JP3037878B2 - 歪取焼鈍後鉄損に優れる無方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents

歪取焼鈍後鉄損に優れる無方向性電磁鋼板およびその製造方法

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JP3037878B2 JP7075194A JP7519495A JP3037878B2 JP 3037878 B2 JP3037878 B2 JP 3037878B2 JP 7075194 A JP7075194 A JP 7075194A JP 7519495 A JP7519495 A JP 7519495A JP 3037878 B2 JP3037878 B2 JP 3037878B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は磁気特性に優れる低Si
無方向性電磁鋼板及びその製造方法を提案するものであ
る。無方向性電磁鋼板は、回転機や変圧機の鉄心等に使
用される。これらのエネルギー効率を高めるためには、
無方向性電磁鋼板の鉄損を下げる必要がある。近年、省
エネルギーを目的とする電気機器の高効率化が重要とな
ってきており、無方向性電磁鋼板においても、低鉄損化
の要求が高まっている。
【0002】
【従来の技術】無方向性電磁鋼板の低鉄損化の手段とし
ては、結晶粒径の最適化、ならびに高Si化がある。結晶
粒径が150 〜200 μm で鉄損は最小となること、高Si化
により鉄損が低減することが知られている。一方、打抜
精度もまた、無方向性電磁鋼板に求められる重要な特性
である。無方向性電磁鋼板は、需要家で所定の形状に打
ち抜かれた後、歪取焼鈍が施されることが多い。その
際、複雑な形状に打ち抜かれるため特に優れる打抜精度
が要求されるが、Siが 1.0%を超えたり、製品板結晶粒
径が40μm を超えたりすると、打抜精度が著しく劣化す
る。
【0003】従来、このような鉄損と打抜精度という相
反する性質を満足させるため、低Si組成で製品板粒径を
20μm 程度とし、需要家での打抜き後750 ℃・2時間の
歪取焼鈍により、結晶粒を粗大化させて低鉄損化をはか
っていた。ところが、近年、需要家での生産性の向上に
よる歪取焼鈍温度の低下、および歪取焼鈍時間の減少
(例えば、725 ℃・1時間)により、低温でも結晶粒成
長性に優れる無方向性電磁鋼板が必要となってきた。し
かしながら、この要求に応えることのできる無方向性電
磁鋼板はこれまで皆無であった。粒成長を阻害する原因
は基地鉄中に微細に分散した介在物や析出物であること
は良く知られている。無方向性電磁鋼板中の介在物や析
出物としては、各種の酸化物(例えば、SiO2、MnO 、Al
2O3 など) や各種の窒化物、硫化物(例えば、AlN, Ti
N, ZrN , MnS など)が挙げられる。以下、これらにつ
いて言及する。
【0004】 酸化物 Alを0.2 %以上添加すれば、十分に溶鋼段階で凝集、浮
上させることができるため、問題はなくなっている。
【0005】 硫化物 γ→α変態点の高いSi:1.0 %を超える無方向性電磁鋼
板では、希土類成分(REM:原子番号57〜71までの15
元素ならびにSc, Yの2元素を加えた17元素の総称)を
含む合金やCaを添加することにより、安定で、しかも粗
大な硫化物としてSを固定できることが知られていて、
その技術は、特開昭51−62115 号(鉄損の低い無方向性
珪素鋼板)、同52−2824号(希土類金属で処理された冷
間圧延非配向珪素鋼とその製法)、同55−34675 号(リ
ジングの少ない無方向性珪素鋼板の製造方法)、同56−
102550号(磁気特性の安定した無方向性珪素鋼板)、同
57−192219号(鉄損の低い無方向性けい素鋼板の製造方
法)、同58−164724号(磁気特性の優れた無方向性電磁
鋼板の製造方法)公報などに開示されている通りであ
る。さらに、製鋼における、REM の添加方法として、特
開昭59−43814 号公報(鉄損の低い無方向性電磁鋼板の
製造に供する溶鋼の取鍋精錬方法)にはREM を脱硫フラ
ックスとともに添加する方法が、同59−74212 号公報
(鉄損の少ない無方向性電磁鋼板の製造に供する溶鋼の
取鍋精錬方法)には難還元性フラックスをREM とともに
添加する方法が開示されている。一方、γ→α変態点の
低いSi:1.0 %以下の無方向性電磁鋼板では、スラブ加
熱時にγ単相となるため、α相よりγ相においてMnS の
溶解度が小さいことを利用して、Mnを0.1 %以上含有さ
せてMnS を粗大化させることができる。Si:1.0%未満
の無方向性電磁鋼板における、希土類成分の添加につい
