JP5462588B2 - 撮像装置における接眼レンズ系、ファインダ光学系、電子ビューファインダ、および撮像装置 - Google Patents

撮像装置における接眼レンズ系、ファインダ光学系、電子ビューファインダ、および撮像装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5462588B2
JP5462588B2 JP2009247474A JP2009247474A JP5462588B2 JP 5462588 B2 JP5462588 B2 JP 5462588B2 JP 2009247474 A JP2009247474 A JP 2009247474A JP 2009247474 A JP2009247474 A JP 2009247474A JP 5462588 B2 JP5462588 B2 JP 5462588B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
lenses
eyepiece
optical axis
optical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009247474A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010134446A (ja
Inventor
祐史 荻野
国雄 丹羽
貴之 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2009247474A priority Critical patent/JP5462588B2/ja
Publication of JP2010134446A publication Critical patent/JP2010134446A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5462588B2 publication Critical patent/JP5462588B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Lenses (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Viewfinders (AREA)
  • Cameras In General (AREA)

Description

本発明は、テレビカメラ、ビデオカメラ、デジタルカメラ等の撮像装置に搭載され、撮影に際して被写体にピントを合わせたり、構図を決めたりするため被写体を観察するための表示装置である電子ビューファインダ(EVF)において、接眼レンズ系、この接眼レンズ系を備えたファインダ光学系、このファインダ光学系を備えた電子ビューファインダ、および電子ビューファインダを備える撮像装置に関するものである。
電子ビューファインダは、LCD(液晶表示ディスプレイ)と、ファインダ光学系とを備えている。LCDは、撮像装置内の撮像素子からの画像信号に応じてファインダ内で被写体画像を液晶表示面に表示するものであり、その画像表示を行うLCDにはそれを照明する照明光学系を必要とする。そして、近年では照明光学系の設置上の省スペース化要求のため透過型から反射型のLCDが用いられてきている。この反射型LCDは、液晶表示面の前方から照明光を当てるようにしたものである。ファインダ光学系の従来技術として特開2002−48985号公報がある。同公報には、液晶表示面側から観察者の瞳位置(アイポイント)までの間の光軸上に、液晶表示面側から観察者瞳位置(アイポイント)側に向けて、正の屈折率を有する第1レンズ、負の屈折率を有する第2レンズ、および正の屈折率を有する第3レンズを並置した接眼レンズを備えたものが開示されている。同公報の記載によれば、このファインダ光学系は、ファインダ倍率が高くコンパクトかつ低コストで諸収差を良好に補正することができるなどと、している。ファインダ光学系の他の従来例として例えば特開平6−258582号公報にも、上記同様の第1ないし第3レンズを配置した接眼レンズを備えたものが開示されている。同公報の記載によれば、収差補正が良好で、特に歪曲が小さい接眼レンズを備えたファインダ光学系が得られるとしている。
しかしながら、反射型LCDは、近年益々、超小型で高精細が要求されてきており、その一方でその高精細表示を確保した状態で液晶表示面に表示する被写体画像を大きく、自然に、すなわち、画像全域を高解像度で歪み無く、というマーケット志向が高く、上記公報記載のものではその要求に沿えるものではない。例えば 特開2002−48985号公報に記載のファインダ光学系では、1ピクセルが約12μm×12μmの反射型LCDを観察に用いた場合、軸上の色収差に着目すると、緑色であるe線(546.1nm)でしっかりとピントを合わせて観察したとしても、たとえば、可視光の最短波長の青色である435.8nmは約120μm前にピントが合い、可視光の最長波長の赤色である656.3nmは約70μm後ろにピントが合う。よって、本来、1ドット内で混色されるRGBの各色が分離して、緑色は1ドットに収まって滲みなく見えていたとしても、青色と赤色は、滲んでぼけて見えてしまうという、高精細な観察という点では課題がある。また、上記特開平6−258582号公報の接眼レンズ系では、倍率が4倍しかなく、超小型なLCDを大きく観察するという点では課題がある。そのため、従来文献で提案されているファインダ光学系では高精細で大きく観察という点ではさらに改善すべき余地があった。
特開2002−48985号公報 特開平6−258582号公報
上記課題を解決するため、被写体を高精細に観察することを可能にする電子ビューファインダ及びそのような電子ビューファインダに用いる接眼レンズ系を提供する。
第1の態様において、ビューファインダ用のLCDとビューファインダの最終光学面との間の光軸上に配置される接眼レンズ系が提供される。その接眼レンズ系では、上記LCD側から最終光学面側に向かって、正の屈折率を有する第1レンズ、負の屈折率を有する第2レンズ、および正の屈折率を有する第3レンズがこの順序で配置され、かつ、18mm<f1<20mm、-18mm<f2<-16mm、18mm<f3<20mm、19mm<f<21mm、0≦HH´/f<+0.1 3の条件を満足する。但し、f1は第1レンズの焦点距離、f2は第2レンズの焦点距離、f3は第3レンズの焦点距離、fは第1ないし第3レンズの合成焦点距離、HH´は後側主点Hと、前側主点H´との光軸方向の間隔である。
また、第2、第3、第4の態様において、上記第1の態様のいずれかの接眼レンズ系を備えたファインダ光学系、電子ビューファインダ、撮像装置が提供される。
本発明によれば、被写体の高精細な観察を可能とする接眼レンズ系及び電子ビューファインダを提供することができる。
