JP2003310637A - 手術用顕微鏡装置 - Google Patents

手術用顕微鏡装置

Info

Publication number
JP2003310637A
JP2003310637A JP2002122970A JP2002122970A JP2003310637A JP 2003310637 A JP2003310637 A JP 2003310637A JP 2002122970 A JP2002122970 A JP 2002122970A JP 2002122970 A JP2002122970 A JP 2002122970A JP 2003310637 A JP2003310637 A JP 2003310637A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
illumination light
illumination
optical axis
light
observation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002122970A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomonori Ishikawa
朝規 石川
俊一郎 ▲高▼橋
Shunichiro Takahashi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP2002122970A priority Critical patent/JP2003310637A/ja
Publication of JP2003310637A publication Critical patent/JP2003310637A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Microscoopes, Condenser (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、装置全体の大型化などを招くこと無
く、照明光を術部に十分に照射できる手術用顕微鏡装置
を安価に提供することを最も主要な特徴とする。 【解決手段】光源10から発せられた照明光を照明光学
系4の半反射半透過部材14によって第1の照明光と第
2の照明光の2つに分割し、かつ分割された第1の照明
光を対物レンズ1の光軸Oに対して交差する角度で照射
させる。さらに、半反射半透過部材14で分割された第
2の照明光を第1の照明光と対物レンズ1の光軸Oとの
交差部に向けて照射させる第2の照明光照射手段15
と、光源10と半反射半透過部材14との間の照明光路
に介設され、第1の照明光と第2の照明光との交差位置
を対物レンズ1の焦点距離に応じた観察野の中心位置に
合致させる照野移動手段19とを設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、顕微鏡に内蔵され
た複数群からなる対物レンズのレンズ間隔を変更するこ
とで焦点距離を変更することの可能な手術用顕微鏡装置
に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、手術の低侵襲化に伴い、微細な処
置を可能にする手術用顕微鏡を用いた手術が多く行なわ
れている。この手術用顕微鏡における照明系には、術部
が表面ばかりではなく表面から深く掘り下げた深部であ
っても十分に照明光が到達できるように様々な工夫がこ
らしてある。 【0003】術部を照明するための照明光を、術部に十
分に到達させるための方法としては、例えば次の様な方
法が既に開示されている。例えば、特開昭63−278
10号公報には、観察光学系の真下に半透過半反射部材
が配置されている。そして、照明光束を観察光学系の光
軸と直交する方向から該半透過半反射部材に向けて入射
させ、半透過半反射部材で反射させた照明光束の光軸を
観察光学系の光軸と一致させることによって、観察光軸
と完全に一致した方向から術部を照明するようにした手
術用顕微鏡が示されている。 【0004】また、特公平6−441a01号公報や、
特許第2891923号には、観察者の左右の眼に対応
する左右一対の光束の中間位置に照明光束を術部に導く
照明光学系を配置し、観察光学系の左右光束の間から術
部を照明することのできる手術用顕微鏡が開示されてい
る。 【0005】また、特開平10−73769号公報に
は、2つの照明光学系を有する手術用顕微鏡が示されて
いる。そして、術部が深い穴を形成する場合にその穴の
入り口にて1つの照明光学系からの照明光が遮断されて
しまうことに備え、別の方向からも照明光を照射するこ
とが示されている。 【0006】ところで、手術の進行に伴って徐々に深部
に向かってアプローチをしていく場合等に焦点距離が固
定の対物レンズでは顕微鏡自体を移動させなければなら
ないので、その操作が面倒である。そのため、手術用顕
微鏡の高機能化の一つとして、焦点距離が可変式の対物
レンズを内蔵した手術用顕微鏡が最近の主流になりつつ
ある。 【0007】これを開示したものには、既に紹介した特
許第2891923号や、特開平10−73769号公
報などがある。特許第2891923号では、照明光軸
は観察光軸と一致しているため、いかなる焦点距離であ
っても照明光の中心は観察部と一致している。 【0008】また、特開平10−73769号公報で
は、観察光軸に対して照明光軸は角度を持っているため
に、対物レンズの焦点距離が変ると照明光の中心位置が
観察の中心位置と一致しなくなる。これを補正するため
に、対物レンズの焦点距離の変更に対応して2系統の照
明光学系のそれぞれの照射角度が連動して傾くようにな
っている。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】ところで、特開昭63
−27810号公報の装置では、観察光学系の光軸上に
半透過半反射部材を配置しているために、光源を発した
照明光はその半分しか観察対象に導かれない。さらに、
観察対象で反射して観察光学系に向かう照明光束も、該
半透過半反射部材を通過した後に観察光学系に入射する
ことになるので、観察者の観察する明るさは照明光量の
およそ4分の1となり、観察画像が比較的暗くなる問題
がある。 【0010】したがって、術者は暗い観察像のもとで手
術を行なうか、又は観察に必要な光量に対して非常に明
るい光量を発することの可能な高価な光源を使用しなけ
ればならない。 【0011】また、特公平6−441a01号公報や、
特許第2891923号公報の装置では、観察者の左右
の眼に対応する光学系を、照明光学系を避けて配置しな
くてはならない。そのため、これら左右の観察光束の間
隔が離れてしまう問題がある。従って、照明光束が深い
穴の底に到達したとしても、観察光束がこの穴の入口で
遮られてしまうおそれがある。この場合にはやはり深い
穴の底の術部を観察することはできないうえ、顕微鏡自
体の大型化さえ招いている。 【0012】また、特開平10−73769号公報の装
置では、対物レンズの焦点距離の変更に伴う照明中心の
補正を行う際に、観察光軸と照明光軸との角度差によ
り、2系統の照明光学系がそれぞれ個別の連動機構を介
して傾斜角度の調整を行なわなければならない問題があ
る。従って装置全体が大型化し、且つ高価なものになる
