JP2002179791A - 架橋ポリアスパラギン酸(塩)及びその製造方法 - Google Patents

架橋ポリアスパラギン酸(塩)及びその製造方法

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JP2002179791A
JP2002179791A JP2000372990A JP2000372990A JP2002179791A JP 2002179791 A JP2002179791 A JP 2002179791A JP 2000372990 A JP2000372990 A JP 2000372990A JP 2000372990 A JP2000372990 A JP 2000372990A JP 2002179791 A JP2002179791 A JP 2002179791A
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Yoshihiro Irisato
義広 入里
Chojiro Higuchi
長二郎 樋口
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性が高く、生分解性を有し、高吸収速度
の架橋ポリアスパラギン酸(塩)及びその製造方法を提
供する。 【解決手段】 ポリコハク酸イミドを多価アミン化合物
と反応して得られる架橋ポリコハク酸イミドのイミド環
を加水分解して得られる、ティーバッグ法により測定し
た1分間での生理食塩水に対する吸水量がポリマー自重
の30〜150倍、蒸留水に対する吸水量がポリマー自
重の100〜1500倍である架橋ポリアスパラギン酸
(塩)。特に、この架橋ポリアスパラギン酸(塩)は、
多孔質構造等、吸水速度を向上する構造を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性を有し、
かつ吸水性樹脂樹として有用な架橋ポリアスパラギン酸
(塩)に関する。
【0002】
【従来の技術】[吸水性樹脂の技術的背景]吸水性樹脂
は、自重の数十倍から数千倍の水を吸収できる樹脂であ
り、生理用品、紙おむつ等の衛生用品、その他、各種分
野に使用されている。
【0003】[吸水性樹脂に関する先行技術]このよう
な用途に使用されている吸水性樹脂としては、例えば、
架橋ポリアクリル酸部分中和物(特開昭55−8430
4号、米国特許4,625,001号)、澱粉−アクリロ
ニトリル共重合体の部分加水分解物(特開昭46−43
995号)、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体(特開
昭51−125468号)、酢酸ビニル−アクリル酸エ
ステル共重合体の加水分解物(特開昭52−14689
号)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸とアクリル酸の共重合架橋物(欧州特許00681
89号)、カチオン性モノマーの架橋重合体(米国特許
4,906,717号)、架橋イソブチレン−無水マレイ
ン酸共重合体の加水分解物(米国特許4,389,513
号)等が知られている。
【0004】しかしながら、これらの吸水性樹脂は、実
質的に生分解性を有しないため、使用後の廃棄が問題で
ある。現状では、これらの吸水性樹脂は、廃棄時には、
焼却処理する方法と埋め立てする方法が行われている
が、焼却炉で処理する方法では、焼却時に発生する熱に
よる炉材の損傷のほかに、地球の温暖化や酸性雨の原因
となることが指摘されている。また、埋め立て処理する
方法では、プラスチックは、容積が嵩張り腐らないた
め、埋め立て後の地盤が安定しない等の問題がある上、
埋め立てに適した用地の確保が困難となってきたことが
大きな問題となっている。すなわち、これらの樹脂は生
分解性に乏しく、水中や土壌中では、実質的に半永久的
に存在するので、廃棄物処理における環境保全を考える
と、非常に厄介で重大な問題である。
【0005】例えば、紙おむつ、生理用品等の衛生材料
用途に代表される使い捨て用途で使用する樹脂の場合
は、それをリサイクルすれば多大な費用がかかり、焼却
するにも大量であるため地球環境への負荷が大きい。ま
た、農・園芸用保水材として架橋ポリアクリル酸樹脂を
使用した場合、土壌中でCa2+等の多価イオンとコンプ
レックスを形成し、不溶性の層を形成することが報告さ
れている(松本ら、高分子、42巻、8月号、1993
年)。
【0006】このような層は、そのもの自体の毒性は低
いとはいわれているが、自然界には本来的に全く存在し
てこなかったものであり、それら樹脂の土中への蓄積に
よる生態系への長期間に亘る影響は不明であり、今後、
安全性を慎重にかつ充分に確認した後に使用することが
望まれる。
【0007】非イオン性の樹脂の場合には、コンプレッ
クスは形成しないが、非分解性であるので、土壌中へ蓄
積する虞があり、同様に、樹脂の土中への蓄積による生
態系への長期間に亘る影響は不明であり、今後、安全性
を慎重にかつ充分に確認した後に使用することが望まれ
る。
【0008】さらに、これらの重合系の樹脂は、単量体
原料として、哺乳類動物の肌や粘膜に対して毒性の高い
ものを使用しており、重合後の製品からこれらを除去す
るために、多くの検討がなされてきた。通常、重合後の
製品から、未反応重合体を除去することは、困難であ
り、特に、工業的規模の製造においては、より困難とな
ることが予想される。
【0009】[生分解性を有する吸水性樹脂の技術的背
景]近年、「地球にやさしい素材」として生分解性ポリ
マーが注目されており、これを吸水性樹脂として使用す
ることも提案されている。
【0010】このような用途に使用されている生分解性
を有する吸水性樹脂としては、例えば、ポリエチレンオ
キシド架橋体(特開平6−157795号等)、ポリビ
ニルアルコール架橋体、カルボキシメチルセルロース架
橋体(米国特許4,650,716号)、アルギン酸架橋
体、澱粉架橋体、ポリアミノ酸架橋体等が知られてい
る。これらの中でポリエチレンオキシド架橋体、ポリビ
ニルアルコール架橋体は、吸水量が小さく、通常、生理
用品、紙おむつ、使い捨て雑巾、ペーパータオル等の高
い吸水能が要求される製品の素材として使用する場合に
は適切でない。
【0011】また、これらの化合物は、特殊な菌によら
なければ生分解することができないので、一般的な条件
では、生分解は極端に遅かったり、又は、全く分解しな
かったりする。これら化合物は、分子量が大きくなる
と、さらに極端に分解性が低下する。また、カルボキシ
メチルセルロース架橋体、アルギン酸架橋体、デンプン
架橋体等の糖類架橋体は、その分子内に強固な水素結合
を多く含むために、分子内、分子間の相互作用が強く、
そのため分子鎖が広く開くことができず、その結果、吸
水能は高くない。
【0012】[ポリアミノ酸系吸水性樹脂の技術的背
景]ポリアミノ酸を架橋して得られる樹脂は、生分解性
を有するために地球環境にやさしく、また生体内に吸収
されても生体内での抗原性を示さず、分解生成物も毒性
がないことが明らかにされてきているので、哺乳類動物
に対してもやさしい素材である。
【0013】このような樹脂の製造方法の具体例として
は、ポリ−γ−グルタミン酸にγ線を照射して高吸水能
を有する樹脂を製造する方法が挙げられる(国岡ら、高
分子論文集、50巻10号、755頁(1993
年))。しかしながら、工業的な観点からは、この技術
に用いる60Co照射設備は、放射能の遮断を行うために
は大がかりな設備が必要であり、その管理にも充分な配
慮が必要であるため現実的ではない。また、出発物質で
あるポリグルタミン酸が高価であることも問題点であ
る。
【0014】このような樹脂の製造方法の他の具体例と
しては、酸性アミノ酸を架橋させてハイドロゲルを得る
方法が挙げられる[Akamatsuら、米国特許第
3,948,863号(特公昭52−41309号)、岩
月ら、特開平5−279416号]。さらに他の具体例
としては、架橋アミノ酸樹脂を吸水性ポリマーに用いる
方法が挙げられる(Sikesら、特表平6−5062
44号;米国特許第5,247,068号及び同第5,2
84,936号、鈴木ら、特開平7−309943号、
原田ら、特開平8−59820号)。しかしながら、こ
れらのポリマーは、吸水性ポリマーとして十分な性能を
有するものではない。
【0015】一方、これらの架橋ポリアミノ酸を、ポリ
アスパラギン酸やアスパラギン酸を、架橋剤と、熱によ
り反応させて製造する方法が、特表平6−506244
号及び特表平8−504219号に開示されている。ま
た、酸性ポリアミノ酸と塩基性ポリアミノ酸を混合し、
加熱して架橋することにより吸水性ポリマーを得る方法
が、特開平8−59820号に開示されている。しかし
ながら、これらの方法は、固体状態で架橋反応を行なう
ことを特徴とするので、架橋反応が均一となりにくいた
め吸水能等の物性が充分でなかったり、また、架橋反応
の反応温度が高温を必要とするため、分解が著しく、色
相が黄変したり褐色化したりするという問題がある。
【0016】一方、特開平7−224163号には、ポ
リコハク酸イミドをジアミンにより架橋し、残りのイミ
ド環をアルカリで加水分解して塩水吸水能の高い吸水性
樹脂を得る方法が開示されている。同様に、無水ポリ酸
性アミノ酸のポリアミンによる部分架橋物をアルカリ金
属化合物で加水分解する方法が、特開平7−30994
3号に開示されている。
【0017】これらの方法は、ポリコハク酸イミドを均
一に、効率よく架橋し、かつ架橋度の制御が容易である
ため、高い収率で高い吸水能を有する吸水性ポリマーを
得ることができ、工業的に適した製造方法である点で極
めて有意義である。しかしながら、ポリコハク酸イミド
をジアミンで架橋するには、ポリコハク酸イミドを非プ
ロトン性極性溶媒に溶解するため、有機溶媒を取り扱う
設備や有機溶媒の回収が必要であり、さらなる改良が望
まれている。
【0018】また、本発明者らは、特開平11−060
729号等に、ポリアミノ酸とポリエポキシ化合物、ポ
リオール、ポリチオール、ポリイソシアナート、ポリア
ジリジン、多価金属等の架橋剤を反応させる架橋ポリア
ミノ酸の製造方法について開示した。この方法は、ポリ
コハク酸イミドを溶解させるための非プロトン性極性溶
媒を必要とせず、かつ均一な架橋を行なうことができる
という特徴がある。
【0019】また、特開平10−298282号には、
2〜40質量%の濃度の水溶性ポリアミノ酸水溶液中
で、ポリグリシジル化合物又はエピハロヒドリン変性ア
ミノ化合物で架橋するポリアミノ酸系吸水性樹脂の製造
方法が開示されている。しかしながら、この製造方法で
は、反応サイトの数が少なく、かつ、高濃度の反応がで
きないため架橋反応速度が遅く、反応に長時間を要する
ため副反応のポリマー主鎖の切断、架橋剤のエポキシ基
の開裂が起こり、収率が低く、得られたポリマーの性能
(吸水能)が非常に低い。また副反応以外にも、この公
報にも記載されているように、ポリマーの極性が高いた
め、ポリマー濃度が高くなるとポリマー同士の絡まりが
多く存在したり、ポリマー鎖の収縮が起こるため、架橋
反応がうまく進行しない。
【0020】すなわち、この製造方法では、架橋反応が
効率的に進まないため、反応に要する時間が長く、ポリ
アスパラギン酸が加水分解を受け、主鎖が切断したりし
て、水可溶分が多量に発生したり、収率が低いという、
多くの問題点を含んでいる。さらに、吸水能が低いため
に、紙おむつ等の衛生用品等には使用が困難である。特
に、衛生材料等の使用用途において薄型のシートが強く
要望されているが、薄型のシートを作製するためにはパ
ルプの量をできるだけ減らすことが不可欠である。その
ためには吸水性ポリマーが***された体液等を早く吸収
する能力(高吸収速度)が強く要望されている。
【0021】また、特開平10−330478号では、
ポリアミノ酸の水性溶液と、ジグリシジル化合物又はジ
アジリジン化合物を接触させ、凍結乾燥等により水を除
き、熱処理する架橋ポリアミノ酸の製造方法が開示され
ている。しかしながら、用いる架橋剤は水に溶解しない
ため、凍結乾燥により水を除去するときに均一な混合を
維持するのは難しく、また固体状態の架橋反応では均一
な架橋が実施できず、架橋度のムラを生じ、局部的に架
橋度が高くなったり、逆に架橋度が十分でなく水溶性で
ある部分が生じるといった問題を生じたりする。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した各
従来技術の課題を解決すべくなされたものである。すな
わち、本発明の目的は、生産性が高く、生分解性を有
し、高吸収速度の架橋ポリアスパラギン酸(塩)及びそ
の製造方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、ポリコハク酸イミドを