図1は本発明の実施の形態にかかる撮像装置の回路的な内部概略ブロック構成を示す図である。 図2は撮像装置の後方からの外観構成を示す図である。 図3は電子ビューファインダの分解構成を示す図である。 図4は電子ビューファインダの組み立て状態を示す図である。 図5は電子ビューファインダの概略断面構成を示す図である。 図6は観察者がファインダ光学系を移動させて視度補正する説明に供する図である。 図7は接眼レンズ系を構成するレンズの配置を示す図である。 図8は接眼レンズ系の光学特性図(その1)である。 図9は接眼レンズ系の光学特性図(その2)である。 図10は第3レンズの両面を示す図である。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態に係る接眼レンズ系、接眼レンズ系を備えたファインダ光学系、ファインダ光学系を備えた電子ビューファインダ、および電子ビューファインダを備えた撮像装置を説明する。
なお、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための接眼レンズ系等を例示するものであって、本発明はその接眼レンズ系等を以下のものに特定ないし限定するものではない。特に本明細書は、特許請求の範囲に示される要素を、実施の形態に特定するものでは決してない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。
図1は、撮像装置の回路的な内部概略ブロック構成、図2は、撮像装置の後方からの外観構成、図3は電子ビューファインダの分解構成、図4は電子ビューファインダの組み立てた外観構成、図5は電子ビューファインダの断面構成を示す。
まず図1を参照して、実施の形態の撮像装置1は、カメラボディ3と、撮像レンズユニット5と、を備える。撮像レンズユニット5は、円筒状をなし、カメラボディ3前面に、着脱自在に装着される。撮像レンズユニット5は撮像レンズ5a、絞り5b、等を内蔵する。カメラボディ3は、撮像素子7、背面LCD9、電子ビューファインダ11、マイクロコンピュータ13、カード装着部15、電源ボックス16、等を備える。
撮像素子7は、撮像レンズユニット5内の撮像レンズ5aによる被写体の光学像を撮像する。撮像素子7は例えば、CMOSやCCD等のイメージセンサからなる。撮像素子7は、被写体光学像を受光し、その受光からRGB3原色のアナログの撮像信号を生成する。
マイクロコンピュータ13は、撮像素子7を駆動制御する。マイクロコンピュータ13は、撮像素子7から出力される撮像信号をデジタル変換し、デジタル変換した撮像信号に対してYC変換、電子ズーム処理、圧縮処理等の各種画像処理を施してデジタル画像信号を生成する、等の画像信号処理を行う。
マイクロコンピュータ13は、さらに、撮像レンズ5aに対するズームやオートフォーカス等の各種駆動制御や、絞り5bの駆動制御、さらに、カード装着部15のドライブ制御、電子ビューファインダ11のドライブ制御、背面LCD9の表示制御をする、等のコントロールを行う。
カード装着部15には、メモリカード17が装着可能になっている。メモリカード17は、画像データを記憶している。マイクロコンピュータ13は、カード装着部15に装着されたメモリカード17内の画像データを読み出す。マイクロコンピュータ13は、読み出した画像データを電子ビューファインダ11に出力する。
電子ビューファインダ11においては、反射型LCD19上に、被写体画像のスルー画像や、メモリカード17内の画像データを表示させることができる。マイクロコンピュータ13は、背面LCD19上に被写体画像のスルー画像やメモリカード17内の記憶画像データの表示制御をすることができるようになっている。その他、撮像装置1には静止画、動画モード、フラッシュ撮影等の各種機能、録画再生等の回路が付属されるが、それらの図示や説明は略し割愛する。
電子ビューファインダ11は、カメラボディ3上面の背面寄りで当該カメラボディ3に一体に設置されている。電子ビューファインダ11は、カメラボディ3に着脱可能に設置してもよい。電子ビューファインダ11は、マイクロコンピュータ13等が設けられる基板に、フレキシブル配線基板28(図3参照)により、接続される。フレキシブル配線基板28は、画像データ用の信号線、電源用の信号線を有する。これにより、電子ビューファインダ11は、マイクロコンピュータ13からの画像データを受け付けることができる。電子ビューファインダ11は、電源ボックス16に設けられる電池から電力供給を受ける。
電子ビューファインダ11は、反射型LCD19と、ファインダ光学系22とを有する。反射型LCD19は、マイクロコンピュータ13から入力する画像信号を処理して被写体画像を縮小表示する。ファインダ光学系22は、反射型LCD19の液晶表示面に表示する被写体画像を拡大する。
電子ビューファインダ11を図2ないし図5を参照してさらに詳しく説明する。電子ビューファインダ11は、上記した反射型LCD19と、ファインダ光学系22と、視度調整機構25と、光透過性板27と、ファインダ筐体29と、保護ケース44と、を備えている。ファインダ筐体29内の光軸方向一方に反射型LCD19が位置し、ファインダ筐体29内の光軸方向他方にファインダ光学系22が位置している。ファインダ筐体29の光軸方向に沿う側面に視度調整機構25が装備されている。ファインダ筐体29の光軸方向一方に保護ケース44が取り付けられている。ファインダ筐体29の光軸方向他方に光透過性板27(最終光学面)が取り付けられている。
反射型LCD19は、RGB三色のLED光源33、拡散シート35、平板状の偏光板(偏光ビームスプリッタ)37、ドーム型の偏光板39、液晶部41、反射板42、液晶ドライバ48、反射防止マスク46、LCD筐体43から構成されている。
LED光源33からの発光光は、拡散シート35で拡散される。拡散された発光光は、偏光板37にてその直線偏光光だけが透過される。偏光板37を透過した直線偏光光は、ドーム型偏光板39の内面で反射される。ドーム型偏光板39の内面で反射された直線偏光光は、電圧が印加されていない液晶部41の液晶面を透過し、液晶部41背部の反射板42で反射される。
直線偏光光は、液晶面を透過する際に偏光軸が45度ねじれる。また、反射板42で反射された直線偏光光も、偏光軸が45度ねじれる。すなわち、反射板42で反射された直線偏光光は、ドーム型偏光板39を透過できるような所定の偏光状態に向きが変わる。
このように液晶面でねじれた直線偏光光はドーム型偏光板39を透過し、光学画像信号となって出射される。反射防止マスク46は、反射を防止できる部材である。反射防止マスク46は、光を吸収できるように、塗装を施している。塗料としては、例えば、エポキシ系黒色塗料や、アクリル系黒色塗料などを用いることができる。液晶ドライバ48は、フレキシブル配線基板28と接続されるコネクタを背面に有しており、反射型LCD19を駆動する。
反射型LCD19から出射された光学画像信号は、ファインダ光学系22で屈折されて光透過性板27から透過し、観察者の瞳45に入射する。具体的には、観察者が適切な視度補正ができる眼鏡等を装着して、もしくは裸眼で、反射型LCD19から出射された光学画像信号を自身の視度に適応した位置にファインダ光学系22を移動させた状態で、光軸上に自身の眼を位置させ、反射型LCD19から出射された光学画像信号の全域が欠けることなく観察できるか否かを判断することができる。
ファインダ光学系22は、3枚のレンズを含んだ接眼レンズ系23を備える。接眼レンズ系23は、反射型LCD19のドーム型偏光板39から瞳45(アイポイント側)に向かって、正の屈折率を有する第1レンズ23a、負の屈折率を有する第2レンズ23b、および正の屈折率を有する第3レンズ23cを有し、この接眼レンズ系23を構成する各レンズ23a〜23c相互の配置位置を保持した状態でこれら各レンズ23a〜23cをレンズホルダ23dで保持した構成になっている。
