JPWO2005048218A1 - Petボトル用シュリンクラベル及びそれを装着してなるpetボトル - Google Patents
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Abstract
本発明は、熱収縮性フィルムからなるPETボトル用シュリンクラベルであって、該シュリンクラベルのPETボトルと接する側に、塗工剤(A)による乾燥膜厚0.1〜10μmの接着性塗膜層を有しており、該シュリンクラベルの該塗膜面とPETフィルムとを8.5MPaの圧力を掛け、雰囲気温度40℃で24時間圧着後の剥離強さが5mN/50mm〜17N/50mmの範囲内であることを特徴とするPETボトル用シュリンクラベル、並びに該シュリンクラベルを装着してなるPETボトルを、提供するものである。
Description
本発明は、PETボトル用シュリンクラベル及びそれを装着してなるPETボトルに関する。
近年、飲料容器などの分野では、金属缶に代わってPETボトルが大量に使用されるようになっている。
PETボトルは、ポリエチレンテレフタレートを主成分としたブロー成形ボトルである。PETボトルの外周には、通常、内面に商品名等を印刷したシュリンクラベルが装着されている。このシュリンクラベルは、PETボトルのリサイクルを容易にするため、剥離し易いことが要求される。例えば、特開2002−326638号には、シュリンクラベルにミシン目を入れて、剥離し易くすることが記載されている。
上記シュリンクラベル内面の印刷は、商品名、内容物、販売者、注意事項等の消費者が必要とする情報を付与すると共に、商品に種々のデザインを付与するものである。この印刷面は、ラベルを剥離し易くするため、乾燥しており粘着性を有していない。また、容易に剥離できるようにする点から、シュリンクラベルの内側には通常接着剤や粘着剤は塗装されていない。
最近、PETボトルは、コストダウンと軽量化のため薄肉化される傾向にある。この薄肉化に伴って、ボトルの内圧変化、ボトルにかかる外圧等による変形が生じ易くなっている。例えば、飲料等の充填ラインでのボトル変形、商品流通時のボトル変形等が問題となっている。また、自動販売機の中において、飲料の入ったPETボトルが横積みに積み重なって容器が変形し、該販売機内に詰まったり、2本同時に排出してしまうという問題が発生している。
PETボトルの変形を防止するため、ボトル形状を六角柱等の多角柱にする、円周方向に窪みを付ける等の工夫がなされているが、変形を十分に防止できていない。
本発明の目的は、PETボトルの変形を防止することのできるPETボトル用シュリンクラベル、及び該シュリンクラベルを用いた変形しにくいPETボトルを提供することにある。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意検討を行った。その結果、シュリンクラベルの内側に、特定の剥離強さを有する接着性塗膜層を形成することにより、PETボトルのリサイクル時にラベルを容易に剥がすことができ、且つラベル原反を保管する時にブロッキングをおこさず、しかも、PETボトルの変形防止に著しい効果を発揮することを見出した。本発明は、かかる新知見に基づいて完成されたものである。
本発明は、以下のPETボトル用シュリンクラベル及び該ラベルを用いたPETボトルを提供するものである。
1.熱収縮性フィルムからなるPETボトル用シュリンクラベルであって、該シュリンクラベルのPETボトルと接する側に、塗工剤(A)による乾燥膜厚0.1〜10μmの接着性塗膜層を有しており、該シュリンクラベルの該塗膜面とPETフィルムとを8.5MPaの圧力を掛け、雰囲気温度40℃で24時間圧着後の剥離強さが5mN/50mm〜17N/50mmの範囲内であることを特徴とするPETボトル用シュリンクラベル。
2.周方向に複数の突出部と窪み部とを交互に有するPETボトル用のシュリンクラベルであって、該シュリンクラベルのPETボトルと接する側の少なくとも該突出部と接触する部分に、塗工剤(A)による接着性塗膜層を有する上記項1に記載のシュリンクラベル。
3.熱収縮性フィルムの材質が、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂又はポリ塩化ビニル系樹脂である上記項1に記載のシュリンクラベル。
4.熱収縮性フィルムの厚みが10〜100μmの範囲内であり、主収縮方向における収縮応力が2.0N/cm以上である上記項1に記載のシュリンクラベル。
5.塗工剤(A)が、数平均分子量500〜100,000及び軟化点30〜150℃の有機樹脂(a)を含有するものである上記項1に記載のシュリンクラベル。
6.有機樹脂(a)が、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂及びテルペン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂である上記項5に記載のシュリンクラベル。
7.塗工剤(A)が、さらに顔料(b)を含有するものである上記項5に記載のシュリンクラベル。
8.顔料(b)が、酸化チタン及び/又はアルミニウム粉である上記項7に記載のシュリンクラベル。
9.塗工剤(A)による塗膜が、グラビア塗装によって形成されたものである上記項1に記載のシュリンクラベル。
10.グラビア塗装時の塗工剤(A)の固形分が20〜80重量%及び塗工剤(A)の粘度が5〜60秒/ザーンカップ#3である上記項9に記載のシュリンクラベル。
