JPH11254457A - 積層成形品の成形用金型および積層成形品の製造方法 - Google Patents

積層成形品の成形用金型および積層成形品の製造方法

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JPH11254457A
JPH11254457A JP10061161A JP6116198A JPH11254457A JP H11254457 A JPH11254457 A JP H11254457A JP 10061161 A JP10061161 A JP 10061161A JP 6116198 A JP6116198 A JP 6116198A JP H11254457 A JPH11254457 A JP H11254457A
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mold
molding
surface material
flow
sliding
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JP10061161A
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Yoshiaki Saito
義昭 齋藤
Tomokazu Abe
知和 阿部
Terunobu Fukushima
輝信 福島
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Sanwa Kako Co Ltd
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Sanwa Kako Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層成形品の生産性を向上しつつ良好な品質
および外観を確保できかつ成形不良を防止できる成形用
金型および積層成形品の製造方法を提供する。 【解決手段】 成形品本体に部分的に圧縮可能な表面材
23,24を積層した積層成形品を成形するための成形
用金型1において、表面材23,24に向かって流れる
溶融樹脂の流れを規制する流れ規制部40を金型本体1
0に設け、表面材23,24と同一面内において表面材
23,24に向かって流動する溶融樹脂の流れを規制す
る。これにより、表面材23,24の端部における樹脂
の巻き込みや樹脂流動による表面材23,24の位置ず
れを防止できるので、良好な品質および外観を有する積
層成形品が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層成形品の成形
用金型およびその製造方法に関し、詳しくは、合成樹脂
からなる成形品本体に部分的に圧縮可能な表面材が積層
された積層成形品を成形するための積層成形品の成形用
金型および積層成形品の製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】従来より、自動車の内装品、家電製品の部
品および日用品等には、合成樹脂からなるものが用いら
れている。このような合成樹脂製品のうち、自動車用空
調機の気流制御弁等の周囲には、密閉性を確保するため
に、柔軟性を有する圧縮可能な表面材が設けられてい
る。また、自動車用のエアクリーナーケースの開口部周
辺、冷蔵庫の扉の内側の面の周縁部等には、気密性等を
高めるために、シール部材として枠状の表面材が設けら
れている。
【0003】このように、下地となる合成樹脂製の成形
品本体に部分的に表面材を一体化させた積層成形品は、
次の方法により製造することができる。 予め射出成形法等により製造した成形品本体の表面
に、表面材を接着剤等により貼り付ける方法。 内部に表面材を配置した金型を完全に閉鎖した後、こ
の金型の内部に溶融樹脂を射出して、成形品本体を表面
材とともに一体成形する、射出成形法を利用した方法
(特公平3−60297号)。 金型の内部に表面材を配置し、この金型内部に溶融樹
脂を充填してから型締めして賦形する、射出プレス成形
法を利用した方法(特公平5−83056号)。 金型の内部空間(キャビティ)において、表面材が配
置される部分のクリアランスを拡張しておくとともに、
この拡張された部分に開口するゲートを複数設けてお
き、成形にあたっては、当該拡張された部分に表面材を
配置し、前記複数のゲートから表面材を貫通して溶融樹
脂を注入することにより、溶融樹脂の流れを制御しなが
ら成形品本体を表面材と一体成形する方法(特開平8−
309786号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】の方法では、成形品
の成形後に表面材を貼り付ける工程が必要なため、手間
がかかり、生産性が低いという問題がある。,の方
法では、表面材を成形と同時に一体化できるため、生産
性は高められる。しかしながら、表面材、特に、ポリウ
レタン発泡シート等の圧縮性を有する表面材を成形品本
体に部分的に積層する場合、表面材を部分的に配置した
金型内部に溶融樹脂を射出すると、表面材の端面のうち
金型の内面に当接されていない部分、つまり、表面材の
露出した端面に向かって溶融樹脂が流動する。このた
め、溶融樹脂に表面材の端部が巻き込まれる不具合、す
なわち、表面材の端部が、溶融樹脂の流動によってめく
れ上がったり樹脂に埋もれたりする不具合が生じる上、
表面材全体が溶融樹脂に押し流されて位置ずれすること
があり、これにより、積層成形品の品質や外観が損なわ
れるという問題がある。
【0005】の方法は、多点ゲート方式であるため、
ウェルドやヤケ等の成形不良が発生しやすい。また、金
型の内部空間を拡張することにより、成形品本体の表面
材が積層される部分を厚肉部とするため、樹脂の使用量
が多く不経済である上、変形の発生や冷却時間が長くな
る等の問題が生じる。
【0006】本発明の目的は、積層成形品の生産性を向
上しつつ良好な品質および外観を確保でき、かつ、成形
不良を防止できる成形用金型および積層成形品の製造方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、合成樹脂から
なる成形品本体に部分的に圧縮可能な表面材が積層され
た積層成形品を成形するための積層成形品の成形用金型
であって、内部に積層成形品を成形するためのキャビテ
ィが設けられかつ内面に表面材を装着可能な金型本体
と、この金型本体を構成しかつキャビティに対して進退
可能な摺動金型と、金型本体に設けられかつ表面材に向
かって流れる溶融樹脂の流れを規制する流れ規制部とを
備えたことを特徴とする。
【0008】本発明においては、金型本体に溶融樹脂の
流れを規制する流れ規制部が設けられているので、この
流れ規制部を、表面材と同一面内で当該表面材に向かっ
て流動する溶融樹脂の流れを規制するように設ければ、
溶融樹脂が直接表面材の端面に向かって流動することが
なくなる。従って、表面材の端部が溶融樹脂の流動によ
ってめくれ上がったり樹脂に埋もれたりする樹脂の巻き
込みや、樹脂の流動による表面材の位置ずれを防止でき
るので、良好な品質および外観を有する積層成形品が得
られる。
【0009】さらに、流れ規制部により溶融樹脂の流れ
を制御できるため、従来の方法(の方法)のようにキ
ャビティの表面材に対応した部分を拡張しなくてもよく
なり、これにより、成形品本体の表面材が積層された部
