JP2006328442A - セリウムイオン含有溶液及び腐食抑制剤 - Google Patents
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Abstract
【効果】 本発明のセリウムイオン含有溶液及びこれからなる腐食抑制剤は、3価のセリウムイオンがpH1〜7の領域において安定に存在し、セリウム化合物の析出を防止し得るものである。
【選択図】 なし
Description
請求項1:
3価のセリウムイオンと、酸性域でキレート作用を有する物質とを含有することを特徴とする3価のセリウムイオン含有溶液。
請求項2:
酸性域でキレート作用を有する物質が、ポリアミノカルボン酸類、オキシカルボン酸類及びりん酸類から選ばれるものである請求項1記載のセリウムイオン含有溶液。
請求項3:
酸性域でキレート作用を有する物質が、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、CyDTA(t−シクロヘキサン−1,2−ジアミン四酢酸)、EGTA(エチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル−N,N,N’,N’−四酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、TTHA(トリエチレンテトラミン−N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’−六酢酸)、NTA(ニトリロ三酢酸)、KCN、TEA(トリエタノールアミン)、HEDTA(ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸)、MGDA(メチルグリシン二酢酸)、GLDA(ジカルボキシメチルグルタミン酸四酢酸ナトリウム)、EDDS(エチレンジアミンコハク酸三ナトリウム)、DHEDDA(ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸)、PDTA(1,3−プロパンジアミン四酢酸)、HIMDA(ヒドロキシエチルイミノ二酢酸)、ASDA(L−アスパラギン酸−N,N−二酢酸)、NTMP(アミノトリメチレンホスホン酸)、HEDP(ヒドロキシエタンホスホン酸)、アセチルアセトン、及びこれらの塩から選ばれるものである請求項1記載のセリウムイオン含有溶液。
請求項4:
更に、酸性域で還元作用を有する物質を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載のセリウムイオン含有溶液。
請求項5:
還元作用を有する物質が、L−アスコルビン酸、りんご酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、グルクロン酸、没食子酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、グリオキシル酸、塩化ヒドロキシルアンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、及び上記酸の塩から選ばれるものである請求項4記載のセリウムイオン含有溶液。
請求項6:
溶液のpHが1〜7であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のセリウムイオン含有溶液。
請求項7:
溶液中のセリウム濃度が0.0001〜2モル/Lであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のセリウムイオン含有溶液。
請求項8:
溶液がセリウムの無機酸塩の溶液であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のセリウムイオン含有溶液。
請求項9:
溶液がセリウムの無機酸塩の水溶液であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のセリウムイオン含有溶液。
請求項10:
3価のセリウムイオンとキレート作用を有する物質を含有し、pHが1〜7であり、かつセリウムの濃度が0.0001〜2モル/Lであることを特徴とする腐食抑制剤。
請求項11:
更に、酸性域で還元作用を有する物質を含有する請求項10記載の腐食抑制剤。
請求項12:
溶液がセリウムの無機酸塩の溶液であることを特徴とする請求項10又は11記載の腐食抑制剤。
請求項13:
溶液がセリウムの無機酸塩の水溶液であることを特徴とする請求項10又は11記載の腐食抑制剤。
ここで、3価のセリウムイオン含有溶液は、工業的には水溶液のほか、エタノールその他のアルコール等の有機溶媒液でも用いられており、本発明は溶媒の種類に限定されるものではない。
(1) 炭酸セリウム(CeO2純分で50質量%)を出発原料として用い、606gを計量した。
(2) EDTA2Na塩(以下EDTA)を0.66g(Ce1モルに対して0.001モル分)を純水0.3リットルに加え、撹拌溶解した。
(3) この液と(1)の炭酸セリウムを混ぜ合わせ、撹拌しながら67%硝酸0.33リットルを少しずつ加えて分解した。
(4) 約2時間後に未溶解分が残る懸濁液の状態となったので、濾紙による吸引濾過を実施した。0.9リットル、pH3.6、Ce濃度が1.9モル/リットルの透明な濾液が回収された。
(5) この液を0.1リットル分取し、純水で1リットルに希釈した液を作製し、80℃,1時間加温した。
(6) 更に(5)の液を0.1リットル分取し、純水で1リットルに希釈した液を作製し、80℃,1時間加温した。
(7) 更に(6)の液を0.1リットル分取し、純水で1リットルに希釈した液を作製し、80℃,1時間加温した。
(8) (4)〜(7)の液について常温下で保管して析出の有無を確認した。
(9) その結果、2週間経過後もどの液についても析出は確認されなかった。
実施例1の(2)において、EDTAを1.97g(Ce1モルに対して0.003モル分)添加し、他の手順は同じ条件にて経過を観察したが、2週間経過後に析出は確認されなかった。
実施例1の(2)においてEDTAを6.6g(Ce1モルに対して0.01モル分)添加し、他の手順は同じ条件にて経過を観察したが、2週間経過後に析出は確認されなかった。
実施例1の(2)においてEDTAを66g(Ce1モルに対して0.1モル分)添加し、他の手順は同じ条件にて経過を観察したが、2週間経過後に析出は確認されなかった。
実施例1の(2)において、NTA・3Na塩(MW=275.1、以下、NTA)を4.8g(Ce1モルに対して0.01モル分)添加し、他の手順は同じ条件にて経過を観察したが、2週間経過後に析出は確認されなかった。
実施例1の(2)において、トリエタノールアミン(MW=149.2、98%液、以下、TEA)を2.7g(Ce1モルに対して0.01モル分)添加し、他の手順は同じ条件にて経過を観察したが、2週間経過後に析出は確認されなかった。
実施例1の(4)において、濾過前に希硝酸を添加し、pHを2.4に調整した上で、他の手順は同じ条件にて経過を観察したが、2週間経過後に析出は確認されなかった。
実施例1の(4)において、濾過前に炭酸セリウムを添加し、pHを5.4に調整した上で、他の手順は同じ条件にて経過を観察したが、2週間経過後に析出は確認されなかった。
(1) 炭酸セリウム(CeO2純分で50質量%)を出発原料として用いた。
(2) 炭酸セリウムを606g計量し、純水0.3リットルを加え、スラリー状態とした。
(3) この液を撹拌しながら67%硝酸0.33リットルを少しずつ加えて分解した。
(4) 約2時間後に未溶解分が残る懸濁液の状態となったので、濾紙による吸引濾過を実施した。0.95リットル、pH3.8、Ce濃度が1.7モル/リットルの透明な濾液が回収された。
(5) この液を0.1リットル分取し、純水で1リットルに希釈した液を作製し、80℃,1時間加温した。このときのpHは3.8となった。
(6) 更に(5)の液を0.1リットル分取し、純水で1リットルに希釈した液を作製し、80℃,1時間加温した。
(7) 更に(6)の液を0.1リットル分取し、純水で1リットルに希釈した液を作製し、80℃,1時間加温した。
(8) (4)〜(7)の液について常温下で保管して析出の有無を確認した。
(9) その結果、(4),(5)の液については1日後、(6),(7)の液については7日後に容器底に析出物の堆積が確認された。
比較例1の(5)〜(7)において加温をしない条件で放置したが、1週間後にはやはりすべての液において容器底に析出物の堆積が確認された。
Claims (13)
- 3価のセリウムイオンと、酸性域でキレート作用を有する物質とを含有することを特徴とする3価のセリウムイオン含有溶液。
- 酸性域でキレート作用を有する物質が、ポリアミノカルボン酸類、オキシカルボン酸類及びりん酸類から選ばれるものである請求項1記載のセリウムイオン含有溶液。
- 酸性域でキレート作用を有する物質が、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、CyDTA(t−シクロヘキサン−1,2−ジアミン四酢酸)、EGTA(エチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル−N,N,N’,N’−四酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、TTHA(トリエチレンテトラミン−N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’−六酢酸)、NTA(ニトリロ三酢酸)、KCN、TEA(トリエタノールアミン)、HEDTA(ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸)、MGDA(メチルグリシン二酢酸)、GLDA(ジカルボキシメチルグルタミン酸四酢酸ナトリウム)、EDDS(エチレンジアミンコハク酸三ナトリウム)、DHEDDA(ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸)、PDTA(1,3−プロパンジアミン四酢酸)、HIMDA(ヒドロキシエチルイミノ二酢酸)、ASDA(L−アスパラギン酸−N,N−二酢酸)、NTMP(アミノトリメチレンホスホン酸)、HEDP(ヒドロキシエタンホスホン酸)、アセチルアセトン、及びこれらの塩から選ばれるものである請求項1記載のセリウムイオン含有溶液。
- 更に、酸性域で還元作用を有する物質を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載のセリウムイオン含有溶液。
- 還元作用を有する物質が、L−アスコルビン酸、りんご酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、グルクロン酸、没食子酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、グリオキシル酸、塩化ヒドロキシルアンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、及び上記酸の塩から選ばれるものである請求項4記載のセリウムイオン含有溶液。
- 溶液のpHが1〜7であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のセリウムイオン含有溶液。
- 溶液中のセリウム濃度が0.0001〜2モル/Lであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のセリウムイオン含有溶液。
- 溶液がセリウムの無機酸塩の溶液であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のセリウムイオン含有溶液。
- 溶液がセリウムの無機酸塩の水溶液であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のセリウムイオン含有溶液。
- 3価のセリウムイオンとキレート作用を有する物質を含有し、pHが1〜7であり、かつセリウムの濃度が0.0001〜2モル/Lであることを特徴とする腐食抑制剤。
- 更に、酸性域で還元作用を有する物質を含有する請求項10記載の腐食抑制剤。
- 溶液がセリウムの無機酸塩の溶液であることを特徴とする請求項10又は11記載の腐食抑制剤。
- 溶液がセリウムの無機酸塩の水溶液であることを特徴とする請求項10又は11記載の腐食抑制剤。
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2005
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