JPH11167065A - 手術用顕微鏡 - Google Patents

手術用顕微鏡

Info

Publication number
JPH11167065A
JPH11167065A JP9332987A JP33298797A JPH11167065A JP H11167065 A JPH11167065 A JP H11167065A JP 9332987 A JP9332987 A JP 9332987A JP 33298797 A JP33298797 A JP 33298797A JP H11167065 A JPH11167065 A JP H11167065A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transmission type
type light
lamp
light diffusion
diffusion device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9332987A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3911330B2 (ja
Inventor
Masaaki Ueda
昌章 植田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP33298797A priority Critical patent/JP3911330B2/ja
Publication of JPH11167065A publication Critical patent/JPH11167065A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3911330B2 publication Critical patent/JP3911330B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
    • G02B27/0081Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00 with means for altering, e.g. enlarging, the entrance or exit pupil

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Microscoopes, Condenser (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、観察像を暗くすることなく、また渦
や筋等の像の劣化を発生させることなく観察像のザラツ
キ感を防止して、接眼レンズの射出瞳を拡大し、術者の
頭が双眼観察鏡筒の接眼レンズに対して多少動いた場合
にも観察像がケラレ難い手術用顕微鏡を提供することを
最も主要な特徴とする。 【解決手段】双眼観察鏡筒14の観察光軸O1 ,O2
直交する平面内において透過型光拡散デバイス20をラ
ンダムに移動させるランダム移動手段31を設けたもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は脳外科、眼科、形成
外科等で微小部位の手術に使用される手術用顕微鏡に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、手術手法、手術器具の発達に伴い
微細手術、いわゆるマイクロサージャリーが頻繁に行わ
れるようになってきている。マイクロサージャリーでは
術部の拡大観察を行う手術用顕微鏡が使用される。この
手術用顕微鏡には術部を拡大立体観察する左右一対の接
眼レンズを有する双眼接眼鏡筒が設けられている。
【0003】一般に、手術用顕微鏡の接眼レンズは射出
瞳が非常に小さいため、観察中に観察者の頭が動くと、
観察像がケラレてしまうことになる。そのため、手術用
顕微鏡による観察中、術者は常に頭を接眼レンズに対し
て固定した状態を保持する必要があり、強度の疲労感を
与える問題がある。
【0004】上記問題を解決するために特開平8−30
4707号公報において、双眼接眼鏡筒を大型化するこ
となく、射出瞳を拡大し、術者の多少の頭の動きによる
観察像のケラレを防止する方法が開示されている。
【0005】この特開平8−304707号公報で開示
されている方法は射出瞳を拡大するために、双眼観察鏡
筒の結像位置近傍に透過型光拡散デバイスを用いるもの
である。さらに、ここでは透過型光拡散デバイスとして
ザラザラした凹凸部によって光を発散させるスリガラス
を用いた場合、そのガラス表面のザラザラした凹凸部に
より観察像にザラツキ感が生じるため、このザラツキ感
をなくすために次の2つの方法が開示されている。その
第1の方法は透過型光拡散デバイスを高速回転、もしく
は高速微振動させる方法である。また、第2の方法はマ
イクロレンズアレイのような表面が滑らかな凹凸部を有
するものを透過型光拡散デバイスとして使用して上記双
眼観察鏡筒の結像面近傍に配置することでザラツキ感が
なく射出瞳を拡大する方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、後者の
第2の方法の場合、実際にはザラツキ感を無くすために
はマイクロレンズアレイを構成する各々のマイクロレン
ズをより小さくする必要があるので、この場合には、射
出瞳が必要以上に大型化し、双眼観察鏡筒の観察像が暗
くなる問題がある。
【0007】また、双眼観察鏡筒の観察像が暗くなるこ
とを防止するためには逆にマイクロレンズにある程度の
大きさを持たせる必要があるが、この場合にはマイクロ
レンズの凹凸が大きくなるため、スリガラスの場合と同
様に観察像にザラツキ感が発生してしまう。従って、透
過型光拡散デバイスとしてマイクロレンズアレイを使用
した場合も、スリガラスを用いた場合の第1の方法と同
様に高速回転、もしくは高速微振動させる必要がある。
【0008】しかしながら、透過型光拡散デバイスを高
速回転させた場合には、透過型光拡散デバイスを構成す
るマイクロレンズ、もしくは凹凸部が平面上で一定の軌
跡を描いて回転することになるため、凹凸部の回転によ
って同心円状の一連の渦が見えてしまう問題がある。
【0009】また、透過型光拡散デバイスを高速微振動
させた場合にはマイクロレンズや、凹凸部が平面上で一
定の軌跡を描いて往復移動の振動を行うため、振動の両
終端ではそれぞれのマイクロレンズや、凹凸部が決まっ
た位置で一旦停止する。従って、それらマイクロレンズ
や、凹凸部を結ぶ線として略直線状の筋が見えてしまう
問題がある。
【0010】そして、透過型光拡散デバイスを高速回転
させた場合に生じる同心円状の渦や、透過型光拡散デバ
イスを高速微振動させた場合に生じる直線状の筋は双眼
観察鏡筒の通常の光学観察像を劣化させるので、鮮明な
観察像を得ることができなくなり、術者に不快感を与え
てしまう大きな問題がある。
【0011】さらに、特開平8−304707号公報で
は透過型光拡散デバイスを高速回転させるための駆動手
段としてモーターを使用しているが、このモーターが故
障した場合には透過型光拡散デバイスのマイクロレン
ズ、もしくは凹凸部によって観察像にザラツキ感が発生
してしまう。
【0012】一般に、手術用顕微鏡においては観察対象
物が人体の手術部位に現われる体内の細い血管や、腫瘍
などである。従って、病変部と正常組織とを正確に識別
するためにはより鮮明な観察像が必要なことはいうまで
もなく、前述の観察像のザラツキ感は手術部位の観察に
多大な影響を与えてしまい、時には手術の中断を招いて
しまう問題がある。
【0013】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的は、観察像を暗くすることなく、また渦や
筋等の像の劣化を発生させることなく観察像のザラツキ
感を防止して、接眼レンズの射出瞳を拡大し、術者の頭
が双眼観察鏡筒の接眼レンズに対して多少動いた場合に
も観察像がケラレ難い手術用顕微鏡を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】左右一対の結像光学系
と、該結像光学系により形成される虚像を拡大観察する
左右一対の接眼光学系と、前記結像光学系の結像位置ま
たはその近傍に透過型光拡散デバイスを配置した双眼観
察鏡筒とを有する手術用顕微鏡において、前記双眼観察
鏡筒の観察光軸に直交する平面内において前記透過型光
拡散デバイスをランダムに移動させるランダム移動手段
を設けたことを特徴とする手術用顕微鏡である。そし
て、顕微鏡観察時にはランダム移動手段によって透過型
光拡散デバイスを観察光軸に直交する平面内においてラ
ンダムに移動させることによって、透過型光拡散デバイ
スを構成するマイクロレンズなどの凹凸部が観察光軸に
直交する平面内において一律的に移動されることを防止
して光学観察像に渦、筋などを発生させることなく接眼
光学系の射出瞳を拡大させるようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
を図1(A),(B)乃至図6を参照して説明する。図
1(A)は本実施の形態の手術用顕微鏡1全体の概略構
成を示すものである。本実施の形態の手術用顕微鏡1に
は鏡体2と、この鏡体2の支持機構3とが設けられてい
る。
【0016】さらに、鏡体支持機構3には架台4と、こ
の架台4の上端部に一端部が軸A回りに回転可能に連結
された第1のアーム5と、この第1のアーム5の他端部
に一端部が軸B回りに回転可能に連結された第2のアー
ム6と、この第2のアーム6の他端部に一端部が軸C回
りに回転可能に連結された鏡体保持アーム7とが設けら
れている。そして、鏡体保持アーム7の他端部には鏡体
2が保持されている。これにより、鏡体2は鏡体保持ア
ーム7と、第2のアーム6と、第1のアーム5及び架台
4により図示しない術者の所望の位置に配置固定される
ようになっている。なお、架台4には鏡体2に照明光を
供給する光源装置8が取りつけられている。
【0017】また、図1(B)に示すように鏡体2の下
面には対物レンズ9が固定されている。さらに、この鏡
体2の内部には照明光学系10、照明プリズム11およ
び左右一対の変倍光学系12がそれぞれ設けられてい
る。ここで、照明プリズム11および左右一対の変倍光
学系12は対物レンズ9に対して離間対向配置されてい
る。さらに、照明光学系10は鏡体2内において照明プ
リズム11の後方に配置固定されている。なお、左右一
対の変倍光学系12は図1(B)中で、紙面垂直方向に
配置されている。
【0018】また、鏡体2の側面にはライトガイド13
の一端部が固定されている。このライトガイド13の他
端部は光源装置8に光学的に接続されている。そして、
光源装置8から送られる照明光はライトガイド13を通
して鏡体2内に導光され、照明光学系10を経て照明プ
リズム11に導かれたのち、この照明プリズム11によ
って対物レンズ9側に向けて全反射され、対物レンズ9
を通して術部Pに導かれるようになっている。
【0019】また、鏡体2の上面には双眼接眼鏡筒14
が配設されている。この双眼接眼鏡筒14には図2に示
すように鏡体2に固着される1つの固定ハウジング15
と、左右一対の接眼ハウジング16とが設けられてい
る。
【0020】さらに、固定ハウジング15内には一対の
結像レンズ(結像光学系)17と、各結像レンズ17に
よって結像される像を正立化する一対の正立化プリズム
18とがそれぞれ左右に配置された状態で固定されてい
る。
【0021】また、左右の各接眼ハウジング16内には
平行プリズム19と、透過型光拡散デバイス20と、接
眼レンズ(接眼光学系)21とがそれぞれ配設されてい
る。なお、これらの一対の平行プリズム19と、一対の
透過型光拡散デバイス20と、一対の接眼レンズ21と
