JP4691773B2 - 薬剤封入容器セット及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の薬剤(溶液の場合と、粉末、粒状等の固体の場合とを含む)封入容器が閉鎖された連通機構を介し連結される薬剤封入容器セットに関する。本発明は、特に薬剤封入バイアルと可撓性バッグが閉鎖された連通機構を介して連結され使用直前に手動によりバイアル内の薬剤が無菌的に薬液に混合可能な薬剤封入容器セットに関する。本発明は、更に滅菌又は殺菌工程数を最少にし且つ滅菌又は殺菌工程を改良した薬剤封入容器セットの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
病院等の医療機関において、点滴により患者の静脈に投与されるビタミン剤、微量元素製剤等の複数の薬剤は、配合変化による品質劣化を生じないよう投与直前に輸液等の薬液に混合して投与される。この混合作業を簡便且つ無菌的に行なえるよう、従来種々の薬剤封入容器セット及びその製造方法の工夫がなされてきた。
【0003】
特開平10−24088号は、無菌保証が成された状態で、薬剤封入バイアル等を少ない部品で簡易に接続した輸液容器を提供することを目的とした薬剤封入容器セットを開示する。この薬剤封入容器セットは、樹脂製容器であり複数の室を有し、室と室との隔離条部の少なくとも一部が外側から開放可能なピールシール部又は弱シール部で形成され、第1室に薬液が収容され、第2室に充填容器が接続され、充填容器は薬液に混合される薬剤を収容し、充填容器の開口を閉じる蓋体又は膜体が第2室の外側から押圧することにより充填容器内へ押し込むことが可能であり、蓋体又は膜体が充填容器内へ押し込まれることにより第2室内と充填容器内が連通される。高圧蒸気滅菌処理した樹脂製容器と薬剤を収容したバイアルは、無菌、無塵室内で接続され、その後第2室のみが電子照射滅菌され、第2室内の一旦外界に晒された充填容器の外面と共に滅菌処理される。
【0004】
実公平6−42676号公報は、バイアル中の薬剤を、容易且つ安全にバッグ内の点滴用薬液に添加する目的の輸液バッグを開示する。この輸液バッグは、ゴム栓によって封止されたバイアルの口部を接続可能な口部材を有する。口部材は、外周面下部が合成樹脂製シートの一方の開口端に融着され、下端が封止膜により密閉され、上部外周に雄ネジを備える有底円筒状部品3、有底円筒状部品に挿入され、上端が閉塞され、この閉塞された部分を貫通して、先端が穿刺刃の中空針6が固定され、下端が穿刺刃である棒状部品4、有底円筒状部品の雄ネジに螺合する雌ネジを備える下部小径部及び小径部と区画部を介して一体成形されバイアルの口部が嵌合される大径部を有し区画部を中空針が刺通する第2部品5、並びに第2部品の大径部の開口端を閉塞するシール10を有する。先端が穿刺刃である代わりに棒状部品の端部に固定したゴム栓63を設けることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、第1薬剤封入容器、1又は複数の第2薬剤封入容器、及び第1薬剤封入容器と第2薬剤封入容器を連結する閉鎖された連通機構を備え、閉鎖された連通機構は、第1薬剤封入容器又は第2薬剤封入容器の外部から手動により液体連通状態にすることができる薬剤封入容器セットを提供することである。特に薬剤封入バイアルと可撓性輸液バッグが閉鎖された連通機構により連結された薬剤封入容器セットを提供し、閉鎖された連通機構が薬剤の使用直前に手動により異物を発生することなく無菌的に開放され両容器内の薬剤を迅速且つ容易に混合、調製することが可能な薬剤封入容器セットを提供することである。本発明の他の目的は、あらかじめ第2薬剤封入容器に無菌的に収容された品質劣化し易い薬剤について、第1薬剤封入容器と同時に滅菌又は殺菌し、その際受ける加熱又は電子線、γ線、紫外線等の照射の影響から保護可能な薬剤封入容器セットを提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、第1薬剤封入容器、1又は複数の第2薬剤封入容器、及び第1薬剤封入容器と第2薬剤封入容器を連結する閉鎖された連通機構を備え、閉鎖された連通機構は、第1薬剤封入容器又は第2薬剤封入容器の外部から手動により異物を生じることなく液体連通状態にすることができる薬剤封入容器セットを、滅菌又は殺菌工程を簡略化し容易且つ能率的に製造可能な製造方法を提供することである。特に滅菌又は殺菌工程で使用される高熱、電子線、γ線、紫外線等に対する耐性の異なる薬剤を収容する第1薬剤封入容器及び第2薬剤封入容器を同時に滅菌又は殺菌処理することにより製造工程を簡略化することにある。
【0007】
