JPH11128830A - 耐食性に優れた表面処理鋼板 - Google Patents

耐食性に優れた表面処理鋼板

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JPH11128830A
JPH11128830A JP9314281A JP31428197A JPH11128830A JP H11128830 A JPH11128830 A JP H11128830A JP 9314281 A JP9314281 A JP 9314281A JP 31428197 A JP31428197 A JP 31428197A JP H11128830 A JPH11128830 A JP H11128830A
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JP
Japan
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steel sheet
chelating agent
phosphate group
corrosion resistance
weight
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JP9314281A
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English (en)
Inventor
Naoto Yoshimi
直人 吉見
Kenichi Sasaki
健一 佐々木
Yoshiharu Sugimoto
芳春 杉本
Masaru Sagiyama
勝 鷺山
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膜中に6価クロムを含むことなく優れた耐
食性が得られる表面処理鋼板を提供する。 【解決手段】 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系
めっき鋼板の表面に、有機高分子マトリックスにキレー
ト形成基を有する高分子キレート化剤であって、リン酸
基、リン酸塩基の中から選ばれる1種または2種以上、
好ましくはアミノアルキレンリン酸基、アミノアルキレ
ンリン酸塩基、イミノアルキレンリン酸基、イミノアル
キレンリン酸塩基の中から選ばれる1種または2種以上
が含まれるキレート形成基を有する高分子キレート化剤
を主成分とする高分子キレート化剤皮膜を形成したこと
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、家電、建
材用途に最適な表面処理鋼板に関し、製品を取扱う作業
者やユーザーへの影響、製造時の排水処理対策、さらに
は使用環境下における製品からの有害物質の揮発・溶出
などの環境問題に適応するために、塗料組成物や皮膜中
に環境・人体に有害なクロム、鉛、カドミウム、水銀等
の重金属を全く含まない環境適応型表面処理鋼板に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】家電製品用鋼板、建材用鋼板、自動車用
鋼板には、従来から亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウ
ム系めっき鋼板の表面に、耐食性(耐白錆性、耐赤錆
性)を向上させる目的で、クロム酸、重クロム酸または
その塩類を主要成分とした処理液によるクロメート処理
が施された鋼板が幅広く用いられている。このクロメー
ト処理は耐食性に優れ、且つ比較的簡単に行うことがで
きる経済的な処理方法である。
【0003】しかし、クロメート処理は公害規制物質で
ある6価クロムを使用するものであるため、処理工程に
おいてクロム酸塩が人体に悪影響を与えること、排水処
理後のクロムスラッジの廃棄処理が困難であること、ま
たクロメート処理後の製品から6価クロムが溶出するお
それがあること等、種々の問題を有している。このた
め、クロム酸類の使用管理基準が厳しくなるにしたが
い、クロメート処理工場の管理、排水処理、クロメート
処理物による二次汚染等が問題とされ、これに対応して
各工場では排水関係をクローズド化し、クロムイオンが
外部に排出されるのを極力防止する対策を講じている。
また、ユーザーにおいてクロメート処理鋼板に付着した
防錆油やプレス油を脱脂する工程で、アルカリ系の脱脂
液を用いる際には、脱脂液中へのクロムの溶出がかなり
多くなるため、脱脂液の脱クロム処理が必要となる。
【0004】このようなことから、亜鉛系めっき鋼板の
白錆の発生を防止するために、クロメート処理によらな
い無公害な処理技術が数多く提案されている。例えば、
無機化合物、有機化合物、有機高分子材料或いはこれら
を組み合わせた溶液を用い、浸漬、塗布、電解処理等の
方法により薄膜を生成させる方法がある。具体的には、
以下のような方法が知られている。 (1)モリブデン、タングステン等の金属の酸化物を用
