JP2001064385A - 架橋ポリアミノ酸系樹脂及びその製造方法 - Google Patents

架橋ポリアミノ酸系樹脂及びその製造方法

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JP2001064385A
JP2001064385A JP24493999A JP24493999A JP2001064385A JP 2001064385 A JP2001064385 A JP 2001064385A JP 24493999 A JP24493999 A JP 24493999A JP 24493999 A JP24493999 A JP 24493999A JP 2001064385 A JP2001064385 A JP 2001064385A
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acid
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Yoshihiro Irisato
義広 入里
Makoto Sukegawa
誠 助川
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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  • Polyamides (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分解性を有し、優れた吸水能を有する高吸水
性樹脂を供給する。 【解決手段】 ポリコハク酸イミドに、化学式(1)で
表されるヒドラジド基、及び/又は、化学式(2)で表
されるヒドラジノ基と、化学式(1)で表されるヒドラ
ジド基、化学式(2)で表されるヒドラジノ基、アミノ
基、水酸基、及び、チオール基からなる群から選択され
た少なくとも1種の官能基とを有する化合物を反応さ
せ、残りのイミド環を加水分解することで、生分解性を
有し、吸水能に優れた吸水性樹脂を提供することができ
る。 [ヒドラジド基] [ヒドラジノ基] −NHNH(2)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架橋ポリアミノ酸
系樹脂及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、優
れた吸水性を有し、廃棄時には容易に分解しやすい架橋
ポリアミノ酸系樹脂及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】[吸水性樹脂の技術的背景]吸水性樹脂
は、自重の数十倍から数千倍の水を吸収できる樹脂であ
り、生理用品、紙おむつ、母乳パット、使い捨て雑巾等
の衛生用品、創傷保護用ドレッシング材、医療用アンダ
ーパット、パップ剤等の医療用品、ペット用シート、携
帯用トイレ、ゲル芳香剤、ゲル消臭剤、吸汗性繊維、使
い捨てカイロ等の生活用品、シャンプー、セット用ジェ
ル剤、保湿剤等のトイレタリー用品、農・園芸用の保水
材、切り花の延命剤、フローラルフォーム(切り花の固
定化材)、育苗用苗床、水耕栽培、植生シート、種子テ
ープ、流体播種、結露防止用農業用シート等の農・園芸
用品、食品用トレー用鮮度保持材、ドリップ吸収性シー
ト等の食品包装材、保冷材、生鮮野菜運搬用吸水性シー
ト等の運搬用資材、結露防止用建築材料、土木・建築用
のシーリング材、シールド工法の逸泥防止剤、コンクリ
ート混和剤、ガスケット・パッキング等の土木建築資
材、光ファイバー等の電子機器のシール材、通信ケーブ
ル用止水材、インクジェット用記録紙等の電気機器関連
資材、汚泥の凝固剤、ガソリン、油類の脱水、水分除去
剤等の水処理剤、捺染用のり、水膨潤性玩具、人工雪等
の幅広い分野に使用されている。また、その薬品徐放性
を利用して、徐放性肥料、徐放性農薬、徐放性薬剤等の
用途にも期待されている。さらに、その親水性を利用し
て湿度調整材、電荷保持性を利用して帯電防止剤等への
使用も期待される。
【0003】[吸水性樹脂に関する先行技術]このよう
な用途に使用されている吸水性樹脂としては、例えば、
架橋ポリアクリル酸部分中和物(特開昭55−8430
4号、米国特許4625001号)、澱粉−アクリロニ
トリル共重合体の部分加水分解物(特開昭46−439
95号)、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体(特開昭
51−125468号)、酢酸ビニル−アクリル酸エス
テル共重合体の加水分解物(特開昭52−14689
号)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸とアクリル酸の共重合架橋物(欧州特許00681
89号)、カチオン性モノマーの架橋体(米国特許49
06717号)、架橋イソブチレン−無水マレイン酸共
重合体(米国特許4389513号)などが知られてい
る。ところが、これらの吸水性樹脂組成物は分解性を有
しないため、使用後の廃棄が問題である。現状として
は、これらの吸水性樹脂は、廃棄時には焼却処理する方
法と埋め立てする方法が行われているが、焼却炉で処理
する方法では、焼却時に発生する熱による炉材の損傷の
ほかに、地球の温暖化や酸性雨の原因となることが指摘
されている。また、埋め立て処理する方法では、プラス
チックは容積がかさばる、腐らないため地盤が安定しな
い等の問題があるうえ、埋め立てに適した場所がなくな
ってきたことが大きな問題となっている。
【0004】すなわち、これらの樹脂は分解性に乏し
く、水中や土壌中では半永久的に存在するので、廃棄物
処理における環境保全を考えると非常に重大な問題であ
る。例えば紙おむつ、生理用品等の衛生材料に代表され
る使い捨て用途の樹脂の場合、それをリサイクルすれば
多大な費用がかかり、焼却するにも大量であるため地球
環境への負荷が大きい。また農・園芸用保水材として架
橋ポリアクリル酸樹脂を使用した場合、土壌中でCa
2+等の多価イオンとコンプレックスを形成し、不溶性
の層を形成すると報告されている(松本ら、高分子、4
2巻、8月号、1993年)。
【0005】しかし、このような層はそのもの自体の毒
性は低いといわれているが、自然界には全くないもので
あり、長期に亘るそれら樹脂の土中への蓄積による生態
系への影響は不明であり、十分に調べる必要があり、そ
の使用には慎重な態度が望まれる。同様に、非イオン性
の樹脂の場合、コンプレックスは形成しないが、非分解
性のため土壌中へ蓄積する恐れがあり、その自然界への
影響は疑わしい。
【0006】さらにこれらの重合系の樹脂は、人間の肌
等に対して毒性の強いモノマーを使用しており、重合後
の製品からこれを除去するために多くの検討がなされて
いるが、完全に除くことは困難である。特に工業的規模
での製造ではより困難となることが予想される。
【0007】[生分解性を有する吸水性樹脂の技術的背
景]一方、近年、「地球にやさしい素材」として生分解
性ポリマーが注目されており、これを吸水性樹脂として
使用することも提案されている。このような用途に使用
されている生分解性を有する吸水性樹脂としては、例え
ばポリエチレンオキシド架橋体(特開平6−15779
5号等)、ポリビニルアルコール架橋体、カルボキシメ
チルセルロース架橋体(米国特許4,650,716
号)、アルギン酸架橋体、澱粉架橋体、ポリアミノ酸架
橋体などが知られている。この中でポリエチレンオキシ
ド架橋体、ポリビニルアルコール架橋体は、特殊な菌の
みしか、生分解することができないので、一般的な条件
では生分解性は遅かったり、もしくは全く分解しなかっ
たりする。さらに分子量が大きくなると極端に分解性が
低下したり、非分解性となる。また、カルボキシメチル
セルロース架橋体、アルギン酸架橋体、デンプン架橋体
等の糖類架橋体は、その分子内に強固な水素結合を多く
含むために、分子間、ポリマー間の相互作用が強く、そ
のため分子鎖が広く開くことができず、吸収能は高くな
い。
【0008】[ポリアミノ酸系吸水性樹脂の技術的背
景]一方、ポリアミノ酸を架橋して得られる樹脂は生分
解性を有するために地球環境にやさしく、また生体内に
吸収されても酵素作用により消化吸収され、しかも生体
内での抗原性を示さず、分解生成物も毒性がないことが
明らかにされているので、人に対してもやさしい素材で
ある。このような樹脂の記載例として、ポリ−γ−グル
タミン酸にγ線を照射して高吸水能を有する樹脂を製造
する方法が記載されている(国岡ら、高分子論文集、5
0巻10号、755頁(1993年))。しかし、工業
的な観点からは、この技術に用いる60Co照射設備
は、放射能の遮断を行うためには大がかりな設備が必要
であり、その管理にも十分な配慮が必要であるため現実
的ではない。また出発物質であるポリグルタミン酸が高
価であることも問題点である。また、架橋アミノ酸樹脂
を吸水性ポリマーに用いる報告がされている(Sike
sら、特表平6−506244号;米国特許第5,24
7,068及び同第5,284,936号、鈴木ら、特
開平7−309943号)。しかしいずれの報告の場合
も、これらの樹脂は吸水性が十分でなく、実用的ではな
かった。
【0009】また、酸性アミノ酸を架橋させてハイドロ
ゲルを得る方法が報告されている(Akamatsu
ら、米国特許第3,948,863号;特公昭52−4
1309号、岩月ら、特開平5−279416号)。し
かし、これらの樹脂は吸水性ポリマーとして使用できる
吸水能は有しなかった。さらに、特開平8−59820
