JPH1161259A - 鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法Info
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- JPH1161259A JPH1161259A JP23547997A JP23547997A JPH1161259A JP H1161259 A JPH1161259 A JP H1161259A JP 23547997 A JP23547997 A JP 23547997A JP 23547997 A JP23547997 A JP 23547997A JP H1161259 A JPH1161259 A JP H1161259A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
Landscapes
- Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
- Soft Magnetic Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 仕上焼鈍後の鉄損が低い無方向性電磁鋼板を
製造する方法を提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.005%以下、Si:4.5%
以下、Mn:0.05〜1.0%、P:0.1%以下、N:0.005%
以下(0を含む)、Al:1.0%以下を含み、S:0.001%
以下(0を含む)で残部が実質的にFeである鋼を、熱間
圧延を施して酸洗した後、窒素分圧が20%以下の雰囲気
ガス中で熱延板焼鈍を施し、引き続き所定の板厚まで冷
間圧延した後、連続焼鈍を施すことを特徴とする鉄損の
低い無方向性電磁鋼板の製造方法。
製造する方法を提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.005%以下、Si:4.5%
以下、Mn:0.05〜1.0%、P:0.1%以下、N:0.005%
以下(0を含む)、Al:1.0%以下を含み、S:0.001%
以下(0を含む)で残部が実質的にFeである鋼を、熱間
圧延を施して酸洗した後、窒素分圧が20%以下の雰囲気
ガス中で熱延板焼鈍を施し、引き続き所定の板厚まで冷
間圧延した後、連続焼鈍を施すことを特徴とする鉄損の
低い無方向性電磁鋼板の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気機器等に使用
される鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法に関する
ものである。
される鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電気機器の省エネルギーの観点よ
り、より鉄損の低い電磁鋼板が求められるようになって
いる。この鉄損を低減するためには結晶粒の粗大化が効
果的であり、低鉄損が特に要求されるSi+Al量が1〜3
%程度の中・高級グレードの無方向性電磁鋼板において
は、仕上焼鈍温度を1000℃程度まで高めたり、焼鈍時の
ラインスピードを下げ、焼鈍時間を長くすることにより
結晶粒の粗大化を図っている。
り、より鉄損の低い電磁鋼板が求められるようになって
いる。この鉄損を低減するためには結晶粒の粗大化が効
果的であり、低鉄損が特に要求されるSi+Al量が1〜3
%程度の中・高級グレードの無方向性電磁鋼板において
は、仕上焼鈍温度を1000℃程度まで高めたり、焼鈍時の
ラインスピードを下げ、焼鈍時間を長くすることにより
結晶粒の粗大化を図っている。
【0003】この仕上焼鈍時の粒成長性を良好にするた
めには、鋼板中の介在物、析出物量を低減することが効
果的である。このため、これまで介在物、析出物を無害
化することが試みられており、特に高級材ではMnSの析
出防止の観点からS量を低減させる試みがなされてき
た。
めには、鋼板中の介在物、析出物量を低減することが効
果的である。このため、これまで介在物、析出物を無害
化することが試みられており、特に高級材ではMnSの析
出防止の観点からS量を低減させる試みがなされてき
た。
【0004】例えば、特公昭56−22931号公報に
は、Si:2.5〜3.5%、Al:0.3〜1.0%の鋼においてS:
50ppm以下、O:25ppm以下とすることにより鉄損を低下
させる技術が開示されている。
は、Si:2.5〜3.5%、Al:0.3〜1.0%の鋼においてS:
50ppm以下、O:25ppm以下とすることにより鉄損を低下
させる技術が開示されている。
【0005】また、特公平2−50190号公報には、
Si:2.5〜3.5%、Al:0.25〜1.0%の鋼においてS:15p
pm以下、O:20ppm以下、N:25ppm以下とすることによ
り鉄損を低下させる技術が開示されている。
Si:2.5〜3.5%、Al:0.25〜1.0%の鋼においてS:15p
pm以下、O:20ppm以下、N:25ppm以下とすることによ
り鉄損を低下させる技術が開示されている。
【0006】さらに特開平5−140647号公報に
は、Si:2.0〜4.0%、Al:0.10〜2.0%の鋼において
S:30ppm以下、Ti、Zr、Nb、Vをそれぞれ50ppm以下と
することにより鉄損を低下させる技術が開示されてい
る。
は、Si:2.0〜4.0%、Al:0.10〜2.0%の鋼において
S:30ppm以下、Ti、Zr、Nb、Vをそれぞれ50ppm以下と
することにより鉄損を低下させる技術が開示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
いずれの技術においても、Si、Al量がトータルで3〜3.
