JPH11229097A - 鉄損の低い無方向性電磁鋼板 - Google Patents

鉄損の低い無方向性電磁鋼板

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JPH11229097A
JPH11229097A JP10046303A JP4630398A JPH11229097A JP H11229097 A JPH11229097 A JP H11229097A JP 10046303 A JP10046303 A JP 10046303A JP 4630398 A JP4630398 A JP 4630398A JP H11229097 A JPH11229097 A JP H11229097A
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iron loss
ppm
steel sheet
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JP10046303A
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English (en)
Inventor
Yoshihiko Oda
善彦 尾田
Nobuo Yamagami
伸夫 山上
Akira Hiura
昭 日裏
Yasushi Tanaka
靖 田中
Atsushi Chino
淳 千野
Katsumi Yamada
克美 山田
Hideki Matsuoka
秀樹 松岡
Noritaka Takahashi
紀隆 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定して鉄損の低い無方向性電磁鋼板を提供
する。 【解決手段】 重量%で、C:0.005%以下、Si:4.0%
以下、Mn:0.05〜1.0%、P:0.2%以下、N:0.005%
以下(0を含む)、Al:0.1〜1.0%、S:0.001%以下
(0を含む)、SbとSnの少なくとも一方をSb+Sn/2で0.0
01〜0.05%、Ti:0.005%以下(0を含む)を含み、残
部が実質的にFeであることを特徴とする鉄損の低い無方
向性電磁鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄損が低く、電気
機器に使用される電気材料として好適な無方向性電磁鋼
板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電気機器の省エネルギーの観点よ
り、より鉄損の低い電磁鋼板が求められるようになって
きている。この鉄損を低減するためには結晶粒の粗大化
が効果的であり、低鉄損が特に要求されるSi+Al量が1
〜3%程度の中・高級グレードの無方向性電磁鋼板にお
いては、仕上焼鈍温度を1000℃程度まで高めたり、焼鈍
時のラインスピードを下げ、焼鈍時間を長くすることに
より結晶粒の粗大化を図っている。
【0003】仕上焼鈍時の粒成長性を良好にするために
は、鋼板中の介在物、析出物量を低減することが効果的
である。このため、これまで介在物、析出物を無害化す
ることが試みられており、特に高級材ではMnSの析出防
止の観点からS量を低減させる試みがなされてきた。
【0004】例えば、特公昭56−22931号公報に
は、Si:2.5〜3.5%、Al:0.3〜1.0%の鋼においてS:
50ppm以下、O:25ppm以下とすることにより鉄損を低下
させる技術が開示されている。
【0005】また、特公平2−50190号公報には、
Si:2.5〜3.5%、Al:0.25〜1.0%の鋼においてS:15p
pm以下、O:20ppm以下、N:25ppm以下とすることによ
り鉄損を低下させる技術が開示されている。
【0006】さらに特開平5−140647号公報に
は、Si:2.0〜4.0%、Al:0.10〜2.0%の鋼において
S:30ppm以下、Ti、Zr、Nb、Vをそれぞれ50ppm以下と
することにより鉄損を低下させる技術が開示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらいずれ
の技術においても、S量を10ppm以下とした高級グレー
ドの鋼板の鉄損値は、W15/50=2.4W/kg程度(板厚0.5
mm)であり、これ以上の低鉄損は達成されていないのが
現状である。単純に考えると、S量を少なくしていけば
鋼中のMnSの量が減り、これに伴って結晶粒の成長が容
易になるので、鉄損はどんどん低下していくように思わ
れる。しかしながら、現実には、S量の低下に伴う鉄損
の低下は、S量が10ppm程度となると飽和し、前記のよ
うな鉄損値が限界である。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みなされたも
のであり、安定して鉄損の低い電磁鋼板を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、Sを10
ppm以下の極微量に制御しても鉄損が下がらないのは、
微量S領域において顕著な窒化層が表面領域に形成され
るためであるという新しい知見に基づき、SbとSnの少な
くとも一方をSb+Sn/2で0.001〜0.05%含有させ、さらに
Ti含有量を0.005%以下に制限することによって窒化物
の形成を抑制し、鉄損を低下させるものである。
【0010】すなわち、前記課題は、重量%で、C:0.
