JP2000256751A - 鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法

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JP2000256751A
JP2000256751A JP5536399A JP5536399A JP2000256751A JP 2000256751 A JP2000256751 A JP 2000256751A JP 5536399 A JP5536399 A JP 5536399A JP 5536399 A JP5536399 A JP 5536399A JP 2000256751 A JP2000256751 A JP 2000256751A
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hot
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steel sheet
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Yoshihiko Oda
善彦 尾田
Yasushi Tanaka
靖 田中
Nobuo Yamagami
伸夫 山上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄損の低い電磁鋼板を低コストで製造する方
法を提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.005%以下、Si:4.0%
以下、Mn:0.05〜1.0%、P:0.1%以下、N:0.005%
以下(0を含む)、S:0.0009%以下(0を含む)、A
l:1.0%以下、SbとSnの少なくとも一方を、Sb+Sn/2で
0.001〜0.05%含有し、残部が実質的にFeよりなる鋼
を、熱間圧延、熱延板焼鈍、冷間圧延を経て仕上焼鈍を
施すことにより無方向性電磁鋼板を製造するに際し、前
記熱延板焼鈍を、焼鈍温度を800〜1000℃とし、露点が
−20℃以上20℃以下で窒素分圧20%以上の水素窒素混合
雰囲気中で行うことを特徴とする鉄損の低い無方向電磁
鋼板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気機器等に使用
される鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電気機器の省エネルギーや小型化
といった観点より、磁束密度が高く鉄損の低い電磁鋼板
が求められている。電磁鋼板は積層して用いられるた
め、その表面性状の管理が重要であり、このような観点
から、 Si+Al量が1〜3%程度の中・高級グレードの無
方向性電磁鋼板においては熱延板焼鈍を施すことが一般
的となっている。この熱延板焼鈍時の雰囲気は、100%
2とすることも可能であるが、大幅なコストアップを
招くため、25%N2-75%H2雰囲気、さらには合理化の
観点から50%N2-50%N2雰囲気での焼鈍が行われるよ
うになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな窒素を含有する雰囲気にて熱延板焼鈍を施した中・
高級グレード材においては、仕上げ焼鈍板において表層
窒化が認められ、このために、充分な低鉄損化が図られ
ていないのが現状である。
【0004】本発明はこのような問題点を解決するため
になされたものであり、鉄損の低い電磁鋼板を低コスト
で製造する方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、鋼中の
S含有量を所定値以下にすると共に、Sb、Snを添加し、
さらに水素窒素混合雰囲気にて行われる熱延板焼鈍時の
露点を制御することにより、熱延板焼鈍時に発生する鋼
板表層部の窒化を抑制し、これにより、鉄損を低減させ
ることである。
【0006】すなわち、前記課題は、重量%で、C:0.
005%以下、Si:4.0%以下、Mn:0.05〜1.0%、P:0.1
%以下、N:0.005%以下(0を含む)、S:0.0009%
以下(0を含む)、Al:1.0%以下、SbとSnの少なくと
も一方を、Sb+Sn/2で0.001〜0.05%含有し、残部が実質
的にFeよりなる鋼を、熱間圧延、熱延板焼鈍、冷間圧延
を経て仕上焼鈍を施すことにより無方向性電磁鋼板を製
造するに際し、前記熱延板焼鈍を、焼鈍温度を800〜100
0℃とし、露点が−20℃以上20℃以下で窒素分圧20%以
上の水素窒素混合雰囲気中で行うことを特徴とする鉄損
の低い無方向電磁鋼板の製造方法(請求項1)により解
決される。
【0007】ここに、「残部が実質的にFeである」と
は、本発明の作用効果をなくさない限り、不可避不純物
をはじめ他の微量元素を含むものが権利範囲に入ること
を意味する。なお、表を含む以下の説明において、鋼の
組成を示す%は全て重量%を意味し、ppmも重量ppmを意
味する。
【0008】(発明に至る経緯とS含有量、熱延板焼鈍
条件、Sb・Sn含有量の限定理由)本発明の内容を実験結
果に基づいて説明する。最初に、鉄損に及ぼすS量の影
響を調査するため、C:0.0015%、Si:2.85%、Mn:0.