5%程度、S量を10ppm以下とした高級グレードの鋼板の
鉄損値は、W15/50=2.4W/Kg程度(板厚0.5mm)であ
り、これ以上の低鉄損は達成されていないのが現状であ
る。
いずれの技術においても、Si、Al量がトータルで3〜3.
5%程度、S量を10ppm以下とした高級グレードの鋼板の
鉄損値は、W15/50=2.4W/Kg程度(板厚0.5mm)であ
り、これ以上の低鉄損は達成されていないのが現状であ
る。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みなされたも
のであり、仕上焼鈍後の鉄損がさらに低い無方向性電磁
鋼板を製造する方法を提供することを課題とする。
のであり、仕上焼鈍後の鉄損がさらに低い無方向性電磁
鋼板を製造する方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、Sを1
0ppm以下の極微量に制御しても鉄損が下がらないの
は、微量S領域において熱延板焼鈍時に顕著な窒化層が
表面領域に形成されるためであるという新しい知見に基
づき、熱延板焼鈍時の窒素分圧を低減することによって
窒化物の形成を抑制し、鉄損を低下させるものである。
0ppm以下の極微量に制御しても鉄損が下がらないの
は、微量S領域において熱延板焼鈍時に顕著な窒化層が
表面領域に形成されるためであるという新しい知見に基
づき、熱延板焼鈍時の窒素分圧を低減することによって
窒化物の形成を抑制し、鉄損を低下させるものである。
【0010】即ち、前記課題は、重量%で、C:0.005
%以下、P:0.2%以下、N:0.005%以下(0を含
む)、Si:4.5%以下、Mn:0.05〜1.0%、Al:1.0%以
下を含み、S:0.001%(0を含む)以下で残部が実質
的にFeである鋼を、熱間圧延を施して酸洗した後、窒素
分圧が20%以下の雰囲気ガス中で熱延板焼鈍を施し、引
き続き所定の板厚まで冷間圧延した後、連続焼鈍を施す
方法によって解決される。
%以下、P:0.2%以下、N:0.005%以下(0を含
む)、Si:4.5%以下、Mn:0.05〜1.0%、Al:1.0%以
下を含み、S:0.001%(0を含む)以下で残部が実質
的にFeである鋼を、熱間圧延を施して酸洗した後、窒素
分圧が20%以下の雰囲気ガス中で熱延板焼鈍を施し、引
き続き所定の板厚まで冷間圧延した後、連続焼鈍を施す
方法によって解決される。
【0011】ここに、「残部が実質的にFeである」と
は、本発明の特徴を妨げない範囲で他の微量元素を含む
ものが権利範囲に入ることを意味する。なお、以下の説
明において、鋼の組成を示す%は全て重量%を意味し、
ppmも重量ppmを意味する。
は、本発明の特徴を妨げない範囲で他の微量元素を含む
ものが権利範囲に入ることを意味する。なお、以下の説
明において、鋼の組成を示す%は全て重量%を意味し、
ppmも重量ppmを意味する。
【0012】(発明に至る経緯とS量、窒素分圧の限定
理由)以下、本発明に至った経緯について詳細に説明す
る。
理由)以下、本発明に至った経緯について詳細に説明す
る。
【0013】最初に、鉄損に及ぼすSの影響を調査する
ため、C:0.0025%、Si:2.85%、Mn:0.20%、P:0.
01%、Al:0.31%、N:0.0021%とし、S量をtr.〜15p
pmの範囲で変化させた鋼をラボ溶解し、熱延後、酸洗を
行った。引き続きこの熱延板に75%H2−25%N2雰囲気
で830℃×3hrの熱延板焼鈍を施し、その後、板厚0.5mm
まで冷間圧延し、25%H2−75%N2雰囲気で900℃×1m
in間の仕上焼鈍を行った。
ため、C:0.0025%、Si:2.85%、Mn:0.20%、P:0.
