JP2000120706A - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

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JP2000120706A
JP2000120706A JP10298581A JP29858198A JP2000120706A JP 2000120706 A JP2000120706 A JP 2000120706A JP 10298581 A JP10298581 A JP 10298581A JP 29858198 A JP29858198 A JP 29858198A JP 2000120706 A JP2000120706 A JP 2000120706A
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bearing
seal
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polymer
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JP10298581A
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Toyohisa Yamamoto
豊寿 山本
Shunichi Yabe
俊一 矢部
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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Publication date
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    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/66Special parts or details in view of lubrication
    • F16C33/6637Special parts or details in view of lubrication with liquid lubricant
    • F16C33/664Retaining the liquid in or near the bearing
    • F16C33/6648Retaining the liquid in or near the bearing in a porous or resinous body, e.g. a cage impregnated with the liquid
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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Abstract

(57)【要約】 【課題】潤滑剤による外部環境の汚染が生じない転がり
軸受であって、高速回転時にも好適に使用でき、且つ水
や水溶液のミスト等が存在する環境下で使用されても長
期に亘って潤滑性を維持することができる転がり軸受を
提供する。 【解決手段】内輪2と外輪3との間を軸方向の端部でシ
ール6により塞ぐ。シール6より内側の軸受内部空間
に、潤滑剤含有ポリマ7を充填して固化する。その際
に、潤滑剤含有ポリマ7と内輪2の外周面および外輪3
の内周面との間に隙間8,9を設ける。これに加え、シ
ール6として、金属環63と弾性部材64とで構成され
た接触型シールを用い、そのリップ部64aが接触する
密封面21の表面粗さ(表面凹凸の最大値:Rmax )を
30μm以下とすることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑剤による外部
環境の汚染が生じない転がり軸受であって、高速回転時
にも好適に使用でき、且つ水や水溶液のミストまたは飛
沫が存在する環境下で使用されても長期に亘って潤滑性
を維持することができる転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、転がり輸受は、外周面に内輪軌
道を有する内輪と、内周面に外輪軌道を有する外輪と、
内外輪の軌道間に転動自在に設けられた複数個の転動体
と、これら複数個の転動体を、内外輪の軌道間で案内保
持する保持器とで構成されている。このような転がり軸
受の潤滑は、通常、潤滑油やグリースを軸受に循環供給
したり、軸受内部に封入したりすることにより行なわれ
ている。また、水や水溶液等のミストまたは飛沫が存在
する環境下では、軸受内部にこれらが浸入することを防
止する必要がある。
【0003】そのため、例えば、実開昭55−3400
2号公報や実開昭57−56218号公報には、潤滑油
やグリースを軸受空間に充填して潤滑を行うとともに、
軸受に接触型シールやラビリンスシールを設けて、軸受
内部に水等が浸入することを防止する技術が開示されて
いる。
【0004】しかしながら、接触型シールは軸受の回転