いる方法(例えば、特開昭57−5875号公報) (2)タンニン酸を用いる方法(例えば、特開昭51−
71233号公報) (3)3価クロムのみで構成し、6価クロムを含まない
無公害のクロメート処理方法(例えば、特開昭61−5
87号公報)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記(1)の
方法では、モリブデン、タングステン等の金属酸化物の
腐食に対する安定領域はクロムのそれよりも狭いため、
クロメート処理と同程度の耐食性を得ることは不可能で
ある。また、上記(2)の方法では、耐食性が不十分
で、しかも外観に着色ムラのある皮膜しか得られない。
さらに、上記(3)の方法では、可溶性クロムを使用し
ていることからして、クロムフリーのニーズには根本的
には応えられない。したがって本発明の目的は、このよ
うな従来技術の課題を解決し、皮膜中に6価クロムを含
むことなく優れた耐食性が得られる表面処理鋼板を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明者らが鋭意検討を行った結果、亜鉛系めっき鋼
板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に、特定のキ
レート形成基を有する高分子キレート化剤を主成分とす
る皮膜(高分子キレート化剤皮膜)を形成することによ
り、環境や人体に悪影響を及ぼすおそれのあるクロメー
ト処理を行うことなく、無公害で且つ耐食性に優れた表
面処理鋼板が得られることを見い出した。本発明はこの
ような知見に基づきなされたもので、その特徴は以下の
通りである。
【0007】(1) 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム
系めっき鋼板の表面に、有機高分子マトリックスにキレ
ート形成基を有する高分子キレート化剤であって、リン
酸基、リン酸塩基の中から選ばれる1種または2種以上
が含まれるキレート形成基を有する高分子キレート化剤
を主成分とする高分子キレート化剤皮膜を形成したこと
を特徴とする耐食性に優れた表面処理鋼板。 (2) 上記(1)の表面処理鋼板において、高分子キレート
化剤が有するキレート形成基が、アミノアルキレンリン
酸基、アミノアルキレンリン酸塩基、イミノアルキレン
リン酸基、イミノアルキレンリン酸塩基の中から選ばれ
る1種または2種以上であることを特徴とする耐食性に
優れた表面処理鋼板。
【0008】(3) 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム
系めっき鋼板の表面に、下記(A)を主成分とし、さら
に下記(B)の成分を含む高分子キレート化剤皮膜を形
成したことを特徴とする耐食性に優れた表面処理鋼板。 (A) 有機高分子マトリックスに、アミノアルキレン
リン酸基、アミノアルキレンリン酸塩基、イミノアルキ
レンリン酸基、イミノアルキレンリン酸塩基の中から選
ばれる1種または2種以上のキレート形成基を有する高
分子キレート化剤 (B) 高分子キレート化剤100重量部に対して、シ
リカ、ポリリン酸塩、リン酸塩、モリブデン酸塩、リン
モリブデン酸塩、フィチン酸、フィチン酸塩、ホスホン
酸、ホスホン酸塩の中から選ばれる1種または2種以上
の防錆添加剤を1〜100重量部
【0009】(4) 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム
系めっき鋼板の表面に、下記(A)を主成分とし、さら
に下記(C)の成分を含む高分子キレート化剤皮膜を形
成したことを特徴とする耐食性に優れた表面処理鋼板。 (A) 有機高分子マトリックスに、アミノアルキレン
リン酸基、アミノアルキレンリン酸塩基、イミノアルキ
レンリン酸基、イミノアルキレンリン酸塩基の中から選
ばれる1種または2種以上のキレート形成基を有する高
分子キレート化剤 (C) 高分子キレート化剤100重量部に対して、ポ
リオレフィンワックス等の炭化水素系化合物、フッ素樹
脂系化合物、脂肪酸アミド系化合物、金属硫化物、金属
石けん、グラファイト、フッ化黒鉛、窒化ホウ素、ポリ
アルキレングリコール、アルカリ金属硫酸塩の中から選
ばれる1種または2種以上の固形潤滑剤を1〜80重量
【0010】(5) 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム
系めっき鋼板の表面に、下記(A)を主成分とし、さら
に下記(B)および(C)の成分を含む高分子キレート
化剤皮膜を形成したことを特徴とする耐食性に優れた表
面処理鋼板。 (A) 有機高分子マトリックスに、アミノアルキレン
リン酸基、アミノアルキレンリン酸塩基、イミノアルキ
レンリン酸基、イミノアルキレンリン酸塩基の中から選
ばれる1種または2種以上のキレート形成基を有する高
分子キレート化剤 (B) 高分子キレート化剤100重量部に対して、シ