本発明の更に別の目的は、第1薬剤封入容器と第2薬剤封入容器を連結する閉鎖された連通機構を備える薬剤封入容器セットにおいて、閉鎖された連通機構の構成を改良し、薬剤封入容器セットの保管又は運搬時に第1薬剤封入容器と第2薬剤封入容器の液体連通を確実に遮断することができ、且つ薬剤投与直前に外部から手動で異物を発生することなく容易且つ確実に連通機構を液体連通可能状態に操作することができるようにすることである。本発明のその他の目的及び利点は、以下の説明において明かにされる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、各請求項に記載の特徴を有する。第1に、本発明の薬剤封入容器セットを製造する方法は、第1薬剤封入容器と第2薬剤封入容器が閉鎖された連通機構により連結され、閉鎖された連通機構は、手動により連通状態にすることができる薬剤封入容器セットを製造する。この製造方法は、1又は複数の第2薬剤封入容器と第1薬剤封入容器を閉鎖された連通機構を介し連結する工程、1又は複数の第2薬剤封入容器の外面の少なくとも一部を保護体により覆う工程、並びに連結された第1薬剤封入容器及び保護体により覆われた第2薬剤封入容器を同時に加熱、電子線、γ線又は紫外線により滅菌又は殺菌処理し薬剤封入容器セットを滅菌又は殺菌する工程を含む。保護体は、滅菌又は殺菌工程の加熱、電子線、γ線、紫外線等による薬剤の品質劣化を防止する。本発明の薬剤封入容器セットを製造する方法において、閉鎖された連通機構は、第1薬剤封入容器と前記バイアルを連通する通路、該通路を閉鎖する閉鎖体、及び閉鎖体を移動させる手段を含む。
【0009】
本発明の薬剤封入容器セットを製造する方法は、次の特徴を備えることができる。(1)第2薬剤封入容器に収容される薬剤の耐熱温度が、第2薬剤封入容器に収容される薬剤の耐熱温度より低い。(2)滅菌又は殺菌工程が高圧蒸気滅菌又は熱水シャワー滅菌により行われる。(3)保護体は、断熱体からなり、この断熱体は、樹脂製断熱材、セラミック、密閉空間、又は第2薬剤封入容器の外面に隣接する冷却材からなる。(4)断熱体は、滅菌又は殺菌工程において第2薬剤封入容器の薬剤に対する加熱処理の影響を軽減する性能を備える。(5)滅菌又は殺菌工程は、電子線、γ線又は紫外線を容器セット全体へ照射することにより行われ、保護体は、電子線、γ線又は紫外線の遮蔽体、即ち電子線、γ線又は紫外線を透過させないか又は僅かの量だけ透過させる金属体、ガラス、樹脂等によりなる。(6)第2薬剤封入容器は、薬剤を封入したガラス又は樹脂製のバイアルである。(7)閉鎖された連通機構は、第1薬剤封入容器と前記バイアルを連通する通路、該通路を閉鎖する閉鎖体、閉鎖体を移動させるか又は閉鎖体に貫通路を形成し通路を開通させる手段を含む。(8)第1薬剤封入容器は、閉鎖された連結機構を連結する連結口部に封止膜を備えず、前記連結機構の閉鎖体により輸液を封入した可撓性バッグである。(9)必要に応じて滅菌又は殺菌工程の後に保護体を第2薬剤封入容器の外面から除去する工程を更に含む。
【0010】
本発明の薬剤封入容器セットは、第1薬剤封入容器、1又は複数の第2薬剤封入容器、及び第1薬剤封入容器と第2薬剤封入容器を連結する閉鎖された連通機構を備える。閉鎖された連通機構は、第1薬剤封入容器又は第2薬剤封入容器の外部から手動により連通状態にすることができるものである。本発明の薬剤封入容器セットは、1又は複数の第2薬剤封入容器第1薬剤封入容器、及び閉鎖された連通機構を、同時に且つ1又は複数の第2薬剤封入容器の外面の少なくとも一部を保護体で覆うことにより第2薬剤封入容器内の薬剤を加熱、電子線、γ線又は紫外線による滅菌又は殺菌工程で変質しない保護状態で滅菌又は殺菌処理される。本発明の薬剤封入容器セットにおいて、第1薬剤封入容器は、可撓性の輸液バッグであり、第2薬剤封入容器は、剛固な筒状口部を有する容器であり、閉鎖された連通機構は、容器の筒状口部と輸液バッグ内を薬剤が通過するように連通状態にする通路、筒状口部に液密に挿着され通路を閉じる閉鎖体、及び挿着された閉鎖体を筒状口部から移動させ通路を開くための操作具を備える。
【0011】
本発明の薬剤封入容器セットは、次の特徴を備えることができる。(10)滅菌又は殺菌工程は、高温によりなされ、保護体は、断熱体であり、樹脂製断熱材、セラミック、密閉空間、又は第2薬剤封入容器の外面に隣接する冷却材からなる。(11)密閉空間を利用する代替法としては、第2薬剤封入容器を例えば熱水シャワー滅菌器中に組み込まれた部分冷却装置内に収容して、この部分冷却装置内の密閉空間を循環水等で冷却し、滅菌時の第2薬剤封入容器内の温度上昇を防止する方法を挙げることができる。(12)第1薬剤封入容器は、可撓性の輸液バッグからなり、隣接する薬液又は薬剤封入室の間の仕切りが剥離容易な接着部により形成される。(13)第2薬剤封入容器は、剛固な筒状口部を有する容器である。(14)閉鎖された連通機構は、筒状口部と輸液バッグ内を連通可能な通路、筒状口部に液密に挿着され通路を閉じる閉鎖体、及び閉鎖体を筒状口部から移動させ通路を開くための操作具を備える。(15)第2薬剤封入容器は、ガラス又は樹脂製のバイアルである。(16)操作具は、一端が閉鎖体に係合され輸液バッグ内に他端を有する操作ロッドを備える。(17)操作ロッドは輸液バッグの外部から手動で操作し閉鎖体を移動させ通路を開くことができる。(18)閉鎖された連通機構は、筒状口部と輸液バッグ内を連通可能な通路、筒状口部に液密に挿着され通路を閉じる閉鎖体、及び閉鎖体を貫通するように移動可能な中空針を備える。(19)滅菌又は殺菌工程は、電子線、γ線又は紫外線を容器セット全体へ照射することにより行われ、保護体は、電子線、γ線又は紫外線の半透過体又は微透過体である。
【0013】
本発明の薬剤封入容器セットは、第1薬剤封入容器、1又は複数の第2薬剤封入容器、第2薬剤封入容器の外面の少なくとも一部を覆う保護体、及び第1薬剤封入容器と第2薬剤封入容器を連結する閉鎖された連通機構を備え、閉鎖された連通機構は第1薬剤封入容器又は第2薬剤封入容器の外部から手動により連通状態にすることができるものであり、保護体は第2薬剤封入容器内の薬剤を加熱、電子線、γ線又は紫外線による滅菌又は殺菌工程の高温、電子線、γ線又は紫外線から保護するものである。
