JP2000000519A - 耐白錆性に優れた表面処理鋼板 - Google Patents

耐白錆性に優れた表面処理鋼板

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JP2000000519A
JP2000000519A JP18149498A JP18149498A JP2000000519A JP 2000000519 A JP2000000519 A JP 2000000519A JP 18149498 A JP18149498 A JP 18149498A JP 18149498 A JP18149498 A JP 18149498A JP 2000000519 A JP2000000519 A JP 2000000519A
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Naoto Yoshimi
直人 吉見
Satoshi Ando
聡 安藤
Masaru Sagiyama
勝 鷺山
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膜中に6価クロムを含むことなく優れた耐
食性が得られる表面処理鋼板を提供する。 【解決手段】 亜鉛系またはアルミニウム系めっき鋼板
の表面に、水分散性樹脂および/または水溶性樹脂と、
高分子マトリックスにキレート形成基を有する高分子キ
レート化剤とを主成分とし、必要に応じて防錆添加剤、
固形潤滑剤の1種以上を含む保護皮膜を形成したことを
特徴とし、保護皮膜中のキレート形成基がめっき皮膜の
表面に吸着等することで緻密な保護皮膜層を形成するこ
と、皮膜形成時にめっき皮膜から溶出した金属イオンを
キレート形成基が捕捉して錯体構造を形成し、緻密なバ
リヤー層を形成すること、腐食環境中において腐食によ
ってめっき皮膜から溶出した金属イオンを皮膜中のフリ
ーのキレート形成基が捕捉し、安定な金属錯体構造を形
成すること等の作用により優れた耐食性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、家電、建
材用途に最適な表面処理鋼板に関し、製品を取扱う作業
者やユーザーへの影響、製造時の排水処理対策、さらに
は使用環境下における製品からの有害物質の揮発・溶出
などの環境問題に適応するために、塗料組成物や皮膜中
に環境・人体に有害なクロム、鉛、カドミウム、水銀等
の重金属を全く含まない環境適応型表面処理鋼板に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】家電製品用鋼板、建材用鋼板、自動車用
鋼板には、従来から亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウ
ム系めっき鋼板の表面に、耐食性(耐白錆性、耐赤錆
性)を向上させる目的で、クロム酸、重クロム酸または
その塩類を主要成分とした処理液によるクロメート処理
が施された鋼板が幅広く用いられている。このクロメー
ト処理は耐食性に優れ、且つ比較的簡単に行うことがで
きる経済的な処理方法である。
【0003】しかし、クロメート処理は公害規制物質で
ある6価クロムを使用するものであるため、処理工程に
おいてクロム酸塩が人体に悪影響を与えること、排水処
理後のクロムスラッジの廃棄処理が困難であること、ま
たクロメート処理後の製品から6価クロムが溶出するお
それがあること等、種々の問題を有している。このた
め、クロム酸類の使用管理基準が厳しくなるにしたが
い、クロメート処理工場の管理、排水処理、クロメート
処理物による二次汚染等が問題とされ、これに対応して
各工場では排水関係をクローズド化し、クロムイオンが
外部に排出されるのを極力防止する対策を講じている。
また、ユーザーにおいてクロメート処理鋼板に付着した
防錆油やプレス油を脱脂する工程で、アルカリ系の脱脂
液を用いる際には、脱脂液中へのクロムの溶出がかなり
多くなるため、脱脂液の脱クロム処理が必要となる。
【0004】このようなことから、亜鉛系めっき鋼板の
白錆の発生を防止するために、クロメート処理によらな
い無公害な処理技術が数多く提案されている。例えば、
無機化合物、有機化合物、有機高分子材料或いはこれら
を組み合わせた溶液を用い、浸漬、塗布、電解処理等の
方法により薄膜を生成させる方法がある。具体的には、
以下のような方法が知られている。 (1)モリブデン、タングステン等の金属の酸化物を用
いる方法(例えば、特開昭57−5875号公報) (2)タンニン酸を用いる方法(例えば、特開昭51−
71233号公報) (3)3価クロムのみで構成し、6価クロムを含まない
無公害のクロメート処理方法(例えば、特開昭61−5
87号公報)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記(1)の
方法では、モリブデン、タングステン等の金属酸化物の
腐食に対する安定領域はクロムのそれよりも狭いため、
クロメート処理と同程度の耐食性を得ることは不可能で
ある。また、上記(2)の方法では、耐食性が不十分
で、しかも外観に着色ムラのある皮膜しか得られない。
さらに、上記(3)の方法では、可溶性クロムを使用し
ていることからして、クロムフリーのニーズには根本的
には応えられない。したがって本発明の目的は、このよ
うな従来技術の課題を解決し、皮膜中に6価クロムを含
むことなく優れた耐食性が得られる表面処理鋼板を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明者らが鋭意検討を行った結果、亜鉛系めっき鋼