ファインダ光学系22は、反射型LCD19の液晶部41から出力された光学画像を拡大するものである。ファインダ光学系22は、ファインダ筐体29に対して視度調整機構25により近視側位置と遠視側位置との間を移動可能になっている。視度調整とは、観察者が近視者や遠視者等である場合に電子ビューファインダ11のファインダ光学系22(具体的には接眼レンズ系23)を光軸方向両方向に進退移動させて観察者の目の屈折力を補うことで、ファインダ内での観察を助ける調整のことである。
視度調整機構25は、ファインダ筐体29の外側面のボス29a、29bに回転自在に軸支されかつ互いに噛合状態で取付けられる視度調整ダイヤル25aおよび駆動ギヤ25bと、ファインダ筐体29内で駆動ギヤ25bと同軸一体に取付けられるピニオンギヤ25dと、ファインダ光学系22のレンズホルダ23d側面に形成されピニオンギヤ25dと係合するラック25cとで構成される。
視度調整ダイヤル25aの回転操作は、駆動ギヤ25b、ピニオンギヤ25dからラック25cに伝達される。これにより、ダイヤル25aの回転操作に対して接眼レンズ系23がファインダ筐体29内を直線運動に変換されて移動する。こうして観察者は自身の目の状態が近視もしくは遠視などに応じて、視度調整ダイヤル25aを回転操作することで自身の視度に適した位置に接眼レンズ系23を移動させることができる。この場合、上記視度調整ダイヤル25a、駆動ギヤ25b、ピニオンギヤ25dの歯数、直径比率を制御することで、ファインダ光学系22を高精度に移動制御することができる。
光透過性板27は、ガラス、プラスチックなどで構成され、ファインダ筐体29に設けられる。光透過性板27は、接眼レンズ系23により集光された光学画像信号の一部が透過し、一部が透過面で反射される。光透過性板27は、透過面が接眼レンズ系23の光軸に対して垂直にならないように設けられる。これにより、光透過性板27の透過面で反射された光学画像信号が接眼レンズ系23を介して反射型LCD19に入射しないようになっている。光透過性板27は、接眼レンズ系23により拡大された光学画像信号が透過される。光透過性板27は筐体内部を保護ケース44と共に外部から塵埃の侵入を防止している。
電子ビューファインダ11の構造の具体例は、以下の通りである。このデータは、ファインダ光学系22が-2.5ディオプター位置にあるときのものである。
(反射型LCD19)
・LCD映像面の対角長:11.654mm
・LCD映像面と第1レンズ23aとの間の対向面間距離:12.587mm
(第1レンズ23a)
・芯厚み:6.5mm
・LCD映像面側の曲率:非球面1
・観察者側の曲率:非球面2
・材料:アクリル系樹脂
・屈折率ne1:1.494
・分散率ν1:57.8
・第1レンズ23aと第2レンズ23bとの間の対向面間距離(G1):1.0mm
(第2レンズ23b)
・芯厚み:2.0mm
・LCD映像面側の曲率:-21.372mm
・観察者側の曲率:非球面3
・材料:ポリカーボネート系樹脂
・屈折率ne1:1.588
・分散率ν1:29.8
・第2レンズ23bと第3レンズ23cとの間の対向面間距離(G2):0.5mm
(第3レンズ23c)
・芯厚み:6.5mm
・LCD映像面側の曲率:17.066mm
・観察者側の曲率:非球面4
・材料:アクリル系樹脂
・屈折率ne1:1.494
・分散率ν1:57.8
・第3レンズ23cと光透過性板27との間の対向面間距離:3.0mm
(光透過性板27)
・形状:厚さ1mmの平行板
・材料:アクリル
・光透過性板27と観察者の瞳との間の離間距離(アイポイント):15.0mm
(観察者)
・瞳径:4mm
(非球面方程式)
Z = Ry2/(1+√(1-(1+K)R2y2))+Ay4+By6+Cy8+Dy10
R:基本となる曲率値
K:コーニック係数
A、B、C、D:高次の項
y:光軸位置をy=0mm基点とした、レンズの半径方向の距離
Z:光軸位置をZ=0mm基点とした、レンズの横断面方向での形状の変位
(非球面1)
上記非球面方程式において、以下の値を採る面形状である。
R=-0.059 K=-0.779 A=-1.650E-04 B=1.027E-06 C=0 D=0
(非球面2)
上記非球面方程式において、以下の値を採る面形状である。
R=0.059 K=0.625 A=-4.230E-04 B=4.545E-07 C=7.228E-08 D=-5.257E-10
(非球面3)
上記非球面方程式において、以下の値を採る面形状である。
R=-0.051 K=-11.801 A=-3.277E-05 B=1.946E-06 C=-8.439E-08 D=6.124E-10
(非球面4)
上記非球面方程式において、以下の値を採る面形状である。
R=0.059 K=-1.988 A=0 B=0 C=0 D=0
図6は観察者が接眼レンズ系23を移動させて視度補正する説明に供する図である。電子ビューファインダ11において視度調整機構25(図4参照)の視度調整ダイヤル25a(図4参照)を調整操作することで、ファインダ筐体29に対してファインダ光学系22(具体的には接眼レンズ系23)を光軸方向に移動させる。ファインダ光学系22は、最近視側位置を-4ディオプター(図6(a)参照)、観察標準位置を-2.5ディオプター(図6(b)参照)最遠視側位置を+4ディオプター(図6(c)参照)として、接眼レンズ系23を移動させることが可能となっている。また、光透過性板27は接眼レンズ系23が+4ディオプターの位置にある場合にも物理的に接触しない限界位置(最短位置)にある。なお、上述した電子ビューファインダ11の構造の詳細データは、接眼レンズ系23が-2.5ディオプターの位置にあるときのファインダ光学系22の構成データである。
通常、人間が平面上の情報、例えば、卓上におかれた絵葉書等を観察する場合、観察者の瞳から被観察物までの距離Lは、250mmから1000mmの範囲であることが知られている。
このことは、d=-1000/L式でディオプターに置換することができ、距離250mmでの観察は-4ディオプターに、距離1000mmでの観察は-1ディオプターにそれぞれ置き換えることができる。本発明のファインダ光学系22は、その中間値である-2.5ディオプター位置に接眼レンズ系23が位置するときに最大の性能、解像度が発揮できるように設計してある。0ディオプターはd=-1000/L式から無限距離にあるものを観察するに相当するので、観察者の瞳45に入る光線は平行になる。つまり、ちょうど接眼レンズ系23の焦点の位置に反射型LCD19の映像面が位置するときが0ディオプターに相当する。このとき反射型LCD19の映像面〜第1レンズ23aとの間の離間距離は13.582mmになる。また、接眼レンズ系23を1ディオプターに相当になるように移動させるのに必要な距離L’は L'=f2/1000式で算出され、接眼レンズ系23の合成焦点距離fは19.95mmなので、0.398mmとなる。よって、-2.5ディオプターの位置に接眼レンズ系23がある場合は、反射型LCD19の映像面〜第1レンズ23aの離間距離d1が13.582-0.398×2.5=12.587mmとなる。この-2.5ディオプターの位置に接眼レンズ系23が位置しているとき、第3レンズ23cと観察者の瞳45との間の離間距離d2が19.0mmになり、光透過性板27と瞳45との間の離間距離d3が15.0mmになって、眼鏡と瞳45との間の離間距離より十分に長くなる。したがって、反射型LCD19から出射された光学画像信号の全域が欠けることなく観察することができる。