号に、酸性ポリアミノ酸を塩基性ポリアミノ酸により架
橋させた吸水性樹脂が報告されている。しかし、これら
の方法では、記載された反応における、ポリマーと架橋
剤との反応性が低く、過酷な条件下にて反応しなければ
ならず、架橋度の制御がほとんど不可能である。得られ
た樹脂は、性能が十分とは言えなかった。そこで当発明
者らは特開平7−224163号にてポリコハク酸イミ
ドとジアミン化合物とを反応させた後、または同時に、
加水分解することにより、塩水吸水能の高い吸水性樹脂
を発明した。また、特開平7−309943号、米国特
許第5,612,384号において、上記公報と同様に
ポリコハク酸イミドと少なくとも2以上のアミノ基をも
つ化合物により架橋し、加水分解することにより得られ
る樹脂が報告されている。
【0010】これらの樹脂は、非常に優れた吸水能を発
現できるが、吸水性樹脂を工業的に製造する場合、特に
連続的に工業生産を行うためには、原料及び反応混合物
の状態変化を厳密に制御する必要があり、改良の余地が
あった。状態変化を制御できない場合、物質の流れが途
切れたり、遮断されたりして、連続運転が困難となる可
能性が大きい。とりわけ、上記の架橋ポリアスパラギン
酸系樹脂の架橋反応においては、架橋前の状態と架橋後
の状態において、粘度、流動性等が大きく変化するため
に、架橋反応を厳密に制御できる技術が必要であった。
上記問題を解決するためには、例えば多価アミン以外
の、ポリコハク酸イミドとの反応性を有するものを使用
することが考えられる。しかし、このような架橋剤の報
告例はない。米国特許5,612,384号公報では、
多価アミン以外のポリコハク酸イミドの架橋剤として
は、多価ヒドラジン、ヒドラジドは反応性に乏しく、使
用できないと記載されている。すなわち、生分解性を有
し、吸水性樹脂に対する要望は高く、ポリコハク酸イミ
ドとの多価アミン以外の架橋剤及びそれによって厳密に
架橋された高吸水性の樹脂が要望されていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、上記のような従来の問題点を解決すべく、
生分解性を有する架橋重合体、及びその製造方法を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、鋭意検討した結果、本発明を完成するに
至った。即ち、本発明は、以下の[1]〜[21]に記載
した事項により特定される。 [1] 化学式(1)[化19]で表されるヒドラジド
基、及び/又は、化学式(2)[化20]で表されるヒ
ドラジノ基と、化学式(1)[化19]で表されるヒド
ラジド基、化学式(2)[化20]で表されるヒドラジ
ノ基、アミノ基、水酸基、及び、チオール基からなる群
から選択された少なくとも1種の官能基とを有する化合
物により架橋された架橋ポリアミノ酸系樹脂。 [化19] [化20] −NHNH (2)
【0013】[2] 少なくとも2個の化学式(1)
[化21]で表されるヒドラジド基、及び/又は、化学
式(2)[化22]で表されるヒドラジノ基を有する化
合物により架橋された[1]に記載した架橋ポリアミノ
酸系樹脂。 [化21] [化22] −NHNH(2)
【0014】[3] 少なくとも1個の化学式(1)
[化23]で表されるヒドラジド基、及び/又は、化学
式(2)[化24]で表されるヒドラジノ基と、少なく
とも1個のアミノ基を有する化合物により架橋された
[1]に記載した架橋ポリアミノ酸系樹脂。 [化23] [化24] −NHNH(2)
【0015】[4] 『ポリアミノ酸』が、『酸性ポリ
アミノ酸』である、[1]乃至[3]の何れかに記載し
た、架橋ポリアミノ酸系樹脂。 [5] 『酸性ポリアミノ酸』が、『ポリアスパラギン
酸』である、[4]に記載した、架橋ポリアミノ酸系樹
脂。 [6] ティーバッグ法(蒸留水、20℃)により評価
した吸水量が30〜2000倍で示される吸水機能を有
することを特徴とする、[1]乃至[5]の何れかに記
載した架橋ポリアミノ酸系樹脂。
【0016】[7] ポリアミノ酸系樹脂を架橋剤によ
り架橋反応する架橋ポリアミノ酸系樹脂の製造方法であ
って、前記架橋剤が、化学式(1)[化25]で表され
るヒドラジド基、及び/又は、化学式(2)[化26]
で表されるヒドラジノ基と、化学式(1)[化25]で
表されるヒドラジド基、化学式(2)[化26]で表さ
れるヒドラジノ基、アミノ基、水酸基、及び、チオール
基からなる群から選択された少なくとも1種の官能基と
を有する化合物であることを特徴とする、ポリアミノ酸
系樹脂を架橋剤により架橋する架橋ポリアミノ酸系樹脂
の製造方法。 [化25] [化26] −NHNH (2)
【0017】[8] 架橋剤が、少なくとも2個の化学
式(1)[化27]で表されるヒドラジド基、及び/又
は、化学式(2)[化28]で表されるヒドラジノ基を
有する化合物であることを特徴とする、[7]に記載し
た架橋ポリアミノ酸系樹脂の製造方法。 [化27] [化28] −NHNH (2)
【0018】[9] 架橋剤が、少なくとも1個の化学
式(1)[化29]で表されるヒドラジド基、及び/又
は、化学式(2)[化30]で表されるヒドラジノ基
と、少なくとも1個のアミノ基を有する化合物であるこ
とを特徴とする、[7]に記載した架橋ポリアミノ酸系
樹脂の製造方法。 [化29] [化30] −NHNH (2)
【0019】[10] 架橋反応の反応温度が、40〜
150℃であることを特徴とする[7]乃至[9]の何
れかに記載した、架橋ポリアミノ酸系樹脂の製造方法。 [11] 架橋反応が、熱による脱水縮合反応によるも
のである、[7]乃至[9]の何れかに記載した、架橋
ポリアミノ酸系樹脂の製造方法。 [12] 脱水縮合反応が、架橋剤のほかに脱水縮合剤
を含む反応系で行なわれるものである、[11]に記載
した、架橋ポリアミノ酸系樹脂の製造方法。 [13] 『ポリアミノ酸』が、『無水酸性ポリアミノ
酸』である、[7]乃至[12]の何れかに記載した、
架橋ポリアミノ酸系樹脂の製造方法。
【0020】[14] 『酸性ポリアミノ酸』が、『ポ
リアスパラギン酸』である、[13]に記載した、架橋
ポリアミノ酸系樹脂の製造法。 [15] 『無水酸性ポリアミノ酸』が、『ポリコハク
酸イミド』である、[13]に記載した、架橋ポリアミ
ノ酸系樹脂の製造方法。 [16] [7]乃至[15]の何れかに記載した製造
方法により得られた架橋ポリアミノ酸系樹脂。
【0021】[17] [13]乃至[15]の何れか
に記載した製造方法により得られた架橋ポリアミノ酸系
樹脂のイミド環を加水分解することを特徴とする架橋ポ
リアミノ酸系樹脂。 [18] ティーバッグ法(蒸留水、20℃)により評
価した吸水量が30〜2000倍で示される吸水機能を
有することを特徴とする、[16]又は[17]に記載
した架橋ポリアミノ酸系樹脂。
【0022】[19] ポリアミノ酸系樹脂用架橋剤で
あって、前記架橋剤が、化学式(1)[化31]で表さ
れるヒドラジド基、及び/又は、化学式(2)[化3
2]で表されるヒドラジノ基と、化学式(1)[化3
1]で表されるヒドラジド基、化学式(2)[化32]
で表されるヒドラジノ基、アミノ基、水酸基、及び、チ
オール基からなる群から選択された少なくとも1種の官
能基とを有する化合物を含むものであることを特徴とす
る、ポリアミノ酸系樹脂用架橋剤。 [化31] [化32] −NHNH (2)
【0023】[20] ポリアミノ酸系樹脂用架橋剤で
あって、前記架橋剤が、少なくとも2個の化学式(1)
[化33]で表されるヒドラジド基、及び/又は、化学
式(2)[化34]で表されるヒドラジノ基を有する化
合物を含むものであることを特徴とする、ポリアミノ酸
系樹脂用架橋剤。 [化33] [化34] −NHNH (2)
【0024】[21] ポリアミノ酸系樹脂用架橋剤で
あって、前記架橋剤が、少なくとも1個の化学式(1)
[化35]で表されるヒドラジド基、及び/又は、化学
式(2)[化36]で表されるヒドラジノ基と、少なく
とも1個のアミノ基を有する化合物を含むものであるこ
とを特徴とする、ポリアミノ酸系樹脂用架橋剤。 [化35] [化36] −NHNH(2)
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細について説
明する。 (1) 架橋ポリアミノ酸系樹脂の構造 本発明の樹脂は、架橋ポリアミノ酸系樹脂であり、その
構造上から、大きく分けると重合体のポリマー基本骨
格、側鎖部分、架橋部分からなる。以下、これらを分け
て説明する。
【0026】(1−1) 架橋ポリアミノ酸系樹脂のポ
リマー基本骨格 本発明の樹脂は『ポリアミノ酸』を架橋した樹脂であ
る。すなわち、ポリマー基本骨格は『ポリアミノ酸』で
あり、『ポリアミノ酸』はアミノ酸をくり返し単位とし
て主鎖を形成する。
【0027】本発明の『ポリアミノ酸』は、アミノ酸が
脱水縮合したポリペプチドから成る。アミノ酸成分の具
体例としては、例えば、20種類の必須アミノ酸、L−
オルニチン、一連のα−アミノ酸、β−アラニン、γ−
アミノ酪酸、中性アミノ酸、酸性アミノ酸、酸性アミノ
酸のω−エステル、塩基性アミノ酸、塩基性アミノ酸の
N置換体、アスパラギン酸−L−フェニルアラニン2量
体(アスパルテーム)等のアミノ酸及びアミノ酸誘導
体、L−システイン酸等のアミノスルホン酸等を挙げる
ことができる。α−アミノ酸は、光学活性体(L体、D
体)であっても、ラセミ体であってもよい。
【0028】また、本発明における『ポリアミノ酸』は
他の単量体成分を含む共重合体であってもよい。共重合
