JPH1096427A - ころ軸受装置 - Google Patents

ころ軸受装置

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JPH1096427A
JPH1096427A JP23927796A JP23927796A JPH1096427A JP H1096427 A JPH1096427 A JP H1096427A JP 23927796 A JP23927796 A JP 23927796A JP 23927796 A JP23927796 A JP 23927796A JP H1096427 A JPH1096427 A JP H1096427A
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JP
Japan
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lubricant
containing polymer
bearing
polymer member
peripheral surface
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Application number
JP23927796A
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English (en)
Inventor
Shinichi Shirota
伸一 城田
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1096427A publication Critical patent/JPH1096427A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/22Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings
    • F16C19/34Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for both radial and axial load
    • F16C19/38Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for both radial and axial load with two or more rows of rollers
    • F16C19/383Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for both radial and axial load with two or more rows of rollers with tapered rollers, i.e. rollers having essentially the shape of a truncated cone
    • F16C19/388Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for both radial and axial load with two or more rows of rollers with tapered rollers, i.e. rollers having essentially the shape of a truncated cone with four rows, i.e. four row tapered roller bearings

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Abstract

(57)【要約】 【課題】軸受のはめあい面に対する長期間安定した潤滑
を可能として、はめあい面のかじりや、はめあい面から
の発熱による軸受の損傷を防止でき、又はめあい面から
軸受内への浸水を防止できる長寿命のころ軸受装置を提
供する。 【解決手段】外輪1及び内輪2と、外輪1と内輪2との
間に介在するころ3と、ころ3を保持する保持器4とを
有するころ軸受装置において、外輪1の外周面1g 及び
内輪2の内周面2n の少なくとも一方に溝10,11を
設け、その溝10,11に潤滑剤含有ポリマ部材13,
14を充填した。潤滑剤含有ポリマ部材13,14の自
己潤滑機能とシール機能とにより、長期間に及ぶ軸受性