多価アミン化合物と反応して得られる架橋ポリコハク酸
イミドのイミド環を加水分解して得られる架橋ポリアス
パラギン酸(塩)に関して、従来のものよりも非常に速
い吸水速度を示す架橋ポリアスパラギン酸(塩)を得る
ことに成功し、本発明を完成するに至った。
【0024】すなわち本発明は、ポリコハク酸イミドを
多価アミン化合物と反応して得られる架橋ポリコハク酸
イミドのイミド環を加水分解して得られる、ティーバッ
グ法により測定した1分間での生理食塩水に対する吸水
量がポリマー自重の30〜150倍である、架橋ポリア
スパラギン酸(塩)である。
【0025】更に本発明は、ポリコハク酸イミドを多価
アミン化合物と反応して得られる架橋ポリコハク酸イミ
ドのイミド環を加水分解して得られる、ティーバッグ法
により測定した1分間での蒸留水に対する吸水量がポリ
マー自重の100〜1500倍である、架橋ポリアスパ
ラギン酸(塩)である。
【0026】更に本発明は、上記本発明の架橋ポリアス
パラギン酸(塩)を製造するための方法であって、ポリ
コハク酸イミドを多価アミン化合物と反応して得た架橋
ポリコハク酸イミドのイミド環を加水分解して得た含水
ゲルを、水混和性有機溶媒中に浸し、得られた沈殿物を
乾燥することを特徴とする架橋ポリアスパラギン酸
(塩)の製造方法である。
【0027】更に本発明は、上記本発明の架橋ポリアス
パラギン酸(塩)を製造するための方法であって、ポリ
コハク酸イミドを多価アミン化合物と反応して得た架橋
ポリコハク酸イミドのイミド環を加水分解して得た含水
ゲルを、凍結乾燥することを特徴とする架橋ポリアスパ
ラギン酸(塩)の製造方法である。
【0028】更に本発明は、上記本発明の架橋ポリアス
パラギン酸(塩)を製造するための方法であって、ポリ
コハク酸イミドを多価アミン化合物と反応して得た架橋
ポリコハク酸イミドのイミド環を加水分解して得た含水
ゲルを、5×10〜9×10 4Paの減圧下において乾
燥することを特徴とする架橋ポリアスパラギン酸(塩)
の製造方法である。
【0029】更に本発明は、上記本発明の架橋ポリアス
パラギン酸(塩)を製造するための方法であって、ポリ
コハク酸イミドを多価アミン化合物と反応して得た架橋
ポリコハク酸イミドのイミド環を加水分解して得た含水
ゲルに、水混和性有機溶媒を混合し、5×10〜9×1
4Paの減圧下において乾燥することを特徴とする架
橋ポリアスパラギン酸(塩)の製造方法である。
【0030】
【発明の実施の形態】[1]架橋ポリアスパラギン酸
(塩)の吸水能 本発明の架橋ポリアスパラギン酸(塩)は高吸水速度を
有することに特徴を有する樹脂である。すなわち、以下
の二つの性能のうちの一方又は両方を満たす樹脂であ
る。 (1) ティーバッグ法により測定した1分間での生理
食塩水に対する吸水量がポリマー自重の30〜150
倍。 (2)ティーバッグ法により測定した1分間での蒸留水
に対する吸水量がポリマー自重の100〜1500倍。
【0031】上述の吸水速度以外の他の吸水能について
は、特に限定されない。ただし、吸水量や保水力にも優
れているものが好ましい。特に、紙おむつ等の衛生用品
等に使用する場合は、高い吸水能が要求される。
【0032】例えば、ティーバッグ法により測定した1
時間での生理食塩水に対する吸水量がポリマーの30〜
200倍であることが好ましく、30〜150倍である
ことがより好ましく、40〜100倍であることが特に
好ましい。また、ティーバッグ法により測定した1時間
での蒸留水に対する吸水量がポリマーの200〜200
0倍であることが好ましく、300〜1000倍である
ことがさらに好ましく、400〜1000倍であること
が特に好ましい。これら吸水量の具体的測定条件は、後
述の実施例の欄にて示す。
【0033】[2]架橋ポリアスパラギン酸(塩)の構
造 本発明の架橋ポリアスパラギン酸(塩)の構造は、ポリ
マー基本骨格、側鎖部分、架橋部分からなる。以下、こ
れらを3つに分けて説明する。
【0034】[架橋ポリアスパラギン酸(塩)のポリマ
ー基本骨格]本発明の架橋ポリアスパラギン酸(塩)の
ポリマー基本骨格は、アスパラギン酸(塩)を主な繰り
返し単位として構成された主鎖である。この基本骨格に
おいては、本発明の機能を妨げない範囲にて、他のアミ
ノ酸を繰り返し単位として含んでいても構わない。
【0035】アスパラギン酸以外のアミノ酸成分の具体
例としては、例えば、20種類のタンパク質構成アミノ
酸、L−オルニチン、一連のα−アミノ酸、β−アラニ
ン、γ−アミノ酪酸、中性アミノ酸、酸性アミノ酸、酸
性アミノ酸のω−エステル、塩基性アミノ酸、塩基性ア
ミノ酸のN置換体、アスパラギン酸−L−フェニルアラ
ニン2量体(アスパルテーム)等のアミノ酸及びアミノ
酸誘導体、L−システイン酸等のアミノスルホン酸等を
挙げることができる。α−アミノ酸は、光学活性体(L
体、D体)であっても、ラセミ体であってもよい。
【0036】また、この基本骨格においては、本発明の
機能を妨げない範囲にて、アミノ酸以外の単量体成分を
繰り返し単位として含んでいても構わない。この単量体
成分の具体例としては、アミノカルボン酸、アミノスル
ホン酸、アミノホスホン酸、ヒドロキシカルボン酸、メ
ルカプトカルボン酸、メルカプトスルホン酸、メルカプ
トホスホン酸等が挙げられる。また、多価アミン、多価
アルコール、多価チオール、多価カルボン酸、多価スル
ホン酸、多価ホスホン酸、多価ヒドラジン化合物、多価
カルバモイル化合物、多価スルホンアミド化合物、多価
ホスホンアミド化合物、多価エポキシ化合物、多価イソ
シアナート化合物、多価イソチオシアナート化合物、多
価アジリジン化合物、多価カーバメイト化合物、多価カ
ルバミン酸化合物、多価オキサゾリン化合物、多価反応
性不飽和結合化合物、多価金属等が挙げられる。
【0037】ポリマー基本骨格が共重合体で構成される
場合、ブロック・コポリマーであっても、ランダム・コ
ポリマーであっても構わない。また、グラフト・コポリ
マーであっても構わない。
【0038】加水分解を施して得たアスパラギン酸
(塩)のポリマー基本骨格は、主鎖中のアミド結合がα
結合である場合と、β結合である場合がある。本発明で
は、特に限定されず、どちらの構造でも利用できる。す
なわち、アスパラギン酸のα位のカルボキシル基と結合
した場合がα結合であり、アスパラギン酸のβ位のカル
ボキシル基と結合した場合がβ結合である。これらα結
合とβ結合の結合様式は、特に限定されない。
【0039】[架橋ポリアスパラギン酸(塩)の側鎖部
分の構造]本発明の架橋ポリアスパラギン酸(塩)の側
鎖部分の構造は特に限定されないが、基本的にはポリア
スパラギン酸のカルボキシル基が置換されたカルボン酸
誘導体としての側鎖構造をとり得る。その側鎖構造とし
ては、例えば、カルボン酸、カルボン酸の塩、エステ
ル、チオエステル、アミド等が挙げられる。カルボキシ
ル基の対イオンとしては、アルカリ金属塩、アンモニウ
ム塩、アミン塩等がある。
【0040】エステル、チオエステル、アミド等の場
合、縮合されたアルコール、チオール、アミン成分は置
換基を有していても構わない。これらは、ペンダント基
と称される。例えば、リジン等のアミノ酸残基、カルボ
キシル基を有するペンダント基、スルホン酸基を有する
ペンダント基、水酸基を有するペンダント基等がある。
ここで、カルボキシル基、スルホン酸基を有する場合
は、その酸が塩となっていても構わない。
【0041】[架橋ポリアスパラギン酸(塩)の架橋部
分の構造]架橋ポリアスパラギン酸(塩)とは、その構
造として、主鎖または側鎖構造のの一部が架橋されてい
るものを言う。この架橋は共有結合であるが、イオン結
合、水素結合を併用しても構わない。
【0042】特に、本発明の架橋ポリアスパラギン酸
(塩)は、ポリコハク酸イミドを多価アミン化合物と反
応して得られる架橋ポリコハク酸イミドの残りのイミド
環を加水分解して得られるものであり、その架橋部分の
少なくとも一部は、アミンによりイミド環を開環した構
造をとる。その架橋部分の分子構造について特に限定さ
れないが、その架橋部分は、ポリマー基本骨格又は側鎖
構造との「結合部分」と、それらを橋架けする「連結部
分」に分けて理解することができる。
【0043】本発明の架橋ポリアスパラギン酸(塩)の
架橋部分は、基本的にはポリマー主鎖としてのポリアス
パラギン酸のカルボキシル基から誘導された構造をと
る。したがって、「結合部分」は、ポリマー主鎖のカル
ボニル基がNにより結合したアミド結合であるのが一般
的である。さらに、Nの代わりに、O又はSにより結合
したエステル又はチオエステル結合を含んでいても構わ
ない。また、架橋基は、ポリマー主鎖のアミド結合に対
して、α位に置換されていても、β位に置換されていて
も構わない。
【0044】本発明の架橋ポリアスパラギン酸(塩)の
架橋基中のアミド結合等により挟まれた部分である「連
結基」としては、特に限定されないが、アルキレン、ア
ラルキレン、フェニレン、ナフチレン基等が挙げられ
る。以下に、その具体例を列挙する。
【0045】−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH
2CH2−、−CH2CH2CH2−、−(CH2)5−、−(C
2)6−、−(CH2)7−、−(CH2)7−、−(CH2)
8−、−(CH2)9−、−(CH2)10−、−(CH2)11−、
−(CH2)12−、−(CH2)13−、−(CH2)14−、−(C
2)15−、−(CH2)16−、−(CH2)17−、−(CH2)
18−、−CH2CH2OCH2CH2−、−(CH2CH2O)
2CH2CH2−、−(CH2CH2O)3CH2CH2−、−
(CH2CH2O)4CH2CH2−、−(CH2CH2O)5CH
2CH2−、−(CH2CH2O)6CH2CH2−、−CH2
2CH2OCH2CH2CH2−、−(CH2CH2CH2O)
2CH2CH2CH2−、−(CH2CH2CH2O)3CH2
2CH2−、−(CH2CH2CH2O)4CH2CH2CH2
−、−(CH2CH2CH2O)5CH2CH2CH2−、−(C
2CH2CH2O)6CH2CH2CH2−、
【0046】
【化1】
【0047】
【化2】
【0048】これらの連結基は、先に述べたペンダント
基中の炭化水素基の場合と同様に、さらに、置換基を含
んでいても構わない。
【0049】これらの連結部分は、無置換のものでも、
置換基により置換したものでもよい。この置換基として
は、炭素原子数1から18の分岐していてもよいアルキ
ル基、炭素原子数3から8のシクロアルキル基、アラル
キル基、置換していてもよいフェニル基、置換していて
もよいナフチル基、炭素原子数1から18の分岐してい
ても良いアルコキシ基、アラルキルオキシ基、フェニル
チオ基、炭素原子数1から18の分岐していても良いア
ルキルチオ基、炭素原子数1から18の分岐していても
良いアルキルアミノ基、炭素原子数1から18の分岐し
ていても良いジアルキルアミノ基、炭素原子数1から1
8の分岐していても良いトリアルキルアンモニウム基、
水酸基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、ス
ルホン基、ホスホン基及びこれらの塩、アルコキシカル
ボニル基、アルキルカルボニルオキシ基等が挙げられ
る。
【0050】ここで、架橋部分の量(以下「架橋度」と
称す)は特に限定されないが、この架橋度により、重合
体の性質が大きく異なることになる。すなわち、架橋度
がある所までは重合体は水溶性であり、それを超えると
水に対して不溶性となり、水を吸収して膨潤したゲルと
なる。これを不等式で表わすと、「水溶性重合体の架橋
度 < 水不溶性重合体の架橋度」である。ただし、こ
の架橋度については、重合体主鎖を構成する繰り返し単
位の数、すなわち重合度によって異なってくる。そし
て、本発明の架橋ポリアスパラギン酸(塩)は、実質的
に水不溶性の重合体である。
【0051】重合度は分子量にて表わすことができるの
で、これを分子量にて表現すると、一般的に重合体主鎖
の分子量が大きい場合は、架橋度が小さくても水に対し
不溶性になる。一方、重合体主鎖の分子量が小さい場合
は、架橋度が大きくならないと水に対し不溶性とならな
い。そして、本発明の架橋ポリアスパラギン酸(塩)
は、実質的に水不溶性の重合体であり且つ前述した吸水
速度を示せばよく、架橋度については特に限定されな
い。ただし、重合体全体の繰り返し単位の総数を基準と
して、架橋基を有する繰り返し単位の数は、0.1〜5
0%が好ましく、0.5〜10%がより好ましい。
【0052】[3]架橋ポリアスパラギン酸(塩)の粒
子構造 本発明の架橋ポリアスパラギン酸(塩)の特徴である高
吸水速度を発現する為には、例えば、(1)多孔質構造
を有する粒子、(2)リン片状である粒子、(3)比表
面積が0.1〜1000m2/gである粒子、の粒子構造
のうちの何れか1つ以上を満たすものにすることが、非