005%以下、Si:4.0%以下、Mn:0.05〜1.0%、P:0.2
%以下、N:0.005%以下(0を含む)、Al:0.1〜1.0
%、S:0.001%以下(0を含む)、SbとSnの少なくと
も一方をSb+Sn/2で0.001〜0.05%、Ti:0.005%以下
(0を含む)を含み、残部が実質的にFeであることを特
徴とする鉄損の低い無方向性電磁鋼板により解決され
る。
【0011】そして、この中で、Sb+Sn/2の量を0.001〜
0.005%とすることにより、際立って鉄損を低下させる
ことができる。
【0012】ここに、「残部が実質的Feである」とは、
本発明の作用効果を無くさない範囲で不可避不純物をは
じめその他の微量元素を含むものが権利範囲に入ること
を意味する。なお、以下の説明において、鋼の成分を示
す%は全て重量%を意味し、ppmも重量ppmを意味する。
【0013】(発明に至る経緯とS、Sb、Snの限定理
由)本発明者等は、鉄損に及ぼすSの影響を調査するた
め、C:0.0025%、Si:2.85%、Mn:0.20%、P:0.01
0%、Al:0.31%、N:0.0021%とし、S量をtr.〜15pp
mの範囲で変化させた鋼を実験室にて真空溶解し、熱延
後、酸洗を行った。引き続きこの熱延板に75%H2−25
%N2雰囲気で830℃×3hrの熱延板焼鈍を施し、その
後、板厚0.5mmまで冷間圧延し、25%H2−75%N2雰囲
気で900℃×1min間の仕上焼鈍を行った。図1に、この
ようにして得られたサンプルのS量と鉄損W15/50の関
係を示す(図1の×印)。ここで、磁気測定は25cmエプ
スタイン法により行った。
【0014】図1より、Sを10ppm以下とした場合に大
幅な鉄損低減が達成され、S=10ppm付近に臨界点があ
ることがわかる。これは、S量低減により粒成長性が向
上したためである。このことから、本発明においてはS
の範囲を10ppm以下に限定する。
【0015】しかしながら、S量が10ppm以下となる
と、鉄損の低下は緩やかとなり、S量をtr. としても、
鉄損を2.4W/kg以下とすることはできない。
【0016】本発明者等は、S=10ppm以下の極低S材
において鉄損の低減が阻害されるのは、MnS以外の未知
の要因によるものではないかと考え、光学顕微鏡にて組
織観察を行った。その結果、S≦10ppm の領域で鋼板表
層に顕著な窒化層が認められた。これに対し、S>10pp
m の領域では窒化層は軽微となっていた。
【0017】このS量低減に伴う窒化反応促進の原因に
関しては次のように考えられる。すなわち、Sは表面お
よび粒界に濃化しやすい元素であることから、S>10pp
mの領域では、Sが雰囲気中から鋼板表層への窒素の吸
着を抑制しており、このため窒化層は生成しない。一
方、S≦10ppmの領域ではSによる窒素吸着の抑制効果
が低下するため、窒化層が鋼板表層に生成する。
【0018】本発明者等は、この表層領域に発生する窒
化層が結晶粒の成長を妨げ、鉄損の低下を抑制するので
はないかと考えた。このような考えのもとに、本発明者
等は、窒素の吸着を抑制する元素でS以外のものを含有
させることにより、窒化層の生成を抑制し、結晶粒の成
長を促して鉄損を低下させるという着想を抱き、このよ
うな元素について種々の検討を加えた結果、Sbが有効で
あることを発見した。
【0019】図1に、前記×印で示したサンプルの成分
に40ppmのSbを含有したサンプルについて、同一の条件
で試験を行った結果を○印で示す。Sbの鉄損低減効果に
着目すると、S>10ppm の領域では、Sb含有により鉄損
は0.02〜0.04W/kg程度しか低下しないが、S≦10ppm
の領域では0.2W/kg程度低下しており、Sbによる鉄損
低減効果は、S量が少ない場合に顕著に認められる。ま
た、このサンプルではS量によらず窒化層は認められな
かった。このことから、Sbが鋼板表層部に濃化して窒素
の吸着を抑制し、その結果、結晶粒の成長が妨げられな
