JPH11278250A - 電動式パーキングブレーキ装置 - Google Patents

電動式パーキングブレーキ装置

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JPH11278250A
JPH11278250A JP10078730A JP7873098A JPH11278250A JP H11278250 A JPH11278250 A JP H11278250A JP 10078730 A JP10078730 A JP 10078730A JP 7873098 A JP7873098 A JP 7873098A JP H11278250 A JPH11278250 A JP H11278250A
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parking brake
brake
electric
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parking
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JP10078730A
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Kenji Shirai
健次 白井
Yasunari Yoshino
康徳 吉野
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T13/00Transmitting braking action from initiating means to ultimate brake actuator with power assistance or drive; Brake systems incorporating such transmitting means, e.g. air-pressure brake systems
    • B60T13/74Transmitting braking action from initiating means to ultimate brake actuator with power assistance or drive; Brake systems incorporating such transmitting means, e.g. air-pressure brake systems with electrical assistance or drive
    • B60T13/741Transmitting braking action from initiating means to ultimate brake actuator with power assistance or drive; Brake systems incorporating such transmitting means, e.g. air-pressure brake systems with electrical assistance or drive acting on an ultimate actuator
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T13/00Transmitting braking action from initiating means to ultimate brake actuator with power assistance or drive; Brake systems incorporating such transmitting means, e.g. air-pressure brake systems
    • B60T13/74Transmitting braking action from initiating means to ultimate brake actuator with power assistance or drive; Brake systems incorporating such transmitting means, e.g. air-pressure brake systems with electrical assistance or drive
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D2127/00Auxiliary mechanisms
    • F16D2127/06Locking mechanisms, e.g. acting on actuators, on release mechanisms or on force transmission mechanisms

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  • Braking Systems And Boosters (AREA)
  • Valves And Accessory Devices For Braking Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】電動モータを駆動源とする電動式パーキングブ
レーキ装置であって従来の機械式パーキングブレーキ装
置と同等の使い勝手を有するものを提供する。 【解決手段】車両のイグニションスイッチがOFFであ
る状態では、PKB解除スイッチがOFFであれば、パ
ーキングブレーキの実作動力が設定値となるように電動
モータが駆動された後にOFFされ(S1,S15〜1
9)、一方、PKB解除スイッチがONであれば、パー
キングブレーキの実作動力が0となるように電動モータ
が駆動された後にOFFされる(S1,S15,S21
〜S24)。イグニションスイッチをONからOFFに
操作した後、イグニションスイッチをONに操作するこ
となくパーキングブレーキを解除でき、これにより、機
械式パーキングブレーキ装置と同等の使い勝手が実現さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に設けられる
電動式パーキングブレーキ装置に関するものであり、特
に、その使い勝手を向上させる技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】車両のパーキングは一般に、運転者がパ
ーキングレバー,パーキングペダル等、パーキングブレ
ーキ操作部材を操作することにより機械的に行なわれ
る。これに対して、特開平4−108058号公報に
は、車両のパーキングを電気的に行う電動式パーキング
ブレーキ装置が記載されている。この装置によれば、車
両のパーキングを行なうのに必要な操作力が軽減され
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段,作用お
よび発明の効果】車両のパーキングを機械的に行なう機
械式パーキングブレーキ装置においては、車両の動力源
(エンジン,モータ等)を作動させる作動位置と作動さ
せない非作動位置とに操作される動力源スイッチ(イグ
ニションスイッチ,主電源スイッチ等)が非作動位置に
ある状態でも、パーキングブレーキの実作動力を増加・
減少させたり、パーキングブレーキを解除することを行
い得る。これに対して、上記公報は、電動式パーキング
ブレーキ装置を、動力源スイッチが非作動位置にある状
態で、パーキングブレーキの実作動力を増加・減少させ
たり、パーキングブレーキを解除することが可能となる
ように設計することを教えてはいない。そのため、この
電動式パーキングブレーキ装置では、動力源スイッチが
非作動位置にある状態では、パーキングブレーキの実作
動力を増加・減少させることも、パーキングブレーキを
解除することもできず、よって、この電動式パーキング
ブレーキ装置には、従来の機従来の機械式パーキングブ
レーキ装置に比較して操作力が軽減されるという利点は
あるものの、使い勝手が劣るという欠点があった。
【0004】また、この電動式パーキングブレーキ装置
においては、車両の左右前輪と左右後輪とのすべてのブ
レーキがパーキングブレーキとして作動させられるた
め、各パーキングブレーキの作動力の割りに車両全体と
しての作動力を増加させ得るという利点がある。しか
し、この電動式パーキングブレーキ装置では、従来の機
械式パーキングブレーキ装置と同等の使い勝手を実現す
ることができない。すなわち、従来の機械式パーキング
ブレーキ装置においては一般に、左右後輪のみにパーキ
ングブレーキが設けられており、運転者はこのことを積
極的に利用することにより、車両をスピンターンさせる
ことができる。しかし、その電動式パーキングブレーキ
装置では、そのような従来の機械式パーキングブレーキ
装置の利点を享受できないのである。
【0005】本発明は、このような事情を背景として、
使い勝手がよい電動式パーキングブレーキ装置を提供す
ることを課題としてなされたものである。この課題は下
記の本発明の各態様によって解決される。なお、以下の
説明において、本発明の各態様を、それぞれに項番号を
付して請求項と同じ形式で記載する。各項に記載の特徴
を組み合わせて採用することの可能性を明示するためで
ある。
【0006】(1) 動力源とその動力源により少なくとも
一つが駆動される複数の車輪と前記動力源を作動させる
作動位置と作動させない非作動位置とに運転者により操
作される動力源スイッチとを備えた車両に設けられ、前
記複数の車輪の少なくとも一つに設けられたパーキング
ブレーキと、そのパーキングブレーキを作動させる電動
モータと、その電動モータに電力が供給されていない状
態において前記パーキングブレーキの作動力を機械的に
保持する作動力保持機構と、前記電動モータに電力を供
給して前記パーキングブレーキを作動させ、その作動状
態で電動モータへの電力供給を断つことにより、前記車
両をパーキングするパーキングブレーキ制御装置とを含
む電動式パーキングブレーキ装置において、前記パーキ
ングブレーキ制御装置に、前記動力源スイッチが非作動
位置にある状態で、前記電動モータに電力を供給し、そ
れにより前記パーキングブレーキの実作動力を変更し、
その後、電動モータへの電力供給を断つ実作動力変更装
置を設けたことを特徴とする電動式パーキングブレーキ
装置〔請求項1〕。この装置によれば、動力源スイッチ
が非作動位置にある状態でも、パーキングブレーキの実
作動力を変更可能となり、それにより、電動式パーキン
グブレーキ装置の使い勝手が向上する。また、この装置
によれば、パーキングブレーキの実作動力を変更するこ
とが必要でない場合には、作動力保持機構を利用するこ
とにより、電動モータへの電力供給を行なうことなく、
パーキングブレーキの実作動力が保持されるため、動力
源スイッチの非作動位置でパーキングブレーキの実作動
力を変更可能とすることに伴う電動モータによる消費電
力量の増加を抑制し得る。この装置において「動力源」
には、エンジン,電動モータ等が含まれる。また、「動
力源スイッチ」には、イグニションスイッチ,キースイ
ッチ,主電源スイッチ等が含まれる。また、「実作動力
の変更」は、実作動力を増加・減少を含み、その「減
少」はパーキングブレーキの解除を含む。また、「パー
キングブレーキ制御装置」は、動力源スイッチが作動位
置にある場合に、パーキングブレーキ制御を行う態様と
したり、行わない態様とすることができる。 (2) さらに、パーキングブレーキ操作部材を含み、前記
パーキングブレーキ制御装置が、そのパーキングブレー
キ操作部材が操作されたことに応じて作動を開始する
(1) 項に記載の電動式パーキングブレーキ装置。 (3) 前記パーキングブレーキ制御装置が、前記動力源ス
イッチが作動位置から非作動位置に操作されたことに応
じて作動を開始する(1) 項に記載の電動式パーキングブ
レーキ装置。 (4) 前記パーキングブレーキ制御装置が、前記動力源ス
イッチが非作動位置にある状態で、前記パーキングブレ
ーキの実作動力が変更された後に前記電動モータへの電
力供給が断たれた後、パーキングブレーキの実作動力を
変更する必要性が新たに生じるまで、電動モータへの電
力供給を阻止する電力供給阻止手段を含む(1) ないし
(3) 項のいずれかに記載の電動式パーキングブレーキ装
置。この装置によれば、動力源スイッチが非作動位置に
ある状態で、電動モータによる消費電力量の増加を抑制
しつつ、パーキングブレーキの実作動力が変更可能とな
る。 (5) 前記実作動力変更装置が、(a) パーキングブレーキ
操作部材と、(b) そのパーキングブレーキ操作部材の操
作に基づいて前記電動モータに電力を供給する電力供給
手段とを含む(1) ないし(4) 項のいずれかに記載の電動
式パーキングブレーキ装置。 (6) 前記実作動力変更装置が、(a) 前記パーキングブレ
ーキを解除してそれの実作動力を0にするために人間に
より操作されるパーキングブレーキ解除スイッチと、
(b) 前記動力源スイッチが非作動位置にある状態で、前
記パーキングブレーキ解除スイッチが操作された場合
に、前記パーキングブレーキが解除されるように前記電
動モータを制御する第1モータ制御手段とを含む(1) な
いし(5) 項のいずれかに記載の電動式パーキングブレー
キ装置〔請求項2〕。この装置によれば、動力源スイッ
チが非作動位置にある状態でも、パーキングブレーキを
解除可能となり、それにより、電動式パーキングブレー
キ装置の使い勝手が向上する。ここに「人間」には、運
転者のみならず車両を修理する作業者等も含まれる。ま
た、「パーキングブレーキ解除スイッチ」は、上記(5)
項における「パーキングブレーキ操作部材」の一例であ
る。 (7) 前記第1モータ制御手段が、前記動力源スイッチが
作動位置から非作動位置に操作されるのと実質的に同じ
