11が0〜4個結合される。なお、前記式(18)及び(19)では、R11の記載を省略した。
前記式(13−2)及び前記式(14−2)中の、Xを有する構造単位の数を示すb及びdはゼロであってもよい。
また、(13−1)及び式(13−2)と、式(13−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類、及び(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類は、該ポリアミド樹脂類の末端のアミノ基を、アルケニル基またはアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含む酸無水物を用いて、アミドにしてキャップすることが好ましい。これにより、保存性を向上することができる。
このような、アミノ基と反応した後のアルケニル基またはアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含む酸無水物に起因する基としては、すなわち、末端封止基は、例えば、下記式(20)又は下記式(21)で示される基を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いても良い。
式(20):
式(21):
前記式(20)及び前記式(21)のうち、下記式(22)で示される基が特に好ましい。これにより、保存性を更に向上することができる。
式(22):
また、この方法に限定される事はなく、本発明のポリアミド樹脂類(A)中に含まれる末端の酸を、アルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含むアミン誘導体を用いて、アミドとしてキャップすることもできる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物に係る該感光性ジアゾキノン化合物(B)は、例えばフェノール化合物と1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸または1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸とのエステルが挙げられる。具体的には、下記式(23)〜下記式(26)に示すエステル化合物を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いても良い。
式(23):
式(24):
式(25):
式(26):
前記式(23)〜(26)中、Qは、水素原子、下記式(27)及び下記式(28)のいずれかから選ばれるものである。なお、前記式(23)〜(26)中、各化合物のQのうち、少なくとも1つは式(27)又は式(28)である。
式(27)、式(28):
本発明のポジ型感光性樹脂組成物に係る該感光性ジアゾキノン化合物(B)の添加量は、本発明のポリアミド樹脂類(A)100重量部に対して1〜50重量部が好ましく、10〜40重量部であることがより好ましい。該感光性ジアゾキノン化合物(B)の添加量が、下限値以上だと露光部のアルカリ水溶液に対する溶解性が上がる為、パターニング性が良好になり、高解像度で感度も向上し、また、上限値以下だと、スカムのみならず、感光剤自身による膜中の透明性低下が適度に抑えられることにより高感度、高解像度になる。
更に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、高感度で更に現像後の樹脂残り(スカム)無くパターニングできるように、フェノール化合物(C)を更に含有することができる。該フェノール化合物(C)の具体的な構造としては、例えば、下記式(29)〜下記式(35)のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
式(29):
式(30):
式(31):
式(32):
式(33):
式(34):
式(35):
前記式(29)〜(35)で示されるフェノール化合物のうち、下記式(36)で表されるものが好ましい。これらは1種類又は2種類以上組み合わせて用いてもよい。
式(36):
該フェノール化合物(C)の添加量は、本発明のポリアミド樹脂類(A)100重量部に対して1〜30重量部であることが好ましく、1〜25重量部であることが特に好ましい。該フェノール化合物(C)の添加量が、下限値以上だと現像時にスカム発生が抑制され、露光部の溶解性が促進されることにより感度が向上し、上限値以下だと残膜率、解像度の低下、冷凍保存中における析出が起こらず好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、必要によりレベリング剤、シランカップリング剤等の添加剤を含んでも良い。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、溶剤に溶解され、ワニス状で使用される。該溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられ、単独でも混合して用いても良い。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物の使用方法について説明する。まず、該溶媒に溶解させた本発明のポジ型感光性樹脂組成物を、適当な支持体、例えば、シリコンウエハー、セラミック基板、アルミ基板等に塗布する。塗布量は、半導体素子上に塗布する場合、硬化後の最終膜厚が0.1〜30μmになるよう塗布する。膜厚が下限値を下回ると、半導体素子の保護表面膜としての機能を十分に発揮することが困難となり、上限値を越えると、微細な加工パターンを得ることが困難となるばかりでなく、加工に時間がかかりスループットが低下する。塗布方法としては、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等がある。次に、60〜130℃でプリベークして塗膜を乾燥後、所望のパターン形状に化学線を照射する。化学線としては、X線、電子線、紫外線、可視光線等を使用できるが、200〜500nmの波長のものが好ましい。
次に照射部を現像液で溶解除去することによりレリーフパターンを得る。現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第1アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の第2アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第3アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム塩等のアルカリ類の水溶液、及びこれにメタノール、エタノールのごときアルコール類等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液が挙げられる。現像方法としては、スプレー、パドル、浸漬、超音波等の方式が適用可能である。
次に、現像によって形成したレリーフパターンをリンスする。リンス液としては、蒸留水を使用する。次に加熱処理(硬化)を行い、ベンゾオキサゾール環、イミド環、又はベンゾオキサゾール環及びイミド環を形成させ、耐熱性に富む最終パターンを得る。
加熱処理は高温でも低温でも可能であり、高温での加熱処理温度は、280℃〜380℃が好ましく、より好ましくは290℃〜350℃である。低温での加熱処理温度は150℃〜280℃が好ましく、より好ましくは180℃〜260℃である。
本発明によるポジ型感光性樹脂組成物は、半導体用途のみならず、多層回路の層間絶縁やフレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜や液晶配向膜、表示装置における素子の層間絶縁膜等としても有用である。
半導体装置用途の例としては、半導体素子上に本発明のポジ型感光性樹脂組成物膜を形成することによるパッシベーション膜、また半導体素子上に形成されたパッシベーション膜上に本発明のポジ型感光性樹脂組成物膜を形成することによるバッファコート膜、半導体素子上に形成された回路上に本発明のポジ型感光性樹脂組成物膜を形成することによる層間絶縁膜などを挙げることができる。
表示装置用途としての例は、TFT用層間絶縁膜、TFT素子平坦化膜、カラーフィルター平坦化膜、MVA型液晶表示装置用突起、有機EL素子用陰極隔壁がある。その使用方法は、半導体用途に順じ、表示体素子やカラーフィルターを形成した基板上にパターン化されたポジ型感光性樹脂組成物層を、上記の方法で形成することによる。表示体装置用途、特に層間絶縁膜や平坦化膜には、高い透明性が要求されるが、このポジ型感光性樹脂組成物層の硬化前に、後露光工程を導入することにより、透明性に優れた樹脂層が得られることもでき、実用上更に好ましい。
<試験方法>
(1)核磁気共鳴スペクトル分析(1H−NMR、13C−NMR):日本電子(株)製JNM−GSX400型を用いて測定した。1H−NMRは共鳴周波数400MHz、13C−NMRは共鳴周波数100MHzでそれぞれ測定した。測定溶媒は、重水素化溶媒である重水素化ジメチルスルホキシドDMSO−d6を用いた。
(2)赤外分光分析(IR):PERKIN ELMER製PARAGON1000型を用いて、KBr錠剤法により測定した。
(3)質量分析(MS):日本電子(株)製JMS−700型を用いてフィールド脱着(FD)法で測定した。
<実施例1>
4,4′−メチレンビス(2−ニトロ−3,6−ジメチルフェノール)の合成
温度計、攪拌機、原料投入口、窒素ガス導入管を備えた4つ口の撹拌装置付きセパラブルフラスコ(容量:3000mL)に、無水酢酸2244mL、Bis25X−F(本州化学工業(株)製)を300.00g(1.170mol)仕込み、窒素雰囲気下、60%硝酸水溶液270.39g(2.575mol)を、滴下ロートを用いて攪拌下0〜10℃で1時間かけてゆっくりセパラブルフラスコに滴下した。滴下終了後、0〜10℃でさらに5時間攪拌を続けた。析出固体を吸引濾過で回収し、真空乾燥後、黄色固体115.72gを得た。分析の結果、4,4′−メチレンビス(2−ニトロ−3,6−ジメチルフェノール)であると確認した。
4,4′−メチレンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)の合成
次いで、撹拌装置付きのナスフラスコ(容量:500mL)に、上記で得た4,4′−メチレンビス(2−ニトロ−3,6−ジメチルフェノール)を20.00g(0.058mol)、テトラヒドロフラン200mLおよび10%パラジウム/活性炭2.45g(0.002mol)を仕込み、水素雰囲気下で12時間攪拌した。固体を吸引濾過で除いた後、反応液中の溶媒を減圧下で留去した。真空乾燥後、白色固体16.54gを得た。この生成物を(M−1)とした。
この生成物(M−1)を用いてIR分析を行ったところ、アミノ基の吸収が3400cm−1、3335cm−1及び1606cm−1、1576cm−1にあること、1H−NMR分析を行ったところ、化学シフトが、1.87、1.88、1.93、1.99、2.03、2.08、2.19、3.60、4.27、5.94、7.72ppmにあること、13C−NMR分析を行ったところ、化学シフトが、13.06、16.68、36.40、118.10、119.44、120.97、130.34、135.34、139.69ppmにあること、質量分析を行ったところ、分子量286.4であることにより、得られた生成物(M−1)は前記式(4−2)で表される目的のビス(アミノフェノール)誘導体であることが確認された。得られた(M−1)の収率は、26%であった。
<実施例2>
ポリアミド樹脂の合成
イソフタル酸0.045モルとジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸0.045モルと1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール0.180モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体(活性エステル)40.16g(0.090モル)と、実施例1で合成したビス(アミノフェノール)誘導体(M−1)28.64g(0.100モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン275gを加えて溶解させた。その後オイルバスを用いて75℃にて16時間反応させた。次にN−メチル−2−ピロリドン10gに溶解させた4−エチニルフタル酸無水物3.44g(0.020モル)を加え、更に3時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、前記式(37)で示され、e=25で、第1表で示される化合物からなる目的のポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂(A−1)を得た。