分の厚肉化を回避できるから、樹脂の使用量が少なくて
済むので経済的である上、厚肉化による冷却時間の増加
および成形品本体の変形を防止できる。また、多点ゲー
ト方式を採用しなくても良好な品質の積層成形品が得ら
れるため、ウェルドやヤケ等の成形不良の発生を防止で
きる。
【0010】そして、表面材を成形品本体の成形と同時
に一体化できるので、表面材を貼り付ける工程を省略で
きるから、生産性を高められる。
【0011】さらに、金型本体は、キャビティに対して
進退可能な摺動金型を含んで構成されているので、溶融
樹脂の充填時に摺動金型を後退させておけば、表面材に
作用する樹脂圧力を低くでき、溶融樹脂が表面材へ過度
に浸透することを防止できるから、表面材が圧縮状態の
まま固定される等の不具合を防止できるとともに、樹脂
圧力により表面材が受けるダメージを低減できる。ま
た、溶融樹脂の充填開始後に摺動金型を前進させるよう
にすれば、溶融樹脂をキャビティ全体に確実に展延(充
満)させることができるので、キャビティの形状に倣っ
た成形品本体が得られる。
【0012】前記表面材としては、例えば、ポリウレタ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂からなる発
泡シート、当該発泡シートの少なくとも片面に他のフィ
ルム等の面材を一体化した積層シート等を採用できる。
一体化する面材としては、PVC(ポリ塩化ビニル)や
熱可塑性エラストマ等からなる樹脂シートまたは樹脂フ
ィルム、織布、不織布等を用いることができる。
【0013】また、表面材の下地となる成形品本体を構
成する合成樹脂としては、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ポリエチレン、ABS、ポリカーボネート等の熱可
塑性樹脂、および、これらの熱可塑性樹脂に各種添加剤
を添加したもの等を採用できる。この添加剤としては、
タルク、マイカ、ガラス繊維等の充填材、熱や光等によ
る劣化を防止するための安定剤、着色剤等を挙げられ
る。
【0014】以上において、前記流れ規制部は、板状の
流れ規制板を含んで構成され、この流れ規制板は、キャ
ビティに対して突没可能とされていることが好ましい。
【0015】このように、流れ規制部を板状の流れ規制
板により構成することで、表面材に向かう溶融樹脂を流
れ規制板に沿って所望の方向に導くことができるから、
溶融樹脂の流れを確実に規制できる。また、流れ規制板
は、キャビティに対して突没可能に設けられているの
で、流れ規制板を、溶融樹脂の流動が小さくなってから
没した状態にすれば、成形品本体に流れ規制板によるへ
こみ部分が形成されることがなくなるので、優れた強度
および外観を確保できる。
【0016】この場合、前記流れ規制板は、表面材の端
面のうちキャビティ内で露出する部分に沿って連続して
設けられていることが望ましい。特に、当該流れ規制板
は、表面材の端面のうち、射出時に流動する溶融樹脂の
上流側となる部分に沿って設けることが好ましい。
【0017】すなわち、表面材の端部における樹脂の巻
き込みや表面材の位置ずれは、表面材の端面の露出した
部分で溶融樹脂が流動することにより生じることから、
この露出した部分に沿って流れ規制板を設ければ、表面
材の端面を金型本体および流れ規制板により覆うことが
でき、流動する溶融樹脂と遮断できるから、表面材端部
における樹脂の巻き込みおよび表面材の位置ずれを一層
確実に防止できる。
【0018】さらに、前記表面材が枠状に形成されてい
る場合、この表面材の内側の端面に沿って流れ規制板が
設けられていることが好ましい。
【0019】このようにすれば、枠状の表面材の内側に
おいて溶融樹脂が流動しても、表面材の内側の端部にお
ける樹脂の巻き込みを確実に防止できる。
【0020】また、前記表面材が枠状に形成されて摺動
金型の成形面に装着される場合、この摺動金型は、表面
材に対応した枠状に形成され、金型本体の摺動金型の内
側の部分により、前記流れ規制部が構成されていてもよ
い。
【0021】すなわち、摺動金型を表面材に対応した枠
状に形成することで、摺動金型を後退させると、その成
形面に装着された表面材はキャビティから没して、その
内側の端面が摺動金型の内側の部分に覆われるようにな
るので、表面材の内側端面を、流動する溶融樹脂と遮断
できる。従って、金型本体のうち摺動金型の内側となる
部分を流れ規制部に兼用できるので、流れ規制部を形成
するために特別な構造を設けなくてもよいから、金型本
体の構造を簡略化できる。
【0022】或いは、前記表面材が枠状に形成されて摺
動金型の周囲に装着される場合、この摺動金型は、表面
材の開口に対応したブロック状に形成され、摺動金型に
より、前記流れ規制部が構成されていてもよい。
【0023】すなわち、摺動金型を表面材の開口に対応
したブロック状に形成することで、摺動金型を前進させ
たときに、その周囲に装着した表面材の内側の端面を摺
動金型により覆うことができるから、表面材の端面を、
流動する溶融樹脂と遮断できる。従って、摺動金型自身
を流れ規制部に兼用できるので、流れ規制部を形成する
ために特別な構造を設けなくてもよいから、金型本体の
構造を簡略化できる。
【0024】一方、本発明は、合成樹脂からなる成形品
本体に部分的に圧縮可能な表面材が積層された積層成形
品を成形するための積層成形品の成形方法であって、内
部に前記積層成形品を成形するためのキャビティが設け
られた金型本体と、この金型本体を構成しかつ前記キャ
ビティに対して進退可能な摺動金型と、金型本体に設け
られかつ表面材に向かって流れる溶融樹脂の流れを規制
する流れ規制部とを備えた成形用金型を用い、表面材を
金型本体の内面に装着し、キャビティへの溶融樹脂の射
出を開始した後、摺動金型をキャビティに対して前進さ
せることを特徴とする。
【0025】本発明では、金型本体に表面材を装着して
からキャビティに溶融樹脂を射出するので、射出された
溶融樹脂は、キャビティにおいて流動拡散するとともに
表面材周辺にも流展するようになる。このとき、金型本
体には、流れ規制部が設けられているため、前述した通
り、この流れ規制部を、表面材と同一面内で当該表面材
に向かって流動する溶融樹脂の流れを規制するように設
ければ、溶融樹脂の流動方向は、流れ規制部により制限
されて、直接表面材の端面に向かって流動することがな
くなる。従って、表面材の端部における樹脂の巻き込み
や表面材の位置ずれを防止できるので、良好な品質およ
び外観を有する積層成形品が得られる。なお、溶融樹脂
が流動して流れ規制部を越えるのは、射出時および摺動
金型の前進による圧縮時のいずれであってもよい。
【0026】さらに、流れ規制部により、キャビティの
表面材に対応した部分を拡張しなくても溶融樹脂の流れ
を制御できるので、成形品本体の厚肉化を防止できるか
ら、樹脂の使用量の増加、冷却時間の増加および成形品
本体の変形を防止できる。また、多点ゲート方式を採用
しなくても良好な品質の積層成形品が得られるため、ウ
ェルドやヤケ等の成形不良の発生を防止できる。
【0027】そして、溶融樹脂の射出開始後に摺動金型
を前進させてキャビティを縮小する。すなわち、摺動金
型の前進動作の前にはキャビティが拡張されていること
になるので、表面材に作用する樹脂圧力を低くできるよ
うになり、溶融樹脂が表面材へ過度に浸透することを防
止できるから、表面材が圧縮状態のまま固定される等の
