JP2001224299A - 小麦粉製品用生地改良剤、生地及び小麦粉製品 - Google Patents

小麦粉製品用生地改良剤、生地及び小麦粉製品

Info

Publication number
JP2001224299A
JP2001224299A JP2000034186A JP2000034186A JP2001224299A JP 2001224299 A JP2001224299 A JP 2001224299A JP 2000034186 A JP2000034186 A JP 2000034186A JP 2000034186 A JP2000034186 A JP 2000034186A JP 2001224299 A JP2001224299 A JP 2001224299A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dough
flour
product
improver
bread
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000034186A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Nishimura
靖広 西村
Hirokazu Osei
博和 於▲勢▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okumoto Flour Milling Co Ltd
Original Assignee
Okumoto Flour Milling Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Okumoto Flour Milling Co Ltd filed Critical Okumoto Flour Milling Co Ltd
Priority to JP2000034186A priority Critical patent/JP2001224299A/ja
Publication of JP2001224299A publication Critical patent/JP2001224299A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課 題】 焼いた後、ボリューム感や柔らかみに富
み、食感・風味・焼色も満足でき、老化時間も長い小麦
粉焼成食品用生地、およびその焼成品用生地を製造する
ための改良剤を提供する。 【解決手段】 少なくともアセロラ果実又はその処理物
を含有する小麦粉製品用生地改良剤、当該改良剤を含有
する小麦粉ミックスもしくは生地又はそれらを使用して
製造される小麦粉製品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は小麦粉製品用生地の
改良剤、当該改良剤を含有する小麦粉生地およびかかる
改良剤または生地を使用して製造した小麦粉製品に関す
る。本発明は小麦粉混捏加工食品、即ちイースト菌(酵
母菌)発酵焼成食品(例えばパン類、菓子、パイ、ピ
ザ、ドーナツ等)およびそれ以外の酵母菌発酵によらな
い非焼成食品(例えば饅頭、うどん類、そば等の麺類、
パスタ類等)製造に使用される小麦粉生地の改良剤なら
びに当該改良剤と小麦粉を含む小麦粉ミックス等の小麦
粉生地に関する。特に、パン類等のイースト菌発酵焼成
食品の場合、焼成食品のボリューム感、弾力性、風味を
改善し食品の老化時間を長くするために、イーストフー
ド、L−アスコルビン酸(合成−ビタミンC)、乳化剤
等の化学合成物質からなる食品添加剤が生地の品質改良
剤として小麦粉生地に配合・使用されるが、本発明に従
えばかかる化学合成物質を含む添加剤を使用しなくて
も、小麦粉生地を焼成して得られるパン等の焼成食品
は、膨らみが大きく、老化・固化しにくく、柔軟、弾力
性、風味に優れている。
【0002】
【従来の技術】パン類等小麦粉焼成食品の製造において
は、小麦粉、イースト、砂糖等(イーストの栄養剤)、
塩(味付け)、水、油脂(パンのしなやかさ付与と製パ
ン工程促進)の主原料およびその他副原料の外に、通
常、各種生地改良剤が必ず添加されている。それらの大
部分は化学合成物質添加物、いわゆる食品添加物であ
る。すなわち、例えばイーストフード、L−アスコルビ
ン酸(合成ビタミンC)、乳化剤等の品質改良剤と称さ