問題がある。 【0013】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的は、装置全体の大型化などを招くこと無
く、照明光を術部に十分に照射することが可能な手術用
顕微鏡装置を安価に提供することにある。 【0014】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、焦点
距離が可変な観察光学系を有する手術用顕微鏡装置にお
いて、光源からの照明光を反射することで光軸方向が異
なる第1の照明光束と第2の照明光束とに分割するとと
もに、前記第1の照明光束を前記観察光学系の光軸に対
して交差する角度で照射可能な光分割手段と、前記光分
割手段に入射される前記照明光の光軸を移動し、前記観
察光学系の光軸と前記第1の照明光束の光軸との交差位
置を移動するともに光分割手段からの前記第2の照明光
束の光軸が移動する入射光軸移動手段と、前記入射光軸
移動手段によって移動された前記交差位置に照射可能
に、前記第2の照明光束を偶数回反射する反射部材と、
を具備したことを特徴とする手術用顕微鏡装置である。 【0015】そして、本請求項1の発明では、光源から
発せられた照明光を光分割手段によって反射することで
光軸方向が異なる第1の照明光束と第2の照明光束とに
分割し、かつ分割された一方の第1の照明光束を対物レ
ンズの光軸に対して交差する角度で照射させる。さら
に、光分割手段で分割された他方の第2の照明光束を第
2の照明光照射手段によって第1の照明光束と対物レン
ズの光軸との交差部に向けて照射させる。さらに、光源
と光分割手段との間の照明光路に介設された照野移動手
段によって、第1の照明光束と第2の照明光束との交差
位置を対物レンズの焦点距離に応じた観察野の中心位置
に合致させることにより、対物レンズのいかなる焦点距
離であっても、観察中心と一致した照野中心を得るよう
にしたものである。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
を図1を参照して説明する。図1は本実施の形態の手術
用顕微鏡装置における観察光学系の概略構成を示すもの
である。なお、手術用顕微鏡のような実体顕微鏡の観察
光学系は、通常は観察者の左右の眼に対応すべく左右一
対の光学系によって形成されているが、図1では手術用
顕微鏡を側面から見た状態を示しているために観察光学
系はその片方(例えば左眼用の観察光学系)のみを表し
ている。 【0017】図1中で、1は焦点距離を変更することが
可能な対物レンズ、2は接眼光学系、3は対物レンズ1
と接眼光学系2との間に配置された変倍レンズ系であ
る。ここで、変倍レンズ系3は対物レンズ1と共通の光
軸(観察光軸)O上に配設されている。 【0018】また、対物レンズ1は、固定された凸レン
ズ1aと、光軸方向(図1中で矢印A方向)に移動可能
な凹レンズ1bとによって構成されている。そして、こ
の対物レンズ1では入射した光束をアフォーカル光束と
して出射するようになっている。 【0019】また、この対物レンズ1では凹レンズ1b
を光軸Oの軸方向に移動させることにより、焦点距離を
変更するようになっている。例えば、凹レンズ1bが図
1中に実線で示されているように凸レンズ1aに接近し
た第1の位置L1に配置されている状態では対物レンズ
1の焦点にある観察対象の位置はP1である。さらに、
図1中に点線で示されているように凹レンズ1bが凸レ
ンズ1aから離れた第2の位置L2に移動されている状
態では対物レンズ1の焦点にある観察対象の位置はP2
である。 【0020】また、変倍レンズ系3は、複数のレンズ群
から構成されている。そして、変倍レンズ系3では、対
物レンズ1側から光束を入射し、アフォーカル変倍を行
なうようになっている。さらに、変倍レンズ系3では入
射したアフォーカル光束を再びアフォーカル光束として
出射するようになっている。 【0021】また、接眼光学系2は、結像レンズ5と接
眼レンズ6で構成されている。ここで、結像レンズ5は
光軸O上に配置されている。さらに、結像レンズ5と接
眼レンズ6との間には結像レンズ5から出射される光束
を、接眼レンズ6に導くための2つの反射部材8,9が
配設されている。そして、変倍レンズ系3から出射され
た光束は結像レンズ5に入射した後、この結像レンズ5
によって結像位置7に像を結ぶようになっている。この
結像位置7は2つの反射部材8,9によって反射された
反射光軸上に配置されている。さらに、接眼レンズ6
は、結像位置7に結ばれた像を拡大するべく配置されて
いる。 【0022】また、本実施の形態の手術用顕微鏡装置に
は対物レンズ1による観察対象を照明する照明光学系4
が設けられている。この照明光学系4には照明光源10
と、この照明光源10の反射鏡10aとを備えた光源ユ
ニット11が設けられている。この光源ユニット11は
対物レンズ1の光軸Oの横方向に配設されている。 【0023】さらに、照明光学系4には、光源ユニット
11から発せられた照明光の光路LO上にコンデンサレ
ンズ12が介設されている。このコンデンサレンズ12
を透過した照明光の光路LO上には光源ユニット11か
らの照明光を対物レンズ1の焦点位置P1またはP2に
ある観察対象に向けるための反射部材13が設けられて
いる。 【0024】また、反射部材13によって反射した照明
光束の光軸RO1a上には半反射半透過部材(光分割手
段)14が配設されている。この半反射半透過部材14
は、光源10から発せられた照明光の一部を透過すると
ともに、残りを対物レンズ1の光軸Oと略直交する方向
に反射することにより、光軸RO11aの第1の照明光
と光軸RO12aの第2の照明光の2つに分割するもの
である。そして、この半反射半透過部材14で分割され
た一方の光軸RO11aの第1の照明光を対物レンズ1
の焦点位置P1またはP2にある観察対象に向けて対物
レンズ1の光軸Oに対して交差する角度で照射させるよ
うになっている。 【0025】また、対物レンズ1の光軸Oを挟んで半反
射半透過部材14に対して略対称位置には第2の照明光
照射手段15が設けられている。この第2の照明光照射
手段15には2つの反射部材17,18が設けられてい
る。そして、半反射半透過部材14で分割(反射)され
た他方の光軸RO12aの第2の照明光を2つの反射部
材17,18で順次、全反射させて光軸RO11aの第
1の照明光と対物レンズ1の光軸Oとの交差部に向けて
照射させるようになっている。 【0026】ここで、半反射半透過部材14で反射され
た光軸RO12aの第2の照明光は第1の反射部材17
で第2の反射部材18側に向けて全反射されるようにな
っている。さらに、第1の反射部材17で全反射された
光軸RO22aの第2の照明光は、続いて第2の反射部
材18で全反射されるようになっている。このとき、第
2の反射部材18で全反射された光軸RO32aの第2
の照明光は、光軸RO11aの第1の照明光と対物レン
ズ1の光軸Oとの交差部に向けて照射されるようになっ
ている。 【0027】また、本実施の形態の照明光学系4には光
軸RO11aの第1の照明光と光軸RO32aの第2の
照明光との交差位置を対物レンズ1の焦点距離に応じた
観察野の中心位置に合致させる照野移動手段19が設け
られている。この照野移動手段19には反射部材支持枠
22が設けられている。この反射部材支持枠22の一端
部には反射部材13の一端部が接着などにより固定され
