JPH1043271A - 医療用容器 - Google Patents

医療用容器

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JPH1043271A
JPH1043271A JP8223056A JP22305696A JPH1043271A JP H1043271 A JPH1043271 A JP H1043271A JP 8223056 A JP8223056 A JP 8223056A JP 22305696 A JP22305696 A JP 22305696A JP H1043271 A JPH1043271 A JP H1043271A
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JP
Japan
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container
chamber
filling
filling container
resin
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JP8223056A
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English (en)
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Tatsuo Suzuki
龍夫 鈴木
Soichi Kuroki
宗一 黒木
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Material Engineering Technology Laboratory Inc
Original Assignee
Material Engineering Technology Laboratory Inc
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Publication of JPH1043271A publication Critical patent/JPH1043271A/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D81/00Containers, packaging elements, or packages, for contents presenting particular transport or storage problems, or adapted to be used for non-packaging purposes after removal of contents
    • B65D81/32Containers, packaging elements, or packages, for contents presenting particular transport or storage problems, or adapted to be used for non-packaging purposes after removal of contents for packaging two or more different materials which must be maintained separate prior to use in admixture
    • B65D81/3205Separate rigid or semi-rigid containers joined to each other at their external surfaces
    • B65D81/3211Separate rigid or semi-rigid containers joined to each other at their external surfaces coaxially and provided with means facilitating admixture

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Package Specialized In Special Use (AREA)
  • Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 薬剤のバイアル等を簡単且つ無菌的に接続し
た医療用容器を提供。 【構成】 本発明に係る医療用容器は、複数の室を有
し、該室と室との隔離条部の少なくとも一部が外側から
の開放可能なピールシール部又は弱シール部で形成され
た樹脂容器であって、第一室には薬液が収容され、また
他の少なくとも第二室には上記薬液と混合される薬剤の
充填容器が無菌的に接合され、上記充填容器に、該充填
容器内と第二室内とを無菌的に連通する連通手段を設け
たことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用容器に関するも
のであり、より詳細には、使用時に、樹脂容器内の薬液
と充填容器内の薬剤を無菌的に簡単に混合することがで
きる医療用容器、特に、樹脂容器と充填容器とを簡単且
つ無菌的に接合しておくことのできる医療用容器に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】点滴注射に用いられる輸液、透析液、臓
器保存液等のバック、コンテナ等の医療用容器は、一般
に樹脂容器である。また輸液にはその使用時に抗生物質
などが混合されて点滴注射されるものがある。従来、こ
のような混合には注射器が使用され、抗生物質の入った
バイアルに溶解液が注射器を介して入れられる。抗生物
質と溶解液とが混合され、混合液は注射器でバイアル内