能を保持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ころ軸受装置の改
良に係り、特に、軸受嵌合面の耐かじり性に優れ、且つ
軸受嵌合面からの浸水防止性に優れたころ軸受装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、各種機械設備の回転体の支持部
に種々の形式の軸受装置が使用されている。しかし、回
転体の一部で大きな荷重が負荷される場合には、グリー
ス封入タイプのころ軸受装置が使用される場合が多く、
例えば圧延機のロール軸受には4列円錐ころ軸受や4列
円筒ころ軸受が主として使用されている。図11は、ロ
ール交換が頻繁に行われるワークロールaの軸受とし
て、着脱の容易な4列円錐ころ軸受bを用いた場合を示
している。このころ軸受は、軸受の装着を容易にするた
め、軸やハウジングと軸受とのはめあいをルーズフィッ
トにしてあり、そのためクリープ現象を生じてハウジン
グ内径,軸外径,ロールネック等に損傷が発生する。そ
こで対策として、軸受のはめあい面に潤滑剤を塗布した
り、リン酸マンガン被膜形成,リン酸亜鉛被膜形成等の
化成処理が施される。
【0003】また、はめあい面から軸受内への水の侵入
を防止するために、オイルシールが装着される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ころ軸
受の装着時に、はめあい面に潤滑剤のグリースを塗布し
ても、時間経過とともにグリースが徐々にはめあい面か
ら流失するので、安定した潤滑効果が得られない。特に
圧延設備のロールネック軸受の場合は、圧延水のはめあ
い面への侵入により、軸受装着時に充填したグリースが
運転初期に流失してしまい、早期に潤滑効果が消失する
可能性があり、その結果、はめあい面にかじりが発生し
て回転体からの軸受の引き抜きができなくなったり、は
めあい面からの発熱により軸受の焼付きが発生して運転
続行が不可能になるおそれがあるという問題があった。
【0005】また、はめあい面に化成処理を施した場合
も、クリープにより化成処理被膜の摩滅が促進されるた
め、長期間安定した潤滑効果を保つことは困難であり、
その結果、はめあい面にかじりが発生したり、さらには
軸受の焼付きが発生して上記同様の事態に到る可能性が
あった。
【0006】また、圧延設備のロールネック軸受の場
合、はめあい面から軸受内への水の侵入防止のためにチ
ョックシールが設けられているが、そのシールリップが
摩耗するので長期間安定したシール性能を保持すること
は困難であるという問題点がある。
【0007】そこで、本発明は、上記従来のころ軸受装
置の問題点に着目してなされたものであり、軸受のはめ
あい面に対する長期間安定した潤滑を可能として、はめ
あい面のかじりや、はめあい面からの発熱による軸受の
損傷を防止できる長寿命のころ軸受装置を提供すること
を目的とする。また本発明は、はめあい面の損傷を防止
できるとともにはめあい面から軸受内への浸水を防止で
きる長寿命のころ軸受装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の請求項1に係る発明は、外輪及び内輪と、
当該外輪と内輪との間に介在するころと、ころを保持す
る保持器とを有するころ軸受装置において、外輪の外周
面及び内輪の内周面の少なくとも一方に、潤滑剤含有ポ
リマ部材を装着したことを特徴とするものである。
【0009】ここで、前記潤滑剤含有ポリマ部材の装着
は、外輪の外周面及び内輪の内周面の少なくとも一方に
溝を設け、当該溝に充填して行うことができる。また、
前記潤滑剤含有ポリマ部材の装着は、外輪の外周面及び
内輪の内周面の少なくとも一方に、潤滑剤含有ポリマ部
材を充填したスリーブを装着して行うことができる。こ
のように潤滑剤含有ポリマ部材をスリーブを介して装着
すると、潤滑剤含有ポリマ部材の交換をスリーブごと行
うことができて、ころ軸受装置使用現場でのメインテナ
ンスが容易にできるいう利点がある。
【0010】本発明のころ軸受装置は、はめあい面がク
リープを生じた場合にも、潤滑剤含有ポリマ部材から潤
滑剤が経時的に徐々にしみ出して、はめあい面にくまな
く供給され油膜が形成される結果、クリープ面に作用す
る摩擦力が低減されてかじり損傷が抑制される。
【0011】また、圧延設備用ロールネック軸受のよう
に多量の水が介在する使用条件下でも、潤滑剤含有ポリ
マ部材自体がシール部材として機能して、ロールネック
面の潤滑のみならず、軸受内への浸水防止が果たされ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るころ軸受装
