JPH11174514A - 補正手段用位置制御装置 - Google Patents

補正手段用位置制御装置

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JPH11174514A
JPH11174514A JP36333397A JP36333397A JPH11174514A JP H11174514 A JPH11174514 A JP H11174514A JP 36333397 A JP36333397 A JP 36333397A JP 36333397 A JP36333397 A JP 36333397A JP H11174514 A JPH11174514 A JP H11174514A
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correcting
correction
position detecting
shake
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JP36333397A
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English (en)
Inventor
Koichi Washisu
晃一 鷲巣
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Original Assignee
Canon Inc
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  • Adjustment Of Camera Lenses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置全体をコンパク化すると共に、精度の低
い小型の位置検出手段を用いても、位置検出精度を向上
させることを可能にする。 【解決手段】 振れを補正する振れ補正手段17の位置
を検出する第1の位置検出手段113paと、該第1の
位置検出手段の出力を基に前記補正手段を位置制御を行
う制御手段と、前記補正手段の位置を検出する第2の位
置検出手段113pbと、該第2の位置検出手段の出力
を基に前記第1の位置検出手段の出力を較正する較正手
段118〜123とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、像振れ等の振れ補
正する補正手段用位置制御装置の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】現在のカメラは露出決定やピント合せ等
の撮影にとって重要な作業は全て自動化されているた
め、カメラ操作に未熟な人でも撮影失敗を起す可能性は
非常に少なくなっている。
【0003】また、最近では、カメラに加わる手振れを
防ぐシステムも研究されており、撮影者の撮影失敗を誘
発する要因は殆ど無くなってきている。
【0004】ここで、手振れを防ぐシステムについて簡
単に説明する。
【0005】撮影時のカメラの手振れは、周波数として
通常1Hz乃至12Hzの振動であるが、シャッタのレ
リーズ時点においてこのような手振れを起していても像
振れの無い写真を撮影可能とする為の基本的な考えとし
て、上記手振れによるカメラの振動を検出し、その検出
値に応じて補正レンズを変位させてやらなければならな
い。従って、カメラの振れが生じても像振れを生じない
写真を撮影できることを達成するためには、第1にカメ
ラの振動を正確に検出し、第2に手振れによる光軸変化
を補正することが必要となる。
【0006】この振動(カメラ振れ)の検出は、原理的
にいえば、角加速度,角速度,角変位等を検出する振動
検出センサと、該センサの出力信号を電気的或は機械的
に積分して角変位を出力する積分器等を含み、その角変
位に相当する信号を出力する振動検出回路等をカメラに
搭載することによって行うことができる。そして、この
検出情報に基づいて撮影光軸を偏心させる補正光学装置
を駆動させることにより、像振れ抑制が可能となる。
【0007】ここで、振動検出回路を用いた防振システ
ムについて、図15を用いてその概要を説明する。
【0008】図15の例は、図示矢印81方向のカメラ
縦振れ81p及び横振れ81yに由来する像振れを抑制
するシステムの図である。
【0009】同図中、82はレンズ鏡筒、83p,83
yは各々カメラ縦振れ振動、カメラ横振れ振動を検出す
る振動検出回路で、それぞれの振動検出方向を84p,
84yで示してある。85は補正光学装置(87p,8
7yは各々補正光学装置85に推力を与えるコイル、8
6p,86yは補正手段85の位置を検出する位置検出
素子)であり、該補正光学装置85には後述する位置制
御ループを設けており、振動検出回路83p,83yの
出力を目標値として駆動され、像面88での安定を確保
する。
【0010】図16はかかる目的に好的に用いられる振
れ補正装置(詳細は後述するが、補正手段や該補正手段
を支持したり、係止したりする手段より成る)の構造を
示す分解斜視図であり、以下図16〜図24を参照しつ
つ、この構造について説明する。
【0011】地板71(図19に拡大図あり)の背面突
出耳71a(3ケ所(1ケ所は隠れて見えない))は不
図示の鏡筒に嵌合し、公知の鏡筒コロ等が孔71bにネ
ジ止めされ、鏡筒に固定される。
【0012】磁性体であり光択メッキが施された第2ヨ
ーク72は、孔72aを貫通するネジで地板71の孔7
1cにネジ止めされる。又、第2ヨーク72にはネオジ
ウムマグネット等の永久磁石(シフト用マグネット)7
3が磁気的に吸着されている。なお、各永久磁石73の
磁化方向は図16に図示した矢印73aの方向である。
【0013】補正レンズ74がCリング等で固定された
支持枠75(図20に拡大図あり)にはコイル76p,
76y(シフト用コイル)が強引に押し込まれて接合
(以下、この事を「パッチン接着」と記す)され(図2
0は未接着)、又、IRED等の投光素子77p,77
yも支持枠75の背面に接着され、スリット75ap,
75ayを通してその射出光が後述するPSD等の位置
検出素子78p,78yに入射する。
【0014】支持枠75の孔75b(3ケ所)にはPO
M(ポリアセタール樹脂)等の先端球状の支持球79
a,79b及びチャージバネ710が挿入され(図17
及び図18も参照)、支持球79aが支持枠75に熱カ
シメされ固定される(支持球79bはチャージバネ71
0のバネ力に逆らって孔75bの延出方向に摺動可能で
ある)。
【0015】上記図17は振れ補正装置の組立後の横断
面図であり、支持枠75の孔75bに矢印79c方向に
支持球79b,チャージしたチャージバネ710,支持
球79aの順に挿入してゆき(支持球79a,79bは
同形状の部品)、最後に孔75bの周端部75cを熱カ
シメして支持球79aの抜け止めを行う。
【0016】孔75bの図17と直交する方向の断面図
を図18(a)に示し、又図18(a)の断面図を矢印
79c方向より見た平面図を図18(b)に示してお
り、図18(b)の符合A〜Dに示す範囲の深さを図1
8(a)のA〜Dに示す。
【0017】ここで、支持球79aの羽根部79aaの
後端部は深さA面の範囲で受けられ規制される為、周端
部75aを熱カシメする事で支持球79aは支持枠75
に固定される。
【0018】支持球79bの羽根部79baの先端部は
深さB面の範囲で受けられる為に、該支持球79bがチ
ャージバネ710のチャージバネ力で孔75bより矢印
79cの方向に抜けてしまう事はない。
【0019】勿論振れ補正装置の組立が終了すると支持
球79bは図17に示す様に第2ヨーク72に受けられ
る為、支持枠75より抜け出る事はなくなるが、組立性
を考慮して抜け止め範囲B面を設けている。
【0020】図17及び図18に示す支持枠75の孔7
5bの形状は、該支持枠75を成形で作る場合において
も複雑な内径スライド型を必要とせず、矢印79cと反
対側に型を抜く単純な2分割型で成形可能な為、その分
寸法精度を厳しく設定出来る。
【0021】この様に、支持球79a,79bが同一部
品となっている為に部品コストが下がるばかりでなく、
組立ミスが無く、部品管理上も有利である。
【0022】上記支持枠75の軸受部75dには例えば
フッソ系のグリスを塗布し、ここにL字形の軸711
(非磁性のステンレス材)を挿入し(図16参照)、L
字軸711の他端は地板71に形成された軸受部71d
(同様にグリスを塗布し)に挿入し、3カ所の支持球7
9bを共に第2ヨーク72に乗せて支持枠75を地板7
1内に収める。
【0023】次に、図16に示す第1ヨーク712の位
置決め孔712a(3ケ所)を地板71の図19に示す
ピン71f(3ケ所)に嵌合させ、同じく図19に示す
受け面71e(5ケ所)にて第1ヨーク712を受けて
地板71に対し磁気的に結合する(永久磁石73の磁力
により)。
【0024】これにより、第1ヨーク712の背面が支
持球79aと当接し、図17に示す様に支持枠75は第
1ヨーク712と第2ヨーク72にて挟持され、光軸方
向の位置決めが為される。
【0025】支持球79a,79bと第1ヨーク71
2,第2ヨーク72の互いの当接面にもフッソ系グリス
が塗布してあり、支持枠75は地板71に対して光軸と
直交する平面内にて自由に摺動可能である。
【0026】上記L字軸711は支持枠75が地板71
に対し矢印713p,713y方向にのみ摺動可能に支
持していることになり、これにより支持枠75の地板7
1に対する光軸回りの相対的回転(ローリング)を規制
している。
【0027】尚、前記L字軸711と軸受部71d,7
5dの嵌合ガタは光軸方向には大きく設定しており、支
持球79a,79bと第1ヨーク712,第2ヨーク7
2の挾持による光軸方向規制と重複嵌合してしまうこと
を防いでいる。
【0028】前記第1ヨーク712の表面には絶縁用シ
ート714が被せられ、その上に複数のICを有するハ
ード基板715(位置検出素子78p,78y、出力増
幅用IC,コイル76p,76y駆動用IC等)が位置
決め孔715a(2ケ所)を地板71の図18に示すピ
ン71h(2ケ所)に嵌合され、孔715b,第1ヨー
ク712の孔712bとともに地板71の孔71gにネ
ジ結合される。
【0029】ここで、ハード基板715には位置検出素
子78p,78yが工具にて位置決めされて半田付けさ
れ、又信号伝達用のフレキシブル基板716も面716
aがハード基板715の背面に破線で囲む範囲715c
(図16参照)に熱により圧着される。
【0030】前記フレキシブル基板716から光軸と直
交する平面方向に一対の腕716bp,716byが延
出しており、各々支持枠75の引っ掛け部75ep,7
5ey(図20参照)に引っ掛けられ、投光素子77
p,77yの端子及びコイル76p,76yの端子が半
田付けされる。
【0031】これにより、IRED等の投光素子77
p,77y、コイル76p,76yの駆動はハード基板
715よりフレキシブル基板716を介在して行われる
ことになる。
【0032】前記フレキシブル基板716の腕部716
bp,716by(図16参照)には各々屈折部716
cp,716cyを有しており、この屈折部の弾性によ
り支持枠75が光軸と直交する平面内に動き回る事に対
する該腕部716bp,716byの負荷を低減してい
る。
【0033】前記第1ヨーク712は型抜きによる突出
面712cを有し、該突出面712cは絶縁シート71
4の孔714aを通り、ハード基板715と直接接触し
ている。この接触面のハード基板715側にはアース
(GND:グランド)パターンが形成されており、ハー
ド基板715を地板にネジ結合する事で第1ヨーク71
2はアースされ、アンテナになってハード基板715に
ノイズを与える事を無くしている。
【0034】図16に示すマスク717は地板71のピ
ン71hに位置決めされ、前記ハード基板715上に両
面テープにて固定される。
【0035】前記地板71には永久磁石貫通孔71i
(図16,図19参照)が開けられており、ここから第
2ヨーク72の背面が露出している。そして、この貫通
孔71iに永久磁石718(ロック用マグネット)が組
み込まれ、第2ヨーク72と磁気結合している(図17
参照)。
【0036】ロックリング719(図16,図17,図
22参照)にはコイル720(ロック用コイル)が接着
され、又ロックリング719の耳部719aの背面には
軸受719b(図22参照)があり、アマーチュアピン
721(図16参照)にアマーチュアゴム722を通
し、該アマーチュアピン721を軸受719bに通した
後、該アマーチュアピン721にアマーチュアバネ72
3を通し、アマーチュア724に嵌入してカシメ固定す
る。
【0037】従って、アマーチュア724はアマーチュ
アバネ723のチャージ力に逆らってロックリング71
9に対し矢印725方向に摺動出来る。
【0038】図22は組立終了後の振れ補正装置を、図
16の背面方向から見た平面図であり、この図におい
て、ロックリング719の外径切り欠き部719c(3
ケ所)を地板71の内径突起71j(3ケ所)に合せて
ロックリング719を地板71に押し込み、その後ロッ
クリングを反時計方向に回して抜け止めを行う公知のバ
ヨネット結合により、ロックリング719は地板71に
取り付いている。
【0039】従って、ロックリング719は地板71に
対し光軸回りに回転可能である。しかし、ロックリング
719が回転して再びその切り欠き719cが突起71
jと同位相になり、バヨネット結合が外れてしまうのを
防ぐ為にロックゴム726(図16,図22参照)を地
板71に圧入して、該ロックリング719がロックゴム
726に規制される切り欠き部719dの角度θ(図2
2参照)しか回転出来ない様に回転規制している。
【0040】磁性体のロック用ヨーク727(図16参
照)にも永久磁石718(ロック用マグネット)が取り
付けられ、その孔727a(2ケ所)を地板71のピン
71k(図22参照)に嵌合して嵌め込み、孔727b
(2ケ所)と71n(2ケ所)によりねじ結合してい
る。
【0041】地板71側の永久磁石718とロック用ヨ
ーク727側の永久磁石718、及び、第2のヨーク7
2,ロック用ヨーク727により、公知の閉磁路を形成
している。
【0042】又、前記ロックゴム726はロック用ヨー
ク727がネジ結合される事で抜け止めされる。尚、図
22においては上記の説明の為にロックヨーク727は
省いて図示している。
【0043】前記ロックリング719のフック719e
と地板71のフック71m間(図19参照)にはロック
バネ728が掛けられており、ロックリング719を時
計まわりに付勢している。吸着ヨーク729(図16,
図22参照)には吸着コイル730が差し込まれ、地板
71の孔729aによりネジ結合される。
【0044】コイル720の端子及び吸着コイル730
の端子は、例えば4本縒り線のテトロン被覆線のツイス
トペア構成にしてフレキシブル基板716の幹部716
dに半田付けされる。
【0045】以上説明した振れ補正装置の機構部は大別
すると、光軸を偏心させる補正手段と、該補正手段を支
持する支持手段と、前記補正手段を係止する係止手段の
3つの要素で構成されている。
【0046】前記補正手段は、レンズ74、支持枠7
5、コイル76p,76y、IRED77p,77y、
位置検出素子78p,78y、IC731p,731
y、支持球79a,79y、チャージバネ710、支持
軸711で組み立てられている。また、支持手段は、地
板71、第2ヨーク72、永久磁石73、第1ヨーク7
12で構成されている。又係止手段は、永久磁石71
8、ロックリング719、コイル720、アーマチュア
軸721、アーマチュアゴム722、アーマチュアバネ
723、アーマチュア724、ロックゴム726、ヨー
ク727、ロックバネ728、吸着ヨーク729、吸着
コイル730で構成されている。
【0047】また、前記補正手段を構成するうちの、レ
ンズ74、支持枠75により補正光学系を成し、PSD
78p,79y、IC731p,731y、IRED7
7p,77yが位置検出回路を成し、コイル76p,7
6y、第2ヨーク72、永久磁石73、第1ヨーク71
2が駆動回路を成す。つまり、補正手段は、補正光学
系,位置検出回路,前記補正光学系を駆動する駆動回路
を主たる構成要素として成るものである。
【0048】そして、前記振れ補正装置と振動検出回路
(図15参照)と以下の図22に示す演算回路により、
防振システムが構成される。
【0049】前記ハード基板715上のIC731p,
731yは各々位置検出端子78p,78yの出力増幅
用のICであるが、その内部構成は図22の様になって
いる(IC731p,731yは同構成の為、ここでは
731pのみ示す)。
【0050】図23において、電流−電圧変換アンプ7
31ap,731bpは投光素子77pにより位置検出
素子78p(抵抗R1,R2より成る)に生じる光電流
78i1p,78i2pを電圧に変換し、差動アンプ7
31cpは各電流−電圧変換アンプ731ap,731
bpの差出力を求め増幅している。
【0051】投光素子77p,77yの射出光は、前述
した通り、スリット75ap,75ayを経由して位置
検出素子78p,78y上に入射するが、支持枠75が
光軸と垂直な平面内で移動すると位置検出素子78p,
78yへの入射位置が変化する。
【0052】前記位置検出素子78pは矢印78ap方
向(図16参照)に感度を持っており、又スリット75
apは矢印78apとは直交する方向(78ay方向)
に光束が拡がり、矢印78ap方向には光束が絞られる
形状をしている為、支持枠75が矢印713p方向に動
いた時のみ該位置検出素子78pの光電流78i1 p,
78i2 pのバランスは変化し、差動アンプ731cp
は支持枠75の矢印713p方向に応じた出力をする。
【0053】又位置検出素子78yは矢印78ay方向
(図16参照)に検出感度を持ち、スリット75ayは
矢印78ayとは直交する方向(78ap方向)に延出
する形状の為に、支持枠75が矢印713y方向に動い
た時のみ該位置検出素子78yは出力を変化させる。
【0054】加算アンプ731dpは電流−電圧変換ア
ンプ731ap,731bpの出力の和(位置検出素子
78pの受光量総和)を求め、この信号を受ける駆動ア
ンプ731epはこれに従って投光素子77pを駆動す
る。
【0055】上記投光素子77pは温度等に極めて不安
定にその投光量が変化する為、それに伴い位置検出素子
78pの光電流78i1 p,78i1 pの絶対量(78
1p+78i2 p)が変化する。その為、支持枠75
の位置を示す(78i1 p−78i2 p)である差動ア
ンプ731cpの出力も変化してしまう。
【0056】しかし、上記の様に受光量の総和が一定と
なる様に前述の駆動回路によって投光素子77pを制御
すれば、差動アンプ731cpの出力変化が無くなる。
【0057】図16に示すコイル76p,76yは永久
磁石73,第1のヨーク712,第2のヨーク72で形
成される閉磁路内に位置し、コイル76pに電流を流す
事で支持枠75は矢印713p方向に駆動され(公知の
フレミングの左手の法則)、コイル76yに電流を流す
事で支持枠75は矢印713y方向に駆動される。
【0058】一般に位置検出素子78p,78yの出力
をIC731p,731yで増幅し、その出力でコイル
76p,76yを駆動すると、支持枠75が駆動されて
位置検出素子78p,78yの出力が変化する構成とな
る。
【0059】ここで、コイル76p,76yの駆動方向
(極性)を位置検出素子78p,78yの出力が小さく
なる方向に設定すると(負帰還)、該コイル76p,7
6yの駆動力により位置検出素子78p,78yの出力
がほぼ零になる位置で支持枠75は安定する。
【0060】この様に位置検出出力を負帰還して駆動を
行う手法を位置制御手法と云い、例えば外部から目標値
(例えば手振れ角度信号)をIC731p,731yに
混合させると、支持枠75は目標値に従って極めて忠実
に駆動される。
【0061】実際には差動アンプ731cp,731c
yの出力はフレキシブル基板716を経由して不図示の
メイン基板に送られ、そこでアナログ/ディジタル変換
(A/D変換)が行われ、マイコンに取り込まれる。
【0062】マイコン内では適宜目標値(手振れ角度信
号)と比較増幅され、公知のディジタルフィルタ手法に
よる位相進み補償(位置制御をより安定させる為)が行
われた後、再びフレキシブル基板716を通り、IC7
32(コイル76p,76y駆動用)に入力する。IC
732は入力される信号を基に前記コイル76p,76
yを公知のPWM(パルス幅変調)駆動を行い、支持枠
75を駆動する。
【0063】支持枠75は前述した様に矢印713p,
713y方向に摺動可能であり、上述した位置制御手法
により位置を安定させている訳であるが、カメラ等の民
生用光学機器においては電源消耗防止の観点からも常に
該支持枠75を制御しておく事は出来ない。
【0064】また、支持枠75は非制御状態時には光軸
と直交する平面内にて自由に動き回る事が出来る様にな
る為、その時のストローク端での衝突の音発生や損傷に
対しても対策しておく必要がある。
【0065】図20及び図22に示す様に支持枠75の
背面には3ケ所の放射状に突出した突起75fを設けて
あり、図22に示す様に突起75fの先端がロックリン
グ719の内周面719gに嵌合している。従って、支
持枠75は地板71に対して全ての方向に拘束されてい
る。
【0066】図24(a),(b)はロックリング71
9と支持枠75の動作の関係を示す平面図であり、図2
1の平面図から要部のみ抜出した図である。尚、説明を
解り易くする為に実際の組立状態とは若干レイアウトを
変化させている。又、図23(a)のカム部719f
(3ケ所)は、図20,図21に示す通り、ロックリン
グ719の円筒の母線方向全域に渡って設けられている
訳ではないので図21の方向からは実際には見えない
が、説明の為に図示している。
【0067】図17に示した通り、コイル720(72
0aは図示しないフレキシブル基板等でロックリング7
19の外周を通り、端子719hよりフレキシブル基板
716の幹部716d上の端子716eに接続される4
本縒り線の引き出し線)は永久磁石718で挟まれた閉
磁路内に入っており、コイル720に電流を流す事でロ
ックリング719を光軸回りに回転させるトルクを発生
する。
【0068】このコイル720の駆動も不図示のマイコ
ンからフレキシブル基板716を介してハード基板71
5上の駆動用IC733に入力する指令信号で制御さ
れ、IC733はコイル720をPWM駆動する。
【0069】図24(a)において、コイル720に通
電するとロックリング719に反時計回りのトルクが発
生する様にコイル720の巻き方向が設定されており、
これによりロックリング719はロックバネ728のバ
ネ力に逆らって反時計方向に回転する。
【0070】尚、ロックリング719は、コイル720
に通電前はロックバネ728の力によりロックゴム72
6に当接して安定している。
【0071】ロックリング719が回転すると、アマー
チュア724が吸着ヨーク729に当接してアマーチュ
アバネ723を縮め、吸着ヨーク729とアマーチュア
724の位置関係をイコライズしてロックリング719
は図24(b)の様に回転を止める。
【0072】図25はロックリング駆動のタイミングチ
ャートである。
【0073】図25の矢印719iでコイル720に通
電(720bに示すPWM駆動)すると同時に吸着マグ
ネット730にも通電(730a)する。その為、吸着
ヨーク729にアマーチュア724が当接し、イコライ
ズされた時点でアマーチュア724は吸着ヨーク729
に吸着される。
【0074】次に、図25の720cに示す時点でコイ
ル720への通電を止めると、ロックリング719はロ
ックバネ728の力で時計回りに回転しようとするが、
上述した様にアマーチュア724が吸着ヨーク729に
吸着されている為、回転は規制される。この時、支持枠
75の突起75fはカム部719fと対向する位置に在
る(カム部719fが回転して来る)為、支持枠75は
突起75fとカム部719fの間のクリアランス分だけ
動ける様になる。
【0075】この為、重力G(図24(b)参照)の方
向に支持枠75が落下する事になるが、図21の矢印7
19iの時点で支持枠75も制御状態にする為、落下す
る事は無い。
【0076】支持枠75は非制御時はロックリング71
9の内周で拘束されているが、実際には突起75fと内
周壁719gの嵌合ガタ分だけガタを有する。即ち、こ
のガタ分だけ支持枠75は重力G方向に落ちており、支
持枠75の中心と地板71の中心がずれている事にな
る。その為、矢印719iの時点から例えば1秒費やし
てゆっくり地板71の中心(光軸の中心)に移動させる
制御をしている。
【0077】これは急激に中心に移動させると補正レン
ズ74を通して像の揺れを撮影者が感じて不快である為
であり、この間に露光が行われても、支持枠75の移動
による像劣化が生じない様にする為である。(例えば1
/8秒で支持枠を5μm移動させる) 詳しくは、図25の矢印719i時点での位置検出素子
78p,78yの出力を記憶し、その値を目標値として
支持枠75の制御を始め、その後1秒間費やしてあらか
じめ設定した光軸中心の時の目標値に移動してゆく(図
24の75g参照)。
【0078】ロックリング719が回転され(アンロッ
ク状態)た後、振動検出手段からの目標値を基にして
(前述した支持枠75の中心位置移動動作に重なって)
支持枠75が駆動され、防振が始まる事になる。
【0079】ここで、防振を終わる為に矢印719jの
時点で防振オフにすると、振動検出回路からの目標値が
補正手段を駆動する駆動回路に入力されなくなり、支持
枠75は中心位置に制御されて止まる。この時に吸着コ
イル730への通電を止める(730b)。すると、吸
着ヨーク729によるアマーチュア724の吸着力が無
くなり、ロックリング719はロックバネ728により
時計回りに回転され、図21(a)の状態に戻る。この
時、ロックリング719はロックゴム726に当接して
回転規制される為に回転終了時の該ロックリング719
の衝突音は小さく抑えられる。
【0080】その後(例えば20msec後)、駆動回
路への制御を断ち、図25のタイミングチャートは終了
する。
【0081】図26〜図28は防振システムの概要を示
すもので、図26は全体の構成を示すブロック図であ
り、図27と図28は、図26の各回路の詳細を示すブ
ロック図である。更に詳しくは、図26の上段の各部を
図27に示し、図26の下段の各部を図28に示すと共
に、上段と下段の各部の接続関係の明確化の為、それぞ
れの信号ラインにa〜gの符号を付してある。
【0082】これらの図において、91は図15の振動
検出回路83p,83yに相当する振動検出回路であ
り、振動ジャイロ等の角速度を検出する振れ検出センサ
と該振れ検出センサ出力のDC成分をカットした後に積
分して角変位を得るセンサ出力演算部より構成される。
【0083】この振動検出回路91からの角変位信号は
目標値設定回路92に入力される。この目標値設定回路
92は、図28に示す様に、可変差動増幅器92aとサ
ンプルホールド器92bより構成されており、サンプル
ホールド器92bは常にサンプル中の為に可変差動増幅
器92aに入力される両信号は常に等しく、その出力は
ゼロである。しかし、後述する遅延回路93からの出力
にて前記サンプルホールド器92bがホールド状態にな
ると、可変差動増幅器92aはその時点をゼロとして連
続的に出力を始める。
【0084】可変差動増幅器92aの増幅率は防振敏感
度設定回路94の出力により可変になっている。何故な
らば、目標値設定回路92の目標値信号は補正手段91
0を追従させる目標値(指令信号)であるが、該補正手
段910の駆動量に対する像面の補正量(防振敏感度)
はズーム,フォーカス等の焦点変化に基づく光学特性に
より変化するために、その防振敏感度変化を補う為であ
る。
【0085】従って、防振敏感度設定回路94は、図2
7に示す様に、ズーム情報出力回路95からのズーム焦
点距離情報と露光準備回路96の測距情報に基づくフォ
ーカス焦点距離情報が入力されており、その情報を基に
防振敏感度を演算あるいはその情報を基にあらかじめ設
定した防振敏感度情報を引き出して、目標値設定回路9
2内の可変差動増幅器92aの増幅率を変更させる。
【0086】補正駆動回路97は、図16のハード基板
715上に実装されたIC731p,731y,732
に相当し、目標値設定回路92からの目標値が指令信号
として入力される。
【0087】補正起動回路98は、図16のハード基板
715上のIC732と補正手段910に具備されたコ
イル76p,76yの接続を制御するスイッチであり、
図27に示す様に、通常時はスイッチ98aを端子98
cに接続させておく事でコイル76p,76yの各々の
両端を短絡しておき、論理積回路99の信号が入力され
るとスイッチ98aを端子98bに接続し、補正手段9
10を制御状態(未だ振れ補正は行わないが、コイル7
6p,76yに電力を供給し、位置検出素子78p,7
8yの信号がほぼゼロになる位置に補正手段910を安
定させておく)にする。又この時同時に論理積回路99
の出力信号は係止手段914にも入力され、これにより
係止手段914は補正手段910の係止を解除する。
【0088】尚、補正手段910はその位置検出素子7
8p,78yの位置信号を補正駆動回路97に入力し、
前述した様に位置制御を行っている。
【0089】論理積回路99はレリーズ操作部材911
の半押しによるSW1信号と防振切換操作部材912の
オン信号がそれぞれ入力された時に、その構成要素であ
るアンドゲード99a(図27参照)が信号を出力す
る。つまり、防振切換操作部材912である防振メイン
スイッチを撮影者が操作し、且つレリーズ操作部材91
1の半押しを行った時に、前記補正手段910は係止解
除され、制御状態になる。
【0090】レリーズ操作部材911の半押しにより発
生するSW1信号は、図26及び図27に示す様に、露
光準備回路96に入力され、これにより測光,測距,レ
ンズ合焦駆動が行われ、ここで得られたフォーカス情報
が防振敏感度設定回路94に入力される。
【0091】遅延回路93は論理積回路99の出力信号
を受けて、例えば1秒後に出力して前述した様に目標値
設定回路92より目標値信号を出力させる。
【0092】図示していないが、レリーズ操作部材91
1の半押しにより発生するSW1信号に同期して振動検
出回路91も起動を始める。そして、前述した様に積分
器等、大時定回路を含むセンサ出力演算は起動から出力
が安定する迄に、ある程度の時間を要する。
【0093】前記遅延回路93は前記振動検出回路91
の出力が安定する迄待機した後に、補正手段910へ目
標値信号を出力させる役割を演じ、振動検出回路91の
出力が安定してから防振を始める構成にしている。
【0094】露光回路913はレリーズ操作部材911
の押し切り(全押し)操作により発生するSW2信号入
力によりミラーアップを行い、露光準備回路96の測光
値を基に求められたシャッタスピードでシャッタを開閉
して露光を行い、ミラーダウンして撮影を終了する。
【0095】撮影終了後、撮影者がレリーズ操作部材9
11から手を離し、SW1信号をオフにすると、論理積
回路99は出力を止め、目標値設定回路92のサンプル
ホールド回路92bはサンプリング状態になり、可変差
動増幅器92aの出力はゼロになる。従って、補正手段
910は補正駆動を止めた制御状態に戻る。
【0096】論理積回路99の出力がオフになった事に
より、係止手段914は補正手段910を係止し、その
後に補正起動回路98のスイッチ98aは端子98cに
接続され、補正手段910は制御されなくなる。
【0097】振動検出回路91は、不図示のタイマによ
り、レリーズ操作部材911の操作が停止された後も一
定時間(例えば5秒)は動作を継続し、その後に停止す
る。これは、撮影者がレリーズ操作を停止した後に引き
続きレリーズ操作を行う事は頻繁にあるわけで、その様
な時に毎回振動検出回路91を起動するのを防ぎ、その
出力安定迄の待機時間を短くする為であり、振動検出回
路91が既に起動している時には該振動検出回路91は
起動既信号を遅延回路93に送り、その遅延時間を短く
している。
【0098】図29は、上記の動作をマイクロコンピュ
ータにより処理した場合の一連の動作を示すフローチャ
ートであり、以下これに従って簡単に説明する。
【0099】カメラに電源が投入されると、マイクロコ
ンピュータは、まず防振スイッチの状態を調べ、オンで
あれば次にレリーズ操作部材911の半押しによりSW
1信号が発生しているか否かを判別する(#5001→
#5002)。SW1信号が発生していれば、内部タイ
マをスタートさせ(#5003)、次に測光,測距、振
れ検出の開始、更には補正手段910による防振制御を
可能にする為にその係止解除を行う(#5004)。
【0100】次に、上記タイマでの計時内容が所定の時
間t1に達したか否かを調べ、達していなければ達する
までこのステップに留まる(#5005)。これは、前
述した様にセンサ出力が安定するまでの時間待機する為
の処理である。その後、所定の時間t1が経過すると、
目標値信号に基づいて補正手段910を駆動し、防振制
御を開始する(#5006)。
【0101】次に、レリーズ操作部材911の押し切り
によりSW2信号が発生しているか否かを調べ(#50
07)、発生していなければ再びSW1信号が発生して
いるか否かの判別を行い、もしSW1信号も発生してい
なければ(#5008のNO)、防振制御を停止すると
共に、補正手段910を所定の位置に係止する(#50
11→#5012)。
【0102】また、SW2信号は発生していないが、S
W1信号は発生していれば、ステップ#5007→#5
008→#5007……の動作を繰り返す。この状態時
にレリース回路911の押し切り操作が為されてSW2
信号が発生すると(#5007のYES)、フィルムへ
の露光動作を行う(#5009)。そして、SW1信号
の状態を調べ(#5010)、該SW1信号が発生しな
くなったら防振制御を停止すると共に、補正手段910
を所定の位置に係止する(#5011→#5012)。
【0103】以上の動作を終了すると、次に上記タイマ
を一旦リセットして再度スタートさせ(#5013)、
再びSW1信号が所定時間内(ここでは5秒以内)に発
生するかどうかの判別を行う(#5014→#5015
→#5014……)。もし防振を停止してから5秒以内
に再度SW1信号が発生したならば(#5015のYE
S)、測光,測距動作及び補正手段910の係止解除を
行い(#5016)、振れ検出はそのまま継続されてい
るので、直ちに目標値信号に基づいて補正手段910の
駆動制御を行い(#5006)、以下前述と同様の動作
を繰り返す。
【0104】つまり、この様な処理をすることにより、
前述した様に撮影者がレリーズ操作を停止した後に引き
続きレリーズ操作をした際に、その度に振動検出回路9
1を起動してその出力安定迄待機するといった不都合を
無くすことが可能になる。
【0105】一方、防振を停止してから5秒以内にSW
1信号が発生しなかった場合は(#5014のYE
S)、振れ検出を停止(振動検出回路91の駆動を停
止)する(#5017)。その後はステップ#5001
に戻り、防振スイッチのオン待機の状態に入る。
【0106】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した防振シス
テムにおいて、補正手段の振れ補正駆動は高い精度で行
う必要があり、その為に前述した様に補正手段の位置を
検出する位置検出手段の出力を基に、該補正手段の位置
制御を行う手法を用いている。勿論、位置検出手段の検
出精度も高精度を求められており、図16の従来例にお
いては位置検出手段の構成要素の一つである位置検出素
子78p,78yとして、PSDを用いている。このP
SDは長い検出範囲を高精度に(直線性良く)検出可能
であり、前述した様に入射投光量の総和を制御する事
で、固体差や温度、経時的な感度のバラツキを抑えるこ
とが出来る。
【0107】しかしながら、パッケージングそのものが
大きい事、投光素子(IRED)77p,77yが別に
対向して必要な事から、位置検出手段としては大型とな
ってしまい、補正光学装置上の配置設計自由度が少な
く、該補正光学装置をコンパクトに出来ないという問題
があった。
【0108】(発明の目的)本発明の目的は、装置全体
をコンパク化すると共に、精度の低い小型の位置検出手
段を用いても、位置検出精度を向上させることのできる
補正手段用位置制御装置を提供しようとするものであ
る。
【0109】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1〜5及び9記載の本発明は、振れを補正す
る振れ補正手段の位置を検出する第1の位置検出手段
と、該第1の位置検出手段の出力を基に前記補正手段を
位置制御を行う制御手段と、前記補正手段の位置を検出
する第2の位置検出手段と、該第2の位置検出手段の出
力を基に前記第1の位置検出手段の出力を較正する較正
手段とを有した補正手段用位置制御装置とするものであ
る。
【0110】上記構成においては、第1及び第2の位置
検出手段として、小型のフォトリフレクタを用い、該フ
トリフレクタの精度の低さを、第2の位置検出手段の出
力を基に第1の位置検出手段の出力を較正(感度、出力
の直線性、絶対位置出力を補正)することで、高めるよ
うにしている。
【0111】同じく上記目的を達成するために、請求項
6及び9記載の本発明は、振れを補正する補正手段と、
該補正手段の位置変位に対しアナログ出力する第1の位
置検出手段と、前記補正手段の位置変位に対しパルス状
の出力をする第2の位置検出手段と、前記第1の位置検
出手段と前記第2の位置検出手段の出力を基に前記補正
手段の位置制御を行う制御手段とを有した補正手段用位
置制御装置とするものである。
【0112】同じく上記目的を達成するために、請求項
7及び10記載の本発明は、異なる第1と第2の方向に
独立に駆動される事で振れを補正する補正手段と、該補
正手段に設けられた格子状パターンと、該格子状パター
ンに応答するパルス信号を出力する位置検出手段とを有
し、前記位置検出手段のパルス出力を計測することで、
前記補正手段の前記第1と第2の方向の位置を検出する
補正手段用位置制御装置とするものである。
【0113】同じく上記目的を達成するために、請求項
8及び9記載の本発明は、異なる第1と第2の方向に独
立に駆動される事で振れを補正する補正手段と、該補正
手段の前記第1の方向の位置を検出する第1の位置検出
手段と、前記補正手段の前記第2の方向の位置を検出す
る第2の位置検出手段と、前記補正手段が一方の方向に
駆動される際に、前記第2の位置検出手段の出力によっ
て前記第1の位置検出手段の出力を較正する第1の較正
手段と、前記補正手段が他の方向に駆動される際に、前
記第1の位置検出手段の出力により前記第2の位置検出
手段の出力を較正する第2の較正手段とを有した補正手
段用位置制御装置とするものである。
【0114】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。
【0115】図1〜図3は、本発明の実施の第1の形態
に係る、防振システムに用いられる補正光学装置の構造
を示す図であり、詳しくは、図1は補正光学装置の平面
図(図15の鏡筒82の物体側から見た図)、図2
(a)は図1の矢印Aの方向より見た側面図、図1
(b),(c)は各々図1のD1−D1,D2−D2断
面図、図3は図1の裏面図である。
【0116】これらの図において、11aは地板11に
3ケ所に等分に設けられた嵌合枠であり、図15の鏡筒
82の内周に嵌合し、両者を孔11b(図2(b)参
照)を利用して結合させている。地板11にはボビンに
巻かれたシフトコイル12p,12y(図2(a),
(b)参照)が固定され、又ロックコイル13が巻かれ
たステータ14が固定されている。
【0117】ロータ15はその軸まわりに回転可能に地
板11に取り付けられ、該ロータ15、ステータ14及
びロックコイル13により、公知のステップモータを構
成している。
【0118】地板11にはその外周側面の3ケ所に等分
の長孔11c(図2(a),(c)にのみ図示し、図1
ではその位置を矢印で示している)が設けられている。
また、地板11の裏面には図3に示す様に、ロックリン
グ16が矢印18rまわりに回転可能に取り付けられて
おり、ロータ15のピニオン15aと歯車16bが噛み
合って、該ロックリング16はステップモータにより矢
印18rまわりに駆動される。
【0119】補正レンズ(図示しない)を保持する支持
枠17には外周放射方向に3等分に延出する支持軸17
aを有しており、その先端部が地板11の長孔11cと
嵌合している。この3ケ所の嵌合部は、図2(a)の長
孔11c、支持軸17aの関係と同一であり、この図か
ら明らかな様に、各々の関係は光軸10の方向には固定
され、光軸10と直角な方向には互いに摺動可能になっ
ている(孔11cが長孔の為)。
【0120】すなわち、支持枠17は地板11に対し光
軸方向には移動規制されるが、その垂直な平面内におい
ては自由に動くことができる。この動く方向を分解する
と、矢印18pの方向(ピッチ方向)、矢印18yの方
向(ヨー方向)、矢印18rの方向(ロール方向)に分
けられる。
【0121】支持枠17のピン17aと地板11のピン
11bの間には対の引っ張りバネ19が掛けられてお
り、支持枠17を両側から引っ張っている。また、支持
枠17にはシフトマグネット110が吸着されたシフト
ヨーク111が取り付けられており、地板11上のシフ
トコイル12p,12yと対向している。そして、両者
の関連により、シフトコイル12pに電流を流すと、支
持枠17は矢印18pの方向に引っ張りバネ19の弾性
力に逆らって駆動され、シフトコイル12yに電流を流
すと、同様に支持枠17は引っ張りバネ19の弾性力に
逆らって矢印18yの方向に駆動される。矢印18rの
方向には回転力は生じない事、及び、支持枠17は引っ
張りバネ19により両側から引っ張られている事によっ
てこの方向に弾性的に回転規制されている為、支持枠1
7がこの方向に回転する事は無い。
【0122】今、カメラ振れ検出手段の情報に基づき支
持枠17を矢印18p,18yの方向に駆動すると(シ
フトコイル12p,12yに通電して)、前述した様に
像面の安定化が図れる訳であるが、防振システムを使用
していない時には支持枠17が地板11に対し不動にし
ておく必要がある。何故ならば、携帯時等の外乱振動に
より支持枠17が揺れ、地板11との間で衝撃音が発生
する事、及び、それによる破損を避ける為である。
【0123】図3においては、支持枠17の4ケ所の突
起17eはロックリング16の内周壁16aと当接して
いる。故に支持枠17は矢印18p,18yの方向の移
動は規制されている(防振システムを使用しない時)。
【0124】一方、防振システムを使用する時は、ステ
ップモータによりロックリング16を図3の時計回りに
回転させる。すると、突起17eと対向する面はカム部
16cとなり互いに当接が離れる。よって、支持枠17
はロックリング16に対しフリーになり、矢印18p,
18y方向に駆動可能となる。
【0125】以上説明した補正光学装置を要素別にまと
めると、以下の様になる。
【0126】・支持手段……地板11、シフトコイル1
2p,12y、引っ張りバネ19 ・補正手段……支持枠17、シフトマグネット110、
シフトヨーク111、補正レンズ ・係止手段……ロックリング16 ・係止手段を駆動する駆動手段……ロックコイル13、
ステータ14、ロータ15 図16〜図21の従来例においては、補正手段は位置検
出素子78p,78yにより位置制御駆動され、駆動精
度を保っているが、本実施の形態においても同様な構成
が取られている。
【0127】図1において、ヨーク111の上にはター
ゲット112が設けられている。このターゲット112
は、明パターン112a,暗パターン112b、パルス
パターン112cにより構成されており、明パターン1
12a,暗パターン112bの境界部に対向して第1の
位置検出手段であるところのフォトリフレクタ113p
a,113yaが、パルスタターン112cに対向して
第2の位置検出手段であるところのフォトリフレクタ1
13pb,113ybが、それぞれ設けられている。
【0128】各々のフォトリフレクタは、図2(b)に
示す様に、ターゲット112から適切な距離が保たれ、
基板114(図2(b)にのみ図示している)に設けら
れている。フォトリフレクタは自ら投光して、その反射
光の強弱を検出するセンサであり、従来例のPSD,I
REDの様に2素子を対向して設け、且つ、支持枠にス
リットを設けなくてはならないのに比べ、配置の自由度
が大幅に広がり、装置全体を小さく出来、又、素子その
ものも小さいと云うメリットを持つが、その感度の固体
差のバラツキが大きく、リニアリティ(出力の直線性)
も悪い為に精密駆動制御用には今迄用いられる事は無か
った。
【0129】図1及び図2(b)に示す配置において、
支持枠17を矢印18pの方向に駆動した時のフォトリ
フレクタ113paの出力は図4に示す様になり、実際
にリニアリティが精度よく得られているのはx1 の範囲
だけであり、それ以上支持枠17が変化すると出力が変
化していく。又、変位に対する出力も実線115a、破
線115bの様に固体差を有している。これに対し、フ
ォトリフレクタ113pbの出力は、図5に示す様に、
変位に対しパルス状の出力116をする。勿論このパル
ス出力の高さも固体差は有るが、一定のしきい値117
に対して出力を比較して用いる場合にはこの固体差は問
題とはならない。すなわち、フォトリフレクタ113p
bは補正手段の駆動位置に忠実に対応してパルス出力を
行う。
【0130】しかしながら、この出力では補正手段の駆
動方向が解らない為(パルス出力の為)、このまま該出
力のみで補正手段の制御を行う事は出来ない。逆にフォ
トリフレクタ113paは位置出力の精度は低いが、補
正手段が駆動されている方向が解る為(アナログ出力の
為)、こちらの方が補正手段の制御に向いている。
【0131】そこで、フォトリフレクタ113pbのパ
ルス出力を基に、フォトリフレクタ113paの出力を
較正して、位置検出精度を高める事を考える。
【0132】図6は較正方法を説明するブロック図であ
り、破線で囲まれているブロックが第1の位置検出手段
(フォトリフレクタ113pa)の出力を較正する較正
手段を構成している。フォトリフレクタ113pb(第
2の位置検出手段)の出力はしきい値117を基にコン
パレータ118で2値化され、パルス計測回路119で
補正手段の駆動に伴う出力パルス数を計測される。
【0133】尚、パルス計測回路119には方向判別回
路(フォトリフレクタ113paの出力を基に補正手段
の駆動している方向を判別する為の回路)121の信号
も入力している。
【0134】前述した様に補正手段は振れ補正を行うま
では補正中心にロックされている。そして、振れ補正開
始時にロック位置におけるフォトリフレクタ113p
a,113yaの出力を基に該補正手段を位置制御しつ
つ、ロックを解除し、その後振れ補正を始める訳である
が、ロック位置におけるパルスカウントをゼロにして方
向判別回路121の出力を基にパルス計測回路119は
発生パルスを加算或いは減算して現在の位置を確認して
いる。方向判別回路121の出力信号は発生したパルス
を加算すべきか、或いは減算すべきかの判断に用いられ
る。
【0135】パルスがアップ、又は、ダウンする度にそ
の信号は較正出力発生回路120に入力される。この較
正出力発生回路120内には、補正手段の位置x1 ,x
2 ,……,xn に応じてフォトリフレクタ113paが
理想とすべき出力V01,V02,……,V0nが記憶されて
おり、パルスの変化毎にその位置xk に対応する理想出
力V0kを出力する。
【0136】この補正手段が位置xk の時、フォトリフ
レクタ113pa(第1の位置検出手段)は固体差やリ
ニアリティ(出力の直線性)の悪化した出力Vk を出力
しており、除算回路122は「V0k/Vk 」の演算結果
を求める。そして、この出力は増幅率可変回路123に
てフォトリフレクタ113paの出力と乗算される。そ
の為に増幅率可変回路123の補正手段の変位に対する
出力は、図7に示す様に、固体差,リニアリティが補正
される。
【0137】この様に振れ補正前の出力115aに比
べ、振れ補正後の出力126はパルス出力に応じて若干
の階段状になっているが、固体差,リニアリティも補正
出来る。そして、この出力と目標値発生回路(振れ検出
センサからの振れ補正目標値を出力する回路)126の
出力の差を差動回路124で求め(振れ補正誤差)、そ
の出力に応じた電流をコイル駆動回路125を介してコ
イル12pに流せば、補正手段は精度良く振れ補正を行
う事が可能となる。勿論、図1の矢印18yの方向の駆
動(フォトリフレクタ113ya,113yb,コイル
12y)に対しても、図6と同様な構成になっている。
【0138】この様に第2の位置検出手段のパルス計測
で補正手段の位置を精度良く求め、その出力でアナログ
出力の第1の位置検出手段の出力を較正する事で、高精
度な補正光学装置をコンパクトにまとめる事が出来る。
【0139】(実施の第2の形態)上記実施の第1の形
態においては、第2の位置検出手段の出力で第1の位置
検出手段の出力を較正しつつ、振れ補正を行っていた。
すなわち、振れ補正を行っている間に較正手段を動作さ
せている。しかしながら、較正手段の動作はこの様に振
れ補正中に行う場合ばかりでなく、振れ補正に先だって
行うようにしても良い。例えば、カメラのメインスイッ
チがオンされた時、或いは、防振スイッチがオンされた
時に、較正手段を動作させて第1の位置検出手段の出力
を較正し、その後に振れ補正を行えば良い。
【0140】図8は本発明の実施の第2の形態に係るブ
ロック図であり、上記実施の第1の形態における図6と
同一符号のブロックは同じ機能のブロックである為、こ
こではその説明は省く。また、その他の構成は実施の第
1の形態と同様であるものとする。
【0141】図8において、フォトリフレクタ113p
aの出力はパルス計測回路119から新たなパルスが出
力される毎に感度較正回路21にてサンプリングされ
る。そして、感度較正回路21では、入力パルスに対応
するフォトリフレクタ113paの出力差「VK −V
K-1 」(VK-1 は補正手段の変位xK-1 に対応するパル
ス出力時にサンプリングしたフォトリフレクタ113p
a出力、同様にVK は変位xK に対応する出力)を求め
る構成になっている。
【0142】まず、カメラのメインスイッチのオン、或
いは、防振スイッチがオンすると、較正駆動回路24が
駆動信号をコイル駆動回路125に出力し、補正手段を
図1の矢印18pの方向に所定範囲駆動する。この時の
駆動信号は、図8から解る様に直接コイル駆動回路12
5に入力されており、フォトリフレクタ113paに制
御されずにオープンに駆動される。そして、この時前述
した様にフォトリフレクタ113pbのパルス出力を基
にフォトリフレクタ113paの出力をサンプリング
し、感度較正回路21は「VK −VK-1 」を求め、記憶
回路23に格納する。
【0143】次に、同様に較正駆動回路24は補正手段
を図1の矢印18yの方向に駆動し、フォトリフレクタ
113yaの出力についても同様の処理を行う。その
後、振れ補正を始める訳であるが、フォトリフレクタ1
13paの出力は出力範囲検出回路22に入力され、現
在の出力Vi がどの範囲(例えば、VK-1 <Vi
K)にあるかクラス分けする。そして、そのクラスの
信号を記憶回路23に送り、記憶値「VK −VK-1 」を
引き出す。この値を増幅率可変回路123に出力され、
フォトリフレクタ113paの増幅率を「1/(VK
K-1 )」にする。それにより、フォトリフレクタ11
3paの出力は正規化され、リニアリティが補正され
る。
【0144】例えば、図9のフォトリフレクタ113p
aの出力において、補正手段が大きく変位していくとそ
の角度は低くなっていくが、この時の「VK −VK-1
も補正手段の変位が小さい時に比べて小さい値の為に
「1/(VK −VK-1 )」は補正手段の変位が小さい時
に比べて大きくなり、感度は増幅され、リニアリティが
補正される。
【0145】この様に予め感度較正値を求めておく事
で、振れ補正時の演算負荷を減らす事が出来、システム
全体を統合するマイクロコンピュータの負荷を軽くする
ことが出来る。
【0146】(実施の第3の形態)図10は本発明の実
施の第3の形態に係る補正光学装置の平面図であり、図
1aと異なるのは、ターゲット112は明パターン11
2aと暗パターン112bで構成され、パルスパターン
112cが無い事、そして、フォトリフレクタ113p
b,113ybが無い事であり、代わりに、支持枠17
上に格子状パターン31(図11に拡大図を示してい
る)が設けられ、この格子状パターン31に対向して基
板114にフォトリフレクタ32が設けられている。
【0147】格子状パターン31は、矢印18pの方向
と平行なパターン31pと、矢印18yの方向と平行な
パターン31yで構成されており、対向してフォトリフ
レクタ32が設けられている。格子状パターン31が矢
印18pの方向に動く時はパターン31yの変化をフォ
トリフレクタ32が検出し(この時、パターン31pは
進行方向と平行の為にフォトリフレクタ32を横切らな
い)、格子状パターン31が矢印18yの方向に動く時
はパターン31pの変化をフォトリフレクタ32が検出
する(この時、パターン31yは進行方向と平行の為に
フォトリフレクタ32を横切らない)。
【0148】よって、上記実施の第2の形態の様に、振
れ補正前に補正手段を矢印18pの方向にのみ駆動する
時には、フォトリフレクタ113paの出力はフォトリ
フレクタ32の出力パルスで較正され、補正手段を矢印
18yの方向にのみ駆動する時には、フォトリフレクタ
113yaの出力はフォトリフレクタ32の出力パルス
で較正できる。
【0149】この様に格子状パターンとする事で、異な
る2方向の動きを一つのセンサで検出出来る為に、2方
向各々の位置検出手段の較正を一つのセンサで可能に出
来る。
【0150】(実施の第4の形態)図12は本発明の実
施の第4の形態に係る補正光学装置の平面図であり、タ
ーゲット112は、明パターン112a,暗パターン1
12bとパルスパターン112cで構成され、明パター
ン112aと暗パターン112bの境界線を中心として
フォトリフレクタ113pa,113yaがターゲット
112に対向している。
【0151】よって、フォトリフレクタ113pa,1
13yaのアナログ出力により補正手段は、各々矢印1
8p,18yの方向に駆動制御される。このフォトリフ
レクタ113pa,113yaの出力較正方法を以下に
述べる。
【0152】振れ補正を開始する前に、補正手段を矢印
18yの紙面右方向に大変位させると、フォトリフレク
タ113yaはパルスパターン112cと対向する様に
なる。よって、この状態で補正手段を矢印18pの方向
に駆動すると、フォトリフレクタ113paはその方向
の位置変化をアナログ出力し、フォトリフレクタ113
yaはその方向の位置変化をパルス出力する。その為、
上記実施の第2の形態と同様の構成で、フォトリフレク
タ113paの出力をフォトリフレクタ113yaのパ
ルス出力で較正出来る。
【0153】次に、補正手段を矢印18pの紙面上方向
に大変位させると、フォトリフレクタ113paはパル
スパターン112cと対向する為、この状態で補正手段
を矢印18yの方向に駆動して、同様にフォトリフレク
タ113yaの出力をフォトリフレクタ113paのパ
ルス出力で較正出来る。
【0154】この様に2方向の位置を検出する二つの位
置検出手段を利用して、互いにその出力を較正する事
で、較正用の為の専用の位置検出手段を設ける必要がな
くなる。
【0155】(実施の第5の形態)上記実施の第1〜第
4の形態においては、アナログ出力の位置検出手段の較
正用にパルス出力の位置検出手段を用いてきた。しかし
ながら出力較正はフォトリフレクタのパルス出力を用い
なくても、もっと安価な方法で行う事も出来る。
【0156】図13は本発明の実施の第5の形態に係る
補正光学装置の裏面図であり、地板11上のピン52p
a,52pb,52ya,52ybに、線バネ51p
a,51pb,51ya,51ybが巻かれ、フック5
3pa,53pb,53ya,53ybに引っ掛けられ
ている。
【0157】よって、線バネ51pa,51pb,51
ya,51ybは各々矢印56a,56b,56c,5
6dの方向にバネ力を発生しているが、フック54p
a,54pb,54ya,54ybにプリチャージされ
て位置決めされている。各々の線バネ51pa,51p
b,51ya,51ybは電気的に接地されており、
又、図13の状態では離間している導電性のピン55p
a,55pb,55ya,55ybは一定電圧にプルア
ップされている。
【0158】そして、支持枠17の駆動に伴い突起17
eが線バネ51pa,51pb,51ya,51ybの
いずれかを押していくと、線バネがピン55pa,55
pb,55ya,55ybを接触する。すると、ピン5
5pa,55pb,55ya,55ybの電位が変化
し、それにより線バネ51pa,51pb,51ya,
51ybが一定量撓んだ事を検出出来る。
【0159】そこで、振れ補正中に支持枠17が一定量
変位して線バネ51pa,51pb,51ya,51y
bがピン55pa,55pb,55ya,55ybと接
触した時(この時の支持枠17の変位量は定まってい
る)のフォトリフレクタ113pa,113ya(図1
3では不図示であるが、実施の第1〜第4の形態と同
様)の出力が一定値になる様にその感度(増幅率)を調
整すれば、フォトリフレクタの固体差による感度変化
(図4の波形115aと115b)を補正する事が出来
る。
【0160】勿論、振れ補正前に支持枠17を矢印18
p,18y方向に各々大変位させ、その時のピン55p
a,55pb,55ya,55ybの出力から予めフォ
トリフレクタ113pa,113yaの感度を較正して
おいても良く、この動作も例えば支持枠17を紙面斜め
45度に1往復大変位させる事で、線バネ51pa,5
1yb及び51pb,51yaを各々同時に撓ませる事
が出来、較正時間を短かく出来る。
【0161】この様に線バネを用いたスイッチ構成によ
っても位置検出手段の較正が可能であり、パルスを計測
していく実施の第1〜第4の形態に比べて、回路規模を
小さくすることが可能になる。
【0162】(実施の第6の形態)上記実施の第1〜第
5の形態において、補正手段が中央に位置している時の
フォトリフレクタ113pa,113yaの出力も、補
正手段がロックリング16にロックされている時(中央
に位置している。)のフォトリフレクタ113pa,1
13yaの出力を検出する事で較正出来る。
【0163】これは、組立時にフォトリフレクタを取り
付ける時の位置誤差やターゲット112の反射率,温度
等により、補正手段の中心位置におけるフォトリフレク
タの出力がばらつくのを補正する為である。その為、ロ
ック機構の無い様な簡易的な補正光学装置の場合には、
上記出力較正が困難となる。
【0164】図14は、ロック機構の無い、本発明の実
施の第6の形態に係る補正光学装置の裏面図であり、図
3に示した補正光学装置からロックリング16を省いた
ものである。
【0165】ここで、地板11上のピン62a,62
b,62cには線バネ61a,61b,61cが巻つけ
られており、一端がフック63a,63b,63cに引
っ掛けられている。その為、線バネ61a,61b,6
1cは各々矢印65a,65b,65cの方向にバネ力
を有しているが、導電性のピン64a,64b,64c
によりプリチャージされて位置決めされている。ピン6
4a,64b,64cは一定電圧にプルアップされてい
るが、線バネ61a,61b,61cは電気的に接地さ
れており、線バネ61a,61b,61cが、図14の
様に、ピン64a,64b,64cと接触している時は
ピンは低電位(アース電位)になっている。
【0166】そして、支持枠17の突起17eが線バネ
61a,61b,61cを撓ませると、線バネ61a,
61b,61cとピン64a,64b,64cのいずれ
かの接触が外れ、そのピンの電位は高電位に変位する。
すなわち、ピン64a,64b,64cの電位が全て低
電位の時には、支持枠17は地板11に対して中央に位
置している事になり、この時のフォトリフレクタ113
pa,113ya(図14では不図示であるが、実施の
第1〜第4の形態と同様)の出力を検出し、その出力が
一定値になる様に感度やオフセットの調整を行えば、フ
ォトリフレクタ113pa,113yaの位置検出精度
を高くすることが出来る。
【0167】この様にロック機構が無い構成において
も、バネによるスイッチを設ける事で位置検出精度を高
める事が出来る。 (変形例)本発明は、上記の実施の各形態の構成に限定
されるものではなく、請求項で示した機能、又は実施の
形態がもつ機能が達成できる構成であればどのようなも
のであってもよいことは言うまでもない。
【0168】また、本発明は、補正手段として、光軸に
垂直な面内で光学部材を動かすシスト光学系や可変頂角
プリズム等の光束変更手段や、光軸に垂直な画面内で撮
影面を動かすものであっても良い。
【0169】また、本発明は、レンズシャッタカメラや
一眼レフカメラに適用した例を述べているが、ビデオカ
メラや電子スチルカメラにも適用可能である。
【0170】更に、本発明は、以上の実施の各形態、又
はそれらの技術を適当に組み合わせた構成にしてもよ
い。
【0171】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
例えば、第1及び第2の位置検出手段として、小型のフ
ォトリフレクタを用い、該フトリフレクタの精度の低さ
を、第2の位置検出手段の出力を基に第1の位置検出手
段の出力を較正(感度、出力の直線性、絶対位置出力を
補正)することで、高めるようにするようにしている
為、装置全体をコンパク化でき、かつ、精度の低い小型
の位置検出手段を用いても、位置検出精度を向上させる
ことができる補正手段用位置制御装置を提供できるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態に係る補正光学装置
の平面図である。
【図2】図1の矢印Aの方向より見た側面及び図1のD
1−D1,D2−D2断面を示す図である。
【図3】図1の裏面図である。
【図4】図1のフォトリフレクタ113paの出力状態
を示す図である。
【図5】図1のフォトリフレクタ113pbの出力状態
を示す図である。
【図6】本発明の実施の第1の形態に係る較正手段の回
路構成を示すブロック図である。
【図7】図6の増幅率可変回路の補正手段の変位に対す
る出力する示す図である。
【図8】本発明の実施の第2の形態に係る較正手段の回
路構成を示すブロック図である。
【図9】図8の増幅率可変回路の補正手段の変位に対す
る出力する示す図である。
【図10】本発明の実施の第3の形態に係る補正光学装
置の平面図である。
【図11】図10の格子状パターンの拡大図である。
【図12】本発明の実施の第4の形態に係る補正光学装
置の平面図である。
【図13】本発明の実施の第5の形態に係る補正光学装
置の平面図である。
【図14】本発明の実施の第6の形態に係る補正光学装
置の平面図である。
【図15】従来の防振システムの概略構成を示す斜視図
である。
【図16】図15の振れ補正装置の構造を示す分解斜視
図である。
【図17】図16の地板に支持枠を組み込んだ時の様子
を示す断面図である。
【図18】図17の支持球やチャージバネが挿入される
孔について説明する為の図である。
【図19】図16の地板を示す斜視図である。
【図20】図16の支持枠を示す斜視図である。
【図21】図16のロックリングを示す斜視図である。
【図22】図16の支持枠等を示す正面図である。
【図23】図16の位置検出素子の出力を増幅するIC
の構成を示す回路図である。
【図24】図16のロックリングが駆動される時の様子
を示す図である。
【図25】図23のロックリング駆動時における信号波
形を示す図である。
【図26】防振システムが搭載されたカメラの防振系の
回路構成を示すブロック図である。
【図27】図26に示す各回路の一部の詳細を示すブロ
ック図である。
【図28】図26に示す各回路の残りの詳細を示すブロ
ック図である。
【図29】図26〜図28の回路構成におけるカメラの
概略動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 地板 17 支持枠 112 ターゲット 113pa,113ya フォトリフレクタ 113pb,113yb フォトリフレクタ 118 コンパレータ 119 パルス計測回路 120 較正出力発生回路 121 方向判別回路 122 除算回路 123 増幅率可変回路 124 差動回路 125 コイル駆動回路 126 目標値発生回路

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振れを補正する振れ補正手段の位置を検
    出する第1の位置検出手段と、該第1の位置検出手段の
    出力を基に前記補正手段を位置制御を行う制御手段と、
    前記補正手段の位置を検出する第2の位置検出手段と、
    該第2の位置検出手段の出力を基に前記第1の位置検出
    手段の出力を較正する較正手段とを有したことを特徴と
    する補正手段用位置制御装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の位置検出手段は、前記補正手
    段の位置変位に対しアナログ出力する位置センサであ
    り、前記第2の位置検出手段は、前記補正手段の位置変
    位に対しパルス状の出力をする位置センサであり、 前記較正手段は、前記第2の位置検出手段にて得られる
    前記補正手段の変位量に基づいて、前記第1の位置検出
    手段の感度、出力の直線性、絶対位置出力の少なくとも
    一つを補正することを特徴とする請求項1記載の補正手
    段用位置制御装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の位置検出手段は、前記補正手
    段の位置変位に対しアナログ出力する位置センサであ
    り、前記第2の位置検出手段は、前記補正手段の所定位
    置を検出するスイッチであり、 前記較正手段は、前記第2の位置検出手段にて得られる
    前記補正手段の所定位置に基づいて、前記第1の位置検
    出手段の感度、出力の直線性、絶対位置出力の少なくと
    も一つを補正することを特徴とする請求項1記載の補正
    手段用位置制御装置。
  4. 【請求項4】 前記較正手段は、前記補正手段が振れ補
    正を開始する前に動作することを特徴とする請求項1,
    2,又は3記載の補正手段用位置制御装置。
  5. 【請求項5】 前記較正手段は、前記補正手段が振れ補
    正を行っている間に動作することを特徴とする請求項
    1,2,又は3記載の補正手段用位置制御装置。
  6. 【請求項6】 振れを補正する補正手段と、該補正手段
    の位置変位に対しアナログ出力する第1の位置検出手段
    と、前記補正手段の位置変位に対しパルス状の出力をす
    る第2の位置検出手段と、前記第1の位置検出手段と前
    記第2の位置検出手段の出力を基に前記補正手段の位置
    制御を行う制御手段とを有したことを特徴とする補正手
    段用位置制御装置。
  7. 【請求項7】 異なる第1と第2の方向に独立に駆動さ
    れる事で振れを補正する補正手段と、該補正手段に設け
    られた格子状パターンと、該格子状パターンに応答する
    パルス信号を出力する位置検出手段とを有し、 前記位置検出手段のパルス出力を計測することで、前記
    補正手段の前記第1と第2の方向の位置を検出すること
    を特徴とする補正手段用位置制御装置。
  8. 【請求項8】 異なる第1と第2の方向に独立に駆動さ
    れる事で振れを補正する補正手段と、該補正手段の前記
    第1の方向の位置を検出する第1の位置検出手段と、前
    記補正手段の前記第2の方向の位置を検出する第2の位
    置検出手段と、前記補正手段が一方の方向に駆動される
    際に、前記第2の位置検出手段の出力によって前記第1
    の位置検出手段の出力を較正する第1の較正手段と、前
    記補正手段が他の方向に駆動される際に、前記第1の位
    置検出手段の出力により前記第2の位置検出手段の出力
    を較正する第2の較正手段とを有したことを特徴とする
    補正手段用位置制御装置。
  9. 【請求項9】 前記第1及び第2の位置検出手段は、フ
    ォトリフレクタであることを特徴とする請求項1,6又
    は8記載の補正手段用位置制御装置。
  10. 【請求項10】 前記位置検出手段は、フォトリフレク
    タであることを特徴とする請求項7記載の補正手段用位
    置制御装置。
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