JPH10186276A - 3次元画像表示装置 - Google Patents

3次元画像表示装置

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JPH10186276A
JPH10186276A JP8348520A JP34852096A JPH10186276A JP H10186276 A JPH10186276 A JP H10186276A JP 8348520 A JP8348520 A JP 8348520A JP 34852096 A JP34852096 A JP 34852096A JP H10186276 A JPH10186276 A JP H10186276A
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JP
Japan
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image
lens array
lens
display device
dimensional
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Application number
JP8348520A
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English (en)
Inventor
Satoru Ishizaka
哲 石坂
Satoru Honda
哲 本田
Tsutomu Kono
努 河野
Atsushi Sekiguchi
敦史 関口
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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  • Stereoscopic And Panoramic Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製作が容易であって、鮮明な3次元の空中像
を、観察し易い状態で表示することが可能な3次元画像
表示装置を実現する。 【解決手段】 複数のレンズ要素が2次元的に配置され
たレンズアレイ10と、このレンズアレイを構成する個
々のレンズ要素に対応して再生像の微小倒立像若しくは
フーリエ変換像が記録若しくは表示されている原画20
とにより、原画に対応した空中像40を形成する3次元
画像表示装置であって、レンズアレイから空中像までの
距離をa[m]、空中像から観察位置までの距離をb
[m]、レンズアレイの視度DL についてDL =−1/
(a+b)、空中像の視度DI についてDI =−1/
b、としたとき、視度差|DL −DI |>0.6なる条
件を満足させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は上下・左右方向に視
差をもつ3次元像を空中像として表示可能な3次元画像
表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】立体感を与える画像は、立体感を得る視
覚効果により以下の3種類に大別することができる。
尚、このことは、産業図書発行の「3次元ディスプレ
イ」(著者:増田千尋)の第40頁に記載されている。
【0003】
【表1】
【0004】ここで、の心理効果については、透視図
法や照明効果などから得られる。また、の両眼視差
は、色や偏光の眼鏡を用いる方式やレンチキュラーレン
ズ等を用いて表示面を工夫した方式などから得られる。
については、ホログラフィ等が一般に良く知られてい
る。
【0005】このうち、実際に3次元物体を見るときと
同じ視覚効果を再現するものはの3次元画像のみであ
る。これは自然な立体感が得られるという点でやよ
りも優れたものであり、以下に説明する本発明が目指す
画像もこの3次元画像に属するものである。
【0006】この3次元画像を得る方式の1つとして、
インテグラル・フォトグラフィーという方式が知られて
いる。これは1908年にフランスのリップマンにより発明
されたもので、原理的には完全な3次元の空中像を再生
できる優れたものである。
【0007】この方式の最も基本的な記録・再生の流れ
を以下に示す。 記録:図7に示すような、複数の球面凸レンズが2次
元平面に配置された2次元レンズアレイ(一般にハエの
目レンズと呼ばれる)100の被写体の共役位置に乾板
200を置き、この乾板200に被写体の微小倒立像を
撮影・記録する。図8はこの様子を示しており、被写体
のA点とB点とを代表して示している。尚、光線の経路
は模式的に簡略化して示している。
【0008】再生準備:この乾板200と同寸法に焼
き付けた陽画200’を作製する。乾板200の代わり
にリバーサルフイルムを用いれば、これを現像するだけ
でも構わない。
【0009】再生:陽画200’を元の乾板200の
位置に正確に置き、図9に示すように、陽画200’の
背面側から照明して、ハエの目レンズ100を通して観
察すると、光線は撮影時と逆の経路を辿って再生され
る。このため、撮影時と同じ位置に被写体の空中像A,
Bが再生される。尚、この図9では光線の経路を模式的
に簡略化して示している。
【0010】尚、このままでは凹凸が逆の逆視像が見え
てしまう。このため、凹凸を正常に戻す場合は、一度再
生された空中像をもう一度この方式で撮影し直すなどの
工夫が必要となる。
【0011】尚、以上の説明では、一例として、ハエの
目レンズとして球面の2次元レンズアレイ100をもっ
て示している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このイ
ンテグラル・フォトグラフィーは本来優れた方法である
にもかかわらず、現在まで実用化には至っていない。こ
れは逆視像の問題もさることながら、以下の条件を同時
に満たすハエの目レンズが存在しなかったことによると
ころが大きい。
【0013】条件1:結像性能が良好であるか 条件2:十分な明るさとコントラストの像が得られるか このような条件に対し、今日まで報告されてきたインテ
グラル方式用のハエの目レンズには、以下のような問題
があった。
【0014】まず、各レンズ要素が有する収差によ
り、空中像に悪影響を与えていた。特に、色収差が生じ
ている場合では、色収差によるボケ・色にじみが2次元
平面内だけでなく奥行き方向にも及ぶため、解像力が著
しく低下するという問題があった。また、他の収差によ
って、空中像が鮮明に見えないといった問題も生じる。
【0015】また、観察位置から空中像を観察した場
合、空中像の背後に陽画を照らす光源が存在することに
なる。ここで、レンズアレイと空中像の両方にピントが
あってしまうような場合には、空中像のコントラストが
低下したり、観察しづらいなどの問題が生じることがあ
る。
【0016】そして、上述したようなレンズアレイが
平面であるため、周縁部から空中像までの光線が、アレ
イ平面の法線に対して大きな角度を持つことになる。こ
のため、光量の低下や収差の増大などの問題をもたら
し、鮮明な空中像の形成を妨げていた。
【0017】また、3次元画像表示装置は種々の環境
下で用いられるにもかかわらず、環境の変化、特に温度
の変化に対して結像性能が劣化しないようにするための
配慮は一切なされていなかった。
【0018】本発明は上述の課題を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、ハエの目レンズに要求
される各条件を同時に満たす新しい手法を提案すること
により、製作が容易であって、鮮明な3次元の空中像
を、観察し易い状態で表示することが可能な3次元画像
表示装置を実現することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本件出願の発明者は、従
来提案されているインテグラル方式における各種の問題
点を改良すべく鋭意研究を行った結果、レンズ要素に適