時期に前記パーキングブレーキ解除スイッチが操作され
た場合に、作動を開始する(6) 項に記載の電動式パーキ
ングブレーキ装置。この装置によれば、2つの操作部材
がほぼ同時に操作されたことに応じてパーキングブレー
キが解除されるため、1つの操作部材が操作されたこと
に応じてパーキングブレーキを解除する場合に比較し
て、誤った操作に起因したパーキングブレーキ解除をよ
り確実に回避し得る。 (8) 前記実作動力変更装置が、(a) 人間の指令に応じて
前記パーキングブレーキの目標作動力を設定する手動式
目標作動力設定装置と、(b) 前記動力源スイッチが非作
動位置にある状態で、前記パーキングブレーキの実作動
力が、設定された目標作動力と実質的に等しくなるよう
に前記電動モータを制御する第2モータ制御手段とを含
む(1) ないし(7) 項のいずれかに記載の電動式パーキン
グブレーキ装置〔請求項3〕。この装置によれば、動力
源スイッチが非作動位置にある状態でも、パーキングブ
レーキの実作動力を変更可能となり、それにより、電動
式パーキングブレーキ装置の使い勝手が向上する。ここ
に「人間の指令」は例えば、人間の操作により伝達され
るものとしたり、音声により伝達されるものとすること
ができる。また、「手動式目標作動力設定装置」は、目
標作動力を人間の指令に応じて連続的に変化する連続値
として設定する態様としたり、段階的に変化する段階値
として設定する態様とすることができる。また、「手動
式目標作動力設定装置」が、人間の操作により人間の指
令を伝達する形式を採用するために、人間により操作さ
れる操作部材を有する場合には、その操作部材は前記
(5) 項における「パーキングブレーキ操作部材」の一例
となる。 (9) 前記実作動力変更装置が、前記動力源スイッチが作
動位置から非作動位置に操作された時期から、その後に
最初にパーキングブレーキ操作の解除が行なわれる時期
までの期間においては、前記目標作動力の設定の変更に
もかかわらず、前記パーキングブレーキの実作動力を保
持する実作動力保持手段を含む(8) 項に記載の電動式パ
ーキングブレーキ装置。この装置においては、目標作動
力を人間の指令に応じて連続的にまたは段階的に変化さ
せる態様の前記手動式目標作動力設定装置が、人間が動
力源スイッチを作動位置から非作動位置に操作した時期
から人間が最初にパーキングブレーキ操作の解除を指令
する前には、パーキングブレーキを解除する位置と解除
しない位置との2位置に切換え可能なスイッチとして機
能する。一方、従来の機械式パーキングブレーキ装置に
おいては、パーキングブレーキ操作部材の自動復元機構
により、パーキングブレーキ解除時には、パーキングブ
レーキの実作動力が0でない大きさから0に急に変化
し、パーキングブレーキ操作部材がスイッチとして機能
する。したがって、本項に記載の電動式パーキングブレ
ーキ装置によれば、パーキングブレーキ解除時に、従来
の機械式パーキングブレーキ装置と同等の操作フィーリ
ングが得られる。 (10)前記実制動力変更装置が、前記動力源スイッチが非
作動位置にある状態ではいつでも、前記パーキングブレ
ーキの実作動力を変更可能である(1) ないし(9) 項のい
ずれかに記載の電動式パーキングブレーキ装置。ここに
「実作動力の変更」は、実作動力を増加・減少を含み、
その「減少」はパーキングブレーキの解除を含む。 (11)前記実制動力変更装置が、前記動力源スイッチが作
動位置から非作動位置に操作された時期から設定時間が
経過した後には、前記電動モータへの電力供給を阻止す
る電力供給阻止手段を含む(1) ないし(9) 項のいずれか
に記載の電動式パーキングブレーキ装置〔請求項4〕。
上記(10)項に記載の電動式パーキングブレーキ装置にお
いては、動力源スイッチが非作動位置にある状態ではい
つでも、パーキングブレーキの実作動力を変更可能であ
る。しかし、この装置を使用する場合には、消費電力量
が増加し易いという問題がある。動力源スイッチが非作
動位置にある限り、パーキングブレーキの実作動力を変
更することが必要であるか否かを判定しなければならな
いからである。これに対して、本項に記載の電動式パー
キングブレーキ装置によれば、動力源スイッチが作動位
置から非作動位置に操作された時期から設定時間の間に
限り、パーキングブレーキの実作動力が変更可能とされ
ている。したがって、この装置によれば、電動モータに
よる消費電力量の増加を抑制しつつ電動式パーキングブ
レーキの使い勝手を向上させ得る。ここに「電力供給阻
止手段」は例えば、電動モータへの電力供給の阻止を、
動力源スイッチが非作動位置から作動位置に操作される
まで継続する態様とすることができる。 (12)前記実制動力変更装置が、(a) パーキングブレーキ
操作部材と、(b) 前記動力源スイッチが非作動位置にあ
る状態で、前記パーキングブレーキ操作部材の操作に基
づいて前記電動モータに電力を供給し、それにより前記
パーキングブレーキの実作動力を変更し、その後、電動
モータへの電力供給を断つ実作動力変更手段と、(c) 前
記動力源スイッチが作動位置から非作動位置に操作され
た時期から設定時間が経過した後には、動力源スイッチ
が非作動位置から作動位置に操作されるまで、前記パー
キングブレーキ操作部材の操作にもかかわらず、前記電
動モータへの電力供給を阻止する電力供給阻止手段とを
含む(1) ないし(11)項のいずれかに記載の電動式パーキ
ングブレーキ装置。この装置によれば、電動モータによ
る消費電力量の増加を抑制しつつ電動式パーキングブレ
ーキの使い勝手を向上させ得る。 (13)さらに、前記パーキングブレーキの実作動力を検出
する作動力センサを含み、前記実作動力変更装置が、そ
の作動力センサにより検出された実作動力が目標作動力
と実質的に等しくなるように前記電動モータを制御する
第3モータ制御手段を含む(1) ないし(12)項のいずれか
に記載の電動式パーキングブレーキ装置。 (14)前記実作動力変更装置が、(a) 前記車両の状態また
は路面の状態に応じて前記パーキングブレーキの目標作
動力を設定する自動式目標作動力設定装置と、(b) 前記
動力源スイッチが非作動位置にある状態で、前記パーキ
ングブレーキの実作動力が、設定された目標作動力と実
質的に等しくなるように前記電動モータを制御する第4
モータ制御手段とを含む(1) ないし(13)項のいずれかに
記載の電動式パーキングブレーキ装置。この装置によれ
ば、パーキングブレーキの実作動力が不足することも過
剰になることも抑制される。本項に記載の特徴は、前記
(1) 項に記載の特徴から独立して採用可能である。 (15)前記自動式目標作動力設定装置が、(a) 前記車両の
速度を検出する車両速度センサと、(b) その車両速度セ
ンサの検出値に基づき、前記車両が停止状態にない場合
には、前記目標作動力を増加させる目標作動力増加手段
とを含む(14)項に記載の電動式パーキングブレーキ装
置。 (16)前記自動式目標作動力設定装置が、(a) 前記車両が
走行している路面の傾斜角を検出する路面傾斜角センサ
と、(b) その路面傾斜角センサの検出値に基づき、前記
路面の傾斜によって前記車両が発進しないように前記目
標作動力を設定する目標作動力設定手段とを含む(14)ま
たは(15)項に記載の電動式パーキングブレーキ装置。 (17)当該電動式パーキングブレーキ装置が、パーキング
ブレーキ専用に設けられている(1) ないし(16)項のいず
れかに記載の電動式パーキングブレーキ装置。 (18)前記パーキングブレーキと電動モータとが、主ブレ
ーキ操作時には主ブレーキを電気的に行なうために使用
されることにより、主ブレーキとパーキングブレーキと
に共用される(1) ないし(16)項のいずれかに記載の電動
式パーキングブレーキ装置。ここに「主ブレーキ操作」
は、車両走行中に車両を減速させたり停止させるために
行なわれるブレーキ操作をいい、通常ブレーキ操作とも
いわれる。 (19)前記電動モータが、それに電力が供給されていない
状態において静止保持トルクを発生させる超音波モータ
であり、前記作動力保持機構が、その超音波モータのう
ちその静止保持トルクを発生させる部分を含む(1) ない
し(18)項のいずれかに記載の電動式パーキングブレーキ
装置。 (20)前記作動力保持機構が、前記電動モータと前記パー
キングブレーキとの間に設けられ、電動モータからパー
キングブレーキへ向かう力の伝達は許容するが、その逆
向きの力の伝達は阻止する一方向伝達機構を含む(1) な
いし(18)項のいずれかに記載の電動式パーキングブレー
キ装置。 (21)前記一方向伝達機構が、ウォームとウォームホイー
ルとがかみ合って回転するウォームギヤであって、ウォ
ーム側に前記電動モータ、ウォームホイール側に前記パ
ーキングブレーキがそれぞれ連結されているウォームギ
ヤを含む(20)項に記載の電動式パーキングブレーキ装
置。 (22)前記パーキングブレーキと電動モータと作動力保持
機構とが、前記複数の車輪にそれぞれ設けられており、
前記パーキングブレーキ制御装置が、前記複数のパーキ
ングブレーキのうち実質的に同じ時期に作動させるもの
の組み合わせを変更する組合せ変更装置を含む(1) ない
し(21)項のいずれかに記載の電動式パーキングブレーキ
装置。この装置によれば、複数のパーキングブレーキの
うち実質的に同じ時期に作動させるものの組み合わせを
変更可能となり、電動式パーキングブレーキ装置の使い
勝手が向上する。 (23)複数の車輪を備えた車両に設けられ、それら複数の
車輪にそれぞれ設けられた複数のパーキングブレーキ
と、それら複数のパーキングブレーキをそれぞれ作動さ
せる複数の電動モータと、それら複数の電動モータの各
々に電力を供給して各電動モータに対応する前記パーキ
ングブレーキを作動させることにより、前記車両をパー
キングするパーキングブレーキ制御装置とを含む電動式
パーキングブレーキ装置において、前記パーキングブレ
ーキ制御装置に、前記複数のパーキングブレーキのうち
実質的に同じ時期に作動させるものの組み合わせを変更
する組合せ変更装置を設けたことを特徴とする電動式パ
ーキングブレーキ装置〔請求項5〕。この装置によれ
ば、上記(22)項に記載の装置と同様に、複数のパーキン
グブレーキのうち実質的に同じ時期に作動させるものの
組み合わせを変更可能となり、電動式パーキングブレー
キ装置の使い勝手が向上する。本項および以下の項に記
載の各特徴は、前記(1) ないし(21)項に記載の各特徴と
一緒に採用可能である。 (24)前記組合せ変更装置が、(a) 前記組合せを変更する
ために人間により操作される組合せ変更操作部材と、
(b) その組合せ変更操作部材の操作に基づいて前記組合
せを変更する手動変更手段とを含む(22)または(23)項に
記載の電動式パーキングブレーキ装置。この装置によれ
ば、人間の操作に応じて、作動するパーキングブレーキ
の組合せを変更し得る。 (25)前記組合せ変更装置が、(a) 前記車両の操舵角,操
舵角変化速度,車両速度等、車両の運動状態を表す車両
運動状態量を検出する車両運動状態量センサと、(b) そ
の車両運動状態量センサの検出値に基づいて前記組合せ
を変更する自動変更手段とを含む(22)ないし(24)項のい
ずれかに記載の電動式パーキングブレーキ装置。この装
置によれば、車両運動状態量に基づいて自動的に、作動
するパーキングブレーキの組合せを変更し得る。 (26)前記複数の車輪が、前記車両の前後左右にそれぞれ
設けられており、前記組合せが、すべての車輪から成る
第1の組合せと、左右の後輪から成る第2の組合せとを
含む(22)ないし(25)項のいずれかに記載の電動式パーキ
ングブレーキ装置。この装置によれば、第2の組合せを
選択することにより、車両をスピンターンさせることが
可能となる。 (27)前記組合せ変更装置が、運転者が前記車両をスピン
ターンさせることを希望する可能性がある場合に、前記
第2の組合せを選択し、そうでない場合に、前記第1の
組合せを選択する組合せ選択手段を含む(26)項に記載の
電動式パーキングブレーキ装置。この装置によれば、運
転者が車両をスピンターンさせることを希望する可能性
がある場合に自動的に、車両にスピンターンを行わせる
のに適当な組合せが選択される。 (28)前記組合せ選択手段が、前記車両の操舵角の絶対値
が基準値を超えることと操舵角速度の絶対値が基準値を
超えることと車両速度が基準値より低いこととの少なく
とも一つが成立した場合に、運転者が前記車両をスピン
ターンさせることを希望する可能性があると判定する判
定手段を含む(27)項に記載の電動式パーキングブレーキ
装置。 (29)ブレーキ装置の作動に関連するブレーキ関連量を検
出する装置であって、各々前記ブレーキ関連量を検出す
る3個のセンサと、それら3個のセンサにより互いに実
質的に同時にそれぞれ検出された3個の検出値のうちの
2個以上が互いに実質的に整合する場合には、それら互
いに実質的に整合する2個以上の検出値のいずれかまた
はそれらの総合値を前記ブレーキ関連量の実際値に決定
する実際値決定装置とを含むことを特徴とするブレーキ
関連量検出装置。同じ物理量を検出するか、または同じ
ではないが相互に関連する物理量を検出する3個のセン
サにつき、2個以上のセンサが同時に故障することはな
く、常に2個以上のセンサが正常であると仮定すること
が可能である。この仮定の下では、3個のセンサの3個
の検出値のうち互いに実質的に整合する2個以上の検出
値に対応する2個以上のセンサはいずれも正常であると
いう事実を誘導することができる。このような知見に基
づき、本項に記載の装置においては、3個のセンサの3
個の検出値のうちの2個以上が互いに実質的に整合する
場合には、それら互いに実質的に整合する2個以上の検
出値のいずれも正常であると推定され、それら2個以上
の検出値のいずれかまたはそれらの総合値がブレーキ関
