JPH11343361A - 貫通穴を有する筒状のポリオレフィン系樹脂発泡粒子及び連通した空隙を有するポリオレフィン系樹脂発泡成型体の製造方法 - Google Patents

貫通穴を有する筒状のポリオレフィン系樹脂発泡粒子及び連通した空隙を有するポリオレフィン系樹脂発泡成型体の製造方法

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JPH11343361A
JPH11343361A JP16772198A JP16772198A JPH11343361A JP H11343361 A JPH11343361 A JP H11343361A JP 16772198 A JP16772198 A JP 16772198A JP 16772198 A JP16772198 A JP 16772198A JP H11343361 A JPH11343361 A JP H11343361A
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篠原  充
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】真密度のバラツキをなくし、空隙の分布が均一
で、断熱性、排水性、吸音性等に優れ、更に機械的強度
に優れた、連通した空隙を有するポリオレフィン系樹脂
発泡成形体を製造するために好適な貫通穴を有する筒状
のポリオレフィン系樹脂発泡粒子及びそれを用いた発泡
成形体の製造法を提供する。 【解決手段】ホウ酸金属塩を0.005〜1重量%含有
する貫通穴を有する筒状のポリオレフィン系樹脂発泡粒
子であり、発泡粒子重量の標準偏差Swが0.2mg以
下であり、且つ発泡粒子の真密度の標準偏差Sdが0.
05g/cm3 以下の貫通穴を有する筒状のポリオレフ
ィン系樹脂発泡粒子群を金型内に充填して加熱し、粒子
を相互に融着させて発泡体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は貫通穴を有する筒状
のポリオレフィン系樹脂発泡粒子及び連通した空隙を有
するポリオレフィン系樹脂発泡成型体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】連通し
た空隙を有する発泡成型体は、透水性、通気性、吸音性
等の特性に優れるため、例えば排水性が要求される場所
において地中に埋設して使用する排水資材や、吸音性が
要求される建造物における壁材等として利用されてい
る。このような連通した空隙を有する発泡成型体は、特
開平4−153026号公報、特開平5−177723
号公報において提案されている。しかしながら前者の成
型体はポリスチレン製の発泡樹脂粒子同士が互いに接着
されて形成されたものであって、まず発泡樹脂粒子とポ
リオレフィン系樹脂水性分散液とを混合し、この混合物
を成形型内に充填して加熱し、その後冷却固化させるこ
とにより製造するもので、発泡樹脂粒子をそのまま成形
型内に充填して成型するものではないから製造工程が煩
雑で、そのため成型時間が長くなり、生産性が悪いとい
う問題がある。また発泡粒子相互の接着を該発泡粒子の
表面に皮膜状に形成したポリオレフィン系樹脂相互の接
着に委ねるものであり、このような皮膜は破壊し易いた
め、充分に高い接着強度が得られないという欠点もあっ
た。
【0003】また上記後者に記載されている成型体は、
最長部分の長さが2cm以上である非球形の多数の発泡
成型チップを相互に融着してなるものであり、発泡成型
チップの最長部分の長さが2cm以上と長いため、チッ
プ相互の間にできる空間の大きさにバラツキが生じ易
く、従って型内の位置によってチップの充填密度が異な
り易く、また充填する度に充填密度が異なり易い等、チ
ップの金型への充填が均一に行われ難く、このためチッ
プの充填率をコントロールするのが困難であり、成型体
の空隙率を特定の値にコントロールすることも困難とな
ると共に、成型体の空隙率をどの部分においてもある程
度一定の値にコントロールすることが困難であり、この
結果、均一な透水性等の物性を得ることができなかっ
た。また同様の理由から、チップ相互の接触面積の割合
が小さいために、発泡成型体全体としては破壊し易く脆
いものであった。
【0004】一方、本出願人は十分な空隙を有するとと
もに、発泡粒子相互の融着性に優れた、連通した空隙を
有するポリオレフィン系樹脂発泡成型体として、最***
径の大きさ、及び最***径と、該最***径を得た断面に
おける外径との間に特定の関係を有する筒形形状の発泡
粒子を成型してなる発泡成型体及びその製造方法を先に
提案した(特開平8−108441号公報)。上記、特
開平8−108441号公報に記載されている方法にお
いて、機械的強度、透水性、通気性に優れた発泡成型体
を得ようとする場合、成型用の発泡粒子として真密度が