ている。この反射部材支持枠22の他端部には図1中で
紙面垂直方向に延設された回転軸23が設けられてい
る。 【0028】さらに、図示していない顕微鏡本体には回
転軸23を回転可能に支持した軸受け24が設けられて
いる。そして、反射部材13は回転軸23を中心に回動
可能に支持されている。 【0029】また、回転軸23の一端部は顕微鏡本体の
外部に突出されている。この回転軸23の突出部には顕
微鏡本体の外部において操作レバー25が固定されてい
る。そして、操作レバー25の操作にともない反射部材
13が回転軸23を中心に回動駆動されるようになって
いる。この操作レバー25の操作によって光軸RO11
aの第1の照明光と光軸RO32aの第2の照明光との
交差位置を対物レンズ1の焦点距離に応じた観察野の中
心位置に合致させるようになっている。 【0030】次に、上記構成の作用について説明する。
本実施の形態の手術用顕微鏡の使用時に対物レンズ1を
構成する凹レンズ1bが図1中で実線で示された第1の
位置L1にあるとき、対物レンズ1によって結像される
観察対象の位置はP1である。このとき、照明光源10
から出射された光束は、コンデンサレンズ12を通り、
反射部材13で半反射半透過部材14の方向に全反射さ
れ、半反射半透過部材14に入射される。この半反射半
透過部材14では光源10から発せられた照明光の一部
を透過するとともに、残りを対物レンズ1の光軸Oと略
直交する方向に反射することにより、光軸RO11aの
第1の照明光と光軸RO12aの第2の照明光の2つに
分割される。 【0031】そして、半反射半透過部材14を透過する
光軸RO11aの第1の照明光の光束(第1照明光束)
はP1位置にある観察対象に照射され、この第1の照明
光によってP1位置にある観察対象が照明される。この
とき、同時に、半反射半透過部材14で反射された光軸
RO12aの第2の照明光は第1の反射部材17、第2
の反射部材18でそれぞれ全反射された後、光軸RO3
2aで示す光束(第2照明光束)はP1位置にある観察
対象に照射され、この第2の照明光によってP1位置に
ある観察対象が照明される。したがって、P1位置にあ
る観察対象には同時に2方向から照明光(第1の照明光
および第2の照明光)が照射されて照明される。 【0032】また、P1位置にある観察対象で反射した
両照明光は、対物レンズ1に入射した後、変倍レンズ系
3、結像レンズ5を通り、P1位置にある観察対象の像
が結像位置7に結像される。そのため、術者26は接眼
レンズ6によってP1位置にある観察対象の像を拡大観
察することができる。 【0033】また、術者26が処置を行なう観察対象
を、P1位置からP2位置に変更する場合について説明
する。このとき、術者26は、まず図示していないフッ
トスイッチなどの入力手段を操作して対物レンズ1の焦
点位置を変更する指示を入力する。この指示によって図
示していないモーターなどの駆動手段を用いて凹レンズ
1bを図1中で矢印A方向にシフトさせ、点線で示す第
2の位置L2へと移動させる。これによって対物レンズ
1の結像位置は、P1位置からP2位置へと変更され
る。 【0034】続いて、術者26は、操作レバー25を図
1中で矢印B方向に回転させる。この操作により、反射
部材13の角度を、実線で示す第1の傾斜角度の状態か
ら点線にて示した第2の傾斜角度の状態まで回転変位さ
せる。これによって反射部材13によって反射した照明
光束の光軸RO1aは光軸RO1bに変化する。そのた
め、半反射半透過部材14を透過する第1照明光束の光
軸はRO11aからRO11bに変更される。その結
果、第1照明光束が向かう方向はP1位置からP2位置
へと変更される。 【0035】また、光軸RO1bの照明光束が半反射半
透過部材14によって反射された第2の照明光の光軸は
RO12bとなる。この光軸RO12bの第2の照明光
は続いて第1の反射部材17にて折り曲げられ、光軸R
O22bとなり、更に第2の反射部材18にて折り曲げ
られてP2位置で示す観察対象に向かう。このとき、第
2の反射部材18で全反射された光軸RO32bの第2
の照明光は、光軸RO11bの第1の照明光と対物レン
ズ1の光軸Oとの交差部に向けて照射される。従って第
1照明光束、第2照明光束共にP2位置で示した観察対
象を照明することになる。 【0036】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本実施の形態の手術用顕微鏡装
置では、手術用顕微鏡の使用時に術者が観察する観察対
象の位置を対物レンズ1の光軸Oの方向で変更する場合
に操作レバー25を回転させて照明光学系4中に配設し
た反射部材13を回転させる操作だけで、観察対象を照
明する2つの照明光束の中心を同時に変更させることが
でき、且つ2つの照明光束の中心を常に観察対象の中心
に合致させることができる。そのため、高倍状態におい
て観察することの多い、深く細い穴の中の観察対象でも
十分に照明光を術部に到達させることができる。さら
に、低倍状態において観察することの多い生体組織の表
面では比較的明るい照明光を観察対象に導くことが出来
るので、観察者は常に理想的な照明状態で手術を行うこ
とができる。従って、従来に比べて格段に手術効率を向
上させることができる。 【0037】また、図2は本発明の第2の実施の形態を
示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図
1参照)の手術用顕微鏡装置の構成を次の通り変更した
ものである。なお、図2中で、図1と同一部分には同一
の符号を付してその説明を省略する。 【0038】すなわち、本実施の形態の手術用顕微鏡装
置では対物レンズ1の凹レンズ1bを支持する移動枠3
9が設けられている。凹レンズ1bはこの移動枠39に
接着などによって固定されている。移動枠39には対物
レンズ1の光軸Oに平行に開けられた貫通穴41a,4
1bが形成されている。各貫通穴41a,41bにはガ
イド棒40a,40bが挿入されている。ガイド棒40
a,40bは、それぞれ光軸Oに平行に配設されてい
る。各ガイド棒40a,40bの両端は図示していない
顕微鏡本体に支持されている。そして、移動枠39は各
貫通穴41a,41bに挿入されたガイド棒40a,4
0bに沿って光軸O方向に移動可能に支持されている。 【0039】また、顕微鏡本体には移動枠39を光軸O
方向に移動させる駆動モーター43が支持されている。
この駆動モーター43の回転軸にはリードねじ42が形
成されている。さらに、移動枠39には駆動モーター4
3のリードねじ42に螺合するねじ穴部44が形成され
ている。そして、駆動モーター43の回転によってリー
ドねじ42が回転駆動されることにより、リードねじ4
2とねじ穴部44との螺合部を介して移動枠39を各ガ
イド棒40a,40bに沿って対物レンズ1の光軸O方
向に移動させる駆動力が伝達され、移動枠39が対物レ
ンズ1の光軸O方向に沿って移動されるようになってい
る。 【0040】また、移動枠39には対物レンズ1の光軸
O方向と直交する方向に突出されたピン47の基端部が
埋設されている。このピン47には本実施の形態の照野
移動手段31を構成する略L字状のリンク部材45の一
端部が係合されている。 【0041】このリンク部材45のL字状の屈曲部には
嵌合穴49が形成されている。この嵌合穴49には図示
していない顕微鏡本体に設けられている回転軸48が貫