連量の実際値に決定される。したがって、この装置によ
れば、3個のセンサのうち2個以上が同時に故障しない
限り、ブレーキ関連量を精度よく検出可能となり、その
装置の耐故障性が向上する。ここに「ブレーキ関連量」
は例えば、ブレーキ操作力,ブレーキ操作ストローク,
ブースタ負圧,マスタシリンダ液圧,ブレーキシリンダ
液圧,車体減速度,車両ヨーレイト,車両横加速度等と
することができる。また「センサ」は、車両に搭載され
るセンサであれば如何なるものも採用可能であり、例え
ば、ブレーキ操作ストロークセンサ等、ストロークセン
サを採用したり、ブレーキ操作力センサ等、力センサを
採用したり、マスタシリンダ液圧センサ,ブースタ負圧
センサ,ブレーキシリンダ液圧センサ等、圧力センサを
採用したり、車両速度センサ,ヨーレイトセンサ等、速
度センサを採用したり、車体減速度センサ,車体加速度
センサ等、加減速度センサを採用することが可能であ
る。本項および以下の項に記載の各特徴は、前記(1) な
いし(28)項に記載の各特徴と一緒に採用可能である。 (30)前記総合値が、前記互いに実質的に整合する2個以
上の検出値の平均値である(29)項に記載のブレーキ関連
量検出装置。 (31)前記3個のセンサが、3個のブレーキ関連量とし
て、物理量として互いに同じものを検出する(29)または
(30)項に記載のブレーキ関連量検出装置。この装置にお
いては、3個のセンサを例えば、3個のブレーキ操作ス
トロークセンサとして構成したり、3個のマスタシリン
ダ液圧センサとして構成することができる。 (32)前記3個のセンサが、3個のブレーキ関連量とし
て、それらのうち2個以上が物理量として同じではない
が相互に関連するものを検出する(29)または(30)項に記
載のブレーキ関連量検出装置。この装置においては、3
個のセンサを例えば、ブレーキ操作ストロークセンサと
ブレーキ操作力センサとマスタシリンダ液圧センサとし
て構成したり、ブレーキ操作ストロークセンサとマスタ
シリンダ液圧センサと車体減速度センサとして構成する
ことができる。 (33)動力源とその動力源により少なくとも一つが駆動さ
れる複数の車輪と前記動力源を作動させる作動位置と作
動させない非作動位置とに運転者により操作される動力
源スイッチとを備えた車両に設けられ、前記複数の車輪
の少なくとも一つに設けられたパーキングブレーキと、
そのパーキングブレーキを作動させる電動モータと、そ
の電動モータに電力を供給して前記パーキングブレーキ
を作動させることにより、前記車両をパーキングするパ
ーキングブレーキ制御装置とを含む電動式パーキングブ
レーキ装置において、前記パーキングブレーキ制御装置
に、前記動力源スイッチが非作動位置にある状態で、前
記電動モータに電力を供給し、それにより前記パーキン
グブレーキの実作動力を変更する実作動力変更装置を設
けたことを特徴とする電動式パーキングブレーキ装置。
この装置によれば、動力源スイッチが非作動位置にある
状態でも、パーキングブレーキの実作動力を変更可能と
なり、それにより、電動式パーキングブレーキ装置の使
い勝手が向上する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明のさらに具体的な実
施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
【0008】図1には、本発明の第1実施形態である電
動式パーキングブレーキ装置を含むブレーキシステムが
示されている。このブレーキシステムは、左右前輪F
L,FRと左右後輪RL,RRとを備えた4輪自動車に
設けられている。この車両は、動力源としてのエンジン
(内燃機関)10と、駆動力伝達装置としてのオートマ
チックトランスミッション(以下、「AT」と略称す
る)12とを備えており、それらエンジン10とAT1
2とにより、左右前輪と左右後輪との少なくとも一方で
ある駆動車輪が駆動され、それにより、車両が駆動され
る。
【0009】それら4輪にはそれぞれ、超音波モータ1
4を駆動源とするとともに流体圧を使用しない電動式デ
ィスクブレーキ(以下、単に「ブレーキ」という)16
が設けられている。各ブレーキ16は、主ブレーキまた
はパーキングブレーキとして選択的に作動させられる。
図2には、4輪のうちの一つについて代表的にブレーキ
16が示されている。
【0010】ブレーキ16は、車輪と共に回転する回転
体としてのディスクロータ17を備えている。ディスク
ロータ17の両面はそれぞれ摩擦面18a,18bとさ
れ、それら摩擦面18a,18bに対向して一対のブレ
ーキパッド20a,20bが配設されている。各ブレー
キパッド20a,20bは、前面において各摩擦面18
a,18bと接触する摩擦材22を備えるとともに、そ
の摩擦材22の背面に鋼製の裏板24が固着された構造
とされている。
【0011】ブレーキ10は、パッド支持機構26とパ
ッド加圧機構28とを備えており、まず、パッド支持機
構26について説明する。
【0012】ブレーキ16はマウンティングブラケット
30を備えている。マウンティングブラケット30は、
ディスクロータ17を跨ぐ状態で車体に片持ち状にかつ
固定的に取り付けられている。マウンティングブラケッ
ト30は、(a) 一対のブレーキパッド20a,20bを
ディスクロータ17を両側から挟む位置において各摩擦
面18a,18bと直角な方向Yに移動可能に支持する
部分と、(b) 各ブレーキパッド20a,20bとディス
クロータ17との接触時に各ブレーキパッド20a,2
0bに発生する摩擦力を受ける部分(受け部材)とを備
えている。すなわち、マウンティングブラケット30が
パッド支持機構26を構成しているのである。
【0013】次に、パッド加圧機構28について説明す
る。ブレーキ16はキャリパ60を備えている。キャリ
パ60は、パッド押圧関連部60aとモータ取付部60
bと支持部60cとが一体化されたキャリパ本体部61
と、後述のモータハウジング80とが互いに別部品とさ
れてねじ止めされた構造とされている。キャリパ本体部
61は、さらに、各々パッド移動方向Yに平行に延びる
一対のアーム(図示しない)を備えている。それら一対
のアームもキャリパ本体部61に一体的に形成されてい
る。
【0014】キャリパ本体部61は、パッド押圧関連部
60aにおいてマウンティングブラケット30にパッド
移動方向Yに摺動可能に支持されている。キャリパ60
は浮動式なのである。また、前記各アームに、各々パッ
ド移動方向Yに平行に延びる2本のピン(図示しない)
が取り付けられており、それら2本のピンはマウンティ
ングブラケット30にパッド移動方向Yに摺動可能に嵌
合されている。以上要するに、キャリパ本体部61は、
パッド押圧関連部60aと2本のピンとによりマウンテ
ィングブラケット30に摺動可能に支持されているので
ある。
【0015】パッド押圧関連部60aは、一対のブレー
キパッド20a,20bのうちの内側のインナパッド2
0bの背後に位置する押圧部64と、外側のアウタパッ
ド20aの背後に位置するリアクション部66と、ディ
スクロータ17を跨ぐ連結部68とが互いに一体化され
た構造とされている。
【0016】押圧部64には、加圧部材としての押圧ピ
ストン70がインナパッド20bの背後において摺動可
能に嵌合されている。押圧ピストン70はそれの前面に
おいてインナパッド20bの背面に接触させられる。押
圧ピストン70の背後には、超音波モータ14が同軸に
配置されている。押圧ピストン70と超音波モータ72
とは、パッド移動方向Yに平行に互いに同軸に配置され
るとともに、運動変換機構としてのボールねじ機構74
により互いに連結されている。
【0017】超音波モータ(以下、単に「モータ」とい
う)14は、進行波式である。このモータ14は、よく
知られているように、ステータに超音波振動を与えて表
面波を生じさせるとともに、ステータ82とロータ84
との間に働く摩擦力によってロータ84を回転させる。
モータ14は、有底円筒状のモータハウジング80にス
テータ82とロータ84とが同軸に収容された構造とさ
れている。ステータ82は弾性体90と圧電体92とが
重ね合わせられた構造とされている。
【0018】モータハウジング80は、底部に貫通穴を
有する本体部80aとその貫通穴を閉塞する閉塞部80
bとが互いに別部品とされてねじ止めされた構造とされ
ている。モータハウジング80は、それの開口部におい
て前記モータ取付部60bにねじ止めされている。
【0019】ロータ84は押圧接触機構94によってス
テータ82に押し付けられ、両者の間に必要な摩擦力が
得られるようになっている。ロータ84のうちステータ
82と接触する部分には摩擦材料が接着されている。こ
れにより、ステータ82に発生した進行波振動がロータ
84に伝達されてロータ84が回転させられる。その押
圧接触機構94により、圧電体92に電圧が印加されな
い非通電状態(OFF状態)でもステータ82とロータ
84との間には一定の摩擦力が生じ、この摩擦力により
静止保持トルクがモータ14に発生させられる。
【0020】前記ボールねじ機構74は、おねじ部材1
00とめねじ部材102とが複数個のボール(図示しな
い)を介して螺合された構造とされている。おねじ部材
100は回転は制限されるが軸方向移動は許容され、一
方、めねじ部材102は回転は許容されるが軸方向移動
は制限されている。
【0021】おねじ部材100は、モータハウジング8
0にスプライン嵌合部103によって回転不能に取り付
けられている。そのスプライン嵌合部103は、モータ
ハウジング80に位置固定に設けられている。
【0022】めねじ部材102には、ロータ84が押圧
接触機構94と共に相対回転不能に取り付けられてい
る。したがって、ロータ84が正回転すればめねじ部材
102も正回転し、めねじ部材102が正回転すればお
ねじ部材100が前進して(図において右方に移動し
て)押圧ピストン70がインナパッド20bがディスク
ロータ17に接近する向きに移動する。逆に、ロータ8
4が逆回転すればめねじ部材102も逆回転し、めねじ
部材102が逆回転すれば、おねじ部材100が後退し
て(図において左方に移動して)押圧ピストン70がイ
ンナパッド20bがディスクロータ17から離間する向
きに移動することが許容される。
【0023】めねじ部材102は、それの軸線方向に隔
たったラジアル軸受120とラジアルスラスト軸受12
2とを介してキャリパ本体部61の支持部60cに回転
可能に支持されている。また、めねじ部材102は、そ
れの外周面に形成された環状溝に固定手段としてのスナ
ップリング134が装着されるとともに、そのスナップ
リング134とめねじ部材102の大径軸部135とで
ラジアル軸受120とモータ取付部60bとラジアルス
ラスト軸受122とを挟むことにより、めねじ部材10
2の軸方向移動が制限されている。
【0024】おねじ部材100の先端部には荷重センサ
140が同軸に取り付けられており、おねじ部材100
はその荷重センサ140を介して押圧ピストン70に背
後から係合する。したがって、荷重センサ140からの
出力信号に基づき、モータ14によりインナパッド20
bが加圧される際の加圧力が検出可能となる。
【0025】このブレーキシステムは、主ブレーキ用の
操作装置を備えている。その操作装置は、図1に示すよ
うに、主ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル14
6を備えている。ブレーキペダル146は車体に回動可
能に取り付けられている。このブレーキペダル146に
は反力付与機構148が連携させられている。反力付与
機構148は、ブレーキペダル146の操作に応じた反
力をブレーキペダル146に、そのブレーキペダル14
6の操作ストロークに関連付けて付与する反力付与機構
148が連携させられている。反力付与機構148は、
ブレーキペダル146と連動する連動部材150が有底
のハウジング152に軸方向摺動可能に嵌合されるとと
もに、ハウジング152の底部と連動部材150との間
に圧縮型のスプリング(図示しない)が設けられた構造
とされている(図21参照)。そのスプリングにより、
ブレーキペダル146に反力が操作ストロークに関連付
けて付与されるのである。
【0026】このブレーキシステムはさらに、パーキン
グブレーキ用の操作装置も備えている。その操作装置は
ロータリ式のPKB(パーキングブレーキ)操作装置1
54とPKB(パーキングブレーキ)解除スイッチ15
6とを備えている。
【0027】PKB操作装置154は、従来の機械式パ
ーキングブレーキ装置におけるパーキングレバーまたは
パーキングペダルに代わるものであり、パーキングブレ
ーキ操作の有無とその強さとを後述のブレーキECU2
20に指令するために設けられている。そのため、PK
B操作装置154は、図3に示すように、車両のインス
トルメントパネル160に、運転席162に着座してい
る運転者から容易に届く位置に取り付けられている。図
において符号164はステアリングホイールを示してい
る。
【0028】これに対して、PKB解除スイッチ156
は、車両を自走させることが困難となって他の車両によ
り牽引することが必要となった場合に操作されるもので
ある。PKB解除スイッチ156は、車両のエンジンル
ーム内に設けられているが、PKB操作装置154と同
様に、運転席162に着座している運転者から容易に届
く位置に設けることが可能である。
【0029】ここで、PKB操作装置154の構造を詳
細に説明する。図4にはPKB操作装置154の正面
図、図5には側面図が示されている。それら図から明ら
かなように、PKB操作装置154は、インストルメン
トパネル160に取り付けられる取付けパネル170を
備えている。この取付けパネル170のうち垂下する部
分にロータリ式の操作部172が、車両前後方向に延び