板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に、水分散性
樹脂および/または水溶性樹脂と高分子マトリックスに
キレート形成基を有する高分子キレート化剤とを主成分
とする保護皮膜を形成することにより、環境や人体に悪
影響を及ぼすおそれのあるクロメート処理を行うことな
く、無公害で且つ耐食性に優れた表面処理鋼板が得られ
ることを見い出した。
【0007】本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、その特徴は以下の通りである。 (1) 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板
の表面に、水分散性樹脂および/または水溶性樹脂
(a)と、高分子マトリックスにキレート形成基を有す
る高分子キレート化剤(b)とを含有し、前記(a)と
(b)の固形分の重量比(a)/(b)が99/1〜1
/99である保護皮膜を形成したことを特徴とする耐白
錆性に優れた表面処理鋼板。
【0008】(2) 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム
系めっき鋼板の表面に、下記(A)および(B)の成分
を含有する保護皮膜を形成したことを特徴とする耐白錆
性に優れた表面処理鋼板。 (A)水分散性樹脂および/または水溶性樹脂(a)
と、高分子マトリックスにキレート形成基を有する高分
子キレート化剤(b)とを含有し、前記(a)と(b)
の固形分の重量比(a)/(b)が99/1〜1/99
である組成物を100重量部(固形分割合) (B)シリカ、ポリリン酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、
モリブデン酸塩、リンモリブデン酸塩、フィチン酸、フ
ィチン酸塩、ホスホン酸、ホスホン酸塩の中から選ばれ
る1種または2種以上の防錆添加剤を1〜100重量部
(固形分割合)
【0009】(3) 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム
系めっき鋼板の表面に、下記(A)および(C)の成分
を含有する保護皮膜を形成したことを特徴とする耐白錆
性に優れた表面処理鋼板。 (A)水分散性樹脂および/または水溶性樹脂(a)
と、高分子マトリックスにキレート形成基を有する高分
子キレート化剤(b)とを含有し、前記(a)と(b)
の固形分の重量比(a)/(b)が99/1〜1/99
である組成物を100重量部(固形分割合) (C)ポリオレフィンワックス等の炭化水素系化合物、
フッ素樹脂系化合物、脂肪酸アミド系化合物、金属硫化
物、金属石けん、グラファイト、フッ化黒鉛、窒化ホウ
素、ポリアルキレングリコール、アルカリ金属硫酸塩の
中から選ばれる1種または2種以上の固形潤滑剤を1〜
80重量部(固形分割合)
【0010】(4) 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム
系めっき鋼板の表面に、下記(A)、(B)および
(C)の成分を含有する保護皮膜を形成したことを特徴
とする耐白錆性に優れた表面処理鋼板。 (A)水分散性樹脂および/または水溶性樹脂(a)
と、高分子マトリックスにキレート形成基を有する高分
子キレート化剤(b)とを含有し、前記(a)と(b)
の固形分の重量比(a)/(b)が99/1〜1/99
である組成物を100重量部(固形分割合) (B)シリカ、ポリリン酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、
モリブデン酸塩、リンモリブデン酸塩、フィチン酸、フ
ィチン酸塩、ホスホン酸、ホスホン酸塩の中から選ばれ
る1種または2種以上の防錆添加剤を1〜100重量部
(固形分割合) (C)ポリオレフィンワックス等の炭化水素系化合物、
フッ素樹脂系化合物、脂肪酸アミド系化合物、金属硫化
物、金属石けん、グラファイト、フッ化黒鉛、窒化ホウ
素、ポリアルキレングリコール、アルカリ金属硫酸塩の
中から選ばれる1種または2種以上の固形潤滑剤を1〜
80重量部(固形分割合)
【0011】(5) 上記(1)〜(4)のいずれかの表面処理鋼
板において、高分子キレート化剤が有するキレート形成
基が、アミノ酸基、カルボキシル基、ジチオカルバミン
酸基、ポリアミノ基、チオール基、ホスホメチルアミノ
基、チオウレイド基、ジチオ酸基、リン酸基、β−ジケ
トン基、ヒドロキサムオキシム基の中から選ばれる1種
または2種以上であることを特徴とする耐白錆性に優れ
た表面処理鋼板。
【0012】(6) 上記(1)〜(5)のいずれかの表面処理鋼
板において、高分子キレート化剤の高分子マトリックス
が、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリエチレ
ングリコール、ポリエチレンイミン、ポリアミノ化合
物、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、スチレン−ジビニルベンゼン樹脂、ア
クリル樹脂の中から選ばれる1種または2種以上からな
ることを特徴とする耐白錆性に優れた表面処理鋼板。
【0013】(7) 上記(1)〜(6)のいずれかの表面処理鋼
板において、高分子キレート化剤の高分子マトリックス
の数平均分子量が300以上であることを特徴とする耐
白錆性に優れた表面処理鋼板。 (8) 上記(1)〜(6)のいずれかの表面処理鋼板において、
高分子キレート化剤の高分子マトリックスの数平均分子
量が1000以上であることを特徴とする耐白錆性に優
