JPH115838A - 架橋ポリコハク酸イミドの製造方法及び架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の製造方法 - Google Patents

架橋ポリコハク酸イミドの製造方法及び架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の製造方法

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JPH115838A
JPH115838A JP11536398A JP11536398A JPH115838A JP H115838 A JPH115838 A JP H115838A JP 11536398 A JP11536398 A JP 11536398A JP 11536398 A JP11536398 A JP 11536398A JP H115838 A JPH115838 A JP H115838A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全性、反応性に優れかつ安価な架橋剤を用
いて、架橋ポリコハク酸イミドを高い生産性で製造でき
る方法を提供し、また、この架橋ポリコハク酸イミドを
用いて生分解性を有しかつ優れた吸水能を有する架橋ポ
リアスパラギン酸系樹脂を高い生産性で製造できる方法
を提供する。 【解決手段】 ポリコハク酸イミドと塩基性アミノ酸の
カルボン酸の塩を反応させることにより、架橋ポリコハ
ク酸イミドを製造し、さらに残りのイミド環を加水分解
することにより架橋ポリアスパラギン酸系樹脂を製造す
る方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(生)分解性及び
高吸水能を有する架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の製造
方法、及び、その架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の前駆
体として有用な架橋ポリコハク酸イミドの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】
[吸水性樹脂の技術的背景]吸水性樹脂は、自重の数十
倍から数千倍の水を吸収できる樹脂であり、生理用品、
紙おむつ、母乳パット、使い捨て雑巾等の衛生用品、創
傷保護用ドレッシング材、医療用アンダーパット、パッ
プ剤等の医療用品、ペット用シート、携帯用トイレ、ゲ
ル芳香剤、ゲル消臭剤、吸汗性繊維、使い捨てカイロ等
の生活用品、シャンプー、セット用ジェル剤、保湿剤等
のトイレタリー用品、農・園芸用の保水材、切り花の延
命剤、フローラルフォーム(切り花の固定化材)、育苗
用苗床、水耕栽培、植生シート、種子テープ、流体播
種、結露防止用農業用シート等の農・園芸用品、食品用
トレー用鮮度保持材、ドリップ吸収性シート等の食品包
装材、保冷材、生鮮野菜運搬用吸水性シート等の運搬用
資材、結露防止用建築材料、土木・建築用のシーリング
材、シールド工法の逸泥防止剤、コンクリート混和剤、
ガスケット・パッキング等の土木建築資材、光ファイバ
ー等の電子機器のシール材、通信ケーブル用止水材、イ
ンクジェット用記録紙等の電気機器関連資材、汚泥の凝
固剤、ガソリン、油類の脱水、水分除去剤等の水処理
剤、捺染用のり、水膨潤性玩具、人工雪等の幅広い分野
に使用されている。
【0003】また、その薬品徐放性を利用して、徐放性
肥料、徐放性農薬、徐放性薬剤等の用途にも期待されて
いる。さらにその親水性を利用して湿度調整材、電荷保
持性を利用して帯電防止剤等への使用も期待される。
【0004】[吸水性樹脂に関する先行技術]このよう
な用途に使用されている吸水性樹脂としては、例えば、
架橋ポリアクリル酸部分中和物(特開昭55−8430
4号、米国特許4625001号)、澱粉−アクリロニ
トリル共重合体の部分加水分解物(特開昭46−439
95号)、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体(特開昭
51−125468号)、酢酸ビニル−アクリル酸エス
テル共重合体の加水分解物(特開昭52−14689
号)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸とアクリル酸の共重合架橋物(欧州特許00681
89号)、カチオン性モノマーの架橋重合体(米国特許
4906717号)、架橋イソブチレン−無水マレイン
酸共重合体の加水分解物(米国特許4389513号)
などが知られている。
【0005】ところが、これらの吸水性樹脂は分解性を
有しないため、使用後の廃棄が問題である。
【0006】現状としては、これらの吸水性樹脂は、廃
棄時には焼却処理する方法と埋め立てする方法が行われ
ているが、焼却炉で処理する方法では、焼却時に発生す
る熱による炉材の損傷のほかに、地球の温暖化や酸性雨
の原因となることが指摘されている。また、吸水性樹脂
を用いた紙おむつ等の廃棄物は水分を多量に含むために
燃えにくく、焼却炉の温度を下げるため、800℃以下
にて生成し易いダイオキシン発生の原因となることが疑
われている。
【0007】一方、埋め立て処理する方法では、プラス
チックは容積がかさばる、腐らないため地盤が安定しな
い等の問題があるうえ、埋め立てに適した場所がなくな
ってきたことが大きな問題となっている。
【0008】すなわち、これらの樹脂は分解性に乏し
く、水中や土壌中では半永久的に存在するので、廃棄物
処理における環境保全を考えると非常に重大な問題であ
る。例えば紙おむつ、生理用品等の衛生材料に代表され
る使い捨て用途の樹脂の場合、それをリサイクルすれば
多大な費用がかかり、焼却するにも大量であるため地球
環境への負荷が大きい。また農・園芸用保水材として架
橋ポリアクリル酸樹脂を使用した場合、土壌中でCa2+
等の多価イオンとコンプレックスを形成し、不溶性の層
を形成すると報告されている(松本ら、高分子、42
巻、8月号、1993年)。このような層はそのもの自
体の毒性は低いと言われているが、自然界には全くない
ものであり、長期に渡るそれら樹脂の土中への蓄積によ
る生態系への影響は不明であり、十分に調べる必要があ
り、その使用には慎重な態度が望まれる。同様に非イオ
ン性の樹脂の場合、コンプレックスは形成しないが、非
分解性のため土壌中へ蓄積する恐れがあり、その自然界
への影響は疑わしい。
【0009】さらにこれらの重合系の樹脂は、人間の肌
等に対して毒性の強いモノマーを使用しており、重合後
の製品からこれを除去するために多くの検討がなされて
いるが、完全に除くことは困難である。特に工業的規模
での製造ではより困難となることが予想される。
【0010】[生分解性を有する吸水性樹脂の技術的背
景]一方、近年、「地球にやさしい素材」として生分解
性ポリマーが注目されており、これを吸水性樹脂として
使用することも提案されている。
【0011】このような用途に使用されている生分解性
を有する吸水性樹脂としては、例えばポリエチレンオキ
シド架橋体(特開平6−157795号等)、ポリビニ
ルアルコール架橋体、カルボキシメチルセルロース架橋
体(米国特許4650716号)、アルギン酸架橋体、
澱粉架橋体、ポリアミノ酸架橋体などが知られている。
この中でポリエチレンオキシド架橋体、ポリビニルアル
コール架橋体は吸水量が小さく、特に生理用品、紙おむ
つ、使い捨て雑巾、ペーパータオルなどの高い吸水能が
要求される製品の素材として使用する場合、適切でな
い。
【0012】また、これらの化合物は特殊な菌のみしか
生分解することができないので、一般的な条件では生分
解は遅かったり、もしくは全く分解しなかったりする。
さらに分子量が大きくなると極端に分解性が低下する。
【0013】また、カルボキシメチルセルロース架橋
体、アルギン酸架橋体、デンプン架橋体等の糖類架橋体
は、その分子内に強固な水素結合を多く含むために、分
子間、ポリマー間の相互作用が強く、そのため分子鎖が
広く開くことができず、吸水能は高くない。
【0014】[ポリアミノ酸系吸水性樹脂の技術的背
景]一方、ポリアミノ酸を架橋して得られる樹脂は生分
解性を有するために地球環境にやさしく、また生体内に
吸収されても酵素作用により消化吸収され、しかも生体
内での抗原性を示さず、分解生成物も毒性がないことが
明らかにされているので、人に対してもやさしい素材で
ある。
【0015】このような樹脂の記載例として、ポリ−γ
−グルタミン酸にγ線を照射して高吸水能を有する樹脂
を製造する方法が報告されている(国岡ら、高分子論文
集、50巻10号、755頁(1993年))。しか
し、工業的な観点からは、この技術に用いる60Co照射
設備は、放射能の遮断を行うためには大がかりな設備が
必要であり、その管理にも十分な配慮が必要であるため
現実的ではない。また出発物質であるポリグルタミン酸
が高価であることも問題点である。
【0016】また、酸性アミノ酸を架橋させてハイドロ
ゲルを得る方法が報告されている[Akamatsuら、米国特
許第3948863号(特公昭52−41309号対
応)、岩月ら、特開平5−279416号]。さらに架
橋アミノ酸樹脂を吸水性ポリマーに用いる報告がされて
いる(Sikesら、特表平6−506244号;米国特許
第5247068及び同第5284936号、鈴木ら、
特開平7−309943号、原田ら、特開平8−598
20号)。
【0017】しかしいずれの報告の場合も、これらの樹
脂は吸水性や塩水吸水性が十分でなく、実用的ではなか
った。
【0018】[本発明者らの技術的思想の背景]本発明
者らは、特開平7−224163号に記載されているよ
うに、ポリコハク酸イミドを架橋剤と反応させ、残りの
イミド環を加水分解することにより、塩水吸水能の高い
架橋ポリアスパラギン酸系樹脂を製造する技術について
開示した。
【0019】また、本発明者らは、特開平9−1698
40号に記載されているように、ポリコハク酸イミドを
架橋した後、水混和性有機溶剤と水との均一な混合溶媒
中で残りのイミド環を加水分解し、これにより塩水吸水
能の高い架橋ポリアスパラギン酸系樹脂を製造する技術
について開示した。
【0020】これらの公報中において、本発明者らは、
架橋剤として用いる多価アミンの中で、リジン、オルニ
チン等が好ましいと記載した。これは、残存する未反応
の架橋剤、分解物の安全性の点を考慮したものである。
しかし、これら公報中に具体的に記載された塩基性アミ
ノ酸は比較的反応性に乏しく、また、それらのエステル
を使用すると反応性が向上するが、エステル自身のコス
トが高いことが問題であった。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、上記のような従来の問題点を解決し、安全性、反応
性に優れかつ安価な架橋剤を用いて、架橋ポリコハク酸
イミドを高い生産性で製造できる方法を提供することに
あり、また、この架橋ポリコハク酸イミドを用いて生分
解性を有しかつ優れた吸水能を有する架橋ポリアスパラ
ギン酸系樹脂を高い生産性で製造できる方法を提供する
ことにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、架橋剤として、リジ
ン、オルニチン等の塩基性アミノ酸をそのカルボン酸塩
として用いることで、効率よく、ポリコハク酸イミドと
架橋反応できることを見い出し、本発明を完成するに至
った。
【0023】すなわち、本発明は、ポリコハク酸イミド
と塩基性アミノ酸のカルボン酸塩とを反応させることを
特徴とする架橋ポリコハク酸イミドの製造方法であり、
かつこの架橋反応後に、残りのイミド環を加水分解する
ことを特徴とする架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の製造
方法である。
【0024】本発明に従い得られる架橋ポリアスパラギ
ン酸系樹脂は、廃棄後に生分解することで地球環境にや
さしいので、紙オムツ用、農・園芸用等に使用される、
吸水能に優れた高吸水性樹脂として非常に有用である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。