ては特開昭60−145310号公報(鉄損の低い無方向性電磁
鋼板用溶鋼の溶製方法)には脱酸にAlを使わず、SiとRE
M を併用し、Al<10ppm とする手段が、特開平3−2156
27号(無方向性電磁鋼板の製造方法)にはAl<0.2 %、
REM/S=3〜8とし直送圧延する方法が開示されてい
る。しかしながら、これらの手段で得られる無方向性電
磁鋼板は低温短時間歪取焼鈍後の鉄損が全く不十分であ
った。
【0006】) 窒化物 Siが1.0 %以下の低Si無方向性電磁鋼板では、窒化物固
定のため0.2 %以上のAl添加やB添加が行われている
が、低温短時間歪取焼鈍での粒成長はほとんどなく、そ
の鉄損特性は全く満足できるものではなかった。以上述
べてきたように、従来から知られている手段では、目的
とする低Si鋼の低温短時間歪取焼鈍での粒成長ならびに
鉄損の低減は全く不十分であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、低温短時
間の歪取焼鈍で良好な鉄損を得ることができる低Si無方
向性電磁鋼板ならびにその製造方法を提案することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】近年、分析精度の向上に
より、10ppm 以下の微量成分についてもppm オーダーで
定量的に分析が可能となってきた。そこで、発明者ら
は、鋼中の微量成分が低温短時間歪取焼鈍に及ぼす影響
について種々検討を行なった。その結果、低Si鋼におい
て、10ppm 程度の微量のTi, Zrが低温短時間歪取焼鈍後
の鉄損を劣化させることが明かとなった。さらに、発明
者らはAlを0.2 〜1.5 %、Tiを15ppm 以下およびZrを80
ppm 以下とするとともに、微量の希土類成分を共存させ
ることにより、歪取焼鈍時の結晶粒成長性を著しく改善
し、従来、不可能であった低温短時間歪取焼鈍後の鉄損
に優れる無方向性電磁鋼板を工業的に製造できることを
見いだしたものである。
【0009】すなわち、この発明の要旨は以下の通りで
ある。 C:0.01wt%以下、Si:1.0 wt%以下、Mn:0.1 wt%
以上、1.5 wt%以下、Al:0.2 wt%以上、1.5 wt%以下
およびREM :2wt ppm以上、80 wt ppm 以下を含み、残
部はFeおよび不可避的不純物の組成になることを特徴と
する歪取焼鈍後鉄損に優れる無方向性電磁鋼板(第1発
明)。
【0010】C:0.01wt%以下、Si:1.0 wt%以下、
Mn:0.1 wt%以上、1.5 wt%以下、Al:0.2 wt%以上、
1.5 wt%以下およびREM :2wt ppm以上、80 wt ppm 以
下を含み、かつTiおよびZrの不可避混入をそれぞれTi:
15 wt ppm 以下およびZr:80 wt ppm 以下に抑制し、残
部は実質的にFeの組成になることを特徴とする低温短時
間での歪取焼鈍後鉄損に優れる無方向性電磁鋼板(第2
発明)。
【0011】第2発明において、725 ℃・1時間の歪
取焼鈍後の鉄損(W15/50)が4.0W/kg 未満である無方向
性電磁鋼板(第3発明)。
【0012】C:0.01wt%以下、Si:1.0 wt%以下、
Mn:0.1 wt%以上、1.5 wt%以下、Al:0.2 wt%以上、
1.5 wt%以下およびREM :5wt ppm以上、50 wt ppm 以
下を含み、かつTiおよびZrの不可避混入をそれぞれTi:
10wt ppm以下およびZr:80 wt ppm 以下に抑制し、残部
は実質的にFeの組成になることを特徴とする低温短時間
での歪取焼鈍後鉄損に優れる無方向性電磁鋼板(第4発
明)。
【0013】 第4発明において、725 ℃・1時間の
歪取焼鈍後の鉄損(W15/50)が3.5W/kg 未満である無方
向性電磁鋼板(第5発明)。
【0014】C:0.01wt%以下、Si:1.0 wt%以下、
Mn:0.1 wt%以上、1.5 wt%以下、Al:0.2 wt%以上、
1.5 wt%以下およびREM :2wt ppm以上、80 wt ppm 以
下を含み、残部はFeおよび不可避的不純物の組成よりな
る鋼を鋳造後スラブとなし、直接あるいは冷却後再加熱
したのち熱間圧延し、そのまま、または熱延板焼鈍もし
くは自己焼鈍を施して、1回または中間焼鈍を挟む2回
以上の冷間圧延を行ったのち、仕上焼鈍を施すことを特
徴とする歪取焼鈍後鉄損に優れる無方向性電磁鋼板の製
造方法(第6発明)。
【0015】C:0.01wt%以下、Si:1.0 wt%以下、
Mn:0.1 wt%以上、1.5 wt%以下、Al:0.2 wt%以上、
1.5 wt%以下およびREM :2wt ppm以上、80 wt ppm 以
下を含み、かつTiおよびZrの不可避混入をそれぞれTi:
15wt ppm以下およびZr:80 wt ppm 以下に抑制し、残部
は実質的にFeの組成よりなる鋼を鋳造後スラブとなし、
直接あるいは冷却後再加熱したのち熱間圧延し、そのま
ま、または熱延板焼鈍もしくは自己焼鈍を施して、1回
または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を行ったの
ち、仕上焼鈍を施すことを特徴とする低温短時間での歪
取焼鈍後鉄損に優れる無方向性電磁鋼板の製造方法(第
7発明)。
【0016】C:0.01wt%以下、Si:1.0 wt%以下、
Mn:0.1 wt%以上、1.5 wt%以下、Al:0.2 wt%以上、
1.5 wt%以下およびREM :5wt ppm以上、50 wt ppm 以
下を含み、かつTiおよびZrの不可避混入をそれぞれTi:
10wt ppm以下およびZr:80 wt ppm 以下に抑制し、残部
は実質的にFeの組成よりなる鋼を鋳造後スラブとなし、
直接あるいは冷却後再加熱したのち熱間圧延し、そのま
ま、または熱延板焼鈍もしくは自己焼鈍を施して、1回
または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を行ったの
ち、仕上焼鈍を施すことを特徴とする低温短時間での歪
取焼鈍後鉄損に優れる無方向性電磁鋼板の製造方法(第
8発明)。
【0017】C:0.01wt%以下、Si:1.0 wt%以下、
Mn:0.1 wt%以上、1.5 wt%以下、Al:0.2 wt%以上、
1.5 wt%以下およびREM :5wt ppm以上、50 wt ppm 以
下を含み、かつTiおよびZrの不可避混入をそれぞれTi:
10wt ppm以下およびZr:80 wt ppm 以下に抑制し、残部
は実質的にFeの組成よりなる鋼を鋳造後スラブとなし、
直接あるいは冷却後再加熱したのち熱間圧延し、800 〜
1100℃の温度範囲で均熱時間40秒間以下の短時間連続熱
延板焼鈍を施し、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の
冷間圧延を行ったのち、仕上焼鈍を施すことを特徴とす
る低温短時間での歪取焼鈍後鉄損に優れる無方向性電磁
鋼板の製造方法(第9発明)。
【0018】
【作用】以下に、この発明の作用についてその詳細を述
べる。この発明は、上述の条件を要件とするものである
が、かかる発明をなすに至った経緯について説明する。
この発明者らは、従来までの知見より一層詳しく、低Si
無方向性電磁鋼板の低温歪取焼鈍時の粒成長について、
研究、検討を行った結果、微量のTi, Zr, REMなどが低
温歪取焼鈍時の粒成長性に著しい影響をあたえることが
明かとなった。以下に、それらの結果の詳細を各成分別
に述べる。なお以下は研究室的規模で調査したものであ
る。
【0019】 Ti 種々のTi濃度を有し、かつ、Si:0.5 %、Mn:0.55%、
Zr:5ppm 、Al:0.3%を含有する鋼に、さらにREM :2
0 ppmを添加したものと無添加のものとを熱間圧延し、
冷間圧延ののち、780 ℃・30秒間の仕上げ焼鈍を施し、
製品板とした。これら製品板結晶の粒径は22〜26μm で
あった。つぎにこれらの製品板に725 ℃・1時間の歪取
り焼鈍を施したのち磁気測定を行い、Tiが低温短時間歪
取焼鈍後の鉄損におよぼす影響について調査した。図1
にTiが725 ℃・1時間の歪取焼鈍後の鉄損におよぼす影
響を示す。図1からTiが増加すると鉄損は劣化し、希土
類成分を添加しない場合、特にその傾向は著しい。逆
に、希土類成分を添加し、かつTiを15ppm 以下、とく
に、10ppm 以下とすることにより、極めて良好な鉄損が
得られることが明らかとなった。
【0020】 Zr 種々のZr濃度を有する、Si:0.5 %、Mn:0.55%、Ti:
5ppm 、Al:0.3 %の鋼を熱間圧延し、冷間圧延のの
ち、780 ℃・30秒間の仕上焼鈍を施し、製品板とした。
それら製品板の結晶粒径は24〜26μm であった。つぎに
これらの製品板に750 ℃・2時間、および725 ℃・1時
間の歪取焼鈍を施したのち、磁気測定と断面の結晶粒径
の測定とを行い、Zrが低温短時間歪取焼鈍後の鉄損およ
び粒成長におよぼす影響について調査した。図2にZrが
750 ℃・2時間および725 ℃・1時間の歪取焼鈍後の鉄
損(W15/50)におよぼす影響を示す。図2から明らかな
ように、725 ℃・1時間歪取焼鈍ではZr:5ppm 未満で
のみ良好な鉄損が得られた。そして、Zr:5ppm 以上で
は、歪取焼鈍条件が750 ℃・2時間から725 ℃・1時間
に低温短時間化することで、約0.7 W/kgもの鉄損劣化を
生じた。
【0021】図3にZrが750 ℃・2時間および725 ℃・