不具合を防止できる。また、摺動金型の前進によりキャ
ビティの溶融樹脂を圧縮するので、溶融樹脂をキャビテ
ィに完全に展延させることができるから、キャビティの
形状に倣った成形品本体が得られる。
【0028】そして、溶融樹脂の固化により、キャビテ
ィに対応した形状の成形品本体が得られるとともに、表
面材が成形品本体に一体化される。このように、表面材
を成形品本体の成形と同時に一体化できるので、優れた
生産性が得られる。
【0029】以上において、摺動金型をキャビティに対
して前進させると同時に、流れ規制部をキャビティに対
して後退させることが望ましい。
【0030】このようにすれば、成形品本体に流れ規制
部によるへこみ部分が形成されることがなくなるので、
優れた外観が得られる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の各形態を図
面に基づいて説明する。 〔第一実施形態〕図1には、本実施形態の成形用金型1
が示されている。本実施形態の成形用金型1は、図2に
示すように、合成樹脂からなる成形品本体20に対して
部分的に表面材23,24を積層した積層成形品2を成
形するためのものである。この積層成形品2は、具体的
には、空気等を流通させる図示しないダクト内に設置さ
れて当該ダクトの開閉を行う気流制御弁であり、矩形平
板状の弁本体21と、この弁本体21の一辺に沿って設
けられた回転軸22とを備え、この回転軸22を中心と
して回動させることにより、ダクト(図示省略)の開閉
を行うようになっている。
【0032】弁本体21の両面の各外周縁部には、気密
性を確保するために、それぞれ表面材23,24が額縁
状に積層されている。表面材23,24は、弁本体21
に対応した外周を有して矩形枠状に形成されたものであ
り、圧縮可能な材料、例えば、ポリウレタン発泡シート
等の弾性変形可能な柔軟性を有する材料により構成され
ている。なお、弁本体21の一方の面には、成形時に溶
融樹脂が射出されるゲートの痕211が残されている。
【0033】図1に戻って、成形用金型1は、開閉可能
とされた金型本体10を備えている。当該金型本体10
は、固定金型11と、固定金型11に対して進退可能な
可動金型12と、この可動金型12内に設けられた枠状
の摺動金型13とを有して構成され、型締めした状態で
内部に積層成形品2を成形するためのキャビティ10A
が形成されるようになっている。
【0034】固定金型11は、固定盤31にスペーサ3
11を介して固定型板312を取り付けた構造を有し、
その固定型板312によりキャビティ10Aを形成する
ようになっている。固定型板312および固定盤31に
は、その各中央部分を貫通してスプルーブッシュ33が
設けられ、このスプルーブッシュ33により、溶融樹脂
をキャビティ10Aに導くためのスプル33Aが形成さ
れている。なお、本実施形態のスプル33Aは、キャビ
ティ10Aの中央部分に開口している。また、固定金型
11(固定型板312)の成形面の周縁部分は、弁本体
21(図2参照)の一方の面に積層される第一表面材2
3を装着するための装着面11Aとされ、この装着面1
1Aに配置される枠状の第一表面材23の内側の端面
が、キャビティ10Aに露出するようになっている。
【0035】このような固定金型11には、装着面11
Aに配置した第一表面材23の内側の端面を覆うように
板状の流れ規制板40が設けられ、この流れ規制板40
により、装着面11Aが成形面において区画されてい
る。当該装着面11Aに第一表面材23を装着する際に
は、第一表面材23を流れ規制板40と金型11,12
の成形面とに囲まれた部分にはめ込んで保持させるよう
になっている。流れ規制板40は、装着面11Aの内側
端縁に沿って連続して設けられ、第一表面材23と同一
面内で当該第一表面材23の端面に向かって流動する溶
融樹脂の流れを規制するようになっている。本実施形態
では、このような流れ規制板40により、第一表面材2
3に向かって流れる溶融樹脂の流れを規制する流れ規制
部が構成されている。
【0036】流れ規制板40は、固定型板312を貫通
して設けられ、固定盤31および固定型板312の間に
設けられた固定側進退プレート41に接続されて、キャ
ビティ10Aに対して突没可能とされている。
【0037】固定側進退プレート41は、固定型板31
2と平行に設けられ、このプレート41を貫通して設け
られた摺動軸42に沿って固定型板312および固定盤
31の間を摺動するように構成されている。これによ
り、固定側進退プレート41の摺動(進退)に伴って、
流れ規制板40がキャビティ10Aに対して突没するよ
うになっている。この流れ規制板40は、固定側進退プ
レート41が固定型板312に当接された状態で、固定
金型11から最も大きくキャビティ10Aに突出する。
つまり、固定側進退プレート41は、流れ規制板40の
進退幅を規制するストッパとなっている。
【0038】摺動軸42のうち、固定側進退プレート4
1と固定盤31の間の部分にはスプリング43が巻装さ
れ、これにより、固定側進退プレート41は固定型板3
12に圧接される方向に付勢されている。また、固定側
進退プレート41には、当該固定側進退プレート41を
固定盤31方向に摺動させる、つまり、固定型板312
に対して後退させるための後退用ロッド44が立設さ
れ、これらの後退用ロッド44は、固定型板312を貫
通して設けられている。
【0039】一方、可動金型12は、可動受け板121
と、この可動受け板121の固定金型11側の面の周縁
部分に取り付けられた枠状の可動周縁型板122と、可
動受け板121の中央部分に取り付けられた略直方体形
状の可動中央型板123とを含んで構成され、可動受け
板121に取り付けた金型装着ベース32を介して図示
しない金型開閉用の進退機構に接続されている。可動周
縁型板122および可動中央型板123の間の枠状の部
分には、前述した摺動金型13が枠状に設けられ、その
枠状の成形面は、弁本体21の他方の面に積層される第
二表面材24を装着するための装着面13Aとされてい
る。
【0040】摺動金型13は、キャビティ10Aに対し
て進退可能に設けられ、具体的には、可動受け板121
と平行に設けられた可動側進退プレート131に接続さ
れている。可動側進退プレート131は、図示しない進
退機構により、可動金型12の進退方向と平行に可動金
型12に対して進退するように構成され、この可動側進
退プレート131の進退動作と連動して摺動金型13が
進退するようになっている。
【0041】この摺動金型13は、可動側進退プレート
131を後退させたときに、その装着面(成形面)13
Aが、可動金型12(可動中央型板123)の成形面よ
りも没するように設けられ、第二表面材24は、可動周
縁型板122と可動中央型板123とで囲まれた部分に
はめ込んで装着するようになっている。つまり、摺動金
型13を後退させた状態において、装着面13Aに装着
した第二表面材24は可動金型12内に没して、その端
面が可動周縁型板122および可動中央型板123に覆
われるようになっている。このため、第二表面材24と
同一面内で当該第二表面材24に向かって流動する溶融
樹脂の流れは、可動金型12により規制される。このよ
うに、本実施形態では、第二表面材24に向かって流れ
る溶融樹脂の流れを規制する流れ規制部は、可動金型1
2、具体的には、摺動金型13の内側の可動中央型板1