リカ、ポリリン酸塩、リン酸塩、モリブデン酸塩、リン
モリブデン酸塩、フィチン酸、フィチン酸塩、ホスホン
酸、ホスホン酸塩の中から選ばれる1種または2種以上
の防錆添加剤を1〜100重量部 (C) 高分子キレート化剤100重量部に対して、ポ
リオレフィンワックス等の炭化水素系化合物、フッ素樹
脂系化合物、脂肪酸アミド系化合物、金属硫化物、金属
石けん、グラファイト、フッ化黒鉛、窒化ホウ素、ポリ
アルキレングリコール、アルカリ金属硫酸塩の中から選
ばれる1種または2種以上の固形潤滑剤を1〜80重量
【0011】(6) 上記(1)〜(5)のいずれかの表面処理鋼
板において、高分子キレート化剤の有機高分子マトリッ
クスの数平均分子量が300以上であることを特徴とす
る耐食性に優れた表面処理鋼板。 (7) 上記(1)〜(5)のいずれかの表面処理鋼板において、
高分子キレート化剤の有機高分子マトリックスの数平均
分子量が1000以上であることを特徴とする耐食性に
優れた表面処理鋼板。
【0012】(8) 上記(1)〜(7)のいずれかの表面処理鋼
板において、高分子キレート化剤の有機高分子マトリッ
クスが、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリエ
チレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリアミノ化
合物、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、スチレン−ジビニルベンゼン樹
脂、アクリル樹脂、デンプンの中から選ばれる1種また
は2種以上からなることを特徴とする耐食性に優れた表
面処理鋼板。 (9) 上記(1)〜(8)のいずれかの表面処理鋼板において、
高分子キレート化剤皮膜の乾燥膜厚が0.01〜5μm
であることを特徴とする耐食性に優れた表面処理鋼板。
【0013】このような本発明の表面処理鋼板におい
て、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板
の表面に形成された、特定のキレート形成基を有する高
分子キレート化剤皮膜は、特定のキレート形成基がめっ
き皮膜の表面に吸着もしくは反応することにより緻密な
保護皮膜層を形成するとともに、皮膜形成時にめっき皮
膜から溶出した金属イオンをキレート形成基が捕捉して
錯体構造を形成し、緻密なバリヤー層を形成することに
より防錆効果を発揮し、さらに腐食環境中においても、
腐食によってめっき皮膜から溶出した金属イオンを皮膜
中のフリーのキレート形成基が捕捉し、安定な金属錯体
構造を形成することによって腐食の促進を抑制する効果
を発揮し、これらの作用により優れた耐食性が得られ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細とその限定理
由を説明する。本発明の表面処理鋼板のベースとなる亜
鉛系めっき鋼板としては、亜鉛めっき鋼板、Zn−Ni
合金めっき鋼板、Zn−Fe合金めっき鋼板(電気めっ
き鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板)、Zn−Cr
合金めっき鋼板、Zn−Mn合金めっき鋼板、Zn−C
o合金めっき鋼板、Zn−Co−Cr合金めっき鋼板、
Zn−Cr−Ni合金めっき鋼板、Zn−Cr−Fe合
金めっき鋼板、Zn−Al合金めっき鋼板(例えば、Z
n−5%Al合金めっき鋼板、Zn−55%Al合金め
っき鋼板)、さらにはこれらのめっき鋼板のめっき皮膜
中に金属酸化物、ポリマーなどを分散した亜鉛系複合め
っき鋼板(例えば、Zn−SiO2分散めっき鋼板)等
を用いることができる。
【0015】また、上記のようなめっきのうち、同種ま
たは異種のものを2層以上めっきした複層めっき鋼板を
用いることもできる。また、本発明の表面処理鋼板のベ
ースとなるアルミニウム系めっき鋼板としては、アルミ
ニウムめっき鋼板、Al−Si合金めっき鋼板等を用い
ることができる。また、鋼板面に予めNi等の薄目付め
っきを施し、その上に上記のような各種めっきを施して
もよい。めっき方法としては、電解法(水溶液中での電
解または非水溶媒中での電解)、溶融法および気相法の
うち、実施可能ないずれの方法を採用することもでき
る。
【0016】次に、上記亜鉛系めっき鋼板またはアルミ
ニウム系めっき鋼板の表面に形成される特定のキレート
形成基を有する高分子キレート化剤皮膜について説明す
る。キレート形成基は、めっき皮膜表面に化学吸着また
は反応することにより緻密な保護皮膜層を形成し、さら
に皮膜形成時にめっき皮膜から溶出した金属イオンと反
応して、不溶性の緻密なキレート錯体をめっき表面に形
成する機能を有するものである。
【0017】金属表面をこのような腐食抑制剤(インヒ
ビター)を用いて化学吸着法により防食する手法は古く
から知られており、主に鉄の防食方法として、冷却水