置の実施形態を、図面を参照して説明する。図1は、一
実施形態である密封4列円錐ころ軸受の要部の拡大断面
図である。
【0013】このころ軸受装置は、圧延機設備のロール
ネック軸受として使用される。先ず構成を説明すると、
図において、1は外輪、2は内輪である。その外輪1と
内輪2との間に、4列の円錐ころ3が保持器4に保持さ
れて装着されている。
【0014】外輪1の外周面1gには、断面台形の溝1
0が環状に複数列形成してある。また、内輪2の内周面
2nにも、同じく断面台形の溝11が環状に複数列形成
してあり、そのうち内輪2の中央部の溝11は、分割さ
れた2個の内輪2A,2Bの合わせ面12を跨いで形成
されている。そして、上記外輪外周面1gの各溝10に
は潤滑剤含有ポリマ部材13がそれぞれ充填されてい
る。また、内輪内周面2nの各溝11にも、同じく潤滑
剤含有ポリマ部材14がそれぞれに充填されている。こ
れらの潤滑剤含有ポリマ部材13及び潤滑剤含有ポリマ
部材14は、後述のようなポリマと潤滑剤との混合物、
または熱硬化性合成樹脂と潤滑剤との混合物を、予め所
定寸法,形状の環状体に成形して固化させたもので、そ
の弾性変形を利用して各溝10,11に嵌め込み装着さ
れる。それらの溝10,11及び充填された潤滑剤含有
ポリマ部材13,14の断面形状は必ずしも台形とは限
られず、その他の四角形または他の形状でもよいが、こ
のように断面台形にすると潤滑剤含有ポリマ部材13,
14の脱落を防止し易い利点がある。
【0015】なお、軸受両端部の外周面にはOリング1
5を取り付けて外輪1の外周面1gと外部とを遮断し、
密封している。また、軸受両端部の外側面にはオイルシ
ール16を取り付けて回転する内輪2内部への浸水防止
を図っている。
【0016】以下に、本発明に適用できる潤滑剤含有ポ
リマ部材の例を詳しく説明する。本発明のころ軸受に使
用する潤滑剤含有ポリマ部材は、ポリエチレン,ポリプ
ロピレン,ポリブチレン,ポリメチルペンテン等のポリ
α−オレフィン系ポリマの群から選定したポリマに、潤
滑剤としてポリα−オレフィン油のようなパラフィン系
炭化水素油、ナフテン系炭化水素油、鉱油、ジアルキル
ジフェニルエーテル油のようなエーテル油、フタル酸エ
ステル,トリメリット酸エステルのようなエステル油等
の何れかを単独若しくは混合油の形で混ぜて調整した混
合物である。
【0017】前記ポリマの群は、分子構造は同じでその
平均分子量が異なっており、1×103 〜5×106
範囲におよんでいる。その中で、平均分子量1×103
〜1×106 という比較的低分子量のものと、1×10
6 〜5×106 という超高分子量のものとを、単独もし
くは必要に応じて混合して用いる。
【0018】また、必要に応じて前記ポリマに酸化防止
剤,錆止め剤,摩耗防止剤,あわ消し剤,極圧剤等の各
種添加剤を加えてもよい。前記潤滑剤含有ポリマ部材の
組成比は、全重量に対してポリα−オレフィン系ポリマ
20〜80重量%、潤滑剤80〜20重量%である。ポ
リα−オレフィン系ポリマが20重量%未満の場合は、
あるレベル以上の硬さ・強度等が得られない。また、ポ
リα−オレフィン系ポリマが80重量%を越える場合
(つまり、潤滑剤が20重量%未満の場合)は、潤滑剤
の供給が少なくなり、摺動部分の摩耗低減効果が少なく
なる。
【0019】更に、特に耐熱性を要求される場合には、
上述のポリα−オレフィン系ポリマの代わりに、次のよ
うな熱硬化性樹脂をベースにした潤滑剤含有ポリマ部材
が好適である。
【0020】その熱硬化性樹脂としては、ジアリルフタ
レート系樹脂,フェノール系樹脂及びポリカルボジイミ
ド系樹脂を挙げることができる。より具体的には、ジア
リルフタレート系樹脂は、ジアリルフタレート,ジアリ
ルイソフタレート,ジアリルテレフタレートのモノマー
あるいはプリポリマーのそれぞれ単独重合体(ホモポリ
マー)、これらの中の2つ以上のモノマーあるいはプリ
ポリマーの共重合体及びこれらの単独重合体と共重合体
との混合物である。
【0021】このジアリルフタレート系樹脂は、そのま
までは加熱硬化させることができないので、通常、過酸
化物を硬化剤(重合開始剤)として用いる必要がある。
過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド,m−ト
ルオイルパーオキサイド,t−ブチルパーオキサイド,
t−ブチルパーオキシベンゾエート,ジ−t−ブチルパ
ーオキシイソフタレート,2,5−ジメチル−2,5−
ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン,ジクミルパーオ
キサイドなどを用いることができる。これら硬化剤は、
重合に際して樹脂に対して数重量%程度、通常は1重量
%程度、添加される。
【0022】本発明で使用できるフェノール系樹脂は、
レゾールタイプの純フェノール樹脂,ノボラックタイプ
の純フェノール樹脂及び種々の変性フェノール樹脂であ
る。変性フェノール樹脂としては、例えばカシュー変性
フェノール樹脂(ノボラックタイプ,レゾールタイ
プ),油変性フェノール樹脂(ノボラックタイプ)など
が使用できる。
【0023】ノボラックタイプのフェノール樹脂は、そ
のままでは硬化せず、硬化剤としてヘキサミンあるいは
レゾールタイプのフェノール樹脂を添加する必要があ
る。それに対してレゾールタイプのフェノール樹脂は、
無添加で加熱硬化する。
【0024】また、油変性フェノール樹脂は、硬化時に
潤滑油を保持する能力が弱く、単独では使用できないた
め、他のフェノール樹脂を混合して使用する必要があ
る。本発明で用いることのできるポリカルボジイミド系
樹脂は、無添加で加熱硬化する。
【0025】上記熱硬化性樹脂と混合して本発明で使用
できる潤滑剤としては、前記熱硬化性樹脂との相溶性を
有することが必要であり、例えばジイソデシルフタレー
ト,ジ−2−エチルヘキシルセバケート,トリ−2−エ
チルヘキシルトリメリテートなどのエステル油、ポリオ
ールエステル油,オクタデシルジフェニルエーテル,テ
トラフェニルエーテル,ペンタフェニエーテルなどのフ
ェニルエーテル油を挙げることができる。
【0026】また、本発明においては、前記潤滑剤の代
わりに該潤滑剤を基油とするグリースを使用することが
できる。その場合、潤滑剤にリチウム石けん等の公知の
金属石けん類を適量添加して調合される。
【0027】なお、本発明の潤滑剤含有ポリマ部材の機
械的強度の補強や、成形性向上の目的で、次のような各
種充填材を添加してもよい。例えば、炭酸カルシウムや
タルク,シリカ,クレー,マイカ等の鉱物類、チタン酸
カリウムウィスカー,ホウ酸アルミニウムウィスカー等
の無機ウィスカー類、或いはガラス繊維やアスベスト,
石英ウール,金属繊維等の無機繊維類及びこれらを布状
に編組したもの、また有機化合物では、カーボンブラッ
ク、黒鉛粉末、カーボン繊維,アラミド繊維やポリエス
テル繊維或いはポリイミドやポリベンゾイミダゾール等
の各種熱硬化性樹脂を添加することができる。更に、潤
滑剤含有ポリマ部材の熱伝導性を向上させる目的で、カ
ーボン繊維,金属繊維,黒鉛粉末,金属粉末,酸化亜鉛
粉末等を添加してもよい。
【0028】更に、前記潤滑剤含有ポリマ部材には、高
吸油高分子であるポリプロピレン,ポリスチレン,ポリ
エチレン,ポリウレタン,ポリメタクリル酸エステル等
のアクリル系樹脂或いはポリノルボルネンなどを用いた
ものであってもよい。
【0029】潤滑剤含有ポリマ部材13,14の製作に
際して、ポリα−オレフィン系ポリマーベースのものの
場合は、所定の金型に当該樹脂と潤滑剤との混合物を充
填して、ポリマの融点以上の温度で加熱溶融した後、冷
却して固化させる。
【0030】一方、熱硬化性樹脂ベースのものの場合
は、当該樹脂と潤滑剤との混合物を所定の金型に充填し
てから、適当な温度に加熱することで固化できる。次に
作用を説明する。
【0031】上記のころ軸受装置を、例えば圧延機設備
のワークロールのロールネック軸受として使用すると、
軸やハウジングと軸受とのはめあいをルーズフィットに
してあるから、はめあい面にクリープ現象を生じる。し
かし、潤滑剤含有ポリマ部材13,14から潤滑剤が経
時的にに徐々にしみ出して、はめあい面にくまなく供給
され油膜が形成されるので、クリープ面に作用する摩擦
力が低減される。その結果、軸受のはめあい面に対する
長期間安定した潤滑が可能となり、ハウジング内径,軸
外径,ロールネック等のかじり損傷が抑制される。
【0032】また、ワークロールに供給される多量の水
が、例えば内輪2の内周面2nと軸外周面との間のすき
間から侵入しようとするが、その場合は、内輪の内周面
2nに設けた溝11に装着されている潤滑剤含有ポリマ
部材14がシール機能を発揮して浸水を防止する。更
に、2個の内輪2A,2Bの合わせ面12においても、
その合わせ面12を跨いで装着されている潤滑剤含有ポ
リマ部材14の密封作用で、軸受内部への水の侵入は完
全に防止することが可能である。
【0033】図2に、本発明のころ軸受装置の第2の実