23および摺動金型13の外側の可動周縁型板122に
より構成されている。
【0042】また、可動側進退プレート131には、固
定金型11の後退用ロッド44と同一軸線上に押込用ロ
ッド132が立設され、可動側進退プレート131を可
動金型12に対して後退させた状態においては、押込用
ロッド132および後退用ロッド44は離間している。
この状態から、可動側進退プレート131を前進させる
ことで、押込用ロッド132により、後退用ロッド44
が固定盤31側に押圧されて固定型板312から没する
(離れる)方向に後退し、これにより、固定側進退プレ
ート41が後退して、流れ規制板40が固定型板312
から没するようになっている。
【0043】このように構成された本実施形態では、次
のような手順により、積層成形品2を製造する。すなわ
ち、可動金型12を固定金型11に対して後退させて金
型本体10を開くとともに、図示しない進退機構によ
り、摺動金型13を可動金型12に対して後退させて、
摺動金型13の装着面13Aを可動金型12の成形面よ
りも第二表面材24の厚さ以上に没した状態にしてお
く。このとき、固定側進退プレート41は、スプリング
43の付勢力によって固定型板312に圧接され、流れ
規制板40は、固定型板312の成形面から第一表面材
23の厚さ以上に突出している。
【0044】そして、流れ規制板40により区画された
装着面11Aに第一表面材23をはめ込んで装着すると
ともに、可動金型12により区画された摺動金型13の
装着面13Aに第二表面材24をはめ込んで装着する。
なお、第一、第二表面材23,24は、必要に応じて、
針や真空吸引手段等の各種固定手段により装着面11
A,13Aに固定してもよい。
【0045】次いで、可動金型12を固定金型11に向
かって前進させることにより、金型本体10を閉鎖し型
締めする。これにより、金型本体10の内部には、後に
摺動金型13を前進させる分だけ積層成形品2の形状よ
りも大きいキャビティ10Aが形成される。
【0046】この後、図示しない射出装置により、溶融
樹脂をスプル33Aを通じてキャビティ10Aに射出す
る。この際、図3に示すように、溶融樹脂は、キャビテ
ィ10Aの中央部分から外縁部分の第一、第二表面材2
3,24に向かって進行し、図4に示すように、流れ規
制板40を乗り越えるように流動して第一表面材23の
表面(第二表面材24との対向面)に流れ込むととも
に、可動中央型板123の成形面から摺動金型13の第
二表面材24の表面(第一表面材23との対向面)に流
れ込む。
【0047】すなわち、互いに対向する第一、第二表面
材23,24の間の空間に溶融樹脂が流れ込み、この樹
脂圧力により、第一、第二表面材23,24は、装着面
11A,13Aに向かって押圧されて圧縮される。この
とき、第一、第二表面材23,24の端面は、固定型板
312、流れ規制板40、可動周縁型板122および可
動中央型板123により覆われて、溶融樹脂の流動と遮
断されているので、溶融樹脂が第一、第二表面材23,
24の端面近傍で流動することはない。
【0048】そして、溶融樹脂の射出完了と略同じタイ
ミング、具体的には、射出完了と同時、射出完了直前お
よび射出完了直後のいずれかのタイミングで、図5に示
すように、図示しない進退機構により、可動側進退プレ
ート131を固定金型11に向かって前進させること
で、摺動金型13をキャビティ10Aに対して前進さ
せ、これにより、溶融樹脂を圧縮してキャビティ10A
に充満させて賦形する。
【0049】このとき、可動側進退プレート131とと
もに押込用ロッド132が前進して後退用ロッド44に
当接する。可動側進退プレート131をさらに前進させ
ると、後退用ロッド44は、押込用ロッド132に押圧
されて固定盤31に向かって後退するようになる。この
後退用ロッド44の後退動作と連動して、固定側進退プ
レート41が固定盤31側に移動し、これにより、流れ
規制板40がキャビティ10Aに対して没する方向に後
退する。
【0050】キャビティ10Aが積層成形品2に応じた
形状になるまで摺動金型13を前進させると、図6に示
すように、流れ規制板40の突出方向先端面は、固定型
板312の成形面と面一になり、流れ規制板40の突出
していた部分は溶融樹脂で満たされる。この際、流れ規
制板40が、圧縮された第一表面材23の表面(第二表
面材24との対向面)よりも後退すると、第一表面材2
3の内側の端面が露出する。この時点では、溶融樹脂の
充填・圧縮はほぼ完了し、溶融樹脂はキャビティ10A
においてほとんど流動しない程度まで充満されている。
このため、第一表面材23の内側の端部が樹脂流動に巻
き込まれることはない。
【0051】溶融樹脂が冷却固化したら、可動金型12
を後退させることにより型開きを行い、表面材23,2
4が一体化された成形品本体20(図2参照)を金型本
体10から取り出す。この際、可動側進退プレート13
1を、圧縮状態からさらに前進させることにより、摺動
金型13で製品2を突き出すようにしてもよい。これに
より、摺動金型13を突き出し部材に兼用できる。この
ようにして取り出された積層成形品2の第一、第二表面
材23,24は、その圧縮に抗する力(復元力)によっ
て、扁平に圧縮された状態から、成形前の形状と略同形
状まで復元する。
【0052】このような本実施形態によれば、以下のよ
うな効果がある。すなわち、固定金型11(固定型板3
12)に、第一表面材23に対する流れ規制部としての
流れ規制板40を設けるとともに、第二表面材24に対
する流れ規制部を可動金型12(可動中央型板123)
によって構成したので、第一、第二表面材23,24と
同一面内で当該第一、第二表面材23,24に向かって
流動する溶融樹脂の流れを規制できる。このため、第
一、第二表面材23,24を配置したキャビティ10A
に溶融樹脂を射出したときに、溶融樹脂が直接第一、第
二表面材23,24の端面に向かって流動することがな
くなる。従って、第一、第二表面材23,24の端部が
溶融樹脂の流動によってめくれ上がったり樹脂に埋もれ
たりする樹脂の巻き込みや、樹脂の流動による第一、第
二表面材23,24の位置ずれを防止できるので、良好
な品質および外観を有する積層成形品2が得られる。
【0053】さらに、流れ規制板40および可動中央型
板123により溶融樹脂の流れを制御できるため、従来
のようにキャビティの表面材に対応した部分を拡張しな
くてもよくなり、これにより、成形品本体20の第一、
第二表面材23,24が積層された部分の厚肉化を回避
できるから、樹脂の使用量が少なくて済むので経済的で
ある上、厚肉化による冷却時間の増加および成形品本体
20の変形を防止できる。また、多点ゲート方式を採用
しなくても良好な品質の積層成形品2が得られるため、
ウェルドやヤケ等の成形不良の発生を防止できる。
【0054】そして、第一、第二表面材23,24を成
形品本体20の成形と同時に一体化できるので、表面材
を貼り付ける工程を省略できるから、生産性を高められ
る。
【0055】さらに、金型本体10は、キャビティ10
Aに対して進退可能な摺動金型13を含んで構成され、
溶融樹脂の充填開始時に摺動金型13を後退させておく
ので、第一、第二表面材23,24に作用する樹脂圧力
を低くでき、溶融樹脂が第一、第二表面材23,24へ
過度に浸透することを防止できるから、第一、第二表面
材23,24が圧縮状態のまま固定される等の不具合を
防止できるとともに、樹脂圧力により第一、第二表面材
23,24が受けるダメージを低減できる。また、溶融
樹脂の充填開始後に摺動金型13を前進させることで、
溶融樹脂をキャビティ10A全体に確実に展延(充満)
させることができるので、キャビティ10Aの形状に倣
った成形品本体20が得られる。
【0056】そして、板状の流れ規制板40により第一
表面材23に対する流れ規制部が構成されているので、
第一表面材23に向かう溶融樹脂を流れ規制板40に沿
って所望の方向、つまり、第一表面材23の端面から逸
れる方向に導くことができるから、溶融樹脂の流れを確
実に規制できる。また、流れ規制板40は、キャビティ
10Aに対して突没可能に設けられ、この流れ規制板4
0を、溶融樹脂の流動が小さくなってから、具体的に
は、溶融樹脂の射出完了と略同じタイミングで、没する
方向に後退させるので、成形品本体20に流れ規制板4
0によるへこみ部分が形成されることがなくなるので、
優れた強度および外観を確保できる。
【0057】さらに、流れ規制板40は、第一表面材2
3の端面のうちキャビティ10A内で露出する部分、つ
まり、第一表面材23の内側の端面に沿って連続して設
けられているので、第一表面材23の端面が金型本体1
0および流れ規制板40により覆われるようになり、そ
の端面全面を樹脂流動と遮断できるから、樹脂の巻き込
みおよび第一表面材23の位置ずれを一層確実に防止で
きる。
【0058】また、第一表面材23の内側の端面に沿っ
て流れ規制板40が設けられているので、第一表面材2
3の内側の端面を、第一表面材23の内側で流動する溶
融樹脂と遮断できるから、第一表面材23の内側の端部
における樹脂の巻き込みを確実に防止できる。
【0059】また、可動金型12に設けられた摺動金型
13は、第一表面材23に対応した枠状に形成されてい
るため、摺動金型13を第二表面材24とともに後退さ
せることで、第二表面材24の端面を可動金型12によ
り覆うことができるから、この可動金型12によって第
二表面材24の端面を樹脂流動から遮断できる。従っ
て、摺動金型13の進退動作により可動金型12を流れ
規制部に兼用できるので、流れ規制部を形成するために
特別な構造を設けなくてもよいから、金型本体10の構
造を簡略化できる。
【0060】そして、摺動金型13に結合された可動側
進退プレート131と、流れ規制板40に結合された固
定側進退プレート41とを対向配置するとともに、これ
らの進退プレート131,41に、それぞれ後退用ロッ
ド44および押込用ロッド132を摺動金型13の進退
方向と平行な直線上に立設して、摺動金型13の前進に
より、押込用ロッド132で後退用ロッド44を後退さ
せるように構成したため、摺動金型13の前進動作と連
動して流れ規制板40を後退させることができるから、
摺動金型13の駆動手段を流れ規制板40の駆動手段に
兼用できる。従って、流れ規制板40を突没させるため
の専用の駆動手段を設けなくてもよいので、構造を簡略
化できる。
【0061】〔第二実施形態〕図7に示す本実施形態の
成形用金型5は、前記第一実施形態の成形用金型1の流
れ規制板40を省略したものであり、図1〜図6と同一
部分には同一符号を付して詳しい説明は省略し、以下に
は異なる部分のみを詳述する。本実施形態の成形用金型
5は、図2に示した積層成形品2の第一表面材23を省
略したもの、つまり、成形品本体20に第二表面材24
のみが積層された気流制御弁(積層成形品)を成形する
ためのものである。
【0062】すなわち、固定型板312は、固定盤31
に直接取り付けられ、前記第一実施形態の流れ規制板4
0、固定側進退プレート41、摺動軸42、スプリング
43および後退用ロッド44(図1参照)は設けられて
いない。また、可動側進退プレート131には、前記第
一実施形態の押込用ロッド132は設けられていない。
このような本実施形態では、第二表面材24のみを装着
面13Aに装着して、前記第一実施形態と同様に成形を
行う。このような本実施形態によれば、前記第一実施形
態と同様な作用、効果を奏することができる他、摺動金
型13を表面材24に対応した形状にするだけでよいた
め、特別な部材を用意する必要がないから、部材点数を
少なくできるとともに構造を簡単にできる。
【0063】〔第三実施形態〕図8に示す本実施形態の
成形用金型6は、前記第一実施形態の成形用金型1の可
動中央型板123を摺動金型13と一体化したものであ
り、図1〜図7と同一部分には同一符号を付して詳しい
説明は省略し、以下には異なる部分のみを詳述する。本
実施形態の成形用金型6は、図2に示した積層成形品2
の第二表面材24を省略したもの、つまり、成形品本体
20に第一表面材23のみが積層された気流制御弁を成
形するためのものである。
【0064】すなわち、可動金型12は、枠状の可動受
け板121および可動周縁型板122を重ねて結合する
こと等により筒状に構成され、中央部分に矩形の開口1
20を備えている。なお、可動金型12は、複数の部材
からなるものに限定されず、一体的に形成されていても
よい。
【0065】この開口120には、その壁面に沿って摺
動可能な摺動金型14が設けられている。本実施形態の
摺動金型14は、略直方体形状のブロック状に形成さ
れ、成形品本体20の他方の面(第一表面材23と反対
側の面)全面に対応する成形面を備えている。この摺動
金型14は、平板状に形成された本実施形態の可動側進
退プレート131に固定され、前記第一実施形態と同様
に、可動側進退プレート131の進退により、キャビテ
ィ10Aに対して進退するようになっている。
【0066】このように構成された本実施形態では、第
一表面材23のみを固定型板312の装着面11Aに装
着する以外は、前記第一実施形態と同様な手順で成形を
行う。この際、前記第一実施形態と同様にして、溶融樹
脂の射出完了と略同じタイミングで摺動金型14を前進
させると、キャビティ10A全体の厚さが減少すること
から、キャビティ10Aの溶融樹脂が均等に圧縮される
ようになる。
【0067】このような本実施形態によれば、前記第一
実施形態と同様な作用、効果を奏することができる他、
摺動金型14は、成形品本体20の他方の面全面に対応
したブロック状に形成されているので、摺動金型14お
よびこれが設けられる可動金型12の構造を単純化でき
る上、溶融樹脂を平均的に圧縮できるので、キャビティ
10A全体に一層確実に充満させることができるから、
キャビティ10Aに対応した高品質な製品が得られる。
【0068】〔第四実施形態〕図9に示す本実施形態の
成形用金型7は、前記第一実施形態の流れ規制部を全
て、独立して進退する流れ規制板40により構成したも
のであり、図1〜図8と同一部分には同一符号を付して
詳しい説明は省略し、以下には異なる部分のみを詳述す
る。本実施形態の可動金型12は、矩形の開口120を
有して筒状に形成され、本実施形態の摺動金型15は、
この開口120の壁面に沿って摺動可能な矩形平板状に
形成されている。
【0069】摺動金型15は、平板状に形成された本実
施形態の可動側進退プレート131にスペーサ151を
介して固定され、前記第一実施形態と同様に、この可動
側進退プレート131の進退によってキャビティ10A
に対して進退するようになっている。なお、前記第一実
施形態の押込用ロッド132は省略されている。
【0070】このような摺動金型15は、成形品本体2