かったので鉄損が低下したものと考えられる。
【0020】次にSb量の最適含有量を調査するため、
C:0.0026%、Si:2.70%、Mn:0.20%、P:0.020
%、Al:0.30%、S:0.0004%、N:0.0020%とし、Sb
量をtr.〜700ppmで変化させた鋼を実験室にて真空溶解
し、熱延後、酸洗を行った。引き続きこの熱延板に75%
2%−25%N2雰囲気830℃×3hrの熱延板焼鈍を施
し、その後、板厚0.5mmまで冷間圧延し、25%H2−75%
2雰囲気で900℃×1minの仕上焼鈍を行った。図2
に、Sb量と鉄損W15/50の関係を示す。
【0021】図2より、Sb含有量が10ppm以上の領域で
鉄損が低下し、従来の電磁鋼板では得られなかったW
15/50=2.25〜2.35W/kgが達成されることがわかる。
しかし、Sbをさらに添加し、Sb>50ppm となった場合に
は、鉄損は再び増大することもわかる。しかしながら、
増加したとしても、少なくとも700ppmまでのSb量におい
ては、従来の電磁鋼板では得られなかったW15/50=2.2
5〜2.35W/kgが達成されている。
【0022】このSb>50ppmの領域での鉄損増大原因を
調査するため、光学顕微鏡による組織観察を行った。そ
の結果、表層細粒組織は認められなかったものの、平均
結晶粒径が若干小さくなっていた。この原因は明確では
ないが、Sbが粒界に偏析しやすい元素であるため、Sbの
粒界ドラッグ効果により粒成長性が低下したものと考え
られる。
【0023】以上のことより、本発明においては、Sbを
10ppm以上に限定し、経済的な理由から500ppm以下に限
定する。しかし、前記の理由により、Sbを50ppm以下と
することがより好ましい。さらに、20ppm以上40ppm以下
とすることが望ましい。
【0024】発明者らは、さらに別の元素の含有により
同様の効果が得られないかどうかを研究し、Snの効果に
着目して試験を行った。まず、前記試験と同様に、鉄損
に及ぼすSの影響を調査するため、C:0.0020%、Si:
2.85%、Mn:0.18%、P:0.01%、Al:0.30%、N:0.
0018%、Ti:0.0020%とし、S量をtr. 〜15ppmの範囲
で変化させた鋼を実験室にて真空溶解し、熱延後、酸洗
を行った。引き続きこの熱延板に75%H2−25%N2雰囲
気で830℃×3hrの熱延板焼鈍を施し、その後、板厚0.5
mmまで冷間圧延し、25%H2−75%N2雰囲気で900℃×
1minの仕上焼鈍を行った。図3に、このようにして得
られたサンプルのS量と鉄損W15/50の関係を示す(図
3の×印)。ここで、磁気測定は25cmエプスタイン法に
より行った。
【0025】図3からも、Sを10ppm以下とした場合に
大幅な鉄損低減が達成され、S=10ppm 付近に臨界点が
あり、かつ、S量が10ppm以下となると、鉄損の低下は
緩やかとなり、S量をtr.としても、鉄損を2.4W/kg以
下とすることはできないことが確認される。
【0026】図3に、前記×印で示したサンプルの成分
に 60ppmのSnを含有させたサンプルについて同一の条件
で試験を行った結果を○印で示す。Snの鉄損低減効果に
着目すると、S>10ppmの領域では、Sn含有により鉄損
は0.02〜0.04W/kg程度しか低下しないが、S≦10ppm
の領域では0.2 W/kg程度低下しており、S量が少ない
場合にSnの鉄損低減効果は顕著に認められる。また、こ
のサンプルではS量によらず窒化層は認められなかっ
た。このことから、Snが鋼板表層部に濃化して窒素の吸
着を抑制し、その結果、結晶粒の成長が妨げられなかっ
たので鉄損が低下したものと考えられる。
【0027】次にSn量の最適含有量を調査するため、
C:0.0025%、Si:2.72%、Mn:0.20%、P:0.020
%、Al:0.30%、S:0.0002%、N:0.0020%、Ti:0.