常に有効である。
【0053】その粒子の大きさは特に限定されないが、
粒子径を特定することでより高い吸水速度を発現するこ
とができる。例えば、紙オムツに用いる場合は、速い吸
収速度とゲル・ブロッキングが起こらないことが望まれ
るので、その平均粒子径は80〜1000μmが好まし
く、100〜800μmがより好ましく、100〜50
0μmが特に好ましい。
【0054】[4]架橋ポリアスパラギン酸(塩)の製
造方法 本発明においては、ポリコハク酸イミドを多価アミン化
合物と反応して得られる架橋ポリコハク酸イミドの残り
のイミド環を加水分解することにより、架橋ポリアスパ
ラギン酸(塩)を製造する。すなわち、具体的には、
(1)ポリコハク酸イミドを製造する工程、(2)ポリ
コハク酸イミドを架橋する工程、(3)残りのイミド環
を加水分解する工程を行うことになる。以下に、それら
の工程についてそれぞれ説明する。
【0055】[4−1]ポリコハク酸イミドの製造方法 本発明に用いるポリコハク酸イミドの製造方法は特に限
定されない。ポリコハク酸イミドの分子量は高い方が、
保水材としての能力が高くなるので好ましい。その重量
平均分子量は、3万以上が一般的であり、5万以上が好
ましく、9万以上がより好ましい。
【0056】例えば、J.Amer.Chem.Soc,8
0,3361(1958年)に、アスパラギン酸を原料
として200℃で数時間加熱縮合させる方法が開示され
ている。また、特公昭48−20638号には、85%
燐酸を触媒としてロータリーエバポレーターを用いて薄
膜状で反応を行うことにより、高分子量のポリこはく酸
イミドを得る方法が開示されている。また、米国特許第
5,057,597号には、工業的にポリこはく酸イミド
を得る方法として、流動床によりポリアスパラギン酸を
加熱縮合させる方法が開示されている。
【0057】さらに、酸触媒を用いてアミノ酸を重合し
ポリこはく酸イミドを得る方法として、例えば、以下の
方法(1)〜(4)がある。
【0058】(1)P.Neriらの方法(Journ
al of MedicinalChemistry、
1973年16巻8号) P.Neriらは、アスパラギン酸、リン酸を反応して
得られた反応混合物を、薄層状として加熱し、重合を行
った結果を報告している。この手法によって、真空系で
は、重合度n=1100〜1600(分子量10.7〜
15.5万相当)を有する高分子量のポリコハク酸イミ
ドが得られる。P.Neriらの行っている薄層状とし
て加熱する方法は、具体的には、アスパラギン酸100
g及びリン酸50gを用いて得たペースト状反応混合物
を、1000cm2の面積を有するテフロン被覆トレイ
上で加熱するものである。
【0059】(2)米国特許5,142,062号 第1段階として、アスパラギン酸とリン酸類の混合物
を、温度100〜250℃、圧力1bar未満で反応さ
せ、分子量1万〜10万のポリコハク酸イミドを含有す
る固体反応混合物を製造し、第2段階として、第1段階
で得た固体反応混合物を0.001〜2mmの粒子サイ
ズに粉砕し、さらに第1段階の温度・圧力範囲から選択
した条件下で重縮合を行うことによって、分子量10万
〜20万を有する高分子量のポリコハク酸イミドを製造
する技術が開示されている。
【0060】(3)特開平7−216084号 アスパラギン酸と酸性触媒の混合物を、常圧系で加熱
し、ポリコハク酸イミドを製造する方法が開示されてい
る。実施例3には、前記(1)と同様、アスパラギン
酸、リン酸を反応して得た反応混合物を、ステンレス鋼
パン上にて層状として加熱し、重合を行った例が開示さ
れている。
【0061】(4)特開平8−231710号 アスパラギン酸1モル当たり酸性触媒0.005〜0.2
5モルが均一に混合された混合物を、常圧系で加熱し、
ポリコハク酸イミドを製造する方法が開示されている。
実施例2では、アスパラギン酸、リン酸、及び、水を用
いて得たペースト状の混合物を、40〜80℃で真空乾
燥し、得られた乾燥混合物を粉砕して、200℃、常圧
系で重合操作を行っている。
【0062】以上の方法(1)〜(4)では、酸性触媒
を用いるアスパラギン酸の重合において、真空系、及び
/又は、常圧系の反応が実施されている。
【0063】また、有機溶剤中でポリこはく酸イミドを
製造する方法の具体例としては、例えば、以下の方法
(5)〜(9)が知られている。
【0064】(5)米国特許第4,363,797号 イオン交換樹脂を触媒として用い、アスパラギン酸を高
沸点溶剤中で200〜230℃で脱水縮合する方法が開
示されている。この技術の実施の形態としては、例え
ば、アスパラギン酸と、触媒としてのイオン交換樹脂
(商品名アンバーライト)と、高沸点溶剤としてのジフ
ェニルエーテルとを容器内に装入し、230〜240℃
まで徐々に昇温すると200℃で脱水縮合が始まり、更
に230〜240℃で2〜3時間反応させ、その後、冷
却、濾過してイオン交換樹脂とポリこはく酸イミド回収
し、イオン交換樹脂を濾別する処理等を行なってポリこ
はく酸イミドを得る方法が記載されている。
【0065】(6)特公昭52−8873号 アスパラギン酸無水物の塩酸塩を原料として、ポリアス
パラギン酸を製造する方法が開示されている。この技術
の実施の形態としては、例えば、L−アスパラギン酸無
水物の塩酸塩を不活性有機溶剤であるキシレンに懸濁さ
せ、還流下で加熱し、冷却、濾過する方法が挙げられる
が、さらに、この反応温度を200℃とすると、原料の
一部がポリこはく酸イミドに変化することがあると開示
されている。
【0066】(7)特開平7−196796号 アスパラギン酸等を原料として、o−クレゾール等の溶
媒で原料を湿らし、硫酸水素ナトリウム存在下、ポリこ
はく酸イミドを製造する方法が開示されている。
【0067】(8)特開平8−176297号 アスパラギン酸を有機溶媒と非プロトン性極性溶媒との
混合溶媒中、縮合りん酸の存在下にポリこはく酸イミド
を製造する方法が開示されている。特に、高い分子量の
ポリこはく酸イミドを得るためには、触媒としては、特
にりん酸等が好ましいと開示されている。この技術で得
られるポリこはく酸イミドの重量平均分子量は、方法
(1)〜(3)で得られるものと比較して、相対的に高
いものである。
【0068】(9)特開平9−143265号 アスパラギン酸類(アスパラギン酸、アスパラギン酸
塩、アスパラギン酸無水物の塩等)を原料として、有機
溶剤中で触媒の存在下に、ポリこはく酸イミドを製造す
る方法が開示されている。この技術は、得られるポリこ
はく酸イミドの重量平均分子量が6万以上と高いもので
ある点で極めて有意義である。
【0069】本発明で用いるポリコハク酸イミドの製造
時に、アスパラギン酸以外の他のアミノ酸を添加して共
重合体を製造することもできる。アスパラギン酸以外の
アミノ酸成分の具体例としては、例えば、20種類のタ
ンパク質構成アミノ酸、L−オルニチン、一連のα−ア
ミノ酸、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、中性アミノ
酸、酸性アミノ酸、酸性アミノ酸のω−エステル、塩基
性アミノ酸、塩基性アミノ酸のN置換体、アスパラギン
酸−L−フェニルアラニン2量体(アスパルテーム)等
のアミノ酸及びアミノ酸誘導体、L−システイン酸等の
アミノスルホン酸等を挙げることができる。α−アミノ
酸は、光学活性体(L体、D体)であっても、ラセミ体
であってもよい。
【0070】また、アミノ酸以外の単量体成分を添加し
て共重合体を製造することもできる。共重合成分は特に
限定されないが、酸性アミノ酸のカルボキシル基あるい
はアミノ基と反応できる官能基を少なくとも2個以上を
含むことが好ましい。
【0071】酸性アミノ酸試剤中の、酸性アミノ酸のカ
ルボキシル基と反応できる官能基としては、特に限定さ
れないが、アミノ基、アルキルアミノ基、水酸基、チオ
ール基、ヒドラジノ基、カルバモイル基、スルホンアミ
ド基、ホスホンアミド基、イソシアナート基、エポキシ
基、オキサゾリル基、カルボジイミド基等が挙げられ
る。
【0072】共重合試剤中の、酸性アミノ酸のアミノ基
と反応できる官能基としては、特に限定されないが、カ
ルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、イソシア
ナート基、エポキシ基、反応性二重結合、反応性三重結
合等が挙げられる。これらの官能基のアスパラギン酸も
しくはグルタミン酸との反応は、特に限定されず、有機
化学的反応は全て用いることができる。例えば、脱水縮
合、付加、置換反応等が挙げられる。
【0073】共重合体製造時に添加する単量体成分の例
としては、アミノカルボン酸、アミノスルホン酸、アミ
ノホスホン酸、ヒドロキシカルボン酸、メルカプトカル
ボン酸、メルカプトスルホン酸、メルカプトホスホン酸
等が挙げられる。
【0074】また、多価アミン、多価アルコール、多価
チオール、多価カルボン酸、多価スルホン酸、多価ホス
ホン酸、多価ヒドラジン化合物、多価カルバモイル化合
物、多価スルホンアミド化合物、多価ホスホンアミド化
合物、多価エポキシ化合物、多価イソシアナート化合
物、多価イソチオシアナート化合物、多価アジリジン化
合物、多価カーバメイト化合物、多価カルバミン酸化合
物、多価オキサゾリン化合物、多価反応性不飽和結合化
合物、多価金属等が挙げられる。
【0075】[4−2]架橋反応 本発明においては、ポリコハク酸イミドを多価アミン化
合物と架橋反応させて架橋ポリコハク酸イミドを得る。
この架橋反応は、ポリコハク酸イミドが溶解した状態に
て行うことが好ましい。
【0076】多価アミン化合物は、架橋剤として機能す
るものであり、2個以上のアミノ基を有する有機化合物
であれば特に限定されない。そのアミノ基としては、一
級アミノ基、二級アミノ基が挙げられるが、ポリコハク
酸イミドとの反応性が高く、架橋度の調整が容易である
一級アミノ基が好ましい。また同様の理由で、芳香環に
直接結合したアミノ基よりも、脂肪族又はアラルキル基
と結合したアミノ基、芳香環にメチレンを介して結合し
たアミノ基(ベンジル位のアミノ基)の方が好ましい。
【0077】多価アミン化合物の具体例としては、エチ
レンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジ
アミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミ
ン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウ
ンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、テ
トラデカメチレンジアミン、ヘキサデカメチレンジアミ
ン、1−アミノ−2,2−ビス(アミノメチル)ブタ
ン、テトラアミノメタン、ジエチレントリアミン、トリ
エチレンテトラミン等の脂肪族ポリアミン、ノルボルネ
ンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3,
5−トリアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン等
の脂環式ポリアミン、フェニレンジアミン、トリレンジ
アミン、キシリレンジアミン等の芳香族ポリアミン、塩
基性アミノ酸もしくはそれらのエステル類、シスタミン
等のモノアミノ化合物の分子1個又はそれ以上が1個又
はそれ以上のジスルフィド結合により結合した化合物及
びその誘導体等のポリアミンが挙げられる。また、リジ
ン、シスチン、オルニチンに代表されるタンパク質構成
アミノ酸又はそれらの塩又はエステル類も挙げられる。
特に、アルキレンジアミン、塩基性アミノ酸が代表的で
あり、炭素数2〜12のジアミン、リジン、オルニチン
がよく使用されている。
【0078】さらに3官能以上の多価アミン化合物(架
橋剤)の具体例としては、1,1,1−トリス(2'−ア
ミノメチル)エタン、テトラキス(2'−アミノメチ
ル)メタン、1,1,1−トリス(2'−アミノエチル)
エタン、テトラキス(2'−アミノエチル)メタン、1,
1,1−トリス(2'−アミノプロピル)エタン、テトラ
キス(2'−アミノプロピルル)メタン、1,1,1−ト
リス(2'−アミノブチル)エタン、テトラキス(2'−
アミノブチル)メタン、1,2,3−トリス(アミノメチ
ル)ベンゼン、1,2,4−トリス(アミノメチル)ベン
ゼン、1,3,5−トリス(アミノメチル)ベンゼン等が
挙げられる。
【0079】さらに多価アミン化合物(架橋剤)が重合
体である場合の具体例としては、グリシン−リジン、ア
ラニン−リジン、グリシン−オルニチン、アラニン−オ
ルニチン等のC末端に塩基性アミノ酸を有するジペプチ
ド、リジン−グリシン、リジン−アラニン、オルニチン
−グリシン、オルニチン−アラニン、リジン−リジン、
オルニチン−リジン、リジン−オルニチン、オルニチン