01%、Al:0.31%、N:0.0021%とし、S量をtr.〜15p
pmの範囲で変化させた鋼をラボ溶解し、熱延後、酸洗を
行った。引き続きこの熱延板に75%H2−25%N2雰囲気
で830℃×3hrの熱延板焼鈍を施し、その後、板厚0.5mm
まで冷間圧延し、25%H2−75%N2雰囲気で900℃×1m
in間の仕上焼鈍を行った。
【0014】図1に、このようにして得られたサンプル
のS量と鉄損W15/50の関係を示す(×印)。ここで、
磁気測定は25cmエプスタイン法により行った。
のS量と鉄損W15/50の関係を示す(×印)。ここで、
磁気測定は25cmエプスタイン法により行った。
【0015】図1より、Sを10ppm以下とした場合に大
幅な鉄損低減が達成されることがわかる。これは、S量
低減により粒成長性が向上したためである。以上のこと
より、本発明においては、Sは10ppm以下とし、より望
ましくは5ppm以下とする。
幅な鉄損低減が達成されることがわかる。これは、S量
低減により粒成長性が向上したためである。以上のこと
より、本発明においては、Sは10ppm以下とし、より望
ましくは5ppm以下とする。
【0016】しかしながら、Sを10ppm以下とすると、
鉄損の低減は緩やかとなり、Sをtrとしても鉄損を2.4
W/Kg以下にすることができない。
鉄損の低減は緩やかとなり、Sをtrとしても鉄損を2.4
W/Kg以下にすることができない。
【0017】本発明者らは、Sを10ppm以下の極低S材
において鉄損の低減が阻害されるのは、MnS以外の未知
の要因によるものでないかと考え、仕上げ焼鈍後のサン
プルについて光学顕微鏡にて組織観察を行った。その結
果、S>10ppmの領域では窒化層は軽微であるのに対
し、S≦10ppmの領域では顕著な窒化層が認められた。
において鉄損の低減が阻害されるのは、MnS以外の未知
の要因によるものでないかと考え、仕上げ焼鈍後のサン
プルについて光学顕微鏡にて組織観察を行った。その結
果、S>10ppmの領域では窒化層は軽微であるのに対
し、S≦10ppmの領域では顕著な窒化層が認められた。
【0018】なお、S量低減に伴う窒化反応促進の機構
は充分に解明されていないが、本発明者は以下のように
考えている。すなわち、Sは表面および粒界に濃化しや
すく、その拡散速度が比較的早いことから、 熱延板焼
鈍の初期過程で表面に偏析する。その結果、熱延板焼鈍
の窒素分圧が高い場合も、表面に偏析したSが窒素吸着
反応のバリヤーになる。 窒素吸着反応のバリヤーにな
るためのSの下限値は、原理的には表面を被覆すること
ができるだけの極めて微量な量で充分であり、実験的に
見出された、S>10ppmの領域がこれに対応する。一
方、S≦10ppmの領域ではSによる窒素吸着の抑制効果
が低下し、S>10ppmの領域に比べて窒化が生じやすい
ものと考えられる。
は充分に解明されていないが、本発明者は以下のように
考えている。すなわち、Sは表面および粒界に濃化しや
すく、その拡散速度が比較的早いことから、 熱延板焼
鈍の初期過程で表面に偏析する。その結果、熱延板焼鈍
の窒素分圧が高い場合も、表面に偏析したSが窒素吸着
反応のバリヤーになる。 窒素吸着反応のバリヤーにな
るためのSの下限値は、原理的には表面を被覆すること
ができるだけの極めて微量な量で充分であり、実験的に
見出された、S>10ppmの領域がこれに対応する。一
方、S≦10ppmの領域ではSによる窒素吸着の抑制効果
が低下し、S>10ppmの領域に比べて窒化が生じやすい
ものと考えられる。
【0019】本発明者らは、この表層部の窒化層は、主
として熱延板焼鈍時に形成され、仕上げ焼鈍時に結晶粒
の成長を妨げ鉄損低下を抑制するのではないかと考え
た。このような考えのもとに、熱延板焼鈍時の窒素の吸
着を抑制するため熱延板焼鈍時のガス雰囲気に注目して
様々な検討を加えた結果、熱延板焼鈍時の窒素分圧を20
%以下にすることによって仕上げ焼鈍後の鉄損が著しく
改善されることを見出した。
として熱延板焼鈍時に形成され、仕上げ焼鈍時に結晶粒
の成長を妨げ鉄損低下を抑制するのではないかと考え