系、ボイラー系、給水・給湯系等のような水と金属とが
常時接触する環境下で、水中にアミン系、リン酸系吸着
剤を添加する方法が実用化されている。
【0018】本発明は、これら水回り配管系の防食とは
もちろん目的・用途が異なり、建材、家電、自動車等の
用途の鋼板の防錆を目的としている。ところが、従来で
はこのような防錆鋼板の表面処理皮膜として、キレート
形成基を有する化合物を主体とする皮膜が実用化された
例はほとんどない。これは、(1)金属の種類により吸
着能が異なり、亜鉛系めっき鋼板、アルミニウム系めっ
き鋼板と安定で緻密な吸着皮膜を得ることが困難なこ
と、(2)上記キレート化剤は一般に低分子量(通常、
分子量300未満)であるため、塗料用高分子樹脂のよ
うな連続皮膜を形成することが困難であること、等の理
由により十分な防食機能が得られなかったためである。
【0019】上記の課題を克服するために本発明者らが
鋭意研究を重ねた結果、有機高分子マトリクスに特定の
キレート形成基を付与した高分子キレート化剤を主成分
とする皮膜が、亜鉛系めっき鋼板やアルミニウム系めっ
き鋼板の表面処理皮膜として優れた防食機能を有するこ
とを見い出したものである。このような高分子キレート
化剤皮膜による防食機構は必ずしも明確でないが、
(1)特定のキレート形成基により亜鉛系めっき鋼板や
アルミニウム系めっき鋼板の表面に安定で強固な吸着・
反応皮膜(特定のキレート形成基がめっき皮膜の表面に
吸着若しくは反応することで形成される皮膜)を形成す
ること、(2)従来用いられていたような低分子量のキ
レート化剤ではなく、有機高分子を主体とする高分子キ
レート化剤とすることにより、塗料用樹脂のような有機
皮膜としての機能を付与したこと、(3)上記(1)お
よび(2)の作用に加えて、特定の種類のキレート形成
基を有する高分子キレート化剤が、皮膜形成時にめっき
皮膜から溶出した金属イオンを捕捉して三次元の高分子
錯体構造を有する皮膜を形成し、緻密で安定な三次元イ
オン架橋構造皮膜を形成できること、(4)さらに、形
成した皮膜を有する鋼板を腐食環境下に曝したときに、
アノード溶解によって溶出した金属イオンをキレート形
成基が捕捉し、安定化させることにより腐食の進行を抑
制すること、等により優れた防食効果が得られるものと
考えられる。
【0020】本発明において、有機高分子マトリクスに
付与するキレート形成基は、リン酸基、リン酸塩基の中
から選ばれる1種または2種以上を含むキレート形成基
であり、このようなリン酸系キレート形成基を有する高
分子キレート化剤を用いることにより皮膜に優れた耐食
性を付与できる。また、リン酸系キレート形成基の中で
も、アミノアルキレンリン酸基、アミノアルキレンリン
酸塩基、イミノアルキレンリン酸基、イミノアルキレン
リン酸塩基が好適であり、これらの中から選ばれる1種
または2種以上のキレート形成基を有する高分子キレー
ト化剤を用いることが好ましい。これらのリン酸系キレ
ート形成基は亜鉛系めっき鋼板やアルミニウム系めっき
鋼板のめっき皮膜との間で強固で安定な吸着・反応層を
形成する。
【0021】このようなリン酸系キレート形成基、特に
上記のような特定のリン酸系キレート形成基を有する高
分子キレート化剤により、皮膜に優れた耐食性が付与さ
れる理由は必ずしも明らかではないが、以下のように推
定される。すなわち、リン酸系キレート形成基は、上記
(1)〜(4)の防食機構において皮膜形成時の金属イ
オン(亜鉛やアルミニウム)との反応性もしくは吸着力
に優れていることが考えられる。さらに、上記のような
特定のリン酸系キレート形成基は、一つのキレート形成
基が二座配位子、すなわち窒素原子とリン酸基という二
種類の配位子を有しており、金属イオンの捕捉能力がリ
ン酸単独の場合よりも高いために、緻密なイオン架橋
の形成若しくはアノード溶解の抑制に寄与し、或いは
めっき皮膜との結合密度がより密になることが考えられ
る。
【0022】本発明において、上記のキレート形成基を
有する高分子化合物のマトリックスとなる有機ポリマー
の構造や合成方法に制限はなく、いずれ構造ないし合成
方法のものでもよい。例えば、有機高分子マトリックス
としては、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリ
エチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリアミノ
化合物、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、スチレン−ジビニルベンゼン樹
脂、アクリル樹脂、デンプン等が挙げられ、これらの中
から選ばれる1種または2種以上を用いることができ
る。
【0023】有機高分子マトリックスの数平均分子量に
も特別な制約はないが、好ましくは300以上、より好
ましくは約1000以上、さらに好ましくは10000
以上、特に好ましくは50000以上1000000以