は双眼接眼鏡筒14の左右の観察光軸O1 ,O2 上に沿
って順次配置されている。そして、双眼接眼鏡筒14の
左右の観察光軸O1 ,O2 は鏡体2内の変倍光学系12
の光軸と一致させた状態で配置されており、光学的に接
続されている。
【0022】さらに、左右一対の接眼ハウジング16は
それぞれ固定ハウジング15に対して、前述の結像レン
ズ17、正立化プリズム18、平行プリズム19、透過
型光拡散デバイス20、および接眼レンズ21の光学的
位置を補償した状態を保った状態で、左右の観察光軸O
1 ,O2 まわりに回転可能に取付けられており、いわゆ
るジーテントップ型の双眼接眼鏡筒14が構成されてい
る。
【0023】また、左右一対の透過型光拡散デバイス2
0は結像レンズ17の左右それぞれの結像点近傍で、か
つ双眼接眼鏡筒14の左右の観察光軸O1 ,O2 に対し
て直交する平面内に配置されている。
【0024】さらに、透過型光拡散デバイス20は略円
板状に形成されている。そして、この透過型光拡散デバ
イス20の外周面には略山形の突出部20aが形成され
ている。
【0025】また、左右の接眼ハウジング16内には図
3に示すように透過型光拡散デバイス20の保持枠22
と、この保持枠22の移動を案内するガイド軸23とが
設けられている。なお、図3は図2のX−X線断面を示
すものである。ここで、保持枠22は図3中に実線で示
すように透過型光拡散デバイス20を観察光軸O1 ,O
2 上の結像点近傍に挿入させたセット位置と、図3中に
点線で示すように観察光軸O1 ,O2 上から外れた退避
位置との間で移動自在に支持されている。
【0026】さらに、保持枠22には図3に示すように
1つの楕円プーリー24と、2つのプーリー25,26
とが設けられている。これらの3つのプーリー24、2
5,26は透過型光拡散デバイス20の周囲の3か所に
配置されている。
【0027】また、楕円プーリー24の外周面には図2
に示すように断面形状がV字形のV字溝24aが形成さ
れている。さらに、他の2つのプーリー25,26の外
周面にも同様に断面形状がV字形の図示しないV字溝が
形成されている。
【0028】また、保持枠22には楕円プーリー24の
駆動モーター27が固着されている。この駆動モーター
27は図示しない電源部に接続されている。さらに、こ
のモーター27の出力軸には楕円プーリー24が取付け
られている。そして、この楕円プーリー24がモーター
27によって回転駆動されるようになっている。
【0029】また、図4に示すように一方のプーリー2
5の回転軸28は略L字状の支持部材29に回転可能に
取付けられている。この支持部材29は弾性部材30を
介して保持枠22に取付けられている。さらに、他方の
プーリー26も同様の構成で弾性部材30を介して保持
枠22に取付けられている。なお、保持枠22には透過
型光拡散デバイス20と離間対向する位置に光透過用の
開口部22aが形成されている。
【0030】そして、透過型光拡散デバイス20はその
周辺の山形の突出部20aが楕円プーリー24のV字溝
24aおよび他の2つのプーリー25,26のV字溝内
に挿入され、図3に示すようにこれらの3つのプーリー
24、25,26間に挟まれる状態で支持されている。
これにより、楕円プーリー24の回転駆動にともない透
過型光拡散デバイス20をランダムに移動させるランダ
ム移動手段31が構成されている。
【0031】また、保持枠22の一側部には操作ツマミ
32が一体的に突設されている。さらに、接眼ハウジン
グ16にはガイド軸23の近傍位置にこのガイド軸23
と平行にスリット33が形成されている。また、保持枠
22の操作ツマミ32はこの接眼ハウジング16のスリ
ット33を通して外部側に突出されている。そして、操
作ツマミ32をスリット33に沿って図3中に矢印Aで
示すように動かすことにより、ガイド軸23に沿って保
持枠22をスライド動作させるようになっている。この
とき、保持枠22は図3中に実線で示すように左右の各
接眼ハウジング16内の透過型光拡散デバイス20を観
察光軸O1 ,O2 上の結像点近傍に挿入されたセット位
置と、同図中に点線で示すように透過型光拡散デバイス
20を観察光軸O1 ,O2 上の結像点近傍から外れた退
避位置とに移動される。これにより、左右の各接眼ハウ
ジング16内の透過型光拡散デバイス20を観察光軸O
1,O2 上の結像点近傍に挿脱させる挿脱機構34が構
成されている。
【0032】また、図5に示すように本実施の形態の手
術用顕微鏡1の光源装置8のハウジング36内にはキセ
ノンランプ電源37と、ハロゲンランプ電源38と、キ
セノンランプ電源37により点灯される第1の照明ラン
プであるキセノンランプ39と、集光レンズ40とが配
設されている。
【0033】さらに、キセノンランプ39は電極を構成
するヒートシンク41によって光源装置8のハウジング
36に取付けられている。また、集光レンズ40はレン
ズ枠42によりハウジング36に固着されている。さら
に、ハウジング36にはライトガイド13の口金部材4
3が設けられている。そして、ライトガイド13はこの
口金部材43を介してハウジング36に固着されてい
る。これにより、キセノンランプ39の発した照明光は
集光レンズ40によってライトガイド13に導くように
なっている。
【0034】また、光源装置8のハウジング36内には
キセノンランプ39と集光レンズ40との間にハロゲン
ランプ電源38により点灯される第2の照明ランプであ
るハロゲンランプ44が配設されている。このハロゲン
ランプ44は図5に示すように照明光軸O3 に対して直
交する方向に移動可能なスライド部材45上に固定され
ている。
【0035】さらに、ハウジング36には図6に示すよ
うにスライド部材45の移動を案内するスライド軸46
が固着されている。また、スライド部材45の末端部に
は図5に示すようにスライドツマミ47が一体的に設け
られている。このスライドツマミ47はハウジング36
に形成されたスリット48からハウジング36の外部に
突出されている。
【0036】また、光源装置8のハウジング36の側板
にはハロゲンランプ44の交換作業用の開口部49が形
成されている。このハウジング36の開口部49にはハ
ロゲンランプ交換扉50が設けられている。このハロゲ
ンランプ交換扉50はヒンジ51を介してハウジング3
6に図5中に実線で示す閉位置から矢印D方向に移動さ
せて同図中に点線で示す開位置まで開閉自在に取付けら
れている。なお、ハロゲンランプ交換扉50の外面には
開閉操作用のツマミ52が設けられている。
【0037】そして、スライド部材45はスライドツマ
ミ47をスリット48に沿って図5中で、矢印Bまたは
C方向にスライド移動させる操作にともないハロゲンラ
ンプ44を図5中で左側に移動させて照明光軸O3 上に
配置したハロゲンランプセット位置(点線に示すL1
置)と、ハロゲンランプ44を照明光軸O3 上から外れ
た位置まで移動した退避位置(図5中の実線位置)と、
ハロゲンランプ44を図5中で右側に移動させてハウジ
ング36の開口部49から外部側に移動したランプ交換
位置(点線に示すL2 位置)とに移動配置可能に取付け
られている。
【0038】したがって、スライド部材45およびスラ
イド軸46によりハロゲンランプ44を移動させてハロ
ゲンランプ44とキセノンランプ39とを切換えるラン
プ切換え機構53が構成されている。なお、スライド部
材45上にはハロゲンランプ44の後方に反射ミラー5
4が取付けられている。
【0039】次に、上記構成の作用について説明する。
本実施の形態の手術用顕微鏡1の使用時には図示しない
術者は予め鏡体保持アーム7と、第2のアーム6と、第
1のアーム5とを用いて鏡体2を所望の位置角度に配置
した状態にセットする。
【0040】続いて、術者は双眼接眼鏡筒14の左右の
接眼ハウジング16を固定ハウジング15に対して観察
光軸O1 ,O2 まわりに左右相反する方向にそれぞれ回
転させる。この作業により、術者の左右の眼の位置と接
眼レンズ21により得られる射出瞳の位置をある程度一
致させる。
【0041】この状態で、図示しない電源により接眼ハ
ウジング16内のモーター27を高速に回転駆動する。
ここで、モーター27の回転停止時には透過型光拡散デ
バイス20は2つのプーリー25,26の各弾性部材3
0の付勢力によって楕円プーリー24の方向に押圧され
た状態で保持される。
【0042】そして、モーター27の高速回転時には、
その出力軸に取付けられた楕円プーリー24も高速回転
する。この楕円プーリー24の回転時には楕円プーリー
24のV字溝24aに保持された透過型光拡散デバイス
20の外周面の山形の突出部20aの部分と、楕円プー
リー24のV字溝24aとの接合面間に生じる摩擦力に
よって、透過型光拡散デバイス20に回転力が与えられ
る。このとき、透過型光拡散デバイス20は次のように
駆動される。
【0043】すなわち、楕円プーリー24の回転中、図
3に示すように楕円プーリー24の楕円形状の長軸位置
に配置される凸部24aが透過型光拡散デバイス20に
接触する位置に回転した状態では2つのプーリー25,
26の弾性部材30の付勢力に抗して透過型光拡散デバ
イス20は図3中で矢印E方向に押圧される。この状態
では透過型光拡散デバイス20は2つのプーリー25,
26の方向(図3中で矢印E方向)に移動される。
【0044】さらに、楕円プーリー24の楕円形状の短
軸位置の外周部位24bが透過型光拡散デバイス20に
接触する位置に回転した状態では2つのプーリー25,
26の弾性部材30の付勢力により、透過型光拡散デバ
イス20が図3中で矢印Eと反対方向に押圧される。こ
の状態では透過型光拡散デバイス20は楕円プーリー2
4の方向(図3中で矢印Eと反対方向)に移動される。
【0045】そのため、楕円プーリー24の回転にとも
ない透過型光拡散デバイス20は楕円プーリー24の回
転方向とは逆方向に回転駆動されると同時に、図3中で
矢印E方向の移動と、矢印Eと反対方向の移動とが繰り
返されるので、図3中で矢印E方向に沿う振動力が与え
られ、高速微振動する。その結果、透過型光拡散デバイ
ス20は観察光軸O1 ,O2 に直交する平面内でランダ
ムに移動される状態で駆動される。なお、透過型光拡散
デバイス20の振動はプーリー25および26の弾性部
材30の弾性力によって吸収される。
【0046】さらに、手術用顕微鏡1の使用中、光源装
置8を発した照明光はライトガイド13、照明光学系1
0、照明プリズム11、対物レンズ9を順次介して術部
Pに照射される。
【0047】また、照明光に照射された術部Pを発した
光(観察像)は、鏡体2の対物レンズ9から左右一対の
変倍光学系12を経て双眼接眼鏡筒14の左右の接眼ハ
ウジング16内にそれぞれ導入されたのち、双眼接眼鏡
筒14内の左右の結像レンズ17、正立化プリズム18
および平行プリズム19を順次介して透過型光拡散デバ
イス20に導かれ、透過型光拡散デバイス20の近傍で
結像される。そして、透過型光拡散デバイス20によっ
て射出瞳が拡大された状態で、左右の接眼レンズ21を
覗いている術者に立体観察される。
【0048】また、手術用顕微鏡1の使用中、透過型光
拡散デバイス20に回転力を与えるモーター27が故障
した場合には、術者は接眼ハウジング16の外部に突出
された操作ツマミ32をスリット33および軸23に沿
って矢印A方向にスライドさせて保持枠22を移動させ
る。このときの保持枠22の移動によって透過型光拡散
デバイス20が観察光軸O1 ,O2 上の結像点近傍から
外れた退避位置まで移動される。この状態では術者は射
出瞳を拡大しない状態、すなわち通常の光学観察像とし
て立体観察を行うようになっている。
【0049】また、光源装置8の使用時にはランプ切換
え機構53のスライドツマミ47の操作にともないキセ
ノンランプ39またはハロゲンランプ44のいずれか一
方が選択的に点灯される。例えば、図5に示すようにス
