JPH1019070A - ベンチレーテッドロータ - Google Patents

ベンチレーテッドロータ

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Publication number
JPH1019070A
JPH1019070A JP17619496A JP17619496A JPH1019070A JP H1019070 A JPH1019070 A JP H1019070A JP 17619496 A JP17619496 A JP 17619496A JP 17619496 A JP17619496 A JP 17619496A JP H1019070 A JPH1019070 A JP H1019070A
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JP
Japan
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ribs
ventilation hole
cooling air
sliding plate
radial direction
Prior art date
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Application number
JP17619496A
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English (en)
Inventor
Takashi Matsubara
崇 松原
Katsuyuki Fujii
勝幸 藤井
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ベンチレーション孔内の冷却風の通気抵抗を軽
減して良好な冷却効果が得られ、しかも車両の左右輪で
共用できるようにする。 【解決手段】摺動板2及び3間に長さの異なる二種類の
リブ5,6を半径方向に沿って放射状に且つ等間隔に複
数介在させる。長いリブ5と短いリブ6とを、交互に且
つ半径方向外側端部が同心円上に揃うように放射状に配
置して、リブ5,6の半径方向内側端部を不揃いにす
る。そのリブ5,6の半径方向内側端部を結ぶ線に沿う
ように、インナ側の摺動板3の内周面を凹凸面3Aとす
る。つまり、長いリブ5の半径方向内側端部よりも若干
半径方向内側に入り込んだ位置に凸部3aが位置し、短
いリブ6の半径方向内側端部よりも若干半径方向内側に
入り込んだ位置に凹部3bが位置するように凹凸面3A
を形成する。そして、各リブ5,6の間をベンチレーシ
ョン孔7とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車輪とともに回
転し且つブレーキパッドとの摩擦面を構成するディスク
ブレーキ用のロータのうち、内周面側から外周面側に通
じるベンチレーション孔を形成して冷却効果の向上を図
るようになっているベンチレーテッドロータに関し、特
に、ベンチレーション孔内の冷却風の通気抵抗を軽減し
て、その冷却風の風量及び流速を上昇させ、もってさら
に良好な冷却効果を得ることができるようにし、さらに
コスト低減も期待できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】即ち、ベンチレーテッドロータは、車両
幅方向外側に位置するアウタ側の摺動板と、車両幅方向
内側に位置するインナ側の摺動板と、これら二枚の摺動
板間に放射状に介在してベンチレーション孔を形成する
複数のリブと、を備えて構成されている。二枚の摺動板
の中央部は、このベンチレーテッドロータが固定される
車軸の外径よりもある程度大きく円形に抜かれていて、
アウタ側の摺動板の内周部には同軸に円筒形の部材が固
定されている。そして、その円筒形の部材の底面に形成
されたボルト孔等を介して、ベンチレーテッドロータが
車軸に固定されるようになっている。