下とする。分子量が300未満では耐食性向上効果が小
さく、一方、1000000を超えるような分子量では
塗料組成物がゲル化する等の問題が生じるため好ましく
ない。
【0024】高分子キレート化剤皮膜には、防食効果を
さらに高める目的で、必要に応じて、シリカ、ポリリン
酸塩、リン酸塩、モリブデン酸塩、リンモリブデン酸
塩、フィチン酸、フィチン酸塩、ホスホン酸、ホスホン
酸塩等の中から選ばれる1種または2種以上の防錆添加
剤を配合することができる。
【0025】シリカとしては、コロイダルシリカ、ヒュ
ームドシリカのいずれを用いてもよい。コロイダルシリ
カとしては、例えば、スノーテックス O、スノーテッ
クスN、スノーテックス 20、スノーテックス 30、
スノーテックス 40、スノーテックス C、スノーテッ
クス S(以上、日産化学(株)製)等を用いることが
できる。また、ヒュームドリシカとしては、例えば、A
EROSIL R971、AEROSIL R812、A
EROSIL R811、AEROSIL R974、A
EROSIL R202、AEROSIL R805、A
EROSIL130、AEROSIL 200、AER
OSIL 300、AEROSIL 300CF(以上、
日本アエロジル(株)製)等を用いることができる。
【0026】皮膜中に添加されたシリカは、腐食環境下
で緻密で安定な金属の腐食生成物の生成に寄与し、この
腐食生成物がめっき表面に緻密に形成されることによっ
て、腐食の促進を抑制するものと考えられる。また、シ
リカ以外の防錆添加剤として、公知のポリリン酸塩(例
えば、ポリリン酸アルミ:テイカK−WHITE80、
テイカK−WHITE 84、テイカK−WHITE 1
05、テイカK−WHITE G105、テイカK−W
HITE 90(以上、テイカ(株)製))、リン酸塩
(例えば、リン酸亜鉛、リン酸二水素アルミニウム、亜
リン酸亜鉛等)、モリブテン酸塩、リンモリブデン酸塩
(例えば、リンモリブデン酸アルミニウム)、フィチン
酸、フィチン酸塩、ホスホン酸、ホスホン酸塩等を用い
ることもできる。
【0027】防錆添加剤の配合量は、固形分の割合で高
分子キレート化剤100重量部に対して1〜100重量
部とする。配合量が1重量部未満では、耐食性向上効果
が少ない。一方、配合量が100重量部を超えると、塗
装性や加工性が低下するので好ましくない。防錆添加剤
のより好ましい配合量は5〜80重量部である。
【0028】さらに、高分子キレート化剤皮膜には、皮
膜の加工性を向上させる目的で固形潤滑剤を配合するこ
とができる。この固形潤滑剤としては、以下のようなも
のが挙げられる。 (1)ポリオレフィンワックス等の炭化水素系化合物:
例えば、ポリエチレンワックス、合成パラフィン、天然
パラフィン、マイクロワックス、塩素化炭化水素等 (2)フッ素樹脂系化合物:例えば、ポリフルオロエチ
レン樹脂(ポリ4フッ化エチレン樹脂等)、ポリフッ化
ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂等 (3)脂肪酸アミド系化合物:例えば、ステアリン酸ア
ミド、パルミチン酸アミド、メチレンビスステアロアミ
ド、エチレンビスステアロアミド、オレイン酸アミド、
エシル酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド等
【0029】(4)金属石けん類:例えば、ステアリン
酸カルシウム、ステアリン酸鉛、ラウリン酸カルシウ
ム、パルミチン酸カルシウム等 (5)金属硫化物:例えば、二硫化モリブデン、二硫化
タングステン (6)その他:例えば、グラファイト、フッ化黒鉛、窒
化ホウ素、ポリアルキレングリコール、アルカリ金属硫
酸塩等
【0030】以上の固形潤滑剤の中でも、特にポリエチ
レンワックス、フッ素樹脂系化合物(なかでも、ポリ4
フッ化エチレン樹脂微粒子)が好適である。ポリエチレ
ンワックスとしては、ヘキスト社製のセリダスト 96
15A、セリダスト 3715、セリダスト 3620、
セリダスト 3910、三洋化成(株)製のサンワック
ス 131−P、サンワックス 161−P、三井石油化
学(株)製のケミパールW−100、ケミパール W−
200、ケミパール W−500、ケミパール W−80
0、ケミパール W−950等を用いることができる。
【0031】フッ素樹脂系化合物としては、テトラフル
オロエチレン微粒子が好適であり、ダイキン工業(株)
製のルブロン L−2、ルブロン L−5、三井・デュポ
ン社製のMP1100、MP1200、旭アイシーアイ
フロロポリマーズ(株)製のフルオンディスパージョン
AD1、フルオンディスパージョン AD2、フルオン
L140J、フルオン L150J、フルオン L15
5J等を用いることができる。
【0032】また、これらの固形潤滑剤なかで、ポリオ
レフィンワックスとテトラフルオロエチレンを併用して
添加することにより、特に優れた潤滑効果が期待でき