れた表面処理鋼板。 (9) 上記(1)〜(8)のいずれかの表面処理鋼板において、
保護皮膜の膜厚が0.01〜5μmであることを特徴と
する耐白錆性に優れた表面処理鋼板。
【0014】このような本発明の表面処理鋼板におい
て、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板
の表面に形成された水分散性樹脂および/または水溶性
樹脂と高分子キレート化剤を含有する保護皮膜は、一般
の有機樹脂皮膜と同様にめっき皮膜を被覆してその腐食
を抑制するだけでなく、キレート形成基がめっき皮膜の
表面に吸着もしくは反応することにより緻密な保護皮膜
層を形成するとともに、皮膜形成時にめっき皮膜から溶
出した金属イオンをキレート形成基が捕捉して錯体構造
を形成し、緻密なバリヤー層を形成することにより防錆
効果を発揮し、さらに腐食環境中においても、腐食によ
ってめっき皮膜から溶出した金属イオンを皮膜中のフリ
ーのキレート形成基が捕捉し、安定な金属錯体構造を形
成することによって腐食の促進を抑制する効果を発揮
し、これらの作用により優れた耐食性が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細とその限定理
由を説明する。本発明の表面処理鋼板のベースとなる亜
鉛系めっき鋼板としては、亜鉛めっき鋼板、Zn−Ni
合金めっき鋼板、Zn−Fe合金めっき鋼板(電気めっ
き鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板)、Zn−Cr
合金めっき鋼板、Zn−Mn合金めっき鋼板、Zn−C
o合金めっき鋼板、Zn−Co−Cr合金めっき鋼板、
Zn−Cr−Ni合金めっき鋼板、Zn−Cr−Fe合
金めっき鋼板、Zn−Al合金めっき鋼板(例えば、Z
n−5%Al合金めっき鋼板、Zn−55%Al合金め
っき鋼板)、さらにはこれらのめっき鋼板のめっき皮膜
中に金属酸化物、ポリマーなどを分散した亜鉛系複合め
っき鋼板(例えば、Zn−SiO2分散めっき鋼板)等
を用いることができる。
【0016】また、上記のようなめっきのうち、同種ま
たは異種のものを2層以上めっきした複層めっき鋼板を
用いることもできる。また、本発明の表面処理鋼板のベ
ースとなるアルミニウム系めっき鋼板としては、アルミ
ニウムめっき鋼板、Al−Si合金めっき鋼板等を用い
ることができる。また、鋼板面に予めNi等の薄目付め
っきを施し、その上に上記のような各種めっきを施して
もよい。めっき方法としては、電解法(水溶液中での電
解または非水溶媒中での電解)、溶融法および気相法の
うち、実施可能ないずれの方法を採用することもでき
る。
【0017】次に、上記亜鉛系めっき鋼板またはアルミ
ニウム系めっき鋼板の表面に形成される、水分散性樹脂
および/または水溶性樹脂と高分子マトリックスにキレ
ート形成基を有する高分子キレート化剤とを主成分とす
る保護皮膜について説明する。高分子キレート化剤に含
まれるキレート形成基は、めっき皮膜表面に化学吸着ま
たは反応することにより緻密な保護皮膜層を形成し、さ
らに皮膜形成時にめっき皮膜から溶出した金属イオンと
反応して、不溶性の緻密なキレート錯体をめっき表面に
形成する機能を有するものである。
【0018】金属表面をこのような腐食抑制剤(インヒ
ビター)を用いて化学吸着法により防食する手法は古く
から知られており、主に鉄の防食方法として、冷却水
系、ボイラー系、給水・給湯系等のような水と金属とが
常時接触する環境下で、水中にアミン系、リン酸系吸着
剤を添加する方法が実用化されている。
【0019】本発明は、これら水回り配管系の防食とは
もちろん目的・用途が異なり、建材、家電、自動車等の
用途の鋼板の防錆を目的としている。ところが、従来で
はこのような防錆鋼板の表面処理皮膜として、キレート
形成基を有する化合物を主体とする皮膜が実用化された
例はほとんどない。これは、(1)金属の種類により吸
着能が異なり、亜鉛系めっき鋼板、アルミニウム系めっ
き鋼板と安定で緻密な吸着皮膜を得ることが困難なこ
と、(2)上記キレート化剤は一般に低分子量(通常、
分子量300未満)であるため、塗料用高分子樹脂のよ
うな連続皮膜を形成することが困難であること、等の理
由により十分な防食機能が得られなかったためである。
【0020】上記の課題を克服するために本発明者らが
鋭意研究を重ねた結果、水分散性樹脂等の水系樹脂と有
機高分子マトリクスにキレート形成基を付与した高分子
キレート化剤とを含む皮膜が、亜鉛系めっき鋼板やアル
ミニウム系めっき鋼板の表面処理皮膜として優れた防食
機能を有することを見い出したものである。本発明の特
徴は、従来から知られているEDTA等の低分子量のキ
レート化剤を防錆用途に適用したものではなく、水分散
性樹脂等の水系樹脂と有機高分子マトリックスにキレー
ト形成基を付与した高分子キレート化剤とを含む保護皮
膜を亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板
に適用した点にある。また、本発明の好ましい他の特徴
は、高分子キレート化剤に含まれるキレート形成基、さ
らには高分子キレート化剤の有機高分子マトリックスが
特定の種類の中から選択されることにある。
【0021】このような高分子キレート化剤を含む保護
皮膜による防食機構は必ずしも明確でないが、(1)従
来用いられていたような低分子量のキレート化剤ではな
く、有機高分子を主体とする高分子キレート化剤とする
ことにより、塗料用樹脂のような有機皮膜を形成できる
こと、(2)キレート形成基により亜鉛系めっき鋼板や
