JPH11123046A - 冷凍パン生地用改良剤 - Google Patents

冷凍パン生地用改良剤

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JPH11123046A
JPH11123046A JP3209998A JP3209998A JPH11123046A JP H11123046 A JPH11123046 A JP H11123046A JP 3209998 A JP3209998 A JP 3209998A JP 3209998 A JP3209998 A JP 3209998A JP H11123046 A JPH11123046 A JP H11123046A
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JP
Japan
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dough
frozen
amylase
cellulase
bread
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Application number
JP3209998A
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English (en)
Inventor
Takashi Yamada
高司 山田
Keiko Tanaka
啓子 田中
Katsushi Hayakawa
克志 早川
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Nisshin Seifun Group Inc
Original Assignee
Nisshin Seifun Group Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷凍工程を経ない通常の製パン方法における
のと同じように、大きな体積を有し、フィッシュアイの
出現がなく、焼色の赤色化がなく、均一な焼き色及び形
状を有し、内相、風味および食味に優れる高品質のパン
類を得ることのできる冷凍パン生地、その製造方法、前
記冷凍パン生地の製造に用いる穀粉組成物、冷凍パン生
地用の改良剤の提供。 【解決手段】 セルラーゼ、α−アミラーゼおよびアス
コルビン酸類を用いてなる本発明の冷凍パン生地用改良
剤、冷凍パン生地用穀粉組成物、冷凍パン生地及びその
製造法によって上記課題が解決され、また前記の3つの
成分と共にさらにサイリュームシードガムを用いるとパ
ン体積、外観、内相、風味および食味の点で一層優れた
ものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍パン生地用改
良剤、冷凍パン生地用穀粉組成物、冷凍パン生地の製造
方法、それにより得られる冷凍パン生地、前記冷凍パン
生地を用いて得られるパン類に関する。より詳細には、
本発明は、冷凍工程を経ない通常の製パン方法における
のと同じように、大きな体積を有し、フィッシュアイの
出現がなく、焼色の赤色化がなく、均一な焼色と形状を
有し、しかも内相、風味および食味に優れる高品質のパ
ン類を得ることのできる冷凍パン生地およびその製造方
法、そのための冷凍パン生地用改良剤、冷凍パン生地用
穀粉組成物、並びに前記冷凍パン生地を用いて得られる
パン類に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、製パン業界においては、その利便
性から、冷凍パン生地が用いられるようになっている。
冷凍パン生地の製造法は、一般に、混捏直後に生地を
冷凍する板生地冷凍法、分割丸め後に生地を冷凍する
玉生地冷凍法、成形後に生地を冷凍する成形冷凍法、
および最終発酵(ホイロ)後に生地を冷凍するホイロ
済み冷凍法に大きく分類される。
【0003】上記した〜の冷凍パン生地の製造法の
うちでも、成形冷凍法およびホイロ済み冷凍法は、解凍
後に要する手間が少なくて、最終的なパン製品を簡単に
且つ短時間に製造できることから注目を集めている。具
体的には、成形冷凍法により得られる冷凍パン生地を用
いる場合は、成形冷凍生地を解凍した後に最終発酵を行
い、次いで焼成、油揚げまたは蒸し処理を行うだけで最
終的なパン製品を得ることができ、またホイロ済み冷凍
法により得られる冷凍パン生地を用いる場合は、ホイロ
済み冷凍生地を解凍した後に焼成、油揚げまたは蒸し処
理を行うだけで最終的なパン製品を簡単に得ることがで
きる。
【0004】そのため、成形冷凍法またはホイロ済み冷
凍法により得られる冷凍パン生地を用いる場合は、発酵
室とオーブンを備えておくだけで、いわゆる“スクラッ
チベーカリ”(最初の原料の仕込みから焼成までを一貫
して行うベーカリー)と同様のパン製品の品揃えが可能
になり、店舗展開に要するコストが少なくて済むように
なる。また、スクラッチベーカリにおいても、一部の製
品に成形冷凍法やホイロ済み冷凍法などにより得られる
冷凍パン生地を使用すれば、少ない労力で充実した品揃
えを行うことができ各々の店舗の特色を出すことができ
るようになる。前記したような利点から、成形冷凍法や
ホイロ済み冷凍法で得られる冷凍パン生地を採用するベ
ーカリーが近年増加の一途をたどっており、成形冷凍法
やホイロ済み冷凍法で得られる冷凍パン生地を中小のベ
ーカリーに販売するメーカーも出現している。
【0005】しかしながら、その一方で、成形冷凍法や
ホイロ済み冷凍法は、発酵工程の過半または全部を経た
後のパン生地を冷凍するものであるために、パン生地に
与える冷凍障害が大きい。そのため、成形冷凍法やホイ
ロ済み冷凍法により得られる冷凍パン生地を用いてパン
類を製造すると、パン体積の低下、フィッシュアイの出
現、焼色の赤色化、焼色やパン形状の不均一化、内相品
質の低下、風味や食味の低下などの種々の問題が生じ易
く、冷凍工程を経ないで製造されるパン類と比較する
と、その品質が著しく劣ったものになり易い。特に、パ
ン表面に白い斑点となって現われるフィッシュアイの出
現は深刻であり、パン表面にフィッシュアイが多く出現
したパン製品は商品価値が無くなり、売り物にならな
い。
【0006】冷凍パン生地を使用することによって生ず
る上記した問題の解消が従来から試みられており、その
ような従来技術として、ゼラチンと特定の乳化剤を含有
させた冷凍パン生地(特開平4−234938号公
報)、ジアセチル酒石酸モノグリセリドを上昇融点30
〜50℃の固形油脂に包括した形で付着させたグルテン
からなる冷凍パン生地用の改良剤(特開平8−1961
99号公報)が知られている。しかしながら、これらの
従来技術はいずれも乳化剤を用いているので、パン類の
風味の低下やコストアップを招くという問題があり、し
かも最終的に得られるパン製品の品質の面でも十分な改
良効果が得られていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、冷凍
工程を経ない通常の製パン方法におけるのと同じよう
に、大きな体積を有し、フィッシュアイの出現がなく、
焼色の赤色化がなく、均一な焼色および外観形状を有
し、しかも内相、風味および食味に優れる高品質のパン
類を得ることのできる、冷凍パン生地用改良剤、冷凍パ
ン生地用穀粉組成物、冷凍パン生地およびその製造方法
を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記した目
的を達成すべく検討を重ねてきた。その結果、冷凍パン
生地中にセルラーゼ、α−アミラーゼおよびアスコルビ
ン酸類の3者を含有させると、前記した成分を含有する
冷凍パン生地から得られるパン製品は、冷凍工程を経な
い通常の製パン方法におけるのと同じように、十分に膨
らんで大きな体積を有し、フィッシュアイの出現や焼色
の赤色化がなく、焼色および形状が均一で良好な外観を
有し、しかも良好な内相、風味および食味を有すること
を見出した。さらに、本発明者らは、上記したセルラー
ゼ、α−アミラーゼおよびアスコルビン酸類の3者と共
に、さらにサイリュームシードガムを冷凍パン生地中に
含有させると、その冷凍パン生地から得られるパン製品
は、パン体積が一層大きく、しかも一層良好な外観、内
相、風味および食味を有することを見出し、それらの知
見に基づいて本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、セルラーゼ、α−ア
ミラーゼおよびアスコルビン酸類を含有することを特徴
とする冷凍パン生地用改良剤である。そして、本発明
は、セルラーゼ、α−アミラーゼ、アスコルビン酸類お
よびサイリュームシードガムを含有することを特徴とす
る冷凍パン生地用改良剤である。
【0010】そして、本発明は、穀粉類と共に、セルラ
ーゼ、α−アミラーゼおよびアスコルビン酸類を含有す
ることを特徴とする冷凍パン生地用穀粉組成物である。
さらに、本発明は、穀粉類と共に、セルラーゼ、α−ア
ミラーゼ、アスコルビン酸類およびサイリュームシード
ガムを含有することを特徴とする冷凍パン生地用穀粉組
成物である。
【0011】さらに、本発明は、セルラーゼ、α−アミ
ラーゼ、アスコルビン酸類および場合によりサイリュー
ムシードガムを含有するパン生地を製造し、前記で製造
したパン生地を生地混捏工程後から焼成前、油揚げ前ま
たは蒸し処理前の任意の段階で冷凍することを特徴とす
る冷凍パン生地の製造方法である。そして、かかる本発
明の冷凍パン生地の製造方法においては、冷凍する前の
パン生地の製造方法の代表例として、(i)セルラー
ゼ、α−アミラーゼ、アスコルビン酸類および場合によ
りサイリュームシードガムを穀粉類に個別に添加して製
造する方法、(ii)セルラーゼ、α−アミラーゼ、アス
コルビン酸類および場合によりサイリュームシードガム
を含有する冷凍パン生地用改良剤を穀粉類に添加して製
造する方法、または(iii)セルラーゼ、α−アミラー
ゼ、アスコルビン酸類および場合によりサイリュームシ
ードガムを予め添加しておいた穀粉組成物を用いて製造
する方法を挙げることができる。
【0012】そして、本発明は、上記の製造方法により
得られる冷凍パン生地、および該冷凍パン生地を用いて
得られるパン類を包含する。
【0013】そして、上記した本発明の冷凍パン生地用
穀粉組成物、冷凍パン生地の製造方法およびそれにより
得られる冷凍パン生地においては、パン生地の製造に用
いる穀粉類100gに対して、セルラーゼを0.1〜1
000U、α−アミラーゼを1〜1000U、およびア
スコルビン酸類を0.0001〜0.1gの割合で使用
することが好ましい。また、前記した3つの成分と共に
サイリュームシードガムを更に用いる場合は、パン生地
の製造に用いる穀粉類100gに対して、サイリューム
シードガムを0.01〜1gの割合で使用することが好
ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明で使用するセルラーゼは、セルロースのβ
−1,4−グリコシド結合を加水分解してセロビオース
を生成する反応を促進する酵素である。本発明では、食
品に用い得るセルラーゼであればいずれも使用でき、そ
の由来、調製法などは特に制限されない。また、セルラ
ーゼは、比較的純度の低い食品添加用のセルラーゼおよ
び/または純度の高いセルラーゼ製剤のいずれもが使用
できる。
【0015】また、本発明で使用するα−アミラーゼ
は、デンプン分子の内部のα−1,4−グリコシド結合
を加水分解してα−麦芽糖を生成する反応を促進する酵
素である。本発明では、食品に用い得るα−アミラーゼ
であればいずれも使用でき、その由来、調製法などは特
に制限されないが、失活温度の比較的低いカビや穀物由
来のα−アミラーゼが好ましく用いられる。また、α−
アミラーゼの純度も制限されず、比較的純度の低い食品
添加用のα−アミラーゼおよび/または純度の高いα−
アミラーゼ製剤のいずれもが使用できる。
【0016】さらに、本発明で使用するアスコルビン酸
類の種類も特に制限されず、L−アスコルビン酸、デヒ
ドロアスコルビン酸、それらの塩の1種または2種以上
を用いることができる。
【0017】また、本発明で上記した3つの成分と共に
場合により用いられるサイリュームシードガム(Psy
llium Seed Gum)は、プランタゴ(Pl
antago)属植物のオオバコ種子または同種植物の
種子外皮を粉砕して得られるガム(多糖類)であり、別
名サイリュームハスク(Psyllium Hus
k)、イサゴール(Isapgol)とも称されてい
る。プランタゴ属植物の種類は約200種類もあり、温
帯地方に分布しており、例えばプランタゴ・ラマジョル
(P.major)、プランタゴ・ランセオレート
(P.lanccolete)などの種が挙げられる。
現在多く流通しているオオバコ種子由来のサイリューム
シードガムとしてはフランス産(ブラック,P.Ind
eca)、スペイン産(P.psyllium)、イン
ド産(ブロンド,P.ovata)などがあるが、本発
明で用いるサイリュームシードガムはそれらに限定され
ず、食用に用い得るサイリュームシードガムであればい
ずれも使用できる。そのうちでも、本発明では、インド
地方で栽培されているプランタゴ属植物の一種であるP
lantaginaceaeのオオバコ種子の外側を包
む外皮ハスク部分から得られるサイリュームシードガム
が好ましく用いられる。
【0018】サイリュームシードガムは、医薬品(膨潤
性緩下剤)としては古くから用いられてきたが、食品改
良剤としては従来殆ど用いられていない。そのため、セ
ルラーゼ、α−アミラーゼおよびアスコルビン酸類と共
にサイリュームシードガムを冷凍パン生地に用いるとそ
の冷凍障害が解消されてパン品質が改良されるという本
発明者らの見出した上記の知見は、そのような従来技術
からは全く予想外のことであった。冷凍パン生地に対す
るサイリュームシードガムの品質改良効果のメカニズム
は明らかではないが、サイリュームシードガムの吸水、
膨潤性が何らかのかたちで前記改良効果に寄与している
ものと推測される。
【0019】そして、本発明では、上記したセルラー
ゼ、α−アミラーゼ、アスコルビン酸類および場合によ
りサイリュームシードガムを、必要に応じて他の添加剤
成分などと混合して、冷凍パン生地用改良剤を調製する
ことができる。この冷凍パン生地用改良剤では、保存安
定性などの点からセルラーゼ、α−アミラーゼ、アスコ
ルビン酸類および場合により用いるサイリュームシード
ガムを乾燥粉末の形態で混合することが好ましい。ま
た、この冷凍パン生地用改良剤は、必要に応じて、澱粉
粉末などの増量材を含有していてもよい。この冷凍パン
生地用改良剤は、セルラーゼ、α−アミラーゼ、アスコ
ルビン酸類および場合により用いるサイリュームシード
ガムの変性や失活などが生じないようにしながら保存す
ることができ、冷凍パン生地用改良剤自体で流通、販売
することができる。そして、この冷凍パン生地用改良剤
を用いる場合は、この冷凍パン生地用改良剤を必要に応
じて他の成分と共に穀粉類に添加してパン生地を製造し
[上記した(ii)のパン生地の製造方法]、このパン生
地を冷凍することによって、大きなパン体積を有し、フ
ィッシュアイの出現や焼色の赤色化がなく、焼色および
形状が均一で良好な外観を有し、しかも良好な内相、風
味および食味を有するパン類が得られる冷凍障害のない
冷凍パン生地を、セルラーゼ、α−アミラーゼ、アスコ
ルビン酸類、サイリュームシードガムを穀粉類などに個
別に添加する手間などを要せずに、簡単に得ることがで
きる。
【0020】また、本発明では、穀粉類に対して、セル
ラーゼ、α−アミラーゼ、アスコルビン酸類および場合
によりサイリュームシードガムを、必要に応じて他の添
加剤成分などと混合して、冷凍パン生地用穀粉組成物を
調製してもよい。この冷凍パン生地用穀粉組成物におい
ても、穀粉類、セルラーゼ、α−アミラーゼ、アスコル
ビン酸類、場合により添加されるサイリュームシードガ
ム、および必要に応じて添加される他の成分は、乾燥粉
末の形態で混合することが、冷凍パン生地用穀粉組成物
の保存安定性などの点から好ましい。この冷凍パン生地
用穀粉組成物は、そこに含まれるセルラーゼ、α−アミ
ラーゼ、アスコルビン酸類、サイリュームシードガムの
変性や失活などが生じないようにしながら保存すること
ができ、冷凍パン生地用穀粉組成物の形態で流通、販売
することができる。そして、この冷凍パン生地用穀粉組
成物を用いる場合は、この冷凍パン生地用穀粉組成物に
パン類の種類などに応じて必要に応じて他の成分を適宜
添加してパン生地を製造し[上記した(iii)のパン生
地の製造方法]、このパン生地を冷凍することにより、
大きなパン体積を有し、フィッシュアイの出現や焼色の
赤色化がなく、焼色および形状が均一で良好な外観を有
し、しかも良好な内相、風味および食味を有するパン類
を与える、冷凍障害のない冷凍パン生地を、生地の調製
時にセルラーゼ、α−アミラーゼおよびアスコルビン酸
類を別途添加するなどの手間を要せずに、極めて簡単に
且つ短時間に製造することができる。
【0021】さらに、本発明では、上記した冷凍パン生
地用改良剤や冷凍パン生地用穀粉組成物を用いずに、パ
ン生地の製造時に、セルラーゼ、α−アミラーゼ、アス
コルビン酸類および場合により用いるサイリュームシー
ドガムのそれぞれを、必要に応じて他の成分と共に穀粉
類に添加してパン生地を製造することができる[上記し
た(i)のパン生地の製造方法]。この場合には、セル
ラーゼ、α−アミラーゼ、アスコルビン酸類および場合
により用いるサイリュームシードガムは、乾燥粉末の形
態で添加しても、または生地の製造に用いる水や他の液
体に溶解または分散させた状態で添加してもよく、その
際の添加順序や添加方法などは特に制限されない。そし
て、この場合にも、大きなパン体積を有し、フィッシュ
アイの出現や焼色の赤色化がなく、焼色および形状が均
一で良好な外観を有し、しかも良好な内相、風味および
食味を有するパン類を与える、冷凍障害のない冷凍パン
生地を円滑に得ることができる。
【0022】本発明では、冷凍パン生地の製造に用いる
穀粉類100gに対して、セルラーゼを0.1〜100
0Uの割合で用いることが好ましく、0.5〜500U
の割合で用いることがより好ましい。穀粉類100gに
対してセルラーゼの使用量が0.1U未満であると、セ
ルラーゼを用いることによる冷凍障害の防止効果が十分
に発揮されず、パン製品にフィッシュアイが出現し易く
なる。一方、穀粉類100gに対してセルラーゼを10
00Uよりも多く用いると、生地のだれやべたつきが生
じて作業性が劣るようになり易く、しかも得られるパン
製品の体積が小さくなり、また形状が横にだれて不良な
ものになり易い。ここで、本明細書におけるセルラーゼ
の活性単位を示す“U”(Unit)は、以下の実施例
の項に記載する方法で測定した値をいう。
【0023】また、本発明では、冷凍パン生地の製造に
用いる穀粉類100gに対して、α−アミラーゼを1〜
1000Uの割合で用いることが好ましく、20〜50
0Uの割合で用いることがより好ましい。穀粉類100
gに対してα−アミラーゼの使用量が1U未満である
と、α−アミラーゼを用いることによる冷凍障害の防止
効果が十分に発揮されず、パン製品に焼き色が殆どつか
なくなって色調が不良になり易く、またフィッシュアイ
が出現し易くなる。一方、穀粉類100gに対してα−
アミラーゼを1000Uよりも多く用いると、生地のだ
れやべたつきが生じて作業性が劣るようになり易く、し
かも得られるパン製品の体積が小さくなり、焼き色が過
度に濃くなり易く、また形状が横にだれて不良なものに
なり易い。ここで、本明細書におけるα−アミラーゼの
活性単位を示す“U”(Unit)は、以下の実施例の
項に記載する方法で測定した値をいう。
【0024】また、本発明では、冷凍パン生地の製造に
用いる穀粉類100gに対して、アスコルビン酸類を
0.0001〜0.1gの割合で用いることが好まし
く、0.003〜0.05gの割合で用いることがより
好ましい。穀粉類100gに対してアスコルビン酸類の
使用量が0.0001g未満であると、生地の弾力性が
低下して冷凍パン生地の外観が横にだれた不良なものと
なり易く、またその冷凍パン生地から得られるパン製品
は体積が小さく、さらにフィッシュアイの出現したもの
になり易い。一方、穀粉類100gに対してアスコルビ
ン酸類を0.1gよりも多く用いると、生地の締まりが
強くなり過ぎて作業性が劣るようになり易く、しかも得
られるパン製品の体積が小さくなり、パン製品の表面に
皮が引っ張られて裂けた現象が生じ易くなる。
【0025】そして、本発明において、上記した3つの
成分と共にサイリュームシードガムを更に用いる場合
は、サイリュームシードガムの使用量は特に制限されな
いが、冷凍パン生地の製造に用いる穀粉類100gに対
して0.001〜1gの範囲にすることが、パン体積の
一層の増加、外観、内相、食感および風味の一層の向上
が得られる点から好ましく、0.005〜0.5gの範
囲で用いることがより好ましい。
【0026】本発明では、冷凍パン生地の製造に用いる
穀粉類として、通常の製パンで用いられる穀粉類のいず
れもが使用でき特に制限されず、例えば、パン用小麦
粉、全粒小麦粉、ライ麦粉、オーツ粉、トウモロコシ
粉、米粉、そば粉、澱粉類、食物繊維、それらの混合粉
などを使用することができ、目的とするパンの種類など
に応じて適宜選択して使用すればよい。一般的には、パ
ン用小麦粉が最も好ましく用いられ、パン用小麦粉を使
用する場合は、通常のパン用小麦粉のいずれもが使用で
き特に制限されない。そのうちでも、硬質強力小麦を主
原料として製粉されたものが好ましく用いられ、そのよ
うなパン用小麦粉としては、例えば、カナダ産硬質赤春
小麦(銘柄名「カナダ・レッド・スプリング・ホイート
No.1」)、アメリカ産硬質赤春小麦(銘柄名「ダー
ク・ノーザン・スプリング・ホイート」)などの原料小
麦から得られる小麦粉などを挙げることができる。しか
しながら、勿論他の小麦原料を用いて得られるパン用小
麦粉も使用できる。
【0027】また、本発明で用いる酵母の種類は特に制
限されず、冷凍パン生地に従来から用いられている酵母
のいずれもが使用でき、例えば汎用酵母、冷凍耐性酵
母、ドライイースト、インスタントイーストなどのいず
れもが使用できる。その場合に、需要に合わせて、ホイ
ロ済み冷凍法により得られる冷凍パン生地の焼成をさら
に遅延させたい場合(冷凍保存時間を長くしたい場合)
は、汎用酵母と冷凍耐性酵母を併用して冷凍パン生地を
製造することが好ましい。酵母の配合量は特に制限され
ず、パン類の種類や製パン法などに応じて必要量を配合
すればよいが、一般に、パンの製造に用いる穀粉類10
0gに対して、酵母の量を2〜8gにすると良好な結果
が得られる。
【0028】また、目的とするパン製品の種類などに応
じて、混捏前、生地の調製時などに、例えば、食塩;砂
糖やその他の糖類;ショートニング、バター、マーガリ
ンなどの油脂類;モルト粉末やモルトシロップ;イース
トフード;バイタルグルテン;脱脂粉乳、全脂粉乳、チ
ーズ粉末、ヨーグルト粉末、ホエー粉末などの乳製品;
卵や卵製品;豆類の粉;ビタミン類;ミネラル類;塩化
アンモニウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン
酸二水素カルシウム、硫酸アンモニウム等の他の添加剤
の1種または2種以上を必要に応じて用いてもよい。
【0029】本発明では、製パン法は特に制限されず、
ストレート法、中種法、速成法、液種法などのいずれの
方法を採用してもよい。また、冷凍パン生地を得る際の
生地冷凍法も特に制限されず、混捏直後に生地を冷凍す
る板生地冷凍法、分割丸め後に生地を冷凍する玉生地冷
凍法、成形後に生地を冷凍する成形冷凍法、および最終
発酵(ホイロ)後に生地を冷凍するホイロ済み冷凍法の
いずれを採用してもよい。そのうちでも、本発明は、成
形冷凍法およびホイロ済み冷凍法により得られる冷凍パ
ン生地において特に効果を発揮する。
【0030】冷凍パン生地を製造する際の凍結温度、凍
結速度などは特に制限されないが、緩慢凍結よりも急速
凍結の方が好ましく、そのためショックフリーザーやデ
ィープフリーザーなどの急速凍結装置を用いて−30℃
〜−40℃の雰囲気温度下に生地を2時間程度で急速に
凍結した後、−10℃〜−20℃の雰囲気温度下で貯蔵
して氷結晶の成長を抑制するようにして凍結保存するこ
とが好ましい。上記により得られる冷凍パン生地は、冷
凍状態で、貯蔵、流通、販売することができ、その場合
に、生地は冷凍前または冷凍後に、必要に応じて適宜包
装しておくことができる。
【0031】上記により得られる冷凍パン生地を各小売
店や消費者が購入して、冷凍装置中に保存しておき、必
要な時に取り出して、以後の製パン工程を行うことによ
って、焼き立て、揚げ立てまたは蒸したてのフレッシュ
なパン類を極めて簡単に且つ短時間にタイムリーに製造
することができる。 特に、ホイロ済み冷凍法による冷凍パン生地の場合は、
冷凍庫より取り出して解凍した後、焼成、油揚げまたは
蒸し処理を行うだけで目的とするパン類を得ることがで
きる。また成形冷凍法による冷凍パン生地の場合は、冷
凍庫より取り出して解凍し、最終発酵(ホイロ)させた
後に、焼成、油揚げまたは蒸し処理を行うだけで目的と
するパン類を得ることができる。本発明では、冷凍パン
生地の解凍方法や解凍条件は特に制限されず、例えば室
温解凍、ドウコンディショナーおよび発酵室内での解
凍、冷蔵庫内での解凍などのいずれの方法で解凍しても
よい。
【0032】本発明は、油脂類や糖類等の配合量の少な
いリーンな配合のパン類、油脂類や糖類等の配合量の多
いリッチな配合のパン類のいずれのパン類の製造に対し
ても使用でき、いずれのパン類の場合も、フィッシュア
イの出現がなく、冷凍工程を経ない製パン法による場合
と同じように、パン体積が大きく、外観、内相、風味、
食味などに優れるパン類を得ることができる。限定され
るものではないが、本発明によって、例えば、ワンロー
フ食パン、角形食パン、山形食パン、ナッツ、食物繊
維、胚芽などを配合したバラエティー食パン、フランス
パン、ソフトフランスパン、バターロール、ロールイン
バターロール、ミルクハース、クレッセントロール、カ
イザーロール、グラハムロール、ライ麦パン、ヴィエノ
ワ、クロワッサン、スイートロール、デニッシュペスト
リー、ブリオッシュ、グリッシーニ、プレッツエル、パ
ネトーネ、デニッシュ、コーヒーケーキ、シナモンロー
ル、シュトーレン、ホットクロスバンズ、スイートバン
ズなどのバンズ類、イングリッシュマフィンなどのマフ
ィン類、アンパン、ジャムパン、クリームパン、コロ
ネ、メロンパンなどの菓子パン類、カレードーナッツ、
アンドーナッツ、リングドーナッツ、ツイストドーナッ
ツ、ビスマルクなどのイーストドーナッツ類、アンマ
ン、肉マン、カレーマン、ピザマンなどの蒸しパン類な
どの製造に用いる冷凍パン生地を製造することができ
る。
【0033】
【実施例】以下に実施例などにより本発明を具体的に説
明するが、本発明はそれにより何ら限定されない。以下
の例で用いた、セルラーゼ、α−アミラーゼ、およびヘ
ミセルラーゼの活性は次のようにして測定した。
【0034】[セルラーゼ活性の測定法] (1) セルラーゼを含む酵素液をリン酸緩衝溶液
(0.1Mリン酸ナトリウム、pH6.0)で適当な濃
度に希釈して酵素溶液を調製する。 (2) 上記(1)で調製した酵素溶液0.2mlを、
40℃で予め10分間加温しておいたカルボキシメチル
セルロース(以下「CMC」という)溶液0.3ml
(0.5%CMC、0.02Mリン酸ナトリウム、pH
6.0)と混合して、恒温槽で正確に40℃で30分間
加温して、酵素試験液を調製する。 (3) また、酵素液の代わりに、酵素を含まないリン
酸緩衝溶液(0.1Mリン酸ナトリウム、pH6.0)
0.2mlを用いて、これに上記(2)と同様のCMC
溶液0.3mlを混合してブランク液を調製する。 (4) 30分間の加温が終了した後の上記(2)で得
られた酵素試験液および上記(3)で得られたブランク
液のそれぞれにソモギー銅液(和光純薬株式会社製)
0.5mlを加えて、激しく混和し、酵素試験液ではそ
の酵素反応を停止させる。
【0035】(5) 上記(4)で得られた酵素試験液
およびブランク液を沸騰浴中で10分間加熱した後、氷
水中で急冷し、冷却後、ネルソン試薬(和光純薬株式会
社製)1mlおよび蒸留水8mlを加え、良く混和した
後、正確に15分間静置する。 (6) 15分後に、酵素試験液の波長500nmでの
吸光度を、ブランク液を対照として分光光度計で測定す
る。 (7) 1%グルコース水溶液を調製し、これを蒸留水
を用いて適宜希釈し、上記(4)〜(6)の方法に従っ
て分析を行い、グルコース濃度と吸光度の回帰式を作成
する。 (8) 上記(7)で作成した回帰式に、上記(6)で
得られた吸光度の値を当てはめて、酵素反応により生成
したグルコース量を測定する。 (9) 1分当たりで1μmoleのグルコースを生成
する酵素活性(セルラーゼの活性)を1Uと規定し、上
記(8)の結果から、使用したセルラーゼ活性を算出す
る。
【0036】[α−アミラーゼ活性の測定法] (1) 用いようとするα−アミラーゼ1gに蒸留水を
加えて溶解した後、蒸留水で全量を1000mlに定容
する。 (2) 試験管に上記(1)で得られたα−アミラーゼ
の希釈液1mlを採り、蒸留水4mlを加えて、37℃
の恒温槽で5分間加温して酵素試験液を調製する。別
に、蒸留水5mlを試験管に採り、これをブランク液と
する。 (3) 上記(2)で得られた酵素試験液とブランク液
のそれぞれに、ネオアミラーゼテスト「第一」(第一化
学薬品株式会社製)を1錠加え、激しく混和した後、3
7℃の恒温槽で正確に60分間加温する。 (4) 60分後に、酵素試験液とブランク液のそれぞ
れに0.5N水酸化ナトリウム水溶液1.0mlを加
え、激しく混和して酵素試験液では酵素反応を停止させ
る。
【0037】(5) 上記の(4)で得られた酵素試験
液およびブランク液のそれぞれを濾紙を用いて濾過した
後、酵素試験液の濾液の波長620nmでの吸光度を、
ブランク液の濾液を対照として分光光度計で測定する。 (6) 国際単位活性(U値)既知のα−アミラーゼ
(例えばシグマアルドリッチ社製「α−アミラーゼA3
176」)を蒸留水を用いて適宜希釈し、上記(1)〜
(5)の方法にしたがって分析を行って、酵素活性と吸
光度の回帰式を作成する。なお、国際単位の規定につい
ては朝倉書店出版の「澱粉科学ハンドブック」(199
1年7月15日、第11版)に詳細に記載されている。 (7) 上記(6)で作成した回帰式に、上記(5)で
得られた吸光度の値を当てはめて、試料として用いたα
−アミラーゼの活性(U値)を算出する。
【0038】[ヘミセルラーゼ活性の測定]Leath
ers T.D.らによる“Biotechnol.B
ioeng.Symp.”,14,225(1984)
に記載されている、微量効力検定において所定の時間に
製造された還元糖の量を測定する方法にしたがってヘミ
セルラーゼ活性(U値)を測定した。
【0039】《実施例1〜2および比較例1〜4》 [ホイロ済み冷凍パン生地を用いるフランスパンの製
造] (1) パン用小麦粉(日清製粉株式会社製「ミリオ
ン」)、生イースト(オリエンタル酵母工業社製)、イ
ーストフード(オリエンタル酵母工業社製「Cフー
ド」)、セルラーゼ(阪急バイオケミストリー株式会社
製「セルロシンT2」;Trichoderma viride 由来)、
α−アミラーゼ(新日本化学株式会社製「スミチーム
L」;Asperugillus oryzae 由来)、ヘミセルラーゼ
(シグマアルドリッチ株式会社製「ヘミセルラーゼ」;
Asperugillus niger 由来)、L−アスコルビン酸(和
光純薬株式会社製)、サイリュームシードガム(五協産
業株式会社製「サイリューム100MS−M」)、およ
び食塩を下記の表3に示す割合で用いて、下記の表1に
示す工程(i)〜(vi)にしたがってフランスパン用の
ホイロ済み生地(最終発酵済み生地)を調製した。 (2) 上記(1)で得られたホイロ済み生地を、下記の
表1に示す工程(vii)にしたがって冷凍処理してホイ
ロ済み冷凍生地をつくり、それを冷凍庫で保存した。 (3) 上記(2)で得られたホイロ済み冷凍生地を冷
凍庫から取り出して、下記の表1に示す工程(viii)〜
(ix)にしたがって解凍および焼成を行ってフランスパ
ンを製造した。 (4) 上記(3)で得られたフランスパンの体積を菜
種置換法で測定すると共に、その品質を下記の表2に示
す評価基準にしたがって10名のパネラーにより評価
し、その平均値を採ったところ、下記の表3に示すとお
りであった。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】 [パンの品質の評価基準] 点 数: 評 価 内 容 外 観: 4点 :フィッシュアイが全くなく、焼色および形状が均一である。 3点 :フィッシュアイがなく、焼色および形状がほぼ均一である。 2点 :フィッシュアイがやや出現しており、焼色および形状がやや 不均一である。 1点 :フィッシュアイが多数出現しており、焼色および形状が不均一 である。 内 相: 4点 :すだちが均一で、膜が薄い。 3点 :すだちがほぼ均一で、膜がやや薄い。 2点 :すだちがやや不均一で、膜がやや厚い。 1点 :すだちが不均一で、膜が厚い。 風味・食味: 4点 :歯切れが良く、風味が良好である。 3点 :歯切れがほぼ良好で、風味がほぼ良好である。 2点 :歯切れががやや悪く、風味が少し劣る。 1点 :歯切れが悪くくちゃつきがあり、風味が劣る。
【0042】
【表3】
【0043】上記の表3の結果から、セルラーゼ、α−
アミラーゼおよびアスコルビン酸類を含有する実施例1
の冷凍パン生地による場合は、パン体積が大きくてよく
膨らんでおり、フィッシュアイの出現がなく且つ焼色お
よび形状が良好で外観に優れ、すだちが均一で且つ膜が
薄くて良好な内相を有し、しかも歯切れが良く、食味お
よび風味に優れる、品質の良好なフランスパンが得られ
ることがわかる。また、上記の表3の結果から、セルラ
ーゼ、α−アミラーゼおよびアスコルビン酸類と共に更
にサイリュームシードガムを含有する実施例2の冷凍パ
ン生地による場合は、パン体積が一層大きくてよく膨ら
んでおり、フィッシュアイの出現がなく且つ焼色および
形状がより良好で外観に一層優れ、すだちが均一で且つ
膜が薄くて一層良好な内相を有し、しかも歯切れが良
く、食味および風味に一層優れる、品質の一層良好なフ
ランスパンが得られることがわかる。
【0044】それに対して、セルラーゼ、α−アミラー
ゼおよびアスコルビン酸類を全く含まない比較例1の冷
凍パン生地による場合は、著しい冷凍障害が生じてい
て、得られたフランスパンの体積が極めて小さく、フィ
ッシュアイが数多く出現し、焼色および形状が不均一で
外観が不良であり、内相に劣り、しかも歯切れが悪く、
食味および風味に劣る、商品価値が低いフランスパンに
なることがわかる。さらに、セルラーゼの代わりにヘミ
セルラーゼを用いている比較例2〜4の冷凍パン生地に
よる場合は、該冷凍パン生地がα−アミラーゼおよびア
スコルビン酸類を含有していても、得られたフランスパ
ンの体積が小さく、フィッシュアイが出現し、焼色およ
び形状が不均一で外観が不良であり、内相に劣り、しか
も歯切れが悪く、食味および風味に劣る、商品価値が低
いフランスパンになることがわかる。
【0045】《実施例3〜4および比較例5〜12》 [成形冷凍パン生地を用いるフランスパンの製造] (1) 実施例1〜2および比較例1〜4で用いたのと
同じ、パン用小麦粉、生イースト、イーストフード、セ
ルラーゼ、α−アミラーゼ、ヘミセルラーゼ、L−アス
コルビン酸、サイリュームシードガムおよび食塩を下記
の表5に示す割合で用いて、下記の表4に示す工程
(i)〜(v)にしたがってフランスパン用の成形生地
を調製した。 (2) 上記(1)で得られた成形生地を、下記の表5に
示す工程(vi)にしたがって冷凍処理して成形冷凍生地
をつくり、それを冷凍庫で保存した。 (3) 上記(2)で得られた成形冷凍生地を冷凍庫か
ら取り出して、下記の表4に示す工程(vii)〜(ix)
にしたがって解凍、ホイロおよび焼成を行ってフランス
パンを製造した。 (4) 上記(3)で得られたフランスパンの体積を菜
種置換法で測定すると共に、その品質を上記の表2に示
す評価基準にしたがって10名のパネラーにより評価
し、その平均値を採ったところ、下記の表5に示すとお
りであった。
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】上記の表5の結果から、セルラーゼ、α−
アミラーゼおよびアスコルビン酸類を含有する実施例3