また、接眼レンズ系23が-4ディオプターの位置にあるとき、反射型LCD19の映像面〜第1レンズ23aの離間距離d4は、13.582-0.398×4=11.990mmとなって、反射型LCD19に物理的に接触しない十分な隙間を確保することができる。
次に図7〜図9を参照して本実施の形態の特徴である接眼レンズ系23の構成を説明する。図7で示すように、接眼レンズ系23は、上記したように、反射型LCD19から観察者の瞳45側に向かって、凸レンズ構成の第1レンズ23a、凹レンズ構成の第2レンズ23b、および凸レンズ構成の第3レンズ23cをこの順で並ばせて構成されている。そして、これらレンズは次の条件を満足する構成に作製されている。
すなわち、この条件は、
18mm<f1<20mm、
-18mm<f2<-16mm、
18mm<f3<20mm、
19mm<f<21mm、
0≦HH´/f<+0.13である。
但し、
f1は、第1レンズ23aの焦点距離、
f2は、第2レンズ23bの焦点距離、
f3は、第3レンズ23cの焦点距離、
fは、第1〜第3レンズ23a〜23cの合成焦点距離、
HH´は後側主点Hと、前側主点H´との光軸方向の間隔である。
後側主点Hと、前側主点H´とを規定するにあたっては、第1レンズ23a、第2レンズ23b、第3レンズ23cからなるレンズ群を、厚さの極めて薄い仮想レンズに置き換えたと仮定したうえでその仮想レンズにおける後側主点と前側主点とをいい、レンズ前方から光が入射したときの主点を後側主点H、レンズ後方から光が入射したときの主点を前側主点H´という。また、第1レンズ23aの両面を23a1,23a2、第2レンズ23bの両面23b1,23b2、第3レンズ23cの両面23c1,23c2とする。
上述したように、本実施の形態では、第1、第2、第3レンズ23a、23b、23cの屈折力絶対値がほぼ均等分散されているので、各レンズの屈折力が弱くなる結果、各レンズにおいて、その中心厚みとレンズ外周厚みとの間の厚み比を2:1程度に抑えることができる。これにより、樹脂成形上で転写性の課題が解消される。ここでいう課題とは、レンズの中心厚みとレンズ外周の厚みの差を増大すると、射出成形時の転写性が悪化してレンズ性能が著しく劣化することである。
また、第1レンズ23aと第2レンズ23bとの光軸上の対向面間距離G1と、第2レンズ23bと第3レンズ23cとの光軸上の対向面間距離G2とをそれぞれ0.4mm以上1.1mm以下としている。面間距離とは、隣接する第1レンズ23aと第2レンズ23b(または第2レンズ23bと第3レンズ23c)との間で対向する面23a2,23b1(または面23b2,23c1)の間の離間距離を意味し、その距離は光軸上のそれぞれの隙間を示す。
上述したように本実施の形態では、隣接するレンズどうしの間に隙間余裕を十分確保しているので、たとえば、このファインダ光学系22が組み込まれた電子ビューファインダ11において振動が発生したとしても、レンズが物理的に干渉し合って傷つき合うことがない。また、レンズ間の隙間を光学的に色収差が拡大しない隙間に抑えることが可能になると同時に、ファインダ光学系22の全長が長くなることを抑制することも可能になる。
さらに、第1、第2、第3レンズ23a、23b、23cは以下の条件式を満足する材質のレンズである。すなわち、
57.5<ν1<58.0、29.5<ν2<30.0、
57.5<ν3<58.0、1.
48<ne1<1.50、1.57<ne2<1.61、
1.48<ne3<1.50、
である。
但し、ν1、ν2、ν3はそれぞれ第1、第2、第3レンズ23a、23b、23cの分散率である。ここで、分散率とは、透明体の色の分散を評価する数値νであり、次のように定義される。
ν=(ne-1)/(nF-nC)
ただし、
neはフラウンホーファーのe線(546.1nm)に対する屈折率、
nFはフラウンホーファーのF線(488.0nm)に対する屈折率、
nCはフラウンホーファーのC線(643.9nm)に対する屈折率、
ne1、ne2、ne3はそれぞれ第1、第2、第3レンズ23a、23b、23cのフラウンホーファーのe線(546.1nm)に対する屈折率、
である。
上記分散率に適合する材質として、アクリル系樹脂やポリオレフィン系樹脂(第1、第3レンズ23a,23c)が、ポリカーボネート系樹脂やポリエステル系樹脂(第2レンズ23b)が、それぞれ例示される。
また、本実施の形態では、第1、第2、第3レンズ23a、23b、23cそれぞれを射出成形する際において、金型側面からレンズ材料樹脂を注入する位置(ゲート位置)を、隣接するレンズ同士で相違させており、そのために、隣接するレンズの分子配向が相違している。これにより、複屈折が生じる方向が隣接するレンズで相違することになる。その結果、隣接するレンズどうしで複屈折が生じる方向が同等になることに起因して生じる収差悪化を抑制することが可能になる。
以上のように設計することで、本実施の形態の接眼レンズ系23では、図8(a)〜図8(c)、図9(a)〜図9(h)に示す収差性能が満足される。特に図8(a)に示すように、軸上の色収差においては、緑色であるフラウンホーファーのe線(546.1nm)でしっかりとピントを合わせて観察したとき、可視光の青色である486.1nmは約10μmしか前にピントがずれず、可視光の最長波長の赤色である656.3nmは約10μmしか後ろにピントがずれない性能が達成できる。さらには、可視光の最短波長の青色(435.8nm)では、約5μm前方にしかピントがずれない性能が達成できる。したがって、RGBの各色が分離してみえることがなく、高精細にLCD映像を拡大観察することができる。また、射出成形できる一般的な光学樹脂をレンズ材料に使用することができるので、安価な接眼レンズ系23を製造することが可能になる。
また、本実施の形態の具体例では、第1、第2、第3レンズ23a、23b、23cは、両レンズ面(23a1、23b1、23c1)、(23a2、23b2、23c2)の曲面の形状が、前述した曲面形状を有する、または前述した非球面方程式で表されている。具体的には、面23a1は、前述した非球面1の形状を有する。面23a2は、前述した非球面2の形状を有する。面23b1は、半径-21.372mmの球面である。面23b2は、前述した非球面3の形状を有する。面23c1は、半径17.066mmの球面である。面23c2は、前述した非球面4の形状を有する。
以上の構成は、第1、第2、第3レンズ23a、23b、23cに、レンズの曲面の向きが反転する、もしくは著しく曲率が変化するという変曲点がないことを意味する。図10に示すように、観察者が眼を移動させていくと、LCD映像面から放射され、変曲点を通過した光線を観察する位置にくる場合がある。その時に光線が乱れた屈折をして、観察像が流れてみえるようになる。よって、変曲点がないレンズを第1、第2、第3レンズ23a、23b、23cに使用すると、その光線の乱れがなくなり、観察像が流れてみえることが解消される。