大きく、重量バラツキの小さい発泡粒子群を使用すれば
良い。しかしながら、発泡粒子の重量バラツキを小さく
することは、発泡用樹脂粒子を造粒する際に充分注意を
払うことで対処可能であるが、真密度の大きい発泡粒子
を製造しようとすると、個々の発泡粒子の真密度のバラ
ツキが発生し、場合によっては、ほとんど発泡していな
い粒子が混入した発泡粒子群(尚、本願明細書中におい
て、複数の発泡粒子を一つの集合体として、『発泡粒子
群』と呼ぶことがある。)しか得ることができない。そ
して、真密度のバラツキのある発泡粒子群を成型して、
たとえ連通した空隙を有する高密度の発泡成型体が得ら
れたとしても、成型体の部分部分の密度バラツキが大き
く、成型体の部分的な密度の違い、融着性の違いから機
械的強度が均一な成型体を得難いという問題があった。
即ち、特開平8−108441号公報に記載されている
方法では、発泡成型体の機械的強度等の物性を高める目
的で、比較的低発泡の発泡粒子を用いて成型した場合、
たとえ低発泡のものが得られたとしても、機械的強度、
断熱性、吸音性等の物性に優れるとともに、これらの物
性が均一な発泡成型体を得難いという問題があった。一
方、真密度の小さい発泡粒子群の真密度のバラツキは、
高発泡の発泡成型体を得ようとする場合に空隙率のバラ
ツキを引き起こす。そのため、たとえ連通した空隙を有
する低密度の発泡成型体が得られたとしても、空隙率の
バラツキのために透水性、吸音性等の物性において優れ
たものを得難いという問題があった。
【0005】本発明は上記従来の問題に鑑みなされたも
ので、貫通穴を有する筒状のポリオレフィン系樹脂発泡
粒子において、従来困難であった真密度のバラツキをな
くしたものであり、空隙の分布が均一であり、断熱性、
排水性、吸音性等の物性に優れた連通した空隙を有する
ポリオレフィン系樹脂発泡成型体を製造するために、更
には比較的密度が高く機械的強度にも優れた、連通した
空隙を有するポリオレフィン系樹脂発泡成型体を製造す
るために好適に用いることができる貫通穴を有する筒状
のポリオレフィン系樹脂発泡粒子及び上記連通した空隙
を有するポリオレフィン系樹脂発泡成型体の製造方法を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の貫通穴を有
する筒状のポリオレフィン系樹脂発泡粒子は、ホウ酸金
属塩(但し、アルカリ金属塩は除く。)を0.005〜
1重量%含有することを特徴とする。本発明の筒状の発
泡粒子は、真密度が0.03〜0.75g/cm3 であ
ることが好ましい。また本発明の連通した空隙を有する
ポリオレフィン系樹脂発泡成型体の製造方法は、発泡粒
子重量の標準偏差:Swが0.2mg以下であり、且つ
発泡粒子の真密度の標準偏差:Sdが0.05g/cm
3 以下の貫通穴を有する筒状のポリオレフィン系樹脂発
泡粒子群を金型内に充填し、加熱することにより該粒子
群を相互に融着せしめることを特徴とする。本発明の製
造方法は、密度が0.06g/cm3 以上の発泡成型体
を製造する方法として好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の発泡粒子の基材樹脂であ
るポリオレフィン系樹脂としては、例えばエチレン−ブ
テンランダムコポリマー、エチレン−ブテンブロックコ
ポリマー、エチレン−プロピレンブロックコポリマー、
エチレン−プロピレンランダムコポリマー、エチレン−
プロピレン−ブテンランダムターポリマー、ホモポリプ
ロピレン等のポリプロピレン系樹脂、低密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、エ
チレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−メチルメタ
クリレートコポリマー、エチレン−メタクリル酸コポリ
マーの分子間を金属イオンで架橋したアイオノマー系樹
脂等のポリエチレン系樹脂、或いはポリブテン−1、ポ
リペンテン、エチレン−アクリル酸−無水マレイン酸タ
ーポリマー等が挙げられる。
【0008】ポリオレフィン系樹脂は無架橋のまま用い
ても、過酸化物や放射線による架橋を施して用いても良
いが、生産工程数が少なく、リサイクル可能な無架橋の
ものが好ましい。
【0009】上記ポリオレフィン系樹脂のなかでも、発
泡成型体を圧縮した時の圧縮回復性が良好な低密度ポリ
エチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、
直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレ
ンコポリマー、プロピレン−ブテンコポリマー、エチレ
ン−プロピレン−ブテンターポリマー等が好ましい。特
に、エチレン−プロピレンランダムコポリマー、プロピ