透過率評価
ポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂(A−1)4.0gをN−メチル−2−ピロリドン4.0gとγ−ブチロラクトン4.0gの混合溶媒に溶解した樹脂を石英板にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分乾燥し、膜厚10μmの塗膜を得た。この塗膜の透過率を紫外可視分光光度計(島津製作所製)により測定した。波長365nmにおける透過率は65%であった。
ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物の合成
下記式(B−1)で示されるフェノール14.01g(0.033モル)と、トリエチルアミン9.82g(0.097モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、アセトン137gを加えて溶解させた。この反応溶液を10℃以下に冷却した後に、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロライド26.07g(0.097モル)をアセトン100gと共に10℃以上にならないように徐々に滴下した。その後10℃以下で5分攪拌した後、室温で5時間攪拌して反応を終了させた。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、下記式(Q−1)の構造で示されるナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物を得た。
ポジ型感光性樹脂組成物の作製
合成したポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂(A−1)100g、式(Q−1)の構造を有するナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物20gをN−メチル−2−ピロリドン100gとγ−ブチロラクトン100gの混合溶媒に溶解した後、0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過しポジ型感光性樹脂組成物を得た。
感度評価
このポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で3分プリベークし、膜厚約7.0μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷(株)製・マスク(テストチャートNo.1:幅0.88〜50μmの残しパターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、i線ステッパー((株)ニコン製・4425i)を用いて、露光量を変化させて照射した。次に2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に130秒で2回パドル現像することによって露光部を溶解除去した後、純水で10秒間リンスした。その結果、露光量280mJ/cm2で照射した部分よりパターンが成形されていることが確認できた。(感度は280mJ/cm2)。現像後の膜厚は6.5μmと非常に高い値を示した。
環化率評価
上記ポジ型感光性樹脂組成物を2枚のシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分プリベークし、それぞれ膜厚約1μmの塗膜を得た。次に塗膜付きシリコンウエハーの1枚を2%フッ酸に浸け、フィルムを得た。このフィルムをフーリエ変換赤外分光光度計PARAGON1000(パーキンエルマー製)を用いて測定し、1650cm−1のアミド基と1490cm−1の全芳香族に伴うピークの比(A)を算出した。次にオーブンを用いて、もう一枚の塗膜付きシリコンウエハーを250℃/90分で加熱を行った後、同様にして硬化フィルムを得、フーリエ変換赤外分光光度計による測定から1650cm−1のアミド基と1490cm−1の全芳香族に伴うピークの比(B)を算出した。環化率は(1−(B/A))に100を乗じた値とした。このようにして求めた環化率は91%であった。
<実施例3>
実施例2におけるポリアミド樹脂の合成において、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸の替わりにテレフタル酸を用い、イソフタル酸とテレフタル酸のモル比をそれぞれ0.081モル、0.009モルに変更した他は実施例2と同様にして反応し、前記式(37)で示され、e=30で、第1表で示される化合物からなる目的のポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂(A−2)を得た。その他は実施例2と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
<実施例4>
4,4′−エチリデンビス(2−ニトロ−3,6−ジメチルフェノール)の合成
温度計、攪拌機、原料投入口、窒素ガス導入管を備えた4つ口の撹拌装置付きセパラブルフラスコ(容量:3000mL)に、無水酢酸2244mL、4,4‘−エチリデンビス(2,5−ジメチルフェノール)を300.00g(1.110mol)仕込み、窒素雰囲気下、60%硝酸水溶液256.40g(2.441mol)を、滴下ロートを用いて攪拌下0〜10℃で1時間かけてゆっくりセパラブルフラスコに滴下した。滴下終了後、0〜10℃でさらに5時間攪拌を続けた。析出固体を吸引濾過で回収し、真空乾燥後、黄色固体131.39gを得た。分析の結果、4,4′−エチリデンビス(2−ニトロ−3,6−ジメチルフェノール)であると確認した。
4,4′−エチリデンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)の合成
次いで、撹拌装置付きのナスフラスコ(容量:500mL)に、上記で得た4,4′−エチレンビス(2−ニトロ−3,6−ジメチルフェノール)を20.00g(0.056mol)、テトラヒドロフラン200mLおよび10%パラジウム/活性炭2.35g(0.002mol)を仕込み、水素雰囲気下で12時間攪拌した。固体を吸引濾過で除いた後、反応液中の溶媒を減圧下で留去した。真空乾燥後、白色固体14.85gを得た。この生成物を(M−2)とした。
この生成物(M−2)を用いてIR分析を行ったところ、アミノ基の吸収が3394cm−1、3370cm−1及び1614cm−1にあること、1H−NMR分析を行ったところ、化学シフトが、1.27、1.29、1.88、2.02、4.11、4.12、4.14、4.19、6.07、7.67ppmにあること、13C−NMR分析を行ったところ、化学シフトが、12.44、16.89、21.89、36.45、116.90、117.55、120.73、135.16、136.20、139.49ppmにあること、質量分析を行ったところ、分子量300.4であることにより、得られた生成物(M−2)は前記式(5−3)で表される目的のビス(アミノフェノール)誘導体であることが確認された。得られた(M−2)の収率は、32%であった。
<実施例5>
実施例2におけるポリアミド樹脂の合成において、イソフタル酸とジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸のモル比をそれぞれ0.344モルと0.516モルに変更し、更にビス(アミノフェノール)誘導体(M−1)の替わりに、ビス(アミノフェノール)誘導体(M−2)300.40g(1.000モル)を用いた他は実施例2と同様にして反応し、前記式(37)で示され、e=21で、第1表で示される化合物からなる目的のポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂(A−3)を得た。その他は実施例2と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
<実施例6>
4,4′−エチリデンビス(2−ニトロ−3−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)の合成
温度計、攪拌機、原料投入口、窒素ガス導入管を備えた4つ口の撹拌装置付きセパラブルフラスコ(容量:3000mL)に、無水酢酸2244mL、4,4‘−エチリデンビス(2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール)を300.00g(0.738mol)仕込み、窒素雰囲気下、60%硝酸水溶液170.50g(1.623mol)を、滴下ロートを用いて攪拌下0〜10℃で1時間かけてゆっくりセパラブルフラスコに滴下した。滴下終了後、0〜10℃でさらに5時間攪拌を続けた。析出固体を吸引濾過で回収し、真空乾燥後、黄色固体85.27gを得た。分析の結果、4,4′−エチリデンビス(2−ニトロ−3−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)であると確認した。
4,4′−エチリデンビス(2−アミノ−3−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)の合成
次いで、撹拌装置付きのナスフラスコ(容量:500mL)に、上記で得た4,4′−エチレンビス(2−ニトロ−3−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)を20.00g(0.040mol)、テトラヒドロフラン200mLおよび10%パラジウム/活性炭1.71g(0.002mol)を仕込み、水素雰囲気下で12時間攪拌した。固体を吸引濾過で除いた後、反応液中の溶媒を減圧下で留去した。真空乾燥後、白色固体10.87gを得た。この生成物を(M−3)とした。
この生成物(M−3)を用いてIR分析を行ったところ、アミノ基の吸収が3418cm−1、3386cm−1及び1614cm−1にあること、1H−NMR分析を行ったところ、化学シフトが、1.12、1.13、1.14、1.15、1.18、1.21、1.24、1.28、1.30、1.34、1.36、1.57、1.60、1.66、1.69、1.74、1.75、1.92、2.77、2.80、2.83、4.17、4.18、4.20、4.22、6.28、7.49ppmにあること、13C−NMR分析を行ったところ、化学シフトが、12.43、22.39、26.05、26.67、33.30、33.41、36.25、36.41、113.12、117.09、131.17、135.10、136.24、138.00ppmにあること、質量分析を行ったところ、分子量436.7であることにより、得られた生成物(M−3)は前記式(9−11)で表される目的のビス(アミノフェノール)誘導体であることが確認された。得られた(M−3)の収率は、32%であった。
<実施例7>
実施例5におけるポリアミド樹脂の合成において、ビス(アミノフェノール)誘導体(M−2)の替わりに、ビス(アミノフェノール)誘導体(M−3)436.64g(1.000モル)を用いた他は実施例2と同様にして反応し、前記式(37)で示され、e=15で、第1表で示される化合物からなる目的のポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂(A−4)を得た。その他は実施例2と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
以下に、実施例のB−1、Q−1の構造、第1表を示す。
<実施例8>
ポリアミド樹脂の合成
イソフタル酸0.360モルとジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸0.540モルと1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール1.800モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体(活性エステル)409.94g(0.900モル)と、4,4′−メチレンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)286.37g(1.000モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン2950gを加えて溶解させた。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた。
次にN−メチル−2−ピロリドン100gに溶解させた4−エチニルフタル酸無水物34.43g(0.200モル)を加え、更に12時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{c/(c+d)}×100=100、{d/(c+d)}×100=0、数平均分子量が12000で、第2表で示される化合物からなる目的のポリアミド樹脂類(A−8)を得た。