る。固形潤滑剤の配合量は、固形分の割合で高分子キレ
ート化剤100重量部に対して1〜80重量部とする。
固形潤滑剤の配合量が1重量部未満では潤滑効果が乏し
く、一方、80重量部を超えると塗装性が低下する。固
形潤滑剤の好ましい配合量は3〜40重量部である。
【0033】さらに、高分子キレート化剤皮膜には他の
添加剤として、着色染料(例えば、有機溶剤可溶性アゾ
系金属錯塩系染料、水溶性アゾ系金属錯塩染料等)、有
機着色顔料(例えば、縮合多環系有機顔料、フタロシア
ニン系有機顔料等)、無機顔料(例えば、酸化チタン
等)、キレート剤(例えば、チオール等)、導電性顔料
(例えば、亜鉛、アルミニウム、ニッケル等の金属粉
末、リン化鉄、アンチモンドープ型酸化錫等)、カップ
リング剤(例えば、シランカップリング剤、チタンカッ
プリング剤等)等を添加することができる。
【0034】以上述べたような高分子キレート化剤皮膜
は、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板
の表面に、クロメート処理皮膜を介することなく形成さ
れる。高分子キレート化剤皮膜の乾燥膜厚は任意である
が、好ましくは0.01〜5μmとする。膜厚が0.0
1μm未満では耐食性が不十分であり、一方、溶接性が
要求される用途では膜厚が5μmを超えると溶接性が低
下する。より好ましい膜厚は0.05〜3μm、さらに
好ましくは0.1〜2μmである。
【0035】本発明の表面処理鋼板は、上述した高分子
キレート化剤を主成分とする塗料組成物を亜鉛系めっき
鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に塗布し、
乾燥させることにより製造される。めっき鋼板の表面
は、上記塗料組成物を塗布する前に必要に応じてアルカ
リ脱脂処理し、さらに密着性、耐食性を向上させるため
に表面調整処理等の前処理を施すことができる。
【0036】高分子キレート化剤を主成分とする塗料組
成物を亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼
板の表面に塗布する方法としては、塗布法、浸漬法、ス
プレー法等の任意の方法を採用できる。塗布法として
は、ロールコーター(3ロール方式、2ロール方式
等)、スクイズコーター、ダイコーター等のいずれの方
法を用いてもよい。また、スクイズコーター等による塗
布処理、浸漬処理またはスプレー処理の後に、エアナイ
フ法やロール絞り法により塗布量の調整、外観の均一
化、膜厚の均一化を行うことも可能である。
【0037】塗料組成物の塗布後、通常は水洗すること
なく、加熱乾燥を行う。但し、塗料組成物の塗布後に水
洗工程を実施しても構わない。加熱乾燥処理には、ドラ
イヤー、熱風炉、高周波誘導加熱炉、赤外線炉等を用い
ることができる。加熱処理は、到達板温で50〜300
℃、好ましくは80℃〜250℃の範囲で行うことが望
ましい。加熱温度が50℃未満では皮膜中の水分が多量
に残り、耐食性が不十分となる。また、加熱温度が30
0℃を超えると非経済的であるばかりでなく、皮膜に欠
陥が生じて耐食性が低下するおそれがある。
【0038】本発明は、以上述べたような高分子キレー
ト化剤皮膜を両面または片面に有する鋼板を含むもので
ある。したがって、本発明鋼板の形態としては、例え
ば、以下のようなものがある。 (1)片面:めっき皮膜−高分子キレート化剤皮膜、片
面:めっき皮膜 (2)片面:めっき皮膜−高分子キレート化剤皮膜、片
面:公知のリン酸塩処理皮膜等 (3)両面:めっき皮膜−高分子キレート化剤皮膜
【0039】
【実施例】家電、建材、自動車部品用の表面処理鋼板と
して、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼
板の表面をアルカリ脱脂処理後、水洗乾燥し、次いで、
塗料組成物をロールコーターにより塗布し、加熱乾燥し
た。得られた表面処理鋼板について、皮膜外観の評価と
耐食性(耐白錆性)、塗料密着性および加工性の各評価
試験を行った。その結果を、使用しためっき鋼板の種
類、高分子キレート化剤皮膜の組成、膜厚、乾燥温度と
ともに表6〜表21に示す。
【0040】本実施例における表面処理鋼板の製造条件
を以下に示す。 (1) めっき鋼板 板厚0.8mm、表面粗さ(Ra)1.0μmの冷延鋼
板に各種亜鉛系めっきまたはアルミニウム系めっきを施
し、下地めっき鋼板として用いた。使用しためっき鋼板
を表1に示す。 (2) 高分子キレート化剤を主成分とする塗料組成物 下記する高分子キレート化剤等の水溶液を主体とし、必
要に応じて、これに防錆添加剤、固形潤滑剤を添加し
て、塗料用分散機(サンドグラインダー)を用いて所要
時間分散させ、塗料組成物を得た。
【0041】(2-1) 高分子キレート化剤 表2にNo.1〜No.22として示す、有機高分子マ
トリックスとリン酸系キレート形成基からなる高分子キ
レート化剤を用いた。また、比較例として同表のNo.