通されている。そして、リンク部材45は回転軸48を
中心に回動可能に軸支されている。 【0042】さらに、リンク部材45の基端部には照野
絞り30が設けられている。この照野絞り30は光源1
0から発せられた照明光を絞り、観察対象上に到達させ
る照明光束の大きさ(以下照野)及び位置を規定するも
のである。 【0043】また、リンク部材45の先端部にはスリッ
ト46が設けられている。このスリット46には移動枠
39のピン47が挿入された状態で係合されている。そ
して、移動枠39が対物レンズ1の光軸O方向に沿って
移動される動作時にはこの移動枠39の動作に連動して
リンク部材45が回転軸48を中心に回動するようにな
っている。 【0044】また、本実施の形態では凹レンズ1bが図
2中で、実線で示した第1の位置L11に配置されてい
る状態で、対物レンズ1の焦点にある観察対象の位置は
P11である。図2中に矢印Ca及びCbで示した範囲
Xは、凹レンズ1bが実線で示した第1の位置L11に
ある状態での焦点の位置P11における観察対象と同一
面内の照野の範囲を示している。さらに、図2中に点線
で示されているように凹レンズ1bが第2の位置L12
に移動されている状態ではP12が対物レンズ1の焦点
の位置となる。 【0045】また、本実施の形態の手術用顕微鏡装置の
照明光学系4にはコンデンサレンズ12の光出射端面側
に第1反射部材33が配設されている。ここで、第1反
射部材33は、コンデンサレンズ12の光出射端面側に
おける上半分と対応する位置に配置されている。この第
1反射部材33はコンデンサレンズ12から出射された
光束の一部(コンデンサレンズ12の上半分)を入射し
た後に、全体射して照明光を対物レンズ1の焦点位置P
11またはP12にある観察対象に向けて出射するもの
である。 【0046】さらに、第1反射部材33は、この第1反
射部材33から出射した光束(第1照明光束)の光軸R
O34aを、位置P11において光軸Oと交差する位置
に向けて配置されている。 【0047】また、対物レンズ1の光軸Oを挟んで第1
反射部材33に対して略対称位置には第2の照明光照射
手段15としての第2反射部材35が配設されている。
この第2反射部材35は、コンデンサレンズ12の光出
射端面側における下半分と対応する位置に配置されてい
る。この第2反射部材35は、コンデンサレンズ12か
ら出射された光束のうち、第1反射部材33が入射する
光束とは異なる部分(下半分)を入射後、内部で2回反
射した後に出射する例えば、ペンタプリズムによって形
成されている。 【0048】さらに、第2反射部材35は、出射した光
束(第2照明光束)の光軸RO34bが位置P11を通
過すべく配設されている。また、上述したように、第1
反射部材33と第2反射部材35は、コンデンサレンズ
12を出射した光束を分け合う、光束分割手段として構
成されている。 【0049】なお、図2中で、37は、位置P12と同
一面上における第1照明束の光軸RO34aの位置を、
38は、第2照明光束の光軸RO34bの位置をそれぞ
れ示している。 【0050】次に、上記構成の本実施の形態の作用につ
いて説明する。本実施の形態では対物レンズ1を構成す
る凹レンズ1bが実線で示された位置にあるとき、対物
レンズ1によって結像される観察対象の位置はP11に
て示されている。 【0051】このとき、第1照明光束の光軸RO34a
と第2照明光束の光軸RO34bは位置P11にて交差
しているので、両照明光によって得られる照野の中心
は、術者26が観察する視野の中心と一致していること
になる。 【0052】また、術中に術者26が光軸O方向におい
て異なる位置P12を観察しようとした場合、術者26
は図示していないフットスイッチなどの入力手段を操作
して対物レンズ1の焦点位置を変更する指示を入力す
る。この指示によって顕微鏡内のモーター43を駆動さ
せる。このモーター43が回転すると、その回転に伴っ
てリードねじ42が回転する。このとき、リードねじ4
2が回転すると移動枠39は、ガイド棒40a及び40
bによってそれ自体が回転できない状態で支持されてい
るために、光軸Oに対して平行に移動する。その結果、
凹レンズ1bは図2中に実線で示された第1の位置L1
1から点線で示された第2の位置L12に変位され、対
物レンズ1の焦点の位置もP11からP12へ変更され
る。 【0053】また、移動枠39が第1の位置L11から
第2の位置L12に光軸Oに沿って平行に変位すると本
実施の形態の照野移動手段31は次の通り動作する。ま
ず、移動枠39の移動動作に連動してリンク部材45が
回転軸48を中心に図2中で矢印Dの方向(反時計回り
方向)に回転し、図2中で実線の状態から点線の状態に
変位する。このとき、リンク部材45と一体に絞り30
も図2中で実線の状態から点線の状態に変位する。その
ため、絞り30の中心は照明光軸LOに対して図2中で
上下方向にシフトすることになる。 【0054】ところで、第1照明光軸RO34aは観察
光軸Oに対して適宜の傾斜角度に設定されている。従っ
て、もしも絞り30の位置が固定されている場合には、
両者の交わる位置P11においては観察視野と照野の中
心はお互いに一致しているが、その交点位置P11以外
ではお互いの中心が異なることになる。これを図2を用
いて説明すると、凹レンズ1bが点線で示す位置にあ
り、術者26の観察する視野の中心位置がP12である
場合、同一面内での照野の中心は37となる。 【0055】しかし、本実施の形態においては、術者2
6が位置P12を観察する時には絞り30の位置は実線
で示された位置から点線で示す位置に変位しているた
め、照野は位置37を中心とした矢印Ea及びEbで示
される範囲Yではなく、矢印Fa及びFbにて示される
範囲Zとなる。従って、観察される位置が観察光軸O上
で変位する場合であっても、照明光の照野は常に観察視
野の中心と一致することになる。 【0056】観察光軸Oと第2照明光軸RO34bも角
度を有しているが、上述した作用と同じ作用によって、
術者26が位置P12を観察する時には絞り30の位置
は実線で示された位置ではなく点線で示す位置に変位し
ているため、照野は位置38を中心とした矢印Ga及び
Gbで示される範囲Ybはなく、矢印Fa及びFbにて
示される範囲Zとなる。 【0057】従って、第1照明光束と第2照明光束は共
に、術者が観察光軸Oの方向のどの位置を観察する場合
であっても常に観察視野の中心に照野を形成することが
できる。 【0058】そこで、本実施の形態によれば、術者が観
察する観察対象の位置を対物レンズ1の光軸Oの方向に
変更した場合でも、常に観察対象を照明する2つの照明
光束の中心を観察視野の中心に一致させることができる
ので、術者は何ら照明光学系4の状態を気にすること無
く手術に集中することができる。 【0059】また、図3は本発明の第3の実施の形態を
示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図
1参照)の手術用顕微鏡装置における照明光学系4の構
成を次の通り変更したものである。なお、図3中で、図
1と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略す
る。 【0060】すなわち、本実施の形態の手術用顕微鏡装
置では接眼光学系2に隣接する位置に照明光源100
と、この照明光源100の反射鏡100aとを備えた光
