JPH10140132A - 重金属固定剤 - Google Patents
重金属固定剤Info
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- JPH10140132A JPH10140132A JP8308789A JP30878996A JPH10140132A JP H10140132 A JPH10140132 A JP H10140132A JP 8308789 A JP8308789 A JP 8308789A JP 30878996 A JP30878996 A JP 30878996A JP H10140132 A JPH10140132 A JP H10140132A
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Abstract
重金属固定剤を提供すること。 【解決手段】 1,3−プロパンジアミノ基をユニット
としてもつポリアミン化合物と二硫化炭素と反応させる
ことによって得られるポリジチオカルバミン酸およびそ
の塩を用いる重金属固定剤。
Description
ミ、産業廃棄物を焼却処分したときに排出される灰分の
中に含まれる有害な重金属を無害化処理するときに使用
される有機キレート剤に関するものである。
処分したときに排出される灰分の中に含まれる有害な重
金属を無害化処理、即ち固定化するときに使用される有
機キレート剤としてはジチオカルボキシル基を官能基と
して含むジチオカルバミン酸が主として使用されてい
る。ジチオカルバミン酸は水溶液中ではそれ自身が弱酸
性の化合物であり、強アルカリの存在下にジチオカルバ
ミン酸イオンを生成して重金属イオンと不溶性の塩を形
成する。しかしながらジチオカルバミン酸はpHに依存
し、強酸性側では安定に存在することが出来ない。また
ジチオカルバミン酸は単離することは難しく、アルカリ
やアルカリ土類等の金属塩やアルキルアンモニウム塩の
ような形にするか、またはエステルの形で取り出すこと
ができる。このようにジチオカルバミン酸は種々の特異
的な性質をもつが、コストと製造のし易さ、そして固定
化能の面から考えて有害重金属の固定化には最適の化合
物である。現在、焼却場から発生する飛灰中に含まれて
いる有害重金属を固定化するのに特にジエチルアミンや
ジブチルアミン等の低分子アミンを用いたジチオカルバ
ミン酸やジエチレントリアミンやテトラエチレンペンタ
ミン等の多価アミンを用いたジチオカルバミン酸、そし
てポリエチレンイミンを用いたポリジチオカルバミン酸
などの塩の水溶液が主に用いられている。
値以下にするためにはより重金属固定能の優れたキレー
ト剤が待たれている。特に、飛灰中の有害重金属を固定
化するには飛灰に適量の水(混練水)が必要であり、通
常、この混練水にジチオカルバミン酸塩を溶解、希釈し
て飛灰に添加、混練して餅状にすることによって有害重
金属を固定化する方法が行われている。このためジチオ
カルバミン酸塩は水溶性であることが必要であるが、水
への溶解性が悪い場合、溶解するのに多量の水を必要と
し、場合によってはこの水の量が混練し、餅状にするの
に必要な水の量を上回る場合がある。この場合、混練水
が多過ぎることになり、飛灰を餅状に固化することが出
来ない。このため水への溶解度が出来るだけ大きいジチ
オカルバミン酸塩が望まれている。
ンジアミノ基をユニットとしてもつポリアミン化合物と
二硫化炭素と反応させることによって得られるポリジチ
オカルバミン酸およびその塩であり、特に一般式(I)
アルキル、nは0〜1000)で表されるポリアミンと
二硫化炭素と反応させることによって得られるポリジチ
オカルバミン酸およびその塩である。また、このポリジ
チオカルバミン酸塩を用いた重金属固定剤である。
してもつポリアミン化合物とは、
プロピレン鎖を介して隣接するアミノ基は1級のアミノ
基でも2級のアミノ基でもよい。
−メチル−1,3−プロパンジアミン、N,N′−ジメ
チル−1,3−プロパンジアミン、1、3−ペンタンジ
アミン、N−(2−アミノエチル)−1,3−プロパン
ジアミン、N,N′−ビス(3−アミノプロピル)エチ
レンジアミン、イミノビスプロピルアミン、N,N′−
ビス(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミ
ン、ポリプロピレンイミン等が挙げられる。
ユニットとして含有する化合物には高分子化合物であっ
てもよく、ユニットが主鎖や側鎖にあってもよい。ポリ
アミンの分子量としては74から100000である。
カルバミン酸塩と同様な製法でよく、反応するポリアミ
ノ化合物と金属水酸化物を水に溶解させ、40℃以下で
二硫化炭素を滴下する。反応の終点は、水溶液中で分散
している二硫化炭素の粒が消失した時点を目安としてN
MRで確認すればよい。反応終了後は、過剰に仕込んだ
二硫化炭素および溶存する酸素を追い出すため窒素ガス
によるバブリングを行い、遮光性のある褐色の容器に密
閉保存することが望ましい。分子内に1級アミノ基が少
なくとも1つ含まれるポリアミンを用いる場合には副生
成物の生成を抑制するために、pHを10〜14の間に
コントロールして反応させることが望ましい。
金属塩やアルキルアンモニウム塩であり、特にナトリウ
ム、カリウム、リチウムが好ましい。
る。但し、本発明は実施例によって何ら制限を受けるも
のではない。
98%のイミノビスプロピルアミン(IBPA)を2
6.7g(0.20mol)とH2 O 20.8gを入
れた。この時のpHは13.1であった。pHメータ
ー、温度計、純度98%のCS2 を55.8g(C
S2 :0.72mol)および封入水10gを入れた1
00mlの等圧滴下ロートと25wt%のNaOH水溶
液を96g(NaOH:0.60mol)を入れた10
0mlの等圧滴下ロートを取り付けて、スターラー撹拌
をしながら30℃の温浴中で反応を行った。IBPAと
H2 Oは水和反応により発熱するので温浴中で液温が2
5℃以下になってからCS2 の滴下を開始した。約20
分後にpHが10になったのでNaOH水溶液の添加を
開始してpHが10〜14の範囲に調整されるようにし
た。反応を開始してから約5時間後にCS2 の分散によ
る濁りがほぼ消失した。この時点で残りのNaOH水溶
液を全量滴下し、10分間撹拌した後に反応を終了し
た。N2 バブリングをして過剰のCS2 、溶存酸素を追
い出して黄橙色の溶液を得た。この溶液のpHは13.
8であった。
m、3.56ppmおよび4.11ppmにメチレン基
のプロトンが確認された。それ以外のシグナルは確認さ
れなかった。13C−NMRで確認すると28.2pp
m、47.8ppmおよび53.9ppmにメチレン
基、211.2ppm、212.5ppmにジチオカル
ボキシル基のカーボンが確認された。それ以外のシグナ
ルは確認されなかった。これより反応は完全に生成系に
移行しており、なおかつ副反応が起こっていないことを
確認した。上記の反応によって得られたトリス(ジチオ
カルボキシ)イミノビスプロピルアミンのNa塩水溶液
の濃度はt−ブチルアルコールを内部指示薬としてその
プロトン比から42.0wt%と算出された。
98.5%のジエチレントリアミン(DETA)を2
0.9g(0.20mol)とH2 O 26.6gを入
れた。この時のpHは13.3であった。pHメータ
ー、温度計、純度98%のCS2 を55.8g(C
S2 :0.72mol)および封入水10gを入れた1
00mlの等圧滴下ロートと25wt%のNaOH水溶
液を96g(NaOH:0.60mol)を入れた10
0mlの等圧滴下ロートを取り付けて、スターラー撹拌
をしながら30℃の温浴中で反応を行った。DTEAと
H2 Oは水和反応により発熱するので温浴中で液温が2
5℃以下になってからCS2 の滴下を開始した。約20
分後にpHが10になったのでNaOH水溶液の添加を
開始してpHが10〜14の範囲に調整されるようにし
た。反応を開始してから約5時間後にCS2 の分散によ
る濁りがほぼ消失した。この時点で残りのNaOH水溶
液を全量滴下し、10分間撹拌した後に反応を終了し
た。N2 バブリングをして過剰のCS2 、溶存酸素を追
い出して黄橙色の溶液を得た。この溶液のpHは13.
6であった。
4.3ppmにメチレン基のプロトンが確認された。そ
れ以外のシグナルは確認されなかった。13C−NMRで
確認すると48ppmおよび55ppmにメチレン基、
212ppm、213ppmにジチオカルボキシル基の
カーボンが確認された。それ以外のシグナルは確認され
なかった。これより反応は完全に生成系に移行してお
り、なおかつ副反応が起こっていないことを確認した。
上記の反応によって得られたトリス(ジチオカルボキ
シ)ジエチレントリアミンのNa塩水溶液の濃度はt−
ブチルアルコールを内部指示薬としてそのプロトン比か
ら40.5wt%と算出された。
調べるために先ずブランクテストを実施した。ホバート
ミキサーに焼却場の飛灰100g、H2 Oを47gを入
れた。これを混練して餅状にしたものを7日間養生させ
て溶出テストの試料とした。溶出テストは環境庁告示1
3号に準じて実施した。有害な重金属の一つであるPb
の溶出量は9.4mg/1であった。
7gそして実施例1で調製したキレート溶液を飛灰に対
して1〜5%になるように添加した。これを混練して餅
状にしたものを7日間養生させて溶出テストの試料とし
た。溶出テストは環境庁告示13号に準じて実施した。
有害な重金属の一つであるPbについての不溶化固定能
を調べた結果、Pbの規制値である0.3mg/l以下
に抑制するためのキレート溶液の必要量は1.7%であ
り、これはジチオカルバミン酸のモル数で1.7×10
-3モル、ジチオカルボキシル基のモル数で5.1×10
-3モルであった。
7gそして比較例1で調製したキレート溶液を飛灰に対
して1〜5%になるように添加した。これを混練して餅
状にしたものを7日間養生させて溶出テストの試料とし
た。溶出テストは環境庁告示13号に準じて実施した。
有害な重金属の一つであるPbについての不溶化固定能
を調べた結果、Pbの規制値である0.3mg/l以下
に抑制するためのキレート溶液の必要量は2.7%であ
り、これはジチオカルバミン酸のモル数で2.7×10
-3モル、ジチオカルボキシル基のモル数で8.1×10
-3モルであった。
用いることにより、水への溶解性が高く、重金属固定能
が高い重金属固定剤を得ることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 1,3−プロパンジアミノ基をユニット
としてもつポリアミン化合物と二硫化炭素と反応させる
ことによって得られるポリジチオカルバミン酸およびそ
の塩。 - 【請求項2】 一般式(I) 【化1】 (R1 、R2 は水素原子またはC1 〜C6 アルキル、n
は0〜1000)で表されるポリアミン化合物と二硫化
炭素と反応させることによって得られる請求項1記載の
ポリジチオカルバミン酸およびその塩。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のポリジチオカル
バミン酸塩を用いることを特徴とする重金属固定剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30878996A JP3817720B2 (ja) | 1996-11-05 | 1996-11-05 | 重金属固定剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP30878996A JP3817720B2 (ja) | 1996-11-05 | 1996-11-05 | 重金属固定剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10140132A true JPH10140132A (ja) | 1998-05-26 |
JP3817720B2 JP3817720B2 (ja) | 2006-09-06 |
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JP30878996A Expired - Fee Related JP3817720B2 (ja) | 1996-11-05 | 1996-11-05 | 重金属固定剤 |
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JP (1) | JP3817720B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20000036920A (ko) * | 2000-03-31 | 2000-07-05 | 김우협 | 소각장 비산재 중에 함유된 유해 중금속을 포집하는중금속 안정화제 개발 |
JP2003117521A (ja) * | 2001-10-17 | 2003-04-22 | Ebara Corp | 焼却飛灰の処理方法 |
JP2005089565A (ja) * | 2003-09-16 | 2005-04-07 | Miyoshi Oil & Fat Co Ltd | 重金属固定化処理剤及び固体状物質中の重金属固定化方法 |
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-
1996
- 1996-11-05 JP JP30878996A patent/JP3817720B2/ja not_active Expired - Fee Related
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