透過率評価
ポリアミド樹脂式(A−8)4.0gをγ−ブチロラクトン8.0gに溶解した樹脂を石英板にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分乾燥し、膜厚10μmの塗膜を得た。この塗膜の透過率を紫外可視分光光度計(島津製作所製)により測定した。波長365nmにおける透過率は67%であった。
ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物の合成
下記式(B−2)で示されるフェノール15.82g(0.025モル)と、トリエチルアミン8.40g(0.083モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、テトラヒドロフラン135gを加えて溶解させた。この反応溶液を10℃以下に冷却した後に、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロライド22.30g(0.083モル)をテトラヒドロフラン100gと共に10℃以上にならないように徐々に滴下した。その後10℃以下で5分攪拌した後、室温で5時間攪拌して反応を終了させた。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、下記式(Q−2)の構造で示されるナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物を得た。
ポジ型感光性樹脂組成物の作製
合成したポリアミド樹脂(A−8)100g、下記式(Q−2)の構造を有するナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物15gをN−メチル−2−ピロリドン200gに溶解した後、0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過しポジ型感光性樹脂組成物を得た。
感度評価
このポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で3分プリベークし、膜厚約8.1μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷(株)製・マスク(テストチャートNo.1:幅0.88〜50μmの残しパターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、i線ステッパー((株)ニコン製・4425i)を用いて、露光量を変化させて照射した。
次に2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に150秒で2回パドル現像することによって露光部を溶解除去した後、純水で10秒間リンスした。その結果、露光量260mJ/cm2で照射した部分よりパターンが成形されていることが確認できた。(感度は260mJ/cm2)。現像後の膜厚は8.0μmと非常に高い値を示した。
環化率評価
上記ポジ型感光性樹脂組成物を2枚のシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分プリベークし、それぞれ膜厚約1μmの塗膜を得た。次に塗膜付きシリコンウエハーの1枚を2%フッ酸に浸け、フィルムを得た。このフィルムをフーリエ変換赤外分光光度計PARAGON1000(パーキンエルマー製)を用いて測定し、1650cm−1のアミド基と1490cm−1の全芳香族に伴うピークの比(A)を算出した。次にオーブンを用いて、もう一枚の塗膜付きシリコンウエハーを250℃/90分で加熱を行った後、同様にして硬化フィルムを得、フーリエ変換赤外分光光度計による測定から1650cm−1のアミド基と1490cm−1の全芳香族に伴うピークの比(B)を算出した。環化率は(1−(B/A))に100を乗じた値とした。このようにして求めた環化率は95%であった。
吸水率評価
上記ポジ型感光性樹脂組成物を6インチのシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分プリベークし、膜厚約10μmの塗膜を得た。次にオーブンを用いて、塗膜付きシリコンウエハーを250℃/90分で加熱を行った。硬化後の塗膜に5cm四方の升目になるようカッターで切れ込みを入れた後、2%フッ酸に浸け、5cm四方のフィルムを得た。このフィルムの吸水率を試験規格JIS−K7209に従い、0.65%という値を得た。
<実施例9>
実施例8におけるポリアミド樹脂の合成において、イソフタル酸とジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸のモル比をそれぞれ0.200モル、0.700モルに変更し、更に4,4′−メチレンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)を214.78g(0.750モル)に減らし、替わりに3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン70.08g(0.250モル)を用いて同様にして反応し、(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{c/(c+d)}×100=75、{d/(c+d)}×100=25、数平均分子量が13000で、第2表で示される化合物からなるポリアミド樹脂類(A−9)を合成した。その他は実施例8と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例8と同様の評価を行った。
<実施例10>
実施例8におけるポリアミド樹脂の合成において、イソフタル酸の替わりにジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸のモル比を0.900モルに変更し、更に4,4′−メチレンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)を114.55g(0.400モル)に減らし、替わりにヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンを219.76g(0.600モル)を用いて同様にして反応し、(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダム共重合したポリアミド樹脂類で、{c/(c+d)}×100=40、{d/(c+d)}×100=60、数平均分子量が13000で、第2表で示される化合物からなるポリアミド樹脂類(A−10)を合成した。その他は実施例8と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例8と同様の評価を行った。
<実施例11>
実施例8におけるポリアミド樹脂の合成において、イソフタル酸とジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸のモル比をそれぞれ0.340モル、0.510モルに変更し、更に4,4′−メチレンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)を200.46g(0.700モル)に減らし、替わりに3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン69.08g(0.300モル)を用い、4−エチニルフタル酸無水物の添加量も51.64g(0.300モル)に変更して同様にして反応し、(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{c/(c+d)}×100=70、{d/(c+d)}×100=30、数平均分子量が9100で、第2表で示される化合物からなるポリアミド樹脂類(A−11)を合成した。その他は実施例8と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例8と同様の評価を行った。
<実施例12>
実施例11におけるポリアミド樹脂の合成において、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタンの替わりに、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン77.50g(0.300モル)を用いて同様にして反応し、(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{c/(c+d)}×100=70、{d/(c+d)}×100=30、数平均分子量が9400で、第2表で示される化合物からなるポリアミド樹脂類(A−12)を合成した。その他は実施例8と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例8と同様の評価を行った。
<実施例13>
実施例8におけるポリアミド樹脂の合成において、イソフタル酸とジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸のモル比をそれぞれ0.344モル、0.516モルに変更し、更に4,4′−メチレンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)の替わりに、
4,4′−エチリデンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)300.40g(1.000モル)を用い、4−エチニルフタル酸無水物の添加量も48.20g(0.280モル)に変更して同様にして反応し、(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{c/(c+d)}×100=100、{d/(c+d)}×100=0、数平均分子量が10200で、第2表で示される化合物からなるポリアミド樹脂類(A−13)を合成した。その他は実施例8と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例8と同様の評価を行った。
<実施例14>
実施例13におけるポリアミド樹脂の合成において、イソフタル酸とジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸のモル比をそれぞれ0.252モル、0.588モルに変更し、更に4,4′−エチリデンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)を210.28g(0.700モル)に減らし、替わりに3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン69.08g(0.300モル)を用い、4−エチニルフタル酸無水物の添加量も55.08g(0.320モル)に変更して同様にして反応し、(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{c/(c+d)}×100=70、{d/(c+d)}×100=30、数平均分子量が9500で、第2表で示される化合物からなるポリアミド樹脂類(A−14)を合成した。その他は実施例8と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例8と同様の評価を行った。
<実施例15>
実施例14におけるポリアミド樹脂の合成において、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタンの替わりに、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン77.50g(0.300モル)を用いて同様にして反応し、(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{c/(c+d)}×100=70、{d/(c+d)}×100=30、数平均分子量が9600で、第2表で示される化合物からなるポリアミド樹脂類(A−15)を合成した。その他は実施例8と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例8と同様の評価を行った。
<実施例16>
