JPH10195469A - 固形燃料用助燃剤及びその製造方法 - Google Patents

固形燃料用助燃剤及びその製造方法

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JPH10195469A
JPH10195469A JP268297A JP268297A JPH10195469A JP H10195469 A JPH10195469 A JP H10195469A JP 268297 A JP268297 A JP 268297A JP 268297 A JP268297 A JP 268297A JP H10195469 A JPH10195469 A JP H10195469A
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JP
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citric acid
aqueous solution
iron
sodium carbonate
solid fuel
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JP268297A
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Takehiko Morimoto
武彦 森本
Masami Aikawa
正視 相川
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TOA NEKKEN KK
TOA NETSUKEN KK
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TOA NEKKEN KK
TOA NETSUKEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水酸化鉄等の沈殿物を抑制し、かつ注入ライ
ン周辺設備への腐食性を抑制した鉄錯塩の水溶液からな
る、固形燃料用助燃剤及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 硫酸第一鉄及び/又は硫酸第二鉄と、ク
エン酸と炭酸ソーダとの反応生成物であるクエン酸鉄酸
ソーダ鉄錯塩の水溶液であって、Fe23で換算して2
〜10重量%を含有し、そのpHはクエン酸と炭酸ソー
ダで微調整した3.5〜4.9を有する固形燃料用助燃
剤、及びその鉄錯塩の水溶液の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固形燃料用助燃剤
及びその製造方法に関し、さらにくわしくはクエン酸鉄
酸ソーダ鉄錯塩の水溶液からなる固形燃料用助燃剤及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、固形燃料用助燃剤の水溶液は、酸
性域では鋼板への腐食性が大きいとの懸念から、NaO
Hまたはアミンを使用し、pHを5.0以上の中性域に
調整を行ってきた。しかし、気温の高い夏などには、水
酸化鉄等の沈殿物が発生し、注入ラインのストレーナつ
まり等が発生し、固形燃料用助燃剤の注入不良を引き起
こすことがあり、安定した効果を長期間維持することが
困難であった。また、pHを5.0以上の中性域に調整
し、注入ライン周辺設備への腐食性の抑制を行って来た
が前記pHでは注入ライン周辺設備への腐食性を抑える
ことは出来ず、これらの問題を解決すべく改善を続けて
きた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】鉄錯塩水溶液を作成す
る場合に、クエン酸を使用すると鉄の溶解性が向上し、
鉄の含有量を高濃度化できる点で優れている。しかし、
pH5.0以上に調整し、鋼材(SS材料)への腐食の防
止を行った現在でも、次のような問題が残されている。 1.固形燃料用助燃剤のpHを5.0以上の中性域に調
整することにより、SS材料への腐食の対策を行ってい
るが、現在のpH域では腐食性は抑えられず、固形燃料
用助燃剤注入点の周辺設備に腐食がみられる。 2.気温の高い夏など、水酸化鉄等の沈殿物が発生し、
注入ラインのストレーナつまり等を発生し、固形燃料用
助燃剤の注入不良を引き起こし、安定した効果を発揮出
来ないことがある。 3.pH6以上に調整したときは、温度が低い時でも水
酸化鉄の沈殿が発生し、固形燃料用助燃剤製造装置のポ
ンプのストレーナや配管を詰まらせることがある。 また、有効成分である鉄が析出してしまうため、安定し
た鉄含有量の維持が困難になる。
【0004】
【課題を解決するための手段】硫酸第一鉄及び/又は硫
酸第二鉄とクエン酸と炭酸ソーダ(以下ソーダ灰とい
う)との反応生成物であるクエン酸鉄酸ソーダ鉄錯塩の
水溶液であって、Fe23で換算して2〜10重量%を
含有し、そのpHはクエン酸とソーダ灰で微調整した
3.5〜4.9を有する固形燃料用助燃剤を使用するこ
とにより、沈殿物の抑制、および助燃剤注入点等のボイ
ラ周辺設備への腐食の緩和を行うことが可能となる。こ
れらの効果によりボイラ周辺設備の腐食の抑制を行い、
従来より設備の寿命の延長が期待出来る。また、本発明
の鉄錯塩固形燃料助燃剤により、水酸化鉄の析出や沈殿
等による助撚剤の注入ラインの閉塞、ストレーナの詰ま
りなどの注入不良を起こすことがほとんど無くなるため
安定的な効果の維持が可能となる。
【0005】本発明の鉄錯塩固形燃料助燃剤は、クエン
酸とソーダ灰と水溶液に硫酸第一鉄及び/又は硫酸第二
鉄を添加して、それらの反応生成物であるクエン酸鉄酸
ソーダ鉄錯塩をFe23で換算して2〜10重量%含有
する水溶液を形成し、ここで炭酸ソーダ/クエン酸のモ
ル比は1.39以上2.0未満で、クエン酸をFe23
の1モルに対し0.116〜0.165モル使用する、
次いで得られた水溶液のpHをクエン酸又はソーダ灰で
3.5〜4.9に微調整することにより製造される。
【0006】本発明は、毒性のほとんど無いクエン酸と
ソーダ灰を使用し、錯体を作成するため、作業環境の改
善 にも寄与するものである。本発明は鉄錯塩水溶液の
pHを3.5〜4.9に調整を行うことにより鉄錯塩の
安定化を実現し、鋼管材料に対する腐食性も現在と同
等、またはより良い結果が得られることを見出し、本発
明を達成するにいたった。また、本発明では錯体の形
成、およびpHの調整に無害であるソーダ灰を使用する
ことを特徴にしている。このことにより、NH4OH、
NaOH等の毒劇物指定のアルカリ性薬品を使用する場
合に必要な、特別な資格や設備を必要としないため、製
造設備の簡略化をすることが可能となる。原料はソーダ
灰、クエン酸、硫酸鉄等のほとんど毒のない原料を使用
するため原料の取り扱い等が楽になり、作業環境の向上
をあわせて実現している。
【0007】鉄錯塩水溶液はpH6.0以上となると、
錯体となっている鉄分の一部が水酸基と反応し、水酸化
鉄として析出してしてくることがある。各原料を混合し
て錯塩を作成した場合、pH6.5以上では硫酸鉄は水
酸化鉄と化してしまい安定した水溶液を作成することは
極めて困難である。そこで、本発明は鉄錯塩水溶液が安
定して錯塩を構成できるpH域の試験を行った。pHの
調整は、クエン酸添加量とソーダ灰添加量の差によって
行った。その1は、クエン酸添加量を固定し、ソーダ灰
添加量を変えてpH調整を行う方法と、その2は、ソー
ダ灰量を固定し、クエン酸添加量を変えpH調整を行う
2種の試験を行なった。それらの結果を、表1と表2に
示す。
【0008】
【表1】
【0009】
【表2】 前記の表1と2の沈殿物量は、添加した鉄量(Fe23
の1モル)に対する沈殿物量を酸化物換算した値であ
る。
【0010】これらの数値より、基本となる数値は、F
23の1モルに対してクエン酸量0.116〜0.1
65モルで、ソーダ灰/クエン酸のモル比2.0以上に
なると沈殿物の発生が始まることが分かる。また、同モ
ル比が1.39以下になるとpHが3.5より低くな
り、配管材料への腐食性が懸念される。よって、本発明
ではソーダ灰/クエン酸のモル比を1.39以上2.0
未満とすることが、妥当と考えられる。数値には現れて
いないが、pH5.0以上では鉄錯塩水溶液の表面に結
晶のような膜が出来ることがあった。これらの結果より
本発明では錯塩水溶液のpHの上限を、より安定してい
るpH4.9とすることとした。また、鉄錯塩水溶液の
pHを3.5より低くすると鋼管材料への腐食性が懸念
されことからpHの下限を3.5とした。さらに、この
下限に関連して、中性域から酸性域にかけての、各pH
域での鋼管材料に対しての腐食性の確認を室温放置と4
0Cの場合で行なった。それらの結果を、表3と表4
に示す。
【0011】
【表3】
【0012】
【表4】 試験は表面積22.8cm2のSS材質のテストビース
を使用して行なった。室温は15℃〜20℃である。ま
た、pH6.0以上では沈殿物が発生してpHが安定し
ないため試験は中止とした。
【0013】減量率はlcm2に対する1時間あたりの
減量値として計算しているため、上記結果以外の試験に
ついても、ほぼ同様の結果が得られている。これらのデ
ータを基にpHと鋼板の腐食性に関するグラフを添付図
面の図1(下記にも示す)に示す。 図1より鋼板への腐食性は、pH4.0を境に上下双方
で腐食が促進している。そこで、pHの下限値を減量曲
線の大きく立上がる状況から判断してpH域として3.
5〜pH4.9の妥当性が確認される。
【0014】本発明は、またこれらのpH域を調整範囲
とする鉄錯塩固形燃料剤の製造方法である。本発明の製
法工程において、水にソーダ灰およびクエン酸を溶解さ
せ、次に水溶性の鉄塩を加えて、鉄錯塩水溶液を作成す
る。この際、クエン酸とソーダ灰はどちらを先に水に溶
解させても問題はないが、ソーダ灰を水溶液にした後に
クエン酸を加えた方が鉄錯塩が安定しやすい。次い
で、。作成した鉄錯塩水溶液のpHを確認し、ソーダ灰
または、クエン酸によりpHの微調整を行い、3.5〜
4.9とする。
【0015】[実施例] FeS0 4 を使用して,F
23として10重量%の鉄錯塩水溶液を作成する場合、
ソーダ灰/クエン酸のモル比で1.6になる様に調整する
とpH4.5前後となる。この製造方法の具体例を下記
に示す。撹拌タンクに水1500Lを入れ、撹拌を開始
する。ソーダ灰29Kg(Fe23に対して0.19モ
ル)を加え、それが溶解したことを確認した後、クエン
酸35Kg(Fe23に対して0.12モル)を加え、
泡が消えてから30分以上そのまま撹拌を継続し、得ら
れた溶液を安定させる。この溶液にFeS0 4・7H2
0を800Kgを加え、溶解させる。形成された錯体を
安定させる為に30分以上撹拌を行い、色調が黒っぽく
なり状態が安定してきたら撹拌を停止し、pHを確認す
る。この時点でpHは4.5前後となるが、水や原料の
加減でpHが既定値の4.5とならなかった場合には、
ソーダ灰または、クエン酸によりpHの微調整を行う。
製品の安定の向上と不純物の除去の為に、1〜2日静置
した後、製品タンクに移送し、固形燃料用助燃剤として
出荷する。
【0016】
【発明の効果】本発明では下記(1)〜(3)のような
優れた効果を有する。 (1)pH弱酸性にすることにより鉄錯塩水溶液の安定
性が極めて上昇し、沈殿物の発生をほぼ0にすることが
出来る。 (2)錯塩の形成とpHの調整に、ほとんど無害なソー
ダ灰を使用することにより製造設備の簡略化が可能とな
り、コストの削減が可能となる。また、作業の安全性も
増し、作業環境に対しても良い結果が得られる。 (3)鋼管材料に対する腐食性を向上させることが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】鉄錯塩水溶液のpHと鋼板の腐食性の関連性を
示すグラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年1月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】減量率はlcm2に対する1時間あたりの
減量値として計算しているため、上記結果以外の試験に
ついても、ほぼ同様の結果が得られている。これらのデ
ータを基にpHと鋼板の腐食性に関するグラフを添付図
面の図1に示す。該図1において、鋼板への腐食性は、
pH4.0を境に上下双方で腐食が促進している。そこ
で、pHの下限値を減量曲線の大きく立上がる状況から
判断してpH域として3.5〜pH4.9の妥当性が確
認される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫酸第一鉄及び/又は硫酸第二鉄とクエ
    ン酸と炭酸ソーダとの反応生成物であるクエン酸鉄酸ソ
    ーダ鉄錯塩の水溶液であって、Fe23で換算して2〜
    10重量%を含有し、そのpHはクエン酸と炭酸ソーダ
    で微調整した3.5〜4.9を有する固形燃料用助燃
    剤。
  2. 【請求項2】 クエン酸と炭酸ソーダとの水溶液に硫酸
    第一鉄及び/又は硫酸第二鉄を添加して、それらの反応
    生成物であるクエン酸鉄酸ソーダ鉄錯塩をFe23で換
    算して2〜10重量%含有する水溶液を形成し、ここで
    炭酸ソーダ/クエン酸のモル比は1.39以上2.0未
    満で、クエン酸をFe23の1モルに対し0.116〜
    0.165モル使用する、次いで得られた水溶液のpH
    をクエン酸又は炭酸ソーダで3.5〜4.9に微調整す
    ることを特徴とする固形燃料用助燃剤の製造方法。
JP268297A 1997-01-10 1997-01-10 固形燃料用助燃剤及びその製造方法 Pending JPH10195469A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102061212A (zh) * 2009-11-16 2011-05-18 中冶建筑研究总院有限公司 燃煤高效催化助燃剂及其制备方法和使用方法
CN105238492A (zh) * 2015-10-15 2016-01-13 阳开金 一种节煤助燃制剂及其制备方法
KR20200123577A (ko) * 2019-04-22 2020-10-30 정필진 친환경 가연성 물질 연소력 향상제 제조방법

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