した材料を選択すること、及び、鮮明な3次元の空中像
を形成するに適したレンズアレイと空中像との位置、並
びに、鮮明な3次元の空中像を形成するに適したレンズ
アレイの形状、を工夫すること、更に、環境の変化に対
応して結像性能を維持可能なように工夫することで各種
問題点を解決可能なことを新たに見出し、以下に説明す
る本発明を完成させたものである。
【0020】従って、課題を解決するための発明は、具
体的には以下に示すようなものである。 (1)請求項1記載の発明は、複数のレンズ要素が2次
元的に配置されたレンズアレイと、このレンズアレイを
構成する個々のレンズ要素に対応して再生像の微小倒立
像若しくはフーリエ変換像が記録若しくは表示されてい
る原画とにより、原画に対応した空中像を形成する3次
元画像表示装置であって、前記レンズ要素毎に屈折率が
均一であり、アッベ数νd が28以上のレンズ材料を用
いてレンズ要素を構成したことを特徴とする3次元画像
表示装置である。
【0021】ここで、微小倒立像とは、レンズアレイを
構成する個々のレンズ要素によってそれぞれ生成された
像である。更に詳しくは、レンズアレイの、被写体また
は再生像の共役位置に形成される像である。記録を行う
場合には、この共役位置に記録材料を置く。また、再生
する場合にも、共役位置に原画を置く。尚、原画は計算
により作成することも可能である。
【0022】また、フーリエ変換像とは、被写体または
再生像の位置に係わらず、レンズアレイの焦点面におい
て形成される像である。記録する場合には、焦点面に記
録材料を置く。また、再生する場合にも焦点位置に原画
を置く。原画は計算により作成することも可能である。
【0023】そして、アッベ数νd とは、光学材料など
の透明媒質の光の分散に関する性質を表す数である。C
線,d線,F線に対する屈折率をそれぞれnC ,nd ,
nFとした場合、νd =(nd −1)/(nF −nC )
で定義される。
【0024】このような3次元画像表示装置によれば、
原画を作成した際の被写体に対応した空中像を3次元像
として形成することができる。そして、レンズ要素毎に
屈折率が均一であってアッベ数νd が28以上のレンズ
材料を用いてレンズ要素を構成したことにより、波長毎
の分散の違いが小さくなるため色収差を抑えることが可
能になり、鮮明な3次元の空中像の表示を行うことが可
能になる。
【0025】(2)請求項2記載の発明は、請求項1記
載の3次元画像表示装置のレンズ材料が光学樹脂である
ことを特徴とする3次元画像表示装置である。ここで、
光学樹脂とは、無色,透明な合成樹脂のことである。こ
のような3次元画像表示装置によれば、原画を作成した
際の被写体に対応した空中像を3次元像として形成する
ことができ、そして、レンズ材料として光学樹脂を用い
たことにより、成形によるレンズアレイの大量生産が可
能になり製造コストを低減することが可能になる。
【0026】(3)請求項3記載の発明は、請求項1又
は2記載の3次元画像表示装置のレンズ要素の少なくと
も一つの面を非球面としたことを特徴とする3次元画像
表示装置である。
【0027】このような3次元画像表示装置によれば、
原画を作成した際の被写体に対応した空中像を3次元像
として形成することができ、そして、レンズ要素の少な
くとも一つの面に非球面を用いたことにより、各種収差
を小さくすることができ、空中像のコントラストが低下
や観察しづらいといった問題を防止することができ、鮮
明な3次元の空中像の表示を行うことが可能になる。
【0028】(4)請求項4記載の発明は、複数のレン
ズ要素が2次元的に配置されたレンズアレイと、このレ
ンズアレイを構成する個々のレンズ要素に対応して再生
像の微小倒立像若しくはフーリエ変換像が記録若しくは
表示されている原画とにより、原画に対応した空中像を
形成する3次元画像表示装置であって、レンズアレイか
ら空中像までの距離をa[m]、空中像から観察位置ま
での距離をb[m]、レンズアレイの視度DL について
DL =−1/(a+b)、空中像の視度DI についてD
I =−1/b、としたとき、視度差|DL −DI |が |DL −DI |>0.6 なる条件を満足することを特徴とする3次元画像表示装
置である。
【0029】ここで、微小倒立像とは、レンズアレイを
構成する個々のレンズ要素によってそれぞれ生成された
像である。更に詳しくは、レンズアレイの、被写体また
は再生像の共役位置に形成される像である。記録を行う
場合には、この共役位置に記録材料を置く。また、再生
する場合にも、共役位置に原画を置く。尚、原画は計算
により作成することも可能である。
【0030】また、フーリエ変換像とは、被写体または
再生像の位置に係わらず、レンズアレイの焦点面におい
て形成される像である。記録する場合には、焦点面に記
録材料を置く。また、再生する場合にも焦点位置に原画
を置く。原画は計算により作成することも可能である。
【0031】このような3次元画像表示装置によれば、
原画を作成した際の被写体に対応した空中像を3次元像
として形成することができる。そして、視度差|DL −
DI |が0.6より大きくなる条件を満足する構成とし
たことにより、観察者の焦点深度の0.6より上記視度
差が大きくなって、空中像と背景とを別々に視認できる
ようになる結果、3次元の空中像を観察し易い状態で表
示することが可能になる。
【0032】すなわち、空中像の奥に発光物体(光源に
より照射されている原画)の背景が存在していても、空
中像の視認性を損なわない環境を保つことが可能にな
り、3次元の空中像を観察し易い状態で表示することが
可能になる。
【0033】(5)請求項5記載の発明は、複数のレン
ズ要素が2次元的に配置されたレンズアレイと、このレ
ンズアレイを構成する個々のレンズ要素に対応して再生
像の微小倒立像若しくはフーリエ変換像が記録若しくは
表示されている原画とにより、原画に対応した空中像を
形成する3次元画像表示装置であって、レンズアレイ周
縁部で空中像の形成に寄与する光線の屈折角θについて θ<30° レンズアレイを構成するレンズ要素のFナンバについて F>4 なる条件を満足することを特徴とする3次元画像表示装
置。
【0034】ことを特徴とする3次元画像表示装置であ
る。このような3次元画像表示装置によれば、原画を作
成した際の被写体に対応した空中像を3次元像として形
成することができる。
【0035】そして、レンズアレイ周縁部で空中像の形
成に寄与する光線の屈折角θについて、θ<30°の条
件を満足する構成としたことにより、レンズアレイ周縁
部のレンズ要素でも屈折角を小さく保つことが可能であ
り、非点収差やコマ収差の影響がなくなり、結像性能を
悪化させない環境を保つことができる。更に、レンズア
レイを構成するレンズ要素のFナンバについて、F>4
の条件を満足する構成としたことにより、球面収差を小
さく抑えることが可能になる。これにより、レンズアレ
イの結像性能の悪化を防止でき、鮮明な3次元の空中像
を表示することが可能になる。
【0036】(6)請求項6記載の発明は、複数のレン
ズ要素が2次元的に配置されたレンズアレイと、このレ
ンズアレイを構成する個々のレンズ要素に対応して再生
像の微小倒立像若しくはフーリエ変換像が記録若しくは
表示されている原画とにより、原画に対応した空中像を
形成する3次元画像表示装置であって、レンズアレイ周
縁部で空中像の形成に寄与する光線の屈折角θ1 につい
て、レンズアレイが平面であるときの屈折角をθ0 とし
た場合、 θ1 <θ0 なる条件を満足するように、前記レンズアレイを曲面で
構成したことを特徴とする3次元画像表示装置である。
【0037】この曲面としては、放物面の一部、円筒面
の一部、球面の一部など、平面以外の各種の面が該当す
る。このような3次元画像表示装置によれば、原画を作
成した際の被写体に対応した空中像を3次元像として形
成することができる。
【0038】そして、レンズアレイ周縁部で空中像の形
成に寄与する光線の屈折角θについて、θ1 <θ0 の条
件を満足する構成としたことにより、レンズアレイ周縁