実施例13におけるポリアミド樹脂の合成において、4,4′−エチリデンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)の替わりに、4,4′−エチリデンビス(2−アミノ−3−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)436.64g(1.000モル)を用いて同様にして反応し、(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{c/(c+d)}×100=100、{d/(c+d)}×100=0、数平均分子量が9200で、第2表で示される化合物からなるポリアミド樹脂類(A−16)を合成した。その他は実施例8と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例8と同様の評価を行った。
<比較例1>
ポリアミド樹脂の合成
ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸0.900モルと1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール1.800モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体(活性エステル)443.21g(0.900モル)とヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン366.26g(1.000モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン3200gを加えて溶解させた。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた。
次にN−メチル−2−ピロリドン100gに溶解させた4−エチニルフタル酸無水物34.43g(0.200モル)を加え、更に12時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{c/(c+d)}×100=0、{d/(c+d)}×100=100、数平均分子量が12000で、第2表で示される化合物からなる目的のポリアミド樹脂類(A−17)を得た。その他は実施例8と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例8と同様にして評価した。
<比較例2>
実施例9におけるポリアミド樹脂の合成において、4,4′−メチレンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)と3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォンの替わりに、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル232.25g(1.000モル)を用いて同様にして反応し、(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{c/(c+d)}×100=0、{d/(c+d)}×100=100、数平均分子量が11000で、第2表で示される化合物からなるポリアミド樹脂類(A−18)を合成した。その他は実施例8と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例8と同様にして評価した。
<比較例3>
比較例1におけるポリアミド樹脂の合成において、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸のモル比を0.880モルに変更し、更にヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンの替わりに、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン258.32g(1.000モル)を用いて同様にして反応し、(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{c/(c+d)}×100=0、{d/(c+d)}×100=100、数平均分子量が10000で、第2表で示される化合物からなるポリアミド樹脂類(A−19)を合成した。その他は実施例8と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例8と同様の評価を行った。
以下に、実施例及び比較例のB−2、Q−2の構造、第2表を示す。
各実施例および各比較例で得られたポジ型感光性樹脂組成物は、半導体素子上に塗布して実施例8と同様にしてパターンを形成し、オーブンを用いて硬化して保護膜を形成させ、半導体装置を得ることができる。
このようにして得られた半導体装置は正常に動作すると予想されるが、実施例8〜16のポジ型感光性樹脂組成物を用いた場合は、比較例よりも低吸水率であるため、より信頼性に優れた動作をするものと予想される。
<実施例17>
→ PBO/PI共重合(ビスアミノフェノール/テトラカルボン酸/ジカルボン酸)
ポリアミド樹脂の合成
4,4′−メチレンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)286.37g(1.000モル)とN−メチル−2−ピロリドン2790gを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに 入れて溶解させた。その後、フラスコを水冷しながら4,4′−オキシジフタル酸無水物53.36g(0.172モル)を徐々に添加した。オイルバスを用いて60℃で2時間反応させた後、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸0.688モルと1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール1.376モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体(活性エステル)338.81g(0.688モル)を添加し、更に60℃で14時間反応させた。
次にN−メチル−2−ピロリドン190gに溶解させた4−エチニルフタル酸無水物48.20g(0.280モル)を加え、更に3時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、(13−1)及び式(13−2)と、式(13−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{a/(a+b)}×100=100、{b/(a+b)}×100=0、カルボン酸成分がジカルボン酸とテトラカルボン酸との組み合わせで、カルボン酸成分中、ジカルボン酸80モルパーセント、テトラカルボン酸20モルパーセント、数平均分子量が10800で、第2表で示される化合物からなる目的のポリアミド樹脂類(A−20)を得た。
その他は実施例8と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例8と同様の評価を行った。
<実施例18>
→ PBO/PI共重合(ジアミン/ビスアミノフェノール/テトラカルボン酸/ジカルボン酸)
ポリアミド樹脂の合成
4,4′−ジアミノジフェニルメタン39.65g(0.200モル)とN−メチル−2−ピロリドン2320gを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れて溶解させた。その後、フラスコを水冷しながら4,4′−オキシジフタル酸無水物139.59g(0.450モル)を徐々に添加した。オイルバスを用いて60℃で2時間反応させた後、4,4′−メチレンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)229.10g(0.800モル)をN−メチル−2−ピロリドン100gと共に添加し、更に60℃で1時間反応させた。
その後、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸0.450モルと1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール0.900モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体(活性エステル)221.61g(0.450モル)をN−メチル−2−ピロリドン100gと共に添加し、更に60℃で14時間反応させた。
次にN−メチル−2−ピロリドン140gに溶解させた4−エチニルフタル酸無水物34.43g(0.200モル)を加え、更に3時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、(13−1)及び式(13−2)と、式(13−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{a/(a+b)}×100=80、{b/(a+b)}×100=20、カルボン酸成分がジカルボン酸とテトラカルボン酸との組み合わせで、カルボン酸成分中、ジカルボン酸50モルパーセント、テトラカルボン酸50モルパーセント、数平均分子量が11800で、第2表で示される化合物からなる目的のポリアミド樹脂類(A−21)を得た。
実施例8のポジ型感光性樹脂組成物の作製において、式(Q−1)のナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物の添加量を25gに変更した。
実施例8の感度評価において、プリベーク後の膜厚と現像後の膜厚の差が1μmになるように現像時間を調節して評価を行った。
他は、実施例8と同様の評価を行った。
<比較例4>
→ PBO/PI共重合(ビスアミノフェノール/テトラカルボン酸/ジカルボン酸)
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン258.32g(1.000モル)とN−メチル−2−ピロリドン2680gを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れて溶解させた。その後、フラスコを水冷しながら4,4′−オキシジフタル酸無水物55.84g(0.180モル)を徐々に添加した。オイルバスを用いて60℃で2時間反応させた後、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸0.720モルと1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール1.440モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体(活性エステル)354.57g(0.720モル)を添加し、更に60℃で14時間反応させた。
次にN−メチル−2−ピロリドン140gに溶解させた4−エチニルフタル酸無水物34.43g(0.200モル)を加え、更に3時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、(13−1)及び式(13−2)と、式(13−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{a/(a+b)}×100=0、{b/(a+b)}×100=100、カルボン酸成分がジカルボン酸とテトラカルボン酸との組み合わせで、カルボン酸成分中、ジカルボン酸20モルパーセント、テトラカルボン酸80モルパーセント、数平均分子量が11300で、第2表で示される化合物からなる目的のポリアミド樹脂類(A−22)を得た。
その他は実施例8と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製した。
実施例8の感度評価において、プリベーク後の膜厚と現像後の膜厚の差が1μmになるように現像時間を調節して評価を行った。
他は、実施例8と同様の評価を行った。
<比較例5>
→ PI(ジアミン/テトラカルボン酸)
4,4′−ジアミノジフェニルメタン198.26g(1.000モル)とN−メチル−2−ピロリドン1960gを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れて溶解させた。その後、フラスコを水冷しながら4,4′−オキシジフタル酸無水物291.60g(0.940モル)を徐々に添加した後、オイルバスを用いて40℃で14時間反応させた。
次にN−メチル−2−ピロリドン80gに溶解させた4−エチニルフタル酸無水物20.66g(0.120モル)を加え、更に3時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、(13−1)及び式(13−2)と、式(13−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{a/(a+b)}×100=0、{b/(a+b)}×100=100、カルボン酸成分がテトラカルボン酸100モルパーセント、数平均分子量が12200で、第2表で示される化合物からなる目的のポリアミド樹脂類(A−23)を得た。