【0014】
本発明の薬剤封入容器セットにおいて、第1薬剤封入容器は少なくとも1つの薬剤封入室を備える可撓性バッグからなり、第2薬剤封入容器はガラス又は樹脂製のバイアルであり、前記可撓性バッグは剛固な筒状首部を備え、閉鎖された連通機構は、筒状首部に液密に接続され中央に貫通孔を有するフランジ、フランジから伸長しバイアルの筒状口部外周に嵌合可能な嵌合部、フランジから筒状首部内へ伸長する支持体、筒状口部の内部及び貫通孔を含みバイアル内部と前記可撓性バッグ内部を液体連通可能な通路、バイアルの筒状口部内周面に液密に挿着され通路を閉じる閉鎖体、及び閉鎖体に一端を結合され筒状首部内へ伸長する操作体を備える。保護体は、一端においてフランジ外周部に係合される外筒部材及び外筒部材の他端を閉じる端板からなる外殻、及びバイアルと外殻との間に配置される断熱材からなる。
本発明の薬剤封入容器セットにおいて、支持体は、フランジの貫通孔のまわりから筒状首部内へ伸長する筒状体を含み、筒状体は、通路を形成する透孔及び操作体を摺動可能に支持する支持部を備えることができる。また、本発明の薬剤封入容器セットにおいて、滅菌又は殺菌工程は、第1薬剤封入容器、1又は複数の第2薬剤封入容器、及び閉鎖された連通機構を、同時に滅菌又は殺菌することを含み、第1薬剤封入容器と第2薬剤封入容器は、それぞれ滅菌又は殺菌工程における加熱又は電子線、γ線、紫外線の照射に耐える安定な薬剤を収容することができる。
【0016】
【発明の実施の態様】
図1は、本発明の第1実施例の薬剤封入容器セットの要部概略断面図、図2は、図1の薬剤封入容器セットにおいて閉鎖体の一例として栓体40がガラス製バイアル(第2薬剤封入容器)20内へ押し込まれ連通機構が連通状態にされた状態の要部概略断面図である。図1に示す薬剤封入容器セット5は、可撓性輸液バッグ(第1薬剤封入容器)10、薬剤封入バイアル20、バイアル20の外面の少なくとも一部を覆う断熱体30、及び輸液バッグ10とバイアル20を連結する閉鎖された連通機構50を備える。閉鎖された連通機構50は、輸液バッグ10の外部から手動により液体連通状態にすることができるように構成される。
【0017】
第1薬剤封入容器は、図10のような例えば剥離可能な隔壁で仕切られた多室バッグに、前記各薬剤成分を粉末又は液体で充填し収容することができる。第1薬剤封入容器に収容される薬剤は、例えば、静脈投与用輸液剤、液状栄養剤等の医療用食餌療法用飲料・食品、腹膜透析液、臓器保存液、臓器等の洗浄に用いられる洗浄剤である。各薬剤に配合される成分の例ととしては、ブドウ糖、フルクトース、マルトース等の還元糖、従来より輸液として栄養補給等を目的として利用されてきているアミノ酸製剤に配合されている各種のアミノ酸等が挙げられる。
【0018】
なお、各アミノ酸は遊離形態である必要はなく、金属塩、有機酸塩等の薬理学的に許容される塩の形態でもよい。また、各アミノ酸は、生体内で加水分解され遊離アミノ酸に変換されるエステルの形態でもよい。更に、上記各アミノ酸はそれ等の一部又は全部をN‐アシル誘導体の形態、例えばN‐アセチル‐L‐システインの形態としてもよい。還元糖とアミノ酸以外の成分としては、栄養補給等を目的とした大豆油、綿実油、サフラワー油、トウモロコシ油、ヤシ油、シソ油、エゴマ油、アマニ油糖の植物油、魚油,化学合成トリグリセリド、中鎖脂肪酸トリグリセリド、長鎖脂肪酸トリグリセリド等を挙げることができる。
【0019】
また、経腸成分栄養剤の場合は、デキストリン、カゼインナトリウム、卵白加水分解物、植物性蛋白質、乳清蛋白質、脱脂粉乳を前述の成分に加えることができる。各成分の輸液剤としての配合・調製には特別の制限はなく、適宜常法によることができる。
【0020】
バイアル、即ち第2薬剤封入容器20に収容される薬剤の1例としては、ビタミン剤、微量元素配合剤、抗生物質、抗腫瘍剤、抗潰瘍剤、血栓溶解剤、ホルモン剤、ステロイド剤、止血剤等を挙げることができる。特に、第1薬剤封入容器に高カロリー輸液用基本液を充填収容した場合の第2薬剤封入容器には、ビタミン剤もしくは微量元素配合剤を収容することが好ましい。また、二つの第2薬剤封入容器にビタミン剤と微量元素配合剤をそれぞれ収容したものを前記第1薬剤封入容器に双方連結した組み合わせも好ましい。
第2薬剤封入容器20に収容される薬剤において、耐熱性の低い成分を含む場合は、ろ過法による無菌化処理が行なわれる。また、水溶液状態での保存安定性に問題がある成分においては、ろ過法により微生物を取り除いた水溶液を、バイアル内で無菌的に凍結乾燥される。
【0021】
微量元素配合剤は、ガラスアンプルに充填された製剤として塩化第ニ鉄、塩化マンガン、硫酸亜鉛、硫酸銅、ヨウ化カリウムを有効成分とする高カロリー輸液用微量元素製剤(商品名:エレメンミック、味の素ファルマ製)が知られている。出願人は、各有効成分の適正配合量を検討したうえで、塩化マンガンの配合量を減じた製剤(塩化第ニ鉄9.46mg/2mL、塩化マンガン0.1979mg/2mL、硫酸亜鉛17.25mg/2mL、硫酸銅1.248mg/2mL、ヨウ化カリウム0.166mg/2mL)の適切な容器を検討した。従来の微量元素製剤は、有効成分を常法に従って注射用蒸留水に溶解し、この溶解液をガラスアンプルに充填・密封した後加熱滅菌されたいた。しかし、このアンプル充填製剤は、カット時にガラス片の混入等の問題点があったので、出願人は前記塩化マンガン減量製剤において、ガラス製あるいは樹脂製のバイアルにマンガン減量微量元素製剤を充填したバイアル充填型製剤を創作した。