−オルニチン等のN末端に塩基性アミノ酸を有するジペ
プチド、グリシン−グリシン−リジン、グリシン−リジ
ン−グリシン、グリシン−グリシン−オルニチン、グリ
シン−オルニチン−グリシン、リジン−リジン−リジ
ン、オルニチン−オルニチン−オルニチン、グリシン−
グリシン−グリシン−リジン、グリシン−オルニチン−
グリシン−グリシン等の塩基性アミノ酸を少なくとも1
つ以上含むポリペプチドが挙げられる。
【0080】さらに多価アミン化合物(架橋剤)が比較
的高分子量の重合体である場合の具体例としては、ポリ
リジン、ポリアルギニン、リジンとアルギニンの共重合
体、リジンとアスパラギン酸との共重合体、リジンとグ
ルタミン酸との共重合体、塩基性アミノ酸と他のアミノ
酸との共重合体等が挙げられ、さらにポリエチレンイミ
ン、ポリアリルアミン、キトサン、ペプチド等が挙げら
れる。
【0081】本発明ではこれらの重合体の重合度は特に
限定されず、反応に用いる有機溶媒への溶解性等を考慮
して選べばよい。
【0082】これらの多価アミン化合物の中では、生分
解性を有するものが、廃棄等を考慮した場合は好まし
い。また、ポリコハク酸イミドとの反応性に優れたもの
が好ましい。これらの点から、具体的には、例えば、エ
チレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタン
ジアミン、ヘプタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、リジン、オルニチン、シスタミン等が好まし
い。
【0083】多価アミン化合物の使用量は特に限定され
ない。ただし、架橋度が大き過ぎると樹脂の吸水量が低
下し、反対に架橋度が小さ過ぎると水溶性となり、吸水
性を示さなくなるので、適当な架橋度に調整する必要が
ある。したがって、多価アミン化合物の使用量は、その
アミノ基の数、分子量などに応じて、かつ架橋度を考慮
して決められる。具体的には、ポリコハク酸イミドの繰
り返し単位を100モルとした場合、アミノ基の比は、
0.1〜100モルが好ましく、0.5〜50モルがより
好ましい。
【0084】また、反応性の異なるアミノ基を有する多
価アミン化合物を用いて、段階的に反応させて架橋して
も構わない。段階的に反応させる場合の例として、リジ
ン、オルニチンのような化合物を挙げることができる。
これらは、アミノ基が結合した炭素にカルボキシル基を
有するので、α−アミノ基の反応性が低い。その他、立
体障害の有無、脂肪族と芳香族アミンの違い等も利用す
ることができる。
【0085】ここで、少なくとも2個のアミノ基を有す
る化合物は、必ずしもその全てのアミノ基がポリコハク
酸イミドと反応している必要はなく、実質的に高い吸水
量とゲル強度が発現でき、ゲルの安定性を保つことがで
きれば構わない。すなわち、本発明の架橋ポリアスパラ
ギン酸(塩)は、2個以上のアミンが反応した架橋した
構造を含むが、一部のアミノ基が未反応であるペンダン
ト構造を含んでも構わない。
【0086】架橋反応は特に限定されないが、例えば、
有機溶媒に溶解したポリコハク酸イミドの溶液に、多価
アミン化合物(架橋剤)を反応させる方法が挙げられ
る。このような方法は、例えば、特開平7−22416
3号等に記載されている。
【0087】ここで使用する有機溶媒は、一般的には、
使用する各成分を実質的に溶解できるような良溶媒を用
いることが好ましい。良溶媒の具体例としては、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドン、N,N'−ジメチルイミダゾ
リジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等が挙げ
られる。これらの中では、ポリコハク酸イミドの溶解性
が高い、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミドが特に好ましい。これらの溶媒は、単独
でも、2種以上を混合して用いても構わない。
【0088】また、架橋反応を遅くする目的や、原料も
しくは生成物を分散させる等を目的として、必要によ
り、ポリコハク酸イミドを溶解しない、もしくはわずか
しか溶解しない貧溶媒等を加えても構わない。
【0089】貧溶媒は、特に限定されず、化学反応一般
に使用される溶媒は、いずれであっても使用できる。例
えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノ
ール、ヘプタノール、オクタノール、2−メトキシエタ
ノール、2−エトキシエタノール等のアルコール類、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレング
リコール等のグリコール類、メチルグリコソルブ、エチ
ルグリコソルブ等のグリコソルブ類、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、
テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル、石
油エーテル、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベン
ゼン、キシレン、デカリン、ジフェニルエーテル、アニ
ソール、クレゾール等が挙げられる。
【0090】架橋反応が進行する時点のポリコハク酸イ
ミドを含む溶液における、ポリコハク酸イミドの濃度は
特に限定されないが、一般的には、0.1〜50質量%
が好ましく、1〜40質量%がより好ましい。
【0091】架橋反応においては、必要に応じ触媒を使
用してもよい。触媒としては、一般的には、塩基触媒が
用いられる。塩基触媒としては後に説明する中和に用い
るアルカリと同様のアルカリを使用できる。また架橋反
応を遅くするために酸触媒を添加しても構わない。
【0092】架橋反応における温度は、特に限定され
ず、架橋剤の反応性や、ポリコハク酸イミドの分散状態
を考慮して、適宜決定すればよい。一般的には、0〜2
00℃が好ましく、10〜80℃がより好ましい。
【0093】架橋反応が完了した後は、架橋反応に用い
た有機溶媒を分離しないで、そのまま次の加水分解工程
へ進んでもよく、分離して架橋ポリコハク酸イミドとし
て取り出して次の加水分解工程へ進んでもよい。架橋ポ
リコハク酸イミドと有機溶媒の分離は、従来より知られ
る方法に従えばよい。例えば、濾過、デカンテーショ
ン、遠心分離等が採用できる。また、場合によっては反
応生成物を乾燥して用いても構わない。
【0094】[イミド環の加水分解反応]本発明におい
ては、ポリコハク酸イミドを多価アミン化合物と架橋反
応させて架橋ポリコハク酸イミドを得た後、多価アミン
化合物と反応せずに、生成した架橋ポリコハク酸イミド
の主鎖中に残っているイミド環を、加水分解反応(開環
反応)させて、架橋ポリアスパラギン酸(塩)を得る。
この加水分解反応は、例えば、架橋ポリコハク酸イミド
をアルカリ或いは他の反応試剤にて反応させることによ
り実施できる。
【0095】加水分解反応を水中にて行う場合は、加水
分解が進行するにつれ樹脂がゲル化し膨潤してくるの
で、ゲルの膨潤度を制御しつつ行うと効率的である。
【0096】また、架橋ポリコハク酸イミドの残りのイ
ミド環の加水分解は、例えば、特開平11−5840号
に記載の方法にて容易に実施できる。すなわち、水と水
混和性有機溶媒の混合液中、無機もしくは有機塩の水溶
液中、或いは40〜100℃の温水中にて加水分解を行
うことにより実施できる。イミド環の加水分解におい
て、水中ではゲル化が著しくなり攪拌が困難となり、有
機溶媒中では沈殿物が凝集して攪拌困難となったり、ま
た加水分解の進行が遅くなったり不十分になり、生成し
た樹脂の吸水量が低下する場合がある。一方、水と水混
和性有機溶媒の混合液を用いる上記方法は、それらの点
を改善できる。
【0097】水混和性有機溶媒は、特に限定されない
が、一般には、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタ
ノール、2−エトキシエタノール等のアルコール類、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレング
リコール等のグリコール類、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、
N−メチルピロリドン、N,N'−ジメチルイミダゾリジ
ノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等がある。こ
の中で、生成樹脂の乾燥が容易であり、かつ乾燥後に樹
脂内に溶剤が残留しにくい点で、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールが好
ましい。
【0098】使用する水の使用量は、容積効率を高める
ために、生成する吸水性樹脂の1〜10質量倍が好まし
く、特に1〜5質量倍が好ましい。使用する水の割合
は、混合液全体の5質量%以上100質量%未満が一般
的であり、20〜80質量%が好ましい。
【0099】イミド環を加水分解させる為に、無機もし
くは有機塩を使用する場合、この無機もしくは有機塩
は、特に限定されず、一般的な塩である中性塩、塩基性
塩、酸性塩を使用できる。ここで、多価金属塩を使用す
る場合は、イミド環の加水分解で生成したカルボキシル
基とイオン的に架橋し、生成樹脂の架橋度が高くなるの
で、濃度をあまり高くしない方が好ましい。
【0100】使用する塩の添加の方法としては、水に加
えて溶解させても、水中で中和により生成させても構わ
ない。また、架橋反応によって生じた塩をそのまま用い
ることもできる。使用する塩の濃度は、0.01〜20
質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
濃度が低すぎる場合は効果が小さく、濃度が高すぎると
塩が製品中に混入する場合がある。
【0101】イミド環を加水分解させる為に使用する試
剤は、特に限定されないが、一般的には、アルカリ水が
用いられる。アルカリ水の具体例としては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ
金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リ
チウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、
炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、酢酸ナ
トリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属酢酸塩、シュ
ウ酸ナトリウム等のアルカリ金属塩、アンモニア水等の
アルカリ水が挙げられる。この中で、コスト的に安価な
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのアルカリ水が好ま
しい。
【0102】アルカリ開環の反応液のpHはアルカリ水
の濃度によって変わるが、pHが高すぎると主鎖のアミ
ド結合を切断し、生成する樹脂の吸水能を低下させ、逆
にpHが低すぎると、反応が遅くなり、実用的でない。
一般的には7.5〜13が好ましく、9〜12がより好
ましい。
【0103】また、アンモニア水、各種アミン類をイミ
ド環と反応させても構わない。この場合、「[2]架橋
ポリアスパラギン酸(塩)の構造」の欄にて説明した特
定の構造を有するものが得られる。
【0104】イミド環の加水分解反応(開環反応)の温
度は、5〜100℃が一般的であり、10〜60℃が好
ましい。反応時間は、反応温度、反応濃度、架橋剤の使
用量などにより異なり、かつ諸条件によって調整可能で
ある。具体的には、1分〜20時間程度の範囲内であ
り、反応の装置にもよるが、5分〜10時間が好まし
く、5分〜5時間がより好ましく、5分〜1時間が特に
好ましい。
【0105】[加水分解反応後の後処理]加水分解反応
後の後処理については、特に限定されない。例えば、中
和、塩交換、乾燥、精製、造粒、表面架橋処理等の処理
を、必要に応じて行えばよい。以下、特に中和、塩交換
の処理について説明する。また造粒については、先に述
べた通り、本発明においては特定の粒子構造を有するこ
とが好ましいので、特に別途の欄を設けて説明する。
【0106】架橋反応後の中和処理は、必要に応じて行
えばよい。この中和処理により、架橋ポリアスパラギン
酸(塩)の分子内に存在するカルボキシル基を塩又はフ
リーのカルボン酸にすることができる。すなわち、酸を
用いることで架橋ポリアスパラギン酸(塩)中のカルボ
ン酸塩をフリーのカルボン酸に変えることができ、逆
に、アルカリを用いることでポリマー中のフリーのカル
ボン酸をカルボン酸塩に変えることができる。