部のレンズ要素でも屈折角を小さく保つことが可能であ
り、非点収差やコマ収差の影響がなくなり、結像性能を
悪化させない環境を保つことができる。これにより、レ
ンズアレイの結像性能の悪化を防止でき、鮮明な3次元
の空中像を表示することが可能になる。
【0039】(7)請求項7記載の発明は、複数のレン
ズ要素が2次元的に配置されたレンズアレイと、このレ
ンズアレイを構成する個々のレンズ要素に対応して再生
像の微小倒立像若しくはフーリエ変換像が記録若しくは
表示されている原画とにより、原画に対応した空中像を
形成する3次元画像表示装置であって、レンズアレイ周
縁部で空中像の形成に寄与する光線の屈折角θ1 につい
て、レンズアレイが平面であるときの屈折角をθ0 とし
た場合、 θ1 <θ0 なる条件を満足するように、前記レンズアレイを円筒面
若しくは球面で構成したことを特徴とする3次元画像表
示装置である。
【0040】このような3次元画像表示装置によれば、
原画を作成した際の被写体に対応した空中像を3次元像
として形成することができる。そして、レンズアレイ周
縁部で空中像の形成に寄与する光線の屈折角θについ
て、θ1 <θ0 の条件を満足する構成としたことによ
り、レンズアレイ周縁部のレンズ要素でも屈折角を小さ
く保つことが可能であり、非点収差やコマ収差の影響が
なくなり、結像性能を悪化させない環境を保つことがで
きる。
【0041】これにより、レンズアレイの結像性能の悪
化を防止でき、鮮明な3次元の空中像を表示することが
可能になる。また、円筒面または球面を用いたことで、
製造も容易に行えるようになる。
【0042】(8)請求項8記載の発明は、請求項7記
載の3次元画像表示装置において、円筒面若しくは球面
で構成された前記レンズアレイの曲率半径をR、レンズ
アレイの中心部から空中像までの距離をaとした場合、 R≧a なる条件を満足することを特徴とする3次元画像表示装
置である。
【0043】このような3次元画像表示装置によれば、
原画を作成した際の被写体に対応した空中像を3次元像
として形成することができ、そして、レンズアレイの曲
率半径Rを、レンズアレイの中心部から空中像までの距
離a以上になるように定めたことにより、レンズアレイ
周縁部のレンズ要素でも屈折角を小さく保つことが可能
であり、非点収差やコマ収差の影響がなくなり、結像性
能を悪化させない環境を保つことができる。
【0044】すなわち、レンズアレイの曲率半径Rをレ
ンズアレイから空中像までの距離a以上に定めているた
め、レンズアレイの曲面が空中像を形成するに適した状
態になる。これにより、レンズアレイの結像性能の悪化
を防止でき、鮮明な3次元の空中像を表示することが可
能になる。
【0045】(9)請求項9記載の発明は、複数のレン
ズ要素が2次元的に配置されたレンズアレイと、このレ
ンズアレイを構成する個々のレンズ要素に対応して再生
像の微小倒立像若しくはフーリエ変換像が記録若しくは
表示されている原画とにより、原画に対応した空中像を
形成する3次元画像表示装置であって、レンズアレイの
熱線膨張係数と原画を構成する主材料の熱線膨張係数と
が略等しくなるように構成したことを特徴とする3次元
画像表示装置である。
【0046】このような3次元画像表示装置によれば、
環境温度変化に起因する線熱膨張がレンズアレイと原画
とで略等しくなるため、レンズアレイの個々のレンズ要
素と原画との対応関係が保たれた状態を維持できる。従
って、空中像のボケ量を小さく保つことが可能になり、
鮮明な3次元の空中像を表示することが可能になる。
【0047】(10)請求項10記載の発明は、複数の
レンズ要素が2次元的に配置されたレンズアレイと、こ
のレンズアレイを構成する個々のレンズ要素に対応して
再生像の微小倒立像若しくはフーリエ変換像が記録若し
くは表示されている原画とにより、原画に対応した空中
像を形成する3次元画像表示装置であって、レンズアレ
イの熱線膨張係数aL と原画を構成する主材料の熱線膨
張係数aF とが、 |aL −aF |<δx/(10L) 但し、 δx=(f(1+1/M)・d・tan α)/t ここで、fはレンズアレイの各レンズ要素の焦点距離、
tはレンズアレイの各レンズ要素の空中像側主平面から
空中像までの距離、Mは再生時の結像倍率(尚、M>
0)、Lはレンズアレイの最大長、dは視点から空中像
までの距離、αは目がボケを認識可能な解像角、なる条
件を満足するように構成したことを特徴とする3次元画
像表示装置である。
【0048】このような3次元画像表示装置によれば、
環境温度変化に起因する線熱膨張がレンズアレイと原画
とで略等しくなるため、レンズアレイの個々のレンズ要
素と原画との対応関係が保たれた状態を維持できる。
【0049】そして、レンズアレイの最大長L全体にお
いて、温度変化によって生じるボケ量δxが、観察者の
目がボケを認識可能な解像角αより小さくなるため、空
中像のボケ量を許容範囲より小さく保つことが可能にな
り、鮮明な3次元の空中像を表示することが可能にな
る。
【0050】(11)請求項11記載の発明は、複数の
レンズ要素が2次元的に配置されたレンズアレイと、こ
のレンズアレイを構成する個々のレンズ要素に対応して
再生像の微小倒立像若しくはフーリエ変換像が記録若し
くは表示されている原画とにより、原画に対応した空中
像を形成する3次元画像表示装置であって、レンズアレ
イの熱線膨張係数aL と原画を構成する主材料の熱線膨
張係数aF とが、 |aL −aF |<δx/(10Lc ) 但し、 δx=(f(1+1/M)・d・tan α)/t ここで、fはレンズアレイの各レンズ要素の焦点距離、
Mは再生時の結像倍率(尚、M>0)、Lc はレンズア
レイの最大長の1/3の長さ、dは視点から空中像まで
の距離、αは目がボケを認識可能な解像角、なる条件を
満足するように構成したことを特徴とする3次元画像表
示装置である。
【0051】このような3次元画像表示装置によれば、
環境温度変化に起因する線熱膨張がレンズアレイと原画
とで略等しくなるため、レンズアレイの個々のレンズ要
素と原画との対応関係が保たれた状態を維持できる。
【0052】そして、レンズアレイの最大長Lの少なく
とも1/3の範囲(例えば、中央部付近)において、温
度変化によって生じるボケ量δxが、観察者の目がボケ
を認識可能な解像角αより小さくなるため、空中像のボ
ケ量を許容範囲より小さく保つことが可能になり、鮮明
な3次元の空中像を表示することが可能になる。
【0053】
【発明の実施の形態】本発明は、インテグラル・フォト
グラフィーに用いるハエの目レンズとして、 レンズ要素に適した材料を選択すること、 鮮明な3次元の空中像を形成するに適したレンズアレ
イと空中像との配置、 鮮明な3次元の空中像を形成するに適したレンズアレ
イの形状、 鮮明な3次元の空中像を形成するに適した熱線膨張係
数の材料の選択、 についての最適な条件,関係を定めたことを特徴として
いる。
【0054】以下、それぞれの特徴を各実施の形態例に
沿って説明を行う。 <第1の実施の形態例>図1はレンズアレイの断面と空
中像並びに観察者の視点の様子を模式的に示す説明図で
ある。
【0055】尚、この図1では説明を簡単にするため縦
方向に7個のレンズ要素からなるレンズアレイ10を示
しているが、実際のレンズアレイは更に多数のレンズ要
素が紙面垂直方向も含めて2次元的に配置される。
【0056】また、レンズアレイ10の背面(視点50
の反対側)には原画20が配置されており、この原画2
0にはレンズアレイを構成する個々のレンズ要素に対応
して再生像(再生すべき空中像)の微小倒立像若しくは
フーリエ変換像が記録若しくは表示されている。
【0057】そして、原画20の背面には光源30が配
置されており、視点50から見て背面より原画20を均
一に照射して、視点50側の所定の位置に3次元の空中
像40を形成せしめる。
【0058】尚、図1の例ではレンズアレイ10の凸面
が視点側に向けているが、非球面等を用いて収差を補正
することで逆に向けることも可能である。ここで、図1
