JP2017068101A - シュリンクラベル - Google Patents

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和也 高橋
宮崎 彰
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Abstract

【課題】金属層又は印刷層が、ラベル基材の熱収縮への追従性に優れるシュリンクラベルを提供する。【解決手段】本発明のシュリンクラベルは、熱収縮性フィルムを含むラベル基材と、前記ラベル基材の少なくとも一方の面に設けられた金属層又は印刷層である層(A層)と、厚み方向において前記A層の少なくとも一部と重なるように設けられた塗工層とを有し、前記塗工層が、バインダー樹脂及びポリロタキサンを含有することを特徴とするシュリンクラベル。【選択図】図1

Description

本発明は、シュリンクラベルに関する。より詳しくは、金属層又は印刷層がラベル基材の熱収縮に追従しやすいシュリンクラベルに関する。
現在、お茶や清涼飲料水等の飲料用容器として、PETボトル等のプラスチック製ボトルや、ボトル缶等の金属製ボトル等が広く用いられている。これらの容器には、表示や装飾性、機能性の付与のためプラスチックラベルを装着する場合が多い。このようなプラスチックラベルとしては、例えば、装飾性、加工性(容器への追従性)、広い表示面積等のメリットから、シュリンクフィルム(熱収縮性フィルム)に印刷層が設けられたシュリンクラベル等が広く使用されている。
上記シュリンクラベルとしては、例えば、金属光沢を有するシュリンクラベルが知られている。シュリンクラベルに金属光沢を付与する手法としては、ラベル基材に直接金属を蒸着させて蒸着層を設ける方法(蒸着法)や、コールドスタンプ法と呼ばれるものがある(例えば、特許文献1参照)。コールドスタンプ法は、ラベル基材に予め所定形状の模様に対応して接着剤を塗布しておき、そこに転写箔フィルムを押し付けることによって、接着剤が塗布された部分に金属箔を転写させるというものである。
ところで、上記シュリンクラベルに使用される印刷層は、グラビア印刷法やフレキソ印刷法により形成されることが一般的であるが、近年、小ロット化や低コスト化等の観点から、トナーを用いた電子写真方式の印刷機により当該印刷層を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2014−063083号公報 特開2002−144694号公報
しかしながら、蒸着法やコールドスタンプ法等によって設けられた金属層は、シュリンクラベルの熱収縮時において、シュリンクラベルのラベル基材である熱収縮性フィルムの収縮に追従しにくい。このため、シュリンク加工の前後において、金属層が白化(収縮白化)等し、金属光沢性や輝度感が低下しやすかった。
また、トナーを用いて形成されたトナー印刷層も、シュリンクラベルの熱収縮時において、ラベル基材である熱収縮性フィルムの収縮に追従しにくい。このため、シュリンクラベルのシュリンク加工時においてトナー印刷層に割れ(インキ割れ)が発生しやすく、スチームトンネルによる熱処理では特にインキ割れが発生しやすかった。このため、熱収縮性フィルムの熱収縮に対し、金属層やトナー印刷層の追従性が良好なシュリンクラベルが求められている。
従って、本発明の目的は、金属層又は印刷層が、ラベル基材の熱収縮への追従性に優れるシュリンクラベルを提供することにある。
すなわち、本発明は、熱収縮性フィルムを含むラベル基材と、前記ラベル基材の少なくとも一方の面に設けられた金属層又は印刷層である層(A層)と、厚み方向において前記A層の少なくとも一部と重なるように設けられた塗工層とを有し、前記塗工層が、バインダー樹脂及びポリロタキサンを含有することを特徴とするシュリンクラベルを提供する。
前記塗工層は、前記塗工層の総量に対して、ポリロタキサンを0.1〜70重量%含有することが好ましい。
前記シュリンクラベルは、前記A層が前記印刷層であり、前記ラベル基材、前記印刷層、及び保護印刷層をこの順に有し、前記保護印刷層が前記塗工層である構成を有していてもよい。
前記シュリンクラベルは、前記A層がトナー印刷層であり、前記トナー印刷層が官能基Aを有する成分を含有し、前記塗工層が前記官能基Aを有する成分と反応性を有する成分として架橋剤を含有する構成を有していてもよい。
前記シュリンクラベルは、前記A層が金属層であり、前記ラベル基材、アンカーコート層、及び前記金属層をこの順に有し、前記アンカーコート層が前記塗工層である構成を有していてもよい。
前記シュリンクラベルは、前記A層が金属層であり、前記ラベル基材、接着層、及び前記金属層をこの順に有し、前記接着層が前記塗工層である構成を有していてもよい。
本発明のシュリンクラベルは、上記構成を有することにより、金属層又は印刷層がラベル基材の熱収縮への追従性に優れる。このため、金属層を有する本発明のシュリンクラベルは、金属層の収縮白化が起こりにくく、シュリンク加工前後において金属光沢性が低下しにくく、シュリンクラベルの輝き及び加飾性に優れる。また、印刷層を有する本発明のシュリンクラベルは、シュリンク加工時において印刷層にインキ割れが発生しにくいため、装飾性に優れるシュリンクラベルを提供することができる。
A層が金属層である本発明のシュリンクラベルの一例を示す概略図(部分断面図)である。 A層がトナー印刷層である本発明のシュリンクラベルの一例を示す概略図(部分断面図)である。 本発明のシュリンクラベルの一実施形態である筒状シュリンクラベルの一例を示す概略図である。 A層が金属層である本発明のシュリンクラベルの一実施形態である筒状シュリンクラベルの一例を示す概略図(図3のA−A’断面の要部拡大図)である。 A層がトナー印刷層である本発明のシュリンクラベルの一実施形態である筒状シュリンクラベルの一例を示す概略図(図3のA−A’断面の要部拡大図)である。
本発明のシュリンクラベルは、熱収縮性フィルムを含むラベル基材と、金属層又は印刷層である層(A層)と、バインダー樹脂及びポリロタキサンを含有する塗工層とを少なくとも有する。なお、本明細書において、バインダー樹脂及びポリロタキサンを含有する上記塗工層を、「本発明の塗工層」と称する場合がある。また、金属層及び印刷層を総称して「A層」と称する場合がある。本発明のシュリンクラベルは、本発明の効果を損なわない範囲内で、上記ラベル基材、A層、及び本発明の塗工層以外の層(他の層)を含んでいてもよい。
[本発明の塗工層]
本発明の塗工層は、本発明のシュリンクラベルにおける必須の層であり、ラベル基材の少なくとも一方の面に設けられている。本発明の塗工層は、バインダー樹脂とポリロタキサンを必須成分として含有する層(塗工層)である。本発明の塗工層は、上記構成を有することにより、A層がラベル基材の熱収縮への追従性に優れる。
(バインダー樹脂)
上記バインダー樹脂としては、特に限定されず、公知乃至慣用の塗工層用のバインダー樹脂を用いることができる。なお、上記バインダー樹脂には、上記ポリロタキサンは含まれない。上記バインダー樹脂は、特に限定されないが、本発明の塗工層を形成する主たる樹脂成分としての役割を担う。上記バインダー樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース系樹脂(ニトロセルロース系樹脂を含む)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系樹脂、塩素化ポリプロピレンやエチレン−酢酸ビニル共重合体等の変性オレフィン系樹脂等が挙げられる。中でも、本発明の塗工層の柔軟性を向上させ、シュリンクラベルを熱収縮させる際のA層のラベル基材への追従性をより向上させる観点から、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、セルロース系樹脂が好ましく、ウレタン系樹脂がより好ましい。上記バインダー樹脂は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
上記アクリル系樹脂としては、アクリル系モノマーを必須のモノマー成分として構成された重合体、即ち、アクリル系モノマーに由来する構成単位を少なくとも有する重合体(共重合体)が挙げられる。上記アクリル系樹脂を構成するモノマー成分にはアクリル系モノマー以外のモノマー成分が含まれていてもよい。
上記アクリル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシルなどの直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル[好ましくは(メタ)アクリル酸C1-12アルキルエステル等];(メタ)アクリル酸;カルボキシエチルアクリレートなどのカルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル;2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル[好ましくは(メタ)アクリル酸ヒドロキシC1-8アルキルエステル等];(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニルなどの(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリル酸アミド誘導体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル類などの、(メタ)アクリロイル基を有するモノマー(アクリロイル基又はメタクリロイル基を少なくとも有するモノマー)が挙げられる。上記アクリル系モノマーは、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又は「メタクリル」、あるいはその両方を意味する。「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリロニトリル」等他についても同様である。
上記アクリル系モノマー以外のアクリル系樹脂を構成するモノマー成分としては、特に限定されないが、例えば、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和化合物又はその無水物;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどのスチレン系化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル;メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基含有ビニル化合物;エチレン、プロピレンなどが挙げられる。
上記アクリル系樹脂を構成するモノマー成分全量(100重量%)中のアクリル系モノマーの含有量、即ち、アクリル系樹脂(100重量%)中のアクリル系モノマーに由来する構成単位の含有量は、特に限定されないが、ラベル基材との密着性の観点から、80重量%以上(例えば、80〜100重量%)が好ましく、より好ましくは90重量%以上(例えば、90〜100重量%)である。
上記アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、本発明の塗工層の耐摩耗性、ラベル基材との密着性の観点から、2万〜25万が好ましく、より好ましくは3万〜20万である。なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、例えば、GPCにより、標準物質としてポリスチレンを用いて測定することができる。
上記アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、本発明の塗工層の耐摩耗性、耐熱性向上の観点から、30〜120℃が好ましく、より好ましくは40〜100℃である。なお、本明細書において、樹脂のガラス転移温度(Tg)は、例えば、JIS K 7121に準拠して、DSC(示差走査熱量測定)により測定することができる。DSC測定は、特に限定されないが、例えば、セイコーインスツル(株)製、示差走査熱量計「DSC6200」を用いて、昇温速度10℃/分の条件で行うことができる。
上記アクリル系樹脂は、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、東亞合成(株)製「ARUFONシリーズ」、三菱レイヨン(株)製「ダイヤナールシリーズ(BRシリーズ、LRシリーズ等)」などが市場で入手可能である。
上記ウレタン系樹脂は、特に限定されず、公知乃至慣用の塗工層用のウレタン系樹脂を用いることができ、例えば、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られる樹脂(即ち、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物の共重合体)が挙げられる。
上記ポリイソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族及び脂環族の公知のジイソシアネート類の一種又は二種以上の混合物が挙げられる。上記ジイソシアネート類としては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。また、必要に応じて3官能以上のポリイソシアネート類やポリイソシアネートアダクト体を上記ジイソシアネート類と混合して用いることもできる。
上記ポリオール化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、ブタンジオール(1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール等)、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等の低分子量グリコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール−ポリカプロラクトン共重合体等のポリエーテルジオール;プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール等のジオール類とアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸等の2塩基酸類とから得られるポリエステルジオール;ポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール、ラクトンブロック共重合ジオール等のラクトンジオール等の公知のジオール類を使用できる。また、必要に応じて上記のジオール類と、3官能以上のポリオール化合物(ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール等)とを混合して用いることもできる。
上記ウレタン系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、柔軟性の観点から、−70〜40℃が好ましく、より好ましくは−60〜30℃である。
上記ウレタン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、1万〜10万が好ましく、より好ましくは2万〜8万、さらに好ましくは3万〜7万である。
上記ウレタン系樹脂は、市販品を用いることも可能である。例えば、三洋化成工業(株)製「サンプレン IBシリーズ、LQシリーズ」、荒川化学工業(株)製「ユリアーノ KLシリーズ」等が市場で入手可能である。
上記セルロース系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ニトロセルロース(硝化綿);セルロースアセテートブチレート(酢酸酪酸セルロース:CAB)、セルロースアセテート(酢酸セルロース)、セルロースアセテートプロピオネート(酢酸プロピオン酸セルロース:CAP)等のカルボン酸によりエステル化されたセルロース系樹脂などが挙げられる。上記カルボン酸としては、酢酸、酪酸、プロピオン酸、無水酢酸、無水酪酸などが挙げられる。上記セルロース系樹脂としては、カルボン酸によりエステル化されたセルロース系樹脂が好ましく、より好ましくはCABである。上記セルロース系樹脂は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
上記セルロース系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、1万〜15万が好ましく、より好ましくは12,000〜10万である。
上記セルロース系樹脂は、市販品を用いることも可能である。例えば、イーストマンケミカル社製「CAP−482−20」、「CAB−381−20」、「CAB−381−0.5」、「CAB−381−0.1」、「CAB−551−0.1」、「CAB−551−0.01」、「CAP−504−0.2」、「CAP−482−0.5」など、KOREA CNC社製「RSシリーズ」、「SSシリーズ」などが市場で入手可能である。
本発明の塗工層中のバインダー樹脂の含有量(総量)は、特に限定されないが、本発明の塗工層の総量(100重量%)に対して、20〜99.9重量%が好ましく、より好ましくは30〜95重量%、さらに好ましくは35〜90重量%である。上記含有量が30重量%以上であると、塗工層のラベル基材及びA層との密着性が向上し、塗工層がラベル基材から剥離しにくくなる。上記含有量が99.9重量%以下であると、ポリロタキサン、色材、添加剤等の加えられる量が増え、塗工層の設計がしやすい。
(ポリロタキサン)
上記ポリロタキサンは、複数(2以上)の環状分子と、当該複数の環状分子を串刺し状にする直鎖状分子と、当該直鎖状分子の末端に配置され上記複数の環状分子の脱離を防止する封鎖基とを有する複合体である。つまり、ポリロタキサンは、複数の環状分子と、直鎖状分子と、封鎖基とを有する複合体であり、上記直鎖状分子は上記複数の環状分子を貫通するように有し、上記複数の環状分子が上記直鎖状分子から抜け落ちないように、上記直鎖状分子の両末端が封鎖基により封鎖されている構造を有する。本発明の塗工層は、ポリロタキサンを含むことにより、熱収縮時においてポリロタキサン中の環状分子が固定されず直鎖状分子上を自在に移動できるためと推測されるが、A層がラベル基材の熱収縮に対する追従性に優れる。
なお、本明細書において、ポリロタキサンには、上記複合体に加えて、上記複合体同士が環状分子部分等で架橋された架橋体、及び、上記複合体と他のモノマーやポリマーとが重合した重合体も含まれる。