れる食品添加物が使用されている。イーストフードは生
地のイーストの醗酵を助長するために使用され、イース
トの醗酵促進効果のある例えば無機アンモニウム等の窒
素源や水の硬度を増し、生地を引き締める作用をする硫
酸カルシウムを含んでいる。乳化剤としては、例えばグ
リセリン脂肪酸モノエステル、ジアセチル酒石酸モノグ
リセリド、ジグリセリン脂肪酸エステル、CSL、レシ
チン等が、冷蔵生地法における、フィッシュアイの出現
を防止するためあるいは焼成後のパンの老化または固化
を抑制するために使用されている。パンの固化現象の原
因は完全には未だ解明されてはいないが、通常澱粉が老
化するかまたは澱粉の分子が会合して時間の経過に伴っ
てパンの堅さが増すと言われている。色々な乳化剤がパ
ンの老化を防止し、パンの老化を遅くするか排除するこ
とによって、パンの貯蔵寿命を延ばすために使用されて
いる。またさらに、パンなどの酵母製品は、一般に、仕
込み、混捏、分割、ベンチタイム、成形、ホイロ、焼成
などの工程を経て製造される。これらの工程は、酵母を
用いる関係上、連続的に行う必要がある上、半日以上も
の時間を要する場合もある。そのため、深夜や早朝に作
業を行わなければ新鮮なパンなどを朝から消費者に提供
することは困難であり、作業者の負担は大きなものであ
った。そのため、このような作業を改善できる冷蔵また
は冷凍パン生地の開発が進んでいる。しかしながら、冷
蔵または冷凍パン生地は、冷蔵または冷凍前の生地に比
べて、老化が早い、食感が劣るという問題点がある。し
かしながら、消費者の食品添加物使用に対する抵抗が近
年益々増加し、従来から使用されているイーストフード
・乳化剤の添加を減ずることあるいは添加を避けること
が強く望まれている。ところで、イーストフードの1つ
である臭素酸カリウムは以前に使用されていたが、突然
変異性、染色体異常性、ラット腎臓の発ガン性を有する
ことが分かり最近では殆ど使用されなくなった添加物で
あり、それに代わって、L−アスコルビン酸(合成ビタ
ミンC)がパン生地改良剤として現在広く使用されてい
る。食の安全性を求める消費者からは食品添加物の不使
用または使用制限が強く望まれているところである。そ
こで前記乳化剤はもとより、イーストフード、さらには
合成ビタミンCなども合成添加物の使用はなるべく控え
ること、できれば不使用が望まれている。中でも、ビタ
ミンCは天然物に広く含まれる成分ではあるが、合成の
食品添加物の範疇に入ることに変りはないためとされ
る。本来、食品添加物の無添加は望ましいが、商品とし
てのパン等をある程度大量生産するに当たっては、種々
の制約または必要条件のゆえに、無添加もしくは天然材
料の添加によっても比容積が大きく、弾力に富み、固
化、老化しにくく、食感、風味のよい、要するに高品質
のパンを製造することは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明はこのよ
うな安全性への要望に応えるべく、パン類または菓子等
の酵母発酵による小麦粉焼成食品製造用の合成化学物質
無添加の小麦粉生地改良剤ならびに同改良剤を含有する
小麦粉ミックスおよび生地を提供すること、しかもそれ
によって混捏時生地の伸展性がよく、機械に対して付着
しないか付着が少なく、膨らみもよく、例えばパンの比
容積が5〜6倍とボリューム感が大きく、新鮮さを長く
保持できる(老化遅延)安全な品質のパン等を製造する
ための前記改良剤と小麦粉ミックスおよび生地を提供す
ることを目的とする。さらに、生地伸展性がよく腰のあ
るうどん、そば等の麺類やパスタ類、柔らかく伸展性の
よい生地が得られる饅頭等の、酵母発酵によらない(非
焼成)が同じく混捏過程を経る小麦粉加工食品を製造す
るための生地改良剤および同改良剤を含む小麦粉ミック
スおよび生地を提供すること、しかも最終的に小麦粉焼
成食品や非焼成・非酵母菌発酵の小麦粉加工食品などの
小麦粉製品を提供することをも目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために、種々の天然素材、特に従来の合成
ビタミンCの代替物としてビタミンCを豊富に含有する
として知られている広範囲の果実について勢力的な実験
を行なった結果、上記課題を解決するためには、ビタミ
ンC含有果実ならばどのようなものでもよいのではなく
て、アセロラ果実、特にアセロラ果実粉末が比較的良好