に伴ってシールのリップ部が摩耗するため、リップ部と
シール面との間に隙間が生じる恐れがあり、この隙間か
ら水等が浸入することを完全に防止することはできな
い。同様に、ラビリンスシールも隙間から水等が浸入す
ることを完全に防止することはできない。また、特に高
温および真空環境下では、軸受の回転時に、潤滑油やグ
リースが軸受の外部に飛散したり、蒸発してガスを放出
することによって、軸受の外部環境を汚染する恐れがあ
る。
【0005】そのため、例えば、クリーンルーム、半導
体素子製造装置、液晶パネル製造装置、ハードディスク
製造装置等のように清浄な環境を必要とする場合には、
シール付き軸受であっても、潤滑に潤滑油やグリースを
使用することはできない。
【0006】そこで、最近では、潤滑油やグリースの代
わりに、軸受内部空間に潤滑剤含有ポリマを充填して固
化させ、この潤滑剤含有ポリマにより潤滑を行う方法が
提案されている(特公昭62−60565号公報、実開
平6−73447号公報等参照)。潤滑剤含有ポリマ
は、ベースとなる合成樹脂に潤滑剤が分散配合されたも
のであり、ベースの樹脂が熱可塑性樹脂であれば、その
融点以上に加熱した状態で軸受内部に充填した後に冷却
することにより固化される。ベースの樹脂が熱硬化性樹
脂であれば、これを軸受内部に充填した後に加熱して固
化する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、潤滑剤
含有ポリマにより潤滑を行う方法においては、軸受回転
時に、内輪または外輪は潤滑剤含有ポリマと接触しなが
ら回転するため、潤滑剤含有ポリマが内輪または外輪の
動きを阻害する。これにより、トルクが高くなるため、
潤滑剤含有ポリマを設けた転がり軸受は、高速回転用と
しては使用困難であるという問題がある。また、潤滑剤
含有ポリマと内輪または外輪との接触面で発生する摩擦
熱により、昇温速度が速くなるため、潤滑剤含有ポリマ
からの潤滑剤の放出速度が速くなって、潤滑寿命が短く
なる恐れがある。
【0008】本発明は、このような従来技術の問題点に
着目してなされたものであり、潤滑剤による外部環境の
汚染が生じない転がり軸受であって、高速回転時にも好
適に使用でき、且つ水や水溶液のミストまたは飛沫が存
在する環境下で使用されても長期に亘って潤滑性を維持
することができる転がり軸受を提供することを課題とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、内輪と外輪との間が軸方向の端部でシー
ルにより塞がれていて、シールより内側の軸受内部空間
に潤滑剤含有ポリマが充填されて固化されており、この
潤滑剤含有ポリマと内輪の外周面および/または外輪の
内周面との間に隙間が設けてあることを特徴とする転が
り軸受を提供する。
【0010】本発明の転がり軸受によれば、潤滑剤含有
ポリマと内輪の外周面および/または外輪の内周面との
間に隙間が設けてあるため、軸受回転時に、内輪または
外輪は潤滑剤含有ポリマと接触しないで回転する。これ
により、潤滑剤含有ポリマが内輪または外輪の動きを阻
害することがないし、潤滑剤含有ポリマからの潤滑剤の
放出は長時間に亘ってなされるようになる。また、シー
ルが設けてあるため、シールを設けていない場合と比較
して、軸受外部から軸受内部へ水等が侵入し難くなる。
【0011】前記隙間は0.1mm以上1.0mm以下
であることが好ましい。隙間が0.1mm未満である
と、温度上昇時に潤滑剤含有ポリマが膨張して隙間が実
質的に無くなる恐れが有る。また、隙間が1.0mmを
超えるほど大きいと、その分だけ潤滑剤含有ポリマに含
まれる潤滑剤の量が少なくなるとともに、この隙間に異
物が侵入しやすくなる。また、前記隙間のより好ましい
範囲は0.3mm以上0.7mm以下である。
【0012】潤滑剤含有ポリマを、内輪の外周面および
/または外輪の内周面との間に隙間を設けた状態で配置
させる方法としては、例えば以下の方法がある。先ず、
設ける隙間の寸法に合わせた厚さのリング状のスペーサ
を用意する。そして、このスペーサを、シールを取り付
ける前の軸受に、軸方向両端側から、軌道面を除く内輪
の外周面および/または外輪の内周面に嵌合する。この
状態で潤滑剤含有ポリマを充填して固化した後、このス
ペーサを外す。
【0013】潤滑剤含有ポリマのベースとなる樹脂が熱
可塑性樹脂であれば、潤滑剤含有ポリマを射出成形によ
り充填することが容易であり、その場合には、隙間を設
ける部分に前記と同様のスペーサを備えた金型を用い
る。また、金型には、軸方向一端面の転動体同士の間と
なる位置にピンポイントゲートを設ける。
【0014】本発明の転がり軸受において使用可能な潤
滑剤含有ポリマは特に限定されず、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリメチルペンテ
ン等のポリオレフィン系樹脂から選択されたポリマに、
ポリα−オレフィン油等のα−オレフィンの重合油、ナ
フテン系油、鉱油、ジアルキルジフェニルエーテル油等
のエーテル油、フタル酸エステル等のエステル油から選
択された潤滑剤を単独でまたは2種類以上を組み合わせ
て混合したものが挙げられる。これらは、ポリマの融点
以上の温度に加熱した後に冷却することによって固化す
る。この潤滑剤含有ポリマは、酸化防止剤、錆止め剤、
摩耗防止剤、消泡剤、極圧剤等を含んでいてもよい。
【0015】潤滑剤含有ポリマ中のポリオレフィン系樹
脂の含有率は、全重量に対して10〜50重量%とし、
潤滑剤の含有率は90〜50重量%とする。ポリオレフ
ィン系樹脂の含有率が10重量%未満であると、固化後
に必要な硬さおよび機械的強度が得られない。その結
果、軸受の回転等によって負荷がかかった時に潤滑剤含
有ポリマが初期形状を保持するのが困難となり、軸受内
から脱落する等の不具合が生じる恐れがある。ポリオレ
フィン系樹脂の含有率が50重量%を超えると潤滑剤の
含有率は50重量%未満となるため、軸受に対する潤滑
剤の供給量が不十分となって軸受寿命が低下する。
【0016】ポリオレフィン系樹脂の平均分子量は7×
102 〜5×106 の範囲にあり、潤滑剤含有ポリマを
構成するポリマとしてポリオレフィン系樹脂を使用する
場合には、ポリオレフィン系樹脂を、平均分子量が7×
102 〜1×104 と低いもの(以下、「低分子量ポリ
オレフィン」と称する)、平均分子量が1×106 〜5
×106 と高いもの(従来より「超高分子量ポリオレフ
ィン」と称されている)、平均分子量がこれらの間の1
×104 〜1×106 であるもの(以下、「中分子量ポ
リオレフィン」と称する)の3種類に分類し、これらを
適宜組み合わせることによって、潤滑剤含有ポリマとし
て必要な性能を発揮させる。
【0017】潤滑剤含有ポリマを構成するポリマとし
て、超高分子量ポリオレフィンを多く含有するポリオレ
フィン系樹脂を使用すると、充填・固化後の潤滑剤含有
ポリマの機械的強度は向上するが、潤滑剤との親和性が
低いため潤滑剤含有ポリマによる潤滑作用が不十分とな
る。具体的には、潤滑剤含有ポリマから潤滑剤が滲み出
す速度が速くなって潤滑効果が長続きしないため、軸受
寿命が短くなる。
【0018】低分子量ポリオレフィンを多く含有するポ
リオレフィン系樹脂を使用すると、反対に、潤滑剤との
親和性が高いため潤滑剤含有ポリマによる潤滑作用が高
くなるが、充填・固化後の潤滑剤含有ポリマの機械的強
度は低下する。中分子量ポリオレフィンはこれらの中間
の性質を有するとともに、成形性が良い。
【0019】なお、低分子量ポリオレフィンとしてはポ
リエチレンワックス等が用いられるが、融点が100〜
130℃程度であるパラフィンワックスを用いてもよ
い。
【0020】このような機械的強度、潤滑効果、成形性
のバランスを考慮すると、潤滑剤含有ポリマを構成する
ポリオレフィン系樹脂としては、低分子量ポリオレフィ
ンは含まないか5重量%以下の割合で含有し、中分子量
ポリオレフィンは8〜48重量%の割合で含有し、超高
分子量ポリオレフィンは2〜15重量%の割合で含有す
るものを用いることが好ましい。
【0021】潤滑剤含有ポリマの充填・固化後の硬さ
は、HDA (スケールAを用いたデュロメータ硬さ)6
5〜90の範囲であることが好ましい。HDA 65未満
では機械的強度が不十分であり、軸受の回転によって破
損する恐れがある。HDA 90を超えると、転動体を拘
束する力が大きすぎて、軸受に生じるトルクが大きくな
ったり、軸受の回転に伴う発熱量が多くなって軸受温度
が上昇したりする恐れがある。より好ましい硬さの範囲
はHDA 70〜85である。
【0022】潤滑剤含有ポリマの充填・固化後の硬さを
高くして機械的強度を向上させるために、潤滑剤含有ポ
リマを構成するポリマとして、ポリオレフィン系樹脂に
以下のような熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を添加し
たものを使用してもよい。
【0023】ポリオレフィン系樹脂に添加する熱可塑性
樹脂としては、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、
ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、
ポリアミドイミド、ポリスチレン、ABS樹脂等が挙げ
られる。熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリイ
ミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの樹脂
は単独で添加しても良いし、2種類以上を添加しても良
い。
【0024】ポリオレフィン系樹脂にこのような熱可塑
性樹脂または熱硬化性樹脂を添加する場合には、添加す
る樹脂をポリオレフィン系樹脂により均一な状態で分散
させるために、必要に応じて適当な相溶化剤を加えても
よい。
【0025】また、潤滑剤含有ポリマの充填・固化後の
機械的強度を向上させるために、以下に示すような充填
剤を添加しても良い。このような充填剤としては、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、無機ウィスカー類(チ
タン酸カリウムウィスカーやホウ酸アルミニウムウィス
カー)、あるいは無機繊維類(ガラス繊維や金属繊維)
およびこれらを布状に編組したもの、カーボンブラッ
ク、黒鉛粉末、カーボン繊維、アラミド繊維、ポリエス
テル繊維等が挙げられる。
【0026】潤滑剤含有ポリマに対しては、さらに、ポ
リオレフィン系樹脂の熱による劣化を防止する目的で、
N,N’−ジフェニル−P−フェニルジアミン、2,
2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェ
ノール)等の老化防止剤を、光による劣化を防止する目
的で、潤滑剤含有ポリマに2−ヒドロキシ−4−n−オ
クトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−
3’−t−ブチルメチルフェニル)−5−クロロベント
リアゾール等の紫外線吸収剤などの各種添加剤を添加し
ても良い。
【0027】なお、潤滑剤含有ポリマに含まれるポリオ
レフィン系樹脂と潤滑剤以外の成分の添加量は、合計で
潤滑剤含有ポリマに対して20重量%以下の割合となる
ようにすることが好ましい。この添加量が20重量%を
超えると、潤滑剤の滲み出しによる潤滑能力が維持され
難くなる。
【0028】また、潤滑剤含有ポリマを構成するポリマ
は、上述のようなポリオレフィン系樹脂を主成分とした
ものに限定されない。ポリオレフィン系樹脂を主成分と
したもの以外で潤滑剤を多量に含有できるポリマとして
は、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等が挙げられ
る。
【0029】本発明の転がり軸受において、内輪、外
輪、および転動体等の材質は特に限定されず、例えばS
UJ2等の軸受鋼、SUS440C、SUS630、Y
HD50、ES−1(日本精工の社内コード)、LMS
125(日本精工の社内コード)等に代表されるステン
レス鋼、窒化珪素(Si3 4 )、炭化珪素(Si
C)、サイアロン(Sialon)、部分安定化ジルコ
ニア(ZrO2 )、硬質カーボン、およびアルミナ(A
2 3 )等セラミックスを用いることができる。な
お、社内コード「ES−1」のステンレス鋼の合金成分
の組成は、C:0.44〜0.46重量%、Si:0.
20〜0.40重量%、Mn:0.20〜0.40重量
%、Cr:12.8〜13.2重量%、N:0.09〜
0.18重量%である。社内コード「LMS125」の
ステンレス鋼の合金成分の組成は、C:0.60〜0.
70重量%、Si:1重量%以下、Mn:1重量%以
下、Cr:12.0〜13.5重量%である。
【0030】本発明の転がり軸受において、転動体の表
面または転動体全体がセラミックスにより形成されてい
ることが好ましい。この場合には、転動体がステンレス
鋼により形成されている場合よりも格段に耐食性が高く
なる。そのため、軸受内部に水や水溶液等が浸入しても
腐食され難い。また、潤滑剤の供給が十分に行われない
場合が生じても、転動体の表面または全体がセラミック
スにより形成されていれば、転動体と軌道面との間に凝
着が生じ難いため、長期に亘って軸受の作動が継続され
る。
【0031】なお、転動体のみでなく内輪および/また
は外輪もセラミックスにより形成されていることが好ま
しい。この場合には、微細なゴミ、摩耗粉、研磨粉など
の異物が軸受内部に侵入しても、より長期に亘って軸受
の作動が継続される。
【0032】本発明の転がり軸受において使用可能なシ
ールは特に限定されず、非接触型シールおよび接触型シ
ールのいずれでもよいし、金属またはプラスチック製の
一部材のみで形成されたもの(金属シールド板やプラス
チック製非接触型シール)であっても、金属製の補強環
に合成ゴムや熱可塑性エラストマー製の弾性体が一体化
されたものであってもよい。
【0033】シールを形成する金属材料としては、SU
S304、SUS303、SUS316等のステンレス
鋼を用いることが好ましい。
【0034】シールを形成する弾性体としては、ニトリ
ルゴム(ブタジエンアクリロニトリルゴム)、フッ素ゴ
ム、シリコンゴム(ポリシロキサン)、クロロプレンゴ
ム(ポリクロロプレン)、エチレンプロピレンゴム(エ
チレンプロピレン共重合体)、ハイパロン(クロロスル
フォン化ポリエチレン)、およびエピクロルヒドリンゴ
ム(COエピクロルヒドリン、ECOエピクロルヒドリ
ン−エチレンオキシド共重合体)等が例示できる。
【0035】特に、酸やアルカリ水溶液が存在する環境
下では、耐食性に優れたフッ素ゴムを使用することが好
ましい。フッ素ゴムとしては、ビニリデンフルオライド
−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフル
オライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロ
エチレン共重合体、ビニリデンフルオライド−ペンタフ
ルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−
ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共
重合体、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロ
エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・プロピレ
ン共重合体、テトラフルオロエチレン・パーフルオロビ
ニルエーテル共重合体、含フッ素シリコン系フッ素ゴ
ム、含フッ素フォスファゼンフッ素ゴム、含フッ素熱可
塑性フッ素ゴム等が挙げられる。
【0036】本発明の転がり軸受において、シールはゴ
ム製のリップ部を有する接触型シールであって、このシ
ールのリップ部が接触する内輪または外輪の面(密封
面)の表面粗さ(表面凹凸の最大値:Rmax )は30μ
m以下であることが好ましい。内輪または外輪の密封面
の表面粗さのより好ましい範囲は10μm以下であり、
さらに好ましい範囲は5μm以下である。このように内
輪または外輪の密着面の表面粗さを小さくすることによ
り、シールのリップ部の摩耗が防止されるため、軸受外
部から内部へ水等の侵入がより効果的に防止される。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、具体的な実施例により詳細に説明する。
【0038】図1〜3は、本発明の実施形態に相当する
転がり軸受を示す部分破断断面図である。
【0039】これらの転がり軸受1は、内輪2、外輪
3、玉(転動体)4、保持器5、シール6、および潤滑
剤含有ポリマ7で構成された深溝玉軸受(日本精工の型
番6000)であり、シール6の構造が異なる以外は同
じ構造である。また、この軸受の寸法は、内径10m
m、外径26mm、幅8mmである。
【0040】図1のシール6は金属シールド板(金属製
の非接触型シール)である。図2のシール6は、金属環
61と弾性部材62とからなる非接触型ゴムシールであ
る。図3のシール6は、金属環63と弾性部材64とか
らなる接触型ゴムシールであって、内輪2の密封面21
に接触するリップ部64aを備えている。
【0041】これらの転がり軸受1において、潤滑剤含
有ポリマ7は、シール6を取り付ける前に、シール6の
取付け溝より内側の軸受内部空間に、前述のリング状の
スペーサを用いて充填されて固化されたものであり、潤
滑剤含有ポリマ7と内輪2の外周面および外輪3の内周
面との間に、全周に亘って隙間8,9がそれぞれ設けて
ある。
【0042】試験用の転がり軸受として、内輪2、外輪
3、玉4の構成材料、隙間8,9の寸法、シール6の種
類(図1〜3のいずれか)を下記の表1に示すように変
化させたものを組み立てて、純水の噴霧環境下での回転
試験を行った。
【0043】潤滑剤含有ポリマ7用のポリマとしては、
市販の高密度ポリエチレン(中分子量ポリオレフィ
ン)、超高分子量ポリエチレン、ポリエチレンワックス
を用意した。潤滑剤としては市販の鉱油を用意した。こ
れらを先ず、高密度ポリエチレンが10重量%、超高分
子量ポリエチレンが12.5重量%、ポリエチレンワッ
クスが2.5重量%、鉱油が75重量%となるように混
合した。この混合物を加熱して溶融状態としたものを充
填し、冷却により固化させた。
【0044】なお、内輪と外輪は同一の材料を用いた。
また、保持器5の材質は全て同じであって、SUS40
4を用いた。金属シールド板としてはSUS304製の
ものを用いた。非接触型ゴムシールと接触型ゴムシール
の弾性部材としてはニトリルゴム製のものを用いた。
【0045】組み立てた各転がり軸受について、日本精
工(株)製の軸受回転試験機を用いて、下記の条件によ
り回転試験を行い、振動値を基準とした軸受寿命を評価
した。すなわち、軸受に生じるラジアル振動を回転試験
中に常時測定し、この振動値が初期値の3倍以上となっ
た時点で試験を中止し、それまでの総回転数を寿命とし
た。
【0046】なお、 No.1〜 No.24については、グリ
ースを添加せずに潤滑剤含有ポリマ7のみで潤滑を行っ
た。このうち No.1〜 No.23は両方の隙間8,9を
0.5mmとし、 No.24は両方の隙間8,9を設けず
に潤滑剤含有ポリマ7を充填・固化した。また、 No.2
5〜 No.27については、潤滑剤含有ポリマ7を設けず
にグリース(昭和シェル石油(株)製「アルバニアグリ
ース No.2」)のみによる潤滑を行った。 <回転試験条件> 雰囲気圧力:大気圧 雰囲気温度:常温 ラジアル荷重:490N 回転速度:1000rpm また、各試験用軸受の寿命を比較するために、 No.24
の寿命を「1」とした時の相対値を算出した。これらの
結果も下記の表1に併せて示す。
【0047】
【表1】 この表から分かるように、本発明の実施例に相当する N
o.1〜 No.23の軸受(潤滑剤含有ポリマ7を隙間8,
9を開けて設けたもの)は、比較例に相当するNo.24
(潤滑剤含有ポリマ7を隙間8,9無しで設けたもの)
および No.25〜 No.27(グリースによる潤滑を行っ
たもの)の軸受と比較して、純水の噴霧環境下における
寿命が著しく長くなっている。
【0048】また、転動体がセラミックス製である No.
10〜 No.23の軸受は、転動体がセラミックス製でな
い No.1〜 No.9よりも、純水の噴霧環境下における寿
命が長くなっていることが分かる。さらに、内輪、外
輪、および転動体がいずれもセラミックス製である No.
21〜 No.23の軸受は、転動体はセラミックス製であ
るが内輪および外輪はセラミックス製でない No.10〜
No.20よりも、純水の噴霧環境下における寿命が長く
なっていることが分かる。
【0049】また、内輪、外輪、および転動体が同じで
シールの種類が異なるものを比較すると、寿命の長さは
長い方から、接触型ゴムシール、非接触型ゴムシール、
金属シールド板の順になっている。
【0050】次に、 No.6,9,12,15の転がり軸
受について、リップ部64aが接触する内輪2の密封面
21の表面粗さ(表面凹凸の最大値:Rmax )を変化さ
せたものを組み立てた。これらの軸受を用いて、前記と
同じ条件で純水の噴霧環境下での回転試験を行い、同様
の方法で振動値を基準とした軸受寿命を評価した。そし
て、密封面の表面粗さと寿命との関係を調べた。
【0051】その結果を図4にグラフで示す。「◇」は
No.6の場合の、「○」は No.9の場合の、「△」は N
o.12の場合の、「□」は No.15の場合の結果を示
す。また、図4の寿命は、上記と同様に、本発明の比較
例に相当する No.24の寿命を「1」とした相対値であ
る。
【0052】このグラフから、密封面の表面粗さは30
μm以下であることが好ましく、10μm以下であるこ
とがより好ましく、5μm以下であることがさらに好ま
しいことが分かる。すなわち、密着面の表面粗さが小さ
いほどシールのリップ部の摩耗が防止されるため、軸受
外部から内部へ水等の侵入がより効果的に防止されるよ
うになって、寿命が長くなる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の転がり軸
受によれば、潤滑剤による外部環境の汚染が生じない転
がり軸受であって、高速回転時にも好適に使用でき、且
つ水や水溶液のミストまたは飛沫が存在する環境下で使
用されても長期に亘って潤滑性を維持することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に相当する転がり軸受を示
す概略断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に相当する転がり軸受を示
す概略断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に相当する転がり軸受を示
す概略断面図である。
【図4】実施形態での試験結果から得られた、密封面の
表面粗さと軸受の寿命との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 転がり軸受 2 外輪 3 内輪 4 玉(転動体) 5 保持器 6 シール 7 潤滑剤含有ポリマ 8 隙間 9 隙間 21 密封面 61 金属環 62 弾性部材 63 金属環 64 弾性部材 64a リップ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J016 AA02 BB03 BB12 CA01 CA02 3J101 AA02 AA32 AA42 AA52 AA62 BA73 EA31 EA32 EA52 FA60 GA55

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内輪と外輪との間が軸方向の端部でシー
    ルにより塞がれていて、シールより内側の軸受内部空間
    に潤滑剤含有ポリマが充填されて固化されており、この
    潤滑剤含有ポリマと内輪の外周面および/または外輪の
    内周面との間に隙間が設けてあることを特徴とする転が
    り軸受。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002310171A (ja) * 2001-04-10 2002-10-23 Nsk Ltd 転がり軸受
JP2006022904A (ja) * 2004-07-08 2006-01-26 Nsk Ltd 転がり軸受
CN102384350A (zh) * 2011-11-25 2012-03-21 南车株洲电机有限公司 一种滚动轴承及其润滑机构
WO2015093591A1 (ja) * 2013-12-20 2015-06-25 ダイベア株式会社 転がり軸受及びその製造方法

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