上記直鎖状分子は、実質的に直鎖であればよく、回転子である環状分子が回動可能で滑車効果を発揮できるようにする限り、分岐鎖を有していてもよい。また、環状分子の大きさにも影響を受けるが、直鎖状分子の長さも、環状分子が滑車効果を発揮できる限り特に限定されない。
上記直鎖状分子としては、公知乃至慣用の直鎖状のポリマーを使用することができる。上記ポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリシロキサン、ポリエン、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース系樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリアミン等が挙げられる。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、α−オレフィンの単独共重合体や二種以上の共重合体等が挙げられ、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリイソプレン等が挙げられる。上記ポリエーテル系樹脂としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン等が挙げられる。上記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ε−カプロラクトン等のラクトンを開環重合させたポリエステル、多価カルボン酸(特にジカルボン酸)とポリオール(特にジオール)を必須成分とするポリエステル、ポリ乳酸系重合体等が挙げられる。上記ポリシロキサンとしては、例えば、ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。上記ポリエンとしては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン等の共役ポリエンが挙げられる。また、上記直鎖状分子は、分子内にベンゼン環等の芳香環を有していてもよい。
上記直鎖状分子を構成するポリマーとしては、中でも、ポリエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましく、特にポリエチレングリコールが好ましい。
上記直鎖状分子の末端(特に、両末端)は、封鎖基により封鎖されている。このため、封鎖基により封鎖される前の、上記直鎖状分子を形成する化合物(「直鎖状分子前駆体」と称する場合がある)は、両末端に、封鎖基を形成する化合物(「封鎖基前駆体」と称する場合がある)と反応性を有する基を有することが好ましい。上記反応性を有する基としては、封鎖基前駆体の反応性を有する基の種類等に応じて適宜選択することができるが、例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、チオール基等が挙げられる。中でも、カルボキシ基が好ましい。
上記環状分子としては、直鎖状分子を包接して滑車効果を奏するものであればよく、公知乃至慣用の環状物質が使用できる。また、上記環状分子には、環が閉じている分子に加えて、「C」字状のように完全に環が閉じていない分子も含まれる。
上記環状分子としては、例えば、シクロデキストリン、クラウンエーテル(ベンゾクラウンエーテル、ジベンゾクラウンエーテル、ジシクロヘキサノクラウンエーテルも含まれる)、これらの誘導体若しくは変性体等が挙げられる。上記シクロデキストリンとしては、例えば、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ジメチルシクロデキストリン、グルコシルシクロデキストリン等が挙げられる。中でも、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンが好ましく、特に、α−シクロデキストリンが好ましい。上記環状分子は、一種を単独で使用することもできるし、二種以上を組み合わせて使用することもできる。
上記環状分子は、反応性を有する基を有していてもよい。この場合、ポリロタキサン同士や、ポリロタキサンと他のポリマーとの架橋が進行しやすくなる傾向がある。上記反応性を有する基としては、架橋するポリマーの種類等により適宜選択することができるが、例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、チオール基、アルデヒド基や活性エネルギー線重合性基等が挙げられる。また、後述の修飾基が上記反応性を有する基を有していてもよい。
上記活性エネルギー線重合性官能基は、活性エネルギー線照射により重合することが可能な基であれば特に限定されないが、例えば、活性エネルギー線ラジカル重合性基、活性エネルギー線カチオン重合性基等が挙げられる。中でも、活性エネルギー線ラジカル重合性基が好ましく、エチレン性不飽和基等の炭素−炭素不飽和結合を含む基がより好ましい。上記エチレン性不飽和基としては、より具体的には、例えば、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、(メタ)アクリロイル基(アクリロイル基、メタクリロイル基)等が挙げられる。また、上記活性エネルギー線カチオン重合性基としては、例えば、エポキシ基、オキセタニル基、オキソラニル基等が挙げられる。
ポリロタキサンが有する環状分子の数は、2個以上であれば特に限定されない。
ポリロタキサンは、特に限定されないが、上記直鎖状分子及び上記複数の環状分子のうちの少なくとも1つが修飾基を有することが好ましく、上記複数の環状分子の少なくとも1つが修飾基を有することがより好ましい。上記修飾基により、例えば、ポリロタキサン同士或いはバインダー樹脂とポリロタキサンを結合させる機能、溶解性等の各種機能をポリロタキサンに付与することができる。
上記修飾基としては、有機基が挙げられ、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロドデシル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等)、シクロアルキル−アルキル基(例えば、シクロへキシルメチル基、メチルシクロヘキシル基等)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基等)、炭化水素基における1以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたハロゲン化炭化水素基(例えば、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等)等の一価の置換又は無置換炭化水素基等が挙げられる。また、上記有機基は、上記一価の置換又は無置換炭化水素基の2以上が、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、エステル結合(−CO−O−)、アミド結合(−CO−NH−)、カルボニル基(−CO−)等の連結基を介して結合した基も挙げられる。また、上記修飾基としては、シリル基、硝酸エステル基、トシル基等が挙げられる。
上記修飾基としては、中でも、有機基が好ましく、さらに好ましくは炭素数が6以上(より好ましくは9以上)の有機基である。上記有機基としては、特に、プロピルオキシ基を介してカプロラクトン由来のポリエステルが結合した基[−C36O−{CO−(CH25−O}p−H]が好ましい。なお、pは、1以上の整数を示す。上記プロピルオキシ基としては、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基が挙げられる。
上記環状分子がシクロデキストリンである場合、シクロデキストリン中のヒドロキシ基の水素原子が上記修飾基に置換されていることが好ましい。即ち、上記環状分子は、ヒドロキシ基の水素原子が上記修飾基に置換された基を少なくとも有するシクロデキストリンであることが好ましい。
上記環状分子は、環状分子1つ当たり、1つの修飾基を有していてもよく、2以上の修飾基を有していてもよい。従って、上記環状分子がシクロデキストリンである場合、シクロデキストリン中の1箇所のヒドロキシ基の水素原子が上記修飾基に置換されていてもよく、2箇所以上のヒドロキシ基の水素原子が上記修飾基に置換されていてもよい。なお、環状分子1つ当たり2以上の修飾基を有している場合、上記2以上の修飾基は、一種のみであってもよく、異なる二種以上であってもよい。また、複数の環状分子における修飾基は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記封鎖基は、上述のように、上記直鎖状分子の末端(両末端)に配置され、上記複数の環状分子が抜け落ちるのを防止する役割を有する。上記封鎖基は、上記複数の環状分子が上記直鎖状分子により串刺し状に貫通された状態を保持できる基であれば特に限定されず、例えば、嵩高さを有する基、イオン性を有する基等が挙げられる。上記嵩高さを有する基としては、例えば、球形の基や側壁状の基等が挙げられる。また、上記封鎖基が上記イオン性を有する基である場合、当該イオン性を有する基のイオン性と、環状分子の有するイオン性とが相互に影響を及ぼし合い、例えば反発し合うことにより、環状分子が直鎖状分子に串刺しにされた状態を保持することができる。
上記封鎖基としては、具体的には、例えば、2,4−ジニトロフェニル基、3,5−ジニトロフェニル基等のジニトロフェニル基;シクロデキストリニル基;アダマンチル基;トリチル基;フルオレセイン基;ピレン等の多環芳香族炭化水素基;及びこれらの誘導体又は変性体等が挙げられる。
上記封鎖基は、上記直鎖状分子の末端を封鎖する役割を有する必要がある。このため、封鎖基前駆体は、上記直鎖状分子前駆体の両末端と反応性を有する基を有することが好ましい。上記反応性を有する基としては、直鎖状分子前駆体の反応性を有する基の種類等に応じて適宜選択することができる。中でも、上記直鎖状分子前駆体が有する反応性基がカルボキシ基であり、上記封鎖基前駆体が有する反応性基がアミノ基であることが好ましい。即ち、上記直鎖状分子と上記封鎖基とは、アミド結合で結合していることが好ましい。
ポリロタキサンは、公知乃至慣用の方法で製造することができる。例えば、複数の環状分子と直鎖状分子前駆体とを混合し、環状分子の開口部を直鎖状分子前駆体で串刺し状に貫通して直鎖状分子前駆体を環状分子に包接させ、次いで、直鎖状分子前駆体の反応性を有する基と封鎖基前駆体の反応性を有する基とを反応させて直鎖状分子の両末端を封鎖基で封鎖して得られる。ポリロタキサンは、一種を単独で使用することもできるし、二種以上を組み合わせて使用することもできる。なお、ポリロタキサンとしては、例えば、商品名「セルムスーパーポリマー」シリーズ(アドバンスト・ソフトマテリアルズ(株)製)等の市販品を使用することもできる。
本発明の塗工層中のポリロタキサンの含有量(総量)は、特に限定されないが、本発明の塗工層の総量(100重量%)に対して、0.1〜70重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜65重量%、さらに好ましくは0.8〜63重量%である。上記含有量が1重量%以上であると、A層の、ラベル基材の熱収縮に対する追従性がより向上する。上記含有量が70重量%以下であると、本発明の塗工層を設ける際にブロッキングが起こりにくくなる傾向がある。
本発明のシュリンクラベルにおいてA層が印刷層(特に、トナー印刷層)である場合、印刷層に隣接する本発明の塗工層は、印刷層中の成分と反応性を有する成分を含有することが好ましい。この場合、上記印刷層中の成分と、該成分と反応性を有する本発明の塗工層中の成分とが、両層の形成時又は形成後に結合(架橋)して上記印刷層と本発明の塗工層の密着性が向上することによるものと推測されるが、印刷層がラベル基材の熱収縮に対する追従性に優れ、シュリンク加工時に印刷層のインキ割れがより発生しにくくなる。
なお、印刷層中の成分と本発明の塗工層中の成分とが反応性を有する場合、両成分は、互いに反応性がある官能基を有する。本明細書では、印刷層中の、本発明の塗工層中の成分と反応性を有する成分が有する官能基を「官能基A」と称する場合がある。また、本発明の塗工層中の、印刷層中の成分と反応性を有する成分が有する官能基(即ち、上記官能基Aと反応性を有する官能基)を「官能基B」と称する場合がある。従って、本発明の塗工層は、官能基Bを有する成分(即ち、官能基Aと反応性を有する成分)を含有することが好ましい。なお、上記官能基Bを有する成分は、本発明のシュリンクラベルにおいて、印刷層中の官能基Aを有する成分と結合(架橋)していてもよいし、していなくてもよい。
なお、本明細書において、官能基Aを有する成分には、未反応の官能基Aを有する成分そのものに加えて、上記官能基Aを有する成分が他の成分(例えば、官能基Bを有する成分)と結合(架橋)したものも含まれる。また、官能基Bを有する成分には、未反応の官能基Bを有する成分そのものに加えて、上記官能基Bを有する成分が他の成分(例えば、官能基Aを有する成分、後述の官能基Cを有する成分)と結合(架橋)したものも含まれる。
本発明の塗工層中の、官能基Bを有する成分は、官能基Aと反応性を有する官能基を有する。上記官能基Bは、官能基Aの種類に応じて適宜選択することができるが、例えば、カルボキシ基(カルボン酸無水物も含まれるものとする)、ヒドロキシ基、オキサゾリン基、イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、アジリジン基、カルボジイミド基、ヒドロシリル基、シラノール基、メルカプト基、ビニル基等が挙げられる。なお、官能基Aと官能基Bは、同一の官能基ではないことが好ましい。上記官能基Bは、一種のみを有していてもよいし、二種以上を有していてもよい。なお、上記官能基Bは、常温常圧付近の環境下において官能基B同士で反応が起こらないものが好ましい。
上記官能基Aがカルボキシ基である場合、上記官能基Bは、イソシアネート基、エポキシ基、アジリジン基、カルボジイミド基、オキサゾリン基が好ましく、トナー印刷層のインキ割れをより起こりにくくする観点から、アジリジン基、カルボジイミド基がより好ましく、さらに好ましくはアジリジン基である。上記官能基Aがヒドロキシ基、シラノール基である場合、上記官能基Bは、イソシアネート基が好ましい。上記官能基Aがアミノ基である場合、上記官能基Bは、イソシアネート基、エポキシ基が好ましい。
上記官能基Bを有する成分としては、本発明の塗工層を構成する成分であれば特に限定されないが、例えば、上記バインダー樹脂、上記ポリロタキサンの他、架橋剤(硬化剤)等が挙げられる。中でも、上記バインダー樹脂、架橋剤が好ましく、より好ましくは架橋剤である。なお、本発明の塗工層を構成する成分中の複数の成分が官能基Bを有する成分であってもよい。また、本明細書において、架橋剤には、架橋前の架橋剤に加えて、架橋剤が他の成分と結合した状態のものも含まれる。
上記官能基Bを有する成分が上記バインダー樹脂である場合、バインダー樹脂は、上記官能基Bを有する。この場合、後述の官能基Aを有する成分と、本発明の塗工層中のバインダー樹脂とが架橋することにより、印刷層と本発明の塗工層の密着性が向上し、また、印刷層が比較的硬くなることによるものと推測されるが、印刷層のインキ割れがより起こりにくくなる傾向がある。なお、官能基Bを有するバインダー樹脂は、室温で官能基Aと反応性を有するものであってもよく、紫外線や電子線等の活性エネルギー線、熱、湿気等によって官能基Aと反応性を有するものであってもよい。
上記官能基Bを有する成分が上記架橋剤である場合、本発明の塗工層は、上記バインダー樹脂(特に、上記官能基Aと反応性を有しないバインダー樹脂)と上記架橋剤とを含有することが好ましい。上記官能基Bを有する成分が上記架橋剤である場合、架橋剤は、上記官能基Bを有する。このような架橋剤は、官能基Bを分子内に2個以上有する化合物であれば特に限定されない。官能基Aがカルボキシ基である場合、上記架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤等が挙げられる。中でも、印刷層のインキ割れをより起こりにくくする観点から、アジリジン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤が好ましく、特に好ましくはイソシアネート系架橋剤である。上記架橋剤は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
上記イソシアネート系架橋剤としては、芳香族、脂肪族及び脂環族の公知のジイソシアネート類が挙げられる。上記ジイソシアネート類としては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。また、必要に応じて3官能以上のポリイソシアネート類やポリイソシアネートアダクト体を上記ジイソシアネート類と混合して用いることもできる。上記イソシアネート系架橋剤は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。上記イソシアネート系架橋剤、市販品を用いることも可能である。例えば、東ソー(株)製「コロネートシリーズ」等が市場で入手可能である。
上記アジリジン系架橋剤としては、例えば、トリメチロールプロパントリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、トリメチロールプロパントリス[3−(1−(2−メチル)アジリジニルプロピオネート)]、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシド)、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシド)、トリエチレンメラミン、ビスイソプロタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフィンオキシド、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサメチレンジエチレンウレア、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)等が挙げられる。上記アジリジン系架橋剤は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。上記アジリジン系架橋剤は、市販品を用いることも可能である。例えば、(株)日本触媒製「ケミタイトシリーズ」等が市場で入手可能である。