11.塗工剤(A)の塗膜面とPETフィルムとを8.5MPaの圧力を掛け、雰囲気温度40℃で24時間圧着後の剥離強さが10mN/50mm〜4N/50mmの範囲内である上記項1に記載のシュリンクラベル。
12.塗工剤(A)の塗膜面とPETフィルムとを8.5MPaの圧力を掛け、雰囲気温度40℃で24時間圧着後の剥離強さが50mN/50mm〜1N/50mmの範囲内である上記項11に記載のシュリンクラベル。
13.上記項1に記載のシュリンクラベルを装着してなるPETボトル。
PETボトル用シュリンクラベル
本発明のPETボトル用シュリンクラベルは、該ラベルを形成する熱収縮性フィルムの内側、即ちPETボトルと接する側に、乾燥膜厚0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5μmの塗工剤(A)による接着性塗膜層が形成されている。上記シュリンクラベルを形成する熱収縮性フィルムの内側には、通常、予め商品名等の印刷が施されており、塗工剤(A)は、この印刷上に、塗装される。
本発明のPETボトル用シュリンクラベルは、該ラベルを形成する熱収縮性フィルムの内側、即ちPETボトルと接する側に、乾燥膜厚0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5μmの塗工剤(A)による接着性塗膜層が形成されている。上記シュリンクラベルを形成する熱収縮性フィルムの内側には、通常、予め商品名等の印刷が施されており、塗工剤(A)は、この印刷上に、塗装される。
該シュリンクラベル上の塗工剤(A)の塗膜面とPETフィルムとを8.5MPaの圧力を掛け、雰囲気温度40℃で24時間圧着後の剥離強さで表したときの接着力は、5mN/50mm〜17N/50mmの範囲内である。
上記剥離強さは、測定すべきシュリンクラベルとPETボトルを想定したPETフィルムとを、8.5MPaの圧力を掛け、雰囲気温度40℃で24時間圧着した後、20℃の温度に1時間以上放置し、PETフィルムと該シュリンクラベルの塗膜面との圧着物を50mm幅に切り、そのシュリンクラベルを引張速度200mm/分で180度剥離する際の剥離強さ(mN/50mm)を測定することにより得られる。
本発明においては、こうして測定された剥離強さが5mN/50mm〜17N/50mm程度の範囲内にあることが、易剥離性、耐ブロッキング性及びPETボトル変形防止効果のいずれにも優れる点から必要である。上記剥離強さは、10mN/50mm〜4N/50mm程度の範囲内にあることが好ましく、50mN/50mm〜1N/50mm程度の範囲内にあることがより好ましく、100mN/50mm〜500mN/50mm程度の範囲内にあることが更に好ましい。
PETボトルは環境保護の観点から再利用性が重要視されており、PETボトルに装着されるシュリンクラベルは、易剥離性であること、即ちリサイクル時に容易に剥がすことができ、剥がしたあとに接着剤等が残らないことが要望されている。従って、シュリンクラベルの接着力が高過ぎないように調整することは重要である。本発明のシュリンクラベルは、この要望を十分に充足することができる。
また、シュリンクラベルは、筒状に加工し扁平状に折り畳んだラベルを開いてボトル等に嵌装するために、筒状のラベルの内面同士が密着してブロッキングしないこと、即ち優れた耐ブロッキング性を有することも重要である。本発明のシュリンクラベルは、この点も充足している。
シュリンクラベルの材質
シュリンクラベルに用いられる熱収縮性フィルムの材質は、通常PETボトル用のシュリンクラベルに用いられるものであれば特に制限はなく、例えばポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などからなる熱収縮性フィルムを用いることができる。
シュリンクラベルに用いられる熱収縮性フィルムの材質は、通常PETボトル用のシュリンクラベルに用いられるものであれば特に制限はなく、例えばポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などからなる熱収縮性フィルムを用いることができる。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等を挙げることができる。ポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレンブタジエン共重合体等を挙げることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の線状ポリオレフィン;非晶性環状ポリオレフィン等を挙げることができる。ポリ塩化ビニル系樹脂としては、例えば、塩化ビニル単独重合体;塩化ビニルと、酢酸ビニル、エチレン、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等との共重合体等を挙げることができる。
熱収縮性フィルムとしては、例えば80℃程度の低温で40%以上という高い収縮率が得られる点から、スチレンブタジエン共重合体等のポリスチレン系樹脂;PET等のポリエステル系樹脂等からなる熱収縮性フィルムが好ましい。
このような熱収縮性フィルムは、前記樹脂を溶融押出しして形成したシートを少なくとも一方向(例えば横方向)に70℃〜100℃程度の温度で2〜6倍程度延伸して得られるものが好ましい。また、熱収縮性フィルムは、主延伸方向(例えば横方向)の熱収縮率が50%以上程度であることが好ましく、60〜85%程度であることがより好ましい。主延伸方向が横方向である場合、縦方向の熱収縮率は0〜20%程度であることが好ましい。ここで、横方向とは、シートの引き取り方向に対して90°前後の方向である。また、熱収縮率は、95℃の熱水中に10秒間浸漬したときの収縮率である。