上述の実施の形態では、LCDの対角長が11.654mmであり、光透過性板27(最終光学面)から観察者の眼までの距離(アイポイント)が15.0mmの場合について説明したが、上述の第1、第2、第3レンズ23a、23b、23cに関する条件は、LCDの対角長が12mm以下(好ましくは、11.176〜11.684mm)であり、アイポイントが15.0mm以下である電子ビューファインダに使用される光学系に対しても適用できる。
上述した実施の形態では、本発明を一眼レフデジタルカメラに組み込まれる電子ビューファインダに実施することを想定して説明したが、本発明は、このような形態のデジタルカメラに搭載される電子ビューファインダに限定されるものではなく、ビューファインダ用のLCDとして反射型LCDを組み込んだ電子ビューファインダであればどのようなものであっても実施することができる。例えば、胃カメラに搭載される電子ビューファインダにおいても本発明は実施可能である。
(まとめ)
以上説明した実施の形態の構成によれば、以下に示す課題に対処することができる。以下、これを具体的に説明する。
課題1:反射型LCDの映像表示面は複数の表示画素(ドット)の集合であるが、接眼レンズ系を通してこれらドット上に表示される映像(点映像)を見た場合に、接眼レンズ系の屈折で任意ドット上の点映像が隣接ドット上にまでまたがって見えてしまう、つまり、滲んで見えてしまうことをなくして高精細な映像表示を出来る限り大きい倍率で映像表示面全域にわたりみることができるようにすること。
課題2:低屈折率・低分散率で一般に用いる材料費が安価に済む光学樹脂を材料としたうえで、性能的に満足でき、かつ、製作コストも安価に済む射出成形での製作が可能な接眼レンズ系を実現すること。
課題3:接眼レンズ系を通して観察者が眼を移動させて反射型LCDの映像表示面上の像を観察していく場合に、その観察像が眼の移動途中で正常な形状で見えなくなることを無くすこと。
課題4:観察者が接眼レンズ系の反射型LCDの映像表示面に対する位置を調整して接眼レンズ系をその映像表示面に合焦させて観察する場合、その接眼レンズ系の位置が観察者が肉眼で合焦できる限界であるー4ディオプターの位置にあっても、接眼レンズ系を含むファインダ光学系が反射型LCDとの距離を十分に確保してそれらが接触する可能性を解消すること。
課題5:眼鏡装着の観察者により、接眼レンズ系が近視側位置(例えば、ー2.5ディオプター位置)に調整操作されている場合でも、観察者の眼鏡が電子ビューファインダの光透過性板に当たることがないようにアイポイント(光透過性板27(最終光学面)から観察者の眼までの距離)を長く確保し、かつ、映像表示面上の画像全域を欠けなく観察することを可能にすること。
上述した実施の形態の接眼レンズ系23は、ビューファインダ11用の反射型LCD19と、ビューファインダ11の観察者のアイポイントとの間の光軸上に配置される接眼レンズ系である。その接眼レンズ系23では、上記反射型LCD19側からアイポイント側に向かって、正の屈折率を有する第1レンズ23a、負の屈折率を有する第2レンズ23b、および正の屈折率を有する第3レンズ23cがこの順序で配置され、かつ、18mm<f1<20mm、-18mm<f2<-16mm、18mm<f3<20mm、19mm<f<21mm、0≦HH´/f<+0.1 3の条件を満足する。但し、f1は第1レンズ23aの焦点距離、f2は第2レンズ23bの焦点距離、f3は第3レンズ23cの焦点距離、fは第1ないし第3レンズ23cの合成焦点距離、HH´は後側主点Hと、前側主点H´との光軸方向の間隔である。
実施の形態の接眼レンズ系23では、
・点映像がドット間にまたがって滲んで見えることが解消され、
・高精細なLCDをできるだけ大きな倍率で、画面の隅々まで高解像で見るための障害が解消される。
これにより実施の形態の接眼レンズ系23では、課題1を解決することができる。
また、実施の形態の接眼レンズ系23によると、第1、第2、第3レンズ23a、23b、23cの屈折力絶対値がほぼ均等分散されているので、1個1個のレンズの屈折力が弱くなり、結果、各レンズの中心厚みとレンズ外周の厚みとの差が少なくなる。このことは樹脂成形上で転写性の課題が解消され、樹脂成形に適した形状が実現できることになる。
すなわち、実施の形態の接眼レンズ系23では、製作コストが安価に済む射出成形で製作することが可能な接眼レンズ系を実現することができることとなり、課題2を解決することができる。
また、実施の形態の接眼レンズ系23では、接眼レンズ系23が近視側位置であっても、反射型LCD19の映像面から十分な距離があって反射型LCD19とファインダ光学系22とが接触するということがないから、上記課題4を解決することができる。
さらには、接眼レンズ系23が近視側位置であっても、アイポイントが長いので、光透過性板27と観察者の瞳との間の離間距離が、観察者が眼鏡をかけている状態における眼鏡と瞳との間の離間距離よりも十分に長くなって、眼鏡が光透過性板27に物理的に干渉することがなくなる。その結果、ファインダ画像を欠けなく観察することができるようになって、上記課題5を解決することができる。なお、光透過性板27は、一般に電子ビューファインダ用接眼レンズ系23とビューファインダ11の観察者の瞳との間に配置される。
なお、第1レンズ23aの焦点距離f1が18mm以下、もしくは第2レンズ23bの焦点距離f2が-16mm以上、もしくは第3レンズ23cの焦点距離f3が18mm以下になるということは、各レンズの曲率半径が小さくなることである。これは、レンズの中心厚みとレンズ外周の厚みの差を増大させて、射出成形時の転写性を悪化させ、レンズ性能を著しく劣化させる。さらに、接眼レンズ系23の光軸中心付近はあまり影響がないが、外周付近の解像度が著しく悪くなる要因にもなり、好ましいことではない。
さらには、合成焦点距離fは、1/f=1/f1+1/f2+1/f3の算定式で規定されるために、結果的に、19mm<f<21mmに限定される。そのため、第1レンズ23aの焦点距離f1が20mm以上、もしくは第2レンズ23bの焦点距離f2が18mm以下、もしくは第3レンズ23cの焦点距離f3が20mm以上になることは、残余の2つのレンズの焦点距離に大きな影響を及ぼしてしまい、結果的に第1レンズ23aの焦点距離f1は18mm以下、第2レンズ23bの焦点距離f2は-16mm以上、第3レンズ23cの焦点距離f3は18mm以下になってしまう。これらの焦点距離になると、先の説明と同様に、各レンズの曲率半径が小さくなってレンズの中心厚みとレンズ外周の厚みとの差が増大する。これにより、射出成形時の転写性が悪化し、レンズ性能が著しく劣化する。さらに、これにより、接眼レンズ系23の光軸中心付近はあまり影響がないものの、レンズ外周付近の解像度が著しく悪化する要因になり好ましいことではない。
なお、第1レンズ23aの焦点距離f1は、好ましくは、18.44〜18.46mmであって、最適には、18.45mmである。また、第2レンズ23bの焦点距離f2は、好ましくは、-17.15〜-17.17mmであって、最適には、-17.16mmである。また、第3レンズ23cの焦点距離f3は、好ましくは、18.44〜18.46mmであって、最適には、18.45mmである。また、HH´/fは、好ましくは、0.02〜0.04であって、最適には、0.03である。