ライドツマミ47がスリット48の移動範囲における略
中央位置で保持されている状態ではハロゲンランプ44
は照明光軸O3 上から外れた退避位置(図5中の実線位
置)で保持される。このとき、照明光軸O3 上にはキセ
ノンランプ39が配置されている。
【0050】この状態では光源装置8内のキセノンラン
プ電源37によってキセノンランプ39が点灯される。
そして、キセノンランプ39を発した照明光は集光レン
ズ40によってライトガイド13に導かれ、術部Pの照
射に使用される。
【0051】また、キセノンランプ39が点灯不良を起
こした場合には、術者はスライドツマミ47を図5中
で、矢印B方向にスライド移動させる。この場合にはス
ライド部材45とともにハロゲンランプ44が図5中で
左側に移動され、このハロゲンランプ44および反射ミ
ラー54を照明光軸O3 上に配置したハロゲンランプセ
ット位置(図5中に点線に示すL1 位置)にセットされ
る。
【0052】この時、図示しないハロゲンランプスイッ
チがON状態となり、ハロゲンランプ電源38によりハ
ロゲンランプ44が点灯される。そして、ハロゲンラン
プ44を発した光は反射ミラー54および集光レンズ4
0によってライトガイド13に導かれ、術部Pの照射に
使用される。
【0053】また、ハロゲンランプ44が断線等による
点灯不良を起こした場合には、術者はハロゲンランプ交
換扉50を図5中で矢印D方向に開ける。その後、スラ
イドツマミ47を引き、スリット48に沿って図5中
で、矢印C方向にスライド移動させる。この場合にはス
ライド部材45とともにハロゲンランプ44が図5中で
右側に移動され、ハロゲンランプ44およびスライド部
材45の一部分(右端部)がハウジング36の開口部4
9から外部側に移動される。そのため、ハロゲンランプ
44がハウジング36の開口部49から外部側に移動さ
れたランプ交換位置(点線に示すL2 位置)で保持され
るので、ハウジング36の外部で、ハロゲンランプ44
の交換が可能となる。
【0054】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、顕微鏡観察時にはランダム移動
手段31によって透過型光拡散デバイス20を観察光軸
1,O2 に直交する平面内においてランダムに移動さ
せるようにしたので、透過型光拡散デバイス20を構成
するマイクロレンズなどの凹凸部が観察光軸O1 ,O2
に直交する平面内において一律的に移動されることを防
止することができる。そのため、本実施の形態の手術用
顕微鏡1では従来のように透過型光拡散デバイス20の
凹凸部の一定の軌跡の移動や、透過型光拡散デバイス2
0の一定の移動軌跡の終端での停止がなくなるため、手
術用顕微鏡1の観察像を暗くすることなく、観察像にお
ける渦や、筋の発生を防止できる。その結果、手術用顕
微鏡1の光学観察像に渦、筋などを発生させることなく
観察像のザラツキ感を防止して接眼光学系の左右の接眼
レンズ21の射出瞳を拡大させることができるので、術
者の頭が双眼観察鏡筒14の接眼レンズ21に対して多
少動いた場合にも観察像がケラレ難い効果がある。
【0055】さらに、本実施の形態の手術用顕微鏡1で
は観察光軸O1 ,O2 上の結像点近傍に挿入された透過
型光拡散デバイス20を回転させ、かつ振動させて透過
型光拡散デバイス20をランダムに移動させるランダム
移動手段31として楕円プーリー24を用いたので、透
過型光拡散デバイス20を高速回転しつつ高速微振動を
行わせる透過型光拡散デバイス20のランダム移動が比
較的安価な方法で可能になる。
【0056】また、モーター27の故障時には透過型光
拡散デバイス20を保持する保持枠22を平行プリズム
19上でスライドさせ、透過型光拡散デバイス20を双
眼接眼鏡筒14の左右の観察光軸O1 ,O2 上から退避
させるといった簡単な構成で通常の光学観察像に切換え
られるようにしたので、モーター27の故障時の観察像
の劣化を防止できる。
【0057】さらに、光源装置8のハロゲンランプ交換
扉50を開けた状態で、スライドツマミ47を図5中
で、矢印C方向にスライド移動させてスライド部材45
とともにハロゲンランプ44が図5中で右側に移動させ
ることにより、ハロゲンランプ44およびスライド部材
45の一部分(右端部)をハウジング36の開口部49
から外部側に移動させるようにしたので、ハロゲンラン
プ44のランプ交換を容易に行なうことができる。
【0058】また、図7乃至図13は本発明の第2の実
施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施
の形態(図1(A),(B)乃至図6参照)の手術用顕
微鏡1の構成の一部を次の通り変更したものである。な
お、図7乃至図13中で、第1の実施の形態の手術用顕
微鏡1と同一部分には同一の符号を付してここではその
説明は省略する。
【0059】本実施の形態の手術用顕微鏡1の双眼接眼
鏡筒14には図7に示すように鏡体2に固着される1つ
の固定ハウジング61と、後述する可動ハウジング66
と、左右一対の接眼ハウジング62とが設けられてい
る。
【0060】さらに、固定ハウジング61内には左右一
対の結像レンズ17の後方に左右一対のミラー63がそ
れぞれ離間対向配置されている。ここで、左右のミラー
63は結像レンズ17の観察光軸O1 ,O2 に対して斜
め外向きに傾斜させた状態で配置されている。そして、
左右の各ミラー63によって観察光軸O1 ,O2 を左右
方向にそれぞれ反射させるようになっている。
【0061】また、左右の各ミラー63の外側には像回
転補正プリズム64がそれぞれ配設されている。これら
左右一対の像回転補正プリズム64はミラー63によっ
て反射された光軸O4 ,O5 上にそれぞれ配置されてい
る。
【0062】さらに、像回転補正プリズム64の後方に
は観察光軸O4 ,O5 を各々180゜方向に反射させる
プリズム65が配置されている。このプリズム65の一
端部内面には像回転補正プリズム64から外向きに出射
された光の入射部が配置されている。さらに、このプリ
ズム65の他端部内面には光の出射部が配置されてい
る。そして、プリズム65の一端部内面の光入射部から
入射された光はプリズム65の内部で3回全反射された
のち、プリズム65の他端部内面の光出射部から内方向
に向けてそれぞれ出射され、観察光軸O6 ,O7 が形成
されるようになっている。
【0063】なお、可動ハウジング66は観察光軸O
4 ,O5 周りに、回転可能な状態で固定ハウジング61
に連結されている。そして、像回転補正プリズム64、
プリズム65はこの可動ハウジング66内にそれぞれ配
置されている。
【0064】また、像回転補正プリズム64は観察光軸
4 ,O5 周りの可動ハウジング66の回転に伴って、
同一方向に可動ハウジング66の回転角の半分の回転角
が与えられるように図示しないカム機構等の公知手段に
より保持されている。
【0065】さらに、左右一対のプリズム65の光出射
部の内側にはプリズム67がそれぞれ離間対向配置され
ている。ここで、左右一対のプリズム67は観察光軸O
6 ,O7 を図7中で上方向に向けて観察光軸O1 ,O2
と平行な方向に反射させ、観察光軸O8 、O9 を形成す
るように配置されている。
【0066】また、観察光軸O8 、O9 上には透過型光
拡散デバイス68および接眼レンズ21が順次配設され
ている。ここで、透過型光拡散デバイス68は図8に示
すように楕円形に形成されている。なお、図8は図7の
Z−Z線断面を示すものである。そして、この透過型光
拡散デバイス68の外周面には略山形の突出部68aが
形成されている。なお、この透過型光拡散デバイス68
は結像レンズ17による結像点近傍に配置されている。
【0067】また、本実施の形態の左右の接眼ハウジン
グ62は次のように構成されている。なお、左右の接眼
ハウジング62は同一構成になっているため、ここでは
図7中で右側の接眼ハウジング62についてのみ説明
し、左側の接眼ハウジング62の同一部分には同一の符
号を付してその説明を省略する。
【0068】すなわち、本実施の形態の接眼ハウジング
62は可動ハウジング66に対して図7中で矢印F
(G)方向に移動可能に連結されている。そして、この
接眼ハウジング62内にプリズム67、透過型光拡散デ
バイス68および接眼レンズ17がそれぞれ配設されて
いる。
【0069】また、接眼ハウジング62内には図8に示
すように透過型光拡散デバイス68の保持枠69と、こ
の保持枠69を移動するプッシュプルソレノイド70と
が設けられている。なお、プッシュプルソレノイド70
は固定部材71によって接眼ハウジング62に取付けら
れている。さらに、プッシュプルソレノイド70の出力
軸は保持枠69に固着されている。そして、このプッシ
ュプルソレノイド70は図示しない電源により保持枠6
9を図8中で矢印H方向に移動可能に保持するようにな
っている。
【0070】ここで、保持枠69はプッシュプルソレノ
イド70によって図8中に実線で示すように透過型光拡
散デバイス68を観察光軸O8 ,(O9 )上の結像点近
傍に挿入させたセット位置と、図8中に点線で示すよう
に観察光軸O8 ,(O9 )上から外れた退避位置との間
で移動されるようになっている。
【0071】また、接眼ハウジング62にはこの接眼ハ
ウジング62を図7中で、矢印F方向に移動させたとき
に生じるプリズム67の観察光軸O6 方向の伸縮量L
(プリズム67の実線位置と点線位置との間の移動量)
と同じ距離だけ透過型光拡散デバイス68、保持枠69
および接眼レンズ17を観察光軸O8 ,O9 方向に伸縮
移動させる公知のカム機構を有する図示しない保持枠等
が設けられている。そして、この保持枠等によって透過
型光拡散デバイス68、保持枠69、接眼レンズ17が
保持されている。すなわち、本実施の形態における双眼
接眼鏡筒14はいわゆるイエンチ型の双眼接眼鏡筒が構
成されている。
【0072】さらに、保持枠69には図8に示すように
1つの駆動プーリー72と、2つのプーリー73,74
とが設けられている。これらの3つのプーリー72、7
3,74は透過型光拡散デバイス68の周囲の3か所に
配置されている。
【0073】また、駆動プーリー72の外周面には図7
に示すように断面形状がV字形のV字溝72aが形成さ
れている。さらに、他の2つのプーリー73,74の外
周面にも同様に断面形状がV字形の図示しないV字溝が
形成されている。
【0074】また、保持枠69には駆動プーリー72の
駆動モーター75が固着されている。この駆動モーター
75は図示しない電源部に接続されている。さらに、こ
のモーター75の出力軸には駆動プーリー72が取付け
られている。そして、この駆動プーリー72がモーター
75によって回転駆動されるようになっている。
【0075】また、駆動プーリー72以外の他の2つの
プーリー73,74は第1の実施の形態と同様に構成さ
れている。すなわち、一方のプーリー73の回転軸は第
1の実施の形態の支持部材29(図4参照)に相当する
略L字状の支持部材76に回転可能に取付けられてい
る。この支持部材76は弾性部材77を介して保持枠6
9に取付けられている。さらに、他方のプーリー73も
同様の構成で弾性部材77を介して保持枠69に取付け
られている。なお、保持枠69には透過型光拡散デバイ
ス68と離間対向する位置に光透過用の開口部69aが
形成されている。
【0076】そして、透過型光拡散デバイス68はその
周辺の山形の突出部68aが駆動プーリー72のV字溝
72aおよび他の2つのプーリー73,74のV字溝内
に挿入され、図8に示すようにこれらの3つのプーリー
72、73,74間に挟まれる状態で支持されている。
これにより、駆動プーリー72の回転駆動にともない透
過型光拡散デバイス68をランダムに移動させるランダ
ム移動手段78が構成されている。