上記カルボジイミド系架橋剤としては、例えば、ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、テトラメチルキシリレンカルボジイミド、ウレア変性カルボジイミド等が挙げられる。上記カルボジイミド系架橋剤は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。上記カルボジイミド系架橋剤は、市販品を用いることも可能である。例えば、日清紡ケミカル(株)製「カルボジライトシリーズ」等が市場で入手可能である。
上記オキサゾリン系架橋剤としては、分子中に2個以上のオキサゾリン基を有するものであり低分子化合物であっても重合体であってもよい。低分子化合物のオキサゾリン系架橋剤としては、例えば、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン、2,2’−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−メチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−トリメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2、2’−ヘキサメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−(1,3−フェニレン)−ビス−(2−オキサゾリン)、ビス−(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィド、ビス−(2−オキサゾリニルノルボルナン)スルフィド等どが挙げられる。重合体のオキサゾリン系架橋剤としては、その構成成分として付加重合性オキサゾリンを必須成分とする重合体が挙げられる。上記付加重合性オキサゾリンとしては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等が挙げられる。上記オキサゾリン系架橋剤は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。上記オキサゾリン系架橋剤は、市販品を用いることも可能である。例えば、(株)日本触媒製「エポクロスシリーズ」等が市場で入手可能である。
上記架橋剤は、特に限定されないが、水溶性であっても、非水溶性(油溶性)であってもよい。
上記架橋剤は、特に限定されないが、室温(例えば、10〜40℃の範囲内の少なくとも一部、好ましくは12〜35℃の範囲内の少なくとも一部、より好ましくは15〜30℃の範囲内の少なくとも一部)で官能基Aと反応性を有するものが好ましい。上記架橋剤が室温で官能基Aと反応性を有すると、架橋反応の進行が早く、より十分に架橋するため、好ましい。なお、上記架橋剤は、室温で官能基Aと反応性を有するものに限られず、紫外線や電子線等の活性エネルギー線、熱、湿気等によって官能基Aと反応性を有するものであってもよい。
上記架橋剤は、特に限定されないが、本発明の塗工層の変色を抑制する観点から、非芳香族架橋剤(芳香族構造を含まない架橋剤)が好ましい。
本発明の塗工層が、上記官能基Bを有する成分として上記架橋剤を含有する場合、本発明の塗工層中の上記架橋剤の含有量(未反応の架橋剤及び反応後の架橋剤の総量)は、特に限定されないが、本発明の塗工層の総重量(100重量%)に対して、1〜50重量%が好ましく、より好ましくは3〜45重量%、さらに好ましくは5〜40重量%である。上記含有量が1重量%以上であると、ラベル基材やトナー印刷層との密着性、トナー印刷層のインキ割れに対する耐性が向上し、好ましい。上記含有量が50重量%以下であると、本発明の塗工剤の塗工性が向上し、また、本発明の塗工層を本発明のシュリンクラベルの最表面に有する場合は、ブロッキング防止性を有し、好ましい。
なお、本明細書において、各層に含まれる各成分(例えば、バインダー樹脂、ポリロタキサン、顔料、架橋剤等)の含有量は、それぞれ、層中の含有量の合計が100重量%以下となるように、記載の範囲内から適宜選択することができる。
本発明の塗工層が、上記官能基Bを有する成分として上記架橋剤を含有する場合、本発明の塗工層中の上記バインダー樹脂は、上記架橋剤と反応性を有していてもよいし、有していなくてもよい。即ち、上記バインダー樹脂は、上記官能基Bと反応性を有する官能基(「官能基C」と称する場合がある)を有していてもよいし、有していなくてもよい。上記バインダー樹脂が官能基Cを適度に有すると、上記バインダー樹脂と、印刷層中の官能基Aを有する成分とが架橋剤によって架橋されると推測されるが、本発明の塗工層と印刷層との層間の密着力がより向上し、インキ割れがより発生しにくくなる傾向にある。
上記官能基Cとしては、例えば、後述の官能基Aとして例示及び説明する官能基等が挙げられる。また、官能基Bと官能基Cの組み合わせとしては、後述の官能基Aと官能基Bの好ましい組み合わせとして例示及び説明する組み合わせが好ましい。上記官能基Cは、上記官能基Aと同一であってもよいし、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。中でも、官能基A及び官能基Cがカルボキシ基であることが好ましい。
本発明の塗工層は、バインダー樹脂、ポリロタキサン、及び架橋剤(硬化剤)以外の成分を、本発明の効果を損なわない範囲内で含有していてもよい。上記成分としては、特に限定されないが、顔料や染料等の着色剤(色材)、添加剤(例えば、滑剤(ワックス)、可塑剤、沈降防止剤、分散剤、安定剤、消泡剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、色別れ防止剤、香料、消臭剤、ブロッキング防止剤(例えば、シリカ、酸化チタン等の無機粒子;アクリルビーズ等の樹脂ビーズ等)、スリップ剤等)等が挙げられる。また、本発明の塗工層が活性エネルギー線硬化型の塗工層である場合、上記添加剤として、重合開始剤、増感剤も挙げられる。上記成分は一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
上記顔料としては、特に限定されず、例えば、公知の塗工層において用いられる顔料を用いることができる。上記顔料は、例えば、酸化チタン(二酸化チタン)等の白顔料、銅フタロシアニンブルー等の藍顔料、縮合アゾ系顔料などの赤色顔料、アゾレーキ系顔料等の黄色顔料、アルミニウム等の金属顔料、カーボンブラック、アルミフレーク、雲母(マイカ)、その他着色顔料等を用途に合わせて選択、使用できる。また、上記顔料として、その他にも、光沢調整等の目的で、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アクリルビーズ等の体質顔料も使用できる。
また、本発明の塗工層が着色剤を含む塗工層である場合、着色剤の含有量は、特に限定されないが、本発明の塗工層の総重量(100重量%)に対して、1〜60重量%が好ましく、より好ましくは3〜55重量%、さらに好ましくは5〜50重量%である。
上記バインダー樹脂がカルボキシ基等の酸性の官能基Cを有する場合、本発明の塗工層の酸価は、特に限定されないが、塗工剤中で架橋反応が過剰に進行することを避ける観点から、40mgKOH/g以下(例えば、0mgKOH/gを超えて40mgKOH/g以下)が好ましく、より好ましくは0mgKOH/gを超えて30mgKOH/g以下である。なお、本明細書において、酸価は、JIS K 5601−2−1(滴定法)に準拠して求められる。本発明の塗工層の酸価は具体的には、フィルム等の基材の一方の表面に本発明の塗工層を単層で形成し、当該本発明の塗工層を試料として、上記JISに準拠して測定することができる。なお、後述するトナー印刷層の酸価、プライマー層の酸価、保護印刷層の酸価についても同様にして測定することができる。
本発明の塗工層の種類は、特に限定されないが、溶剤乾燥型の塗工剤によって形成される塗工層(溶剤乾燥型の塗工層)、活性エネルギー線硬化型の塗工剤によって形成される塗工層(活性エネルギー線硬化型の塗工層)等が挙げられる。
本発明の塗工層としては、例えば、商品名やデザイン、イラスト、図、商品に関する情報(例えば、取扱注意事項等)等の表示を付与するための意匠印刷層(カラー印刷層等)、白などの単一色で形成された背景印刷層、フィルムや印刷層を保護するために設けられる保護印刷層、フィルムと印刷層の密着性を高めるために設けられるプライマー層、フィルムと金属層の密着性を高めるために設けられるアンカーコート層、接着層(例えば、ラベル基材と後述の金属蒸着転写層との接着性を付与する接着層)等が挙げられる。A層がトナー印刷層である場合は本発明の塗工層はプライマー層又は保護印刷層であることが好ましく、保護印刷層であることがより好ましい。A層が後述の金属直接蒸着層である場合はアンカーコート層であることが好ましい。A層が後述の金属蒸着転写層である場合は接着層であることが好ましい。なお、本明細書において、背景印刷層は、本発明のシュリンクラベルを筒状とし、当該筒状の外側から観察したときの意匠印刷層の背景となる印刷層であり、例えば、着色顔料として酸化チタンを20〜60重量%含有する白色印刷層によって形成されている。また、本明細書において、意匠印刷層は、特に限定されないが、例えば、商品名、イラスト、取り扱い注意事項等の所望の表示となるように着色顔料の異なる複数の印刷層を重ねて形成されている。
なお、本明細書において、シュリンクラベルの「外側」とは、シュリンクラベルを容器等の被着体に装着する場合に、被着体とは接しない側(被着体とは反対側)を意味し、シュリンクラベルの「内側」とは、被着体と接する側(容器側)を意味する。
本発明の塗工層の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.1〜10μmが好ましく、より好ましくは0.3〜5μmである。上記厚みが0.1μm未満では、塗工層を均一に設けることが困難である場合があり、部分的な「かすれ」が起こり、装飾性が損なわれる場合や、デザイン通りの印刷が困難となる場合がある。また、上記厚みが10μmを超えると、塗工剤を多量に消費するため、コストが高くなったり、均一に塗布することが困難となったり、塗工層がもろくなり剥離しやすくなったりする場合がある。
[A層]
本発明のシュリンクラベルは、金属層又は印刷層であるA層を必須の層として有する。金属層及びトナー印刷層は、いずれも、シュリンクラベルに用いた場合には熱収縮性フィルムの熱収縮に対して追従性が劣るという共通の課題がある。本発明のシュリンクラベルでは、このような金属層又は印刷層の少なくとも一部と、厚み方向において重なるように本発明の塗工層を設けることにより、金属層及び印刷層のいずれにおいても、熱収縮性フィルムの熱収縮に対する追従性を良好とすることができる。
(金属層)
上記金属層は、金属又は金属化合物を主成分(層中の成分として最も多く含まれる成分)とする層であり、例えば、金属を圧延して得られる箔(金属箔)、蒸着法により得られる金属層(金属蒸着層)、蒸着法によって得られる金属化合物層(金属化合物蒸着層)等が挙げられる。また、上記金属蒸着層は、ラベル基材に金属を直接蒸着させることによって得た蒸着層(金属直接蒸着層)であってもよいし、別途適当な支持体上に設けた金属蒸着層をラベル基材に転写して得た層(金属蒸着転写層)であってもよい。また、上記金属層は、上記金属箔や上記金属蒸着層を、ホットスタンプ、コールドスタンプ等の公知乃至慣用の手法によってラベル基材に転写されたものであってもよい。
上記金属層は、シュリンクラベルにおいて、光沢を発揮する金属光沢層、ガスの透過を防ぐ又は軽減するガスバリア層、光を遮蔽する遮光層等として用いられる。
上記金属としては、例えば、アルミニウム、ブロンズ(青銅)、銅、亜鉛、真鍮、チタニウム、錫、金、銀、プラチナ等が挙げられる。中でも、アルミニウムが好ましい。上記金属化合物としては、例えば、上記金属の酸化物(金属酸化物)、窒化物等が挙げられ、金属酸化物が好ましく、中でも、酸化アルミニウムが好ましい。上記金属又は金属化合物は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。また、上記金属は、上記金属の二種以上の合金であってもよい。
上記金属蒸着層又は上記金属化合物蒸着層の厚みは、特に限定されないが、1μm以下(例えば、10nm〜1000nm)が好ましく、特に0.1μm以下(例えば、15nm〜100nm)であることがより好ましい。上記金属箔の厚みは、例えば、1〜200μmが例示される。
(印刷層)
上記印刷層としては、特に限定されず、例えば、シュリンクラベルにおいて用いられる公知乃至慣用の印刷層等が挙げられる。上記印刷層としては、溶剤乾燥型の印刷層、紫外線硬化型の印刷層、トナー印刷層等が挙げられる。また、上記印刷層としては、例えば、上述の意匠印刷層、背景印刷層、保護印刷層、プライマー印刷層、アンカーコート印刷層等が挙げられる。また、上記印刷層は、周知乃至慣用の印刷方法により設けることができ、例えば、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、電子写真方式等によって設けられることが好ましい。本発明のシュリンクラベルは、トナー印刷層であっても、ラベル基材の熱収縮に対する追従性に優れ、インキ割れを起こりにくくすることができるため、上記印刷層としては、中でも、トナー印刷層が好ましい。
上記トナー印刷層は、トナーにより形成される。トナー印刷層表面を光学顕微鏡等で観察すると、層を形成するトナー粒子に起因するドット形状が確認できる。また、上記トナーは、少なくともトナー粒子を含有する。上記トナー粒子は、上記トナー印刷層を形成する粒子であり、例えば、バインダー樹脂、ワックス、荷電制御剤(CCA)、及び必要に応じて顔料や添加剤等を含有する粒子が挙げられる。上記バインダー樹脂(上記トナー粒子に含まれるバインダー樹脂)は、上記ワックス、上記CCA、上記顔料、上記添加剤等をバインドする役割を担うものである。上記バインダー樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂(スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合系樹脂、スチレン−共役ジエン共重合体も含まれるものとする)、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系樹脂、イソシアネート系樹脂、ロジン樹脂、ポリスチレン−ポリエステルグラフト共重合体等が挙げられ、耐ブロッキング性、低温定着性に優れる樹脂が好ましい。上記ウレタン系樹脂としては、例えば、上述の本発明の塗工層中のバインダー樹脂として例示及び説明されたウレタン系樹脂等が挙げられる。上記スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合系樹脂を構成する(メタ)アクリル酸エステルとしては、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が一般的に用いられる。上記ポリエステル系樹脂を構成するジオールに由来する成分としてはビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等が、上記ポリエステル系樹脂を構成するジカルボン酸成分(ジカルボン酸無水物も含まれるものとする)としてはテレフタル酸、イソフタル酸、無水トリメリット酸等が一般的に用いられる。また、圧力定着によってトナー印刷層を形成する場合の上記バインダー樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂(特に、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル(EVA))が好ましい。上記CCAは、帯電性を調整する役割を担い、特に限定されないが、例えば、クロム錯体等の負帯電型CCA、ニグロシン等の正帯電型CCA等が挙げられる。上記ワックスは、低温定着性や定着時における離型性をトナーに付与する役割を担う。上記ワックスは、特に限定されず、天然ワックス、石油ワックス、合成ワックスのいずれを使用してもよい。
上記添加剤としては、例えば、表面処理剤、架橋剤(又は架橋剤に由来する構成単位)、上記トナー粒子を搬送するためのキャリア剤、離型剤、流動性向上剤、金属酸化物(例えば、シリカ、アルミナ、チタニア等)微粒子の表面をシランカップリング剤で処理して疎水化したもの等が挙げられる。
なお、本発明のシュリンクラベルにおいて、本発明の塗工層に隣接する印刷層は、本発明の塗工層中の成分と反応性を有する成分を含有することが好ましい。即ち、本発明の塗工層に隣接する印刷層は、上記官能基Aを有する成分を含有することが好ましい。この場合、上記印刷層中の成分と、該成分と反応性を有する本発明の塗工層中の成分とが、両層の形成後に結合(架橋)して上記印刷層と本発明の塗工層の密着性が向上することによるものと推測されるが、印刷層がラベル基材の熱収縮に対する追従性に優れ、シュリンク加工時に印刷層のインキ割れがより発生しにくくなる。なお、上記官能基Aを有する成分は、本発明のシュリンクラベルにおいて、本発明の塗工層中の官能基Bを有する成分と結合(架橋)していてもよいし、していなくてもよい。
上記官能基Aとしては、特に限定されないが、例えば、カルボキシ基(カルボン酸無水物も含まれるものとする)、ヒドロキシ基、オキサゾリン基、イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、アジリジン基、カルボジイミド基、ヒドロシリル基、シラノール基、メルカプト基、ビニル基等が挙げられる。中でも、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、シラノール基が好ましく、カルボキシ基が特に好ましい。なお、上記官能基Aは、常温常圧付近の環境下において官能基A同士で反応が起こらないものが好ましい。
なお、上記官能基Aと上記官能基Bとは、組み合わせが重要であり、上記官能基Aと上記官能基Bとは逆であってもよい。即ち、上記官能基Aと上記官能基Bの組み合わせとしては、カルボキシ基とイソシアネート基、カルボキシ基とエポキシ基、カルボキシ基とアジリジン基、カルボキシ基とカルボジイミド基、カルボキシ基とオキサゾリン基、ヒドロキシ基とイソシアネート基、シラノール基とイソシアネート基、アミノ基とイソシアネート基、アミノ基とエポキシ基が好ましく、より好ましくはカルボキシ基とアジリジン基、カルボキシ基とカルボジイミド基、さらに好ましくはカルボキシ基とアジリジン基である。なお、印刷層や本発明の塗工層に、上記官能基Aと上記官能基Bの反応性を促進させる成分が含まれていてもよい。