の冷凍パン生地による場合は、パン体積が大きくてよく
膨らんでおり、フィッシュアイの出現がなく且つ焼色お
よび形状が良好で外観に優れ、すだちが均一で且つ膜が
薄くて良好な内相を有し、しかも歯切れが良く、食味お
よび風味に優れる、品質の良好なフランスパンが得られ
ることがわかる。さらに、上記の表5の結果から、セル
ラーゼ、α−アミラーゼ、アスコルビン酸類およびサイ
リュームシードガムを含有する実施例4の冷凍パン生地
による場合は、パン体積がより大きくてよく膨らんでお
り、フィッシュアイの出現がなく且つ焼色および形状が
より良好で外観に一層優れ、すだちが均一で且つ膜が薄
くてより良好な内相を有し、しかも歯切れが良く、食味
および風味に一層優れる、品質のより高いフランスパン
が得られることがわかる。
【0049】それに対して、セルラーゼ、α−アミラー
ゼおよびアスコルビン酸類を全く含まない比較例5の冷
凍パン生地並びにセルラーゼ、α−アミラーゼおよびア
スコルビン酸類のうちの1種または2種を欠く比較例6
〜11の冷凍パン生地による場合は、著しい冷凍障害が
生じていて、得られたフランスパンの体積が極めて小さ
く、フィッシュアイが数多く出現し、焼色および形状が
不均一で外観が不良であり、内相に劣り、しかも歯切れ
が悪く、食味および風味に劣る、商品価値が低いフラン
スパンになることがわかる。更に、セルラーゼの代わり
にヘミセルラーゼを用いている比較例12の冷凍パン生
地による場合は、該冷凍パン生地がα−アミラーゼおよ
びアスコルビン酸類を含有していても、得られたフラン
スパンの体積が小さく、フィッシュアイが出現し、焼色
及び形状が不均一で外観が不良であり、内相に劣り、し
かも歯切れが悪く、食味及び風味に劣る、商品価値が低
いフランスパンになることがわかる。
【0050】《実施例5》 [ホイロ済み冷凍パン生地を用いるフランスパンの製
造] (1) 実施例1および比較例1〜4で用いたのと同
じ、パン用小麦粉、生イースト、イーストフード、セル
ラーゼ、α−アミラーゼ、L−アスコルビン酸および食
塩を下記の表6に示す割合で用いて、上記の表1に示す
工程(i)〜(vi)にしたがってフランスパン用のホイ
ロ済み生地を調製した。 (2) 上記(1)で得られたホイロ済み生地を、上記の
表1に示す工程(vii)にしたがって冷凍処理してホイ
ロ済み冷凍生地をつくり、それを冷凍庫で保存した。 (3) 上記(2)で得られたホイロ済み冷凍生地を冷
凍庫から取り出して、上記の表1に示す工程(viii)〜
(ix)にしたがって解凍および焼成を行ってフランスパ
ンを製造した。 (4) 上記(3)で得られたフランスパンの体積を菜
種置換法で測定すると共に、その品質を上記の表2に示
す評価基準にしたがって10名のパネラーにより評価
し、その平均値を採ったところ、下記の表6に示すとお
りであった。
【0051】
【表6】
【0052】上記の表6の結果から、小麦粉(穀粉類)
100gに対して、セルラーゼを0.1〜1000Uの
範囲、α−アミラーゼを1〜1000Uの範囲およびア
スコルビン酸類を0.0001〜0.1gの範囲の量で
用いている実験番号4〜7の冷凍パン生地による場合
は、パン体積が大きくてよく膨らんでおり、フィッシュ
アイの出現がなく且つ焼色および形状が良好で外観に優
れ、すだちが均一で且つ膜が薄くて良好な内相を有し、
しかも歯切れが良く、食味および風味に優れる、品質の
良好なフランスパンが得られることがわかる。
【0053】《実施例6》[バターロールの製造] [ホイロ済み冷凍生地を用いるバターロールの製造] (1) 実施例1および比較例1〜4で用いたのと同
じ、パン用小麦粉、生イースト、イーストフード、セル
ラーゼ、α−アミラーゼ、L−アスコルビン酸および食
塩とともに、砂糖、マーガリン、脱脂粉乳および全卵を
下記の表8に示す割合で用いて、下記の表7に示す工程
(i)〜(vi)にしたがってバターロール用のホイロ済
み生地を調製した。 (2) 上記(1)で得られたホイロ済み生地を、下記
の表7に示す工程(vii)にしたがって冷凍処理してホ
イロ済み冷凍生地をつくり、それを冷凍庫で保存した。 (3) 上記(2)で得られたホイロ済み冷凍生地を冷
凍庫から取り出して、下記の表7に示す工程(viii)に
したがって解凍した後、工程(ix)にしたがって焼成を
行ってバターロールを製造した。 (4) 上記(3)で得られたバターロールの体積を菜
種置換法で測定すると共に、その品質を上記の表2に示
す評価基準にしたがって10名のパネラーにより評価
し、その平均値を採ったところ、下記の表8に示すとお
りであった。
【0054】
【表7】
【0055】
【表8】
【0056】上記の表8の結果から、小麦粉(穀粉類)
100gに対して、セルラーゼを0.1〜1000Uの
範囲、α−アミラーゼを1〜1000Uの範囲およびア
スコルビン酸類を0.0001〜0.1gの範囲の量で
用いている実験番号12〜15の冷凍パン生地による場
合は、パン体積が大きくてよく膨らんでおり、フィッシ
ュアイの出現がなく且つ焼色および形状が良好で外観に
優れ、すだちが均一で且つ膜が薄くて良好な内相を有
し、しかも歯切れが良く、食味および風味に優れる、品
質の良好なバターロールが得られることがわかる。
【0057】《実施例7》[アンパンの製造] [ホイロ済み冷凍生地を用いるアンパンの製造] (1) 実施例1および比較例1〜4で用いたのと同
じ、パン用小麦粉、生イースト、セルラーゼ、α−アミ
ラーゼ、L−アスコルビン酸および食塩とともに、砂
糖、マーガリン、脱脂粉乳および全卵を下記の表10に
示す割合で用いて、下記の表9に示す工程(i)〜(v
i)にしたがってアンパン用のホイロ済み生地を調製し
た。 (2) 上記(1)で得られたホイロ済み生地を、下記
の表9に示す工程(vii)にしたがって冷凍処理してホ
イロ済み冷凍生地をつくり、それを冷凍庫で保存した。 (3) 上記(2)で得られたホイロ済み冷凍生地を冷
凍庫から取り出して、下記の表9に示す工程(viii)に
したがって解凍した後、工程(ix)にしたがって焼成を
行ってアンパンを製造した。 (4) 上記(3)で得られたアンパンの体積を菜種置
換法で測定すると共に、その品質を上記の表2に示す評
価基準にしたがって10名のパネラーにより評価し、そ
の平均値を採ったところ、下記の表10に示すとおりで
あった。
【0058】
【表9】
【0059】
【表10】
【0060】上記の表10の結果から、小麦粉(穀粉
類)100gに対して、セルラーゼを0.1〜1000
Uの範囲、α−アミラーゼを1〜1000Uの範囲およ
びアスコルビン酸類を0.0001〜0.1gの範囲の
量で用いている実験番号21〜23の冷凍パン生地によ
る場合は、パン体積が大きくてよく膨らんでおり、フィ
ッシュアイの出現がなく且つ焼色および形状が良好で外
観に優れ、すだちが均一で且つ膜が薄くて良好な内相を
有し、しかも歯切れが良く、食味および風味に優れる、
品質の良好なアンパンが得られることがわかる。
【0061】
【発明の効果】本発明による場合は、冷凍工程を経ない
通常の製パン方法におけるのと同じように、大きな体積
を有し、フィッシュアイの出現がなく、焼色の赤色化が
なく、均一な焼色と形状を有し、しかも内相、風味およ
び食味に優れる高品質のパン類が得られる冷凍障害のな
い冷凍パン生地を提供することができる。セルラーゼ、
α−アミラーゼ、アスコルビン酸類および場合によりサ
イリュームシードガムを含有する本発明の冷凍パン生地
を用いる場合は、冷凍パン生地を解凍した後、用いた冷
凍パン生地の種類に応じて、その後の製パン工程を行う
だけで、簡単な作業で、短時間に、且つタイムリーに、
上記した高品質のパン類を製造することができる。特
に、本発明の冷凍パン生地が、成形冷凍法により得られ
る冷凍パン生地である場合は、成形冷凍生地を解凍した
後に最終発酵を行い、それを焼成、油揚げまたは蒸し処
理を行うだけで、上記した高品質のパン類を簡単に且つ
短時間で製造することができる。また、本発明の冷凍パ
ン生地がホイロ済み冷凍法により得られる冷凍パン生地
である場合は、ホイロ済み冷凍生地を解凍した後に焼
成、油揚げまたは蒸し処理を行うだけで、上記した高品
質のパン類を極めて簡単に且つ短い時間で製造すること
ができる。
【0062】そして、セルラーゼ、α−アミラーゼ、ア
スコルビン酸類および場合によりサイリュームシードガ
ムを含有する本発明の冷凍パン生地用改良剤は、それ自
体で長期間安定に保存することができ、しかも該改良剤
を、必要に応じて他の添加剤成分とともに穀粉類に混合
して生地をつくり、それを冷凍するだけで、上記した優
れた特性を有する冷凍パン生地を簡単に製造することが
できる。また、穀粉類と共に、セルラーゼ、α−アミラ
ーゼ、アスコルビン酸類および場合によりサイリューム
シードガムを含有する本発明の冷凍パン生地用穀粉組成
物は、長期間安定に保存することができ、しかも冷凍パ
ン生地用穀粉組成物に必要に応じて他の成分を添加して
生地をつくり、それを冷凍するだけで、上記した優れた
特性を有する冷凍パン生地を極めて簡単に且つ短時間で
製造することができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルラーゼ、α−アミラーゼおよびアス
    コルビン酸類を含有することを特徴とする冷凍パン生地
    用改良剤。
  2. 【請求項2】 セルラーゼ、α−アミラーゼ、アスコル
    ビン酸類およびサイリュームシードガムを含有すること
    を特徴とする冷凍パン生地用改良剤。
  3. 【請求項3】 穀粉類と共に、セルラーゼ、α−アミラ
    ーゼおよびアスコルビン酸類を含有することを特徴とす
    る冷凍パン生地用穀粉組成物。
  4. 【請求項4】 穀粉類と共に、セルラーゼ、α−アミラ
    ーゼ、アスコルビン酸類およびサイリュームシードガム
    を含有することを特徴とする冷凍パン生地用穀粉組成
    物。
  5. 【請求項5】 穀粉類100gに対して、セルラーゼを
    0.1〜1000U、α−アミラーゼを1〜1000
    U、アスコルビン酸類を0.0001〜0.1gおよび
    場合によりサイリュームシードガムを0.001〜1g
    の割合で含有する請求項3または4記載の冷凍パン生地
    用穀粉組成物。
  6. 【請求項6】 セルラーゼ、α−アミラーゼ、アスコル
    ビン酸類および場合によりサイリュームシードガムを含
    有するパン生地を製造し、前記で製造したパン生地を生
    地混捏工程後から焼成前、油揚げ前または蒸し処理前の
    任意の段階で冷凍することを特徴とする冷凍パン生地の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 パン生地を、(i)セルラーゼ、α−ア
    ミラーゼ、アスコルビン酸類および場合によりサイリュ
    ームシードガムを穀粉類に個別に添加して製造するか、
    (ii)セルラーゼ、α−アミラーゼ、アスコルビン酸類
    および場合によりサイリュームシードガムを含有する冷
    凍パン生地用改良剤を穀粉類に添加して製造するか、ま
    たは(iii)セルラーゼ、α−アミラーゼ、アスコルビ
    ン酸類および場合によりサイリュームシードガムを予め
    添加しておいた穀粉組成物を用いて製造することからな
    る請求項4記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 冷凍パン生地の製造に用いる穀粉類10
    0gに対して、セルラーゼを0.1〜1000U、α−
    アミラーゼを1〜1000U、アスコルビン酸類を0.
    0001〜0.1gおよび場合によりサイリュームシー
    ドガムを0.001〜1gの割合で添加する、請求項6
    または7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8のいずれか1項記載の製造
    方法により得られる冷凍パン生地。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の冷凍パン生地を用いて
    得られるパン類。
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