0の他方の面(第二表面材24側の面)全面に対応する
成形面を備え、この成形面の外周縁部分が第二表面材2
4を装着するための装着面15Aとされている。摺動金
型15には、この枠状の装着面15Aに配置した第二表
面材24の内側の端面を覆うように、固定型板312の
流れ規制板40と略同様な流れ規制板40が設けられて
いる。この流れ規制板40により、装着面15Aが成形
面において区画され、流れ規制板40と可動金型12の
成形面との間に第二表面材24が保持されるようになっ
ている。
【0071】このような摺動金型15側の流れ規制板4
0は、固定型板312側の流れ規制板40と同様に、進
退プレート411と一体化されて摺動軸42に沿って摺
動可能に設けられるとともに、スプリング43によって
キャビティ10Aに突出する方向に付勢されている。な
お、本実施形態のスプリング43の付勢力は、前記第一
実施形態のスプリングよりも小さくされている。
【0072】また、本実施形態の流れ規制板40の突出
方向先端面は、それぞれ第一、第二表面材23,24の
内側に向かって下る傾斜面とされ、溶融樹脂が流れ規制
板40を乗り越えて流動しやすいようになっている。な
お、流れ規制板40の先端面には、突出方向に突出する
凸部を設けてもよく、これによると、流れ規制板40の
先端が成形面や表面材24に接触してキャビティ10A
が流れ規制板40によって分断されても、成形面等には
先端面の凸部が接触するに過ぎないので、凸部周辺に流
れ規制板40と交差する流路を確保できるから、溶融樹
脂を流れ規制板40を越えて第一、第二表面材23,2
4側に流れ込ませることができる。
【0073】このように構成された本実施形態では、前
記第一実施形態と略同様な手順で成形を行う。この際、
溶融樹脂の射出完了と略同じタイミングで、摺動金型1
5を前進させると、キャビティ10Aの樹脂圧力が高く
なり、流れ規制板40は、樹脂の圧力によって押圧され
る。これにより、各流れ規制板40は、キャビティ10
Aに対して没する方向に移動(後退)し、摺動金型15
の前進完了時、つまり、最も後退した状態においては、
各金型11,15の成形面と略面一になる。
【0074】このような本実施形態によれば、前記第一
実施形態と同様な作用、効果を奏することができる他、
流れ規制板40を摺動金型15の前進動作と連動させる
機構を特別に設けなくてもよいので構造を簡略化でき
る。
【0075】〔第五実施形態〕図10に示す本実施形態
の成形用金型8は、前記第一実施形態の成形用金型1と
略同様な構成を備え、固定金型11側の流れ規制板40
が省略された点および摺動金型の構造が異なるのみであ
るので、同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省
略し、以下には異なる部分のみを詳述する。本実施形態
の成形用金型8は、図11に示す積層成形品(気流制御
弁)9を成形するためのものである。
【0076】積層成形品9は、成形品本体20の一方の
面の全面に平板状の第一表面材230が積層されるとと
もに、他方の面に対して第二表面材24が部分的に積層
された構造を有している。第一表面材230のゲートに
対応した中央部分には、ゲート孔231が形成されてい
る。
【0077】図10に戻って、本実施形態の固定型板3
12は、固定盤31に直接取り付けられ、前記第一実施
形態の流れ規制板40、固定側進退プレート41、摺動
軸42、スプリング43および後退用ロッド44(図1
参照)は設けられていない。また、前記第一実施形態の
押込用ロッド132は、省略されている。
【0078】可動金型12は、矩形の開口120を有し
て筒状に形成され、本実施形態の摺動金型16は、この
開口120の壁面に沿って摺動可能なブロック状に形成
されている。摺動金型16は、平板状に形成された本実
施形態の可動側進退プレート131に固定され、前記第
一実施形態と同様に、この可動側進退プレート131の
進退によってキャビティ10Aに対して進退するように
なっている。
【0079】このような摺動金型16の成形面の外周縁
部分は、第二表面材24を装着するための装着面16A
とされている。摺動金型16の成形面のうち、この枠状
の装着面16Aに囲まれた矩形の部分には、凹部160
が形成され、この凹部160には、摺動金型16の装着
面16Aよりもキャビティ10Aに突出する圧縮コア1
7が設けられている。圧縮コア17は、凹部160の壁
面161に沿って摺動可能なブロック状に形成され、摺
動ピン171を介して凹部160の底面162、つま
り、圧縮コア17の摺動方向の底面162に連結されて
いる。
【0080】摺動ピン171は、摺動金型16の進退方
向と平行に設けられ、一端が凹部160の底面162に
固定されるとともに、他端部が圧縮コア17内に突没可
能に連結されている。この摺動ピン171には、スプリ
ング172が巻装され、当該スプリング172の付勢力
によって、圧縮コア17は、凹部160の底面163か
ら離間する方向、つまり、キャビティ10Aに突出する
方向に付勢され、装着面16Aから第二表面材24の厚
さ以上に突出している。
【0081】このように装着面16Aから突出した圧縮
コア17により、第二表面材24の端面が覆われて、第
二表面材24と同一面内で当該第二表面材24に向かっ
て流動する溶融樹脂の流れが規制されるようになってい
る。すなわち、本実施形態では、第二表面材24に向か
って流れる溶融樹脂の流れを規制する流れ規制部は、圧
縮コア17により構成されている。
【0082】このように構成された本実施形態では、次
のような手順により、積層成形品9を製造する。すなわ
ち、図10に示すように、金型本体10を開くとともに
摺動金型16を可動金型12に対して後退させておく。
このとき、スプリング172の付勢力により、圧縮コア
17は、凹部160の底面163と離間して、摺動金型
16の装着面16Aからキャビティ10Aに対して第二
表面材24の厚さ以上に突出した状態になる。
【0083】そして、固定型板312の成形面の全面に
第一表面材230を装着し、そのゲート孔231を固定
金型11のゲート111に連通させる。また、可動金型
12および圧縮コア17に囲まれた装着面16Aに第二
表面材24をはめ込んで装着する。
【0084】次いで、金型本体10を閉鎖し、図12に
示すように、摺動金型16をキャビティ10Aに対して
所定距離前進させ、第一、第二表面材230,24を、
固定型板312と、摺動金型16および圧縮コア17と
で挟み込んで圧縮する。この際、摺動金型16を固定金
型11(キャビティ10A)に対して前進させると、圧
縮コア17および摺動ピン171が、固定型板312お
よび摺動金型16の間に挟み付けられ、スプリング17
2が圧縮されて、圧縮コア17が摺動金型16の凹部1
60に没するようになる。つまり、圧縮コア17は、摺
動金型16の前進に追従しないで、前進する摺動金型1
6の凹部160に収納されていく。摺動金型16の前進
が完了したときには、圧縮コア17は装着面16Aから
若干突出した状態になる。
【0085】そして、溶融樹脂の射出開始と同時、或い
は、射出開始直後に、図13に示すように、摺動金型1
6を後退させる。すると、圧縮コア17は、摺動金型1
6の後退に追従してキャビティ10Aに対して後退する
とともに、スプリング172の付勢力によって相対的に
摺動金型16から突出するようになり、この突出部分に