体の単量体成分の例としては、アミノカルボン酸、アミ
ノスルホン酸、アミノホスホン酸、ヒドロキシカルボン
酸、メルカプトカルボン酸、メルカプトスルホン酸、メ
ルカプトホスホン酸等が挙げられる。また、多価アミ
ン、多価アルコール、多価チオール、多価カルボン酸、
多価スルホン酸、多価ホスホン酸、多価ヒドラジン化合
物、多価カルバモイル化合物、多価スルホンアミド化合
物、多価ホスホンアミド化合物、多価エポキシ化合物、
多価イソシアナート化合物、多価イソチオシアナート化
合物、多価アジリジン化合物、多価カーバメイト化合
物、多価カルバミン酸化合物、多価オキサゾリン化合
物、多価反応性不飽和結合化合物、多価金属等が挙げら
れる。
【0029】共重合体である場合は、ブロック・コポリ
マーであっても、ランダム・コポリマーであっても構わ
ない。また、グラフトであっても構わない。本発明の
『ポリアミノ酸』は、単一のアミノ酸からなるものであ
っても構わない。例えば、ポリアスパラギン酸、ポリグ
ルタミン酸、ポリリジンが挙げられる。これらのうち、
ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸は酸性アミノ酸
の重合体であるので、『酸性ポリアミノ酸』と呼ぶ。本
発明では、それらの共重合体も含めて『酸性ポリアミノ
酸』と呼ぶ。『ポリアスパラギン酸』についても、アス
パラギン酸単体からなる重合体のみではなく、その共重
合体も含めて『ポリアスパラギン酸』と呼ぶ。『無水酸
性ポリアミノ酸』は、酸性ポリアミノ酸から水分子がは
ずれて縮合した、酸性アミノ酸のイミド構造を有するも
のである。『ポリコハク酸イミド』はポリアスパラギン
酸から水分子がはずれて縮合した、アスパラギン酸のイ
ミド構造を有するものである。
【0030】本発明では、『無水酸性ポリアミノ酸』、
『ポリコハク酸イミド』ともにその共重合体も含める。
共重合体である場合は、ブロック・コポリマーであって
も、ランダム・コポリマーであっても構わない。また、
グラフトであっても構わない。これらの中で、生分解性
に優れたホモポリマーである、ポリアスパラギン酸、ポ
リグルタミン酸、ポリリジンを基本骨格とした方が好ま
しく、高い吸水性を有するポリアスパラギン酸及びグル
タミン酸を基本骨格とした場合が好ましく、さらに工業
的生産に適したポリアスパラギン酸が特に好ましい。
【0031】本発明の加水分解を施したポリアスパラギ
ン酸のポリマー基本骨格としては、主鎖中のアミド結合
が、α結合である場合と、β結合である場合がある。す
なわち、ポリアスパラギン酸及びその共重合体の場合
は、アスパラギン酸もしくは共重合体単量体のアミノ基
等と、アスパラギン酸のα位のカルボキシル基と結合し
た場合がα結合であり、アスパラギン酸のβ位のカルボ
キシル基と結合した場合がβ結合である。このポリアス
パラギン酸の場合のα結合とβ結合、通常混在して存在
する。その結合様式は、特に限定されない。
【0032】(1−2) 架橋ポリアミノ酸系樹脂の側
鎖部分 本発明の樹脂の側鎖構造については、置換基がないポリ
アミノ酸残基であっても、ポリアミノ酸残基が誘導され
たペンダント基を含むものであっても構わない。ポリア
スパラギン酸の場合、単純にイミド環を開環した構造で
カルボキシル基を持つ基であるが、他の置換基を導入し
ても構わない。例えば、リジン等のアミノ酸残基、カル
ボキシル基を有する炭化水素基、スルホン酸基を有する
炭化水素基等がある。
【0033】また酸性ポリアミノ酸の場合、カルボキシ
ル基、もしくは側鎖基は、ポリマー主鎖のアミド結合に
対して、アスパラギン酸残基の場合は、α位に置換され
ていても、β位に置換されていても構わず、グルタミン
酸残基の場合は、α位に置換されていても、γ位に置換
されていても構わない。本発明のポリアミノ酸の基本骨
格と側鎖部分の結合部分は、特に限定されない。酸性ポ
リアミノ酸の場合、アミド結合、エステル結合、チオエ
ステル結合である。またカルボキシル基の場合は、水素
原子が結合した形でも、塩を構成しても構わない。カル
ボキシル基の対イオンとしては、アルカリ金属塩、アン
モニウム塩、アミン塩等がある。
【0034】(1−3) 架橋ポリアミノ酸系樹脂の架
橋部分 本発明の樹脂は架橋体であり、架橋部分を含むことによ
り特定される。本発明の樹脂は、化学式(1)[化3
7]で表されるヒドラジド基、及び/又は、化学式
(2)[化38]で表されるヒドラジノ基と、化学式
(1)[化37]で表されるヒドラジド基、化学式
(2)[化38]で表されるヒドラジノ基、アミノ基、
水酸基、及び、チオール基からなる群から選択された少
なくとも1種の官能基とを有する化合物により架橋され
た架橋ポリアミノ酸系樹脂である。 [化37] [化38] −NHNH (2)
【0035】本発明に係る樹脂は、基本骨格と架橋部分
の結合部分がヒドラジド基、及び/又は、ヒドラジノ基
であるところに特徴がある。架橋剤のヒドラジド基、及
び/又は、ヒドラジノ基以外の部分を便宜的に「連結基」
と呼ぶと、ポリマー主鎖のカルボキシル基と結合した場
合の結合部分は、ヒドラジノ基の場合は、ポリマー主鎖
−CONHNH−連結基となり、ヒドラジノ基の場合
は、ポリマー主鎖−CONHNHCO−連結基となる。
ここで、架橋剤は、2価以上である必要があるが、3価
以上であっても構わない。また、本発明の樹脂は架橋部
分として、少なくとも1つのヒドラジド基、及び/又
は、ヒドラジノ基を有するが、それ以外の置換基を架橋
部分として含んでいても構わない。例えば、アミド基、
エステル基、チオエステル基が挙げられる。ここで、架
橋剤は必ずしもその全ての反応基がポリコハク酸イミド
と反応している必要はなく、実質的に高い吸水量とゲル
強度が発現できれば構わない。すなわち、本発明の架橋
重合体は2個以上のヒドラジド基又は1個のヒドラジド
基とヒドラジド基以外の反応基が反応した架橋した構造
を含むが、架橋剤の一部のみがポリマー主鎖と結合した
構造(ペンダント構造)も含んでも構わない。
【0036】本発明の樹脂のポリマー架橋部分は、主鎖
中のアミド結合に対して、α結合である場合と、β結合
である場合がある。この架橋部分のα結合とβ結合、通
常混在して存在する。その結合様式は、特に限定されな
い。本発明の樹脂の架橋部分の連結基は特に限定されな
いが、ヒドラジド化合物が通常の多価カルボン酸から容
易に誘導されるので、通常の多価カルボン酸のカルボキ
シル基を除く構造のものが挙げられる。
【0037】この連結基としては、特に限定されない
が、アルキレン、アラルキレン、フェニレン、ナフチレ
ン基等が挙げられ、例えば、以下の[化39]と[[化
1]]に示す具体例が挙げられる。 [化39] −CH−、−CHCH−、−CHCHCH
−、−CHCHCH CH−、−(CH
−、−(CH−、−(CH−、−(CH
−、−(CH−、−(CH10−、−
(CH11−、−(CH12−、−(CH
13−、−(CH14−、−(CH −、−
(CH16−、−(CH17−、−(CH
18−、−CH CHOCHCH−、−(CH
CHO)CHCH−、−(CH CHO)
CHCH−、−(CHCHO)CHCH
−、−(CHCHO)CHCH−、−(CH
CHO)CHCH−、−CHCHCH
OCHCHCH−、−(CHCHCHO)
CHCHCH−、−(CHCHCHO)
CHCHCH−、−(CHCHCHO)
CHCHCH−、−(CHCHCHO)
CHCHCH−、−(CHCHCHO)
CHCHCH −、
【0038】
【化1】
【0039】ここで、架橋部分の量は特に限定されない
が、重合体全体の繰り返し単位の総数を基準として、架
橋部分の繰り返し単位の数は、0.1〜50%が好まし
く、0.5〜10%がより好ましい。これらの架橋部分
及びペンダント基となった場合の側鎖部分は、無置換で
も、置換していてもよい。置換基としては、炭素原子数
1から18の分岐していてもよいアルキル基、炭素原子
数3から8のシクロアルキル基、アラルキル基、置換し
ていてもよいフェニル基、置換していてもよいナフチル
基、炭素原子数1から18の分岐していてもよいアルコ
キシ基、アラルキルオキシ基、フェニルチオ基、炭素原
子数1から18の分岐していてもよいアルキルチオ基、
炭素原子数1から18の分岐していてもよいアルキルア
ミノ基、炭素原子数1から18の分岐していてもよいジ
アルキルアミノ基、炭素原子数1から18の分岐してい
てもよいトリアルキルアンモニウム基、水酸基、アミノ
基、メルカプト基、スルホニル基、スルホン酸基、ホス
ホン酸基及びこれらの塩、アルコキシカルボニル基、ア
ルキルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
【0040】(2) 架橋ポリアミノ酸系樹脂の製造方
法 本発明の樹脂の製造方法 なお、本発明のポリアスパラギン酸系樹脂の製造は、ポ
リコハク酸イミド、ポリアスパラギン酸、ポリアスパラ
ギン酸エステルもしくはそれらの共重合体を用いること
ができる。
【0041】(2−1) ポリコハク酸イミドの製造方
法 架橋ポリアミノ酸系樹脂における、ポリアスパラギン酸
系樹脂の製造方法は特に限定されないが、ポリコハク酸
イミドを用いるか、もしくはこれを加水分解したポリア
スパラギン酸、さらにそれをエステル化したポリアスパ
ラギン酸エステルを用いた製造方法が工業的な生産を行
う場合に適している。ポリコハク酸イミド及びポリアス
パラギン酸の製造方法は特に限定されないが、ジャーナ
ル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー(J.