レン−ブテンランダムコポリマー、エチレン−プロピレ
ン−ブテンターポリマーが好ましい。
【0010】また基材樹脂として例示した上記ポリプロ
ピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、プロピレン
−ブテンコポリマー、エチレン−プロピレン−ブテンタ
ーポリマー等の融点130℃以上のプロピレン系樹脂
は、重合触媒としてメタロセン化合物を用いて得られた
ものが樹脂融点と剛性との関係、樹脂の融点と耐熱性と
の関係において、他の重合触媒を用いて得られたものよ
りも優れた剛性、耐熱性を示す等の理由から特に好まし
い。尚、メタロセン化合物とは、例えば遷移金属をπ電
子系の不飽和化合物で挟んだ構造の化合物で、チタン、
ジルコニウム、ニッケル、パラジウム、ハフニウム、白
金等の四価の遷移金属に、1つ又は2つ以上のシクロペ
ンタジエニル環又はその類縁体が配位子として存在する
化合物である。
【0011】本発明の製造方法により得られる発泡成型
体は、好ましくは連通した空隙の空隙率が10%以上で
あり、且つ密度が0.06g/cm3 以上のものであ
る。空隙率が10%未満の場合、排水性、吸音性等に劣
るものとなる虞れがある。一方、空隙率が高すぎると、
成型体の強度が低下する虞れがあるため、空隙率は10
〜45%であることが好ましい。また密度が0.06g
/cm3 未満の場合、発泡粒子相互の融着性は良好であ
るが、発泡粒子自体の密度が小さいため、その発泡粒子
群より得られる成型体の圧縮密度が不充分となる虞れが
ある。逆に成型体の密度が極度に高過ぎると、充分な空
隙率を確保することが困難となる虞れがあるため、密度
は0.06〜0.60g/cm3 であることが好まし
い。
【0012】従来の連通した空隙を有するポリオレフィ
ン系樹脂発泡成型体の場合、成型体の密度分布や空隙率
の分布のバラツキが現れるという問題があったが、本発
明の製造方法により得られる発泡成型体は、たとえ密度
が低いものであっても、空隙率の最大値と最小値の差は
小さく、密度及び空隙のバラツキが非常に小さいことが
特徴の一つである。
【0013】上記発泡成型体の空隙率は、下記(1)式
により求めることができる。
【0014】
【数1】 空隙率:A(%)=〔(B−C)÷B〕×100 ・・・・(1)
【0015】ただし、Bは発泡成型体の見掛け体積(c
3)、Cは発泡成型体の真の体積(cm3)である。発泡
成型体の見掛け体積:B(cm3)は、発泡成型体の外形
寸法より算出される体積である。また発泡成型体の真の
体積:C(cm3)は、発泡成型体の見掛け体積:Bから
空隙部の容積を除いた実質体積で、発泡成型体を容積既
知のエタノール中に沈めた時、増加した容積が真の体
積:C(cm3)に相当する。
【0016】一方、上記発泡成型体の密度は、空隙部分
を含む発泡成型体の見掛け体積B(cm3 )で発泡成型
体の重量(g)を割ることにより求めることができる。
【0017】上記、連通した空隙を有するポリオレフィ
ン系樹脂発泡成型体は、後述する特定のポリオレフィン
系樹脂発泡粒子を金型内に充填し、水蒸気で加熱して発
泡粒子相互を融着させる方法によって得ることができる
が、この発泡粒子の形状としては、貫通した穴を有する
筒形形状の発泡粒子を用いる。
【0018】上記筒形形状の発泡粒子とは、図1に示す
ように発泡粒子の穴Pの方向に垂直な断面形状がそれぞ
れ、(a)外周形状、穴の形状が共に円形であるもの、
(b)外周形状、穴の形状共に多角形であるもの、
(c)外周形状が円形で穴の形状が多角形であるもの、
(d)外周形状が多角形で穴の形状が円形であるもの、
(e)上記(a)〜(d)をその外周において互いに接
合させた形状であるもの等があり、本発明においては上
記したいずれの断面形状を有する筒形形状の発泡粒子も
使用できる。また、(f)発泡粒子の穴Pの方向に垂直
な、どの断面においても上記(a)〜(e)の外周に突
起が設けられた断面形状を有する筒形形状の発泡粒子
や、(g)発泡粒子の穴Pの方向に垂直な、ある断面に
おいて上記(a)〜(e)の形状を有し且つ別の断面に
おいては上記(a)〜(e)の外周に突起が設けられた
断面形状を有する筒形形状の発泡粒子も使用可能であ
る。
【0019】このような筒形形状の発泡粒子として、具
体的には図1に示すように、(a)の発泡粒子の一例と
して、(ア)の円筒形状のものが、(b)の発泡粒子の
一例としては、(イ)に示す三角筒形のもの、(ウ)に
示す四角筒形のもの、(エ)六角筒形のもの等が挙げら
れる。また、(c)の発泡粒子の一例としては、(オ)
に示す形状のものが、(d)の発泡粒子の一例として
は、(カ)に示す形状のものが挙げられる。
【0020】また、(e)の発泡粒子の一例としては、
(キ)や(ク)に示すような、円筒を複数並列に一体化
した形状のものが、(f)の発泡粒子の一例としては、
(ケ)、(コ)、(サ)、(シ)、(ス)に示すよう