実施例8のポジ型感光性樹脂組成物の作製において、式(Q−1)のナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物の添加量を25gに変更した。
実施例8の感度評価において、プリベーク後の膜厚と現像後の膜厚の差が1μmになるように現像時間を調節して評価を行ったが、未露光部が直ぐ溶解してしまいパターン形成が出来なかった。
他は、実施例8と同様の評価を行った。
また、本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、高透明で高感度であり、低温で硬化した際にも高環化率の特性を有するものであり、半導体素子、表示素子の表面保護膜、層間絶縁膜等に好適に用いられる。また、本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、高透明で高感度であり、低温で硬化した際にも吸水率が低いという特性を有するものであり、半導体素子、表示素子の表面保護膜、層間絶縁膜等に好適に用いられる。
1.ポジ型感光性樹脂組成物用ポリアミド樹脂類の原料として使用されるビス(アミノフェノール)誘導体であって、両方のアミノ基の隣接する部位に置換基を有することを特徴とするビス(アミノフェノール)誘導体。
2.前記ビス(アミノフェノール)誘導体が、下記式(1)で示されるビス(アミノフェノール)誘導体である、請求項1に記載のビス(アミノフェノール)誘導体。
式(1):
3.前記式(1)で示されるビス(アミノフェノール)誘導体のR2がアルキル基であり、かつ、R3がアルキル基である請求項2に記載のビス(アミノフェノール)誘導体。
4.前記式(1)で示されるビス(アミノフェノール)誘導体のR1がアルキレン又は置換アルキレンである請求項2又は3のいずれかに記載のビス(アミノフェノール)誘導体。
5.ポジ型感光性樹脂組成物用ポリアミド樹脂の原料として使用されるビス(アミノフェノール)誘導体の製造方法であって、下記式(2)で示される化合物のニトロ基を還元する工程を有することを特徴とするビス(アミノフェノール)誘導体の製造方法。
式(2):
6.前記ニトロ基の還元が、水素雰囲気において、遷移金属触媒存在下で行われるものである請求項5に記載のビス(アミノフェノール)誘導体の製造方法。
7.ビス(アミノフェノール)と、カルボン酸由来の構造からなるポリアミド樹脂類であって、前記ビス(アミノフェノール)が、両方のアミノ基の隣接する部位に置換基を有するビス(アミノフェノール)誘導体であることを特徴とするポリアミド樹脂類。
8.ジアミン成分とカルボン酸成分との反応により得られるポリアミド樹脂類であって、前記ジアミン成分の全部又は一部が、両方のアミノ基の隣接する部位に置換基を有するビス(アミノフェノール)誘導体であることを特徴とするポリアミド樹脂類。
9.前記ビス(アミノフェノール)誘導体が、下記式(1)で示されるビス(アミノフェノール)誘導体である請求項7又は8に記載のポリアミド樹脂類。
式(1):
10.前記式(1)で示されるビス(アミノフェノール)誘導体のR2がアルキル基又はアルコキシ基であり、かつ、R3がアルキル基又はアルコキシ基である請求項9に記載のポリアミド樹脂類。
11.ポリアミド樹脂類が、ポリベンゾオキサゾール前駆体構造を有する請求項7乃至10に記載のポリアミド樹脂類。
12.請求項7乃至11記載のポリアミド樹脂類(A)と感光性ジアゾキノン化合物(B)とを含むことを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
13.請求項7乃至11記載のポリアミド樹脂類(A)100重量部に対して、前記感光性ジアゾキノン化合物(B)を1〜50重量部含むものである請求項12に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
14.更にフェノール化合物(C)を含むものである請求項12又は13のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
15.請求項7乃至11記載のポリアミド樹脂類(A)100重量部に対して、前記フェノール化合物(C)を1〜30重量部含むものである請求項14記載のポジ型感光性樹脂組成物。
16.請求項12乃至15のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物の硬化物で構成されていることを特徴とする保護膜。
17.請求項12乃至15のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物の硬化物で構成されていることを特徴とする層間絶縁膜。
18. 半導体素子又は表示素子の表面保護膜である請求項16に記載の保護膜。
19.請求項16に記載の保護膜を有していることを特徴とする半導体装置。
20. 請求項16に記載の保護膜を有していることを特徴とする表示素子。
21. 請求項17に記載の層間絶縁膜を有していることを特徴とする半導体装置。
22.請求項17に記載の層間絶縁膜を有していることを特徴とする表示素子。
式(1):
式(3):
本発明のビス(アミノフェノール)誘導体を、適切な条件下、テトラカルボン酸、テトラカルボン酸二無水物、或いはテトラジカルボン酸テトラクロライド等の、ジアミン化合物と反応してイミド結合を形成してポリイミド樹脂を与えるテトラカルボン酸誘導体と、反応させることにより、ポリイミド樹脂又はポリイミド前駆体樹脂が得られる。
前記式(1)で示されるビス(アミノフェノール)誘導体の構造は、具体的には下記式(4)〜下記式(9)で示されるものが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
式(4):
式(10):
式(13−1):
式(37):
式(15):
式(16):
式(18):
式(19):
式(20):
式(22):
式(23):
式(27)、式(28):
式(29):
式(36):
<試験方法>
(1)核磁気共鳴スペクトル分析(1H−NMR、13C−NMR):日本電子株式会社製JNM−GSX400型を用いて測定した。1H−NMRは共鳴周波数400MHz、13C−NMRは共鳴周波数100MHzでそれぞれ測定した。測定溶媒は、重水素化溶媒である重水素化ジメチルスルホキシドDMSO−d6を用いた。
(2)赤外分光分析(IR):PERKIN ELMER製PARAGON1000型を用いて、KBr錠剤法により測定した。
(3)質量分析(MS):日本電子株式会社製JMS−700型を用いてフィールド脱着(FD)法で測定した。
4,4′−メチレンビス(2−ニトロ−3,6−ジメチルフェノール)の合成
温度計、攪拌機、原料投入口、窒素ガス導入管を備えた4つ口の撹拌装置付きセパラブルフラスコ(容量:3000mL)に、無水酢酸2244mL、Bis25X−F(本州化学工業株式会社製)を300.00g(1.170mol)仕込み、窒素雰囲気下、60%硝酸水溶液270.39g(2.575mol)を、滴下ロートを用いて攪拌下0〜10℃で1時間かけてゆっくりセパラブルフラスコに滴下した。滴下終了後、0〜10℃でさらに5時間攪拌を続けた。析出固体を吸引濾過で回収し、真空乾燥後、黄色固体115.72gを得た。分析の結果、4,4′−メチレンビス(2−ニトロ−3,6−ジメチルフェノール)であると確認した。
次いで、撹拌装置付きのナスフラスコ(容量:500mL)に、上記で得た4,4′−メチレンビス(2−ニトロ−3,6−ジメチルフェノール)を20.00g(0.058mol)、テトラヒドロフラン200mLおよび10%パラジウム/活性炭2.45g(0.002mol)を仕込み、水素雰囲気下で12時間攪拌した。固体を吸引濾過で除いた後、反応液中の溶媒を減圧下で留去した。真空乾燥後、白色固体16.54gを得た。この生成物を(M−1)とした。
この生成物(M−1)を用いてIR分析を行ったところ、アミノ基の吸収が3400cm−1、3335cm−1及び1606cm−1、1576cm−1にあること、1H−NMR分析を行ったところ、化学シフトが、1.87、1.88、1.93、1.99、2.03、2.08、2.19、3.60、4.27、5.94、7.72ppmにあること、13C−NMR分析を行ったところ、化学シフトが、13.06、16.68、36.40、118.10、119.44、120.97、130.34、135.34、139.69ppmにあること、質量分析を行ったところ、分子量286.4であることにより、得られた生成物(M−1)は前記式(4−2)で表される目的のビス(アミノフェノール)誘導体であることが確認された。得られた(M−1)の収率は、26%であった。
ポリアミド樹脂の合成
イソフタル酸0.045モルとジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸0.045モルと1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール0.180モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体(活性エステル)40.16g(0.090モル)と、実施例1で合成したビス(アミノフェノール)誘導体(M−1)28.64g(0.100モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン275gを加えて溶解させた。その後オイルバスを用いて75℃にて16時間反応させた。次にN−メチル−2−ピロリドン10gに溶解させた4−エチニルフタル酸無水物3.44g(0.020モル)を加え、更に3時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、前記式(37)で示され、e=25で、第1表で示される化合物からなる目的のポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂(A−1)を得た。
ポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂(A−1)4.0gをN−メチル−2−ピロリドン4.0gとγ−ブチロラクトン4.0gの混合溶媒に溶解した樹脂を石英板にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分乾燥し、膜厚10μmの塗膜を得た。この塗膜の透過率を紫外可視分光光度計(島津製作所製)により測定した。波長365nmにおける透過率は65%であった。
下記式(B−1)で示されるフェノール14.01g(0.033モル)と、トリエチルアミン9.82g(0.097モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、アセトン137gを加えて溶解させた。この反応溶液を10℃以下に冷却した後に、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロライド26.07g(0.097モル)をアセトン100gと共に10℃以上にならないように徐々に滴下した。その後10℃以下で5分攪拌した後、室温で5時間攪拌して反応を終了させた。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、下記式(Q−1)の構造で示されるナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物を得た。
合成したポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂(A−1)100g、式(Q−1)の構造を有するナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物20gをN−メチル−2−ピロリドン100gとγ−ブチロラクトン100gの混合溶媒に溶解した後、0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過しポジ型感光性樹脂組成物を得た。
このポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で3分プリベークし、膜厚約7.0μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷(株)製・マスク(テストチャートNo.1:幅0.88〜50μmの残しパターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、i線ステッパー((株)ニコン製・4425i)を用いて、露光量を変化させて照射した。次に2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に130秒で2回パドル現像することによって露光部を溶解除去した後、純水で10秒間リンスした。その結果、露光量280mJ/cm2で照射した部分よりパターンが成形されていることが確認できた。(感度は280mJ/cm2)。現像後の膜厚は6.5μmと非常に高い値を示した。