Amer.Chem.Soc.),80巻,3361頁
〜(1958年)等に記載の方法にて容易に製造するこ
とができる。使用するポリコハク酸イミドの分子量(重
量平均分子量Mw)は、特に限定されないが、分子量が
高い方が保水材としての能力が高くなる。一般的に、3
万以上、好ましくは6万以上、より好ましくは9万以上
である。
【0042】本発明に使用するためのポリコハク酸イミ
ドの製造時に、アスパラギン酸以外の他のアミノ酸や、
アミノ酸以外の単量体成分を添加して共重合体を製造す
ることもできる。アスパラギン酸以外のアミノ酸成分の
具体例としては、例えば、20種類の必須アミノ酸、L
−オルニチン、一連のα−アミノ酸、β−アラニン、γ
−アミノ酪酸、中性アミノ酸、酸性アミノ酸、酸性アミ
ノ酸のω−エステル、塩基性アミノ酸、塩基性アミノ酸
のN置換体、アスパラギン酸−L−フェニルアラニン2
量体(アスパルテーム)等のアミノ酸及びアミノ酸誘導
体、L−システイン酸等のアミノスルホン酸等を挙げる
ことができる。α−アミノ酸は、光学活性体(L体、D
体)であっても、ラセミ体であってもよい。
【0043】また、重合体はアミノ酸以外の単量体成分
を添加して共重合体を製造することもできる。共重合体
製造時に添加する単量体成分の例としては、アミノカル
ボン酸、アミノスルホン酸、アミノホスホン酸、ヒドロ
キシカルボン酸、メルカプトカルボン酸、メルカプトス
ルホン酸、メルカプトホスホン酸等が挙げられる。ま
た、多価アミン、多価アルコール、多価チオール、多価
カルボン酸、多価スルホン酸、多価ホスホン酸、多価ヒ
ドラジン化合物、多価カルバモイル化合物、多価スルホ
ンアミド化合物、多価ホスホンアミド化合物、多価エポ
キシ化合物、多価イソシアナート化合物、多価イソチオ
シアナート化合物、多価アジリジン化合物、多価カーバ
メイト化合物、多価カルバミン酸化合物、多価オキサゾ
リン化合物、多価反応性不飽和結合化合物、多価金属等
が挙げられる。こうして得られたポリコハク酸イミドま
たはそれを加水分解して得られるポリアスパラギン酸、
誘導体であるポリアスパラギン酸エステルを用いて、架
橋重合体を製造する。
【0044】(3) 架橋重合体の製造方法 本発明の重合体の製造における反応は、順序は別とし
て、基本的に架橋反応と、ポリアスパラギン酸へと誘導
する反応である。ポリアスパラギン酸へと誘導する反応
は、特に限定されないが、アルカリを用いてポリコハク
酸イミド又はポリコハク酸イミド誘導体のイミド環を加
水分解する方法が一般的である。なお、カルボキシル基
への変換は、例えば、カルボキシル基への交換反応は、
ハロゲン基の炭酸イオンによる置換反応、アルコール、
アルデヒドの酸化反応、ニトリルの加水分解、エステル
基、アミド基の脱保護等があるが、何れも反応条件が厳
しく、重合体の主鎖及び/又は側鎖基が切断したり、変
化したりして有効ではない。ただし、これらの反応も場
合によっては使用できる。
【0045】先に述べた2つの反応以外の反応を用いて
も、また併用しても構わない。例えば、ペンダント基を
持つ樹脂の場合は、ペンダント導入反応を用いる。これ
らの2つの反応を行う順序によって、製造法は変わって
くる。その方法は特に限定されないが、以下にその例を
挙げる。 (A) ポリコハク酸イミドを架橋してから、もしくは
同時に、ポリアスパラギン酸へ誘導する方法。 (B) ポリアスパラギン酸を架橋する方法。 (C) ポリアスパラギン酸のエステルを架橋した後、
もしくは同時に、ポリアスパラギン酸へ誘導する方法。 (D) アスパラギン酸及び所望により置換酸性アミノ
酸及び/又はアスパラギン酸オリゴマーを、架橋剤の存
在下に重合し、架橋ポリアスパラギン酸へ誘導する方
法。
【0046】ここで(B)(C)の方法は、ポリグルタ
ミン酸を含めた酸性ポリアミノ酸にて同様に実施でき
る。これらの中で、(D)の方法は、得られる樹脂は分
子量があまり高くならないので、吸水量が高くなく、高
吸水性を必要とする分野には好ましくない。一方、
(A)〜(C)の方法は、吸水性樹脂に必要な吸水量、
ゲルの調整が可能で、高い吸水量の樹脂も得ることがで
きるので、好ましい。この中で、(A)の方法は、穏和
な条件の下で反応が行うことができるので、より好まし
い。さらに、これらの方法において、架橋反応を先に行
った方が好ましい。
【0047】これらの反応において、反応系が均一系で
あるか、不均一系であるかの違いはあるにしても、架橋
反応、ポリアスパラギン酸への誘導反応において基本的
な反応条件は、ほぼ同じであるので、各反応について個
々に説明する。なお、架橋反応を先に行った場合は、架
橋により不溶化するので、後の反応は不均一系になる場
合が多い。不均一系の反応の場合、均一系の同じ反応よ
り、反応速度が遅くなる等の場合があるが、攪拌効率を
上げるとか、相間移動触媒等を用いる等の、不均一系に
用いる既知の反応促進手法を用いても構わない。
【0048】また、ゲルの状態で反応を行うと、溶液状
態の同じ反応よりは反応は遅いが、通常の液−固相系の
二相系の同じ反応に対しては、ゲル中の物質の出入りが
可能であるため、反応は速くなる。この場合、反応系
が、反応初期は液−固相系の二相系であっても、反応途
中からゲルとなっても構わない。
【0049】以下、これらの製造方法について説明する
が、工業的製法として適した(A)及び(B)を中心に
説明する。なお、架橋重合体の製造方法としては、以上
の(A)及び(B)の製造法に限らず、(C)〜(D)
及びそれ以外の方法も、使用できる。説明は、製造方法
を、 (4)架橋反応 (5)ポリアスパラギン酸への誘導反応 の2つに分けて行なう。
【0050】(4) 架橋反応 本発明の重合体の架橋反応は、特に限定されないが、以
下の3通りの方法によって実施可能である。 (4−1)ポリコハク酸イミドを架橋する方法 (4−2)酸性ポリアミノ酸を架橋する方法 (4−3)酸性ポリアミノ酸エステルを架橋する方法。 これらの中で、工程数が少なくて、温和な条件にて効率
よく反応できる方法が好ましく、ポリコハク酸イミドと
多価ヒドラジド等の架橋剤を反応させる方法が特に好ま
しい。また、反応性の異なる反応基を有する架橋剤を用
いて、段階的に反応させて架橋しても構わない。
【0051】本発明において、架橋反応に使用される架
橋剤は、化学式(1)[化40]で表されるヒドラジド
基、及び/又は、化学式(2)[化41]で表されるヒ
ドラジノ基と、化学式(1)[化40]で表されるヒド
ラジド基、化学式(2)[化41]で表されるヒドラジ
ノ基、アミノ基、水酸基、及び、チオール基からなる群
から選択された少なくとも1種の官能基とを有する化合
物である。 [化40] [化41] −NHNH(2) 本発明では、便宜的に、少なくとも1つのヒドラジノ基
を持つ化合物を多価ヒドラジンと呼び、少なくとも1つ
のヒドラジド基を持つ化合物を多価ヒドラジドと呼ぶ。
これらの架橋剤の製造法は特に限定されない。一般的に
知られている化学反応を用いて製造することができる。
例えば、多価ヒドラジドは、対応する多価カルボン酸又
はその誘導体とヒドラジンを反応させることにより、容
易に製造することができる。また、多価ヒドラジンは、
対応するハロゲン化物、硫酸エステル、スルホン酸エス
テル等とヒドラジンを反応させることにより容易に製造
することができる。
【0052】本発明に使用される多価ヒドラジドは、一
般的な多価カルボン酸をヒドラジンと脱水縮合したもの
が挙げられる。酸ヒドラジドの製造方法は特に限定され
ず、一般的な化学反応を用いることができる。例えば、
(1−3)で挙げた連結基にヒドラジド基が2個以上結
合したものが挙げられる。多価ヒドラジンの例として
は、(1−3)で挙げた連結基を挟んでヒドラジド基を
2個以上有する化合物が挙げられる。
【0053】また、(1−3)で挙げた連結基の一方
が、カルボン酸ヒドラジド基、又は、ヒドラジド基であ
り、他方が、アミノ基、水酸基、チオール基等のポリコ
ハク酸イミドとの反応性を有する置換基からなるものが
挙げられる。カルボン酸ヒドラジド基及びヒドラジド基
以外の置換基としては、反応性の高いアミノ基が好まし
い。本発明に用いられる架橋剤として、多価ヒドラジド
以外の架橋剤を用いても構わない。架橋剤は、ポリコハ
ク酸イミドと架橋剤との反応では、ポリコハク酸イミド
のイミド環と反応する多官能性化合物であれば特に限定
されないが、多価アミン、多価チオール、多価アルコー
ルのうち、イミド環との反応性が高い、多価アミンが特
に好ましい。
【0054】具体的には、エチレンジアミン、プロピレ
ンジアミン、1,4−ブタンジアミン、ペンタメチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジ
アミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミ
ン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミ
ン、ドデカメチレンジアミン、テトラデカメチレンジア
ミン、ヘキサデカメチレンジアミン、1−アミノ−2,
2−ビス(アミノメチル)ブタン、テトラアミノメタ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等
の脂肪族ポリアミン、ノルボルネンジアミン、1,4−
ジアミノシクロヘキサン、1,3,5−トリアミノシク
ロヘキサン、イソホロンジアミン等の脂環式ポリアミ
ン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレ
ンジアミン等の芳香族ポリアミン、リジン、オルニチン
に代表されるような塩基性アミノ酸もしくはそれらのエ
ステル類、シスタミン等のモノアミノ化合物の分子1個
又はそれ以上が1個又はそれ以上のジスルフィド結合に
より結合した化合物及びその誘導体等のポリアミン、
1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオー
ル、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチ
オール、ペンタエリスリチオール等の脂肪族ポリチオー
ル、シクロヘキサンジチオール等の脂環式ポリチオー