な結果を与えるもののそれのみでは必ずしも満足すべき
ものではなく、(1)アセロラ果実や例えばそのジュー
ス、特にアセロラ果実粉末と(2)ペントサナーゼ、グ
ルコアミラーゼおよびへミセルラーゼの1以上(好まし
くはペントサナーゼ、リパーゼおよびグルコアミラー
ゼ)とを組合わせた使用がパン生地への混入時イースト
菌の働きを助長して生地の伸展性を改善し、膨らみを大
きくし、機械混捏性も改善されることを知見しさらに検
討を重ねて本発明に到達したものである。すなわちアセ
ロラ又はその処理物と組合せる酵素は、酵素であればど
のようなものでもよいのではない。生地改良剤として不
適当な酵素は多く存在する。アセロラ果実はビタミンC
を大量に含むさくらんぼに類似の熱帯果実であるが、L
−アスコルビン酸を多く含むレモンやいちご等各種果実
そして同含量のL−アスコルビン酸(合成ビタミンC)
と比較しても、生地の膨らみがずっと大きく、強い生地
をもたらし、生地改良効果が多大であることが判明し
た。従って単なるビタミンC代替物ではなくそれ以上の
効果を奏することは予想外のことであった。さらに本発
明者らは、アセロラ果実そのものやそのジュース(果
汁)よりもアセロラ果実粉末の方が優れていること、な
らびに本発明の生地改良剤を使用して冷蔵又は冷凍パン
を製造した場合にも上記の優れた効果が奏されることを
も驚くべき事実として新知見した。
【0005】すなわち、本発明は、 (1)アセロラ果実またはその処理物およびペント
サナーゼ、リパーゼ、グルコアミラーゼおよびヘミセル
ラーゼからなる群から選ばれる1種または2種以上とを含
有することを特徴とする小麦粉製品用生地改良剤、
(2)アセロラ果実粉末、ペントサナーゼ、リパーゼお
よびグルコアミラーゼを含有することを特徴とする前記
(1)記載の改良剤、(3)アセロラ果実粉末、ペント
サナーゼ、リパーゼ、グルコアミラーゼおよびヘミセル
ラーゼを含有することを特徴とする前記(1)または
(2)記載の改良剤、(4)前記(1)〜(3)のいず
れかに記載の改良剤および小麦粉を含有することを特徴
とする小麦粉製品用小麦粉ミックスまたは生地、(5)
アセロラ果実またはその処理物がビタミンCに換算して
小麦粉100重量部に対して約0.00002〜0.2
重量部であることを特徴とする小麦粉ミックスまたは生
地、(6)小麦粉製品がイースト菌発酵焼成食品である
前記(4)または(5)に記載の小麦粉ミックスまたは
生地、(7)イースト菌発酵焼成食品がパン類、パイま
たはピザである前記(4)〜(6)のいずれかに記載の
小麦粉ミックスまたは生地、(8)小麦粉製品が麺類、
パスタ類、饅頭、餃子などの、イースト菌発酵によらな
い小麦粉製品である前記(4)または(5)に記載の小
麦粉ミックスまたは生地、および(9)前記(1)〜
(8)のいずれかに記載の生地改良剤、小麦粉ミックス
または小麦粉生地を用いて製造したことを特徴とする小
麦粉製品、に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明におけるアセロラとは通常
アセロラの果実を意味し、アセロラ果実の処理物とは、
アセロラ果実を処理して得られる小麦粉に添加しやすい
ものであれば、どのようなものでもよく、例えばアセロ
ラ果実を抽出し、濃縮して得られる粉末乃至粉状物が好
適なものとして例示される。そのようなアセロラ果実粉
末の製造方法は既に公知であって、その公知方法又はそ
れに準じる方法で製造されてよい。そのようなアセロラ
果実粉末は市販されているので、市販品を使用してもよ
い。本発明に使用される酵素としては、具体的には少な
くとも一種のペントサナーゼ、リパーゼ、グルコアミラ
ーゼおよびヘミセルラーゼから成る群から選ばれる一種
または二種以上の混合物が挙げられ、混合物としては
少なくとも一種のペントサナーゼおよび少なくとも一種
のリパーゼ、少なくとも一種のペントサナーゼおよび
少なくとも一種のグルコアミラーゼ、少なくとも一種
のペントサナーゼ、少なくとも一種のリパーゼおよび少
なくとも一種のグルコアミラーゼ、少なくとも一種の
ペントサナーゼ、グルコアミラーゼおよび少なくとも一
種のヘミセルラーゼ、または少なくとも一種のペント
サナーゼ、少なくとも一種のリパーゼ、少なくとも一種
のグルコアミラーゼおよび少なくとも一種のヘミセルラ
ーゼの組み合わせなどが挙げられる。もっとも好ましく
は、本発明の改良剤は、少なくとも一種のペントサナ
ーゼ、少なくとも一種のグルコアミラーゼおよび少なく
とも一種のヘミセルラーゼ、少なくとも一種のヘント
サナーゼと少なくとも一種のグルコアミラーゼ又は少な
くとも一種のヘミセルラーゼ、少なくとも一種のペン
トサナーゼ、少なくとも一種のリパーゼおよび少なくと
も一種のヘミセルラーゼを含有する。
【0007】本発明の改良剤に使用されるペントサナー
ゼは例えばバチルス・スブチリス(Bacillus Subtili
s)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus Niger)を
公知の方法によって培養し、培養液から水抽出などの手
段に従って採取され例えば硫酸アンモニウム、硫酸ナト
リウム等の無機塩を抽出液に加えることによって、精製
された沈降物として取得するかあるいは、食品添加物と
して市販されているから、それを購入して使用してもよ
い。本発明者らは小麦粉などの穀粉からなる生成にペン
トサナーゼを配合した生地を焼成して製造されるパン類
はボリュウム感が増大するだけでなくパン類の老化が顕
著に改善される。本発明の改良剤に使用されるリパーゼ
としては、クモノスカビ属、アスペルギルス属、カンジ
ダ属、ペニシリウム属又はケカビ属から公知の方法によ
って製造され、例えばヨーロッパ特許EP585988
B1に記載に従って使用されうる。もちろん市販のリパ
ーゼ商品を使用してもよい。本発明においては、リパー
ゼを含むものならどのようなものでもよく、公知の脂質
に対して不浸透性の材料(例えばフイルム)で顆粒状の
リパーゼを被覆したものであってもよい。リパーゼを生
地に配合することによってパン類のボリュームが増大
し、柔かさが改善される。本発明で使用されるグルコア
ミラーゼは特に限定されないが、例えばα−グルコアミ
ラーゼが挙げられる。グルコアミラーゼとしてはアスペ
ルギルス属などの株から得られるものが用いられなかで
もアスペルギルス・オリザエの株を培養して得られるも
のが使用されうる。又は、市販のグルコアミラーゼも本
発明において、便宜に使用される。グルコアミラーゼを
生地に配合することによって焼成したパン類はボリュー
ムが改善され、しかもパン類の老化するもしくは堅くな
る時間が延長される。本発明の改良剤に用いられるヘミ
セルラーゼは、特に限定されないが、エンドキシラナー
ゼ、アラビノフラノシダーゼ(例、アラビノフラノシダ
ーゼB)などが挙げられる。ヘミセルラーゼとしては、
アスペルギルス属、などの株を公知方法によって培養
し、単離、精製することにより取得できる。さらに、本
発明の生地改良剤は、その他の公知の生地改良のための
成分を含んでいてもよい。そのようなものとしては、例
えば粉末油脂、カルシウムを挙げることができる。粉末
油脂としては例えば大豆油、トウモロコシ油、パーム油
等の植物油脂、例えば豚脂、牛脂等の動物油脂から得ら
れ、例えば融点が48℃程度以上のものが好んで使用さ
れる。カルシウム源としては例えば粉砕した卵殻を挙げ
ることができる。
【0008】醗酵させたパン生地を冷蔵又は冷凍保管
し、これを必要なときに取出してパンを焼くことは、作
業者の負担を軽減するために大いに役立つのであるが、
このようにして得られたパンは冷蔵又は冷凍工程を経る
ことなく、醗酵生地をそのまま焼成した“焼きたてのパ
ン”に比、醗酵膨張率、風味等において劣る、そして焼
成後のパンの老化時間も短い欠点があるが、酵素特にペ
ントサナーゼをパン生地に配合しておくと、このような
欠点が改善される。従って本発明は、少なくとも一種の
酵素、特にペントサナーゼを含有する冷蔵又は冷凍生地
用改良剤をも提供する。さらに、驚くべきことに、ペン
トサナーゼ等の酵素を小麦粉等に配合すると、生地は伸
展性に優れ機械にくっつきにくくなるため、連続工程が
容易になる。本発明は、かかる冷蔵又は冷凍生地の改
良、老化時間の延長、伸展性の改善、機械工程の容易化
等の目的には、ペントサナーゼのみもしくは、さらにペ
ントサナーゼと他の上記のリパーゼ、ヘミセルラーゼお
よびグルコアミラーゼの一〜三を適宜配合した品質改良
剤であってもよい。アセロラ果実またはその処理物と上
記の酵素との組合せをもって本発明の小麦粉製品生地改
良剤としてもよいし、さらに下記する任意の添加剤を配
合して本発明の小麦粉製品改良剤としてもよい。このよ
うな改良剤を小麦粉に配合し混合することによって、小
麦粉ミックスが製造される。製造方法は常法に従ってよ
い。小麦粉ミックスを水等と共に混捏することによって
小麦粉生地が製造される。これも常法に従って製造され
てよい。改良剤の小麦粉に対する使用量は、一概には言
えないが通常、小麦粉100重量部に対して約0.01
〜10重量部、好ましくは約0.1〜2重量部である。
小麦粉ミックスの製造に際しては、酵素以外に通常は穀
粉たとえば小麦粉(強力小麦粉、ライ麦粉、糯粉)、酵
母、植物性油脂、動物性油脂、砂糖などの糖類、食品、
乳製品(例えば脱脂粉乳)、カルシウム、水、その他の
副原料(例えばレーズン、ブドウ、クルミ、チョコレー
ト、にんにく、たまねぎ等)が仕込まれ、混捏される。
混捏工程を経て得られる生地は一般的生地(例、パン生
地)の他、餅や饅頭生地、ドーナツ生地、パイ生地、ピ
ザ生地、ホットケーキ生地、スポンジケーキ生地、クレ
ープ生地、餃子生地などであってよい。なお、用いられ
る酵母はサッカロミセス属に属し、醗酵能があればどの
ような酵母も使用可能である。冷凍耐性酵母であっても
よい。
【0009】本発明の改良剤又は生地は、前記した成分
以外に、所望により、一般にパン生地に使用される公知
の各種添加剤をさらに適量含んでいてもよい。すなわ
ち、本発明によれば従来の合成化学物質を含む食品添加
剤を使用しなくとも品質の優れた小麦粉製品を製造でき
るが、所望により、適当量の添加剤を使用してもよい。
具体的には、還元剤(例、ビタミンC、システイン)、
モルト末、ペクチン、ガム類(例、キサンタンガム、グ
アーガム)、カゼイン類、シスチン、グルテン、乳化剤
(例、CSL、SSL、レシチン、グリセリン脂肪酸、
ジアセチル酒石酸モノグリセライド、コハク酸モノグリ
セリド)、酸化剤(例、ビタミンC、臭素酸カリウム、
ヨウ素酸カリウム、過硫酸アンモニウム)、増粘剤、α
化澱粉、ステアリル乳酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エス
テル、有機酸(例、無水酢酸、アジピン酸、フマル
酸)、リン酸3カルシウム、冷凍用ドウコンディショナ
ー、グルコースオキシダーゼ、スルフヒドリルオキシダ
ーゼ、ピラノースオキシダーゼ、大豆パーオキシダー
ゼ、オリゴサッカライドオキシダーゼ、サイクロデキス
トリングルカノトランスフェラーゼ、キシラナーゼ、β
−グルカナーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、澱粉枝切
り酵素、マルトトリオース生成酵素、マルトテトラオー
ス生成酵素、マルトペンタオース生成酵素、マルトヘキ
サオース生成酵素、カタラーゼ、リポキシゲナーゼ、パ
ーオキシダーゼ、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、グルタ
ミナーゼ、トランスグルターゼなどが用いられる。本発
明の改良剤は、アセロラ果実はその処理物や上記したペ
ントサナーゼ、リパーゼ、グルコアミラーゼおよびヘミ
セルラーゼの1以上以外に上記した公知の添加剤を含ん
でいてもよい。小麦粉と本発明の改良剤との配合比は特
に限定されないが、原材料として小麦粉100gに対し
て、通常、約0.01〜10g、好ましくは0.1〜2
g、さらに好ましくは0.5〜1.5gである。本発明
の改良剤におけるペントサナーゼの配合量は、製剤全体
に対して、通常約0.01〜1重量%、好ましくは約
0.05〜0.5重量%、さらに好ましくは約0.1〜
0.2重量%である。本発明の改良剤がさらにリパー
ゼ、グルコアミラーゼまたは(および)ヘミセルラーゼ
を含有する場合、リパーゼの配合量は、製剤全体に対し
て、通常約0.1〜10重量%、好ましくは約1〜5重
量%、さらに好ましくは約2〜3重量%である。グルコ
アミラーゼの配合量は、製剤全体に対して、通常約0.
1〜10重量%、好ましくは約0.5〜5重量%、さら
に好ましくは約1〜2重量%である。
【0010】さらに、ペントサナーゼ、リパーゼおよび
グルコアミラーゼの配合比(重量比)は、通常1:約1
〜30:約1〜50、好ましくは1:約5〜20:約1
0〜30、より好ましくは1:約8〜15:約15〜2
5である。ペントサナーゼは小麦粉ミックスまたは生地
に使用される原材料としての小麦粉100gに対して、
通常0.0001g〜0.01g、好ましくは0.00
05g〜0.001g、リパーゼは0.001g〜0.
1g、好ましくは0.01g〜0.02g、グルコアミ
ラーゼは0.001g〜0.1gの割合いがよい。な
お、ヘミセルラーゼの使用量については、市販のペント
サナーゼには微量の不純物としてヘミセルラーゼが含ま
れているので、ペントサナーゼを使用する場合ことさら
にこれを添加しなくても支障ない。本発明の焼成品用生
地は、これら生地の製造時に、本発明の改良剤を仕込
み、混合して、混捏することにより製造することができ
る。本発明の焼成品用生地は、低温保存、冷蔵保存又は
冷凍保存することもできるし、凍結して保存することも
できる。本発明の改良剤を添加した小麦粉ミックスや生
地は、焼いた後もしくは揚げた後にボリューム感、柔ら
か感、食感、風味に優れている。また、製造用機械に付
着しにくく、伸展性にも優れている。また、焼色も良
い。さらに老化乃至硬化しにくい。このようにして準備
された生地は、公知の方法に付することによって、パン
類等の穀粉最終製品とすることができる。このような公
知方法としては、第一発酵、分割、ベンチタイム、成
型、第二発酵(ホイロ)、焼成等が挙げられる。本発明
における特定の酵素を使用するかぎり、直捏法、中種法
又は液中種法のいずれによって最終製品である焼パン類
等の焼成品が製造されてもよい。さらに、本発明の改良
剤を添加した焼成品用生地は、一度冷蔵又は冷凍した後
に焼いた場合でも、上記の特徴を有しているので、深夜
または早朝に生地を製造する必要がなく、作業者の負担
は著しく軽減される。本発明の焼成品用生地は、従来の
焼成品用生地と同様に、一般の焼成機を用いて焼成品と
することができる。本発明の焼成品用生地から製造され
る焼成品は、例えば、パン類、ドーナツ、パイ、ピザ、
ホットケーキ、スポンジケーキ、クレープ等の酵母菌発
酵焼成食品、例えば饅頭、うどん類、そば類、パスタ
類、餃子等の酵母発酵によらない非焼成食品などであ
り、ヒトまたは哺乳動物にとって安全な原料で製造され
たものであるので、通常の方法で安全に食することがで
きる。上記においてパン類とは、食パン、あんパン、ハ
ードロール、ソフトロール、ピザ、パイ、中華マン、ド
ーナツ、冷凍パン、蒸しパン、揚げパンなどをいう。
【0011】
【実施例】以下に実施例および試験例をあげて本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。
【0012】〔実施例1〕 ペントサナーゼ 0.2% リパーゼ 3.0% グルコアミラーゼ 1.5% アセロラ粉末 3.0% デキストリン 92.3% 上記成分を配合して、冷凍パン用生地改良剤を製造し
た。%は重量%を示す。
【0013】〔実施例2〕下記の配合、工程により菓子
パンの冷凍生地を作製し、各保存期間後の製パン比容積
と食感を比較した。 強力粉 100重量部 イースト 4.5重量部 砂糖 20重量部 食塩 1.2重量部 ショートニング 15重量部 脱脂粉乳 2重量部 卵 15重量部 実施例1の生地改良剤 1重量部 水 44重量部 ミキシング L4分M4分↓L2分M5分H1分 ミキシングは、低速4分中速4分後、ショートニングを
投入し、更に、低速2分中速5分高速1分で生地を作製
した。 捏上温度 26℃ フロアタイム 40分 分割重量 75g(ロール) 冷凍条件 −40℃ 40分後 −20℃保存 室温解凍 60分 ホイロ条件 38℃ 80% 60分 焼成 上火220℃ 下火190℃ 10分 この冷凍パン用生地の製造のための混捏時において、生
地の製造用機械への付着は認められず、冷凍パン用生地
の伸展性も優れていた。
【0014】〔試験例1〕 菓子パン 上記実施例1の改良剤をイーストフード0.1重量部、
モノグリセリン脂肪酸エステル0.3重量部に置き換え
て製造した。 〔結果1〕 生地の冷凍期間と製パン比容積 1日後 2日後 3日後 7日後 実施例2 5.6 5.4 5.2 5.0 試験例1 5.5 5.1 4.8 4.4 食 感 初日 2日後 4日後 7日後 実施例2 ◎ ◎ ○ △ 試験例1 ◎ △ × × ◎:ソフトでしっとり感がある ○:ソフトだがしっとり感が少ない △:ややぱさつく ×:かなりぱさつく 上記の実施例によって得られる、本発明の改良剤を含む
冷凍パン用生地を常法に従い焼いて得られるパンは、ボ
リューム感、柔らか感、食感、風味に優れ、老化時間も
長いことが分かった。
【0015】
【発明の効果】本発明の改良剤を添加した焼成品用生地
は、焼いた後もボリューム感、柔らか感、食感、風味に
優れ、老化時間も長い。また、製造用機械に付着しにく
く、伸展性にも優れている。また、焼色も良い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A21D 13/00 A21D 13/00 13/08 13/08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)アセロラ果実またはその処理物お
    よび(2)ペントサナーゼ、リパーゼ、グルコアミラー
    ゼおよびヘミセルラーゼからなる群から選ばれる1種ま
    たは2種以上とを含有することを特徴とする小麦粉製品