た。このような考えのもとに、熱延板焼鈍時の窒素の吸
着を抑制するため熱延板焼鈍時のガス雰囲気に注目して
様々な検討を加えた結果、熱延板焼鈍時の窒素分圧を20
%以下にすることによって仕上げ焼鈍後の鉄損が著しく
改善されることを見出した。
【0020】図1に、図1中の×印で示したデータを得
たものと同じサンプルに、95%水素中で熱延板焼鈍を施
した結果を○印で示す。Sが10ppmを超える領域では鉄
損は殆ど変化しないが、S≦10ppmでは約0.15W/Kg程
度低下しており、微量Sの場合に鉄損改善の効果が顕著
に認められた。また、これらのサンプルを光学顕微鏡に
よって組織観察したところ、窒化層が殆ど認められなか
った。すなわちこの場合は、熱延板焼鈍時の窒化が軽微
なため、仕上げ焼鈍時の結晶粒の成長が妨げられず鉄損
が低下したものと考えられる。
たものと同じサンプルに、95%水素中で熱延板焼鈍を施
した結果を○印で示す。Sが10ppmを超える領域では鉄
損は殆ど変化しないが、S≦10ppmでは約0.15W/Kg程
度低下しており、微量Sの場合に鉄損改善の効果が顕著
に認められた。また、これらのサンプルを光学顕微鏡に
よって組織観察したところ、窒化層が殆ど認められなか
った。すなわちこの場合は、熱延板焼鈍時の窒化が軽微
なため、仕上げ焼鈍時の結晶粒の成長が妨げられず鉄損
が低下したものと考えられる。
【0021】次に、熱延板焼鈍時の窒素分圧と仕上げ焼
鈍時の鉄損の関係を調査するため、C:0.0028%、Si:
2.65%、Mn:0.20%、P:0.02%、Al:0.30%、S:0.
0006%,N:0.0019%とした鋼をラボ溶解し、熱延後、
酸洗を行った。引き続きこの熱延板に、窒素分圧が0−
50%で残部が水素からなる雰囲気ガス中で、830℃×3h
rの熱延板焼鈍を施し、その後、板厚0.5mmまで冷間圧延
し、25%H2-75%N2雰囲気で900℃×1min間の仕上焼
鈍を行った。
鈍時の鉄損の関係を調査するため、C:0.0028%、Si:
2.65%、Mn:0.20%、P:0.02%、Al:0.30%、S:0.
0006%,N:0.0019%とした鋼をラボ溶解し、熱延後、
酸洗を行った。引き続きこの熱延板に、窒素分圧が0−
50%で残部が水素からなる雰囲気ガス中で、830℃×3h
rの熱延板焼鈍を施し、その後、板厚0.5mmまで冷間圧延
し、25%H2-75%N2雰囲気で900℃×1min間の仕上焼
鈍を行った。
【0022】図2に、熱延板焼鈍時の窒素分圧と仕上焼
鈍後の鉄損の関係を示す。図2により、窒素分圧低減に
より鉄損が低下し、窒素分圧が20%になるまで急激に低
下することがわかる。特に窒素分圧が10%以下で0.15W
/Kg程度の顕著な改善効果が認められた。
鈍後の鉄損の関係を示す。図2により、窒素分圧低減に
より鉄損が低下し、窒素分圧が20%になるまで急激に低
下することがわかる。特に窒素分圧が10%以下で0.15W
/Kg程度の顕著な改善効果が認められた。
【0023】これは、窒素分圧が低下すると、熱延板の
窒化に寄与するフリー窒素量が低下するためと考えられ
る。実際、これらの仕上げ焼鈍材の組織を観察すると、
雰囲気ガス中の窒素量が20%以下では鋼板表面の窒化層
が減少し、10%以下の分圧となると光学顕微鏡では殆ど
確認できない程度となる。
窒化に寄与するフリー窒素量が低下するためと考えられ
る。実際、これらの仕上げ焼鈍材の組織を観察すると、
雰囲気ガス中の窒素量が20%以下では鋼板表面の窒化層
が減少し、10%以下の分圧となると光学顕微鏡では殆ど
確認できない程度となる。
【0024】以上のことより本発明においては、熱延板
焼鈍時の窒素分圧は20%以下、望ましくは10%以下とす
る。なお、雰囲気ガスの残部は鋼板表面が酸化しないも
のであればよく、例えば水素ガスやアルゴン、ヘリウム
等の不活性ガスでよい。
焼鈍時の窒素分圧は20%以下、望ましくは10%以下とす
る。なお、雰囲気ガスの残部は鋼板表面が酸化しないも
のであればよく、例えば水素ガスやアルゴン、ヘリウム
等の不活性ガスでよい。
【0025】(その他の成分の限定理由)次に、その他