ル、キシリレンジチオール、ベンゼンジチオール、トル
エンジチオール等の芳香族ポリチオール、トリメチロー
ルプロパントリス(チオグリコレート)、トリメチロー
ルプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)ペ
ンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)、
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロ
ピオネート)ポリチオール等のエステル類が挙げられ
る。
【0055】使用する架橋剤の量は、架橋剤の官能数、
分子量によって決まる架橋度によるが、得られる架橋重
合体の使用用途の種類によっても変わってくる。ここで
は、便宜的に、架橋度とは架橋間の距離もしくは構成単
量体単位の数、もしくはポリマー主鎖に対する架橋部分
の割合の度合いを表すものと定義する。その使用量は特
に限定されないが、架橋度が大きすぎると、樹脂の吸水
量が低下し、反対に架橋度が小さすぎると水溶性とな
り、吸水性を示さなくなるので、適当な架橋度に調整す
る必要がある。ポリコハク酸イミドの単量体単位に対し
て0.1〜60モル%が好ましく、特に1〜30モル%
が好ましい。また、架橋反応後の反応生成物は、系外に
取り出しても、必要により、そのまま連続的に(5)の
反応を行ってもよい。ここで、系外に反応生成物を取り
出す場合は、場合によっては反応生成物を乾燥して用い
ても構わない。
【0056】(4−1) ポリコハク酸イミドを架橋す
る方法 ポリコハク酸イミドを架橋する方法としては、特に限定
されないが、有機溶媒中で架橋剤とポリコハク酸イミド
を反応させる方法が一般的である。ポリコハク酸イミド
を架橋する場合は、ポリコハク酸イミドを溶解できるも
の、もしくは架橋剤、ペンダント基となりうる反応試剤
を溶解できるものであればよく、化学反応に用いられる
一般的な有機溶媒はいずれも使用できる。ポリアスパラ
ギン酸、ポリアスパラギン酸エステルの場合も同様に、
ポリマーもしくは架橋剤を溶解できるものが好ましい。
【0057】この中で、ポリコハク酸イミドを架橋する
場合は、ポリコハク酸イミドもしくはポリコハク酸イミ
ド誘導体を溶解できるものが好ましく、例えばN,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドン、N,N’−ジメチルイミダ
ゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等が挙
げられる。この中でポリコハク酸イミドの溶解性が高い
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミドが特に好ましい。これらの溶媒は、単独でも、
2種以上を混合して用いても構わない。
【0058】また、架橋反応を遅くする目的とか、原料
もしくは生成物を分散させる等を目的として、必要によ
り、ポリコハク酸イミドを溶解しない、もしくはわずか
しか溶解しない貧溶媒等を加えても構わない。貧溶媒
は、特に限定されず、化学反応一般に使用される溶媒
は、いずれであっても使用できる。例えば、水、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、
ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノー
ル、オクタノール、2−メトキシエタノール、2−エト
キシエタノール等のアルコール類、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグ
リコール類、メチルグリコソルブ、エチルグリコソルブ
等のグリコソルブ類、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン等の環状エーテル、石油エーテル、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、
デカリン、ジフェニルエーテル、アニソール、クレゾー
ル等がある。
【0059】架橋反応におけるポリコハク酸イミドの濃
度は、特に限定されないが、0.1〜50重量%が好ま
しく、特に1〜40重量%が好ましい。架橋反応におけ
る反応温度は、特に限定されないが、10〜150℃が
好ましく、特に40〜150℃が好ましい。反応温度が
低すぎると反応が遅くなり、反応温度が高すぎると主鎖
の切断等が起こる場合がある。多価アミンと比べると、
反応速度が遅いため、高い温度で反応する。工業的に、
連続的に製造する場合、架橋前は溶液状態で流動させ、
架橋反応点にて高い温度をかけることにより、架橋し、
ゲル状物とすることができる。
【0060】(4−2) 酸性ポリアミノ酸を架橋する
方法 酸性ポリアミノ酸を架橋する方法としては、上記架橋剤
と酸性ポリアミノ酸を脱水縮合する方法が一般的であ
る。脱水縮合は、生成する水を溶媒との共沸によって除
く方法、脱水剤としてモレキュラシーブを加えておく方
法、脱水縮合剤を用いて反応させる方法、酵素を用いる
方法のいずれでも構わない。また、アスパラギン酸と架
橋剤を均一に混合し、溶剤を含まない固相状態にて反応
することもできる。縮合剤の例としては、ジシクロヘキ
シルカルボジイミド、N−エチル−N’−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)カルボジイミド等のカルボジイミ
ド、1−アシルイミダゾリド、2−エトキシ−1−エト
キシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン、トリフェ
ニルホスフィン/四塩化炭素、トリフェニルホスフィン
/ブロモトリクロロメタン、フェニルホスホン酸ビス
(2−ニトロフェニルエステル)、シアノホスホン酸ジ
エチル、ジフェニルホスホロアジド等の含リン化合物、
2−フルオロ−1−エチルピリジウム・テトラフルオロ
ボレート、トリフェニルホスフィン/ビス(ベンゾチア
ゾール)ジスルフィド、トリブチルホスフィン/ビス
(ベンゾチアゾール)ジスルフィド等の酸化還元縮合剤
等が挙げられる。酵素の例としては、ペニシリンアシラ
ーゼ、イーストリパーゼ等のリパーゼ等が挙げられる。
脱水縮合時の反応温度は、20〜250℃が好ましく、
100〜180℃が特に好ましい。
【0061】また、酸性ポリアミノ酸をエステル化、ア
ミド化、又は、チオエステル化する方法を用いても構わ
ない。この場合、有機化学で用いられる通常の反応条件
を用いることができる。その方法としては、酸性ポリア
ミノ酸を酸性アミノ酸残基としておき、そのカルボキシ
ル基とエステル、アミド又はチオエステル形成基を反応
させてもよい。また、誘導体として反応性を高めてか
ら、エステル、アミド又はチオエステル形成基を導入し
ても良い。例えば、酸性アミノ酸残基のカルボキシル基
とアルコール、アミン、チオールと脱水縮合反応する方
法、酸性アミノ酸残基のカルボキシル基を酸無水物、酸
ハロゲン化物、酸アジド等にして活性化して、アルコー
ル、アミン、チオールと反応させる方法、酸性アミノ酸
残基のカルボキシル基と、活性化したアルコール(例え
ば、アルコールのハロゲン化物、エステル、スルホン酸
エステル、硫酸エステル)、活性化したアミン(例えば
アミンのケイ素誘導体)を反応させる方法、酸性アミノ
酸残基のカルボキシル基とエポキシ化合物、イソシアナ
ート化合物、アジリジン化合物、アルキル金属等と反応
させる方法、酸性アミノ酸残基のカルボキシル基を塩と
して、ハロゲン化物等と反応させる方法、酸性アミノ酸
残基のカルボキシル基を活性なエステル基として、エス
テル交換、アミド交換によって反応させる方法等があ
る。
【0062】(4−3)酸性ポリアミノ酸エステルを架
橋する方法 酸性ポリアミノ酸エステルを架橋する方法としては、特
に限定されないが、有機溶媒中で架橋剤と酸性ポリアミ
ノ酸エステルを反応させる方法が一般的である。用いる
エステルのアルコール成分としては、メチル、エチル等
の分子量の小さい基を含むアルコール、クロロメチル、
ジクロロメチル等の電子吸引基を含むアルコール、N−
ヒドロキシコハク酸イミド等のアルコールが挙げられ
る。場合によっては酸触媒、塩基触媒等の触媒を用いて
も構わない。また、反応系が不均一になる場合、もしく
は用いる原料が不溶性の場合、相間移動触媒を用いても
構わない。
【0063】(5) ポリアスパラギン酸への誘導反応 本発明の重合体のポリアスパラギン酸への誘導反応は、
特に限定されないが、ポリコハク酸イミド又は架橋ポリ
コハク酸イミドから誘導する場合は、一般的には、イミ
ド環の開環反応によって得られる。架橋反応後の反応生
成物の場合、架橋反応後の反応生成物は、系外に取り出
しても、必要により、そのまま連続的にイミド環の開環
反応を行ってもよい。また、得られた混合物がゲル状も
しくはブロック体の場合は粉砕してから次の加水分解に
進むと効率的である。また、系外に反応生成物を取り出
す場合は、場合によっては反応生成物を乾燥して用いて
も構わない。
【0064】イミド環の開環反応は、水中もしくは水と
混和可能な有機溶剤中で行われる。使用する有機溶剤
は、特に限定されないが、一般にはメタノール、エタノ
ール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、
2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等の
アルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール等のグリコール類、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エ
ーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N,N’−
ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、ス
ルホラン等がある。特に乾燥が容易であり、かつ乾燥後
に組成物内に溶剤が残留しない点でメタノール、エタノ