0010%としSn量をtr. 〜1400ppmの範囲で変化させた鋼
をラボ溶解し、熱延後、酸洗を行った。引き続きこの熱
延板に75%H2−25%N2雰囲気で830℃×3hrの熱延板
焼鈍を施し、その後、板厚0.5mmまで冷間圧延し、25%
2−75%N2雰囲気で900℃×1minの仕上焼鈍を行っ
た。図4に、Sn量と鉄損W15/50の関係を示す。
【0028】図4より、Sn含有量が20ppm以上の領域で
鉄損が低下し、従来の電磁鋼板では得られなかったW
15/50=2.25〜2.35W/kgが達成されることがわかる。
しかし、Snをさらに添加し、Sn>100ppm となった場合
には、鉄損は再び増大することもわかる。しかしなが
ら、増加したとしても、少なくとも1400ppmまでのSn量
においては、従来の電磁鋼板では得られなかったW
15/50=2.25〜2.35W/kgが達成されている。
【0029】このSn>100 ppm の領域での鉄損増大原因
を調査するため、光学顕微鏡による組織観察を行った。
その結果、表層細粒組織は認められなかったものの、平
均結晶粒径が若干小さくなっていた。この原因は明確で
はないが、Snが粒界に偏析しやすい元素であるため、Sn
の粒界ドラッグ効果により粒成長性が低下したものと考
えられる。また、このサンプルにおいても、S量によら
ず窒化層は認められなかった。これはSnが鋼板表層部に
濃化し窒素の吸着を抑制したためと考えられる。
【0030】以上のことより、本発明においては、Snを
20ppm以上に限定し、経済的な理由から1000ppm以下に限
定する。しかし、前述の理由から、Snの上限を100ppmと
することがより好ましい。さらに、40ppm以上80ppm以下
とすることが好ましい。
【0031】このSnとSbの鉄損に及ぼす影響の違いは以
下のように理解できる。すなわち、Snは偏析係数がSbよ
りも小さいため、表面偏析により窒化を抑えるために
は、Sbの2倍程度の量が必要となる。このため、Snは20
ppm以上の添加により鉄損が低下することとなる。一
方、Snの粒界偏析によるドラッグ効果により鉄損が増大
し始める添加量も、Sbに比べSnの偏析係数が小さいこと
より、2倍程度となる。
【0032】以上述べてきたように、SbとSnが窒化を抑
制するメカニズムは同一である。このためSbとSnを同時
に添加しても同様の窒化抑制効果を得ることができる。
ただし、SnがSbと同一の効果を発揮するためにはSbの2
倍の添加量が必要となる。
【0033】よって、本発明においては、SbとSnをまと
めて扱い、このうち少なくとも一方を(Sb+Sn/2)で0.
001〜0.05%含有することに限定することにした。なお
(Sb+Sn/2)を0.001〜0.005%に限定することが更に好
ましい。
【0034】(Tiの限定理由)次に、本鋼種の製造安定
性を調査するため、C:0.0025%、Si:2.85%、Mn:0.
20%、P:0.01%、Al:0.31%、N:0.0021%、S:0.
0003%、Sb:40ppmとした鋼を10チャージ実機にて溶解
し、熱延後、酸洗を行った。引き続きこの熱延板に75%
2−25%N2雰囲気で830℃×3hrの熱延板焼鈍を施
し、その後、板厚0.5mmまで冷間圧延し、25%H2−75%
2雰囲気で900℃×1minの仕上焼鈍を行った。その結
果、鉄損は2.2〜2.6W/kgと大きくばらつくことが判明
した。
【0035】その原因を調査するため、仕上焼鈍後のサ
ンプルより薄膜を作製し、TEM観察を行った。その結
果、鉄損の低いサンプルにおいては微細な析出物は認め
られなかったが、鉄損の高いサンプルについては50nm程
度のTiNが観察された。このことより、鉄損のばらつき
の原因は、微細TiNの析出によるものであることが明ら
かとなった。
【0036】そこで、Tiが粒成長性に及ぼす影響を調査
するため、C:0.0015%、Si:2.87%、Mn:0.20%、
P:0.01%、Al:0.31%、N:0.0021%、S:0.0003
%、Sb:40ppmとし、Ti含有量を種々変えた鋼を実験室
にて真空溶解し、熱延後、酸洗を行った。引き続きこの
熱延板に75%H2−25%N2雰囲気で830℃×3hrの熱延
板焼鈍を施し、その後、板厚0.5mmまで冷間圧延し、25
%H2−75%N2雰囲気で900℃×1minの仕上焼鈍を行っ
た。
【0037】図5は、このようにして得られたサンプル
のTi含有量と仕上焼鈍後の鉄損W15/50の関係を示した
ものである。図5より、Ti含有量が50ppm以下となった
ときに、鉄損W15/50は2.35W/kg以下となり、安定し
て低鉄損を得ることが可能なことがわかる。以上のこと
より、本発明においては、Ti含有量を50ppm以下に限定
する。なお、20ppm以下とすることがより好ましい。
【0038】(その他の成分の限定理由)次に、その他
の成分の限定理由について説明する。 C: Cは磁気時効の問題があるため0.005%以下とす
る。 Si: Siは鋼板の固有抵抗を上げるために有効な元素で
あるが、4.0%を超えると飽和磁束密度の低下に伴い磁
束密度が低下するため上限を4.0%とする。 Mn: Mnは熱間圧延時の赤熱脆性を防止するために、0.
05%以上必要であるが、1.0 %以上になると磁束密度を
低下させるので0.05〜1.0%とする。 P: Pは鋼板の打ち抜き性を改善するために必要な元
素であるが、0.2%を超えて添加すると鋼板が脆化する
ため0.2%以下とする。
【0039】N: Nは、含有量が多い場合にはAlNの
析出量が多くなり、鉄損を増大させるため0.005%以下
とする。 Al: AlはSiと同様、固有抵抗を上げるために有効な元
素であるが、1.0%を超えると飽和磁束密度の低下に伴
い磁束密度が低下するため上限を1.0%とする。また、
0.1%未満の場合にはAlNが微細化し粒成長性が低下す
るため下限を0.1%とする。
【0040】(製造方法)本発明においては、S、Sb+
Sn/2、Tiをはじめ、所定の成分が所定の範囲内であれ
ば、製造方法は、無方向性電磁鋼板を製造する通常の方
法でかまわない。すなわち、転炉で吹練した溶鋼を脱ガ
ス処理して所定の成分に調整し、引き続き鋳造、熱間圧
延を行う。熱間圧延時の仕上焼鈍温度、巻取り温度は特
に規定する必要はなく、通常の無方向性電磁鋼板を製造
する範囲の温度でかまわない。また、熱延後の熱延板焼
鈍は行ってもよいが必須ではない。次いで一回の冷間圧
延、もしくは中間焼鈍をはさんだ2回以上の冷間圧延に
より所定の板厚とした後に、最終焼鈍を行う。
【0041】
【実施例】鋼転炉で吹練した後に脱ガス処理を行うこと
により、表1に示す所定の成分(表1の成分値は重量
%)に調整後鋳造し、スラブを1200℃で1hr加熱した
後、板厚2.0mmまで熱間圧延した。熱延仕上げ温度は800
℃とした。巻取り温度は550℃とし、熱延後表1に示す
条件で熱延板焼鈍を施した。熱延板焼鈍の雰囲気は、75
%H2−25%N2とした。次にこの熱延板を酸洗し、その
後、板厚0.5mmまで冷間圧延を行い、25%H2−75%N2
雰囲気中で表1に示す仕上焼鈍条件で焼鈍を行った。磁
気測定は25cmエプスタイン試験片を用いて行った((L
+C)/2)。各鋼板の磁気特性(鉄損W15/50と磁束
密度B50)を表1に併せて示す。
【0042】表1をみると分かるように、No.1〜No.13
の本発明鋼においては、比較鋼に比して、鉄損W15/50
