JP2006328442A - セリウムイオン含有溶液及び腐食抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】 3価のセリウムイオンと、酸性域でキレート作用を有する物質とを含有することを特徴とする3価のセリウムイオン含有溶液。
【効果】 本発明のセリウムイオン含有溶液及びこれからなる腐食抑制剤は、3価のセリウムイオンがpH1〜7の領域において安定に存在し、セリウム化合物の析出を防止し得るものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、工業原料あるいは処理剤として3価のセリウムを含む溶液をpHが中性もしくは弱酸性の領域で取り扱う際に、3価のセリウムが安定に存在し、セリウム化合物の析出を防止できる溶液に関する。
セリウムの属する希土類元素は、鉱石からの分離精製工程において無機酸塩の水溶液として扱われることが多い。また、分離された希土類元素の各種化合物、例えば酸化物、炭酸塩、塩化物等を製造する工程においても、無機酸塩の水溶液として扱われることが多い。更に、希土類元素を添加する手段として無機酸塩溶液の形で添加する場合も多い。無機酸塩としては、塩化物、硝酸塩や硫酸塩が一般的であり、無機酸を嫌う場合は、酢酸塩などの有機酸塩も用いられている。
セリウムは希土類元素の中でも特異な性質を示し、水溶液中では3価と4価の原子価をとる。上記の塩では、通常、塩化セリウムは水溶液中で3価であるが、一方、硫酸セリウムと硝酸セリウムは3価と4価の両方が存在する。3価の硫酸塩水溶液や硝酸塩水溶液で、3価の状態を安定的に保ったまま溶液を取り扱う場合、pHを4以下、好ましくは2以下に保つことが行われている。簡便な方法としては、適量過剰の硝酸や硫酸を存在させる。pH4より塩基性側に行くと、水酸化セリウムなどの固形物が析出しやすくなる。従って、工業的規模でセリウム塩水溶液をpH4以上で扱うには注意が必要である。
3価のセリウム無機酸塩を中間体として扱う場合、過剰の酸が存在することにより不都合が発生する場合がある。セリウム塩水溶液に沈澱剤として蓚酸を添加して蓚酸塩としてセリウムを回収する場合、過剰の酸は歩留まりを低下させる。歩留まりの低下を防ぐには、過剰の酸をアンモニア等で中和する操作が新たに必要になる。また、3価のセリウム塩水溶液をセラミックス、例えばアルミナ粉に添加・混合後、焼結してセラミックスを得る場合、過剰の酸は設備の金属部にとって好ましくない。有機酸塩を用いる場合は、過剰の酢酸等による悪臭の発生の問題が伴う場合がある。
希土類元素を微量添加する際には、希土類元素塩の希薄溶液の所定量を添加する方法がよく用いられる。しかし、セリウム濃度が薄い領域で使用する場合、水酸化セリウムなどが生成しないpHや濃度にあるセリウム塩溶液を水で希釈して行くと、pHが塩基性側に近づき、水酸化セリウムなどが析出することがある。また、相当量のセリウム無機酸塩(固形)を水に溶解して希薄溶液を得る場合も水酸化セリウムなどが析出しやすい。特に水溶液を加熱する場合は、析出を促進させる。
セリウムは腐食抑制剤の一種であるカソードインヒビターとしての作用が期待されている。この場合、セリウム塩、例えば塩化物(CeCl3)、硝酸塩(Ce(NO33)、酢酸塩(Ce(CH3COO)3)などの希薄溶液(0.01〜1%)が検討されているが、長期保管の場合、日数が経つにつれて析出の可能性が高くなる。
なお、従来技術としては、以下のものが挙げられる。
特開2004−307343号公報
本発明は、かかる諸問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、pH1以上、更に2以上、特にpH4〜7においても3価のセリウムイオンが安定に存在するセリウムイオン含有溶液及び腐食抑制剤を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、酸性域でキレート作用を有する物質を3価のセリウムイオンと共存させることにより、3価のセリウムイオンをpH1〜7の領域において十分安定化し得ることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記セリウムイオン含有溶液及び腐食抑制剤を提供する。
請求項1:
3価のセリウムイオンと、酸性域でキレート作用を有する物質とを含有することを特徴とする3価のセリウムイオン含有溶液。
請求項2:
酸性域でキレート作用を有する物質が、ポリアミノカルボン酸類、オキシカルボン酸類及びりん酸類から選ばれるものである請求項1記載のセリウムイオン含有溶液。
請求項3:
酸性域でキレート作用を有する物質が、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、CyDTA(t−シクロヘキサン−1,2−ジアミン四酢酸)、EGTA(エチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル−N,N,N’,N’−四酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、TTHA(トリエチレンテトラミン−N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’−六酢酸)、NTA(ニトリロ三酢酸)、KCN、TEA(トリエタノールアミン)、HEDTA(ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸)、MGDA(メチルグリシン二酢酸)、GLDA(ジカルボキシメチルグルタミン酸四酢酸ナトリウム)、EDDS(エチレンジアミンコハク酸三ナトリウム)、DHEDDA(ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸)、PDTA(1,3−プロパンジアミン四酢酸)、HIMDA(ヒドロキシエチルイミノ二酢酸)、ASDA(L−アスパラギン酸−N,N−二酢酸)、NTMP(アミノトリメチレンホスホン酸)、HEDP(ヒドロキシエタンホスホン酸)、アセチルアセトン、及びこれらの塩から選ばれるものである請求項1記載のセリウムイオン含有溶液。
請求項4:
更に、酸性域で還元作用を有する物質を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載のセリウムイオン含有溶液。
請求項5:
還元作用を有する物質が、L−アスコルビン酸、りんご酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、グルクロン酸、没食子酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、グリオキシル酸、塩化ヒドロキシルアンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、及び上記酸の塩から選ばれるものである請求項4記載のセリウムイオン含有溶液。
請求項6:
溶液のpHが1〜7であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のセリウムイオン含有溶液。
請求項7:
溶液中のセリウム濃度が0.0001〜2モル/Lであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のセリウムイオン含有溶液。
請求項8:
溶液がセリウムの無機酸塩の溶液であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のセリウムイオン含有溶液。
請求項9:
溶液がセリウムの無機酸塩の水溶液であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のセリウムイオン含有溶液。
請求項10:
3価のセリウムイオンとキレート作用を有する物質を含有し、pHが1〜7であり、かつセリウムの濃度が0.0001〜2モル/Lであることを特徴とする腐食抑制剤。
請求項11:
更に、酸性域で還元作用を有する物質を含有する請求項10記載の腐食抑制剤。
請求項12:
溶液がセリウムの無機酸塩の溶液であることを特徴とする請求項10又は11記載の腐食抑制剤。
請求項13:
溶液がセリウムの無機酸塩の水溶液であることを特徴とする請求項10又は11記載の腐食抑制剤。
本発明のセリウムイオン含有溶液及びこれからなる腐食抑制剤は、3価のセリウムイオンがpH1〜7の領域において安定に存在し、セリウム化合物の析出を防止し得るものである。
本発明のセリウムイオン含有溶液は、3価のセリウムイオンと酸性域でキレート作用を有する物質とを含有する。
ここで、3価のセリウムイオン含有溶液は、工業的には水溶液のほか、エタノールその他のアルコール等の有機溶媒液でも用いられており、本発明は溶媒の種類に限定されるものではない。