な、多角筒又は円筒の外周面、或いは多角筒又は円筒を
並列一体化したものの外周面に、穴Pの方向に沿う帯状
の突起eが設けられた形状のものが挙げられる。更に、
(g)の発泡粒子の一例としては、(セ)、(ソ)に示
すように、多角筒や円筒、或いは多角筒や円筒を並列一
体化したものの外周に複数の突起eが設けられた形状等
が挙げられる。
【0021】尚、上記した態様は一例であって、他に穴
Pの方向に垂直な断面形状の外周形状が楕円であるもの
や、該断面の穴形状が楕円のもの、該断面の穴の中心が
ずれているもの、筒形の発泡粒子がねじれた形態のも
の、垂直な断面形状がC型のもののように一部に切れ目
のあるもの等も使用することができ、筒形形状の発泡粒
子としては、図示したものに限られるものではない。
【0022】筒形形状の発泡粒子の場合、空間率が50
〜80%であるものが好ましい。このような空間率のも
のを用いて成型すると、空隙率の大きな発泡成型体が容
易に得られる利点がある。筒形形状の発泡粒子の空間率
は、下記(2)式により求められる。
【0023】
【数2】 空間率(%)=〔(真密度−嵩密度)÷真密度×100〕 ・・・(2)
【0024】また発泡粒子の真密度は、エタノールの入
ったメスシリンダーを用いて測定する。約5000個の
発泡粒子の合計重量:W(g)を測定し、この発泡粒子
群をメスシリンダーのエタノール中に沈め、エタノール
の水位上昇分より発泡粒子群の真の体積:L(cm3
を測定し、次式より求める。
【0025】
【数3】 真密度(g/cm3 )=W÷L ・・・・・・(3)
【0026】また、発泡粒子の嵩密度は、空のメスシリ
ンダー中に合計重量:W(g)の約5000個の発泡粒
子を入れ、メスシリンダーの目盛りから発泡粒子群の体
積:V(cm3 )を読み取り、次式より求める。
【0027】
【数4】 嵩密度(g/cm3 )=W÷V ・・・・・・・・・・(4)
【0028】上記した種々の形状の発泡粒子のうち、特
に図1における(ア)、(キ)、(ク)の発泡粒子のよ
うに、表面に突起eを有さず、且つ外周形状、穴の形状
共に円形である発泡粒子が、製造が比較的容易であり、
金型内に該粒子を充填する際にフィーダー詰まりがな
く、しかも金型内のどの位置においても均一な密度に充
填され、充填率のコントロールがし易い点で好ましい。
【0029】連通した空隙を有するポリオレフィン系樹
脂発泡成型体を得る場合、上記の如く筒形形状の発泡粒
子を用いると、発泡粒子を金型内に空送して充填する際
に、充填空気の流入口に対する空気の流出口の位置を調
整することによって発泡粒子に方向性を与えて金型内に
充填することがある程度可能となり、発泡成型体の空隙
率、特に連通した空隙の方向性を制御することができる
ので好ましい。成型用の発泡粒子としては、図1に示す
発泡粒子の長さ:Lと直径:Dとの比:L/Dが、0.
5〜2.0のものを用いることが好ましい。
【0030】発泡粒子を製造する手段としては、例え
ば、前記ポリオレフィン系樹脂を押出機で溶融混練した
後ストランド状に押出して、冷却後適宜長さに切断する
か、或いは適宜長さに切断後冷却する等の手段で先ず、
発泡粒子製造原料としての樹脂粒子を製造する。発泡粒
子製造用原料としての樹脂粒子を製造するに際し、上記
ポリオレフィン系樹脂を単独で用いても2種以上を混合
して用いても良い。更に劣化防止のためにフェノール
系、リン系、イオウ系等の酸化防止剤、ヒンダードアミ
ン系、ベンゾトリアゾール系等の光安定剤等や、加工性
向上のためにステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩
を触媒中和剤として添加したり、エルカ酸アミド、オレ
イン酸アミド等の脂肪酸アミドを滑剤として添加しても
良い。上記添加剤は、それぞれ樹脂100重量部に対
し、0.001〜5重量部程度添加することが好まし
い。
【0031】更に、発泡粒子を成型して得られる発泡成
型体に柔軟性を付与する目的で、ポリオレフィン系樹脂
にエチレン−プロピレンラバー等の熱可塑性エラストマ
ーを、基材樹脂中の含有量が5〜40wt%となるよう
に添加して用いても良い。また上記ポリオレフィン系樹
脂に、ポリカプロラクトン、β−ヒドロキシ酪酸及び/
又はそのコポリマー、ポリビニルアルコール、変性デン
プン等の生分解性プラスチックを混合して用いることも
できる。
【0032】ポリオレフィン系樹脂粒子は、黒、灰色、
茶色等の着色顔料又は染料を添加して着色したものであ
ってもよい。着色した樹脂粒子を発泡して得た着色発泡
粒子を用いれば、着色された発泡成型体を得ることがで
きる。着色顔料又は染料の色は、上記に例示したものの
他に黄色、赤色、桃色、緑色、青色等、成型体の用途に
応じて適宜選択される。
【0033】基材樹脂に着色顔料、染料を添加するため
に、顔料、染料をそのまま基材樹脂に練り込む方法も採
用できるが、添加量が少ない顔料や染料を均一に樹脂中
に分散させるために、通常は、まず顔料や染料を含むマ
スターバッチを作り、このマスターバッチと顔料や染料
を含まない樹脂とを混練するマスターバッチ法を採用す
ることが好ましい。着色顔料、染料の添加量は着色の色
によっても異なるが、通常基材樹脂100重量部に対し
て0.001〜15重量部が好ましい。
【0034】前記した筒形形状の発泡粒子を得るには、
発泡粒子製造原料である樹脂粒子として筒形形状の樹脂
粒子を用いる。筒形形状の樹脂粒子を得るには、上記し
た発泡粒子の製造原料としての樹脂粒子を製造するため
の押出機として、ダイスの溶融樹脂出口に、所望する樹
脂粒子の断面形状と同形状のスリットを有し、且つ貫通
する穴Pを有する筒形形状を保持するためにスリットの
内側に筒形ストランドの穴部の圧力を常圧もしくはそれ
以上に保つための圧力調整孔を設けたものを使用する。
尚、圧力調整孔は気体圧入装置に連結されて空気等を筒
形ストランド穴部に供給したり、単に常圧部と連通させ
ることにより筒形ストランド穴部を常圧又はそれ以上の
圧力に保つことができる。
【0035】上記のようにして得た樹脂粒子を、密閉容
器内で発泡剤の存在下で分散媒に分散させて、該樹脂粒
子の軟化温度以上の温度に加熱して樹脂粒子内に発泡剤
を含浸させ、しかる後容器の一端を開放し、容器内圧力
を発泡剤の分圧以上の圧力に保持しながら樹脂粒子と分
散媒とを同時に容器内よりも低圧の雰囲気下(通常は大
気圧下)に放出する等の方法により、樹脂粒子を発泡せ
しめて発泡粒子を得ることができる。
【0036】発泡粒子の製造に用いられる発泡剤として
は、通常、プロパン、イソブタン、ブタン、イソペンタ
ン、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロブタ
ン、シクロヘキサン、クロロフルオロメタン、トリフル
オロメタン、1,2,2,2−テトラフルオロエタン、
1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン、1,1−ジフ
ルオロエタン、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフ
ルオロエタン等の揮発性発泡剤や、窒素、二酸化炭素、
アルゴン、空気等の無機ガス系発泡剤が挙げられるが、
なかでもオゾン層の破壊がなく且つ安価に提供される無
機ガス系発泡剤が好ましい。上記無機ガス系発泡剤のう
ち、より好ましいのは窒素、空気、二酸化炭素であり、
特に窒素、空気が好ましい。尚、上記無機ガス系発泡剤
は特に密度0.06g/cm3 以上の発泡成型体を製造
するのに使用される低倍率の発泡粒子を得る場合に好適
である。窒素、空気を除く上記発泡剤の使用量は通常樹
脂粒子100重量部当り2〜50重量部である。また窒
素、空気を発泡剤として用いる場合、5〜60kgf/
cm2 Gの圧力で密閉容器内に圧入する。発泡剤の使用
量は得ようとする発泡粒子の嵩密度と発泡温度との関係
に応じて適宜に選択される。
【0037】発泡粒子を得るに際して、樹脂粒子を分散
させるための分散媒としては、樹脂粒子を溶解しないも
のであればよく、このような分散媒としては、通常は水
が使用される。
【0038】本発明においては、樹脂粒子を分散媒に分
散せしめて発泡温度に加熱するに際し、樹脂粒子相互の
融着を防止するために融着防止剤を分散媒に添加するこ
ともできる。融着防止剤としては水等に溶解せず、加熱
によっても溶融しないものであれば、無機系、有機系を
問わずいずれも使用可能であるが、一般的には無機系の
ものが好ましい。
【0039】無機系の融着防止剤としては、カオリン、
タルク、マイカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、水酸
化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、リン酸
三カルシウム等の粉体が好適である。また分散助剤とし
てドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、オレイン
酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤が好適に使用さ
れる。上記融着防止剤としては平均粒径0.001〜1
00μm、特に0.001〜30μmのものが好まし
い。融着防止剤の添加量は樹脂粒子100重量部に対
し、通常は0.01〜10重量部が好ましい。また界面
活性剤は樹脂粒子100重量部当たり、通常0.001
〜5重量部添加することが好ましい。
【0040】本発明方法において、金型内で成型に供す
るポリオレフィン系樹脂発泡粒子として、発泡粒子重量
の分布幅及び発泡粒子の真密度の分布幅が狭いもの(重
量、真密度のバラツキの小さいもの)を用いる。つま