ール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールが
好ましい。
【0065】有機溶剤と水の使用量及び比は特に限定さ
れるものではないが、イミド環の開環に十分必要な量を
用いればよい。使用する水の割合は、一般的に5〜10
0重量%が好ましく、20〜100重量%が特に好まし
い。架橋ポリコハク酸イミドのイミド環の加水分解にお
いては、水混和性有機溶媒を含む水溶液中の水と水混和
性有機溶媒との比率やその他の条件(有機溶媒の種類な
ど)を適宜定めることにより、反応系内のゲル状樹脂の
膨潤度を制御しながら行なうことが好ましい。
【0066】さらに、架橋ポリコハク酸イミドのイミド
環を加水分解して架橋ポリアスパラギン酸系樹脂を製造
する場合、水中で加水分解反応させると、その反応系の
樹脂が吸水膨潤してゲル化が著しく、反応系の攪拌が困
難となり、十分な反応が進まず、その結果、生成する架
橋ポリアスパラギン酸系樹脂の吸水能が低下する問題が
生じる。また、有機溶媒中又は水と有機溶媒の混合液中
で加水分解反応させると、その反応系の樹脂は膨潤し難
く、粒子表面のみしか加水分解反応しない傾向にあり、
容積効率が低くなり、かつ加水分解の反応速度が著しく
遅くなり、その結果、やはり生成する架橋ポリアスパラ
ギン酸系樹脂の吸水能が低下する問題が生じる。
【0067】このように、水と水混和性有機溶媒の混合
液を用いる場合は、両者の比率により、生成する架橋ポ
リアスパラギン酸系樹脂の膨潤度が決まってくるので、
この方法においては、その比率を適宜調整することによ
り、加水分解反応を行なうことが好ましい。また、水と
水混和性有機溶媒の混合液中で架橋ポリコハク酸イミド
のイミド環の加水分解反応が開始した後、その反応の進
行の途中で、必要に応じて、反応液中に水又は水混和性
有機溶媒を追加することにより、反応系中の水と水混和
性有機溶媒の比率を適宜変えることができる。
【0068】例えば、製造する架橋ポリアスパラギン酸
系樹脂の吸水量が未知の場合、水、又は、水の比率が高
い水と水混和性有機溶媒の混合液中でイミド環の加水分
解反応を開始させ、ゲル化により樹脂の増粘が進んでき
たら、反応液中に水混和性有機溶媒を適宜追加し、その
増粘を抑えることができる。また、例えば、水混和性有
機溶媒、又は、水混和性有機溶媒の比率が高い水と水混
和性有機溶媒の混合液中でイミド環の加水分解反応を開
始させ、その後、析出物の凝集を抑えるために、反応液
中に水を適宜追加することができる。
【0069】水と水混和性有機溶媒の混合液中、水の割
合は、5重量%以上が好ましく、20〜80重量%の範
囲内が特に好ましい。また、架橋ポリコハク酸イミドの
イミド環の加水分解反応を、無機塩及び/又は有機塩の
存在下で行なっても構わない。そして、この無機塩及び
/又は有機塩の濃度や種類を、適宜定めることにより、
反応系内のゲル状樹脂の浸透圧を調製し、これによりゲ
ル状樹脂の膨潤度を制御する。
【0070】使用する無機塩及び有機塩は特に限定され
ず、中性塩、塩基性塩、酸性塩など一般的な塩を広く使
用できる。なお、多価金属塩を用いる場合は、この多価
金属塩がイミド環の加水分解で生成したカルボキシル基
をイオン的に架橋させ、その架橋度が高くなるので、そ
の塩の濃度を適度に低くする方がよい。無機塩及び有機
塩は、塩を水に加えて溶解させた溶液を添加してもよい
し、水中で中和により塩を生成させてもよい。また、先
の架橋反応によって塩が生じた場合は、その塩をそのま
ま用いることもできる。
【0071】反応液中における塩の濃度は、0.01〜
20重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好まし
い。その濃度を適度に高くすれば塩の効果が発現し、適
度に低くすれば塩の樹脂中への混入を防止できる。ま
た、この方法において、無機塩及び/又は有機塩を含む
水溶液に、有機溶媒を混合しても構わない。有機溶媒
は、水混和性有機溶媒と水不混和性有機溶媒があるが、
どちらも使用できる。反応系の温度は、一般的には、5
℃乃至100℃が好ましく、10℃乃至60℃、20℃
乃至40℃がより好ましい。
【0072】イミド環の開環に使用できる試剤は、特に
限定されないが、一般的には、アルカリ水、三級アミン
が用いられる。アルカリは特に限定されないが、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアル
カリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸リチウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、酢
酸ナトリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属酢酸塩、
シュウ酸ナトリウム等のアルカリ金属塩、アンモニア水
等が挙げられる。三級アミンとしては、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン等が用い
られる。この中で、コスト的に安価な水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムが好ましい。使用するアルカリの使
用の形態は、特に限定されないが、水溶液として用いた
方が好ましい。使用するアルカリ水の濃度は、濃度が高
すぎると主鎖のアミド結合を切断し、逆に濃度が低すぎ
ると、反応が遅くなる。一般的に、0.01〜8重量%
が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましい。イミド
環の開環の反応液のpHはアルカリ水の濃度によって変
わるが、pHが高すぎると主鎖のアミド結合を切断し、
逆にpHが低すぎると、反応が遅くなる。一般的には
7.5〜13が好ましく、9〜12がより好ましい。場
合によっては、使用するアルカリ量を減らし、イミド環
を残してもよい。
【0073】また、分離した架橋ポリコハク酸イミド
は、溶媒が付着したウェット・ケーキの状態のまま次の
加水分解工程へ進んでもよく、乾燥して溶媒を除いた状
態で次の加水分解工程へ進んでもよい。い。
【0074】イミド環の開環反応後は、必要により、そ
のカルボキシル基を中和、もしくはフリーの酸にして用
いることもできる。中和度は特に限定されないが、単量
体単位として0〜50モル%が好ましく、特に0〜30
モル%が好ましい。中和の方法は特に限定されないが、
例えば、残りのイミド環の開環反応後に酸を添加して、
pHを調整する方法でも構わない。使用される酸は特に
限定されないが、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫
酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、炭酸、リン酸、ギ酸、酢
酸、プロピオン酸、シュウ酸、安息香酸等のカルボン
酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等のスル
ホン酸、ベンゼンホスホン酸等のホスホン酸等が挙げら
れる。この中で強酸である方が効果が大きく、塩酸、臭
化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタ
ンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン
酸等のスルホン酸、ベンゼンホスホン酸が好ましく、よ
り安価である塩酸、硫酸がより好ましい。
【0075】イミド環の開環反応後は、必要により、そ
のカルボン酸もしくはカルボン酸の塩を別の種類の塩に
て交換して用いることもできる。塩交換に使用される対
イオンとしては、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、ア
ミン塩等がある。
【0076】具体的にはナトリウム、カリウム、リチウ
ム等のアルカリ金属塩、テトラメチルアンモニウム、テ
トラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウ
ム、テトラブチルアンモニウム、テトラペンチルアンモ
ニウム、テトラヘキシルアンモニウム、エチルトリメチ
ルアンモニウム、トリメチルプロピルアンモニウム、ブ
チルトリメチルアンモニウム、ペンチルトリメチルアン
モニウム、ヘキシルトリメチルアンモニウム、シクロヘ
キシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルア
ンモニウム、トリエチルプロピルアンモニウム、トリエ
チルブチルアンモニウム、トリエチルペンチルアンモニ
ウム、トリエチルヘキシルアンモニウム、シクロヘキシ
ルトリエチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモ
ニウム等のアンモニウム塩、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、
トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリエタノ
ールアミン、トリプロパノールアミン、トリブタノール
アミン、トリペンタノールアミン、トリヘキサノールア
ミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルア
ミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシル
アミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、
エチルメチルアミン、メチルプロピルアミン、ブチルメ
チルアミン、メチルペンチルアミン、メチルヘキシルア
ミン、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、
ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オク
チルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデ
シルアミン等のアミン塩等がある。