酸性域でキレート作用を有する物質は多数知られている。キレート作用を有する物質としては、ポリアミノカルボン酸類、オキシカルボン酸類、りん酸類等が挙げられ、具体的にはEDTA(エチレンジアミン四酢酸)やCyDTA(t−シクロヘキサン−1,2−ジアミン四酢酸)、EGTA(エチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル−N,N,N’,N’−四酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、TTHA(トリエチレンテトラミン−N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’−六酢酸)、NTA(ニトリロ三酢酸)、KCN、TEA(トリエタノールアミン)、HEDTA(ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸)、MGDA(メチルグリシン二酢酸)、GLDA(ジカルボキシメチルグルタミン酸四酢酸ナトリウム)、EDDS(エチレンジアミンコハク酸三ナトリウム)、DHEDDA(ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸)、PDTA(1,3−プロパンジアミン四酢酸)、HIMDA(ヒドロキシエチルイミノ二酢酸)、ASDA(L−アスパラギン酸−N,N−二酢酸)、NTMP(アミノトリメチレンホスホン酸)、HEDP(ヒドロキシエタンホスホン酸)、アセチルアセトン又はそのアルカリ金属やアルカリ土類金属などの塩などが挙げられる。もちろん、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、酸性域で還元作用を有する物質もセリウムの酸化による析出防止に効果があるので、上記キレート作用を有する物質と併用することも有効である。還元作用を有する物質としては、L−アスコルビン酸、りんご酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、グルクロン酸、没食子酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、グリオキシル酸、塩化ヒドロキシルアンモニウム、チオ硫酸ナトリウムなどの酸及びその塩が挙げられる。もちろん、本発明はこれらに限定されるものではない。
3価のセリウム塩水溶液は、工業的には炭酸セリウムを塩酸や硝酸等の無機酸で溶解することにより得るのがよい。濾過後、溶液として用いるか、又は蒸発乾固して、塩化物や硝酸塩の固体として供することもできる。即ち、これらの無機塩の水溶液は、上記の分解濾液を用いるか固形物を再度溶解してもよい。固形物をアルコール等の有機溶媒に溶解すれば、無機塩の有機溶媒溶液を容易に得ることができるが、本発明は、これらの経路に限定されるものではない。
3価のセリウム塩類の溶液では、過剰の酸が多い条件、即ちpHが低い酸性側では、セリウムイオンの近傍を例えば塩素イオンや硝酸イオン等が取り囲んでセリウムイオンをガードしていると考えられ、また過剰のH3+イオンが何がしかの酸化抑制作用を発揮して、pHの低い領域ではセリウムは3価で安定である。しかし、pHが弱酸性領域、例えばpH1以上になると長期保管、希釈、加熱等の扱い時に析出の可能性が高くなる。本発明は、弱酸性から中性のpH1〜7、更に好ましくはpH2〜7のpH領域において特に有用である。
キレート作用を有する物質の存在量は、当然、濃度が高いほど3価のセリウムイオンの安定化には有効であるが、多く使うことは経済的にも環境汚染からも問題があり、また、腐食抑制剤の一種であるカソードインヒビターの場合は作用の妨害要因になり得る。従って、キレート作用物質は必要最小限の共存量が好ましい。本発明では、pH1〜7の領域でセリウムへのキレート作用物質の添加量の下限を鋭意検討した結果、セリウムに対してモル比で0.001倍以上、好ましくは0.05倍以上で有効性が認められることを確認した。上限としては、セリウム濃度に拘わらず上述した経済面、環境面、妨害作用の程度等を勘案して決められるものであり、許容の範囲内なら高く設定してもよいが、通常3倍以下、特に2倍以下である。
キレート作用物質を添加する時期は、セリウム原料、例えば炭酸セリウムの分解時、あるいは分解終了後に行えばよく、また希釈前後や加温前に添加してもよい。セリウム塩を溶解して溶液を調製する場合も、キレート作用物質は、セリウムの析出の可能性が高まる前に添加すればよく、本発明は添加時期によって限定されるものではない。
また、還元作用を有する物質を併用する場合、その配合量は、セリウムに対するモル比で0.001倍以上、特に0.05倍以上であり、かつ1倍以下、特に0.5倍以下であることが好ましい。
また、還元作用物質を添加する時期も、セリウム原料、例えば炭酸セリウムの分解時、あるいは分解終了後に行えばよく、また分解液を純水等で数倍〜数十倍に希釈する前後や30〜90℃に加温する前に添加してもよい。セリウム塩を溶解して溶液を調製する場合も、還元作用物質は、セリウムの析出の可能性が高まる前に添加すればよく、本発明は添加時期によって限定されるものではない。