【0077】また、図9はモーター75およびプッシュ
プルソレノイド70を駆動する駆動回路を示すブロック
図である。すなわち、図9に示すように左右の各接眼ハ
ウジング62内のモーター75はモーター駆動回路79
にそれぞれ接続されている。ここで、モーター駆動回路
79はモーター75を駆動し、かつモーター75のそれ
ぞれの電流レベルを検知するものである。
【0078】さらに、左右の各接眼ハウジング62内の
プッシュプルソレノイド70はソレノイド駆動回路80
に接続されている。さらに、このソレノイド駆動回路8
0には2つのモーター駆動回路79が接続されている。
そして、このソレノイド駆動回路80は2つのモーター
駆動回路79の電流検出値が予め設定された基準値に達
しない場合、プッシュプルソレノイド70を駆動するよ
うになっている。
【0079】また、図10は本実施の形態の可動ハウジ
ング66への像回転補正プリズム64の取付け構造を示
すものである。ここで、像回転補正プリズム64はプリ
ズム固定枠81に保持されている。このプリズム固定枠
81には図11に示すように平行平面部82が形成され
ている。
【0080】また、可動ハウジング66には固定枠83
が嵌合保持されている。この固定枠83の内部には長穴
部84が設けられている。この長穴部84にはプリズム
固定枠81の平行平面部82の長さよりも長い平行平面
部85が設けられている。この固定枠83の長穴部84
内にはプリズム固定枠81が挿入された状態で装着され
ている。そして、プリズム固定枠81は平行平面部82
が長穴部84の平行平面部85に沿って図11中で矢印
I方向に移動可能な状態で保持されている。
【0081】さらに、固定枠83は観察光軸O4 ,O5
を回転中心とし、可動ハウジング66の観察光軸O4
5 周りの回転に伴って、同一の回転方向に可動ハウジ
ング66の回転角の半分の回転が与えられるように、図
示しない公知のカム機構等を介して可動ハウジング66
に嵌合保持されている。これにより、可動ハウジング6
6の観察光軸O4 ,O5 まわりの回転に伴う、観察像の
回転を自動で補正するいわゆるイメージローテーターが
構成されている。
【0082】また、図12は本実施の形態の光源装置8
の内部構成を示すものである。本実施の形態の光源装置
8には通常時に使用される第1の照明ランプとしての第
1の実施の形態と同様のキセノンランプ39と、例えば
通常使用されるキセノンランプ39が点灯不良を起こし
た場合にこのキセノンランプ39に代えて使用される第
2の照明ランプとしての反射鏡付きハロゲンランプ86
とが設けられている。
【0083】また、本実施の形態の光源装置8にはキセ
ノンランプ39と、反射鏡付きハロゲンランプ86とを
切換えるランプ切換え機構87が設けられている。本実
施の形態のランプ切換え機構87には第1の実施の形態
のスライド軸46に沿って矢印J,K方向に摺動可能に
取付けられているベース部材88が設けられている。こ
のベース部材88上には集光レンズ40のレンズ枠42
が固定されている。ここで、集光レンズ40はレンズ枠
42によって照明光軸O3 上において光学的に補償され
る位置に保持されている。
【0084】さらに、このベース部材88の端部にはス
ライドツマミ89が一体的に設けられている。このスラ
イドツマミ89は光源装置8のハウジング36に形成さ
れたスリット48からハウジング36の外部に突出され
ている。
【0085】また、ベース部材88には図13に示すよ
うに第2スライド軸90が取付けられている。この第2
スライド軸90にはハロゲンランプ枠91がこの第2ス
ライド軸90に沿って矢印L方向に摺動可能に取付けら
れている。なお、ハロゲンランプ86はハロゲンランプ
枠91に保持されている。このハロゲンランプ枠91の
一端部には略L字状に屈曲されたツマミ92が設けられ
ている。
【0086】次に、上記構成の作用について説明する。
本実施の形態の手術用顕微鏡1の使用時には術者は予め
双眼接眼鏡筒14の可動ハウジング66を光軸O4 ,O
5 周りに回転させ、接眼レンズ21を術者の眼の位置に
位置決めして配置する状態にセットする。
【0087】続いて、左右の接眼ハウジング62を図7
中で矢印F、G方向に沿ってそれぞれ相反する方向にス
ライドさせ、術者の左右の眼の位置と、接眼レンズ21
の射出瞳の位置をある程度一致させる。
【0088】この後、図示しない電源により左右の各接
眼ハウジング62内のモーター75を高速に回転駆動す
る。ここで、モーター75の回転停止時には透過型光拡
散デバイス68は2つのプーリー73,74の各弾性部
材77の付勢力によってプーリー72の方向に押圧され
た状態で保持される。
【0089】そして、モーター75の高速回転時には、
その出力軸に取付けられたプーリー72も高速回転す
る。このプーリー72の回転時にはプーリー72のV字
溝72aに保持された透過型光拡散デバイス68の外周
面の山形の突出部68aの部分と、プーリー72のV字
溝72aおよびプーリー73,74のV字溝との接合面
間に生じる摩擦力によって、透過型光拡散デバイス68
に回転力が与えられる。このとき、透過型光拡散デバイ
ス68は次のように駆動される。
【0090】すなわち、透過型光拡散デバイス68の回
転中、透過型光拡散デバイス68の楕円形状の長軸位置
に配置される凸部68xが駆動プーリー72に接触する
位置に回転した状態では2つのプーリー73,74の弾
性部材77の付勢力に抗して透過型光拡散デバイス68
は図8中で矢印M方向に押圧される。この状態では透過
型光拡散デバイス68は2つのプーリー73,74の方
向(図8中で矢印M方向)に移動される。
【0091】さらに、図8に示すように透過型光拡散デ
バイス68の楕円形状の短軸位置の外周部位68yが駆
動プーリー72に接触する位置に回転した状態では2つ
のプーリー73,74の弾性部材77の付勢力により、
透過型光拡散デバイス68が図8中で矢印Mと反対方向
に押圧される。この状態では透過型光拡散デバイス68
は駆動プーリー72の方向(図8中で矢印Mと反対方
向)に移動される。
【0092】そのため、駆動プーリー72の回転にとも
ない透過型光拡散デバイス68はプーリー72の回転方
向とは逆方向に高速に回転駆動されると同時に、図8中
で矢印M方向の移動と、矢印Mと反対方向の移動とが繰
り返されるので、図8中で矢印M方向に沿う振動力が与
えられ、高速微振動する。その結果、透過型光拡散デバ
イス68は観察光軸O8 ,O9 に直交する平面内でラン
ダムに移動される状態で駆動される。なお、透過型光拡
散デバイス68の振動はプーリー73および74の弾性
部材77の弾性力によって吸収される。
【0093】さらに、手術用顕微鏡1の使用中、第1の
実施の形態と同様に光源装置8を発した照明光はライト
ガイド13、照明光学系10、照明プリズム11、対物
レンズ9を順次介して術部Pに照射される。
【0094】また、照明光に照射された術部Pを発した
光の左右光束(観察像)は、鏡体2の対物レンズ9から
左右一対の変倍光学系12を経て双眼接眼鏡筒14内の
左右の結像レンズ17に入射される。さらに、左右の結
像レンズ17に入射された左右の光束はそれぞれミラー
63、像回転補正プリズム64、プリズム65、67を
順次経由して透過型光拡散デバイス68に導かれ、この
透過型光拡散デバイス68近傍で結像される。そして、
透過型光拡散デバイス68によって射出瞳が拡大された
状態で、左右の接眼レンズ21を覗いている術者に立体
観察される。
【0095】ここで、観察される立体観察像は、可動ハ
ウジング66の回転に伴う、プリズム65の回転により
光軸O4 ,O5 の反射角度が変化するため、観察像の回
転が生じるが、本実施の形態では像回転補正プリズム6
4が可動ハウジング66の回転角の半分、すなわちプリ
ズム65の回転角の半分の回転を行うことにより、観察
像の回転を補正し、可動ハウジング66のいかなる回転
角に対しても観察像の回転が生じることなく、術者の眼
に導かれる。
【0096】また、手術用顕微鏡1の使用中、透過型光
拡散デバイス68を回転駆動するモーター75が故障し
た場合には、このモーター75の電流値がモーター駆動
回路79に予め設定された基準値以下となる。このと
き、モーター駆動回路79からソレノイド駆動回路80
に駆動信号が出力される。
【0097】この場合にはソレノイド駆動回路80は駆
動信号に従って、プッシュプルソレノイド70を駆動す
る。そのため、このプッシュプルソレノイド70によっ
て透過型光拡散デバイス68の保持枠69が図8中に点
線で示すように観察光軸O8,O9 上から退避される。
【0098】なお、本実施の形態の像回転補正プリズム
64はプリズム65の観察光軸O4,O5 周りの回転角
が0゜の時に確実に0゜に設定されていない場合には、
左右観察像の回転ズレが生じる。さらに、像回転補正プ
リズム64の光軸中心が観察光軸O4 ,O5 に確実に一
致されていない場合、可動ハウジング66の回転に伴う
観察像の中心ズレが生じる。そこで、本実施の形態の双
眼接眼鏡筒14では予め以下の調整が施されている。
【0099】すなわち、像回転補正プリズム64を保持
する固定枠83は前述のごとく、可動ハウジング66に
対して嵌合保持されているため、可動ハウジング66に
対して回転中心をずらすことなく像回転補正プリズム6
4を回転させることができる。これにより、プリズム6
5の回転角0゜に対して像回転補正プリズム64の回転
角を0゜に設定し、回転ズレを調整することができる。
さらに、プリズム固定枠81を固定枠83に対して図1
1中で矢印I方向に移動させ、観察光軸O4 ,O5 と像
回転補正プリズム64の光軸中心とを一致させることに
より、中心ズレを調整することができる。
【0100】また、光源装置8は通常の使用時にはキセ
ノンランプ39が照明光軸O3 上に配置された状態でセ
ットされ、ハロゲンランプ86は照明光軸O3 上から外
れた待機位置に保持される。
【0101】そして、例えば通常使用されるキセノンラ
ンプ39が点灯不良を起こした場合には、次のランプ切
換え作業が行なわれる。このランプ切換え作業時には術
者はスライドツマミ89を図13中で矢印J方向にスリ
ット48に沿ってスライドさせる。これにより、ハロゲ
ンランプ86を照明光軸O3 上の集光レンズ40の位置
に配置させる。このとき、図示しないスイッチがON状
態となり、第1の実施の形態と同様にハロゲンランプ8
6が点灯される。ここで、ハロゲンランプ86を発した
光はこのハロゲンランプ86の一部分を構成する反射鏡
によってライトガイド13に導かれ、術部Pを照射する
照明光として使用される。
【0102】また、ハロゲンランプ86が断線等による
点灯不良を起こした場合には、次のランプ交換作業が行
なわれる。このランプ交換作業時には、術者はツマミ8
9を図13中で矢印K方向にスライドさせ、ハロゲンラ
ンプ86を非点灯位置に配置する。この状態で、ハロゲ
ンランプ交換扉50のツマミ52を引き、ハロゲンラン
プ交換扉50を図12中で矢印方向に開ける。
【0103】その後、ハロゲンランプ枠91のツマミ9
2をハウジング36の開口部49から外側に引っぱる。
この操作により、ハロゲンランプ枠91及びハロゲンラ
ンプ86は第2スライド軸90に沿って図13中で矢印
L方向にスライドされ、図13中に点線で示すように光
源装置8のハウジング36の開口部49から外に引き出
される。そのため、術者はハロゲンランプ86の交換が
可能となる。
【0104】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、顕微鏡観察時にはランダム移動
手段78によって透過型光拡散デバイス68を観察光軸
8,O9 に直交する平面内においてランダムに移動さ
せるようにしたので、透過型光拡散デバイス68を構成
するマイクロレンズなどの凹凸部が観察光軸O8 ,O9
に直交する平面内において一律的に移動されることを防