源ユニット101が配設されている。この照明光源10
0の照明光軸(第1照明光束の光軸)LOaは対物レン
ズ1の光軸Oに対して適宜の角度傾いた状態で配置され
ている。そして、対物レンズ1の焦点位置P111で対
物レンズ1の光軸Oと照明光源100の照明光軸LOa
とが交差する状態に設定されている。 【0061】また、照明光源100の照明光軸LOa上
には集光レンズ102と、照明光軸(第1照明光束の光
軸)LOaに沿って図3中で矢印Hの方向に移動可能な
ズーム照明レンズ103と、コンデンサレンズ106と
が順次並設されている。ここで、ズーム照明レンズ10
3は図示していない連動機構によって観察光学系内の変
倍レンズ系3による観察倍率の変化に対して連動してい
る。そして、ズーム照明レンズ103は例えば図3中で
実線で示すようにコンデンサレンズ106に接近させた
低倍照明光位置と、点線で示すように集光レンズ102
に接近させた高倍照明光位置との間で移動可能になって
いる。なお、図3中で、LB1a,LB1bはズーム照
明レンズ103が低倍照明光位置に配置されている時の
照明光束(低倍照明光束)、LB2a,LB2bはズー
ム照明レンズ103が高倍照明光位置に配置されている
時の照明光束(高倍照明光束)をそれぞれ示すものであ
る。 【0062】また、コンデンサレンズ106の光出射面
側には例えば反射プリズムなどの第1反射部材109が
配設されている。この第1反射部材109は低倍照明光
束LB1a,LB1bの外側位置で、且つ高倍照明光束
LB2a,LB2bの内側位置に配置されている。 【0063】さらに、対物レンズ1の光軸Oを挟んで第
1反射部材109に対して略対称位置には第2反射部材
110が設けられている。この第2反射部材110は第
1反射部材109によって反射された光束を入射し、観
察対象P111の方向に向けて全反射する反射プリズム
によって形成されている。そして、この第2反射部材1
10からの反射光によって第2照明光が形成されてい
る。この第2照明光の照明光軸(第2照明光束の光軸)
LObは観察対象P111の位置において第1照明光束
の照明光軸LOaと交わるように配置されている。 【0064】次に、本実施の形態の作用について説明す
る。本実施の形態では観察光学系内の変倍レンズ系3に
よる観察倍率が低倍状態に設定されている観察状態では
ズーム照明レンズ103は図3中で実線で示す低倍照明
光位置に移動された状態で保持される。この状態ではコ
ンデンサレンズ106の光出射面側の第1反射部材10
9は低倍照明光束LB1a,LB1bの外側位置に配置
されているので、低倍照明光が第1反射部材109によ
って反射されることがない。そのため、照明光源100
からの照明光は全て第1照明光束の光軸LOaに沿って
対物レンズ1の焦点位置P111に照射される。 【0065】また、観察光学系内の変倍レンズ系3によ
る観察倍率が高倍状態に設定されている観察状態ではズ
ーム照明レンズ103は図3中で点線で示す高倍照明光
位置に移動された状態で保持される。この状態ではコン
デンサレンズ106の光出射面側の第1反射部材109
は高倍照明光束LB2a,LB2bの内側位置に配置さ
れている。そのため、照明光源100からの高倍照明光
の一部は第1反射部材109によって反射され、残りは
第1照明光束の光軸LOaに沿って対物レンズ1の焦点
位置P111に照射される。ここで、第1反射部材10
9によって反射された高倍照明光の光束は第2反射部材
110に入射され、この第2反射部材110で観察対象
P111の方向に向けて全反射される。そして、この第
2反射部材110からの反射光によって形成される第2
照明光が第1照明光束の光軸LOaとは異なる第2照明
光束の光軸LObに沿って観察対象P111の位置に照
射される。 【0066】従って、高倍観察状態においては、第1照
明光束及び第2照明光束の2つの照明光束で観察対象を
照明することになり、低倍観察状態においては、第1照
明光束のみで観察対象を照明することになる。 【0067】また、第2照明光束の光路長は、第1照明
光束に比べて長いために、照野は広いが明るさが暗く、
観察対象P111上における明るさは第1照明光束のみ
が照射される低倍観察時のほうが明るい。 【0068】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本実施の形態によれば、低倍状
態での観察の多い比較的表面を処置する手術においては
明るい観察野を得ることができ、逆に高倍状態での観察
の多い深く細い穴の中の観察対象部位を処置する手術に
おいても、照明光が遮られることなく充分に観察野に照
明光を導くことができる。 【0069】また、図4は、本発明の第4の実施の形態
を示すものである。本実施の形態は第3の実施の形態
(図3参照)の手術用顕微鏡装置における照明光学系4
の構成を次の通り変更したものである。なお、図4中
で、図3と同一部分には同一の符号を付してその説明を
省略する。 【0070】すなわち、本実施の形態の手術用顕微鏡装
置では図示していない光源からの照明光束を導くライト
ガイド120の照明光出射端部が対物レンズ1の光軸O
に対して略直交する方向に配設されている。 【0071】また、対物レンズ1の光軸Oの近傍位置に
はライトガイド120の照明光出射端部と離間対向する
位置に例えば直角プリズムなどの反射部材121が配設
されている。そして、ライトガイド120の照明光出射
端部から反射部材121に向けて照明光が出射されるよ
うになっている。さらに、ライトガイド120の照明光
出射端部から出射される照明光の照明光軸LO上には集
光レンズ102と、照明光軸LOに沿って移動可能なズ
ーム照明レンズ103と、コンデンサレンズ106とが
順次並設されている。そして、コンデンサレンズ106
から出射された全照明光束が反射部材121に入射さ
れ、観察対象P111に向けて照明光を反射させるよう
になっている。この反射部材121からの反射光によっ
て観察対象P111を照射する照明光軸LOaの第1照
明光が形成されている。 【0072】また、反射部材121の光束出射面123
の近傍には第1反射部材122が配設されている。この
第1反射部材122は低倍照明光束LB1a,LB1b
の外側位置で、且つ高倍照明光束LB2a,LB2bの
内側位置に少なくとも光束入射面124の一部が重なる
ように配置されている。 【0073】さらに、対物レンズ1の光軸Oを挟んで第
1反射部材122に対して略対称位置には第2反射部材
125が設けられている。この第2反射部材125は第
1反射部材122によって反射された光束を入射し、観
察対象P111の方向に向けて全反射する反射プリズム
によって形成されている。そして、この第2反射部材1
25からの反射光によって第2照明光が形成されてい
る。この第2照明光の照明光軸(第2照明光束の光軸)
LObは観察対象P111の位置において第1照明光束
の照明光軸LOaと交わるように配置されている。 【0074】次に、本実施の形態の作用について説明す
る。本実施の形態では観察光学系内の変倍レンズ系3に
よる観察倍率が低倍状態に設定されている観察状態では
ズーム照明レンズ103は図4中で実線で示す低倍照明
光位置に移動された状態で保持される。この状態ではコ
ンデンサレンズ106の光出射面側の第1反射部材12
2は低倍照明光束LB1a,LB1bの外側位置に配置