る一軸線のまわりに回転可能に設けられている。操作部
172は、運転者に摘まれるべき長手形状のノブ(つま
み)174と円板176とが一体的に形成されて構成さ
れている。ノブ174の方向は円板176の一直径方向
に一致させられている。ノブ174の両端部のうち図に
おける上端部の向きが、操作部172の取付けパネル1
70に対する操作位置を指示している。そのため、取付
けパネル170には、パーキングブレーキを解除するた
めの操作位置と、パーキングブレーキを最大作用状態に
するための操作位置とをそれぞれ示す2つのマークが設
けられている。
【0030】PKB操作装置154には、従来の機械式
パーキングブレーキ装置における操作装置と同様な操作
フィーリングを実現するため、図5に示すように、ラチ
ェット機構180と解除ボタン182と自動復元機構1
83とを含むように構成されている。パーキングブレー
キの作動力を増加させるために操作部172を操作する
際には、特別な操作なしで操作部172の操作角度の増
加が許容されるとともに、その操作速度の増加につれて
操作力が増加し、一方、パーキングブレーキの作動力を
減少させるために操作部172を操作する際には、解除
ボタン182を押し続けるという操作を付加しない限
り、ラチェット機構180により、操作部172の操作
角度が減少することが禁止されるとともに、操作角度の
減少が許可されている状態では、操作部172が非操作
位置に復帰することが自動復元機構183によりアシス
トされる。
【0031】ラチェット機構180は、よく知られたも
のであるため、図6に基づいて簡単に説明する。なお、
この図は、PKB操作装置154の正面図であるととも
に、円板176の上部を破断した部分断面図でもある。
【0032】ラチェット機構180は、取付けパネル1
70の背面に固定されたハウジング185を備えてい
る。このハウジング185の内部には、取付けパネル1
70の面に平行にラチェットホイール184が固定され
ている。ラチェットホイール184には複数の鋸歯状歯
が一円周に沿って並んで形成されている。それら歯にポ
ール186が選択的にかみ合わされる。ポール186は
その先端部においてラチェットホイール184にかみ合
う。ハウジング185にはさらに、PKB操作装置15
4の操作部172の回転軸線に平行に回動軸188が固
定されており、この回動軸188のまわりにポール18
6が回動させられる。
【0033】解除ボタン(解除操作部材)182は、操
作部190と軸部192とを有して概して真っ直ぐに延
びている。解除ボタン182は、ノブ174の内部にそ
のノブ174と平行に移動可能に設けられている。解除
ボタン182の操作部190の上部がノブ174の上端
部から外部に突出させられている。解除ボタン182
は、スプリング194により、ノブ174から露出する
向きに常時付勢されるとともに、ストッパ196によ
り、ノブ174から離脱することが阻止されている。解
除ボタン182の軸部192の先端部が、上記ポール1
86の基端部に回動可能に連結されている。解除ボタン
182の操作によりポール186が回動させられるよう
になっているのであり、解除ボタン182が図示の原位
置にあるときには、ポール186がラチェットホイール
184とかみ合い、これにより、操作部172が取付け
パネル170に対して図において反時計方向(パーキン
グブレーキ解除方向)に回転することが阻止される。こ
れに対して、解除ボタン182がスプリング194の弾
性力に抗してノブ174内に押し込まれれば、ポール1
86がラチェットホイール184から離間し、これによ
り、操作部172が取付けパネル170に対して反時計
方向に回転することが許容される。また、運転者は、解
除ボタン182を押すことなく、操作部172を時計方
向(パーキングブレーキ作用方向)に回転させることが
できる。
【0034】図5に示すように、取付けパネル170の
背面にはさらに、回転角センサ198が取り付けられて
いる。回転角センサ198は、ハウジング200とその
ハウジング200に回転可能に取り付けられたロータ2
02とを備え、ロータ202の回転角に応じた信号を出
力する。回転角センサ198は例えば、ポテンショメー
タ式とすることができる。一方、PKB操作装置154
の操作部172にはシャフト204が同軸にかつ一体的
に回転可能に取り付けられている。このシャフト204
はラチェット機構180を貫通してロータ202に延び
ており、ロータ202に一体的に回転可能に係合されて
いる。したがって、操作部172の回転によりロータ2
02が回転させられる。
【0035】回転角センサ198には、ハウジング20
0とロータ202との間にスプリング206が設けられ
ている。このスプリング206はロータ202を常時、
図示しないストッパにより規定される初期位置(操作部
172の非操作位置に対応する)に向かって付勢してい
る。このスプリング206の弾性力はシャフト204を
介して操作部172に伝達される。したがって、このス
プリング206は前記自動復元機構183として機能す
る。
【0036】以上、このブレーキシステムの機械的構成
を説明したが、次に、電気的構成を図1に基づいて説明
する。
【0037】このブレーキシステムはブレーキ電子制御
ユニットECU(以下、「ブレーキECU」という)2
20を備えている。このブレーキECU220は、CP
U,ROMおよびRAMを含むコンピュータを主体とし
て構成されており、主ブレーキ操作時とパーキングブレ
ーキ操作時とに、モータ14によるブレーキパッド20
a,20bの加圧力を制御してブレーキ16を制御す
る。ブレーキECU220の電源として第1主バッテリ
210と第2主バッテリ212とが設けられている。第
1主バッテリ210は左右前輪のブレーキ16用に設け
られ、第2主バッテリ212は左右後輪のブレーキ16
用に設けられている。それにより、それら2つの主バッ
テリ210,212が一緒に異常とならない限り、ブレ
ーキECU220による前輪と後輪と少なくとも一方の
ブレーキ16の作動が確保される。
【0038】ブレーキECU220の入力側には、前記
荷重センサ140が4輪分接続されるとともに、前記P
KB解除スイッチ156と回転角センサ198とが接続
されている。さらに、エンジン10を点火させるために
操作されるイグニションスイッチ222と、車両の前後
速度を検出する車両速度センサ224と、各輪の回転速
度を検出する4輪分の車輪速度センサ225と、車両の
前後加速度を検出する加速度センサ226と、車両のヨ
ーレイトを検出するヨーレイトセンサ228と、車両の
舵角(ステアリングホイール164の操作角等)を検出
する舵角センサ230も接続されている。
【0039】さらに、ブレーキECU220の入力側に
は、前記ブレーキペダル146が操作されたことを検出
するブレーキペダルスイッチ234と、ブレーキペダル
146の操作ストロークを検出する操作ストロークセン
サ236とが接続されている。操作ストロークセンサ2
36は、ブレーキペダル146の回動角に応じた電圧信
号を出力する形式とされている。操作ストロークセンサ
236は例えば、ポテンショメータ式である。
【0040】一方、ブレーキECU220の出力側に
は、第1および第2ドライバ240,242が接続され
ている。第1ドライバ240は、電源としての第1補助
バッテリ244と左右前輪のブレーキ16の2個のモー
タ14との間に設けられている。一方、第2ドライバ2
42は、電源としての第2補助バッテリ246と左右後
輪のブレーキ16の2個のモータ14との間に設けられ
ている。主ブレーキ操作時およびパーキングブレーキ操
作時には、ブレーキECU220から各ドライバ24
0,242に指令が供給され、その指令に応じて各ドラ
イバ240,242が電力を各バッテリ244,246
から各モータ14に供給する。
【0041】さらに、ブレーキECU220の出力側に
は、エンジン10の図示しないエンジン出力制御装置
(スロットル制御装置,燃料供給制御装置,点火時期制
御装置等)と、AT12の図示しない変速制御装置(変
速ソレノイドを含む)とが接続されている。ブレーキE
CU220は、車両駆動時に、駆動車輪のスピンを抑制
すべく、それらエンジン出力制御装置および変速制御装
置に駆動力を抑制する信号を出力する。すなわち、ブレ
ーキECU220は、トラクション制御も実行するよう
になっているのである。
【0042】さらにまた、ブレーキECU220の出力
側には、ブレーキ警告器250が接続されている。ブレ
ーキ警告器250は、ブザー等、聴覚的に運転者の注意
を喚起する手段を含む形式としたり、ランプ等、視覚的
に運転者の注意を喚起する手段を含む形式としたり、そ
れら双方を含む形式とすることができる。
【0043】さらにまた、ブレーキECU220の出力
側には、監視&フェール検出ECU252が接続されて
いる。この監視&フェール検出ECU252は、ブレー
キ16に関連する電気・電子部品の実際の作動状態を監
視し、その結果に基づいてそれら電気部品等のフェール
を検出する。さらに、フェールを検出した場合には、上
記ブレーキ警告器250を使って運転者に警告を出す。
【0044】図7には、ブレーキECU220のコンピ
ュータのROMに記憶されているブレーキ制御ルーチン
がフローチャートで表されている。
【0045】本ルーチンを概略的に説明すれば、本ルー
チンは主ブレーキ操作時とパーキングブレーキ操作時と
にモータ14を制御してブレーキ16を制御する。主ブ
レーキ操作時には、主ブレーキ操作量Am を検出し、そ
の検出値と、車両の加速度,速度,ヨーレイト等、車両
状態量の検出値とに基づき、ブレーキパッド20a,2
0bをモータ14により加圧する力(以下、「ブレーキ
パッド加圧力」という)の目標値を演算し、その目標値
が実現されるようにモータ14を、荷重センサ140に
より実加圧力をフィードバックしつつ制御する。
【0046】本ルーチンは、パーキングブレーキ操作が
イグニションスイッチ222がONである場合のみなら
ず、OFFである場合にも行なわれることを考慮し、O
N時とOFF時とのそれぞれに、ブレーキ16をパーキ
ングブレーキとして機能させる。イグニションスイッチ
222のON時には、パーキングブレーキ操作量Ap
検出値に基づき、パーキングブレーキ操作時であるか、
それの解除操作時であるかを判定し、パーキングブレー
キ操作時には、パーキングブレーキ操作量Ap の検出値
に基づいてブレーキパッド加圧力をモータ14により制
御し、一方、解除操作時には、ブレーキパッド20a,
20bが作用位置から非作用位置に戻るようにモータ1
4を制御するとともに非作用位置においてブレーキ16
に引きずりが生じないようにする。なお、イグニション
スイッチ222のON時においてパーキングブレーキ操
作は、運転者の意図通り行なわれている場合に限らず、
運転者の意図に反して行なわれている場合もある。そこ
で、本ルーチンは、イグニションスイッチ222のON
時にパーキングブレーキ操作が行なわれていると判定し
た場合には、そのことを運転者に警告する。これに対し
て、イグニションスイッチ222のOFF時には、PK
B解除スイッチ156が操作されていない場合には、各
輪のブレーキパッド加圧力の実際値が設定値となるよう
にモータ14を制御し、PKB解除スイッチ156が操
作された場合には、ブレーキ16の作用が解除されるよ
うにモータ14を制御する。
【0047】次に、本ルーチンの内容を図7を参照して
具体的に説明する。なお、本ルーチンは4輪について順
にかつ繰り返し実行されるが、説明を簡単にするため
に、以下、本ルーチンが同じ車輪について制御周期Tで
繰り返し実行されると仮定して説明する。
【0048】本ルーチンの各回の実行時にはまず、ステ
ップS1(以下、単にS1で表す。他のステップについ
ても同じとする)において、イグニションスイッチ22
2がONであるか否か、すなわち、運転者により車両走
行開始指令が出されたか否かが判定される。今回はON
であると仮定すれば、判定がYESとなり、S2におい
て、RAMに設けられているフラグF1 とF2 とがいず
れも0とされる。それらフラグの機能は後述する。続い
て、S3において、ブレーキペダルスイッチ234がO
FFであるか否か、すなわち、主ブレーキ操作時ではな
いか否かが判定される。今回はOFFであると仮定すれ
ば、判定がYESとなり、S4において、パーキングブ
レーキ操作量AP がPKB操作装置154の回転角セン
サ198により操作部172の操作角として検出され
る。その後、S5において、パーキングブレーキ操作量
P の検出値が、0より少し大きい基準値A0 以上であ
るか否かが判定される。パーキングブレーキ操作量AP
の検出値が0でない限り、現在パーキングブレーキ操作
が行なわれていると判定する場合には、実際には運転者
が意図しないにもかかわらず検出値が0よりわずかに外
れてしまう場合があることを考慮すると、運転者の意図
に反してパーキングブレーキが作動させられてしまうこ
とになる。そこで、パーキングブレーキ操作量AP の検
出値に遊びを持たせる意味において、パーキングブレー
キ操作量AP の検出値が基準値A0 以上であるか否かが
判定され、基準値A0 以上である場合には、判定がYE
Sとなり、このことは実質的なパーキングブレーキ操作
が行なわれていると判定されていることを表す。今回は
基準値A0 以上ではないと仮定すれば、判定がNOとな
り、S6において、各輪のブレーキパッド加圧力Ffr
fl,Frr,Frlの目標値が、すべてのブレーキ16が
解除されるとともにすべてのブレーキ16の引きずりが
0とされるように演算される。具体的には、各輪のブレ
ーキパッド加圧力F fr,Ffl,Frr,Frlの目標値がす
べて0とされる。その後、S7において、演算された各