また、実施の形態の接眼レンズ系23は、上記第1レンズ23aと第2レンズ23bとの対向面間距離と、上記第2レンズ23bと第3レンズ23cとの対向面間距離がそれぞれ0.4mm以上1.1mm以下である。
このような実施の形態の接眼レンズ系23では、隣接するレンズ間の隙間余裕が物理的に十分となるので、たとえば、樹脂レンズを有する接眼レンズ系23が組み込まれた電子ビューファインダ11に振動が生じたとしても、隣接するレンズどうしが干渉して傷つくことがない。これにより上記課題2を解決することができる。また、光学的に色収差が拡大しない隙間となるので、課題1を解決することができる。さらに、ファインダ光学系22の全長が長くなることを抑制することができるので、課題4と課題5とを解決できる。
なお、第1レンズ23aと第2レンズ23bとの間の光軸上の対向面間距離は、好ましくは、0.9〜1.1mmであって、最適には1.0mmである。第2レンズ23bと第3レンズ23cとの間の光軸上の対向面間距離は、好ましくは、0.4〜0.6mmであって、最適には0.5mmである。
また、実施の形態の接眼レンズ系23は、上記第1ないし第3レンズ23cそれぞれの分散率をν1、ν2、ν3として、第1ないし第3レンズ23cが、57.5<ν1<58.0、29.5<ν2<30.0、57.5<ν3<58.0の式を満足する材質のレンズである。これにより、点映像がドット間にまたがって滲んで見えてしまうことがないという効果が発揮されて、上記課題1を解決することができる。さらに、一般的で安価な光学樹脂の特性を満足するので、上記課題2を解決することができる。
なお、第1レンズ23aの分散率ν1が57.5以下、58.0以上では、一般的な光学樹脂ではなくなる。第2レンズ23bの分散率ν2が29.5以下、30.0以上では、一般的な光学樹脂ではなくなる。第3レンズ23cの分散率ν3が57.5以下、58.0以上では、一般的な光学樹脂ではなくなる。
また、第1レンズ23aの分散率ν1は、好ましくは、57.75〜57.85であって、最適には57.8である。第2レンズ23bの分散率ν2は、好ましくは、29.75〜29.85であって、最適には29.8である。第3レンズ23cの分散率ν3は、好ましくは、57.75〜57.85であって、最適には57.8である。
実施の形態の接眼レンズ系23は、上記第1、第2、第3レンズ23a、23b、23cそれぞれの屈折率をne1、ne2、ne3として、第1ないし第3レンズ23cが、1.48<ne1<1.50、1.57<ne2<1.61、1.48<ne3<1.50の式を満足する材質のレンズであるので、一般的光学樹脂の特性を満足する。したがって、上記課題2を解決することができる。
なお、第1レンズ23aの屈折率ne1が1.48以下、1.50以上では、一般的な光学樹脂ではなくなる。第2レンズ23bの屈折率ne2が1.57以下、1.61以上では、一般的な光学樹脂ではなくなる。第3レンズ23cの屈折率ne3が1.48以下、1.50以上では、一般的な光学樹脂ではなくなる。
また、第1レンズ23aの屈折率ne1は、好ましくは、1.489〜1.499であって、最適には1.494である。第2レンズ23bの屈折率ne2は、好ましくは、1.583〜1.593であって、最適には、1.588である。第3レンズ23cの屈折率ne3は、好ましくは、1.489〜1.499であって、最適には1.494である。
実施の形態の接眼レンズ系23は、上記第1、第3レンズ23a、23cの材質がアクリル系樹脂であり、上記第2レンズ23bの材質がポリカーボネート系樹脂である。上記以外の材質としては、上記第1、第3レンズ23a、23cに、ポリオレフィン系樹脂、上記第2レンズ23bにポリエステル系樹脂を例示することができる。
なお、樹脂製レンズの樹脂材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ハロゲン系樹脂といった熱可塑性樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、尿素樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂といった熱硬化性樹脂を挙げることができる。これら樹脂群は、射出成形法にて成形することができる樹脂であって、本発明においてもレンズ材料として採用することができる。
また、樹脂製レンズの樹脂材料としては、光透過性樹脂を挙げることができる。光透過性樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリジエチレングリコールビスアリルカーボネート、ポリカーボネートなどのアリル系樹脂 、メタクリル樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂などの熱可塑性、または熱硬化性の樹脂が挙げられる。本実施の形態は、これらの樹脂材料をレンズ材料として採用することもできる。
このように実施の形態の接眼レンズ系23では、上記第1、第3レンズ23a、23cの材質がアクリル系樹脂であり、上記第2レンズ23bの材質がポリカーボネート系樹脂であるので、上記課題1および2を解決することができる。
実施の形態の接眼レンズ系23は、上記第1、第2、第3レンズ23a、23b、23cを射出成形する際に、金型側面から樹脂を注入する際に、その樹脂注入位置(ゲート位置)を隣接するレンズ同士で相違させることで実現できる。そうすれば、隣接するレンズどうしで、分子配向を相違させることが可能になる結果、複屈折が生じる方向を相違させることができる。隣接するレンズどうしで複屈折が生じる方向を同等にすると予測困難な収差悪化を招くおそれがある。これに対して、実施の形態の接眼レンズ系23では、隣接するレンズどうしで、複屈折が生じる方向を相違させることで、このような収差悪化を防止することが可能になって上記課題1を解決できる。同時に樹脂レンズにより本発明を実現することができるので、上記課題2を解決することができる。なお、隣接するレンズどうしで複屈折が生じる方向が相違するとは、複屈折が生じる方向が0度超180度未満の角度でもって交差する方向をいう。この場合、好ましくは、45度以上135度以下の角度でもって交差する方向をいい、最適には、90度の角度でもって交差する方向をいう。
実施の形態の接眼レンズ系23は、第1、第2、第3レンズ23a、23b、23cにおける両レンズ面が、変曲点のない曲面形状を有している。このことによって、観察者が眼を移動させても、観察像が流れてみえなくなる、ということがなくなる。よって、請求項9は、上記課題3を解決することができる。
ファインダ光学系22、電子ビューファインダ11、撮像装置1はいずれも、上記接眼レンズ系23を備えたものであり、上記課題を解決することができる。
1 撮像装置
3 カメラボディ
5 撮像レンズユニット
7 撮像素子
9 背面LCD
11 電子ビューファインダ
13 マイクロコンピュータ
19 反射型LCD
22 ファインダ光学系
23 接眼レンズ系
23a 第1レンズ
23b 第2レンズ
23c 第3レンズ