止することができる。そのため、本実施の形態の手術用
顕微鏡1では従来のように透過型光拡散デバイス68の
凹凸部の一定の軌跡の移動や、透過型光拡散デバイス6
8の一定の移動軌跡の終端での停止がなくなるため、手
術用顕微鏡1の観察像を暗くすることなく、観察像にお
ける渦や、筋の発生を防止できる。その結果、手術用顕
微鏡1の光学観察像に渦、筋などを発生させることなく
観察像のザラツキ感を防止して接眼光学系の左右の接眼
レンズ21の射出瞳を拡大させることができるので、術
者の頭が双眼観察鏡筒14の接眼レンズ21に対して多
少動いた場合にも観察像がケラレ難い効果がある。
【0105】さらに、本実施の形態の手術用顕微鏡1で
は透過型光拡散デバイス68をランダム移動させるラン
ダム移動手段78の回転伝達手段として真円の駆動プー
リー72を使用するとともに、プーリーよりも外形寸法
の大きい楕円形状の透過型光拡散デバイス68を設け、
この楕円形状の透過型光拡散デバイス68自体を微振動
伝達手段として用いたので、図8中で矢印M方向の振動
数が減少し、高速微振動時に発生する音の低減が図れる
効果がある。
【0106】また、本実施の形態では透過型光拡散デバ
イス68の駆動モーター75の故障をモーター駆動回路
79によって検出することでモーター75の故障時に
は、透過型光拡散デバイス68を観察光軸O8 、O9
から自動で退避させることができる。そのため、モータ
ー75の故障時にはツマミの操作等の面倒な操作を行な
うことなく、透過型光拡散デバイス68を簡単に観察光
軸O8 、O9 上から退避させ、容易に通常の光学観察像
に切換えることができる。
【0107】さらに、双眼接眼鏡筒14に可動ハウジン
グ66および像回転補正プリズム64を設けることによ
り、術者のあらゆる姿勢に対応するようにしているが、
像回転補正プリズム64の取付け誤差による観察像の回
転ズレおよび可動ハウジング66の回転に伴う観察像の
中心ズレの2つの現象に対して、それぞれ独立して調整
可能なため、容易かつ確実な調整が可能となる。
【0108】また、本実施の形態の光源装置8のランプ
切換え機構87では第2の照明ランプとして反射鏡付き
ハロゲンランプ86を用い、このハロゲンランプ86を
集光レンズ40の位置に挿脱可能にしたことで、光源装
置8のハウジング36における照明光軸O3 方向の小型
化が図れる。
【0109】さらに、ハロゲンランプ86の交換時には
ランプ切換え機構87の一部分を構成するハロゲンラン
プ枠91およびハロゲンランプ86のみをハウジング3
6の外部に退避させ、他の光学部材がハウジング36の
外部に出ることがないので、ハロゲンランプ86の交換
時に誤って、他の光学部材を破損、もしくは汚してしま
うことを確実に防止できる。
【0110】また、図14乃至図19は本発明の第3の
実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実
施の形態(図1(A),(B)乃至図6参照)および第
2の実施の形態(図7乃至図13参照)の手術用顕微鏡
1の構成の一部を次の通り変更したものである。なお、
図14乃至図19中で、第1、第2の各実施の形態の手
術用顕微鏡1と同一部分には同一の符号を付してここで
はその説明は省略する。
【0111】本実施の形態の手術用顕微鏡1の双眼接眼
鏡筒14には図14に示すように鏡体1に固着される固
定ハウジング101と、左右一対の接眼ハウジング10
2とが設けられている。
【0112】さらに、固定ハウジング101内には第2
の実施の形態と同様に左右一対の結像レンズ17の後方
に左右一対のミラー63が結像レンズ17の観察光軸O
1 ,O2 に対して斜め外向きに傾斜させた状態でそれぞ
れ離間対向配置されている。
【0113】また、左右の各ミラー63の外側には像回
転プリズム103が配設されている。この像回転プリズ
ム103は結像レンズ17によって結像される像の向き
を正立化するものである。
【0114】また、左右の各像回転プリズム103の外
側には左右の各ミラー63によって反射された観察光軸
4 ,O5 を各々180゜方向に反射させるプリズム1
04がそれぞれ配設されている。このプリズム104の
一端部内面には像回転プリズム103から外向きに出射
された光の入射部が配置されている。さらに、このプリ
ズム104の他端部内面には光の出射部が配置されてい
る。そして、プリズム104の一端部内面の光入射部か
ら入射された光はプリズム104の内部で2回全反射さ
れたのち、プリズム104の他端部内面の光出射部から
内方向に向けてそれぞれ出射され、観察光軸O6 ,O7
が形成されるようになっている。ここで、左右2組の結
像レンズ17、ミラー63、像回転プリズム103、プ
リズム104はそれぞれ固定ハウジング101内に左右
対称に配置されている。
【0115】さらに、左右一対のプリズム104の光出
射部の内側にはミラー105がそれぞれ離間対向配置さ
れている。各ミラー105は観察光軸O6 ,O7 を観察
光軸O1 ,O2 と平行な方向に反射させ、観察光軸O
8 、O9 を形成するように配置されている。
【0116】また、観察光軸O8 、O9 上には透過型光
拡散デバイス106および接眼レンズ21が順次配置さ
れている。ここで、透過型光拡散デバイス106は図1
7に示すように楕円形に形成された収納枠107内に収
納されている。そして、この透過型光拡散デバイス10
6の収納枠107の外周面には略山形の突出部107a
が形成されている。さらに、本実施の形態の収納枠10
7に収納された透過型光拡散デバイス106は収納枠1
07内に収納された状態で、結像レンズ17による結像
点近傍に配置されている。
【0117】また、本実施の形態の左右の接眼ハウジン
グ102は次のように構成されている。なお、左右の接
眼ハウジング102は同一構成になっているため、ここ
では図14中で右側の接眼ハウジング102についての
み説明し、左側の接眼ハウジング102の同一部分には
同一の符号を付してその説明を省略する。
【0118】すなわち、本実施の形態の接眼ハウジング
102は図15に示すように軸108,109を介して
固定ハウジング101に対して軸O10まわりに回転可能
に取付けられている。そして、この接眼ハウジング10
2内には透過型光拡散デバイス106および接眼レンズ
21がそれぞれ配設されている。
【0119】さらに、接眼ハウジング102内には図1
6に示すように収納枠107に収納された透過型光拡散
デバイス106の保持枠110と、この保持枠110の
移動を案内するガイド軸111とが設けられている。な
お、図16は図14のT−T線断面を示すものである。
ここで、保持枠110は図16中に実線で示すように透
過型光拡散デバイス106を観察光軸O8 ,O9 上の結
像点近傍に挿入させたセット位置と、図16中に点線で
示すように観察光軸O8 ,O9 上から外れた退避位置と
の間で移動自在に支持されている。
【0120】さらに、保持枠110には第2の実施の形
態(図8参照)と同様に1つの駆動プーリー72と、2
つのプーリー73,74とが設けられている。これらの
3つのプーリー72、73,74は透過型光拡散デバイ
ス106の収納枠107の周囲の3か所に配置されてい
る。
【0121】また、駆動プーリー72の外周面には図7
に示すように断面形状がV字形のV字溝72aが形成さ
れている。さらに、他の2つのプーリー73,74の外
周面にも同様に断面形状がV字形の図示しないV字溝が
形成されている。
【0122】また、保持枠110には駆動プーリー72
の駆動モーター75が固着されている。この駆動モータ
ー75は図示しない電源部に接続されている。さらに、
このモーター75の出力軸には駆動プーリー72が取付
けられている。そして、この駆動プーリー72がモータ
ー75によって回転駆動されるようになっている。な
お、駆動プーリー72以外の他の2つのプーリー73,
74は第1の実施の形態と同様に構成されている。そし
て、これらのプーリー72、73、74および透過型光
拡散デバイス106の収納枠107によって透過型光拡
散デバイス106のランダム移動手段112が構成され
ている。
【0123】また、図16に示すように保持枠110の
一端部には摺動部材113が取付けられている。そし
て、保持枠110は接眼ハウジング102に固着された
スライド軸111に対してこの摺動部材113によって
図16中で矢印N方向に摺動自在に保持されている。
【0124】さらに、本実施の形態の左右の接眼ハウジ
ング102間には左右の各接眼ハウジング102内の保
持枠110を同時にスライド操作するスライド操作部材
114が設けられている。このスライド操作部材114
には図16に示すように略T字状の操作アーム115が
設けられている。この操作アーム115の中央アーム部
115aにはツマミ116が取付けられている。
【0125】また、左右の各接眼ハウジング102の内
壁面には操作アーム115のガイド用スリット117が
形成されている。さらに、操作アーム115の左右の各
アーム部115b,115cは左右の各接眼ハウジング
102のスリット117内に挿入されている。また、左
右の各アーム部115b,115cの先端部は保持枠1
10の摺動部材113に形成されたスリット118内に
挿入された状態でそれぞれ連結されている。そして、操
作アーム115の操作にともない左右の各接眼ハウジン
グ102内の保持枠110を同時にスライド操作できる
ようになっている。
【0126】また、固定ハウジング101には図15に
示すようにギヤボックス119が取付けられている。こ
のギヤボックス119の入力軸は軸109によって形成
されている。さらに、このギヤボックス119の出力軸
120は軸109と同軸に配置されている。そして、こ
のギヤボックス119は減衰比が0.5に設定され、入
力軸109の回転角に対して出力軸120が半分の回転
を行うようになっている。
【0127】また、出力軸120にはミラー枠121が
取付けられている。このミラー枠121にはミラー10
5が保持されている。ここで、ミラー105上における
光軸O6 、O7 の反射点Sが軸108,109の回転軸
10上に配置されるように設定されている。
【0128】また、図18は本実施の形態の光源装置8
の内部構成を示すものである。本実施の形態の光源装置
8には通常時に使用される第1の照明ランプとしての第
1の実施の形態と同様のキセノンランプ39と、例えば
通常使用されるキセノンランプ39が点灯不良を起こし
た場合にこのキセノンランプ39に代えて使用される第
2の照明ランプとしての第2の実施の形態と同様の反射
鏡付きハロゲンランプ86とが設けられている。
【0129】また、本実施の形態の光源装置8にはキセ
ノンランプ39と、反射鏡付きハロゲンランプ86とを
切換えるランプ切換え機構122が設けられている。本
実施の形態のランプ切換え機構122には円板状のラン
プ切換え板123が設けられている。このランプ切換え
板123の中心部には回転軸124の基端部が固定され
ている。この回転軸124は図19に示すようにランプ
切換え板123における照明光軸O3 とハロゲンランプ
86の中心軸O11との間の中点に取付けられている。
【0130】さらに、この回転軸124は光源装置8の
ハウジング36に取付けられた軸受け125によって回
転可能に支持されている。なお、図18に示すように回
転軸124の先端部はハウジング36の外部に延出さ
れ、操作ツマミ126が固定されている。
【0131】また、ランプ切換え板123には図19に
示すように集光レンズ取付け部127と、ハロゲンラン
プ取付け部128とが回転軸124を挟んでその両側に
それぞれ配置されている。ここで、集光レンズ取付け部
127には集光レンズ40を保持するレンズ枠42が一
体的に取付けられている。
【0132】さらに、ハロゲンランプ取付け部128に