1時間の歪取焼鈍後の結晶粒径におよぼす影響を示す。
図3から、725 ℃・1時間の歪取焼鈍では、Zr:5ppm
未満の場合のみ良好な粒成長性が得られ、低温短時間焼
鈍時の鉄損劣化の原因が粒成長不良であることが確認さ
れた。
【0022】歪取焼鈍条件による粒成長性の相違は、低
温歪取焼鈍において、とくに粒成長阻害因子であるZrを
含有する微細析出物の影響を強く受けるためと考えられ
る。このように、Zrを5ppm 未満とすれば、低温短時間
歪取焼鈍後の鉄損は良好となることが明かとなったが、
Al>0.2 %を含む鋼の工場規模の溶製では、Zrを5ppm
未満とすることは、非常に困難である。というのは、溶
鋼に添加される合金鉄中のZrを低減しても、スラグや耐
火物中のZrがAlによって還元され、鋼中のZr濃度は通常
5ppm 以上となるからである。
【0023】そこで、発明者らは種々の添加成分が低温
短時間歪取焼鈍後の鉄損に及ぼす影響を調査した。種々
のZr濃度を有し、かつSi:0.5 %、Mn:0.55%、Ti:5
ppm 、Al:0.3 %を含有する鋼に、さらにREM :20ppm
を含有させたものとREM 無添加のものとを熱間圧延し、
冷間圧延ののち、780 ℃・30秒間の仕上焼鈍を施し製品
板とした。それら製品板の結晶粒径は24〜26μm であっ
た。つぎにそれらの製品板に725 ℃・1時間の歪取焼鈍
を施し磁気測定を行った。
【0024】図4に、Zr濃度が725 ℃・1時間の歪取焼
鈍後の鉄損におよぼす影響を示す。図4から明らかなよ
うに、希土類成分の添加によって、Zr:80ppm まで良好
な鉄損を得ることができた。このように、極微量(2〜
80ppm)の希土類金属を鋼中に含有させることにより、Zr
の低温短時間歪取焼鈍後の鉄損への悪影響を除くことが
できることを新たに見いだした。
【0025】 REM (希土類金属) 種々のREM 濃度を有し、かつSi:0.5 %、Mn:0.55%、
Ti:7ppm 、Zr:40ppm 、Al:0.3 %を含有する鋼を熱
間圧延し、冷間圧延ののち、780 ℃・30秒間の仕上焼鈍
を施し製品板とした。それら製品板の結晶粒径は23〜26
μm であった。これらの製品板に725 ℃・1時間の歪取
焼鈍を施したのち磁気測定を行い、REMが低温短時間歪
取焼鈍後の鉄損におよぼす影響について調査した。図5
にREM が725 ℃・1時間の歪取焼鈍後の鉄損におよぼす
影響を示す。図5から明らかなようにREM が2〜80ppm
、とくに5〜50ppm で著しく良好な鉄損が得られた。
【0026】このように、低Si無方向性電磁鋼板に、Ti
を15 ppm以下、Alを0.2 〜1.5 %とし、希土類成分を含
有量2〜80ppm の範囲で添加することにより、Zr濃度80
ppmまで低温短時間歪取焼鈍後において良好な鉄損が得
られることが判明した。したがって、この発明は、従来
不可能であった、低温短時間歪取焼鈍後に優れる鉄損を
有する低Si無方向性電磁鋼板の工業的規模での生産を可
能にするものである。
【0027】ここで、この発明と前記した従来技術との
関係についてその相違を以下に列記する。特開昭51−62
115 号、同55−34675 号、同56−102550号、及び同57−
192219号公報等においてはγ→α変態点の高い(もしく
は変態しない)Si:1.0 %を超える中高Si鋼における、
低S化、S固定のための希土類成分添加に関する技術で
ある。しかしながら、この発明はSi:1.0 %以下のγ→
α変態点の低い、低Si鋼を対称としていて、この発明と
は異なる技術と理解できる。さらに、Tiを15ppm 以下と
することと、希土類成分添加との複合効果により、著し
く良好な低温短時間歪取焼鈍後の鉄損が得られること
は、これら従来公知技術からは類推しえない。
【0028】特開昭52−2824号公報はSi:0.5 〜4.0 %
鋼、同58−164724号公報は4%以下のSi鋼における希土
類成分添加の技術である。しかしながら、いずれの場合
においても、本文ならびに実施例では、Si:1.0 %超え
の場合のみが取り上げられ、Si:1.0 %以下の場合につ
いての記述はない。したがって、これらも、γ→α変態
点の高い、中高Si鋼における低S化、S固定のための希
土類成分添加に関する技術である。また、この発明にお
ける希土類成分添加の目的がZrの無害化にあることから
も、上記技術は、この発明とは異なる技術であると解さ
れる。さらに、Tiを15ppm 以下とすることと、希土類成
分添加との複合効果により、著しく良好な低温短時間歪
取焼鈍後の鉄損が得られることは、これら従来公知技術
からは類推しえない。
【0029】特開昭59−43814 号公報、同59−74212 号
公報は製鋼におけるREM 脱硫技術に関するものである