【0026】[1] 架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の
構造 本発明において製造される架橋ポリアスパラギン酸系樹
脂は、その構造上から、大きく分けると、主鎖基本骨格
部分、側鎖部分、架橋部分からなる。以下、これらを3
つに分けて説明する。
【0027】[1−1] 架橋ポリアスパラギン酸系樹
脂の主鎖基本骨格の構造 本発明において製造される架橋ポリアスパラギン酸系樹
脂の主鎖基本骨格の繰り返し単位は、アスパラギン酸残
基単独で構成されてもよいし、アスパラギン酸とアスパ
ラギン酸以外のアミノ酸との共重合体であっても構わな
い。なお本発明では、結合の様式に関わらず、ポリマー
中のアスパラギン酸からなる繰り返し単位部分を「ポリ
アスパラギン酸残基」と呼ぶ。
【0028】アスパラギン酸以外のアミノ酸の具体例と
しては、例えば、アスパラギン酸を除く19種類の必須
アミノ酸、L−オルニチン、一連のα−アミノ酸、β−
アラニン、γ−アミノ酪酸、中性アミノ酸、酸性アミノ
酸、酸性アミノ酸のω−エステル、塩基性アミノ酸、塩
基性アミノ酸のN置換体、アスパラギン酸−L−フェニ
ルアラニン2量体(アスパルテーム)等のアミノ酸及び
アミノ酸誘導体、L−システイン酸等のアミノスルホン
酸等を挙げることができる。α−アミノ酸は、光学活性
体(L体、D体)であっても、ラセミ体であってもよ
い。
【0029】共重合体である場合は、ブロック・コポリ
マーであっても、ランダム・コポリマーであっても構わ
ない。また、グラフトであっても構わない。
【0030】ポリアスパラギン酸残基から成る繰り返し
単位の数は、特に限定されないが、分子を構成する繰り
返し単位の総数に対して、1〜99.8%が好ましく、
10〜99.8%がより好ましい。
【0031】架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の主鎖基本
骨格の繰り返し単位としては、高い吸水能を有するとい
う点から、アスパラギン酸残基単独、又は、グルタミン
酸若しくはリジンとの共重合体から構成されることが好
ましく、工業的生産の点から、前記繰り返し単位がアス
パラギン酸残基単独からなることが特に好ましい。
【0032】ポリアスパラギン酸系樹脂の主鎖基本骨格
は、主鎖中のアミド結合が、α結合である場合と、β結
合である場合がある。すなわち、ポリアスパラギン酸及
びその共重合体の場合は、アスパラギン酸もしくは共重
合体単位のアミノ基等と、アスパラギン酸のα位のカル
ボキシル基と結合した場合がα結合であり、アスパラギ
ン酸のβ位のカルボキシル基と結合した場合がβ結合で
ある。このポリアスパラギン酸の場合のα結合とβ結合
は、通常、混在して存在する。本発明では、その結合様
式は特に限定されない。
【0033】架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の側鎖基及
び架橋基は、基本的にポリアスパラギン酸のカルボキシ
ル基が置換されたカルボン酸誘導体である。その詳細を
以下に説明する。
【0034】[1−2] 架橋ポリアスパラギン酸系樹
脂の側鎖の構造 架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の側鎖は、架橋ポリコハ
ク酸イミドのイミド環を加水分解により開環した構造を
有し、この加水分解により生成したカルボキシル基を含
む。また、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂は、他の置換
基を有する側鎖を含んでいてもよい。他の置換基として
は、特に限定されないが、例えば、水酸基、アミノ基、
メルカプト基、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホ
ン酸基、アルキル基、アリール基、アラルキル基等を一
個以上含むペンダント基が挙げられる。また、ペンダン
ト基は、特定の置換基を持たないアルキル基、アラルキ
ル基、アリール基であってもよい。これらのペンダント
基は、ポリアスパラギン酸残基とアミド結合、エステル
結合、チオエステル結合等で繋がっている。
【0035】加水分解により生成したカルボキシル基
は、フリーの状態でも塩を形成していてもよい。塩を形
成するイオンの具体例としては、例えば、ナトリウム、
カリウム、リチウム等のアルカリ金属イオン;アンモニ
ウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモ
ニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルア
ンモニウム、テトラペンチルアンモニウム、テトラヘキ
シルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、ト
リメチルプロピルアンモニウム、ブチルトリメチルアン
モニウム、ペンチルトリメチルアンモニウム、ヘキシル
トリメチルアンモニウム、シクロヘキシルトリメチルア
ンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、トリエ
チルプロピルアンモニウム、トリエチルブチルアンモニ
ウム、トリエチルペンチルアンモニウム、トリエチルヘ
キシルアンモニウム、シクロヘキシルトリエチルアンモ
ニウム、ベンジルトリエチルアンモニウムイオン等のア
ンモニウムイオン;トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペン
チルアミン、トリヘキシルアミン、トリエタノールアミ
ン、トリプロパノールアミン、トリブタノールアミン、
トリペンタノールアミン、トリヘキサノールアミン、ジ
メチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ
ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、
ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、エチルメ
チルアミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチルアミ
ン、メチルペンチルアミン、メチルヘキシルアミン、メ
チルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルア
ミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミ
ン、デシルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミ
ンイオン等のアミンイオン等を挙げることができる。
【0036】これらの中では、イオンの原子量又は分子
量が大きくなると相対的に単量体単位あたりの分子量が
大きくなり、単位重量当たりの吸水量が小さくなるの
で、その原子量又は分子量が小さいものの方が好まし
い。また、人の肌等に触れる可能性がある場合は、皮膚
等への刺激性が低い方が好ましい。これらの点から、ナ
トリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、トリエ
タノールアミンを用いることが好ましく、さらに、ナト
リウム、カリウムを用いることが、コストの面で特に好
ましい。
【0037】[1−3] 架橋ポリアスパラギン酸系樹
脂の架橋部分の構造 架橋ポリアスパラギン酸系樹脂中の架橋部分の分子構造
は、塩基性アミノ酸の2つのアミノ基と主鎖のポリアス
パラギン酸とが脱水縮合した構造をとり、アミド結合に
より主鎖のポリアスパラギン酸を架橋している。ただ
し、この架橋部分は、塩基性アミノ酸以外の架橋剤を併
用して構成しても構わない。
【0038】架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の架橋部分
は、ポリマー主鎖基本骨格との「結合部分」と、それら
を橋架けする「連結部分」に分けて理解することができ
る。以下、それらについて説明する。
【0039】[1−3−1] 架橋ポリアスパラギン酸
系樹脂の架橋部分の結合部分 架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の架橋部分の結合部分
は、アミド結合である。ただし、他の架橋剤を併用する
こともでき、この場合、例えばアミド結合、エステル結
合、チオエステル結合から成る構造を含むことができ
る。これらは単独でもよいし、複数の構造が混在してい
ても構わない。
【0040】[1−3−2] 架橋ポリアスパラギン酸
系樹脂の架橋部分の連結部分 架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の架橋部分の連結部分は
特に限定されず、他の架橋剤を併用する場合において
も、その構造は特に限定されない。連結部分の具体例
を、以下に挙げる。
【0041】−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH
2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−、−(CH2
5−、−(CH26−、−(CH27−、−(CH28
−、−(CH29−、−(CH210−、−(CH211
−、−(CH212−、−(CH213−、−(CH2
14−、−(CH215−、−(CH216−、−(C
217−、−(CH218−、−CH2CH2OCH2
2−、−(CH2CH2O)2CH 2CH2−、−(CH2
CH2O)3CH2CH2−、−(CH2CH2O)4CH2
2−、−(CH2CH2O)5CH2CH2−、−(CH2
CH2O)6CH2CH2−、−CH2CH2CH2OCH2
2CH2−、−(CH2CH2CH2O)2CH2CH2CH
2−、−(CH2CH2CH2O)3CH2CH2CH2−、−
(CH2CH2CH2O)4CH2CH2CH2−、−(CH2
CH2CH2O)5CH2CH2CH2−、−(CH2CH2
2O)6CH2CH2CH2−、
【0042】
【化3】
【0043】
【化4】 これらの連結部分は、無置換のものでも、置換基により
置換したものでもよい。この置換基としては、炭素原子
数1から18の分岐していてもよいアルキル基、炭素原
子数3から8のシクロアルキル基、アラルキル基、置換
していてもよいフェニル基、置換していてもよいナフチ
ル基、炭素原子数1から18の分岐していても良いアル
コキシ基、アラルキルオキシ基、フェニルチオ基、炭素
原子数1から18の分岐していても良いアルキルチオ
基、炭素原子数1から18の分岐していても良いアルキ
ルアミノ基、各アルキル基が炭素原子数1から18の分
岐していても良いジアルキルアミノ基、各アルキル基が
炭素原子数1から18の分岐していても良いトリアルキ
ルアンモニウム基、水酸基、アミノ基、メルカプト基、
カルボキシル基、スルホン酸基並びにホスホン酸基及び
これらの塩、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボ
ニルオキシ基等が挙げられる。
【0044】例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テト
ラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシ
ル、オクタデシル等のアルキル基、シクロプロピル、シ
クロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロ
ヘプチル、シクロオクチル等のシクロアルキル基、ベン
ジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェニルブ
チル等のアラルキル基、フェニル、トリル、キシリル、
クロロフェニル、ビフェニル等のフェニル基、ナフチ
ル、メチルナフチル等のナフチル基、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシル
オキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、デシルオキ
シ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、トリデシルオ