アルミニウム系めっき鋼板の表面に安定で強固な吸着・
反応皮膜(キレート形成基がめっき皮膜の表面に吸着若
しくは反応することで形成される皮膜)が形成されるこ
と、(3)キレート形成基が皮膜形成時にめっき皮膜か
ら溶出した金属イオンを捕捉して錯体構造皮膜を形成す
ること、(4)従来のような低分子量のキレート化剤で
はなく、有機高分子をマトリックスとする高分子キレー
ト化剤を採用することにより、キレート形成基が皮膜形
成時に溶出した金属イオンを捕捉して錯体構造皮膜を形
成した際に、三次元の高分子錯体構造を有する皮膜を形
成し、緻密で安定な三次元イオン架橋構造皮膜を形成で
きること、(5)さらに、形成した皮膜を有する鋼板を
腐食環境下に曝したときに、アノード溶解によって溶出
した金属イオンをキレート形成基が捕捉し、上記(4)
と同様の電気的に中和な高分子錯体構造を生成すること
により腐食の進行を抑制すること、等により優れた防食
効果が得られるものと考えられる。
【0022】高分子キレート化剤において、有機高分子
マトリクスに付与するキレート形成基としては、アミノ
酸基、カルボキシル基、ジチオカルバミン酸基、ポリア
ミノ基、チオール基、ホスホメチルアミノ基、チオウレ
イド基、ジチオ酸基、リン酸基、β−ジケトン基、ヒド
ロキサムオキシム基の中から選ばれる1種または2種以
上であることが好ましい。上記アミノ酸基には、例え
ば、グリシン基、β−アラニン基、イミノジ酢酸基など
が含まれる。
【0023】高分子キレート化剤において、キレート形
成基を付与する有機高分子マトリックスの種類に特別な
制限はないが、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、
ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリア
ミノ化合物、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂、スチレン−ジビニルベンゼン
樹脂、アクリル樹脂が特に好ましく、これらの中から選
ばれる1種または2種以上を用いることが好ましい。
【0024】上記有機高分子マトリックスの数平均分子
量にも特別な制約はないが、好ましくは300以上、よ
り好ましくは約1000以上、さらに好ましくは100
00以上とする。数平均分子量が300未満では耐食性
向上効果が小さい。また、数平均分子量の上限は特に限
定しないが、分子量が大きすぎると塗料組成物としては
ゲル化するなどの問題が生じるため、望ましくは100
万以下とする。
【0025】次に、本発明の保護皮膜のもう一つの主成
分である水分散性樹脂および/または水溶性樹脂(以
下、これらを総称して“水系樹脂”という)は、皮膜の
バインダーとして均一で強固な皮膜を形成し、防錆効果
を高める。水系樹脂としては、例えば以下のものを用い
ることができる。
【0026】(1)アクリル系樹脂 例えば、ポリアクリル酸及びその共重合体、ポリアクリ
ル酸エステル及びその共重合体、ポリメタクリル酸エス
テル及びその共重合体、ポリメタクリル酸エステル及び
その共重合体、ウレタン−アクリル酸共重合体(または
ウレタン変性アクリル樹脂)、スチレン−アクリル酸共
重合体等、さらにこれらの樹脂を他のアルキド樹脂、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂等によって変性させた樹脂
等を用いることができる。
【0027】(2)エチレン樹脂(ポリオレフィン樹
脂) 例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メ
タクリル酸共重合体、カルボキシル変性ポリオレフィン
樹脂等のエチレン系共重合体、エチレン−不飽和カルボ
ン酸共重合体、エチレン系アイオノマー等、さらにこれ
らの樹脂を他のアルキド樹脂、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂等によって変性させた樹脂等を用いることができ
る。
【0028】(3)アルキド樹脂 例えば、油変性アルキド樹脂、ロジン変性アルキド樹
脂、フェノール変性アルキド樹脂、スチレン化アルキド
樹脂、シリコン変性アルキド樹脂、アクリル変性アルキ
ド樹脂、オイルフリーアルキド樹脂、高分子量オイルフ
リーアルキド樹脂等を用いることができる。
【0029】(4)エポキシ樹脂 例えば、エピクロルヒドリン型、グリシジルエーテル型
等のストレートエポキシ樹脂、脂肪酸変性エポキシ樹脂
(エポキシエステル樹脂)、多塩基性酸変性エポキシ樹
脂、アクリル樹脂変性エポキシ樹脂、アルキド(または
ポリエステル)変性エポキシ樹脂、ポリブタジエン変性
エポキシ樹脂、フェノール変性エポキシ樹脂、アミンま
たはポリアミン変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキ
シ樹脂等を用いることができる。 (5)ウレタン樹脂 例えば、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂、ポリエ
ステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹
脂等を用いることができる。
【0030】また、上記の水系樹脂の中から選ばれる2
種類以上の水系樹脂を混合して用いてもよい。また、皮
膜の乾燥温度の低温化を狙いとして、樹脂粒子のコア部
分とシェル部分とを異なる樹脂種または異なるガラス転
移温度の樹脂で構成したコア・シェル型水分散性樹脂を
用いることもできる。さらに、自己架橋性を有する水分
散性樹脂、例えば、樹脂粒子にアルコキシシラン基を付
与することによって、皮膜の加熱乾燥時にアルコキシシ
ランの加水分解によるシラノール基の生成と樹脂粒子間
のシラノール基の脱水縮合反応を利用した粒子間架橋が
生じるようにした水分散性樹脂を用いることもできる。
【0031】また、以上の水系樹脂の中でも、耐食性、
加工性及び塗装性を考慮した場合にはエチレン系樹脂が
最も好ましく、このエチレン系樹脂としてはエチレン−
アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合
体、カルボキシル変性ポリオレフィン樹脂等のエチレン
系共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体、エ
チレン系アイオノマー等が好適である。さらにその中で
も、エチレン系アイオノマーが優れた耐食性、加工性の
他に優れた耐黒変性を発揮する。また、これらのエチレ
ン系樹脂に対しては、水分散性のエポキシ樹脂、アクリ
ル樹脂、ウレタン樹脂等を併用することができる。
【0032】さらに、以上述べたような水系樹脂に加え
て、水溶性エポキシ樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶
性ブタジエンラバー(SBR,NBR,MBR)、メラ
ミン樹脂、ブロックイソシアネート、オキサゾリン化合
物等の1種以上を架橋剤として併用することが有効であ
る。上記水系樹脂(a)と高分子キレート化剤(b)の
配合比は固形分の重量比(a)/(b)で99/1〜1
/99、好ましくは95/5〜5/95とする。高分子
キレート化剤(a)が上記の配合比の下限よりも少ない
と、キレート形成による腐食抑制効果が不十分であるた
め耐白錆性が劣る。一方、水系樹脂(b)が上記の配合
比の下限よりも少ないと、バリヤー効果が不十分である
ため、この場合も耐白錆性が劣る。
【0033】水系樹脂(a)と高分子キレート化剤
(b)を主成分とする保護皮膜には、防食効果をさらに
高める目的で、必要に応じて、シリカ、ポリリン酸塩、
リン酸塩、亜リン酸塩、モリブデン酸塩、リンモリブデ
ン酸塩、フィチン酸、フィチン酸塩、ホスホン酸、ホス
ホン酸塩等の中から選ばれる1種または2種以上の防錆
添加剤を配合することができる。
【0034】シリカとしては、コロイダルシリカ、ヒュ
ームドシリカのいずれを用いてもよい。コロイダルシリ
カとしては、例えば、スノーテックス O、スノーテッ
クスN、スノーテックス 20、スノーテックス 30、
スノーテックス 40、スノーテックス C、スノーテッ
クス S(以上、日産化学(株)製)等を用いることが
できる。また、ヒュームドリシカとしては、例えば、A
EROSIL R971、AEROSIL R812、A
EROSIL R811、AEROSIL R974、A
EROSIL R202、AEROSIL R805、A
EROSIL130、AEROSIL 200、AER
OSIL 300、AEROSIL 300CF(以上、
日本アエロジル(株)製)等を用いることができる。
【0035】皮膜中に添加されたシリカは、腐食環境下
で緻密で安定な金属の腐食生成物の生成に寄与し、この
腐食生成物がめっき表面に緻密に形成されることによっ
て、腐食の促進を抑制するものと考えられる。また、シ
リカ以外の防錆添加剤として、公知のポリリン酸塩(例
えば、ポリリン酸アルミ:テイカK−WHITE80、
テイカK−WHITE 84、テイカK−WHITE 1
05、テイカK−WHITE G105、テイカK−W
HITE 90(以上、テイカ(株)製))、リン酸塩
(例えば、リン酸亜鉛、リン酸二水素アルミニウム、亜
リン酸亜鉛等)、モリブテン酸塩、リンモリブデン酸塩
(例えば、リンモリブデン酸アルミニウム)、フィチン
酸、フィチン酸塩、ホスホン酸、ホスホン酸塩等を用い
ることもできる。
【0036】防錆添加剤の配合量は、固形分の割合で水
系樹脂(a)と高分子キレート化剤(b)からなる主成
分[(a)+(b)]100重量部に対して1〜100
重量部とする。配合量が1重量部未満では、耐食性向上
効果が少ない。一方、配合量が100重量部を超える
と、皮膜中での凝集により腐食因子の透過が進行するた
め耐白錆性の低下を生じるとともに、塗装性が低下する
ので好ましくない。防錆添加剤のより好ましい配合量は
5〜80重量部である。
【0037】さらに、保護皮膜には、皮膜の加工性を向
上させる目的で固形潤滑剤を配合することができる。こ
の固形潤滑剤としては、以下のようなものが挙げられ
る。 (1)ポリオレフィンワックス等の炭化水素系化合物:
例えば、ポリエチレンワックス、合成パラフィン、天然
パラフィン、マイクロワックス、塩素化炭化水素等 (2)フッ素樹脂系化合物:例えば、ポリフルオロエチ
レン樹脂(ポリ4フッ化エチレン樹脂等)、ポリフッ化
ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂等 (3)脂肪酸アミド系化合物:例えば、ステアリン酸ア
ミド、パルミチン酸アミド、メチレンビスステアロアミ
ド、エチレンビスステアロアミド、オレイン酸アミド、
エシル酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド等
【0038】(4)金属石けん類:例えば、ステアリン
酸カルシウム、ステアリン酸鉛、ラウリン酸カルシウ
ム、パルミチン酸カルシウム等 (5)金属硫化物:例えば、二硫化モリブデン、二硫化
タングステン (6)その他:例えば、グラファイト、フッ化黒鉛、窒
化ホウ素、ポリアルキレングリコール、アルカリ金属硫
酸塩等
【0039】以上の固形潤滑剤の中でも、特にポリエチ
レンワックス、フッ素樹脂系化合物(なかでも、ポリ4
フッ化エチレン樹脂微粒子)が好適である。ポリエチレ
ンワックスとしては、ヘキスト社製のセリダスト 96
15A、セリダスト 3715、セリダスト 3620、
セリダスト 3910、三洋化成(株)製のサンワック
ス 131−P、サンワックス 161−P、三井石油化
学(株)製のケミパールW−100、ケミパール W−
200、ケミパール W−500、ケミパール W−80
0、ケミパール W−950等を用いることができる。
【0040】フッ素樹脂系化合物としては、テトラフル
オロエチレン微粒子が好適であり、ダイキン工業(株)
製のルブロン L−2、ルブロン L−5、三井・デュポ
ン社製のMP1100、MP1200、旭アイシーアイ
フロロポリマーズ(株)製のフルオンディスパージョン
AD1、フルオンディスパージョン AD2、フルオン
L140J、フルオン L150J、フルオン L15
5J等を用いることができる。
【0041】また、これらの固形潤滑剤なかで、ポリオ
レフィンワックスとテトラフルオロエチレンを併用して
添加することにより、特に優れた潤滑効果が期待でき
る。固形潤滑剤の配合量は、固形分の割合で水系樹脂
(a)と高分子キレート化剤(b)からなる主成分
[(a)+(b)]100重量部に対して1〜80重量
部とする。固形潤滑剤の配合量が1重量部未満では潤滑
効果が乏しく、一方、80重量部を超えると塗装性が低
下する。固形潤滑剤の好ましい配合量は3〜40重量部
である。
【0042】さらに、保護皮膜には他の添加剤として、
着色染料(例えば、水溶性アゾ系金属錯塩染料等)、有
機着色顔料(例えば、縮合多環系有機顔料、フタロシア
ニン系有機顔料等)、無機顔料(例えば、酸化チタン、
酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化鉄
(Fe23、Fe34)、酸化ジルコニウム等の粉末或
いはコロイド等)、キレート剤(例えば、チオール類、
ビリジン類、ビラジン類、ピロリン酸等)、導電性顔料
(例えば、亜鉛、アルミニウム、ニッケル等の金属粉
末、リン化鉄、アンチモンドープ型酸化錫等)、カップ
リング剤(例えば、シランカップリング剤、チタンカッ
プリング剤等)、メラミン・シアヌル酸付加物等を添加
することができる。
【0043】以上述べたような保護皮膜は、亜鉛系めっ
き鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に、クロ
メート処理皮膜を介することなく形成される。保護皮膜
の乾燥膜厚は任意であるが、好ましくは0.01〜5μ
mとする。膜厚が0.01μm未満では耐食性が不十分
であり、一方、溶接性が要求される用途では膜厚が5μ
mを超えると溶接性が低下する。より好ましい膜厚は
0.05〜3μm、さらに好ましくは0.1〜2μmで
ある。さらに、この保護皮膜の上層には有機樹脂皮膜、
シリカ含有有機樹脂皮膜、有機複合シリケート皮膜を形
成してもよい。
【0044】本発明の表面処理鋼板は、上述した水系樹
脂(a)と高分子キレート化剤(b)を主成分とする塗
料組成物を亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっ
き鋼板の表面に塗布し、乾燥させることにより製造され
る。めっき鋼板の表面は、上記塗料組成物を塗布する前
に必要に応じてアルカリ脱脂処理し、さらに密着性、耐
食性を向上させるために表面調整処理等の前処理を施す
ことができる。
【0045】水系樹脂(a)と高分子キレート化剤
(b)を主成分とする塗料組成物を亜鉛系めっき鋼板ま
たはアルミニウム系めっき鋼板の表面に塗布する方法と
しては、塗布法、浸漬法、スプレー法等の任意の方法を
採用できる。塗布法としては、ロールコーター(3ロー
ル方式、2ロール方式等)、スクイズコーター、ダイコ
ーター等のいずれの方法を用いてもよい。また、スクイ
ズコーター等による塗布処理、浸漬処理またはスプレー
処理の後に、エアナイフ法やロール絞り法により塗布量
の調整、外観の均一化、膜厚の均一化を行うことも可能
である。
【0046】塗料組成物の塗布後、通常は水洗すること
なく、加熱乾燥を行う。但し、高分子キレート化剤を含
む皮膜は下地であるめっき鋼板の表面と化学吸着もしく
は反応により結合しているので、塗料組成物の塗布後に
水洗工程を実施しても構わない。加熱乾燥処理には、ド
ライヤー、熱風炉、高周波誘導加熱炉、赤外線炉等を用
いることができる。加熱処理は、到達板温で50〜30
0℃、好ましくは80℃〜250℃の範囲で行うことが
望ましい。加熱温度が50℃未満では皮膜中の水分が多
量に残り、耐食性が不十分となる。また、加熱温度が3
00℃を超えると非経済的であるばかりでなく、皮膜に
欠陥が生じて耐食性が低下するおそれがある。
【0047】本発明は、以上述べたような保護皮膜を両
面または片面に有する鋼板を含むものである。したがっ
て、本発明鋼板の形態としては、例えば、以下のような
ものがある。 (1)片面:めっき皮膜−保護皮膜、片面:めっき皮膜 (2)片面:めっき皮膜−保護皮膜、片面:公知のリン
酸塩処理皮膜等 (3)両面:めっき皮膜−保護皮膜
【0048】
【実施例】家電、建材、自動車部品用の表面処理鋼板と
して、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼
板の表面をアルカリ脱脂処理後、水洗乾燥し、次いで、
保護皮膜形成用の塗料組成物をロールコーターにより塗
布し、加熱乾燥した。得られた表面処理鋼板について、
皮膜外観の評価と耐食性(耐白錆性)、塗料密着性およ
び加工性の各評価試験を行った。その結果を、使用した
めっき鋼板の種類、保護皮膜の組成、膜厚、乾燥温度と
ともに表7〜表20、表22に示す。
【0049】本実施例における表面処理鋼板の製造条件
を以下に示す。 (1) めっき鋼板 板厚0.8mm、表面粗さ(Ra)1.0μmの冷延鋼
板に各種亜鉛系めっきまたはアルミニウム系めっきを施
し、下地めっき鋼板として用いた。使用しためっき鋼板
を表1に示す。 (2) 水系樹脂及び高分子キレート化剤を主成分とする塗
料組成物 下記する水系樹脂及び高分子キレート化剤を主体とし、
必要に応じて、これに防錆添加剤、固形潤滑剤を添加し
て、塗料用分散機(サンドグラインダー)を用いて所要
時間分散させ、塗料組成物を得た。
【0050】(2-1) 水系樹脂 表2に示す各種水分散性樹脂または水溶性樹脂を用い
た。 (2-2) 高分子キレート化剤 表3のNo.1〜No.4および表21のNo.6〜N
o.21の高分子キレート化剤水溶液を用いた。また、
比較例として表3のNo.5に示す、従来から防錆剤と
して用いられている低分子量のキレート化剤であるED
TA(エチレンジアミンテトラ酢酸)水溶液を用いた。 (2-3) 防錆添加剤 必要に応じて、表4に示すシリカ、表5に示すポリリン
酸塩等の防錆添加剤を用いた。 (2-4) 固形潤滑剤 必要に応じて、表6に示す固形潤滑剤を用いた。
【0051】表面処理鋼板の品質性能の評価は以下のよ
うにして行った。 (1) 皮膜外観 各サンプルについて、皮膜外観の均一性(ムラの有り無
し)を目視で評価した。評価基準は、以下の通りであ
る。 ○:ムラが全くない均一な外観 △:ムラが若干目立つ外観 ×:ムラが目立つ外観
【0052】(2) 耐白錆性 各サンプルについて、塩水噴霧試験(JIS−Z−23
71)を実施し、所定時間後の白錆発生面積率で評価し
た。なお、防錆添加剤を含まない皮膜を形成したものに
ついては96時間後の耐白錆性で評価し、一方、防錆添
加剤(シリカまたはシリカ以外の防錆添加剤)を含む皮
膜を形成したものについては、96時間後の耐白錆性だ
けでは防錆添加剤無添加のものに対する優位差が現われ
ないため、より厳しい試験条件である120時間後の耐
白錆性でも評価した。また、めっき鋼板No.2〜N
o.12を下地めっき鋼板として用いたものについて
も、96時間後および120時間後の耐白錆性をそれぞ
れ評価した。評価基準は、以下の通りである。 ◎ :白錆発生なし ○+:白錆発生面積率5%未満 ○ :白錆発生面積率5%以上、10%未満 ○−:白錆発生面積率10%以上、25%未満 △ :白錆発生面積率25%以上、50%未満 × :白錆発生面積率50%以上
【0053】(3) 塗料密着性 各サンプルについて、メラミン系の焼付塗料(膜厚30
μm)を塗装した後、沸水中に2時間浸漬し、直ちに碁
盤目(1mm間隔で10×10の碁盤目)のカットを入
れて、粘着テープによる貼着・剥離を行い、塗膜の剥離
面積率で評価した。評価基準は以下の通りである。 ◎:剥離なし ○:剥離面積率5%未満 △:剥離面積率5%以上、20%未満 ×:剥離面積率20%以上
【0054】(4) 加工性 ブランク径φ120mm、ダイス径φ50mmで深絞り
成形(無塗油条件)を行い、割れが生ずるまでの成形高
さで評価した。評価基準は以下の通りである。 ◎:絞り抜け ○:成形高さ30mm以上 △:成形高さ20mm以上、30mm未満 ×:成形高さ20mm未満
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】
【表5】
【0060】
【表6】
【0061】
【表7】
【0062】
【表8】
【0063】
【表9】
【0064】
【表10】
【0065】
【表11】
【0066】
【表12】
【0067】
【表13】
【0068】
【表14】
【0069】
【表15】
【0070】
【表16】
【0071】
【表17】
【0072】
【表18】
【0073】
【表19】
【0074】
【表20】
【0075】
【表21】
【0076】
【表22】
【0077】
【発明の効果】以上述べたように本発明の表面処理鋼板
は、製造時の処理液や製品の皮膜成分中に6価クロムを
全く含まず、しかも建材、家電、自動車等の用途の表面
処理鋼板として高度の耐食性を有し、また、皮膜外観、
塗料密着性等にも優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鷺山 勝 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AE03 CA43 DA06 DB05 DB07 DC02 DC12 DC18 EA06 EA37 EB13 EB14 EB15 EB17 EB19 EB22 EB32 EB39 EB52 EB56 EC01 EC03 EC07 EC54 4K026 AA02 AA07 AA09 AA12 AA13 BA01 BB04 BB06 BB08 BB09 CA16 CA18 CA23 CA25 CA29 CA33 CA37 CA38 CA39 CA41 DA15 DA16

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系
    めっき鋼板の表面に、水分散性樹脂および/または水溶
    性樹脂(a)と、高分子マトリックスにキレート形成基
    を有する高分子キレート化剤(b)とを含有し、前記
    (a)と(b)の固形分の重量比(a)/(b)が99
    /1〜1/99である保護皮膜を形成したことを特徴と