から吸い出される。そして、輸液容器の排出口に注射器
が刺通され、その混合液が輸液容器内に充填される。ま
た、最近、輸液容器とバイアルとが一体となっているも
のが提案されている。このような輸液容器には連結口が
設けられ、かかる連結口にはバイアルがそのゴム栓を対
向させて接続される。そして、連結口とバイアルとの間
に連通針が配せられ、使用時に連通針がゴム栓に刺通す
ることにより、バイアル内と輸液容器内が無菌的に連通
できるようになっている。これらの構造は、抗生物質等
の薬剤が輸液に溶解した状態では不安定で保存に耐えな
いこと、及び抗生物質等の薬剤が輸液のように高圧蒸気
滅菌できないことなどに由来する。また最近、ダブルバ
ックと称する輸液容器が提案され、かかる輸液容器は、
アミノ酸剤の収納室と糖の収納室とが分割されて構成さ
れている。そして、かかる室同士の隔離条部或いは隔離
壁はその一部又は全部がピールシール部或いは弱シール
部として形成され、使用時には外側からの開放が可能な
隔離条部となっている。このため、かかるダブルバック
は製造時及び保存時に互いに反応を起こすアミノ酸と糖
とが分離収納され、使用時に無菌的に容易に混合できる
ようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
薬剤バイアルを備えた輸液容器或いは腹膜透析用容器等
の医療用容器には以下の問題点がある。従来の医療用容
器では、バイアル支持カプセル及び連結口に連通針を必
要とし、接続機構が極めて複雑となり製造が簡単にでき
ない。バイアル等の無菌的な接続が困難である。従来の
医療用容器では、その操作において連通針を刺通する操
作を必要とし、またその刺通操作にゴム栓からコアリン
グ汚染を生じるおそれがある。そこで、最近、ダブルバ
ックを利用した第二室に直接凍結乾燥品を無菌的に充填
したものが提供されている(特開平5−3904号公報
等)。これは、凍結乾燥品の容器が工夫されており、容
器壁に凍結乾燥物がこびり付いて定量分注の妨げになる
ことを防止している。しかしながら、このような医療用
容器ではその無菌充填操作においての汚染の危険性を全
て解消したとはいえない。また、大量の凍結乾燥品から
定量スプーンを使用して第二室内に所定量を分注する方
法が考えられるが、かかる方法では凍結乾燥品のケーキ
が必ずしも均一な力価を保持して分布しているとは限ら
ない。従って、本発明は、薬剤のバイアル等を簡単且つ
無菌的に接続した医療用容器を提供することを目的とし
ている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の室を有
し、該室と室との隔離条部の少なくとも一部が外側から
の開放可能なピールシール部又は弱シール部で形成され
た樹脂容器であって、第一室には薬液が収容され、また
他の少なくとも第二室には上記薬液と混合される薬剤の
充填容器が無菌的に接合され、上記充填容器には使用の
際に、該充填容器内と上記第二室内とを無菌的に連通す
る連通手段を設けたことを特徴とする医療用容器を提供
することにより、上記目的を達成したものである。
【0005】上記医療用容器に収容される薬液は、一般
に電解質液である。例えば、乳酸、酢酸、重炭酸等を含
むリンゲル液、糖、アミノ酸、ペプチド、脂肪等を含む
高カロリー輸液、透析液、臓器保存液等の溶液である。
尚、薬液は凍結乾燥薬剤の単なる溶解液、希釈液でも良
く、かかる薬液は単純な無菌水であっても良い。薬液
は、樹脂容器内液密に収容された後に蒸気滅菌処理され
るものである。樹脂容器は、少なくとも可撓性壁を有し
非定容積性の容器である。樹脂容器は、シート及びフィ
ルムから成形したもの、直接ブロー成形、射出成形した
もの等である。また容器の使用樹脂はポリオレフィン系
樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂等の汎用
樹脂であり、特に、ポリオレフィン系樹脂、例えば、直
鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等である。
【0006】また、樹脂容器の壁と壁とのピールシール
部或いは弱シール部からなる隔離条部は隔離壁の全体に
形成されても良く、また一部に形成されていてもよい。
隔離条部の形成方法は、従来から良く知られた方法で形
成することができる。例えば、特定の性質を有するポリ
エチレンシートから成形した樹脂容器に、ヒートシール
バーを用いて、シール領域形成温度を110℃乃至12
5℃の範囲とし、押圧力を4kg/cm2、1秒間とし
て形成する方法がある(特開平5−68702号公
報)。このように形成した隔離条部は、容器内圧が10
乃至100g/cm2で剥離するとされる。また、直鎖
状ポリエチレン及びポリプロピレンとの混練した組成物
を樹脂容器の内壁層とし、容器成形のための周縁シール
形成温度を150乃至170℃の範囲とし、弱シール部
の領域を130乃至150℃の範囲として、複数室を有
する輸液容器の製造方法も提案されている。本発明で
は、隔離条部の形成に、このような従来の方法が採用さ
れ、隔離条部の剥離強度は、容器内圧が0.02〜0.
15Kgf/cm2の範囲で昇圧されたときに剥離する
ことが望ましい。このような範囲にあれば、充填容器の
取付時に容器内が開放されるおそれがなく、また使用時
にあっては、壁と壁とを外側から容易に離間することが
できる。
【0007】充填容器は、いわゆるバイアル等でも良
い。従って、ガラス製、樹脂製でも良い。充填容器は樹
脂容器の第二室と接合されていることが要求される。こ
のため、充填容器は、樹脂製であれば別であるが、ガラ
ス製の場合は接合用の樹脂部材が存在し、かかる樹脂部
材を介して第二室に接続される。従って、バイアル等が
樹脂製であれば、バイアル等の本体が樹脂部材となり直
接第二室の樹脂壁に熱溶着により接合することができ