上記官能基Aを有する成分としては、上記印刷層を構成する成分であれば特に限定されない。上記印刷層がトナー印刷層である場合、特に限定されないが、例えば、上記トナー粒子を形成するバインダー樹脂、上記ワックス、上記CCA、上記顔料、上記添加剤等の上記トナー粒子を形成する成分が挙げられる。中でも、本発明の塗工層との密着性の観点から、上記トナー粒子を形成する成分が好ましく、より好ましくは上記トナー粒子を形成するバインダー樹脂である。即ち、上記バインダー樹脂が官能基Aを有するバインダー樹脂であることが好ましく、より好ましくはカルボキシ基を有するバインダー樹脂である。
上記官能基Aを有する成分は、上記官能基Bを有する成分と室温で反応性を有するものであってもよく、紫外線や電子線等の活性エネルギー線、熱、湿気等によって官能基Bと反応性を有するものであってもよい。
このようなカルボキシ基を有するバインダー樹脂としては、例えば、カルボキシ基を有するポリエチレン系樹脂等のカルボキシ基を有するポリオレフィン系樹脂;カルボキシ基を有するアクリル系樹脂;カルボキシ基を有するポリスチレン系樹脂(カルボキシ基を有するスチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合系樹脂も含まれるものとする);カルボキシ基を有するウレタン系樹脂;カルボキシ基を有するポリエステル系樹脂;カルボキシ基を有するポリアミド系樹脂;カルボキシ基を有するセルロース系樹脂;カルボキシ基を有する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系樹脂;カルボキシ基を有するイソシアネート系樹脂;カルボキシ基を有するロジン樹脂等が挙げられる。中でも、カルボキシ基を有するポリオレフィン系樹脂、カルボキシ基を有するポリスチレン系樹脂、カルボキシ基を有するポリエステル系樹脂が好ましく、カルボキシ基を有するポリオレフィン系樹脂、カルボキシ基を有するポリスチレン系樹脂がより好ましい。
上記カルボキシ基を有するバインダー樹脂としては、例えば、カルボキシ基を有するモノマーを必須のモノマー成分として構成された樹脂等が挙げられる。上記カルボキシ基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸が挙げられる。また、上記カルボキシ基を有するバインダー樹脂は、カルボキシ基を有するモノマー以外のモノマーをモノマー成分として構成されていてもよい。
上記カルボキシ基を有するバインダー樹脂としては、中でも、上記不飽和カルボン酸をモノマー成分として構成されたバインダー樹脂が好ましく、例えば、エチレン−不飽和カルボン酸共重合系樹脂等のオレフィン−不飽和カルボン酸共重合系樹脂;(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合系樹脂;スチレン−不飽和カルボン酸共重合系樹脂(スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合系樹脂も含まれるものとする);不飽和カルボン酸をモノマー成分として構成されたウレタン系樹脂;不飽和カルボン酸をモノマー成分として構成されたポリエステル系樹脂;不飽和カルボン酸をモノマー成分として構成されたポリアミド系樹脂;不飽和カルボン酸をモノマー成分として構成されたセルロース系樹脂;不飽和カルボン酸をモノマー成分として構成された塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系樹脂;不飽和カルボン酸をモノマー成分として構成されたイソシアネート系樹脂;不飽和カルボン酸をモノマー成分として構成されたロジン樹脂等が挙げられる。中でも、オレフィン−不飽和カルボン酸共重合系樹脂(特に、エチレン−不飽和カルボン酸共重合系樹脂)、スチレン−不飽和カルボン酸共重合系樹脂が好ましい。上記不飽和カルボン酸をモノマー成分として構成されたバインダー樹脂は、バインダー樹脂中のカルボキシ基の一部がエステル化されていてもよい。
上記カルボキシ基を有するバインダー樹脂としては、具体的には、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等のオレフィン−(メタ)アクリル酸共重合体;エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体等のオレフィン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体;スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体;スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体が好ましく、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体がより好ましい。
上記トナーとしては、粉体トナーを使用してもよいし、液体トナーを使用してもよい。なお、上記トナーは、汎用性の観点からは、粉体トナーが好ましい。他方、液体トナーは粉体トナーに比べて粒子径が小さいトナー粒子を用いることでき、且つ、上記トナー印刷層の厚みを薄くすることができるため、上記トナー印刷層がシュリンク加工の際に熱収縮性フィルムへの追従性に優れ、インキ割れをより起こりにくくすることができ、好ましい。
上記トナーが粉体トナーの場合、粉体トナーに含まれる上記トナー粒子の平均粒径(体積平均粒子径)は、特に限定されないが、5〜6μm程度が好ましい。また、上記トナーが液体トナーの場合、液体トナーに含まれる上記トナー粒子の粒径(体積平均粒子径)は、特に限定されないが、1〜2μm程度が好ましい。なお、上記体積平均粒子径は、体積基準分布におけるメディアン径(D50)であり、例えば、レーザー回折法により測定することができる。
上記官能基Aが、カルボキシ基等の酸性の官能基である場合、上記トナー印刷層の酸価は、特に限定されないが、500mgKOH/g以下(例えば、0mgKOH/gを超えて500mgKOH/g以下)が好ましく、より好ましくは5〜300mgKOH/g、さらに好ましくは10〜200mgKOH/g、特に好ましくは20〜100mgKOH/gである。上記酸価が500mgKOH/g以下であると、トナーの安定性が向上する。
上記印刷層がトナー印刷層である場合、上記トナー印刷層は、官能基Aと反応性を有する成分を含有しないことが好ましい。具体的には、上記トナー印刷層中の官能基Aと反応性を有する成分の含有量は、特に限定されないが、上記トナー印刷層の総量(100重量%)に対して、5重量%以下が好ましく、より好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下、特に好ましくは0重量%である。上記トナー印刷層が官能基Aと反応性を有する成分を含有してもよいが、その場合は、官能基Aと反応性を有する成分の含有量を最小限とする必要がある。上記含有量が5重量%を超えると、ラベル基材への塗布前に、トナー中で官能基Aと反応性を有する成分と官能基Aを有する成分とが結合し、トナー粒子が凝集したり、液体トナーの場合は粘度が上昇したりして、トナーの塗布が困難となる場合がある。
上記トナー印刷層は、上記意匠印刷層であってもよく、上記背景印刷層であってもよい。上記トナー印刷層は、複数の印刷層で形成された意匠印刷層と、背景印刷層とからなる構成であってもよい。また、上記トナー印刷層は、背景印刷層を有さず、複数の印刷層から形成された意匠印刷層からなる構成であってもよい。この場合、上記トナー印刷層とは異なる背景印刷層(例えば、グラビア印刷やフレキソ印刷等の汎用印刷方式により設けられた背景印刷層等)を設けてもよいし、背景印刷層を設けずに透明基調のラベルとしてもよい。
上記印刷層の厚みは、特に限定されないが、0.1〜15μmが好ましく、より好ましくは0.2〜10μmである。なお、上記印刷層の厚みは、印刷層である意匠印刷層及び背景印刷層の合計の厚みである。
[ラベル基材]
本発明のシュリンクラベルにおけるラベル基材は、A層及び本発明の塗工層の支持体となり、ラベルの強度、剛性や収縮特性に主たる影響を及ぼす。
上記ラベル基材は、熱収縮性フィルム(シュリンクフィルム)を少なくとも含む。上記熱収縮性フィルムとしては、特に限定されないが、公知乃至慣用のシュリンクラベルのラベル基材として用いられる熱収縮性フィルムを用いることができる。上記熱収縮性フィルムを形成する樹脂の種類は、要求物性、用途、コスト等に応じて、適宜選択することが可能であり、特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等)、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂が挙げられる。これらの樹脂は一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。さらに、同種又は異種の樹脂を積層して積層フィルムとして用いてもよい。中でも、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂が好ましい。即ち、上記熱収縮性フィルムは、ポリエステル系樹脂を主成分とするポリエステル系フィルム、ポリオレフィン系樹脂を主成分とするポリオレフィン系フィルム、ポリスチレン系樹脂を主成分とするポリスチレン系フィルム、ポリエステル系樹脂を外層とし、ポリオレフィン系樹脂又はポリスチレン系樹脂を内層とした異種積層フィルムが好ましい。上記のポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂としては、例えば、特開2008−170822号公報、特開2008−170697号公報、特開2008−163215号公報、特開2008−163231号公報に記載のポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂等を用いることができる。
上記ポリエステル系フィルムに用いられるポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート)(PEN)、ポリ乳酸(PLA)等が挙げられる。中でも好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂である。上記PET系樹脂としては、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを用いたポリエチレンテレフタレート(PET);ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を共重合成分として用いた共重合ポリエステル(CHDM共重合PET)、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、ネオペンチルグリコール(NPG)を共重合成分として用いた共重合ポリエステル(NPG共重合PET)、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを主成分、ジエチレングリコールを共重合成分として用いた共重合ポリエステル等のジオール変性PET;ジカルボン酸成分として、テレフタル酸を主成分、イソフタル酸及び/又はアジピン酸を共重合成分として用い、ジオール成分としてエチレングリコールを用いた共重合ポリエステル等のジカルボン酸変性PET等が挙げられる。
上記ポリスチレン系フィルムに用いられるポリスチレン系樹脂としては、構成モノマーとして、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−イソブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン系単量体を一種又は二種以上含む樹脂が挙げられる。具体的には、例えば、汎用ポリスチレン(GPPS)、スチレン−ブタジエン共重合体(例えば、SBS等)、スチレン−ブタジエン−イソプレン共重合体(SBIS)、スチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
上記ポリオレフィン系フィルムに用いられるポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン触媒系LLDPE(mLLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリエチレン系樹脂;ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体等のポリプロピレン系樹脂;環状オレフィン樹脂等が挙げられる。特に、上記ポリオレフィン系フィルムとしては、環状オレフィン樹脂を外層とするものが好ましく、例えば、環状オレフィン樹脂を外層とし、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂を内層(中心層)とするものが好ましい。
上記熱収縮性フィルムは、単層構成であってもよいし、積層構成を有していてもよい。即ち、上記熱収縮性フィルムは、単層フィルムであってもよいし、要求物性、用途等に応じて、複数のフィルム層を積層した積層フィルムであってもよい。また、積層フィルムの場合、同種の樹脂からなるフィルム層を積層していてもよいし、異なる樹脂からなるフィルム層を積層していてもよい。積層フィルムの場合、ポリエステル系樹脂を外層とし、ポリオレフィン系樹脂又はポリスチレン系樹脂を内層とした積層フィルムや、ポリスチレン系樹脂を外層とし、ポリオレフィン系樹脂又は外層とは組成が異なるポリスチレン系樹脂を内層とした積層フィルム、環状オレフィン樹脂を外層とし、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂を内層とした積層フィルムが好ましい。
上記熱収縮性フィルムは、シュリンク特性(熱収縮性)を発揮する観点から、少なくとも一方向に配向したフィルム(例えば、一方向に配向したフィルムや、一方向及び一方向と異なる方向に配向したフィルム)であることが好ましい。熱収縮性フィルムが積層フィルムの場合には、積層フィルム中の少なくとも1層のフィルム層が配向していることが好ましく、全てのフィルム層が少なくとも一方向に配向したフィルムであることが好ましい。全てのフィルム層が無配向の場合には、十分なシュリンク特性を発揮できない場合がある。熱収縮性フィルムとしては、特に一方向に配向したフィルム(1軸配向フィルム)又は一方向及び一方向と直交する方向に配向したフィルム(2軸配向フィルム)が用いられることが多く、中でも、1軸配向フィルム(一方向に主に延伸され、当該一方向と直交する方向にわずかに延伸された、実質的に一方向に延伸されたフィルムを含む)が一般的に用いられる。
上記少なくとも一方向に配向したフィルムは、未延伸フィルムを、少なくとも一方向に延伸することで得られる。例えば、上記少なくとも一方向に配向したフィルムが1軸配向フィルムである場合は未延伸フィルムを一方向に延伸することで得られ、2軸配向フィルムである場合は未延伸フィルムを一方向及び当該一方向と直交する方向に延伸することで得られる。なお、本発明のシュリンクラベルは、熱収縮性フィルムの配向方向に主に熱収縮できる。
上記熱収縮性フィルムは、溶融製膜または溶液製膜等の慣用の方法によって作製することができる。また、市販の熱収縮性フィルムを用いることも可能である。積層構成の熱収縮性フィルムを作製する場合、積層の方法としては、慣用の方法、例えば、共押出法、ドライラミネート法等を用いることが可能である。熱収縮性フィルムに配向を施す方法としては、例えば、長手方向(フィルムの製造ライン方向。縦方向又はMD方向とも称する)および幅方向(長手方向と直交する方向。横方向又はTD方向とも称する)の二方向への延伸、長手方向又は幅方向の一方向への延伸等を用いることができる。延伸方式は、例えば、ロール方式、テンター方式、チューブ方式等を用いることができる。例えば、幅方向に実質的に一方向に延伸されたフィルムの延伸処理は、70〜100℃程度の温度で、必要に応じて長手方向に例えば1.01〜1.5倍、好ましくは1.05〜1.3倍程度延伸した後、幅方向に3〜8倍、好ましくは4〜7倍程度延伸することにより行うことができる。
上記熱収縮性フィルム(シュリンク加工前)の、主収縮方向の、90℃、10秒における熱収縮率(「熱収縮率(90℃、10秒)」と称する場合がある)は、特に限定されないが、20%以上(例えば、20〜90%)が好ましく、より好ましくは30%以上(例えば、30〜85%)、さらに好ましくは40%以上(例えば、40〜80%)、さらに好ましくは45%以上(例えば、45〜80%)、特に好ましくは60%以上(例えば、60〜80%)である。なお、上記「主収縮方向」とは最も熱収縮率が大きい方向であり、一般的には主に延伸処理された方向であり、例えば、幅方向に実質的に一方向に延伸されたフィルムの場合には幅方向である。
なお、上記熱収縮性フィルム(シュリンク加工前)の、主収縮方向と直交する方向の熱収縮率(90℃、10秒)は、特に限定されないが、−5〜15%が好ましく、より好ましくは−3〜10%である。
上記ラベル基材として用いられる熱収縮性フィルムは、市販品を用いることも可能である。例えば、東洋紡績(株)製「スペースクリーン S7042」、「SV−808」、三菱樹脂(株)製「LX−10S」、「LX−18S」、「LX−61S」(以上、ポリエステル系フィルム);シーアイ化成(株)製「ボンセット」、グンゼ(株)製「GMLS」(以上、ポリスチレン系フィルム);グンゼ(株)製「FL」(ポリオレフィン系フィルム);三菱樹脂(株)製「エコロージュ」(ポリ乳酸系フィルム);三菱樹脂(株)製「DL」、グンゼ(株)製「HGS」(以上、表層がポリエステル系樹脂、中心層がポリスチレン系樹脂の積層フィルム)等が挙げられる。
上記ラベル基材は、熱収縮性フィルム以外の層を有していてもよい。上記熱収縮性フィルム以外の層としては、例えば、塗工層には含まれない、アンカーコート層、プライマーコート層、保護層、帯電防止層、滑り層、断熱層、金属や金属酸化物の蒸着層等が挙げられる。また、上記熱収縮性フィルムの表面には、必要に応じて、コロナ放電処理、プライマー処理、帯電防止コーティング処理等の慣用の表面処理が施されていてもよい。
上記熱収縮性フィルムが透明である場合には、上記熱収縮性フィルムのヘイズ(ヘーズ)値[JIS K 7136準拠、厚み40μm換算、単位:%]は、特に限定されないが、10%以下が好ましく、より好ましくは7%以下、さらに好ましくは5%以下である。ヘイズ値が10%を超える場合には、ラベル基材の内側に印刷を施し、ラベル基材を通して印刷を見せるシュリンクラベル(裏印刷シュリンクラベル)用途においては、製品とした際に、印刷が曇り、装飾性が低下することがある。ただし、ヘイズ値が10%を超える場合であっても、ラベル基材を通して印刷を見せる上記用途以外の用途(表印刷シュリンクラベル)においては不透明であってもよく、十分に使用可能である。また、不透明のラベル基材における熱収縮性フィルムとしては、特に限定されないが、例えば、乳白フィルム、金属蒸着フィルム等を用いることができる。
上記熱収縮性フィルムの厚みは、特に限定されないが、10〜100μmが好ましく、より好ましくは12〜80μm、さらに好ましくは15〜60μmである。
[他の層]
上記他の層(上記ラベル基材、本発明の塗工層、A層以外の層)は、特に限定されないが、例えば、接着剤層(感圧性接着剤層、感熱性接着剤層等)、アンカーコート層、プライマーコート層、コーティング層、インナーコート層、帯電防止層、遮光層、断熱層、バリア層等が挙げられる。
[シュリンクラベル]
本発明のシュリンクラベルは、上記ラベル基材の少なくとも一方の面に、A層及び本発明の塗工層を有する。より具体的には、A層が上記ラベル基材の少なくとも一方の面に設けられている。そして、本発明の塗工層が、上記ラベル基材の上記少なくとも一方の面に、厚み方向において上記A層の少なくとも一部と重なるように設けられている。
上記A層は、特に限定されないが、ラベル基材の片面側のみに設けられていてもよいし、ラベル基材の両面側に設けられていてもよい。また、上記A層は、ラベル基材の少なくとも一方の面の全面に設けられていてもよいし、一部に設けられていてもよい。さらに、上記A層は、特に限定されないが、単層であってもよいし、複層であってもよい。
本発明の塗工層は、上記ラベル基材の上記少なくとも一方の面に、少なくとも一部が上記A層と隣接するように(即ち、直接)設けられていてもよいし、本発明の塗工層と上記A層の層間に他の層を介して設けられていてもよい。中でも、本発明の塗工層の少なくとも一部が上記A層と隣接するように設けられていることが好ましい。
本発明の塗工層は、厚み方向において少なくともA層が設けられている部分と重なるように設けられている限り特に限定されず、ラベル基材の片面側のみに設けられていてもよいし、ラベル基材の両面側に設けられていてもよいが、少なくともA層が設けられている側には設けられていることが好ましい。また、本発明の塗工層は、厚み方向において少なくともA層が設けられている部分と重なるように設けられている限り、ラベル基材の少なくとも一方の面の全面に設けられていてもよいし、一部に設けられていてもよいが、A層が設けられている領域全体に少なくとも設けられていることが好ましい。さらに、本発明の塗工層は、特に限定されないが、単層であってもよいし、複層であってもよい。
また、本発明の塗工層は、A層のラベル基材側に設けられていてもよいし、A層のラベル基材側とは反対側に設けられていてもよい。前者の場合の本発明のシュリンクラベルの構成としては、例えば、[ラベル基材/本発明の塗工層/A層]等が挙げられる。後者の場合の本発明のシュリンクラベルの構成としては、例えば、[ラベル基材/A層/本発明の塗工層]等が挙げられる。また、本発明のシュリンクラベルの構成が、例えば[ラベル基材/本発明の塗工層/A層/本発明の塗工層]等となるように、本発明の塗工層がA層の両面側に設けられていてもよい。
本発明のシュリンクラベルは、表印刷シュリンクラベルであってもよいし、裏印刷シュリンクラベルであってもよいし、両面印刷シュリンクラベルであってもよい。A層がトナー印刷層である場合、中でも、トナー印刷層を、よりインキ割れが発生しやすい筒状の内側に有していてもシュリンク加工時にインキ割れが発生しにくい観点から、裏印刷ラベルとして用いることが特に有用である。なお、本明細書において、表印刷ラベルとは、ラベル基材を通さず印刷を見せるラベルであり、ラベルを見る際に、ラベル基材よりも手前に意匠印刷層があるラベルをいう。また、裏印刷ラベルとは、ラベル基材を通して印刷を見せるラベルであり、ラベルを見る際に、ラベル基材よりも奥側に意匠印刷層があるラベルをいう。また、両面印刷ラベルとは、ラベル基材の両面側に意匠印刷層を有するラベルをいう。
A層が金属層であり且つ金属層が金属箔又は金属蒸着転写層である場合、[金属層/接着層(本発明の塗工層)/ラベル基材]、[保護印刷層/金属層/接着層(本発明の塗工層)/ラベル基材]、[保護印刷層(本発明の塗工層)/金属層/接着層/ラベル基材]、[意匠印刷層/金属層/接着層(本発明の塗工層)/ラベル基材]、[意匠印刷層/本発明の塗工層/金属層/接着層/ラベル基材]、[保護印刷層(本発明の塗工層)/意匠印刷層/金属層/接着層/ラベル基材]、[意匠印刷層/ラベル基材/接着層(本発明の塗工層)/金属層](以上、表印刷シュリンクラベルの場合)、[ラベル基材/接着層(本発明の塗工層)/金属層]、[ラベル基材/意匠印刷層/接着層(本発明の塗工層)/金属層]、(以上、裏印刷シュリンクラベルの場合)等が挙げられる。
上記接着層は、活性エネルギー線硬化型(特に、紫外線硬化型)の塗工層であることが好ましい。即ち、上記接着層は、活性エネルギー線硬化型の接着層であることが好ましく、紫外線硬化型の接着層であることがより好ましい。また、上記接着層(本発明の塗工層)は、特に限定されないが、接着層の総重量(100重量部)に対して、バインダー樹脂を20〜99.9重量%、ポリロタキサンを0.1〜50重量%(より好ましくはバインダー樹脂を25〜99.5重量%、ポリロタキサンを0.5〜40重量%、さらに好ましくはバインダー樹脂を30〜99.2重量%、ポリロタキサンを0.8〜35重量%)含有することが好ましい。
A層が金属層であり且つ金属層が金属直接蒸着層又は金属化合物蒸着層である場合、[金属層/アンカーコート層(本発明の塗工層)/ラベル基材]、[保護印刷層(本発明の塗工層)/金属層/アンカーコート層/ラベル基材]、[意匠印刷層/金属層/アンカーコート層(本発明の塗工層)/ラベル基材]、[意匠印刷層/本発明の塗工層/金属層/アンカーコート層/ラベル基材]、[意匠印刷層/ラベル基材/アンカーコート層(本発明の塗工層)/金属層](以上、表印刷シュリンクラベルの場合)、[ラベル基材/アンカーコート層(本発明の塗工層)/金属層]、[ラベル基材/意匠印刷層/アンカーコート層(本発明の塗工層)/金属層](以上、裏印刷シュリンクラベルの場合)等が挙げられる。
上記アンカーコート層は、溶剤乾燥型の塗工層であることが好ましい。また、上記アンカーコート層(本発明の塗工層)は、特に限定されないが、アンカーコート層の総重量(100重量部)に対して、バインダー樹脂を20〜99.9重量%、ポリロタキサンを0.1〜50重量%(より好ましくはバインダー樹脂を25〜99.5重量%、ポリロタキサンを0.5〜40重量%、さらに好ましくはバインダー樹脂を30〜99.2重量%、ポリロタキサンを0.8〜35重量%)含有することが好ましい。
上記保護印刷層は、バインダー樹脂を必須の構成成分として含有する。また、上記保護印刷層は、上記官能基Bを有する成分を含有していてもよい。なお、上記官能基Bを有する成分を含有する保護印刷層を、「保護印刷層A」と称する場合がある。また、上記官能基Bを有する成分を含有しない保護印刷層を、「保護印刷層B」と称する場合がある。上記保護印刷層は、必要に応じて、添加剤等のその他の成分を含有してもよい。
上記保護印刷層(保護印刷層A及び保護印刷層B)としては、後述のA層がトナー印刷層である場合における保護印刷層として説明された組成の保護印刷層と同様の組成のものが挙げられる。また、保護印刷層A及び保護印刷層Bの好ましい組成も、後述のA層がトナー印刷層である場合における保護印刷層として説明された好ましい組成と同様である。
なお、上記構成において、シュリンクラベルの最表面となる層の表面には保護印刷層が設けられていてもよい。また、本発明のシュリンクラベルは、裏印刷シュリンクラベルであっても、熱収縮後の金属光沢性に優れ、シュリンクラベルの輝きに優れるため、裏印刷シュリンクラベルとして特に有用である。
A層が金属直接蒸着層又は金属化合物蒸着層である場合の本発明のシュリンクラベルは、上記で例示された層構成の中でも、ラベル基材、アンカーコート層、及び金属層をこの順に有し、上記アンカーコート層が本発明の塗工層である層構成を有することが好ましい。また、A層が金属箔又は金属蒸着転写層である場合の本発明のシュリンクラベルは、上記で例示された層構成の中でも、ラベル基材、接着層、及び金属層をこの順に有し、上記接着層が本発明の塗工層である層構成を有することが好ましい。
A層が金属直接蒸着層又は金属化合物蒸着層である場合の本発明のシュリンクラベルの好ましい構成について、図を用いて説明する。図1は、A層が金属直接蒸着層又は金属化合物蒸着層である場合の本発明のシュリンクラベルの好ましい一例を示す概略図(部分断面図)である。図1に記載の本発明のシュリンクラベル1は、ラベル基材2、意匠印刷層3、アンカーコート層4、金属直接蒸着層又は金属化合物蒸着層5、保護印刷層6を有する。なお、図1に記載の本発明のシュリンクラベル1は、ラベル基材2を通して印刷を見せる裏印刷シュリンクラベルである。なお、図1において、アンカーコート層4及び保護印刷層6のうちの少なくとも一方が本発明の塗工層である。
意匠印刷層3は、ラベル基材2の片面側の表面に、ラベル基材2と意匠印刷層3とが直接隣接するように、部分的に設けられている。意匠印刷層3は、所望のデザインとなるように着色顔料の異なる複数の印刷層によって形成されていることが好ましい。また、意匠印刷層3は、透明であっても不透明であってもよい。意匠印刷層3の厚みは、特に限定されないが、0.1〜8μmが好ましい。
アンカーコート層4は、ラベル基材2の上記片面側の面(即ち、意匠印刷層3が設けられている面)に、意匠印刷層3とアンカーコート層4、又はラベル基材2とアンカーコート層4とが直接隣接するように、意匠印刷層3を覆うように設けられている。アンカーコート層4は、金属直接蒸着層又は金属化合物蒸着層5のラベル基材2や意匠印刷層3への密着性を向上させるための層である。アンカーコート層4は、本発明の塗工層であってもよいし本発明の塗工層以外の層であってもよいが、本発明の塗工層であることが好ましい。アンカーコート層4の厚みは、特に限定されないが、0.1〜10μmが好ましい。
金属直接蒸着層又は金属化合物蒸着層5は、ラベル基材2の上記片面側の面(即ち、意匠印刷層3及びアンカーコート層4が設けられている面)に、アンカーコート層4と金属直接蒸着層又は金属化合物蒸着層5とが直接隣接するように、アンカーコート層4の表面(ラベル基材2とは反対側の表面)の全面に設けられている。なお、図1ではラベル基材2の一方の面の全面に設けられているが、金属光沢性を発揮させたい一部のみに設けられていてもよい。
保護印刷層6は、ラベル基材2の上記片面側の面(即ち、意匠印刷層3、アンカーコート層4、及び金属直接蒸着層又は金属化合物蒸着層5が設けられている面)に、金属直接蒸着層又は金属化合物蒸着層5と保護印刷層6とが直接隣接するように、金属直接蒸着層又は金属化合物蒸着層5の表面(アンカーコート層4とは反対側の表面)の全面に設けられている。なお、図1では金属直接蒸着層又は金属化合物蒸着層5の全面を覆うように設けられているが、一部のみを覆うように設けられていてもよい。また、保護印刷層6は、ラベル基材2の一方の面に、部分的に設けられていてもよく、全面に設けられていてもよい。保護印刷層6の厚みは、特に限定されないが、0.5〜10μmが好ましい。
なお、図1では、A層が金属直接蒸着層又は金属化合物蒸着層である場合を説明したが、A層が金属箔又は金属蒸着転写層である場合、本発明のシュリンクラベルは、図1において、金属直接蒸着層又は金属化合物蒸着層5が金属箔又は金属蒸着転写層であり、アンカーコート層4が接着層である構成が好ましい。
A層がトナー印刷層である場合、本発明のシュリンクラベルは、ラベル基材の少なくとも一方の面に、トナー印刷層及び本発明の塗工層を有する。また、この場合、本発明のシュリンクラベルにおいて、トナー印刷層と本発明の塗工層とで架橋構造を有していることが好ましい。より詳細には、上記トナー印刷層と本発明の塗工層において、上記トナー印刷層を形成するトナーに含まれている官能基Aを有する成分と、本発明の塗工層を形成する塗工剤に含まれている上記官能基Aと反応性を有する成分とによって形成された架橋構造を有していることが好ましい。A層及び本発明の塗工層とで架橋構造を有していると、上記トナー印刷層と本発明の塗工層の密着性が向上することによるものと推測されるが、トナー印刷層がラベル基材の熱収縮に対する追従性に優れ、シュリンク加工時にトナー印刷層のインキ割れがより発生しにくくなる。
A層及び本発明の塗工層における上記架橋構造としては、例えば、カルボキシ基とイソシアネート基により形成される結合、カルボキシ基とエポキシ基により形成されるエステル結合、カルボキシ基とアジリジン基により形成される結合、カルボキシ基とカルボジイミド基により形成される結合、カルボキシ基とオキサゾリン基により形成される結合、ヒドロキシ基とイソシアネート基により形成されるウレタン結合、シラノール基とイソシアネート基により形成されるウレタン結合、アミノ基とイソシアネート基により形成されるアミド結合、アミノ基とエポキシ基により形成される結合等によって形成される架橋構造等が挙げられる。
A層がトナー印刷層である場合、トナー印刷層の表面に保護印刷層が設けられていてもよい。この場合、本発明のシュリンクラベルは、ラベル基材、トナー印刷層、及び保護印刷層をこの順に有することが好ましい。また、上記ラベル基材の少なくとも片面側に、プライマー層を介してトナー印刷層が設けられていてもよい。即ち、ラベル基材とトナー印刷層の間に、プライマー層が設けられていてもよい。さらに、本発明のシュリンクラベルは、ラベル基材、プライマー層、トナー印刷層、及び保護印刷層の各層間に、本発明のシュリンクラベルに各種機能を付与する中間塗工層を有していてもよく、また、最外層にこれらの層以外の層(プライマー層、トナー印刷層及び保護印刷層以外の層)を有していてもよい。これらの構成において、プライマー層及び保護印刷層以外の層が本発明の塗工層であってもよいが、プライマー層及び保護印刷層のうちの少なくとも1つは本発明の塗工層であることが好ましく、少なくとも上記保護印刷層が本発明の塗工層であることがより好ましい。なお、本発明のシュリンクラベルが保護印刷層を有し、当該保護印刷層が本発明の塗工層である場合、熱収縮性フィルムの熱収縮に対するトナー印刷層の追従性がより優れる。
上記プライマー層は、プライマーコート剤を塗工することにより形成される。上記プライマー層は、本発明の塗工層であってもよいし、本発明の塗工層以外の塗工層(「その他の塗工層」と称する場合がある)であってもよい。上記プライマー層は、トナー印刷層や本発明の塗工層、上記その他の塗工層等のラベル基材に対する密着性を向上させるために使用される層である。上記プライマー層は、上記ラベル基材の少なくとも一方の表面の全面に設けられていてもよいし、部分的に設けられていてもよいが、筒状シュリンクラベルとする際にシール部となる部分付近以外の全面に設けられていることが好ましい。なお、本発明のシュリンクラベルがプライマー層を有する場合、トナー印刷層は、少なくとも上記プライマー層が設けられている領域内に設けられていることが好ましい。
上記プライマー層は、バインダー樹脂を必須の構成成分として含有する。また、上記プライマー層は、上記官能基Bを有する成分を含有していてもよい。なお、上記官能基Bを有する成分を含有するプライマー層を、「プライマー層A」と称する場合がある。また、上記官能基Bを有する成分を含有しないプライマー層を、「プライマー層B」と称する場合がある。上記プライマー層は、必要に応じて、ポリロタキサン、添加剤等のその他の成分を含有していてもよい。
上記バインダー樹脂は、特に限定されず、公知乃至慣用のプライマー層用のバインダー樹脂を用いることができる。上記バインダー樹脂は、特に限定されないが、上記プライマー層を形成する主たる樹脂成分としての役割を担う。上記バインダー樹脂としては、特に限定されないが、本発明の塗工層中に含まれるバインダー樹脂として例示及び説明されたバインダー樹脂等が挙げられる。中でも、トナー印刷層との密着性を向上させる観点から、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、イミン系樹脂が好ましい。
プライマー層Aは、上記官能基Bを有する成分を含有する。特に、プライマー層Aは、バインダー樹脂及び上記官能基Bを有する成分としての架橋剤を必須成分として含有することが好ましい。また、プライマー層Aは、ポリロタキサンを含有していてもよいし、含有していなくてもよい。
プライマー層Aがポリロタキサンを含有する場合、プライマー層Aは、中でも、プライマー層の総重量(100重量部)に対して、バインダー樹脂を30〜95重量%、ポリロタキサンを0.1〜70重量%、架橋剤を3〜40重量%(より好ましくはバインダー樹脂を35〜90重量%、ポリロタキサンを0.5〜55重量%、架橋剤を5〜35重量%、さらに好ましくはバインダー樹脂を40〜85重量%、ポリロタキサンを0.8〜60重量%、架橋剤を10〜30重量%)含有することが好ましい。
プライマー層Bは、上記官能基Bを有する成分を含有しない。上記プライマー層Bは、上記バインダー樹脂を必須成分として含有する。また、プライマー層Bは、ポリロタキサンを含有していてもよいし、含有していなくてもよい。
プライマー層Bがポリロタキサンを含有する場合、プライマー層Bは、中でも、プライマー層の総重量(100重量部)に対して、バインダー樹脂を30〜99.9重量%ポリロタキサンを0.1〜70重量%(より好ましくはバインダー樹脂を35〜99.5重量%、ポリロタキサンを0.5〜60重量%)、さらに好ましくはバインダー樹脂を40〜99.2重量%、ポリロタキサンを0.8〜65重量%)含有することが好ましい。
上記プライマー層(プライマー層A及びプライマー層B)は、上記官能基Aと反応性を有する成分に対して反応性を有する成分(即ち、官能基Bを有する成分と反応性を有する成分)を含有していてもよい。中でも、上記プライマー層Bは、官能基Bを有する成分と反応性を有する成分を含有していることが好ましい。上記官能基Bを有する成分と反応性を有する成分は、上記プライマー層を構成する成分であれば特に限定されないが、例えば、上記バインダー樹脂等が挙げられる。上記プライマー層中に官能基Bと反応性を有する成分を含有すると、本発明のシュリンクラベル中のプライマー層以外の層中に含まれる官能基Bを有する成分によって、上記プライマー層と、官能基Bを有する成分を含有する層及びトナー印刷層との密着力がより向上し、インキ割れがより発生しにくくなる傾向にあり、好ましい。
上記プライマー層中の官能基Bと反応性を有する成分は、上記官能基Cを有する。上記官能基Cとしては、例えば、上記官能基Aとして例示及び説明された官能基等が挙げられる。また、官能基Bと官能基Cの組み合わせとしては、官能基Aと官能基Bの好ましい組み合わせとして例示及び説明された組み合わせが好ましい。上記官能基Cは、上記官能基Aと同一であってもよいし、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。中でも、官能基A及び官能基Cがカルボキシ基であることが好ましい。
プライマー層A中の官能基Cがカルボキシ基等の酸性の官能基である場合、上記プライマー層Aの酸価は、特に限定されないが、40mgKOH/g以下(例えば、0mgKOH/gを超えて40mgKOH/g以下)が好ましく、より好ましくは0mgKOH/gを超えて30mgKOH/g以下である。
プライマー層B中の官能基Cがカルボキシ基等の酸性の官能基である場合、上記プライマー層Bの酸価は、特に限定されないが、500mgKOH/g以下(例えば、0mgKOH/gを超えて500mgKOH/g以下)が好ましく、より好ましくは5〜300mgKOH/g、さらに好ましくは10〜200mgKOH/g、特に好ましくは30〜100mgKOH/gである。
本発明のシュリンクラベルが裏印刷シュリンクラベルである場合、特に限定されないが、上記プライマー層は透明であることが好ましい。なお、本発明のシュリンクラベルが表印刷シュリンクラベルの場合においては、上記プライマー層は透明であってもよく、不透明であってもよい。
上記プライマー層の厚みは、特に限定されないが、0.1〜10μmが好ましく、より好ましくは0.2〜3μmである。
上記保護印刷層は、保護印刷インキを印刷することにより形成される。上記保護印刷層は、本発明の塗工層であってもよいし、上記その他の塗工層であってもよい。上記保護印刷層は、トナー印刷層の表面(具体的には、ラベル基材とは反対側の表面)に設けられることによりトナー印刷層を保護し、熱収縮性フィルムの熱収縮に対するトナー印刷層の追従性をより向上させ、シュリンク加工時のインキ割れをより起こりにくくすることができる。また、滑剤を含む場合、シュリンクラベルの最外層となって、本発明のシュリンクラベルの容器等に対する滑り性を付与する役割を担うこともできる。また、上記保護印刷層が本発明の塗工層である場合、熱収縮性フィルムの熱収縮に対するトナー印刷層の追従性がより優れる。
上記保護印刷層は、トナー印刷層を有する側のラベル基材の全面に設けられてもよいし、部分的に設けられてもよいが、少なくともトナー印刷層が設けられている領域の全面に設けられていることが好ましく、筒状シュリンクラベルとする際にシール部となる部分付近以外の全面に設けられていることがより好ましい。また、本発明のシュリンクラベルがプライマー層を有する場合には、少なくともプライマー層及びトナー印刷層が設けられている領域の全面に設けられていることが好ましい。なお、上記保護印刷層は、シュリンクラベルを滑り性、耐摩耗性に優れるようにする場合は、シュリンクラベルの最表面に設けられる。即ち、本発明のシュリンクラベルは、上記保護印刷層を最表面に有することが好ましい。
上記保護印刷層は、特に限定されないが、溶剤乾燥型の印刷層であってもよく、活性エネルギー線硬化型の印刷層であってもよい。中でも、溶剤乾燥型の印刷層であることが好ましい。
上記保護印刷層は、バインダー樹脂を必須の構成成分として含有する。また、上記保護印刷層は、上記官能基Bを有する成分を含有していてもよい。即ち、上記保護印刷層は、上記保護印刷層Aであってもよいし、上記保護印刷層Bであってもよい。上記保護印刷層は、必要に応じて、添加剤等のその他の成分を含有してもよい。
上記バインダー樹脂は、特に限定されず、公知乃至慣用の印刷層用のバインダー樹脂を用いることができる。上記バインダー樹脂は、特に限定されないが、上記保護印刷層を形成する主たる樹脂成分としての役割を担う。上記バインダー樹脂としては、特に限定されないが、本発明の塗工層中に含まれるバインダー樹脂として例示及び説明されたバインダー樹脂等が挙げられる。中でも、シュリンク加工時のインキ割れ防止の観点から、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂が好ましい。
保護印刷層Aは、上記官能基Bを有する成分を含有する。特に、保護印刷層Aは、バインダー樹脂、ポリロタキサン、及び上記官能基Bを有する成分としての架橋剤を必須の構成成分として含有することが好ましい。また、保護印刷層Aは、さらに、白色顔料等の着色顔料や滑剤を含有していてもよい。
保護印刷層Aが酸化チタン等の白色顔料を含む保護印刷層である場合、保護印刷層Aは、保護印刷層Aの総重量(100重量%)に対して、バインダー樹脂を30〜70重量%、ポリロタキサンを0.1〜60重量%、白色顔料を5〜60重量%、架橋剤を3〜25重量%(より好ましくは、バインダー樹脂を35〜65重量%、ポリロタキサンを0.5〜45重量%、白色顔料を10〜58重量%、架橋剤を5〜20重量%)含有することが好ましい。また、上記白色顔料を含む保護印刷層が本発明のシュリンクラベルの最表面である場合、保護印刷層Aは、さらに、滑剤を1〜10重量%含むことが好ましい。
一方、保護印刷層Aが着色顔料を含まない無色透明の保護印刷層である場合、保護印刷層Aは、保護印刷層Aの総重量(100重量%)に対して、バインダー樹脂を30〜95重量%、ポリロタキサンを0.1〜60重量%、架橋剤を3〜50重量%(より好ましくは、バインダー樹脂を35〜90重量%、ポリロタキサンを0.5〜55重量%、架橋剤を5〜45重量%、さらに好ましくは、バインダー樹脂を38〜85重量%、ポリロタキサンを0.8〜40重量%、架橋剤を10〜40重量%)含有することが好ましい。また、上記無色透明の保護印刷層が本発明のシュリンクラベルの最表面である場合、保護印刷層Aは、さらに、滑剤を1〜10重量%含むことが好ましい。
保護印刷層Bは、上記官能基Bを有する成分を含有しない。上記保護印刷層Bは、バインダー樹脂及びポリロタキサンを必須成分として含有することが好ましい。また、保護印刷層Bは、さらに、白色顔料等の着色顔料や滑剤を含有していてもよい。
保護印刷層Bが酸化チタン等の白色顔料を含む保護印刷層である場合、保護印刷層Bは、保護印刷層Bの総重量(100重量%)に対して、バインダー樹脂を30〜90重量%、ポリロタキサンを0.1〜60重量%、白色顔料を5〜60重量%(より好ましくは、バインダー樹脂を35〜85重量%、ポリロタキサンを0.5〜55重量%、白色顔料を10〜58重量%)含有することが好ましい。また、上記白色顔料を含む保護印刷層が本発明のシュリンクラベルの最表面である場合、保護印刷層Bは、さらに、滑剤を1〜10重量%含むことが好ましい。
一方、保護印刷層Bが着色顔料を含まない無色透明の保護印刷層である場合、保護印刷層Bは、保護印刷層Bの総重量(100重量%)に対して、バインダー樹脂を30〜7098重量%、ポリロタキサンを0.1〜70重量%(より好ましくは、バインダー樹脂を35〜97重量%、ポリロタキサンを0.5〜65重量%)含有することが好ましい。また、上記無色透明の保護印刷層が本発明のシュリンクラベルの最表面である場合、保護印刷層Bは、さらに、滑剤を1〜10重量%含むことが好ましい。
上記保護印刷層(保護印刷層A及び保護印刷層B)は、上記官能基Aと反応性を有する成分に対して反応性を有する成分(即ち、官能基Bを有する成分と反応性を有する成分)を含有していてもよい。中でも、保護印刷層Bは、官能基Bを有する成分と反応性を有する成分を含有していることが好ましい。上記官能基Bを有する成分と反応性を有する成分は、上記保護印刷層を構成する成分であれば特に限定されないが、例えば、上記バインダー樹脂等が挙げられる。上記保護印刷層中に官能基Bと反応性を有する成分を含有すると、本発明のシュリンクラベル中の保護印刷層以外の層中の官能基Aと反応性を有する成分によって、上記保護印刷層と、官能基Aと反応性を有する成分を含有する層及びトナー印刷層との層間の密着力がより向上し、インキ割れがより発生しにくくなる傾向にあり、好ましい。
上記保護印刷層中の官能基Bと反応性を有する成分は、上記官能基Cを有する。上記官能基Cとしては、例えば、上記官能基Aとして例示及び説明された官能基等が挙げられる。また、官能基Bと官能基Cの組み合わせとしては、官能基Aと官能基Bの好ましい組み合わせとして例示及び説明された組み合わせが好ましい。上記官能基Cは、上記官能基Aと同一であってもよいし、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。中でも、官能基A及び官能基Cがカルボキシ基であることが好ましい。
保護印刷層A中の官能基Cがカルボキシ基等の酸性の官能基である場合、保護印刷層Aの酸価は、特に限定されないが、40mgKOH/g以下(例えば、0mgKOH/gを超えて40mgKOH/g以下)が好ましく、より好ましくは0mgKOH/gを超えて30mgKOH/g以下である。
保護印刷層B中の官能基Cがカルボキシ基等の酸性の官能基である場合、保護印刷層Bの酸価は、特に限定されないが、500mgKOH/g以下(例えば、0mgKOH/gを超えて500mgKOH/g以下)が好ましく、より好ましくは5〜300mgKOH/g、さらに好ましくは10〜200mgKOH/g、特に好ましくは30〜100mgKOH/gである。
上記保護印刷層の厚みは、特に限定されないが、0.1〜10μmが好ましく、より好ましくは0.2〜3μmである。上記厚みが0.1μm以上であると、耐摩耗性がより向上し、好ましい。上記厚みが10μm以下であると、透明性が向上し、好ましい。
A層がトナー印刷層である場合の本発明のシュリンクラベルの積層構成としては、特に限定されないが、例えば、シュリンクラベルの一方の表面から、[ラベル基材/プライマー層(本発明の塗工層)/トナー印刷層]、[ラベル基材/トナー印刷層/保護印刷層(本発明の塗工層)]、[ラベル基材/プライマー層/トナー印刷層/保護印刷層(本発明の塗工層)]、[ラベル基材/プライマー層(本発明の塗工層)/トナー印刷層/保護印刷層]、[ラベル基材/プライマー層(本発明の塗工層)/トナー印刷層/保護印刷層(本発明の塗工層)]の積層構成等が挙げられる。中でも、本発明のシュリンクラベルは、本発明の塗工層である保護印刷層を有する積層構成が好ましく、[ラベル基材/プライマー層/トナー印刷層/保護印刷層(本発明の塗工層)]の積層構成を有することがより好ましい。この場合、よりラベル基材の熱収縮に対するトナー印刷層の追従性が向上し、よりインキ割れが発生しにくくなる。上記積層構成において、本発明の塗工層であるプライマー層は上記プライマー層Aであることが好ましい。また、本発明の塗工層である保護印刷層は上記保護印刷層Aであることが好ましい。なお、上記積層構成において、プライマー層と保護印刷層の両方が存在する場合、プライマー層と保護印刷層の好ましい組み合わせは、プライマー層Aと保護印刷層B、プライマー層Bと保護印刷層A、プライマー層Aと保護印刷層Aであり、より好ましくは、プライマー層Bと保護印刷層A、プライマー層Aと保護印刷層Aである(即ち、少なくとも保護印刷層が保護印刷層Aである)。この場合、トナー印刷層と、プライマー層、プライマー層を介してのラベル基材、及び保護印刷層との密着性に優れ、よりインキ割れが発生しにくくなる。なお、上記ラベル基材、上記プライマー層、上記トナー印刷層、上記保護印刷層の各層間に、中間塗工層を有していてもよい。
A層がトナー印刷層である場合の本発明のシュリンクラベルの好ましい構成について、図を用いて説明する。図2は、A層がトナー印刷層である場合の本発明のシュリンクラベルの好ましい一例を示す概略図(部分断面図)である。図2に記載の本発明のシュリンクラベル1は、ラベル基材2、透明なプライマー層7、複数色からなるトナー印刷層である意匠印刷層(トナー意匠印刷層)8a、トナー印刷層である白色の背景印刷層(トナー背景印刷層)8b、及び透明な保護印刷層(透明保護印刷層)9をこの順に含む。より具体的には、図2に記載の本発明のシュリンクラベル1において、プライマー層7は、ラベル基材2の片面側に、ラベル基材2の表面に(ラベル基材2とプライマー層7が直接隣接するように)設けられている。また、トナー意匠印刷層8aは、ラベル基材2の、プライマー層7が設けられている側の表面(ラベル基材2とは反対側の表面)に、プライマー層7とトナー意匠印刷層8aが直接隣接するように、部分的に(プライマー層7が設けられた領域の一部分に)設けられている。また、トナー背景印刷層8bは、トナー意匠印刷層8aが設けられた領域全体を覆うように、トナー意匠印刷層8a及びプライマー層7の表面に設けられている。なお、トナー意匠印刷層8aが設けられている領域では、トナー意匠印刷層8aとトナー背景印刷層8bとが直接隣接するように設けられている。また、トナー意匠印刷層8aが設けられていない領域では、プライマー層7とトナー背景印刷層8bとが直接隣接するように設けられている。また、透明保護印刷層9は、トナー背景印刷層8bの表面(ラベル基材2とは反対側の表面)に、トナー背景印刷層8bと透明保護印刷層9とが直接隣接するように設けられており、本発明のシュリンクラベル1の最表面に設けられている。なお、図2に記載の本発明のシュリンクラベル1は、ラベル基材2を通して印刷を見せる裏印刷シュリンクラベルである。なお、図2において、プライマー層7及び透明保護印刷層9のうちの少なくとも一方が本発明の塗工層である。
本発明のシュリンクラベルの、主収縮方向の、90℃、10秒における熱収縮率(「熱収縮率(90℃、10秒)」と称する場合がある)は、特に限定されないが、30〜90%が好ましく、より好ましくは40〜85%、さらに好ましくは45〜80%である。熱収縮率(90℃、10秒)が30%未満では、シュリンク加工の際に、ラベルを装着する容器等の形状に対する追従性が不十分であり、美麗な仕上がりが得られない場合がある。本発明のシュリンクラベルの、主収縮方向と直交する方向の熱収縮率(90℃、10秒)は、特に限定されないが、−3〜15%が好ましい。なお、シュリンクラベルの「主収縮方向」とは最も熱収縮率が大きい方向であり、一般的には熱収縮性フィルムが主に延伸処理された方向であり、シュリンクラベルが筒状シュリンクラベルの場合には、一般に周方向である。
本発明のシュリンクラベルの厚み(総厚み)は、特に限定されないが、10〜120μmが好ましく、より好ましくは15〜90μm、さらに好ましくは20〜65μmである。
本発明のシュリンクラベルは、例えば、ラベル両端を溶剤や接着剤でシールし筒状にして容器に装着されるタイプの筒状シュリンクラベルや、ラベルの一端を容器に貼り付け、ラベルを巻き回した後、他端を一端に重ね合わせて筒状にする巻き付け方式のシュリンクラベルとして用いることができる。本発明のシュリンクラベルは、上記の中でも、筒状シュリンクラベルに特に好ましく用いられる。即ち、本発明のシュリンクラベルは、筒状シュリンクラベルであることが好ましい。以下、本発明のシュリンクラベルを用いた筒状シュリンクラベルを、「本発明の筒状シュリンクラベル」と称する場合がある。
また、A層がトナー印刷層である場合、特に限定されないが、筒状シュリンクラベルの上下端(筒状シュリンクラベルにおいて、周方向と直交する方向を上下方向とした場合の上端及び下端)から所定幅の領域にはトナー印刷層が設けられていないことが好ましい。筒状シュリンクラベルの上下端は、シュリンク加工時に内折れが発生しやすいが、ここにトナー印刷層を設けないことによってその発生を抑え、見栄えを良くすることができるため、好ましい。
図3〜5を用いて、本発明のシュリンクラベルの好ましい実施形態である筒状シュリンクラベルの一例について説明する。図3に記載の本発明の筒状シュリンクラベル10は、矩形状に形成された本発明のシュリンクラベルの一端部の外側に他端部を重ね合わせて筒状とし、他端部の内面と一端部の外面とを溶剤又は接着剤で接合しシール部11が形成された筒状体である。筒状シュリンクラベル10は、熱収縮性フィルムの主収縮方向が筒状シュリンクラベルの周方向Dとなるように筒状にされており、当該方向に熱収縮可能である。
図4及び図5は、図3におけるA−A’の断面、即ち、本発明の筒状シュリンクラベル10の、シール部付近の要部拡大図である。なお、図4は、図1に示す本発明のシュリンクラベルの筒状シュリンクラベルのシール部付近の要部拡大図を示している。また、図5は、図2に示す本発明のシュリンクラベルの筒状シュリンクラベルのシール部付近の要部拡大図を示している。
図4において、シール部11では、シュリンクラベルの両端部が溶剤又は接着剤12で接合されている。具体的には、本発明のシュリンクラベルは、ラベル基材2の一方の面(筒状の内面側の面)の他端部の端から所定幅の領域を除いた領域に意匠印刷層3が形成され、その意匠印刷層3を覆うように、ラベル基材2の一方の面の他端部の端から所定幅の領域を除いた領域の略全域にアンカーコート4が形成され、そのアンカーコート層4が設けられた領域の略全域に金属直接蒸着層又は金属化合物蒸着層5が形成され、その金属直接蒸着層又は金属化合物蒸着層5を覆うように、ラベル基材2の一方の面の他端部の端から所定幅の領域を除いた領域の略全域に保護印刷層6が形成されている。このため、本発明のシュリンクラベルには、他端部の端から所定幅の領域は、意匠印刷層3、アンカーコート層4、金属直接蒸着層若しくは金属化合物蒸着層5、及び保護印刷層6が形成されておらず、ラベル基材2が露出し、ラベル基材露出面が形成され、シール部11は、本発明のシュリンクラベルの他端部の内面側に形成されたラベル基材面と、一端部の外面側に形成されたラベル基材露出面とを、溶剤又は接着剤12によって接合されている。即ち、シール部11では、ラベル基材2同士が溶剤又は接着剤12で接合されていることが好ましい。なお、上記両端部のうち、接合されない部分は、背景印刷層、意匠印刷層等の印刷層やアンカーコート層、金属直接蒸着層又は金属化合物蒸着層等を有していても接着性に影響はないため、これらの層を有していてもよい。また、意匠印刷層3、アンカーコート層4、金属直接蒸着層又は金属化合物蒸着層5、及び保護印刷層6は、それぞれ、単層であってもよいし、複層であってもよい。
図5において、シール部11では、シュリンクラベルの両端部が溶剤又は接着剤12で接合されている。具体的には、本発明のシュリンクラベルは、ラベル基材2の一方の面(筒状体の内側の面)の他端部の端から所定幅の領域を除いた領域にプライマー層7が形成され、当該プライマー層7の表面(ラベル基材2とは反対側の表面)に、ラベル基材2の一方の面の他端部の端から所定幅の領域を除いた領域に、プライマー層7よりも小面積となるようにトナー印刷層8が形成され、そのトナー印刷層8を覆うように、ラベル基材2の一方の面の他端部の端から所定幅の領域を除いた領域の略全域に透明保護印刷層9が形成されている。このため、本発明のシュリンクラベルには、他端部の端から所定幅の領域は、プライマー層7、トナー印刷層8、及び透明保護印刷層9が形成されておらず、ラベル基材2が露出し、ラベル基材露出面が形成されている。本発明の筒状シュリンクラベル10は、具体的には、本発明のシュリンクラベルの他端部の内面側に形成されたラベル基材露出面と、一端部の外面側に形成されたラベル基材露出面とを、溶剤又は接着剤12によって接合されている。なお、トナー印刷層8は、単層であってもよいし、複層であってもよい。また、トナー印刷層8は、意匠印刷層であってもよく、背景印刷層であってもよく、又はその両方を含む複層であってもよい。
なお、図5における本発明の筒状シュリンクラベル10では、一端部は、その端が他端部の透明保護印刷層9と重なる位置まで延びてきており、一端部と他端部の透明保護印刷層9同士がラベル基材2を介して重なる領域が形成されている。このため、厚み方向において透明保護印刷層9が存在しない領域は存在しない。本発明の筒状シュリンクラベルは、図5に示すような、一端部の端と他端部側の透明保護印刷層と重なる構造であってもよいし、一端部の端が他端部のラベル基材露出面と重なる領域まで延び、一端部の端が他端部側の透明保護印刷層と重なる位置まで延びてきていない、一端部の端と他端部側の透明保護印刷層とが重ならない構造であってもよい。図4における本発明の筒状シュリンクラベルにおいても同様である。
上記シール部の幅は、特に限定されないが、0.2〜10mmが好ましく、より好ましくは0.3〜5mm、さらに好ましくは0.4〜2mmである。
本発明のシュリンクラベルは、熱収縮性フィルムを含むラベル基材の少なくとも一方の面に、金属層又は印刷層であるA層が設けられており、さらに、厚み方向において前記A層の少なくとも一部と重なるように、バインダー樹脂及びポリロタキサンを含有する塗工層が設けられている。本発明のシュリンクラベルは、このような構成、特に、熱収縮に対する追従性に劣るA層に隣接してポリロタキサンを含有する塗工層を設けることにより、該塗工層がラベル基材の熱収縮に対して追従しやすいため、該塗工層に隣接するA層もラベル基材の熱収縮に対して追従しやすい。このため、本発明のシュリンクラベルが金属層を有する場合であっても金属層の収縮白化が起こりにくく、シュリンク加工前後において金属光沢性や輝度が低下しにくく、シュリンクラベルの輝き及び加飾性に優れる。また、本発明のシュリンクラベルが印刷層(特に、トナー印刷層)を有する場合であっても、シュリンク加工時において印刷層(特に、トナー印刷層)にインキ割れが発生しにくいため、装飾性に優れる。
[本発明のシュリンクラベルの製造方法、加工方法]
A層が金属層である場合、本発明のシュリンクラベルの製造方法は、ラベル基材の少なくとも一方の面に金属層を形成する工程(金属層形成工程)、及び本発明の塗工層を形成する工程(本発明の塗工層形成工程)を少なくとも含む。なお、金属層形成工程と本発明の塗工層形成工程の順序は特に限定されない。例えば、[ラベル基材/金属層/本発明の塗工層]の層構成を有する本発明のシュリンクラベルにおいては金属層形成工程、本発明の塗工層形成工程の順、[ラベル基材/本発明の塗工層/金属層]の層構成を有する本発明のシュリンクラベルにおいては本発明の塗工層形成工程、金属層形成工程の順が好ましい。また、例えば転写法(特に、ホットスタンプ)により金属層を設ける場合、金属層形成工程と塗工層形成工程は同時に行われてもよい。また、本発明のシュリンクラベルの製造方法は、金属層形成工程、本発明の塗工層形成工程以外の工程を有していてもよい。
ホットスタンプの場合、通常、金属層形成工程と塗工層形成工程は同時に行われる。具体的には、[ホットメルト接着剤/金属層/離型処理された支持体]の構成を有する積層体のホットメルト接着剤側を、熱籠手等でラベル基材に押し当てて金属層を転写して本発明のシュリンクラベルを作製することができる。
(金属層形成工程)
金属層形成工程では、ラベル基材の少なくとも一方の面上に、金属や金属化合物を直接蒸着させる直接法、又は、別途適当な支持体に金属を蒸着させて設けた金属蒸着層や金属箔をラベル基材に転写する転写法により金属層が形成される。上記支持体としては、例えば、表面が剥離処理されたプラスチックフィルム等が使用できる。また、上記転写法は、コールドスタンプ等の公知乃至慣用の手法によって行うことができる。なお、ラベル基材に既に本発明の塗工層が設けられている場合、本発明の塗工層の少なくとも一部と隣接するように金属層を設けてもよい。
(本発明の塗工層形成工程)
本発明の塗工層形成工程では、ラベル基材の少なくとも一方の面上に、塗工剤を塗布し、乾燥や硬化によって固化させることにより塗工層が形成される。なお、本発明の塗工層を形成する塗工剤を、「本発明の塗工剤」と称する場合がある。本発明の塗工剤を塗布する方法としては、公知慣用の方法を用いることができ、中でも、グラビア印刷、フレキソ印刷、デジタル印刷が好ましい。また、塗布された本発明の塗工剤を加熱等により、乾燥又は乾燥固化する際には、印刷装置上で加熱が可能な、一般的な加熱装置を好ましく用いることができる。安全性の観点から、好ましくは、熱風ヒーター等を用いることができる。本発明の塗工剤の塗布は、複数回行われ、複層である塗工層が形成されてもよい。なお、ラベル基材に既にA層が設けられている場合、A層の少なくとも一部と隣接するように本発明の塗工層を設けてもよい。
本発明の塗工剤が溶剤乾燥型の塗工剤である場合、本発明の塗工層は、具体的には、上記溶剤乾燥型の塗工剤を塗布し、溶媒を揮発させ乾燥固化することにより形成される。一方、本発明の塗工剤が活性エネルギー線硬化型の塗工剤である場合、本発明の塗工層は、具体的には、上記活性エネルギー線硬化型の塗工剤を塗布し、必要に応じて乾燥した後、活性エネルギー線照射により硬化させて形成される。なお、本発明の塗工層が接着層である場合(即ち、本発明の塗工剤が接着剤である場合)、活性エネルギー線照射は、金属層を転写した後(貼り合わせた後)に行ってもよい。
本発明の塗工剤が溶剤乾燥型の塗工剤である場合、本発明の塗工剤は、例えば、上記バインダー樹脂(即ち、本発明の塗工層に含まれるバインダー樹脂)、ポリロタキサン、溶媒及びその他添加剤等を、必要に応じて、混合することにより製造される。混合は、公知慣用の混合方法により行うことができ、特に限定されないが、例えば、ペイントシェイカー、バタフライミキサー、プラネタリーミキサー、ポニーミキサー、ディゾルバー、タンクミキサー、ホモミキサー、ホモディスパー等のミキサーや、ロールミル、サンドミル、ボールミル、ビーズミル、ラインミル等のミル、ニーダー等の混合装置が用いられる。混合の際の混合時間(滞留時間)は、特に限定されないが、10〜120分が好ましい。得られた塗工剤は、必要に応じて、濾過してから用いてもよい。上記各成分(バインダー樹脂、ポリロタキサン、溶媒、その他の添加剤)は、それぞれ、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記溶媒としては、グラビア印刷やフレキソ印刷等に使用される印刷インキに通常用いられる水や有機溶剤等を用いることができる。上記有機溶剤としては、例えば、酢酸エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル)等のエステル;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロパノール、ブタノール等のアルコール;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール;エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル等が挙げられる。上記溶媒は、塗工剤を上記ラベル基材に塗布した後、乾燥により除去することができる。なお、上記溶媒には、「分散媒」の意味も含む。
本発明の塗工剤が活性エネルギー線硬化型の塗工剤である場合、本発明の塗工剤は、上記バインダー樹脂(即ち、本発明の塗工層に含まれるバインダー樹脂)を構成する単量体成分、ポリロタキサン、溶媒、及びその他添加剤等を、必要に応じて、混合することにより製造される。混合は、公知慣用の混合方法により行うことができ、特に限定されないが、例えば、上記混合装置等が使用できる。混合の際の混合時間(滞留時間)は、特に限定されないが、10〜120分が好ましい。得られた塗工剤は、必要に応じて、濾過してから用いてもよい。上記各成分(単量体成分、ポリロタキサン、溶媒、その他の添加剤)は、それぞれ、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
本発明の塗工剤は、特に限定されないが、水性であってもよいし、油性であってもよいし、エマルション系であってもよい。
本発明の塗工剤の粘度(23±2℃)は、特に限定されないが、例えば、グラビア印刷により塗工される場合には、10〜1000mPa・sが好ましく、より好ましくは20〜500mPa・sである。本発明の塗工剤の粘度は、バインダー樹脂(或いはバインダー樹脂を構成する単量体成分)、ポリロタキサンやその他の各成分の種類や配合量(含有量)、増粘剤、減粘剤等によって制御することが可能である。なお、本明細書では、「粘度」とは、特に限定しない限り、E型粘度計(円錐平板形回転粘度計)を用い、23±2℃、円筒の回転数50回転の条件下、JIS Z 8803に準じて測定した値を意味している。
上記のようにして、ラベル基材の少なくとも一方の面に、金属層、及び厚み方向において金属層の少なくとも一部と重なるように本発明の塗工層が形成された本発明のシュリンクラベルを作製することができる。
A層がトナー印刷層である場合、本発明のシュリンクラベルの製造方法は、ラベル基材の少なくとも一方の面に本発明の塗工層を形成する工程(本発明の塗工層形成工程)及びラベル基材の少なくとも一方の面にトナー印刷層を形成する工程(トナー印刷層形成工程)を少なくとも含む。本発明の塗工層形成工程及びトナー印刷層形成工程の順序は特に限定されないが、インキ割れをより起こりにくくする観点から、トナー印刷層形成工程の後に、本発明の塗工層形成工程を有する方が好ましい。また、本発明のシュリンクラベルの製造方法は、トナー印刷層形成工程、本発明の塗工層形成工程の以外の工程を有していてもよい。
本発明のシュリンクラベルが、ラベル基材の一方の面に、プライマー層、トナー印刷層、及び保護印刷層を有するシュリンクラベルである場合の、本発明のシュリンクラベルの製造方法の一例を下記に示す。このようなシュリンクラベルの製造方法は、ラベル基材の少なくとも一方の表面にプライマー層を形成する工程(プライマー層形成工程)、ラベル基材のプライマー層を有する側の表面にトナー印刷層を形成する工程(トナー印刷層形成工程)、ラベル基材のプライマー層及びトナー印刷層を有する側の表面に保護印刷層を形成する工程(保護印刷層形成工程)を少なくとも含む。なお、この例の製造方法において、上記プライマー層及び上記保護印刷層のうちの少なくともいずれか一方は本発明の塗工層であるため、上記プライマー層形成工程及び上記保護印刷層形成工程のうちの少なくともいずれか一方は、本発明の塗工層形成工程である。
(プライマー層形成工程)
プライマー層形成工程では、ラベル基材の少なくとも一方の表面上に、プライマー層を形成する塗工剤(プライマーコート剤)を塗布し、乾燥固化することにより形成される。
上記プライマーコート剤を塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、凸版輪転印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等の公知乃至慣用の汎用印刷方式や、バーコーター、コンマコーター、スプレーコーター等の周知乃至慣用の汎用コーターを用いた塗工法等が挙げられる。中でも、コストや生産性等の観点から、グラビア印刷方式、フレキソ印刷方式が好ましく、グラビア印刷方式が特に好ましい。また、塗布されたプライマーコート剤を加熱等により、乾燥固化する際には、印刷装置上で加熱が可能な、一般的な加熱装置を好ましく用いることができる。安全性の観点から、好ましくは、熱風ヒーター等を用いることができる。
上記プライマーコート剤は、特に限定されないが、水性であってもよいし、油性であってもよいし、エマルション系であってもよい。
上記プライマーコート剤は、市販品を用いることができる。上記プライマー層がポリロタキサンを含有する場合、上記プライマーコート剤は、ポリロタキサンを含有することが好ましい。ポリロタキサンを含有するプライマーコート剤は、市販品を用いてもよいし、又は、例えば、ポリロタキサンを含有しない市販品のプライマーコート剤にポリロタキサンを混合して得ることもできる。また、上記プライマー層が上記官能基Cを有する成分を含有する場合、上記プライマーコート剤は、上記官能基Cを有する成分を含有することが好ましい。官能基Cを有する成分を含有するプライマーコート剤は、市販品を用いてもよいし、又は、例えば、官能基Cを有する成分を含有しない市販品のプライマーコート剤に、官能基Cを有する成分を混合して得ることもできる。なお、上記プライマーコート剤は、上記官能基Cを有するバインダー樹脂を含有することが好ましい。
(トナー印刷層形成工程)
トナー印刷層形成工程では、ラベル基材の少なくとも一方の面上に、上記トナー印刷層を形成するインキ(トナー)を用いて、電子写真方式の印刷機により形成される。電子写真方式の印刷機は、例えば、感光体ドラムに電荷を与えた後、トナーを載せたくない部分をレーザー等で描画して電荷を除去し、所望のパターンでトナーを感光体ドラム上に付着させ、ブランケットを介して該トナーを上記ラベル基材上に転写してトナー印刷層を形成する。上記トナー印刷層が複数の色を有する複層である場合は、上記の形成方法を繰り返し、1色ずつラベル基材に転写して表示を形成してもよいが、各色のトナーをブランケット上に1色ずつ転写して乾燥させた後、全ての色が載ったブランケットをラベル基材に押しつけて転写し、表示を形成してもよい。このとき、ハロゲンヒーター等によりラベル基材上に転写されたトナーが加熱されて溶融し、ラベル基材上に定着する。
なお、トナー印刷層形成工程において、意匠印刷層であるトナー印刷層(トナー意匠印刷層)及び背景印刷層であるトナー印刷層(トナー背景印刷層)が形成されることが好ましい。
トナー印刷層が官能基Aを有する成分を含有する場合、上記トナーとしては、官能基Aを有する成分を含有していれば特に限定されず、一般的に複写機に使用されるものを使用することもできるが、印刷機に応じてそれに適合する専用品を使用することが好ましい。上記官能基Aを有する成分を含有するトナーは、市販品を用いてもよいし、例えば、上記官能基Aを有する成分を用いて作製してもよい。
上記電子写真方式の印刷機は、市販品を用いることができる。上記市販品としては、例えば、セイコーエプソン(株)製「LP−S9000シリーズ」、(株)リコー製「SPC831/831M」、「SPC830/830M」、「SPC810−ME」、「SPC731/731M」、「SPC730/730M」、ヒューレット・パッカード社製「HP Indigo WS20000」、「HP Indigo WS6600」、「HP Indigo WS6000」、「HP Indigo WS4600」、富士ゼロックス(株)製「DocuPrint C5000」、「DocuPrint C4000」、「DocuPrint C3360」、「DocuPrint C3350」等が挙げられる。
(保護印刷層形成工程)
保護印刷層形成工程では、ラベル基材のプライマー層及びトナー印刷層を有する側の表面上に、保護印刷層を形成する印刷インキ(保護印刷インキ)を塗布し、乾燥固化又は硬化することにより形成される。
上記保護印刷インキを塗布する方法としては、コストや生産性等の観点から、グラビア印刷方式、フレキソ印刷方式、凸版輪転印刷方式が好ましく、中でも、グラビア印刷方式が特に好ましい。また、塗布された保護印刷インキを加熱等により、乾燥する際には、印刷装置上で加熱が可能な、一般的な加熱装置を好ましく用いることができる。安全性の観点から、好ましくは、熱風ヒーター等を用いることができる。
上記保護印刷インキが溶剤乾燥型の印刷インキである場合、上記保護印刷層は、具体的には、上記溶剤乾燥型の印刷インキを塗布し、溶媒を揮発させ乾燥固化することにより形成される。一方、上記保護印刷インキが活性エネルギー線硬化型の印刷インキである場合、上記保護印刷層は、具体的には、上記活性エネルギー線硬化型の印刷インキを塗布し、必要に応じて乾燥した後、活性エネルギー線照射により硬化させて形成される。
上記保護印刷インキが溶剤乾燥型の印刷インキである場合、上記保護印刷インキは、例えば、上記バインダー層(上記保護印刷層に含まれるバインダー樹脂)、必要に応じて、ポリロタキサン、上記架橋剤、上記滑剤、上記溶媒及び添加剤を混合することにより製造される。また、上記バインダー樹脂、ポリロタキサン、上記架橋剤、上記滑剤、上記添加剤として、官能基Bを有する成分を用いてもよい。特に、上記保護印刷層が上記官能基Bを有する成分を含有することが好ましい観点から、上記バインダー樹脂、ポリロタキサン、上記架橋剤、上記滑剤、及び上記添加剤のうちの少なくとも1つの成分が、官能基Bを有する成分であることが好ましい。混合は、公知乃至慣用の混合方法により行うことができ、例えば、上記混合装置等が使用できる。混合の際の混合時間(滞留時間)は、特に限定されないが、10〜120分が好ましい。得られた保護印刷インキは、必要に応じて、濾過してから用いてもよい。上記各成分(バインダー樹脂、ポリロタキサン、架橋剤、滑剤、溶剤、添加剤、官能基Aと反応性を有する成分)は、それぞれ、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記保護印刷インキが活性エネルギー線硬化型の印刷インキである場合、上記保護印刷インキは、上記バインダー樹脂(上記保護印刷層に含まれるバインダー樹脂)を構成する単量体成分、ポリロタキサン、上記架橋剤、上記滑剤、上記溶媒、及びその他添加剤等を、必要に応じて、混合することにより製造される。また、上記単量体成分、ポリロタキサン、上記架橋剤、上記滑剤、上記添加剤として、官能基Bを有する成分を用いてもよい。特に、上記保護印刷層が上記官能基Bを有する成分を含有することが好ましい観点から、上記単量体成分、ポリロタキサン、上記架橋剤、上記滑剤、及び上記添加剤のうちの少なくとも1つの成分が、官能基Bを有する成分であることが好ましい。混合は、公知慣用の混合方法により行うことができ、特に限定されないが、例えば、上記混合装置等が使用できる。混合の際の混合時間(滞留時間)は、特に限定されないが、10〜120分が好ましい。得られた印刷インキは、必要に応じて、濾過してから用いてもよい。上記各成分(単量体成分、ポリロタキサン、架橋剤、滑剤、溶媒、その他の添加剤)は、それぞれ、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記保護印刷インキは、特に限定されないが、水性であってもよいし、油性であってもよいし、エマルション系であってもよい。
上記保護印刷インキの粘度(23±2℃)は、特に限定されないが、例えば、グラビア印刷により塗工される場合には、10〜1000mPa・sが好ましく、より好ましくは20〜500mPa・sである。上記保護印刷インキの粘度は、バインダー樹脂、ポリロタキサン、架橋剤、滑剤や添加剤の各成分の種類や配合量(含有量)、増粘剤、減粘剤等によって制御することが可能である。
上記保護印刷層中の、バインダー樹脂、ポリロタキサン、滑剤等の成分の含有量を制御するためには、保護印刷インキの不揮発成分中のバインダー樹脂又はバインダー樹脂を構成する単量体成分、ポリロタキサン、滑剤等のそれぞれの成分の含有量が、上記保護印刷層中の所望の含有量になるように保護印刷インキを調製すればよい。なお、一般的に、保護印刷インキの全不揮発成分中の各成分(不揮発成分)の含有量(重量%)は、上記保護印刷層中の各成分の含有量(重量%)と等しくなる。
本発明の塗工層が上記官能基Bを有する成分を含有し、上記トナー印刷層が上記官能基Aを有する成分を含有する場合、本発明のシュリンクラベルの製造方法において、硬化する工程(硬化工程)を含むことが好ましい。上記硬化工程における硬化としては、例えば、活性エネルギー線照射による硬化、熱による硬化(熱硬化)、湿気による硬化(湿気硬化)等が挙げられる。なお、常温で硬化が進行する場合等は、活性エネルギー線照射や加熱等の硬化処理を別途行う必要はない。また、本発明の塗工層又は上記トナー印刷層の形成時に乾燥、乾燥固化、又は活性エネルギー照射等の処理を行う場合、上記処理によって層形成と同時に硬化が進行してもよく、この場合も別途硬化処理を行う必要はない。上記活性エネルギー線としては、特に限定されないが、例えば、可視光、紫外線、電子線等が挙げられる。
上記のようにして、ラベル基材の少なくとも一方の表面に、プライマー層、トナー印刷層、及び保護印刷層が形成されたシュリンクラベルを作製することができる。
(筒状シュリンクラベルの製造方法)
本発明の筒状シュリンクラベルの製造方法は、特に限定されないが、例えば、下記の通りである。長尺状の本発明のシュリンクラベルを、所定の幅にスリットして、本発明のシュリンクラベルが長尺方向(長手方向)に複数個連なったラベル長尺体を得る。このラベル長尺体を、熱収縮可能な方向(即ち、熱収縮性フィルムの熱収縮方向)が周方向となるように、他端部が一端部の外側になるように重ね合わせて筒状に形成し、当該重ね合わせた部分を所定幅で帯状にシールして両端部を接合して、長尺筒状のラベル連続体(長尺筒状シュリンクラベル)を得ることができる。この長尺筒状シュリンクラベルを周方向に切断することで、高さ方向に所定の長さを有する1つの筒状シュリンクラベル(本発明の筒状シュリンクラベル)を得ることができる。なお、ラベル切除用のミシン目を設ける場合は、慣用の方法(例えば、周囲に切断部と非切断部とが繰り返し形成された円板状の刃物を押し当てる方法やレーザーを用いる方法等)により施すことができる。ミシン目を施す工程は、本発明の塗工層等の各層を設けた後や、筒状に加工する工程の前後等、適宜選択できる。
[ラベル付き容器]
本発明のシュリンクラベルは、特に限定されないが、容器に装着して、ラベル付き容器として用いられる。なお、本発明のシュリンクラベルは、容器以外の被着体に用いられてもよい。例えば、本発明のシュリンクラベル(特に、筒状シュリンクラベル)を容器の周りに、本発明のシュリンクラベルが筒状となるように配置し、加熱処理により熱収縮させることによって容器に装着することにより、ラベル付き容器(本発明のシュリンクラベルを有するラベル付き容器)が得られる。上記容器には、例えば、PETボトル等のソフトドリンク用ボトル、宅配用牛乳瓶、調味料等の食品用容器、アルコール飲料用ボトル、医薬品容器、洗剤、スプレー等の化学製品の容器、トイレタリー用の容器、カップ麺容器等が含まれる。上記容器の形状としては、特に限定されないが、例えば、円筒状、角形等のボトルタイプや、カップタイプ等の様々な形状が挙げられる。また、上記容器の材質としては、特に限定されないが、例えば、PET等のプラスチック、ガラス、金属等が挙げられる。なお、本発明のシュリンクラベルが装着された容器を、「本発明のラベル付き容器」と称する場合がある。
上記ラベル付き容器は、例えば、筒状シュリンクラベルを、所定の容器に外嵌した後、加熱処理によって筒状シュリンクラベルを熱収縮させ、容器に追従密着させること(シュリンク加工)によって作製できる。上記加熱処理の方法としては、例えば、熱風トンネルやスチームトンネルを通過させる方法、赤外線等の輻射熱で加熱する方法等が挙げられる。特に、80〜100℃のスチームで処理する(スチームおよび湯気が充満した加熱トンネルを通過させる)方法が好ましい。また、101〜140℃のドライスチームを用いることもできる。上記加熱処理は、特に限定されないが、熱収縮性フィルムの温度が85〜100℃(特に、90〜97℃)となる温度範囲で実施することが好ましい。また、加熱処理の処理時間は、生産性、経済性の観点から、4〜20秒が好ましい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、表1に、実施例及び比較例で用いた塗工剤の組成及びシュリンクラベルの評価結果等を示した。
実施例1
(塗工剤)
ウレタン系樹脂溶液(商品名「サンプレン IB−501」、三洋化成工業(株)製)、ポリロタキサン(商品名「セルムスーパーポリマー SH3400P」、アドバンスト・ソフトマテリアルズ(株)製)、及び酢酸エチルを、表1に示す割合で混合し、ミキサーを用いて分散し、塗工剤を得た。
(シュリンクラベル)
ポリエステル(PET)系フィルム(熱収縮性フィルム)(三菱樹脂(株)製、商品名「LX−18S」、厚み:40μm)の片面に、上記で得られた塗工剤を、卓上グラビア印刷機((株)日商グラビア製、商品名「GRAVO PROOF MINI」)を用いて塗布、乾燥固化し、全面にアンカーコート層を形成した。
次いで、上記アンカーコート層の表面に、アルミニウムを真空蒸着させ、全面にアルミニウム蒸着層を形成した。
上記のようにして、PET系フィルム(厚み:40m)/アンカーコート層(厚み:2μm)/アルミニウム蒸着層(厚み:0.06μm)の積層構成を有するシュリンクラベルを得た。
実施例2、3、及び比較例1
表1に示すように塗工剤の組成を変更したこと以外は実施例1と同様にしてシュリンクラベルを作製した。
実施例4
(塗工剤)
UV硬化型接着剤(商品名「CFメジウム」、(株)T&K TOKA製)とポリロタキサン(商品名「セルムスーパーポリマー SH3400P」、アドバンスト・ソフトマテリアルズ(株)製)とを、表1に示す割合で混合し、ミキサーを用いて分散し、塗工剤を得た。
(保護層用印刷インキ)
アクリル系樹脂(商品名「ダイヤナール BR−113」、三菱レイヨン(株)製、不揮発分:100重量%)20重量部及び滑剤1.5重量部を、イソプロピルアルコール38.5重量部、酢酸エチル20重量部、及び酢酸n−プロピル20重量部に混合し、ミキサーを用いて分散して、保護層用印刷インキを得た。
(シュリンクラベル)
ポリエステル(PET)系フィルム(熱収縮性フィルム)(三菱樹脂(株)製、商品名「LX−18S」、厚み:40μm)の片面に、上記で得られた塗工剤を、フレキソ印刷方式にて塗工し、シール部となる部分付近以外の全面に接着剤層(未硬化)を形成した。
次いで、上記接着剤層の表面に、支持体上にアルミニウム蒸着層を有する転写基材のアルミニウム蒸着層側を貼り合わせ、紫外線照射により接着層を硬化させた後、上記支持体を剥離して、シール部となる部分付近以外の全面にアルミニウム蒸着層を形成した。
その後、上記アルミニウム蒸着層の表面に、上記で得られた保護層用印刷インキを、上記卓上グラビア印刷機を用いて塗布、乾燥固化し、シール部となる部分付近以外の全面に保護印刷層を形成した。
上記のようにして、PET系フィルム(厚み:40m)/接着層(厚み:2μm)/アルミニウム蒸着層(厚み:0.025μm)/保護印刷層(厚み:1μm)の積層構成を有するシュリンクラベルを得た。
比較例2
表1に示すように塗工剤の組成を変更したこと以外は実施例4と同様にしてシュリンクラベルを作製した。
実施例5
(塗工剤)
ウレタン系樹脂溶液(商品名「サンプレン IB−501」、三洋化成工業(株)製)、ポリロタキサン(商品名「セルムスーパーポリマー SH3400P」、アドバンスト・ソフトマテリアルズ(株)製)、硬化剤(商品名「ファインラップ WPV 硬化剤」、DICグラフィックス(株)製)、及び酢酸エチルを、表1に示す割合で混合し、ミキサーを用いて分散し、塗工剤を得た。
(シュリンクラベル)
ポリエステル(PET)系フィルム(熱収縮性フィルム)(三菱樹脂(株)製、商品名「LX−18S」、厚み:40μm)の片面に、カルボキシ基を有するポリオレフィン系樹脂をバインダー樹脂として含有するエマルション型のプライマーコート剤(カルボキシ基と反応性を有する成分を含有しない)を、上記卓上グラビア印刷機を用いて塗布、乾燥固化し、シール部となる部分付近以外の全面にプライマー層を形成した。次いで、カルボキシ基を有するポリオレフィン系樹脂をバインダー樹脂として含むトナー粒子を含有するトナーを、写真印刷方式のデジタル印刷機で印刷して、上記プライマー層上にトナー印刷層を形成した。続いて、上記で得られた塗工剤を、上記卓上グラビア印刷機を用いて塗布、乾燥固化し、シール部となる部分付近以外の全面に、上記トナー印刷層を覆うように保護印刷層を形成した。
上記のようにして、PET系フィルム(厚み:40m)/プライマー層(厚み:1μm)/トナー印刷層(厚み:2μm)/保護印刷層(厚み:2μm)の積層構成を有するシュリンクラベルを得た。
実施例6、7、及び比較例3
表1に示すように塗工剤の組成を変更したこと以外は実施例5と同様にしてシュリンクラベルを作製した。
(評価)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルについて、以下の評価を行った。評価結果は表1に示した。なお、表1の「−」は、評価を行わなかったことを示す。
(1)耐剥離性(テープ剥離試験)
碁盤目のクロスカットを入れない以外は、JIS K 5600−5−6に準じて、試験を行った。実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルの、シュリンクフィルム表面とは反対側の表面に、幅18mmの粘着テープ(ニチバン(株)製、商品名「セロテープ(登録商標)」)を貼り付け、この粘着テープを90度方向に剥離した。
粘着テープを貼り付けた表面のうち、5mm(主収縮方向)×5mm(主収縮方向に対して直交方向)の領域において、アルミニウム蒸着層又はトナー印刷層の剥離面積(割合)を目視で観察し、下記の基準で判断した。
耐剥離性が良好(○) : 剥離なし(剥離面積が0%)
耐剥離性が使用可能なレベル(△) : 剥離面積が30%未満
耐剥離性が不良(×) : 剥離面積が30%以上
(2)金属光沢性(輝度)(熱収縮前)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルについて、アルミニウム蒸着層が設けられている部分を、BYK−ガードナー(BYK−Gardner)社製、グロス計「micro−TRI−gloss」を用いて、JIS K 5600−4−7に準拠して、入射角60°/反射角60°の条件で鏡面光沢度(熱収縮前)を測定した。なお、シュリンクフィルム表面を測定面として測定した。そして輝度(熱収縮前)を以下の基準で評価した。
良好(○) : 鏡面光沢度が150以上
不良(×) : 鏡面光沢度が150未満
(3)金属光沢性(輝度)(10%熱収縮後)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルから、150mm(主収縮方向)×100mm(主収縮方向に対して直交方向)の大きさのラベル片を切り出た。上記ラベル片を、該ラベル片の主収縮方向に100mm長さの部分を90mm間隔に固定できる治具に固定した(ラベル片の主収縮方向の両端からそれぞれ25mmの位置を固定し、その間の100mmの長さの部分を90mm間隔としている。熱収縮処理前はたるんだ状態である)。上記治具に固定したラベル片を、90℃の熱水に20秒間程度浸漬させて熱処理し、ラベル片を熱収縮処理前と比較して90%の長さになるように熱収縮させた(主収縮方向に10%熱収縮させた)。このようにして、主収縮方向に10%熱収縮させた測定用サンプルを得た。この測定用サンプルについて、上記「(2)金属光沢性(輝度)(熱収縮前)」と同様にして輝度(10%熱収縮後)を評価した。
(4)インキ割れ試験(スチーム収縮試験)
実施例及び比較例で得られたシュリンクラベルから、252mm(主収縮方向;シュリンクフィルムの幅方向)×110mm(主収縮方向に対して直交方向;シュリンクフィルムの長手方向)の測定用サンプルを採取した。測定用サンプルを、測定用サンプルの主収縮方向(シュリンクフィルムの主収縮方向)が周方向、保護印刷層を設けた側の表面が内側となるように、さらに、図5に示すように一端部の端と他端部側の保護印刷層とが重ならない構造となるように一端部と他端部とを重ね合わせて筒状にし、当該一端部と他端部のシュリンクフィルム同士をTHFで、シール部の幅が3mmとなるようにシールし、筒状シュリンクラベルを得た(周長:245mm)。
上記で得られた筒状シュリンクラベルを、容器(略円柱形状PET製容器、胴部の直径:70mm)に外嵌した後、90℃のスチームトンネルを通過させて筒状シュリンクラベルを熱収縮させ、ラベル付き容器(容器胴部での熱収縮率は10%)を得た。得られたラベル付き容器のラベルの外観(外側)を観察し、トナー印刷層にインキ割れが発生していないかを、目視にて観察した。下記の基準で評価した。
良好(○) : インキ割れは確認できない
不良(×) : インキ割れが確認できる
Figure 2017068101
表1に記載のポリロタキサンの説明を以下に示す。
SH3400P:商品名「セルムスーパーポリマー SH3400P」、アドバンスト・ソフトマテリアルズ(株)製、不揮発分:100重量%
SH2400P:商品名「セルムスーパーポリマー SH2400P」、アドバンスト・ソフトマテリアルズ(株)製、不揮発分:100重量%
SH1310P:商品名「セルムスーパーポリマー SH1310P」、アドバンスト・ソフトマテリアルズ(株)製、不揮発分:100重量%
評価結果からわかるとおり、金属層を有する本発明のシュリンクラベル(実施例1〜4)は、テープ剥離試験において金属層に剥離がなく、また10%熱収縮後においても熱収縮前と同様に輝度が優れており、シュリンクフィルムの熱収縮に対する金属層の追従性が良好であった。一方、アンカーコート層又は接着層がポリロタキサンを含まないシュリンクラベル(比較例1、2)は、10%熱収縮後では熱収縮前よりも輝度が低下しており、シュリンクフィルムの熱収縮に対する金属層の追従性が劣っていた。また、トナー印刷層を有する本発明のシュリンクラベル(実施例5〜7)は、テープ剥離試験においてトナー印刷層に剥離がなく、また10%熱収縮後においてトナー印刷層にインキ割れが発生せず、シュリンクフィルムの熱収縮に対するトナー印刷層の追従性が良好であった。一方、保護印刷層がポリロタキサンを含まないシュリンクラベル(比較例3)は、10%熱収縮後ではトナー印刷層にインキ割れが発生し、シュリンクフィルムの熱収縮に対するトナー印刷層の追従性が劣っていた。
1 本発明のシュリンクラベル
2 ラベル基材
3 意匠印刷層
4 アンカーコート層
5 金属直接蒸着層又は金属化合物蒸着層
6 保護印刷層
7 プライマー層
8 トナー印刷層
9 透明保護印刷層
10 本発明の筒状シュリンクラベル
11 シール部
12 溶剤又は接着剤

Claims (6)

  1. 熱収縮性フィルムを含むラベル基材と、前記ラベル基材の少なくとも一方の面に設けられた金属層又は印刷層である層(A層)と、厚み方向において前記A層の少なくとも一部と重なるように設けられた塗工層とを有し、前記塗工層が、バインダー樹脂及びポリロタキサンを含有することを特徴とするシュリンクラベル。
  2. 前記塗工層が、前記塗工層の総量に対して、ポリロタキサンを0.1〜70重量%含有する請求項1に記載のシュリンクラベル。
  3. 前記A層が前記印刷層であり、前記ラベル基材、前記印刷層、及び保護印刷層をこの順に有し、前記保護印刷層が前記塗工層である請求項1又は2に記載のシュリンクラベル。
  4. 前記A層がトナー印刷層であり、前記トナー印刷層が官能基Aを有する成分を含有し、前記塗工層が前記官能基Aを有する成分と反応性を有する成分として架橋剤を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のシュリンクラベル。
  5. 前記A層が金属層であり、前記ラベル基材、アンカーコート層、及び前記金属層をこの順に有し、前記アンカーコート層が前記塗工層である請求項1又は2に記載のシュリンクラベル。
  6. 前記A層が金属層であり、前記ラベル基材、接着層、及び前記金属層をこの順に有し、前記接着層が前記塗工層である請求項1又は2に記載のシュリンクラベル。
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