【0077】この中で対イオンの分子量が大きくなると
相対的に単量体単位あたりの分子量が大きくなり、単位
重量当たりの吸水量が小さくなるので、対イオンの分子
量は小さい方がいい。また人の肌等に触れる可能性があ
る場合は毒性が低い方がよく、無機の塩もしくはアンモ
ニウム塩が好ましい。その中でもナトリウム、カリウ
ム、リチウム、アンモニウム、トリエタノールアミンの
アミン塩が好ましく、さらにナトリウム、カリウムがコ
ストの面で特に好ましい。
【0078】アルカリ開環後の樹脂の乾燥温度は、特に
限定されないが、一般には20〜150℃が好ましく、
特に40〜100℃が好ましい。またこれらの樹脂の乾
燥方法としては、特に制限されるものではなく、熱風乾
燥、特定蒸気での乾燥、マイクロ波乾燥、減圧乾燥、ド
ラムドライヤー乾燥、疎水性有機溶剤中での共沸脱水に
よる乾燥等、公知の手法により、乾燥できる。乾燥温度
は20〜200℃が好ましく、50〜120℃がより好
ましい。この乾燥処理を施した架橋ポリアスパラギン酸
系樹脂に対して、さらに精製処理、造粒処理、表面架橋
処理等を施しでもよい。
【0079】(6) 架橋ポリアミノ酸系樹脂の形状、
粒子径 本発明の架橋ポリアミノ酸系樹脂の形状は、不定形破砕
状、球状、粒状、顆粒状、造粒状、リン片状、塊状、パ
ール状、微粉末状、繊維状、棒状、フィルム状、シート
状等種々のものが使用でき、用途によって好ましい形状
を使用できる。また、繊維状基材や多孔質状や発泡体あ
るいは造粒物であってもよい。これらの架橋ポリアミノ
酸系樹脂の粒子径は特に限定されないが、使用用途によ
って変わってくる。
【0080】例えば、紙オムツ用の場合は、速い吸収速
度とゲル・ブロッキングが起こらないことが望まれるの
で平均粒子径100〜1000μmが好ましく、150
〜600μmがより好ましい。止水材等の樹脂への練り
混み等に用いる場合は1〜10μmが好ましく、農園芸
用の保水材の場合は土との分散性を考慮すると100μ
m〜5mmが好ましい。いずれも使用用途によって変わ
ってくる。
【0081】(7) 架橋ポリアミノ酸系樹脂の使用の
形態 架橋ポリアミノ酸系樹脂の使用の形態は、特に限定され
るものではなく、単独でも、他の素材と組み合わせて使
用してもよい。例えば、熱可塑性樹脂に混練りして射出
成形等にて成形する方法、構成樹脂のモノマーと架橋ポ
リアミノ酸系樹脂及び必要により開始剤を混合後、光も
しくは熱等で重合する方法、樹脂と架橋ポリアミノ酸系
樹脂を溶剤に分散させ、キャストし、溶剤を除去する方
法、プレポリマーとポリアミノ酸系樹脂を混合後、架橋
する方法、ポリマーとポリアミノ酸系樹脂を混合後、架
橋する方法等がある。本発明の樹脂組成物は成型品とし
ては、特に制限されるものではなく、固形物、シート、
フィルム、繊維、不織布、発泡体、ゴム等として使用で
きる。またその成型方法としても特に限定されるもので
はない。
【0082】一方、本発明で使用されるは架橋ポリアミ
ノ酸系樹脂は、単独でも、他の素材との組み合わせによ
る複合体でも構わない。複合体の構造は特に限定されな
いが、例えば、パルプ、不織布等にはさみ、サンドイッ
チ構造にする方法、樹脂シート、フィルムを支持体とし
て多層構造とする方法、樹脂シートにキャストし、二層
構造とする方法等がある。また、本発明に使用される吸
水性樹脂は必要により、2種以上の他の吸水性樹脂と混
合して用いても良い。また必要により食塩、コロイダル
シリカ、ホワイトカーボン、超微粒子状シリカ、酸化チ
タン粉末等の無機化合物、キレート剤 等の有機化合物
を添加しても構わない。さらに酸化剤、酸化防止剤、還
元剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、殺菌剤、防カビ剤、肥
料、香料、消臭剤、顔料等を混合しても構わない。本発
明の樹脂はゲル状でも固形物としても使用できる。例え
ば、農園芸用保水材、切り花延命剤、ゲル芳香剤、ゲル
消臭剤等に使用する場合はゲルとして用い、紙おむつ用
吸収体等は固形状として用いる。
【0083】(8) 架橋ポリアミノ酸系樹脂の使用用
途 架橋ポリアミノ酸系樹脂の使用用途は特に限定されない
が、従来の吸水性樹脂が使用できる用途のいずれにも使
用できる。例えば、生理用品、紙おむつ、母乳パット、
使い捨て雑巾等の衛生用品、創傷保護用ドレッシング
材、医療用アンダーパット、パップ剤等の医療用品、ペ
ット用シート、携帯用トイレ、ゲル芳香剤、ゲル消臭
剤、吸汗性繊維、使い捨てカイロ等の生活用品、シャン
プー、セット用ジェル剤、保湿剤等のトイレタリー用
品、農・園芸用の保水材、切り花の延命剤、フローラル
フォーム(切り花の固定化材)、育苗用苗床、水耕栽
培、植生シート、種子テープ、流体播種、結露防止用農
業用シート等の農・園芸用品、食品用トレー用鮮度保持
材、ドリップ吸収性シート等の食品包装材、保冷材、生
鮮野菜運搬用吸水性シート等の運搬用資材、結露防止用
建築材料、土木・建築用のシーリング材、シールド工法
の逸泥防止剤、コンクリート混和剤、ガスケット・パッ
キング等の土木建築資材、光ファイバー等の電子機器の
シール材、通信ケーブル用止水材、インクジェット用記
録紙等の電気機器関連資材、汚泥の凝固剤、ガソリン、
油類の脱水、水分除去剤等の水処理剤、捺染用のり、水
膨潤性玩具、人工雪、徐放性肥料、徐放性農薬、徐放性
薬剤、湿度調整材、帯電防止剤等が挙げられる。
【0084】
【実施例】以下、実施例によって本発明をより具体的に
説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものでは
ない。以下の実施例及び比較例において「部」とは「重
量部」を意味する。実施例中の吸水量は、以下のティー
バッグ法にて測定し、ゲルの安定性は、以下の測定し
た。 (1) ティーバッグ法 吸水量の測定は蒸留水、生理食塩水を対象として行っ
た。すなわち、蒸留水の場合は吸水性樹脂約0.05
部、生理食塩水の場合は吸水性樹脂約0.1部を不織布
製のティーバッグ(80mm×50mm)に入れ、過剰の対
応する溶液中に浸して該樹脂を1時間膨潤させた後、テ
ィーバッグを引き上げて1分間水切りを行い、膨潤した
樹脂を含むティーバッグの重量を測定した。同様な操作
をティーバッグのみで行った場合をブランクとして、膨
潤した樹脂を含むティーバッグの重量からブランクの重
量と吸水性樹脂の重量を減じた値を、吸水性樹脂の重量
で除した値を吸水量(g/樹脂1g)とし た。なお、生理食
塩水は0.9重量%塩化ナトリウム水溶液である。
【0085】[実施例1]重量平均分子量9.6万のポ
リコハク酸イミド5部を、DMF20部に溶解した溶液
に、アジピン酸ヒドラジド0.898部を水2部に加熱
溶解した溶液を加え加え、80℃にて2時間反応した。
反応後、得られた架橋ポリコハク酸イミドのゲルを、刃
付攪拌翼を具備したミキサーに移送し、蒸留水45部と
メタノール20部を加え、8000rpmにて5分間ゲ
ルを粉砕した。さらに、この中に、25重量%苛性ソー
ダ水溶液8.25部を2時間かけて滴下した。滴下終了
後、さらに2時間攪拌し、その後7重量%塩酸水を加え
てpH7となるように中和した。中和終了後、さらにメ
タノール100部を加え、沈殿物を60℃で乾燥し、吸
水性ポリマーである架橋ポリアスパラギン酸系樹脂6.
47部を得た。この架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の吸
水量は、蒸留水で120倍、生理食塩水で33倍であっ
た。
【0086】[実施例2]アジピン酸ヒドラジド0.8
98部の代わりに、0.674部を用いた以外は実施例
1と同様にして、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂5.9
9部を得た。この架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の吸水
量は、蒸留水で450倍、生理食塩水で45倍であっ
た。
【0087】[実施例3]アジピン酸ヒドラジドの代わ
りにセバシン酸ヒドラジド0.831部を用いた以外は
実施例1と同様にして、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂
5.25部を得た。この架橋ポリアスパラギン酸系樹脂
の吸水量は、蒸留水で650倍、生理食塩水で62倍で
あった。
【0088】[実施例4]アジピン酸ヒドラジドの代わ
りにコハク酸ヒドラジド0.784部を用いた以外は実
施例1と同様にして、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂
6.15部を得た。この架橋ポリアスパラギン酸系樹脂
の吸水量は、蒸留水で340倍、生理食塩水で42倍で
あった。
【0089】[実施例5]アジピン酸ヒドラジドの代わ
りに6−アミノカプロン酸ヒドラジド0.449部を用
いた以外は実施例1と同様にして、架橋ポリアスパラギ
ン酸系樹脂5.75部を得た。この架橋ポリアスパラギ
ン酸系樹脂の吸水量は、蒸留水で440倍、生理食塩水
で44倍であった。
【0090】[実施例6]アジピン酸ヒドラジドの代わ
りに1,6−ジヒドラジノヘキサン0.471部を用い
た以外は実施例1と同様にして、架橋ポリアスパラギン
酸系樹脂5.69部を得た。この架橋ポリアスパラギン
酸系樹脂の吸水量は、蒸留水で460倍、生理食塩水で
46倍であった。
【0091】[実施例7]重量平均分子量15.3万の
ポリアスパラギン酸5部を蒸留水10部に溶解し、25
重量%水酸化ナトリウム水溶液5.91部を1時間かけ
て滴下した。さらに、アジピン酸ヒドラジド0.757
部を加え、60℃にて溶解した。さらに減圧下にて水を
留去し、残存物を160℃にて2時間反応させた。反応
後、室温に冷却し、水50部を加えて残渣を分散させ、
さらにメタノール500部を加え、沈殿させた。沈殿物
を60℃にて乾燥すると、架橋ポリアスパラギン酸系樹
脂2.78部を得た。この架橋ポリアスパラギン酸系樹
脂の吸水量は、蒸留水で260倍、生理食塩水で35倍
であった。
【0092】[実施例8]重量平均分子量15.3万の
ポリアスパラギン酸5部をジメチルスルホキシド60部