は図18に示すようにハロゲンランプ91を保持するハ
ロゲンランプ枠129の一端部がバネ部材130によっ
て保持されている。このハロゲンランプ枠129の他端
部にはロック穴131が設けられている。
【0133】また、光源装置8のハウジング36に形成
されたハロゲンランプ交換用の開口部49にはハロゲン
ランプ交換扉132がヒンジ133を介して開閉可能に
装着されている。このハロゲンランプ交換扉132には
操作ツマミ134が取付けられている。この操作ツマミ
134にはハロゲンランプ交換扉132をハウジング3
6に対してロックするロック部135と、ハロゲンラン
プ枠129のロック穴131に係脱可能に係合する係合
ピン136とが設けられている。なお、ハロゲンランプ
交換扉132には操作ツマミ134の移動スリット13
7が形成されている。そして、ツマミ134をスリット
137に沿って図18中で矢印t方向に移動することに
より係合ピン136がハロゲンランプ枠129のロック
穴131に係脱可能に係合されてロックされるように構
成されている。
【0134】次に、上記構成の作用について説明する。
本実施の形態の手術用顕微鏡1の使用時には術者は予め
接眼ハウジング102を軸O10周りに回転させる。この
とき、ミラー105には接眼ハウジング102の回転方
向と同一方向に、半分の回転角度が与えられるため、観
察光軸O8 ,O9 は接眼ハウジング102と平行を保っ
たまま回転する。そのため、術者は、接眼ハウジング1
02を軸O10周りに回転させることで、接眼レンズ21
の射出瞳を術者の眼の位置にある程度一致させることが
できる。
【0135】この後、図示しない電源により左右の各接
眼ハウジング102内のモーター75を高速に回転駆動
する。ここで、モーター75の回転停止時には透過型光
拡散デバイス106の収納枠107は2つのプーリー7
3,74の各弾性部材77の付勢力によってプーリー7
2の方向に押圧された状態で保持される。
【0136】そして、モーター75の高速回転時には、
その出力軸に取付けられたプーリー72も高速回転す
る。このプーリー72の回転時にはプーリー72のV字
溝72aに保持された透過型光拡散デバイス106の収
納枠107の外周面の山形の突出部107aの部分と、
プーリー72のV字溝72aおよびプーリー73,74
のV字溝との接合面間に生じる摩擦力によって、透過型
光拡散デバイス106の収納枠107に回転力が与えら
れる。このとき、透過型光拡散デバイス106の収納枠
107は第2の実施の形態の透過型光拡散デバイス68
と同様にプーリー72の回転方向とは逆方向に高速に回
転駆動されると同時に、図8中で矢印M方向の移動と、
矢印Mと反対方向の移動とが繰り返されるので、図8中
で矢印M方向に沿う振動力が与えられ、高速微振動す
る。その結果、収納枠107内の透過型光拡散デバイス
106は観察光軸O8 ,O9 に直交する平面内でランダ
ムに移動される状態で駆動される。なお、透過型光拡散
デバイス106の振動はプーリー73および74の弾性
部材77の弾性力によって吸収される。
【0137】さらに、手術用顕微鏡1の使用中、第1の
実施の形態と同様に光源装置8を発した照明光はライト
ガイド13、照明光学系10、照明プリズム11、対物
レンズ9を順次介して術部Pに照射される。
【0138】また、照明光に照射された術部Pを発した
光の左右光束(観察像)は、鏡体2の対物レンズ9から
左右一対の変倍光学系12を経て双眼接眼鏡筒14内の
左右の結像レンズ17に入射される。さらに、左右の結
像レンズ17に入射された左右の光束はそれぞれミラー
63、像回転プリズム103、プリズム104、ミラー
105を介して透過型光拡散デバイス106に導かれ、
透過型光拡散デバイス106近傍で結像される。そし
て、透過型光拡散デバイス106によって射出瞳を拡大
された状態で、左右の接眼レンズ21を覗いている術者
に立体観察される。
【0139】また、手術用顕微鏡1の使用中、透過型光
拡散デバイス106を回転駆動するモーター75が故障
した場合には、ツマミ116を図16中で矢印N方向に
押し込むと、スライド操作部材114が押し込まれる。
このとき、スライド操作部材114の左右の各アーム部
115b,115cはそれぞれ摺動部材113のスリッ
ト118を矢印N方向に押し、摺動部材113および保
持枠110はスライド軸111に沿って、矢印N方向に
図16中で点線の位置まで移動される。そのため、透過
型光拡散デバイス106は観察光軸O8 ,O9 上から退
避される。
【0140】また、光源装置8は通常の使用時にはキセ
ノンランプ39が照明光軸O3 上に配置された状態でセ
ットされ、ハロゲンランプ86は照明光軸O3 上から外
れた待機位置に保持される。
【0141】そして、例えば通常使用されるキセノンラ
ンプ39が点灯不良を起こした場合には、次のランプ切
換え作業が行なわれる。このランプ切換え作業時には術
者はツマミ126を180゜回転させ、ランプ切換え板
123に固着されているハロゲンランプ86を照明光軸
3 上の集光レンズ40の位置に配置する。この時、図
示しないスイッチがON状態となり、図示しない電源に
よりハロゲンランプ86が点灯される。ここで、ハロゲ
ンランプ86を発した光はこのハロゲンランプ86の一
部分を構成する反射鏡によってライトガイド13に導か
れ、術部Pを照射する照明光として使用される。
【0142】また、ハロゲンランプ86が断線等による
点灯不良を起こした場合には、次のランプ交換作業が行
なわれる。このランプ交換作業時には、術者はツマミ1
34を矢印t方向にスリット137に沿ってスライドさ
せる。
【0143】ここで、ツマミ134の係合ピン136が
ハロゲンランプ枠129のロック穴131にロックされ
ると同時に、ツマミ134のロック部135が光源装置
8のハウジング36から開放される。この状態で、ハロ
ゲンランプ交換扉132をヒンジ133の回転中心周り
に矢印u方向に引き、開ける。
【0144】ここで、ハロゲンランプ枠129は係合ピ
ン136およびロック穴131によってハロゲンランプ
交換扉132に固着されているため、ハロゲンランプ枠
129をランプ切換え板123に固定しているバネ部材
130はその弾性力によって図18中で矢印y方向に引
き上げられ、ハロゲンランプ枠129がランプ切換え板
123から開放される。
【0145】この状態で、ハロゲンランプ枠129およ
びハロゲンランプ86はハロゲンランプ交換扉132の
開閉動作に伴って、光源装置8のハウジング36の開口
部49から外に引き出される。そのため、術者はハロゲ
ンランプ92の交換が可能となる。
【0146】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本実施の形態では顕微鏡観察時
にはランダム移動手段112によって透過型光拡散デバ
イス106を観察光軸O8 ,O9 に直交する平面内にお
いてランダムに移動させるようにしたので、透過型光拡
散デバイス106を構成するマイクロレンズなどの凹凸
部が観察光軸O8 ,O9 に直交する平面内において一律
的に移動されることを防止することができる。そのた
め、本実施の形態の手術用顕微鏡1では従来のように透
過型光拡散デバイス106の凹凸部の一定の軌跡の移動
や、透過型光拡散デバイス106の一定の移動軌跡の終
端での停止がなくなるため、手術用顕微鏡1の観察像を
暗くすることなく、観察像における渦や、筋の発生を防
止できる。その結果、手術用顕微鏡1の光学観察像に
渦、筋などを発生させることなく観察像のザラツキ感を
防止して接眼光学系の左右の接眼レンズ21の射出瞳を
拡大させることができるので、術者の頭が双眼観察鏡筒
14の接眼レンズ21に対して多少動いた場合にも観察
像がケラレ難い効果がある。
【0147】さらに、本実施の形態の手術用顕微鏡1で
は透過型光拡散デバイス106を楕円形状を有する収納
枠107に収納することで、光学部材の楕円加工といっ
た複雑な加工を行なうことなく第2の実施の形態と同様
に図8中で矢印M方向の高速微振動の振動数を減少で
き、高速微振動時に発生する音の低減が図れる。
【0148】また、モーター75の故障時には、ツマミ
116を押し込むといった簡単な操作で、左右両接眼ハ
ウジング102内の透過型光拡散デバイス106を一度
に確実に観察光軸O8 、O9 上から退避させることが可
能となり、モーター75の故障時の像の劣化防止を非常
に安価な構成で、かつ容易な操作で達成できる。
【0149】さらに、光源装置8内に配置される第2の
照明ランプであるハロゲンランプ86が断線した場合、
ハロゲンランプ交換扉132を開けるといった簡単な操
作でハロゲンランプ86をハウジング36の外部に退避
できる。
【0150】さらに、本発明は上記実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々変形実施できることは勿論である。次に、本出願の他
の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。 記 (付記項1) 左右一対の結像光学系と該結像光学系に
より形成される虚像を拡大観察する左右一対の接眼光学
系と前記結像光学系の結像位置またはその近傍に透過型
光拡散デバイスを配置した双眼観察鏡筒とを有する手術
用顕微鏡において、前記透過型光拡散デバイスを観察光
軸に直交する平面内においてランダムに移動するランダ
ム移動手段を有したことを特徴とする手術用顕微鏡。
【0151】(付記項2) 前記透過型光拡散デバイス
が弾性部材により保持されていることを特徴とする付記
項1に記載の手術用顕微鏡。 (付記項3) 前記ランダム移動手段が楕円形状を有し
たプーリーであることを特徴とする付記項1に記載の手
術用顕微鏡。
【0152】(付記項4) 前記ランダム移動手段が楕
円形状を有した透過型光拡散デバイスであることを特徴
とする付記項1に記載の手術用顕微鏡。 (付記項5) 前記微振動伝達手段が前記透過型光拡散
デバイスを収納する収納枠であることを特徴とする付記
項1に記載の手術用顕微鏡。
【0153】(付記項6) 前記透過型光拡散デバイス
を前記双眼観察鏡筒の結像光学系における結像位置また
はその近傍から挿脱可能にする挿脱機構を有したことを
特徴とする付記項1に記載の手術用顕微鏡。
【0154】(付記項7) 前記駆動手段の駆動状態を
検知する駆動状態検知手段と、該駆動状態検知手段から
の入力信号に伴って前記挿脱機構を制御する制御手段を
設けたことを特徴とする付記項6に記載の手術用顕微
鏡。
【0155】(付記項1〜7の従来技術) 本発明は脳
外科、眼科、形成外科等で微小部位の手術に使用される
手術用顕微鏡に関し、詳しくは術部を拡大立体観察する
左右一対の接眼レンズを有する双眼接眼鏡筒に関するも
のである。
【0156】近年手術手法、手術器具の発達に伴い微細
手術、いわゆるマイクロサージャリーが頻繁に行われる
ようになってきている。マイクロサージャリーでは術部
の拡大観察を行う手術用顕微鏡が使用されるが、手術用
顕微鏡の接眼レンズは射出瞳は非常に小さいため、観察
中に観察者の頭が動くと、観察像がケラレてしまうた
め、術者は常に頭を接眼レンズに対して固定した状態を
保持する必要があり、強度の疲労感を与えてしまってい
た。
【0157】上記問題を解決するために特開平8−30
4707号公報において、双眼接眼鏡筒を大型化するこ
となく、射出瞳を拡大し、術者の多少の頭の動きによる
観察像のケラレを防止する方法が開示されている。
【0158】特開平8−304707号公報では射出瞳
を拡大するために、双眼観察鏡筒の結像位置近傍に透過
型光拡散デバイスを用いる方法が開示されているが、透
過型光拡散デバイスとしてザラザラした凹凸部によって
光を発散させるスリガラスを用いた場合、そのザラザラ
した凹凸部により観察像にザラツキ感が生じるため、該
透過型光拡散デバイスを高速回転もしくは高速微振動さ