が低く、かつ磁束密度B50が高い。
【0043】これに対し、No.14の鋼板は、S含有量が
本発明の範囲より高く、Sb+Sn/2量が本発明の範囲より
低く、Ti含有量が本発明の範囲より高いため、鉄損W
15/50の値が非常に高い。No.15の鋼板は、Sb+Sn/2量が
本発明の範囲より低く、Ti含有量が本発明の範囲より高
いため、やはり鉄損W15/50の値が非常に高い。No.16の
鋼板は、Ti含有量が本発明の範囲を超えているので、鉄
損W15/50の値が高い。No.17の鋼板は、Sb+Sn/2量が本
発明の範囲より高いので、鉄損W15/50の値がやや高く
なっている。
【0044】No.18の鋼板は、C含有量が本発明の範囲
を超えているので、鉄損が高くなっているばかりか磁気
時効の問題を有している。No.19の鋼板は、Si含有量が
本発明の範囲を超えているので、鉄損W15/50は低くな
っているものの、磁束密度B50が低下している。No.20
の鋼板は、Mn含有量が本発明の範囲を超えているので、
鉄損W15/50が高くなっている。No.21の鋼板は、Al含有
量が本発明の範囲を下回っているので、鉄損W15/50
きわめて高くなっている。No.22の鋼板は、Al含有量が
本発明の範囲を超えているので、鉄損W15/50は低いも
のの、磁束密度B50が低下している。No.23の鋼板は、
N含有量が本発明の範囲を超えているので、鉄損W
15/50が高くなっている。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明において
は、無方向性電磁鋼板の成分を、重量%で、C:0.005
%以下、Si:4.0%以下、Mn:0.05〜1.0%、P:0.2%
以下、N:0.005%以下(0を含む)、Al:0.1〜1.0
%、S:0.001%以下(0を含む)、SbとSnの少なくと
も一方をSb+Sn/2で0.001〜0.05%、Ti:0.005%以下
(0を含む)を含み、残部が実質的にFeであるようにし
ているので、鉄損が少なく、磁束密度の高い無方向性電
磁鋼板が、安定して得られる。
【0047】本発明に係る無方向性電磁鋼板は、モータ
やトランスのコア等、鉄損が低いことが要求される電気
材料として、広く用いるのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】Sと仕上げ焼鈍後の磁気特性(鉄損)との関係
を示す図である。
【図2】Sb量と仕上げ焼鈍後の磁気特性(鉄損)との関
係を示す図である。
【図3】Sと仕上げ焼鈍後の磁気特性(鉄損)との関係
を示す図である。
【図4】Sn量と仕上げ焼鈍後の磁気特性(鉄損)との関
係を示す図である。
【図5】Ti量と仕上げ焼鈍後の磁気特性(鉄損)との関
係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 靖 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 千野 淳 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 山田 克美 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 松岡 秀樹 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 高橋 紀隆 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.005%以下、Si:4.0%
    以下、Mn:0.05〜1.0%、P:0.2%以下、N:0.005%
    以下(0を含む)、Al:0.1〜1.0%、S:0.001%以下
    (0を含む)、SbとSnの少なくとも一方をSb+Sn/2で0.0
    01〜0.05%、Ti:0.005%以下(0を含む)を含み、残
    部が実質的にFeであることを特徴とする鉄損の低い無方
    向性電磁鋼板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104674136A (zh) * 2013-11-28 2015-06-03 Posco公司 导磁率优良的无取向电工钢板及其制造方法

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