    用生地改良剤。
  2. 【請求項2】 アセロラ果実粉末、ペントサナーゼ、リ
    パーゼおよびグルコアミラーゼを含有することを特徴と
    する請求項1記載の改良剤。
  3. 【請求項3】 アセロラ果実粉末、ペントサナーゼ、リ
    パーゼ、グルコアミラーゼおよびヘミセルラーゼを含有
    することを特徴とする請求項1または2記載の改良剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の改良剤
    および小麦粉を含有することを特徴とする小麦粉製品用
    小麦粉ミックスまたは生地。
  5. 【請求項5】 アセロラ果実またはその処理物がビタミ
    ンCに換算して小麦粉100重量部に対して約0.00
    002〜0.2重量部であることを特徴とする小麦粉ミ
    ックスまたは生地。
  6. 【請求項6】 小麦粉製品がイースト菌発酵焼成食品で
    ある請求項4または5に記載の小麦粉ミックスまたは生
    地。
  7. 【請求項7】 イースト菌発酵焼成食品がパン類、パイ
    またはピザである請求項4〜6のいずれかに記載の小麦
    粉ミックスまたは生地。
  8. 【請求項8】 小麦粉製品が麺類、パスタ類、饅頭、餃
    子などの、イースト菌発酵によらない小麦粉製品である
    請求項4または5に記載の小麦粉ミックスまたは生地。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の生地改
    良剤、小麦粉ミックスまたは小麦粉生地を用いて製造し
    たことを特徴とする小麦粉製品。
JP2000034186A 2000-02-10 2000-02-10 小麦粉製品用生地改良剤、生地及び小麦粉製品 Pending JP2001224299A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000034186A JP2001224299A (ja) 2000-02-10 2000-02-10 小麦粉製品用生地改良剤、生地及び小麦粉製品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000034186A JP2001224299A (ja) 2000-02-10 2000-02-10 小麦粉製品用生地改良剤、生地及び小麦粉製品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001224299A true JP2001224299A (ja) 2001-08-21

Family

ID=18558556

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000034186A Pending JP2001224299A (ja) 2000-02-10 2000-02-10 小麦粉製品用生地改良剤、生地及び小麦粉製品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001224299A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2857223A1 (fr) * 2003-07-08 2005-01-14 Lesaffre & Cie Procede et composition de panification
US7094436B2 (en) 2002-08-16 2006-08-22 Nobuyoshi Kuraoka Frozen product of raw or boiled noodles of Japanese buckwheat (soba)
WO2006090935A1 (ja) * 2005-02-28 2006-08-31 Nichirei Foods Inc. アセロラ果実由来ペクチンおよびその用途
JP2013085490A (ja) * 2011-10-14 2013-05-13 Nisshin Flour Milling Inc 麺類
JP2013544105A (ja) * 2010-12-03 2013-12-12 セブ ソシエテ アノニム パン調製品のための事前配合小袋
WO2016056407A1 (ja) * 2014-10-06 2016-04-14 不二製油グループ本社株式会社 麺類の製造方法及び麺用ほぐれ改良剤
CN111296521A (zh) * 2020-03-17 2020-06-19 乐斯福(明光)有限公司 一种多功能复配面包营养预拌粉的制备方法
CN113907112A (zh) * 2021-09-23 2022-01-11 多麦(福建)食品有限公司 一种面包改良剂及全麦面包及全麦面包的制备方法
CN114651847A (zh) * 2020-12-23 2022-06-24 安琪酵母股份有限公司 一种馕饼品质改良剂及其应用
CN115702679A (zh) * 2021-08-11 2023-02-17 安琪酵母股份有限公司 一种解决馒头表皮起泡的粉状馒头改良剂