20%、S:1〜16ppm、P:0.01%、Al:0.35%、N:
0.0017%を含有する鋼を実験室にて真空溶解し、熱延
後、酸洗を行った。引き続きこの熱延板に露点−40℃、
50%H2−50%N2雰囲気中で850℃×3hrの熱延板焼鈍
を施した。その後、板厚0.35mmまで冷間圧延し、25%H
2−75%N2雰囲気中で900℃×1min間の仕上焼鈍を行っ
た。
【0009】図1に、このようにして得られたサンプル
の鉄損W18/50の関係を×印で示す。ここで、磁束密度
1.8Tの鉄損で評価を行った理由は、近年、高効率モー
タ小型化、高トルク化の観点から1.8T程度の高磁場域
でモータが駆動されるようになっているためである。な
お、磁気測定は25cmエプスタイン法により行った。
【0010】従来の常識からは、S=10ppm以下ではMn
S低減による粒成長性の向上により、鉄損は大幅に低下
することが予想されたが、本実験の結果、図1に示すよ
うに、鉄損低下割合は小さいことが分かった。
【0011】本発明者らは、Sを10ppm以下とした場合
に鉄損の低減割合が小さいのは、何らかの組織的要因に
よるものでないかと考え、仕上げ焼鈍後のサンプルにつ
いて光学顕微鏡にて組織観察を行った。その結果、S≧
10ppmの領域では窒化層は軽微であるのに対し、S<10p
pmの領域では顕著な窒化層が認められ、さらに本窒化層
が熱延板焼鈍時に主に生じていることも判明した。
【0012】上記、S低減に伴う窒化反応促進の原因に
関しては次のように考えられる。すなわち、Sは表面お
よび粒界に濃化しやすい元素であることから、S≧10pp
mの領域では、Sが鋼板表面へ濃化し、熱延板焼鈍時の
窒素吸着を抑制しており、一方、S<10ppmの領域では
Sによる窒素吸着の抑制効果が低下したためと考えられ
る。
【0013】ここで熱延板焼鈍時の窒化を抑制するため
には焼鈍雰囲気を真空もしくは100%H2とすることが効
果的であるが、いずれも大幅なコストアップは避けられ
ない。そこで、本発明者らは25〜50%程度の窒素分圧下
においても良好な特性を達成すべく検討を行った。
【0014】図1に、前記×印で示したサンプルの成分
に40ppmのSbを添加したサンプルについて同一の条件で
試験をした結果を△印で示す。図1において、各△印に
対応する点のS量は、左から順に、1ppm、3ppm、5.5p
pm、7.2ppm、9ppm、10.7ppm、12.6ppm、14.8ppmであ
る。Sbの鉄損低減効果に着目すると、S>10ppmの領域で
は、Sb添加により鉄損は0.1W/kg程度しか低下しない
が、S<10ppmの領域では、鉄損の臨界的な低下が認めら
れ始め、S=9ppmでほぼ臨界的効果が飽和することが
わかる。この間の鉄損の低下は、0.6W/kg程度に達す
る。以上のことから本発明ではSを9ppm以下に限定す
る。
【0015】次に、本発明者らはSを9ppm以下とし、S
b添加を行った材料の更なる鉄損低減の可能性について
検討するため、本材料の組織観察を行った。その結果、
Sbフリー鋼に比べ表層窒化は若干軽微となっているもの
の、完全に窒化を抑制するまでには至らないことが判明
した。本発明者らはこれまで極低S材へのSb添加が効果
的であることを見いだしているが、この窒化抑制効果を
得るためには窒素含有雰囲気での焼鈍前にSbを鋼板表面
に偏析させることが重要と考えている。しかし、本実験
のように熱延板焼鈍前に酸洗を行うプロセスにおいて
は、巻取り時に表面偏析したSbが酸洗除去されるため、