Claims (11)

  1. ビューファインダ用のLCDとビューファインダの最終光学面との間の光軸上に配置される電子ビューファインダ用接眼レンズ系であって、
    上記LCD側から上記最終光学面側に向かって、正の屈折率を有する第1レンズ、負の屈折率を有する第2レンズ、および正の屈折率を有する第3レンズがこの順序で、かつ、18mm<f1<20mm、-18mm<f2<-16mm、18mm<f3<20mm、19mm<f<21mm、0≦HH´/f<+0.13の条件を満足する関係で配置されている、ことを特徴とする接眼レンズ系。
    但し、f1は第1レンズの焦点距離、f2は第2レンズの焦点距離、f3は第3レンズの焦点距離、fは第1ないし第3レンズの合成焦点距離、HH´は後側主点Hと、前側主点H´との光軸方向の間隔である。
  2. 上記第1レンズと第2レンズとの間の光軸上の対向面間距離と、上記第2レンズと第3レンズとの間の光軸上の対向面間距離が、それぞれ0.4mm以上1.1mm以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の接眼レンズ系。
  3. 上記LCDの対角長が12mm以下であり、上記最終光学面から観察者の眼までの距離が15.0mm以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の接眼レンズ系。
  4. 上記第1、第2、第3レンズが以下の条件式を満足する材質のレンズである、ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の接眼レンズ系。
    57.5<ν1<58.0、
    29.5<ν2<30.0、
    57.5<ν3<58.0、
    但し、ν1、ν2、ν3はそれぞれ第1、第2、第3レンズの分散率である。
  5. 上記第1、第2、第3レンズが以下の条件式を満足する材質のレンズである、ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の接眼レンズ系。
    1.48<ne1<1.50、
    1.57<ne2<1.61
    1.48<ne3<1.50、
    但し、ne1、ne2、ne3はそれぞれ第1、第2、第3レンズのフラウンホーファーのe線(546.1nm)に対する屈折率である。
  6. 上記第1、第3レンズの材質がアクリル系樹脂であり、上記第2レンズの材質がポリカーボネート系樹脂である、ことを特徴とする請求項4または5に記載の接眼レンズ系。
  7. 上記第1、第2、第3レンズは樹脂レンズであり、隣接するレンズで複屈折が生じる方向を相違させる、ことを特徴とする請求項4または5に記載の接眼レンズ系。
  8. 上記第1、第2、第3レンズにおける両レンズ面が、変曲点のない曲面形状を有している、ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の接眼レンズ系。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の接眼レンズ系がレンズホルダに収納され、かつ、当該接眼レンズ系がレンズホルダと共に光軸方向移動可能になっている、ことを特徴とするファインダ光学系。
  10. ファインダ筐体を備え、
    前記ファインダ筐体内の光軸方向の前部に上記LCDが収納され、上記光軸方向の後部に請求項9に記載のファインダ光学系が収納され、
    上記ファインダ筐体は、上記ファインダ光学系を上記光軸方向の前後に移動操作させて視度調整するための視度調整機構を具備している、ことを特徴とする電子ビューファインダ。
  11. 撮影レンズユニットが着脱可能なカメラボディを備え、
    前記カメラボディは、撮影レンズユニットからの光学像を撮像しその撮像による画像信号を出力する撮像素子と、前記撮像素子からの画像信号をモニターする請求項10に記載の電子ビューファインダと、を備える、ことを特徴とする撮像装置。
JP2009247474A 2008-10-29 2009-10-28 撮像装置における接眼レンズ系、ファインダ光学系、電子ビューファインダ、および撮像装置 Expired - Fee Related JP5462588B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009247474A JP5462588B2 (ja) 2008-10-29 2009-10-28 撮像装置における接眼レンズ系、ファインダ光学系、電子ビューファインダ、および撮像装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008277821 2008-10-29
JP2008277821 2008-10-29
JP2009247474A JP5462588B2 (ja) 2008-10-29 2009-10-28 撮像装置における接眼レンズ系、ファインダ光学系、電子ビューファインダ、および撮像装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010134446A JP2010134446A (ja) 2010-06-17
JP5462588B2 true JP5462588B2 (ja) 2014-04-02