また、熱収縮性フィルムの厚みとしては10〜100μm程度のものが使用できるが、熱収縮によりPETボトルに密着する力(収縮応力)が強いこととコストの点から、20〜80μm程度が好ましく、30〜70μm程度がより好ましい。
また、熱収縮性フィルムとしては、収縮応力の強い点から、ポリエステル系樹脂からなるものが好ましい。熱収縮性フィルムの収縮応力としては、主収縮方向(例えば横方向)において2.0N/cm以上(厚さ50μmのフィルムの場合4.0MPa以上)が好ましく、4.0N/cm以上(厚さ50μmのフィルムの場合8.0MPa以上)がより好ましい。ここで、収縮応力は、幅15mmに切断したフィルム片を引張試験機のチャックに、チャック間距離50mmの状態でセットし、95℃の温水に10秒間浸漬後、引き上げて3分間後に測定した主収縮方向の応力を意味する。
塗工剤(A)
塗工剤(A)は、上記シュリンクラベルのPETボトルと接する側の面に塗布される。シュリンクラベルのPETボトルと接する側の面は、通常、全面又は部分的に印刷が施されているが、シュリンクラベルのPETボトルと接する側の面に印刷が施されている場合には、この印刷面の上に塗工剤(A)を塗布することが必要である。
塗工剤(A)は、上記シュリンクラベルのPETボトルと接する側の面に塗布される。シュリンクラベルのPETボトルと接する側の面は、通常、全面又は部分的に印刷が施されているが、シュリンクラベルのPETボトルと接する側の面に印刷が施されている場合には、この印刷面の上に塗工剤(A)を塗布することが必要である。
塗工剤は、シュリンクラベルの内面側の略全面に塗布されていることが好ましいが、部分的に塗布されていてもよい。部分的に塗布する場合は、PETボトルの周方向に帯状に塗布することが好ましい。
また、PETボトルが、周方向に複数の突出部と窪み部とを交互に有する場合には、該シュリンクラベルのPETボトルと接する側の少なくとも該突出部と接触する部分に、塗工剤(A)を塗布するのが好ましい。
本発明における塗工剤(A)は、有機樹脂(a)を必須成分として含有し、必要に応じて顔料(b)、粘性調整剤、分散剤、消泡剤、レベリング剤、ワックス等の添加剤を含有するものである。
有機樹脂(a)は、数平均分子量が500〜100,000程度であるのが好ましく、800〜50,000程度であるのがより好ましい。有機樹脂(a)の数平均分子量が500未満では塗工剤(A)より得られた塗膜の凝集力が弱くなって剥離強さが低下し、一方数平均分子量が100,000を超えると凝集力が強くなり過ぎてシュリンクラベルがカールするという不具合を生じる。
また、有機樹脂(a)は、シュリンクラベルを装着する際の加熱によって軟化して接着性を生じる点から、軟化点が30〜150℃程度であるのが好ましい。該軟化点は、50〜140℃程度であるのがより好ましい。樹脂(a)の軟化点が30℃未満であると耐ブロッキング性が低下し、一方軟化点が150℃を超えると、シュリンクラベルとPETボトルとの接着力が低下して所望するPETボトルの変形防止効果が得られない場合がある。
また、有機樹脂(a)の種類としては、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、テルペン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアマイド系樹脂、ゴム系樹脂などを挙げることができる。また、これらの樹脂の水添樹脂等の変性樹脂を用いてもよい。これらの有機樹脂は、1種を又は2種以上を組み合わせて使用できる。これらの有機樹脂の内、特に、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂及びテルペン系樹脂は、本発明で必要とされる剥離強さの範囲に調整しやすく適している。
上記顔料(b)としては、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、ベンガラ、キナクリドンレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の着色顔料;バリタ粉、クレー、シリカ等の体質顔料;アルミニウム粉、金属酸化物被覆雲母粉等の光輝性顔料などを挙げることができる。顔料(b)は、シュリンクラベルの色彩的効果を向上させる目的と、塗工剤(A)による塗膜のPETボトルとの接着力を調整する目的で添加される。色彩的効果の向上には着色顔料及び光輝性顔料が適しており、特に酸化チタン、アルミニウム粉などが好ましい。
上記粘性調整剤としては、塗工剤の粘度を調整するために必要に応じて添加されるものであり、有機溶剤、水等が挙げられる。有機溶剤としては有機樹脂(a)を良く溶解するもので、塗装後の乾燥工程において容易に揮散できるものが好ましく、例えば、ヘキサン、トルエン、キシレン、石油ナフサ等の炭化水素系溶剤;エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;エチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル系溶剤等が挙げられる。また、有機樹脂(a)が水溶性又は水分散性の樹脂である場合には水及び必要に応じて水に溶解する有機溶剤が使用できる。
また、上記分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール等が使用できる。