施形態を示す。このものは、回転側であるころ軸受装置
の内輪2の内周面2nにのみ、スパイラル状の溝20を
設けて、その溝20内に上記同様に潤滑剤含有ポリマ部
材21を装着した点が上記第1の実施形態とは異なって
いる。
【0034】第1の実施形態の潤滑剤含有ポリマ部材1
4のように、各溝11に合わせてそれぞれ専用の金型で
環状に成形しないでも、潤滑剤含有ポリマ部材21を長
い紐状に形成したものをスパイラル状の溝20に嵌め込
んでいけばよく、長さを調整することにより他のサイズ
の軸受にも適用可能となる利点がある。また、金型も汎
用化できて安価になる利点がある。その他の作用効果
は、第1の実施形態の潤滑剤含有ポリマ部材の場合と同
様である。
【0035】図3〜図5に、本発明のころ軸受装置の第
3の実施形態を示す。このものは、軸受サイズが大きく
なると、円環状や紐状の潤滑剤含有ポリマ部材では金型
が大型になってしまい費用が嵩むという点に対処するも
ので、略短冊状の潤滑剤含有ポリマ部材21を複数組み
合わせて用いるようにしたものである。図3は、大型軸
受の内輪2の内周面の溝11に、例えば12枚の短冊状
の潤滑剤含有ポリマ部材21を相互に接合させて嵌め込
み、全体として連続した環状に充填した場合である。各
短冊状の潤滑剤含有ポリマ部材21の単体同士の接合面
22は、例えば図4(1),(2)に示すような凹凸の
噛合形状にすることによりシール性能を保持する。もっ
とも、潤滑剤含有ポリマ部材21の自己潤滑機能のみが
必要で、シール性能は要求されない仕様の場合には、図
5に示すように、短冊状の潤滑剤含有ポリマ部材21を
円周方向に間隔をおいて点在させるように配置してもよ
い。
【0036】このような略短冊状の潤滑剤含有ポリマ部
材21は、大型軸受の外輪1の外周面1gの環状の溝1
0や、図2のようなスパイラル状の溝20に対しても適
用できる。いずれにしても、短冊状の潤滑剤含有ポリマ
部材21であれば小さな金型で成形可能であり、安価に
できる利点がある。また、サイズの異なる軸受にも適用
できるという利点がある。その他の作用効果は、第1の
実施形態の潤滑剤含有ポリマ部材の場合とほぼ同様であ
る。
【0037】図6に、本発明のころ軸受装置の第4の実
施形態を示す。このものは、比較的サイズの小さい軸受
に好適に適用できるもので、潤滑剤含有ポリマ部材21
を充填する溝11を設けた内輪2の内周面2n(及び/
又は、溝10を設けた外輪1の外周面1g)に、金型と
してのスリーブ30を装着し、その溝11に直接に潤滑
剤含有ポリマ部材21用の原料混合物を注入して固化さ
せることにより潤滑剤含有ポリマ部材21を充填したも
のである。
【0038】潤滑剤含有ポリマ部材21用の原料混合物
のポリマがポリα−オレフィン系ベースのものの場合
は、その原料混合物を溝11に注入してから、当該ポリ
マの融点以上の温度まで軸受内輪ごと加熱した後に冷却
して固化させる。
【0039】一方、潤滑剤含有ポリマ部材21用の原料
混合物が、上記ポリマの代わりに熱硬化性樹脂をベース
にしたものの場合には、その原料混合物を溝11に注入
してから、当該熱硬化性樹脂が硬化する温度に加熱する
ことで固化させる。
【0040】いずれも、固化後に、金型として用いたス
リーブ30を取り外して充填が完了する。なお、原料混
合物の加熱温度は、同時に加熱される軸受の機能を損な
わない温度とし、具体的には80〜110℃である。
【0041】このようにして、原料混合物を直接に溝に
注入し、固化させて充填した潤滑剤含有ポリマ部材の場
合は、溝と潤滑剤含有ポリマ部材との密着性が高くな
り、優れたシール機能が得られるという利点がある。そ
の他の作用効果は、第1の実施形態の潤滑剤含有ポリマ
部材の場合とほぼ同様である。
【0042】なお、上記各実施形態では、圧延機設備の
4列円錐ころ軸受に本発明を適用した場合を説明した
が、これに限られず、次に述べるようなその他のころ軸
受にも適用可能である。
【0043】図7に、本発明のころ軸受装置の第5の実
施形態を示す。この実施形態は、潤滑剤含有ポリマ部材
を交換の容易なカートリッジタイプにしてころ軸受に適
用した例である。
【0044】すなわち、グリース封入形単列円筒ころ軸
受の要部拡大断面図である図7に示すように、外輪1と
内輪2との間に、単列の円筒ころ3が保持器4に保持さ
れて装着されている軸受には、外輪1の外周面1gにス
リーブ5及び内輪2の内周面2nにスリーブ6が、それ
ぞれ締め代をもって装着されている。各スリーブ5,6
は外輪,内輪と同等の硬さを有しており、外輪用のスリ
ーブ5には、その肉厚を半径方向に貫通するテーパ状の
穴31が円周方向及び軸方向にわたり全面的に多数個設
けられている。それらのテーパ状の穴31は、外輪1の
側の直径がスリーブ外径側の直径より大きくなってい
る。一方、内輪用のスリーブ6にも、その肉厚を半径方
向に貫通するテーパ状の穴32が円周方向及び軸方向に
わたり全面的に多数個設けられている。それらのテーパ
状の穴32は、内輪2の側の直径がスリーブ内径側の直
径より大きくなっている。そして、前記穴31に円錐台
状の滑剤含有ポリマ部材33が、また穴32に同じく円
錐台状の滑剤含有ポリマ部材34が、それぞれ嵌め込ん
である。これらの滑剤含有ポリマ部材33,34は、第
1の実施形態において述べた成形方法と同様に、所定の
金型を使用して予め成形しておいたものである。7はグ
リース密封用のシールである。
【0045】なお、図7は、軸受の外輪及び内輪の双方
に潤滑剤含有ポリマ部材充填のスリーブを装着した場合
を示しているが、必ずしも双方とは限らず、軸受使用状
況や環境等に応じて何れか一方にのみ装着するようにし
ても良い。
【0046】この第5の実施形態にあっては、外輪用の
スリーブ5とハウジングとのはめあい面及び/又は内輪
用のスリーブ6と軸とのはめあい面に、滑剤含有ポリマ
部材33,34からそれぞれ、潤滑剤が徐々にしみ出し
て潤滑作用を行い、長期間の安定した潤滑が可能にな
る。
【0047】図8は、上記図7に示すものの変形例であ
って、スリーブ5,6に設ける穴31,32及びこれに
嵌合する潤滑剤含有ポリマ部材33,34の形状を、単
純なテーパ状とする代わりに、テーパ穴と円筒穴との組
み合わせ形状にしている。この場合、潤滑剤含有ポリマ
部材33,34は弾性変形を利用して各穴31,32に
嵌め込むことができる。このような形状にすると、スリ
ーブ5を外輪1の外周面1gに、またスリーブ6を内輪
2の内周面2nに装着する際に、予め穴31,32に嵌
着してある潤滑剤含有ポリマ部材33,34がスリーブ
5,6から脱落することを完全に防止できる利点があ
る。
【0048】いずれにしても、上記第5の実施形態によ
れば、潤滑剤含有ポリマ部材33,34を小さな金型で
成形することができ、しかも軸受のサイズの大小にかか
わらず適用可能であるから、軸受の種類やサイズ毎に金
型を起こす必要はなく、汎用化することが容易でコスト
の面で大変効果的である。
【0049】また、潤滑剤含有ポリマ部材33,34を
スリーブ5,6に充填したカートリッジタイプであるか
ら、長時間にわたる軸受の作動により潤滑剤含有ポリマ
部材33,34中の潤滑剤が減少した場合にも、予めス
リーブに潤滑剤含有ポリマ部材を充填したカートリッジ
を補充用に準備しておくことで、現場でスリーブごと交
換することが可能になり、保守作業が極めて容易にでき
るという効果を奏する。
【0050】図9,図10に、本発明のころ軸受装置の
第6の実施形態を示す。この実施形態もカートリッジタ
イプの例であるが、グリース封入形の円筒ころ軸受の内
外輪用のスリーブに嵌合する潤滑剤含有ポリマ部材の形
状が上記図7,図8の場合と異なる。
【0051】図9(a)は外輪用のスリーブ5の半径方
向断面図で、スリーブ内周面5nに、スリーブ軸方向長
さより僅かに軸方向長さの短い円筒状の溝40を設ける
と共に、その溝40からスリーブ5の外周面5gに抜け
る円筒状の穴41を、スリーブの円周方向及び軸方向に
わたり多数個設けている。穴41はスリーブ外周面5g
側の直径を大きくして段部を形成することにより、スリ
ーブ5が外輪1に装着される以前の状態で潤滑剤含有ポ
リマ部材42が脱落するのを防止している。
【0052】そして、このスリーブ5を金型に挿入し
て、溝40及びそれらの穴41に、溶融状態とされた潤
滑剤含有ポリマ部材42を充填し固化させて形成されて
いる。図9(b)は内輪用のスリーブ6の半径方向断面
図で、スリーブ外周面6gに、円筒状の溝43を設ける
と共に、その溝43からスリーブ6の内周面6nに抜け
る円筒状の穴44(スリーブ内周面6n側の直径を大き
くして段部を形成)を、スリーブの円周方向及び軸方向
にわたり多数個設けて、溝43及びそれらの穴44に潤
滑剤含有ポリマ部材45が充填されている。
【0053】この実施形態の場合は、溝40,43の部
分にも潤滑剤が保有されるから、潤滑剤供給量が多くな
る利点がある。その他の作用効果は上記第5の実施形態
の場合と同様である。
【0054】なお、潤滑剤含有ポリマ部材42(45)
は、図10(a)に示すような半径方向断面形状及び図
10(b)に示すような円周方向断面形状に予め別途に
成形した円環状のものをスリーブ5,6に嵌め込んでも
良いし、あるいは円環状の円周方向断面形状を複数の短
冊状に分割した形状に成形したものを、図3の場合と同
様に互いに密着させて組みこみ全体として連続した円環
状にしても良い。または、図5の場合と同様に、短冊状
に分割した形状のものを円周方向に間隔をおいて不連続
に点在させるように配置しても良い。短冊状の潤滑剤含
有ポリマ部材42,45であれば小さな金型で成形可能
であり、安価にできる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るころ
軸受装置は、外輪の外周面と内輪の内周面との少なくと
も一方に装着した潤滑剤含有ポリマ部材が自己潤滑機能
を発揮して、潤滑剤が経時的に徐々にしみ出し長期間に
わたり軸受嵌合面にくまなく供給されるため、長期間安
定した潤滑効果を保つことが可能となり、その結果軸受
嵌合面にかじりが発生したり、焼付きが発生して運転不
可能になる事態を防止できるという効果を奏する。
【0056】また、潤滑剤含有ポリマ部材のシール機能
により、例えば圧延機のロール軸受の場合のように水が
軸受嵌合面から軸受内部に侵入し易い使用態様でも、そ
の浸水を防止してグリースが運転初期に流失してしまう
事態を防止し、長期間安定した潤滑効果を保つことがで
きるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の要部を軸方向に切断
した半断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態の要部を軸方向に切断
した半断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態の溝に充填した潤滑剤
含有ポリマ部材を軸と直角方向に切断した断面図であ
る。
【図4】図3に示す潤滑剤含有ポリマ部材同士の端面接
合形状を例示した図である。
【図5】図3に示す潤滑剤含有ポリマ部材の分散配置を
示す断面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態の溝に充填した潤滑剤
含有ポリマ部材を軸と直角方向に切断した断面図であ
る。
【図7】本発明の第5の実施形態の要部を軸方向に切断
した半断面図である。
【図8】(a)は図7のXIII−XIII線断面で示す穴形状
図、(b)は同じく潤滑剤含有ポリマ部材の形状図であ
る。
【図9】(a)は本発明の第6の実施形態における外輪
用のスリーブを軸方向に切断した半断面図、(b)は内
輪用のスリーブを軸方向に切断した半断面図である。
【図10】(a)は図9(a)に示す潤滑剤含有ポリマ
部材を軸方向に切断した半断面図、(b)は軸直角方向
に切断した半断面図である。
【図11】従来のころ軸受装置の使用態様の一例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 外輪 2 内輪 3 ころ 4 保持器 5 スリーブ(外輪用) 6 スリーブ(内輪用) 10 溝(外輪の) 11 溝(内輪の) 13 潤滑剤含有ポリマ部材(外輪の) 14 潤滑剤含有ポリマ部材(内輪の) 20 溝(スパイラル状の) 21 潤滑剤含有ポリマ部材(内輪側の) 33 潤滑剤含有ポリマ部材(外輪側の) 34 潤滑剤含有ポリマ部材(内輪側の) 42 潤滑剤含有ポリマ部材(外輪側の) 45 潤滑剤含有ポリマ部材(内輪側の)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外輪及び内輪と、当該外輪と内輪との間
    に介在するころと、ころを保持する保持器とを有するこ
    ろ軸受装置において、外輪の外周面及び内輪の内周面の
    少なくとも一方に、潤滑剤含有ポリマ部材を装着したこ
    とを特徴とするころ軸受装置。
JP23927796A 1996-07-30 1996-09-10 ころ軸受装置 Pending JPH1096427A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003074573A (ja) * 2001-09-04 2003-03-12 Yaskawa Electric Corp 電動機
JP2014185765A (ja) * 2013-03-25 2014-10-02 Sumitomo Heavy Ind Ltd 偏心揺動型の減速機構を有する減速装置

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