されているので、低倍照明光が第1反射部材122によ
って反射されることがない。そのため、ライトガイド1
20の照明光出射端部からの照明光は全て第1照明光束
の光軸LOaに沿って対物レンズ1の焦点位置P111
に照射される。 【0075】また、観察光学系内の変倍レンズ系3によ
る観察倍率が高倍状態に設定されている観察状態ではズ
ーム照明レンズ103は図4中で点線で示す高倍照明光
位置に移動された状態で保持される。この状態ではコン
デンサレンズ106の光出射面側の第1反射部材122
は高倍照明光束LB2a,LB2bの内側位置に配置さ
れている。そのため、ライトガイド120の照明光出射
端部からの高倍照明光の一部は第1反射部材122によ
って反射され、残りは第1照明光束の光軸LOaに沿っ
て対物レンズ1の焦点位置P111に照射される。ここ
で、第1反射部材122によって反射された高倍照明光
の光束は第2反射部材125に入射され、この第2反射
部材125で観察対象P111の方向に向けて全反射さ
れる。そして、この第2反射部材125からの反射光に
よって形成される第2照明光が第1照明光束の光軸LO
aとは異なる第2照明光束の光軸LObに沿って観察対
象P111の位置に照射される。 【0076】従って、高倍観察状態においては、第1照
明光束及び第2照明光束の2つの照明光束で観察対象を
照明することになり、低倍観察状態においては、第1照
明光束のみで観察対象を照明することになる。 【0077】また、第2照明光束の光路長は、第1照明
光束に比べて長いために、照野は広いが明るさが暗く、
観察対象P111上における明るさは第1照明光束のみ
が照射される低倍観察時のほうが明るい。 【0078】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本実施の形態によれば、第3の
実施の形態と同様に低倍状態での観察の多い比較的表面
を処置する手術においては明るい観察野を得ることがで
き、逆に高倍状態での観察の多い深く細い穴の中の観察
対象部位を処置する手術においても、照明光が遮られる
ことなく充分に観察野に照明光を導くことができる。ま
た、本実施の形態では特に、照明光学系4を観察光学系
に対して90゜に配置した手術用顕微鏡においても第3
の実施の形態と同じ効果を得ることができる。 【0079】さらに、本発明は上記実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々変形実施できることは勿論である。次に、本出願の他
の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。 記 (付記項1) 焦点距離が可変である対物レンズを含む
観察光学系と、該対物レンズを介さずに観察対象を照明
する照明光学系と、照明光の中心を前記対物レンズの焦
点距離に応じた観察野の中心に合致させる照野移動手段
とを有する手術用顕微鏡において、前記照明光学系は、
光源から発せられた照明光束を、第1照明光束と第2照
明光束との2つに分割する光束分割手段を有すると共
に、前記照野移動手段は前記光束分割手段よりも観察対
象から離れた側に配設すると共に、前記照明光学系は、
前記第1照明光束と第2照明光束の反射回数の差を奇数
回とする反射部材を備えてなることを特徴とする手術用
顕微鏡。 【0080】(付記項2) 前記第1照明光束と第2照
明光束を、前記対物レンズの光軸を挟んで略対象方向か
ら前記観察対象を照明すべく配置したことを特徴とする
付記項1に記載の手術用顕微鏡。 【0081】(付記項3) 前記第1照明光束と第2照
明光束とは前記観察対象上で交差するべく配置したこと
を特徴とする付記項1に記載の手術用顕微鏡。 【0082】(付記項4) 前記光束分割手段は、半反
射半透過部材からなることを特徴とする付記項1に記載
の手術用顕微鏡。 【0083】(付記項5) 前記光束分割手段は、照明
光束を異なる範囲で入射する別々の光学部材によって構
成されることを特徴とする付記項1に記載の手術用顕微
鏡。 【0084】(付記項6) 前記照野移動手段は、前記
焦点距離が可変である対物レンズの焦点距離の変更に連
動して照野を移動させることを特徴とする付記項1に記
載の手術用顕微鏡。 【0085】(付記項7) 観察対象からの光束が入射
される対物レンズと、前記対物レンズからの光束が入射
され、前記観察対象の観察倍率を変更する変倍レンズ系
と、前記変倍レンズ系からの光束に基づいて形成される
像を観察するための光学系と、前記観察対象に照明光を
照射する照明光学系と、前記照明光学系に含まれた照明
光束径を変更するズーム照明光学系を有した手術用顕微
鏡において、前記ズーム照明光学系による照明光束の径
の変化によって入射される位置に第1反射部材を配設す
るとともに、該第1反射部材から出射された照明光束を
入射し、観察対象へ向けて出射する第2反射部材を有し
たことを特徴とする手術用顕微鏡。 【0086】(付記項8) 前記第1反射部材と第2反
射部材を、前記対物レンズの光軸を挟んで略対象な位置
に配置したことを特徴とする付記項7に記載の手術用顕
微鏡。 【0087】(付記項9) 前記第1反射部材及び第2
反射部材に入射せず、直接観察対象に向かう照明光と、
第1反射部材及び第2反射部材を経て観察対象に向けら
れる照明光とが前記観察対象上で交わるようにしたこと
を特徴とする付記項7に記載の手術用顕微鏡。 【0088】(付記項10) 焦点距離が可変な観察光
学系を有する手術用顕微鏡装置において、光源からの照
明光束を異なる光軸方向に分割するとともに、分割され
た第1の照明光束を前記観察光学系の光軸に対して交差
する角度で照射可能に配置された光分割手段と、光分割
手段に入射される前記光源からの照明光束の光軸を移動
し、前記観察光学系の光軸と前記第1の照明光束の光軸
との交差位置を移動する入射光軸移動手段と、前記入射
光軸移動手段によって光軸を移動される前記光分割手段
からの第2の照明光束の光軸を前記交差位置に略一致可
能に偶数回反射する反射部材と、を具備したことを特徴
とする手術用顕微鏡装置。 【0089】(付記項11) 焦点距離が可変である対
物レンズを含む観察光学系と、該対物レンズによる観察
対象を照明する照明光学系とを有する手術用顕微鏡装置
において、前記照明光学系は、光源から発せられた照明
光を第1の照明光と第2の照明光の2つに分割し、かつ
分割された一方の第1の照明光を前記対物レンズの光軸
に対して交差する角度で照射させる光分割手段と、この
光分割手段で分割された他方の第2の照明光を前記第1
の照明光と前記対物レンズの光軸との交差部に向けて照
射させる第2の照明光照射手段と、前記光源と前記光分
割手段との間の照明光路に介設され、前記第1の照明光
と前記第2の照明光との交差位置を前記対物レンズの焦
点距離に応じた観察野の中心位置に合致させる照野移動
手段とを具備することを特徴とする手術用顕微鏡装置。 【0090】(付記項12) 前記第2の照明光照射手
段は、前記第2の照明光を偶数回反射させて前記交差部
に向けて反射させる照明光反射部を備えることを特徴と
する手術用顕微鏡装置。 【0091】(付記項1〜6、10の従来技術) 本発
明は、顕微鏡に内蔵された複数群からなる対物レンズの
レンズ間隔を変更することで焦点距離を変更することの
可能な手術用顕微鏡において、術部を異なる2つの方向
から照明すると共に、これらの2つの照明光束が、対物