【0022】
前記バイアル充填型のマンガン減量微量元素製剤は、本発明の第2薬剤封入容器に充填される好ましい薬剤例として挙げることができる。なお、従来の微量元素製剤をバイアル充填型の製剤に変更することにより本発明の第2薬剤容器として好適に利用できることはもちろん、バイアル充填型の製剤そのものにおいても、ガラス片の混入を危惧することなく内容液をシリンジで吸引し、各種の輸液バッグに微量元素製剤を注入することができる。更に前記バイアル充填型の製剤単体は、輸液容器のポート部に両頭針とそのホルダ等が連結されたハーフキットタイプの高カロリー輸液用基本液を充填した輸液容器に適用可能となりアンプル製剤とは異なる優れた適用性を発揮する。
【0023】
可撓性輸液バッグ10は、可撓性樹脂フィルムに囲まれた第1室11及び第2室18を含み、第1室と第2室の間が剥離可能な接着部19により仕切られ、第1室11に剛固なポート部12が設けられ、第1室11と第2室18内にそれぞれ輸液が収容される。連通機構50は、中央に貫通孔52を有するフランジ51を備え、フランジ51の上面または嵌合部54の内周面がバイアル20の首部22がパッキン29を介して気密に装着され、フランジ51の下面が可撓性バッグのポート部12の端部フランジ部13に気密に熔着される。連通機構50は、更にフランジ51から伸長しバイアルの首部22の外周面に嵌合可能な嵌合部54、フランジ51から輸液バッグのポート部12内へ伸長する円筒形支持体56、ポート部12の内部及び貫通孔52を含みバイアル内部と輸液バッグ内部を液体連通可能な通路55、バイアル20の首部22内周面に液密に挿着され通路55を閉じる栓体40、及び栓体40に一端を接続されポート部12内へ伸長する操作ロッド46を備える。
【0024】
バイアルの首部22の端部とフランジ51の上面の間に密封のためのパッキン29が配置される。係合部54は、バイアルの首部22の外周面のくぼみに嵌合合する3個以上の嵌合爪53を備える。操作ロッド46は、フランジ51の中央の貫通孔52を通り、円筒形の支持体56及び支持体56の端板に設けた支持孔58を通り伸長し、輸液バッグの第1室11内に端部45を有する。また操作ロッド46は、栓体40をバイアル側へ押し込んだ状態を維持するため貫通孔52又は支持孔58の通過の抵抗を大きくする弾性変形可能な複数の係止部端部44、47を備える。操作ロッド46は、薬剤の投与直前に単に輸液バッグ10の外側からバイアル20の内方へ押すことにより、操作ロッド46の先端の栓体40をバイアル内へ押し込み、通路55を開通させることができる。通路55を開通し、輸液バッグ内の輸液を通路を介してバイアル内へ流入させることにより、バイアル内の乾燥固形薬剤21が第1室の輸液により溶解され、さらに溶解液を第1室に戻すことによりバイアル内の薬剤が輸液と共に患者に点滴投与可能にされる。
【0025】
断熱体30は、一端においてフランジ51の外周部に係合される外筒部材31及び外筒部材31の他端を閉じる端板32からなる外殻、及びバイアル20の外面と外殻内面との間に配置される断熱材25を含む。断熱体30はバイアル20内の薬剤を加熱滅菌処理による高熱から保護する機能を備えるため、発泡樹脂、空気層等により形成される。薬剤封入容器セット5の薬剤の点滴投与時に容器セット5を吊り下げることができるように、端板32に吊り具33が取付けられる。
【0026】
図1に示す薬剤封入容器セット5は、ろ過滅菌された薬剤溶液を無菌的に凍結乾燥するなど封入薬剤が無菌化処理済みのバイアル20と輸液バッグ10を閉鎖された連通機構50により連結し且つバイアル20の外面を断熱体30で覆った状態で滅菌又は殺菌される。図1のセット5において、栓体40は、バイアル20の密封機能及びバイアル内と輸液バッグ10内部とを分離する機能を備える。輸液バッグの第1室11内に伸長する操作ロッド46等の滅菌処理を必要とする連通機構の各構成部品は、第1室11に収容された輸液に浸漬されているので、薬液封入容器セット5全体の加熱滅菌処理時に一緒に滅菌される。
【0027】
なお、従来2つの薬剤封入容器を連結する方法としては、実公平6−42676号公報記載のように、液体封入容器中の液体が薬剤入り容器に流入しないよう、両容器を分離するゴム栓、封止膜等の封止体が設置されていた。本発明の1つの形態においては、第1薬剤封入容器側に封止体を設けず、第1、第2薬剤封入容器の分離は、第2薬剤封入容器の栓体によりなされる。第2薬剤封入容器の栓体表面は、直接第1薬剤封入容器中の薬液と接し、且つ連通機構をはじめとする滅菌が必要な各部品も第1薬剤封入容器中に封入された液体に接する状態に設置される。そのため封入された医療用薬液の滅菌工程と同時に滅菌が必要な連通機構の各部品を滅菌することができる。
【0028】
本発明の1つの形態においては、封止体を使用せず、薬剤入り容器の遮蔽体を、薬剤入り容器自身の密封と、液体封入容器中の液体と薬剤入り容器を分離する目的とに利用している。従って、薬剤入り容器の遮蔽体表面は、直接液体封入容器中の液体と接し、且つ連通具をはじめとする滅菌が必要な各部品も液体封入容器内に封入された液体に接する状態に設置されていることから、液体封入容器に封入された液体の滅菌操作と同時に滅菌が必要な各部品を滅菌することができる。
【0029】