(a)は本実施の形態例により色収差のない空中像を形
成した場合を示しており、図1(b)は色収差を有する
レンズアレイを用いて空中像を形成した場合を示してい
る。
【0059】図1(b)に示したように、アッベ数νd
が28未満のレンズ材料を用いた場合には大きな色収差
が発生するため、空中像が不鮮明になる。この場合、2
次元の画像を形成する写真機や映写機などとは異なり、
3次元の空中像を形成するため、色収差によるボケや色
にじみが2次元平面内だけでなく奥行き方向にも及ぶた
め、解像力が著しく低下するという3次元画像表示装置
特有の問題が発生することを本件出願の発明者は見出し
た。
【0060】尚、通常の写真レンズにおいては、絞り径
を小さくすることによって色収差を軽減できることが知
られている。この場合、絞りを小さくしても画像の大き
さには変化は生じない。すなわち、画像の大きさが変わ
らないように絞りの位置が設定されている。
【0061】しかし、インテグラル・フォトグラフィー
のハエの目レンズの場合には、以上のような位置に絞り
を置くことは困難である。仮に配列要素を用いて適当な
位置に絞りを置けたとしても、像が暗くなって好ましく
ない。
【0062】また、絞りを用いずに光束を制限し、かつ
明るさを保つには、隣り合うレンズとの間隔を詰めるよ
うにすればよい。しかし、このようにした場合には、元
画像の大きさが制限されてしまうため、好ましくない。
【0063】以上のような理由により、均質材料の凸レ
ンズによるハエの目レンズでは、絞りによる色収差の軽
減は困難である。このような場合に、アッベ数の規定に
よる色収差の軽減が特に有効であることが発明者の研究
によって見出された。
【0064】そこで、本実施の形態例では、アッベ数ν
d が所定の値以上のレンズ材料を用いて、屈折率が均一
なレンズ要素を構成する。このような材料によりレンズ
を構成したことにより、実質的に色収差を抑えることが
可能になる。従って、ずれることのない鮮明な3次元の
空中像の表示を行うことが可能になる。
【0065】そして、このような問題を解決するには、
アッベ数νd が28以上あれば十分であることを本件出
願の発明者は見出した。この条件を満たすレンズ材料と
しては、例えば、ポリカーボネート(PC:νd =3
0)、ポリメチルメタクリレート(PMMA:νd =5
8)、ARTON(νd =57、日本合成ゴム株式会社
の光学樹脂の商品名)等が知られている。
【0066】以上説明したように、アッベ数νd が28
以上のレンズ材料を用いて3次元画像表示装置のレンズ
アレイを構成することにより、原画に忠実で鮮明な3次
元の空中像の表示を行うことが可能になる。
【0067】尚、この実施の形態例では、3次元画像表
示装置のレンズ材料として光学樹脂を用いることにして
いる。尚、光学樹脂とは、無色,透明な合成樹脂のこと
である。このように、光学樹脂によってレンズアレイ1
0を形成することで、成形によるレンズアレイ10の量
産が可能になって、製造が容易になるという利点を有す
る。
【0068】以上説明したように、光学樹脂によるアッ
ベ数νd が28以上のレンズ材料を用いて3次元画像表
示装置のレンズアレイを構成することにより、製造が容
易で原画に忠実で鮮明な3次元の空中像の表示を行うこ
とが可能になる。
【0069】また、以上の実施の形態例で示したアッベ
数νd が28以上の物質としては、上述した物質以外で
あってもアッベ数νd の条件を満たす材料は使用可能で
ある。例えば、ジエチレングリコールビスアリルカーボ
ネート(CR−39:商品名,νd =58)、ジアリル
イソフタレート(DAI:化学名の略称,νd =3
5)、シアリルテレフタレート(DAT:化学名の略
称,νd =35)等が挙げられる。
【0070】また、この実施の形態例では、3次元画像
表示装置のレンズアレイ10の少なくとも一方のレンズ
面を非球面としたところ、球面収差を始めとする各種収
差を良好に補正することができ、結果として鮮明な3次
元の空中像を形成することができた。
【0071】特に、各種収差が残存している場合には、
3次元の空中像が鮮明でなくなるという問題が生じるこ
とを新たに見出し、かつ、非球面を用いることでそのよ
うな問題を回避できることも新たに見出した。
【0072】以上説明したように、アッベ数νd が28
以上のレンズ材料を用いて非球面のレンズアレイを構成
することにより、原画に忠実で鮮明な3次元の空中像の
表示を行うことが可能になる。
【0073】<第2の実施の形態例>図2はレンズアレ
イの断面と空中像並びに観察者の視点の位置関係の様子
を模式的に示す説明図である。
【0074】尚、この図2では説明を簡単にするため縦
方向に7個のレンズ要素からなるレンズアレイ10を示
しているが、実際のレンズアレイは更に多数のレンズ要
素が紙面垂直方向も含めて2次元的に配置される。
【0075】また、レンズアレイ10の背面(視点50
の反対側)には原画20が配置されており、この原画2
0にはレンズアレイを構成する個々のレンズ要素に対応
して再生像(再生すべき空中像)の微小倒立像若しくは
フーリエ変換像が記録若しくは表示されている。
【0076】そして、原画20の背面には光源30が配
置されており、視点50から見て背面より原画20を均
一に照射して、視点50側の所定の位置に3次元の空中
像40を形成せしめる。
【0077】尚、図2の例ではレンズアレイ10の凸面
が視点側に向けているが、非球面等を用いて収差を補正
することで逆に向けることも可能である。ここで、原画
20から空中像40までの距離をa[m]、空中像40
から視点50までの距離をb[m]とする。この場合、
レンズアレイの視度DL はDL =−1/(a+b)、空
中像の視度DI はDI =−1/b、と表すことができ
る。
【0078】このような配置の3次元画像表示装置にお
いて、観察者は空中像40の奥(同一方向)に光源30
により照射されている原画20及びレンズアレイ10を
見ていることになる。この場合に、視点50と空中像4
0と原画20及びレンズアレイ10との位置関係によっ
ては、空中像40を視認しづらいという3次元画像表示
装置特有の問題が発生することを本件出願の発明者は見
出した。
【0079】そして、このような視認しずらくなる問題
を解決するための最適な位置関係をも新たに見出した。
すなわち、上述したレンズアレイの視度DL と空中像の
視度DI との関係における視度差|DL −DI |につい
て、 |DL −DI |>0.6 なる条件を満足することで、空中像40の奥に発光物体
(光源30により照射されている原画20及びレンズア
レイ10)が存在していても、視認性を損なわない環境
を保つことが可能になる。
【0080】尚、ここで、この視度差について説明を行
う。観察者の目の焦点深度ΔD[ディオプター]は、瞳
孔径をr[mm]、網膜上の解像力をε[mm]、目の屈折
力をD[ディオプター]として、 ΔD=(ε/r)D で与えられる。
【0081】尚、このことは応用物理学会光学懇話会編
「生理光学」(1975年,株式会社朝倉書店発行)の
第214頁に記載されている。ここで、 D=60[ディオプター]、 r=1.5〜8.0[mm]、 ε=0.015[mm] である。すなわち、r=1.5[mm]のとき、ΔDは最
大値の0.6になる。
【0082】尚、以上のD,r,εについては応用物理
学会光学懇話会編「生理光学」(1975年株式会社朝
倉書店発行)の第40頁、同第55頁、畑田豊彦著「見
るしくみ」(MEDICAL IMAGING TECHNOLOGY,Vol.12, N
o.4, July, 1994)の第312頁にそれぞれ記載されて
いる。
【0083】従って、空中像の視度差|DL −DI |を
0.6より大きくしておけば、観察者の目の焦点は空中
像のみに合うようになることを、発明者が新たに見出し
た。この結果、空中像を観察している場合には背景のレ
ンズアレイの細かな様子は把握できなくなり、煩わしさ
を感じることがなくなって鮮明な3次元の空中像が得ら
れる。
【0084】このように、視度差|DL −DI |が0.