り、発泡粒子重量の標準偏差:Swが0.2mg以下、
発泡粒子の真密度の標準偏差:Sdが0.05g/cm
3 以下のものを使用する。金型内で成型する貫通穴を有
する筒状のポリオレフィン系樹脂発泡粒子群の、Sw、
Sdが上記範囲から外れると、得られる成型体の空隙の
バラツキが大きくなってしまう等の不具合を生じる。
【0041】重量のバラツキの小さい発泡粒子群を得る
には、発泡粒子製造原料である樹脂粒子の重量バラツキ
を小さくすれば良く、重量バラツキの小さい樹脂粒子
は、所望のスリットを有する押出機から溶融樹脂を押出
して造粒する際のラインスピードを遅くする、ストラン
ドを充分冷却後に切断する等の操作により得ることがで
きる。また、真密度のバラツキの小さいポリオレフィン
系樹脂発泡粒子を得るには、ホウ酸金属塩をポリオレフ
ィン系樹脂粒子中に添加し、この樹脂粒子を前記発泡剤
を使用して発泡して得ることができる。
【0042】上記ほう酸金属塩としては、次の(a)
式、(b)式で示される化合物が用いられる。
【0043】
【化1】 xM2 O・yB2 3 ・zH2 O ・・・・(a) (但し、x、yは1以上の整数、zは0以上の数、Mは
1価の金属元素を示す。)
【0044】
【化2】 xM′O・yB2 3 ・zH2 O ・・・・(b) (但し、x、yは1以上の整数、zは0以上の数、M′
は2価の金属元素を示す。)
【0045】但し、上記(a)、(b)に示すホウ酸金
属塩としては、ホウ酸ナトリウム、ほう酸カリウム等の
アルカリ金属塩を除くものである。本発明において使用
するホウ酸金属塩の中で、特にホウ酸亜鉛、ホウ酸マグ
ネシウムが好適である。
【0046】ホウ酸亜鉛としては、メタホウ酸亜鉛〔Z
n(BO2 2 〕、塩基性ホウ酸亜鉛〔ZnB4 7
2ZnO〕等や、2ZnO・3B2 3 ・3.5H
2 O、3ZnO・2B2 3 ・5H2 O等の化学式で示
される化合物が挙げられる。
【0047】また、ホウ酸マグネシウムとしては、オル
トホウ酸マグネシウム〔Mg3 (BO3 2 〕、二ホウ
酸マグネシウム、ピロホウ酸マグネシウム〔Mg2 2
5又は2MgO・B2 3 〕、メタホウ酸マグネシウ
ム〔MgO・B2 3 〕、四ホウ酸三マグネシウム〔M
3 4 9 又は3MgO・2B2 3 〕、四ホウ酸五
マグネシウム〔Mg5 4 11〕、六ホウ酸マグネシウ
ム〔MgB6 10〕等や、2MgO・3B2 3 ・nH
2 O(nは正の整数)、MgO・4B2 3 ・3H
2 O、MgO・6B2 3 ・18H2 O等の化学式で示
される化合物が挙げられる。これらのホウ酸金属塩は1
種又2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0048】上記ホウ酸金属塩のなかでも、特に2Zn
O・3B2 3 ・3.5H2 O、3ZnO・2B2 3
・5H2 O等の化学式で示されるホウ酸亜鉛が好まし
い。
【0049】ホウ酸金属塩は、粒径が0.1〜100μ
m、特に0.5〜50μmのものが好ましい。粒径が
0.1μm未満のホウ酸金属塩を添加すると、得られる
発泡粒子の気泡が微細化し、成型性に劣る発泡粒子とな
り易い。また粒径が100μmを超えるホウ酸金属塩を
添加すると、得られる発泡粒子の気泡が粗大化し易い。
【0050】ホウ酸金属塩は、発泡粒子中に0.005
〜1重量%含有されていることが好ましく、特に0.0
05〜0.5重量%含有されていることが好ましい。ホ
ウ酸金属塩の含有量が0.005重量%未満の場合、発
泡粒子の密度のバラツキが大きくなり、真密度の分布に
おける標準偏差:Sdが0.05g/cm3 以下である
発泡粒子が得難くなる。またホウ酸金属塩の含有量が1
重量%を超えると、得られた発泡粒子が収縮し易く、ま
た連続気泡構造の発泡粒子となって成型性に劣るものと
なり易い。本発明において、成型用ポリオレフィン系樹
脂発泡粒子としては、真密度の分布における標準偏差:
Sdが0.03g/cm3 以下であるものが特に好まし
い。
【0051】樹脂粒子中に上記ホウ酸金属塩を添加する
ためには、前記したマスターバッチ法を採用することが
好ましい。また樹脂粒子中には、上記ホウ酸金属塩の他
に、場合によっては同様の目的で粒径等を調整したタル
ク等の無機物又は有機物を添加することもできる。
【0052】成型に用いる発泡粒子が無架橋ポリオレフ
ィン系樹脂発泡粒子である場合、発泡粒子の二次発泡性
や、得られた成型体の収縮は該発泡粒子の示差走査熱量
測定において得られるDSC曲線に現れる高温ピークの
熱量に大きく依存する。このような観点から、成型に用
いる発泡粒子としては、上記高温ピークの熱量が10〜
25J/gのものが好ましい。高温ピーク熱量が上記値
よりも小さい場合は、二次発泡性が大きくなりすぎ空隙
が埋まってしまったり、成型体が収縮する等の問題が発
生する虞がある。
【0053】一方、高温ピーク熱量が上記値よりも大き
い場合は、発泡粒子相互の融着が不良な成型体となり易
く、発泡粒子相互の融着性を高めるために加熱温度を高
くしたり、発泡粒子を加圧タンク内に入れ該粒子内圧を
高くしたものを使用する等の必要が生じる。
【0054】尚、発泡粒子の高温ピーク熱量は、発泡粒
子1〜8mgを示差走査熱量計によって10℃/mi
n.の昇温速度で220℃まで昇温して得たDSC曲線
(図2)における高温ピークbの面積に相当し、次のよ
うにして求めることができる。まず図2に示すようにD
SC曲線上80℃の点I と、DSC曲線上の該樹脂の融
解終了温度を示す点IIとを結ぶ直線を引く。次に固有ピ
ークaと高温ピークbとの間の谷部にあたるDSC曲線
上の点III を通りグラフ横軸の温度に対して垂直な直線
を、点I と点IIとを結んだ直線へ引き、その交点を点IV
とする。このようにして求めた点IVと点IIとを結ぶ直
線、点III と点IVを結ぶ直線及び点III と点IIを結ぶD
SC曲線によって囲まれる部分(斜線部分)の面積が高
温ピーク熱量に相当する。
【0055】上記したように、本発明の連通した空隙を
有するポリオレフィン系樹脂発泡成型体は、機械的強度
に優れるとともに、透水性、通気性、吸音性等の物性に
優れ、且つこれらの物性のバラツキが少ないという優れ
た性質を有し、このような利点を生かして、ダッシュボ
ード、フロアー、ルーフ、フード、ピラー、ドアパネル
等の車両用部材、路盤材、暗渠等の排水資材、建築資
材、各種吸音材等として利用することができる。
【0056】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
【0057】実施例1〜4 酸化防止剤としてIRGANOX1010を0.1重量
%、光安定剤としてTINUVIN770を0.135
重量%とTINUVIN622を0.065重量%、ス
テアリン酸カルシウム0.05重量%、エルカ酸アミド
0.05重量%を含有するエチレン−プロピレンランダ
ムコポリマー(エチレン成分含有量2.4重量%、融点
146℃、MFR=10g/10分)に、押出機内で表
1に示す量のホウ酸亜鉛、0.26重量%のカーボンブ
ラックとを添加し、溶融混練した後、溶融混練物を図1
の(ア)に示す目的とする発泡粒子の穴の方向に垂直な
断面形状と相似形のダイスより押出して急冷した後、切
断して樹脂粒子を得た。尚、ホウ酸亜鉛及びカーボンブ
ラックはマスターバッチ法によって添加した。得られた
樹脂粒子の平均重量を表1にあわせて示す。
【0058】次いで上記樹脂粒子50kg、分散剤とし
てカオリン500g、界面活性剤としてドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム6g、水220リットルを、内
容積400リットルの密閉容器内に配合し、更に発泡剤
としての空気を表1に示す圧力で容器内に圧入した後、
内容物を攪拌しながら樹脂粒子の融解終了温度以上の温
度に昇温することなく、表1に示す発泡温度まで昇温
し、同温度で15分間保持した後、容器内に平衡蒸気圧
と等しい圧力の背圧をかけて同圧力を保持しながら、容
器の一端を開放して容器内の樹脂粒子と水とを大気圧下
に放出し、樹脂粒子を発泡させた。得られた発泡粒子の
性状を表1にあわせて示す。
【0059】
【表1】
【0060】このようにして得た発泡粒子を、縦200
mm×横250mm×厚さ50mmの平板金型内に充填
し、表2に示す圧力の水蒸気で加熱して成型した。得ら
れた発泡成型体を60℃で24時間養生した後、成型体
の性状を測定した結果を表2にあわせて示す。
【0061】
【表2】
【0062】※1 発泡粒子の空間率は、上記(2)式
に基づいて求めた。 ※2 発泡粒子の真密度の標準偏差:Sdは、発泡粒子
群から任意に取り出した嵩体積約1000cm3 の発泡
粒子をJIS Z8801(1994)の付表2に規定
される篩によりふるい分けし、各篩上の発泡粒子群の真
密度(g/cm 3)をそれぞれ測定する。一方、各篩上
の発泡粒子数を数え、各篩上の発泡粒子群の真密度と、
各篩上の発泡粒子の数から、発泡粒子の真密度の標準偏
差:Sdを求めた。尚、上記発泡粒子の嵩体積とは、空
のメスシリンダーに発泡粒子を入れ、メスシリンダーの
目盛りが示す発泡粒子群の体積である。 ※3 発泡粒子重量の標準偏差:Swは、発泡粒子群か
ら任意に取り出した10000個の発泡粒子の各々の重
量(mg)を測定し、それらの値より算出した。 ※4 発泡成型体の空隙率:A(%)は、前記(1)式
により求めた。 ※5 空隙率のバラツキは、発泡成型体の任意の10か
所から、10mm×10mm×50mmのサンプルを切
り出して空隙率(%)を求め、これらの値の最大値と、
最小値の差で示した。
【0063】比較例1〜3 ホウ酸亜鉛の代わりに、表1に示す量の水酸化アルミニ