上記ポジ型感光性樹脂組成物を2枚のシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分プリベークし、それぞれ膜厚約1μmの塗膜を得た。次に塗膜付きシリコンウエハーの1枚を2%フッ酸に浸け、フィルムを得た。このフィルムをフーリエ変換赤外分光光度計PARAGON1000(パーキンエルマー製)を用いて測定し、1650cm−1のアミド基と1490cm−1の全芳香族に伴うピークの比(A)を算出した。次にオーブンを用いて、もう一枚の塗膜付きシリコンウエハーを250℃/90分で加熱を行った後、同様にして硬化フィルムを得、フーリエ変換赤外分光光度計による測定から1650cm−1のアミド基と1490cm−1の全芳香族に伴うピークの比(B)を算出した。環化率は(1−(B/A))に100を乗じた値とした。このようにして求めた環化率は91%であった。
実施例2におけるポリアミド樹脂の合成において、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸の替わりにテレフタル酸を用い、イソフタル酸とテレフタル酸のモル比をそれぞれ0.081モル、0.009モルに変更した他は実施例2と同様にして反応し、前記式(37)で示され、e=30で、第1表で示される化合物からなる目的のポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂(A−2)を得た。その他は実施例2と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
4,4′−エチリデンビス(2−ニトロ−3,6−ジメチルフェノール)の合成
温度計、攪拌機、原料投入口、窒素ガス導入管を備えた4つ口の撹拌装置付きセパラブルフラスコ(容量:3000mL)に、無水酢酸2244mL、4,4‘−エチリデンビス(2,5−ジメチルフェノール)を300.00g(1.110mol)仕込み、窒素雰囲気下、60%硝酸水溶液256.40g(2.441mol)を、滴下ロートを用いて攪拌下0〜10℃で1時間かけてゆっくりセパラブルフラスコに滴下した。滴下終了後、0〜10℃でさらに5時間攪拌を続けた。析出固体を吸引濾過で回収し、真空乾燥後、黄色固体131.39gを得た。分析の結果、4,4′−エチリデンビス(2−ニトロ−3,6−ジメチルフェノール)であると確認した。
次いで、撹拌装置付きのナスフラスコ(容量:500mL)に、上記で得た4,4′−エチレンビス(2−ニトロ−3,6−ジメチルフェノール)を20.00g(0.056mol)、テトラヒドロフラン200mLおよび10%パラジウム/活性炭2.35g(0.002mol)を仕込み、水素雰囲気下で12時間攪拌した。固体を吸引濾過で除いた後、反応液中の溶媒を減圧下で留去した。真空乾燥後、白色固体14.85gを得た。この生成物を(M−2)とした。
この生成物(M−2)を用いてIR分析を行ったところ、アミノ基の吸収が3394cm−1、3370cm−1及び1614cm−1にあること、1H−NMR分析を行ったところ、化学シフトが、1.27、1.29、1.88、2.02、4.11、4.12、4.14、4.19、6.07、7.67ppmにあること、13C−NMR分析を行ったところ、化学シフトが、12.44、16.89、21.89、36.45、116.90、117.55、120.73、135.16、136.20、139.49ppmにあること、質量分析を行ったところ、分子量300.4であることにより、得られた生成物(M−2)は前記式(5−3)で表される目的のビス(アミノフェノール)誘導体であることが確認された。得られた(M−2)の収率は、32%であった。
実施例2におけるポリアミド樹脂の合成において、イソフタル酸とジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸のモル比をそれぞれ0.344モルと0.516モルに変更し、更にビス(アミノフェノール)誘導体(M−1)の替わりに、ビス(アミノフェノール)誘導体(M−2)300.40g(1.000モル)を用いた他は実施例2と同様にして反応し、前記式(37)で示され、e=21で、第1表で示される化合物からなる目的のポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂(A−3)を得た。その他は実施例2と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
4,4′−エチリデンビス(2−ニトロ−3−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)の合成
温度計、攪拌機、原料投入口、窒素ガス導入管を備えた4つ口の撹拌装置付きセパラブルフラスコ(容量:3000mL)に、無水酢酸2244mL、4,4‘−エチリデンビス(2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール)を300.00g(0.738mol)仕込み、窒素雰囲気下、60%硝酸水溶液170.50g(1.623mol)を、滴下ロートを用いて攪拌下0〜10℃で1時間かけてゆっくりセパラブルフラスコに滴下した。滴下終了後、0〜10℃でさらに5時間攪拌を続けた。析出固体を吸引濾過で回収し、真空乾燥後、黄色固体85.27gを得た。分析の結果、4,4′−エチリデンビス(2−ニトロ−3−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)であると確認した。
次いで、撹拌装置付きのナスフラスコ(容量:500mL)に、上記で得た4,4′−エチレンビス(2−ニトロ−3−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)を20.00g(0.040mol)、テトラヒドロフラン200mLおよび10%パラジウム/活性炭1.71g(0.002mol)を仕込み、水素雰囲気下で12時間攪拌した。固体を吸引濾過で除いた後、反応液中の溶媒を減圧下で留去した。真空乾燥後、白色固体10.87gを得た。この生成物を(M−3)とした。
この生成物(M−3)を用いてIR分析を行ったところ、アミノ基の吸収が3418cm−1、3386cm−1及び1614cm−1にあること、1H−NMR分析を行ったところ、化学シフトが、1.12、1.13、1.14、1.15、1.18、1.21、1.24、1.28、1.30、1.34、1.36、1.57、1.60、1.66、1.69、1.74、1.75、1.92、2.77、2.80、2.83、4.17、4.18、4.20、4.22、6.28、7.49ppmにあること、13C−NMR分析を行ったところ、化学シフトが、12.43、22.39、26.05、26.67、33.30、33.41、36.25、36.41、113.12、117.09、131.17、135.10、136.24、138.00ppmにあること、質量分析を行ったところ、分子量436.7であることにより、得られた生成物(M−3)は前記式(9−11)で表される目的のビス(アミノフェノール)誘導体であることが確認された。得られた(M−3)の収率は、32%であった。
実施例5におけるポリアミド樹脂の合成において、ビス(アミノフェノール)誘導体(M−2)の替わりに、ビス(アミノフェノール)誘導体(M−3)436.64g(1.000モル)を用いた他は実施例2と同様にして反応し、前記式(37)で示され、e=15で、第1表で示される化合物からなる目的のポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂(A−4)を得た。その他は実施例2と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例2と同様の評価を行った。
以下に、実施例のB−1、Q−1の構造、第1表を示す。
ポリアミド樹脂の合成
イソフタル酸0.360モルとジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸0.540モルと1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール1.800モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体(活性エステル)409.94g(0.900モル)と、4,4′−メチレンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)286.37g(1.000モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン2950gを加えて溶解させた。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた。
次にN−メチル−2−ピロリドン100gに溶解させた4−エチニルフタル酸無水物34.43g(0.200モル)を加え、更に12時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{c/(c+d)}×100=100、{d/(c+d)}×100=0、数平均分子量が12000で、第2表で示される化合物からなる目的のポリアミド樹脂類(A−8)を得た。
ポリアミド樹脂式(A−8)4.0gをγ−ブチロラクトン8.0gに溶解した樹脂を石英板にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分乾燥し、膜厚10μmの塗膜を得た。この塗膜の透過率を紫外可視分光光度計(島津製作所製)により測定した。波長365nmにおける透過率は67%であった。
下記式(B−2)で示されるフェノール15.82g(0.025モル)と、トリエチルアミン8.40g(0.083モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、テトラヒドロフラン135gを加えて溶解させた。この反応溶液を10℃以下に冷却した後に、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロライド22.30g(0.083モル)をテトラヒドロフラン100gと共に10℃以上にならないように徐々に滴下した。その後10℃以下で5分攪拌した後、室温で5時間攪拌して反応を終了させた。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、下記式(Q−2)の構造で示されるナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物を得た。
合成したポリアミド樹脂(A−8)100g、下記式(Q−2)の構造を有するナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物15gをN−メチル−2−ピロリドン200gに溶解した後、0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過しポジ型感光性樹脂組成物を得た。
このポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で3分プリベークし、膜厚約8.1μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷(株)製・マスク(テストチャートNo.1:幅0.88〜50μmの残しパターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、i線ステッパー((株)ニコン製・4425i)を用いて、露光量を変化させて照射した。
次に2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に150秒で2回パドル現像することによって露光部を溶解除去した後、純水で10秒間リンスした。その結果、露光量260mJ/cm2で照射した部分よりパターンが成形されていることが確認できた。(感度は260mJ/cm2)。現像後の膜厚は8.0μmと非常に高い値を示した。
上記ポジ型感光性樹脂組成物を2枚のシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分プリベークし、それぞれ膜厚約1μmの塗膜を得た。次に塗膜付きシリコンウエハーの1枚を2%フッ酸に浸け、フィルムを得た。このフィルムをフーリエ変換赤外分光光度計PARAGON1000(パーキンエルマー製)を用いて測定し、1650cm−1のアミド基と1490cm−1の全芳香族に伴うピークの比(A)を算出した。次にオーブンを用いて、もう一枚の塗膜付きシリコンウエハーを250℃/90分で加熱を行った後、同様にして硬化フィルムを得、フーリエ変換赤外分光光度計による測定から1650cm−1のアミド基と1490cm−1の全芳香族に伴うピークの比(B)を算出した。環化率は(1−(B/A))に100を乗じた値とした。このようにして求めた環化率は95%であった。
上記ポジ型感光性樹脂組成物を6インチのシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分プリベークし、膜厚約10μmの塗膜を得た。次にオーブンを用いて、塗膜付きシリコンウエハーを250℃/90分で加熱を行った。硬化後の塗膜に5cm四方の升目になるようカッターで切れ込みを入れた後、2%フッ酸に浸け、5cm四方のフィルムを得た。このフィルムの吸水率を試験規格JIS−K7209に従い、0.65%という値を得た。
実施例8におけるポリアミド樹脂の合成において、イソフタル酸とジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸のモル比をそれぞれ0.200モル、0.700モルに変更し、更に4,4′−メチレンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)を214.78g(0.750モル)に減らし、替わりに3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン70.08g(0.250モル)を用いて同様にして反応し、(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{c/(c+d)}×100=75、{d/(c+d)}×100=25、数平均分子量が13000で、第2表で示される化合物からなるポリアミド樹脂類(A−9)を合成した。その他は実施例8と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例8と同様の評価を行った。
実施例8におけるポリアミド樹脂の合成において、イソフタル酸の替わりにジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸のモル比を0.900モルに変更し、更に4,4′−メチレンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)を114.55g(0.400モル)に減らし、替わりにヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンを219.76g(0.600モル)を用いて同様にして反応し、(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{c/(c+d)}×100=40、{d/(c+d)}×100=60、数平均分子量が13000で、第2表で示される化合物からなるポリアミド樹脂類(A−10)を合成した。その他は実施例8と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例8と同様の評価を行った。
実施例8におけるポリアミド樹脂の合成において、イソフタル酸とジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸のモル比をそれぞれ0.340モル、0.510モルに変更し、更に4,4′−メチレンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)を200.46g(0.700モル)に減らし、替わりに3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン69.08g(0.300モル)を用い、4−エチニルフタル酸無水物の添加量も51.64g(0.300モル)に変更して同様にして反応し、(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{c/(c+d)}×100=70、{d/(c+d)}×100=30、数平均分子量が9100で、第2表で示される化合物からなるポリアミド樹脂類(A−11)を合成した。その他は実施例8と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例8と同様の評価を行った。
実施例11におけるポリアミド樹脂の合成において、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタンの替わりに、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン77.50g(0.300モル)を用いて同様にして反応し、(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{c/(c+d)}×100=70、{d/(c+d)}×100=30、数平均分子量が9400で、第2表で示される化合物からなるポリアミド樹脂類(A−12)を合成した。その他は実施例8と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例8と同様の評価を行った。
実施例8におけるポリアミド樹脂の合成において、イソフタル酸とジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸のモル比をそれぞれ0.344モル、0.516モルに変更し、更に4,4′−メチレンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)の替わりに、
4,4′−エチリデンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)300.40g(1.000モル)を用い、4−エチニルフタル酸無水物の添加量も48.20g(0.280モル)に変更して同様にして反応し、(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{c/(c+d)}×100=100、{d/(c+d)}×100=0、数平均分子量が10200で、第2表で示される化合物からなるポリアミド樹脂類(A−13)を合成した。その他は実施例8と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例8と同様の評価を行った。
実施例13におけるポリアミド樹脂の合成において、イソフタル酸とジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸のモル比をそれぞれ0.252モル、0.588モルに変更し、更に4,4′−エチリデンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)を210.28g(0.700モル)に減らし、替わりに3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン69.08g(0.300モル)を用い、4−エチニルフタル酸無水物の添加量も55.08g(0.320モル)に変更して同様にして反応し、(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{c/(c+d)}×100=70、{d/(c+d)}×100=30、数平均分子量が9500で、第2表で示される化合物からなるポリアミド樹脂類(A−14)を合成した。その他は実施例8と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例8と同様の評価を行った。
実施例14におけるポリアミド樹脂の合成において、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタンの替わりに、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン77.50g(0.300モル)を用いて同様にして反応し、(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{c/(c+d)}×100=70、{d/(c+d)}×100=30、数平均分子量が9600で、第2表で示される化合物からなるポリアミド樹脂類(A−15)を合成した。その他は実施例8と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例8と同様の評価を行った。
実施例13におけるポリアミド樹脂の合成において、4,4′−エチリデンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)の替わりに、4,4′−エチリデンビス(2−アミノ−3−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)436.64g(1.000モル)を用いて同様にして反応し、(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{c/(c+d)}×100=100、{d/(c+d)}×100=0、数平均分子量が9200で、第2表で示される化合物からなるポリアミド樹脂類(A−16)を合成した。その他は実施例8と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例8と同様の評価を行った。
ポリアミド樹脂の合成
ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸0.900モルと1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール1.800モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体(活性エステル)443.21g(0.900モル)とヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン366.26g(1.000モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン3200gを加えて溶解させた。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた。
次にN−メチル−2−ピロリドン100gに溶解させた4−エチニルフタル酸無水物34.43g(0.200モル)を加え、更に12時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{c/(c+d)}×100=0、{d/(c+d)}×100=100、数平均分子量が12000で、第2表で示される化合物からなる目的のポリアミド樹脂類(A−17)を得た。その他は実施例8と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例8と同様にして評価した。
実施例9におけるポリアミド樹脂の合成において、4,4′−メチレンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)と3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォンの替わりに、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル232.25g(1.000モル)を用いて同様にして反応し、(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{c/(c+d)}×100=0、{d/(c+d)}×100=100、数平均分子量が11000で、第2表で示される化合物からなるポリアミド樹脂類(A−18)を合成した。その他は実施例8と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例8と同様にして評価した。
比較例1におけるポリアミド樹脂の合成において、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸のモル比を0.880モルに変更し、更にヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンの替わりに、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン258.32g(1.000モル)を用いて同様にして反応し、(14−1)及び式(14−2)と、式(14−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{c/(c+d)}×100=0、{d/(c+d)}×100=100、数平均分子量が10000で、第2表で示される化合物からなるポリアミド樹脂類(A−19)を合成した。その他は実施例8と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例8と同様の評価を行った。
以下に、実施例及び比較例のB−2、Q−2の構造、第2表を示す。
→ PBO/PI共重合(ビスアミノフェノール/テトラカルボン酸/ジカルボン酸)
ポリアミド樹脂の合成
4,4′−メチレンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)286.37g(1.000モル)とN−メチル−2−ピロリドン2790gを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに 入れて溶解させた。その後、フラスコを水冷しながら4,4′−オキシジフタル酸無水物53.36g(0.172モル)を徐々に添加した。オイルバスを用いて60℃で2時間反応させた後、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸0.688モルと1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール1.376モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体(活性エステル)338.81g(0.688モル)を添加し、更に60℃で14時間反応させた。
次にN−メチル−2−ピロリドン190gに溶解させた4−エチニルフタル酸無水物48.20g(0.280モル)を加え、更に3時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、(13−1)及び式(13−2)と、式(13−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{a/(a+b)}×100=100、{b/(a+b)}×100=0、カルボン酸成分がジカルボン酸とテトラカルボン酸との組み合わせで、カルボン酸成分中、ジカルボン酸80モルパーセント、テトラカルボン酸20モルパーセント、数平均分子量が10800で、第2表で示される化合物からなる目的のポリアミド樹脂類(A−20)を得た。
その他は実施例8と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例8と同様の評価を行った。
→ PBO/PI共重合(ジアミン/ビスアミノフェノール/テトラカルボン酸/ジカルボン酸)
ポリアミド樹脂の合成
4,4′−ジアミノジフェニルメタン39.65g(0.200モル)とN−メチル−2−ピロリドン2320gを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れて溶解させた。その後、フラスコを水冷しながら4,4′−オキシジフタル酸無水物139.59g(0.450モル)を徐々に添加した。オイルバスを用いて60℃で2時間反応させた後、4,4′−メチレンビス(2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール)229.10g(0.800モル)をN−メチル−2−ピロリドン100gと共に添加し、更に60℃で1時間反応させた。
その後、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸0.450モルと1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール0.900モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体(活性エステル)221.61g(0.450モル)をN−メチル−2−ピロリドン100gと共に添加し、更に60℃で14時間反応させた。
次にN−メチル−2−ピロリドン140gに溶解させた4−エチニルフタル酸無水物34.43g(0.200モル)を加え、更に3時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、(13−1)及び式(13−2)と、式(13−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{a/(a+b)}×100=80、{b/(a+b)}×100=20、カルボン酸成分がジカルボン酸とテトラカルボン酸との組み合わせで、カルボン酸成分中、ジカルボン酸50モルパーセント、テトラカルボン酸50モルパーセント、数平均分子量が11800で、第2表で示される化合物からなる目的のポリアミド樹脂類(A−21)を得た。
実施例8のポジ型感光性樹脂組成物の作製において、式(Q−1)のナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物の添加量を25gに変更した。
実施例8の感度評価において、プリベーク後の膜厚と現像後の膜厚の差が1μmになるように現像時間を調節して評価を行った。
他は、実施例8と同様の評価を行った。
→ PBO/PI共重合(ビスアミノフェノール/テトラカルボン酸/ジカルボン酸)
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン258.32g(1.000モル)とN−メチル−2−ピロリドン2680gを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れて溶解させた。その後、フラスコを水冷しながら4,4′−オキシジフタル酸無水物55.84g(0.180モル)を徐々に添加した。オイルバスを用いて60℃で2時間反応させた後、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸0.720モルと1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール1.440モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体(活性エステル)354.57g(0.720モル)を添加し、更に60℃で14時間反応させた。
次にN−メチル−2−ピロリドン140gに溶解させた4−エチニルフタル酸無水物34.43g(0.200モル)を加え、更に3時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、(13−1)及び式(13−2)と、式(13−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{a/(a+b)}×100=0、{b/(a+b)}×100=100、カルボン酸成分がジカルボン酸とテトラカルボン酸との組み合わせで、カルボン酸成分中、ジカルボン酸20モルパーセント、テトラカルボン酸80モルパーセント、数平均分子量が11300で、第2表で示される化合物からなる目的のポリアミド樹脂類(A−22)を得た。
その他は実施例8と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製した。
実施例8の感度評価において、プリベーク後の膜厚と現像後の膜厚の差が1μmになるように現像時間を調節して評価を行った。
他は、実施例8と同様の評価を行った。
→ PI(ジアミン/テトラカルボン酸)
4,4′−ジアミノジフェニルメタン198.26g(1.000モル)とN−メチル−2−ピロリドン1960gを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れて溶解させた。その後、フラスコを水冷しながら4,4′−オキシジフタル酸無水物291.60g(0.940モル)を徐々に添加した後、オイルバスを用いて40℃で14時間反応させた。
次にN−メチル−2−ピロリドン80gに溶解させた4−エチニルフタル酸無水物20.66g(0.120モル)を加え、更に3時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、(13−1)及び式(13−2)と、式(13−3)とが、ランダムに共重合したポリアミド樹脂類で、{a/(a+b)}×100=0、{b/(a+b)}×100=100、カルボン酸成分がテトラカルボン酸100モルパーセント、数平均分子量が12200で、第2表で示される化合物からなる目的のポリアミド樹脂類(A−23)を得た。
実施例8のポジ型感光性樹脂組成物の作製において、式(Q−1)のナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物の添加量を25gに変更した。
実施例8の感度評価において、プリベーク後の膜厚と現像後の膜厚の差が1μmになるように現像時間を調節して評価を行ったが、未露光部が直ぐ溶解してしまいパターン形成が出来なかった。
他は、実施例8と同様の評価を行った。
また、本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、高透明で高感度であり、低温で硬化した際にも高環化率の特性を有するものであり、半導体素子、表示素子の表面保護膜、層間絶縁膜等に好適に用いられる。また、本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、高透明で高感度であり、低温で硬化した際にも吸水率が低いという特性を有するものであり、半導体素子、表示素子の表面保護膜、層間絶縁膜等に好適に用いられる。
Claims (22)
- ポジ型感光性樹脂組成物用ポリアミド樹脂の原料として使用されるビス(アミノフェノール)誘導体であって、両方のアミノ基の隣接する部位に置換基を有することを特徴とするビス(アミノフェノール)誘導体。
- 前記式(1)で示されるビス(アミノフェノール)誘導体のR2がアルキル基であり、かつ、R3がアルキル基である請求項2に記載のビス(アミノフェノール)誘導体。
- 前記式(1)で示されるビス(アミノフェノール)誘導体のR1がアルキレン又は置換アルキレンである請求項2又は3のいずれかに記載のビス(アミノフェノール)誘導体。
- 前記ニトロ基の還元が、水素雰囲気において、遷移金属触媒存在下で行われるものである請求項5に記載のビス(アミノフェノール)誘導体の製造方法。
- ビス(アミノフェノール)と、カルボン酸由来の構造からなるポリアミド樹脂類であって、前記ビス(アミノフェノール)が、両方のアミノ基の隣接する部位に置換基を有するビス(アミノフェノール)誘導体であることを特徴とするポリアミド樹脂類。
- ジアミン成分とカルボン酸成分との反応により得られるポリアミド樹脂類であって、前記ジアミン成分の全部又は一部が、両方のアミノ基の隣接する部位に置換基を有するビス(アミノフェノール)誘導体であることを特徴とするポリアミド樹脂類。
- 前記式(1)で示されるビス(アミノフェノール)誘導体のR2がアルキル基又はアルコキシ基であり、かつ、R3がアルキル基又はアルコキシ基である請求項9に記載のポリアミド樹脂類。
- ポリアミド樹脂類が、ポリベンゾオキサゾール前駆体構造を有する請求項7乃至10に記載のポリアミド樹脂類。
- 請求項7乃至11記載のポリアミド樹脂類(A)と感光性ジアゾキノン化合物(B)とを含むことを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
- 請求項7乃至11記載のポリアミド樹脂類(A)100重量部に対して、前記感光性ジアゾキノン化合物(B)を1〜50重量部含むものである請求項12に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 更にフェノール化合物(C)を含むものである請求項12又は13のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 請求項7乃至11記載のポリアミド樹脂類(A)100重量部に対して、前記フェノール化合物(C)を1〜30重量部含むものである請求項14記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 請求項12乃至15のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物の硬化物で構成されていることを特徴とする保護膜。
- 請求項12乃至15のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物の硬化物で構成されていることを特徴とする層間絶縁膜。
- 半導体素子又は表示素子の表面保護膜である請求項16に記載の保護膜。
- 請求項16に記載の保護膜を有していることを特徴とする半導体装置。
- 請求項16に記載の保護膜を有していることを特徴とする表示素子。
- 請求項17に記載の層間絶縁膜を有していることを特徴とする半導体装置。
- 請求項17に記載の層間絶縁膜を有していることを特徴とする表示素子。
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