JPS6011883Y2 - エレベ−タの非常停止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はエレベータを非常停止させる装置の改良に関
するものである。

エレベータのかご内には運転操作盤を設置し、行先階の
ボタン等を配置している。

この操作盤にはかごの運転を停止させる非常停止ボタン
を設置することが義務付けられている。

しかし、人を主体とした乗用、寝台用エレベータでは、
この非常停止ボタンはキー操作によるスイッチとするか
、又はキーにより袋戸を開いて操作するなど、非常停止
動作の乱用を防ぐ対策が実施されている。

しかし、非常用エレベータでは、消防活動時の非常停止
の緊急性から、この非常停止ボタンを操作盤に露出して
設置しなければならない。

非常用エレベータは、平常時は乗用又は入荷用として使
用されており、非常停止ボタンの乱用防止には何らの対
策も実施していないのが通常である。

従来、非常停止ボタンの乱用を防止するために、非常停
止ボタンが押されるとかご内や管理人室に設置された警
報ベルを鳴らすものがあるが、管理人不在の場合は長時
間ベルが鳴り、近隣に迷惑を及ぼす欠点があった。

この考案は上記欠点を改良するもので、非常停止ボタン
による非常停止を可能とするともに、平常時の乱用を防
止し得るようにしたエレベータの非常停止装置を提供す
ることを目的とする。

以下、図によってこの考案の一実施例を説明する。

図中、＋、−は直流電源、１は操作盤に設置された常閉
接点を持つ非常停止ボタン、２はその出力リレーで、２
ａはその常開接点、２ｂは同じく常閉接点、３は消防活
動時等の非常運転指令により開放する非常時運転リレー
接点、４は付勢されるとかごを平常運転させ消勢される
とそれを非常停止させる非常停止リレー、５は付勢され
るとかごを最寄り階に停止させる最寄り階停止リレーで
ある。

今、非常時（消防活動中）とすれば、非常時運転リレー
接点３は開放している。

このとき、操作盤の非常停止ボタン１が押されると、出
力リレー２は消勢され、接点２ａは開放し、非常停止リ
レー４は消勢され、かごは非常停止する（非常停止の回
路説明は省略する。

）。次に平常時は、非常時運転リレー接点３は閉成して
おり、操作盤の非常停止ボタン１が押されても（＋）−
３−４−（−）の閉回路により非常停止リレー４は付勢
を保ち運転を継続する。

このときは、（＋） −２ｂ−５−（−）の回路により
最寄り階停止リレー５が付勢され、かごは最寄り階に着
床する。

最寄り階停止リレー５は通常のかごの停止を管制するリ
レーで、正規着床を行うものである。

もし、ボタン１により強制的にリレー５を付勢するよう
に構成すれば最寄り階への緊急着床となる（回路の詳細
説明は省略する。

）。すなわち、非常停止ボタン１は非常時にあっては非
常停止を行い、平常時にあっては最寄り階への緊急着床
を行う機能を有する。

非常時における非常停止ボタン１の操作は消防活動上重
要で、かごを直ちに停止させる必要がある。

一方、平常時は非常停止ボタン１を操作する必要はなく
、いたずらや犯罪等に利用される危険性がある。

実施例ではかごの非常停止を避け、最寄り階に停止させ
るようにしである。

かごが最寄り階に停止すれば戸が開くので、上記いたず
らや犯罪等の防止に役立つ。

以上説明したとおりこの考案では、非常停止ボタンを非
常時に操作すればかごを非常停止させ、平常時に操作す
ればかごを最寄り階に停止させるようにしたので、平常
時における非常停止ボタンの乱用によるかご内のいたず
ら、犯罪等を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案によるエレベータの非常停止装置の一実施
例を示す回路図である。 １・・・・・・非常停止ボタン、２・・・・・・同左出
力リレー、３・・・・・・非常時運転リレー接点、４・
・・・・・非常停止リレー ５・・・・・・最寄り階停
止リレー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. かご内に設けられた非常停止ボタン、非常運転指令によ
   り動作する指令接点、この指令接点の動作中上記非常停
   止ボタンが操作されると上記かごを非常停止させる非常
   停止回路、上記指令接点の不動作中上記非常停止ボタン
   が操作されると上記かごを最寄り階に停止させる最寄り
   階停止回路からなるエレベータの非常停止装置。