ウムを含有する樹脂粒子(比較例3は含有せず。樹脂粒
子の平均重量及び、樹脂粒子中の水酸化アルミニウムの
含有量を表1にあわせて示した。)を用いた他は、実施
例1〜4に準拠して発泡粒子を得、この発泡粒子を同様
にして成型した。得られた発泡粒子、発泡成型体等の性
状を表1、表2にあわせて示す。尚、比較例3で得られ
た発泡成型体は発泡粒子相互の融着性が悪く、その結
果、機械的強度が不充分なものであった。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように本発明の発泡粒子
は、特定の無機物を含有させて得たものであることによ
り、得られた発泡粒子群内の個々の発泡粒子相互の真密
度のバラツキが小さく、真密度の均一な発泡粒子群とな
る。また発泡粒子製造用樹脂粒子の重量の調整によって
容易に発泡粒子重量のバラツキも小さいものとすること
ができ、発泡粒子群内における発泡粒子重量のバラツキ
も小さくすることができる。このため本発明の発泡粒子
は、特定範囲の密度、重量等の発泡粒子を分級する等の
煩雑な作業を行うことなく、そのまま成型に用いても、
透水性、吸音性、断熱性、機械的強度等の性能の、成型
体の部分部分におけるバラツキのない優れた性状の、連
通した空隙を有する発泡成型体を得ることができ、高発
泡の成型体を得る場合であっても、成型体の空隙率にバ
ラツキが生じる虞れがなく、透水性、断熱性、吸音性等
の物性の優れた、連通した空隙を有する発泡成型体を得
ることができ、低発泡の成型体を得る場合であっても発
泡粒子相互の融着性に優れ、機械的強度、更には透水
性、吸音性、断熱性等の物性に優れた連通した空隙を有
する発泡成型体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】筒形形状の発泡粒子の種々の形状の具体例を示
す斜視図である。
【図2】発泡粒子のDSC曲線の一例を示すグラフであ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年7月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】本発明の製造方法により得られる発泡成型
体は、好ましくは連通した空隙の空隙率が10%以上で
あり、且つ密度が0.06g/cm以上のものであ
る。空隙率が10%未満の場合、排水性、吸音性等に劣
るものとなる虞れがある。一方、空隙率が高すぎると、
成型体の強度が低下する虞れがあるため、空隙率は10
〜45%であることが好ましい。また密度が0.06g
/cm未満の場合、発泡粒子相互の融着性は良好であ
るが、発泡粒子自体の密度が小さいため、その発泡粒子
群より得られる成型体の圧縮強度が不充分となる虞れが
ある。逆に成型体の密度が極度に高過ぎると、充分な空
隙率を確保することが困難となる虞れがあるため、密度
は0.06〜0.60g/cmであることが好まし
い。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】
【数2】 空間率(%)=〔(真密度−嵩密度)÷真密度〕×100 ・・・(2)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】
【数2】 空間率(%)=〔(真密度−嵩密度)÷真密度〕×100 ・・・(2)
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 23/08 C08L 23/08 B29K 23:00 105:04 C08L 23:08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホウ酸金属塩(但し、アルカリ金属塩は
    除く。)を0.005〜1重量%含有することを特徴と
    する貫通穴を有する筒状のポリオレフィン系樹脂発泡粒
    子。
  2. 【請求項2】 発泡粒子の真密度が0.03〜0.75
    g/cm3 であることを特徴とする請求項1記載の貫通
    穴を有する筒状のポリオレフィン系樹脂発泡粒子。
  3. 【請求項3】 発泡粒子重量の標準偏差:Swが0.2
    mg以下であり、且つ発泡粒子の真密度の標準偏差:S
    dが0.05g/cm3 以下の貫通穴を有する筒状のポ
    リオレフィン系樹脂発泡粒子群を金型内に充填し、加熱
    することにより該粒子群を相互に融着せしめることを特
    徴とする連通した空隙を有するポリオレフィン系樹脂発
    泡成型体の製造方法。
  4. 【請求項4】 発泡成型体の密度が0.06g/cm3
    以上であることを特徴とする請求項3記載の連通した空
    隙を有するポリオレフィン系樹脂発泡成型体の製造方
    法。
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