【0107】この中和度は特に限定されないが、一般的
には架橋ポリアスパラギン酸(塩)の分子内の全カルボ
キシル基の総数を基準として、塩を形成するカルボキシ
ル基の割合は、0〜50%が好ましく、0〜30%がよ
り好ましい。
【0108】酸の具体例としては、例えば、塩酸、臭化
水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、
炭酸、リン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、
安息香酸等のカルボン酸、メタンスルホン酸、トリフル
オロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエン
スルホン酸等のスルホン酸、ベンゼンホスホン酸等のホ
スホン酸等が挙げられる。
【0109】アルカリの具体例としては、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金
属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチ
ウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭
酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、酢酸ナト
リウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属酢酸塩、シュウ
酸ナトリウム等の有機カルボン酸アルカリ金属塩、トリ
エチルアミン、トリエタノールアミン等の3級アミン等
が挙げられる。
【0110】中和処理により、架橋ポリアスパラギン酸
(塩)の分子内に存在するカルボキシル基を塩とした場
合、必要に応じて、その塩を他の種類の塩に交換するこ
ともできる。
【0111】この塩交換に使用される試剤の具体例とし
ては、例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミ
ン塩等を挙げることができる。より具体的には、ナトリ
ウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、テトラ
メチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テト
ラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、
テトラペンチルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニ
ウム、エチルトリメチルアンモニウム、トリメチルプロ
ピルアンモニウム、ブチルトリメチルアンモニウム、ペ
ンチルトリメチルアンモニウム、ヘキシルトリメチルア
ンモニウム、シクロヘキシルトリメチルアンモニウム、
ベンジルトリメチルアンモニウム、トリエチルプロピル
アンモニウム、トリエチルブチルアンモニウム、トリエ
チルペンチルアンモニウム、トリエチルヘキシルアンモ
ニウム、シクロヘキシルトリエチルアンモニウム、ベン
ジルトリエチルアンモニウム等のアンモニウム塩、トリ
メチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミ
ン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキ
シルアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノール
アミン、トリブタノールアミン、トリペンタノールアミ
ン、トリヘキサノールアミン、ジメチルアミン、ジエチ
ルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペン
チルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミ
ン、ジベンジルアミン、エチルメチルアミン、メチルプ
ロピルアミン、ブチルメチルアミン、メチルペンチルア
ミン、メチルヘキシルアミン、メチルアミン、エチルア
ミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミ
ン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、
ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン等のアミン塩等を
例示することができる。
【0112】これらの中では、その分子量が大きくなる
と相対的に単量体単位あたりの分子量が大きくなり、単
位質量当たりの吸水量が小さくなるので、その分子量が
小さいものの方が好ましい。
【0113】[5]架橋ポリアスパラギン酸(塩)粒子
の製造方法 本発明の架橋ポリアスパラギン酸(塩)は、「[3]架
橋ポリアスパラギン酸(塩)の粒子構造」の欄で挙げた
粒子形状を有することが好ましい。そのような粒子構造
にする為には、「[4]架橋ポリアスパラギン酸(塩)
の製造方法」の欄で説明した方法により架橋ポリアスパ
ラギン酸(塩)を製造した後、特に残りのイミド環を加
水分解した後に、以下に述べる造粒法を実施することに
より実現できる。
【0114】[5−1]多孔質構造を有する粒子の製造
方法 多孔質構造を有する粒子の製造方法は特に限定されない
が、例えば、次に列挙する方法を挙げることができる。 (1)ポリコハク酸イミドを多価アミン化合物と反応し
て得た架橋ポリコハク酸イミドのイミド環を加水分解し
て得た架橋ポリアスパラギン酸(塩)の含水ゲルを、凍
結乾燥する方法。 (2)ポリコハク酸イミドを多価アミン化合物と反応し
て得た架橋ポリコハク酸イミドのイミド環を加水分解し
て得た架橋ポリアスパラギン酸(塩)の含水ゲルを、5
×10〜9×104Paの減圧下において乾燥する方
法。 (3)ポリコハク酸イミドを多価アミン化合物と反応し
て得た架橋ポリコハク酸イミドのイミド環を加水分解し
て得た架橋ポリアスパラギン酸(塩)の含水ゲルに、水
混和性有機溶媒を混合し、5×10〜9×104Paの
減圧下において乾燥する方法。 (4)ポリコハク酸イミドを多価アミン化合物と反応し
て得た架橋ポリコハク酸イミドのイミド環を加水分解し
て得た架橋ポリアスパラギン酸(塩)の含水ゲルを水混
和性有機溶媒中に浸し、得られた沈殿物を乾燥する方
法。
【0115】以下、これら各方法について、それぞれ説
明する。
【0116】[5−1−1]含水ゲルを凍結乾燥する方
法 含水ゲルを凍結乾燥する方法は、一般的には、含水ゲル
を凍結させ、その凍結物から減圧下にて水を留去する方
法である。この凍結した水を留去した後の空洞により、
多孔質構造が形成される。
【0117】含水ゲルとしては、ポリアスパラギン酸
(塩)を多価アミン化合物と反応して得られる架橋ポリ
アスパラギン酸(塩)の含水ゲルを用いる。例えば、
「[3]架橋ポリアスパラギン酸(塩)の粒子構造」の
欄で説明した架橋反応の後の含水ゲルをそのまま用いて
もよいし、その架橋反応後に中和、塩交換等の後処理を
した含水ゲルを用いてもよいし、さらにゲルを乾燥して
から水を吸収させてゲル化したものを用いてもよい。特
に、架橋反応後の含水ゲル、あるいは中和、塩交換等の
後処理をした含水ゲルを用いると、不純物が無く、しか
も効率よく粒子が製造できるので好ましい。
【0118】架橋ポリアスパラギン酸(塩)の含水ゲル
の含水量は、特に限定されない。ただし、含水量が高い
方が多孔質の表面積が大きくなるので好ましいが、反対
に含水量が高過ぎる場合は容積効率が悪くなったり、凍
結あるいは乾燥に用いるエネルギーが多量に必要になり
非経済的である。このような点から、ゲル全体の質量に
対する含水量は、20〜99質量%が好ましく、40〜
95質量%がより好ましく、50〜90質量%が特に好
ましい。
【0119】架橋ポリアスパラギン酸(塩)の含水ゲル
のポリマー含有量は、特に限定されないが、ゲル全体の
質量に対して1〜80質量%が好ましく、5〜60質量
%がより好ましく、10〜50質量%が特に好ましい。
これら好適範囲の下限値は、容積効率、凍結に用いるエ
ネルギーに関する経済性などの点で意義が有る。また上
限値は、多孔質構造の表面積を大きくする等の点で意義
が有る。
【0120】架橋ポリアスパラギン酸(塩)の含水ゲル
の組成は、特に限定されないが、基本的には、架橋ポリ
アスパラギン酸(塩)と、水等のゲル化を起こす媒質か
らなる。また、架橋ポリアスパラギン酸(塩)と水以外
に、他の物質を含んでいる場合もある。しかし、他の物
質は、乾燥により除去できる溶媒でない場合は、できる
だけ凍結乾燥を行う前に除去しておく方が好ましい。基
本的には、不揮発性の物質は凍結乾燥では除去できず、
製品品質を劣化させる場合が多いからである。ただし、
本工程後に他の物質の除去を行うことができるならばこ
の限りではない。また、乾燥により除去できる溶媒で
も、基本的には水以外の有機溶媒は、減圧度が高い場合
は低い温度にてトラップする必要があるので経済的では
なく、あるいは回収が難しいので好ましくない。
【0121】多孔質構造粒子の製造に用る含水ゲルの大
きさは、特に限定されない。しかし、ゲルからの水分の
除去のし易さ、後工程における粉砕等を考慮すると、含
水ゲルの大きさ(平均粒径)は、1μm〜10mmが好
ましく、10μm〜5mmがより好ましく、50μm〜
3mmが特に好ましい。また、これら好適範囲の上限値
は、乾燥の効率や乾燥時間などの点でも意義が有る。
【0122】架橋ポリアスパラギン酸(塩)の含水ゲル
を凍結させる際の温度は、特に限定されず、水が凍結す
る任意の温度を選択できる。
【0123】また、架橋ポリアスパラギン酸(塩)の含
水ゲルを凍結乾燥させる温度も、特に限定されない。凍
結乾燥の圧力も特に限定されず、十分に乾燥できる圧力
を適宜選択すればよい。ただし、凍結乾燥の圧力は低く
ても構わないが、低過ぎると工業的にはエネルギー効率
が悪くなる。そのような点を考慮すると、凍結乾燥の圧
力は、5×10〜9×104Paが好ましく、1×102
〜1×104Paがより好ましく、5×102〜9×10
3Paが特に好ましい。
【0124】また、凍結乾燥だけでは十分に乾燥しない
場合は、常圧乾燥、通風乾燥、減圧乾燥等の通常の乾燥
法を併用することもできる。
【0125】[5−1−2]含水ゲルを5×10〜9×
104Paの減圧下において乾燥する方法 含水ゲルを5×10〜9×104Paの減圧下において
乾燥する方法では、減圧下で気化するゲル中の液体(主
に水)が留去した後の空洞により、多孔質構造が形成さ
れる。
【0126】含水ゲルの種類、組成、含水量、ポリマー
含有量、大きさ等については「[5−1−1]含水ゲル
を凍結乾燥する方法」の欄での説明と同様である。
【0127】含水ゲルを減圧乾燥する場合は、圧力と温
度が重要である。減圧乾燥の温度と圧力により、生成す
る孔の大きさや数が決まり、これが比表面積に影響す
る。高温、低圧(高い減圧度)にて減圧乾燥を行うと、
含水ゲルが急激に発泡して溶媒の除去は速くなるが、孔
が大きくなるので比表面積は大きくならない。逆に低過
ぎる温度、高過ぎる圧力の場合は、生成した孔がつぶれ
たり、溶媒の除去が遅くなり過ぎるので好ましくない。
また、圧力が低過ぎる場合は、工業的にエネルギー効率
が悪くなる。
【0128】そのような点も考慮して、減圧乾燥の温度
は、10〜200℃が好ましく、20〜150℃がより
好ましく、20〜100℃が特に好ましい。また、減圧
乾燥の圧力は5×10〜9×104Paであるが、1×
102〜1×104Paが好ましく、5×102〜9×1
3Paがより好ましい。
【0129】さらに減圧乾燥工程としては、低温、高圧
力にて微細な孔を形成した後、より高温、より低圧力に
する多段階法をとることができる。また、減圧乾燥だけ
では十分に乾燥しない場合は、常圧乾燥、通風乾燥等の
通常の乾燥法を併用することもできる。
【0130】[5−1−3]含水ゲルに水混和性有機溶
媒を混合し、5×10〜9×104Paの減圧下におい
て乾燥する方法 含水ゲルに水混和性有機溶媒を混合し、5×10〜9×
104Paの減圧下において乾燥する方法では、水混和
性有機溶媒を混合したゲルあるいはその混合によって生
成したスラリーの中の液体(主に有機溶媒)を、減圧下
で気化し、その液体(主に有機溶媒)が留去した後の空
洞により、多孔質構造を形成する。
【0131】この方法と、先に述べた含水ゲルをそのま
ま5×10〜9×104Paの減圧下において乾燥する
方法(5−1−2)との違いは、後者の方法がゲル中の
水を留去するのに対して、前者の方法はゲル又はスラリ
ー中から比較的留去し易い有機溶媒を留去する点にあ
る。すなわち、後者の方法は有機溶媒等の回収が不要な
どの点で優れ、前者の方法は孔形成が容易などの点で優
れている。