キシ、テトラデシルオキシ、ペンタデシルオキシ、ヘキ
サデシルオキシ、ヘプチルデシルオキシ、オクチルデシ
ルオキシ等のアルコキシ基、フェノキシ、ベンジルオキ
シ、トリルオキシ等のアラルキルオキシ基、メチルチ
オ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチル
チオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ、ノ
ニルチオ、デシルチオ、ウンデシルチオ、ドデシルチ
オ、トリデシルチオ、テトラデシルチオ、ペンタデシル
チオ、ヘキサデシルチオ、ヘプチルデシルチオ、オクチ
ルデシルチオ等のアルキルチオ基、フェニルチオ基、ベ
ンジルチオ、トリルチオ等のアラルキルチオ基、メチル
アミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミ
ノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、ヘプチルアミ
ノ、オクチルアミノ、ノニルアミノ、デシルアミノ、ウ
ンデシルアミノ、ドデシルアミノ、トリデシルアミノ、
テトラデシルアミノ、ペンタデシルアミノ、ヘキサデシ
ルアミノ、ヘプチルデシルアミノ、オクチルデシルアミ
ノ等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ、ジエチルア
ミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジペンチル
アミノ、ジヘキシルアミノ、ジヘプチルアミノ、ジオク
チルアミノ、ジノニルアミノ、ジデシルアミノ、ジウン
デシルアミノ、ジドデシルアミノ、ジトリデシルアミ
ノ、ジテトラデシルアミノ、ジペンタデシルアミノ、ジ
ヘキサデシルアミノ、ジヘプチルデシルアミノ、ジオク
チルデシルアミノ、エチルメチルアミノ、メチルプロピ
ルアミノ等のジアルキルアミノ基、トリメチルアンモニ
ウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニ
ウム、トリブチルアンモニウム、トリペンチルアンモニ
ウム、トリヘキシルアンモニウム、トリヘプチルアンモ
ニウム、トリオクチルアンモニウム、トリノニルアンモ
ニウム、トリデシルアンモニウム、トリウンデシルアン
モニウム、トリドデシルアンモニウム、トリテトラデシ
ルアンモニウム、トリペンタデシルアンモニウム、トリ
ヘキサデシルアンモニウム、トリヘプチルデシルアンモ
ニウム、トリオクチルデシルアンモニウム、ジメチルエ
チルアンモニウム、ジメチルベンジルアンモニウム、メ
チルジベンジルアンモニウム等のトリアルキルアンモニ
ウム基、水酸基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシ
ル基、又は、スルホン酸基、又はホスホン酸基及びこれ
らの塩、メチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボ
ニル、プロピルオキシカルボニル、ブチルオキシカルボ
ニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカル
ボニル、ヘプチルオキシカルボニル、オクチルオキシカ
ルボニル、ノニルオキシカルボニル、デシルオキシカル
ボニル、ウンデシルオキシカルボニル、ドデシルオキシ
カルボニル、トリデシルオキシカルボニル、テトラデシ
ルオキシカルボニル、ペンタデシルオキシカルボニル、
ヘキサデシルオキシカルボニル、ヘプタデシルオキシカ
ルボニル、オクタデシルオキシカルボニル等のアルキル
オキシカルボニル基、メチルカルボニルオキシ、エチル
カルボニルオキシ、プロピルカルボニルオキシ、ブチル
カルボニルオキシ、ペンチルカルボニルオキシ、ヘキシ
ルカルボニルオキシ、ヘプチルカルボニルオキシ、オク
チルカルボニルオキシ、ノニルカルボニルオキシ、デシ
ルカルボニルオキシ、ウンデシルカルボニルオキシ、ド
デシルカルボニルオキシ、トリデシルカルボニルオキ
シ、テトラデシルカルボニルオキシ、ペンタデシルカル
ボニルオキシ、ヘキサデシルカルボニルオキシ、ヘプタ
デシルカルボニルオキシ、オクタデシルカルボニルオキ
シ等のアルキルカルボニルオキシ基等を挙げることがで
きる。
【0045】これらの中から分子量が大きいものを選択
すると、架橋部分の分子量が大きくなり、相対的に繰り
返し単位当たりの分子量が大きくなり、単位重量当たり
の吸水量が小さくなるので、分子量が小さいものを選択
する方が好ましい。また、一般的に製造法が簡単なもの
を選択することも好ましい。例えば、無置換のもの、又
は、置換基(例えば、メチル、エチル、メトキシ、メチ
ルオキシカルボニル及び/又はメチルカルボニルオキシ
基;並びに/又は水酸基、アミノ基、メルカプト基、カ
ルボキシル基、スルホン酸基及び/又はホスホン酸基及
び又はこれらの塩等)により置換されたものが好まし
い。
【0046】さらに、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂を
保水材の用途に使用する場合は、樹脂分子内に極性基が
存在することが好ましいので、架橋部分は、無置換の状
態で極性基を含むもの、又は、極性基を含む置換基(例
えば、水酸基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル
基、スルホン酸基及びホスホン酸基並びに/又はこれら
の塩)により置換されたものが特に好ましい。
【0047】ここで、架橋部分の量は特に限定されない
が、架橋部分を有する繰り返し単位の数は、重合体全体
の繰り返し単位の総数を基準として、0.1〜20%が
好ましく、0.5〜10%がより好ましい。
【0048】[2] ポリコハク酸イミドの製造方法 本発明に使用する架橋前のポリコハク酸イミドは、その
製造方法について特に限定されない。その具体例とし
て、例えば、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル
・ソサエティー(J.Amer.Chem.Soc.)
80巻・3361頁〜(1958年)等に記載の方法を
挙げることができる。
【0049】使用するポリコハク酸イミドの分子量は、
特に限定されないが、分子量が高い方が保水材としての
能力が高くなる。一般的に、3万以上、好ましくは5万
以上、より好ましくは9万以上である。
【0050】また、ポリコハク酸イミドは、線状構造で
あっても、分岐状構造を有するものであってもよい。
【0051】[3] ポリコハク酸イミドを架橋する方
法 本発明では、ポリコハク酸イミドを塩基性アミノ酸のカ
ルボン酸塩にて架橋する。以下に、本発明の特徴の一つ
である架橋剤と、その他の反応条件について説明する。
【0052】[3−1] 架橋反応で使用する架橋剤の
種類 本発明において使用する架橋剤は、安全性、反応性、コ
スト等の点から、塩基性アミノ酸のカルボン酸塩を用い
る。特に、リジンの塩及び/又はオルニチンの塩を用い
ることが好ましい。
【0053】塩基性アミノ酸としては、特に限定されな
いが、一般的には、下記一般式(2)にて表わされる。
【0054】
【化5】 (式中、Rはアルキレン基、アラルキレン基、又はアリ
ーレン基を表わす。) ここでRはアルキレン、アラルキレン、又はアリーレン
であるが、これらは直鎖であっても分岐構造であって
も、環状構造であっても構わない。また、これらは、そ
の炭素原子の一部をO、N、S、P、B、Si等を含む
置換基にて置換されていても構わない。すなわち、O、
N、S、P、B、Si等が導入された、エーテル基、エ
ステル基、カルボニル基、ウレア基、チオエステル基、
チオカルボニル基、スルホン基、スルホニル基、スルホ
ンアミド基、二級アミノ基、三級アミノ基、アミド基、
ホスホン基、ホスホンアミド基等の置換基にて置換され
ていても構わない。また、Rに対してアミノ基の置換位
置も特に限定されない。さらに、Rは、アルキル基、シ
クロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキ
シアルキル基、ポリオキシアルキレン基、アリールオキ
シアルキレン基、アラルキルオキシアルキレン基、アル
キルチオアルキル基、ポリチオアルキレン基、アリール
チオアルキレン基、アラルキルチオアルキレン基、アル
キルアミノ基、ジアルキルアミノ基、トリアルキルアン
モニオ基、アルキルオキシカルボニルアルキル基、アル
キルカルボニルオキシアルキル基等の置換基を含んでい
ても構わない。Rの具体例を以下に挙げる。
【0055】−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH
2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−、−(CH2
5−、−(CH26−、−(CH27−、−(CH28
−、−(CH29−、−(CH210−、−(CH211
−、−(CH212−、−(CH213−、−(CH2
14−、−(CH215−、−(CH216−、−(C
217−、−(CH218−、−CH2CH2OCH2
2−、−(CH2CH2O)2CH 2CH2−、−(CH2
CH2O)3CH2CH2−、−(CH2CH2O)4CH2
2−、−(CH2CH2O)5CH2CH2−、−(CH2
CH2O)6CH2CH2−、−CH2CH2CH2OCH2
2CH2−、−(CH2CH2CH2O)2CH2CH2CH
2−、−(CH2CH2CH2O)3CH2CH2CH2−、−
(CH2CH2CH2O)4CH2CH2CH2−、−(CH2
CH2CH2O)5CH2CH2CH2−、−(CH2CH2
2O)6CH2CH2CH2−、
【0056】
【化6】 本発明においては、架橋剤としての塩基性アミノ酸は、
カルボン酸塩の形で使用される。塩基性アミノ酸をその
まま用いると、下記一般式(3)に表わされるように、
α位のアミノ基とカルボキシル基が両性イオン構造を取
り、α位のアミノ基の反応性が低下し、架橋剤としての
反応速度が非常に遅くなる。
【0057】
【化7】 (式中、Rはアルキレン基、アラルキレン基、又はアリ
ーレン基を表わす。) 反応速度を速くするためには、下記一般式(4)に表わ
すような、塩基性アミノ酸のエステル、チオエステル、
アミド等の誘導体として用いるか、もしくは、下記一般
式(1)に表わすような、塩基性アミノ酸のカルボン酸
塩として反応に用いる必要がある。ここで、塩基性アミ
ノ酸のカルボキシル基を誘導体化又は塩とすることによ
り、α位のアミノ基の反応性が向上し、架橋剤として有
効に作用するようになる。
【0058】
【化8】 [式中、Rはアルキレン基、アラルキレン基、又はアリ
ーレン基を表わし、R’はアルキル基、アラルキル基、
又はアリール基を表わし、Mは−NH−、−N(R”)
−(R”は、アルキル基、アラルキル基、又はアリール
基を表わす。)、−S−、又は、−O−を表わす。]
【0059】
【化9】 (式中、Rは、アルキレン基、アラルキレン基、又はア
リーレン基を表わし、Xは、アルカリ金属イオン、アル
カリ土類金属イオン、又はアンモニウムを表わす。) 本発明においては、コスト等の面で特に優れている一般
式(1)に表わすような、塩基性アミノ酸のカルボン酸
塩を架橋剤として用いることを特徴とする。
【0060】本発明に用いる塩基性アミノ酸のカルボン
酸塩を形成するイオンは特に限定されない。そのイオン
の具体例としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リ
チウム等のアルカリ金属イオン;アンモニウム、テトラ
メチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テト
ラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、
テトラペンチルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニ
ウム、エチルトリメチルアンモニウム、トリメチルプロ
ピルアンモニウム、ブチルトリメチルアンモニウム、ペ
ンチルトリメチルアンモニウム、ヘキシルトリメチルア
ンモニウム、シクロヘキシルトリメチルアンモニウム、