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7094436B2 (en) 2002-08-16 2006-08-22 Nobuyoshi Kuraoka Frozen product of raw or boiled noodles of Japanese buckwheat (soba)
FR2857223A1 (fr) * 2003-07-08 2005-01-14 Lesaffre & Cie Procede et composition de panification
WO2006090935A1 (ja) * 2005-02-28 2006-08-31 Nichirei Foods Inc. アセロラ果実由来ペクチンおよびその用途
JPWO2006090935A1 (ja) * 2005-02-28 2008-07-24 株式会社ニチレイフーズ アセロラ果実由来ペクチンおよびその用途
JP4782104B2 (ja) * 2005-02-28 2011-09-28 株式会社ニチレイフーズ アセロラ果実由来ペクチンおよびその用途
JP2013544105A (ja) * 2010-12-03 2013-12-12 セブ ソシエテ アノニム パン調製品のための事前配合小袋
JP2013085490A (ja) * 2011-10-14 2013-05-13 Nisshin Flour Milling Inc 麺類
WO2016056407A1 (ja) * 2014-10-06 2016-04-14 不二製油グループ本社株式会社 麺類の製造方法及び麺用ほぐれ改良剤
KR20170057448A (ko) 2014-10-06 2017-05-24 후지세유 그룹 혼샤 가부시키가이샤 면류의 제조방법 및 면용 분리 개량제
CN111296521A (zh) * 2020-03-17 2020-06-19 乐斯福(明光)有限公司 一种多功能复配面包营养预拌粉的制备方法
CN114651847A (zh) * 2020-12-23 2022-06-24 安琪酵母股份有限公司 一种馕饼品质改良剂及其应用
CN114651847B (zh) * 2020-12-23 2024-02-23 安琪酵母股份有限公司 一种馕饼品质改良剂及其应用
CN115702679A (zh) * 2021-08-11 2023-02-17 安琪酵母股份有限公司 一种解决馒头表皮起泡的粉状馒头改良剂
CN113907112A (zh) * 2021-09-23 2022-01-11 多麦(福建)食品有限公司 一种面包改良剂及全麦面包及全麦面包的制备方法
CN113907112B (zh) * 2021-09-23 2023-11-17 多麦(福建)食品有限公司 一种面包改良剂及全麦面包及全麦面包的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3456756B2 (ja) パン類の品質改良組成物およびそれを用いたパン類の製造法
JP5153610B2 (ja) 穀粉含有生地及びその製造方法
JP5249884B2 (ja) 酵素含有油中水型乳化油脂組成物
JP6616197B2 (ja) 冷凍又は冷蔵生地用パン類の品質改良剤、冷凍又は冷蔵パン類生地の製造方法、及び冷凍又は冷蔵生地を用いたパン類の製造方法
JP3380767B2 (ja) 製パン用品質改良剤
DE69830119T2 (de) Teigzusammensetzung und derer Herstellung
JP6721392B2 (ja) 製パン練り込み用油脂組成物
TW201517801A (zh) 麵包品質改良劑及麵包類之製造方法
JP2017176122A (ja) 製パン用油脂組成物および製パン用穀粉生地
JP2001224299A (ja) 小麦粉製品用生地改良剤、生地及び小麦粉製品
JP7451957B2 (ja) 製パン用油脂組成物、製パン用穀粉生地、製パン用穀粉生地の製造方法
JP2007325515A (ja) パン用品質改良剤ならびにそれを配合してなるパンおよびその製造方法
JP2011244777A (ja) 食パン類の製造方法
CN115868514A (zh) 冷冻生胚用改良剂
JP2004113051A (ja) 冷凍パン生地改良剤
JP7245715B2 (ja) パン類用品質向上剤、パン類の品質向上方法およびパン類の製造方法
WO2019188903A1 (ja) 酵素組成物
JP2001204377A (ja) 穀粉焼成品用生地改良剤およびそれを含有する穀粉焼成品用生地
JP6606130B2 (ja) 小麦粉膨化食品の製造方法
JPH10117668A (ja) サワードウの製造法
JP4430864B2 (ja) 製パン方法
JP7160071B2 (ja) 製パン用油脂組成物および製パン用穀粉生地
JPH08196200A (ja) 冷凍生地改良剤およびそれを用いる冷凍生地の製造方法
JP7316825B2 (ja) スクラッチ‐冷凍生地兼用改良剤及び当該剤を使用した加糖中種パンの製造方法
JP6086480B2 (ja) 冷凍生地の製造方法