【0132】含水ゲルとしては、ポリアスパラギン酸
(塩)を多価アミン化合物と反応して得られる架橋ポリ
アスパラギン酸(塩)の含水ゲルを用いる。例えば、
「[3]架橋ポリアスパラギン酸(塩)の粒子構造」の
欄で説明した架橋反応の後の含水ゲルに、あるいは、そ
の架橋反応後に中和、塩交換等の後処理をした含水ゲル
に、水混和性有機溶媒を混合してゲル化又はスラリー化
してもよいし、さらにゲルを乾燥したものに水を吸収さ
せて含水ゲル化し、同時に水混和性有機溶媒を混合して
ゲル化又はスラリー化してもよい。
【0133】水混和性有機溶媒を混合する前の架橋ポリ
アスパラギン酸(塩)の含水ゲルの含水量は特に限定さ
れない。含水量が高い方が多孔質の表面積が大きくなる
ので好ましいが、反対に含水量が高過ぎる場合は容積効
率が悪くなったり、減圧乾燥に用いるエネルギーが多量
に必要になり非経済的である。
【0134】水混和性有機溶媒を混合して得られるゲル
又はスラリーは、水と有機溶媒を含むことになる。ここ
で、ゲルとスラリーの違いは、架橋ポリアスパラギン酸
(塩)の吸水能と、水と有機溶媒の混合比及び量によっ
て決まる。架橋ポリアスパラギン酸(塩)の吸水能が高
い場合、スラリーよりはゲル状を示す範囲が広く、水と
有機溶媒の混合比については水の混合比が高いほどスラ
リーよりはゲル状を示す範囲が広い。また、水と有機溶
媒の量が少ないほどスラリーよりはゲル状を示す範囲が
広い。しかし、これらは一つの要因により決まるのでは
なく、前記3つの要因に加え、他の含有物質の種類など
も含めて決まる。
【0135】ゲル又はスラリーの含水量は、特に限定さ
れないが、ゲル又はスラリー全体の質量に対して10〜
90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好まし
く、30〜70質量%が特に好ましい。
【0136】ゲル又はスラリー中に含まれる水混和性有
機溶媒は、架橋ポリアスパラギン酸(塩)との親和性が
高く、十分に膨潤させることができるものが好ましい。
加えて、減圧乾燥により容易に留去し多孔質の孔を効率
よく形成できるものが好ましい。具体例としては、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキ
シエタノール等のアルコール類、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコ
ール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等の環状エーテル等が挙げられる。これらの中で
は、特に乾燥が容易な点から、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、アセトンが好ま
しい。さらに、メタノール、エタノール、アセトンがよ
り好ましい。その含溶媒量は特に限定されないが、ゲル
又はスラリー全体の質量に対して10〜50質量%が好
ましく、20〜50質量%がより好ましく、さらに30
〜50質量%が好ましい。また、その含有量のみなら
ず、水と有機溶媒との比が重要である。有機溶媒/水の
比は好ましくは0.05〜5、0.1〜2がより好まし
く、0.2〜1が特に好ましい。
【0137】架橋ポリアスパラギン酸(塩)のゲル又は
スラリーのポリマー含有量は、特に限定されないが、ゲ
ル又はスラリー全体の質量に対して、1〜80質量%が
好ましく、5〜60質量%がより好ましく、10〜50
質量%が特に好ましい。これら範囲の下限値は、容積効
率や減圧乾燥に用いるエネルギーの経済性などの点で意
義が有る。また上限値は、多孔質構造の表面積などの点
で意義が有る。
【0138】ゲル又はスラリーは、架橋ポリアスパラギ
ン酸(塩)と水と水混和性有機溶媒以外に、他の物質を
含んでいる場合もある。しかし、他の物質は、乾燥によ
り除去できる溶媒でない場合は、上述の各方法(5−1
−1)(5−1−2)の場合と同様に、できるだけ減圧
乾燥を行う前に除去しておく方が好ましい。
【0139】水混和性有機溶媒混合後のゲルの大きさは
特に限定されない。しかし、ゲルからの除去のし易さを
考慮すると、ゲルはあまり大きくない方が好ましい。例
えば、ゲルの大きさ(平均粒径)は、1μm〜10mm
が好ましく、10μm〜5mmがより好ましく、50μ
m〜3mmが特に好ましい。これら好適範囲の上限値
は、乾燥の効率や乾燥時間などの点で意義が有る。
【0140】ゲル又はスラリーを減圧乾燥する場合は、
圧力と温度が重要であり、これは先に述べた方法(5−
2−2)と同様の理由である。
【0141】減圧乾燥の温度は、10〜200℃が好ま
しく、20〜150℃がより好ましく、20〜100℃
が特に好ましい。また、減圧乾燥の圧力は5×10〜9
×104Paであるが、1×102〜1×104Paが好
ましく、5×102〜9×10 3Paがより好ましい。
【0142】さらに減圧乾燥工程としては、低温、高圧
力にて微細な孔を形成した後、より高温、より低圧力に
する多段階法をとることができる。また、減圧乾燥だけ
では水が十分に乾燥しない場合は、常圧乾燥、通風乾燥
等の通常の乾燥法を併用することもできる。
【0143】[5−1−4]含水ゲルを水混和性有機溶
媒中に浸し、得られた沈殿物を乾燥する方法 含水ゲルを水混和性有機溶媒中に浸し(再沈させ)、得
られた沈殿物を乾燥する方法によっても、多孔質構造を
有する粒子が得られる。この方法は、水を吸収させた架
橋ポリアスパラギン酸の含水ゲルを、水混和性有機溶媒
中に浸し、ゲル中の水を水混和性有機溶媒にて抽出する
方法である。
【0144】粒子の多孔質構造の大きさは大きく、数は
多く、深さは深い方が、粒子の表面積が広くなるので好
ましい。そのような好ましい多孔質構造を得るには、含
水ゲルの大きさ、ゲルの含水量、ポリマーの含有量、使
用する有機溶媒の種類と量が重要である。なお、この点
は、前述の各方法(5−1−1)〜(5−1−3)にお
いても同様である。
【0145】使用する含水ゲルの種類は、「[5−1−
1]含水ゲルを凍結乾燥する方法」の欄での説明と同様
である。
【0146】架橋ポリアスパラギン酸(塩)の含水ゲル
の大きさ(平均粒径)は、特に限定されないが、1μm
〜10mmが好ましく、10μm〜5mmがより好まし
く、50μm〜3mmが特に好ましい。これら好適範囲
の下限値は、多孔質構造を充分に形成する等の点で意義
が有る。また上限値は、有機溶媒による水抽出がうまく
いかなかったり、水抽出に長時間を要する等の問題を抑
制する点で意義が有る。
【0147】架橋ポリアスパラギン酸(塩)の含水ゲル
の含水量は、特に限定されないが、ゲル全体の質量に対
して20〜99質量%が好ましく、40〜95質量%が
より好ましく、50〜90質量%が特に好ましい。これ
ら好適範囲の下限値は、抽出による収縮が小さく有効な
多孔質構造を形成できない等の問題を防止する点で意義
が有る。また上限値は、容積効率が悪かったり、抽出に
用いる有機溶媒の量が多く必要となり非経済的になる等
の問題を抑制する点で意義が有る。
【0148】架橋ポリアスパラギン酸(塩)の含水ゲル
のポリマー含有量は、特に限定されないが、ゲル全体の
質量に対して1〜80質量%が好ましく、5〜60質量
%がより好ましく、10〜50質量%が特に好ましい。
これら好適範囲の上限値及び下限値の意義は、上述の含
水量の好適範囲の下限値及び上限値の意義と対応する。
なお、ゲルの収縮率(ここでは膨潤したゲルの体積に対
する収縮後のポリマーの体積の割合を意味する)が大き
ければ、大きな孔を形成し易いのでポリマーの吸水速度
は速くなるが、収縮率を大きくするために水等のゲルを
膨潤させる媒質を増やすと、容積効率や使用する溶媒量
が増えるので工業的には好ましくない。
【0149】架橋ポリアスパラギン酸(塩)の含水ゲル
の組成は、特に限定されないが、基本的には、架橋ポリ
アスパラギン酸(塩)と、水等のゲル化を起こす媒質か
らなる。また、架橋ポリアスパラギン酸(塩)と水以外
に、他の物質を含んでいてもよい。他の物質としては、
反応系から来る物質と、反応後に意図的に加える物質が
ある。
【0150】反応系から来る物質としては、中和等によ
って生じた無機塩、アスパラギン酸及びアスパラギン酸
由来の塩、ポリアスパラギン酸及びポリアスパラギン酸
由来の塩、有機溶媒等が挙げられる。
【0151】反応後に意図的に加える物質としては、
水、有機溶媒等が挙げられる。有機溶媒は反応混合物の
粘度を下げたり、ゲルの収縮率を上げる目的で用いたり
する。ここで用いる有機溶媒は、次に再沈で用いる有機
溶媒として説明する水混和性有機溶媒が好ましい。有機
溶媒と水の使用量及び比は、架橋ポリマーが沈殿しない
範囲であれば特に限定されるものではない。使用する水
の割合は、一般的に5〜100質量%が好ましく、20
〜80質量%がより好ましい。
【0152】再沈に用いる有機溶媒は、水混和性有機溶
媒であれば特に限定されない。一般には、メタノール、
エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノ
ール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノー
ル等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン
等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環
状エーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N,N'−
ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、ス
ルホラン等がある。中でも、炭素数1〜6のアルコー
ル、ケトンが好ましい。また特に、乾燥が容易であり、
かつ乾燥後に溶剤が残留しない点で、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール
がより好ましく、メタノールが最も好ましい。
【0153】有機溶媒とゲルの混合方法は、特に限定さ
れない。例えば、ゲルを有機溶媒中に装入する方法でも
よいし、ゲルあるいはスラリーに有機溶媒を加えていく
方法でも構わない。ただし、ゲルを有機溶媒に装入する
方法では、ゲルを少量ずつ装入しないとゲルが塊の状態
で沈殿となり、攪拌等が困難となる場合がある。また、
ゲルあるいはスラリーに有機溶媒を加えていく方法で
も、同様なことが起こる場合がある。
【0154】この有機溶媒とゲルの混合によるゲルの収
縮の回数は、特に限定されず、何回行なっても構わな
い。2回目以降は、沈殿した固体、あるいはゲル、スラ
リーに水あるいは水と水混和性有機溶媒を加え、再ゲル
化あるいはスラリー化して処理を繰り返すとよい。この
処理を繰り返すことによって、内在される無機塩等を除
去することができる。
【0155】このように有機溶媒によって収縮、沈降さ
せたポリマーに対して、乾燥等の後処理を行ない、製品
化することができる。乾燥等の後処理については、後に
説明する。
【0156】[5−2]リン片状粒子の製造方法 リン片状粒子の製造方法は特に限定されないが、例え
ば、ポリコハク酸イミドを多価アミン化合物と反応して
得られる架橋ポリコハク酸イミドの残りにイミド環を加
水分解して得られる架橋ポリアスパラギン酸(塩)の含
水ゲルを剪断し、キャストして乾燥する方法がある。こ
の方法では、例えば、架橋ポリアスパラギン酸(塩)を
水又は水/水混和性有機溶媒にて膨潤させた後に剪断を
行う、あるいは、混合しながら剪断を行う。
【0157】水混和性有機溶媒は、前述の方法(5−1
−3)にて説明した有機溶媒が使用でき、水と有機溶媒
の好適な混合比も同様である。
【0158】剪断に用いる機器は、ゲルを含む懸濁液を
剪断できるものであれば特に限定されないが、攪拌翼が
高速回転する(例えば500〜20000rpm)様式
のもの、刃付き攪拌翼が高速回転する(例えば500〜
20000rpm)様式のもの等が好ましい。より具体
的には、刃付きのミキサー、パイプラインミキサー、ホ
モミックスミキサー、ディスインテグレーター、スパイ
クミル、ゴラトールポンプ等が挙げられる。
【0159】キャストされるポリアスパラギン酸(塩)
の混合液は、粘度が低過ぎると不要に流れてしまうので
好ましくない。粘度が高いものは気体を巻き込み易い
が、本発明においては多孔質構造を形成することが好ま
しいので、この点は問題にならない。混合液の粘度は、
ポリマー濃度、ポリマー分子量、他の添加剤などによっ
て決まる。
【0160】キャストに用いる基材は特に限定されない
が、生成する架橋ポリアスパラギン酸(塩)の薄膜(フ
ィルム、シート、鱗片)がはがれ易いものが好ましい。
基材の形状は、例えば、板状、フィルム、シートが挙げ
られる。基材の材質により、架橋ポリアスパラギン酸
(塩)の付着性、はがれ易さに大きく影響するので、例
えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテ
レフタレート、弗素樹脂(商品名テフロン等)などの樹
脂からなる基材が好ましい。
【0161】キャスト時の厚みは、特に限定されない
が、薄い方が得られるリン片状粒子の吸水速度が速くな
るので好ましい。
【0162】リン片状粒子の製造方法においても、粒子
の一部を多孔質化するために溶媒留去による孔を形成し
て、多孔質構造を有するリン片状粒子を製造することが
好ましい。溶媒留去の温度、圧力については特に限定さ
れず、孔を効率よく形成できる方法であれば構わない。
溶媒留去の温度は、10〜200℃が好ましく、20〜
150℃がより好ましく、20〜100℃が特に好まし
い。溶媒留去の圧力は、5×10〜9×104Paが好
ましく、1×102〜1×104Paがより好ましく、5
×102〜9×103Paが特に好ましい。さらに、乾燥
工程は、低温、高圧力にて微細な孔を形成した後、より
高温、より低圧力にする多段階法をとることができる。
【0163】[5−3]架橋ポリアスパラギン酸(塩)
粒子の比表面積 本発明の架橋ポリアスパラギン酸(塩)の粒子は、比表
面積が0.1〜1000m2/gであることが好ましい。
このような比表面積を有することにより、架橋ポリアス
パラギン酸(塩)の吸水能が向上することになる。ま
た、多孔質構造など、前述した各種の粒子構造によっ
て、このような比表面積を良好に実現することができ
る。さらに、粒子の比表面積は、0.1〜10m2/gで
あることがより好ましく、0.2〜10m2/gであるこ
とが特に好ましい。この比表面積の具体的な測定条件
は、後述の実施例の欄で説明する。
【0164】[5−4]架橋ポリアスパラギン酸(塩)
粒子の後処理 以上の各種造粒法により得た架橋ポリアスパラギン酸
(塩)粒子は、必要により、さらに乾燥、精製、粉砕、
整粒、さらなる造粒、表面架橋処理等の処理を行うこと
ができる。例えば、架橋ポリアスパラギン酸(塩)粒子
の乾燥処理法は、特に制限されない。具体的には、熱風
乾燥、特定蒸気での乾燥、マイクロ波乾燥、減圧乾燥、
ドラムドライヤー乾燥、疎水性有機溶剤中での共沸脱水
による乾燥等の従来より知られる各種の手法をとること
ができる。
【0165】[6]架橋ポリアスパラギン酸(塩)の使
用の形態 架橋ポリアスパラギン酸(塩)の使用の形態は、特に限
定されるものではなく、単独でも、他の素材と組み合わ
せて使用してもよい。しかし、基本的にはバルク状態に
て、その速い吸水速度を生かせる方法が好ましい。
【0166】架橋ポリアスパラギン酸(塩)の成形品と
しては、特に限定されるものではなく、固形物、シー
ト、フィルム、繊維、不織布、発泡体等として使用でき
る。また、その成形方法も特に限定されるものではな
い。
【0167】架橋ポリアスパラギン酸(塩)を他の素材
との組み合わせた複合体として用いる場合、その複合体
の構造は特に限定されないが、例えば、パルプ層、不織
布等にはさみ、サンドイッチ構造にする方法、樹脂シー
ト、フィルムを支持体として多層構造とする方法、樹脂
シートにキャストし、二層構造とする方法等により複合
体を得ることができる。例えば、架橋重合体をシート状
に成形加工すれば、吸水性シート(吸水性フィルムも包
含する)が得られる。
【0168】架橋ポリアスパラギン酸(塩)は、必要に
より、1種以上の他の吸水性樹脂と混合して用いてもよ
い。また必要により、食塩、コロイダルシリカ、ホワイ
トカーボン、超微粒子状シリカ、酸化チタン粉末等の無
機化合物、キレート剤等の有機化合物を添加しても構わ
ない。さらに酸化剤、酸化防止剤、還元剤、紫外線吸収
剤、抗菌剤、殺菌剤、防カビ剤、肥料、香料、消臭剤、
顔料等を混合しても構わない。
【0169】架橋ポリアスパラギン酸(塩)は、ゲル状
としても、固形物としても使用できる。例えば、農園芸
用保水材、切り花延命剤、ゲル芳香剤、ゲル消臭剤等に
使用する場合はゲルとして用い、紙おむつ用吸収体等は
固形状として用いる。
【0170】[7]架橋ポリアスパラギン酸(塩)の用
途 架橋ポリアスパラギン酸(塩)の用途は特に限定され
ず、従来の吸水性樹脂が使用できる用途のいずれにも使
用できる。
【0171】例えば、生理用品、紙おむつ、母乳パッ
ト、使い捨て雑巾等の衛生用品、創傷保護用ドレッシン
グ材、医療用アンダーパット、パップ剤等の医療用品、
ペット用シート、携帯用トイレ、ゲル芳香剤、ゲル消臭
剤、吸汗性繊維、使い捨てカイロ等の生活用品、シャン
プー、セット用ジェル剤、保湿剤等のトイレタリー用
品、農・園芸用の保水材、切り花の延命剤、フローラル
フォーム(切り花の固定化材)、育苗用苗床、水耕栽培
植生シート、種子テープ、流体播種用媒体、結露防止用
農業用シート等の農・園芸用品、食品用トレー用鮮度保
持材、ドリップ吸収性シート等の食品包装材、保冷材、
生鮮野菜運搬用吸水性シート等の運搬用資材、結露防止
用建築材料、土木・建築用のシーリング材、シールド工
法の逸泥防止剤、コンクリート混和剤、ガスケット・パ
ッキング等の土木建築資材、電子機器、光ファイバー等
のシール材、通信ケーブル用止水材、インクジェット用
記録紙等の電気機器関連資材、汚泥の凝固剤、ガソリ
ン、油類の脱水、水分除去剤等の水処理剤、捺染用の
り、水膨潤性玩具、人工雪、徐放性肥料、徐放性農薬、
徐放性薬剤、湿度調整材、帯電防止剤等が挙げられる。
【0172】これらの中で、特に高吸水速度が要求され
る、生理用品、紙おむつ、母乳パット、使い捨て雑巾等
の衛生用品、創傷保護用ドレッシング材、医療用アンダ
ーパット、ペット用シート、携帯用トイレ、吸汗性繊
維、保冷材、汚泥の凝固剤、ガソリン、油類の脱水、水
分除去剤等の水処理剤等の用途が好ましい。特に、生理
用品、紙おむつ、母乳パット、使い捨て雑巾等の衛生用
品、医療用アンダーパット、ペット用シート、携帯用ト
イレ、汚泥の凝固剤等の用途がより好ましい。
【0173】
【実施例】以下、実施例によって本発明をより具体的に
説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものでは
ない。以下において「部」とは「質量部」を意味する。
【0174】(1)重量平均分子量の測定 ポリアスパラギン酸(塩)の重量平均分子量(Mw)
は、ポリエチレンオキサイドを標準とし、GPC(ゲル
・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定
した。 装置 :Shodex GPC SYSTEM−11 検出器:Shodex RI SE−61 カラム:Shodex OHpak SB−804 溶媒 :0.1M−KCl水溶液 濃度 :0.1% 注入量:100μl 流速 :1.0ml/min。
【0175】(2)吸水速度及び飽和吸水量の測定 吸水速度及び飽和吸水量の測定は、蒸留水、生理食塩水
を対象としてティーバッグ法を用いて行った。すなわ
ち、蒸留水の場合は乾燥吸水性樹脂約0.05部、生理
食塩水の場合は乾燥吸水性樹脂約0.1部を、不織布製
のティーバッグ(80mm×50mm)に入れ、20℃
において過剰量の蒸留水又は生理食塩水中に浸漬して、
該樹脂を1分間又は1時間膨潤させた後、ティーバッグ
を引き上げて1分間水切りを行い、膨潤した樹脂を含む
ティーバッグの質量を測定した。また、同様な操作をテ
ィーバッグのみで行った場合をブランクとして、膨潤し
た樹脂を含むティーバッグの質量からブランクの質量と
吸水性樹脂の質量を減じた値を、吸水性樹脂の質量で除
して、この値を吸水量(g/樹脂1g)とした。そし
て、この操作において、過剰量の蒸留水又は生理食塩水
中に浸漬して樹脂を膨潤させる時間を、1分間とした場
合の吸水量を樹脂の「吸水速度」として表わし、1時間
とした場合の吸水量を樹脂の「飽和吸水量」として表わ
した。なお、生理食塩水は、0.9質量%塩化ナトリウ
ム水溶液である。
【0176】(3)比表面積の測定 ポリマー粒子の比表面積は、QUANTACHROME
社製AUTOASORB−3にて測定した。具体的に
は、100℃、1×103Paにて1時間加熱真空脱気
処理を行なった試料を液体窒素中に入れ、窒素を蒸着さ
せ、その蒸気圧を測定した。すなわち、−196℃にて
2の吸着等温線の平衡圧/飽和蒸気圧を求め、BET
プロットにより比表面積を求めた。
【0177】(4)表面構造の観察 ポリマー粒子の表面構造は、走査電子顕微鏡(SEM)
(日本電子社製JSM5410−LV)にて観察した。
すなわち、試料をエポキシ樹脂で試料台に固定し、その
まま加速電圧15kV、W.D.20mm、真空度20P
aあるいは40Paにて観察した。
【0178】[化合物製造例1]L−アスパラギン酸1
50部と85%リン酸75部を混合し、ロータリーエバ
ポレーターを用いて2.67×103Pa、200℃で1
0時間反応させた。反応混合物をジメチルホルムアミド
(DMF)1000部に溶解し、水5000部に排出し
た。得られた沈殿を濾別し洗液が中性になるまで水洗
し、60℃で乾燥することにより、Mw10.6万のポ
リコハク酸イミド108部を得た。
【0179】このポリコハク酸イミド100部をDMF
200部に溶解し、ヘキサメチレンジアミン1.20部
を加え、ゲル化するまで激しく攪拌し、ゲル化後は攪拌
を止めて反応を20時間まで続けることにより、架橋ポ
リコハク酸イミドのゲルを得た。このゲルを、刃付攪拌
翼を具備したミキサーに移送し、蒸留水900部とメタ
ノール400部を加え、8000rpmにて5分間粉砕
した。
【0180】さらに、この架橋ポリコハク酸イミドの混
合物中に、25質量%苛性ソーダ水溶液165部をpH
が12を超えないように滴下した。滴下終了後、さらに
2時間攪拌し、その後7質量%塩酸水を加えてpH7と
なるように中和した。中和終了後、さらにメタノール5
00部を加え、沈殿物をデカンテーションにて液と分離
することにより、架橋ポリアスパラギン酸ナトリウムの
沈殿物210部(固形分145部)を得た。
【0181】[実施例1]本実施例は、多孔質構造を有
する粒子の例である。
【0182】化合物製造例1で得た架橋ポリアスパラギ
ン酸ナトリウムの沈殿物72.4部(固形分換算50
部)に、蒸留水200部とメタノール200部を加え、
これをメタノール600部に排出した。得られた沈殿物
を吸引ろ過して集め、蒸留水500部を加えて5時間ゲ
ル化させた。得られた含水ゲルを液体窒素にて凍結し、
1.33×103Paにて乾燥すると、架橋ポリアスパラ
ギン酸(ナトリウム)48部が得られた。さらに、この
ポリマーを粉砕し、100〜500μmとなるようにメ
ッシュ・パスして、架橋ポリアスパラギン酸(ナトリウ
ム)の粒子を得た。
【0183】この粒子の比表面積は2.87m2/gであ
った。また、その粒子構造をSEMにて観察したとこ
ろ、図1(×100)及び図2(×1000)に示すよ
うに多孔質構造を有していた。また、その飽和吸水量
は、蒸留水に対して490倍、生理食塩水に対して58
倍と高く、吸水速度は、蒸留水に対して280倍、生理
食塩水に対して46倍と速かった。
【0184】[実施例2]本実施例は、多孔質構造を有
する粒子の例である。
【0185】まず、実施例1と同様にして含水ゲルを調
製した。この含水ゲルを減圧乾燥器中に入れ、20℃、
1.33×103Paの減圧下にて5時間発泡させた。さ
らに60℃まで昇温し、60℃にて10時間乾燥する
と、架橋ポリアスパラギン酸(ナトリウム)47部が得
られた。さらに、このポリマーを粉砕し、100〜50
0μmとなるようにメッシュ・パスして、架橋ポリアス
パラギン酸(ナトリウム)の粒子を得た。
【0186】この粒子の比表面積は1.48m2/gであ
った。また、その粒子構造をSEMにて観察したとこ
ろ、図3(×100)及び図4(×1000)に示すよ
うに多孔質構造を有していた。また、その飽和吸水量
は、蒸留水に対して422倍、生理食塩水に対して50
倍と高く、吸水速度は、蒸留水に対して198倍、生理
食塩水に対して40倍と速かった。
【0187】[実施例3]本実施例は、多孔質構造を有
する粒子の例である。
【0188】化合物製造例1で得た架橋ポリアスパラギ
ン酸ナトリウムの沈殿物72.4部(固形分換算50
部)に、蒸留水200部とメタノール200部を加え、
これをメタノール600部に排出した。得られた沈殿物
を吸引ろ過して集め、水250部とメタノール160部
を加えて5時間ゲル化させた。得られた含水ゲルを、減
圧乾燥器中に入れ、20℃、1.33×103Paの減圧
下にて5時間発泡させた。さらに、60℃まで昇温しな
がら発泡を続け、引き続き60℃にて10時間乾燥する
と、架橋ポリアスパラギン酸(ナトリウム)46部が得
られた。さらに、このポリマーを粉砕し、100〜50
0μmとなるようにメッシュ・パスして、架橋ポリアス
パラギン酸(ナトリウム)の粒子を得た。
【0189】この粒子の比表面積は1.66m2/gであ