23、No.24に示す、従来から防錆剤として用いら
れているタンニン酸水溶液と、低分子量のキレート化剤
であるEDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸)水溶液
を用いた。 (2-2) 防錆添加剤 必要に応じて、表3に示すシリカ、表4に示すポリリン
酸塩等の防錆添加剤を用いた。 (2-3) 固形潤滑剤 必要に応じて、表5に示す固形潤滑剤を用いた。
【0042】表面処理鋼板の品質性能の評価は以下のよ
うにして行った。 (1) 皮膜外観 各サンプルについて、皮膜外観の均一性(ムラの有り無
し)を目視で評価した。評価基準は、以下の通りであ
る。 ○:ムラが全くない均一な外観 △:ムラが若干目立つ外観 ×:ムラが目立つ外観
【0043】(2) 耐白錆性 各サンプルについて、塩水噴霧試験(JIS−Z−23
71)を実施し、所定時間後の白錆発生面積率で評価し
た。なお、防錆添加剤を含まない皮膜を形成したものに
ついては48時間後の耐白錆性で評価し、一方、防錆添
加剤(シリカまたはシリカ以外の防錆添加剤)を含む皮
膜を形成したものについては、48時間後の耐白錆性だ
けでは防錆添加剤無添加のものに対する優位差が現われ
ないため、より厳しい試験条件である72時間後の耐白
錆性でも評価した。評価基準は、以下の通りである。 ◎ :白錆発生なし ○+:白錆発生面積率5%未満 ○ :白錆発生面積率5%以上、10%未満 ○−:白錆発生面積率10%以上、25%未満 △ :白錆発生面積率25%以上、50%未満 × :白錆発生面積率50%以上
【0044】(3) 塗料密着性 各サンプルについて、メラミン系の焼付塗料(膜厚30
μm)を塗装した後、沸水中に2時間浸漬し、直ちに碁
盤目(1mm間隔で10×10の碁盤目)のカットを入
れて、貼着テープによる貼着・剥離を行い、塗膜の剥離
面積率で評価した。評価基準は以下の通りである。 ◎:剥離なし ○:剥離面積率5%未満 △:剥離面積率5%以上、20%未満 ×:剥離面積率20%以上
【0045】(4) 加工性 ブランク径φ120mm、ダイス径φ50mmで深絞り
成形(無塗油条件)を行い、割れが生ずるまでの成形高
さで評価した。評価基準は以下の通りである。 ◎:絞り抜け ○:成形高さ30mm以上 △:成形高さ20mm以上、30mm未満 ×:成形高さ20mm未満
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】
【0051】
【表6】
【0052】
【表7】
【0053】
【表8】
【0054】
【表9】
【0055】
【表10】
【0056】
【表11】
【0057】
【表12】
【0058】
【表13】
【0059】
【表14】
【0060】
【表15】
【0061】
【表16】
【0062】
【表17】
【0063】
【表18】
【0064】
【表19】
【0065】
【表20】
【0066】
【表21】
【0067】
【発明の効果】以上述べたように本発明の表面処理鋼板
は、製造時の処理液や製品の皮膜成分中に6価クロムを
全く含まず、しかも建材、家電、自動車等の用途の表面
処理鋼板として高度の耐食性を有し、また、皮膜外観、
塗料密着性等にも優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鷺山 勝 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系
    めっき鋼板の表面に、有機高分子マトリックスにキレー
    ト形成基を有する高分子キレート化剤であって、リン酸
    基、リン酸塩基の中から選ばれる1種または2種以上が
    含まれるキレート形成基を有する高分子キレート化剤を
    主成分とする高分子キレート化剤皮膜を形成したことを
    特徴とする耐食性に優れた表面処理鋼板。
  2. 【請求項2】 高分子キレート化剤が有するキレート形
    成基が、アミノアルキレンリン酸基、アミノアルキレン
    リン酸塩基、イミノアルキレンリン酸基、イミノアルキ
    レンリン酸塩基の中から選ばれる1種または2種以上で
    あることを特徴とする請求項1に記載の耐食性に優れた
    表面処理鋼板。
  3. 【請求項3】 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系
    めっき鋼板の表面に、下記(A)を主成分とし、さらに
    下記(B)の成分を含む高分子キレート化剤皮膜を形成
    したことを特徴とする耐食性に優れた表面処理鋼板。 (A) 有機高分子マトリックスに、アミノアルキレン