が、いずれも、本文、実施例において3%Si鋼の場合の
みが取り上げられ、Si:1.0 %以下の記述はなく、中高
Si鋼における、低S化、S固定のための希土類成分の添
加に関する技術である。また、特開昭60−145310号公報
はSi:0.1 〜1.0 %、Al<10ppm の鋼において、Si脱酸
と希土類成分添加による脱酸を併用し、Oを減少させる
ことを目的とするものであるから、この発明とは異なる
技術である。
【0030】特開平3−215627号公報はSi:0.1 〜1.4
%、Al:0.2 %未満の無方向性電磁鋼板における、希土
類成分添加の技術である。これに対し、この発明の特徴
はAlを0.2 〜1.5 %とし、Tiを15ppm 以下とすること
と、希土類成分添加との複合効果により、著しく良好な
低温短時間歪取焼鈍時の粒成長性、ならびに良好な鉄損
が得られることであり、その効果は上記特開平3−2156
27号公報からは到底類推しえるものでなく、この発明
は、更に進んだ技術と解される。
【0031】次にこの発明の諸条件について述べる。ま
ず、成分組成の限定理由から述べる。 C:0.01wt%以下 Cは炭化物の析出により、磁気特性を劣化させるので、
その含有量は0.01wt%以下とする。望ましくは0.005 wt
%未満とすることが好ましい。
【0032】Si:1.0 wt%以下 Siの添加は硬度を高め、打抜精度を劣化させる。したが
ってその含有量は、1.0 wt%以下とするが、Siは固有抵
抗を高めることによって鉄損を低減する有用な成分であ
るので、0.1 wt%以上含有させることが望ましい。
【0033】Mn:0.1 〜1.5 wt% Mnは、Sを粗大MnS として固定する働きがあり、そのた
めに0.1 wt%以上、望ましくは0.2 wt%以上含有させ
る。一方、Mn添加量の増加は磁束密度を劣化させるた
め、その含有量の上限は1.5 wt%とするが望ましくは1.
0 wt%がよい。したがってその含有量は0.1 wt%以上、
1.5wt %以下とするが、望ましくは0.2 wt%以上、1.0
wt%以下が好ましい。
【0034】Al:0.2 %〜1.5 wt% Alは、0.2 wt%未満では微細なAlN が生成し、粒成長性
を劣化させる。また、1.5 wt%を超えて含有させると磁
束密度を劣化させる。したがってその含有量は、0.2 wt
%以上、1.5 wt%以下とする。
【0035】REM :2〜80 wt ppm REM は、これらの成分の中から1種または2種以上を合
計2〜80 wt ppm の範囲で含有させることにより、工業
的規模での製鋼において不可避的に含まれる5〜80 wt
ppm のZrの低温短時間歪取焼鈍時の粒成長性への悪影響
を回避することができる。含有量が2 wt ppm 未満では
上記効果が不十分であり、その含有量は2 wt ppm 以上
とするが、好ましくは5 wt ppm 以上含有させることが
よい。一方、過度の添加はREM が形成する介在物の増加
を招き、REM 系介在物そのものによる粒成長の阻害が問
題となることから、その含有量は80 wt ppm 以下とする
が、望ましくは50 wt ppm 以下がよい。
【0036】Ti:15 wt ppm 以下 Tiは極微量で低温短時間歪取焼鈍時の粒成長性、および
鉄損を著しく劣化させるので、良好な鉄損を得るために
その含有量は15 wt ppm 以下とする。含有量を10 wt pp
m 以下とすることにより、さらに良好な鉄損を得ること
ができる。なお、Tiは単独で15 wt ppm 以下としても上
記効果は小さく、REM 添加による複合効果により、低温
短時間歪取焼鈍時の粒成長性は良好となる。
【0037】Zr:80 wt ppm 以下 Zrは、極微量で低温短時間歪取焼鈍後の鉄損を劣化させ
るので、できるだけ低減することが望ましが、5wt ppm
以下を工業的規模で安定して達成することは著しくコス
ト高を招く。そこで、この発明では、工業的に安定して
達成可能なZr:5〜80 wt ppm の範囲においてREM を添
加することによりZrを無害化する。REM添加と併せてZr
を80wt ppm以下にすることにより低温短時間歪取焼鈍後
の鉄損の低減効果が顕著となることからその含有量は80
wt ppm 以下とする。
【0038】この発明は、上記以外の成分については特
に限定するものではないが好適な範囲を以下に述べる。
【0039】P:0.2 wt%以下 Pは、打抜性改善のため、添加することができるが、含
有量が0.2 wt%を超える添加は冷延性を劣化させるの
で、その含有量は0.2 wt%以下とすることが望ましい。
【0040】S:0.01wt%以下 Sは、MnとともにMnSを形成し、磁壁移動、粒成長の障
害となり、磁気特性を劣化させるので、その含有量は0.