図2は、図1の薬剤封入容器セットにおいて栓体40がバイアル20内へ押し込まれて連通機構が連通状態にされた状態の要部概略断面図である。栓体40は、操作ロッド46を可撓性輸液バッグの外側から手動でバイアル20の方へ押圧することにより、バイアル20の筒状口部内面から摺動、離脱され、バイアル内へ押し込まれる。操作ロッド46の外径は、バイアル20の筒状口部内径より小さくされ、輸液バッグ10内の輸液が開通した流路Fを通じてバイアル内へ流入し、その後バイアル内の薬剤を溶解した輸液が輸液バッグ内へ戻り、輸液バッグの下部の薬液排出口16の栓体17を穿刺する中空針に連通される図示されない点滴管をへて患者に投与される。
【0030】
連通機構の支持体56は、フランジ51の貫通孔52のまわりから輸液バッグのポート部12内へ伸長する筒状部を含み、筒状部は、側面に通路を形成する透孔57を備え、端面に操作ロッド46を摺動可能に支持する支持孔58を備える。操作ロッド46は、環状の係止部44、47を備え、これらが貫通孔52又は支持孔58に係合され、操作ロッド46を所定位置に維持可能であり、栓体40は、バイアル内で固定されるため栓体40で通路を塞ぐことがなく、薬液は、バイアル内へスムースに流入し、排出される。支持孔58の両側の係止部44は支持孔58に係合し操作ロッド46を栓体40がバイアルの首部にある状態に維持するが、操作ロッド46が手動で所定の押圧力で押圧されると操作ロッドの移動を許し、通路を開放する。係止部47は通路が開放されたとき、支持孔58に係合し、栓体及び操作ロッドを通路の開放位置に維持する。
【0031】
図3は、第2薬剤封入容器の変形例の2室瓶120の断面図である。2室瓶120は、首部122に隣接し薬液121を収容する第1室125及び第1室とくびれ部124を介して隣接し薬剤21を収容する第2室126を備える。首部122は栓体40により閉鎖され、くびれ部124は、内部に第2栓体127が液密に挿着され閉鎖される。くびれ部124の内径は、首部122の内径より大きくされ、栓体40がくびれ部124を通過可能にされる。栓体40は、操作ロッド46の端部に結合され、操作ロッド46を2室瓶120の方へ押圧することにより2室瓶内へ押し込まれ、第1室125と輸液バッグ10内が連通される。操作ロッド46を更に押圧することにより、くびれ部124の第2栓体127が移動され、第2室126と第1室、及び輸液バッグ10内が連通される。この2室瓶120は、2種の薬剤を2室内に分けて収容し、1回の操作で輸液バッグ内の輸液と混合することができる。
【0032】
図4Aは、バイアル20の首部22又は2室瓶の首部122を塞ぐことが可能な栓体40の側面図、図4Bは、栓体40の中心軸線を含む断面図である。図4Aに示すように栓体40は、頭部43、頭部43から伸びるスカート部41、頭部43のまわりを取巻く2条の環状凸部42、及び頭部43に操作ロッドの端部を受入れるための凹所39を備える。凹所39は、連通操作、バイアル内部の減圧あるいは輸送中の振動等で操作ロッドが栓体40から抜けないように栓体内部側に入り口部より拡張された操作ロッド挿入部38を有する。2条の環状凸部42は、栓体をバイアル20の筒状口部に液密に挿着することにより生ずる密封機能を増強する。
【0033】
図5は、本発明の第2実施例の薬剤封入容器セット6の概略断面図であり、図6は、図5の薬剤封入容器セット6の連通機構が連通状態にされた状態の概略断面図である。この実施例においては、バイアル20の栓体40を中空の連通具144により刺通することにより連通具144内の管路142を経てバイアル内部と輸液バッグ10の第1室11とを連通する連通路が形成される。連通具144は、支持体156内を伸長し輸液バッグ10内に端部141を有し、連通具144内の通路142が端部141において輸液バッグ内部と連通する。連通具144は可撓性輸液バッグの外側から手動でバイアル20の方へ押圧することにより、鋭利な先端145がバイアル20の筒状口部を閉鎖する栓体40を刺通し、連通具144の先端開口143がバイアル内に位置され、バイアル20内と輸液バッグ10内が、開口143及び通路142を介し液体連通状態にされる。連通具144は、その外周部に支持孔114に係合し、栓体を刺通する前の連通具144の位置(図5)、又は栓体を刺通した後の連通具の位置(図6)を維持するための複数のリブ146を備える。
【0034】
図5に示す薬剤封入容器セット6の組立及び滅菌工程は、次のように行われる。輸液バッグ10は、図示しない輸液を収容し、封止膜140により端部が閉じられた連結口部112内に連通具144を収容し、連結口部112に雄ネジを備えた状態で準備される。バイアル20は、図示しない薬剤を収容し刺通可能な栓体40により閉じられ断熱体30により被覆し断熱体の外殻31と一体に円筒形連結端132を設け、連結端132の内周面に雌ネジを備え、栓体40の外周付近と連結端との間に通路155の周りを液密に密封するパッキン29を備えた状態で準備される。輸液バッグ10の連結口部112とバイアル側の連結端とを螺合させ、図5に示すように薬剤封入容器セット6を組立てる。断熱体30の構造機能は、第1薬剤封入容器の滅菌に必要な滅菌温度雰囲気において、バイアルに収容された薬剤が品質劣化することのないように選定される。組立られた薬剤封入容器セット6全体を滅菌器内で加熱し滅菌処理する。
【0035】