6より大きくなる条件を満足する構成としたことによ
り、観察者の焦点深度の0.6より上記視度差が大きく
なって、空中像と背景とを別々に視認できるようになる
結果、3次元の空中像を観察し易い状態で表示すること
が可能になる。
【0085】すなわち、空中像の奥に発光物体(光源に
より照射されている原画20及びレンズアレイ10)の
背景が存在していても、空中像の視認性を損なわない環
境を保つことが可能になり、3次元の空中像を観察し易
い状態で表示することが可能になる。
【0086】例えば、a=1[m]に設計されている3
次元画像表示装置の場合には、空中像40から視点50
までの距離bを0.88[m]未満とすることで、この
条件を満たして視認性を損なわない環境を保つことが可
能になる。すなわち、空中像40を形成する距離aと、
その空中像40からbの距離未満にある適正な観察すべ
き位置とを定めることで、良好な3次元画像の空中像が
鮮明な状態で観察可能になる。
【0087】<第3の実施の形態例>図3はレンズアレ
イの断面と空中像並びに観察者の視点の位置関係の様
子、並びにレンズアレイ周縁部で空中像の形成に寄与す
る光線の屈折角θの様子を模式的に示す説明図である。
【0088】尚、この図3では説明を簡単にするため縦
方向に7個のレンズ要素からなるレンズアレイ10を示
しているが、実際のレンズアレイは更に多数のレンズ要
素が紙面垂直方向も含めて2次元的に配置される。
【0089】また、レンズアレイ10の背面(視点50
の反対側)には原画20が配置されており、この原画2
0にはレンズアレイを構成する個々のレンズ要素に対応
して再生像(再生すべき空中像)の微小倒立像若しくは
フーリエ変換像が記録若しくは表示されている。
【0090】そして、原画20の背面には光源30が配
置されており、視点50から見て背面より原画20を均
一に照射して、視点50側の所定の位置に3次元の空中
像40を形成せしめる。
【0091】尚、図3の例ではレンズアレイ10の凸面
が視点側に向けているが、非球面等を用いて収差を補正
することで逆に向けることも可能である。このような配
置の3次元画像表示装置において、レンズアレイ周縁部
で空中像40の形成に寄与する光線の屈折角が大きくな
るため、コマ収差や非点収差の影響が無視できなくなっ
て結像性能が悪化するという3次元画像表示装置特有の
問題が発生することを本件出願の発明者は見出した。
【0092】更に、レンズアレイを構成するレンズ要素
のFナンバが小さい場合にも、レンズ要素の残存収差が
存在する場合に、空中像の形成にそれらの収差の影響が
無視できなくなるといった3次元画像表示装置特有の問
題が発生することを本件出願の発明者は見出した。
【0093】そして、このような問題の存在と共に、こ
れらを解決するための最適な光線の関係をも新たに見出
した。すなわち、レンズアレイ10周縁部で空中像40
の形成に寄与する光線の屈折角θについて、 θ<30° なる条件を満足することで、レンズアレイ周縁部のレン
ズ要素でも屈折角を小さく保つことが可能であり、非点
収差やコマ収差の影響がなくなり、結像性能を悪化させ
ない環境を保つことができる。
【0094】すなわち、レンズアレイ周縁部で空中像4
0の形成に寄与する光線の屈折角θについて、θ<30
°の条件を満足する構成としたことにより、レンズアレ
イ周縁部の結像性能の劣化を抑えることができるように
なる。
【0095】そして、レンズアレイを構成するレンズ要
素のFナンバについて、 F>4 なる条件を満足することで、レンズ要素に残存収差が存
在する場合にも、空中像の形成にそれらの収差の影響を
無視できる環境を保つことが可能になる。
【0096】すなわち、レンズアレイを構成するレンズ
要素のFナンバについて、F>4の条件を満足する構成
としたことにより、球面収差を始めとした各種収差を小
さく抑えることが可能になる。
【0097】これにより、レンズアレイの結像性能の悪
化を防止でき、鮮明な3次元の空中像を表示することが
可能になる。 <第4の実施の形態例>図4はレンズアレイの断面と空
中像並びに観察者の視点の位置関係の様子を模式的に示
す説明図である。
【0098】尚、この図4では説明を簡単にするため縦
方向に7個のレンズ要素からなるレンズアレイ10を示
しているが、実際のレンズアレイは更に多数のレンズ要
素が紙面垂直方向も含めて2次元的に配置される。
【0099】また、レンズアレイ10の背面(視点50
の反対側)には原画20が配置されており、この原画2
0にはレンズアレイを構成する個々のレンズ要素に対応
して再生像(再生すべき空中像)の微小倒立像若しくは
フーリエ変換像が記録若しくは表示されている。
【0100】そして、原画20の背面には光源30が配
置されており、視点50から見て背面より原画20を均
一に照射して、視点50側の所定の位置に3次元の空中
像40を形成せしめる。
【0101】尚、図4の例ではレンズアレイ10の凸面
が視点側に向けているが、非球面等を用いて収差を補正
することで逆に向けることも可能である。このような配
置の3次元画像表示装置において、レンズアレイ周縁部
で空中像40の形成に寄与する光線の屈折角が大きくな
るため、コマ収差や非点収差の影響が無視できなくなっ
て結像性能が悪化するという3次元画像表示装置特有の
問題が発生することを本件出願の発明者は見出した。
【0102】更に、レンズアレイを構成するレンズ要素
のFナンバが小さい場合にも、レンズ要素の残存収差が
存在する場合に、空中像の形成にそれらの収差の影響が
無視できなくなるといった3次元画像表示装置特有の問
題が発生することを本件出願の発明者は見出した。
【0103】そして、このような問題の存在と共に、こ
れらを解決するための最適な光線の関係をも新たに見出
した。すなわち、レンズアレイ周縁部で空中像40の形
成に寄与する光線の屈折角θ1 について、レンズアレイ
が平面であるときの屈折角をθ0 とした場合、 θ1 <θ0 なる条件を満足することで、レンズアレイ周縁部のレン
ズ要素でも屈折角を小さく保つことが可能であり、非点
収差やコマ収差の影響がなくなり、結像性能を悪化させ
ない環境を保つことができる。
【0104】これにより、レンズアレイの結像性能の悪
化を防止でき、鮮明な3次元の空中像を表示することが
可能になる。尚、このような構成を実現する場合におい
て、レンズアレイ10,原画20及び光源30を、曲面
で構成すればよい。この曲面としては、放物面の一部、
円筒面の一部、球面の一部であればよい。但し、円筒面
の一部や球面の一部とすることで、容易に製造できて好
ましい。
【0105】<第5の実施の形態例>図5はレンズアレ
イの断面と空中像並びに観察者の視点の位置関係の様子
を模式的に示す説明図である。
【0106】尚、この図5では説明を簡単にするため縦
方向に7個のレンズ要素からなるレンズアレイ10を示
しているが、実際のレンズアレイは更に多数のレンズ要
素が紙面垂直方向も含めて2次元的に配置される。
【0107】また、レンズアレイ10の背面(視点50
の反対側)には原画20が配置されており、この原画2
0にはレンズアレイを構成する個々のレンズ要素に対応
して再生像(再生すべき空中像)の微小倒立像若しくは
フーリエ変換像が記録若しくは表示されている。
【0108】そして、原画20の背面には光源30が配
置されており、視点50から見て背面より原画20を均
一に照射して、視点50側の所定の位置に3次元の空中
像40を形成せしめる。
【0109】尚、図5の例ではレンズアレイ10の凸面