01wt%以下とすることが望ましい。
【0041】N:0.01wt%以下 Nは、窒化物を生成し、磁壁移動、粒成長の障害とな
り、磁気特性を劣化させるので、その含有量は0.01wt%
以下とすることが望ましい。
【0042】O: 50 wt ppm以下 Oは、 50 wt ppm以上含まれると、磁壁移動、粒成長の
障害となり、磁気特性を劣化させるので、その含有量は
50 wt ppm以下とすることが望ましい。
【0043】つぎに、この発明における好適な製造条件
ならびに製造条件の限定理由を説明する。転炉、脱ガス
など、常法の製鋼方法により、上記組成に調整し、連続
鋳造あるいは鋳造−造塊法により鋳造しスラブとする。
つづいてスラブを熱間圧延するが、スラブを再加熱した
のち、熱間圧延する方法、スラブ加熱せずに連続鋳造後
直接熱間圧延する方法のいずれもが適用できる。磁気特
性として、特に高い磁束密度を得ようとする場合には、
熱延板焼鈍、もしくは、熱間圧延後巻取時に自己焼鈍を
施すことにより、熱延板の結晶粒を粗大化させ集合組織
を改善することが有効である。熱延板焼鈍は、箱焼鈍
(例えば850 ℃・1時間)あるいは、連続焼鈍(たとえ
ば950 ℃・2分間)のいずれもが適応しうる。
【0044】熱延板焼鈍は、近年、低コスト化、生産性
の向上の観点から、連続化かつ短時間化されてきてい
る。これまでは、均熱時間が30秒間といった短時間の熱
延板焼鈍では、熱延板の結晶粒径が十分粗大化されず、
高い磁束密度を得ることができなかった。しかし、この
発明においては、短時間の熱延板焼鈍によっても、高い
磁束密度を得ることができる効果も有する。
【0045】すなわち、上記効果を実験例に基づいて説
明する。表1に示す成分組成のスラブを熱間圧延し、95
0 ℃の温度にて種々の均熱時間の熱延板焼鈍を施し、冷
間圧延後、仕上げ焼鈍ののち725 ℃・1時間の歪取焼鈍
を施した鋼板について磁束密度を調査した。
【0046】
【表1】 これらの熱延板焼鈍条件および調査結果を表1に併記し
た。
【0047】表1から明らかなように、REM :5〜50wt
ppm、Ti:10wt ppm以下およびZr:80wt ppm以下を満た
してなる成分組成では熱延板の粒成長性が著しく優れて
いるため、従来良好な磁束密度を得るために5分間を要
していた熱延板焼鈍を40秒間以下にできるという顕著な
効果を発揮する。その結果、低コストで磁束密度、鉄損
ともに優れる製品を得ることができる。上記において、
熱延板焼鈍温度は、800 ℃未満では熱延板焼鈍による熱
延板結晶粒成長の効果が小さく、また1100℃を超えると
経済的に不利になるので、800℃以上、1100℃以下の温
度範囲とすることがよい。
【0048】その後、冷間圧延を施す。1回の冷間圧延
により製品厚みとし、仕上げ焼鈍する方法、または、中
間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して製品厚みと
し、仕上焼鈍する方法のいずれかにより、製品とする。
仕上焼鈍は、常法のいずれもが適応しうるが、製品の結
晶粒径が大きいと著しく打ち抜き精度が損なわれるの
で、粒径が40μm 未満、望ましくは10〜30μm の範囲と
する焼鈍条件(温度と時間)を選択することがよい。ま
た、公知の方法によって、鋼板表面に絶縁被膜を被成し
てもよい。
【0049】
【実施例】 実施例1 転炉で2種類の成分組成に溶製し、脱ガス処理後、連続
鋳造によりスラブと成し、該スラブを再加熱後熱間圧延
を施しそれぞれ熱延板とした。つぎに、熱延板焼鈍を行
ったもの行なわなかったものについて、酸洗後、冷間圧
延により板厚:0.5mm の冷延板とし、800 ℃・15秒間の
仕上焼鈍を行い、絶縁被膜を被成してそれぞれ製品とし
た。それらの製品の結晶粒径は全て35μm 以下であっ
た。その後、それぞれの製品はせん断後、窒素雰囲気中
で725 ℃・1 時間の歪取焼鈍を行ったのち、25cmエプス
タイン法により磁気測定を行った。
【0050】製品板の分析成分組成、熱延板焼鈍条件な
らびに歪取焼鈍後の磁気測定結果を表2にまとめて示
す。
【表2】
【0051】表2から明らかなように、試料No. 1およ
び2(第1、第6発明例)は試料No. 3および4の比較
例に比し良好な鉄損を示している。
【0052】実施例2 転炉で種々の成分組成に溶製し、脱ガス処理後、連続鋳
造によりスラブと成し、冷却することなしに直接熱間圧
延を施しそれぞれ熱延板とした。つぎに、950℃・2分
間の熱延板焼鈍後、酸洗し、冷間圧延により板厚:0.5m
m の冷延板としたのち、800 ℃・15秒間の仕上焼鈍を行
い、絶縁被膜を被成してそれぞれ製品とした。それらの
製品の結晶粒径は全て35μm 以下であった。その後各製