レンズの焦点距離がいかなる場合であっても常に術部の
中心に向けて照射されることを可能にした手術用顕微鏡
に関する。 【0092】近年、手術の低侵襲化に伴い、微細な処置
を可能にする手術用顕微鏡を用いた手術が多く行なわれ
ている。 【0093】この手術用顕微鏡における照明系には、術
部が表面ばかりではなく表面から深く掘り下げた深部で
あっても十分に照明光が到達できるように様々な工夫が
こらしめてある。 【0094】術部を照明するための照明光を、術部に十
分に到達させるための方法としては、例えば次の様な方
法が既に提案されている。 【0095】例えば、特開昭63−27810号公報に
は、観察光学系の真下に半透過半反射部材を配置し、照
明光束を前記観察光学系の光軸と直交する方向から前記
該半透過半反射部材に向けて入射させ、両光軸を一致さ
せることによって、観察光軸と完全に一致した方向から
術部を照明するようにした手術用顕微鏡が開示されてい
る。 【0096】また、特公平6−441a01号公報や、
特許第2891923号には、観察者の左右の眼に対応
する左右一対の光束の中間位置に照明光束を術部に導く
照明光学系を配置し、前記左右光束の間から術部を照明
することのできる手術用顕微鏡が開示されている。 【0097】また特開平10−73769号公報には、
術部が深い穴を形成する場合にその穴の入り口にて照明
光が遮断されてしまうことに備え、別の方向からも照明
光を照射するために、2つの照明系を有することが開示
されている。 【0098】ところで手術用顕微鏡の高機能化の一つと
して、手術の進行に伴って徐々に深部に向かってアプロ
ーチをしていく場合等に焦点距離が固定の対物レンズで
は顕微鏡自体を移動させなければならなく面倒であるた
めに、焦点距離が可変式の対物レンズを内蔵した手術用
顕微鏡が最近の主流になりつつある。 【0099】これを開示したものには、既に紹介した出
願と同じ特許第2891923号や特開平10−737
69号公報がある。特許第2891923号では、照明
光軸は観察光軸と一致しているため、いかなる焦点距離
であっても照明光の中心は観察部と一致している。 【0100】特開平10−73769号公報では、観察
光軸に対して照明光軸は角度を持っているために、対物
レンズの焦点距離が変ると照明の中心が観察の中心と一
致しなくなる。これを補正するために、対物レンズの焦
点距離の変更に対応して2系統の照明系それぞれの照射
角度が連動して傾くようになっている。 【0101】(付記項1〜6、10が解決しようとする
課題) ところで、特開昭63−27810号公報の問
題点は、観察光学系の光軸上に半透過半反射部材を配置
しているために、光源を発した照明光はその半分しか観
察対象に導かれず、さらに観察対象で反射して観察光学
系に向かう照明光束も、該半透過半反射部材を通過した
後に前記観察光学系に入射することになるので、観察者
の観察する明るさは照明光量のおよそ4分の1となって
いる。 【0102】したがって、術者は暗い観察像のもとで手
術を行なうか、又は観察に必要な光量に対して非常に明
るい光量を発することの可能な高価な光源を使用しなけ
ればならない。 【0103】また、特公平6−441a01号公報や、
特許第2891923号公報の問題点は、観察者の左右
の眼に対応する光学系を、照明光学系を避けて配置しな
くてはならないために、これら左右の観察光束の間隔が
離れてしまうことである。従って、照明光束が深い穴の
底に到達したとしても、観察光束がこの穴の入口で遮ら
れてしまってやはり穴の底を観察することはできない。
そればかりか、顕微鏡自体の大型化さえ招いている。 【0104】また、特開平10−73769号公報の問
題点は、観察光軸と照明光軸との角度差による、焦点距
離変更に伴う照明中心の補正を2系統の照明系がそれぞ
れ個別の連動機構を介して行なわなければならないこと
である。従って装置は大型化し、且つ高価なものになっ
てしまう。 【0105】(付記項1〜6、10の目的) 本発明は
前記事情に着眼してなされたものであり、その目的とす
るところは、顕微鏡の大型化などを招くこと無く、照明
光を術部に十分に照射することの可能な手術用顕微鏡を
安価に提供することである。 【0106】(付記項1〜6、10の課題を解決するた
めの手段および作用) この発明は、前記目的を達成す
るために、焦点距離が可変である対物レンズを含む観察
光学系と、該対物レンズを介さずに観察対象を照明する
照明光学系と、照明光の中心を前記対物レンズの焦点距
離に応じた観察野の中心に合致させる照野移動手段とを
有する手術用顕微鏡において、前記照明光学系は、光源
から発せられた照明光束を、第1照明光束と第2照明光
束との2つに分割する光束分割手段を有すると共に、前
記照野移動手段は前記光束分割手段よりも観察対象から
離れた側に配設すると共に、前記第1照明光束と第2照
明光束を、前記対物レンズの光軸を挟んで略対象方向か
ら前記観察対象を照明すべく配置すると共に、前記第1
照明光束と第2照明光束の反射回数の差を奇数回とする
反射部材を備えてなることを特徴とする。 【0107】前記構成によれば、この発明の手術用顕微
鏡は、照野移動手段による照野の移動方向が、第1照明
光束と第2照明光束とで相対する方向に移動するための
2つの照明光は、1つの照野移動手段によって、対物レ
ンズのいかなる焦点距離であっても、観察中心と一致し
た照野中心を得ることができる。 【0108】(付記項1〜6、10の効果) 以上説明
したように、この発明によれば、高倍状態において観察
することの多い、深く細い穴の中でも十分に照明光を術
部に到達させることができるとともに、低倍状態におい
て観察することの多い比較的表面では明るい照明光を観
察対象に導くことが出来るので、観察者は常に理想的な
照明状態で手術を行うことができる。 【0109】従って従来に比べて格段に手術効率を向上
させることができる。 【0110】(付記項7〜9の従来技術) ところで、
術部を2つの方向から照明しようとした場合、光源から
出射された光束の中に、該光束径よりも小さな大きさの
第1の反射部材を配置し、この第1の反射部材に前記光
束のうちの一部を取り込んで反射させ、これを再び術部
に向けて第2の反射部材によって反射させることによ
り、取り込まれなかった光束とは別の方向から照明を行
なうことが知られている。 【0111】(付記項7〜9が解決しようとする課題)
しかしこのタイプの照明系の課題は、ズームを備えた
照明系においておこる。一般的な手術用顕微鏡の照明光
学系においては、前述した第1の反射部材の近傍に照明
系の瞳が設けられるが、低倍観察時の照明(広い照野)
ではこの瞳が小さくなるために、全照明光量に対して
の、第2の反射部材に取り込まれる照明光量の割合が多
くなる。これに対して高倍観察時の照明では、前記瞳が
大きくなるため、全照明光量に対しての、第2の反射部
材に取り込まれる照明光量の割合が小さくなる。要する
に、2つの照明光束の割合が倍率によって異なることに
なる。 【0112】この第2の反射部材から出射される照明光
束(第1照明光束)と第1の反射部材に取り込まれなか
った照明光束(第2照明光束)の2つの照明光は光路長
が異なり、第2の照明系の光路長の方が長くなるため、
第2照明光束による照野は第1の照明光束による照野に
比べて照野が広く明るさが暗くなる。従って、低倍にな
ればなるほど暗くなるといったことが起こり得る。これ