熱延板焼鈍時の窒化抑制を完全に行うことは困難であ
る。
【0016】ところで、熱延板焼鈍前に酸洗を行わない
と、表層に存在するスケールが熱延板焼鈍時の窒化を促
進するため、大幅に鉄損が増大することとなる。このた
め、熱延→酸洗→熱延板焼鈍の順で行われるプロセスを
前提として、鉄損低減手法について検討を進めた。
【0017】検討の結果、本発明者らは窒化層が形成さ
れる前に酸化膜を形成させれば、酸化被膜が熱延板焼鈍
時の窒化形成のバリアになるのではないかと考え、熱延
板焼鈍時に積極的に酸化膜を形成させるような高露点で
焼鈍を行うことの有効性に関する実験を行った。
【0018】まず最初に、C:0.0026%、Si:2.70%、
Mn:0.20%、P:0.020%、Al:0.30%、S:0.0004
%、N:0.0020%、Sb:40ppmを含有する鋼を実験室に
て真空溶解し、熱延後、酸洗を行った。引き続きこの熱
延板に、露点0℃、窒素分圧を50%(残部水素)とした雰
囲気中で、830℃×3hrの熱延板焼鈍を施した。その
後、板厚0.35mmまで冷間圧延し、25%H2-75%N2雰囲
気で、900℃×1min間の仕上焼鈍を行った。
【0019】結果を図1に○で示す。各○印に対応する
点のS量は、左から順に、1ppm、3.5ppm、5.5ppm、7p
pm、9ppm、11ppm、13.3ppm、14.9ppmである。これよ
り、露点を0℃とすると、露点が−40℃の場合と比べて
鉄損が大幅に低下することが判明した。この際の熱延板
焼鈍後の組織を詳細に観察すると、露点−40℃の材料に
比べ露点0℃の材料では表層窒化層の程度が大幅に軽減
されていることが明らかとなった。
【0020】さらに露点の適性範囲を検討するため、
C:0.0026%、Si:2.75%、Mn:0.20%、P:0.010
%、Al:0.30%、S:0.0004%、N:0.0020%とし、S
b:40ppmとした鋼を実験室にて真空溶解し、熱延後、酸
洗し、窒素分圧を50%(残部水素)とした雰囲気中で、露
点を約−40℃から約+30℃まで変化させて850℃×3hr
の熱延板焼鈍を行った後、板厚0.35mmまで冷間圧延し、
25%H2−75%N2雰囲気で900℃×1min間の仕上焼鈍を
行い、鉄損の評価を行った。
【0021】その結果を図2に示す。図2において、各
データに対応する点の露点は、左から、-42℃、-37℃、
-26℃、-20℃、4℃、23℃、35℃である。これより、露
点が−25℃を超えると、鉄損が臨界的に低下し始め、−
20℃において、臨界性は飽和することが分かる。この際
の鉄損の低下は、0.4W/kgに達している。
【0022】ただし、露点が+20℃をこえると、磁気特
性上は問題がないものの、鋼板表面に酸化物が多く形成
され、ピックアップとよばれる表面性状の不良の要因と
なり易い。以上を勘案して、本発明においては、熱延板
焼鈍時の露点は−20℃以上20℃以下とする。また、熱延
板焼鈍時の窒素分圧が20%未満では、焼鈍時の大幅なコ
ストアップとなるため、窒素分圧を20%以上とする。
【0023】さらに、熱延板焼鈍温度が800℃未満では
磁束密度が低下するため、下限を800℃とする。一方、1
000℃を超えた場合には熱延板結晶粒径が粗大化し、冷
圧時に板破断が生じやすくなるため上限を1000℃とす
る。
【0024】次にSbの最適添加量を調査するため、C:
0.0026%、Si:2.75%、Mn:0.20%、P:0.010%、A
l:0.30%、S:0.0004%、N:0.0020%としSb量をtr.