    する耐白錆性に優れた表面処理鋼板。
  2. 【請求項2】 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系
    めっき鋼板の表面に、下記(A)および(B)の成分を
    含有する保護皮膜を形成したことを特徴とする耐白錆性
    に優れた表面処理鋼板。 (A)水分散性樹脂および/または水溶性樹脂(a)
    と、高分子マトリックスにキレート形成基を有する高分
    子キレート化剤(b)とを含有し、前記(a)と(b)
    の固形分の重量比(a)/(b)が99/1〜1/99
    である組成物を100重量部(固形分割合) (B)シリカ、ポリリン酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、
    モリブデン酸塩、リンモリブデン酸塩、フィチン酸、フ
    ィチン酸塩、ホスホン酸、ホスホン酸塩の中から選ばれ
    る1種または2種以上の防錆添加剤を1〜100重量部
    (固形分割合)
  3. 【請求項3】 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系
    めっき鋼板の表面に、下記(A)および(C)の成分を
    含有する保護皮膜を形成したことを特徴とする耐白錆性
    に優れた表面処理鋼板。 (A)水分散性樹脂および/または水溶性樹脂(a)
    と、高分子マトリックスにキレート形成基を有する高分
    子キレート化剤(b)とを含有し、前記(a)と(b)
    の固形分の重量比(a)/(b)が99/1〜1/99
    である組成物を100重量部(固形分割合) (C)ポリオレフィンワックス等の炭化水素系化合物、
    フッ素樹脂系化合物、脂肪酸アミド系化合物、金属硫化
    物、金属石けん、グラファイト、フッ化黒鉛、窒化ホウ
    素、ポリアルキレングリコール、アルカリ金属硫酸塩の
    中から選ばれる1種または2種以上の固形潤滑剤を1〜
    80重量部(固形分割合)
  4. 【請求項4】 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系
    めっき鋼板の表面に、下記(A)、(B)および(C)
    の成分を含有する保護皮膜を形成したことを特徴とする
    耐白錆性に優れた表面処理鋼板。 (A)水分散性樹脂および/または水溶性樹脂(a)
    と、高分子マトリックスにキレート形成基を有する高分
    子キレート化剤(b)とを含有し、前記(a)と(b)
    の固形分の重量比(a)/(b)が99/1〜1/99
    である組成物を100重量部(固形分割合) (B)シリカ、ポリリン酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、
    モリブデン酸塩、リンモリブデン酸塩、フィチン酸、フ
    ィチン酸塩、ホスホン酸、ホスホン酸塩の中から選ばれ
    る1種または2種以上の防錆添加剤を1〜100重量部
    (固形分割合) (C)ポリオレフィンワックス等の炭化水素系化合物、
    フッ素樹脂系化合物、脂肪酸アミド系化合物、金属硫化
    物、金属石けん、グラファイト、フッ化黒鉛、窒化ホウ
    素、ポリアルキレングリコール、アルカリ金属硫酸塩の
    中から選ばれる1種または2種以上の固形潤滑剤を1〜
    80重量部(固形分割合)
  5. 【請求項5】 高分子キレート化剤が有するキレート形
    成基が、アミノ酸基、カルボキシル基、ジチオカルバミ
    ン酸基、ポリアミノ基、チオール基、ホスホメチルアミ
    ノ基、チオウレイド基、ジチオ酸基、リン酸基、β−ジ
    ケトン基、ヒドロキサムオキシム基の中から選ばれる1
    種または2種以上であることを特徴とする請求項1、
    2、3または4に記載の耐白錆性に優れた表面処理鋼
    板。
  6. 【請求項6】 高分子キレート化剤の高分子マトリック
    スが、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリエチ
    レングリコール、ポリエチレンイミン、ポリアミノ化合
    物、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸、エポキシ樹脂、
    フェノール樹脂、スチレン−ジビニルベンゼン樹脂、ア
    クリル樹脂の中から選ばれる1種または2種以上からな
    ることを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記
    載の耐白錆性に優れた表面処理鋼板。
  7. 【請求項7】 高分子キレート化剤の高分子マトリック
    スの数平均分子量が300以上であることを特徴とする
    請求項1、2、3、4、5または6に記載の耐白錆性に
    優れた表面処理鋼板。
  8. 【請求項8】 高分子キレート化剤の高分子マトリック
    スの数平均分子量が1000以上であることを特徴とす
    る請求項1、2、3、4、5または6に記載の耐白錆性
    に優れた表面処理鋼板。
  9. 【請求項9】 保護皮膜の膜厚が0.01〜5μmであ
    ることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7
    または8に記載の耐白錆性に優れた表面処理鋼板。
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