ベンジルトリメチルアンモニウム、トリエチルプロピル
アンモニウム、トリエチルブチルアンモニウム、トリエ
チルペンチルアンモニウム、トリエチルヘキシルアンモ
ニウム、シクロヘキシルトリエチルアンモニウム、ベン
ジルトリエチルアンモニウム等のアンモニウムイオン;
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルア
ミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘ
キシルアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノー
ルアミン、トリブタノールアミン、トリペンタノールア
ミン、トリヘキサノールアミン、ジメチルアミン、ジエ
チルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペ
ンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルア
ミン、ジベンジルアミン、エチルメチルアミン、メチル
プロピルアミン、ブチルメチルアミン、メチルペンチル
アミン、メチルヘキシルアミン、メチルアミン、エチル
アミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミ
ン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、
ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン等のアミンイオ
ン;等を挙げることができる。
【0061】これらの中では、イオンの原子量又は分子
量が大きくなると相対的に単量体単位あたりの分子量が
大きくなり、単位重量当たりの吸水量が小さくなるの
で、その原子量又は分子量が小さいものの方が好まし
い。また、人の肌等に触れる可能性がある場合は、皮膚
等への刺激性が低い方が好ましい。これらの点から、ナ
トリウム、カリウム、リチウム、アンモニウムを用いる
ことが好ましく、さらに、ナトリウム、カリウムを用い
ることが、コストの面で特に好ましい。
【0062】また、架橋剤として、リジン自体、オルニ
チン等の塩基性アミノ酸自体を併用することもできる
し、塩以外の各種誘導体を併用することもできる。さら
には、リジン、オルニチン以外の他の各種架橋剤(例え
ばポリアミンなどが好ましい)を併用することもでき
る。
【0063】そのような他の架橋剤としては、ポリコハ
ク酸イミドのイミド環と反応する多官能性化合物であれ
ば、特に限定されない。例えば、ポリアミン、ポリチオ
ール等の多官能性化合物を挙げることができる。その具
体例としては、ヒドラジン、エチレンジアミン、プロピ
レンジアミン、1,4−ブタンジアミン、ペンタメチレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレン
ジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジア
ミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミ
ン、ドデカメチレンジアミン、テトラデカメチレンジア
ミン、ヘキサデカメチレンジアミン、1−アミノ−2,
2−ビス(アミノメチル)ブタン、テトラアミノメタ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等
の脂肪族ポリアミン、ノルボルネンジアミン、1,4−
ジアミノシクロヘキサン、1,3,5−トリアミノシク
ロヘキサン、イソホロンジアミン等の脂環式ポリアミ
ン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレ
ンジアミン等の芳香族ポリアミン、塩基性アミノ酸もし
くはそれらのエステル類、シスタミン等のモノアミノ化
合物の分子1個又はそれ以上が1個又はそれ以上のジス
ルフィド結合により結合した化合物及びその誘導体等の
ポリアミン、1,2−エタンジチオール、1,3−プロ
パンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,6−
ヘキサンジチオール、ペンタエリスリチオール等の脂肪
族ポリチオール、シクロヘキサンジチオール等の脂環式
ポリチオール、キシリレンジチオール、ベンゼンジチオ
ール、トルエンジチオール等の芳香族ポリチオール、ト
リメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、ト
リメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオ
ネート)ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコ
レート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メル
カプトプロピオネート)ポリチオール等のエステル類が
挙げられる。
【0064】他の架橋剤中では、臭気が小さく、ポリコ
ハク酸イミドのイミド環との反応性が高い、エチレンジ
アミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミ
ン、ヘプタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、シスタミンが好ましい。
【0065】架橋剤の量は、特に制限されず、架橋剤の
官能数や分子量によって決まる架橋度や、その使用用途
の種類によって適宜決定すればよい。ここで、架橋度と
は、架橋間の距離又は構成単量体単位の数、もしくはポ
リマー主鎖に対する架橋部分の割合の度合いを表すもの
と定義する。
【0066】一般的には、架橋剤の量が多すぎると、架
橋度が高くなりすぎ、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂と
した際の吸水能が低下する。逆に、架橋剤の量が少なす
ぎると、架橋度が低くなり、その樹脂が水溶性となり、
吸水能を示さなくなる。したがって、架橋剤の量は、適
当な架橋度を実現し得るように適宜決定すればよい。架
橋剤の量は、一般的には、ポリコハク酸イミドの単量体
単位の総数に対して、0.1〜30%が好ましく、特に
1〜20%が好ましい。
【0067】[3−2] ポリコハク酸イミドを架橋剤
と反応させる架橋反応条件 ポリコハク酸イミドを架橋し、架橋ポリコハク酸イミド
を製造する方法においては、例えば、ポリコハク酸イミ
ドを溶解できる有機溶媒である良溶媒中にて、ポリコハ
ク酸イミドと架橋剤とを反応させる。
【0068】ここで使用する「良溶媒」なる語の概念
は、ポリコハク酸イミドを実質的に完全に溶解できる有
機溶媒を包含する。本発明において使用する良溶媒は、
特に限定されない。良溶媒の具体例としては、例えば、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチルピロリドン、N,N’−ジメチル
イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン
等を挙げることができる。これらの中では、ポリコハク
酸イミドの溶解性が高い、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミドが特に好ましい。こ
れらの溶媒は、単独でも、2種以上を混合して用いても
構わない。
【0069】また、架橋反応を遅くする目的又は反応系
全体をゲル化させないで分散状態にて反応を進行させる
目的で、ポリコハク酸イミドを溶解しない、もしくはわ
ずかしか溶解しない貧溶媒を加えても構わない。ここで
使用する「貧溶媒」なる語の概念は、ポリコハク酸イミ
ドを実質的に完全には溶解できない有機溶媒及び水を包
含する。本発明においては、この貧溶媒を分散剤として
好適に使用できる。
【0070】本発明において使用する貧溶媒は、特に限
定されず、化学反応一般に使用される溶媒であって、ポ
リコハク酸イミドの溶解性が低い溶媒はいずれであって
も使用できる。貧溶媒と良溶媒を併用する場合は、良溶
媒と貧溶媒の混和性は限定されず、混和性、不混和性の
どちらでも使用できる。また、ポリコハク酸イミドの良
溶媒が架橋剤を溶解しない場合は、使用する架橋剤を実
質的に溶解できるような貧溶媒を用いることが好まし
い。
【0071】貧溶媒の具体例としては、水、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブ
タノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノー
ル、オクタノール、2−メトキシエタノール、2−エト
キシエタノール等のアルコール類、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグ
リコール類、メチルグリコソルブ、エチルグリコソルブ
等のグリコソルブ類、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン等の環状エーテル、石油エーテル、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、
デカリン、ジフェニルエーテル、アニソール、クレゾー
ル等がある。これらの中では、アミノ酸のカルボン酸の
塩が溶解できる、水、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノールが特に好ましい。これらの溶
媒は、単独でも、2種以上を混合して用いても構わな
い。
【0072】なお、これら貧溶媒は、ポリコハク酸イミ
ドを分散させる目的以外にも、例えば、架橋反応を遅く
する目的等にも用いることができる。
【0073】良溶媒と貧溶媒を併用する場合、その混合
比は特に限定されない。貧溶媒を適度に多くすれば貧溶
媒の効果が発現し、ポリコハク酸イミドが分散状態とな
り、ゲル化を防止できる。一方、貧溶媒を適度に少なく
すれば、良溶媒の効果が発現し、ポリコハク酸イミドの
分散状態が均一となる。また、通常、貧溶媒を適度に少
なくすれば、溶媒回収のコストが低減し、経済的に有利
である。
【0074】ここで架橋剤として用いる塩基性アミノ酸
のカルボン酸塩は、塩構造のためこれらのポリコハク酸
イミドの良溶媒に対して溶解しない場合がある。この場
合、塩をそのままポリコハク酸イミドの溶液に加えて
も、塩が溶解し易い水等に溶解又は懸濁させた液をポリ
コハク酸イミドの溶液に加えてもよい。反応は架橋剤が
反応系に用いる溶媒に完全に溶解した状態でも、溶解し
ないで分散した状態でも、実質的に架橋反応が進行すれ
ば構わない。一般的には、混合溶媒としたときには、使
用する架橋剤を実質的に溶解できるような良溶媒又は貧
溶媒を用いることが好ましい。
【0075】架橋反応においては、必要に応じ触媒を使
用してもよい。触媒としては、一般的には、塩基触媒が
用いられる。
【0076】塩基触媒としては、例えば、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金
属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチ
ウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭
酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、酢酸ナト
リウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属酢酸塩、シュウ
酸ナトリウム等のアルカリ金属塩、アンモニア等の無機
系塩基試剤;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ト
リプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルア
ミン、トリヘキシルアミン、トリエタノールアミン、ト
リプロパノールアミン、トリブタノールアミン、トリペ
ンタノールアミン、トリヘキサノールアミン、ジメチル
アミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチル
アミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシク
ロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、エチルメチルア
ミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチルアミン、メ
チルペンチルアミン、メチルヘキシルアミン、メチルア
ミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、
ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デ
シルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ピ
リジン、ピコリン、キノリン等のアミン等の有機系塩基
試剤が挙げられる。
【0077】架橋反応における反応温度は、特に限定さ
れず、架橋剤の反応性や、ポリコハク酸イミドの分散状
態を考慮して、適宜決定すればよい。一般的には、0〜
200℃が好ましく、10〜80℃がより好ましい。
【0078】架橋反応が進行する時点のポリコハク酸イ
ミドを含む溶液又は分散液における、ポリコハク酸イミ
ドの濃度は特に限定されないが、一般的には、0.1〜
50重量%が好ましく、特に1〜40重量%が好まし
い。
【0079】分散状態において反応させる場合、ポリコ
ハク酸イミドの粒度は、小さい方が反応し易いので好ま
しい。ここで乾燥状態におけるポリコハク酸イミドの粒
度(平均粒子直径)を基準にすると、その粒度は、10
0μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましい。
このように、ポリコハク酸イミドの粒子が適度に小さけ
れば、内部まで架橋反応が進行し易くなり、後に加水分
解を行った場合、未架橋の水溶性部分が少なく、収率低
下や性能低下を防止できる。
【0080】架橋反応において分散剤を用いない場合
は、ポリコハク酸イミドと架橋剤との反応が進行してい
くにつれて、反応生成物はゲル化していく。このとき、
反応系全体がゲル化する前に処理しても、完全にゲル化
させて処理しても構わない。ゲル化の程度は、ポリマー
濃度、架橋剤量、架橋度、貧溶媒の存在率等の反応条件
によって異なる。ポリマー濃度が高い場合、架橋剤量が
多い場合、架橋度が高い場合、貧溶媒の存在比が低い場
合等の条件では、得られるゲルは硬いものとなり、逆の
場合、ゲルは柔らかくなる。この場合、生成するゲル
は、加水分解して得られる架橋ポリアスパラギン酸系樹
脂の使用用途に応じて選択される。例えば、高ゲル強度
の樹脂を得るためには、架橋度を高めればいい。
【0081】すなわち、架橋反応後の反応生成物である
架橋ポリコハク酸イミドは、有機溶媒を含んで膨潤した
ゲルとなり、このゲルを湿式粉砕して用いる方が好まし
い。この場合、架橋反応後のゲルを取り出して、湿式粉
砕装置に装入してもよいし、あるいは、架橋反応自体を
湿式粉砕装置の中で行い、装置中でゲル化させてもよ
い。架橋ポリコハク酸イミドのゲルの湿式粉砕は、ゲル
が硬いときのみならず、ゲルが柔らかいときにも有効で
あり、短時間にて処理が可能となる。
【0082】このような湿式粉砕を、非分散状態のポリ
コハク酸イミドを架橋させて得た架橋ポリコハク酸イミ
ドのゲルに対して適用した場合、湿式粉砕後のゲル粉砕
物は、次に、イミド環の加水分解反応に供される。この
加水分解反応工程は、通常、水を必須成分として用い
る。したがって、水及び/又は水混和性有機溶媒中で湿
式粉砕を行った場合は、ゲル粉砕物を分離することな
く、そのままの状態で、次の加水分解工程を行ってもよ
い。
【0083】また、予め粉砕される被処理物に、加水分
解反応のための塩(有機塩及び/又は無機塩)を溶解や
混合により共存させておき、粉砕後、粉砕物をそのま
ま、次の加水分解工程に処すこともできる。さらに粉砕
と同時に、加水分解反応のためのアルカリ水溶液を添加
し、粉砕と加水分解反応を同時に行うこともできる。
【0084】また、この粉砕により固体を含む有機溶媒
のスラリーを得て、この固体を有機溶媒から分離する場
合は、有機溶媒回収等を考慮して分離することもでき
る。好ましい分離法としては、濾過、デカンテーショ
ン、遠心分離等の一般的な化学的分離法が挙げられる。
得られた固体は、乾燥してから次の加水分解工程を行っ
てもよく、ウェット・ケーキのまま次の加水分解工程を
行ってもよい。すなわち、有機溶媒を加水分解工程前に
除去してもよく、これを除去することなくそのまま加水
分解工程を行ってもよい。また、不均一な架橋反応を抑
制する目的で、湿式粉砕により、積極的に、さらに均一
なポリコハク酸イミドの分散状態を発現する方法を採用
することもできる。 [4] 架橋ポリコハク酸イミドの用途 架橋ポリコハク酸イミドの残りのイミド環をアルカリ加
水分解すれば、良好な架橋ポリアスパラギン酸系樹脂が
得られる。すなわち、この架橋ポリコハク酸イミドは、
架橋ポリアスパラギン酸系樹脂を製造するための中間体
として非常に有用である。なお、この架橋ポリコハク酸
イミドの分子構造は、先に説明した架橋ポリアスパラギ
ン酸系樹脂の分子構造のアルカリ加水分解前の状態に対
応している。
【0085】ただし、この架橋ポリコハク酸イミドの用
途は、その中間体の用途に限定されない。架橋ポリコハ
ク酸イミド自体を樹脂材料として、種々の用途に使用可
能である。また、後に述べる「架橋ポリアスパラギン酸
系樹脂の使用の形態」の欄で説明するものと同様の使用
形態を採り得る。その使用時の形状も、後に述べる「架
橋ポリアスパラギン酸系樹脂の形状」の欄で説明するも
のと同様の形状にすることができる。 [5] 架橋ポリコハク酸イミドのイミド環の加水分解 架橋ポリコハク酸イミドの残りのイミド環の加水分解は
特願平9−68185号に記載の方法にて容易に実施で
きる。すなわち、水と水混和性有機溶媒混合液中、無機
もしくは有機塩の水溶液中、或いは40乃至100℃の
温水中にて加水分解を行う方法であり、これらの複数を
組み合わせて使用しても構わない。
【0086】架橋ポリコハク酸イミドのイミド環の加水
分解において、水中ではゲル化が著しくなり、攪拌が困
難となったり、有機溶媒中では沈殿物が凝集して攪拌困
難となったり、また加水分解が遅くなったり十分に進行
しなくなり、生成した樹脂の吸水量が低下するので、こ
れらの方法を用いる。
【0087】水混和性有機溶媒を使用する場合、使用す
る有機溶剤は、特に限定されないが、一般にはメタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブ
タノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタ
ノール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール
類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン
等の環状エーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリド
ン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルス
ルホキシド、スルホラン等がある。この中で、架橋ポリ
アスパラギン酸系樹脂として乾燥する際に、特に乾燥が
容易であり、かつ乾燥後に組成物内に溶剤が残留しにく
い点でメタノール、エタノール、プロパノール、イソプ
ロパノール、ブタノールが好ましい。
【0088】使用する水の使用量は容積効率を高めるた
めに、生成する吸水性樹脂の1〜10重量倍が好まし
く、特に1〜5重量倍が好ましい。
【0089】使用する水の割合は、混合溶媒に対して5
〜100重量%が好ましく、20〜80重量%が特に好
ましい。
【0090】無機もしくは有機塩を使用する場合、その
無機もしくは有機塩は、特に限定されず、一般的な塩は
広く使用できる。例えば、中性塩、塩基性塩、酸性塩が
使用できる。ここで多価金属塩の場合、イミド環の加水
分解で生成したカルボキシル基とイオン的に架橋し架橋
度が高くなるので、その濃度を高くできない。
【0091】使用する塩の添加の方法としては、水に加
えて溶解させても、水中で中和により生成させても構わ
ない。また、架橋反応によって生じた塩をそのまま用い
ることもできる。
【0092】使用する塩は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化
水素酸、フッ化水素酸、硫酸、亜硫酸、二亜硫酸、アミ
ド硫酸、チオ硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、亜リン酸、
オルトリン酸、メタリン酸、次リン酸、ピロリン酸、ホ
スフィン酸、ホスホン酸、炭酸、過炭酸、ホウ酸、オル
トホウ酸、メタホウ酸、塩素酸、過塩素酸、次亜塩素
酸、臭素酸、過臭素酸、次亜臭素酸、ヨウ素酸、過ヨウ
素酸、次亜ヨウ素酸、ケイ酸、オルトケイ酸、メタケイ
酸、アルミン酸、テルル酸、イソシアン酸、チオシアン
酸、マンガン酸、過マンガン酸、過ヨウ素酸、クロム
酸、ニクロム酸、メタ亜アンチモン酸、メタバナジン
酸、モリブデン酸等の無機鉱酸、有機ホスホン酸、有機
スルホン酸、有機カルボン酸、シュウ酸、有機フェノー
ル等の金属塩もしくは有機塩基塩、酸化物等が挙げられ
る。この中で皮膚等への刺激性が低く、酸化還元性が無
く、低コストであり、水への溶解性が高い塩酸、臭化水
素酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、硫酸、亜硫酸、硝
酸、亜硝酸、リン酸、オルトリン酸、メタリン酸、ピロ
リン酸、ホスフィン酸、ホスホン酸、炭酸、ホウ酸、オ
ルトホウ酸、メタホウ酸、ケイ酸、オルトケイ酸、メタ
ケイ酸、シュウ酸、有機ホスホン酸、有機スルホン酸、
有機カルボン酸の金属塩もしくは有機塩基塩が好まし
く、特に塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸、ホウ酸、有
機ホスホン酸、有機スルホン酸、有機カルボン酸の金属
塩もしくは有機塩基塩が好ましい。
【0093】金属塩の金属はリチウム、ナトリウム、カ
リウム、ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、カ
ルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロ
ム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガ
リウム、ゲリウム、ルビジウム、ストロンチウム、イッ
トリウム、ジルコニウム、ニオビウム、モリブデン、ル
テニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、イ
ンジウム、錫、テルリウム、セシウム、バリウム、セリ
ウム、金、水銀、タリウム、鉛等が挙げられる。この中
で皮膚刺激性が低く、低コストであり、水への溶解性が
高いリチウム、ナトリウム、カリウムが好ましい。
【0094】有機塩としては、アンモニウム、テトラメ
チルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラ
プロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、テ
トラペンチルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウ
ム、エチルトリメチルアンモニウム、トリメチルプロピ
ルアンモニウム、ブチルトリメチルアンモニウム、ペン
チルトリメチルアンモニウム、ヘキシルトリメチルアン
モニウム、シクロヘキシルトリメチルアンモニウム、ベ
ンジルトリメチルアンモニウム、トリエチルプロピルア
ンモニウム、トリエチルブチルアンモニウム、トリエチ
ルペンチルアンモニウム、トリエチルヘキシルアンモニ
ウム、シクロヘキシルトリエチルアンモニウム、ベンジ
ルトリエチルアンモニウム等のアンモニウム塩、トリメ
チルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、
トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシル
アミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミ
ン、トリブタノールアミン、トリペンタノールアミン、
トリヘキサノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルア
ミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチル
アミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、
ジベンジルアミン、エチルメチルアミン、メチルプロピ
ルアミン、ブチルメチルアミン、メチルペンチルアミ
ン、メチルヘキシルアミン、メチルアミン、エチルアミ
ン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、
ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデ
シルアミン、ヘキサデシルアミン等のアミン塩等が挙げ
られる。この中で水への溶解性、臭気、安全性、コスト
を考慮すると、テトラメチルアンモニウム、テトラエチ
ルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラ
ブチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、
ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチル
アンモニウム等のアンモニウム塩、トリメチルアミン、
トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルア
ミン、トリエタノールアミン、のアミン塩等が特に好ま
しい。
【0095】具体的な塩の例としては、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化アンモニウム、
塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ベリリウム、
塩化アルミニウム、四塩化チタン、塩化バナジウム、塩
化クロム、塩化マンガン、塩化鉄、塩化コバルト、塩化
ニッケル、塩化銅、塩化亜鉛、塩化ストロンチウム、塩
化イットリウム、塩化ジルコニウム、塩化モリブデン、
塩化ルテニウム、塩化ロジウム、塩化パラジウム、塩化
銀、塩化カドミウム、塩化錫、塩化テルリウム、塩化セ
シウム、塩化バリウム、塩化セリウム、塩化鉛、テトラ
メチルアンモニウム・クロリド、テトラエチルアンモニ
ウム・クロリド、テトラブチルアンモニウム・クロリ
ド、トリエタノールアミン塩酸塩等の塩化物塩、臭化ナ
トリウム、臭化カリウム、臭化リチウム、臭化アンモニ
ウム、テトラメチルアンモニウム・ブロミド、テトラエ
チルアンモニウム・ブロミド、テトラブチルアンモニウ
ム・ブロミド、トリエタノールアミン・臭化水素酸塩、
ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、
ヨウ化アンモニウム、テトラメチルアンモニウム・ヨー
ド、テトラエチルアンモニウム・ヨード、テトラブチル
アンモニウム・ヨード、トリエタノールアミン・ヨウ化
水素酸塩、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウ
ム、硫酸アンモニウム、テトラメチルアンモニウム・硫
酸塩、テトラエチルアンモニウム・硫酸塩、テトラブチ
ルアンモニウム・硫酸塩、トリエタノールアミン・硫酸
塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸リチウム、硝
酸アンモニウム、テトラメチルアンモニウム・硝酸塩、
テトラエチルアンモニウム・硝酸塩、テトラブチルアン
モニウム・硝酸塩、トリエタノールアミン・硝酸塩、リ
ン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸リチウム、リ
ン酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸リチウム、炭酸アンモニウム、テトラメチルアンモニ
ウム・炭酸塩、テトラエチルアンモニウム・炭酸塩、テ
トラブチルアンモニウム・炭酸塩、トリエタノールアミ
ン・炭酸塩、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ
酸リチウム、ホウ酸アンモニウム、ベンゼンスルホン酸
ナトリウム、ベンゼンスルホン酸カリウム、ベンゼンス
ルホン酸リチウム、ベンゼンスルホン酸アンモニウム、
テトラメチルアンモニウム・ベンゼンスルホン酸塩、テ
トラエチルアンモニウム・ベンゼンスルホン酸塩、テト
ラブチルアンモニウム・ベンゼンスルホン酸塩、トリエ
タノールアミン・ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエン
スルホン酸ナトリウム、p−トルエンスルホン酸カリウ
ム、p−トルエンスルホン酸リチウム、p−トルエンス
ルホン酸アンモニウム、テトラメチルアンモニウム・p
−トルエンスルホン酸塩、テトラエチルアンモニウム・
p−トルエンスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウム
・p−トルエンスルホン酸塩、トリエタノールアミン・
p−トルエンスルホン酸塩、安息香酸ナトリウム、安息
香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸アンモニウ
ム、テトラメチルアンモニウム・安息香酸塩、テトラエ
チルアンモニウム・安息香酸塩、テトラブチルアンモニ
ウム・安息香酸塩、トリエタノールアミン・安息香酸
塩、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸カリウム、シュウ酸
リチウム、シュウ酸アンモニウム、テトラメチルアンモ
ニウム・シュウ酸塩、テトラエチルアンモニウム・シュ
ウ酸塩、テトラブチルアンモニウム・シュウ酸塩、トリ
エタノールアミン・シュウ酸塩、酢酸ナトリウム、酢酸
カリウム、酢酸リチウム、酢酸アンモニウム、テトラメ
チルアンモニウム・酢酸塩、テトラエチルアンモニウム
・酢酸塩、テトラブチルアンモニウム・酢酸塩、トリエ
タノールアミン・酢酸塩、プロピオン酸ナトリウム、プ
ロピオン酸カリウム、プロピオン酸リチウム、プロピオ
ン酸アンモニウム、テトラメチルアンモニウム・プロピ
オン酸塩、テトラエチルアンモニウム・プロピオン酸
塩、テトラブチルアンモニウム・プロピオン酸塩、トリ
エタノールアミン・プロピオン酸塩等が挙げられる。
【0096】これらの中で塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム、塩化リチウム、塩化アンモニウム、テトラメチルア
ンモニウム・クロリド、テトラエチルアンモニウム・ク
ロリド、テトラブチルアンモニウム・クロリド、トリエ
タノールアミン塩酸塩、臭化ナトリウム、臭化カリウ
ム、臭化リチウム、臭化アンモニウム、テトラメチルア
ンモニウム・ブロミド、テトラエチルアンモニウム・ブ
ロミド、テトラブチルアンモニウム・ブロミド、トリエ
タノールアミン・臭化水素酸塩、ヨウ化ナトリウム、ヨ
ウ化カリウム、ヨウ化アンモニウム、テトラメチルアン
モニウム・ヨード、テトラエチルアンモニウム・ヨー
ド、テトラブチルアンモニウム・ヨード、トリエタノー
ルアミン・ヨウ化水素酸塩、硫酸ナトリウム、硫酸カリ
ウム、硫酸アンモニウム、テトラメチルアンモニウム・
硫酸塩、テトラエチルアンモニウム・硫酸塩、テトラブ
チルアンモニウム・硫酸塩、トリエタノールアミン・硫
酸塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウ
ム、テトラメチルアンモニウム・硝酸塩、テトラエチル
アンモニウム・硝酸塩、テトラブチルアンモニウム・硝
酸塩、トリエタノールアミン・硝酸塩、リン酸ナトリウ
ム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸アンモニウ
ム、テトラメチルアンモニウム・炭酸塩、テトラエチル
アンモニウム・炭酸塩、テトラブチルアンモニウム・炭
酸塩、トリエタノールアミン・炭酸塩、ホウ酸ナトリウ
ム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、ベンゼンス
ルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸カリウム、ベ
ンゼンスルホン酸アンモニウム、テトラメチルアンモニ
ウム・ベンゼンスルホン酸塩、テトラエチルアンモニウ
ム・ベンゼンスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウム
・ベンゼンスルホン酸塩、トリエタノールアミン・ベン
ゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸ナトリウ
ム、p−トルエンスルホン酸カリウム、p−トルエンス
ルホン酸アンモニウム、テトラメチルアンモニウム・p
−トルエンスルホン酸塩、テトラエチルアンモニウム・
p−トルエンスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウム
・p−トルエンスルホン酸塩、トリエタノールアミン・
p−トルエンスルホン酸塩、安息香酸ナトリウム、安息
香酸カリウム、安息香酸アンモニウム、テトラメチルア
ンモニウム・安息香酸塩、テトラエチルアンモニウム・
安息香酸塩、テトラブチルアンモニウム・安息香酸塩、
トリエタノールアミン・安息香酸塩、シュウ酸ナトリウ
ム、シュウ酸カリウム、シュウ酸アンモニウム、酢酸ナ
トリウム、酢酸カリウム、酢酸アンモニウム、テトラメ
チルアンモニウム・酢酸塩、テトラエチルアンモニウム
・酢酸塩、テトラブチルアンモニウム・酢酸塩、トリエ
タノールアミン・酢酸塩、プロピオン酸ナトリウム、プ
ロピオン酸カリウム等が好ましく、特に、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、テトラメチルア
ンモニウム・クロリド、テトラエチルアンモニウム・ク
ロリド、テトラブチルアンモニウム・クロリド、トリエ
タノールアミン塩酸塩、硫酸ナトリウム、硫酸カリウ
ム、硫酸アンモニウム、テトラメチルアンモニウム・硫
酸塩、テトラエチルアンモニウム・硫酸塩、テトラブチ
ルアンモニウム・硫酸塩、トリエタノールアミン・硫酸
塩、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモ
ニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニ
ウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アン
モニウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンス
ルホン酸カリウム、ベンゼンスルホン酸アンモニウム、
テトラメチルアンモニウム・ベンゼンスルホン酸塩、テ
トラエチルアンモニウム・ベンゼンスルホン酸塩、テト
ラブチルアンモニウム・ベンゼンスルホン酸塩、トリエ
タノールアミン・ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエン
スルホン酸ナトリウム、p−トルエンスルホン酸カリウ
ム、p−トルエンスルホン酸アンモニウム、テトラメチ
ルアンモニウム・p−トルエンスルホン酸塩、テトラエ
チルアンモニウム・p−トルエンスルホン酸塩、テトラ
ブチルアンモニウム・p−トルエンスルホン酸塩、トリ
エタノールアミン・p−トルエンスルホン酸塩、安息香
酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸アンモニウ
ム、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸カリウム、シュウ酸
アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ア
ンモニウム、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カ
リウム等が好ましくい。
【0097】使用する塩の濃度は、0.01〜20重量
%が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましい。濃度
が低すぎる場合は効果が小さく、濃度が高すぎると塩が
製品中に混入する場合がある。
【0098】残りのイミド環の開環に使用できる試剤
は、特に限定されないが、一般的には、アルカリ水が用
いられる。使用するアルカリ水は特に限定されないが、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等
のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸リチウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素
塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属酢
酸塩、シュウ酸ナトリウム等のアルカリ金属塩、アンモ
ニア水等が挙げられる。この中で、コスト的に安価な水
酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。
【0099】残りのイミド環のアルカリ開環の反応液の
pHはアルカリ水の濃度によって変わるが、pHが高す
ぎると主鎖のアミド結合を切断し、生成する樹脂の吸水
能を低下させ、逆にpHが低すぎると、反応が遅くな
り、実用的でない。一般的には7.5〜13が好まし
く、9〜12がより好ましい。
【0100】架橋ポリコハク酸イミドのイミド環の開環
反応は、水中、5〜100℃にて行われる。特に10〜
60℃が好ましい。
【0101】[6] 架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の
後処理 架橋ポリコハク酸イミドのイミド環をアルカリ加水分解
反応させた結果生成する架橋ポリアスパラギン酸系樹脂
の後処理については、特に限定されない。例えば、中
和、塩交換、乾燥、精製、造粒、表面架橋処理等の処理
を、必要に応じて行えばよい。以下、特に中和、塩交
換、乾燥の処理について説明する。
【0102】[6−1] 架橋ポリアスパラギン酸系樹
脂の中和処理 架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の中和処理は、必要に応
じて行えばよい。ただし、加水分解反応後の架橋ポリア
スパラギン酸系樹脂を含む反応液は、通常はアルカリ性
である。したがって、酸等を添加して、中和することが
好ましい。この中和処理により、架橋ポリアスパラギン
酸系樹脂の分子内に存在するカルボキシル基を塩にする
ことができる。この中和度は特に限定されないが、一般
的には架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の分子内の全アス
パラギン酸残基の総数を基準として、塩を形成するカル
ボキシル基の割合は、0〜50%が好ましく、0〜30
%がより好ましい。
【0103】中和処理の方法は特に限定されないが、加
水分解反応後に、酸を添加してpHを調整する方法が一
般的である。この酸の具体例としては、塩酸、臭化水素
酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、炭
酸、リン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、安
息香酸等のカルボン酸、メタンスルホン酸、トリフルオ
ロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンス
ルホン酸等のスルホン酸、ベンゼンホスホン酸等のホス
ホン酸等が挙げられる。
【0104】[6−2] 架橋ポリアスパラギン酸系樹
脂の塩交換処理 中和処理により、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の分子
内に存在するカルボキシル基を塩とした場合、必要に応
じて、その塩を他の種類の塩に交換することもできる。
【0105】この塩交換に使用される試剤の具体例とし
ては、例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミ
ン塩等を挙げることができる。より具体的には、ナトリ
ウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、テトラ
メチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テト
ラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、
テトラペンチルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニ
ウム、エチルトリメチルアンモニウム、トリメチルプロ
ピルアンモニウム、ブチルトリメチルアンモニウム、ペ
ンチルトリメチルアンモニウム、ヘキシルトリメチルア
ンモニウム、シクロヘキシルトリメチルアンモニウム、
ベンジルトリメチルアンモニウム、トリエチルプロピル
アンモニウム、トリエチルブチルアンモニウム、トリエ
チルペンチルアンモニウム、トリエチルヘキシルアンモ
ニウム、シクロヘキシルトリエチルアンモニウム、ベン
ジルトリエチルアンモニウム等のアンモニウム塩、トリ
メチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミ
ン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキ
シルアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノール
アミン、トリブタノールアミン、トリペンタノールアミ
ン、トリヘキサノールアミン、ジメチルアミン、ジエチ
ルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペン
チルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミ
ン、ジベンジルアミン、エチルメチルアミン、メチルプ
ロピルアミン、ブチルメチルアミン、メチルペンチルア
ミン、メチルヘキシルアミン、メチルアミン、エチルア
ミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミ
ン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、
ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン等のアミン塩等を
例示することができる。
【0106】これらの中では、その分子量が大きくなる
と相対的に単量体単位あたりの分子量が大きくなり、単
位重量当たりの吸水量が小さくなるので、その分子量が
小さいものの方が好ましい。また、人の肌等に触れる可
能性がある場合は、皮膚等への刺激性が低い方が好まし
い。これらの点から、ナトリウム、カリウム、リチウ
ム、アンモニウム、トリエタノールアミンを用いること
が好ましく、さらに、ナトリウム、カリウムを用いるこ
とが、コストの面で特に好ましい。
【0107】[6−3] 架橋ポリアスパラギン酸系樹
脂の乾燥処理 架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の乾燥処理の方法は特に
制限されない。例えば熱風乾燥、特定蒸気での乾燥、マ
イクロ波乾燥、減圧乾燥、ドラムドライヤー乾燥、疎水
性有機溶剤中での共沸脱水による乾燥等の公知の手法を
挙げることができる。乾燥温度は、一般的には、20〜
200℃が好ましく、50〜120℃がより好ましい。
【0108】この乾燥処理を施した架橋ポリアスパラギ
ン酸系樹脂に対して、さらに精製処理、造粒処理、表面
架橋処理等を施しでもよい。
【0109】[7] 架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の
形状 架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の形状の具体例として
は、不定形破砕状、球状、粒状、顆粒状、造粒状、リン
片状、塊状、パール状、微粉末状、繊維状、棒状、フィ
ルム状、シート状等種々のものを挙げることができ、用
途に応じて好ましい形状を選択できる。また、繊維状基
材、多孔質体、発泡体、造粒物等であってもよい。
【0110】[8] 架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の
粒度 架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の粒度(平均粒子直径)
は特に限定されず、用途に応じて好ましい粒度を選択で
きる。例えば、紙オムツに用いる場合は、速い吸収速度
とゲル・ブロッキングが起こらないことが望まれるの
で、その平均粒子径は100〜1000μmが好まし
く、150〜600μmがより好ましい。また例えば、
止水材等の樹脂への練り混みに用いる場合は、その平均
粒子径は1〜10μmが好ましく、農園芸用の保水材に
用いる場合は、土との分散性を考慮して、100μm〜
5mmが好ましい。
【0111】[10] 架橋ポリアスパラギン酸系樹脂
の使用の形態 架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の使用の形態は、特に限
定されるものではなく、単独でも、他の素材と組み合わ
せて使用してもよい。
【0112】例えば、他の樹脂と組合せて用いる場合、
熱可塑性樹脂に混練りして射出成形等にて成形する方
法、構成樹脂のモノマーと酸性ポリアミノ酸系樹脂及び
必要により開始剤を混合後、光もしくは熱等で重合する
方法、樹脂と架橋ポリアスパラギン酸系樹脂を溶剤に分
散させ、キャストし、溶剤を除去する方法、プレポリマ
ーと架橋ポリアスパラギン酸系樹脂を混合後、架橋する
方法、樹脂と架橋ポリアスパラギン酸系樹脂を混合後、
架橋する方法等がある。
【0113】架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の成型品と
しては、特に限定されるものではなく、固形物、シー
ト、フィルム、繊維、不織布、発泡体、ゴム等として使
用できる。また、その成型方法も特に限定されるもので
はない。
【0114】一方、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂は、
単独でも、他の素材との組み合わせによる複合体でも構
わない。複合体の構造は特に限定されないが、例えば、
パルプ層、不織布等にはさみ、サンドイッチ構造にする
方法、樹脂シート、フィルムを支持体として多層構造と
する方法、樹脂シートにキャストし、二層構造とする方
法等がある。例えば、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂を
シート状に成形加工すれば、吸水性シート(吸水性フィ
ルムも包含する)が得られる。
【0115】また、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂は、
必要により、1種以上の他の吸水性樹脂と混合して用い
ても良い。また、必要により、食塩、コロイダルシリ
カ、ホワイトカーボン、超微粒子状シリカ、酸化チタン
粉末等の無機化合物、キレート剤等の有機化合物を添加
しても構わない。さらに酸化剤、酸化防止剤、還元剤、
紫外線吸収剤、抗菌剤、殺菌剤、防カビ剤、肥料、香
料、消臭剤、顔料等を混合しても構わない。
【0116】架橋ポリアスパラギン酸系樹脂は、ゲル状
でも固形物としても使用できる。例えば、農園芸用保水
材、切り花延命剤、ゲル芳香剤、ゲル消臭剤等に使用す
る場合はゲルとして用い、紙おむつ用吸収体等は固形状
として用いる。