〜600ppmの範囲で変化させた鋼を実験室にて真空溶解
し、熱延後、酸洗し、熱延板焼鈍をおこなった。ここで
熱延板焼鈍条件は、焼鈍雰囲気:50%H2-50%N2、温
度:850℃×3hrとした。その後、板厚0.35mmまで冷間
圧延を行い、25%H2-75%N2雰囲気にて900℃×1min
の仕上焼鈍を行った。図3に、Sb量と鉄損W18/50の関
係を示す。図3にて○印に対応する点のSb量はは、左か
ら、0ppm、5ppm、10ppm、28ppm、45ppm、60ppm、84pp
m、96ppm、200ppm、430ppm、600ppmである。
【0025】図3より、Sb量が5ppmを超えると鉄損が
臨界的に低下し始め、10ppmで臨界的変化が飽和してい
ることが分かる。ここで、Sbフリー材で鉄損が高い原因
は以下のように考えられる。すなわち、Sbフリー材にお
いても高露点の熱延板焼鈍により、熱延板焼鈍時の窒化
は効果的に防止できる。しかし、この熱延板焼鈍時に形
成された酸化膜は冷圧時に欠落もしくはひび割れの発生
等により鋼板表面を完全に覆うことはできなくなる。こ
のため、仕上げ焼鈍時の窒化抑制に対しては効果的でな
い。このため、Sbフリー鋼では仕上焼鈍時に表層窒化が
生じ鉄損が増大することとなる。
【0026】これに対し、Sb添加鋼では熱延板焼鈍時の
高露点焼鈍により熱延板焼鈍時の窒化が効果的に抑制さ
れ、さらに仕上焼鈍時の窒化を、熱延板焼鈍時に表面偏
析したSbが効果的に抑制することから低鉄損材を得るこ
とが可能となる。以上のように、本発明は単なる熱延板
高露点焼鈍からは予想できない低鉄損材の製造を低コス
トで可能とするものである。
【0027】図3より、Sbをさらに添加し、Sb>50ppm
となった場合には、鉄損は再び増大することもわかる。
このSb>50ppmの領域での鉄損増大原因を調査するた
め、光学顕微鏡による組織観察を行った。その結果、表
層細粒組織は認められなかったものの、平均結晶粒径が
若干小さくなっていた。この原因は明確ではないが、Sb
が粒界に偏析しやすい元素であるため、Sbの粒界ドラッ
グ効果により粒成長性が低下したものと考えられる。
【0028】但し、Sbを600ppmまで添加してもSbフリー
鋼と比べると鉄損は良好である。以上のことより、本発
明においては、Sb含有量はは10ppm以上とし、コストの
問題から上限を500ppmとする。また鉄損の観点より、10
ppm以上、50ppm以下とすることが望ましい。
【0029】以上の鉄損低減効果はSbと同様な表面偏析
型元素であるSnを20ppm以上添加した場合にも認めら
れ、100ppm以上の添加で鉄損が若干増大した。このこと
よりm本発明においては、Sn含有量は20ppm以上とし、
コストの問題から上限を1000ppmとする。また鉄損の観
点より、20ppm以上、100ppm以下とすることが望まし
い。
【0030】さらに、SbとSnを複合添加した場合にもSb
+Sn/2で10ppm以上添加した場合に鉄損が低下し、Sb+Sn/
2で50ppm以上添加した場合に若干の鉄損増大が認められ
た。このことよりSbとSnを複合添加した場合にはSb+Sn/
2で10ppm以上とし、コストの問題から上限を500ppmとす
る。また鉄損の観点より、10ppm以上、50ppm以下とする
ことが望ましい。
【0031】(その他の成分の限定理由)次に、成分の
限定理由について説明する。 C: Cは磁気時効の問題があるため0.005%以下とす
る。 Si: Siは鋼板の固有抵抗を上げるために有効な元素で
あるが、4.0%を超えると飽和磁束密度の低下に伴い磁
束密度が低下するため上限を4.0%とする。 Mn: Mnは熱間圧延時の赤熱脆性を防止するために、0.
05%以上必要であるが、1.0%以上になると磁束密度を
低下させるので0.05〜1.0%とする。 P: Pは鋼板の打ち抜き性を改善するために必要な元
素であるが、0.1%を超えて含有させると鋼板が脆化す
るため0.1%以下とする。 N: Nは、含有量が多い場合にはAlNの析出量が多く
なり、AlNが粗大となった場合においても粒成長性が低
下し鉄損を増大させるため0.005%以下とする。 Al: Alは微量に添加すると微細なAlNを生成し磁気特
性を劣化させるものの、1.0%以上になると磁束密度を
低下させるため上限は1.0%以下とする。
【0032】(製造方法)本発明においては、熱延板焼
鈍以外の製造プロセスは通常の無方向性電磁鋼板を製造
する方法でかまわない。すなわち、転炉で吹練した溶鋼
を脱ガス処理し所定の成分に調整し、引き続き鋳造、熱
間圧延を行う。熱間圧延時の仕上焼鈍温度、巻取り温度
は特に規定する必要はなく、通常、無方向性電磁鋼板を
製造するときに適用される温度範囲でかまわない。ま
た、熱延後の熱延板焼鈍後、1回の冷間圧延、もしくは
中間焼鈍をはさんだ2回以上の冷間圧延により所定の板
厚とした後に、最終焼鈍を行う。
【0033】
【実施例】表1に示す鋼を用い、転炉で吹練した後に脱
ガス処理を行うことにより所定の成分に調整後鋳造し、
スラブを1160℃で1hr加熱した後、板厚2.0mmまで熱間