せる方法が開示されている。さらに、透過型光拡散デバ
イスとしてマイクロレンズアレイのような表面が滑らか
な凹凸部を有するものを上記結像面近傍に配置すること
でザラツキ感がなく射出瞳を拡大する方法が開示されて
いる。しかしながら、後者の場合、実際にはザラツキ感
を無くすためにはマイクロレンズアレイを構成する各々
のマイクロレンズをより小さくする必要があり、この場
合、射出瞳が必要以上に大型化するため、観察像が暗く
なるといった問題がある。また、観察像が暗くなるのを
防止するためには逆にマイクロレンズにある程度の大き
さを持たせる必要があるが、この場合、マイクロレンズ
の凹凸が激しくなるため、前記スリガラス同様に観察像
にザラツキ感が発生してしまう。従って、透過型光拡散
デバイスとしてマイクロレンズアレイを使用した場合
も、前記スリガラス同様に高速回転もしくは高速微振動
させる必要がある。しかしながら、前記透過型光拡散デ
バイスを高速回転させた場合、該透過型光拡散デバイス
を構成するマイクロレンズもしくは凹凸部が平面上で一
定の軌跡を描いて回転するため、一連の渦が見えてしま
うという問題があった。一方、前記透過型光拡散デバイ
スを高速微振動させた場合は前記マイクロレンズや凹凸
部が平面上で一定の軌跡を描いて往復移動の振動を行う
ため、振動の両終端では前記それぞれのマイクロレンズ
や凹凸部が決まった位置で一旦停止する。従って、それ
らマイクロレンズや凹凸部を結ぶ線として筋が見えてし
まうといった問題があった。すなわち、前記渦や筋は通
常の光学観察像に対して観察像の劣化として術者に大き
な不快感を与えてしまうといった大きな問題があった。
【0159】さらに、特開平8−304707号公報で
は前記透過型光拡散デバイスを高速回転させるための駆
動手段としてモーターを使用しているが、該モーターが
故障した場合、前記透過型光拡散デバイスのマイクロレ
ンズもしくは凹凸部によって観察像にザラツキ感が発生
してしまう。手術用顕微鏡においては観察対象物が手術
部位であり、細い血管や腫瘍である。従って、病変部と
正常組織を識別するためにはより鮮明な観察像が必要と
なることはいうまでもなく、前述の観察像のザラツキ感
は手術部位の観察に多大な影響を与えてしまい、時には
手術の中断を招いてしまう。
【0160】(付記項1〜5の目的) 付記項1〜5は
観察像を暗くすることなく、また渦や筋等の像の劣化を
発生させることなく観察像のザラツキ感を防止して、接
眼レンズの射出瞳を拡大し、術者の頭が双眼観察鏡筒の
接眼レンズに対して多少動いた場合にも観察像がケラレ
難い双眼接眼鏡筒を有する手術用顕微鏡を提供すること
を目的とする。
【0161】(付記項6、7の目的) 付記項6、7は
射出瞳を拡大する透過型光拡散デバイスをランダム移動
させる駆動手段が故障した場合に生じる観察像のザラツ
キ感に対して、通常の光学観察を可能とし、手術の中断
を防止する双眼接眼鏡筒を有する手術用顕微鏡を提供す
ることを目的とする。
【0162】(付記項1〜5の課題を解決するための手
段) 左右一対の結像光学系と該結像光学系により形成
される虚像を拡大観察する左右一対の接眼光学系と該接
眼光学系の結像位置もしくはその近傍に透過型光拡散デ
バイスを配置した双眼接眼鏡筒とを有する手術用顕微鏡
において、前記透過型光拡散デバイスを観察光軸に直交
する平面内においてランダムに移動させるランダム移動
手段を設けたことによって、該透過型光拡散デバイスを
構成するマイクロレンズなどの凹凸部が観察光軸に直交
する平面内においてランダムに移動し、従って、該透過
型光拡散デバイスを構成するマイクロレンズもしくは凹
凸部もランダム移動すなわち一律的な移動が防止され、
しかるに渦、筋などを発生することなく接眼光学系の射
出瞳が拡大される。
【0163】(付記項6、7の課題を解決するための手
段) 前記透過型光拡散デバイスを前記双眼接眼鏡筒の
結像光学系による結像位置もしくはその近傍から挿脱可
能にする挿脱機構を有したことによって、該透過型光拡
散デバイスを前記結像位置もしくはその近傍から退避可
能となる。
【0164】(付記項1〜5の効果) 本発明によれ
ば、渦、筋といった像の劣化を発生させることなく接眼
レンズの射出瞳を拡大できるので、術者に不快感を与え
ず、かつ、術者の眼の接眼レンズの射出瞳に対しての多
少動きに対して、観察像がケラレることがない、良好な
観察像の提供が可能となる。
【0165】(付記項6、7の効果) 本発明によれ
ば、接眼レンズの射出瞳を拡大する透過型光拡散デバイ
スのランダム移動を発生させる駆動手段が故障した場合
に射出瞳を拡大しない、いわゆる通常の光学観察像に容
易に切り換えられ、観察像の劣化を防止でき、手術の中
断を防止できる。
【0166】(付記項8) 第1の照明ランプと第2の
照明ランプを有し、前記第1の照明ランプの照明光軸上
に前記第2の照明ランプを配置するランプ切り換え機構
を有する光源装置において、該ランプ切り換え機構の一
部分が、前記光源装置のハウジング外部に退避可能にし
たことを特徴とする光源装置。
【0167】(付記項9) 前記ランプ切り換え機構が
前記第2の照明ランプを前記第1の照明ランプの照明光
軸上に配置するランプ配置機構と前記第2の照明ランプ
を前記光源装置のハウジング外部に退避させる退避機構
とから構成されることを特徴とする付記項8に記載の光
源装置。
【0168】(付記項10) 前記第1の照明ランプが
キセノンランプで、前記第2の照明ランプがハロゲンラ
ンプであることを特徴とする付記項9に記載の光源装
置。 (付記項8〜10の従来技術) 一方、手術用顕微鏡に
おいては明るい観察像を確保する目的から、光源装置か
らの照明光を光ファイバーおよび手術用顕微鏡の鏡体部
の一部を構成する照明光学系を用いて、手術部位を照射
することが一般に行われている。手術用顕微鏡の光源装
置は術中のランプ切れによる手術の中断を防止する必要
があり、例えば実公平7−20649号公報では予備の
ランプを含めた複数のランプをランプハウス内に保持
し、該保持部を回転もしくはスライドさせることで一つ
のランプが点灯位置に配置され、術中のランプ切れに素
早く対応できる方法が開示されている。さらに、本公報
では前記ランプの保持部をランプハウスのハウジング外
に退避可能とすることでランプ交換を容易にする方法が
開示されている。また、本公報におけるランプはフィラ
メントを有する小型のランプ、例えばハロゲンランプと
して開示されている。
【0169】ところで、近年、より安全なマイクロサー
ジャリーを行う目的から手術用顕微鏡の光源装置は術部
をより明るく照明することが望まれており、前述のフィ
ラメントタイプのランプに対して高輝度を有するランプ
として放電タイプのランプ、例えばキセノンランプ等が
頻繁に使われるようになってきた。キセノンランプは、
例えば特公平1−43928号公報に開示されているよ
うに、ランプの電極および冷却の目的から多くの冷却フ
ィンを有するヒートシンクによって光源装置内に保持固
定される。従って、該ヒートシンクを含めたランプ部分
が大型化してしまい、上述の実公平7−20649号公
報のように予備のランプとして同一のキセノンランプを
ハウジング内に収納することは装置の大型化を招く、さ
らに、照明光軸上で2つのランプを素早く切り換えるこ
とを可能にすることは、さらなる装置の大型化、複雑化
を招いてしまう。
【0170】そこで特公平1−43928号公報ではメ
インの照明ランプとしてキセノンランプを、予備ランプ
はメインランプが故障した場合の非常用のランプとし
て、輝度としてはキセノンランプに劣るものの小型であ
るフィラメントタイプのランプ、例えばハロゲンランプ
を採用し、メインの照明ランプの照明光軸上に挿脱可能
に配置固定するランプ切り換え機構に保持することで、
術中のランプ切れに対応している。
【0171】しかしながら、特公平1−43928号公
報ではランプ切り換え機構が光源装置のハウジング内に
固定されているため、予備ランプの交換が容易に行えな
いといった問題点があった。
【0172】(付記項8〜10の目的) 付記項8〜1
0は第1の照明ランプと該第1の照明ランプの点灯不良
時に点灯させる第2の照明ランプを有する光源装置にお
いて光源装置の小型化を図るとともに、第1の照明ラン
プの点灯不良時、即座に第2の照明ランプの点灯を可能
とすると共に、前記非常用照明ランプの交換を容易かつ
確実に行える光源装置を提供することを目的とする。
【0173】(付記項8〜10の課題を解決するための
手段) 第1の照明ランプと第2の照明ランプを有し、
前記第1の照明ランプの照明光軸上に前記第2の照明ラ
ンプを配置するランプ切り換え機構を有する光源装置に
おいて、前記ランプ切り換え機構の一部分が、前記光源
装置のハウジング外部に退避可能にしたことによって、
第1の照明ランプの点灯不良時、第2の照明ランプによ
って術部の照明が行われ、また、第2の照明ランプのラ
ンプ交換が可能となる。
【0174】(付記項8〜10の効果) 本発明によれ
ば、術中の照明ランプの点灯不良に対して即座に対応で
き、手術の中断を防止できる。また、非常用照明ランプ
である第2の照明ランプとしてフィラメントタイプの小
型の照明ランプを用いたことで、光源装置本体の小型化
が図れる。さらに、該第2の照明ランプの断線時も容易
なランプ交換が可能となる。
【0175】
【発明の効果】本発明によれば双眼観察鏡筒の観察光軸
に直交する平面内において透過型光拡散デバイスをラン
ダムに移動させるランダム移動手段を設けたので、観察
像を暗くすることなく、また渦、筋といった観察像の劣
化を発生させることなく観察像のザラツキ感を防止し
て、接眼レンズの射出瞳を拡大できる。そのため、術者
に不快感を与えず、かつ、接眼レンズの射出瞳に対して
の術者の眼の多少の動きに対して、観察像がケラレるこ
とがなく、良好な観察像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示すもので、
(A)は手術用顕微鏡全体の概略構成図、(B)は鏡体
および双眼接眼鏡筒の光学系を示す概略構成図。
【図2】 第1の実施の形態の手術用顕微鏡の双眼接眼
鏡筒の内部構成を示す概略構成図。
【図3】 図2のX−X線断面図。
【図4】 図3のY−Y線断面図。
【図5】 第1の実施の形態における光源装置のランプ
切換え機構の概略構成を示す横断面図。
【図6】 第1の実施の形態における光源装置のランプ
の取付け状態を示す概略構成図。
【図7】 本発明の第2の実施の形態の手術用顕微鏡に
おける鏡体および双眼接眼鏡筒の光学系を示す概略構成
図。
【図8】 図7のZ−Z線断面図。
【図9】 第2の実施の形態の手術用顕微鏡のモーター
およびソレノイドの制御回路を示すブロック図。
【図10】 第2の実施の形態の手術用顕微鏡の双眼接
眼鏡筒内に配置される像回転補正プリズムの保持構造を
示す要部の縦断面図。全体の概略構成図
【図11】 図10のW−W線断面図。
【図12】 第2の実施の形態の手術用顕微鏡の光源装
置のランプ切換え機構の構成を示す要部の縦断面図。
【図13】 第2の実施の形態における光源装置のラン
プの取付け状態を示す概略構成図。
【図14】 本発明の第3の実施の形態の手術用顕微鏡
における鏡体および双眼接眼鏡筒の光学系を示す概略構
成図。
【図15】 図14のU−U線断面図。
【図16】 図14のT−T線断面図。
【図17】 第3の実施の形態の手術用顕微鏡における
透過型光拡散デバイスの構成を示す斜視図。
【図18】 第3の実施の形態の手術用顕微鏡の光源装
置のランプ切換え機構の構成を示す要部の縦断面図。
【図19】 第3の実施の形態における光源装置のラン
プの取付け状態を示す概略構成図。
【符号の説明】
14 双眼接眼鏡筒 17 結像レンズ(結像光学系) 20、68、106 透過型光拡散デバイス 21 接眼レンズ(接眼光学系) 31、76、112 ランダム移動手段 O1 ,O2 観察光軸