    リン酸基、アミノアルキレンリン酸塩基、イミノアルキ
    レンリン酸基、イミノアルキレンリン酸塩基の中から選
    ばれる1種または2種以上のキレート形成基を有する高
    分子キレート化剤 (B) 高分子キレート化剤100重量部に対して、シ
    リカ、ポリリン酸塩、リン酸塩、モリブデン酸塩、リン
    モリブデン酸塩、フィチン酸、フィチン酸塩、ホスホン
    酸、ホスホン酸塩の中から選ばれる1種または2種以上
    の防錆添加剤を1〜100重量部
  4. 【請求項4】 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系
    めっき鋼板の表面に、下記(A)を主成分とし、さらに
    下記(C)の成分を含む高分子キレート化剤皮膜を形成
    したことを特徴とする耐食性に優れた表面処理鋼板。 (A) 有機高分子マトリックスに、アミノアルキレン
    リン酸基、アミノアルキレンリン酸塩基、イミノアルキ
    レンリン酸基、イミノアルキレンリン酸塩基の中から選
    ばれる1種または2種以上のキレート形成基を有する高
    分子キレート化剤 (C) 高分子キレート化剤100重量部に対して、ポ
    リオレフィンワックス等の炭化水素系化合物、フッ素樹
    脂系化合物、脂肪酸アミド系化合物、金属硫化物、金属
    石けん、グラファイト、フッ化黒鉛、窒化ホウ素、ポリ
    アルキレングリコール、アルカリ金属硫酸塩の中から選
    ばれる1種または2種以上の固形潤滑剤を1〜80重量
  5. 【請求項5】 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系
    めっき鋼板の表面に、下記(A)を主成分とし、さらに
    下記(B)および(C)の成分を含む高分子キレート化
    剤皮膜を形成したことを特徴とする耐食性に優れた表面
    処理鋼板。 (A) 有機高分子マトリックスに、アミノアルキレン
    リン酸基、アミノアルキレンリン酸塩基、イミノアルキ
    レンリン酸基、イミノアルキレンリン酸塩基の中から選
    ばれる1種または2種以上のキレート形成基を有する高
    分子キレート化剤 (B) 高分子キレート化剤100重量部に対して、シ
    リカ、ポリリン酸塩、リン酸塩、モリブデン酸塩、リン
    モリブデン酸塩、フィチン酸、フィチン酸塩、ホスホン
    酸、ホスホン酸塩の中から選ばれる1種または2種以上
    の防錆添加剤を1〜100重量部 (C) 高分子キレート化剤100重量部に対して、ポ
    リオレフィンワックス等の炭化水素系化合物、フッ素樹
    脂系化合物、脂肪酸アミド系化合物、金属硫化物、金属
    石けん、グラファイト、フッ化黒鉛、窒化ホウ素、ポリ
    アルキレングリコール、アルカリ金属硫酸塩の中から選
    ばれる1種または2種以上の固形潤滑剤を1〜80重量
  6. 【請求項6】 高分子キレート化剤の有機高分子マトリ
    ックスの数平均分子量が300以上であることを特徴と
    する請求項1、2、3、4または5に記載の耐食性に優
    れた表面処理鋼板。
  7. 【請求項7】 高分子キレート化剤の有機高分子マトリ
    ックスの数平均分子量が1000以上であることを特徴
    とする請求項1、2、3、4または5に記載の耐食性に
    優れた表面処理鋼板。
  8. 【請求項8】 高分子キレート化剤の有機高分子マトリ
    ックスが、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリ
    エチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリアミノ
    化合物、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸、エポキシ樹
    脂、フェノール樹脂、スチレン−ジビニルベンゼン樹
    脂、アクリル樹脂、デンプンの中から選ばれる1種また
    は2種以上からなることを特徴とする請求項1、2、
    3、4、5、6または7に記載の耐食性に優れた表面処
    理鋼板。
  9. 【請求項9】 高分子キレート化剤皮膜の膜厚が0.0
    1〜5μmであることを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6、7または8に記載の耐食性に優れた表面処
    理鋼板。
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