JPWO2005073317A1 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
また、機械的強度や荷重たわみ温度を向上させるために、無機充填剤をポリブチレンテレフタレートとポリカーボネートを含む樹脂組成物に配合させることも広く行われている。しかし、高温雰囲気下での物性は依然として満足できるレベルではない。
すなわち本発明は、以下の構成を有する。
(1)(A)ポリトリメチレンテレフタレート1〜99重量部と(B)ポリカーボネート99〜1重量部を含む熱可塑性樹脂組成物であって、該熱可塑性樹脂組成物の融点(Tm)が224℃以上、且つ高温側のガラス転移温度(Tg)が143℃以上である、上記熱可塑性樹脂組成物。
(2)(A)ポリトリメチレンテレフタレート、(B)ポリカーボネート及び(C)pH調整剤を含む熱可塑性樹脂組成物であって、該熱可塑性樹脂組成物が下記i)およびii)の条件を満たす、上記熱可塑性樹脂組成物:
i)(A)成分と(B)成分の重量比が1/99〜99/1の範囲内であること;及び
ii)(A)+(B)成分と(C)成分の重量比が100/Xであること(ただし、pH=6の蒸留水100gに(C)成分を完全溶解させた系の20℃のpHが2.5〜5.5を示すような(C)成分の量をXgとする)。
(3)該熱可塑性樹脂組成物の融点(Tm)が224℃以上、且つ高温側のガラス転移温度(Tg)が143℃以上である、上記(2)に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(4)(C)成分が、リン酸金属塩、ピロリン酸金属塩、リン酸アンモニウム塩、及びオキソ酸からなる群から選ばれる1種以上である、上記(2)または(3)に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を含んでなる樹脂成形体。
共重合する場合の共重合成分の量は、本発明の目的を損なわない範囲であれば特に制限はないが、通常酸成分の20モル%以下、あるいはグリコール成分の20モル%以下であることが好ましい。
PTTの極限粘度[η]については、オストワルド粘度計を用い、35℃、o−クロロフェノール中にPTTを含む樹脂組成物を、溶質(PTT樹脂成分)/溶液=1.00g/dlになるように溶解させ、不溶分(無機質強化材等)をフィルターで除去した後、不溶分除去後の溶液を用いて比粘度ηspを測定し、下記式により求めることができる。
[η]=0.713×ηsp/C+0.1086
C=1.00g/dl
−(O−Ar−O−CO)− (1)
(式中、Arは、二価の芳香族残基であり、例えば、フェニレン、ナフチレン、 ビフェニレン、ピリジレンや、下記式(2)で表される基が挙げられる。)
−Ar1−Y−Ar2− (2)
(式中、Ar1及びAr2はそれぞれアリーレン基であり、例えば、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ピリジレン等の基を表す。Yはアルキレン基または置換アルキレン基である。)
また、下記式(3)で示される二価の芳香族残基を共重合体成分として含有している場合も含む。
−Ar1−Z−Ar2− (3)
(式中Ar1、Ar2は式(2)と同じ。Zは単なる結合または−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−CO2−、−CONR1−等の二価の基である。ただし、R1は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の低級アルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基または炭素数6〜30のアリール基である。)
(式中、R7及びR8は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基または炭素数6〜30のアリール基である。m及びnは1〜4の整数で、mが2〜4の場合には各R7はそれぞれ同一でも異なるものであってもよいし、nが2〜4の場合は各R8はそれぞれ同一でも異なるものであっても良い。)
特に、上記の式(5)で表される基をArとする繰り返し単位を85モル%以上(ポリカーボネート中の全モノマー単位を基準として)含むポリカーボネートが特に好ましい。また、本発明に用いることができるポリカーボネートは、三価以上の芳香族残基を共重合成分として含有している場合も含む。
重量平均分子量(Mw)の測定は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて行い、測定条件は以下の通りである。すなわち、テトラヒドロフランを溶媒とし、ポリスチレンゲルを使用し、標準単分散ポリスチレンの構成曲線から下式による換算分子量較正曲線を用いて求められる。
MPC=0.3591MPS 1.0388
(式中、MPCはポリカーボネートの重量平均分子量、MPSはポリスチレンの重量平均分子量である。)
|μ(A)−μ(B)|≦18,000(poise)
この溶融粘度差は、(A)ポリトリメチレンテレフタレートの(B)ポリカーボネートに対する相溶化を進め、樹脂組成物の成形性および物性を発揮させるために望ましい範囲である。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐熱性、滞留安定性の観点からその樹脂ペレットのb*値が5以下であることが好ましく、3以下であることがさらに好ましく、1以下であることが最も好ましい。
リン酸金属塩、ピロリン酸金属塩、メタリン酸金属塩、リン酸アンモニウム塩及びオキソ酸の具体例としては、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素マグネシウム、リン酸二水素カリウム、第一リン酸アルミニウム、リン酸二水素亜鉛、リン酸二水素アンモニウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ピロリン酸二水素カルシウム、ピロリン酸二水素二カリウム、ピロリン酸二水素亜鉛、ピロリン酸二水素マグネシウム、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸マグネシウム、メタリン酸アルミニウム、メタリン酸亜鉛、クエン酸、リン酸及びホスホン酸等を挙げることができる。上記金属塩の中でリン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、ピロリン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素アンモニウム及びクエン酸が最も好ましく用いられる。
繊維状無機充填剤としては、ガラス繊維、アスベスト繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウムウィスカー、ウォラストナイト、さらにステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属の繊維状物などの無機質繊維状物質があげられる。特に代表的な繊維状無機充填剤はガラス繊維およびカーボン繊維である。なおポリアミド、フッ素樹脂、アクリル樹脂などの高融点有機質繊維状物質も使用することができる。
これらの無機充填剤は一種又は二種以上併用することができる。繊維状無機充填剤、特にガラス繊維と粒状及び/又は板状無機充填剤の併用は、機械的強度と寸法精度、電気的性質等を兼備する上で好ましい組み合わせである。
これらの無機充填剤は、特に表面処理を施したものが好ましく用いられる。表面処理としては公知のカップリング剤やフィルム形成剤を用いて行う。好ましく用いられるカップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤が挙げられる。これ等の化合物はあらかじめ表面処理又は収束処理を施して用いるか、又は材料調製の際同時に添加してもよい。
この中でも、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−α−(アミノエチル)−α−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(1,1−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のアミノシランおよびエポキシシランが好ましく用いられる。
チタン系カップリング剤は、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェイト)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスフェイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(1,1−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェイト)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェイト)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェイト)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミドエチル、アミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等が挙げられる。
(E)衝撃性改良剤としては、ゴム様のコア上に一つ以上のシェルをグラフトさせて構成されているコアーシェルポリマーが挙げられる。コアとなるゴム成分としては、ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリル複合ゴム、アクリルゴム、アクリル−シリコン複合ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−プロプレンゴム、二トリルゴム、エチレン−アクリルゴム、シリコンゴム、エピクロロヒドリンゴム、フッ素ゴムおよびこれらの不飽和結合部分に水素が添加した形のものを挙げることができる。一方のシェル成分としては、ビニル芳香族化合物、シアン化ビニル、アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸およびこれらの共重合可能なビニル化合物を挙げることができる。ビニル芳香族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、アルコキシスチレン、ハロゲン化スチレン等を挙げることができる。また、アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル等を挙げることができる。さらに、上記コア及び/またはシェルは架橋剤及び/またはグラフト剤として機能し得る多官能性化合物を含んでいることが好ましい。
更に、スチレン含有ポリマーも衝撃性改良剤として好ましく用いられる。例としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、スチレン−アクリロニトリル(AS)、アクリロニトリル−ブタジエン、α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン、メタクリレート−ブタジエン−スチレン(MBS)、その他耐衝撃性のスチレン含有ポリマーが挙げられる。
高級脂肪酸類としては、高級飽和脂肪酸類、高級不飽和脂肪酸類あるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
(x−1)高級飽和脂肪酸類
高級脂飽和肪酸類は、例えばカプリン酸、ウラデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸など、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。
(x−2)高級不飽和脂肪酸類
高級不飽和脂肪酸類としては、炭素数が6〜22の不飽和脂肪酸が好ましく用いられる。
中でも、より好ましいものとしては、例えばウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビル酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ステアロール酸、2−ヘキサデセン酸、7−ヘキサデセン酸、9−ヘキサデセン酸、ガドレイン酸、ガドエライジン酸、11−エイコセン酸など、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。
高級脂肪酸金属塩類としては、高級飽和脂肪酸金属塩類、高級不飽和脂肪酸金属塩類あるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
(y−1)高級飽和脂肪酸金属塩類
高級脂飽和肪酸類は、下記一般式で示される。
CH3(CH2)nCOO(M)
ここで、n=8〜30であり、金属元素(M)が、元素周期律表の1A、2A、3A族元素、亜鉛、アルミニウムなどが好ましく用いられる。
中でも、より好ましいものとしては、例えばカプリン酸、ウラデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸のリチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩など、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。
(y−2)高級不飽和脂肪酸金属塩類
高級不飽和脂肪酸金属塩類としては、炭素数が6〜22の不飽和脂肪酸と、元素周期律表の1A、2A、3A族元素、亜鉛、アルミニウムなどとの金属塩が好ましく用いられる。
中でも、より好ましいものとしては、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビル酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ステアロール酸、2−ヘキサデセン酸、7−ヘキサデセン酸、9−ヘキサデセン酸、ガドレイン酸、ガドエライジン酸、11−エイコセン酸のリチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩など、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。
本発明における高級脂肪酸エステル類は、高級アルコールと高級脂肪酸とのエステル、あるいは多価アルコールと高級脂肪酸とのエステル、あるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
(z−1)高級アルコールと高級脂肪酸とのエステル類
高級アルコールと高級脂肪酸とのエステル類として、好ましいのは、炭素数8以上の脂肪族アルコールと炭素数8以上の高級脂肪酸とのエステル類である。好ましい高級脂肪酸エステル類としては、例えばラウリルラウレート、ラウリルミリステート、ラウリルパルミテート、ラウリルステアレート、ラウリルベヘネート、ラウリルリグノセレート、ラウリルメリセート、ミリスチルラウレート、ミリスチルミリステート、ミリスチルステアレート、ミリスチルベヘネート、ミリスチルリグノセレート、ミリスチルメリセート、パルミチルラウレート、パルミチルミリステート、パルミチルステアレート、パルミチルベヘネート、パルミチルリグノセレート、パルミチルメリセート、ステアリルラウレート、ステアリルミリステート、ステアリルパルミテート、ステアリルステアレート、ステアリルベヘネート、ステアリルアラキネート、ステアリルリグノセレート、ステアリルメリセート、アイコシルラウレート、アイコシルパルミテート、アイコシルステアレート、アイコシルベヘネート、アイコシルリグノセレート、アイコシルメリセート、ベヘニルラウレート、ベヘニルミリステート、ベヘニルパルミテート、ベヘニルステアレート、ベヘニルベヘネート、ベヘニルアラキネート、ベヘニルメリセート、テトラコサニルラウレート、テトラコサパルミテート、テトラコサニルステアレート、テトラコサニルベヘネート、テトラコサニルリグノセレート、テトラコサニルセロテート、セロチニルステアレート、セロチニルベヘネート、セロチニルセロチネート、メリシルラウレート、メリシルステアレート、メリシルベヘネート、メリシルメリセートなど、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。
多価アルコールと高級脂肪酸の部分エステル類は、多価アルコールとして、例えばグリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、エリスリット、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、マニトール、ソルビトールなどが好ましく用いられる。
また高級脂肪酸としては、例えばカプリン酸、ウラデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸などが好ましく用いられる。
(G)結晶化促進剤としては、ガラス繊維、タルク、マイカ、ワラストナイトなどの無機充填剤や有機カルボン酸金属塩、無機カルボン酸金属塩、アイオノマー樹脂及び熱可塑性ポリエステル樹脂などが挙げられる。結晶化促進効果の大きさから熱可塑性ポリエステル樹脂が好ましく用いられる。
本発明の樹脂成形体は上記に示した公知の成形方法で成形された成形体であり、その形状は特に制限されない。
以下実施例により本発明の効果を更に詳細に説明する。ただし本発明はこれらの例になんら限定されるものではない。なお、使用した熱可塑性樹脂およびその配合剤は下記のとおりである。
・PTT1:ポリトリメチレンテレフタレート樹脂
極限粘度[η]=1.10×dl/gのポリトリメチレンテレフタレート
なお、極限粘度[η]は次の定義式に基づいて求められた。
[η]=lim(1/C)×(ηr−1)[C→0]
式中のηrは、純度98%以上のo−クロロフェノールで溶解したポリトリメチレンテレフタレートの希釈溶液の35℃での粘度を、同一温度で測定した上記溶剤自体の粘度で割った値で相対粘度として定義されるものである。またCは上記溶液100ml中のグラム単位による溶質重量値である。
極限粘度[η]=0.89×dl/gのポリトリメチレンテレフタレート
・PTT3:ポリトリメチレンテレフタレート樹脂
極限粘度[η]=0.72×dl/gのポリトリメチレンテレフタレート
・PTT4:ポリトリメチレンテレフタレート樹脂
極限粘度[η]=0.65×dl/gのポリトリメチレンテレフタレート
・PBT1:ポリブチレンテレフタレート樹脂;ジュラネックス2002、ウィンテック社製
・PC1:ポリカーボネート樹脂;ユーピロンS−2000、三菱エンジニアリングプラスチックス社製
・PC2:ポリカーボネート樹脂;パンライトL−1225L、帝人社製
・GF1:ガラス繊維;T−187、日本電気硝子社製(エポキシ集束処理 繊維径13μm)
・MF1:タルク;M−SP、日本タルク社製
・MF2:ワラストナイト;ナイグロス8 10013、巴工業社製
・EL1:MBS;パラロイド EXL2602、呉羽化学社製
・S1:IRGANOX1098、チバ・スペシャルティーケミカルズ社製
・PH1:リン酸二水素Na、太平化学産業社製
・PH2:リン酸二水素K、太平化学産業社製
・PH3:リン酸二水素アンモニウム、太平化学産業社製
・PH4:リン酸二水素Ca、太平化学産業社製
・PH5:第一リン酸Al、太平化学産業社製
・PH6:次亜リン酸カルシウム、和光純薬工業社製
・PH7:トリデシル亜リン酸、旭電化社製
・PH8:PEP−8、旭電化社製
・PH9:リン酸一水素二Na、太平化学産業社製
・PH10:クエン酸、和光純薬工業社製
1.樹脂成形品の作成および諸特性
樹脂成形品は、射出成形機を用いて作成した。装置は日精樹脂(株)製PS40E、金型温度80℃に設定し、射出20秒、冷却20秒の射出成形条件で、樹脂成形品を得た。なお、シリンダー温度は260℃に設定した。(実施例4のみ、金型温度:95℃、射出40秒、冷却20秒で成形した。)
pH=6の蒸留水(和光純薬工業社製)100gにPH1〜PH10をXg溶解させた際の、20℃における溶液のpHを測定した。(攪拌子を用いて、10分間攪拌した後、測定を行った。)
溶解しないものは、未溶解物を含んだまま溶液のpHを測定した。
ここで、Xは、表1、2の実施例及び比較例に記載した(A)PTTと(B)PCに対する(C)PH1〜PH10の配合比率から下記式(I)を元に、PH1〜PH10の溶解量として算出された値とした。
(A)+(B):(C)= 蒸留水100g:Xg (I)
pH=6の蒸留水(和光純薬工業社製)100gにPH1〜PH10を上記で算出されたXg混合し、攪拌子を用いて、20℃の条件で10分間攪拌した後の溶解性を観察した。
(1−3)融点Tm(℃)
下記実施例及び比較例において得られた押出ペレットに120℃、5時間、10Pa以下で真空乾燥を行った。得られたペレット5mgを用い、示差走査熱量測定器を使用して、0℃で3min保持した。その後、0℃から270℃まで20℃/分の昇温速度で加熱した際に現われる融解ピーク温度を融点(Tm)とした。
下記実施例及び比較例において得られた押出しペレットを上記成形条件で成形したISOダンベル片を用い、粘弾性測定装置(RMS800型/レオメトリックス社)を使用して、−100℃から200℃まで2℃/分の昇温速度、10rad/秒の条件で測定した際の最も高温側に発現する損失弾性率(G″)のピーク温度である。
(1−5)引張強度(MPa)および引張伸度(%)
ISO 527−1に準じて測定した。
ISO 75−1に準じて測定した。その際の荷重は0.46MPaとした。
(1−7)溶融滞留安定性
上記成形条件下、シリンダー内で20分間滞留させた後、成形することにより得られたISOダンベル片を用いて、上記手法によりガラス転移温度を測定した。得られた高温側のガラス転移温度が140℃を超える場合は○、130〜140℃の場合は△、130℃未満の場合は×とした。
PTT1〜PTT4、PBT1、PC1、PC2、PH1〜10、EL1、S1を下記表1および2に示した配合比でドライブレンドした。そのブレンド物を2軸押出機(東芝機械(株)製:TEM58)を用いて溶融混練し、サイドフィーダーからGF1、MF1及びMF2を表1に示した配合比で添加した。スクリュー回転数300rpm、シリンダー温度250℃(先端ノズル付近のポリマー温度は、280℃であった)、押出速度150Kg/Hr(滞留時間1分)、減圧度は0.05MPaで押出を行った。先端ノズルからストランド状にポリマーを排出し、水冷・カッティングを行いペレットとした。該ペレットを120℃で5時間、除湿型乾燥機で乾燥した後、上記に示す射出成形方法で試験片を作成した。この試験片を上記測定方法に従って、解析および諸特性の測定を行った。結果を表1および2に示した。
融点(Tm)が223℃以上且つ高温側のガラス転移温度(Tg)が143℃以上を示す材料は耐熱性、滞留安定性及び機械的強度が優れる結果となった。また同様に、(C)成分として(A)+(D)成分と(C)成分の重量比を100/xとした時、pH=6の蒸留水100gに(C)pH調整剤xgを完全溶解させた系のpHが2.5〜5.5を示すような(C)成分xgを配合した場合には、耐熱性、滞留安定性及び機械的強度が優れる結果となった。
Claims (5)
- (A)ポリトリメチレンテレフタレート1〜99重量部と(B)ポリカーボネート99〜1重量部を含む熱可塑性樹脂組成物であって、該熱可塑性樹脂組成物の融点(Tm)が224℃以上、且つ高温側のガラス転移温度(Tg)が143℃以上である、上記熱可塑性樹脂組成物。
- (A)ポリトリメチレンテレフタレート、(B)ポリカーボネート及び(C)pH調整剤を含む熱可塑性樹脂組成物であって、該熱可塑性樹脂組成物が下記i)およびii)の条件を満たす、上記熱可塑性樹脂組成物:
i)(A)成分と(B)成分の重量比が1/99〜99/1の範囲内であること;及び
ii)(A)と(B)成分の合計重量と(C)成分の重量比を100/Xとした時、pH=6の蒸留水100gに(C)成分Xgを完全溶解させた系の20℃のpHが2.5〜5.5を示すこと。 - 該熱可塑性樹脂組成物の融点(Tm)が224℃以上、且つ高温側のガラス転移温度(Tg)が143℃以上である、請求項2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- (C)成分が、リン酸金属塩、ピロリン酸金属塩、リン酸アンモニウム塩、及びオキソ酸からなる群から選ばれる1種以上である、請求項2または3に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を含んでなる樹脂成形体。
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JPH0753704A (ja) * | 1993-08-11 | 1995-02-28 | Ube Ind Ltd | ポリカーボネートの製造方法 |
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