品はせん断後、窒素雰囲気中で725 ℃・1時間の歪取焼
鈍を行い、25cmエプスタイン法により磁気測定を行っ
た。
【0053】製品板の分析成分組成および磁気測定結果
を表3にまとめて示す。
【表3】
【0054】表3から明らかなように、比較例に比し発
明例は鉄損が低く、特に試料No. 1〜4の発明例の鉄損
は良好でありその中でも試料No. 1の鉄損は特段に優れ
ている。また試料No. 1〜3は磁束密度も優れた値を示
している。なお試料No.13 はSiを1.25wt%含有させたも
のであり、鉄損は良好であるものの打抜性に問題があり
打抜精度不良が生じた。
【0055】実施例3 熱延板焼鈍を行わなかった以外は実施例2と同様にし
て、製品板の製造、その後の製品板の処理ならびに調査
を行った。
【0056】それら製品板の結晶粒径は全て35μm 以下
であった。また、製品板の分析成分組成および磁気測定
結果は表4にまとめて示す。
【表4】
【0057】表4から明らかなように、熱延板焼鈍を行
わない場合においても、比較例に比し発明例の鉄損が低
いなど実施例2の場合と同様の傾向を示している。
【0058】実施例4 転炉で5種類の成分組成に溶製し、脱ガス処理後、連続
鋳造によりスラブと成し、冷却することなしに直接熱間
圧延を施しそれぞれ熱延板とした。その後、950 ℃・30
秒間の短時間の熱延板焼鈍を施したのち、酸洗後、冷間
圧延により板厚:0.5mm の冷却板とし、780 ℃・15秒間
の仕上焼鈍を行い、絶縁被膜を被成してそれぞれ製品と
した。それらの製品の結晶粒径は全て15〜25μm の範囲
にあった。その後各製品はせん断後、窒素雰囲気中で72
5 ℃・1時間の歪取焼鈍を行い、25cmエプスタイン法に
より磁気測定を行った。
【0059】スラブの分析成分組成および磁気測定結果
を表5にまとめて示す。
【表5】
【0060】表5から明らかなように、第4,5,8お
よび9発明に適合する試料No. 1は、40秒間以下の短時
間熱延板焼鈍にもかかわらず、試料No. 2,3,4およ
び5に比し鉄損に優れていることはもちろんのこと、良
好な磁束密度が得られている。
【0061】
【発明の効果】この発明は、Si:1.0 wt%以下の低Si無
方向性電磁鋼板において、成分組成の限定のうち特にRE
M を添加する、または、さらにその成分組成に混入する
TiおよびZrを抑制するものであり、この発明によれば、
打抜き性が良好であるとともにに低温短時間の歪取焼鈍
により良好な鉄損を得ることができるばかりでなく、短
時間熱延板焼鈍にても良好な磁束密度を得ることがで
き、電気機器類の高効率化に伴い、その鉄心材料として
用いられる無方向性電磁鋼板に対する高品質化および低
コスト化要請に十分こたえることができ、その工業的効
果は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】Tiが725 ℃・1時間の歪取焼鈍後の鉄損におよ
ぼす影響を示すグラフである。
【図2】Zrが750 ℃・2時間および725 ℃・1時間の歪
取焼鈍後の鉄損におよぼす影響を示すグラフである。
【図3】Zrが750 ℃・2時間および725 ℃・1時間の歪
取焼鈍後の結晶粒径におよぼす影響を示すグラフであ
る。
【図4】Zrが725 ℃・1時間の歪取焼鈍後の鉄損におよ
ぼす影響を示すグラフである。
【図5】REM が725 ℃・1時間の歪取焼鈍後の鉄損にお
よぼす影響を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−62115(JP,A) 特開 昭59−83723(JP,A) 特開 昭62−222021(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 303 C21D 8/12 H01F 1/16

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.01wt%以下、 Si:1.0 wt%以下、 Mn:0.1 wt%以上、1.5 wt%以下、 Al:0.2 wt%以上、1.5 wt%以下およびREM :2wt ppm
    以上、80 wt ppm 以下を含み、残部はFeおよび不可避的
    不純物の組成になることを特徴とする歪取焼鈍後鉄損に
    優れる無方向性電磁鋼板。
  2. 【請求項2】C:0.01wt%以下、 Si:1.0 wt%以下、 Mn:0.1 wt%以上、1.5 wt%以下、 Al:0.2 wt%以上、1.5 wt%以下およびREM :2wt ppm
    以上、80 wt ppm 以下を含み、かつTiおよびZrの不可避
    混入をそれぞれTi:15 wt ppm 以下およびZr:80 wt pp