図5の構成の薬剤封入容器セット6を用いて薬剤を点滴投与する場合の手順を説明する。まず柔軟な輸液バッグ10の外部から連通具144の幾分膨大化された端部141を栓体40の方へ押圧し、連通具144の鋭利な先端145を隔壁140及び栓体40を貫通して進め(図6)、先端145に隣接する先端開口143をバイアル20内部と連通させ、それにより、輸液バッグ10内とバイアル20内を、先端開口143(図6)、通路142を介し連通させる。この連通路を介し輸液バッグ10内の輸液をバイアル20内へ流入させ、バイアル内の薬剤を流入した輸液に溶解し流動化する。バイアル20内の混合流動化した薬剤を、重力等により、薬液バッグ10内へ戻して、薬液と薬剤の混合液を薬液バッグ内に形成する。次に吊り具(図示されない)を点滴用架台に係合し薬液排出口16の栓体17を中空針で穿刺し中空針及び中空針に連通されるチューブ等を介し混合薬液を患者に点滴投与する。
【0036】
図7は、本発明の第3実施例の薬剤封入容器セット7の概略断面図である。第1又は第2実施例の部材と同様な部材には、同様の符号が付され説明が省略される。この実施例の薬剤封入容器セット7は、第1実施例(図1)及び第2実施例(図5、図6)と同様に、輸液バッグ10、断熱体30により覆われた樹脂製のバイアル20、及び連通機構50から成る。この実施例の連通機構50は、構造が極めて簡単化されている。即ち、バイアルの蓋34と一体に形成され、先端が閉じられた管状部材232からなり、管状部材232の先端に破断可能部分90が設けられ、輸液バッグ10の外部から曲げ力を加える等により破断可能部分90を破断し、バイアル20の内部と輸液バッグ10の内部を通路242を介し液体連通状態とすることができる。
【0037】
図8は、本発明の第4実施例の薬剤封入容器セット8の概略断面図である。第1〜第3実施例の部材と同様な部材には、同様の符号が付され説明が省略される。この実施例の薬剤封入容器セット8は、輸液バッグ10、断熱体30により覆われた薬剤バッグ220、及び連通機構150から成る。この実施例の連通機構50は、構造が極めて簡単化されている。即ち、輸液バッグ10の第1室11の縁部14に開口を設けその開口内面と薬剤バッグ220の第1室211の開口外面を接着し、輸液バッグ10の第1室11内部と薬剤バッグ220の第1室211内部の間を連通する通路342が形成されている。通路342は、剥離可能接着部119を設けて閉鎖されるが、輸液バッグ10の第1室11と薬剤バッグ220の第1室211が空室とされる場合は、輸液バッグ10の剥離可能接着部19又は薬液バッグ220の剥離可能接着部219が通路342を閉鎖するので、通路342の剥離可能接着部119は省略可能である。
【0038】
薬剤バッグ220及び連通機構150は、必要に応じて複数個設けられる。各部薬剤バッグの外面を覆う断熱体30の断熱性能は、各薬剤バッグに封入される薬剤が加熱滅菌処理工程において耐熱温度を超えない温度に維持されるように選定される。断熱体30は、樹脂製断熱材、セラミック又は断熱空間とすることができる。また断熱体は、加熱滅菌処理における高温から第2薬剤封入容器(薬剤バッグ)内の薬剤を保護する目的で冷却材により形成され得る。
【0039】
図8の構成の薬剤封入容器セット8を用いて薬剤を点滴投与する場合の手順を説明する。まず薬液バッグ内の薬液と薬剤バッグ内の薬剤を混合し流動化する作業を行う。即ち、比較的多量の薬液を封入した薬液バッグ10の第2室18内の薬液に外部から押圧力を加えて、剥離可能接着部19を剥離させ薬液を第1室11へ流入させる。通路342に剥離可能接着部が設けられる場合は、更に第1室11及び押圧力を加え通路の剥離可能接着部を剥離させ薬液を薬剤バッグ220の第1室211へ流入させる。薬剤バッグ220の第2室21内に固形薬剤が封入される場合は、更に薬液バッグ10及び第1室211及び薬剤バッグ220の第1室211に外部から押圧力を加えて、剥離可能接着部を剥離させ、両バッグ内を通路により連通状態とし、薬液と薬剤を混合し流動化させる。薬剤バッグ220内に薬液が封入される場合は、薬剤バッグ220にも押圧力を加え剥離可能接着部を剥離させ両バッグ内を通路により連通状態とし、薬液と薬剤を混合し流動化する。次に吊り具33を点滴用架台に係合し薬液排出口16の栓体17を中空針で穿刺し中空針及び中空針に連通されるチューブ等を介し混合薬液を患者に点滴投与する。
【0040】
図9は、本発明の第5実施例の薬剤封入容器セットの概略断面図である。第1〜第4実施例の部材と同様な部材には、同様の符号が付され説明が省略される。図9の薬剤封入容器セットは、図1の薬剤封入容器セットから断熱体30を除いた構成を有する。即ち、図9は、本発明の第5実施例の薬剤封入容器セットの要部概略断面図である。図9に示す薬剤封入容器セット5は、樹脂製輸液バッグ(第1薬剤封入容器)10、薬剤封入バイアル20、及び輸液バッグ10とバイアル20を連結する閉鎖された連通機構50を備える。バイアルの首部22の端部とフランジ51の上面の間に密封のためのパッキン29が配置される。係合部54は、バイアルの首部22の外周面のくぼみに係合する3個以上の係合爪53を備える。フランジ51の周囲から下方へ円筒部51’が垂下し、ポート部12を覆う。
【0041】