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右一対の結像光学系と、該結像光学系
    により形成される虚像を拡大観察する左右一対の接眼光
    学系と、前記結像光学系の結像位置またはその近傍に透
    過型光拡散デバイスを配置した双眼観察鏡筒とを有する
    手術用顕微鏡において、 前記双眼観察鏡筒の観察光軸に直交する平面内において
    前記透過型光拡散デバイスをランダムに移動させるラン
    ダム移動手段を設けたことを特徴とする手術用顕微鏡。
JP33298797A 1997-12-03 1997-12-03 手術用顕微鏡 Expired - Fee Related JP3911330B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33298797A JP3911330B2 (ja) 1997-12-03 1997-12-03 手術用顕微鏡

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33298797A JP3911330B2 (ja) 1997-12-03 1997-12-03 手術用顕微鏡

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11167065A true JPH11167065A (ja) 1999-06-22
JP3911330B2 JP3911330B2 (ja) 2007-05-09

Family

ID=18261046

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33298797A Expired - Fee Related JP3911330B2 (ja) 1997-12-03 1997-12-03 手術用顕微鏡

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3911330B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014225024A (ja) * 2007-09-03 2014-12-04 カール ツァイス メディテック アーゲー 光トラップ、光路の入力結合装置、ならびに照明装置および光学観察装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014225024A (ja) * 2007-09-03 2014-12-04 カール ツァイス メディテック アーゲー 光トラップ、光路の入力結合装置、ならびに照明装置および光学観察装置
JP2016153898A (ja) * 2007-09-03 2016-08-25 カール ツァイス メディテック アーゲー 光トラップ、光路の入力結合装置、ならびに照明装置および光学観察装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3911330B2 (ja) 2007-05-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7283298B2 (en) Stereoscopic microscope
US5226903A (en) Apparatus for ophthalmic operation using photocoagulation by a laser beam
JP3943154B2 (ja) 実体顕微鏡の照明手段
JP5259570B2 (ja) 照明装置ならびに観察装置
JP3597896B2 (ja) 手術顕微鏡用の切替可能な照明装置
JP4439815B2 (ja) 手術用顕微鏡
JP5189257B2 (ja) レーザ光源を有する手術用スリットランプを有する顕微鏡
JPS63109853A (ja) 手術用顕微鏡
US10485703B2 (en) Laser treatment apparatus
JP4417036B2 (ja) 眼科用手術顕微鏡
JP5517061B2 (ja) 手術用顕微鏡及び補助観察者の顕微鏡を旋回するための方法
JP2000262476A (ja) 眼検査用立体顕微鏡における照明装置及びその方法
US5513286A (en) White light dimmer for fiber optic illumination sources
JP2001142003A (ja) 手術用顕微鏡
JP3911330B2 (ja) 手術用顕微鏡
JP3552737B2 (ja) 手術用顕微鏡
JP2002350735A (ja) 手術用顕微鏡
KR20050009693A (ko) 수술용 현미경 및 관찰 프리즘
JP3730934B2 (ja) 手術用顕微鏡
US20030201378A1 (en) Operating microscope
JPH0752257B2 (ja) 眼球手術用顕微鏡
JPS63127737A (ja) 手術顕微鏡における固視灯装置
JP4472284B2 (ja) 手術用顕微鏡
JPH07124175A (ja) 手術用顕微鏡
JP2003310637A (ja) 手術用顕微鏡装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041013

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060725

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061031

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070123

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070129

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110202

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110202

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120202

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120202

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130202

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees