JPH1094283A - モータ制御方法およびその装置 - Google Patents

モータ制御方法およびその装置

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JPH1094283A
JPH1094283A JP8265377A JP26537796A JPH1094283A JP H1094283 A JPH1094283 A JP H1094283A JP 8265377 A JP8265377 A JP 8265377A JP 26537796 A JP26537796 A JP 26537796A JP H1094283 A JPH1094283 A JP H1094283A
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voltage
rotation speed
control
motor
power
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JP8265377A
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Yasuhide Ikeda
康秀 池田
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Noritz Corp
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Noritz Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本願発明は、簡易かつ安価な構成で、直流電
源の電圧変動に伴うモータの回転数の変動を極力低減し
得るモータ制御方法およびその装置を提供する。 【解決手段】 交流電力(商用電力15)を整流・平滑
して得た直流電力を、電力制御手段17でスイッチング
してファンモータ5に供給する。スイッチング用の制御
電圧は、最適回転数判別手段24からの回転数指令信号
と回転数検出手段18からの回転数パルスとに基づいて
決定される。その際、この制御電圧補正手段28によ
り、制御電圧と回転数パルスを電圧変換して得られた回
転数検出電圧とを差動積分して得た補正電圧を、上記制
御電圧に加算して電力制御手段17に供給する。つま
り、制御電圧を電圧変動によるファンモータ5の回転数
のずれに基づいてフィードバック制御するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明はモータ制御装置に
関し、より詳細には、送風ファン等に用いるPWM方式
(パルス幅変調方式)のモータの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ファン等の制御に用いるモータ制
御装置(例えば、給湯装置の送風流路に設けられるファ
ンモータ等の回転数を制御するモータ制御装置)として
は、例えば、特開平4−36508号公報に記載されて
いるように、ファンモータが設置される送風流路中に、
該送風流路を流れる風量を検出する風速センサ等の風量
検知手段を設け、この風量検知手段からの検出信号に応
じてファンモータの回転数を制御する方法が提案されて
いる。
【0003】この場合、ファンモータにはPAM方式の
モータが使用されることが多く、その回転数制御にあた
っては、マイクロコンピュータを含むモータ制御装置に
おいて、燃焼量と上記風量検知手段からの検出信号に基
づいて演算されるファンモータの最適回転数(目標値)
と、測定されたファンモータの回転数(測定値)との偏
差に応じてファンモータの回転数を制御する制御電圧が
決められていた。
【0004】そして、このようなモータ制御装置におけ
る電源としては、従来より可変電圧スイッチング電源が
多用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、風量検
知手段として用いる風速センサや電源として使用する可
変電圧スイッチング電源は高価であり、しかも可変電圧
スイッチング電源は大型かつ大重量であるため、一般家
庭で使用されるような小規模の給湯装置におけるモータ
制御装置としては、装置全体の低コスト化の妨げとなる
ばかりでなく、軽量化やコンパクト化の要請にも反する
こととなる。
【0006】そこで、この問題を解決するために、出願
人は、風速センサ等の風量検知手段に代えて、モータ制
御装置に内蔵されるマイクロコンピュータによって、モ
ータの回転数とモータに流れる電流および送風流路の流
路抵抗から送風流路中の風量を演算させるとともに、可
変電圧スイッチッング電源に代えて、モータの駆動電力
に交流電力(具体的には商用電源)を整流・平滑して得
られた直流電力を用いるPWM方式のモータ駆動ICを
採用することを考えた。
【0007】しかしこの場合、以下に述べるような問題
があり、発明の実施にあたって解決すべき技術課題とさ
れた。
【0008】(1) 交流電力として用いる商用電源は電圧
変動が大きいため、モータ駆動ICに流入する電流を検
出しても、モータに流れる電流を正確に知ることができ
ず、その結果、モータをファンモータとして用いた場
合、ファンが設置される送風流路の流路抵抗を正確に演
算することができないという問題がある。
【0009】すなわち、モータの回転数と、モータを流
れる電流と、送風流路の流路抵抗とは相互に一定の関係
があるので、モータの回転数とモータを流れる電流とを
検出すれば、流路抵抗を演算できるのであるが、モータ
の駆動電源として商用電源を整流・平滑した直流電源を
用いたために、モータの回転数と流路抵抗とが変化しな
くても、交流電圧の変動によりモータ駆動ICに流入す
る電流が変化してしまうので、モータ駆動ICに流入す
る電流を検出しても、流路抵抗が演算できなかった。
【0010】(2) また、PWM方式のモータでは、交流
電源の電圧変動によってモータの回転数も変動するの
で、モータを同一回転数で駆動しようとすると、モータ
駆動ICにおける制御電圧もこの電圧変動に追従して変
動させる必要が生じる。
【0011】すなわち、例えば、電源電圧が交流100
ボルトの場合におけるモータ駆動ICの制御電圧が3ボ
ルト(2000rpm)〜5ボルト(4000rpm)
であるとすると、電圧変動によって電源電圧が85ボル
トになると、同一回転数を維持するためには制御電圧と
して4ボルト(2000rpm)〜6ボルト(4000
rpm)が必要になり、また反対に、電源電圧が110
ボルトになると、制御電圧として2ボルト(2000r
pm)〜4ボルト(4000rpm)が必要となる。
【0012】そのため、このようなPWM方式のモータ
では、電源電圧の変動に伴い制御電圧の補正が必要とな
り、この補正をソフト的に処理しようとすると、上記よ
うな交流電圧の変動に伴う回転数と制御電圧の関係(図
4(b) 参照)を予めデータとして全て記憶させておく必
要が生じ、いきおい記憶容量が膨大となる一方、制御ソ
フトも複雑になる。しかも、この場合、制御電圧の電圧
範囲として、最も範囲が広い場合(例えば、図4(b) の
例ではAC85Vの範囲)を想定する必要があることか
ら、この電圧範囲の広がりにともなって分解能も悪化す
るという問題があった。
【0013】本願発明はかかる問題点に鑑みて提案され
たもので、電源を低コスト化および軽量コンパクト化で
き、しかも正確にモータを流れる電流を把握でき、した
がって流路抵抗を正確に判別可能なモータ制御装置を提
供することを目的とする。
【0014】更に本願発明は、風速センサなどの風量検
知手段を送風流路に設置することなく、送風流路の流路
抵抗に応じた適切なモータ回転数を常に維持できるモー
タ制御装置を提供することを目的とする。
【0015】更に、本願発明では、簡易かつ安価な構成
で、交流電源の電圧変動に伴うモータの回転数の変化を
極力低減し得るモータ制御装置を提供することを目的と
する。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、直流電力をスイッチング
して駆動電力とするモータにおいて、前記スイッチング
のタイミングを制御する制御電圧が、前記モータの最適
送風量と実際の送風量との偏差をなくすように設定され
る場合であって、この設定された制御電圧に、この制御
電圧と前記モータの回転数を電圧変換して取り出した回
転数検出電圧とを差動積分して得られた補正電圧を加算
して前記スイッチング用の制御電圧とすることを特徴と
する。
【0017】請求項1に記載の発明によれば、例えば、
交流電力を整流・平滑して直流電力を得ている場合にお
いて、交流電源に電圧変動がありモータの回転数に変動
があった場合でも、制御電圧とモータの回転数を電圧変
換して取り出した回転数検出電圧とを減算して両者の偏
差を取り出すとともに、その偏差を積分して制御電圧に
加算しているので、交流電源の電圧変動があってもモー
タの回転数を維持することができる。
【0018】請求項2に記載の発明は、送風流路に配置
された送風用のファンを回転させるファンモータに電源
を供給してファンモータを回転させるモータ制御装置で
あって、交流電力を整流および平滑して直流電力を出力
する整流平滑手段と、制御パルスに基づいて前記整流平
滑手段からの直流電力をスイッチングして前記ファンモ
ータに駆動電力として供給する電力制御手段と、前記フ
ァンモータの回転数を検出する回転数検出手段と、前記
整流平滑手段の出力電流を検出する電流検出手段と、回
転数指令信号と前記回転数検出手段により検出された回
転数とに基づいて、前記ファンモータの回転数が指令回
転数になるように前記制御パルスのデューティー比を制
御する制御電圧を出力するデューティー比制御手段と、
このデューティー比制御手段から出力される制御電圧
に、この制御電圧と前記回転数検出手段の出力を電圧値
として取り出した回転数検出電圧とを差動積分して得ら
れた補正電圧を加算して前記電力制御手段に出力する制
御電圧補正手段と、前記電流検出手段により検出された
出力電流と前記デューティー比制御手段により制御され
たデューティー比に関する情報とに基づいて、前記ファ
ンモータを流れる電流を演算する電流演算手段と、前記
電流演算手段により演算された電流と前記回転数検出手
段により検出された回転数とに基づいて前記送風流路の
流路抵抗を判別する流路抵抗判別手段と、前記流路抵抗
判別手段により判別された流路抵抗と最適送風量とに基
づいてファンモータの最適回転数を判別して回転数指令
信号として前記デューティー比制御手段に出力する最適
回転数判別手段とを備えたことを特徴とする。
【0019】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のモータ制御方法を、送風流路に配置された送風用のフ
ァンを回転させるファンモータのモータ制御装置に適用
した場合であり、ここでのモータ制御装置によれば、風
速センサ等の風量検知手段を用いずにモータの回転数と
モータに流れる電流から送風流路の流路抵抗を演算で
き、また、交流電源の電圧変動によるモータの回転数の
変動を抑制することができる。
【0020】請求項3に記載の発明は、前記制御電圧補
正手段が、前記回転数検出手段で検出され回転数パルス
として出力される検出信号を電圧値に変換して回転数検
出電圧として取り出すF/V変換回路と、前記デューテ
ィー比制御手段から出力される制御電圧と前記F/V変
換回路の出力電圧との偏差を積分して得た補正電圧を、
前記デューティー比制御手段の出力電圧に加算して出力
する加算積分回路とを備えることを特徴とする。
【0021】請求項3に記載の発明は、請求項2の発明
の制御電圧補正手段の具体的構成を示し、請求項2の発
明と同様に、風速センサ等の風量検知手段を用いずに送
風流路の流路抵抗を演算でき、また、交流電源の電圧変
動によるモータの回転数の変動を抑制することができ
る。
【0022】請求項4に記載の発明は、前記デューティ
ー比制御手段から出力される制御電圧を微調整するため
の微調整手段を備えることを特徴とする。
【0023】請求項4に記載の発明によれば、例えば、
本発明に係るモータ制御装置の設置される環境温度や、
あるいはファンモータの設置される送風流路の組み立て
時のバラツキさらにはモータ自体の性能のバラツキとい
ったものを、初期調整段階やあるいは装置の保守時にお
いて適宜微調整することができる。すなわち、この微調
整手段を備えることにより、例えば、初期調整時におい
て、温度補正や組み立て等の個々のバラツキ量を検出し
ておき、動作時に制御電圧をこのバラツキ量に基づいて
微調整することができ、使用環境や使用状態に応じた運
転を実現できる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態を、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0025】図1は、本願発明のモータ制御装置を備え
た給湯装置の概略構成図であって、給湯装置のケーシン
グ1の内部には、バーナ2と熱交換器3とが配置されて
いる。ケーシング1の下側に連続するファンケース4の
内部には、ファンモータ5により駆動されるシロッコフ
ァン6が設置されており、ケーシング1の上部には、排
気口7が形成されている。
【0026】バーナ2には、ガスあるいは石油などの燃
料を供給するための燃料供給管8が接続されており、熱
交換器3には、水を供給するための給水管10が接続さ
れている。燃料供給管8および給水管10にはバルブ1
1、12が介装されており、これらのバルブ11、12
は給湯制御部13により制御される。
【0027】モータ制御装置は、例えば交流100ボル
トの商用電源15からの交流電力を整流および平滑して
直流電力を出力する整流平滑手段16と、制御パルスに
基づいて整流平滑手段16からの直流電力をスイッチン
グしてファンモータ5に駆動電力として供給する電力制
御手段17と、ファンモータ5の回転数を検出する回転
数検出手段18と、整流平滑手段16の出力電流を検出
する電流検出手段19と、回転数指令信号と回転数検出
手段18により検出された回転数とファンモータ5を流
れる電流とに基づいて、ファンモータ5の回転数が指令
回転数になるように制御パルスのデューティー比を制御
する制御電圧を出力するデューティー比制御手段20
と、デューティー比制御手段20から出力される制御電
圧を、交流電力の電圧変動に応じて補正する制御電圧補
正手段28と、電流検出手段19により検出された出力
電流とデューティー比制御手段20により制御されたデ
ューティー比に関する情報とに基づいて、ファンモータ
5を流れる電流を演算する電流演算手段21と、バーナ
2の燃焼量に基づいて最適送風量を判別する最適送風量
判別手段22と、電流演算手段21により演算された電
流と回転数検出手段18により検出された回転数とに基
づいてファンケース4やケーシング1により構成される
送風流路の流路抵抗を判別する流路抵抗判別手段23
と、最適送風量判別手段22により判別された最適送風
量と流路抵抗判別手段23により判別された流路抵抗と
に基づいてファンモータ5の最適回転数を判別し、ファ
ンモータ5の回転数が最適回転数となるようにデューテ
ィー比制御手段20に回転数指令信号を供給する最適回
転数判別手段24と、流路抵抗判別手段23により判別
された流路抵抗に基づいて燃焼の異常を判別する異常判
別手段25と、異常判別手段25により燃焼の異常と判
別されたときに給湯制御部13に停止信号を出力してバ
ーナ2の燃焼を停止させる異常処理手段26とを備えて
おり、さらにデューティー比制御手段20から出力され
る制御電圧を微調整するための微調整手段29を備えて
いる。
【0028】なお、デューティー比制御手段20と、電
流演算手段21と、最適送風量判別手段22と、流路抵
抗判別手段23と、最適回転数判別手段24と、異常判
別手段25と、異常処理手段26と微調整手段29と
は、マイクロコンピュータ27により実現されている。
なお、マイクロコンピュータ27は、燃焼装置の全体を
制御している。
【0029】図2は、ファンモータ5の駆動部の回路ブ
ロック図であって、この駆動部は主にモータ駆動IC3
1により構成されている。このモータ駆動IC31は、
端子31a〜31eを備えており、また、電力制御手段
17と、回転数検出手段18とを搭載している。
【0030】電力制御手段17は、ファンモータ5の各
コイルに駆動電力を供給するモータドライバー32と、
モータドライバー32によりファンモータ5に供給され
る駆動電力をスイッチングするPWM可変速回路33と
を備えている。回転数検出手段18は、ファンモータ5
に内蔵された複数のホール素子を含むホールIC34か
らの検出信号に基づいてファンモータ5の回転数を演算
する回転ロジック35と、回転ロジック35により演算
された回転数に応じた回転数パルスを発生する回転数パ
ルス発生回路36とを備えている。
【0031】端子31aには、整流平滑手段16からの
駆動電力が入力され、この駆動電力は電力制御手段17
のモータドライバー32に供給される。端子31bに
は、補助電源37からの直流電力が入力され、この直流
電力はモータ駆動IC31の各部に電源として供給され
る。端子31cには、デューティー比制御手段20から
出力され、制御電圧補正手段28において電圧補正がな
された制御電圧が入力され、この制御電圧が電力制御手
段17のPWM可変速回路33に供給される。端子31
dからは、回転数検出手段18の回転数パルス発生回路
36からの回転数パルスが出力され、この回転数パルス
はデューティー比制御手段20に供給されるとともに、
上記制御電圧補正手段28のF/V変換回路71に供給
される。端子31eは、接地端子である。
【0032】整流平滑手段16は、例えばダイオードブ
リッジからなる全波整流器と、キャパシタからなる平滑
回路とにより実現されており、例えば100ボルトの商
用電源15から得られる交流電力を整流および平滑して
直流電力を出力する。
【0033】また、電力制御手段17は、上記制御電圧
に応じてデューティー比が制御される制御パルスに基づ
いて、ファンモータ5をPWM制御するものであり、具
体的には、整流平滑手段16から出力される直流電力
を、上記制御パルスに基づいてスイッチングして、ファ
ンモータ5に駆動電力として供給する。つまり、ファン
モータ5に供給される直流駆動電力は、この電力制御手
段17によりPWM制御される。
【0034】回転数検出手段18は、ファンモータ5に
内蔵された複数のホール素子を含むホールIC34から
なる回転検出センサからの検出信号に基づいて、ファン
モータ5の回転数を検出し、それに応じた回転数パルス
をデューティー比制御手段20および制御電圧補正手段
28に供給するとともに、ファンモータ5の回転素子の
回転に応じた回転信号を電力制御手段17に供給する。
【0035】電流検出手段19は、例えはカレントトラ
ンスなどを備えており、整流平滑手段16の出力電流を
検出する。
【0036】デューティー比制御手段20は、ファンモ
ータ5の回転数が指令回転数になるように制御電圧を調
整して、その制御電圧を電力制御手段17に向けて出力
する。より正確には、このデューティー比制御手段20
から出力される制御電圧は、図2に示すように、上記制
御電圧補正手段28により補正電圧が加算された状態で
電力制御手段17に供給される。
【0037】制御電圧補正手段28は、例えば、上記商
用電源15が電圧変動を伴う場合など、整流平滑手段1
6から出力される直流電力が電圧変動を伴う場合に、こ
の電圧変動に伴うファンモータ5の回転数の変動を抑え
るように制御電圧を補正するものであって、F/V変換
回路71と加算積分回路72とを主要部として構成され
る。具体的には、図3に示すように、上記モータ駆動I
C31の端子31dから出力される回転数パルスを電圧
値(回転数検出電圧)に変換する周知構造のF/V変換
回路71と、作動増幅器を構成するオペアンプ721と
積分回路を構成するコンデンサ722と抵抗723,7
24とからなる加算積分回路72で構成される。
【0038】そして、オペアンプ721の非反転入力端
子に、デューティー比制御手段20から出力される制御
電圧VS が入力され、反転入力端子に上記F/V変換回
路71により電圧変換された回転数検出電圧Vf が入力
される。これにより、オペアンプ721で上記制御電圧
と上記回転数検出電圧との偏差(VS −Vf )が取り出
されるとともに、この偏差が積分回路で積分されて補正
電圧として取り出され、さらに、この補正電圧が上記制
御電圧に加算されて電力制御手段17に供給される。
【0039】すなわち、この制御電圧補正手段28で
は、電源電圧の電圧変動に伴うファンモータ5の回転数
のずれを偏差として、この偏差がある限りこれを積分し
て制御電圧に加算することにより、ファンモータ5のの
回転数を一定に保つよう制御電圧を補正している。ここ
で、この補正された制御電圧をVS ′とすると、この制
御電圧補正手段28での動作は、以下の数式1として表
される。
【0040】
【数1】
【0041】次に、この制御電圧補正手段28の動作を
より具体的に説明する。ここで、F/V変換回路71の
出力特性を図4(a) に示す。このF/V変換回路71の
出力特性は、ファンモータ5の回転数に比例して出力電
圧が上昇するものとし、本例ではファンモータ5の回転
数がrθの時の出力電圧をVrθとする。また、デュー
ティー比制御手段20から出力される制御電圧とファン
モータ5の回転数の関係を、交流電源(100V)の電
圧変動(85V〜110V)とともに図4(b) に示す。
【0042】そこで、まず交流電源に電圧変動がない場
合(つまり、AC100Vの場合)から説明する。交流
電源に電圧変動がない場合、図4(b) より、任意の回転
数rθを得るためには、制御電圧としてVS θが必要で
ある。また、図4より、任意の回転数rθのときのF/
V変換回路71の出力電圧はVrθである。ここで、制
御電圧補正手段28により、上記数式(1)の動作が行
われることになるが、交流電源に電圧変動がない場合の
F/V変換回路の出力特性を常にVS θ=Vrθとなる
よう設定しておくことにより、上記数式(1)における
制御電圧VS と回転数検出電圧Vf との偏差は0となる
ことから、制御電圧補正手段28から出力される制御電
圧VS ′はVS となる。つまり、交流電源に電圧変動が
ない場合においては、デューティー比制御手段20から
出力される制御電圧VS が補正されずにそのまま電力制
御手段17に印加される。
【0043】これに対し、交流電源に電圧変動を伴う場
合(例えば、AC110Vとなった場合)を説明する。
この場合、交流電源の電圧上昇に伴ってファンモータ5
の回転数が上昇(この時の回転数の上昇をΔrとする)
すると、F/V変換回路71の出力電圧もΔVrだけ上
昇する(図4参照)。この時、ファンモータ5の回転数
をrθに一定に保とうとすると、図5から、制御電圧V
S θをΔVS だけ下げてやる必要があることがわかる。
制御電圧補正手段28では、上記数式(1)の動作によ
り、上記F/V変換回路71の出力変動分(すなわち、
−ΔVr)を偏差としてこれを積分するとともに制御電
圧VS に加算して、補正後の制御電圧VS ′として電力
制御手段17に印加する。つまり、交流電源に電圧変動
が生じた場合には、上記偏差が無くなるまでデューティ
ー比制御手段20から出力される制御電圧VS に補正電
圧が加算される。
【0044】このように、制御電圧補正手段28は、交
流電源に電圧変動を生じたような場合において、この電
圧変動に伴うファンモータ5の回転数の変動から制御電
圧をフィードバック制御し、これにより、ファンモータ
5の回転数は一定に維持される。
【0045】なお、上記回転数検出手段18から制御電
圧補正手段28に供給される回転数パルスは、図3に示
すように、F/V変換回路71だけでなく、後述する微
調整手段29にも供給されている。
【0046】微調整手段29は、本装置の設置される環
境温度や組み立て時の送風流路のバラツキやさらにはモ
ータ自体の性能のバラツキといった種々の要素を温度セ
ンサ等291の検出結果に基づいて、装置の初期調整時
や保守時において適宜制御電圧を自動ないしは手動によ
り微調整するものである。したがって、本実施形態では
上述のように、この微調整手段29に上記回転数検出手
段18から回転数パルスが入力されることから、この回
転数パルスに基づいて、例えば、F/V変換回路71の
精度補正を行わせる。さらに、高精度のF/V変換回路
を用いれば、例えば、8ビットのマイクロコンピュータ
を用いて制御を行う場合においても高精度の回転制御を
実現することもできる。
【0047】なお、本実施形態では微調整手段29は、
マイクロコンピュータ27により実現されるため、実際
の微調整はソフトウェア上で処理されることになるが、
もちろん温度センサ等291で検出される変動量をハー
ドウェア構成で電圧量に変換して制御電圧に加算する構
成とすることも可能である。
【0048】ファンモータ5は、三相ブラシレスモー
タ、より詳しくは永久磁石型同期モータであって、本実
施形態では、燃焼装置のシロッコファン6を駆動するた
めに使用している。
【0049】図5は、電力制御手段17の回路ブロック
図であって、この電力制御手段17は、三角波発信回路
41と、コンパレータ42と、三相分配回路43と、ト
ランジスタTR1〜TR6とを備えている。なお、トラ
ンジスタTR1〜TR6保護用のダイオードや、ファン
モータ5のコイル5a〜5cに流れる過電流を検出しか
つ保護するための回路など、本願発明に直接関係のない
構成要素については、図示及び説明を省略する。
【0050】なお、以下の電力制御手段17の動作説明
は、説明の都合上、特に示さない限り直流電源に電圧変
動がない状態、換言すれば、上記制御電圧補正手段28
での電圧補正が行われない場合を説明する。
【0051】ここで例えば、三角波発信回路41が20
KHzの周期の三角波を出力するとすれば、演算増幅器
からなるコンパレータ42は、三角波発信回路41から
の三角波の電圧と、デューティー比制御手段20からの
制御電圧VS とを比較して、制御電圧VS が三角波の電
圧以上であるときにオンとなり、反対に制御電圧VS
三角波の電圧よりも小さいときにオフとなって、周期2
0KHzの制御パルスを出力することとなる。これはす
なわち、制御パルスのデューティー比が、デューティー
比制御手段20からの制御電圧VS によって制御される
ことを意味する。
【0052】一方、三相分配回路43は、回転数検出手
段18からの回転信号に応じて、上段側のトランジスタ
TR1〜TR3のうちの1つと、下段側のトランジスタ
TR4〜TR6のうちの1つとを、選択的にオンさせ
る。これにより、例えば、トランジスタTR1、TR5
がオンとされる場合に、ファンモータ5のコイル5aか
らコイル5bに駆動電流が流されることとなる。
【0053】したがって、ファンモータ5の回転子の回
転位置に応じて電流を流すコイル5a〜5cや電流の方
向を順次切り替えることにより、ファンモータ5の回転
が継続される。さらにこの三相分配回路43は、下段側
のトランジスタTR4〜TR6のうちオンさせるべきト
ランジスタを、コンパレータ42からの制御パルスに応
じてオン・オフさせる。すなわち、三相分配回路43
は、ファンモータ5に供給される駆動電力を、デューテ
ィー比制御手段20からの制御電圧VS に応じてPWM
制御する。
【0054】ここで、この電力制御手段17の動作につ
いて簡単にまとめると、商用電源15からの交流電力
は、整流平滑手段16によって整流・平滑されて、電力
制御手段17を介してファンモータ5に駆動電力として
供給される。このときフアンモータ5に供給される駆動
電力は、電力制御手段17によってPWM制御が施され
ることで、ファンモータ5の回転数が指令回転数になる
ように制御される。
【0055】いま、図6に示すように、三角波発信回路
41からの三角波の最高電圧をVH、最低電圧をVL
し、デューティー比制御手段20からの制御電圧をVS
とすると、コンパレータ42の出力である制御パルス
は、図7に示すように、制御電圧VS が三角波の電圧以
上のときにオンし、制御電圧VS が三角波の電圧よりも
小さいときにオフする、三角波と同じ周期のパルス列と
なる。
【0056】そして、三相分配回路43が、下段側のト
ランジスタTR4〜TR6のうち、オンさせるべきトラ
ンジスタのベースに、コンパレータ42からの制御パル
スを印加するので、ファンモータ5の駆動電力が制御パ
ルスによりスイッチングされ、制御パルスのデューティ
ー比に応じた駆動電力がファンモータ5に供給される。
【0057】次に、電流検出について説明する。電流検
出を行う具体的回路を示したのが図8である。電流を検
出するラインにカレントトランスを備えたり、あるい
は、検出するラインに抵抗を設けておき、その両端を図
8に示すように入力電圧Viとして取り出す。そして、
その入力端50は、オペアンプ51の反転入力端子に入
力されている。
【0058】また、電源電圧Vccは抵抗58及び第1
のホトカプラ52のホトトランジスタ53を介してグラ
ンドに接続されており、オペアンプ51の非反転入力端
は抵抗58とホトトランジスタ53との間と接続されて
いる。
【0059】オペアンプ51の出力は抵抗59を介して
第2のホトカプラ55のホトダイオード56及び第1の
ホトカプラ52のホトダイオード54を通じてグランド
に接続されている。また、これにより第1のホトカプラ
52のホトダイオード54とホトトランジスタ53とに
よりオペアンプ51の帰還回路が構成されている。
【0060】また、出力側は電源電圧Vが抵抗60及び
第2のホトカプラ55のホトトランジスタ57を介して
グランドに接続されており、オペアンプ51の出力電流
に応じて、第2のホトカプラ55によって出力端61の
出力電圧Voが出力されるようになっている。そして、
この回路の特徴としては、第1のホトカプラ52と第2
のホトカプラ55とは同種類のものを採用し、電流伝達
特性がそろっているものを使用している。
【0061】次に、この検出回路の動作を説明すると、
オペアンプ51の出力電流をIfとし、第1のホトカプ
ラ52のホトトランジスタ53に流れる電流がIc1、
第2のホトカプラ55のホトトランジスタ57に流れる
電流がIc2とすると、下記の数式(2)及び数式
(3)の関係が成立する。
【0062】
【数2】
【0063】
【数3】
【0064】また、第1のホトカプラ52と第2のホト
カプラ55との特性が同じであり、両者のホトダイオー
ド54,56に流れる電流Ifは共通であるため、下記
の式(4)が成立する。
【0065】
【数4】
【0066】上記数式(2)、(3)、(4)より出力
Voは数式(5)のようになる。
【0067】
【数5】
【0068】従って、上述の場合、検出すべきラインと
電源を分離した形でモータに流れる電流を検出できるた
め、モータの電流の変動によって出力側の電源が変動影
響をされることなく検出できる。また、出力電圧はオペ
アンプやホトカプラの特性に関係なく(R60/R5
8)Viとしてリニアな特性で検出できる。更に、本回
路では単にホトカプラを介すだけのときに比べ応答性の
向上にも寄与することができる。更に、ホトカプラの場
合には、経年変化や劣化により電流伝達特性が変化する
が、図8の回路では第1のホトカプラに特性と第2のホ
トカプラの特性に共通したものを用いているため、経年
変化等においても、通常似たような変化が生じる。よっ
て、結局全体としてホトカプラの経年変化に影響を受け
ることなくリニアな特性で検出することができる。
【0069】次に、上記給湯装置に上述のアイソレート
回路を用いたものの動作について、図9に示すフローチ
ャートを参照しながら説明する。図外のリモートコント
ローラからコントローラに運転指令が入力されると、給
湯制御部13が、バルブ11、12や図外のイグナイタ
などを制御し、点火動作を開始すると共に、最適送風量
判別手段22にバーナ2の燃焼量すなわちバルブ11の
開弁量に応じた信号を出力する。これにより最適送風量
判別手段22が、給湯制御部13からの信号に基づい
て、バーナ2の燃焼量に応じた最適な送風量を演算する
(ステップS1)。
【0070】この時点ではファンモータ5は回転してお
らず、流路抵抗判別手段23による判別結果が最適送風
量判別手段22に供給されないので、最適回転数判別手
段24は、予め設定された例えば毎分3000回転程度
の初期回転数に対応した回転数指令信号をデューティー
比制御手段20に出力する(ステップS2)。これによ
りデューティー比制御手段20が、ファンモータ5が初
期回転数で回転するような制御電圧VS を電力制御手段
17に供給する。この結果、電力制御手段17がPWM
方式により駆動電力を制御して、ファンモータ5を初期
回転数で回転するように駆動する。
【0071】次に、異常判別手段25が、内蔵している
タイマを起動させる(ステップS3)。
【0072】次に、電流検出手段19がファンモータに
流れる電流を検出する(ステップS4)と共に、回転数
検出手段18が、ファンモータ5のホールIC34から
の検出信号に基づいて、ファンモータ5の回転数を検出
する(ステップS5)。
【0073】次に、電流演算手段21が、電流検出手段
19により検出された整流平滑手段16の出力電流と、
デューティー比制御手段20からの制御電圧VS とを用
いて、上記数式2により、ファンモータ5を流れる電流
を演算する(ステップS6)。
【0074】すなわち、商用電源15の電圧変動がな
く、整流平滑手段16の出力電圧が常に一定であれば、
電流検出手段19により検出した整流平滑手段16の出
力電流を補正する必要は少ないが、現実には例えば交流
100ボルトの商用電源15の場合、75〜120ボル
トに変動しているのが実情であり、その変動による整流
平滑手段16の出力電流とファンモータ5を流れる電流
との変化のずれを補正するために、電流演算手段21に
より、整流平滑手段16の出力電流からファンモータ5
を流れる電流を演算して、実際に検出した整流平滑手段
16の出力電流を補正することが必要になる。ここで
は、説明をより判り易くするために、先ず、整流平滑手
段16の出力電流の補正をする必要の無い場合の、流路
抵抗判別動作について述べる。
【0075】流路抵抗判別手段23が、電流検出手段1
9からの検出電流(すなわち、ここの説明では電流演算
手段21により補正される前の電流)と回転数検出手段
18からの回転数パルスとに基づいて、ファンケース4
およびケーシング1内の送風流路の流路抵抗Φを判別す
る(ステップS7)。
【0076】すなわち、ファンモータ5の回転数Nとフ
ァンモータ5を流れる電流Iとの関係は、図10に示す
ように、流路抵抗との関係のデータを予めメモリなどに
保持しておくことにより、回転数Nと電流Iとから流路
抵抗Φを決定できる。例えば、回転数NがN1 のときに
電流IがI0 になり、あるいは回転数NがN2 のときに
電流IがI1 になれば、流路抵抗ΦがΦ1 であると判断
でき、回転数NがN0のときに電流IがI0 になれば、
流路抵抗ΦがΦ0 であると判断できる。
【0077】なお、Φ0 はΦ1 よりも小さい。また、こ
の流路抵抗Φは、ファンモータ5の回転数をN、ファン
モータ5を流れる電流をIとすれば、例えば実験的に下
記数式6により求められる。ただし、g(N)、f
(N)は回転数Nの関数である。あるいは、別の実験式
として、下記数式7により求められる。
【0078】
【数6】
【0079】
【数7】
【0080】次に、電流演算手段21が、電流検出手段
19により検出された電流の補正を行う動作について説
明する。商用電源15から常に一定の電圧が供給されて
いる限り、上記の方法で流路抵抗を判別することができ
るが、実際には商用電源15の電圧が変動するため、上
記の方法のみでは判別できず、電流演算手段21による
補正が必要となってくる。
【0081】一般に、PAM方式では、ファンモータ5
に電源を供給する場合に、安定した直流電源でファンモ
ータ5を駆動することができるが、図2に示す構成のP
WM方式では、交流電力を整流および平滑しただけの直
流で駆動するため、電源部を簡略化できる利点がある。
しかし、その一方で、商用電源15の電圧が変動した場
合には、図11に示すように、その変動で整流平滑手段
16の出力電圧が変動し、この変動をPWMのデューテ
ィー比の変化により吸収するように制御が働くため、同
一回転数に対して整流平滑手段16の出力電流Ioも変
動することになる。
【0082】したがって、PWM方式の場合、同一回転
数でのファンモータの電流値が吸排気路の流路抵抗の変
動、および商用電源15の電圧変動の2つの要因で変動
することとなる。
【0083】そこで、電流演算手段21が、ステップS
6において、電流検出手段19により検出された出力電
流Ioを用いて、ファンモータ5に流れる電流Iを演算
する。これは、商用電源15の電圧が100ボルトのと
きに検出するであろう電流に補正することと同様の意味
を持つ。具体的には、数式8を用いて演算する。
【0084】
【数8】
【0085】上記数式は、次のようにして求めることが
できる。すなわち、簡略化して説明すると、図12に示
すPWM方式は、PAM方式では図13に示すように表
すことができる。PWM方式における整流平滑手段16
の出力電圧をVo、出力電流をIo、PAM方式におけ
る可変電圧電源51の出力電圧をV、出力電流をIと
し、両方式におけるファンモータ5の仕事量が等しく、
さらに、それぞれの方式における電気・機械仕事変換効
率が等しくかつ100パーセントと考えた場合、下記数
式9が成立する。
【0086】
【数9】
【0087】ここで、PWM方式においてファンモータ
5に印加される電圧は図7に示すようにパルス状であ
り、斜線部がPAM方式における印加電圧Vに想到する
ので、斜線部の面積を図6に示す制御電圧VS 、VH
L で表すと、下記数式10のようになる。
【0088】
【数10】
【0089】これがPAM方式における印加電圧Vに相
当するので、下記数式11が成立する。
【0090】
【数11】
【0091】上記数式11を上記数式9に代入して整理
すると、下記数式12が成立する。
【0092】
【数12】
【0093】上記数式12を変形すると、下記数式13
のようになる。
【0094】
【数13】
【0095】ここで、図6に示す三角波の電圧幅VH
L を定数kとおくと、上記数式13は上記数式8と同
じになる。また、定数kを例えば3.5ボルトとする
と、下記数式14が成立する。
【0096】
【数14】
【0097】上記数式12、13、14は、PWM方式
における電流検出手段19により検出した出力電流Io
を、PAM方式における検出電流Iに変換したものであ
る。
【0098】このように、ステップS6において、電流
演算手段21によりファンモータ5に流れる電流Iを演
算することにより、電流検出手段19により検出された
出力電流Ioを補正し、ステップS7において、補正し
た電流Iを用いて流路抵抗判別手段23により流路抵抗
を演算するので、商用電源15の電圧変動にかかわら
ず、正確に流路抵抗を求めることがてきる。
【0099】次に、異常判別手段25が、流路抵抗判別
手段23により判別された流路抵抗Φが、予め決められ
た下限値ΦLと上限値ΦHとの間に入っているか否かを
判断する(ステップS8)。すなわち、流路抵抗Φが下
限値ΦLと上限値ΦHとの間から外れた領域になった場
合、ファンモータ5の回転数を制御しても適切な送風量
を確保できないので、異常状態と判断する必要があり、
流路抵抗Φが下限値ΦLと上限値ΦHとの間に入ってい
れば、ファンモータ5の回転数を制御することにより適
切な送風量を確保できるので、正常状態であると判断で
きる。なお、図10の第1象限はファンモータ5に流れ
る電流Iと回転数Nと流路抵抗Φとの関係を表してお
り、第4象限はファンモータ5の回転数Nと送風量Qと
流路抵抗Φとの関係を表している。
【0100】異常判別手段25は、流路抵抗Φが下限値
ΦLと上限値ΦHとの間に入っていれば正常と判別し
て、内蔵しているタイマをクリアする(ステップS
9)。このタイマは、クリアされると直ちに再起動し
て、計時動作を再開する。
【0101】次に、最適回転数判別手段24が、流路抵
抗判別手段23により判別された流路抵抗Φと最適送風
判別手段22により判別された最適送風量とに基づい
て、最適回転数を演算し(ステップS10)、回転数指
令信号をデューティー比制御手段20に出力する。すな
わち、図10に示すように、ファンモータ5の回転数N
と送風量Qとの関係は流路抵抗Φによって変化するの
で、最適送風量が得られるように流路抵抗Φに応じて最
適回転数を判別するのである。この最適回転数Nsは、
最適送風量をQ0 とし、基準となる流路抵抗Φ0 と燃焼
量とに基づいて決定された基準回転数をNgとすると、
例えば下記数式15の実験式により求められる。あるい
は、別の実験式として、下記数式16によっても求めら
れる。
【0102】
【数15】
【0103】
【数16】
【0104】これにより、デューティー比制御手段20
が、最適回転数判別手段24により演算された最適回転
数に応じた回転数指令信号と回転数検出手段18からの
実際の回転数とに基づいて、ファンモータ5が最適回転
数となるような制御電圧VSを電力制御手段17に出力
する(ステップS11)。
【0105】これにより、電力制御手段17が、デュー
ティー比制御手段20からの制御電圧に基づいて、ファ
ンモータ5に供給する直流電力をスイッチングし、ファ
ンモータ5が最適回転数となるように駆動する。
【0106】次に、最適送風量判別手段22が、給湯制
御部13からの信号に基づいて燃焼量に変更があったか
否かを判別し(ステップS12)、変更がなければ、マ
イクロコンピュータ27が、リモートコントローラから
運転終了の指示が入力されたか否かを判別し(ステップ
S13)、入力されていなければ、ステップS5に戻
る。入力されていれば、ルーチンを終了する。
【0107】ステップS12において、最適送風量判別
手段22が燃焼量に変更があったと判断すれば、ステッ
プS1に戻る。
【0108】ステップS8において、異常判別手段25
が、流路抵抗Φが予め決められた下限ΦLと上限ΦHと
の間に入っていないと判断すれば、さらに異常判別手段
25が、内蔵のタイマがタイムアップしているか否かを
判断し(ステップS14)、タイムアップしていなけれ
ばステップS10に進む。タイムアップしていれば、異
常処理手段26に異常である旨を出力する。すなわち、
流路抵抗Φは風の影響などにより絶えず変化する場合が
あるので、流路抵抗Φが所定時間以上にわたって異常な
値になったときにのみ、異常状態と判別するのである。
【0109】次に、異常処理手段26が、異常判別手段
25からの異常である旨の信号が入力されることによ
り、給湯制御部13に停止信号を出力してバーナ2の燃
焼を停止させるなどの異常処理を行って(ステップS1
5)、ルーチンを終了する。
【0110】このように、交流電力を整流および平滑し
て直流電力を出力する整流平滑手段16と、制御パルス
に基づいて整流平滑手段16からの直流電力をスイッチ
ングしてファンモータ5に駆動電力として供給する電力
制御手段17と、ファンモータ5の回転数を検出する回
転数検出手段18と、整流平滑手段16の出力電流を検
出する電流検出手段19と、回転数指令信号と回転数検
出手段18により検出された回転数とに基づいて、ファ
ンモータ5の回転数が所要回転数になるように制御パル
スのデューティー比を制御するデューティー比制御手段
20と、電流検出手段19により検出された出力電流と
デューティー比制御手段20により制御されたデューテ
ィー比に関する情報とに基づいて、ファンモータ5を流
れる電流を演算する電流演算手段21とを設けたので、
商用電源15の電圧変動に拘らずファンモータ5に流れ
る電流を正確に知ることができ、したがって流路抵抗を
適正にすることが可能になる。
【0111】さらに、電流演算手段21により演算され
た電流と回転数検出手段18により検出された回転数と
に基づいて送風流路の流路抵抗を判別する流路抵抗判別
手段23を設けたので、送風流路の流路抵抗を適正に判
断できる。したがって、送風流路の流路抵抗に応じた適
切なモータ回転数を維持することが可能である。
【0112】さらに、最適送風量判別手段22により判
別された最適送風量と流路抵抗判別手段23により判別
された流路抵抗とに基づいてファンモータ5の最適回転
数を判別し、ファンモータ5の回転数が最適回転数とな
るようにデューティー比制御手段20に回転数指令信号
を供給する最適回転数判別手段24を設けたので、送風
流路の流路抵抗に応じた適切なモータ回転数を常に維持
できる。したがって、流路抵抗が変化しても、常に最適
送風量を維持できる。
【0113】さらに、流路抵抗判別手段23により判別
された流路抵抗に基づいて燃焼の異常を判別する異常判
別手段25により燃焼の異常と判別されたときにバーナ
2の燃焼を停止させる異常処理手段26とを設けたの
で、バーナ2の火炎が消失する以前の段階で流路抵抗か
ら燃焼の異常を的確に判断でき、安全性の向上を図るこ
とができる。
【0114】なお、上記実施形態において、モータ電流
の検出位置は一例として示したものであり、これに限定
されるものではなく、例えばモータのグランド側でもよ
く、電流を検出できる位置であればよい。
【0115】
【発明の効果】以上詳述したように、本願発明のモータ
制御方法によれば、直流電力をスイッチングする制御電
圧を、モータの回転数から得られた情報を基に補正して
いるので、モータを駆動する直流電力に電圧変動を伴う
場合においても、特に予め制御電圧補正用のデータを記
憶しておくことを必要とせずに、モータの回転数をほぼ
一定に維持することができる。しかも、この場合、電源
電圧の変動にともなう制御電圧の補正がモータの回転数
から得られた情報に基づいてなされることから、制御電
圧の電圧範囲を広くとる必要がなく、したがって分解能
を悪化させることもない。
【0116】また、本願発明のモータ制御装置によれ
ば、該モータ制御装置が、交流電源を整流・平滑して得
られた直流電力をスイッチングする制御電圧を、モータ
の回転数から得られた情報を基に補正する制御電圧補正
手段を備えることから、上記モータ制御方法と同様に、
交流電源の電圧変動によるモータの回転数の変動を低く
抑えることができる。
【0117】しかも、モータの駆動電源として商用電源
を用いることが可能となるため電源部の構造を簡略化で
き、また、風速センサ等の風量検知手段を用いることな
く送風流路の流路抵抗やさらには風量を演算できること
から、風量検知手段なくしてファンモータを常に最適回
転数となるように制御することができる。したがって、
装置全体の低コスト化や小型軽量化の要請にも答えるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明のモータ制御装置を備えた給湯装置の
概略構成図である。
【図2】同モータ制御装置のモータ駆動部を示す回路ブ
ロック図である。
【図3】同モータ制御装置の制御電圧補正手段の回路図
である。
【図4】図4(a) は同制御電圧補正手段のF/V変換特
性を、図4(b) は制御電圧とモータの回転数の関係を、
それぞれ示す特性図である。
【図5】本願発明のモータ制御装置の電力制御手段の回
路図である。
【図6】同モータ制御装置の三角波発信回路により得ら
れる三角波の波形図である。
【図7】同モータ制御装置のファンモータに供給される
駆動電圧の波形図である。
【図8】同モータ制御装置のアイソレート回路の回路図
である。
【図9】同モータ制御装置でファンモータを制御する動
作を説明するフローチャートである。
【図10】同モータ制御装置により制御されるファンモ
ータを流れる電流と回転数と送風量との関係の説明図で
ある。
【図11】同モータ制御装置の電流検出手段による検出
電流とファンモータの回転数との関係の説明図である。
【図12】PWM方式のモータ制御装置の概略構成図で
ある。
【図13】PAM方式のモータ制御装置の概略構成図で
ある。
【符号の説明】
5 ファンモータ 6 シロッコファン 16 整流平滑手段 17 電力制御手段 18 回転数検出手段 19 電流検出手段 20 デューティー比制御手段 21 電流演算手段 22 最適送風量判別手段 23 流路抵抗判別手段 24 最適回転数判別手段 25 異常判別手段 26 異常処理手段 28 制御電圧補正手段 29 微調整手段 71 F/V変換回路 72 加算積分回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電力をスイッチングして駆動電力と
    するモータにおいて、 前記スイッチングのタイミングを制御する制御電圧が、
    前記モータの最適送風量と実際の送風量との偏差をなく
    すように設定される場合であって、 この設定された制御電圧に、この制御電圧と前記モータ
    の回転数を電圧変換して取り出した回転数検出電圧とを
    差動積分して得られた補正電圧を加算して前記スイッチ
    ング用の制御電圧とすることを特徴とするモータ制御方
    法。
  2. 【請求項2】 送風流路に配置された送風用のファンを
    回転させるファンモータに電源を供給してファンモータ
    を回転させるモータ制御装置であって、 交流電力を整流および平滑して直流電力を出力する整流
    平滑手段と、 制御パルスに基づいて前記整流平滑手段からの直流電力
    をスイッチングして前記ファンモータに駆動電力として
    供給する電力制御手段と、 前記ファンモータの回転数を検出する回転数検出手段
    と、 前記整流平滑手段の出力電流を検出する電流検出手段
    と、 回転数指令信号と前記回転数検出手段により検出された
    回転数とに基づいて、前記ファンモータの回転数が指令
    回転数になるように前記制御パルスのデューティー比を
    制御する制御電圧を出力するデューティー比制御手段
    と、 このデューティー比制御手段から出力される制御電圧
    に、この制御電圧と前記回転数検出手段の出力を電圧値
    として取り出した回転数検出電圧とを差動積分して得ら
    れた補正電圧を加算して前記電力制御手段に出力する制
    御電圧補正手段と、 前記電流検出手段により検出された出力電流と前記デュ
    ーティー比制御手段により制御されたデューティー比に
    関する情報とに基づいて、前記ファンモータを流れる電
    流を演算する電流演算手段と、 前記電流演算手段により演算された電流と前記回転数検
    出手段により検出された回転数とに基づいて前記送風流
    路の流路抵抗を判別する流路抵抗判別手段と、 前記流路抵抗判別手段により判別された流路抵抗と最適
    送風量とに基づいてファンモータの最適回転数を判別し
    て回転数指令信号として前記デューティー比制御手段に
    出力する最適回転数判別手段とを備えたことを特徴とす
    るモータ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御電圧補正手段が、前記回転数検
    出手段で検出され回転数パルスとして出力される検出信
    号を電圧値に変換して回転数検出電圧として取り出すF
    /V変換回路と、 前記デューティー比制御手段から出力される制御電圧と
    前記F/V変換回路の出力電圧との偏差を積分して得た
    補正電圧を、前記デューティー比制御手段の出力電圧に
    加算して出力する加算積分回路とを備えることを特徴と
    する請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記デューティー比制御手段から出力さ
    れる制御電圧を微調整するための微調整手段を備えるこ
    とを特徴とする請求項2または3に記載のモータ制御装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015121359A (ja) * 2013-12-24 2015-07-02 株式会社コロナ 給湯装置
JP2016080246A (ja) * 2014-10-16 2016-05-16 リンナイ株式会社 換気装置

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JP2015121359A (ja) * 2013-12-24 2015-07-02 株式会社コロナ 給湯装置
JP2016080246A (ja) * 2014-10-16 2016-05-16 リンナイ株式会社 換気装置

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