が視点側に向けているが、非球面等を用いて収差を補正
することで逆に向けることも可能である。このような配
置の3次元画像表示装置において、レンズアレイ周縁部
で空中像40の形成に寄与する光線の屈折角が大きくな
るため、コマ収差や非点収差の影響が無視できなくなっ
て結像性能が悪化するという3次元画像表示装置特有の
問題が発生することを本件出願の発明者は見出した。
【0110】そして、このような問題の存在と共に、こ
れらを解決するための最適な光線の関係をも新たに見出
した。すなわち、レンズアレイ10,原画20及び光源
30を、曲面(放物面の一部、円筒面の一部、球面の一
部)で構成すると共に、レンズアレイ周縁部で空中像4
0の形成に寄与する光線の屈折角θ1 について、円筒面
若しくは球面で構成された前記レンズアレイの曲率半径
をR、レンズアレイの中心部から空中像までの距離をa
とした場合、 R≧a なる条件を満足するように構成する。
【0111】このように構成することで、レンズアレイ
周縁部のレンズ要素でも屈折角を小さく保つことが可能
であり、非点収差やコマ収差の影響がなくなり、結像性
能を悪化させない環境を保つことができる。
【0112】そして、レンズアレイの曲率半径Rを、レ
ンズアレイの中心部から空中像までの距離a以上になる
ように定めたことにより、レンズアレイ周縁部のレンズ
要素と中心のレンズ要素とで大きな違いが無い状態で空
中像に対して光線を出射することができる。すなわち、
レンズアレイの曲率半径Rをレンズアレイから空中像ま
での距離a以上に定めているため、レンズアレイの曲面
が空中像を形成するに適した状態になる。
【0113】これにより、レンズアレイの結像性能の悪
化を防止でき、鮮明な3次元の空中像を表示することが
可能になる。この場合、R=aのときに、前述したθ1
=0となるため、レンズアレイ周縁部のレンズ要素でも
屈折角を0に保つことが可能であり、レンズアレイ周縁
部のレンズ要素と中心のレンズ要素との屈折角の違いが
全く無い状態で空中像に対して光線を出射することがで
き、最大の効果が得られる。また、R<aとなると、屈
折角θ1 の向きが逆になり、逆効果になるため好ましく
ない。
【0114】尚、このような構成において、レンズアレ
イ10,原画20及び光源30は、放物面の一部、円筒
面の一部、球面の一部であればよい。但し、製造する上
では、円筒面の一部や球面の一部であることが好まし
い。
【0115】<第6の実施の形態例>図6はレンズアレ
イ10の熱線膨張係数aL と原画20の熱線膨張係数a
F との違いにより、レンズアレイ10と原画20とにズ
レが生じた時に発生する空中像40のボケ量の様子を模
式的に示す説明図である。
【0116】この図では、双方の熱線膨張係数の差|a
L −aF |によって周縁部でδxの伸び量の差が生じて
いる場合を例示している。、このδxにより、レンズア
レイ10の個々のレンズ要素と原画20との間で対応関
係が崩れ、空中像40にΔXのボケが発生することにな
る。
【0117】ここで、fをレンズアレイの焦点距離[m
m]、tをレンズアレイから空中像側主平面から空中像
までの距離[mm]、Mを再生時の結像倍率(尚、M>
0)、Lをレンズアレイの最大長(例えば対角線方向)
[mm]、dを視点から空中像までの距離[mm]、αは観
察者の目がボケを認識可能な解像角[′]、と定義す
る。
【0118】この場合において、上記δxの伸び量の差
が生じている時の空中像40のボケ量ΔXは、 ΔX≒t・(δx/(f(1+(1/M)))) … 但し、フーリエ変換像のときにはM→0、と表すことが
できる。
【0119】尚、一般的にはα=3′であることが知ら
れている。従って、距離d[mm]において許容できる
(気付かない程度の)ボケ量ΔXは、 ΔX=d・tan α=d・tan 3′ … と表すことができる。
【0120】従って、上記及びより、許容される最
大のδxは、 t・(δx/(f(1+(1/M))))=d・tan
3′ 従って、 δx=(f(1+(1/M))・d・tan 3′/t … ここで、環境温度が設定値より±10℃変化したときで
も上記条件を満たすように、熱線膨張係数を求めると、 L・|aL −aF |・10<δx となる。
【0121】すなわち、 |aL −aF |<δx/(10L) … となる。
【0122】このように熱線膨張係数を近づけること、
すなわち、上記式を満たす熱線膨張係数を備えた材料
をレンズアレイ10と原画20とで選択することで、環
境温度の変化によって結像性能の劣化を生じない3次元
画像表示装置を実現することができる。
【0123】尚、上記〜式の説明では、レンズアレ
イ10の対角線の最大長をLとしていたが、レンズアレ
イ10全体ではなく、例えばレンズアレイ10の中央部
分にのみ着目して上記条件を満たすように構成しても構
わない。
【0124】すなわち、レンズアレイ10の中央部(例
えば、全体の1/3程度の領域)が空中像の形成に特に
重要であることに鑑みて、この部分Lc (Lc =L/
3)によって上記式を満たすように構成することも可
能である。
【0125】ここで、上記式において、具体例を用い
て説明を行う。 式の右辺について、f=20[mm]、t=400[m
m]、M=21、L=300[mm]、d=300[mm]
のとき、 |aL −aF |=δx/(10L) であるため、これに上記式を代入し、 δx/(10L) =(f(1+(1/M))・d・tan 3′/(10L・t) =4.6×10-6 … 従って、上記の条件の場合にはの値より|aL −aF
|が小さくなるように材料を選択することで、ボケ量の
許容範囲を満たして鮮明な空中像を形成することが可能
になる。
【0126】例えば、レンズアレイ10の材料としてポ
リメチルメタクリレート(PMMA:aL =7.0×1
-5)、原画20のフィルムのベース材料としてポリエ
チレンテレフタレート(PET:aL =7.0×1
-5)を用いることで、上記及びの条件を満たすこ
とができる。
【0127】以上のように、この実施の形態例のような
3次元画像表示装置によれば、環境温度変化に起因する
線熱膨張がレンズアレイ10と原画40とで略等しくな
るため、レンズアレイ10の個々のレンズ要素と原画と
の対応関係が保たれた状態を維持できる。
【0128】そして、レンズアレイの最大長L全体にお
いて、温度変化によって生じるボケ量δxが、観察者の
目がボケを認識可能な解像角αより小さくなるため、空
中像のボケ量を許容範囲より小さく保つことが可能にな
り、鮮明な3次元の空中像を表示することが可能にな
る。
【0129】
【発明の効果】以上実施の形態例と共に詳細に説明した
ように、この明細書記載の各発明によれば以下のような
効果が得られる。
【0130】(1)請求項1記載の発明では、複数のレ
ンズ要素が2次元的に配置されたレンズアレイと、この
レンズアレイを構成する個々のレンズ要素に対応して再
生像の微小倒立像若しくはフーリエ変換像が記録若しく
は表示されている原画とにより、原画に対応した空中像
を形成する3次元画像表示装置で、レンズ要素毎に屈折
率が均一であってアッベ数νd が28以上のレンズ材料
を用いてレンズ要素を構成したことにより、波長毎の分
散の違いが小さくなるため色収差を抑えることが可能に
なり、鮮明な3次元の空中像の表示を行うことが可能に
なる。
【0131】(2)請求項2記載の発明では、請求項1
記載の3次元画像表示装置のレンズ材料を光学樹脂とし
たことにより、原画を作成した際の被写体に対応した空
中像を3次元像として形成することができ、そして、レ
ンズ材料として光学樹脂を用いたことにより、成形によ
るレンズアレイの大量生産が可能になり製造コストを低
減することが可能になる。
【0132】(3)請求項3記載の発明では、請求項1
又は2のいずれかに記載の3次元画像表示装置のレンズ
要素の少なくとも一つの面を非球面としたことにより、
各種収差を小さくすることができ、空中像のコントラス
トが低下や観察しずらいといった問題を防止することが
でき、鮮明な3次元の空中像の表示を行うことが可能に
なる。
【0133】(4)請求項4記載の発明では、複数のレ
ンズ要素が2次元的に配置されたレンズアレイと、この
レンズアレイを構成する個々のレンズ要素に対応して再
生像の微小倒立像若しくはフーリエ変換像が記録若しく
は表示されている原画とにより、原画に対応した空中像
を形成する3次元画像表示装置であって、レンズアレイ
から空中像までの距離をa[m]、空中像から観察位置
までの距離をb[m]、レンズアレイの視度DL につい
てDL =−1/(a+b)、空中像の視度DIについて
DI =−1/b、としたとき、視度差|DL −DI |>
0.6なる条件を満足するように構成したことにより、
観察者の焦点深度の0.6より上記視度差が大きくなっ
て、空中像と背景とを別々に視認できるようになる結
果、3次元の空中像を観察し易い状態で表示することが
可能になる。
【0134】すなわち、空中像の奥に発光物体(光源に
より照射されている原画及びレンズアレイ)が存在して
いても、視認性を損なわない環境を保つことが可能にな
り、3次元の空中像を観察し易い状態で表示することが
可能になる。
【0135】(5)請求項5記載の発明では、複数のレ
ンズ要素が2次元的に配置されたレンズアレイと、この
レンズアレイを構成する個々のレンズ要素に対応して再
生像の微小倒立像若しくはフーリエ変換像が記録若しく
は表示されている原画とにより、原画に対応した空中像
を形成する3次元画像表示装置であって、レンズアレイ
周縁部で空中像の形成に寄与する光線の屈折角θについ
て、θ<30°、かつ、レンズアレイを構成するレンズ
要素のFナンバについて、F>4なる条件を満足させる
ことにより、レンズアレイ周縁部のレンズ要素でも屈折
角を小さく保つことが可能であり、更に、球面収差を小
さく抑えることが可能になる。これにより、レンズアレ
イの結像性能の悪化を防止でき、鮮明な3次元の空中像
を表示することが可能になる。
【0136】(6)請求項6記載の発明では、複数のレ
ンズ要素が2次元的に配置されたレンズアレイと、この
レンズアレイを構成する個々のレンズ要素に対応して再
生像の微小倒立像若しくはフーリエ変換像が記録若しく
は表示されている原画とにより、原画に対応した空中像
を形成する3次元画像表示装置で、レンズアレイ周縁部
で空中像の形成に寄与する光線の屈折角θ1 について、
レンズアレイが平面であるときの屈折角をθ0 とした場
合、θ1 <θ0 なる条件を満足するように、前記レンズ
アレイを円筒面若しくは球面で構成したことで、レンズ
アレイ周縁部のレンズ要素でも屈折角を小さく保つこと
が可能になり、非点収差やコマ収差の影響がなくなり、
結像性能を悪化させない環境を保つことができ、レンズ
アレイの結像性能の悪化を防止した鮮明な3次元の空中
像を表示することが可能になる。
【0137】(7)請求項7記載の発明では、複数のレ
ンズ要素が2次元的に配置されたレンズアレイと、この
レンズアレイを構成する個々のレンズ要素に対応して再
生像の微小倒立像若しくはフーリエ変換像が記録若しく
は表示されている原画とにより、原画に対応した空中像
を形成する3次元画像表示装置で、レンズアレイ周縁部
で空中像の形成に寄与する光線の屈折角θ1 について、
レンズアレイが平面であるときの屈折角をθ0 とした場
合、θ1 <θ0 なる条件を満足するように、前記レンズ
アレイを円筒面若しくは球面で構成したことで、レンズ
アレイ周縁部のレンズ要素でも屈折角を小さく保つこと
が可能になり、非点収差やコマ収差の影響がなくなる。
【0138】これにより、レンズアレイの結像性能の悪
化を防止でき、鮮明な3次元の空中像を表示することが
可能になる。また、円筒面または球面を用いたことで、
製造も容易に行えるようになる。
【0139】(8)請求項8記載の発明では、請求項7
記載の3次元画像表示装置において、円筒面若しくは球
面で構成された前記レンズアレイの曲率半径をR、レン
ズアレイの中心部から空中像までの距離をaとした場
合、R≧aなる条件を満足させることで、レンズアレイ
周縁部のレンズ要素でも屈折角を小さく保つことが可能
であり、非点収差やコマ収差の影響がなくなり、結像性
能を悪化させない環境を保つことができる。
【0140】すなわち、レンズアレイの曲率半径Rをレ
ンズアレイから空中像までの距離a以上に定めているた
め、レンズアレイの曲面が空中像を形成するに適した状
態になる。これにより、レンズアレイの結像性能の悪化
を防止でき、鮮明な3次元の空中像を表示することが可
能になる。
【0141】(9)請求項9記載の発明では、環境温度
変化に起因する線熱膨張がレンズアレイと原画とで略等
しくなるようにしているため、レンズアレイの個々のレ
ンズ要素と原画との対応関係が保たれた状態を維持で
き、空中像のボケ量を小さく保つことが可能になり、鮮
明な3次元の空中像を表示することが可能になる。
【0142】(10)請求項10記載の発明では、レン
ズアレイの最大長L全体において、温度変化によって生
じるボケ量δxが、観察者の目がボケを認識可能な解像
角αより小さくなるようにしているため、空中像のボケ
量を許容範囲より小さく保つことが可能になり、レンズ
アレイの個々のレンズ要素と原画との対応関係が保たれ
た状態を維持でき、鮮明な3次元の空中像を表示するこ
とが可能になる。
【0143】(11)請求項11記載の発明では、レン
ズアレイの最大長Lの少なくとも1/3の範囲(例え
ば、中央部付近)において、温度変化によって生じるボ
ケ量δxが、観察者の目がボケを認識可能な解像角αよ
り小さくなるようにしているため、空中像のボケ量を許
容範囲より小さく保つことが可能になり、レンズアレイ
の個々のレンズ要素と原画との対応関係が保たれた状態
を維持でき、鮮明な3次元の空中像を表示することが可
能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるアッベ数νd が2
8以上のレンズ材料を用いた3次元画像表示装置とアッ
ベ数νd が28未満のレンズ材料を用いた3次元画像表
示装置との比較を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態例のレンズアレイの断面と
空中像並びに観察者の視点の位置関係の様子を模式的に
示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態例のレンズアレイの断面と
空中像並びに観察者の視点の位置関係の様子、並びにレ
ンズアレイ周縁部で空中像の形成に寄与する光線の屈折
角θの様子を模式的に示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態例のレンズアレイの断面と
空中像並びに観察者の視点の位置関係の様子を模式的に
示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態例のレンズアレイの断面と
空中像並びに観察者の視点の位置関係の様子を模式的に
