JPH10260446A - 防振機能付きカメラ - Google Patents

防振機能付きカメラ

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JPH10260446A
JPH10260446A JP8244197A JP8244197A JPH10260446A JP H10260446 A JPH10260446 A JP H10260446A JP 8244197 A JP8244197 A JP 8244197A JP 8244197 A JP8244197 A JP 8244197A JP H10260446 A JPH10260446 A JP H10260446A
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JP
Japan
Prior art keywords
driving
shake
camera
correction
shutter
Prior art date
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Application number
JP8244197A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Washisu
晃一 鷲巣
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • Adjustment Of Camera Lenses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 補正手段の誤動作による像劣化を防止する。 【解決手段】 露光動作時には、シャッタ駆動等の大電
力消費時は、補正手段による振れ補正動作は行わせない
防振制御手段(#1001,#1002)を有してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラに加わる振
れに起因する像振れを補正する為の補正手段を有する防
振機能付きカメラの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在のカメラは露出決定やピント合せ等
の撮影にとって重要な作業は全て自動化されているた
め、カメラ操作に未熟な人でも撮影失敗を起す可能性は
非常に少なくなっている。
【0003】また、最近では、カメラに加わる手振れを
防ぐシステムも研究されており、撮影者の撮影失敗を誘
発する要因は殆ど無くなってきている。
【0004】ここで、手振れを防ぐシステムについて簡
単に説明する。
【0005】撮影時のカメラの手振れは、周波数として
通常1Hz乃至12Hzの振動であるが、シャッタのレ
リーズ時点においてこのような手振れを起していても像
振れの無い写真を撮影可能とする為の基本的な考えとし
て、上記手振れによるカメラの振動を検出し、その検出
値に応じて補正レンズを変位させてやらなければならな
い。従って、カメラの振れが生じても像振れを生じない
写真を撮影できることを達成するためには、第1にカメ
ラの振動を正確に検出し、第2に手振れによる光軸変化
を補正することが必要となる。
【0006】この振動(カメラ振れ)の検出は、原理的
にいえば、角加速度,角速度,角変位等を検出する振動
検出センサと、該センサの出力信号を電気的或は機械的
に積分して角変位を出力する積分器等を含み、その角変
位に相当する信号を出力する振動検出回路等をカメラに
搭載することによって行うことができる。そして、この
検出情報に基づいて撮影光軸を偏心させる補正光学装置
を駆動させることにより、像振れ抑制が可能となる。
【0007】ここで、振動検出回路を用いた防振システ
ムについて、図11を用いてその概要を説明する。
【0008】図11の例は、図示矢印81方向のカメラ
縦振れ81p及び横振れ81yに由来する像振れを抑制
するシステムの図である。
【0009】同図中、82はレンズ鏡筒、83p,83
yは各々カメラ縦振れ振動、カメラ横振れ振動を検出す
る振動検出回路で、それぞれの振動検出方向を84p,
84yで示してある。85は補正光学装置(87p,8
7yは各々補正光学装置85に推力を与えるコイル、8
6p,86yは補正手段85の位置を検出する位置検出
素子)であり、該補正光学装置85には後述する位置制
御ループを設けており、振動検出回路83p,83yの
出力を目標値として駆動され、像面88での安定を確保
する。
【0010】図12はかかる目的に好的に用いられる振
れ補正装置(詳細は後述するが、補正手段や該補正手段
を支持したり、係止したりする手段より成る)の構造を
示す分解斜視図であり、以下図12〜図21を参照しつ
つ、この構造について説明する。
【0011】地板71(図15に拡大図あり)の背面突
出耳71a(3ケ所(1ケ所は隠れて見えない))は不
図示の鏡筒に嵌合し、公知の鏡筒コロ等が孔71bにネ
ジ止めされ、鏡筒に固定される。
【0012】磁性体であり光択メッキが施された第2ヨ
ーク72は、孔72aを貫通するネジで地板71の孔7
1cにネジ止めされる。又、第2ヨーク72にはネオジ
ウムマグネット等の永久磁石(シフト用マグネット)7
3が磁気的に吸着されている。なお、各永久磁石73の
磁化方向は図12に図示した矢印73aの方向である。
【0013】補正レンズ74がCリング等で固定された
支持枠75(図16に拡大図あり)にはコイル76p,
76y(シフト用コイル)が強引に押し込まれて接合
(以下、この事を「パッチン接着」と記す)され(図1
6は未接着)、又、IRED等の投光素子77p,77
yも支持枠75の背面に接着され、スリット75ap,
75ayを通してその射出光が後述するPSD等の位置
検出素子78p,78yに入射する。
【0014】支持枠75の孔75b(3ケ所)にはPO
M(ポリアセタール樹脂)等の先端球状の支持球79
a,79b及びチャージバネ710が挿入され(図13
及び図14も参照)、支持球79aが支持枠75に熱カ
シメされ固定される(支持球79bはチャージバネ71
0のバネ力に逆らって孔75bの延出方向に摺動可能で
ある)。
【0015】上記図13は振れ補正装置の組立後の横断
面図であり、支持枠75の孔75bに矢印79c方向に
支持球79b,チャージしたチャージバネ710,支持
球79aの順に挿入してゆき(支持球79a,79bは
同形状の部品)、最後に孔75bの周端部75cを熱カ
シメして支持球79aの抜け止めを行う。
【0016】孔75bの図13と直交する方向の断面図
を図14(a)に示し、又図14(a)の断面図を矢印
79c方向より見た平面図を図14(b)に示してお
り、図14(b)の符合A〜Dに示す範囲の深さを図1
4(a)のA〜Dに示す。
【0017】ここで、支持球79aの羽根部79aaの
後端部は深さA面の範囲で受けられ規制される為、周端
部75aを熱カシメする事で支持球79aは支持枠75
に固定される。
【0018】支持球79bの羽根部79baの先端部は
深さB面の範囲で受けられる為に、該支持球79bがチ
ャージバネ710のチャージバネ力で孔75bより矢印
79cの方向に抜けてしまう事はない。
【0019】勿論振れ補正装置の組立が終了すると支持
球79bは図13に示す様に第2ヨーク72に受けられ
る為、支持枠75より抜け出る事はなくなるが、組立性
を考慮して抜け止め範囲B面を設けている。
【0020】図13及び図14に示す支持枠75の孔7
5bの形状は、該支持枠75を成形で作る場合において
も複雑な内径スライド型を必要とせず、矢印79cと反
対側に型を抜く単純な2分割型で成形可能な為、その分
寸法精度を厳しく設定出来る。
【0021】この様に、支持球79a,79bが同一部
品となっている為に部品コストが下がるばかりでなく、
組立ミスが無く、部品管理上も有利である。
【0022】上記支持枠75の軸受部75dには例えば
フッソ系のグリスを塗布し、ここにL字形の軸711
(非磁性のステンレス材)を挿入し(図12参照)、L
字軸711の他端は地板71に形成された軸受部71d
(同様にグリスを塗布し)に挿入し、3カ所の支持球7
9bを共に第2ヨーク72に乗せて支持枠75を地板7
1内に収める。
【0023】次に、図12に示す第1ヨーク712の位
置決め孔712a(3ケ所)を地板71の図15に示す
ピン71f(3ケ所)に嵌合させ、同じく図15に示す
受け面71e(5ケ所)にて第1ヨーク712を受けて
地板71に対し磁気的に結合する(永久磁石73の磁力
により)。
【0024】これにより、第1ヨーク712の背面が支
持球79aと当接し、図13に示す様に支持枠75は第
1ヨーク712と第2ヨーク72にて挟持され、光軸方
向の位置決めが為される。
【0025】支持球79a,79bと第1ヨーク71
2,第2ヨーク72の互いの当接面にもフッソ系グリス
が塗布してあり、支持枠75は地板71に対して光軸と
直交する平面内にて自由に摺動可能である。
【0026】上記L字軸711は支持枠75が地板71
に対し矢印713p,713y方向にのみ摺動可能に支
持していることになり、これにより支持枠75の地板7
1に対する光軸回りの相対的回転(ローリング)を規制
している。
【0027】尚、前記L字軸711と軸受部71d,7
5dの嵌合ガタは光軸方向には大きく設定しており、支
持球79a,79bと第1ヨーク712,第2ヨーク7
2の挾持による光軸方向規制と重複嵌合してしまうこと
を防いでいる。
【0028】前記第1ヨーク712の表面には絶縁用シ
ート714が被せられ、その上に複数のICを有するハ
ード基板715(位置検出素子78p,78y、出力増
幅用IC,コイル76p,76y駆動用IC等)が位置
決め孔715a(2ケ所)を地板71の図20に示すピ
ン71h(2ケ所)に嵌合され、孔715b,第1ヨー
ク712の孔712bとともに地板71の孔71gにネ
ジ結合される。
【0029】ここで、ハード基板715には位置検出素
子78p,78yが工具にて位置決めされて半田付けさ
れ、又信号伝達用のフレキシブル基板716も面716
aがハード基板715の背面に破線で囲む範囲715c
(図12参照)に熱により圧着される。
【0030】前記フレキシブル基板716から光軸と直
交する平面方向に一対の腕716bp,716byが延
出しており、各々支持枠75の引っ掛け部75ep,7
5ey(図16参照)に引っ掛けられ、投光素子77
p,77yの端子及びコイル76p,76yの端子が半
田付けされる。
【0031】これにより、IRED等の投光素子77
p,77y、コイル76p,76yの駆動はハード基板
715よりフレキシブル基板716を介在して行われる
ことになる。
【0032】前記フレキシブル基板716の腕部716
bp,716by(図12参照)には各々屈折部716
cp,716cyを有しており、この屈折部の弾性によ
り支持枠75が光軸と直交する平面内に動き回る事に対
する該腕部716bp,716byの負荷を低減してい
る。
【0033】前記第1ヨーク712は型抜きによる突出
面712cを有し、該突出面712cは絶縁シート71
4の孔714aを通り、ハード基板715と直接接触し
ている。この接触面のハード基板715側にはアース
(GND:グランド)パターンが形成されており、ハー
ド基板715を地板にネジ結合する事で第1ヨーク71
2はアースされ、アンテナになってハード基板715に
ノイズを与える事を無くしている。
【0034】図12に示すマスク717は地板71のピ
ン71hに位置決めされ、前記ハード基板715上に両
面テープにて固定される。
【0035】前記地板71には永久磁石貫通孔71i
(図12,図15参照)が開けられており、ここから第
2ヨーク72の背面が露出している。そして、この貫通
孔71iに永久磁石718(ロック用マグネット)が組
み込まれ、第2ヨーク72と磁気結合している(図13
参照)。
【0036】ロックリング719(図12,図13,図
17参照)にはコイル720(ロック用コイル)が接着
され、又ロックリング719の耳部719aの背面には
軸受719b(図18参照)があり、アマーチュアピン
721(図12参照)にアマーチュアゴム722を通
し、該アマーチュアピン721を軸受719bに通した
後、該アマーチュアピン721にアマーチュアバネ72
3を通し、アマーチュア724に嵌入してカシメ固定す
る。
【0037】従って、アマーチュア724はアマーチュ
アバネ723のチャージ力に逆らってロックリング71
9に対し矢印725方向に摺動出来る。
【0038】図18は組立終了後の振れ補正装置を、図
12の背面方向から見た平面図であり、この図におい
て、ロックリング719の外径切り欠き部719c(3
ケ所)を地板71の内径突起71j(3ケ所)に合せて
ロックリング719を地板71に押し込み、その後ロッ
クリングを反時計方向に回して抜け止めを行う公知のバ
ヨネット結合により、ロックリング719は地板71に
取り付いている。
【0039】従って、ロックリング719は地板71に
対し光軸回りに回転可能である。しかし、ロックリング
719が回転して再びその切り欠き719cが突起71
jと同位相になり、バヨネット結合が外れてしまうのを
防ぐ為にロックゴム726(図12,図18参照)を地
板71に圧入して、該ロックリング719がロックゴム
726に規制される切り欠き部719dの角度θ(図1
8参照)しか回転出来ない様に回転規制している。
【0040】磁性体のロック用ヨーク727(図12参
照)にも永久磁石718(ロック用マグネット)が取り
付けられ、その孔727a(2ケ所)を地板71のピン
71k(図18参照)に嵌合して嵌め込み、孔727b
(2ケ所)と71n(2ケ所)によりねじ結合してい
る。
【0041】地板71側の永久磁石718とロック用ヨ
ーク727側の永久磁石718、及び、第2のヨーク7
2,ロック用ヨーク727により、公知の閉磁路を形成
している。
【0042】又、前記ロックゴム726はロック用ヨー
ク727がネジ結合される事で抜け止めされる。尚、図
18においては上記の説明の為にロックヨーク727は
省いて図示している。
【0043】前記ロックリング719のフック719e
と地板71のフック71m間(図18参照)にはロック
バネ728が掛けられており、ロックリング719を時
計まわりに付勢している。吸着ヨーク729(図12,
図18参照)には吸着コイル730が差し込まれ、地板
71の孔729aによりネジ結合される。
【0044】コイル720の端子及び吸着コイル730
の端子は、例えば4本縒り線のテトロン被覆線のツイス
トペア構成にしてフレキシブル基板716の幹部716
dに半田付けされる。
【0045】以上説明した振れ補正装置の機構部は大別
すると、光軸を偏心させる補正手段と、該補正手段を支
持する支持手段と、前記補正手段を係止する係止手段の
3つの要素で構成されている。
【0046】前記補正手段は、レンズ74、支持枠7
5、コイル76p,76y、IRED77p,77y、
位置検出素子78p,78y、IC731p,731
y、支持球79a,79y、チャージバネ710、支持
軸711で組み立てられている。また、支持手段は、地
板71、第2ヨーク72、永久磁石73、第1ヨーク7
12で構成されている。又係止手段は、永久磁石71
8、ロックリング719、コイル720、アーマチュア
軸721、アーマチュアゴム722、アーマチュアバネ
723、アーマチュア724、ロックゴム726、ヨー
ク727、ロックバネ728、吸着ヨーク729、吸着
コイル730で構成されている。
【0047】また、前記補正手段を構成するうちの、レ
ンズ74、支持枠75により補正光学系を成し、PSD
78p,79y、IC731p,731y、IRED7
7p,77yが位置検出回路を成し、コイル76p,7
6y、第2ヨーク72、永久磁石73、第1ヨーク71
2が駆動回路を成す。つまり、補正手段は、補正光学
系,位置検出回路,前記補正光学系を駆動する駆動回路
を主たる構成要素として成るものである。
【0048】そして、前記振れ補正装置と振動検出回路
(図11参照)と以下の図19に示す演算回路により、
防振システムが構成される。
【0049】前記ハード基板715上のIC731p,
731yは各々位置検出端子78p,78yの出力増幅
用のICであるが、その内部構成は図19の様になって
いる(IC731p,731yは同構成の為、ここでは
731pのみ示す)。
【0050】図19において、電流−電圧変換アンプ7
31ap,731bpは投光素子77pにより位置検出
素子78p(抵抗R1,R2より成る)に生じる光電流
78i1p,78i2pを電圧に変換し、差動アンプ7
31cpは各電流−電圧変換アンプ731ap,731
bpの差出力を求め増幅している。
【0051】投光素子77p,77yの射出光は、前述
した通り、スリット75ap,75ayを経由して位置
検出素子78p,78y上に入射するが、支持枠75が
光軸と垂直な平面内で移動すると位置検出素子78p,
78yへの入射位置が変化する。
【0052】前記位置検出素子78pは矢印78ap方
向(図12参照)に感度を持っており、又スリット75
apは矢印78apとは直交する方向(78ay方向)
に光束が拡がり、矢印78ap方向には光束が絞られる
形状をしている為、支持枠75が矢印713p方向に動
いた時のみ該位置検出素子78pの光電流78i1 p,
78i2 pのバランスは変化し、差動アンプ731cp
は支持枠75の矢印713p方向に応じた出力をする。
【0053】又位置検出素子78yは矢印78ay方向
(図12参照)に検出感度を持ち、スリット75ayは
矢印78ayとは直交する方向(78ap方向)に延出
する形状の為に、支持枠75が矢印713y方向に動い
た時のみ該位置検出素子78yは出力を変化させる。
【0054】加算アンプ731dpは電流−電圧変換ア
ンプ731ap,731bpの出力の和(位置検出素子
78pの受光量総和)を求め、この信号を受ける駆動ア
ンプ731epはこれに従って投光素子77pを駆動す
る。
【0055】上記投光素子77pは温度等に極めて不安
定にその投光量が変化する為、それに伴い位置検出素子
78pの光電流78i1 p,78i1 pの絶対量(78
1p+78i2 p)が変化する。その為、支持枠75
の位置を示す(78i1 p−78i2 p)である差動ア
ンプ731cpの出力も変化してしまう。
【0056】しかし、上記の様に受光量の総和が一定と
なる様に前述の駆動回路によって投光素子77pを制御
すれば、差動アンプ731cpの出力変化が無くなる。
【0057】図12に示すコイル76p,76yは永久
磁石73,第1のヨーク712,第2のヨーク72で形
成される閉磁路内に位置し、コイル76pに電流を流す
事で支持枠75は矢印713p方向に駆動され(公知の
フレミングの左手の法則)、コイル76yに電流を流す
事で支持枠75は矢印713y方向に駆動される。
【0058】一般に位置検出素子78p,78yの出力
をIC731p,731yで増幅し、その出力でコイル
76p,76yを駆動すると、支持枠75が駆動されて
位置検出素子78p,78yの出力が変化する構成とな
る。
【0059】ここで、コイル76p,76yの駆動方向
(極性)を位置検出素子78p,78yの出力が小さく
なる方向に設定すると(負帰還)、該コイル76p,7
6yの駆動力により位置検出素子78p,78yの出力
がほぼ零になる位置で支持枠75は安定する。
【0060】この様に位置検出出力を負帰還して駆動を
行う手法を位置制御手法と云い、例えば外部から目標値
(例えば手振れ角度信号)をIC731p,731yに
混合させると、支持枠75は目標値に従って極めて忠実
に駆動される。
【0061】実際には差動アンプ731cp,731c
yの出力はフレキシブル基板716を経由して不図示の
メイン基板に送られ、そこでアナログ/ディジタル変換
(A/D変換)が行われ、マイコンに取り込まれる。
【0062】マイコン内では適宜目標値(手振れ角度信
号)と比較増幅され、公知のディジタルフィルタ手法に
よる位相進み補償(位置制御をより安定させる為)が行
われた後、再びフレキシブル基板716を通り、IC7
32(コイル76p,76y駆動用)に入力する。IC
732は入力される信号を基に前記コイル76p,76
yを公知のPWM(パルス幅変調)駆動を行い、支持枠
75を駆動する。
【0063】支持枠75は前述した様に矢印713p,
713y方向に摺動可能であり、上述した位置制御手法
により位置を安定させている訳であるが、カメラ等の民
生用光学機器においては電源消耗防止の観点からも常に
該支持枠75を制御しておく事は出来ない。
【0064】また、支持枠75は非制御状態時には光軸
と直交する平面内にて自由に動き回る事が出来る様にな
る為、その時のストローク端での衝突の音発生や損傷に
対しても対策しておく必要がある。
【0065】図18及び図20に示す様に支持枠75の
背面には3ケ所の放射状に突出した突起75fを設けて
あり、図20に示す様に突起75fの先端がロックリン
グ719の内周面719gに嵌合している。従って、支
持枠75は地板71に対して全ての方向に拘束されてい
る。
【0066】図20(a),(b)はロックリング71
9と支持枠75の動作の関係を示す平面図であり、図1
8の平面図から要部のみ抜出した図である。尚、説明を
解り易くする為に実際の組立状態とは若干レイアウトを
変化させている。又、図20(a)のカム部719f
(3ケ所)は、図13,図17に示す通り、ロックリン
グ719の円筒の母線方向全域に渡って設けられている
訳ではないので図18の方向からは実際には見えない
が、説明の為に図示している。
【0067】図13に示した通り、コイル720(72
0aは図示しないフレキシブル基板等でロックリング7
19の外周を通り、端子719hよりフレキシブル基板
716の幹部716d上の端子716eに接続される4
本縒り線の引き出し線)は永久磁石718で挟まれた閉
磁路内に入っており、コイル720に電流を流す事でロ
ックリング719を光軸回りに回転させるトルクを発生
する。
【0068】このコイル720の駆動も不図示のマイコ
ンからフレキシブル基板716を介してハード基板71
5上の駆動用IC733に入力する指令信号で制御さ
れ、IC733はコイル720をPWM駆動する。
【0069】図20(a)において、コイル720に通
電するとロックリング719に反時計回りのトルクが発
生する様にコイル720の巻き方向が設定されており、
これによりロックリング719はロックバネ728のバ
ネ力に逆らって反時計方向に回転する。
【0070】尚、ロックリング719は、コイル720
に通電前はロックバネ728の力によりロックゴム72
6に当接して安定している。
【0071】ロックリング719が回転すると、アマー
チュア724が吸着ヨーク729に当接してアマーチュ
アバネ723を縮め、吸着ヨーク729とアマーチュア
724の位置関係をイコライズしてロックリング719
は図20(b)の様に回転を止める。
【0072】図21はロックリング駆動のタイミングチ
ャートである。
【0073】図21の矢印719iでコイル720に通
電(720bに示すPWM駆動)すると同時に吸着マグ
ネット730にも通電(730a)する。その為、吸着
ヨーク729にアマーチュア724が当接し、イコライ
ズされた時点でアマーチュア724は吸着ヨーク729
に吸着される。
【0074】次に、図21の720cに示す時点でコイ
ル720への通電を止めると、ロックリング719はロ
ックバネ728の力で時計回りに回転しようとするが、
上述した様にアマーチュア724が吸着ヨーク729に
吸着されている為、回転は規制される。この時、支持枠
75の突起75fはカム部719fと対向する位置に在
る(カム部719fが回転して来る)為、支持枠75は
突起75fとカム部719fの間のクリアランス分だけ
動ける様になる。
【0075】この為、重力G(図20(b)参照)の方
向に支持枠75が落下する事になるが、図21の矢印7
19iの時点で支持枠75も制御状態にする為、落下す
る事は無い。
【0076】支持枠75は非制御時はロックリング71
9の内周で拘束されているが、実際には突起75fと内
周壁719gの嵌合ガタ分だけガタを有する。即ち、こ
のガタ分だけ支持枠75は重力G方向に落ちており、支
持枠75の中心と地板71の中心がずれている事にな
る。その為、矢印719iの時点から例えば1秒費やし
てゆっくり地板71の中心(光軸の中心)に移動させる
制御をしている。
【0077】これは急激に中心に移動させると補正レン
ズ74を通して像の揺れを撮影者が感じて不快である為
であり、この間に露光が行われても、支持枠75の移動
による像劣化が生じない様にする為である。(例えば1
/8秒で支持枠を5μm移動させる)詳しくは、図21
の矢印719i時点での位置検出素子78p,78yの
出力を記憶し、その値を目標値として支持枠75の制御
を始め、その後1秒間費やしてあらかじめ設定した光軸
中心の時の目標値に移動してゆく(図21の75g参
照)。
【0078】ロックリング719が回転され(アンロッ
ク状態)た後、振動検出手段からの目標値を基にして
(前述した支持枠75の中心位置移動動作に重なって)
支持枠75が駆動され、防振が始まる事になる。
【0079】ここで、防振を終わる為に矢印719jの
時点で防振オフにすると、振動検出回路からの目標値が
補正手段を駆動する駆動回路に入力されなくなり、支持
枠75は中心位置に制御されて止まる。この時に吸着コ
イル730への通電を止める(730b)。すると、吸
着ヨーク729によるアマーチュア724の吸着力が無
くなり、ロックリング719はロックバネ728により
時計回りに回転され、図20(a)の状態に戻る。この
時、ロックリング719はロックゴム726に当接して
回転規制される為に回転終了時の該ロックリング719
の衝突音は小さく抑えられる。
【0080】その後(例えば20msec後)、駆動回
路への制御を断ち、図21のタイミングチャートは終了
する。
【0081】図22〜図24は防振システムの概要を示
すもので、図22は全体の構成を示すブロック図であ
り、図23と図24は、図22の各回路の詳細を示すブ
ロック図である。更に詳しくは、図22の上段の各部を
図23に示し、図22の下段の各部を図23に示すと共
に、上段と下段の各部の接続関係の明確化の為、それぞ
れの信号ラインにa〜gの符号を付してある。
【0082】これらの図において、91は図11の振動
検出回路83p,83yに相当する振動検出回路であ
り、振動ジャイロ等の角速度を検出する振れ検出センサ
と該振れ検出センサ出力のDC成分をカットした後に積
分して角変位を得るセンサ出力演算部より構成される。
【0083】この振動検出回路91からの角変位信号は
目標値設定回路92に入力される。この目標値設定回路
92は、図24に示す様に、可変差動増幅器92aとサ
ンプルホールド器92bより構成されており、サンプル
ホールド器92bは常にサンプル中の為に可変差動増幅
器92aに入力される両信号は常に等しく、その出力は
ゼロである。しかし、後述する遅延回路93からの出力
にて前記サンプルホールド器92bがホールド状態にな
ると、可変差動増幅器92aはその時点をゼロとして連
続的に出力を始める。
【0084】可変差動増幅器92aの増幅率は防振敏感
度設定回路94の出力により可変になっている。何故な
らば、目標値設定回路92の目標値信号は補正手段91
0を追従させる目標値(指令信号)であるが、該補正手
段910の駆動量に対する像面の補正量(防振敏感度)
はズーム,フォーカス等の焦点変化に基づく光学特性に
より変化するために、その防振敏感度変化を補う為であ
る。
【0085】従って、防振敏感度設定回路94は、図2
3に示す様に、ズーム情報出力回路95からのズーム焦
点距離情報と露光準備回路96の測距情報に基づくフォ
ーカス焦点距離情報が入力されており、その情報を基に
防振敏感度を演算あるいはその情報を基にあらかじめ設
定した防振敏感度情報を引き出して、目標値設定回路9
2内の可変差動増幅器92aの増幅率を変更させる。
【0086】補正駆動回路97は、図12のハード基板
715上に実装されたIC731p,731y,732
に相当し、目標値設定回路92からの目標値が指令信号
として入力される。
【0087】補正起動回路98は、図12のハード基板
715上のIC732と補正手段910に具備されたコ
イル76p,76yの接続を制御するスイッチであり、
図24に示す様に、通常時はスイッチ98aを端子98
cに接続させておく事でコイル76p,76yの各々の
両端を短絡しておき、論理積回路99の信号が入力され
るとスイッチ98aを端子98bに接続し、補正手段9
10を制御状態(未だ振れ補正は行わないが、コイル7
6p,76yに電力を供給し、位置検出素子78p,7
8yの信号がほぼゼロになる位置に補正手段910を安
定させておく)にする。又この時同時に論理積回路99
の出力信号は係止手段914にも入力され、これにより
係止手段914は補正手段910の係止を解除する。
【0088】尚、補正手段910はその位置検出素子7
8p,78yの位置信号を補正駆動回路97に入力し、
前述した様に位置制御を行っている。
【0089】論理積回路99はレリーズ操作部材911
の半押しによるSW1信号と防振切換操作部材912の
オン信号がそれぞれ入力された時に、その構成要素であ
るアンドゲード99a(図23参照)が信号を出力す
る。つまり、図24に示す様に、防振切換操作部材91
2である防振メインスイッチを撮影者が操作し、且つレ
リーズ操作部材911の半押しを行った時に、前記補正
手段910は係止解除され、制御状態になる。
【0090】レリーズ操作部材911の半押しにより発
生するSW1信号は、図22及び図23に示す様に、露
光準備回路96に入力され、これにより測光,測距,レ
ンズ合焦駆動が行われ、ここで得られたフォーカス情報
が防振敏感度設定回路94に入力される。
【0091】遅延回路93は論理積回路99の出力信号
を受けて、例えば1秒後に出力して前述した様に目標値
設定回路92より目標値信号を出力させる。
【0092】図示していないが、レリーズ操作部材91
1の半押しにより発生するSW1信号に同期して振動検
出回路91も起動を始める。そして、前述した様に積分
器等、大時定回路を含むセンサ出力演算は起動から出力
が安定する迄に、ある程度の時間を要する。
【0093】前記遅延回路93は前記振動検出回路91
の出力が安定する迄待機した後に、補正手段910へ目
標値信号を出力させる役割を演じ、振動検出回路91の
出力が安定してから防振を始める構成にしている。
【0094】露光回路913はレリーズ操作部材911
の押し切り(全押し)操作により発生するSW2信号入
力によりミラーアップを行い、露光準備回路96の測光
値を基に求められたシャッタスピードでシャッタを開閉
して露光を行い、ミラーダウンして撮影を終了する。
【0095】撮影終了後、撮影者がレリーズ操作部材9
11から手を離し、SW1信号をオフにすると、論理積
回路99は出力を止め、目標値設定回路92のサンプル
ホールド回路92bはサンプリング状態になり、可変差
動増幅器92aの出力はゼロになる。従って、補正手段
910は補正駆動を止めた制御状態に戻る。
【0096】論理積回路99の出力がオフになった事に
より、係止手段914は補正手段910を係止し、その
後に補正起動回路98のスイッチ98aは端子98cに
接続され、補正手段910は制御されなくなる。
【0097】振動検出回路91は、不図示のタイマによ
り、レリーズ操作部材911の操作が停止された後も一
定時間(例えば5秒)は動作を継続し、その後に停止す
る。これは、撮影者がレリーズ操作を停止した後に引き
続きレリーズ操作を行う事は頻繁にあるわけで、その様
な時に毎回振動検出回路91を起動するのを防ぎ、その
出力安定迄の待機時間を短くする為であり、振動検出回
路91が既に起動している時には該振動検出回路91は
起動既信号を遅延回路93に送り、その遅延時間を短く
している。
【0098】図25は、上記の動作をマイクロコンピュ
ータにより処理した場合の一連の動作を示すフローチャ
ートであり、以下これに従って簡単に説明する。
【0099】カメラに電源が投入されると、マイクロコ
ンピュータは、まず防振スイッチの状態を調べ、オンで
あれば次にレリーズ操作部材911の半押しによりSW
1信号が発生しているか否かを判別する(#5001→
#5002)。SW1信号が発生していれば、内部タイ
マをスタートさせ(#5003)、次に測光,測距、振
れ検出の開始、更には補正手段910による防振制御を
可能にする為にその係止解除を行う(#5004)。
【0100】次に、上記タイマでの計時内容が所定の時
間t1に達したか否かを調べ、達していなければ達する
までこのステップに留まる(#5005)。これは、前
述した様にセンサ出力が安定するまでの時間待機する為
の処理である。その後、所定の時間t1が経過すると、
目標値信号に基づいて補正手段910を駆動し、防振制
御を開始する(#5006)。
【0101】次に、レリーズ操作部材911の押し切り
によりSW2信号が発生しているか否かを調べ(#50
07)、発生していなければ再びSW1信号が発生して
いるか否かの判別を行い、もしSW1信号も発生してい
なければ(#5008のNO)、防振制御を停止すると
共に、補正手段910を所定の位置に係止する(#50
11→#5012)。
【0102】また、SW2信号は発生していないが、S
W1信号は発生していれば、ステップ#5007→#5
008→#5007……の動作を繰り返す。この状態時
にレリース回路911の押し切り操作が為されてSW2
信号が発生すると(#5007のYES)、フィルムへ
の露光動作を行う(#5009)。そして、SW1信号
の状態を調べ(#5010)、該SW1信号が発生しな
くなったら防振制御を停止すると共に、補正手段910
を所定の位置に係止する(#5011→#5012)。
【0103】以上の動作を終了すると、次に上記タイマ
を一旦リセットして再度スタートさせ(#5013)、
再びSW1信号が所定時間内(ここでは5秒以内)に発
生するかどうかの判別を行う(#5014→#5015
→#5014……)。もし防振を停止してから5秒以内
に再度SW1信号が発生したならば(#5015のYE
S)、測光,測距動作及び補正手段910の係止解除を
行い(#5016)、振れ検出はそのまま継続されてい
るので、直ちに目標値信号に基づいて補正手段910の
駆動制御を行い(#5006)、以下前述と同様の動作
を繰り返す。
【0104】つまり、この様な処理をすることにより、
前述した様に撮影者がレリーズ操作を停止した後に引き
続きレリーズ操作をした際に、その度に振動検出回路9
1を起動してその出力安定迄待機するといった不都合を
無くすことが可能になる。
【0105】一方、防振を停止してから5秒以内にSW
1信号が発生しなかった場合は(#5014のYE
S)、振れ検出を停止(振動検出回路91の駆動を停
止)する(#5017)。その後はステップ#5001
に戻り、防振スイッチのオン待機の状態に入る。
【0106】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した防振シス
テムにおいて、補正光学装置は2方向の振れ補正を行う
為に各々に独立のアクチュエータを必要とし、それらの
駆動の為に大きな電力を必要とする。
【0107】カメラにおいては、他にもシャッタの様に
大電力を必要とするアクチュエータがあり、上記の補正
光学装置と両立して動かしていかなければならない。し
かしながら、カメラの電源(電池の)には制限がある
為、全てのアクチュエータを同時に動作させる事が出来
なくなる問題がある。
【0108】例えば、コンパクトカメラに防振システム
を搭載した場合、レンズシャッタはシャッタ開閉時に大
電流を必要とする為にその時に補正光学装置が振れ補正
駆動していると誤動作を生じ、正確な振れ補正が出来な
いばかりでなく、逆に像劣化を起こす恐れも出て来る。
【0109】図26及び図27はコンパクトカメラに用
いられるシャッタの分解斜視図であり、図26はシャッ
タ羽根が閉じている状態を、図27はシャッタ羽根が開
いている状態を、それぞれ示している。
【0110】シャッタ羽根61a,61bは各々地板6
3のピン63a,63bに軸支され、この回りに回転可
能である。蓋64には固定側にコイル62aを巻いた可
動磁石型のモータ62が設けられており、連結する軸6
2b(モータ62の軸と連結し、軸63bと同心)から
偏心した軸62cがシャッタ羽根61aのカム長孔61
c及びシャッタ羽根61bの孔61dに嵌合している。
バネ65は軸62bと同心で、その一端65bが蓋64
の裏側に固定され、他端65aが軸62cを押えている
為、軸62bを矢印66方向に付勢している。従って、
モータ62が矢印66と反対方向に駆動されない限りは
シャッタ羽根61a,61bは閉じ方向にバネ付勢され
ている。
【0111】シャッタ羽根61bには複数のスリット6
1eが設けられており、地板63に設けられたフォトイ
ンタラプタ67によりスリット61eのパルスをカウン
トする事でシャッタ羽根の開口量を検出し、それを基に
モータ62の駆動を制御している。
【0112】シャッタ羽根を駆動する時には、モータ6
2のコイル62aに電流を流し、軸62bをバネ65の
付勢力に逆らって矢印68方向に回す(図27参照)。
これにより、軸62cがシャッタ羽根61a,61bを
押してシャッタ羽根を開口させる。シャッタ羽根を閉じ
る時には、コイル62aへの通電を止めると、シャッタ
羽根はバネ65の力で閉じる。
【0113】尚、図27ではシャッタ羽根は最大開口し
ているが、開口途中からシャッタを閉じる時にはその開
口位置に対応するスリット61eのパルスカウント(フ
ォトインタラプタ67で検出)に応じてコイル62aへ
の通電を止める。
【0114】図28(a)はシャッタ羽根開口のタイム
チャートを示しており、図28(b)はコイル62aへ
の通電量の時間変化を表している。
【0115】図28(b)の時点612でコイル62a
に大電流Imax を流し始めると、それにつれてシャッタ
羽根は図28(a)の時点69で開口を始める。一旦シ
ャッタ羽根が開口を始め、ある程度の開口速度が得られ
ると、シャッタ開口の為に大電流を必要としない為、図
28(b)の時点613でコイル62aへの通電量を減
らす(Io)。シャッタ羽根は図28(a)の時点61
0で最大開口になり、メカ的に開口量が制限される。そ
の後もコイル62aには電流Ioが継続して流れている
為、シャッタ羽根は開状態に保持される。図28(b)
の時点614でコイル62aへの通電がなくなると、時
点611よりバネ65のバネ力でシャッタ羽根は閉じ始
める。
【0116】以上の様に、特にシャッタ開放駆動の時に
は大電流Imax (時点612と613の間)を必要とし
ている。この時点612と613の間の大電流の為にカ
メラの電池の電圧が瞬間的に降下する。
【0117】今までのコンパクトカメラにおいては、シ
ャッタ開時に同時駆動するアクチュエータは無かった
(AF駆動はシャッタ開の前、フィルム給送は露光
後)。又、一眼レフカメラにおいても、AF駆動,絞り
駆動,ミラー駆動,フィルム給送はシャッタ駆動とは重
なっていなかった。
【0118】しかし、振れ補正の場合、従来まではシャ
ッタ開駆動より前から露光終了まで振れ補正を行ってお
り、この間上記した電圧降下が生じた場合、振れを補正
する補正手段が誤動作し、それにより像劣化が起きる恐
れがあった。
【0119】(発明の目的)本発明の第1の目的は、補
正手段の誤動作による像劣化を防止することのできる防
振機能付きカメラを提供しようとするものである。
【0120】本発明の第2の目的は、像劣化を生じない
ように補正手段の位置制御を行い、適正に振れ補正が為
された写真を与えることのできる防振機能付きカメラを
提供しようとするものである。
【0121】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1記載の本発明は、振れを補正する補
正手段を有する防振機能付きカメラにおいて、露光動作
が開始された後に、前記補正手段を駆動して振れ補正動
作を行わせる防振制御手段を有する防振機能付きカメラ
とするものである。
【0122】つまり、露光開始から遅れて振れ補正動作
を行わせるようにしている。
【0123】同じく上記第1の目的を達成するために、
請求項2及び3記載の本発明は、振れを補正する補正手
段と、露光動作時に作動し、大電力を消費する大電力消
費手段と、該大電力消費手段と前記補正手段それぞれへ
電源供給を行う電源手段とを有する防振機能付きカメラ
において、前記大電力消費手段による大電力消費時以外
に、前記補正手段を駆動して振れ補正動作を行わせる防
振制御手段を有する防振機能付きカメラとするものであ
る。
【0124】つまり、露光開始後所定時間は、具体的に
は例えば大電力を消費するシャッタ羽根駆動中は、電源
電圧の降下が著しいので、補正手段による振れ補正動作
は行わせないようにしている。
【0125】同じく上記第1の目的を達成するために、
請求項4〜6記載の本発明は、振れを補正する補正手段
と、露光動作時に作動し、大電力を消費する大電力消費
手段と、該大電力消費手段と前記補正手段それぞれへ電
源供給を行う電源手段とを有する防振機能付きカメラに
おいて、露光動作中は、前記補正手段の駆動より前記大
電力消費手段の駆動の為の電力供給を優先させる動作制
御手段を有する防振機能付きカメラとするものである。
【0126】つまり、露光開始後所定時間は、具体的に
は例えば大電力を消費するシャッタ羽根駆動中や、フォ
ーカスレンズの駆動や、フィルムの給送中においては、
電源電圧の降下が著しいので、補正手段に対する駆動電
力を制限(振れ補正を停止させたり、振れ補正をゆっく
り行わせる)するようにして、撮影動作に支障を来さな
いようにしている。
【0127】また、上記第2の目的を達成するために、
請求項7記載の本発明は、振れを補正する補正手段を有
する防振機能付きカメラにおいて、露光中に異なる振れ
補正特性に複数回切り換える際には、異なる切換えタイ
ミングにおける同一特性同士の振れ補正駆動波形が互い
の波形を延長して連続的につながるように、前記補正手
段の駆動を制御する防振制御手段有する防振機能付きカ
メラとするものである。
【0128】つまり、露光動作中に振れ補正特性を複数
回切り換える場合、同一特性同士の振れ補正駆動波形が
連続的につながるようにして、振れ補正特性復起時に元
の振れ補正位置に戻し、撮影画面上において同一の位置
での振れ補正が行われるようにしている。
【0129】同じく上記第2の目的を達成するために、
請求項8記載の本発明は、振れを補正する補正手段を有
する防振機能付きカメラにおいて、露光中に振れ補正を
止める必要が生じた場合には、少なくとも露光期間中は
振れ補正を止めた位置に前記補正手段を保持する防振制
御手段を有する防振機能付きカメラとするものである。
【0130】つまり、電力制約から、露光中に振れ補正
を止める時(例えばシャッタ閉駆動時)には、補正手段
はその位置に保持するように(可動中心に戻らないよう
に)している。
【0131】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。
【0132】図1は本発明の実施の第1の形態に係るカ
メラの要部構成を示すブロック図であり、マイコン11
とシャッタ装置12とは互いに連結されており、シャッ
タ装置12からマイコン11へは前述したフォトインタ
ラプタ67からのパルス信号(シャッタ羽根の開口量)
が入力し、マイコン11からシャッタ装置12へはモー
タ62のコイル62aへの通電制御が入力される。
【0133】同じくマイコン11と振れを補正する補正
光学装置12とは互いに連結されており、補正光学装置
(図11〜図24に相当する)13からマイコン11へ
は補正手段の位置を検出する位置検出センサ(図12の
78p,78y)の出力が入力し、マイコン11から補
正光学装置13へは駆動制御信号(図12のコイル76
p,76yへの通電制御信号)が入力される。
【0134】マイコン11が制御する上記シャッタ装置
12と補正光学装置13の両者の駆動時のフローチャー
トを、図2に示す。
【0135】このフローは撮影者が露光の為の操作(レ
リーズボタンを押し切り操作、つまりSW2信号の発生
時)にスタートする。尚、図2のフローにおいて、測
距,焦点調節駆動等、他要素のタイミングについては省
略している。
【0136】撮影者がレリーズボタンの押し切り操作を
すると、ステップ#1001にて、シャッタ駆動が開始
される(コイル62aに最大電流が流れ始める)。次の
ステップ#1002では、所定時間(後述のt1 時間)
待機する。この所定時間はコイル62aに最大電流を流
し続けている時間に殆ど等しい。次のステップ#100
3では、振れ補正駆動が開始されるが、この時シャッタ
のコイル62aへの通電量は減っている為、シャッタ装
置12と補正光学装置13が同時駆動されていても問題
にはならない。
【0137】続くステップ#1004では、コイル62
aへの通電をオフすると(このフローでは省かれている
が、測光結果に基づいてシャッタのコイル62aへの通
電開始から通電オフまでの時間は変更される)、シャッ
タ羽根はバネ65のバネ力で閉じ方向に駆動を始める。
そして、次のステップ#1005でも、所定時間(後述
のt2 時間)待機する。この待機時間はコイル62aの
通電オフからシャッタ羽根が完全に閉じるまでの時間と
ほぼ等しいか、それより長く設定される。ステップ#1
006では、振れ補正を止めるが、この時は既に露光は
終了している。
【0138】図3(a)〜(d)は上記のシャッタ装置
12によるシャッタ動作と補正光学装置13による振れ
補正動作のタイミングチャートであり、図3(a),
(b)は図28(a),(b)と同じくシャッタ羽根の
開口の様子とコイル62aへの通電の様子を表してい
る。又、図3(c)は、カメラに加わる手振れの波形1
4と補正光学装置13での(補正手段の)振れ補正駆動
の様子15(破線)を示し、図3(d)は像面での振れ
補正残り量を示しており、図3(a)〜(d)の横軸は
総て揃えてある。
【0139】図3(c)からわかる様に、振れ補正駆動
は時点613から始められる。補正手段は露光の為のレ
リーズ押し切り操作時点16から時点613までのt1
時間、図2のステップ#1002で待機されられ、その
後振れ補正駆動を始めるが、この時点613においては
図3(b)のシャッタのモータコイル62aへの大電流
の通電は終了している為、補正手段が駆動を始める事に
よる電源負荷がシャッタの開駆動に影響を与えることは
無い。
【0140】そして、時点611(ステップ#100
4)でコイル62aへの通電を切り、シャッタ閉駆動
(バネ65の力による)が始まる訳であるが、その後、
2 時間経過して(ステップ#1005)、振れ補正駆
動は終了する。このt2 時間はバネ65の力でシャッタ
が閉じ切るまでの時間より長く設定してある為、露光中
に振れ補正駆動が終了してしまう事は無い。
【0141】図3(d)の像面での振れ補正の様子を見
ると、シャッタ開(時点69)からシャッタ閉(時点1
7)までの露光期間t3 の中で、振れ補正が行われてい
ないのは時間t4 (シャッタ開の始めから振れ補正を始
めるまでの間)の間であり、この時間t4 の間はシャッ
タが未だ十分に開口していない為、像面への入射光量は
少ない。
【0142】よって、この間に振れが補正されていなく
ても露光全体の光量に占める割合が少なく問題にはなら
ない。
【0143】以上説明した様に、振れを補正する補正手
段を露光開始から所望時間(図3ではt1 時間)遅延さ
せて振れ補正を開始する構成にした事で、振れ補正の為
の電力使用(消費)がシャッタ開駆動に誤動作を引き起
こす事もなく、又、シャッタ開より前から振れ補正を始
めている時、シャッタ開駆動初期の大電力使用が補正手
段を誤動作させて、像劣化を引き起こす事を防ぐことが
出来る。
【0144】(実施の第2の形態)上記実施の第1の形
態において、露光の為のレリーズ操作からの時間経過を
利用して振れ補正を開始し、シャッタ閉開始からの時間
経過を利用して振れ補正を終了している。
【0145】しかし、シャッタの開閉状態はフォトイン
タラプタ67のパルスを見る事で分る為、上記時間経過
を利用するよりも精度良く、振れ補正開始,終了のタイ
ミングを設定出来る。
【0146】又、上記実施の第1の形態ではシャッタ閉
駆動はバネの為、電力を必要としないがシャッタ閉駆動
もアクチュエータ(モータ62)を駆動するシャッタの
場合、閉駆動中の電力消費による補正手段の誤動作も気
になる。
【0147】図4は本発明の実施の第2の形態に係るカ
メラの主要部分の動作を示すフローチャートであり、図
2のフローチャートと同じ動作を行う部分は同一のステ
ップ番号を付し、その説明は省略する。
【0148】このフローのスタートも実施の第1の形態
と同様に、レリーズボタンの押し切り操作時にスタート
する。
【0149】ステップ#1001を経てステップ#20
01では、シャッタのフォトインタラプタ67の出力パ
ルスを見てシャッタ開駆動が完了したか否かを判別し、
シャッタ開駆動完了を判別すると、ステップ#1003
へ進み、振れ補正を開始する。
【0150】尚、ステップ#2001でシャッタ開駆動
が完了していなくとも、既に大電力消費期間が終了した
時にステップ#1003へ進んでも良い。例えば、シャ
ッタ最大開口までのフォトインタラプタ67の出力パル
スが全部で19パルス、その内最初の10パルスが最大
電力消費期間であるとすると、11パルス目からステッ
プ#1003へ進む。
【0151】測光結果に基づき、シャッタを閉じるタイ
ミングになった時、ステップ#2002へ進み、振れ補
正を中止する。ここで大事なのは、補正手段は振れ補正
を中止した位置に固定しておき、初期位置(可動中心)
に戻す動作はさせない事であり、その理由は後述する。
【0152】その後、ステップ#2003へ進み、シャ
ッタ閉駆動を開始すべくコイル62aに上記ステップ#
1001と逆方向に電流を流す。但し、バネ65もシャ
ッタ閉方向にバネ力が加わっている為、シャッタ閉駆動
の為に上記ステップ#1001の時ほどの電流量は必要
ない。
【0153】ステップ#2004では、フォトリフレク
タ67の出力パルスをカウントしてシャッタ閉完了を検
出したらステップ#1006へ進み、補正手段を初期位
置に戻し振れ補正を終了する。
【0154】図5(a)〜(d)はシャッタ動作と振れ
補正動作のタイミングチャートであり、図5(a),
(b)は図3(a),(b)と殆ど同じ(時点21より
コイル62aに逆通電している点が異なる)である。
【0155】図5(c)は図3(c)と同様に、手振れ
波形14と補正手段の駆動波形15であり、補正手段は
シャッタ開完了(フォトインタラプタ67で検出)時点
610より動き始め、時点21(コイル62aへの逆通
点)より僅かに前の時点22で振れ補正を止め、その位
置で保持される。そして、時点17でシャッタ閉が完了
すると、補正手段は初期位置に戻り(矢印23)振れ補
正は終了する。
【0156】図5(d)は図3(d)と同様に振れ残り
量を示してあり、t5 時間は十分振れ補正されている。
このt5 時間の前後では振れ補正されないが、前述した
様にこの間はシャッタが十分に開いていない為、光量が
少なく、この期間の振れは大きな像劣化にはならない。
【0157】次に、時点22で補正手段を振れ補正を止
めた位置に固定しておく理由を述べる。
【0158】もしもこの時点で補正手段を初期位置に戻
す動作(時点17からの矢印24の動作)を行った時、
その動作分だけ像劣化を生じる。この例では時点17よ
り補正手段を戻す動作を行っているが、その為に振れ補
正残り波形は波形27の様になり、矢印25に示す様な
大きな振れが生じ、像劣化を大きくする。一方、時点1
7より補正手段を初期位置に戻さず、固定したときは破
線26の様に振れ補正残り量が少なくなる。同様な事が
時点22でも生じる為、時点22から時点17までは未
だ露光中の為、補正手段を初期位置に戻す事はしない。
【0159】以上説明した様に、シャッタ羽根駆動中は
補正手段による振れ補正を行わない様にする事、及び、
露光中に振れ補正を止める際には、少なくとも露光期間
中は補正手段を振れ補正を止めた位置に保持しておく事
で、シャッタ開閉による大電力使用(消費)による補正
手段の誤動作や、補正手段の不適正な動きで像劣化を生
ずる事を防ぐことが出来る。
【0160】(実施の第3の形態)図6は本発明の実施
の第3の形態に係るカメラの要部構成を示すブロック図
である。
【0161】図1と異なるのは、シャッタ装置12,補
正光学装置13に電力供給している電源31の状態を判
別する電源状態判別回路32の出力がマイコン11に入
力しており、シャッタ駆動時の大電力使用中はその状態
を電源状態判別回路32がマイコン11に入力し、マイ
コン11は補正光学装置13への供給電力を規制するべ
く、電源31に指令を与えている点である。
【0162】図7はそのフローチャートを示しており、
実施の第1及び第2の形態(図2,図4)と同じ動作部
分は同一のステップ番号を付し、その説明は省略する。
【0163】このフローも露光の為のレリーズ押し切り
操作でスタートし、シャッタ開駆動開始後、ステップ#
3001にて、シャッタ駆動電力が小さくなるまで(電
源状態判別回路32からの出力が使用電力小になるま
で)待機し、ステップ#1003へ移る。
【0164】また、ステップ#2003でシャッタ閉駆
動を開始するとステップ#3002へ進み、補正手段の
電力制限を行う(補正手段の駆動の為の電力リミッタ範
囲を狭くする)。次のステップ#3003では、シャッ
タ閉駆動の為の供給電力が小さくなるまで待機し(ステ
ップ#3001と同様)、使用電力が少なくなったらス
テップ#3004へ進み、補正手段の電力制限を解除す
る。
【0165】その後、ステップ#2004でフォトイン
タラプタ67の出力パルスよりシャッタ閉完了を検出
し、ステップ#1006で振れ補正を終了する。
【0166】図8(a),(b)は図5(a),(b)
と同様に、シャッタ羽根の駆動波形とコイル62aへの
通電状態を示しており、図8(c)は図5(c)と同様
に、手振れの波形14とその補正の為の補正手段の駆動
状態(駆動波形15)を説明する図である。
【0167】図8(c)において、補正手段は時点37
より振れ補正を開始する。これは図7のフローのステッ
プ#3001により、図8(b)の通電量が減少した事
をトリガにして補正手段の駆動を開始した事になる。
【0168】そして、時点38で補正手段の駆動電力に
制限を加えている為、手振れ補正状態(駆動波形15)
は理想とする波形(一点鎖線310)から外れて来る。
これは、ステップ#2003にて、シャッタ閉駆動開始
に伴い、図8(b)に示す様にコイル62aに逆通電を
与える為、このとき補正手段が大電力を消費している場
合、シャッタ閉駆動速度が低下してしまう事を避ける目
的である。振れ補正精度は低下するが、正確なシャッタ
動作を優先させている事になる。
【0169】時点39でシャッタ閉通電量が減少する
と、ステップ#3003,#3004で再び補正手段へ
の電力制限を解除する為、補正手段は元の動作(一点鎖
線310の延長)に復帰する。
【0170】そして、時点35でシャッタ羽根の駆動が
完了すると、その事をフォトインタラプタ67が検出
し、ステップ#2004,#1006で振れ補正を止め
る。
【0171】図8(d)の実線波形は像面での振れ補正
残り量を表しており、露光期間t6に対して始めのt9
時間(シャッタ開駆動初期)は補正手段が振れ補正駆動
していない為、振れは補正されていない。
【0172】また、同様に時点38〜39の間も補正手
段の駆動電力制限の為、振れ補正は十分に行われておら
ず、特にt7 時間は、その為に像面の振れ量δを生じて
いる。しかし、これら2つの振れ補正残りがある時間は
全体の露光時間に対し割合が少ない為、大きな問題にな
らない。
【0173】ここで、図8(c)の時点38〜39で補
正手段の電力制限からその特性が変更され、時点39よ
り元の特性に戻る時に範囲311に示す様に補正手段を
飛び跳ねさしてまで、元の特性の延長性(一点鎖線31
0)に復帰させる理由を説明する。
【0174】二点鎖線312は時点39よりそれ以前の
特性の補正手段の動きと連続的につながる様に演算処理
して、元の特性に復帰した場合の波形である。この波点
は時点39前後で波形が飛び跳ねず、連続的につながっ
ている為、振れ補正に好ましい感じを受ける。
【0175】ところが、その時の振れ補正残りは図8
(d)に示す二点鎖線の波形313の様になっており、
10とt11の各時間で異なる位置での振れ補正が行われ
てしまう事になる。その為、像面では2線振れ(振れの
ない像が2重に露光された見え方)の様になり、かえっ
て好ましくない。
【0176】よって、露光中に補正手段の特性を切り換
えて(最初の切り換えは、切り換え前後の補正手段の動
きを連続的につなげて良い)再び特性を元に戻す時に
は、その切り換え前後の補正手段の動きを連続的にせ
ず、元の特性の延長線上に復帰する様に駆動制御してい
くのが好ましい。
【0177】以上説明した様に、露光中は振れ補正駆動
よりシャッタ駆動の為の電力供給を優先させ、必要に応
じて振れ補正駆動の為の電力制限を行う事で、シャッタ
駆動を適正に行うことができると共に補正手段の誤動作
による像劣化を防ぐことができる。
【0178】また、露光中に振れ補正特性を複数回切り
換える時には、異なる切換えタイミングにおける同一の
特性同士の振れ補正駆動波形が、互いの波形を延長して
連続的につながる様に(間に異なる特性が入る場合、異
なる特性前後の同一特性同士が延長線上で連続的につな
がる様に)駆動制限することで、電力制限による像劣化
を最小限にしている。よって、見栄えの良い写真を得る
事が可能となる。
【0179】(実施の第4の形態)上記実施の第1〜第
3の形態においては、レンズシャッタカメラについて説
明してきた。現在の一眼レフカメラのシャッタは露光前
に予めチャージしておくタイプのフォーカルプレンシャ
ッタの為、シャッタ駆動中には今まで述べた様な補正手
段の制御の必要は無い。
【0180】しかしながら、一眼レフタイプのカメラで
はTTL方式を採用している為に露光以外の時にも補正
手段を制御しておくのが好ましい(防振の感触を撮影者
がファインダを通して体験出来るので)為に、シャッタ
以外のアクチュエータ(例えばAF駆動モータ,ミラー
駆動モータ,絞り駆動モータ,給送モータ)駆動時の電
力消費により補正手段が誤動作(突然の電力状態変更で
補正手段が飛び跳ねる)すると、その事が撮影者に不快
感を与えることになってしまう(ファインダを通して誤
動作が見える為)。
【0181】よって、この様な時も補正手段の電力制限
を行っておいた方が良い。
【0182】図9は上記対策の為の、本発明の実施の第
4の形態に係る一眼レフカメラの要部構成を示すブロッ
ク図であり、マイコン11からはAF駆動モータ41,
クイックリターンミラー駆動モータ42,絞り駆動アク
チュエータ43,給送モータ44への起動,停止,制御
信号が出力される。又、補正光学装置13にも同様に駆
動制御信号が出力されている。
【0183】図10は、図9の各々のモータ,アクチュ
エータの駆動タイミングチャートであり、レリーズボタ
ン半押しタイミング51より測距が開始され、その後、
AF駆動モータが動かされ(タイミング54)、次にレ
リーズボタンを押し切る(タイミング52)と、クイッ
クリターンミラーがミラーアップ駆動され(タイミング
55)、次いで絞りアクチュエータが絞り駆動を行い
(タイミング56)、シャッタ開閉して露光が行われ
(範囲53)、再びクイックリターンミラーがミラーダ
ウン駆動され(タイミング57)、最後に給送モータが
フィルム給送を行う(タイミング58)。
【0184】この一連の動作のとき、カメラに加わって
いる手振れ59(図10(e)参照)に対し、補正手段
の振れ補正量を示したのが破線510である。これから
明らかな様に、レリーズボタン半押しタイミング51よ
り振れ補正を開始するが、AF駆動中は電力制限され、
振れ補正が十分行えず、その後再び振れ補正を行い、ミ
ラー駆動中(タイミング55)に又電力制限され、同様
にして絞りアクチュエータ駆動中(タイミング56)、
ミラーアップ駆動中(タイミング57)、給送中(タイ
ミング58)は電力制限され、この間補正手段は十分な
振れ補正が行えない。
【0185】像面の振れ残量を示した図10(f)の様
に、各々のモータ,アクチュエータ駆動中(t54
55,t56,t57,t58の各時間)は十分な振れ補正が
されていない。
【0186】しかしながら、AF駆動中はピントが合っ
ていない為に防振が不十分であっても、その事が解らな
い(防振を十分に行っていてもピントが合っていない
為、ファインダを通して撮影者は防振効果を認識出来な
い)。
【0187】又、ミラーアップからミラーダウンまでの
間はファインダはブラックアウト(ファインダを通して
撮影者は被写体を見れない)しており、防振が十分に効
いている必要はない(勿論、露光中は撮影者が被写体を
見えなくても防振は十分に働かせないと像面の振れを抑
えることは出来ない) 更に、フィルム給送中も撮影者がファインダを通して被
写体を見ている事は稀である為、防振を十分に効かせる
必要は少ない。
【0188】図10(f)の像面の振れ残り量を見る
と、上記タイミング以外では振れは十分に補正され、露
光期間t53の間も振れ補正が行われている為に像面の振
れは十分に抑えられている。
【0189】以上の様に、AF駆動モータ,ミラー駆動
モータ,絞りモータ,給送モータ等の駆動中には補正手
段への電力制限を行う事で、補正手段の誤動作(飛び跳
ねる)によるファインダ像の急激なゆらぎを無くし、撮
影者に不快感を与えることなく、又、補正手段への電力
制限を行うことで補正手段の電力消費により、他のアク
チュエータの動作が劣化する(例えばAFが遅くなる
等)事を防ぐことが出来る。
【0190】(変形例)本発明は、上記の実施の各形態
の構成に限定されるものではなく、請求項で示した機
能、又は実施の形態がもつ機能が達成できる構成であれ
ばどのようなものであってもよいことは言うまでもな
い。
【0191】また、本発明は、補正手段として、光軸に
垂直な面内で光学部材を動かすシスト光学系や可変頂角
プリズム等の光束変更手段や、光軸に垂直な画面内で撮
影面を動かすもの、更には画像処理により振れを補正す
るもの等、振れが防止できるものであればどのようなも
のであっても良い。
【0192】また、本発明は、レンズシャッタカメラや
一眼レフカメラに適用した例を述べているが、ビデオカ
メラや電子スチルカメラにも適用可能である。
【0193】更に、本発明は、以上の実施の各形態、又
はそれらの技術を適当に組み合わせた構成にしてもよ
い。
【0194】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
補正手段の誤動作による像劣化を防止することができる
防振機能付きカメラを提供できるものである。
【0195】また、本発明によれば、像劣化を生じない
ように補正手段の位置制御を行い、適正に振れ補正が為
された写真を与えることができる機能付きカメラを提供
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態に係るカメラの電気
的な要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の第1の形態に係るカメラの主要
部分の動作を示すフローチャートである。
【図3】図2の動作時のタイミングチャートである。
【図4】本発明の実施の第2の形態に係るカメラの主要
部分の動作を示すフローチャートである。
【図5】図2の動作時のタイミングチャートである。
【図6】本発明の実施の第3の形態に係るカメラの電気
的な要部構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の第3の形態に係るカメラの主要
部分の動作を示すフローチャートである。
【図8】図7の動作時のタイミングチャートである。
【図9】本発明の実施の第4の形態に係るカメラの電気
的な要部構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の第4の形態に係るカメラの動
作時のタイミングチャートである。
【図11】従来の防振システムの概略構成を示す斜視図
である。
【図12】図11の振れ補正装置の構造を示す分解斜視
図である。
【図13】図12の挟持回路が挿入される支持枠の孔の
形状を説明する為の図である。
【図14】図12の地板に支持枠を組み込んだ時の様子
を示す断面図である。
【図15】図12に示す地板を示す斜視図である。
【図16】図12に示す支持枠を示す斜視図である。
【図17】図12に示すロックリングを示す斜視図であ
る。
【図18】図12の支持枠等を示す正面図である。
【図19】図12の位置検出素子の出力を増幅するIC
の構成を示す回路図である。
【図20】図12のロックリングが駆動される時の様子
を示す図である。
【図21】図20のロックリング駆動時における信号波
形を示す図である。
【図22】防振システムが搭載されたカメラの防振系の
回路構成を示すブロック図である。
【図23】図22に示す各回路の一部の詳細を示すブロ
ック図である。
【図24】図22に示す各回路の残りの詳細を示すブロ
ック図である。
【図25】図22〜図24の回路構成におけるカメラの
概略動作を示すフローチャートである。
【図26】一般的なコンパクトカメラに具備されるシャ
ッタ機構を示す斜視図である。
【図27】図26のシャッタ機構のシャッタ全開状態を
示す斜視図である。
【図28】図26のシャッタ機構のシャッタ開閉状態と
シャッタ駆動用のコイルへの通電電流の状態を示したタ
イミングチャートである。
【符号の説明】
11 マイコン 12 シャッタ装置 13 補正光学装置 31 電源 32 電源状態判別回路 41 AF駆動モータ 42 クイックリターンミラー駆動モータ 43 絞り駆動アクチュエータ 44 給送モータ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振れを補正する補正手段を有する防振機
    能付きカメラにおいて、 露光動作を開始した後に、前記補正手段を駆動して振れ
    補正動作を行わせる防振制御手段を有することを特徴と
    する防振機能付きカメラ。
  2. 【請求項2】 振れを補正する補正手段と、露光動作時
    に作動し、大電力を消費する大電力消費手段と、該大電
    力消費手段と前記補正手段それぞれへ電源供給を行う電
    源手段とを有する防振機能付きカメラにおいて、 前記大電力消費手段による大電力消費時以外に、前記補
    正手段を駆動して振れ補正動作を行わせる防振制御手段
    を有することを特徴とする防振機能付きカメラ。
  3. 【請求項3】 前記大電力消費手段はシャッタ羽根を駆
    動するシャッタ駆動手段であり、前記防振制御手段は、
    前記シャッタ羽根駆動中は前記振れ補正動作を行わせな
    いことを特徴とする請求項2記載の防振機能付きカメ
    ラ。
  4. 【請求項4】 振れを補正する補正手段と、露光動作時
    に作動し、大電力を消費する大電力消費手段と、該大電
    力消費手段と前記補正手段それぞれへ電源供給を行う電
    源手段とを有する防振機能付きカメラにおいて、 露光動作中は、前記補正手段の駆動より前記大電力消費
    手段の駆動の為の電力供給を優先させる動作制御手段を
    有することを特徴とする防振機能付きカメラ。
  5. 【請求項5】 前記大電力消費手段はシャッタ羽根を駆
    動するシャッタ駆動手段であり、前記動作制御手段は、
    前記シャッタ羽根駆動中は、前記補正手段に対する駆動
    電力を制限することを特徴とする請求項4記載の防振機
    能付きカメラ。
  6. 【請求項6】 前記大電力消費手段は、フォーカスレン
    ズの駆動、撮影光路に対して進退するミラーの駆動、絞
    りの駆動、フィルムの給送のうちの少なくとも一つを行
    う駆動手段であり、前記動作制御手段は、前記駆動手段
    の作動中は、前記補正手段に対する駆動電力を制限する
    ことを特徴とする請求項5記載の防振機能付きカメラ。
  7. 【請求項7】 振れを補正する補正手段を有する防振機
    能付きカメラにおいて、 露光中に異なる振れ補正特性に複数回切り換える際に
    は、異なる切換えタイミングにおける同一特性同士の振
    れ補正駆動波形が互いの波形を延長して連続的につなが
    るように、前記補正手段の駆動を制御する防振制御手段
    を設けたことを特徴とする防振機能付きカメラ。
  8. 【請求項8】 振れを補正する補正手段を有する防振機
    能付きカメラにおいて、 露光中に振れ補正を止める必要が生じた場合には、少な
    くとも露光期間中は振れ補正を止めた位置に前記補正手
    段を保持する防振制御装置を有することを特徴とする防
    振機能付きカメラ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007094321A (ja) * 2005-09-30 2007-04-12 Ricoh Co Ltd 手ぶれ補正機能付き撮像装置及び撮像装置の手ぶれ補正方法
JP2011112701A (ja) * 2009-11-24 2011-06-09 Nikon Corp デジタルカメラ
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