図9の容器セットは、組立てた状態において保護体無しで蒸気滅菌、電子線照射、γ線照射又は紫外線照射により滅菌又は殺菌工程を行う。それ故、第1薬剤封入容器と第2薬剤封入容器は、いずれも滅菌又は殺菌工程の熱、電子線、γ線又は紫外線に対し同様の耐性を備え、変質しないことがもとめられる。図9の容器セットにおいて、操作ロッド46は、フランジ51の中央の貫通孔52を通り、円筒形の支持体56及び支持体56の端板に設けた支持孔58を通り伸長し、輸液バッグの第1室11内に端部45を有する。閉鎖された連通機構50は、輸液バッグ10の外部から手動により液体連通状態にすることができるように構成される。
【0042】
第1薬剤封入容器は、図10に示す多室バッグ10により形成され得る。図10の多室バッグ10は、周縁部15、2つのポート部12、12、吊り下げ部33を備え、剥離可能な隔壁19、19’で仕切られた各薬剤成分が複数の室C1〜C4へ各薬剤成分が充填し収容される。多室バッグの各室C1〜C4に収容される薬剤は、例えば、静脈投与用輸液剤、液状栄養剤等の医療用食餌療法用飲料・食品、腹膜透析液、臓器保存液、臓器等の洗浄に用いられる洗浄剤である。各薬剤に配合される成分は、ブドウ糖、フルクトース、マルトース等の還元糖、従来より輸液として栄養補給を目的として利用されてきているアミノ酸製剤に配合されている各種のアミノ酸である。また、ビタミン剤、微量元素製剤を各室に収容し得る。
【0043】
【発明の効果】
本発明の薬剤封入容器セットは、第1薬剤封入容器又は第2薬剤封入容器の外部から手動により薬剤を連通可能な連通状態にすることができるものであり、投与直前に細菌汚染を生じることなく、第1薬剤封入容器と複数の第2薬剤封入容器内の薬剤を連通状態の連通機構を介してを混合することができる。
【0044】
本発明の薬剤封入容器セットは、第1薬剤封入容器(薬液バッグ)と耐熱温度、電子線、γ線、紫外線等に対する耐性が異なる第1薬剤封入容器に添加すべき薬剤を同時にして、且つ薬剤成分を損傷することなく高温蒸気、電子線照射、γ線照射、紫外線照射を用いる滅菌又は殺菌工程を行うことが可能である。本発明は慣用の無菌保証が容易な高圧蒸気滅菌、シャワー滅菌等の加熱滅菌法で薬剤封入容器セット全体を滅菌又は殺菌することができる。また薬剤封入容器セット全体を確実に且つ簡単に無菌保証することができる。
【0045】
本発明の薬剤封入容器セットは、組立後に全体的に滅菌工程がなされるから、組立作業を費用と手数のかかる無菌室で行う必要がなくなり、費用及び時間を大きく節減することができる。本発明の栓体を押外す図1の例においては、穿刺の必要がないため、コアリング等の異物混入がなく、薬液溶解時の流路が広く確保される。そのため薬剤溶解時のポンピング操作が不要になり、また薬剤溶解時間が短縮される。更に穿刺針を使用しないから、作業中に看護婦が負傷する心配がない。
【0046】
本発明の図1乃至図6の実施例においては、連通操作は、連通具を押すだけであり、作業者(看護婦)のトレーニングが不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の薬剤封入容器セットの要部概略断面図。
【図2】図1の薬剤封入容器セットの連通機構が連通状態にされた状態の要部概略断面図。
【図3】第1実施例の第2薬剤封入容器の変形例の2室瓶を示す概略断面図。
【図4】図4Aは栓体の概略側面図、図4Bは栓体の画略断面図。
【図5】本発明の第2実施例の薬剤封入容器セットの概略断面図。
【図6】図5の薬剤封入容器セットの連通機構が連通状態にされた状態の概略断面図。
【図7】本発明の第3実施例の薬剤封入容器セットの概略断面図。
【図8】本発明の第4実施例の薬剤封入容器セットの概略断面図。
【図9】本発明の第5実施例の薬剤封入容器セットの概略断面図。
【図10】本発明の薬剤封入容器セットの第1薬剤封入容器に使用可能な多室容器の概略断面図である。
【符号の説明】
5、6、7、8:薬剤封入容器セット、10:輸液バッグ(第1薬剤封入容器、多室容器)、11:第1室、12:ポート部、13:フランジ部、14:シール部、15:周縁部、16:排出口、17:栓体、18:第2室(薬液部)、19:剥離可能接着部、20:バイアル(第2薬剤封入容器)、21:薬剤、22:首部、25:断熱材、30:保護体(断熱体)、31:外殻、33:吊り下げ具、34:蓋、40:栓体、41:スカート部、42:環状凸部、43:頭部、44:凹所、46:操作ロッド(操作具)、50:連通機構、51:フランジ、52:貫通孔、55:通路、56:支持体、58:支持孔、90:折取部、112:連結口部、114:支持孔、119:剥離可能接着部、120:2室瓶(第2薬剤封入容器)、121:薬液、124:くびれ部、126:第2室、127:中栓体、144:中空針、140:封止膜、141:端部、142:通路、143:先端開口、144:連通具、145:先端、146:リブ、150:連通機構、219:剥離可能接着部、220:2室バッグ(第2薬剤封入容器)、232:管状部材、242、342:通路。
F:流路。

Claims (15)

  1. 第1薬剤封入容器と第2薬剤封入容器が閉鎖された連通機構により連結され、閉鎖された連通機構は、手動により薬剤を通過可能な連通状態にすることができる薬剤封入容器セットを製造する方法であって、
    1又は複数の第2薬剤封入容器と第1薬剤封入容器を閉鎖された連通機構を介し連結する工程、1又は複数の第2薬剤封入容器の外面の少なくとも一部を保護体により覆う工程、並びに連結された第1薬剤封入容器及び保護体により覆われた第2薬剤封入容器を同時に加熱、電子線、γ線又は紫外線により滅菌又は殺菌する工程を含み、