目標値が実現されるように各モータ14が制御される。
以上で本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0049】これに対して、パーキングブレーキ操作量
P の検出値が基準値A0 以上であると仮定すれば、S
5の判定がYESとなり、S8において、各輪のブレー
キパッド加圧力Ffr,Ffl,Frr,Frlの目標値が、パ
ーキングブレーキ操作量APに応じた大きさとなるよう
に演算される。具体的には、右前輪FRのブレーキパッ
ド加圧力Ffrの目標値は、 Ffr=Kf ・AP なる式で、左前輪FLのブレーキパッド加圧力Fflの目
標値は、 Ffl=Kf ・AP なる式で、右後輪RRのブレーキパッド加圧力Frrの目
標値は、 Frr=Kr ・AP なる式で、左後輪RLのブレーキパッド加圧力Frlの目
標値は、 Frl=Kr ・AP なる式でそれぞれ演算される。それら式において
「Kf 」は左右前輪用の係数、「Kr 」は左右後輪用の
係数である。
【0050】その後、S9において、演算された各目標
値が実現されるように各モータ14が制御される。続い
て、S10において、ブレーキ警告器250が作動させ
られ、それにより、現在パーキングブレーキ操作中であ
ることが運転者に知らせられる。これにより、運転者が
意図しないパーキングブレーキ操作が行なわれているこ
とに気付くことができる。以上で本ルーチンの一回の実
行が終了する。
【0051】なお、ブレーキ警告器250の作動態様に
つき、そのブレーキ警告器250がランプとブザーとの
双方を有する場合に、車両走行時にはそれらランプとブ
ザーとの双方を作動させて運転者に警告する一方、車両
停止時にはランプのみ作動させて運転者に警告する態様
とすることができる。運転者の注意を喚起する強さはブ
ザーにおいてランプにおけるより強いのが一般的であ
り、一方、行なわれているパーキングブレーキ操作が運
転者の意図に反する可能性は車両走行時において車両停
止時におけるより大きい。そこで、イグニションスイッ
チ222がONである状態でパーキングブレーキ操作が
行なわれている場合には、運転者に対する警告を車両走
行時には強く、車両停止時には弱く行なう態様とするこ
とができるのである。
【0052】以上、イグニションスイッチ222はO
N、ブレーキペダルスイッチ234はOFFである場合
を説明したが、以下、イグニションスイッチ222もブ
レーキペダルスイッチ234もONである場合を説明す
る。
【0053】この場合、S1の判定はYES、S3の判
定はNOとなり、S11以下に移行する。S11におい
ては、主ブレーキ操作量Am が操作ストロークセンサ2
36によりブレーキペダル146の操作ストロークとし
て検出される。その後、S12において、各種センサの
検出値が入力される。具体的には、加速度センサ226
による加速度Gの検出値と、車両速度センサ224によ
る車両速度Vの検出値と、ヨーレイトセンサ228によ
るヨーレイトγの検出値とが入力される。続いて、S1
3において、各輪のブレーキパッド加圧力Ffr,Ffl
rr,Frlの目標値が、主ブレーキ操作量AP と、車両
運動状態量の実際値、すなわち、加速度Gの検出値,車
両速度Vの検出値およびヨーレイトγの検出値とに応じ
て、運転者の意図が反映されるとともに、車両挙動が不
安定とならないように、演算される。具体的には、右前
輪FRのブレーキパッド加圧力Ffrの目標値は、 Ffr=Kfr(G,V,γ)・AP なる式で、左前輪FLのブレーキパッド加圧力Fflの目
標値は、 Ffl=Kfl(G,V,γ)・AP なる式で、右後輪RRのブレーキパッド加圧力Frrの目
標値は、 Frr=Krr(G,V,γ)・AP なる式で、左後輪RLのブレーキパッド加圧力Frlの目
標値は、 Frl=Krl(G,V,γ)・AP なる式でそれぞれ演算される。それら式において「Kfr
(G,V,γ)」,「K fl(G,V,γ)」,「K
rr(G,V,γ)」および「Krl(G,V,γ)」はそ
れぞれ、右前輪FR,左前輪FL,右後輪RRおよび左
後輪RLのための係数であるが、それら係数はいずれ
も、加速度G,車両速度Vおよびヨーレイトγを変数と
した関数で表現されている。
【0054】その後、S14において、演算された各目
標値が実現されるように各モータ14が制御される。以
上で本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0055】以上、イグニションスイッチ222がON
である場合を説明したが、以下、OFFである場合を説
明する。
【0056】この場合、S1の判定がNOとなり、S1
5以下に移行する。S15においては、PKB解除スイ
ッチ156がONであるか否かが判定される。今回はO
FFであると仮定すれば、判定がNOとなり、S16に
おいて、フラグF1 が1であるか否かが判定される。今
回は0であるから、判定がNOとなり、S17におい
て、各輪のブレーキパッド加圧力Ffr,Ffl,Frr,F
rlの目標値が、車両が停止状態に維持されるように演算
される。具体的には、右前輪FRと左前輪FLとのブレ
ーキパッド加圧力Ffr,Fflの目標値はいずれも設定値
FF(一定値)に、右後輪RRと左後輪RLとのブレー
キパッド加圧力Frr,Frlの目標値はいずれも設定値F
R(一定値)に演算される。その後、S18において、
演算された各目標値が実現されるように各モータ14が
制御される。続いて、S19において、各モータ14が
OFFにされる。これにより、各モータ14に静止保持
トルクが発生させられ、その静止保持トルクにより車両
が停止状態に維持される。その後、S20において、フ
ラグF1 は1、フラグF2 は0とされる。以上で本ルー
チンの一回の実行が終了する。
【0057】その後、再び本ルーチンが実行され、この
とき、依然としてイグニションスイッチ222がON、
PKB解除スイッチ156がOFFであると仮定すれ
ば、今回はフラグF1 が1であるから、S16の判定が
YESとなり、S17〜S20がスキップされる。ブレ
ーキパッド加圧力(パーキングブレーキの実作動力に対
応する)を変更することが必要でない限り、モータ14
への電力供給が阻止され、それにより、消費電力量が削
減されているのである。
【0058】その後、PKB解除スイッチ156がON
となったと仮定すれば、S15の判定がYESとなり、
S21において、フラグF2 が1であるか否かが判定さ
れる。今回は0であるから、判定がNOとなり、S22
において、各輪のブレーキパッド加圧力Ffr,Ffl,F
rr,Frlの目標値が、各ブレーキ16が解除されるよう
に演算される。具体的には、すべての車輪のブレーキパ
ッド加圧力Ffr,Ffl,Frr,Frlの目標値がいずれも
0に演算される。その後、S23において、演算された
各目標値が実現されるように各モータ14が制御され
る。続いて、S24において、各モータ14がOFFに
される。各モータ14が非作用状態に復元されるのであ
る。その後、S25において、フラグF1 は0、フラグ
2 は1とされる。以上で本ルーチンの一回の実行が終
了する。
【0059】その後、再び本ルーチンが実行され、この
とき、依然としてイグニションスイッチ222がON、
PKB解除スイッチ156もONであると仮定すれば、
今回はフラグF2 が1であるから、S21の判定がYE
Sとなり、S22〜S25がスキップされる。ブレーキ
パッド加圧力を変更することが必要でない限り、モータ
14への電力供給が阻止され、それにより、消費電力量
が削減されているのである。
【0060】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、エンジン10が「動力源」に相当し、イ
グニションスイッチ222が「動力源スイッチ」に相当
し、ブレーキ16が「パーキングブレーキ」に相当し、
モータ14が「電動モータ」に相当し、モータ14の静
止保持トルク発生機構が「作動力保持機構」に相当し、
PKB操作装置154とPKB解除スイッチ156とブ
レーキECU220のうち図7のS1およびS15〜S
25を実行する部分とが互いに共同して「パーキングブ
レーキ制御装置」を構成し、そのうちPKB解除スイッ
チ156とブレーキECU220のうち同図のS1,S
15,S21〜S24を実行する部分が「実作動力変更
装置」を構成しているのである。また、PKB解除スイ
ッチ156が「パーキングブレーキ解除スイッチ」に相
当し、ブレーキECU220のうち図7のS1,S1
5,S21〜S24を実行する部分が「第1モータ制御
手段」を構成しているのである。
【0061】次に、本発明の第2実施形態を説明する。
ただし、本実施形態は先の第1実施形態と共通する要素
が多く、異なるのはブレーキ制御ルーチンのみであるた
め、そのルーチンのみを詳細に説明し、共通する要素に
ついては同一の符号を使用することによって詳細な説明
を省略する。
【0062】本実施形態におけるブレーキ制御ルーチン
は、第1実施形態におけるブレーキ制御ルーチンと基本
的には設計思想が共通する。しかし、異なる設計思想も
存在する。以下、その概略を説明する。
【0063】第1実施形態におけるブレーキ制御ルーチ
ンにおいては、イグニションスイッチ222がOFFで
ある場合には、時期を問わず、PKB解除スイッチ15
6が操作されれば、電動式パーキングブレーキが解除さ
れ(ブレーキ16がパーキングブレーキとして機能する
ことが終了し)、PKB解除スイッチ156の操作が解
除されれば、電動式パーキングブレーキが作動する。こ
れに対して、本実施形態におけるブレーキ制御ルーチン
においては、PKB解除スイッチ156の誤操作により
電動式パーキングブレーキが解除されてしまうことを防
止するため、PKB解除スイッチ156が操作されると
同時に、それとは別のスイッチが操作された場合に、す
なわち、イグニションスイッチ222がOFFに操作さ
れた場合に、電動式パーキングブレーキが解除されるよ
うになっている。具体的には、イグニションスイッチ2
22がONからOFFに操作された時期以外の時期にP
KB解除スイッチ156が操作されてもそれがブレーキ
ECU220により無視されるようになっているのであ
る。
【0064】さらに、本実施形態におけるブレーキ制御
ルーチンは、ブレーキECU220の消費電力が、第1
実施形態におけるより少なくなるように設計されてい
る。第1実施形態においては、ブレーキパッド加圧力を
変更することが必要でない場合には、イグニションスイ
ッチ222がOFFであるときのブレーキ制御ルーチン
の各回の実行時に、図7に示すように、S1,S15お
よびS16が実行される場合と、S1,S15およびS
21が実行される場合とがあるが、いずれの場合にも、
3つのステップが実行される。これに対して、本実施形
態においては、イグニションスイッチ222がOFFで
あるときのブレーキ制御ルーチンの各回の実行時に、2
つのステップのみ、すなわち、図8に示すS51とS6
5のみが実行されるように設計されている。これによ
り、イグニションスイッチ222がOFFであるときの
ブレーキECU220の消費電力量が第1実施形態にお
けるより少なくされている。以下、ブレーキ制御ルーチ
ンの各回の実行時にそれらS51とS65のみが実行さ
れるモードをECU省エネモードという。
【0065】図8には、本実施形態におけるブレーキ制
御ルーチンがフローチャートで表されている。以下、本
ルーチンを説明するが、第1実施形態におけるブレーキ
制御ルーチンと共通するステップが多いため、異なるス
テップについてのみ詳細に説明する。
【0066】本ルーチンは、第1実施形態におけると同
様に、極く短い時間間隔(例えば、5〜10ms)で実
行が繰り返される。各回の実行時にはまず、まず、S5
1において、イグニションスイッチ222がONである
か否かが判定される。ONであると仮定すれば、判定が
YESとなり、S52において、ECU省エネモードが
解除される。その後、S53〜S64が、図7における
S3〜S14と同様に実行される。以上で本ルーチンの
一回の実行が終了する。
【0067】これに対して、今回はイグニションスイッ
チ222がOFFであると仮定すれば、S51の判定が
NOとなり、S65において、本ルーチンの前回の実行
時にもイグニションスイッチ222がOFFであったか
否かが判定される。前回の実行時にはイグニションスイ
ッチ222がONであったと仮定すれば、判定がNOと
なり、S66において、PKB解除スイッチ156がO
Nであるか否かが判定される。今回はOFFであると仮
定すれば、判定がNOとなり、S67〜S69が、図7
におけるS17〜S19と同様に実行される。それによ
り、ブレーキ16がパーキングブレーキとして作動させ
られて車両が停止状態に維持される。その後、S70に
おいて、ECU省エネモードが確立される。以上で本ル
ーチンの一回の実行が終了する。
【0068】これに対して、イグニションスイッチ22
2がONからOFFに操作されるのと実質的に同時にP
KB解除スイッチ156がOFFからONに操作された
と仮定すれば、イグニションスイッチ222がONであ
り、かつ、本ルーチンの前回の実行時にはイグニション
スイッチ222がONであり、かつ、PKB解除スイッ
チ156がONであるため、S51の判定はNO、S6
5の判定もNO、S66の判定はYESとなり、S71
〜S73が、図7におけるS22〜S24と同様に実行
される。それにより、ブレーキ16がパーキングブレー
キとして作動することが解除されて車両が発進可能な状
態に移行する。その後、S74において、ECU省エネ
モードが確立される。以上で本ルーチンの一回の実行が
終了する。
【0069】また、本ルーチンの前回の実行時にもイグ
ニションスイッチ222がOFFであったと仮定すれ
ば、S51の判定はNO、S65の判定はYESとな
り、直ちに本ルーチンの一回の実行が終了する。以後、
イグニションスイッチ222がOFFである限り、本ル
ーチンの各回の実行時にはS51とS65のみが実行さ
れ、それにより、ブレーキECU220の消費電力量が
節減される。
【0070】なお、本実施形態においては、イグニショ
ンスイッチ222がOFFに操作されるのと実質的に同
時にPKB解除スイッチ156がONに操作され、その
結果、パーキングブレーキが解除された後には、イグニ
ションスイッチ222がONに操作されない限り、パー
キングブレーキを作動させることはできない。これに対
して、このブレーキシステムに機械式の緊急ブレーキを
設ければ、イグニションスイッチ222がOFFに操作
されるのと実質的に同時にPKB解除スイッチ156が
ONに操作された後にも、車両をパーキングすることが
可能となる。機械式の緊急ブレーキには例えば、緊急ブ
レーキ操作部材(ペダルまたはレバー)により機械的に
作動させられるドラムブレーキを採用可能である。
【0071】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、PKB操作装置154とPKB解除スイ
ッチ156とブレーキECU220のうち図8のS51
およびS65〜S74を実行する部分とが互いに共同し
て「パーキングブレーキ制御装置」を構成し、そのうち
PKB解除スイッチ156とブレーキECU220のう
ち同図のS51,S66,S71〜S74を実行する部
分が「実作動力変更装置」を構成しているのである。ま
た、PKB解除スイッチ156が「パーキングブレーキ
解除スイッチ」に相当し、ブレーキECU220のうち
図8のS51,S65,S71〜S73を実行する部分
が「第1モータ制御手段」を構成しているのである。
【0072】次に、本発明の第3実施形態を説明する。
ただし、本実施形態は第1実施形態と共通する要素が多
く、異なるのはブレーキ制御ルーチンとそれに関連する
電気的構成であるため、異なる要素についてのみ詳細に
説明し、共通する要素については同一の符号を使用する
ことによって詳細な説明を省略する。
【0073】第1実施形態においては、イグニションス
イッチ222がONである状態でPKB操作装置154
が操作された場合には、4輪すべてのブレーキ16がパ
ーキングブレーキとして作動させられるようになってい
る。これに対して、本実施形態においては、4輪すべて
のブレーキ16がパーキングブレーキとして作動する状
態と、後2輪のブレーキ16のみがパーキングブレーキ
として作動する状態とに運転者により切換え可能となっ
ている。そのため、図9に示すように、PKB(パーキ
ングブレーキ)切換スイッチ300が第1実施形態に対
して追加されている。PKB切換スイッチ300は、4
輪すべてのブレーキ16がパーキングブレーキとして作
動する状態を実現する第1操作位置と、後2輪のブレー
キ16のみがパーキングブレーキとして作動する状態を
実現する第2操作位置とに切り換えられる。
【0074】図10には、第1実施形態におけるS8を
変形させたものがブレーキパッド加圧力演算ルーチンと
してフローチャートで表されている。本ルーチンにおい
てはまず、S101において、PKB切換スイッチ30
0の現在の操作位置が第1操作位置であるか第2操作位
置であるかが判定される。第1操作位置であると仮定す
れば、S102において、各輪のブレーキパッド加圧力
fr,Ffl,Frr,F rlの目標値が、4輪のブレーキ1
6がすべてパーキングブレーキとして作動するように演
算される。具体的には、右前輪FRのブレーキパッド加
圧力Ffrの目標値は、 Ffr=Kf0・AP なる式で、左前輪FLのブレーキパッド加圧力Fflの目
標値は、 Ffl=Kf0・AP なる式で、右後輪RRのブレーキパッド加圧力Frrの目
標値は、 Frr=Kr1・AP なる式で、左後輪RLのブレーキパッド加圧力Frlの目
標値は、 Frl=Kr1・AP なる式でそれぞれ演算される。それら式において
「Kf0」は左右前輪用の係数、「Kr1」は左右後輪用の
係数である。
【0075】これに対して、PKB切換スイッチ300
の現在の操作位置が第2操作位置であると仮定すれば、
S103において、各輪のブレーキパッド加圧力Ffr
fl,Frr,Frlの目標値が、後2輪のブレーキ16の
みがパーキングブレーキとして作動するように演算され
る。具体的には、右前輪FRのブレーキパッド加圧力F
frの目標値と左前輪FLのブレーキパッド加圧力Ffl
目標値とは、共に0となるように演算され、また、右後
輪RRのブレーキパッド加圧力Frrの目標値は、 Frr=Kr2・AP なる式で、左後輪RLのブレーキパッド加圧力Frlの目
標値は、 Frl=Kr2・AP なる式でそれぞれ演算される。それら式において
「Kr2」は左右後輪用の係数である。
【0076】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、PKB切換スイッチ300とブレーキE
CU220のうち図10のS101〜S103を実行す
る部分とが互いに共同して「組合せ変更装置」を構成し
ているのである。
【0077】図11〜図13には、ブレーキパッド加圧
力演算ルーチンの別の変形例が示されている。図10に
示すブレーキパッド加圧力演算ルーチンにおいては、4
輪のうちブレーキ16がパーキングブレーキとして作動
させられるものが、4輪すべてであるモードと、後2輪
のみであるモードとが手動で切り換えられるようになっ
ているが、図11〜図13に示す3つの変形例において
は、自動で切り換えられるようになっている。それら3
つの変形例においては、イグニションスイッチ222が
ONである状態で行なわれるパーキングブレーキ操作
は、運転者が車両をスピンターンさせようとして行なわ
れている可能性があることを考慮し、後2輪のブレーキ
16を作動させることと共同して車両をスピンターンさ
せるのに必要なステアリング操作や、そのようなスピン
ターンが行なわれるときに一般的に実現される車両状態
を検出し、それらが検出されたときに、後2輪のブレー
キ16のみを作動させ、それにより、ステアリング操作
と共同して後2輪の横すべりを誘発させる。
【0078】具体的には、図11に示すブレーキパッド
加圧力演算ルーチンにおいては、S121において、舵
角センサ230により舵角δが検出されるとともに、そ
の検出値が基準値K以上であるか否かが判定される。基
準値K以上でなければ、判定がNOとなり、S122に
おいて、図10におけるS102と同様にしてブレーキ
パッド加圧力Ffr,Ffl,Frr,Frlの目標値が、4輪
のブレーキ16がパーキングブレーキとして作動するよ
うに演算される。これに対して、舵角δの検出値が基準
値K以上であれば、S121の判定がYESとなり、S
123において、図10におけるS103と同様にして
ブレーキパッド加圧力Ffr,Ffl,Frr,Frlの目標値
が、後2輪のブレーキ16のみがパーキングブレーキと
して作動するように演算される。
【0079】すなわち、本変形例においては、舵角セン
サ230とブレーキECU220のうち図11のS12
1〜S123を実行する部分とが互いに共同して「組合
せ変更装置」を構成しているのである。
【0080】図12に示すブレーキパッド加圧力演算ル
ーチンにおいては、S141において、車両速度センサ
224により車両速度Vが検出されるとともに、その検
出値が基準値L以上であるか否かが判定される。基準値
L以上でなければ、判定がNOとなり、S142におい
て、図10におけるS102と同様にしてブレーキパッ
ド加圧力Ffr,Ffl,Frr,Frlの目標値が、4輪のブ
レーキ16がパーキングブレーキとして作動するように
演算される。これに対して、車両速度Vの検出値が基準
値L以上であれば、S141の判定がYESとなり、S
143において、図10におけるS103と同様にして
ブレーキパッド加圧力Ffr,Ffl,Frr,Frlの目標値
が、後2輪のブレーキ16のみがパーキングブレーキと
して作動するように演算される。
【0081】すなわち、本変形例においては、車両速度
センサ224とブレーキECU220のうち図12のS
141〜S143を実行する部分とが互いに共同して
「組合せ変更装置」を構成しているのである。
【0082】図13に示すブレーキパッド加圧力演算ル
ーチンにおいては、S161において、舵角センサ23
0により舵角δが検出され、続いて、S162におい
て、その検出値の今回値から前回値を引き算した値を本
ルーチンの実行周期で割り算することにより、舵角速度
dδが演算される。その後、S163において、その演
算された舵角速度dδが基準値M以上であるか否かが判
定される。基準値M以上でなければ、判定がNOとな
り、S164において、図10におけるS102と同様
にしてブレーキパッド加圧力Ffr,Ffl,Frr,Frl
目標値が、4輪のブレーキ16がパーキングブレーキと
して作動するように演算される。これに対して、演算さ
れた舵角速度dδが基準値M以上であれば、S164の
判定がYESとなり、S165において、図10におけ
るS103と同様にしてブレーキパッド加圧力Ffr,F
fl,Frr,Frlの目標値が、後2輪のブレーキ16のみ
がパーキングブレーキとして作動するように演算され
る。
【0083】すなわち、本変形例においては、舵角セン
サ234とブレーキECU220のうち図12のS14
1〜S143を実行する部分とが互いに共同して「組合
せ変更装置」を構成しているのである。
【0084】なお、図10〜図13に示すブレーキパッ
ド加圧力演算ルーチンは、第2実施形態におけるブレー
キ制御ルーチンのS58の変形例とすることもできる。
【0085】次に、本発明の第4実施形態を説明する。
ただし、本実施形態は第1実施形態と共通する要素が多
く、異なるのはブレーキ制御ルーチンとそれに関連する
電気的構成のみであるため、異なる要素についてのみ詳
細に説明し、共通する要素については同一の符号を使用
することによって詳細な説明を省略する。
【0086】第1実施形態においては、イグニションス
イッチ222がONからOFFに操作されたことに応じ
て、4輪のブレーキ16がパーキングブレーキとして作
動させられるようになっており、この際、ブレーキパッ
ド加圧力が一定値である設定値に維持されるようにモー
タ14が制御される。これに対して、本実施形態におい
ては、ブレーキパッド加圧力が可変値である設定値に維
持され、その設定値は、車両をパーキングする路面の傾
斜角θR に応じて変化させられる。具体的には、図16
にグラフで示すように、左右前輪用の設定値FFが左右
後輪用の設定値FRより大きく、かつ、いずれの設定値
FF,FRも路面の傾斜角θR が増加するにつれて増加
するように変化させられる。このように設定値FF,F
Rを傾斜角θR に応じて変化させるため、図14に示す
ように、第1実施形態に対して傾斜角センサ320が追
加されている。この傾斜角センサ320は例えば、車両
に固定の上下軸線とその上下軸線を含む一平面内で回動
可能に取り付けられたおもりとの成す角度として路面の
傾斜角θR を検出するおもり式とすることができる。
【0087】図15には、第1実施形態におけるS17
を変形させたものがブレーキパッド加圧力演算ルーチン
としてフローチャートで表されている。本ルーチンにお
いてはまず、S201において、傾斜角センサ320に
より路面傾斜角θR が検出される。次に、S202にお
いて、各輪のブレーキパッド加圧力Ffr,Ffl,Frr
rlの目標値が、路面傾斜角θR に応じて増加するよう
に演算される。具体的には、右前輪FRのブレーキパッ
ド加圧力Ffrの目標値と左前輪FLのブレーキパッド加
圧力Fflの目標値は、 Ffr=FF(θR ) Ffl=FF(θR ) なる式で、右後輪RRのブレーキパッド加圧力Frrの目
標値と左後輪RLのブレーキパッド加圧力Frlの目標値
は、 Frr=FR(θR ) Frl=FR(θR ) なる式でそれぞれ演算される。それら式において「FF
(θR )」は、左右前輪用の係数であって路面傾斜角θ
R を変数とした関数として表現されているものであり、
「FR(θR )」は、左右後輪用の係数であって路面傾
斜角θR を変数とした関数として表現されているもので
ある。
【0088】なお、この図に示すブレーキパッド加圧力
演算ルーチンは、第2実施形態におけるブレーキ制御ル
ーチンのS67の変形例とすることもできる。
【0089】次に、本発明の第5実施形態を説明する。
ただし、本実施形態は第1実施形態と共通する要素が多
く、異なるのはブレーキ制御ルーチンのみであるため、
そのルーチンについてのみ詳細に説明し、他の共通する
要素については同一の符号を使用することによって詳細
な説明を省略する。
【0090】第1実施形態においては、イグニションス
イッチ222がONからOFFに操作されたことに応じ
て、4輪のブレーキ16がパーキングブレーキとして作
動させられるようになっており、この際、ブレーキパッ
ド加圧力が一定値である設定値に維持されるようにモー
タ14が制御される。これに対して、本実施形態におい
ては、ブレーキパッド加圧力が可変値である設定値に維
持され、その設定値は、車両が実際に停止状態に維持さ
れるように、一定値である初期値から増加させられて決
定される。ブレーキパッド加圧力が設定値としてのその
初期値とされることにより、車両を実際に停止させるこ
とができなければ、停止させられるまで設定値が増加さ
せられるのである。
【0091】図17には、第1実施形態におけるS17
を変形させたものがブレーキパッド加圧力演算ルーチン
としてフローチャートで表されている。
【0092】本ルーチンにおいてはまず、S221にお
いて、右前輪FRと左前輪FLとのブレーキパッド加圧
力Ffr,Fflの目標値はいずれも初期値FF0 (一定
値)に、右後輪RRと左後輪RLとのブレーキパッド加
圧力Frr,Frlの目標値はいずれも初期値FR0 (一定
値)に演算される。次に、S222において、演算され
た各目標値が実現されるように各モータ14が制御され
る。その後、S223において、車両速度センサ224
により車両速度Vが検出される。続いて、S224にお
いて、検出された車両速度Vに基づき、車両が実際に停
止状態にあるか否かが判定される。例えば、検出された
車両速度Vが0に近い基準値以下であれば、車両が実際
に停止状態にあると判定され、基準値より大きければ、
車両が実際に走行状態にあると判定される。今回は車両
停止中であると仮定すれば、直ちに本ルーチンの一回の
実行が終了する。これに対して、今回は車両停止中では
ないと仮定すれば、S224判定がNOとなり、S22
5において、右前輪FRと左前輪FLとのブレーキパッ
ド加圧力Ffr,Fflの目標値はいずれも増分ΔFF(一
定値)だけ増加させられ、また、右後輪RRと左後輪R
Lとのブレーキパッド加圧力Frr,Frlの目標値はいず
れも増分ΔFR(一定値)だけ増加させられる。その
後、S222に戻る。
【0093】S222〜S225の実行が繰り返される
うちに、車両が停止させられたためにS224の判定が
YESとなれば、本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0094】なお、この図に示すブレーキパッド加圧力
演算ルーチンは、第2実施形態におけるブレーキ制御ル
ーチンのS67の変形例とすることもできる。
【0095】次に、本発明の第6実施形態を説明する。
ただし、本実施形態は第1実施形態と共通する要素が多
く、異なるのはブレーキ制御ルーチンのみであるため、
そのルーチンについてのみ詳細に説明し、他の共通する
要素については同一の符号を使用することによって詳細
な説明を省略する。
【0096】第1実施形態においては、イグニションス
イッチ222がONである状態でパーキングブレーキを
解除するためにはPKB操作装置154の操作部172
を図4において右に傾斜した操作位置から正立する非操
作位置に回転操作することが必要である。そのため、図
19に破線グラフで示すように、その解除操作の当初
に、ブレーキパッド加圧力Fが、パーキングブレーキ操
作量AP (操作部172の回転角)の減少に応じて減少
する。一方、従来の機械式パーキングブレーキ装置を使
用する場合には、パーキングブレーキが解除される際、
パーキングブレーキ操作部材が自動復元機構によりスイ
ッチとして機能する結果、ブレーキパッド加圧力Fが急
に減少する。そこで、本実施形態においては、従来の機
械式パーキングブレーキ装置と同等の操作フィーリング
を達成するために、図において実線グラフで示すよう
に、イグニションスイッチ222がOFFからONに操
作された後最初にパーキングブレーキ操作量AP が基準
値A0 に減少するときまで、すなわち、初回のパーキン
グブレーキ解除前は、ブレーキパッド加圧力Fがパーキ
ングブレーキ操作量AP の変化に追従させられずに保持
され、パーキングブレーキ操作量AP が基準値A0 に減
少した後に、ブレーキパッド加圧力Fが急に0になるよ
うにモータ14が制御される。このようにすることによ
り、パーキングブレーキ操作量AP を連続的に変化させ
るために操作されるPKB操作装置154が、運転者が
初回のパーキングブレーキ解除を指令する前には、スイ
ッチとして機能することになる。
【0097】図18には、第1実施形態におけるS8を
変形させたものがブレーキパッド加圧力演算ルーチンと
してフローチャートで表されている。
【0098】本ルーチンにおいてはまず、S241にお
いて、イグニションスイッチ222がOFFからONに
された操作された後の初回のパーキングブレーキ解除前
であるか否かが判定される。そうであれば判定がYES
となり、S242において、第1実施形態におけるS1
7と同様にして、左右前輪のブレーキパッド加圧力
fr,Fflの目標値は前記設定値FF、左右後輪のブレ
ーキパッド加圧力Frr,F rlの目標値は前記設定値FR
とそれぞれ等しくなるように演算される。これに対し
て、イグニションスイッチ222がOFFからONに操
作された後の初回のパーキングブレーキ解除後である場
合には、S241の判定がNOとなり、S243におい
て、第1実施形態におけるS8と同様にして、各輪のブ
レーキパッド加圧力Ffr,Ffl,Frr,Frlの目標値が
パーキングブレーキ操作量AP に応じた大きさとなるよ
うに演算される。
【0099】なお、S242は、図15または図17に
おけるブレーキパッド加圧力演算ルーチンと同様に、各
輪のブレーキパッド加圧力Ffr,Ffl,Frr,Frlの目
標値を演算するものとすることができる。
【0100】また、図18に示すブレーキパッド加圧力
演算ルーチンは、第2実施形態におけるブレーキ制御ル
ーチンのS58の変形例とすることもできる。
【0101】次に、本発明の第7実施形態を説明する。
ただし、本実施形態は第1実施形態と共通する要素が多
く、異なるのはブレーキ制御ルーチンのみであるため、
そのルーチンについてのみ詳細に説明し、他の共通する
要素については同一の符号を使用することによって詳細
な説明を省略する。
【0102】第1実施形態においては、イグニションス
イッチ222がONからOFFに操作された後には、運
転者の意図に応じてブレーキパッド加圧力Fを変化させ
ることができない。これに対して、本実施形態において
は、イグニションスイッチ222がOFFからONに操
作された時期から設定時間(例えば、3〜10分)の間
は、PKB操作装置154を操作すればブレーキパッド
加圧力Fを変化させることができる。運転者の意図に応
じてPKB操作装置154によりブレーキパッド加圧力
Fを変化させることができる最終時期が、イグニション
スイッチ222がONからOFFに操作された時期より
遅い時期とされているのであり、これにより、イグニシ
ョンスイッチ222がONからOFFに操作された後に
ブレーキパッド加圧力Fを変化させることができない第
1実施形態におけるより、パーキングブレーキの使い勝
手が向上している。以下、運転者の意図に応じてPKB
操作装置154によりブレーキパッド加圧力Fを変化さ
せることができる最終時期を、イグニションスイッチ2
22がONからOFFに操作された時期より遅らせる制
御を「ディレイ」という。
【0103】図20には、本実施形態におけるブレーキ
制御ルーチンがフローチャートで示されている。本ルー
チンは、第1実施形態におけるブレーキ制御ルーチンに
おけるS15〜S25と共通するステップを有するが、
異なるステップも有する。以下、本ルーチンを説明する
が、第1実施形態におけるブレーキ制御ルーチンと共通
するステップについては同一の符号を使用することによ
って詳細な説明を省略し、異なるステップについてのみ
詳細に説明する。
【0104】イグニションスイッチ222がOFFであ
れば、S1の判定がNOとなり、S301以下に移行す
る。S301においては、ディレイ終了フラグが1であ
るか否かが判定される。ディレイ終了フラグは、0でデ
ィレイが終了していないこと、すなわち、ディレイ中で
あることを示し、1でディレイが終了したことを示す。
このディレイ終了フラグは、S1の判定が最後にYES
からNOに変化したときに0とされる。
【0105】今回はディレイ終了フラグが0であると仮
定すれば、S301判定がNOとなり、S302におい
て、パーキングブレーキ操作量AP がPKB操作装置1
54の回転角センサ198により操作部172の操作角
として検出されるとともに、その検出値が基準値A0
上であるか否かが判定される。実質的なパーキングブレ
ーキ操作が行なわれているか否かが判定されるのであ
る。
【0106】今回は基準値A0 以上ではないと仮定すれ
ば、判定がNOとなり、S303において、前記ブレー
キ警告器250が作動させられる。イグニションスイッ
チ222のOFF時に一般的に行なわれるはずであるパ
ーキングブレーキ操作が行なわれていないことを運転者
に知らせるためである。その後、S304において、各
輪のブレーキパッド加圧力Ffr,Ffl,Frr,Frlの目
標値が、パーキングブレーキ操作量AP に応じて増加す
るように演算される。今回はパーキングブレーキ操作量
P が基準値A0 より小さいと仮定されているため、各
輪のブレーキパッド加圧力Ffr,Ffl,Frr,Frlの目
標値はいずれも0とされる。その後、S305におい
て、演算された目標値が実現されるように各モータ14
が制御される。結局、今回はブレーキパッド加圧力Fの
実際値が0とされ、それにより、ブレーキ16が解除さ
れる。
【0107】これに対して、今回はパーキングブレーキ
操作量AP が基準値A0 以上であると仮定すれば、S3
02の判定がYESとなり、S306において、ブレー
キ警告器250に対してそれをOFFにするための信号
が出力される。その後、S304において、各輪のブレ
ーキパッド加圧力Ffr,Ffl,Frr,Frlの目標値が、
パーキングブレーキ操作量AP に応じて増加するように
演算される。今回はパーキングブレーキ操作量AP が基
準値A0 以上であると仮定されているため、各輪のブレ
ーキパッド加圧力Ffr,Ffl,Frr,Frlの目標値はい
ずれも0より大きい値とされる。その後、S305にお
いて、演算された目標値が実現されるように各モータ1
4が制御される。結局、今回はブレーキパッド加圧力F
の実際値が0でない値とされ、それにより、ブレーキ1
6が作動させられる。
【0108】いずれの場合にも、その後、S307にお
いて、イグニションスイッチ222が最後にONからO
FFに操作された時から設定時間が経過したか否かが判
定される。ディレイを終了させるべき時期が到来したか
否かが判定されるのである。今回は設定時間が経過して
いないと仮定すれば、判定がNOとなり、S308にお
いて、ディレイ終了フラグを0にするための信号が出力
される。その後に本ルーチンが実行されれば、S301
の判定がNOとなるため、上記の場合と同様にして、イ
グニションスイッチ222のOFF時でありながら、P
KB操作装置154によりブレーキパッド加圧力Fを自
由に変化させ得る。
【0109】S1およびS301〜S308の実行が何
回も繰り返されたため、イグニションスイッチ222が
最後にONからOFFに操作された時から設定時間が経
過した場合には、S307の判定がYESとなり、S3
09において、モータ14がOFFにされる。モータ1
4の静止保持トルクにより車両がパーキングされるので
ある。その後、S310において、ディレイ終了フラグ
が1とされる。その後に本ルーチンが実行されれば、S
301の判定がYESとなり、直ちに本ルーチンの一回
の実行が終了する。すなわち、ディレイ終了後には、本
ルーチンの複数のステップのうちS1およびS301の
みが実行され、それにより、ブレーキECU220によ
る消費電力量が節減されるのである。
【0110】なお、ディレイ終了フラグが1である状態
で、ブレーキECU220がECU省エネモードにあ
り、0である状態で、そのECU省エネモードが解除さ
れているため、このディレイ終了フラグはECU省エネ
モードの確立・解除を表すフラグであるということがで
きる。
【0111】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、PKB操作装置154とブレーキECU
220の図20のS304を実行する部分とが互いに共
同して「手動式目標作動力設定装置」を構成し、ブレー
キECU220のうち同図のS305を実行する部分が
「第1モータ制御手段」を構成しているのである。ま
た、ブレーキECU220のうち同図のS301および
S307〜S310を実行する部分が「電力供給阻止手
段」を構成しているのである。
【0112】なお、本実施形態においては、設定時間す
なわちディレイ時間が一定値とされているが、運転者に
より変更可能な可変値とすることができる。
【0113】次に、本発明の第8実施形態を説明する。
ただし、本実施形態は第1実施形態と共通する要素が多
く、異なるのはブレーキペダル146の操作ストローク
を検出する技術に関連する要素のみであるため、その要
素について詳細に説明し、他の要素については同一の符
号を使用することによって詳細な説明を省略する。
【0114】図21には、ブレーキペダル146および
それに関連する機械的構成が示されている。ブレーキペ
ダル146は、それの基端部において車体に、車両左右
方向に延びる一軸線のまわりに回動可能に取り付けられ
ている。ブレーキペダル146の中間部は、クレビス3
38を介して、前記反力付与機構148の連動部材15
0の先端部に回動可能に連結されている。ブレーキペダ
ル146は、リターンスプリング340によって常時、
非操作位置に向かって付勢される一方、ストッパ342
により、その非操作位置から図において反時計方向に回
動することが阻止されている。ストッパ342は取付具
344により車体に取り付けられている。取付具344
は、ねじ機構等により、ストッパ342がブレーキペダ
ル146に当接する位置をアジャストする機構を有す
る。前記ブレーキペダルスイッチ234は、ブレーキペ
ダル146が非操作位置にあるか否かに応じて異なる信
号を出力する。
【0115】ブレーキペダル146の操作ストロークを
検出するために、操作ストローク検出装置350がブレ
ーキペダル146の回動軸線と同軸に取り付けられてい
る。操作ストローク検出装置350は、ブレーキペダル
146の回動角をブレーキペダル146の操作ストロー
クとして検出する。
【0116】車両組立て時には、上記取付具344のア
ジャスト機構により、ブレーキペダル146の非操作位
置が正規の位置となるように調整される。しかし、実際
の非操作位置が正規の位置からずれている場合があり、
この場合には、実際の非操作位置で操作ストローク検出
装置350がゼロ点に一致しない。このような場合であ
るにもかかわらず、ブレーキECU220は、操作スト
ローク検出装置350のゼロ点が実際の非操作位置に一
致することを前提としてブレーキパッド加圧力を制御す
るため、主ブレーキ操作時に運転者が違和感を抱くおそ
れがある。そこで、本実施形態においては、操作ストロ
ーク検出装置350のゼロ点調整が行なわれる。ブレー
キペダル146の実際の非操作位置において、すなわ
ち、ブレーキペダルスイッチ234がOFFからONに
変化したときに、操作ストローク検出装置350により
検出される操作ストロークが誤差値とされ、ブレーキペ
ダル146の操作位置において、すなわち、ブレーキペ
ダルスイッチ234がONであるときに、操作ストロー
ク検出装置350により検出された操作ストロークがそ
のまま使用されるのではなく、誤差値が引き算されて使
用される。
【0117】操作ストローク検出装置350を操作スト
ロークセンサを1つのみ有するものとして構成した場合
には、万一その操作ストロークセンサが故障してしまう
と、操作ストロークを検出できず、ひいては、ブレーキ
パッド加圧力を制御できない。そこで、本実施形態にお
いては、操作ストローク検出装置350が、図22に示
すように、3つの操作ストロークセンサ、すなわち、第
1センサ352と第2センサ354と第3センサ356
とがブレーキペダル146の回動軸線と同軸に並んで配
置された構成とされている。3つのセンサ352,35
4,356が同時に故障することはごく稀であり、ま
た、それらのうちの2つが同時に故障することも稀であ
ると考えられる。したがって、それら3つのセンサ35
2,354,356のうち少なくとも2つは同時に正常
であると考えることができ、このように考えることがで
きれば、それら3つのセンサ352,354,356か
ら任意に2つを抽出して出力信号の差をとれば、差の絶
対値が実質的に0である場合には、その差に対応する2
つのセンサは共に正常であり、一方、差の絶対値が実質
的に0でない場合には、その差に対応する2つのセンサ
の一方は故障し、他方は正常であると推定できる。そこ
で、本実施形態においては、それら3つのセンサ35
2,354,356から任意に2つを抽出して出力信号
の差をとることが、差の絶対値が実質的に0であること
が生じるまで続けられ、そして、差の絶対値が実質的に
0となったならば、その差に対応する2つのセンサのい
ずれかの出力信号に基づいて操作ストロークが演算され
る。よって、本実施形態によれば、操作ストロークセン
サの故障に起因して操作ストロークが検出不能となる事
態を回避できる。なお、そのうよな操作検出技術は、3
つの検出値に対して多数決理論を適用することにより、
検出値が実質的に等しい2つのセンサは共に正常である
が、残りのセンサは異常であるとの判断に基づいて行わ
れるものであると考えることもできる。
【0118】図23には、本実施形態におけるブレーキ
ECU220のROMに記憶されている操作ストローク
検出ルーチンがフローチャートで表されている。
【0119】本ルーチンにおいてはまず、S401にお
いて、ブレーキペダルスイッチ234がONであるか否
かが判定される。OFFであると仮定すれば、判定がN
Oとなり、S402において、フラグFを0にするため
の信号が出力される。以上で本ルーチンの一回の実行が
終了する。
【0120】その後、ブレーキペダル146の操作が開
始されてブレーキペダルスイッチ234がOFFからO
Nに変化すれば、S401の判定がYESとなり、S4
03において、各センサ352,354,356の検出
値(生値)SS 1,SS 2,SS 3が入力される。その
後、S404において、フラグFが0であるか否かが判
定される。今回は0であるため、判定がYESとなり、
S405において、第1センサ352の検出値SS 1は
第1センサ352の誤差値Se 1、第2センサ354の
検出値SS 2は第2センサ354の誤差等Se 2、第3
センサ356の検出値SS 3は第3センサ356の誤差
等Se 3とされる。続いて、S406において、操作ス
トロークSF (最終値)の今回値が0とされる。その
後、S407において、フラグFが1とされる。以上で
本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0121】その後、ブレーキペダル146が操作位置
に維持されてブレーキペダルスイッチ234がONに維
持されれば、S401の判定が再びYESとなり、S4
03において、各検出値SS 1,SS 2,SS 3が入力
され、その後、S404において、フラグFが0である
か否かが判定されれば、今回は1であるため、判定がN
Oとなり、S408に移行する。
【0122】S408においては、まず、検出値SS
とSS 2との差の絶対値が0に近い判定値Δ以下である
か否かが判定され、その判定がYESであれば、検出値
S1が選択される。その判定がNOであれば、検出値
S 2とSS 3との差の絶対値が判定値Δ以下であるか
否かが判定され、その判定がYESであれば、検出値S
S 2が選択される。その判定がNOであれば、検出値S
S 3とSS 1との差の絶対値が判定値Δ以下であるか否
かが判定され、その判定がYESであれば、検出値SS
3が選択される。
【0123】その後、S409において、操作ストロー
クSF の今回値が、検出値SS 1〜SS 3から選択され
たものSS*から、誤差値、すなわち、誤差値Se 1〜S
e 3のうち、選択された検出値SS*に対応するものが引
き算されることにより、演算される。以上で本ルーチン
の一回の実行が終了する。
【0124】以上、本発明のいくつかの実施の形態を図
面に基づいて詳細に説明したが、これらの他にも、特許
請求の範囲を逸脱することなく、当業者の知識に基づい
て種々の変形,改良を施した形態で本発明を実施するこ
とができるのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である電動式パーキング
ブレーキ装置を含むブレーキシステムを示す系統図であ
る。
【図2】図1における電動式ディスクブレーキを示す側
面断面図である。
【図3】図1におけるPKB操作装置が車両に取り付け
られている位置を説明するための正面図である。
【図4】そのPKB操作装置を示す正面図である。
【図5】そのPKB操作装置を示す側面図である。
【図6】そのPKB操作装置の要部を拡大して示す部分
断面正面図である。
【図7】図1におけるブレーキECUのROMに記憶さ
れているブレーキ制御ルーチンを示すフローチャートで
ある。
【図8】本発明の第2実施形態である電動式パーキング
ブレーキ装置を含むブレーキシステムにおけるブレーキ
ECUのROMに記憶されているブレーキ制御ルーチン
を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第3実施形態である電動式パーキング
ブレーキ装置を含むブレーキシステムを示す系統図であ
る。
【図10】図9におけるブレーキECUのROMに記憶
されているブレーキ制御ルーチンのうちブレーキパッド
加圧力を演算するステップをブレーキパッド加圧力演算
ルーチンとして示すフローチャートである。
【図11】そのブレーキパッド加圧力演算ルーチンの一
変形例を示すフローチャートである。
【図12】上記ブレーキパッド加圧力演算ルーチンの別
の変形例を示すフローチャートである。
【図13】前記ブレーキパッド加圧力演算ルーチンのさ
らに別の変形例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第4実施形態である電動式パーキン
グブレーキ装置を含むブレーキシステムを示す系統図で
ある。
【図15】図14におけるブレーキECUのROMに記
憶されているブレーキ制御ルーチンのうちブレーキパッ
ド加圧力を演算するステップをブレーキパッド加圧力演
算ルーチンとして示すフローチャートである。
【図16】そのブレーキパッド加圧力演算ルーチンの内
容を説明するためのグラフである。
【図17】本発明の第5実施形態である電動式パーキン
グブレーキ装置を含むブレーキシステムにおけるブレー
キECUのROMに記憶されているブレーキ制御ルーチ
ンのうちブレーキパッド加圧力を演算するステップをブ
レーキパッド加圧力演算ルーチンとして示すフローチャ
ートである。
【図18】本発明の第6実施形態である電動式パーキン
グブレーキ装置を含むブレーキシステムにおけるブレー
キECUのROMに記憶されているブレーキ制御ルーチ
ンのうちブレーキパッド加圧力を演算するステップをブ
レーキパッド加圧力演算ルーチンとして示すフローチャ
ートである。
【図19】そのブレーキパッド加圧力演算ルーチンの内
容を説明するためのタイムチャートである。
【図20】本発明の第7実施形態である電動式パーキン
グブレーキ装置を含むブレーキシステムにおけるブレー
キECUのROMに記憶されているブレーキ制御ルーチ
ンを示すフローチャートである。
【図21】本発明の第8実施形態である電動式パーキン
グブレーキ装置を含むブレーキシステムにおけるブレー
キペダルとその周辺の構成要素とを示す側面図である。
【図22】そのブレーキペダルと操作ストローク検出装
置とを示す正面図である。
【図23】上記第8実施形態におけるブレーキECUの
ROMに記憶されている操作ストローク検出ルーチンを
示すフローチャートである。
【符号の説明】
14 超音波モータ 16 電動式ディスクブレーキ 154 PKB操作装置 156 PKB解除スイッチ 220 ブレーキECU 222 イグニションスイッチ 234 ブレーキペダルスイッチ 236 操作ストロークセンサ 300 PKB切換スイッチ 320 傾斜角センサ 350 操作ストローク検出装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】動力源とその動力源により少なくとも一つ
    が駆動される複数の車輪と前記動力源を作動させる作動
    位置と作動させない非作動位置とに運転者により操作さ
    れる動力源スイッチとを備えた車両に設けられ、 前記複数の車輪の少なくとも一つに設けられたパーキン
    グブレーキと、 そのパーキングブレーキを作動させる電動モータと、 その電動モータに電力が供給されていない状態において
    前記パーキングブレーキの作動力を機械的に保持する作
    動力保持機構と、 前記電動モータに電力を供給して前記パーキングブレー
    キを作動させ、その作動状態で電動モータへの電力供給
    を断つことにより、前記車両をパーキングするパーキン
    グブレーキ制御装置とを含む電動式パーキングブレーキ
    装置において、 前記パーキングブレーキ制御装置に、前記動力源スイッ
    チが非作動位置にある状態で、前記電動モータに電力を
    供給し、それにより前記パーキングブレーキの実作動力
    を変更し、その後、電動モータへの電力供給を断つ実作
    動力変更装置を設けたことを特徴とする電動式パーキン
    グブレーキ装置。
  2. 【請求項2】前記実作動力変更装置が、(a) 前記パーキ
    ングブレーキを解除してそれの実作動力を0にするため
    に人間により操作されるパーキングブレーキ解除スイッ
    チと、(b) 前記動力源スイッチが非作動位置にある状態
    で、前記パーキングブレーキ解除スイッチが操作された
    場合に、前記パーキングブレーキが解除されるように前
    記電動モータを制御する第1モータ制御手段とを含む請
    求項1に記載の電動式パーキングブレーキ装置。
  3. 【請求項3】前記実作動力変更装置が、(a) 人間の指令
    に応じて前記パーキングブレーキの目標作動力を設定す
    る手動式目標作動力設定装置と、(b) 前記動力源スイッ
    チが非作動位置にある状態で、前記パーキングブレーキ
    の実作動力が、設定された目標作動力と実質的に等しく
    なるように前記電動モータを制御する第2モータ制御手
    段とを含む請求項1または2に記載の電動式パーキング
    ブレーキ装置。
  4. 【請求項4】前記実制動力変更装置が、前記動力源スイ
    ッチが作動位置から非作動位置に操作された時期から設
    定時間が経過した後には、前記電動モータへの電力供給
    を阻止する電力供給阻止手段を含む請求項1ないし3の
    いずれかに記載の電動式パーキングブレーキ装置。
  5. 【請求項5】複数の車輪を備えた車両に設けられ、 それら複数の車輪にそれぞれ設けられた複数のパーキン
    グブレーキと、 それら複数のパーキングブレーキをそれぞれ作動させる
    複数の電動モータと、 それら複数の電動モータの各々に電力を供給して各電動
    モータに対応する前記パーキングブレーキを作動させる
    ことにより、前記車両をパーキングするパーキングブレ
    ーキ制御装置とを含む電動式パーキングブレーキ装置に
    おいて、 前記パーキングブレーキ制御装置に、前記複数のパーキ
    ングブレーキのうち実質的に同じ時期に作動させるもの
    の組み合わせを変更する組合せ変更装置を設けたことを
    特徴とする電動式パーキングブレーキ装置。
JP10078730A 1998-03-26 1998-03-26 電動式パーキングブレーキ装置 Pending JPH11278250A (ja)

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