セリウムイオンの濃度は、無機酸塩の溶解度が高いことから、2モル/L以上も可能であるが、セリウムイオン含有溶液中の3価のセリウムイオン濃度は0.0001〜2モル/L、特に0.001〜1モル/Lとすることが好ましい。
本発明のセリウムイオン含有溶液は、上記キレート作用物質を適量添加することにより、希釈や加温などの処理を実施しても長期間析出しないものであり、腐食抑制剤として使用の際に希釈処理や加温処理を受けても使用可能で、セリウムを微量添加する場合や腐食抑制剤の一種であるカソードインヒビターとして用いる場合にも有用である。
本発明による3価のセリウム含有溶液をより確実に長期保管するには、暗所での保管が望ましい。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
(1) 炭酸セリウム(CeO2純分で50質量%)を出発原料として用い、606gを計量した。
(2) EDTA2Na塩(以下EDTA)を0.66g(Ce1モルに対して0.001モル分)を純水0.3リットルに加え、撹拌溶解した。
(3) この液と(1)の炭酸セリウムを混ぜ合わせ、撹拌しながら67%硝酸0.33リットルを少しずつ加えて分解した。
(4) 約2時間後に未溶解分が残る懸濁液の状態となったので、濾紙による吸引濾過を実施した。0.9リットル、pH3.6、Ce濃度が1.9モル/リットルの透明な濾液が回収された。
(5) この液を0.1リットル分取し、純水で1リットルに希釈した液を作製し、80℃,1時間加温した。
(6) 更に(5)の液を0.1リットル分取し、純水で1リットルに希釈した液を作製し、80℃,1時間加温した。
(7) 更に(6)の液を0.1リットル分取し、純水で1リットルに希釈した液を作製し、80℃,1時間加温した。
(8) (4)〜(7)の液について常温下で保管して析出の有無を確認した。
(9) その結果、2週間経過後もどの液についても析出は確認されなかった。
[実施例2]
実施例1の(2)において、EDTAを1.97g(Ce1モルに対して0.003モル分)添加し、他の手順は同じ条件にて経過を観察したが、2週間経過後に析出は確認されなかった。
[実施例3]
実施例1の(2)においてEDTAを6.6g(Ce1モルに対して0.01モル分)添加し、他の手順は同じ条件にて経過を観察したが、2週間経過後に析出は確認されなかった。
[実施例4]
実施例1の(2)においてEDTAを66g(Ce1モルに対して0.1モル分)添加し、他の手順は同じ条件にて経過を観察したが、2週間経過後に析出は確認されなかった。
[実施例5]
実施例1の(2)において、NTA・3Na塩(MW=275.1、以下、NTA)を4.8g(Ce1モルに対して0.01モル分)添加し、他の手順は同じ条件にて経過を観察したが、2週間経過後に析出は確認されなかった。
[実施例6]
実施例1の(2)において、トリエタノールアミン(MW=149.2、98%液、以下、TEA)を2.7g(Ce1モルに対して0.01モル分)添加し、他の手順は同じ条件にて経過を観察したが、2週間経過後に析出は確認されなかった。
[実施例7]
実施例1の(4)において、濾過前に希硝酸を添加し、pHを2.4に調整した上で、他の手順は同じ条件にて経過を観察したが、2週間経過後に析出は確認されなかった。
[実施例8]
実施例1の(4)において、濾過前に炭酸セリウムを添加し、pHを5.4に調整した上で、他の手順は同じ条件にて経過を観察したが、2週間経過後に析出は確認されなかった。
[比較例1]
(1) 炭酸セリウム(CeO2純分で50質量%)を出発原料として用いた。
(2) 炭酸セリウムを606g計量し、純水0.3リットルを加え、スラリー状態とした。
(3) この液を撹拌しながら67%硝酸0.33リットルを少しずつ加えて分解した。
(4) 約2時間後に未溶解分が残る懸濁液の状態となったので、濾紙による吸引濾過を実施した。0.95リットル、pH3.8、Ce濃度が1.7モル/リットルの透明な濾液が回収された。
(5) この液を0.1リットル分取し、純水で1リットルに希釈した液を作製し、80℃,1時間加温した。このときのpHは3.8となった。
(6) 更に(5)の液を0.1リットル分取し、純水で1リットルに希釈した液を作製し、80℃,1時間加温した。
(7) 更に(6)の液を0.1リットル分取し、純水で1リットルに希釈した液を作製し、80℃,1時間加温した。
(8) (4)〜(7)の液について常温下で保管して析出の有無を確認した。