Family

ID=42345744

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009247474A Expired - Fee Related JP5462588B2 (ja) 2008-10-29 2009-10-28 撮像装置における接眼レンズ系、ファインダ光学系、電子ビューファインダ、および撮像装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5462588B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN202306108U (zh) * 2010-10-04 2012-07-04 日立民用电子株式会社 投影型影像显示装置
JP5886707B2 (ja) * 2012-07-24 2016-03-16 京セラ株式会社 ファインダー用接眼光学系及びそれを用いた撮像装置
JP5745186B2 (ja) 2012-09-12 2015-07-08 富士フイルム株式会社 接眼レンズおよび撮像装置
JP2014215471A (ja) * 2013-04-25 2014-11-17 京セラ株式会社 ファインダー用接眼光学系、ファインダー装置及びそれを用いた撮像装置
JP6060808B2 (ja) 2013-05-15 2017-01-18 リコーイメージング株式会社 接眼光学系
JP6436680B2 (ja) * 2014-08-08 2018-12-12 キヤノン株式会社 ファインダー光学系及びそれを有する観察装置、撮像装置
JP2022036848A (ja) 2020-08-24 2022-03-08 キヤノン株式会社 観察光学系及びこれを備える撮像装置
KR102451117B1 (ko) * 2021-12-21 2022-10-07 주식회사 세코닉스 색수차가 개선되는 자동차용 퍼들 램프의 렌즈 광학계 및 이를 포함하는 자동차용 퍼들 램프

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010134446A (ja) 2010-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7912368B2 (en) Eyepiece lens system, finder optical system, and electronic viewfinder of imaging apparatus and imaging apparatus
JP5462588B2 (ja) 撮像装置における接眼レンズ系、ファインダ光学系、電子ビューファインダ、および撮像装置
JP5510634B2 (ja) 広角レンズ、及び、この広角レンズを有する光学機器
US8284501B2 (en) Optical imaging system, camera device, and hand-held data terminal device
US8537262B2 (en) Binocular viewing device
JP5472801B2 (ja) 回折光学系、光学機器及び観察光学系
JP5552000B2 (ja) ファインダー装置および撮像装置
US7391968B2 (en) Finder optical system for a single-lens reflex camera
JP2007033819A (ja) 撮像光学系、撮像レンズ装置及びデジタル機器
CN109283667A (zh) 光学成像***
TW202009587A (zh) 光學成像模組、成像系統及其製造方法
JP2008089997A (ja) 撮影光学系、撮影レンズユニットおよび撮影装置
TW202206877A (zh) 影像鏡片組、變焦取像裝置及電子裝置
JP2008020513A (ja) 単焦点撮像レンズ及びそれを備えた撮像装置
JP5308785B2 (ja) ズームレンズ及びそれを用いた電子撮像装置
JP2008070410A (ja) ズームレンズ
CN109814231A (zh) 成像光学***、投射型显示装置及摄像装置
JP4859178B2 (ja) 2群ズームレンズ及びそれを有する交換レンズ及びそれを有する電子撮像装置
JP5438461B2 (ja) 撮像装置における接眼レンズ系、ファインダ光学系、電子ビューファインダ、および撮像装置
CN112904529A (zh) 光学镜头、镜头模组及电子设备
JP2003287679A (ja) ズームレンズおよびカメラ装置
CN114859511A (zh) 光学镜头、摄像模组及电子设备
TWI768876B (zh) 攝像用光學鏡頭組、取像裝置及電子裝置
JP4081318B2 (ja) 撮像装置
US6804462B2 (en) Camera provided with eyepiece

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121023

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130930

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131224

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140117

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5462588

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees