JPS6115176Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、建造物の入隅部に形出される入隅用
出窓の構成に関する。

従来の建造物に於ける入隅部は、単に一方の側
壁と他方の側壁とがある角度を以つて互いに突き
合い、その突き合う部分に柱を垂設させた構成に
過ぎなく、入隅部に採光とか通風等を可能とする
窓機構とか、出窓機構は全く採用されていなかつ
た為、最近では南側に面した入隅部などへ入隅部
の屋外側空間部を有効に活用して採光並びに通風
等を可能とする入隅用出窓の開発が要望されてい
た。

本考案は、建造物の入隅部を構成する両側壁へ
架け渡る前面出窓枠を取付けると共に、この前面
出窓枠により仕切られた入隅部に、該入隅部に見
合う大きさで、前面出窓枠から両側壁に亘る天板
と地板とを上下間隔を隔てて対設して、上記要望
に応じた入隅部用出窓を提供することを目的とし
たもので、その一実施例を図面に付き説明すれば
下記の通りである。

図中１は建造物２に於ける入隅部で、互いにあ
る角度で突き合う側壁３，４の内側に形成され
る。Ａは入隅部１を構成する互いに突き合う両側
壁３，４に亘り斜めに取付けられる前面出窓枠
で、角筒状で止着片５を突設させた左右の縦枠材
６，７の上下に上下一対の横枠材８，９を螺子止
めして方形状に枠組みし、且、上記側壁３，４の
中間部に垂設した縦柱１０，１０の屋外側へ縦枠
材６，７の止着片５を一体に釘１１着して、側壁
３，４に対し斜めに取付けられる。尚、この前面
出窓枠Ａは図面第４図乃至第７図に示す様に必要
に応じ外方へ角張らせるか、或いは弧状に彎曲さ
せるか、将又鉤形に屈曲させる場合もあり、その
平面状の形態は特に問わない。１２及び１３は前
面出窓枠Ａにより仕切られた入隅部１に見合う大
きさで、前面窓枠Ａから両側壁３，４に亘る天板
と地板で、一枚の無垢板或いはフラツシユ板によ
り略三角形に形成され、その一端には上下の横枠
材８，９に於ける屋内側のコの字形溝１４，１５
へ挿入固着され、他端は側壁３，４の中間に横架
させた横柱１６，１６へ一体に釘１７着させる。
１８は一端を前面出窓枠Ａに於ける上部の横枠材
８へ、他端を両側壁３，４へ釘１９着さた金属性
の屋根材で、仕切られた入隅部１を覆い得る寸法
とし、且、前方へ傾斜させてある。２０及び２１
は前面出窓枠Ａ内へ建込んだ内外一対の引戸で、
上下両横框２２，２３の左右両端に一対の縦框２
４，２５を取付けて方形の戸框を形成しながら、
その戸框内へガラス２６を嵌めて所定に組立て前
面窓枠Ａへ引違い状に建込む。尚、本考案の前面
出窓枠Ａ内には図示例の引戸２０，２１の外、嵌
殺し窓を形成するガラス２７或いは扉２８，２８
を内装させる場合がある。２９は上記両側壁３，
４の屋外側に装着させた外装材、３０は両側壁
３，４の屋内外に張設した内装材、３１は地板１
３の下部へ対応させた覆板である。

本考案に関する入隅用出窓の一実施例は上記の
様に構成されているから、今実施例に基づいてこ
の入隅用出窓を組立て、建造物２の入隅部１へ設
着させる場合は、先ず前面出窓枠Ａを構成する左
右の縦枠材６，７に上下一対の横枠材８，９を一
体に螺子止めして方形状の前面出窓枠Ａを組立て
て、この前面出窓枠Ａを建造物２に於ける一方の
側壁３と他方の側壁４の夫々の中間に垂設させた
縦柱１０，１０へ斜めに架け渡して取付け、その
内側に平面略三角形に仕切られた入隅部１を形成
し、更にの仕切られた入隅部１の上下に天板１２
と他板１３とを対応させて、天・地両板１２，１
３の一端を前面出窓枠Ａに於ける両横枠材８，９
のコの字形溝１４，１５へ挿入固着し、他端を側
壁３，４の中間に横架させた横柱１６，１６へ一
体に釘１７止めして、出窓を形出さると共に、上
記前面出窓枠Ａへ引戸２０，２１を摺動自在に建
付け、更に又、上部には屋根材１８を取付けて入
隅の内側を利用した入隅用出窓を附設するもので
ある。

又、前面出窓枠Ａの形状が外方へ張出したもの
とか、鉤形に屈曲させたもの、或いは外方へ彎曲
さたもの等を使用する場合も上記と同様に組立て
て入隅部１へ附設させるものである。

上記の様に本考案に関する入隅用出窓は、建造
物の入隅部を構成する互いに突き合う両側壁に亘
る前面出窓枠を入隅部へ取付けると共に、前面出
窓枠により仕切られた入隅部に見合う大きさで、
前面出窓枠から両側壁に亘る天板と地板とを入隅
部へ上下間隔を隔てて対設させたものであるか
ら、之れを附設させたときは、建造物の入隅部に
採光或いは通風等を可能とする出窓が形成される
為、元来互いに突き合う側壁により閉鎖的であつ
た入隅部が出窓として有効に活用出来ると共に、
入隅部に解放感を感得させることも出来るし、
又、前面出窓枠が入隅部を構成する両側壁に亘つ
て架設されるから、その納まり並びに取付強度が
極めて向上する特有の効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に関する入隅用出窓の一実施例を
示すもので、第１図は使用状態の斜視図、第２図
は仝上拡大横断平面図、第３図は第２図に示す
−線の一部切欠縦断側面図、第４図乃至第７図
は他実施例を示す斜視図である。 尚、図中１は入隅部、２は建造物、３，４は側
壁、Ａは前面出窓枠、１２及び１３は天板と地板
である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 建造物に於ける入隅部に沿つて設けられる下記
   要件からなることを特徴とした入隅用出窓。 (イ) 建造物の入隅部を構成する互いに突き合う両
   側壁に亘る前面出窓枠を取付けること。 (ロ) 前面出窓枠により仕切られた入隅部に見合う
   大きさで、前面出窓枠から両側壁に亘る天板と
   地板とを入隅部へ上下間隔を隔てて対設させる
   こと。