【0117】[11] 架橋ポリアスパラギン酸系樹脂
の用途 架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の用途は特に限定されな
いが、従来の吸水性樹脂が使用できる用途のいずれにも
使用できる。
【0118】例えば、生理用品、紙おむつ、母乳パッ
ト、使い捨て雑巾等の衛生用品、創傷保護用ドレッシン
グ材、医療用アンダーパット、パップ剤等の医療用品、
ペット用シート、携帯用トイレ、ゲル芳香剤、ゲル消臭
剤、吸汗性繊維、使い捨てカイロ等の生活用品、シャン
プー、セット用ジェル剤、保湿剤等のトイレタリー用
品、農・園芸用の保水材、切り花の延命剤、フローラル
フォーム(切り花の固定化材)、育苗用苗床、水耕栽培
植生シート、種子テープ、流体播種用媒体、結露防止用
農業用シート等の農・園芸用品、食品用トレー用鮮度保
持材、ドリップ吸収性シート等の食品包装材、保冷材、
生鮮野菜運搬用吸水性シート等の運搬用資材、結露防止
用建築材料、土木・建築用のシーリング材、シールド工
法の逸泥防止剤、コンクリート混和剤、ガスケット・パ
ッキング等の土木建築資材、電子機器、光ファイバー等
のシール材、通信ケーブル用止水材、インクジェット用
記録紙等の電気機器関連資材、汚泥の凝固剤、ガソリ
ン、油類の脱水、水分除去剤等の水処理剤、捺染用の
り、水膨潤性玩具、人工雪、徐放性肥料、徐放性農薬、
徐放性薬剤、湿度調整材、帯電防止剤等が挙げられる。
【0119】
【実施例】以下、実施例によって本発明をより具体的に
説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものでは
ない。以下の実施例及び比較例において「部」とは「重
量部」を意味する。実施例中の吸水量は、以下のティー
バッグ法にて測定した。
【0120】(1)ティーバッグ法 吸水量の測定は蒸留水、生理食塩水を対象として行っ
た。すなわち、蒸留水の場合は吸水性樹脂約0.05
部、生理食塩水の場合は吸水性樹脂約0.1部を不織布
製のティーバッグ(80mm×50mm)に入れ、過剰の対
応する溶液中に浸して該樹脂を1時間膨潤させた後、テ
ィーバッグを引き上げて1分間水切りを行い、膨潤した
樹脂を含むティーバッグの重量を測定した。同様な操作
をティーバッグのみで行った場合をブランクとして、そ
の重量からブランクの重量と吸水性樹脂の重量を減じた
値を、吸水性樹脂の重量で除した値を吸水量(g/樹脂1
g)とした。なお、生理食塩水は0.9重量%塩化ナトリ
ウム水溶液である。
【0121】[実施例1]リジン・1塩酸塩37.6部
を蒸留水80部に分散し、水酸化ナトリウム9.5部を
加えて中和し、リジン/リジン・ナトリウム塩水溶液を
調整した。一方、窒素気流下、重量平均分子量9.6万
のポリコハク酸イミド100部を、N,N−ジメチルホ
ルムアミド(以下、DMFと記す)400部に溶解し、
この溶液に上記水溶液を加え、室温で10分攪拌後、分
散剤(貧溶媒)であるメタノール400部を装入して分
散させ、20時間反応した。反応後、吸引濾過して沈殿
物を集め、メタノールで洗浄し架橋ポリコハク酸イミド
のウェットケーキを得た。
【0122】この架橋ポリコハク酸イミドのウェット・
ケーキを、蒸留水400部とメタノール400部中に分
散し、さらに27重量%苛性ソーダ水溶液122部を2
時間かけて滴下した。滴下後、さらに2時間攪拌し、7
重量%塩酸水を用いて、pH7になるまで中和した。中
和後、メタノール300部に排出し、1時間攪拌した。
この沈殿物を濾過して集め、60℃で乾燥し、吸水性ポ
リマーである架橋ポリアスパラギン酸系樹脂140部を
得た。
【0123】この架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の吸水
量は、蒸留水で920倍、生理食塩水で74倍であっ
た。
【0124】[実施例2]リジン・1塩酸塩13.2部
を蒸留水25部に分散し、水酸化ナトリウム3.0部を
加えて中和し、リジン・ナトリウム水溶液を調整した。
一方、窒素気流下、重量平均分子量9.6万のポリコハ
ク酸イミド100部をDMF400部に溶解し、この溶
液に上記水溶液を加え、室温で1時間攪拌後、撹拌を止
め、20時間反応させ、架橋ポリコハク酸イミドのゲル
を得た。この架橋ポリコハク酸イミドのゲルを、刃付攪
拌翼を具備したミキサーに移送し、蒸留水400部とメ
タノール400部を加え、8000rpmにて5分間ゲ
ルを粉砕した。
【0125】さらに、樹脂の膨潤度を3乃至100倍の
範囲内に保ちつつ、この中に、27重量%苛性ソーダ水
溶液145.0部を2時間かけて滴下した。滴下終了
後、さらに2時間攪拌し、その後7重量%塩酸水を加え
てpH7になるように中和した。中和後さらにメタノー
ル300部を加え、沈殿物を60℃で乾燥し、吸水性ポ
リマーである架橋ポリアスパラギン酸系樹脂131部を
得た。
【0126】この架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の吸水
量は、蒸留水で840倍、生理食塩水で68倍であっ
た。
【0127】[実施例3]リジン・ナトリウム水溶液の
代わりに、リジン・1塩酸塩15.1部を蒸留水20部
に分散し、水酸化カリウム25重量%水溶液18.6部
を加えて中和したリジン・カリウム水溶液を調整して用
いたこと以外は、実施例2と同様に処理した。乾燥後、
吸水性ポリマーである架橋ポリアスパラギン酸系樹脂1
46部を得た。
【0128】この架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の吸水
量は、蒸留水で810倍、生理食塩水で67倍であっ
た。
【0129】[実施例4]リジン・ナトリウム水溶液の
代わりに、オルニチン・1塩酸塩12.2部を蒸留水2
0部に分散し、水酸化ナトリウム3.0部を加えて中和
し、リジン・カリウム水溶液を調整して用いたこと以外
は、実施例2と同様に処理した。乾燥後、吸水性ポリマ
ーである架橋ポリアスパラギン酸系樹脂124部を得
た。
【0130】この架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の吸水
量は、蒸留水で830倍、生理食塩水で69倍であっ
た。
【0131】[比較例1]窒素気流下、重量平均分子量
9.6万のポリコハク酸イミド5部を、DMF20部に
溶解し、リジンメチルエステル・2塩酸塩1.8部とト
リエチルアミン3.1部を挿入し、室温で20時間攪拌
した。反応物にメタノール100部を加え、室温で攪拌
し、ゲルをほぐした。沈殿物を吸引濾過にて集め、メタ
ノール続いて水で洗浄した。得られた沈殿物を蒸留水3
0部とメタノール90部に懸濁し、8重量%の水酸化ナ
トリウム水溶液をpH11〜12の範囲に入るように滴
下し、更に反応溶液のpHが下がらなくなるまでアルカ
リを加え続けた。pHが下がらなくなった後、希塩酸を
加え反応液のpHを7になるまで加え、メタノール10
0部を加えて、生成物を沈殿させた。得られた沈殿物を
乾燥後、吸水性ポリマー6.9部が得られた。
【0132】この吸水性ポリマーの吸水量は蒸留水で1
60倍、生理食塩水で36倍と低かった。
【0133】[比較例2]リジン・ナトリウム塩水溶液
の代わりに、リジン・1塩酸塩13.2部を蒸留水25
部に分散し、水酸化ナトリウム1.5部を加えて中和し
たリジン水溶液を用いたこと以外は、実施例2と同様に
してポリコハク酸イミド誘導体のウエット・ケーキを得
た。さらに、このウエット・ケーキを蒸留水400部と
メタノール400部に懸濁し、実施例2と同様に処理
し、樹脂79部を得た。この樹脂は水溶性であり、吸水
能を示さなかった。
【0134】[実施例1〜4と比較例1〜2の比較及び
考察]実施例1〜4では、架橋剤として塩基性アミノ酸
のカルボン酸塩を用いたので高い吸水量を発現する架橋
ポリアスパラギン酸系樹脂を高い生産性かつ低コストで
製造することができた。
【0135】対照的に、他の架橋剤を用いた比較例1で
は、架橋の制御がうまくいかず、樹脂の吸水量が著しく
低下してしまい、比較例2では、リジンの反応性が低い
ためにうまく架橋反応が進行せず、吸水性樹脂は得られ
なかった。
【0136】
【発明の効果】以上説明したように、紙オムツ用、農・
園芸用等に使用される吸水体として、使用後もしくは廃
棄後に生分解性することで地球環境に優しい架橋ポリア
スパラギン酸系樹脂の製造において、ポリコハク酸イミ
ドを架橋させる架橋剤として、安全性、反応性に優れか
つ安価な塩基性アミノ酸のカルボン酸塩を用いること
で、生分解性を有し、安全性に優れた、高い吸水量を有
する吸水性樹脂(架橋ポリアスパラギン酸系樹脂)、お
よびその中間体として非常に有用な架橋ポリコハク酸イ
ミドを、高い生産性かつ低コストで製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉谷 弘明 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリコハク酸イミドと塩基性アミノ酸の
    カルボン酸塩とを反応させることを特徴とする架橋ポリ
    コハク酸イミドの製造方法。
  2. 【請求項2】 塩基性アミノ酸のカルボン酸塩が、下記
    一般式(1)で表わされるものである請求項1に記載し
    た架橋ポリコハク酸イミドの製造方法。 【化1】 (式中、Rは、アルキレン基、アラルキレン基、又はア
    リーレン基を表わし、Xはアルカリ金属イオン、アルカ
    リ土類金属イオン、又はアンモニウムイオンを表わ
    す。)
  3. 【請求項3】 塩基性アミノ酸が、リジン又はオルニチ
    ンである請求項1に記載した架橋ポリコハク酸イミドの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 塩基性アミノ酸のカルボン酸塩が、アル
    カリ金属塩である請求項1に記載した架橋ポリコハク酸
    イミドの製造方法。
  5. 【請求項5】 アルカリ金属塩が、ナトリウム又はカリ
    ウムである請求項4に記載した架橋ポリコハク酸イミド
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリコハク酸イミドと塩基性アミノ酸の
    カルボン酸塩とを反応させ、残りのイミド環を加水分解
    することを特徴とする架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 塩基性アミノ酸のカルボン酸塩が、下記
    一般式(1)で表わされるものである請求項6に記載し
    た架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の製造方法。 【化2】 (式中、Rは、アルキレン基、アラルキレン基、又はア
    リーレン基を表わし、Xはアルキル金属イオン、アルカ
    リ土類金属イオン、又はアンモニウムイオンを表わ
    す。)
  8. 【請求項8】 塩基性アミノ酸が、リジン又はオルニチ
    ンである請求項6に記載した架橋ポリアスパラギン酸系
    樹脂の製造方法。
  9. 【請求項9】 塩基性アミノ酸のカルボン酸塩が、アル
    カリ金属塩である請求項1に記載した架橋ポリアスパラ
    ギン酸系樹脂の製造方法。
  10. 【請求項10】 アルカリ金属塩が、ナトリウム又はカ
    リウムである請求項9に記載した架橋ポリアスパラギン
    酸系樹脂の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至5の何れか一項に記載し
    た製造方法により製造された架橋ポリコハク酸イミド。
  12. 【請求項12】 請求項6乃至10の何れか一項に記載
    した製造方法により製造された架橋ポリアスパラギン酸
    系樹脂。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US4723892A (en) * 1987-03-19 1988-02-09 Cowan Philip L Constant power variable volume pump

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