る。充填容器内の薬剤は、粉末、顆粒の他に凍結乾燥品
でも良い。また、薬剤は、抗生物質、抗ガン剤等の比較
的不安定な薬剤、生理活性物質、ビタミン、又は重炭酸
塩等の電解質剤等が挙げられる。これらは、殆どが無菌
調整されるものである。充填容器には連通手段が設けら
れる。連通手段は第二室との充填容器との間の接合壁或
いは接合面を使用の際に開放する手段であり、また無菌
的に連通するとは、充填容器内及び第二室内を液密に維
持した状態で、上記充填容器と第二室とを連通させるも
のである。無菌室で無菌調整された充填容器とオートク
レーブで滅菌処理された第二室は無菌的に接合される。
無菌的接合は一般に無菌室で接合されていても良い。ま
た、無菌保証を確実にするため、接合前に充填容器の接
合面と第二室に種々の滅菌処理がなされていても良い。
【0008】このように構成された医療用容器にあって
は、その使用に際して、先ず、連通手段で第二室内と充
填容器内を連通する。そして、樹脂容器の内部に圧力を
加え、隔離条部を開放する。これにより、充填容器内が
医療容器内とが連通される。薬液が充填容器内に侵入
し、薬剤を溶解して混合溶液となる。そして、混合溶液
を排出口より点滴注射する。この場合、充填容器におけ
る第二室との接合外壁面は簡単に無菌を維持することが
できるため、充填容器は無菌的接合が容易にでき、また
加熱滅菌、化学滅菌、又はγ線、電子線、及び紫外線の
照射滅菌等が容易にできるため、更に滅菌保証を高めた
接合が容易にできる。特に、電子線照射滅菌は、γ線照
射滅菌のように大がかりな設備を必要とせず、また紫外
線照射滅菌よりは滅菌の確立性が高いので望ましい。更
に薬液と薬剤との無菌的混合において、部品点数、操作
性等の点で従来より優れている。また充填容器内の薬剤
は移し替えて樹脂容器内に投入されないので、従来の様
に凍結乾燥用容器壁に凍結乾燥物がこびり付いて定量分
注の障害となることもない。大量の凍結乾燥品から定量
スプーンを使用して充填室内に所定量を分注する方法の
ように均一な力価分布を心配する必要もない。
【0009】本発明に係る請求項2記載の医療用容器
は、請求項1記載の医療用容器における充填容器の連通
手段を具体的に提供することを目的とするものであり、
請求項2記載の医療用容器において、上記充填容器には
上記第二室との連結口とが形成され、上記連通手段は、
該連結口を覆う栓部材と、該栓部材に接続される操作バ
ーと、からなり、該操作バーは上記充填容器外から押圧
操作されて、該操作バーの押圧により上記連結口を上記
栓部材から開放することを特徴とする。充填容器に連結
口を設け、連結口に連通手段の栓部材を配し、連通手段
の操作バーを充填容器外から操作できるように配するこ
とにより、充填容器内及び第二室内を外界に対して開放
することなく、操作バーを操作して栓部材を連結口から
脱抜することができる。このため、使用の際に充填容器
内と第二室内を無菌的に連通させることができる。
【0010】本発明は、請求項1記載の医療用容器の製
造方法において、上記樹脂容器に上記隔離条部を形成
し、上記第一室に薬液を収容した後、該樹脂容器と共に
上記薬液をオートクレーブ滅菌し、しかる後、上記充填
容器を上記第二室に無菌的に接合して製造することを特
徴とする医療用容器の製造方法を提供することにより、
上記目的を達成したものである。先ず、樹脂容器を成形
する。樹脂容器はブロー成形しても良い。また、所定の
大きさに裁断した二枚の樹脂シートを重ねてそれぞれの
互いの周縁を完全な熱接着することにより成形しても良
い。所定の大きさに裁断したインフレーション筒状シー
トを両端で完全熱接着して袋状に形成しても良い。ま
た、樹脂容器の排出口(又は点滴口)及び接続口は、ブ
ロー成形物にあってその吹き出し口或いは延伸先端口を
かかる口部として一体成形することができる。また、シ
ール状物にあっては、その周縁の熱接着シール時に口ポ
ート部材を取り付けることにより形成することができ
る。隔離条部は、一本又は複数本形成する。隔離条部の
形成は従来公知の方法により形成し、上述のシール強度
に調整しながら形成する。隔離条部の形成後、排出口か
ら樹脂容器内に薬液を充填する。薬液は除菌フィルタを
通した後、樹脂容器内に充填してもよい。充填後、排出
口に栓体をして該口部を液密に閉じる。そして、滅菌保
証を高めるため、薬液を樹脂容器と共にオートクレーブ
滅菌処理する。オートクレーブ滅菌処理の温度は、10
5℃乃至140℃の範囲が望ましく、特に、105℃乃
至120℃の範囲が望ましい。上記範囲を下回る温度で
は滅菌時間が長くなり、また滅菌保証性も少なくなって
くる。一方、上記範囲を上回る温度では樹脂容器及び容
器の隔離条部の機能に悪影響を与えるおそれがある。滅
菌後、樹脂容器を無菌的な状態の雰囲気に維持する。
【0011】一方、充填容器には薬剤を無菌的に充填す
る。例えば、凍結乾燥品としての薬剤の場合、先ず、充
填口と連結口とを備えた充填容器を用意する。連結口に
連通手段の栓部材を液密に取付け、栓部材は連結口から
外側に抜栓可能に設ける。薬剤の溶液を除菌フィルタに
通して、滅菌或いは無菌処理した充填容器内に充填口か
ら充填する。次に、充填容器の充填口に半打栓状態で栓
体を装着し、充填容器を無塵の凍結乾燥装置に配する。
かかる充填容器内の薬剤溶液を凍結乾燥し、凍結乾燥品
となった状態で、栓体の打栓を完全にする。尚、栓体は
連通手段の操作バー等の操作が可能な構造とする。充填
後、樹脂容器の置かれた無菌的な状態の雰囲気に維持す
る。無菌的な雰囲気の状態で、樹脂容器と充填容器とを
接合する。先ず、充填容器の連結口部分及び栓部材の外
表面を無菌状態に維持し、かか状態で連結口を第二室に
挿入して第二室と充填容器とを接合する。接合の際に
は、樹脂同士の熱溶着などにより液密に接合することが
できる。このような製造方法においては、第二室内及び
充填容器内及びその口部を簡単且つ容易に無菌状態に維
持できる。このため、充填容器と第二室との接続の際に
汚染を生じることが少ない。その接続に関しても、第二
室の連結口と充填容器の接合部との構造を好ましい形態
とすることができるので、部品点数を減らした簡単且つ
液密な接合が可能となる。また、接合の際に、後述の化
学滅菌処理、加熱滅菌処理、及び照射線滅菌処理などが
局部的にできるので、かかる接合部の滅菌保証を更に向
上させることができる。
【0012】本発明に係る請求項4記載の製造方法は、
請求項3記載の製造方法における充填容器と第二室との
接合に際して、その無菌性を十分に保証することを目的
とするものである。即ち、請求項4記載の製造方法にお
いて、上記充填容器又は樹脂容器の接合部に化学滅菌処
理、加熱滅菌処理、或いは照射滅菌処理の少なくとも一
つの処理が行われていることを特徴とする。かかる滅菌
処理の接続部における適用は容易であり、接続部での滅
菌保証を高めるものである。化学滅菌処理は、互いの接
続部を過酸化水素、ホルマリン、アルコール、エチレン
オキサイドガスなどで処理するものである。特に、殺菌
能力、設備上、及び廃液処理上から過酸化水素を用いる
ことが望ましい。加熱滅菌処理は、互いの接合部を温度
110℃以上で所定時間行うものである。しかし、加熱
滅菌処理は、接合部が樹脂部材故に、加熱温度に制限が
あるため、時間がかかるという欠点がある。このため、
樹脂部材がかなりの耐熱性を有するならば、有効な滅菌
処理となる。照射線滅菌処理は、γ線、紫外線、及び電
子線など照射線による処理である。
【0013】本発明に係る請求項5記載の製造方法は、
請求項3記載の製造方法における充填容器と第二室との
接合の際に、第二室の無菌が完全に保証されないおそれ
があることから、かかる無菌性を十分に保証することを
目的とするものである。即ち、請求項5記載の製造方法
において、上記充填容器の接合後の第二室が照射滅菌さ
れていることを特徴とする。照射線としてはγ線、紫外
線、電子線などがある。本発明に係る請求項6記載の製
造方法は、請求項5記載の製造方法における照射滅菌処
理の内、簡易な設備で、且つ大量ライン処理可能な滅菌
方法を提供することを目的とするものである。即ち、請
求項6記載の製造方法は、上記照射滅菌が電子線照射滅
菌或いは紫外線照射滅菌処理であることを特徴とする。
照射線滅菌処理は、γ線、電子線、及び紫外線による照
射線処理である。しかし、滅菌の確実性とその経済性及
び大量生産適応性の点から以下の電子線照射滅菌及び紫
外線照射滅菌処理が望ましい。電子線照射滅菌におい
て、電子線の透過性は主に加速電圧により決定され、高
エネルギー型では最高13000g/m2であり、これ
は、水(比重1g/m2)の厚みで13000μmであ
る。しかし、加速電圧装置が大型化するとX線の遮蔽設
備が大がかりになり、また樹脂素材を変質させるおそれ
がある。このため、中低エネルギー型の1MeV以下、
特に低エネルギー型の500KV以下の加速電圧装置が
望ましく、かかる装置では中エネルギー型で約1500
g/m2 、低エネルギー型で約800g/m2が限界で
あるため、電子線透過の厚みは樹脂素材で1600μ
m、特に800μmが最適な限度とされる。このことか
ら、電子線滅菌はその加速電圧が1MeV未満、特に低
エネルギー型の500KV〜50KVのものであれば、
電子線の所定の浸透性が得られる一方、X線等の放出が
ほとんどないため、その遮蔽設備を必要とせず、生産ラ
インにコンパクトに配することができる。即ち、加速電
圧500KVによる電子線の浸透性は約800g/m2
以下で、特に800μm以下の樹脂肉薄部での浸透性が
十分に得られる。
【0014】従って、接合部に照射線滅菌を直接する場
合、或いは第二室の容器壁越しに接合部に照射滅菌をす
る場合、充填容器内の薬剤の影響を考慮して、充填容器
の厚みは上記範囲を大きく上回るもの、特に3mm以上
とし、また樹脂容器壁の厚みは上記範囲を下回るもので
あることが望ましい。また、微生物の殺菌においては、
特開平7−16286号公報にも記載されるように、放
射線菌で指標となるB.pumilus(spores)E-601で約0.2
Mrad(2kGy)のD値を有する。1cm2当た
り、通常100オーダーの菌が付着しているが、安全性
を十分考慮すれば、102オーダーまでの付着があると
の仮定も成り立つ。また滅菌保証レベル(SAL)は生
存率10-6%である。従って、本実施例での電子線照射
装置50は充填容器22又は第二室内が6×0.2Mr
ad以上、好ましく8×0.2Mrad以上で滅菌され
るように通電量とコンベア速度が調整されて滅菌処理が
なされている。
【0015】紫外線照射滅菌において、充填容器の口部
に直接照射滅菌をする場合は簡易な方法であり問題はな
い。しかし、第二室越しに照射滅菌する場合は、以下の
如く制限を受ける。例えば、樹脂容器素材を波長250
nmにおける紫外線透過率(厚み10μmで)が60%
以上で、その密度が0.95〜0.85g/cm3の範
囲にあるものであり、またシートの厚みが100μm〜
10μmの範囲に制限されるものを用いることである。
紫外線照射装置には高出力紫外線ランプが配される。高
出力紫外線ランプは、低圧水銀ランプであり、波長25
0〜260nm付近の放射線強度の高いものが用いられ
る。高出力紫外線ランプは照射部の窓面で100mWc
2以上であることが望ましく、このため、装置的にコ
ンパクトなものとするため、紫外線ランプは200w〜
1kwの範囲のものが望ましい。また照射部の窓面から
対象物までの距離は、25mm以下、特に10mm以下
である。距離が25mm以下にあれば、窓面の照射率の
70%程度の確保がされる。微生物の殺菌において、紫
外線に対する抵抗力のあるB.subtilis(spores)を99.
9%殺菌するには、ほぼ33.3mW・sec/cm2
の照射線量が必要とされる。10-3オーダーまでの付着
を避けた後、滅菌保証レベル(SAL)である生存率1
-6%が保証される。例えば、紫外線照射で30秒以内
に滅菌するには、容器内に少なくとも1.11mW・s
ec/cm2以上の紫外線量が到達するように調整され
る。従って、照射滅菌がγ線照射であれば樹脂容器の壁
厚は差ほどの制限を受けることはない。照射滅菌が簡易
な電子線照射であれば、1600μm〜10μmの範囲
の厚みであることが望ましい。照射滅菌が紫外線であれ
ば、100μm〜10μmの範囲の厚みであることが望
ましい。このような範囲内であれば、開口の樹脂部材の
表面までの滅菌が簡単にでき、大量生産等の途を容易に
開くことができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明に係る医療用容器の好ましい実
施例を添付図面を参照しながら詳述する。図1は本発明
に係る医療用容器の第一実施例の断面図である。図2は
使用時の第一実施例の医療用容器の断面図である。図3
(A)及び(B)は製造時の第一実施例の医療用容器に
おける充填容器の断面図である。図4は第一実施例の医
療用容器に用いられる電子線装置の概略図である。図1
乃至図4に示す如く、本実施例の医療用容器1は、複数
の室3、4を有し、室3と室4との隔離条部5が外側か
らの開放可能なシール部で形成された樹脂容器2であ
る。第一室3には薬液7が収容され、また他の少なくと
も第二室4には薬液7と混合される薬剤8の充填容器2
2が無菌的に接合されて、上記充填容器22に、その充
填容器2内と第二室4内とを無菌的に連通する連通手段
25を設けたものである。
【0017】本実施例の輸液容器1を更に詳しく説明す
ると、医療用容器1に用いられる樹脂容器2は延伸ブロ
ー成形物からなる。樹脂容器2は直鎖状低密度ポリエチ
レン及びポリプロピレンの混合組成物を内層とし、外層
を上記直鎖状低密度ポリエチレンとして二色形成されて
いる(図示を省略)。混合組成物は、直鎖状低密度ポリ
エチレン(密度:0.935g/cm3、MI:1、融
点:126℃)とポリプロピレン(密度:0.900g
/cm3、MI:0.7、融点:160℃)とを90:
10の割合で混合したものである。本実施例の樹脂容器
2は胴部の折り径が70mmで容量が150mLで、容
器壁の厚みが約200μmに成形されている。容器壁の
厚みが200μmであると、容器壁越しの後述する簡易
設備の電子線照射装置による完全な照射滅菌ができ、大
量生産ラインに乗せ易くなる。樹脂容器2には排出口9
が形成され、排出口9は点滴用針が刺通される栓体10
で液密に閉じられ、また、栓体10はリング上の止め部
材11で止め置かれている。樹脂容器2の胴部には隔離
条部5が形成され、樹脂容器2は隔離条部5を境に第一
室3及び第二室4が形成されている。隔離条部5はピー
ルシール部或いは弱シール部に形成され、第一室3内が
100g/cm2圧に達した時に剥離開放されるように
なっている。第一室3には薬液7が充填され、薬液7は
樹脂容器2と共にオートクレーブ滅菌処理されている。
薬液7は後述の凍結乾燥品である薬剤を溶解する生理食
塩水であり、生理食塩水は除菌フィルタを通して第一室
3に充填されている。
【0018】樹脂容器2には接続口12が形成され、接
続口12にはフランジ部13が形成されている。フラン
ジ部13には吊りワイヤー14が取付られ、ワイヤー1
4は樹脂製で両端部がフランジ部13に熱溶着されてい
る。接続口12には充填容器22が接合され、充填容器
22は下端部を第二室4内に置いて配されている。充填
容器22はポリプロピレンの射出成形物からなり、図3
に示す如く底部は開口され、その連結口には栓部材29
が脱抜可能に設けられている。また、充填容器22は紫
外線をカットする透明容器で形成され、充填容器22の
肉厚は4mmに形成され、紫外線及び後述の電子線を遮
蔽することができる。充填口23はゴム栓体24に液密
に閉塞されている。連結手段25は上述の栓部材29と
一体形成された操作バー部材26と、操作バー部材26
の先端に取付られる押子27と、保護カバー28とから
なる。押子27の先端部はゴム栓体24の貫通孔30に
液密且つスライド可能に挿通されている。押子27と保
護カバー28とは液密に接合され、保護カバー28は充
填口23に液密に嵌着されている。接続口12の先端内
壁と充填容器22の下部とは超音波熱溶着により互いに
固着され、かかる固着により充填容器22は樹脂容器2
の第二室4内に液密に無菌接合されている。充填容器2
2内には薬剤8が充填され、薬剤8は無菌充填された溶
液を凍結乾燥した乾燥品となっている。
【0019】次に、医療用容器1の製造方法について説
明する。樹脂容器2を延伸ブロー成形により成形し、か
かる成形時に延伸ブロー金具の受け部を排出口9として
形成し、吹き出し口を接続口12として形成する。樹脂
容器2の所定の胴部に隔離条部5を形成する。隔離条部
5の形成はヒートシール形成温度が130℃で、12秒
間行う。排出口9から薬液7を充填し、排出口9に栓体
10及び止め部材11を取り付ける。そして、薬液7を
樹脂容器2と共に110℃でオートクレーブ滅菌する。
一方、図3に示す如く、先ず、充填容器22の底面の連
結口に栓部材29を填め込み、操作バー部材26の先端
を突き出させる。かかる状態で、充填容器22には薬剤
8を無菌的に充填する。凍結乾燥品としての薬剤8は、
先ず、薬剤8の溶液を除菌フィルタに通して、開口23
から充填する。次に、充填口23に半打栓状態で栓体2
4を装着し且つ貫通孔30に操作バー部材26の先端部
を合わせ、充填容器22を無塵の凍結乾燥装置に配す
る。かかる充填容器22内の薬剤溶液を凍結乾燥し、凍
結乾燥品となった状態で、栓体24の打栓を完全にす
る。
【0020】充填後、樹脂容器2及び充填容器22を無
菌的な状態の雰囲気に維持する。充填容器22の底部を
樹脂容器2の接続口12に挿着し、超音波熱溶着により
互いに液密に固着する。次に、操作バー部材26の取付
け孔にロッド27を装着し、更に、ロッド27の基端の
周縁に可撓性の保護カバー28を取付け、栓体24の外
側を液密な状態にする。また吊りワイヤー14を接続口
のフランジ13に取付ける。これにより、医療用容器1
が製造される。尚、樹脂容器2及び充填容器22とを接
合する際に、必要により、栓部材29及びその接合付近
の外表面を過酸化水素水の蒸気で処理して、接合部の滅
菌処理をする。かかる処理は、接合時の無菌保証を十分
且つ容易に達成するものである。また樹脂容器2及び充
填容器22とを接続する際に、必要により、栓部材29
及び接合付近の外表面を加熱処理して、接合部の滅菌処
理をする。かかる処理は、接合時の無菌保証を高めるこ
とができる。更に樹脂容器2及び充填容器22とを接続
する際に、必要により、栓部材29及び接合付近の外表
面を紫外線照射処理して、接合部の滅菌処理をする。か
かる処理は、接合時の無菌保証を高めることができる。
【0021】また、樹脂容器2及び充填容器22とを接
合する際に、必要により、栓部材29及び接合付近の外
表面を上述の電子線照射滅菌することができる。図4に
示す如く電子線照射装置50は、ベルトコンベア51の
上方に設けられ、機枠52と、機枠52に形成される窓
枠53、窓枠53に取り付けられた窓箔54、窓枠53
の上方を覆っている加速管55、及び加速管55内の真
空チャンバ内に設けられた電子線発生部56からなる。
また電子線発生部56はグリッド57、ガンフレーム5
8、及びフィラメント59とからなる。フィラメント5
9は通電され、加熱させられて熱電子を発生する。熱電
子は所定の電圧が印加されたフィラメント59とグリッ
ド57との間で加速され、窓箔54からコンベア51上
に照射される。尚、機枠52は電子線照射により二次的
に発生するX線等の外部漏出を防止するため鉛遮蔽がさ
れている。従って、コンベア51の速度とフィラメント
59の通電量により、照射電子線量が調整され、加速電
圧により、電子線の浸透性を調整することができる。か
かる処理は、接合時の無菌保証を十分且つ容易に達成す
るものである。更に、接合後においても、上記電子線照
射滅菌を樹脂容器2の第一室4に行うことができる。か
かる照射滅菌により、第一室4内の滅菌がなされ、ま
た、充填容器22の外表面がほぼ完全に滅菌される。そ
の一方で充填容器22内まで電子線が到達せず、薬剤8
に分解が生じるおそれもない。
【0022】次に、本実施例の医療用容器1の使用につ
いて説明すると、このように構成された本実施例の医療
用容器1では、図2に示す如くその使用時にロッド27
を押圧して押し下げる。これにより、可撓性の保護カバ
ー28は折り曲がり、また操作バー部材26が下動す
る。そして、栓部材29は第二室4に向けて連結口から
脱抜し、充填容器22と第二室4とが連通する。次に、
第一室3を押圧して隔離条部5を剥離開封し、充填容器
22内に薬液7を注入し、薬液7で薬剤8を溶解する。
かかる溶解液を容器2内に戻し、溶解混合後、医療用容
器1を点滴患者に適用する。この場合、凍結乾燥品の薬
剤8にあっては、いわゆるビンごと接続されるので、正
確な力価、溶解容量を守ることができ、凍結乾燥品のみ
をスプーン等で単純に分注充填等する場合よりも、正確
となり、また滅菌保証も接合部の単純構造の関係から十
分になされる。更に、連通手段25は無菌的に且つ確実
に充填容器22内と第二室4を連通させることができ
る。
【0023】次に、図5乃至図8に従って本発明に係る
医療用容器の第二実施例を詳述する。図5は本発明に係
る医療用容器の第二実施例の断面図である。図6(A)
及び(B)は第二実施例の充填容器の断面図である。図
7及び図8は使用時の第二実施例の医療用容器の断面図
である。第二実施例の医療用容器31は第一実施例の医
療用容器1とほぼ同様な構成及び部材が使用されてい
る。異なる点は以下の点にある。医療用容器31の樹脂
容器32は、インフレーションシートを所定の長さで裁
断し、両端部36、37を完全に熱溶着シールして形成
したものである。また、樹脂容器32には外側からの剥
離可能な隔離条部35が形成してある。また、樹脂製の
排出ポート38及び接続ポート39は両端部36、37
の完全熱溶着シールの際にそれぞれの端部に取付けられ
たものである。接続ポート39の開口には保護膜40が
形成され、保護膜40はその表面が容易に滅菌処理でき
るようになっている。
【0024】充填容器41は樹脂バイアルで、底部の連
結口にはゴム製の栓体44が液密に取付られている。ま
た、連通手段43は、かかる栓体44と連通針45とか
らなり、使用時、栓体44は連通針45に刺通されるよ
うになっている。連通針45は充填容器41内で下動可
能に配せられ、その胴部が充填口のゴム栓体42の貫通
孔に支持されている。連通針45の操作基端は液密シー
ス47で覆われ、更に、安全キャップ46に囲まれてい
る。安全キャップ46は充填容器41の充填口に固定さ
れ、安全キャップ46の胴部には切り取り用の切れ込み
49が形成されている。充填容器の栓体44の表面と接
続ポート39との保護膜40の表面は、上述の紫外線照
射或いは電子線照射滅菌が成された後、無菌的に接続さ
れている。
【0025】次に、医療用容器31の製造方法について
説明する。先ず、折り径が75mmで厚み200μmの
直鎖状低密度ポリエチレンのインフレーション成形シー
トを所定の長さに裁断し、両端をヒートシールして樹脂
容器32を形成する。両端のヒートシールの際に排出ポ
ート38及び接続ポート39をそれぞれの端部に取り付
ける。次に、樹脂容器32の所定の位置に一条の弱シー
ル部からなる隔離条部35を形成する。隔離条部35の
形成後、排出ポート38から薬液7を充填し、排出ポー
ト39をゴム栓で閉塞とすると共に接続ポート39を保
護膜40で閉塞する。そして、樹脂容器32をオートク
レーブ滅菌処理する。
【0026】一方、充填容器41に栓体44を取付け、
凍結乾燥用溶液を充填し、次に、貫通孔に連通針45を
挿通させたゴム栓体42を図6(A)に示す如く半打栓
状態で充填容器41の充填口に取り付ける。かかる状態
で凍結乾燥処理、ゴム栓42を完全に打栓する。尚、ゴ
ム栓42には予め、液密シース47を連通針45の操作
端に被せ、ゴム栓42の表面に液密に取り付ける。そし
て、更に、安全キャップ46を挿通して充填容器41の
充填口にセットする。樹脂容器32の接続ポート39の
保護膜40部分に上述の電子線照射滅菌処理を行う。ま
た充填容器41の上部及び底部の栓体44の表面に上述
の紫外線照射滅菌処理を行う。かかる処理後、両者を接
合し、熱溶着により完全且つ液密に接合する。
【0027】このような医療用容器31にあっては、第
一実施例の医療用容器1と同様な作用効果を奏する他
に、以下の顕著な作用効果が見られる。その製造時、樹
脂容器32の接合部である保護膜40及び充填容器41
の外側は容易且つ確実に滅菌或いは無菌状態で接合でき
る。特に、上述の電子線或いは紫外線の照射滅菌方法を
採用することにより確実な滅菌ができる。また、その保
存時に、接合部でのゴム栓44からの悪影響を受けな
い。使用時には、図7に示す如く、先ず、安全キャップ
46の先端部を切れ込み49に沿って離脱する。かかる
状態で連通針45の基端を液密シース47越しに下動す
る。これにより、図8に示す如く、連通針45の先端は
栓体44及び保護膜40を刺通し、充填容器41内と第
二室34内を連通する。そして、隔離条部35を開放
し、樹脂容器32内の薬液7と充填容器41内の薬剤8
とを混合する。従って、かかる操作においても第一実施
例と同様に、無菌的な連通操作が可能であり、部品点数
も比較的少なくできる。上記各実施例では充填容器に連
結口を設けたが、これに限るものではなく、本発明にお
いては充填口を連結口とし、かかる連通口の他に操作口
等を設けた構造の連通手段付き充填容器であっても良
い。
【0028】次に、図9乃至図11に従って、第二実施
例で用いられる充填容器の変形例を説明する。図9及び
図11に示す充填容器61は、透明性樹脂で形成された
ほぼ筒状の本体62と、本体の両端の開口に液密且つ摺
動可能に配せられた充填口用栓体63と、操作口用栓体
64と、操作口用栓体64の挿通孔65に固定された操
作バー66と、操作口用栓体64の脱抜を防止する止め
材67と、からなる。本体62は耐熱性で、紫外線遮断
効果を付与した環状オレフィン系樹脂からなり、側壁の
厚みが4mmで、長さが50mmに射出成形された筒体
である。栓体63、64はシリコンゴムからなり、所定
の弾性力を有し、本体62の内壁面を付勢して摺動可能
に取付られている。このような充填容器61の組立に際
しては、図9に示す如く、先ず、操作バー66を操作口
用栓体64に取付け、かかる操作口用栓体64を本体6
3の操作用口に液密に嵌着する。次に、脱抜防止用の止
め材67を本体62に熱溶着により固着する。本体63
に凍結乾燥用の溶液を本体62の充填口から所定量充填
し、操作バー66を有した充填口用栓体63で充填口を
半打栓する。かかる状態で、充填容器61を凍結乾燥装
置に搬送して、凍結乾燥後、充填口用栓体63を完全に
打栓する。
【0029】図10に示す如く、充填容器61は、充填
口用栓体63の表面が滅菌されて無菌状態で、樹脂容器
72の接続ポート73に接合されている。接続ポート7
3内には保持部材74が設けられ、保持部材74は底面
が充填口用栓体63の受け部として形成され、側壁面に
連通孔75、75が形成されている。尚、樹脂容器72
は図示しないが、第二実施例の医療用容器の樹脂容器と
ほぼ同様な構成となっている。充填容器61と接続ポー
ト73との接続に際しては、先ず、充填容器61及び樹
脂容器72を無菌室に維持し、充填容器61の充填口用
栓体63の表面及び、樹脂容器72の接続ポート73を
無菌状態とする。また、接合前に充填用先端63の表面
を過酸化水素で滅菌処理し、接続ポート73を電子線照
射滅菌処理する。かかる滅菌後、接続ポート73のフラ
ンジ面に保持部材74を熱溶着する。そして、更に、保
持部材74の上面に充填容器61のフランジ面を液密に
熱固着する。
【0030】このような構造の医療用容器61にあって
は、第一実施例及び第二実施例と同様に無菌接合が簡単
且つ容易にできる。また、使用時の操作においては、充
填容器61の外側から操作バー66を下動する。これに
より、下端の充填口用栓体63が押圧され、充填口が開
放する。これにより、樹脂容器72の第二室と充填容器
61内を、連通孔75、及び充填口を介して連通するこ
とができ、薬液と薬剤とをスムースに混合することがで
きる。また、かかる医療用容器61の滅菌保証を調べる
ため、薬液7の代わりに、無菌試験用チオグリコール酸
培地 を樹脂容器の第一室に充填してオートクレーブ滅
菌し、その後、第二室に上述の方法により充填容器61
を接合する。かかる医療用容器61の隔離条部を開放し
て、二週間培養したが、菌の繁殖は見られなかった。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る医療用
容器においては、複数の室を有し、該室と室との隔離条
部の少なくとも一部が外側からの開放可能なピールシー
ル部又は弱シール部で形成された樹脂容器であって、第
一室には薬液が収容され、また他の少なくとも第二室に
は上記薬液と混合される薬剤の充填容器が無菌的に接合
され、上記充填容器に、該充填容器内と第二室内とを無
菌的に連通する連通手段を設けたので、薬剤のバイアル
等を簡単且つ無菌的に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る医療用容器の第一実施例の
断面図である。
【図2】図2は使用時の第一実施例の医療用容器の断面
図である。
【図3】図3(A)及び(B)は製造時の第一実施例の
医療用容器における充填容器の断面図である。
【図4】図6は第一実施例の医療用容器に用いられる電
子線照射装置の概略図である。
【図5】図5は本発明に係る第二実施例の医療用容器の
断面図である。
【図6】図6(A)及び(B)は製造時の第二実施例の
医療用容器における充填容器の断面図である。
【図7】図7は使用時の第二実施例の医療用容器の要部
断面図である。
【図8】図8は使用時の第二実施例の医療用容器の断面
図である。
【図9】図9は本発明に係る医療用容器に用いられる充
填容器の変形例を示す断面図である。
【図10】図9の充填容器の操作前の断面図である。
【図11】図9の充填容器の操作時の断面図である。
【符号の説明】
1、31、61 医療用容器 2 樹脂容器 3 第一室 4 第二室 5 隔離条部 7 薬液 8 薬剤 22 充填容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B65B 55/16 B65D 81/32 D B65D 81/32 A61J 1/00 390P

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の室を有し、該室と室との隔離条部
    の少なくとも一部が外側からの開放可能なピールシール
    部又は弱シール部で形成された樹脂容器であって、第一
    室には薬液が収容され、また他の少なくとも第二室には
    上記薬液と混合される薬剤の充填容器が無菌的に接合さ
    れ、 上記充填容器に、該充填容器内と第二室内とを無菌的に
    連通する連通手段を設けたことを特徴とする医療用容
    器。
  2. 【請求項2】 上記充填容器には上記第二室との連結口
    が形成され、上記連通手段は、該連結口を覆う栓部材
    と、該栓部材に接続される操作バーと、からなり、該操
    作バーは上記充填容器外から押圧操作されて、該操作バ
    ーの押圧により上記連結口を上記栓部材から開放するこ
    とを特徴とする請求項1記載の医療用容器。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の医療用容器の製造方法に
    おいて、上記樹脂容器に上記隔離条部を形成し、上記第
    一室に薬液を収容した後、該樹脂容器と共に上記薬液を
    オートクレーブ滅菌し、しかる後、上記充填容器を上記
    第二室に無菌的に接合して製造することを特徴とする医
    療用容器の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記充填容器又は上記樹脂容器の接合部
    に化学滅菌処理、加熱滅菌処理、或いは照射線滅菌処理
    の少なくとも一つの処理が行われていることを特徴とす
    る請求項3記載の医療用容器の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記充填容器の接合後の第二室が照射滅
    菌されていることを特徴とする請求項3記載の医療用容
    器の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記照射滅菌が電子線照射滅菌或いは紫
    外線照射滅菌処理であることを特徴とする請求項4又は
    5記載の医療用容器の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003200977A (ja) * 2001-11-05 2003-07-15 Taisei Kako Co Ltd 用時混合容器、並びに、バイアル瓶
JP4691773B2 (ja) * 2000-10-20 2011-06-01 味の素株式会社 薬剤封入容器セット及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP4691773B2 (ja) * 2000-10-20 2011-06-01 味の素株式会社 薬剤封入容器セット及びその製造方法
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