【0003】ベンチレーテッドロータが車軸と一体に回
転すると、その内周部には相対的に回転方向と逆側の気
流が生じるとともに、遠心力の影響によって内周部の空
気がベンチレーション孔に流れ込み、そのベンチレーシ
ョン孔を通じて外周面から排気される。つまり、ベンチ
レーション孔内を通過する空気が摺動板の内面やリブ側
面から熱を奪うから、ベンチレーテッドロータの冷却効
果が期待されるのである。従って、ベンチレーション孔
内を通過する冷却風の風量及び流速を上昇させること
が、大きな冷却効果を得るための要点となる。
【0004】そこで、そのような冷却効果の増大を図る
従来のベンチレーテッドロータとして、例えば特開平6
−129452号公報に開示されたものがある。かかる
公報記載の従来のベンチレーテッドロータは、各リブ
を、内周側に配設される比較的に短い内周側リブと、外
周側に配設される比較的長い外周側リブとに分割すると
ともに、各内周側リブを、隣り合った二つの外周側リブ
の間に位置させるようにしていた。そして、ベンチレー
テッドロータが正転方向(車両前進時に回転する方向)
に回転した際にベンチレーション孔内に形成される剥離
流領域を減少させるために、上記公報記載のベンチレー
テッドロータにあっては、内周側リブを、隣り合った二
つの外周側リブの中間位置よりも正転方向前方に若干偏
った位置に配設するようにしていた。また、上記公報に
は、上記剥離流領域を減少させるために、内周側リブ及
び外周側リブを、その半径方向外側端部が正転方向後方
を向くように傾斜させた構造も開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載されたベンチレーテッドロータにあっては、ベ
ンチレーテッドロータの正転方向を考慮しつつ各リブを
適宜配設するようになっていたため、車両の左輪用のベ
ンチレーテッドロータの構造と右輪用のベンチレーテッ
ドロータの構造とが面対称関係となり、それらを共用す
ることができず、製造コストの削減にとって障害となっ
ていた。
【0006】本発明は、このような従来の技術が有する
解決すべき課題に着目してなされたものであって、車両
の左右輪での共用を可能としてコスト低減が図れ、しか
もベンチレーション孔内の冷却風の通気抵抗を軽減し
て、その冷却風の風量及び流速を上昇させ、もってさら
に良好な冷却効果を得ることができるベンチレーテッド
ロータを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、対向する一対の摺動板を、
放射状に延びる複数のリブを介して結合することにより
ベンチレーション孔を形成したディスクブレーキ用のベ
ンチレーテッドロータにおいて、前記摺動板の内周面
を、周方向に凹凸が並ぶ凹凸面とした。
【0008】また、請求項2に係る発明は、上記請求項
1に係る発明であるベンチレーテッドロータにおいて、
前記複数のリブを、その半径方向内側端部が前記摺動板
の内周面の凹部又は凸部の近傍に位置するように配設し
た。
【0009】一方、請求項3に係る発明は、上記請求項
1に係る発明であるベンチレーテッドロータにおいて、
前記複数のリブを長いリブと短いリブとの少なくとも二
種類で構成し、それら長いリブと短いリブとを交互に且
つ半径方向外側端部位置が揃うように放射状に配置し、
前記長いリブの半径方向内側端部近傍と前記短いリブの
半径方向内側端部近傍とを結ぶ線に沿うように前記摺動
板の内周面を前記凹凸面とした。
【0010】そして、請求項4に係る発明は、上記請求
項1〜3に係る発明であるベンチレーテッドロータにお
いて、前記摺動板の内周面の凹部及び凸部間の斜面中央
部を凹ませた。
【0011】さらに、請求項5に係る発明は、上記請求
項1〜4に係る発明であるベンチレーテッドロータにお
いて、前記摺動板の内周面の前記ベンチレーション孔側
の角部を面取りした。
【0012】ここで、請求項1に係る発明にあっては、
ベンチレーテッドロータ回転時にその回転方向とは逆方
向にロータ内周部を流れる気流は、摺動板内周面の凹凸
面上を流れた後に各ベンチレーション孔内に流れ込む
が、その流れ込む際の方向は、軸方向から見て凹凸面に
対して略直交する方向となる。つまり、摺動板内周面が
通常の円筒面である場合には、ロータ内周側からベンチ
レーション孔内に流れ込む冷却風の向きは、ロータ回転
方向の逆方向を向くベクトルと、遠心力のベクトルとを
合わせた向き、即ち、回転方向後方を向きつつ半径方向
外側を向くベクトルに沿った方向に決まってしまうのに
対し、この請求項1に係る発明であれば、そのベンチレ
ーション孔内への冷却風の流れ込む方向を、容易に調整
できるのである。
【0013】そして、例えば請求項2に係る発明のよう
に複数のリブを配設すれば、リブの半径方向内側端部と
冷却風との干渉を極力抑えつつ冷却風をベンチレーショ
ン孔内に流入させることができ、しかも剥離流領域を減
少させて流路幅を拡大できるから、ベンチレーション孔
内の冷却風の風量及び流速が上昇する。同様に、請求項
3に係る発明にあっても、リブの半径方向内側端部と冷
却風との干渉を極力抑えつつ冷却風をベンチレーション
孔内に流入させることができ、しかも剥離流領域を減少
させて流路幅を拡大できるから、ベンチレーション孔内
の冷却風の風量及び流速が上昇する。
【0014】また、請求項4に係る発明にあっては、摺
動板内周面に沿って流れる空気がその摺動板内周面の凹
部及び凸部間の斜面を回り込んでベンチレーション孔内
に流れ込む際に、中央部が凹んでいる斜面の影響によっ
て幅が広がりつつ流れ込むようになるから、ベンチレー
ション孔内に流れ込む冷却風の幅がより拡大する。な
お、摺動板内周面の凹部及び凸部間の斜面の凹みは、複
数の平面を組み合わせて形成してもよいし、或いは、凹
曲面で形成してもよい。
【0015】さらに、請求項5に係る発明にあっては、
摺動板内周面の角部の通気抵抗が低減するから、摺動板
内周面側からベンチレーション孔内への空気の流入がよ
りスムーズになる。なお、摺動板内周面の角部の面取り
は、丸みが付くようにアール形状に面取りしてもよい
し、斜めの平面で面取りしてもよい。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にあって
は、ベンチレーション孔内への冷却風の流れ込む方向を
容易に調整できるから、ベンチレーション孔を構成する
各リブの配置等に応じて摺動板内周面の凹凸形状を適宜
設定することにより、ベンチレーション孔内の冷却風の
風量及び流速を上昇させて、良好な冷却効果を得ること
ができ、しかも、回転方向を考慮する必要のない構造で
あるから、車両の左右輪で共用することができ、製造コ
ストの低減を図る上で有利である、という効果がある。
【0017】特に、請求項2,請求項3に係る発明であ
れば、摺動板内周面に凹凸形状との相互作用によって確
実にベンチレーション孔内の冷却風の風量及び流速を上
昇させることができ、より良好な冷却効果を得ることが
できる。
【0018】また、請求項4に係る発明であれば、ベン
チレーション孔内の冷却風の偏りをより小さくできるか
ら、冷却効果がさらに良好になる。そして、請求項5に
係る発明であれば、ベンチレーション孔内への空気の流
入がよりスムーズになるから、冷却風の風量及び流速を
さらに上昇させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1乃至図5は本発明の第1の
実施の形態を示す図であって、図1は本発明に係るベン
チレーテッドロータ1の斜視図である。
【0020】先ず、構成を説明すると、このベンチレー
テッドロータ1は、車両幅方向外側に配置されるアウタ
側の摺動板2と、この摺動板2に平行に対向して車両幅
方向内側に配置されるインナ側の摺動板3と、を有して
いて、これら摺動板2及び3の中央部は大きく開口して
おり、アウタ側の摺動板2の内周部には、車軸への取付
の際に利用される円筒部4が同軸に固定されている。円
筒部4の底部4Aにはボルト挿通用の複数の孔4aが形
成されている。
【0021】そして、一対の摺動板2及び3間には、長
さの異なる二種類のリブ5,6が半径方向に沿って放射
状に且つ等間隔に複数介在していて、これら複数のリブ
5,6を介して摺動板2及び3が一体となっている。
【0022】ここで、リブ5,6は両端部が半円筒形に
仕上げられた長細い角柱状の部材であって、一方のリブ
5,…,5は比較的長く、他方のリブ6,…,6は比較
的短いものであって、摺動板3の裏側に隠れている各リ
ブ5,6を透視した平面図である図2にも示すように、
長いリブ5,…,5と短いリブ6,…,6とは、交互に
且つ半径方向外側端部が同心円上に揃うように放射状に
配置されている。長さの異なるリブ5,6の半径方向外
側端部の位置を揃えているため、リブ5,6の半径方向
内側端部が不揃いになっている。
【0023】そして、その不揃いになっているリブ5,
6の半径方向内側端部を結ぶ線に沿うように、インナ側
の摺動板3の内周面が凹凸面3Aとなっている。つま
り、長いリブ5,…,5の半径方向内側端部よりも若干
半径方向内側に入り込んだ位置に凸部3aが位置し、短
いリブ6,…,6の半径方向内側端部よりも若干半径方
向内側に入り込んだ位置に凹部3bが位置するように、
凹凸面3Aが形成されている。従って、周方向に交互に
並ぶ凸部3a又は凹部3bの近傍に位置するように、よ
り具体的には凸部3aの近傍に長いリブ5の半径方向内
側端部が位置し、凹部3bの近傍に短いリブ6の半径方
向内側端部が位置するように、各リブ5,6が配設され
ている。なお、各凸部3aと各凹部3bとの間は、平面
からなる斜面3cとなっている。
【0024】凹凸面3Aの形状をさらに詳細に説明する
と、図2の要部を拡大した図3に示すように、凹凸面3
Aを形成する凸部3a及び凹部3bは、ベンチレーテッ
ドロータ1の半径方向に延びてリブ5,6の中心を通る
それぞれの直線1Aを境に、周方向で対称な形状となっ
ている。つまり、一の凹部3b* とその両側の二つの凸
部3a* ,3a* との間の二つの斜面3c* ,3c*
着目し、その一の凹部3b* に近接したリブ6の中心を
通る直線1Aに直交し且つ斜面3c* ,3c*と交差す
るように水平に延びる直線1Bを考えると、その直線1
Bと一方の斜面3c* とのなす角度θ1 と、直線1Bと
他方の斜面3c* とのなす角度θ2 とは同一角度となっ
ている。そして、そのような直線1Bを他の直線1Aに
ついて考えた場合にも、その直線1Bと両側の斜面3
c,3cとのなす二つの角度は等しくなっている。
【0025】このように、本実施の形態のベンチレーテ
ッドロータ1は、その回転方向を考慮していない構造と
なっている。そして、各リブ5,6の間が、ベンチレー
ション孔7となっていて、各ベンチレーション孔7を通
じて、ベンチレーテッドロータ1の内周側と外周側とが
連通して冷却風が抜けるようになっている。
【0026】次に、本実施の形態の動作を説明する。図
4及び図5は本実施の形態の動作を説明するための図で
あり、図4は図3と同様に要部を拡大した透視平面図、
図5は要部を拡大した透視斜視図である。なお、以下の
説明では、一の短いリブ6を挟んで両側に形成される二
つのベンチレーション孔7A,7Bのみに着目し、他の
ベンチレーション孔7についての説明は重複するため省
略する。また、ベンチレーテッドロータ1の回転方向を
図4中の矢印Rで示しているが、このベンチレーテッド
ロータ1はその回転方向によって動作が変わるものでは
ないから、回転方向Rは正転方向又は逆転方向のいずれ
かである。そして、一の短いリブ6よりも回転方向Rに
沿って後側のベンチレーション孔をベンチレーション孔
7Aとし、一の短いイブ6よりも回転方向Rに沿って前
側のベンチレーション孔をベンチレーション孔7Bとし
ている。
【0027】即ち、ベンチレーテッドロータ1が車軸と
共に回転すると、その内周部には回転方向Rと相対的に
逆方向の気流FX が生じると同時に、遠心力の影響によ
ってベンチレーション孔7A,7B内を内周側から外周
側に向かう冷却風F1 ,F2も生じるようになる。つま
り、気流FX は摺動板3の内周面である凹凸面3Aに沿
って流れるが、そこから遠心力の影響を受けて摺動板3
の角部を回り込んでベンチレーション孔7A又は7Bに
流れ込み、冷却風F1 ,F2 となる。
【0028】そして、気流FX がベンチレーション孔7
Aの流入口を形成する斜面3cの角部を回り込むことに
より形成される冷却風F1 は、その斜面3cに対し平面
視で略直交する方向を目指しつつベンチレーション孔7
A内に流入する。このため、冷却風F1 は、短いリブ6
の半径方向内側端部に殆ど干渉することなく、ベンチレ
ーション孔7A内に流入する。つまり、ベンチレーショ
ン孔7Aの流入口の通気抵抗が低くなっているのであ
る。
【0029】また、冷却風F1 は、ベンチレーション孔
7A内に流入する際に流れの向きが大きく変化しない、
つまり気流Fx の方向に対して大きく変わらずにベンチ
レーション孔7A内に流入するため、ベンチレーテッド
ロータ1の回転速度で決まる気流Fx の流速と遠心力と
の合成風速に近い速度でベンチレーション孔7A内を通
過する。この高い流速が維持できる点からも、ベンチレ
ーション孔7A内の通気抵抗が低減できる。
【0030】さらに、上記のようにベンチレーション孔
7A内の冷却風F1 の高い流速が維持できるために、ベ
ンチレーション孔7Aのリブ6に近い側に形成される剥
離流領域8A内に強い渦流VX が形成される。このた
め、剥離流領域8Aのうち、ベンチレーション孔7Aの
後半部分が渦流VX の回転に吸引されるから、ベンチレ
ーション孔7Aの後半部分の流路幅B1 が拡大するよう
になる。この結果、ベンチレーション孔7Aの流出部分
の通気抵抗も低減している。
【0031】このように、ベンチレーション孔7Aの通
気抵抗はその流入口から流出口までの全域に渡って低減
しているから、ベンチレーション孔7A内を通過する冷
却風F1 の風量及び流速が上昇するようになる。
【0032】また、ベンチレーション孔7A内に流入す
る冷却風F1 がリブ6の端部と干渉し難くなっており、
しかも津より渦流VX によって流路幅B1 が拡大するよ
うになっているから、ベンチレーション孔7A内の剥離
流領域8Aは減少するので、ベンチレーション孔7A内
面のうち冷却風F1 が触れることにより放熱が期待され
る表面積の割合が大きくなっている。さらに、強い渦流
X によってベンチレーション孔7A内のリブ6の側面
からの放熱も促進されるようになっている。
【0033】以上から、ベンチレーション孔7A内にお
いて高い冷却効果が得られ、ベンチレーテッドロータ1
の放熱性が向上するのである。一方、気流FX がベンチ
レーション孔7Bの流入口を形成する斜面3cの角部を
回り込むことにより形成される冷却風F2 は、その斜面
3cに対し平面視で略直交する方向を目指しつつベンチ
レーション孔7B内に流入する。つまり、冷却風F
2 は、斜面3cの角部で大きく折り曲げられて、直線1
Bとのなく角度βが比較的大きくなった状態でベンチレ
ーション孔7B内に流入するようになる。より具体的に
は、冷却風F2 は、半径方向(リブ5,6に平行な方
向)に近づくように向きが変えられてベンチレーション
孔7B内に流入する。このため、冷却風F2 は、短いリ
ブ6の半径方向内側端部に殆ど干渉することになく、ベ
ンチレーション孔7B内に流入するから、ベンチレーシ
ョン孔7Bの流入口の通気抵抗は低くなっている。
【0034】そして、冷却風F2 の向きがリブ5,6に
平行な方向に近づけば、ベンチレーション孔7B内の長
いリブ5の側面に沿って形成される剥離流領域8Bが減
少するようになるから、ベンチレーション孔7Bの流路
幅B2 が拡大する。
【0035】このように、ベンチレーション孔7Bの通
気抵抗もその流入口から流出口に渡る広い範囲で低減で
きるから、ベンチレーション孔7B内を通過する冷却風
2の風量及び流速が上昇するようになる。
【0036】また、ベンチレーション孔7B内の剥離流
領域8Bが減少すれば、ベンチレーション孔7B内面の
うち冷却風F2 が触れることにより放熱が期待される表
面積の割合が大きくなる。
【0037】以上から、ベンチレーション孔7B内にお
いても高い冷却効果が得られ、ベンチレーテッドロータ
1の放熱性が向上するのである。図6及び図7は、本実
施の形態との比較対象として摺動板3の内周面に凹凸を
形成しない構造のベンチレーテッドロータ1における冷
却風の流れを説明するための図であって、図6は図4に
対応し、図7は図5に対応する。なお、本実施の形態と
同様の構成には同じ符号を付している。ただし、長いリ
ブ5同士の間に形成されるベンチレーション孔を、ベン
チレーション孔7Cとしている。
【0038】即ち、このような構造のベンチレーテッド
ロータ1であっても、その内周側を回転方向Rとは逆方
向に摺動板3の内周面3Bに沿って流れる気流FX が生
じ、その気流FX が内周面3Bの角部を回り込んでベン
チレーション孔7C内に流入する。ベンチレーション孔
7C内に流入した冷却風は、リブ6の端部に干渉し、ベ
ンチレーション孔7A内に流入する冷却風F3 と、ベン
チレーション孔7B内に流入する冷却風F4 とに分流す
る。
【0039】このとき、冷却風F3 は、リブ6の端部と
の干渉によりベンチレーション孔7Aに流入する際にリ
ブ5に近づくように大きく方向を変えられるから、ベン
チレーション孔7Aの流入口の通気抵抗は大きく、しか
も、ベンチレーション孔7A内の短いリブ6の側面に形
成される剥離流領域8Aの幅が大きくなって相対的に流
路幅B1 が狭くなってしまう。
【0040】このため、ベンチレーション孔7A内を通
過する冷却風F3 の風量及び流速は本実施の形態の場合
に比べて低くなってしまい、良好な冷却効果が期待でき
ないのである。図8は、摺動板3の内周面を凹凸面とし
た本実施の形態の構造と円筒面とした比較対象とで、そ
れぞれベンチレーション孔7A内を通過する冷却風の流
速を測定した実験の結果を示すグラフであり、この実験
結果でも、本実施の形態の構造の方が高い流速が得られ
ることが明らかになっている。
【0041】また、ベンチレーション孔7B内に流入す
る冷却風F4 も、リブ6の端部との干渉によりベンチレ
ーション孔7Bに流入する際にリブ5に近づくように大
きく方向を変えられるから、ベンチレーション孔7Bの
流入口の通気抵抗は大きく、しかも、ベンチレーション
孔7B内の長いリブ5の側面に形成される剥離流領域8
Bの幅が大きくなって相対的に流路幅B2 が狭くなって
しまう。
【0042】このため、ベンチレーション孔7B内を通
過する冷却風F4 の風量及び流速は本実施の形態の場合
に比べて低くなってしまい、良好な冷却効果が期待でき
ないのである。図9は、摺動板3の内周面を凹凸面とし
た本実施の形態の構造と円筒面とした比較対象とで、そ
れぞれベンチレーション孔7B内を通過する冷却風の流
速を測定した実験の結果を示すグラフであり、この実験
結果でも、本実施の形態の構造の方が高い流速が得られ
ることが明らかになっている。
【0043】さらに、図10は、摺動板3の内周面を凹
凸面とした本実施の形態の構造においてベンチレーショ
ン孔7B内への冷却風の流入角度βと、摺動板3の内周
面を円筒面とした比較対象においてベンチレーション孔
7C内への冷却風の流入角度βとを測定した実験の結果
を示すグラフであり、この実験結果からも、本実施の形
態の構造の方が流入角度βが大きくなっていることが判
る。そして、流入角度βが大きい(直角に近い)程、ベ
ンチレーション孔7Bの流入口の通気抵抗が小さいこと
になるから、それだけベンチレーション孔7B内を通過
する冷却風F2によって高い冷却効果が得られるのであ
る。
【0044】そして、本実施の形態のベンチレーテッド
ロータ1であれば、その回転方向に関係なく上記のよう
な優れた冷却効果が得られるのであるから、これを車両
の左右輪で共通の部品とすることができる。よって、製
造コストの低減に大きく寄与できるのである。
【0045】図11及び図12は、本発明の第2の実施
の形態を示す図であって、図4と同様に要部を拡大した
透視平面図である。なお、上記第1の実施の形態と同様
の部材及び部位には同じ符号を付し、その重複する説明
は省略する。
【0046】即ち、本実施の形態の構成は上記第1の実
施の形態の構成と略同一であって、異なるのは、斜面3
cの中央部を凹ませた点だけである。より具体的には、
本実施の形態では、凹部3bから凸部3aに向けて延び
る直線L1 と、凸部3aから凹部3bに向けて延びる直
線L2 とを、斜面3cの略中央部で交わるとともにその
交点が半径方向外側に偏るように想定し、直線L1 に沿
った平面と直線L2 に沿った平面とで斜面3cを形成す
ることにより、その斜面3cの中央部分を凹ませてい
る。
【0047】このような構成であると、図12に示すよ
うに、内周側からベンチレーション孔7A内に流入する
冷却風は、斜面3cの角部を回り込む際に、リブ5側に
さらに近づく冷却風F11と、リブ6側にさらに近づく冷
却風F12とに分かれるようになる。同様に、内周側から
ベンチレーション孔7B内に流入する冷却風は、斜面3
cの角部を回り込む際に、リブ6側にさらに近づく冷却
風F21と、リブ5側にさらに近づく冷却風F22とに分か
れるようになる。つまり、ベンチレーション孔7A及び
7B内に流入する冷却風は、斜面3cの角部を回り込む
際に、その幅が自然に広がるようになっているのであ
る。
【0048】この結果、ベンチレーション孔7A及び7
B内の冷却風の流れがさらに均一化され、ベンチレーシ
ョン孔7A及び7B内のより広い領域から熱を奪うこと
ができるようになって、より良好な冷却効果が得られる
のである。その他の作用効果は、上記第1の実施の形態
と同様である。
【0049】なお、この実施の形態では、斜面3cを二
つの平面から構成しているが、これに限定されるもので
はなく、その中央部が凹むように三つ以上の平面で斜面
3cを構成するようにしてもよい。
【0050】図13及び図14は、本発明の第3の実施
の形態を示す図であって、図4と同様に要部を拡大した
透視平面図である。なお、上記第1の実施の形態と同様
の部材及び部位には同じ符号を付し、その重複する説明
は省略する。
【0051】即ち、本実施の形態の構成は上記第2の実
施の形態の構成と略同一であって、異なるのは、斜面3
cを曲面とすることにより、その中央部を凹ませた点だ
けである。
【0052】このような構成であると、図14に示すよ
うに、内周側からベンチレーション孔7A内に流入する
冷却風F1 は、斜面3cの角部を回り込む際に、幅を広
げるようになるし、同様に、内周側からベンチレーショ
ン孔7B内に流入する冷却風F2 は、斜面3cの角部を
回り込む際に、幅を広げるようになる。
【0053】この結果、上記第2の実施の形態と同様
に、ベンチレーション孔7A及び7B内の冷却風の流れ
がさらに均一化され、ベンチレーション孔7A及び7B
内のより広い領域から熱を奪うことができるようになっ
て、より良好な冷却効果が得られるのである。その他の
作用効果は、上記第1の実施の形態と同様である。
【0054】図15及び図16は本発明の第4の実施の
形態を示す図であって、図15は図4と同様に要部を拡
大した透視平面図であり、図16は図15のA−A線断
面図である。なお、上記第1の実施の形態と同様の部材
及び部位には同じ符号を付し、その重複する説明は省略
する。
【0055】即ち、本実施の形態では、特に図16に示
すように、摺動板3の内周面である凹凸面3Aのベンチ
レーション孔7A及び7B側の角部3dを、面取りする
ことによりアール形状としている。その他の構成は上記
第1の実施の形態と同様である。
【0056】このような構成であると、ベンチレーショ
ン孔7A及び7Bの流入口の通気抵抗がさらに小さくな
るから、ベンチレーテッドロータ1の内周側からベンチ
レーション孔7A及び7B内への冷却風の流入がよりス
ムーズになるし、冷却風が角部3dを通過する際の流れ
の剥離を防止できるので、さらなる冷却風の風量及び流
速が上昇して良好な冷却効果が得られるようになる。そ
の他の作用効果は、上記第1の実施の形態と同様であ
る。
【0057】なお、本実施の形態において、角部3d
は、丸みを持たせることなく、例えば斜めの平面に沿っ
て面取りするしても、同様の作用効果は得られる。ま
た、上記各実施の形態では、異なる長さのリブ5及び6
を用いているが、これに限定されるものではなく、例え
ば同じ長さのリブを、その半径方向内側端部の位置が上
記各実施の形態のように凸部3a及び凹部3bに近接す
るように配設しても、上記各実施の形態と同様の作用効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を構成を示す斜視図
である。
【図2】第1の実施の形態の構成を示す透視平面図であ
る。
【図3】図2の要部を拡大した図である。
【図4】第1の実施の形態の作用を説明する透視拡大平
面図である。
【図5】第1の実施の形態の作用を説明する透視斜視図
である。
【図6】比較例の作用を説明する透視拡大平面図であ
る。
【図7】比較例の作用を説明する透視斜視図である。
【図8】ベンチレーション孔内の冷却風の流速を測定す
る実験の結果を示すグラフである。
【図9】ベンチレーション孔内の冷却風の流速を測定す
る実験の結果を示すグラフである。
【図10】ベンチレーション孔内への冷却風の流入角度
を測定する実験の結果を示すグラフである。
【図11】第2の実施の形態の構成を示す透視平面図で
ある。
【図12】第2の実施の形態の作用を説明する透視拡大
平面図である。
【図13】第3の実施の形態の構成を示す透視平面図で
ある。
【図14】第3の実施の形態の作用を説明する透視拡大
平面図である。
【図15】第4の実施の形態の構成を示す透視平面図で
ある。
【図16】図15のA−A線断面図である。
【符号の説明】
1 ベンチレーテッドロータ 2,3 摺動板 3A 凹凸面 3a 凸部 3b 凹部 3c 斜面 5 リブ(長いリブ) 6 リブ(短いリブ) 7,7A,7B ベンチレーション孔

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する一対の摺動板を、放射状に延び
    る複数のリブを介して結合することによりベンチレーシ
    ョン孔を形成したディスクブレーキ用のベンチレーテッ
    ドロータにおいて、前記摺動板の内周面を、周方向に凹
    凸が並ぶ凹凸面としたことを特徴とするベンチレーテッ
    ドロータ。
  2. 【請求項2】 前記複数のリブを、その半径方向内側端
    部が前記摺動板の内周面の凹部又は凸部の近傍に位置す
    るように配設した請求項1記載のベンチレーテッドロー
    タ。
  3. 【請求項3】 前記複数のリブは長いリブと短いリブと
    の少なくとも二種類からなり、それら長いリブと短いリ
    ブとを交互に且つ半径方向外側端部位置が揃うように放
    射状に配置し、前記長いリブの半径方向内側端部近傍と
    前記短いリブの半径方向内側端部近傍とを結ぶ線に沿う
    ように前記摺動板の内周面を前記凹凸面とした請求項1
    記載のベンチレーテッドロータ。
  4. 【請求項4】 前記摺動板の内周面の凹部及び凸部間の
    斜面中央部を凹ませた請求項1乃至請求項3のいずれか
    に記載のベンチレーテッドロータ。
  5. 【請求項5】 前記摺動板の内周面の前記ベンチレーシ
    ョン孔側の角部を面取りした請求項1乃至請求項4のい
    ずれかに記載のベンチレーテッドロータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2409886A (en) * 2004-01-06 2005-07-13 Surface Transforms Plc Ventilated disc brake rotor

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