塗工剤(A)は、熱収縮性フィルムが印刷面を有する場合には、その印刷面の上に塗装されるが、塗装機としては、フィルムなどに接着剤を塗装する時に用いられるような塗装機が好ましく、例えばグラビアロール塗装機(グラビア印刷機)などが挙げられる。特に、グラビア印刷機を用いることにより、文字、デザイン等の印刷と塗工剤の塗装を連続的に行うことができるため効率が良い。また、グラビア印刷機を用いることにより、塗工剤を必要な部分に無駄なく塗布することができる。
グラビアロール塗装機を用いて塗装する場合、塗工剤(A)の粘度は5〜60秒/ザーンカップ#3程度、特に10〜40秒/ザーンカップ#3程度が適している。また、塗工剤(A)の固形分としては20〜80重量%程度、特に30〜60重量%程度であることが塗装適性の点から好ましい。
本明細書において、ザーンカップ(Zahn viscosity cup)による粘度は、ASTM D1084-97に記載の測定法に従って測定したものである。
熱収縮性フィルム上に塗工剤(A)を塗装した後、塗膜は通常熱風により乾燥し、ロール状に巻き取る。乾燥条件は50〜150℃程度で0.1〜1分間程度であり、乾燥して得られる塗膜の膜厚は0.1〜10μm程度、好ましくは0.5〜5μm程度である。
得られたロール状フィルムは、適宜所定の幅にスリットし、塗工剤が塗布された側を内側として有機溶剤又は接着剤を側縁に塗布した糊貼りシール又はヒートシールによって筒状とする。その後、筒状のフィルムを扁平状に折り畳み、更にロール状に巻き取る。
筒状フィルムの使用時には、ロールから繰り出し、所定の寸法(長さ)にカットしシュリンクラベルとした後、円筒状に開いてPETボトルに被せ加熱収縮させて装着する。なお、シュリンクラベルの装着位置は、PETボトルの略全長に被せるものでもよく、胴部の一部分(全長の半分以上が好ましい)を被うものでも良い。
PETボトル
シュリンクラベルを装着するPETボトルとしては、ポリエチレンテレフタレート又はこれを主成分とする熱可塑性樹脂をブロー成形して得られるボトルを、いずれも使用できる。ポリエチレンテレフタレートを主成分とする熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレート等との共重合体を挙げることができる。また、ブロー成形して得られるボトルは、単層であっても複層であってもよい。
シュリンクラベルを装着するPETボトルとしては、ポリエチレンテレフタレート又はこれを主成分とする熱可塑性樹脂をブロー成形して得られるボトルを、いずれも使用できる。ポリエチレンテレフタレートを主成分とする熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレート等との共重合体を挙げることができる。また、ブロー成形して得られるボトルは、単層であっても複層であってもよい。
PETボトルの形状としては、胴部の周方向の断面において、突出部である凸部と窪み部である凹部とを交互にそれぞれ複数個有し、シュリンクラベルを装着した時点で、PETボトルとシュリンクラベルとの間に空洞を持つような、断面が略多角形状の形状であることが好ましい。このような多角形状の断面を持つ形状である場合には、窪み部である凹部によりボトル内圧の変化による変形を防止でき、又PETボトルの複数の凸部とシュリンクラベルとの接触部分を動きにくくすることによりボトルにかかる外圧による変形を防止できる。
また、シュリンクラベルの加熱収縮は、スチームヒーター、熱風ヒーター等の公知のヒーターを用いて行うことができる。スチームヒーターを用いる場合は、75〜90℃に設定したスチームヒーター(トンネル)内を3〜10秒程度通過させて収縮させる。
かくして、本発明のPETボトル用シュリンクラベルが装着された変形しにくいPETボトルを、収得できる。かかるラベル付きPETボトルは、例えば、酒類、ジュース類、水、お茶等の飲料;醤油、みりん、めんつゆ、油等の調味料類;シャンプー等の液体洗剤類等の容器として、好適である。酒類としては、ビール、日本酒、ワイン等が挙げられる。
図1及び図2は、本発明のシュリンクラベルが装着されたPETボトルの1例を示すものである。図1は、シュリンクラベルが装着されたPETボトルの正面図を示す図であり、図2の(i)は、図1におけるA−A線断面図であり、(ii)は、(i)の部分拡大図である。
図1及び図2において、PETボトル本体1は、筒状の胴部を有し、印刷が施された熱収縮性フィルム6とその内側に形成された接着性塗膜層3からなるシュリンクラベル2が該胴部の外周面に筒状に装着されている。ボトルの胴部の断面は多角形(本図では6角形)の形状を有しており、胴部の凸部4と、その間に設けられた胴部の凹部5より構成されている。該凹部5は径方向内側に窪んだ状態で湾曲しており、シュリンクラベル2は凸部4だけに接触し、凹部5には非接触となってそこに空隙を生じる構造となっている。シュリンクラベル2の内面の接着性塗膜層3は塗工剤(A)により形成されており、該塗膜層3と凸部4との接触部分を密着させて動きにくくすることでPETボトルの変形を抑制している。
本発明によれば、特に、PETボトル用シュリンクラベルの内側に、剥離強さが5mN/50mm〜17N/50mmの範囲内である適度に小さい接着力を有する接着性塗膜層を形成せしめたことにより、下記のような格別顕著な効果が得られる。
(1)PETボトルを変形させようとする力が働いた場合に、PETボトル面とシュリンクラベル内面とが、上記接着力に基づいて密着しているため、ボトル面とラベル内面とのスベリが抑制されていることにより、PETボトルの変形防止に著しい効果を発揮する。
かかる変形防止効果は、例えば容量500mlのボトルで重量23g以下程度という薄肉化されたPETボトルにおいて、顕著に発揮される。