に溶解し、6−ヒドロキシヘキサン酸ヒドラジド0.6
35部、ジシクロヘキシルカルボジイミド1.97部を
加え、20℃にて6時間反応した。得られたゲルをミキ
サーにて細断し、水200部を加え、さらに25重量%
水酸化ナトリウム水溶液5.91部を1時間かけて滴下
した。反応後、白色のウレアをデカンテーションにて除
き、さらにメタノール500部を加え、ポリマーを沈殿
させた。沈殿物を60℃にて乾燥すると、架橋ポリアス
パラギン酸系樹脂4.78部を得た。この架橋ポリアス
パラギン酸系樹脂の吸水量は、蒸留水で320倍、生理
食塩水で38倍であった。
【0093】[実施例9]6−ヒドロキシヘキサン酸ヒ
ドラジドの代わりに、6−メルカプトヘキサン酸ヒドラ
ジド0.650部を用いた以外は実施例8と同様にし
て、架橋ポリアスパラギン酸系樹脂5.72部を得た。
この架橋ポリアスパラギン酸系樹脂の吸水量は、蒸留水
で240倍、生理食塩水で34倍であった。
【0094】[実施例10]6−ヒドロキシヘキサン酸
ヒドラジドの代わりに、アジピン酸ヒドラジド0.89
8部を用いた以外は実施例8と同様にして、架橋ポリア
スパラギン酸系樹脂5.72部を得た。この架橋ポリア
スパラギン酸系樹脂の吸水量は、蒸留水で240倍、生
理食塩水で34倍であった。
【0095】[実施例11]ポリアスパラギン酸の代わ
りに重量平均16.4万のポリグルタミン酸5.2部を
用いた以外は実施例10と同様にして、架橋ポリグルタ
ミン酸系樹脂5.82部を得た。この架橋ポリグルタミ
ン酸系樹脂の吸水量は、蒸留水で220倍、生理食塩水
で33倍であった。
【0096】[比較例1]リジンメチルエステル・2塩
酸塩6部をDMF200部に懸濁し、トリエチルアミン
6部で中和した。この懸濁液に、重量平均分子量13万
のポリコハク酸イミド50部をDMF250部に溶解し
た溶液を装入し、1時間室温で撹拌後、トリエチルアミ
ン12部を適下し、室温で40時間反応させた。反応液
をエタノールに排出し、乾燥して、架橋ポリコハク酸イ
ミド50部を得た。
【0097】この架橋ポリコハク酸イミド26部を、蒸
留水5000部に懸濁し、2NのNaOH水溶液を適下
してpHを9〜11に調整しながら、残りのイミド環の
加水分解を行った。得られた反応液をエタノールに排出
し、濾過、乾燥して、吸水性ポリマーである架橋ポリア
スパラギン酸系樹脂86部を得た。この架橋ポリアスパ
ラギン酸系樹脂の吸水量は、蒸留水で110倍、生理食
塩水で30倍であった。
【0098】
【発明の効果】ゲルの安定性に優れ、使用後、もしくは
廃棄後に分解性することで地球環境に優しく、吸水能に
優れた吸水性樹脂が得られるようになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J001 DA01 DB01 DB02 DB04 DB05 EA26 EA33 EA34 EA36 EA37 EE42B EE44B EE72B FA03 GA11 GE11 JA01 JA10 JA12 JB17 JB50 JC01 4J043 PA02 QB06 RA34 SA05 SA62 SB01 UA761 YB02 YB31 YB32 YB37 ZA03 ZA04 ZB04 ZB11 ZB51

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学式(1)[化1]で表されるヒドラ
    ジド基、及び/又は、化学式(2)[化2]で表される
    ヒドラジノ基と、化学式(1)[化1]で表されるヒド
    ラジド基、化学式(2)[化2]で表されるヒドラジノ
    基、アミノ基、水酸基、及び、チオール基からなる群か
    ら選択された少なくとも1種の官能基とを有する化合物
    により架橋された架橋ポリアミノ酸系樹脂。 [化1] [化2] −NHNH(2)
  2. 【請求項2】 少なくとも2個の化学式(1)[化3]
    で表されるヒドラジド基、及び/又は、化学式(2)
    [化4]で表されるヒドラジノ基を有する化合物により
    架橋された請求項1に記載した架橋ポリアミノ酸系樹
    脂。 [化3] [化4] −NHNH(2)
  3. 【請求項3】 少なくとも1個の化学式(1)[化5]
    で表されるヒドラジド基、及び/又は、化学式(2)
    [化6]で表されるヒドラジノ基と、少なくとも1個の
    アミノ基を有する化合物により架橋された請求項1に記
    載した架橋ポリアミノ酸系樹脂。 [化5] [化6] −NHNH(2)
  4. 【請求項4】 『ポリアミノ酸』が、『酸性ポリアミノ
    酸』である、請求項1乃至3の何れかに記載した、架橋
    ポリアミノ酸系樹脂。
  5. 【請求項5】 『酸性ポリアミノ酸』が、『ポリアスパ
    ラギン酸』である、請求項4に記載した、架橋ポリアミ
    ノ酸系樹脂。
  6. 【請求項6】 ティーバッグ法(蒸留水、20℃)によ
    り評価した吸水量が30〜2000倍で示される吸水機
    能を有することを特徴とする、請求項1乃至5の何れか
    に記載した架橋ポリアミノ酸系樹脂。
  7. 【請求項7】 ポリアミノ酸系樹脂を架橋剤により架橋
    反応する架橋ポリアミノ酸系樹脂の製造方法であって、
    前記架橋剤が、化学式(1)[化7]で表されるヒドラ
    ジド基、及び/又は、化学式(2)[化8]で表される
    ヒドラジノ基と、化学式(1)[化7]で表されるヒド
    ラジド基、化学式(2)[化8]で表されるヒドラジノ
    基、アミノ基、水酸基、及び、チオール基からなる群か
    ら選択された少なくとも1種の官能基とを有する化合物
    であることを特徴とする、ポリアミノ酸系樹脂を架橋剤
    により架橋する架橋ポリアミノ酸系樹脂の製造方法。 [化7] [化8] −NHNH (2)
  8. 【請求項8】 架橋剤が、少なくとも2個の化学式
    (1)[化9]で表されるヒドラジド基、及び/又は、
    化学式(2)[化10]で表されるヒドラジノ基を有す
    る化合物であることを特徴とする、請求項7に記載した
    架橋ポリアミノ酸系樹脂の製造方法。 [化9] [化10] −NHNH (2)
  9. 【請求項9】 架橋剤が、少なくとも1個の化学式
    (1)[化11]で表されるヒドラジド基、及び/又
    は、化学式(2)[化12]で表されるヒドラジノ基
    と、少なくとも1個のアミノ基を有する化合物であるこ
    とを特徴とする、請求項7に記載した架橋ポリアミノ酸
    系樹脂の製造方法。 [化11] [化12] −NHNH (2)
  10. 【請求項10】 架橋反応の反応温度が、40〜150
    ℃であることを特徴とする請求項7乃至9の何れかに記
    載した、架橋ポリアミノ酸系樹脂の製造方法。
  11. 【請求項11】 架橋反応が、熱による脱水縮合反応に
    よるものである、請求項7乃至9の何れかに記載した、
    架橋ポリアミノ酸系樹脂の製造方法。
  12. 【請求項12】 脱水縮合反応が、架橋剤のほかに脱水
    縮合剤を含む反応系で行なわれるものである、請求項1
    1に記載した、架橋ポリアミノ酸系樹脂の製造方法。
  13. 【請求項13】 『ポリアミノ酸』が、『無水酸性ポリ
    アミノ酸』である、請求項7乃至12の何れかに記載し
    た、架橋ポリアミノ酸系樹脂の製造方法。
  14. 【請求項14】 『酸性ポリアミノ酸』が、『ポリアス
    パラギン酸』である、請求項13に記載した、架橋ポリ
    アミノ酸系樹脂の製造法。
  15. 【請求項15】 『無水酸性ポリアミノ酸』が、『ポリ
    コハク酸イミド』である、請求項13に記載した、架橋
    ポリアミノ酸系樹脂の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項7乃至15の何れかに記載した
    製造方法により得られた架橋ポリアミノ酸系樹脂。
  17. 【請求項17】 請求項13乃至15の何れかに記載し
    た製造方法により得られた架橋ポリアミノ酸系樹脂のイ
    ミド環を加水分解することを特徴とする架橋ポリアミノ
    酸系樹脂。
  18. 【請求項18】 ティーバッグ法(蒸留水、20℃)に
    より評価した吸水量が30〜2000倍で示される吸水
    機能を有することを特徴とする、請求項16又は17に
    記載した架橋ポリアミノ酸系樹脂。
  19. 【請求項19】 ポリアミノ酸系樹脂用架橋剤であっ
    て、前記架橋剤が、化学式(1)[化13]で表される
    ヒドラジド基、及び/又は、化学式(2)[化14]で
    表されるヒドラジノ基と、化学式(1)[化13]で表
    されるヒドラジド基、化学式(2)[化14]で表され
    るヒドラジノ基、アミノ基、水酸基、及び、チオール基
    からなる群から選択された少なくとも1種の官能基とを
    有する化合物を含むものであることを特徴とする、ポリ
    アミノ酸系樹脂用架橋剤。 [化13] [化14] −NHNH (2)
  20. 【請求項20】 ポリアミノ酸系樹脂用架橋剤であっ
    て、前記架橋剤が、少なくとも2個の化学式(1)[化
    15]で表されるヒドラジド基、及び/又は、化学式
    (2)[化16]で表されるヒドラジノ基を有する化合
    物を含むものであることを特徴とする、ポリアミノ酸系
    樹脂用架橋剤。 [化15] [化16] −NHNH(2)
  21. 【請求項21】 ポリアミノ酸系樹脂用架橋剤であっ
    て、前記架橋剤が、少なくとも1個の化学式(1)[化
    17]で表されるヒドラジド基、及び/又は、化学式
    (2)[化18]で表されるヒドラジノ基と、少なくと
    も1個のアミノ基を有する化合物を含むものであること
    を特徴とする、ポリアミノ酸系樹脂用架橋剤。 [化17] [化18] −NHNH (2)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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