示す説明図である。
【図6】本発明の熱線膨張係数に配慮した実施の形態例
の様子を示す説明図である。
【図7】従来の凸レンズを使用した2次元レンズアレイ
の外観構成を示す斜視図である。
【図8】インテグラル・フォトグラフィーの記録を、従
来の凸レンズを使用した2次元レンズアレイによる結像
の様子によって模式的に説明した模式図である。
【図9】インテグラル・フォトグラフィーの再生を、従
来の凸レンズを使用した2次元レンズアレイによる結像
の様子によって模式的に説明した模式図である。
【符号の説明】
10 レンズアレイ 20 原画 30 光源 40 空中像 50 視点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関口 敦史 東京都八王子市石川町2970番地 コニカ株 式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のレンズ要素が2次元的に配置され
    たレンズアレイと、このレンズアレイを構成する個々の
    レンズ要素に対応して再生像の微小倒立像若しくはフー
    リエ変換像が記録若しくは表示されている原画とによ
    り、原画に対応した空中像を形成する3次元画像表示装
    置であって、 前記レンズ要素毎に屈折率が均一であり、アッベ数νd
    が28以上のレンズ材料を用いてレンズ要素を構成した
    ことを特徴とする3次元画像表示装置。
  2. 【請求項2】 前記レンズ材料が光学樹脂であることを
    特徴とする請求項1記載の3次元画像表示装置。
  3. 【請求項3】 前記レンズ要素の少なくとも一つの面が
    非球面であることを特徴とする請求項1又は請求項2の
    いずれかに記載の3次元画像表示装置。
  4. 【請求項4】 複数のレンズ要素が2次元的に配置され
    たレンズアレイと、このレンズアレイを構成する個々の
    レンズ要素に対応して再生像の微小倒立像若しくはフー
    リエ変換像が記録若しくは表示されている原画とによ
    り、原画に対応した空中像を形成する3次元画像表示装
    置であって、 レンズアレイから空中像までの距離をa[m]、 空中像から観察位置までの距離をb[m]、 レンズアレイの視度DL についてDL =−1/(a+
    b)、 空中像の視度DI についてDI =−1/b、としたと
    き、 視度差|DL −DI |が |DL −DI |>0.6 なる条件を満足することを特徴とする3次元画像表示装
    置。
  5. 【請求項5】 複数のレンズ要素が2次元的に配置され
    たレンズアレイと、このレンズアレイを構成する個々の
    レンズ要素に対応して再生像の微小倒立像若しくはフー
    リエ変換像が記録若しくは表示されている原画とによ
    り、原画に対応した空中像を形成する3次元画像表示装
    置であって、 レンズアレイ周縁部で空中像の形成に寄与する光線の屈
    折角θについて θ<30° レンズアレイを構成するレンズ要素のFナンバについて F>4 なる条件を満足することを特徴とする3次元画像表示装
    置。
  6. 【請求項6】 複数のレンズ要素が面を形成するように
    配置されたレンズアレイと、このレンズアレイを構成す
    る個々のレンズ要素に対応して再生像の微小倒立像若し
    くはフーリエ変換像が記録若しくは表示されている原画
    とにより、原画に対応した空中像を形成する3次元画像
    表示装置であって、 レンズアレイ周縁部で空中像の形成に寄与する光線の屈
    折角θ1 について、レンズアレイが平面であるときの屈
    折角をθ0 とした場合、 θ1 <θ0 なる条件を満足するように、前記レンズアレイを曲面で
    構成したことを特徴とする3次元画像表示装置。
  7. 【請求項7】 複数のレンズ要素が面を形成するように
    配置されたレンズアレイと、このレンズアレイを構成す
    る個々のレンズ要素に対応して再生像の微小倒立像若し
    くはフーリエ変換像が記録若しくは表示されている原画
    とにより、原画に対応した空中像を形成する3次元画像
    表示装置であって、 レンズアレイ周縁部で空中像の形成に寄与する光線の屈
    折角θ1 について、レンズアレイが平面であるときの屈
    折角をθ0 とした場合、 θ1 <θ0 なる条件を満足するように、前記レンズアレイを円筒面
    若しくは球面で構成したことを特徴とする3次元画像表
    示装置。
  8. 【請求項8】 円筒面若しくは球面で構成された前記レ
    ンズアレイの曲率半径をR、レンズアレイの中心部から
    空中像までの距離をaとした場合、 R≧a なる条件を満足することを特徴とする請求項6若しくは
    請求項7のいずれかに記載の3次元画像表示装置。
  9. 【請求項9】 複数のレンズ要素が2次元的に配置され
    たレンズアレイと、このレンズアレイを構成する個々の
    レンズ要素に対応して再生像の微小倒立像若しくはフー
    リエ変換像が記録若しくは表示されている原画とによ
    り、原画に対応した空中像を形成する3次元画像表示装
    置であって、 レンズアレイの熱線膨張係数と原画を構成する主材料の
    熱線膨張係数とが略等しくなるように構成したことを特
    徴とする3次元画像表示装置。
  10. 【請求項10】 複数のレンズ要素が2次元的に配置さ
    れたレンズアレイと、このレンズアレイを構成する個々
    のレンズ要素に対応して再生像の微小倒立像若しくはフ
    ーリエ変換像が記録若しくは表示されている原画とによ
    り、原画に対応した空中像を形成する3次元画像表示装
    置であって、 レンズアレイの熱線膨張係数aL と原画を構成する主材
    料の熱線膨張係数aFとが、 |aL −aF |<δx/(10L) 但し、 δx=(f(1+1/M)・d・tan α)/t ここで、 fはレンズアレイの各レンズ要素の焦点距離、 tはレンズアレイの各レンズ要素の空中像側主平面から
    空中像までの距離、 Mは再生時の結像倍率(尚、M>0)、 Lはレンズアレイの最大長、 dは視点から空中像までの距離、 αはボケを認識可能な解像角、 なる条件を満足するように構成したことを特徴とする3
    次元画像表示装置。
  11. 【請求項11】 複数のレンズ要素が2次元的に配置さ
    れたレンズアレイと、このレンズアレイを構成する個々
    のレンズ要素に対応して再生像の微小倒立像若しくはフ
    ーリエ変換像が記録若しくは表示されている原画とによ
    り、原画に対応した空中像を形成する3次元画像表示装
    置であって、 レンズアレイの熱線膨張係数aL と原画を構成する主材
    料の熱線膨張係数aFとが、 |aL −aF |<δx/(10Lc ) 但し、 δx=f(1+1/M)・d・tan α/t ここで、 fはレンズアレイの各レンズ要素の焦点距離、 tはレンズアレイの各レンズ要素の空中像側主平面から
    空中像までの距離、 Mは再生時の結像倍率(尚、M>0)、 Lc はレンズアレイの最大長の1/3の長さ、 dは視点から空中像までの距離、 αはボケを認識可能な解像角、 なる条件を満足するように構成したことを特徴とする3
    次元画像表示装置。
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