より、第二表面材24の内側の端面が覆われるようにな
る。また、溶融樹脂は、圧縮されていた第一表面材23
0のゲート孔231から第一表面材230と圧縮コア1
7との間の空間に流れ込んで、圧縮コア17の成形面お
よび第一表面材230の表面(圧縮コア17側の面)に
沿って流動拡散していく。そして、拡散する溶融樹脂
は、圧縮コア17の成形面から第二表面材24の表面
(第一表面材230側の面)に流れ込み、樹脂圧力によ
って、第一、第二表面材230,24は圧縮される。
【0086】この際、第一、第二表面材230,24の
端面は、固定金型11および可動金型12の各成形面お
よび圧縮コア17により覆われて、溶融樹脂の流動と遮
断されている。
【0087】そして、溶融樹脂の射出完了と略同じタイ
ミング、具体的には、射出完了と同時、射出完了直前お
よび射出完了直後のいずれかのタイミングで、図14に
示すように、摺動金型16をキャビティ10Aに対して
前進させ、溶融樹脂を圧縮してキャビティ10Aに完全
に充満させて賦形する。このとき、圧縮コア17は、摺
動金型16に追従して前進するとともに、前述したよう
に、凹部160内に没するようになり、通常は、凹部1
60の底面163に当接するまで没する。摺動金型16
の前進が完了した状態では、圧縮コア17は、装着面1
6Aから若干突出した状態になる。
【0088】溶融樹脂が冷却固化したら、型開きを行
い、表面材230,24が一体化された成形品本体20
(図11参照)を取り出す。
【0089】このような本実施形態によれば、前記第一
実施形態と同様な作用、効果を奏することができる他、
以下のような効果がある。すなわち、摺動金型16を前
進させることにより第一表面材230のゲート孔231
周辺部分を圧縮しておき、溶融樹脂の射出開始と同時或
いは直後に摺動金型16を後退させることでキャビティ
10Aを拡張するので、第一表面材230と後退する圧
縮コア17の成形面との間に溶融樹脂が流入しやすくな
るから、溶融樹脂を第一表面材230と圧縮コア17と
の間の空間に確実に導入できる。従って、積層成形品9
の意匠面となる第一表面材230の固定金型11側の面
に溶融樹脂が流入することがなくなるので、不良品の発
生率を低下させることができる。
【0090】また、摺動金型16には、その装着面16
Aから突出する圧縮コア17が設けられ、この圧縮コア
17は、第二表面材24の内側の端面に沿った外形形状
とされているため、第二表面材24の内側の端面を確実
に覆うことができるから、第二表面材24の内側の端面
における樹脂の巻き込みを確実に防止できる。
【0091】そして、圧縮コア17は、スプリング17
2により装着面16Aから突出する方向に付勢され、摺
動金型16に対して突没可能とされているので、摺動金
型16を前進させて圧接するだけで、摺動金型16内に
没した状態にできるとともに、摺動金型16を後退させ
るだけで摺動金型16から突出させることができる。従
って、圧縮コア17を進退させるための構造や手段を特
別に設けなくてもよいから、成形用金型8の構造を単純
にできるとともに低コストに製造できる。
【0092】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を
含み、以下に示すような変形なども本発明に含まれる。
すなわち、前記第一、第三、第四実施形態では、流れ規
制板を金型本体の開閉や摺動金型の進退に連動させた
が、油圧シリンダ等の駆動手段を設けて、流れ規制板を
独立して進退させるようにしてもよい。これによれば、
樹脂の流動性等の条件に応じて流れ規制板を後退させる
タイミングや後退速度等の後退条件を自由に設定でき
る。
【0093】前記各実施形態の摺動金型13〜16は、
外部の図示しない進退機構により駆動するように構成さ
れていたが、この進退機構は、可動金型12の内部に設
けられていてもよく、或いは、金型を開閉するために可
動金型を固定する可動ダイプレートと可動金型との間の
空間に設けられていてもよく、さらには、外部に設けら
れていてもよい。また、摺動金型13は、固定金型11
に設けられていてもよい。
【0094】以上に述べた各実施形態では、外周縁部に
表面材が積層された気流制御弁を製造する場合について
説明したが、積層成形品において表面材を取り付ける位
置は特に限定されず、積層成形品の表面材は、例えば、
成形品本体の中央部分に積層されていてもよく、或い
は、複数の表面材が成形品本体に対して間欠的に取り付
けられていてもよい。
【0095】また、積層成形品は気流制御弁に限定され
ず、例えば、シール部材としての表面材を開口周縁部に
積層した自動車用のエアクリーナーケース、シール部材
として表面材を枠状に積層した冷蔵庫の扉、ドアトリム
やインパネ等の自動車内装部品等であってもよい。要す
るに、合成樹脂からなる成形品本体に部分的に圧縮可能
な表面材を積層したものであれば、任意である。
【0096】
【実施例】続いて、本発明の効果を具体的な実施例に基
づいて説明する。 〔実施例1〕本実施例は、前記第一実施形態に基づい
て、成形品本体(160mm×110mm,肉厚3.0mm)
の両面に第一、第二表面材を一体化した気流制御弁を射
出圧縮成形法により製造する実験である。本実施例で
は、以下のような材料、成形機、成形用金型および成形
条件を採用した。
【0097】(1)材料 合成樹脂 ・ポリプロピレン(出光石油化学(株)製 IDEMITSU
PP J-2000GP) ・MI(メルトインデックス):21g /10分( 23
0℃,2.16kg荷重) 表面材 ・表面材の材質 : ウレタンフォーム(厚さ
8.0mm,発泡倍率約30倍) ・第一表面材の外形寸法 : 160mm×110mm ・第一表面材の開口寸法 : 140mm×90mm ・第二表面材の外形寸法 : 160mm×110mm ・第二表面材の開口寸法 : 126mm×76mm
【0098】(2)成形機 汎用の横型射出成形機(型締力:80t,日精樹脂社
製)の可動ダイプレートに摺動金型を進退させるための
圧縮装置(駆動装置)を組み込んだものを用いた。な
お、成形機の圧縮力は、0〜100%の間で連続的に調
整可能である。 (3)成形用金型 流れ規制板の厚さ : 4mm 流れ規制板の最大突出寸法 : 10mm 摺動金型の後退位置 : 可動型中央型板の成
形面から15mm没した位置
【0099】 (4)成形条件 成形温度 : 200度 金型温度 : 30度 射出時間 : 1.6秒 樹脂の射出圧力 : 80kg/cm2 (ゲージ圧) 冷却時間 : 40秒 摺動金型の圧縮量 : 15mm(摺動金型の前進量) 圧縮開始のタイミング : 射出完了と同時 (摺動金型前進開始のタイミング) 圧縮速度 : 5mm/秒(摺動金型前進速度) 圧縮力 : 5t
【0100】〔実施例2〕本実施例は、前記第二実施形
態に基づいて、気流制御弁を製造する実験である。本実
施例では、摺動金型の圧縮量を10mmとした以外は、前
記実施例1と同様な材料、成形機、成形用金型および成
形条件を採用した。
【0101】〔比較例1〕本比較例では、成形用金型と
して、従来の金型、つまり、流れ規制板および摺動金型
のない金型を使用して射出成形法により成形を行ったこ
と以外は、前記実施例1と同様にして気流制御弁を得
た。すなわち、本比較例で用いた金型は、前記実施例1
の成形用金型において、摺動金型を前進させた状態で形
成されるキャビティと略同形状のキャビティを備えたも
のであり、成形時には溶融樹脂の圧縮を行わなかった。
【0102】〔実験結果〕気流制御弁の表面材の平均厚
さは、実施例1では7.1mm、実施例2では、7.3mm
であった。また、各実施例で得られた気流制御弁には、
表面材の潰れや皺の発生および位置ずれが認められない
上、表面材の端部に樹脂の巻き込みによる外観不良がな
いことから、密閉性等の品質に優れた外観の良好な気流
制御弁が得られることがわかる。一方、比較例1では、
表面材の内側端部において樹脂の巻き込みが発生した
上、表面材が樹脂流動により引きずられて成形品本体か
らはみ出した状態で一体化される不具合が生じ、品質お
よび外観に優れた気流制御弁が得られないことがわか
る。
【0103】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
合成樹脂からなる成形品本体に部分的に圧縮可能な表面
材が積層された積層成形品を成形するための積層成形品
の成形用金型に、溶融樹脂の流れを規制する流れ規制部
が設けたため、この流れ規制部を、表面材と同一面内で
当該表面材に向かって流動する溶融樹脂の流れを規制す
るように設けることで、溶融樹脂が直接表面材の端面に
向かって流動することがなくなる。従って、表面材の端
部が溶融樹脂の流動によってめくれ上がったり樹脂に埋
もれたりする樹脂の巻き込みや、樹脂の流動による表面
材の位置ずれを防止できるので、良好な品質および外観
を有する積層成形品が得られる。
【0104】さらに、流れ規制部により溶融樹脂の流れ
を制御できるため、キャビティの表面材に対応した部分
を拡張しなくてもよくなり、これにより、成形品本体の
表面材が積層された部分の厚肉化を回避できるから、樹
脂の使用量が少なくて済むので経済的である上、厚肉化
による冷却時間の増加および成形品本体の変形を防止で
きる。また、多点ゲート方式を採用しなくても良好な品
質の積層成形品が得られるため、ウェルドやヤケ等の成
形不良の発生を防止できる。そして、表面材を成形品本
体の成形と同時に一体化できるので、表面材を貼り付け
る工程を省略できるから、生産性を高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態を示す断面図。
【図2】前記第一実施形態の積層成形品を示す平面図お
よび断面図。
【図3】前記第一実施形態における射出時の状態を示す
部分断面図。
【図4】前記第一実施形態における溶融樹脂の流動状態
を示す部分断面図。
【図5】前記第一実施形態において摺動金型を前進させ
たときの状態を示す部分断面図。
【図6】前記第一実施形態において摺動金型の前進が完
了したときの状態を示す部分断面図。
【図7】本発明の第二実施形態を示す断面図。
【図8】本発明の第三実施形態を示す断面図。
【図9】本発明の第四実施形態を示す断面図。
【図10】本発明の第五実施形態を示す断面図。
【図11】前記第五実施形態の積層成形品を示す断面
図。
【図12】前記第五実施形態の摺動金型を前進させた状
態を示す断面図。
【図13】前記第五実施形態の摺動金型を後退させた状
態を示す断面図。
【図14】前記第五実施形態の摺動金型を再び前進させ
た状態を示す断面図。
【符号の説明】
1,5,6,7,8 成形用金型 2,9 積層成形品 10 金型本体 10A キャビティ 11 固定金型 12 可動金型 13,14,15,16 摺動金型 17 圧縮コア 20 成形品本体 23,230 第一表面材 24 第二表面材 40 流れ規制板(流れ規制部)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂からなる成形品本体に部分的に
    圧縮可能な表面材が積層された積層成形品を成形するた
    めの積層成形品の成形用金型であって、 内部に前記積層成形品を成形するためのキャビティが設
    けられかつ内面に前記表面材を装着可能な金型本体と、 この金型本体を構成しかつ前記キャビティに対して進退
    可能な摺動金型と、 前記金型本体に設けられかつ前記表面材に向かって流れ
    る溶融樹脂の流れを規制する流れ規制部とを備えたこと
    を特徴とする積層成形品の成形用金型。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した積層成形品の成形用
    金型において、 前記流れ規制部は、板状の流れ規制板を含んで構成さ
    れ、 この流れ規制板は、前記キャビティに対して突没可能と
    されていることを特徴とする積層成形品の成形用金型。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載した積層成形品の成形用
    金型において、 前記流れ規制板は、前記表面材の端面のうちキャビティ
    内で露出する部分に沿って連続して設けられていること
    を特徴とする積層成形品の成形用金型。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載した積層成形品の成形用
    金型において、 前記表面材は、枠状に形成され、 この表面材の内側の端面に沿って前記流れ規制板が設け
    られていることを特徴とする積層成形品の成形用金型。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載した積層成形品の成形用
    金型において、 前記表面材は、枠状に形成され、かつ、前記摺動金型の
    成形面に装着され、 この摺動金型は、前記表面材に対応した枠状に形成さ
    れ、 前記金型本体のうち前記摺動金型の内側の部分により、
    前記流れ規制部が構成されていることを特徴とする積層
    成形品の成形用金型。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載した積層成形品の成形用
    金型において、 前記表面材は、枠状に形成され、かつ、前記摺動金型の
    周囲に装着され、 この摺動金型は、前記表面材の開口に対応したブロック
    状に形成され、 前記摺動金型により、前記流れ規制部が構成されている
    ことを特徴とする積層成形品の成形用金型。
  7. 【請求項7】 合成樹脂からなる成形品本体に部分的に
    圧縮可能な表面材が積層された積層成形品を成形するた
    めの積層成形品の成形方法であって、 内部に前記積層成形品を成形するためのキャビティが設
    けられた金型本体と、この金型本体を構成しかつ前記キ
    ャビティに対して進退可能な摺動金型と、前記金型本体
    に設けられかつ前記表面材に向かって流れる溶融樹脂の
    流れを規制する流れ規制部とを備えた成形用金型を用
    い、 前記表面材を前記金型本体の内面に装着し、 前記キャビティへの溶融樹脂の射出を開始した後、 前記摺動金型を前記キャビティに対して前進させること
    を特徴とする積層成形品の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載した積層成形品の製造方
    法において、 前記摺動金型を前記キャビティに対して前進させると同
    時に、前記流れ規制部を前記キャビティに対して後退さ
    せることを特徴とする積層成形品の製造方法。
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