圧延を行った。熱延仕上げ温度は800℃、巻取り温度は6
10℃とし、酸洗後、表2に示す条件で熱延板焼鈍を施し
た。その後、板厚0.35mmまで冷間圧延を行い、表2に示
す仕上焼鈍条件で焼鈍を行った。表1と表2のNo.は対
応しており、表1のNo.に対応する鋼に、表2における
同じNo.の熱延板焼鈍等を行い、結果を得たことを示す
ものである。
【0034】磁気測定は25cmエプスタイン試験片を用い
て行った。各鋼板の磁気特性を表1に併せて示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】これより、鋼の成分を本発明の範囲とし、
熱延板焼鈍の雰囲気を本発明の範囲に制御したNo.1〜N
o.15の場合に、仕上焼鈍後の鉄損の低い鋼板が得られる
ことがわかる。
【0038】これに対し、No.16の鋼板は、SとSb+Sn量
が本発明の範囲を外れており、No.17の鋼板は、さらに
露点も本発明の範囲を外れているので、鉄損W18/50
高くなっている。また、No.18の鋼板は、Sb+Sn量が本発
明の範囲を外れており、No.19の鋼板は、さらに露点も
本発明の範囲を外れているので、鉄損W18/50が高くな
っている。
【0039】No.20の鋼板は、成分値は本発明の範囲に
入っているので、前記No.16〜No.19の鋼板に対しては鉄
損W18/50が低いが、露点が本発明の範囲より低いの
で、本発明法によって製造された鋼に比しては、鉄損W
18/50が高くなっている。
【0040】No.21の鋼板は、成分値は本発明の範囲に
入っているので、前記No.16〜No.19の鋼板に対しては鉄
損W18/50が低いが、熱延板焼鈍温度が本発明の範囲よ
り低いので、やはり、本発明法によって製造された鋼に
比しては、鉄損W18/50が高くなっている。
【0041】No.22の鋼板は、C含有量が本発明の範囲
より高いので、鉄損W18/50が、本発明法によって製造
された鋼に比して高い他、磁気時効の問題を有してい
る。No.23の鋼板は、N含有量が本発明の範囲より高い
ので、鉄損W18/50が、本発明法によって製造された鋼
に対して比して、高くなっている。No.24の鋼板は、Si
含有量が本発明の範囲より高く、No.25の鋼板は、Al含
有量が本発明の範囲より高く、No.25の鋼板は、Al含有
量が本発明の範囲より高いので、いずれも、鉄損W
18/50は低いものの、磁束密度B50が、本発明法によっ
て製造された鋼に対して比して、低くなっている。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、S含有量をS:0.0009%以下(0を含む)、Sb+Sn/
2を0.001〜0.05%とする他、所定の成分を所定の範囲と
した鋼を、熱間圧延、熱延板焼鈍、冷間圧延をへて仕上
焼鈍を施す無方向性電磁鋼板を製造するに際して、前記
熱延板焼鈍を、焼鈍温度を800〜1000℃とし、露点が−2
0℃以上20℃以下で窒素分圧20%以上の水素窒素混合雰
囲気中で行っているので、特に鉄損の低い無方向電磁鋼
板を、安価に得ることが可能となる。
【0043】この鋼板は、電気材料等の鉄損の低い性質
が要求される用途に広く使用するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼中S量と鉄損との関係を示す図である。
【図2】熱延板焼鈍時の露点と仕上焼鈍後の鉄損の関係
を示す図である。
【図3】鋼中Sb量と鉄損との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山上 伸夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4K033 AA01 CA02 CA03 CA08 CA09 FA01 FA03 FA10 FA12 HA01 JA07 KA03

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.005%以下、Si:4.0%
    以下、Mn:0.05〜1.0%、P:0.1%以下、N:0.005%
    以下(0を含む)、S:0.0009%以下(0を含む)、A
    l:1.0%以下、SbとSnの少なくとも一方を、Sb+Sn/2で
    0.001〜0.05%含有し、残部が実質的にFeよりなる鋼
    を、熱間圧延、熱延板焼鈍、冷間圧延を経て仕上焼鈍を
    施すことにより無方向性電磁鋼板を製造するに際し、前
    記熱延板焼鈍を、焼鈍温度を800〜1000℃とし、露点が
    −20℃以上20℃以下で窒素分圧20%以上の水素窒素混合
    雰囲気中で行うことを特徴とする鉄損の低い無方向電磁
    鋼板の製造方法。
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Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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