った。また、その粒子構造をSEMにて観察したとこ
ろ、実施例2と同じような多孔質構造を有していた。ま
た、その飽和吸水量は、蒸留水に対して406倍、生理
食塩水に対して49倍と高く、吸水速度は、蒸留水に対
して210倍、生理食塩水に対して42倍と速かった。
【0190】[実施例4]本実施例は、多孔質構造を有
する粒子の例である。
【0191】化合物製造例1で得た架橋ポリアスパラギ
ン酸ナトリウムの沈殿物72.4部(固形分換算50
部)に、蒸留水400部を加えて5時間ゲル化させた。
次いで、メタノール1000部を加えてゲルを収縮さ
せ、デカンテーションにより液を分離した。さらに、分
離した得た架橋ポリアスパラギン酸ナトリウムに対し
て、同じ操作を2回行った。得られた沈殿物に、蒸留水
20部とメタノール20部を加えてスラリー化し、この
スラリーをメタノール200部中に徐々に排出した。得
られた沈殿物を吸引ろ過して集め、60℃において乾燥
することにより、架橋ポリアスパラギン酸(ナトリウ
ム)45部が得られた。さらに、このポリマーを粉砕
し、100〜500μmとなるようにメッシュ・パスし
て、架橋ポリアスパラギン酸(ナトリウム)の粒子を得
た。
【0192】この粒子の比表面積は0.384m2/gで
あった。また、その粒子構造をSEMにて観察したとこ
ろ、図5(×100)及び図6(×1000)に示すよ
うに多孔質構造を有していた。また、その飽和吸水量
は、蒸留水に対して523倍、生理食塩水に対して55
倍と高く、吸水速度は、蒸留水に対して250倍、生理
食塩水に対して44倍と速かった。
【0193】[実施例5]本実施例は、リン片状粒子の
例である。
【0194】化合物製造例1で得た架橋ポリアスパラギ
ン酸ナトリウムの沈殿物72.4部(固形分換算50
部)に、蒸留水200部とメタノール200部を加え、
これをメタノール600部に排出した。得られた沈殿物
を吸引ろ過して集め、水300部とメタノール200部
を加え、刃付きのミキサーに入れ、5000rpmにて
5分間剪断をかけた。得られたスラリーを、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)樹脂板の上に厚さ0.5m
mにキャストした。これを20℃、1.33×10 3Pa
にて5時間乾燥し、さらに60℃にて10時間乾燥し
て、リン片状物を得た。このリン片状物を、水50部に
2時間つけて膨潤させ、水をデカンテーションで除いた
後、メタノール200部につけ、デカンテーションにて
液を除いたあと、60℃にて乾燥することにより、架橋
ポリアスパラギン酸(ナトリウム)44部が得られた。
さらに、このポリマーを粉砕し、100〜500μmと
なるようにメッシュ・パスして、架橋ポリアスパラギン
酸(ナトリウム)のリン片状粒子を得た。
【0195】この粒子の飽和吸水量は、蒸留水に対して
337倍、生理食塩水に対して45倍と高く、吸水速度
は、蒸留水に対して268倍、生理食塩水に対して39
倍と速かった。
【0196】[比較例1]本比較例は、表面に凹凸の少
ない粒子の例である。
【0197】化合物製造例1で得られた加水分解、中和
後デカンテーションして得た架橋ポリアスパラギン酸ナ
トリウムのゲル450部(固形分換算50部)を、ミキ
サー中により細断し、60℃で乾燥することにより、架
橋ポリアスパラギン酸(ナトリウム)49部を得た。さ
らに、このポリマーを粉砕し、100〜500μmとな
るようにメッシュ・パスして、架橋ポリアスパラギン酸
(ナトリウム)の粒子を得た。
【0198】この粒子の比表面積は0.078m2/gと
小さかった。また、その粒子構造をSEMにて観察した
ところ、図7(×100)及び図8(×1000)に示
すように表面に凹凸が少ない構造を有していた。また、
その飽和吸水量は、蒸留水に対して322倍、生理食塩
水に対して43倍であったが、吸水速度は蒸留水に対し
て77倍、生理食塩水に対して23倍と低かった。
【0199】[比較例2]化合物製造例1で得た架橋ポ
リアスパラギン酸ナトリウムの沈殿物72.4部(固形
分換算50部)を60℃において乾燥することにより、
架橋ポリアスパラギン酸(ナトリウム)46部を得た。
さらに、このポリマーを粉砕し、100〜500μmと
なるようにメッシュ・パスして、架橋ポリアスパラギン
酸(ナトリウム)の粒子を得た。
【0200】この粒子の比表面積は0.098m2/gと
小さかった。また、その粒子構造をSEMにて観察した
ところ、比較例1と同様に表面に凹凸が少ない構造を有
していた。また、その飽和吸水量は、蒸留水に対して2
71倍、生理食塩水に対して33倍とあまり高くなく、
吸水速度は、蒸留水に対して37倍、生理食塩水に対し
て20倍と低かった。
【0201】[比較例3]化合物製造例1で得た架橋ポ
リアスパラギン酸ナトリウムの沈殿物72.4部(固形
分換算50部)をミキサー中で細断し、60℃において
乾燥することにより、架橋ポリアスパラギン酸(ナトリ
ウム)48部が得られた。さらに、このポリマーを粉砕
し、100〜500μmとなるようにメッシュ・パスし
て、架橋ポリアスパラギン酸(ナトリウム)の粒子を得
た。
【0202】この粒子の比表面積は0.069m2/gと
小さかった。また、その粒子構造をSEMにて観察した
ところ、比較例1と同様に表面に凹凸が少ない構造を有
していた。また、飽和吸水量は、蒸留水に対して822
倍、生理食塩水に対して67倍と高かったが、吸水速度
は蒸留水に対して45倍、生理食塩水に対して15倍と
低かった。
【0203】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
生産性が高く、生分解性を有し、高吸収速度の架橋ポリ
アスパラギン酸(塩)及びその製造方法を提供できる。
より具体的には、本発明により、例えば以下の効果
(1)〜(4)が得られる。 (1)本発明の架橋ポリアスパラギン酸(塩)は、非常
に速い吸水速度を示すので、例えば衛生材料、その他、
急速に水系液体を吸収する必要性がある各種用途におい
て、非常に有用である。 (2)本発明の架橋ポリアスパラギン酸(塩)の製造方
法によれば、非常に速い吸水速度を示す架橋ポリアスパ
ラギン酸(塩)を、工業的に容易な方法にて製造できる
ので、産業上広い用途への応用が可能となる。 (3)本発明の架橋ポリアスパラギン酸(塩)は、高い
生分解性を有するので、コンポスト中や土中にて分解す
ることができ、さらに環境中に放出された場合も微生物
により容易に分解され、環境中への蓄積が防げられる。 (4)本発明の架橋ポリアスパラギン酸(塩)は、高い
吸水量を示すので、多量に水系液体を吸収する必要があ
る各種用途に非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得た粒子の走査電子顕微鏡写真(×
100)である。
【図2】実施例1で得た粒子の走査電子顕微鏡写真(×
1000)である。
【図3】実施例2で得た粒子の走査電子顕微鏡写真(×
100)である。
【図4】実施例2で得た粒子の走査電子顕微鏡写真(×
1000)である。
【図5】実施例4で得た粒子の走査電子顕微鏡写真(×
100)である。
【図6】実施例4で得た粒子の走査電子顕微鏡写真(×
1000)である。
【図7】比較例1で得た粒子の走査電子顕微鏡写真(×
100)である。
【図8】比較例1で得た粒子の走査電子顕微鏡写真(×
1000)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A61F 13/53 A61F 13/18 307A A61L 15/60 Fターム(参考) 4C003 AA24 4G066 AB06D AC27B AC35B AD10B AE20B BA01 BA26 BA36 CA43 DA11 EA05 FA11 4J001 DA10 DB01 DB09 DC12 DD10 EA36 EE27C EE44B FA03 FC03 GD08 GE04 JA20 JB17 JB50 JC02 JC03 4J043 PA15 PC076 PC166 PC186 QB06 RA34 SA05 SA62 SB01 UA761 UB011 XA03 XA06 XB13 YA25 YB02 YB08 YB14 YB32 ZA04 ZB05

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリコハク酸イミドを多価アミン化合物
    と反応して得られる架橋ポリコハク酸イミドのイミド環
    を加水分解して得られる、ティーバッグ法により測定し
    た1分間での生理食塩水に対する吸水量がポリマー自重
    の30〜150倍である、架橋ポリアスパラギン酸
    (塩)。
  2. 【請求項2】 ポリコハク酸イミドを多価アミン化合物
    と反応して得られる架橋ポリコハク酸イミドのイミド環
    を加水分解して得られる、ティーバッグ法により測定し
    た1分間での蒸留水に対する吸水量がポリマー自重の1
    00〜1500倍である、架橋ポリアスパラギン酸
    (塩)。
  3. 【請求項3】 比表面積が0.1〜1000m2/gであ
    る請求項1又は2記載の架橋ポリアスパラギン酸
    (塩)。
  4. 【請求項4】 多孔質構造を有する請求項1〜3の何れ
    か一項記載の架橋ポリアスパラギン酸(塩)。
  5. 【請求項5】 形状がリン片状である請求項1〜4の何
    れか一項記載の架橋ポリアスパラギン酸(塩)。
  6. 【請求項6】 多価アミン化合物が、アルキレンジアミ
    ン又は塩基性アミノ酸である請求項1〜5の何れか一項
    記載の架橋ポリアスパラギン酸(塩)。
  7. 【請求項7】 多価アミン化合物が、炭素数2〜12の
    ジアミン、リジン又はオルニチンである請求項1〜5の
    何れか一項記載の架橋ポリアスパラギン酸(塩)。
  8. 【請求項8】 ティーバッグ法により測定した1時間で
    の生理食塩水に対する吸水量がポリマーの30〜200
    倍である請求項1〜7の何れか一項記載の架橋ポリアス
    パラギン酸(塩)。
  9. 【請求項9】 ティーバッグ法により測定した1時間で
    の蒸留水に対する吸水量がポリマーの200〜2000
    倍である請求項1〜8の何れか一項記載の架橋ポリアス
    パラギン酸(塩)。
  10. 【請求項10】 請求項1又は2記載の架橋ポリアスパ
    ラギン酸(塩)を製造するための方法であって、 ポリコハク酸イミドを多価アミン化合物と反応して得た
    架橋ポリコハク酸イミドのイミド環を加水分解して得た
    架橋ポリアスパラギン酸(塩)の含水ゲルを、水混和性
    有機溶媒中に浸し、得られた沈殿物を乾燥することを特
    徴とする架橋ポリアスパラギン酸(塩)の製造方法。
  11. 【請求項11】 水混和性有機溶媒が、炭素数1〜6の
    アルコール又はケトンである請求項10記載の架橋ポリ
    アスパラギン酸(塩)の製造方法。
  12. 【請求項12】 水混和性有機溶媒が、メタノールであ
    る請求項11記載の架橋ポリアスパラギン酸(塩)の製
    造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1又は2記載の架橋ポリアスパ
    ラギン酸(塩)を製造するための方法であって、 ポリコハク酸イミドを多価アミン化合物と反応して得た
    架橋ポリコハク酸イミドのイミド環を加水分解して得た
    架橋ポリアスパラギン酸(塩)の含水ゲルを、凍結乾燥
    することを特徴とする架橋ポリアスパラギン酸(塩)の
    製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1又は2記載の架橋ポリアスパ
    ラギン酸(塩)を製造するための方法であって、 ポリコハク酸イミドを多価アミン化合物と反応して得た
    架橋ポリコハク酸イミドのイミド環を加水分解して得た
    架橋ポリアスパラギン酸(塩)の含水ゲルを、5×10
    〜9×104Paの減圧下において乾燥することを特徴
    とする架橋ポリアスパラギン酸(塩)の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1又は2記載の架橋ポリアスパ
    ラギン酸(塩)を製造するための方法であって、 ポリコハク酸イミドを多価アミン化合物と反応して得た
    架橋ポリコハク酸イミドのイミド環を加水分解して得た
    架橋ポリアスパラギン酸(塩)の含水ゲルに、水混和性
    有機溶媒を混合し、5×10〜9×104Paの減圧下
    において乾燥することを特徴とする架橋ポリアスパラギ
    ン酸(塩)の製造方法。
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