    保護体は、滅菌又は殺菌工程において第2薬剤封入容器内の薬剤変質しないように保護可能であり、
    閉鎖された連通機構は、第1薬剤封入容器と前記バイアルを連通する通路、該通路を閉鎖する閉鎖体、及び閉鎖体を移動させる手段を含むことを特徴とする方法。
  2. 滅菌又は殺菌工程は、加熱処理によって行なわれ、第2薬剤封入容器に収容される薬剤の耐熱温度が、第1薬剤封入容器に収容される薬剤の耐熱温度より低く、保護体は、断熱体であり、断熱体は、樹脂製断熱材、セラミック、密閉空間、又は第2薬剤封入容器の外面に隣接する冷却材からなり、第2薬剤封入容器の薬剤に対する加熱処理の影響を軽減する性能を備える請求項1の方法。
  3. 滅菌又は殺菌工程は、電子線、γ線又は紫外線の照射により行われ、保護体は、電子線、γ線又は紫外線の遮蔽体である請求項1の方法。
  4. 第2薬剤封入容器は、薬剤を封入したガラス又は樹脂製のバイアルである請求項1乃至3のいずれか1項の方法。
  5. 第1薬剤封入容器は、輸液を前記連通機構の閉鎖体により封入した可撓性輸液バッグである請求項1乃至4のいずれか1項の方法。
  6. 滅菌又は殺菌工程の後に保護体を第2薬剤封入容器の外面から除去する工程を更に含む請求項1乃至のいずれか1項の方法。
  7. 薬剤封入容器セットであって、第1薬剤封入容器、1又は複数の第2薬剤封入容器、及び第1薬剤封入容器と第2薬剤封入容器を連結する閉鎖された連通機構を備え、閉鎖された連通機構は、第1薬剤封入容器又は第2薬剤封入容器の外部から手動により薬剤を連通可能な連通状態にすることができるものであり、第1薬剤封入容器、1又は複数の第2薬剤封入容器、及び閉鎖された連通機構を、同時に且つ1又は複数の第2薬剤封入容器の外面の少なくとも一部を保護体で覆うことにより第2薬剤封入容器内の薬剤を加熱、電子線、γ線又は紫外線による滅菌又は殺菌工程で変質しない保護状態として滅菌又は殺菌してなり、
    第1薬剤封入容器は、可撓性の輸液バッグであり、第2薬剤封入容器は、剛固な筒状口部を有する容器であり、閉鎖された連通機構は、容器の筒状口部と輸液バッグ内を薬剤が通過するように連通状態にする通路、筒状口部に液密に挿着され通路を閉じる閉鎖体、及び挿着された閉鎖体を筒状口部から移動させ通路を開くための操作具を備える薬剤封入容器セット。
  8. 滅菌又は殺菌工程は高圧蒸気又は熱水シャワーによる加熱処理によりなされ、保護体は、樹脂製断熱材、セラミック、密閉空間、又は冷却材からなる断熱体である請求項の薬剤封入容器セット。
  9. 滅菌又は殺菌工程は、電子線、γ線又は紫外線の照射により行われ、保護体は、電子線、γ線又は紫外線の遮蔽体からなる請求項の薬剤封入容器セット。
  10. 第2薬剤封入容器は、ガラス又は樹脂製のバイアルであり、操作具は、一端が閉鎖体に係合され輸液バッグ内に他端を有する操作ロッドを備え、操作ロッドは輸液バッグの外部から手動で操作し閉鎖体を移動させ通路を開くことができる請求項7乃至9のいずれか1項の薬剤封入容器セット。
  11. 第1薬剤封入容器は、薬液封入室及び薬剤封入室を備える可撓性バッグからなり、隣接する薬液又は薬剤封入室の間の仕切りが剥離容易な接着部により形成される請求項7乃至10の薬剤封入容器セット。
  12. 滅菌又は殺菌工程の後に保護体が第2薬剤封入容器の外面から除去されたものである請求項7乃至11のいずれか1項の薬剤封入容器セット。
  13. 薬剤封入容器セットであって、第1薬剤封入容器、1又は複数の第2薬剤封入容器、第2薬剤封入容器の外面の少なくとも一部を覆う保護体、及び第1薬剤封入容器と第2薬剤封入容器を連結する閉鎖された連通機構を備え、閉鎖された連通機構は第1薬剤封入容器又は第2薬剤封入容器の外部から手動により薬剤が通過可能な連通状態にすることができるものであり、保護体は第2薬剤封入容器内の薬剤が加熱、電子線、γ線又は紫外線による滅菌又は殺菌工程により変質しないように保護するものであり、
    第1薬剤封入容器は少なくとも1つの薬剤封入室を備える可撓性バッグからなり、前記可撓性バッグは剛固な筒状首部を備え、第2薬剤封入容器はガラス又は樹脂製のバイアルであり、閉鎖された連通機構は、筒状首部に液密に接続され中央に貫通孔を有するフランジ、フランジから伸長しバイアルの筒状口部外周に嵌合可能な嵌合部、フランジから筒状首部内へ伸長する支持体、筒状口部の内部及び貫通孔を含みバイアル内部と前記可撓性バッグ内部を液体連通可能な通路、バイアルの筒状口部内周面に液密に挿着され通路を閉じる閉鎖体、及び閉鎖体に一端を接続され筒状首部内へ伸長する操作体を備え、保護体は、一端においてフランジ外周部に係合される外筒部材及び外筒部材の他端を閉じる端板からなる外殻、及びバイアルと外殻との間に配置される断熱材からなる薬剤封入容器セット。
  14. 支持体は、フランジの貫通孔のまわりから筒状首部内へ伸長する筒状体を含み、筒状体は、通路を形成する透孔及び操作体を摺動可能に支持する支持部を備える請求項13の薬剤封入容器セット。
  15. 滅菌又は殺菌工程は、第1薬剤封入容器、1又は複数の第2薬剤封入容器、及び閉鎖された連通機構を、同時に滅菌又は殺菌することを含み、第1薬剤封入容器と第2薬剤封入容器は、それぞれ滅菌又は殺菌工程における加熱又は電子線、γ線、紫外線の照射に耐える安定な薬剤を収容する請求項13又は14の薬剤封入容器セット。
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