    m 以下に抑制し、残部は実質的にFeの組成になることを
    特徴とする低温短時間での歪取焼鈍後鉄損に優れる無方
    向性電磁鋼板。
  3. 【請求項3】 請求項2において、725 ℃・1時間の歪
    取焼鈍後の鉄損(W 15/50)が4.0W/kg 未満である無方向
    性電磁鋼板。
  4. 【請求項4】C:0.01wt%以下、 Si:1.0 wt%以下、 Mn:0.1 wt%以上、1.5 wt%以下、 Al:0.2 wt%以上、1.5 wt%以下およびREM :5wt ppm
    以上、50 wt ppm 以下を含み、かつTiおよびZrの不可避
    混入をそれぞれTi:10wt ppm以下およびZr:80 wt ppm
    以下に抑制し、残部は実質的にFeの組成になることを特
    徴とする低温短時間での歪取焼鈍後鉄損に優れる無方向
    性電磁鋼板。
  5. 【請求項5】 請求項4において、725 ℃・1時間の歪
    取焼鈍後の鉄損(W 15/50)が3.5W/kg 未満である無方向
    性電磁鋼板。
  6. 【請求項6】C:0.01wt%以下、 Si:1.0 wt%以下、 Mn:0.1 wt%以上、1.5 wt%以下、 Al:0.2 wt%以上、1.5 wt%以下およびREM :2wt ppm
    以上、80 wt ppm 以下を含み、残部はFeおよび不可避的
    不純物の組成よりなる鋼を鋳造後スラブとなし、直接あ
    るいは冷却後再加熱したのち熱間圧延し、そのまま、ま
    たは熱延板焼鈍もしくは自己焼鈍を施して、1回または
    中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を行ったのち、仕上
    焼鈍を施すことを特徴とする歪取焼鈍後鉄損に優れる無
    方向性電磁鋼板の製造方法。
  7. 【請求項7】C:0.01wt%以下、 Si:1.0 wt%以下、 Mn:0.1 wt%以上、1.5 wt%以下、 Al:0.2 wt%以上、1.5 wt%以下およびREM :2wt ppm
    以上、80 wt ppm 以下を含み、かつTiおよびZrの不可避
    混入をそれぞれTi:15wt ppm以下およびZr:80 wt ppm
    以下に抑制し、残部は実質的にFeの組成よりなる鋼を鋳
    造後スラブとなし、直接あるいは冷却後再加熱したのち
    熱間圧延し、そのまま、または熱延板焼鈍もしくは自己
    焼鈍を施して、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷
    間圧延を行ったのち、仕上焼鈍を施すことを特徴とする
    低温短時間での歪取焼鈍後鉄損に優れる無方向性電磁鋼
    板の製造方法。
  8. 【請求項8】C:0.01wt%以下、 Si:1.0 wt%以下、 Mn:0.1 wt%以上、1.5 wt%以下、 Al:0.2 wt%以上、1.5 wt%以下およびREM :5wt ppm
    以上、50 wt ppm 以下を含み、かつTiおよびZrの不可避
    混入をそれぞれTi:10wt ppm以下およびZr:80 wt ppm
    以下に抑制し、残部は実質的にFeの組成よりなる鋼を鋳
    造後スラブとなし、直接あるいは冷却後再加熱したのち
    熱間圧延し、そのまま、または熱延板焼鈍もしくは自己
    焼鈍を施して、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷
    間圧延を行ったのち、仕上焼鈍を施すことを特徴とする
    低温短時間での歪取焼鈍後鉄損に優れる無方向性電磁鋼
    板の製造方法。
  9. 【請求項9】C:0.01wt%以下、 Si:1.0 wt%以下、 Mn:0.1 wt%以上、1.5 wt%以下、 Al:0.2 wt%以上、1.5 wt%以下およびREM :5wt ppm
    以上、50 wt ppm 以下を含み、かつTiおよびZrの不可避
    混入をそれぞれTi:10wt ppm以下およびZr:80 wt ppm
    以下に抑制し、残部は実質的にFeの組成よりなる鋼を鋳
    造後スラブとなし、直接あるいは冷却後再加熱したのち
    熱間圧延し、800 〜1100℃の温度範囲で均熱時間40秒間
    以下の短時間連続熱延板焼鈍を施し、1回または中間焼
    鈍を挟む2回以上の冷間圧延を行ったのち、仕上焼鈍を
    施すことを特徴とする低温短時間での歪取焼鈍後鉄損に
    優れる無方向性電磁鋼板の製造方法。
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