(2)上記接着力が適度に小さいため、PETボトルのリサイクル時にはラベルを容易に剥がすことができる。
(3)上記接着力が適度に小さいため、シュリンクラベルを形成する熱収縮性フィルムの内側に塗工剤(A)の接着性塗膜層を形成後ロール状に巻き取ったフィルムを保管する時に、塗工剤(A)の塗膜面とフィルム外面とが接着してしまうというブロッキングを起こすことがない。また、該ラベルを筒状に加工後扁平状に折り畳んだ状態のシュリンクラベルを、開口してボトル等に嵌装する時に、該ラベルの内面同士が密着しブロッキングして開口不良となることもない。即ち、本発明のシュリンクラベルは耐ブロッキング性に優れる。
1…PETボトル本体
2…シュリンクラベル
3…接着性塗膜層
4…PETボトル胴部の凸部
5…PETボトル胴部の凹部
6…熱収縮性フィルム
2…シュリンクラベル
3…接着性塗膜層
4…PETボトル胴部の凸部
5…PETボトル胴部の凹部
6…熱収縮性フィルム
以下、合成例、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。各例において、「部」及び「%」はいずれも重量基準による。
合成例1 エポキシ樹脂の合成
反応容器に、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(商品名「エピコート828」、ジャパンエポキシレジン(株)製)200部、ビスフェノールA85.2部、50%テトラメチルアンモニウムクロライド水溶液0.2部及びメチルエチルケトン15部を配合し、攪拌下に140℃に昇温し、同温度に3時間保持して、エポキシ樹脂A1を得た。得られた樹脂は、固形分95%、数平均分子量約1,600、軟化点約95℃を有していた。
反応容器に、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(商品名「エピコート828」、ジャパンエポキシレジン(株)製)200部、ビスフェノールA85.2部、50%テトラメチルアンモニウムクロライド水溶液0.2部及びメチルエチルケトン15部を配合し、攪拌下に140℃に昇温し、同温度に3時間保持して、エポキシ樹脂A1を得た。得られた樹脂は、固形分95%、数平均分子量約1,600、軟化点約95℃を有していた。
合成例2 ポリエステル樹脂の合成
加熱装置、攪拌機、還流装置、水分離器、精留塔、温度計等を備えた通常のポリエステル樹脂製造装置を用い、反応槽に、テレフタル酸70.55部、イソフタル酸93.79部、アジピン酸1.46部、エチレングリコール61.38部及びネオペンチルグリコール10.50部を仕込み、加熱した。原料が融解後、攪拌を開始し、反応温度を230℃まで昇温させ、230℃に2時間保持して生成する縮合水は精留塔を通じて系外へ留去した。ついで反応槽にキシレン9部を添加し溶剤縮合法に切り替えて反応を続け、酸価が3mgKOH/gに達した時点で反応を終了して冷却しながら、キシレンを減圧留去してポリエステル樹脂B1を得た。得られた樹脂は、固形分95.7%、軟化点56℃及び数平均分子量約2,000であった。
加熱装置、攪拌機、還流装置、水分離器、精留塔、温度計等を備えた通常のポリエステル樹脂製造装置を用い、反応槽に、テレフタル酸70.55部、イソフタル酸93.79部、アジピン酸1.46部、エチレングリコール61.38部及びネオペンチルグリコール10.50部を仕込み、加熱した。原料が融解後、攪拌を開始し、反応温度を230℃まで昇温させ、230℃に2時間保持して生成する縮合水は精留塔を通じて系外へ留去した。ついで反応槽にキシレン9部を添加し溶剤縮合法に切り替えて反応を続け、酸価が3mgKOH/gに達した時点で反応を終了して冷却しながら、キシレンを減圧留去してポリエステル樹脂B1を得た。得られた樹脂は、固形分95.7%、軟化点56℃及び数平均分子量約2,000であった。
合成例3 ウレタン樹脂の合成
加熱装置、攪拌機、還流装置、温度計等を備えた通常の樹脂反応装置を用い、反応槽にポリカーボネートジオール(商品名「L−6001」、旭化成(株)製)1,000部、ネオペンチルグリコール315部及びメチルエチルケトン990部を仕込み、加熱して80℃に昇温した。原料が融解後、攪拌しながら3−イソシアナトメチル−3,5,5’−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)667部を30分間かけて滴下し、さらに80℃を保持しながらイソシアネート基がほとんどなくなるまで反応を行い、固形分66.7%のウレタン樹脂C1の溶液を得た。ウレタン樹脂C1は、軟化点102℃及び数平均分子量約2,000であった。
加熱装置、攪拌機、還流装置、温度計等を備えた通常の樹脂反応装置を用い、反応槽にポリカーボネートジオール(商品名「L−6001」、旭化成(株)製)1,000部、ネオペンチルグリコール315部及びメチルエチルケトン990部を仕込み、加熱して80℃に昇温した。原料が融解後、攪拌しながら3−イソシアナトメチル−3,5,5’−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)667部を30分間かけて滴下し、さらに80℃を保持しながらイソシアネート基がほとんどなくなるまで反応を行い、固形分66.7%のウレタン樹脂C1の溶液を得た。ウレタン樹脂C1は、軟化点102℃及び数平均分子量約2,000であった。
合成例4 アクリル樹脂の合成
温度計、攪拌機及び冷却管を備えた4つ口フラスコに、酢酸エチル253.5部を入れ、窒素ガス雰囲気下で75℃まで昇温した後、同温度に維持しながら、メタクリル酸メチル150部、メタクリル酸n−ブチル350部及び2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)5部からなるモノマーと開始剤の混合液を4時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で1時間撹拌し、同温度で2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)2.5部及び酢酸エチル50部からなる混合溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、酢酸エチル183.5部を加えて、さらに同温度で、2時間攪拌して、固形分50%のアクリル樹脂E1の溶液を得た。アクリル樹脂E1は、軟化点約85℃及び数平均分子量約9,800であった。
温度計、攪拌機及び冷却管を備えた4つ口フラスコに、酢酸エチル253.5部を入れ、窒素ガス雰囲気下で75℃まで昇温した後、同温度に維持しながら、メタクリル酸メチル150部、メタクリル酸n−ブチル350部及び2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)5部からなるモノマーと開始剤の混合液を4時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で1時間撹拌し、同温度で2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)2.5部及び酢酸エチル50部からなる混合溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、酢酸エチル183.5部を加えて、さらに同温度で、2時間攪拌して、固形分50%のアクリル樹脂E1の溶液を得た。アクリル樹脂E1は、軟化点約85℃及び数平均分子量約9,800であった。
合成例5 アクリル樹脂の合成
合成例4において、モノマーと開始剤の混合液を、メタクリル酸メチル130部、メタクリル酸n−ブチル356部、アクリル酸14部及び2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)5部に変更する以外は、合成例4と同様にして、固形分50%のアクリル樹脂E2の溶液を得た。アクリル樹脂E2は、軟化点約85℃及び数平均分子量約12,000であった。
合成例4において、モノマーと開始剤の混合液を、メタクリル酸メチル130部、メタクリル酸n−ブチル356部、アクリル酸14部及び2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)5部に変更する以外は、合成例4と同様にして、固形分50%のアクリル樹脂E2の溶液を得た。アクリル樹脂E2は、軟化点約85℃及び数平均分子量約12,000であった。
合成例6 アクリル樹脂の合成
合成例4において、モノマーと開始剤の混合液を、メタクリル酸メチル130部、メタクリル酸n−ブチル345部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル25部及び2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)5部に変更する以外は、合成例4と同様にして、固形分50%のアクリル樹脂E3の溶液を得た。アクリル樹脂E3は、軟化点約85℃及び数平均分子量約12,000であった。
合成例4において、モノマーと開始剤の混合液を、メタクリル酸メチル130部、メタクリル酸n−ブチル345部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル25部及び2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)5部に変更する以外は、合成例4と同様にして、固形分50%のアクリル樹脂E3の溶液を得た。アクリル樹脂E3は、軟化点約85℃及び数平均分子量約12,000であった。
合成例7 アクリル樹脂の合成
合成例4において、モノマーと開始剤の混合液を、メタクリル酸メチル130部、メタクリル酸n−ブチル342.5部、メタクリル酸グリシジル27.5部及び2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)5部に変更する以外は、合成例4と同様にして、固形分50%のアクリル樹脂E4の溶液を得た。アクリル樹脂E4は、軟化点約85℃及び数平均分子量約11,000であった。
合成例4において、モノマーと開始剤の混合液を、メタクリル酸メチル130部、メタクリル酸n−ブチル342.5部、メタクリル酸グリシジル27.5部及び2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)5部に変更する以外は、合成例4と同様にして、固形分50%のアクリル樹脂E4の溶液を得た。アクリル樹脂E4は、軟化点約85℃及び数平均分子量約11,000であった。
塗工剤の製造及び性能試験
実施例1
攪拌機の付いた容器に合成例1のエポキシ樹脂A1を31.6部、メチルエチルケトンを34.2部及びトルエンを34.2部添加し、攪拌混合して溶解し、固形分30%の塗工剤を得た。該塗工剤の粘度は12秒/ザーンカップNo.3(25℃)であった。
実施例1
攪拌機の付いた容器に合成例1のエポキシ樹脂A1を31.6部、メチルエチルケトンを34.2部及びトルエンを34.2部添加し、攪拌混合して溶解し、固形分30%の塗工剤を得た。該塗工剤の粘度は12秒/ザーンカップNo.3(25℃)であった。
ポリエチレンテレフタレートを主成分とする厚み50μmのシュリンクラベル用熱収縮性フィルム(収縮応力が約8.9MPa、収縮率80%)に、グラビア印刷機を用いて、商品名等を、印刷インキで印刷した。続いて、上記で得られた塗工剤を、乾燥膜厚約2μmとなるようにグラビア印刷機で塗布し、60〜70℃の熱風で約5秒間強制乾燥させて、乾燥膜厚2μmの塗工剤による塗膜が形成された試験用塗装フィルムを得た。
実施例2〜11及び比較例1
実施例1において塗工剤の配合組成を後記表1に示す内容にする以外は実施例1と同様にして、乾燥膜厚2μmの塗工剤による塗膜が形成された各試験用塗装フィルムを得た。
実施例1において塗工剤の配合組成を後記表1に示す内容にする以外は実施例1と同様にして、乾燥膜厚2μmの塗工剤による塗膜が形成された各試験用塗装フィルムを得た。
実施例12
実施例1においてシュリンクラベル用熱収縮性フィルムを、ポリエチレンテレフタレートを主成分とした、厚み50μm、収縮応力約4.6MPa、収縮率60%のフィルムに替える以外は実施例1と同様にして、乾燥膜厚2μmの塗工剤による塗膜が形成された試験用塗装フィルムを得た。
実施例1においてシュリンクラベル用熱収縮性フィルムを、ポリエチレンテレフタレートを主成分とした、厚み50μm、収縮応力約4.6MPa、収縮率60%のフィルムに替える以外は実施例1と同様にして、乾燥膜厚2μmの塗工剤による塗膜が形成された試験用塗装フィルムを得た。
下記表1に、実施例1〜12及び比較例1において用いた各塗工剤の配合組成、固形分含量(部)及び粘度(秒/ザーンカップ#3)を、示す。
表1における注は、以下のものを示す。
(注1)ポリエステル樹脂B2:商品名「エリーテルUE3220」、ユニチカ(株)製、軟化点120℃、数平均分子量約25,000。
(注2)テルペン系樹脂D1:商品名「YSポリスターT−130」、ヤスハラケミカル(株)製、軟化点約130℃、数平均分子量約900。
(注3)チタン白顔料:商品名「JR−301」、テイカ(株)製。
(注4)アルミニウムフレーク顔料:商品名「アルペースト5640NS」、東洋アルミニウム(株)製、ペースト状光輝性顔料、固形分71%。
実施例13
攪拌機の付いた容器に、エチレン含量30%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(軟化点約60℃、数平均分子量約80,000)80部、テルペン系樹脂D1(注2)2部、パラフィンワックス5部、ポリビニルアルコール8部、エチレングリコールモノブチルエーテル15部及び水200部を添加し、攪拌混合し、固形分30%のエマルション型塗工剤を得た。該塗工剤の粘度は15秒/ザーンカップNo.3(25℃)であった。
攪拌機の付いた容器に、エチレン含量30%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(軟化点約60℃、数平均分子量約80,000)80部、テルペン系樹脂D1(注2)2部、パラフィンワックス5部、ポリビニルアルコール8部、エチレングリコールモノブチルエーテル15部及び水200部を添加し、攪拌混合し、固形分30%のエマルション型塗工剤を得た。該塗工剤の粘度は15秒/ザーンカップNo.3(25℃)であった。
ポリエチレンテレフタレートを主成分とする厚み50μmのシュリンクラベル用熱収縮性フィルム(収縮応力が約8.9MPa、収縮率80%)に、グラビア印刷機を用いて、商品名等を、印刷インキで印刷した。続けて、上記で得られた塗工剤を、乾燥膜厚約2μmとなるように、グラビア印刷機で塗布し、60〜70℃の熱風で約5秒間強制乾燥させて、乾燥膜厚2μmの塗工剤による塗膜が形成された試験用塗装フィルムを得た。
比較例2
ポリエチレンテレフタレートを主成分とする厚み50μmのシュリンクラベル用熱収縮性フィルム(収縮応力が約8.9MPa、収縮率80%)に、グラビア印刷機を用いて、商品名等を、印刷インキで印刷した。これを、比較例2の試験用フィルムとした。
ポリエチレンテレフタレートを主成分とする厚み50μmのシュリンクラベル用熱収縮性フィルム(収縮応力が約8.9MPa、収縮率80%)に、グラビア印刷機を用いて、商品名等を、印刷インキで印刷した。これを、比較例2の試験用フィルムとした。
上記各実施例および比較例で作成した試験用フィルムを、PETボトル用シュリンクラベルとして用いた場合の性能試験として、剥離強さ、変形性及び耐ブロッキング性の試験を下記方法を用いて行った。
なお、比較例2の試験用フィルムとしては、塗工剤塗布面の替わりに印刷面を用いて、同様の試験を行った。
剥離強さ:PETボトルを想定した厚さ25μmのPETフィルム(商品名「東洋紡エステル E5100」、東洋紡績(株)製、二軸延伸したポリエチレンテレフタレートフィルム)に、試験用塗装フィルムの塗工剤塗布面を重ね、8.5MPaの圧力で40℃で24時間圧着した。PETフィルムと塗装フィルムが圧着されたものを、20℃の恒温室に2時間放置した後、50mm幅に切断し、測定温度20℃でPETフィルムと塗装フィルムの夫々の端を掴み180°方向に200mm/分の速度で剥離し、その時の剥離強さ(mN/50mm)を、ストログラフ(引張り・圧縮強さ測定機、東洋精機(株)製)を用いて測定した。
変形性:試験用塗装フィルムを、塗工剤塗布面が内側になるようにして、横方向(収縮方向)が周方向になるように円筒状にし、端をヒートシールして高さが130mm及び円周が215mmの円筒状シュリンクラベルを得た。この円筒状ラベルに、500gの水が入った500mlのPETボトル(ボトル重量21g、胴中央部の直径65mm、図1及び図2で示す形状を有する)を挿入し、80〜90℃のスチームトンネルを通過させて、シュリンクラベルをPETボトルに装着した。このシュリンクラベルを装着したPETボトルの断面図を図2に示す。
このシュリンクラベルを装着したPETボトルの変形性測定の概略を図3に示す。図3に示したように、シュリンクラベルを装着したPETボトルを、ストログラフ(引張り・圧縮強さ測定機、東洋精機(株)製)のサンプル台に、横向き水平に置き、図3に示したように、直径40mm、厚み15mmの金属製円盤2枚でPETボトルの中央部を上下から挟み、上から圧力40Nの荷重をかけて押し付けた。この時のPETボトルのたわみ量を、上記ストログラフを用いて測定し、PETボトルの変形率(%)を以下の式により算出し、下記基準で評価した。
変形率(%)=(たわみ量/圧を掛ける前のPETボトル径)×100
評価基準
A:変形率が0%以上10%未満で変形性が小さい、B:変形率が10%以上15%未満で変形性がやや大きい、C:変形率が15%以上で変形性が大きい。
評価基準
A:変形率が0%以上10%未満で変形性が小さい、B:変形率が10%以上15%未満で変形性がやや大きい、C:変形率が15%以上で変形性が大きい。
耐ブロッキング性:一辺が50mmの正方形に切り取った塗装フィルムと非塗装フィルムを用意し、塗装フィルムの塗工剤塗布面と非塗装フィルムの片面とが接触するように重ね、0.2MPaの圧力で40℃で24時間圧着した。その後、2枚のフィルムを手で剥がし、耐ブロッキング性の程度を下記基準で評価した。
評価基準
Aは全くブロッキングが認められず、耐ブロッキング性良好を、Bは軽く引っ張れば剥がれる程度にブロッキングしており、耐ブロッキング性やや不良を、Cは強くブロッキングしており、耐ブロッキング性不良を、それぞれ示す。
Aは全くブロッキングが認められず、耐ブロッキング性良好を、Bは軽く引っ張れば剥がれる程度にブロッキングしており、耐ブロッキング性やや不良を、Cは強くブロッキングしており、耐ブロッキング性不良を、それぞれ示す。
上記各試験結果を、下記表2に示す。
上記表2により、本発明のシュリンクラベルは、易剥離性、PETボトル変形防止効果及び耐ブロッキング性のいずれにも優れていることが明らかである。
Claims (13)
- 熱収縮性フィルムからなるPETボトル用シュリンクラベルであって、該シュリンクラベルのPETボトルと接する側に、塗工剤(A)による乾燥膜厚0.1〜10μmの接着性塗膜層を有しており、該シュリンクラベルの該塗膜面とPETフィルムとを8.5MPaの圧力を掛け、雰囲気温度40℃で24時間圧着後の剥離強さが5mN/50mm〜17N/50mmの範囲内であることを特徴とするPETボトル用シュリンクラベル。
- 周方向に複数の突出部と窪み部とを交互に有するPETボトル用のシュリンクラベルであって、該シュリンクラベルのPETボトルと接する側の少なくとも該突出部と接触する部分に、塗工剤(A)による接着性塗膜層を有する請求項1に記載のシュリンクラベル。
- 熱収縮性フィルムの材質が、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂又はポリ塩化ビニル系樹脂である請求項1に記載のシュリンクラベル。
- 熱収縮性フィルムの厚みが10〜100μmの範囲内であり、主収縮方向における収縮応力が2.0N/cm以上である請求項1に記載のシュリンクラベル。
- 塗工剤(A)が、数平均分子量500〜100,000及び軟化点30〜150℃の有機樹脂(a)を含有するものである請求項1に記載のシュリンクラベル。
- 有機樹脂(a)が、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂及びテルペン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂である請求項3に記載のシュリンクラベル。
- 塗工剤(A)が、さらに顔料(b)を含有するものである請求項5に記載のシュリンクラベル。
- 顔料(b)が、酸化チタン及び/又はアルミニウム粉である請求項7に記載のシュリンクラベル。
- 塗工剤(A)による塗膜が、グラビア塗装によって形成されたものである請求項1に記載のシュリンクラベル。
- グラビア塗装時の塗工剤(A)の固形分が20〜80重量%及び塗工剤(A)の粘度が5〜60秒/ザーンカップ#3である請求項9に記載のシュリンクラベル。
- 塗工剤(A)の塗膜面とPETフィルムとを8.5MPaの圧力を掛け、雰囲気温度40℃で24時間圧着後の剥離強さが10mN/50mm〜4N/50mmの範囲内である請求項1に記載のシュリンクラベル。
- 塗工剤(A)の塗膜面とPETフィルムとを8.5MPaの圧力を掛け、雰囲気温度40℃で24時間圧着後の剥離強さが50mN/50mm〜1N/50mmの範囲内である請求項11に記載のシュリンクラベル。
- 請求項1に記載のシュリンクラベルを装着してなるPETボトル。
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JPH09230791A (ja) * | 1996-02-22 | 1997-09-05 | Kao Corp | 熱活性型ラベル及びラベル付き成形体の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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