を避けるために、第2照明系に、第1照明系と光学系を
等価にするためのリレー光学系を追加することが考えら
れるが、これは大型化や高価になることに他ならない。 【0113】(付記項7〜9の目的) 付記項7〜9の
目的は、上述した問題を解決することであり、術部が穴
の中に有るような倍率の高い状態で手術を行う時には十
分に照明光を術部に導くことができ、表面を作業するよ
うな倍率の低い状態で手術を行う時には術部に十分に明
るい照明光を提供することのできる手術用顕微鏡を提供
することである。 【0114】 【発明の効果】本発明によれば、装置全体の大型化など
を招くこと無く、照明光を術部に十分に照射することが
可能な手術用顕微鏡装置を安価に提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の第1の実施の形態の手術用顕微鏡装
置における観察光学系の概略構成図。 【図2】 本発明の第2の実施の形態の手術用顕微鏡装
置における観察光学系の概略構成図。 【図3】 本発明の第3の実施の形態の手術用顕微鏡装
置における観察光学系の概略構成図。 【図4】 本発明の第4の実施の形態の手術用顕微鏡装
置における観察光学系の概略構成図。 【符号の説明】 1 対物レンズ 4 照明光学系 10 照明光源 14 半反射半透過部材(光分割手段) 19 照野移動手段

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 焦点距離が可変な観察光学系を有する手
    術用顕微鏡装置において、 光源からの照明光を反射することで光軸方向が異なる第
    1の照明光束と第2の照明光束とに分割するとともに、
    前記第1の照明光束を前記観察光学系の光軸に対して交
    差する角度で照射可能な光分割手段と、 前記光分割手段に入射される前記照明光の光軸を移動
    し、前記観察光学系の光軸と前記第1の照明光束の光軸
    との交差位置を移動するともに光分割手段からの前記第
    2の照明光束の光軸が移動する入射光軸移動手段と、 前記入射光軸移動手段によって移動された前記交差位置
    に照射可能に、前記第2の照明光束を偶数回反射する反
    射部材と、 を具備したことを特徴とする手術用顕微鏡装置。
JP2002122970A 2002-04-24 2002-04-24 手術用顕微鏡装置 Pending JP2003310637A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002122970A JP2003310637A (ja) 2002-04-24 2002-04-24 手術用顕微鏡装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002122970A JP2003310637A (ja) 2002-04-24 2002-04-24 手術用顕微鏡装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003310637A true JP2003310637A (ja) 2003-11-05

Family

ID=29538434

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002122970A Pending JP2003310637A (ja) 2002-04-24 2002-04-24 手術用顕微鏡装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003310637A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009110004A (ja) * 2007-10-29 2009-05-21 Leica Microsystems (Schweiz) Ag 光学顕微鏡用の照明装置及び該照明装置を有する光学顕微鏡
JP2009205162A (ja) * 2008-02-28 2009-09-10 Leica Microsystems (Schweiz) Ag 顕微鏡用の照明装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009110004A (ja) * 2007-10-29 2009-05-21 Leica Microsystems (Schweiz) Ag 光学顕微鏡用の照明装置及び該照明装置を有する光学顕微鏡
JP2009205162A (ja) * 2008-02-28 2009-09-10 Leica Microsystems (Schweiz) Ag 顕微鏡用の照明装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7283298B2 (en) Stereoscopic microscope
JP5372527B2 (ja) 眼科用レーザ治療装置
US4871245A (en) Surgical microscope
JP5259570B2 (ja) 照明装置ならびに観察装置
JP4762593B2 (ja) 外部レーザ導入装置
JP3597896B2 (ja) 手術顕微鏡用の切替可能な照明装置
JP5043604B2 (ja) 実体顕微鏡
JP2002505132A (ja) 眼底を治療するためのシステム
US7170676B2 (en) Illumination switching apparatus and method
JP3534733B2 (ja) 固定高倍率切換型顕微鏡
WO2013074033A1 (en) Mode-switchable illumination system for a microscope
JP2744615B2 (ja) 双眼顕微鏡
JPH08257037A (ja) 手術用顕微鏡
US8523359B2 (en) Illumination device and observation device
JP4165099B2 (ja) 顕微鏡、および、照明切替装置
JP2003310637A (ja) 手術用顕微鏡装置
JP3552737B2 (ja) 手術用顕微鏡
JP4563699B2 (ja) 照明切換装置
US8353596B2 (en) Illumination device as well as observation device
JP2006220953A (ja) レーザ光照射装置およびレーザ光照射装置付顕微鏡装置
JP3730934B2 (ja) 手術用顕微鏡
JP3537433B1 (ja) 固定高倍率切換型顕微鏡
US20030201378A1 (en) Operating microscope
JP2512876B2 (ja) 実体顕微鏡の照明光学装置
JP2018036337A (ja) 顕微鏡システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050307

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071023

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071225

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080226