の成分の限定理由について説明する。 C: Cは磁気時効の問題があるため0.005%以下とす
る。 Si: Siは鋼板の固有抵抗を上げるために有効な元素
であるが、4.5%を超えると飽和磁束密度の低下に伴い
磁束密度が低下するため上限を4.5%とする。 Mn: Mnは熱間圧延時の赤熱脆性を防止するために、
0.05%以上必要であるが、1.0%以上になると磁束密度
を低下させるので0.05〜1.0%とする。 P: Pは鋼板の打ち抜き性を改善するために必要な元
素であるが、0.1%を超えて添加すると鋼板が脆化する
ため0.1%以下とする。 N: Nは、含有量が多い場合にはAlNの析出量が多く
なり、鉄損を増大させるため0.005%以下とする。 Al: AlはSiと同様、固有抵抗を上げるために有効な
元素であるが、1.0%を超えると飽和磁束密度の低下に
伴い磁束密度が低下するため上限を1.0%とする。ま
た、0.1%未満の場合にはAlNが微細化し粒成長性が低
下するため下限を0.1%とする。
の成分の限定理由について説明する。 C: Cは磁気時効の問題があるため0.005%以下とす
る。 Si: Siは鋼板の固有抵抗を上げるために有効な元素
であるが、4.5%を超えると飽和磁束密度の低下に伴い
磁束密度が低下するため上限を4.5%とする。 Mn: Mnは熱間圧延時の赤熱脆性を防止するために、
0.05%以上必要であるが、1.0%以上になると磁束密度
を低下させるので0.05〜1.0%とする。 P: Pは鋼板の打ち抜き性を改善するために必要な元
素であるが、0.1%を超えて添加すると鋼板が脆化する
ため0.1%以下とする。 N: Nは、含有量が多い場合にはAlNの析出量が多く
なり、鉄損を増大させるため0.005%以下とする。 Al: AlはSiと同様、固有抵抗を上げるために有効な
元素であるが、1.0%を超えると飽和磁束密度の低下に
伴い磁束密度が低下するため上限を1.0%とする。ま
た、0.1%未満の場合にはAlNが微細化し粒成長性が低
下するため下限を0.1%とする。
【0026】
【実施例】表1に示す鋼を用い、転炉で吹練した後に脱
ガス処理を行うことにより所定の成分に調整後鋳造し、
スラブを1200℃で1hr加熱した後、板厚2.0mmまで熱間
圧延を行った。熱延仕上げ温度は800℃とした。巻取り
温度は550℃とし、表1に示す条件で熱延板焼鈍を施し
た。次にこの熱延板を酸洗し、その後、板厚0.5mmまで
冷間圧延を行い、表1に示す仕上焼鈍条件で焼鈍を行っ
た。
ガス処理を行うことにより所定の成分に調整後鋳造し、
スラブを1200℃で1hr加熱した後、板厚2.0mmまで熱間
圧延を行った。熱延仕上げ温度は800℃とした。巻取り
温度は550℃とし、表1に示す条件で熱延板焼鈍を施し
た。次にこの熱延板を酸洗し、その後、板厚0.5mmまで
冷間圧延を行い、表1に示す仕上焼鈍条件で焼鈍を行っ
た。
【0027】磁気測定は25cmエプスタイン試験片を用い
て行った。各鋼板の仕上焼鈍後の磁気特性を表1に併せ
て示す。
て行った。各鋼板の仕上焼鈍後の磁気特性を表1に併せ
て示す。
【0028】
【表1】
【0029】これより、Sの含有量と熱延板焼鈍条件を
本発明の範囲に制御した場合に、仕上焼鈍後の鉄損の非
常に低い鋼板が得られることがわかる。
本発明の範囲に制御した場合に、仕上焼鈍後の鉄損の非
常に低い鋼板が得られることがわかる。
【0030】これに対し、No.6とNo.14の鋼板は、熱
延板焼鈍雰囲気の窒素分圧が本発明の範囲を外れている
ので、本発明法により製造された鋼板に比して鉄損が高
くなっている。また、No.7とNo.15の鋼板は、Sの範
囲が本発明の範囲を外れているので、本発明法により製
造された鋼板に比して鉄損が高くなっている。
延板焼鈍雰囲気の窒素分圧が本発明の範囲を外れている
ので、本発明法により製造された鋼板に比して鉄損が高
くなっている。また、No.7とNo.15の鋼板は、Sの範
囲が本発明の範囲を外れているので、本発明法により製
造された鋼板に比して鉄損が高くなっている。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、重量%で、C:0.005%以下、Si:4.5%以下、Mn:
0.05〜1.0%、P:0.1%以下、N:0.005%以下(0を
含む)、Al:1.0%以下を含み、S:0.001%以下(0を
含む)で残部が実質的にFeである鋼を、熱間圧延を施し
て酸洗した後、窒素分圧が20%以下の雰囲気ガス中で熱
延板焼鈍を施し、引き続き所定の板厚まで冷間圧延した
後、連続焼鈍を施しているので、磁性焼鈍後の鉄損の低
い鋼板を得ることができる。この鋼板は、電気材料等の
鉄損の低い性質が要求される用途に広く使用するのに好
適である。
は、重量%で、C:0.005%以下、Si:4.5%以下、Mn:
0.05〜1.0%、P:0.1%以下、N:0.005%以下(0を
含む)、Al:1.0%以下を含み、S:0.001%以下(0を
含む)で残部が実質的にFeである鋼を、熱間圧延を施し
て酸洗した後、窒素分圧が20%以下の雰囲気ガス中で熱
延板焼鈍を施し、引き続き所定の板厚まで冷間圧延した
後、連続焼鈍を施しているので、磁性焼鈍後の鉄損の低
い鋼板を得ることができる。この鋼板は、電気材料等の
鉄損の低い性質が要求される用途に広く使用するのに好
適である。
【図1】S量と仕上げ焼鈍後の磁気特性(鉄損)との関
係を示す図である。
係を示す図である。
【図2】熱延板焼鈍雰囲気ガス中の窒素分圧と仕上げ焼
鈍後の磁気特性(鉄損)との関係を示す図である。
鈍後の磁気特性(鉄損)との関係を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.005%以下、Si:4.5%
以下、Mn:0.05〜1.0%、P:0.1%以下、N:0.005%
以下(0を含む)、Al:1.0%以下を含み、S:0.001%
以下(0を含む)で残部が実質的にFeである鋼を、熱間
圧延を施して酸洗した後、窒素分圧が20%以下の雰囲気
ガス中で熱延板焼鈍を施し、引き続き所定の板厚まで冷
間圧延した後、連続焼鈍を施すことを特徴とする鉄損の
低い無方向性電磁鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23547997A JPH1161259A (ja) | 1997-08-18 | 1997-08-18 | 鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23547997A JPH1161259A (ja) | 1997-08-18 | 1997-08-18 | 鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1161259A true JPH1161259A (ja) | 1999-03-05 |
Family
ID=16986684
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP23547997A Pending JPH1161259A (ja) | 1997-08-18 | 1997-08-18 | 鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH1161259A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101110249B1 (ko) * | 2004-10-19 | 2012-03-13 | 주식회사 포스코 | 철손 특성이 우수한 무방향성 전기강판의 제조방법 |
-
1997
- 1997-08-18 JP JP23547997A patent/JPH1161259A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101110249B1 (ko) * | 2004-10-19 | 2012-03-13 | 주식회사 포스코 | 철손 특성이 우수한 무방향성 전기강판의 제조방법 |
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