(9) その結果、(4),(5)の液については1日後、(6),(7)の液については7日後に容器底に析出物の堆積が確認された。
[比較例2]
比較例1の(5)〜(7)において加温をしない条件で放置したが、1週間後にはやはりすべての液において容器底に析出物の堆積が確認された。
以上の結果を表1にまとめて示す。
Figure 2006328442

Claims (13)

  1. 3価のセリウムイオンと、酸性域でキレート作用を有する物質とを含有することを特徴とする3価のセリウムイオン含有溶液。
  2. 酸性域でキレート作用を有する物質が、ポリアミノカルボン酸類、オキシカルボン酸類及びりん酸類から選ばれるものである請求項1記載のセリウムイオン含有溶液。
  3. 酸性域でキレート作用を有する物質が、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、CyDTA(t−シクロヘキサン−1,2−ジアミン四酢酸)、EGTA(エチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル−N,N,N’,N’−四酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、TTHA(トリエチレンテトラミン−N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’−六酢酸)、NTA(ニトリロ三酢酸)、KCN、TEA(トリエタノールアミン)、HEDTA(ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸)、MGDA(メチルグリシン二酢酸)、GLDA(ジカルボキシメチルグルタミン酸四酢酸ナトリウム)、EDDS(エチレンジアミンコハク酸三ナトリウム)、DHEDDA(ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸)、PDTA(1,3−プロパンジアミン四酢酸)、HIMDA(ヒドロキシエチルイミノ二酢酸)、ASDA(L−アスパラギン酸−N,N−二酢酸)、NTMP(アミノトリメチレンホスホン酸)、HEDP(ヒドロキシエタンホスホン酸)、アセチルアセトン、及びこれらの塩から選ばれるものである請求項1記載のセリウムイオン含有溶液。
  4. 更に、酸性域で還元作用を有する物質を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載のセリウムイオン含有溶液。
  5. 還元作用を有する物質が、L−アスコルビン酸、りんご酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、グルクロン酸、没食子酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、グリオキシル酸、塩化ヒドロキシルアンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、及び上記酸の塩から選ばれるものである請求項4記載のセリウムイオン含有溶液。
  6. 溶液のpHが1〜7であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のセリウムイオン含有溶液。
  7. 溶液中のセリウム濃度が0.0001〜2モル/Lであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のセリウムイオン含有溶液。
  8. 溶液がセリウムの無機酸塩の溶液であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のセリウムイオン含有溶液。
  9. 溶液がセリウムの無機酸塩の水溶液であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のセリウムイオン含有溶液。
  10. 3価のセリウムイオンとキレート作用を有する物質を含有し、pHが1〜7であり、かつセリウムの濃度が0.0001〜2モル/Lであることを特徴とする腐食抑制剤。
  11. 更に、酸性域で還元作用を有する物質を含有する請求項10記載の腐食抑制剤。
  12. 溶液がセリウムの無機酸塩の溶液であることを特徴とする請求項10又は11記載の腐食抑制剤。
  13. 溶液がセリウムの無機酸塩の水溶液であることを特徴とする請求項10又は11記載の腐食抑制剤。
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